JP3826991B2 - Storage or transportation method of polyvinyl alcohol polymer film for polarizing film - Google Patents

Storage or transportation method of polyvinyl alcohol polymer film for polarizing film Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定な延伸が可能で、幅広の偏光フィルムの製造原料として有用な偏光フィルム用のポリビニルアルコール系重合体フィルムの保管または輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光の透過および遮蔽機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。このLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時計などの小型機器から、近年では、ラップトップパソコン、ワープロ、液晶カラープロジェクター、車載用ナビゲーションシステム、液晶テレビ、パーソナルホンおよび屋内外の計測機器などの広範囲に広がり、液晶表示画面の大型化に伴い、従来品以上に幅広の偏光板が求められている。
【0003】
偏光板は、一般にポリビニルアルコール系重合体フィルム(以下、ポリビニルアルコール系重合体を「PVA」、ポリビニルアルコール系重合体フィルムを「PVAフィルム」と略記することがある)を一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、ホウ素化合物で固定処理を行った(染色と固定処理が同時の場合もある)偏光フィルムに、三酢酸セルロース(TAC)フィルムや酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルムなどの保護膜を貼り合わせた構成となっている。
【0004】
PVAフィルムの一軸延伸は、偏光性能向上の観点から自由幅一軸延伸を採用することが多い。しかし、自由幅一軸延伸は、延伸に伴いネックインと呼ばれる幅方向の収縮が起こりやすく、その場合、得られる偏光フィルムの幅が狭くなって、液晶表示画面の大型化に大きな障害となっていた。
【0005】
また、偏光フィルムは延伸方向とほぼ45°の方向を液晶表示画面の長辺または短辺として製品を採取するので、液晶表示画面の大型化に伴い、幅広の偏光フィルムを確保することは偏光フィルムの収率向上に非常に重要な項目となっている。このように幅広の偏光フィルムを得るためには、幅広のPVAフィルムが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PVAフィルムの幅広化で、PVAフィルムを巻き付けたフィルムロール重量が増加することによって、そのハンドリングの困難性が増すこととなり、そのため、フィルムロールの保管または輸送中にフィルムロール両端面に傷が付くことにより、延伸時にPVAフィルムが切断したり、また、長期保管中にフィルムロールが撓んで、PVAフィルムに皺が発生するなどの問題があった。
【0007】
本発明の目的は、安定な延伸が可能で、幅広の偏光フィルムの製造原料として有用な偏光フィルム用PVAフィルムの保管または輸送方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる偏光フィルム用PVAフィルムの保管または輸送方法は、材質が金属もしくはプラスチック、またはプラスチックコ−ティングした金属もしくは金属コーティングしたプラスチックからなり、外径が10cm以上、長さが2m以上でかつフィルム幅よりも2cm〜30cm長い筒状のコアに、フィルム厚さ40μm〜100μm、フィルム幅2m以上、フィルム長さ1300m以上のポリビニルアルコール系重合体フィルムを巻き付けてフィルムロールと成し、前記コア長さ範囲でフィルムロールの両端面からコアの両端面をそれぞれ突出させた状態で、該フィルムロールを透湿度が10g/m2 /日以下の包装用フィルムで二重巻きに包装して、保管または輸送を行うものである。
【0009】
この発明によれば、フィルムロールの保管または輸送中におけるフィルムロール端面の傷の発生やコアの撓みによるPVAフィルムの皺の発生を防止できるので、安定な延伸が可能で、幅広の偏光フィルムが得られる。
ここで、コアの外径とは、コアが円筒状の場合、その外周円の直径をいい、コアが角筒状の場合、その外接円の直径をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるPVAフィルムを構成するPVAは、例えば、ビニルエステルを重合して得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造される。また該PVAを不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オレフィンなどを15モル%未満の割合でグラフト共重合した変性PVAや、ビニルエステルと不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2〜30のα−オレフィンなどを15モル%未満の割合で共重合した変性ポリビニルエステルをけん化することにより製造される変性PVAや、未変性または変性PVAをホルマリン、ブチルアルデヒド、ベンツアルデヒドなどのアルデヒド類で水酸基の一部を架橋したいわゆるポリビニルアセタール樹脂などを挙げることができる。
【0011】
前記のビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが例示される。
【0012】
一方、変性PVAに使用されるコモノマーは、主としてPVAの変性を目的に共重合させるもので、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用される。このようなコモノマーとして、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸およびその塩またはそのエステル;イタコン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げることができる。これらのなかでもα−オレフィンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
【0013】
変性PVAの変性量は15モル%未満であるのが好ましい。
【0014】
PVAのけん化度は、偏光性能と耐久性の点から95モル%以上が好ましく、98モル%以上がより好ましく、99モル%以上がさらに好ましく、特に99.5モル%以上が最も好ましい。
【0015】
前記けん化度とは、けん化によりビニルアルコール単位に変換されうる単位の中で、実際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の割合を示したものである。なお、PVAのけん化度は、JIS記載の方法により測定を行った。
【0016】
PVAの重合度は、偏光性能と耐久性の点から500以上が好ましく、1500以上がより好ましく、2500以上が最も好ましい。PVA重合度の上限は8000以下が好ましく、6000以下がより好ましい。
【0017】
前記PVAの重合度とは、JIS K 6726に準じて測定される。すなわちPVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度から求められる。
【0018】
前記PVAフィルムを製造する方法としては、例えば、PVAを溶剤に溶解したPVA溶液を使用して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、PVAフィルムを得る方法)、およびこれらの組み合わせによる方法や、含水PVA(有機溶剤などを含んでいても良い)を溶融して行う溶融押出製膜法などを採用することができる。これらのなかでも流延製膜法および溶融押出製膜法が透明性の高いPVAフィルムが得られることから好ましい。
【0019】
PVAフィルムを製造する際に使用されるPVAを溶解する溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、グリセリン、水などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらのなかでも、ジメチルスルホキシド、水、またはグリセリンと水の混合溶媒が好適に使用される。
【0020】
PVAフィルムを製造する際に使用されるPVA溶液または含水PVAのPVA濃度は、10〜70重量%が好適であり、10〜60重量%がより好適であり、13〜55重量%がさらに好適であり、15〜50重量%が最も好適である。このPVA溶液または含水PVAには、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、二色性染料などを含有させてもよい。
【0021】
PVAフィルムを製造する際に、可塑剤として多価アルコールを添加することが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも延伸性向上効果からジグリセリンやエチレングリコールやグリセリンが好適に使用される。
【0022】
多価アルコールの添加量としてはPVA100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜25重量部がより好ましく、5〜20重量部が最も好ましい。1重量部より少ないと、染色性や延伸性が低下する場合があり、30重量部より多いと、PVAフィルムが柔軟になりすぎて取り扱い性が低下する場合がある。
【0023】
PVAフィルムを製造する際に、界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤の種類としては特に限定はないが、アニオン性またはノニオン性の界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、たとえば、ラウリン酸カリウムなどのカルボン酸型、オクチルサルフェートなどの硫酸エステル型、ドデシルベンゼンスルホネートなどのスルホン酸型のアニオン性界面活性剤が好適である。ノニオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレートなどのアルキルエステル型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテルなどのアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドなどのアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテルなどのポリプロピレングリコールエーテル型、オレイン酸ジエタノールアミドなどのアルカノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルなどのアリルフェニルエーテル型などのノニオン性界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤の1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0024】
界面活性剤の添加量としては、PVA100重量部に対して0.01〜1重量部が好ましく、0.02〜0.5重量部がより好ましく、0.05〜0.3重量部が最も好ましい。0.01重量部より少ないと、延伸性向上や染色性向上の効果が現れにくく、1重量部より多いと、PVAフィルム表面に溶出してブロッキングの原因になり、取り扱い性が低下する場合がある。
【0025】
本発明において、PVAフィルムを製膜する時に、二段またはそれ以上の多段ロールで乾燥することが好ましい。単一のロールや金属ベルトのみで乾燥した場合には、水中でのカールが激しくなり、均一な延伸を実施しにくい。
【0026】
二段またはそれ以上の多段ロールの各乾燥面は、スチーム、熱媒、温水、電気ヒーターなどで加熱されたものが使用可能である。また、温風や冷風などをPVAフィルムに吹き付けたり、PVAフィルム周囲の空気や蒸気などを吸引するなどの手段を、補助的に用いても良い。さらにまた、三番目以降の乾燥の場合は、ロール乾燥だけでなく、テンター方式やフリー方式などのフローティングドライヤーなどを用いることも可能である。
【0027】
本発明において、PVAフィルムはフィルム幅が2m以上であり、2.3m以上が好ましく、2.6m以上がより好ましく、3m以上がさらに好ましく、3.3m以上が最も好ましい。2mよりフィルム幅が狭いと、ネックインの影響がPVAフィルム中央部付近にまで及び、幅広で偏光性能が良好な偏光フィルムが得られない。また、PVAフィルムのフィルム幅が6mを超える場合には、一軸延伸で均一に延伸することが困難な場合があるので、フィルム幅は6m以下が好ましく、5m以下がより好ましい。
【0028】
PVAフィルムの厚さは40〜100μmであり、45〜90μmが好ましく、50〜80μmがさらに好ましい。PVAフィルムの厚さが40μm未満では延伸倍率を高くできず、得られる偏光フィルムの偏光性能が低くなる。一方、PVAフィルムの厚さが100μmを超えても偏光性能の向上は見られず経済的でないばかりでなく、延伸のための張力を大きくする必要がある。
【0029】
PVAフィルムの長さは、1000m以上であり、1300m以上が好ましく、2000m以上がより好ましく、2300m以上が最も好ましい。長さの上限は特にないが、取り扱い性より、好ましくは10000m以下である。長さが1000m未満では、得られる偏光フィルムに継ぎ目が多くなりロスが増加する。さらに、フィルムロールの巻出し部分と巻き芯部分は延伸条件が安定しないのでロスとなるが、このロス部分はフィルムの長さに関係せず一定なので、長さ収率も低下する。
【0030】
PVAフィルムを巻き付ける筒状のコアは、例えば円筒状のもので、外径が10cm以上であり、15cm以上が最も好ましい。コアの外径が10cm未満では、コアが撓んで、PVAフィルムが皺になりやすい。また、コアの外径の上限は特にないが、コアの大型化に従ってフィルムロール径も大きくなり、必要以上に大きな巻出し装置が必要となるので、30cm以下が好ましい。
【0031】
通常、PVAフィルムや他のプラスチックフィルムでは、コアの長さをフィルム幅と同一にするが、当該発明のPVAフィルムを巻き付けるコアの長さは、2m以上であり、PVAフィルム幅より長いことが重要である。コアの長さは、PVAフィルム幅よりも2cm〜30cm長いものである。コアの長さがPVAフィルム幅よりも2cm未満の場合には、保管または輸送途中でフィルムロールの端部に傷が付きやすく、延伸時に傷の部分からPVAフィルムが裂けるため、安定した延伸ができない。また、コアの長さがPVAフィルム幅よりも30cmを超えて長い場合は、コアの材質によってはフィルムロールが撓みやすくPVAフィルムに皺が入りやすい傾向があり、さらに必要以上に大きな巻出し装置が必要となる。コアの長さ方向の中央部にPVAフィルムを巻き付けることが理想であるが、装置の関係上、片側にずらして巻き付けても良い。ただし、コアの両端面が、フィルムロール両端面より外側にはみ出している必要がある。フィルムロール端面には、端面保護のために保護板などの治具を取り付けても良い。
【0032】
さらにまた、コアの材質は、金属またはプラスチックであることが重要である。金属としては、炭素鋼、高張力鋼、ステンレス鋼などの鉄及び鉄合金、アルミニウム、ジュラルミンなどのアルミニウムおよびアルミニウム合金、銅、黄銅、青銅などの銅および銅合金などが挙げられる。また、これらの金属コアに、軟質ポリ塩化ビニルや低密度ポリエチレンなどを積層したコアや、ニッケル、クロム、亜鉛、錫などをメッキしたコアなどが挙げられる。プラスチックとしては、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホンなどが挙げられる。また、硬質ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリ塩化ビニリデン等をコートしたフィルム、アルミニウム蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、ガラス蒸着フィルムなどのフィルムを各種コアの外表面に積層した(コート面や蒸着面がコア側でも反コア側でも良い)ものなどが挙げられる。フィルムと接触する部分のコアが木や紙や布の場合には、保管または輸送中にPVAフィルム中の水分や可塑剤などがコアに移行して、コアが撓み、PVAフィルムに皺が発生するし、巻き芯部に近くなるほどPVAフィルム中の水分や可塑剤の量が減少しているので、安定した延伸ができなくなる。
【0033】
また、コアの肉厚は、1.5mm〜20mmであり、2mm〜15mmが好ましく、3mm〜10mmが最も好ましい。コアの肉厚が、1.5mm未満では、コアの材質により強度不足でフィルムロールが撓み、PVAフィルムに皺が発生したり、コアが変形して長期の繰り返し使用に耐えない場合がある。一方、20mmを超えると、コアの材質によりコアの重量が大きくなって、ハンドリングの困難性が増大する場合がある。
【0034】
前記フィルムロールを透湿度が10g/m2 /日以下の包装用フィルムで包装することも重要である。透湿度は、JIS Z 0208に規定される方法で測定される。すなわち40℃で90%RHと0%RHの湿度差での値である。包装用フィルムの透湿度は、10g/m2 /日以下であり、8g/m2 /日以下が好ましく、5g/m2 /日以下がより好ましく、3g/m2 /日以下が最も好ましい。包装用フィルムの透湿度が、10g/m2 /日を超えると、保管中にPVAフィルム中の水分や可塑剤が揮散、または外気水分を吸収して、フィルムロールの表面部と巻き芯部で組成が変化するので、安定した延伸ができなくなる。
【0035】
前記包装用フィルムとしては、ポリエステルとアルミニウム箔とポリエチレンの積層フィルム、アルミニウム蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、アルミナ蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、ガラス蒸着ポリエステルとポリエチレンの積層フィルム、ポリ塩化ビニリデンコートポリプロピレンとポリエチレンの積層フィルム、ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルムなどを例示できる。また、これらのフィルムとワリフ・紙・不織布などとの積層品なども例示できる。さらにまた、これらのフィルムや積層品の外側を紙などで包装しても良いし、カートンボックスや木箱や金属ケースや架台などに収容しても良い。
【0036】
上記包装済みPVAフィルムロールを保管または輸送する場合は、極端な高温や低温条件または高湿度や低湿度条件を避けるのが好ましく、具体的には温度が5〜40℃、湿度が30〜90%RHであるのがより好ましく、温度が10〜30℃、湿度が40〜75%RHであるのがさらに好ましい。
【0037】
本発明のPVAフィルムから、偏光フィルムを製造するには、例えば、該PVAフィルムを染色、一軸延伸、固定処理、および乾燥処理、さらに必要に応じて熱処理を行えば良く、染色、一軸延伸、固定処理の操作順に特に制限はない。また、特定の操作を二回またはそれ以上行っても良い。
【0038】
染色は一軸延伸前、一軸延伸時、一軸延伸後のいずれでも可能である。染色に用いる染料としては、ヨウ素−ヨウ化カリウム;ダイレクトブラック 17、19、154;ダイレクトブラウン 44、106、195、210、223;ダイレクトレッド 2、23、28、31、37、39、79、81、240、242、247;ダイレクトブルー 1、15、22、78、90、98、151、168、202、236、249、270;ダイレクトバイオレット 9、12、51、98;ダイレクトグリーン 1、85;ダイレクトイエロー 8、12、44、86、87;ダイレクトオレンジ 26、39、106、107などの二色性染料などが、1種または2種以上の混合物で使用できる。通常染色は、PVAフィルムを上記染料を含有する溶液中に浸漬させることにより行うことが一般的であるが、PVAフィルムに混ぜて製膜するなど、その処理条件や処理方法は特に制限されるものではない。
【0039】
一軸延伸は湿式延伸法あるいは乾熱延伸法が使用でき、温水中(前記染料を含有する溶液中や後記固定処理浴中でもよい)または吸水後のPVAフィルムを用いて空気中で行うことができる。延伸温度は特に限定されないが、PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は30〜90℃が、また乾熱延伸する場合は50〜180℃が好適である。また一軸延伸の延伸倍率(多段の一軸延伸の場合には合計の延伸倍率)は、偏光性能の点から4倍以上が好ましく、4.5倍以上がより好ましく、5倍以上がさらに好ましい。延伸倍率の上限は特に制限はないが、8倍以下であると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸後のフィルムの厚さは、3〜75μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
【0040】
フィルムへの上記染料の吸着を強固にすることを目的に、固定処理を行うことが多い。固定処理に使用する処理浴には、通常、ホウ酸および/またはホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物を添加しても良い。
【0041】
前記PVAフィルムの乾燥処理(熱処理)は、30〜150℃で行うのが好ましく、50〜150℃で行うのがより好ましい。
【0042】
以上のようにして得られた本発明の偏光フィルムは、通常、その両面あるいは片面に、光学的に透明で、かつ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏光板として使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。また、貼り合わせのための接着剤としては、PVA系接着剤やウレタン系接着剤などを挙げることができるが、なかでもPVA系接着剤が好適である。
【0043】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例中の二色性比は以下の方法により評価した。
【0044】
二色性比:
得られた偏光フィルムの偏光性能を評価する指標として二色性比を使用した。この二色性比は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光源、2度視野にて測定・計算して得た透過率Ts(%)と偏光度P(%)を使用して下記の式から求めた。
二色性比=log(Ts/100−Ts/100×P/100)
/log(Ts/100+Ts/100×P/100)
【0045】
実施例1
けん化度99.9モル%、重合度1750のPVA100重量部と、グリセリン10重量部を含有する、PVA濃度が15重量%の水溶液を、流延製膜して、フィルム幅2.3m、フィルム厚さ75μmのPVAフィルムを長さ2200mとし、長さ2.35m、外径11.4cm、肉厚7mmの円筒状の硬質ポリ塩化ビニル製コアに巻き付けてフィルムロールとした。さらに、該フィルムロールを、包装用フィルムとして、3.3m幅の厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(透湿度、7g/m2 /日)で二重巻きにし、幅方向に余った部分をコアに押し込んで包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0046】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作成した。すなわち、PVAフィルムを30℃の水中に5分間浸して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸した。続いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.6倍に一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸して固定処理を行った。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。
【0047】
得られた偏光フィルムの厚さは22μmであり、延伸も順調であった。また、透過度は43.1%、偏光度は98.9%であり、二色性比は34.7であった。
【0048】
実施例2
けん化度99.9モル%、重合度4000のPVA100重量部と、グリセリン10重量部と、水110重量部を、押出機中で溶融混練後、押出製膜し、多段式の金属ロールで乾燥することにより、フィルム幅2.7m、フィルム厚さ75μmのPVAフィルムを長さ2600mとし、長さ2.72m、外径16.52cm、肉厚3.4mmの円筒状のステンレス製コアに巻き付けてフィルムロールとした。さらに、該フィルムロールを、包装用フィルムとして、3.8m幅の厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(透湿度、7g/m2 /日)で二重巻きにし、幅方向に余った部分をコアに押し込んで包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0049】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作成した。すなわち、PVAフィルムを30℃の水中に5分間浸して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸した。続いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.6倍に一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸して固定処理を行った。フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。
【0050】
得られた偏光フィルムの厚さは22μmであり、延伸も順調であった。また、透過度は43.0%、偏光度は99.7%であり、二色性比は43.7であった。
【0051】
実施例3
けん化度99.9モル%、重合度1750のPVA100重量部と、グリセリン10重量部を含有する、PVA濃度が15重量%の水溶液を、流延製膜して、フィルム幅2.0m、フィルム厚さ50μmのPVAフィルムを長さ1300mとし、長さ2.005m、外径11.4cm、肉厚7mmの円筒状の硬質ポリ塩化ビニル製コアに巻き付けてフィルムロールとした。さらに、該フィルムロールを、包装用フィルムとして、3m幅の厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(透湿度、7g/m2 /日)で二重巻きにし、幅方向に余った部分をコアに押し込んで包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0052】
該PVAフィルムを実施例1と同様に処理して偏光フィルムを作成した。延伸時に一回切断が発生した。得られた偏光フィルムの厚さは15μmであり、透過度は45.6%、偏光度は95.5%であり、二色性比は33.8であった。
【0053】
比較例1
実施例1において、コアの長さをPVAフイルムのフィルム幅と同一とした以外は、実施例1と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0054】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、実施例1と同様に処理を行ったが、延伸作業中にPVAフィルムの切断が多発して、安定して延伸ができなかった。
【0055】
比較例2
実施例1において、包装用フィルムを厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(透湿度、260g/m2 /日)とした以外は、実施例1と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0056】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、実施例1と同様に処理を行ったが、フィルムロールの表面部と巻き芯部で水分率が変化しており、安定した延伸ができなかった。
【0057】
比較例3
実施例1において、PVAフィルムの幅を1.5mに変更した以外は、実施例1と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0058】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、実施例1と同様に処理を行った。得られた偏光フィルムの厚さは23μmであった。また、偏光フィルムの中央部は、透過度は42.8%、偏光度は98.7%であり、二色性比は32.0であった。クロスニコル状態の偏光板の間に当該偏光フィルムを45°に挿入して透過光を目視観察すると、大きな光学斑が見られた。
【0059】
比較例4
実施例2において、コアを紙に変更した以外は、実施例2と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0060】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、実施例2と同様に処理を行った。フィルムロールの撓みのため、PVAフィルムに皺が入るとともに繰り出しが一定しなかった。しかも、フィルムロールの巻き芯部に近づくにつれ、可塑剤が紙に移行しており、膨潤量が変化していることも重なり、安定した延伸ができなかった。
【0061】
比較例5
実施例2において、コアを外径5cm、肉厚3mmの硬質ポリ塩化ビニル製コアに変更した以外は、実施例2と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0062】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、実施例2と同様に処理を行った。フィルムロールの撓みのため、PVAフィルムに皺が入るとともに繰り出しが一定せず、安定した延伸ができなかった。
【0063】
比較例6
比較例3において、コアの長さを1.45mに変更した以外は、比較例3と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0064】
該PVAフィルムを半年倉庫に保管後、実施例1と同様に処理を行ったが、延伸作業中にPVAフィルムの切断が多発して、安定して延伸ができなかった。
【0065】
比較例7
実施例3において、PVAフィルムの厚さを30μmに変更した以外は、実施例3と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0066】
該PVAフィルムを実施例3において、5.6倍の一軸延伸では切断が多発したため、3.3倍の一軸延伸に変更した以外は、実施例3と同様に処理して偏光フィルムを作成した。得られた偏光フィルムの厚さは15μmであり、透過度は44.6%、偏光度は92.7%であり、二色性比は22.6であった。
【0067】
比較例8
実施例1において、PVAフィルムの厚さを150μmに変更した以外は、実施例1と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0068】
該PVAフィルムを実施例1において、5.6倍の一軸延伸を行うには装置の張力不足であったため、4.8倍の一軸延伸に変更した以外は、実施例1と同様に処理して偏光フィルムを作成した。得られた偏光フィルムの厚さは45μmであり、透過度は41.7%、偏光度は99.4%であり、二色性比は32.5であり、偏光性能の向上効果はなかった。
【0069】
比較例9
実施例3において、PVAフィルムの長さを400mに変更した以外は、実施例3と同様に処理を行い、包装体とした。該包装体の端面をコンクリート壁に擦り付けた。
【0070】
該PVAフィルムを実施例3と同様に処理して偏光フィルムを作成した。得られた偏光フィルムの厚さは15μmであり、透過度は45.6%、偏光度は95.5%であり、二色性比は33.8で性能的には十分であったが、巻出し部と巻き芯部のロスが多く不経済であった。
【0071】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、安定な延伸が可能で、幅広の偏光フィルムの製造原料として有用な偏光フィルム用PVAフィルムが得られる。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for storing or transporting a polyvinyl alcohol polymer film for a polarizing film that can be stably stretched and is useful as a raw material for producing a wide polarizing film.
[0002]
[Prior art]
A polarizing plate having a light transmission and shielding function is a basic component of a liquid crystal display (LCD) together with a liquid crystal having a light switching function. This LCD can be applied to small devices such as calculators and wristwatches in the early days of development, and in recent years, laptop computers, word processors, liquid crystal color projectors, in-vehicle navigation systems, liquid crystal televisions, personal phones, and indoor and outdoor measuring devices. As the liquid crystal display screen becomes larger, a wider polarizing plate than the conventional product is required.
[0003]
The polarizing plate is generally dyed by uniaxially stretching a polyvinyl alcohol polymer film (hereinafter, the polyvinyl alcohol polymer may be abbreviated as “PVA” and the polyvinyl alcohol polymer film as “PVA film”). After the dyeing, the film was uniaxially stretched, and then fixed with a boron compound (the dyeing and fixing processes may be performed simultaneously), the cellulose triacetate (TAC) film, and the acetic acid / cellulose butyrate (CAB) film. It is the structure which bonded protective films, such as.
[0004]
The uniaxial stretching of the PVA film often employs free-width uniaxial stretching from the viewpoint of improving the polarization performance. However, free-width uniaxial stretching tends to cause shrinkage in the width direction called neck-in along with stretching, and in that case, the width of the obtained polarizing film becomes narrow, which has been a major obstacle to enlargement of the liquid crystal display screen. .
[0005]
In addition, since the polarizing film is collected with the direction of approximately 45 ° from the stretching direction as the long or short side of the liquid crystal display screen, it is necessary to secure a wide polarizing film as the liquid crystal display screen becomes larger. It has become a very important item for improving the yield. In order to obtain such a wide polarizing film, a wide PVA film is required.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, due to the widening of the PVA film, the weight of the film roll around which the PVA film is wound increases, so that the handling difficulty increases. Therefore, both ends of the film roll are damaged during storage or transportation of the film roll. By sticking, there was a problem that the PVA film was cut during stretching, or the film roll was bent during long-term storage, and wrinkles were generated in the PVA film.
[0007]
An object of the present invention is to provide a method for storing or transporting a PVA film for a polarizing film that can be stably stretched and is useful as a raw material for producing a wide polarizing film.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the method for storing or transporting a PVA film for polarizing film according to the present invention is made of metal or plastic, or plastic coated metal or metal-coated plastic, and has an outer diameter of 10 cm or more. A film is formed by winding a polyvinyl alcohol polymer film having a film thickness of 40 μm to 100 μm, a film width of 2 m or more, and a film length of 1300 m or more around a cylindrical core having a length of 2 m or more and 2 cm to 30 cm longer than the film width. The film roll is doubled with a packaging film having a moisture permeability of 10 g / m 2 / day or less, with both end faces of the core projecting from both end faces of the film roll within the core length range. Wrapped in a roll for storage or transportation.
[0009]
According to the present invention, it is possible to prevent the occurrence of scratches on the end face of the film roll during storage or transportation of the film roll, and the occurrence of wrinkles of the PVA film due to the bending of the core. Therefore, stable stretching is possible and a wide polarizing film is obtained. It is done.
Here, the outer diameter of the core means the diameter of the outer circumference circle when the core is cylindrical, and the diameter of the circumscribed circle when the core is a rectangular tube shape.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
PVA which comprises the PVA film used by this invention is manufactured by saponifying the polyvinyl ester obtained by superposing | polymerizing vinyl ester, for example. In addition, the PVA is grafted with an unsaturated carboxylic acid or a derivative thereof, an unsaturated sulfonic acid or a derivative thereof, an α-olefin having 2 to 30 carbon atoms or the like at a ratio of less than 15 mol%, or a vinyl ester and an unsaturated ester. Modified PVA produced by saponifying a modified polyvinyl ester obtained by copolymerizing saturated carboxylic acid or a derivative thereof, unsaturated sulfonic acid or a derivative thereof, an α-olefin having 2 to 30 carbon atoms or the like at a ratio of less than 15 mol%, Examples thereof include so-called polyvinyl acetal resins obtained by crosslinking a part of hydroxyl groups of unmodified or modified PVA with aldehydes such as formalin, butyraldehyde, and benzaldehyde.
[0011]
Examples of the vinyl ester include vinyl acetate, vinyl formate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl pivalate, vinyl versatate, vinyl laurate, vinyl stearate, vinyl benzoate and the like.
[0012]
On the other hand, the comonomer used in the modified PVA is copolymerized mainly for the purpose of modifying the PVA, and is used within a range not impairing the gist of the present invention. Examples of such comonomers include olefins such as ethylene, propylene, 1-butene, and isobutene; acrylic acid and salts thereof; methyl acrylate, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, i-propyl acrylate, and n-acrylate. -Acrylic esters such as butyl, i-butyl acrylate, t-butyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, dodecyl acrylate, octadecyl acrylate; methacrylic acid and salts thereof; methyl methacrylate, ethyl methacrylate Methacrylic acid such as n-propyl methacrylate, i-propyl methacrylate, n-butyl methacrylate, i-butyl methacrylate, t-butyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, dodecyl methacrylate, octadecyl methacrylate ester Acrylamides such as acrylamide, N-methyl acrylamide, N-ethyl acrylamide, N, N-dimethyl acrylamide, diacetone acrylamide, acrylamide propane sulfonic acid and salts thereof, acrylamide propyl dimethylamine and salts thereof, N-methylol acrylamide and derivatives thereof; Derivatives; Methacrylamide derivatives such as methacrylamide, N-methyl methacrylamide, N-ethyl methacrylamide, methacrylamide propane sulfonic acid and salts thereof, methacrylamide propyl dimethylamine and salts thereof, N-methylol methacrylamide and derivatives thereof; N -N-vinylamides such as vinylformamide, N-vinylacetamide, N-vinylpyrrolidone; methyl vinyl ether, Vinyl ethers such as ruvinyl ether, n-propyl vinyl ether, i-propyl vinyl ether, n-butyl vinyl ether, i-butyl vinyl ether, t-butyl vinyl ether, dodecyl vinyl ether, stearyl vinyl ether; nitriles such as acrylonitrile and methacrylonitrile; vinyl chloride , Vinyl halides such as vinylidene chloride, vinyl fluoride and vinylidene fluoride; allyl compounds such as allyl acetate and allyl chloride; maleic acid and salts thereof or esters thereof; itaconic acid and salts thereof or esters thereof; vinyltrimethoxysilane And vinyl silyl compounds such as isopropenyl acetate. Of these, α-olefins are preferable, and ethylene is particularly preferable.
[0013]
The modified amount of the modified PVA is preferably less than 15 mol%.
[0014]
The saponification degree of PVA is preferably 95 mol% or more, more preferably 98 mol% or more, further preferably 99 mol% or more, and most preferably 99.5 mol% or more from the viewpoint of polarization performance and durability.
[0015]
The saponification degree indicates the ratio of units that are actually saponified to vinyl alcohol units among units that can be converted to vinyl alcohol units by saponification. The saponification degree of PVA was measured by the method described in JIS.
[0016]
The polymerization degree of PVA is preferably 500 or more, more preferably 1500 or more, and most preferably 2500 or more from the viewpoint of polarization performance and durability. The upper limit of the degree of PVA polymerization is preferably 8000 or less, and more preferably 6000 or less.
[0017]
The degree of polymerization of PVA is measured according to JIS K 6726. That is, it is calculated | required from the intrinsic viscosity measured in 30 degreeC water after re-saponifying and refine | purifying PVA.
[0018]
As a method for producing the PVA film, for example, using a PVA solution in which PVA is dissolved in a solvent, a casting film forming method, a wet film forming method (discharging into a poor solvent), a dry and wet film forming method, Gel film forming method (a method of obtaining a PVA film by extracting and removing a solvent after cooling and gelling a PVA aqueous solution once), a method based on a combination thereof, and a hydrous PVA (which may contain an organic solvent, etc.) A melt extrusion film forming method performed by melting can be employed. Among these, the casting film forming method and the melt extrusion film forming method are preferable because a highly transparent PVA film can be obtained.
[0019]
Examples of the solvent for dissolving PVA used in producing the PVA film include dimethyl sulfoxide, dimethylformamide, dimethylacetamide, N-methylpyrrolidone, ethylene glycol, glycerin, propylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, and tetraethylene. Glycol, trimethylolpropane, ethylenediamine, diethylenetriamine, glycerin, water and the like can be mentioned, and one or more of these can be used. Among these, dimethyl sulfoxide, water, or a mixed solvent of glycerin and water is preferably used.
[0020]
The PVA concentration of the PVA solution or water-containing PVA used in producing the PVA film is preferably 10 to 70% by weight, more preferably 10 to 60% by weight, and further preferably 13 to 55% by weight. Yes, 15 to 50% by weight is most preferred. The PVA solution or the hydrous PVA may contain a plasticizer, a surfactant, a dichroic dye, or the like as necessary.
[0021]
When producing a PVA film, it is preferable to add a polyhydric alcohol as a plasticizer. Examples of the polyhydric alcohol include ethylene glycol, glycerin, propylene glycol, diethylene glycol, diglycerin, triethylene glycol, tetraethylene glycol, trimethylolpropane, etc., and one or more of these are used. can do. Among these, diglycerin, ethylene glycol, and glycerin are preferably used because of the effect of improving stretchability.
[0022]
The addition amount of the polyhydric alcohol is preferably 1 to 30 parts by weight, more preferably 3 to 25 parts by weight, and most preferably 5 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of PVA. If the amount is less than 1 part by weight, the dyeability and stretchability may be lowered. If the amount is more than 30 parts by weight, the PVA film may be too soft and the handleability may be lowered.
[0023]
When producing a PVA film, it is preferable to add a surfactant. The type of the surfactant is not particularly limited, but an anionic or nonionic surfactant is preferable. As the anionic surfactant, for example, a carboxylic acid type such as potassium laurate, a sulfate type such as octyl sulfate, and a sulfonic acid type anionic surfactant such as dodecylbenzenesulfonate are suitable. Nonionic surfactants include, for example, alkyl ether types such as polyoxyethylene oleyl ether, alkylphenyl ether types such as polyoxyethylene octylphenyl ether, alkyl ester types such as polyoxyethylene laurate, and polyoxyethylene laurylamino. Alkylamine type such as ether, alkylamide type such as polyoxyethylene lauric acid amide, polypropylene glycol ether type such as polyoxyethylene polyoxypropylene ether, alkanolamide type such as oleic acid diethanolamide, polyoxyalkylene allyl phenyl ether, etc. Nonionic surfactants such as allyl phenyl ether type are preferred. These surfactants can be used alone or in combination of two or more.
[0024]
The addition amount of the surfactant is preferably 0.01 to 1 part by weight, more preferably 0.02 to 0.5 part by weight, and most preferably 0.05 to 0.3 part by weight with respect to 100 parts by weight of PVA. . If the amount is less than 0.01 part by weight, the effect of improving stretchability and dyeing property is hardly exhibited, and if the amount is more than 1 part by weight, it may elute on the surface of the PVA film and cause blocking, and the handleability may be reduced. .
[0025]
In the present invention, when the PVA film is formed, it is preferably dried with two or more multistage rolls. When dried with only a single roll or metal belt, curling in water becomes intense and it is difficult to perform uniform stretching.
[0026]
As each drying surface of the multi-stage roll of two or more stages, one heated by steam, a heating medium, hot water, an electric heater or the like can be used. In addition, means such as blowing warm air or cold air on the PVA film or sucking air or steam around the PVA film may be used as an auxiliary. Furthermore, in the case of the third and subsequent drying, not only roll drying but also a floating dryer such as a tenter method or a free method can be used.
[0027]
In the present invention, the PVA film has a film width of 2 m or more, preferably 2.3 m or more, more preferably 2.6 m or more, further preferably 3 m or more, and most preferably 3.3 m or more. When the film width is narrower than 2 m, the influence of neck-in extends to the vicinity of the central portion of the PVA film, and a wide polarizing film with good polarization performance cannot be obtained. Moreover, when the film width of a PVA film exceeds 6 m, since it may be difficult to stretch uniformly by uniaxial stretching, the film width is preferably 6 m or less, and more preferably 5 m or less.
[0028]
The thickness of the PVA film is 40 to 100 μm, preferably 45 to 90 μm, and more preferably 50 to 80 μm. If the thickness of the PVA film is less than 40 μm, the draw ratio cannot be increased, and the polarizing performance of the obtained polarizing film is lowered. On the other hand, when the thickness of the PVA film exceeds 100 μm, the polarization performance is not improved and it is not economical, and it is necessary to increase the tension for stretching.
[0029]
The length of the PVA film is 1000 m or more, preferably 1300 m or more, more preferably 2000 m or more, and most preferably 2300 m or more. The upper limit of the length is not particularly limited, but is preferably 10,000 m or less from the viewpoint of handleability. If the length is less than 1000 m, the resulting polarizing film has many seams and the loss increases. Furthermore, although the unwinding part and the core part of the film roll are lost because the stretching conditions are not stable, the loss part is constant regardless of the length of the film, so the length yield is also reduced.
[0030]
The cylindrical core around which the PVA film is wound is, for example, cylindrical, and has an outer diameter of 10 cm or more, and most preferably 15 cm or more. When the outer diameter of the core is less than 10 cm, the core is bent and the PVA film tends to be wrinkled. Further, although there is no particular upper limit on the outer diameter of the core, the film roll diameter becomes larger as the core becomes larger, and an unwinding device larger than necessary is required.
[0031]
Usually, in the PVA film and other plastic films, the length of the core is the same as the film width, but the length of the core around which the PVA film of the present invention is wound is 2 m or more, and it is important that the length is longer than the PVA film width. It is. The length of the core is 2 to 30 cm longer than the PVA film width. When the length of the core is less than 2 cm than the width of the PVA film, the end of the film roll is easily damaged during storage or transportation, and the PVA film is torn from the scratched part during stretching, so stable stretching cannot be performed. . In addition, when the length of the core is longer than 30 cm longer than the width of the PVA film, depending on the material of the core, the film roll tends to bend easily and the PVA film tends to be wrinkled. Necessary. Ideally, the PVA film is wound around the central portion in the length direction of the core, but it may be shifted to one side and wound due to the device. However, both end surfaces of the core need to protrude outside the both end surfaces of the film roll. A jig such as a protective plate may be attached to the end face of the film roll for protecting the end face.
[0032]
Furthermore, it is important that the material of the core is metal or plastic. Examples of the metal include iron and iron alloys such as carbon steel, high-tensile steel, and stainless steel, aluminum and aluminum alloys such as aluminum and duralumin, copper and copper alloys such as copper, brass, and bronze. In addition, a core obtained by laminating soft polyvinyl chloride, low density polyethylene, or the like on these metal cores, or a core plated with nickel, chromium, zinc, tin, or the like can be given. Examples of the plastic include rigid polyvinyl chloride, polypropylene, high density polyethylene, ultrahigh molecular weight polyethylene, polycarbonate, polyester, and polysulfone. Also, films coated with hard polyvinyl chloride, soft polyvinyl chloride, polypropylene, low density polyethylene, high density polyethylene, ultra high molecular weight polyethylene, polycarbonate, polyester, polysulfone, polyvinylidene chloride, aluminum vapor deposition film, alumina vapor deposition film, Examples include a film such as a glass vapor deposition film laminated on the outer surface of various cores (the coated surface or vapor deposition surface may be on the core side or on the anti-core side). When the core in contact with the film is wood, paper or cloth, moisture or plasticizer in the PVA film moves to the core during storage or transportation, the core bends, and wrinkles occur in the PVA film. And since the quantity of the water | moisture content in a PVA film and a plasticizer is reducing, so that it becomes close to a core part, stable extending | stretching cannot be performed.
[0033]
The thickness of the core is 1.5 mm to 20 mm, preferably 2 mm to 15 mm, and most preferably 3 mm to 10 mm. If the thickness of the core is less than 1.5 mm, the film roll may bend due to insufficient strength depending on the material of the core, and the PVA film may be wrinkled, or the core may be deformed and cannot withstand repeated use over a long period of time. On the other hand, when the thickness exceeds 20 mm, the core weight increases depending on the material of the core, and handling difficulty may increase.
[0034]
It is also important to wrap the film roll with a packaging film having a moisture permeability of 10 g / m 2 / day or less. The moisture permeability is measured by a method defined in JIS Z 0208. That is, it is a value at a humidity difference of 90% RH and 0% RH at 40 ° C. Moisture permeability of the packaging film is not more than 10 g / m 2 / day, preferably 8 g / m 2 / day or less, more preferably less 5 g / m 2 / day or less, and most preferably 3 g / m 2 / day. When the moisture permeability of the packaging film exceeds 10 g / m 2 / day, the moisture and plasticizer in the PVA film volatilize or absorb outside air moisture during storage, and the film roll surface and winding cores Since the composition changes, stable stretching cannot be performed.
[0035]
As the packaging film, a laminated film of polyester, aluminum foil and polyethylene, a laminated film of aluminum-deposited polyester and polyethylene, a laminated film of alumina-deposited polyester and polyethylene, a laminated film of glass-deposited polyester and polyethylene, a polyvinylidene chloride-coated polypropylene, Examples thereof include a polyethylene laminated film, a polypropylene film, a high-density polyethylene film, and a low-density polyethylene film. Moreover, the laminated product of these films, a burif, paper, a nonwoven fabric, etc. can be illustrated. Furthermore, the outside of these films and laminates may be packaged with paper or the like, or may be accommodated in a carton box, a wooden box, a metal case, a frame, or the like.
[0036]
When storing or transporting the packaged PVA film roll, it is preferable to avoid extreme high temperature or low temperature conditions or high humidity or low humidity conditions. Specifically, the temperature is 5 to 40 ° C. and the humidity is 30 to 90%. RH is more preferable, temperature is 10 to 30 ° C., and humidity is 40 to 75% RH.
[0037]
In order to produce a polarizing film from the PVA film of the present invention, for example, the PVA film may be dyed, uniaxially stretched, fixed, and dried, and further subjected to heat treatment as necessary. Dyeing, uniaxially stretched, fixed There are no particular restrictions on the order of processing operations. Further, a specific operation may be performed twice or more.
[0038]
Dyeing can be performed before uniaxial stretching, at the time of uniaxial stretching, or after uniaxial stretching. As dyes used for dyeing, iodine-potassium iodide; direct black 17, 19, 154; direct brown 44, 106, 195, 210, 223; direct red 2, 23, 28, 31, 37, 39, 79, 81 , 240, 242, 247; Direct Blue 1, 15, 22, 78, 90, 98, 151, 168, 202, 236, 249, 270; Direct Violet 9, 12, 51, 98; Direct Green 1, 85; Direct Dichroic dyes such as yellow 8, 12, 44, 86, 87; direct orange 26, 39, 106, 107 can be used in one kind or a mixture of two or more kinds. Ordinary dyeing is generally performed by immersing the PVA film in a solution containing the above-mentioned dye, but the processing conditions and processing method are particularly limited, such as mixing with the PVA film to form a film. is not.
[0039]
Uniaxial stretching can be performed by wet stretching or dry heat stretching, and can be performed in the air using warm water (in a solution containing the dye or in a fixing treatment bath described later) or a PVA film after water absorption. The stretching temperature is not particularly limited, but is preferably 30 to 90 ° C. when the PVA film is stretched (wet stretching) in warm water, and 50 to 180 ° C. when it is dry heat stretched. Further, the stretching ratio of uniaxial stretching (total stretching ratio in the case of multi-stage uniaxial stretching) is preferably 4 times or more, more preferably 4.5 times or more, and further preferably 5 times or more from the viewpoint of polarization performance. The upper limit of the stretching ratio is not particularly limited, but it is preferably 8 times or less because uniform stretching is easily obtained. The thickness of the film after stretching is preferably from 3 to 75 μm, more preferably from 5 to 50 μm.
[0040]
Fixing treatment is often performed for the purpose of strengthening the adsorption of the dye to the film. Usually, boric acid and / or boron compounds are added to the treatment bath used for the fixing treatment. Moreover, you may add an iodine compound in a processing bath as needed.
[0041]
The drying treatment (heat treatment) of the PVA film is preferably performed at 30 to 150 ° C, more preferably 50 to 150 ° C.
[0042]
The polarizing film of the present invention obtained as described above is usually used as a polarizing plate by attaching a protective film optically transparent and having mechanical strength on both sides or one side. As the protective film, a cellulose triacetate (TAC) film, an acetic acid / cellulose butyrate (CAB) film, an acrylic film, a polyester film, or the like is used. Examples of the adhesive for bonding include PVA adhesives and urethane adhesives. Among them, PVA adhesives are preferable.
[0043]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited thereto. In addition, the dichroic ratio in an Example was evaluated with the following method.
[0044]
Dichroic ratio:
The dichroic ratio was used as an index for evaluating the polarization performance of the obtained polarizing film. This dichroic ratio is a transmittance Ts obtained by measuring and calculating in a C light source and a two-degree field of view using a spectrophotometer in accordance with the Japan Electronic Machinery Manufacturers Association (EIAJ) LD-201-1983. (%) And polarization degree P (%) were used to obtain the following formula.
Dichroic ratio = log (Ts / 100-Ts / 100 × P / 100)
/ Log (Ts / 100 + Ts / 100 × P / 100)
[0045]
Example 1
An aqueous solution containing 100 parts by weight of PVA having a degree of saponification of 99.9 mol% and a degree of polymerization of 1750 and 10 parts by weight of glycerin and having a PVA concentration of 15% by weight was cast to form a film having a width of 2.3 m and a film thickness. A 75 μm thick PVA film was 2200 m long, wound around a cylindrical rigid polyvinyl chloride core having a length of 2.35 m, an outer diameter of 11.4 cm, and a wall thickness of 7 mm to form a film roll. Further, the film roll is double-wrapped with a biaxially stretched polypropylene film (moisture permeability, 7 g / m 2 / day) having a thickness of 3.3 m and a thickness of 20 μm as a packaging film, and the remaining portion in the width direction is formed. The package was pushed into the core. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0046]
After the PVA film was stored in a warehouse for six months, a polarizing film was prepared by processing in the order of pre-swelling, dyeing, uniaxial stretching, fixing treatment, drying, and heat treatment. That is, the PVA film was pre-swelled by immersing it in water at 30 ° C. for 5 minutes, and immersed in an aqueous solution at 35 ° C. having an iodine concentration of 0.4 g / liter and a potassium iodide concentration of 40 g / liter for 3 minutes. Subsequently, uniaxial stretching was performed 5.6 times in a 40 ° C. aqueous solution with a boric acid concentration of 4%, and a potassium iodide concentration of 40 g / liter, a boric acid concentration of 40 g / liter, and a zinc chloride concentration of 10 g / liter at 30 ° C. Fixing was performed by immersing in an aqueous solution for 5 minutes. The film was taken out, dried with hot air at 40 ° C. under a constant length, and further heat-treated at 100 ° C. for 5 minutes.
[0047]
The thickness of the obtained polarizing film was 22 μm, and stretching was also smooth. Further, the transmittance was 43.1%, the polarization degree was 98.9%, and the dichroic ratio was 34.7.
[0048]
Example 2
100 parts by weight of PVA having a saponification degree of 99.9 mol% and a polymerization degree of 4000, 10 parts by weight of glycerin and 110 parts by weight of water are melt-kneaded in an extruder, formed into an extrusion film, and dried with a multistage metal roll. As a result, a PVA film having a film width of 2.7 m and a film thickness of 75 μm is made 2600 m in length, wound around a cylindrical stainless steel core having a length of 2.72 m, an outer diameter of 16.52 cm, and a wall thickness of 3.4 mm. It was a roll. Further, the film roll is double-wrapped with a biaxially stretched polypropylene film (moisture permeability, 7 g / m 2 / day) of 3.8 m wide and 20 μm thick as a packaging film, and the remaining part in the width direction is The package was pushed into the core. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0049]
After the PVA film was stored in a warehouse for six months, a polarizing film was prepared by processing in the order of pre-swelling, dyeing, uniaxial stretching, fixing treatment, drying, and heat treatment. That is, the PVA film was pre-swelled by immersing it in water at 30 ° C. for 5 minutes, and immersed in an aqueous solution at 35 ° C. having an iodine concentration of 0.4 g / liter and a potassium iodide concentration of 40 g / liter for 3 minutes. Subsequently, uniaxial stretching was performed 5.6 times in a 40 ° C. aqueous solution with a boric acid concentration of 4%, and a potassium iodide concentration of 40 g / liter, a boric acid concentration of 40 g / liter, and a zinc chloride concentration of 10 g / liter at 30 ° C. Fixing was performed by immersing in an aqueous solution for 5 minutes. The film was taken out, dried with hot air at 40 ° C. under a constant length, and further heat-treated at 100 ° C. for 5 minutes.
[0050]
The thickness of the obtained polarizing film was 22 μm, and stretching was also smooth. Further, the transmittance was 43.0%, the polarization degree was 99.7%, and the dichroic ratio was 43.7.
[0051]
Example 3
An aqueous solution containing 100 parts by weight of PVA having a degree of saponification of 99.9 mol% and a degree of polymerization of 1750 and 10 parts by weight of glycerin and having a PVA concentration of 15% by weight was cast to form a film having a width of 2.0 m and a film thickness. A PVA film having a thickness of 50 μm was made 1300 m long, wound around a cylindrical rigid polyvinyl chloride core having a length of 2.005 m, an outer diameter of 11.4 cm, and a thickness of 7 mm to form a film roll. Further, the film roll is double wrapped with a biaxially stretched polypropylene film (moisture permeability, 7 g / m 2 / day) having a thickness of 3 m and a thickness of 20 μm as a packaging film, and the remaining portion in the width direction is used as a core. A package was formed by pressing. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0052]
The PVA film was treated in the same manner as in Example 1 to prepare a polarizing film. A single cut occurred during stretching. The thickness of the obtained polarizing film was 15 μm, the transmittance was 45.6%, the polarization degree was 95.5%, and the dichroic ratio was 33.8.
[0053]
Comparative Example 1
In Example 1, except that the length of the core was the same as the film width of the PVA film, processing was performed in the same manner as in Example 1 to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0054]
After the PVA film was stored in a warehouse for six months, it was treated in the same manner as in Example 1. However, the PVA film was frequently cut during the stretching operation and could not be stably stretched.
[0055]
Comparative Example 2
In Example 1, except that the packaging film was a biaxially stretched nylon film having a thickness of 15 μm (moisture permeability, 260 g / m 2 / day), a treatment was performed in the same manner as in Example 1 to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0056]
After storing the PVA film in a warehouse for six months, the treatment was performed in the same manner as in Example 1. However, the moisture content changed between the surface portion and the core portion of the film roll, and stable stretching could not be performed.
[0057]
Comparative Example 3
In Example 1, except having changed the width | variety of the PVA film into 1.5 m, it processed similarly to Example 1 and was set as the package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0058]
After storing the PVA film in a half-year warehouse, the same processing as in Example 1 was performed. The thickness of the obtained polarizing film was 23 μm. The central part of the polarizing film had a transmittance of 42.8%, a polarization degree of 98.7%, and a dichroic ratio of 32.0. When the polarizing film was inserted at 45 ° between polarizing plates in a crossed Nicol state and the transmitted light was visually observed, large optical spots were observed.
[0059]
Comparative Example 4
In Example 2, except that the core was changed to paper, processing was performed in the same manner as in Example 2 to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0060]
The PVA film was stored in a half-year warehouse and then processed in the same manner as in Example 2. Due to the bending of the film roll, wrinkles entered the PVA film and the feeding was not constant. In addition, as the film roll approaches the winding core, the plasticizer has moved to the paper, and the amount of swelling has also overlapped, and stable stretching has not been possible.
[0061]
Comparative Example 5
In Example 2, except that the core was changed to a hard polyvinyl chloride core having an outer diameter of 5 cm and a wall thickness of 3 mm, the same treatment as in Example 2 was performed to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0062]
The PVA film was stored in a half-year warehouse and then processed in the same manner as in Example 2. Due to the bending of the film roll, wrinkles entered the PVA film and the feeding was not constant, and stable stretching could not be performed.
[0063]
Comparative Example 6
In Comparative Example 3, except that the length of the core was changed to 1.45 m, the same process as in Comparative Example 3 was performed to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0064]
After the PVA film was stored in a warehouse for six months, it was treated in the same manner as in Example 1. However, the PVA film was frequently cut during the stretching operation and could not be stably stretched.
[0065]
Comparative Example 7
In Example 3, except that the thickness of the PVA film was changed to 30 μm, the same treatment as in Example 3 was performed to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0066]
The PVA film was processed in the same manner as in Example 3 except that cutting was frequently caused in the uniaxial stretching of 5.6 times in Example 3, so that a polarizing film was prepared in the same manner as in Example 3. The thickness of the obtained polarizing film was 15 μm, the transmittance was 44.6%, the polarization degree was 92.7%, and the dichroic ratio was 22.6.
[0067]
Comparative Example 8
In Example 1, except that the thickness of the PVA film was changed to 150 μm, the same treatment as in Example 1 was performed to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0068]
The PVA film was treated in the same manner as in Example 1 except that the tension of the apparatus was insufficient to perform uniaxial stretching of 5.6 times in Example 1, except that the uniaxial stretching was changed to 4.8 times. A polarizing film was prepared. The thickness of the obtained polarizing film was 45 μm, the transmittance was 41.7%, the polarization degree was 99.4%, the dichroic ratio was 32.5, and there was no effect of improving the polarization performance. .
[0069]
Comparative Example 9
In Example 3, except that the length of the PVA film was changed to 400 m, the same treatment as in Example 3 was performed to obtain a package. The end surface of the package was rubbed against a concrete wall.
[0070]
The PVA film was processed in the same manner as in Example 3 to prepare a polarizing film. The thickness of the obtained polarizing film was 15 μm, the transmittance was 45.6%, the polarization degree was 95.5%, and the dichroic ratio was 33.8. The loss of the unwinding part and the winding core part was uneconomical.
[0071]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a PVA film for polarizing film that can be stably stretched and is useful as a raw material for producing a wide polarizing film can be obtained.

Claims (2)

材質が金属もしくはプラスチック、またはプラスチックコ−ティングした金属もしくは金属コーティングしたプラスチックからなり、外径が10cm以上、長さが2m以上でかつフィルム幅よりも2cm〜30cm長い筒状のコアに、フィルム厚さ40μm〜100μm、フィルム幅2m以上、フィルム長さ1300m以上のポリビニルアルコール系重合体フィルムを巻き付けてフィルムロールと成し、前記コア長さ範囲でフィルムロールの両端面からコアの両端面をそれぞれ突出させた状態で、該フィルムロールを透湿度が10g/m2 /日以下の包装用フィルムで二重巻きに包装して、保管または輸送を行う偏光フィルム用ポリビニルアルコール系重合体フィルムの保管または輸送方法。The material is made of metal or plastic, or plastic coated metal or metal-coated plastic. The outer diameter is 10 cm or more, the length is 2 m or more, and the length of the film is 2 cm to 30 cm longer than the film width. A polyvinyl alcohol polymer film having a thickness of 40 μm to 100 μm, a film width of 2 m or more, and a film length of 1300 m or more is wound to form a film roll, and both end faces of the core protrude from both end faces of the film roll within the core length range, respectively. In this state, the film roll is wrapped in a double roll with a packaging film having a moisture permeability of 10 g / m 2 / day or less, and stored or transported for a polyvinyl alcohol polymer film for polarizing film that is stored or transported. Method. 請求項1において、前記コアの肉厚が1.5mm〜20mmである偏光フィルム用ポリビニルアルコール系重合体フィルムの保管または輸送方法。  The method for storing or transporting a polyvinyl alcohol polymer film for a polarizing film according to claim 1, wherein the core has a thickness of 1.5 mm to 20 mm.
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