JP3825003B2 - 掛算学習システム及び暗記事項学習システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は掛算や暗記事項を高速に取得できる学習システム及びそのシステムに使用する学習用記憶媒体に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、学習者が心身ともリラックスした状態で音楽(BGM)とともに学習内容を音声により流して学習を高速化する方法が提案されている。例えば、そのような加速学習の一例として1979年にシーラ・オストランダーとリン・シュレーダーによって提案された「スーパー・ラーニング」が公知である。
【0003】
このような加速学習法を実現する装置として、視覚と聴覚の同調した情報が収録されたビデオテープをビデオ装置で再生するものが提案(特許文献1、特許文献2参照)されており、特に語学学習において効果があることが報告されている。このような加速学習法は潜在意識が関係する記憶能力を利用するものである。
【0004】
一方、加速学習装置を使用しなくても、反復練習による慣れを伴った暗記法、イメージ処理を利用した学習法が慣用的に行われてきた。例えば、日本における「九九」は(1〜9)×(1〜9)の掛算を暗算で行う覚え方であり、このような「九九」を小学生のときに取得することにより、数学に対する基礎的素養を向上できることが知られている。
【0005】
また、そろばんを利用した暗算は右脳のイメージ処理能力を利用したものである。
上記反復練習による慣れ、右脳のイメージ処理、及び潜在意識による記憶を利用して学習能力を向上しようとする試みが盛んに研究されている。
【特許文献1】
特開昭59−157681号「超高速学習装置」
【特許文献2】
特開昭59−157680号「超高速学習用音声テープ作成装置」
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術であれば下記のような課題がある。
(A)現在は「九九」を取得するために「九九」の書かれた本を見て、暗唱することを何度も繰り返し、その暗唱がまちがっていないかを先生がチェックするという努力を強要する方法で授業が行われている。このような強制的に「九九」を記憶させようとする授業は、子供にとって面白くないばかりか、無味乾燥で苦痛であり、覚えなくてはならないという精神的なプレッシャーによって算数そのものが嫌いになる子供も多い。
【0007】
一般に算数が好きな子供は成長するにつれて数学、物理、化学などの理科系科目も自然と好きになり、論理的思考能力にも優れることが報告されている。低学年のときに掛算などの計算能力を短期に確実に取得するためには、「九九」をできるかぎり楽しくかつ短期間のうちに自然と取得する方法が推奨されるが、そのような方法、装置はないのが現状である。
【0008】
(B)前記加速学習法は反復練習による方法に比べて学習の取得が速い利点があるが、音楽テープ、コンパクトディスク(CD)などを聞き終わるまでに長時間を必要とし、加速学習を行う時間を確保することが難しい。特に、児童期においては、学ぶべき内容が多く、加速学習による視聴時間を多く取ることができないという事情もあり、加速学習の効果が多数報告さている割には、実際の教育においてはそれほど普及していない。
【0009】
(C)近年、右脳開発、潜在能力開発が話題となっており、学習者がリラックスして集中して働いているときに脳の前頭葉からアルファ波が出ることを利用して、そのようなアルファ波を出している状態を音などにより学習者に知らせることにより、学習を高速化する装置も提案されている。しかし、このような装置に限らず、右脳開発、潜在能力開発に使用する装置、システムは一般に高価であり、簡便かつ低価格で実現でき、脳の潜在意識を含めた統合的開発を可能にする学習システムは開発されていないのが現状である。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、掛算学習システム、暗記事項学習システム、及びそれらのシステムに使用する学習用記憶媒体を提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)楽しく歌を歌うような遊び感覚で自然と「九九」又は「九九以上の掛算」を暗記、取得できる掛算学習システムを提供する。
(b)暗算能力を含む算数、数学の計算能力を大幅に高めることができる新しい掛算学習システム、その学習用記憶媒体を安価に提供する。
(c)学習者が、過剰な努力を必要とせず、暗記事項を高速にかつ深く習得できる暗記事項学習システムを安価に提供する。
【0011】
(d)右脳を開発するとともに潜在意識を利用した新しい学習システム、その学習用記憶媒体を安価に提供する。
(e)通常の学習に見られるような左脳的な理解に重点を置く学習ではなく、幼児から大人まで潜在意識レベルにおいてその学習機能を発達させ、多方面にわたる能力開発を可能にする新しい学習システム、その学習用記憶媒体を提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題及びその解決手段は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、例えば、次のように構成したものである。
第1発明の掛算学習システムは、(1〜n)×(1〜n)[nは9以上89以下の自然数]の掛算音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも優位的に聞こえるような第1の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記掛算音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも付随的に聞こえるような第2の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記第1の8倍速音声、前記第2の8倍速音声の2つの音声を音声再生手段によって再生する過程とを有したことを特徴とする。
【0013】
第2発明は、第1発明において、前記テンポ116の音楽を4拍子の音楽としたことを特徴とする。
第3発明の暗記事項学習システムは、暗記事項音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも優位的に聞こえるような第1の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記暗記事項音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも付随的に聞こえるような第2の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記第1の8倍速音声、前記第2の8倍速音声の2つの音声を音声再生手段によって再生する過程とを有したことを特徴とする。
【0014】
第4発明の暗記事項学習システムは、第3発明において、前記テンポ116の音楽を4拍子の音楽としたことを特徴とする。
【0021】
以下、上記第1発明〜第4発明の各構成について説明する。
テンポ116とは1分間に116回カウントするテンポである。
前記掛算音声を、所謂「九九」、即ち、(1〜9)×(1〜9)の掛算(1×1=1,……,1×9=9、2×1=2,2×2=4,……,2×9=18、………、9×1=9,9×2=18,………,9×9=81)の読み上げ音声のみを含むように構成することもできる。
この構成であれば、通常、日本において算数の学習で覚える「九九」を短期間のうちに効率よく覚えることが可能になる。
【0022】
また、前記掛算音声を、(10〜n)×(10〜n)[nは89以下の自然数]の掛算(10×1=10,10×2=20,……,10×n=10n、11×1=22,12×2=24,……,12×n=12n、………、n×1=n,n×2=2n,………,n×n=n2)の読み上げ音声を少なくとも含むように構成することもできる。
この構成であれば、「九九」を超える自然数の掛算を「九九」のように覚えることが可能になり、算数、数学の能力を大幅に向上することができる。
【0023】
前記自然数nをフィボナッチ級数の中から選んだ数字とすることも可能である。フィボナッチ級数は、各数字の前2つの数字を足したものがその数字になる級数であり、例えば、1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,……というように変化する。ここで、9以上の自然数として、例えば、13、21、34、55、89、……を選ぶことも可能である。このような黄金比率の数字の掛算を記憶することにより、自然と調和した掛算パターン処理ができると考えることもできる。なお、n=34とすれば、子供に過度な負担をかけずに十分な暗算能力を得ることができ、実用的である。
【0024】
上記第1発明〜第2発明のいずれか一つに記載の発明において、乗算記号(×)をそのまま読んだ音よりも短音の言葉に変えることが好ましい。例えば、そのような短音の言葉として一音の言葉、例えば「の」が例示できる。
このように乗算記号(×)を短音の言葉で代用することで、乗算式の数字が大きくなった場合であっても、テンポ良く、リズムを壊すことなく乗算式を読み上げることができ、掛算を学習者が記憶しやすくなる。
【0026】
上記第1発明〜第4発明において、前記8倍速音声の再生時間に一致させて、学習者をリラックスさせる画像を表示する画像表示手段を備えることもできる。この構成であれば、学習者の右脳および潜在意識の深いレベルで把握できる8倍速音声をリラックスした状態で聞くことができる。
【0027】
第3発明〜第4発明において、前記「暗記事項」としては、覚えることが必要な事項であることほど利用価値が高いと考えられる。例えば、前記九九のような掛算、割算のような各種計算、化学元素表などの自然科学的学習内容や、都道府県とその県庁所在地、国とその首都、歴史的事項とその年月日などの社会的学習内容や、必須英単語とその意味、必要最小限の英会話とその意味などの言語的学習内容等が例示できる。
【0028】
以下、主に各発明の効果などについて説明する。
第1発明であれば、8倍速音声が優位的に聞こえ、音楽が付随的に聞こえるモードでは、学習者の顕在意識では8倍速音声によって聴覚が刺激されることにより潜在意識を用いた記憶活動が行われる。一方、8倍速音声が付随的に聞こえ、音楽が優位的に聞こえるモードでは、学習者の顕在意識では音楽を聞くというリラックスした状態で、もう一つ別の脳とも言うべき偉大な潜在意識の記憶活動が活発化される。このように8倍速音声とともに演奏される音楽の大きさの比率を変えた少なくとも2つの音声を聞かせることにより、潜在意識の深い部分に働きかけ、パターン処理的な全く新しい掛算学習脳を開発することができる。このパターン処理的な掛算学習脳の開発は、特に幼児、児童などの子供において顕著である。
【0029】
第2発明であれば、前記テンポ116の音楽を採用した場合のように潜在能力を引き出す効果は劣るが、学習者をリラックスさせ、記憶効果が高い学習システムとすることができる。
第3発明であれば、前記第1発明と同様に、8倍速音声とともに演奏される音楽の大きさを変えた少なくとも2つの音声を聞かせることにより、潜在意識の深い部分に働きかけ、パターン処理的な新しい暗記事項に関する学習脳を開発することができる。
第4発明であれば、前記テンポ116の音楽を採用した場合のように潜在能力を引き出す効果は劣るが、学習者をリラックスさせ、記憶効果が高い学習システムとすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る掛算学習システムの概略構成図である。
図1に示すように、この学習システムは、前記記憶手段の一例としての記憶媒体1と、前記音声再生手段の一例としての再生機能部2とを備えている。記憶媒体1は複数倍速音声と音楽(BGM)を記憶しており、再生機能部2は記憶媒体1の記録内容を再生する機能がある。
【0037】
上記記憶媒体1としては、カセットテープ、コンパクトディスク(CD)、MDディスク、デジタルビデオディスク(DVD)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、コンピュータ装置などに内蔵される記録メモリ、外部接続される記憶媒体(例えば、外付けハードディスク装置)等の音声とBGMを記録できる記憶媒体が例示できる。なお、掛算音声とBGMを記録できれば、掛算音声とBGMがどのようなデータ形式で記憶されていてもよい。
【0038】
掛算音声データ、BGMデータを記憶媒体に記録する態様としては、予め、記憶媒体にROMの形で記憶する形態の他、インターネットなどのネットワークから掛算音声データ、BGMデータをダウンロードして携帯型やデスクトップ型のコンピュータ装置の記憶媒体に記憶する形態などが例示できる。
【0039】
再生機能部2としては、CD再生装置、デジタルビデオディスク再生装置などの各種の音声再生装置や、各種コンピュータ装置などが例示できる。
この第1実施形態では、掛算音声とBGMを同時再生できるものであれば、その再生方法、付随する機能などは特に問題にならない。
即ち、再生機能部2は音楽に乗った音声を再生できるのみならず、CRT、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの画像表示装置を備え、画像、映像を表示できるものであってもよい。さらに、再生機能部2は、画像表示装置、音声出力装置などの外部出力装置を備えたコンピュータ装置上で機能する音声再生プログラム、画像再生プログラムで構成されてもよい。そのような音声を再生できるプログラムとしては、例えば、windowメディアプレイヤー、MPEG再生プログラムなどがある。
【0040】
通常は、掛算音声とBGMとが一緒に録音された記憶媒体が一般的であるが、掛算音声とBGMとを別々の記憶媒体1に記憶しておき、再生機能部2で音声とBGMとがずれないように同期を取りながら再生するように構成してもよい。この場合であるとBGMを学習者の嗜好に合わせて選択することができる利点がある。
また、再生機能部2の一例としての音声再生装置は、音声再生のみの機能を有する端末に限定されず、他の機能も備えるもの、例えば、電話機能を有する携帯電話、情報処理機能を備える携帯端末(PDA)などであってもよい。
【0041】
図2は記憶媒体としてコンパクトディスクを採用した実施形態においてトラックの記録形態の一例を示した図、図6は34×34の掛算の答えを一覧に示す図である。
図2に示すように、このコンパクトディスクの例えばトラック1には、テンポ116のBGMとともに、34×34の乗算式のうち、1〜3の段の乗算式とその答えの掛算音声を2倍速で記憶した2倍速音声と、掛算音声を4倍速で記憶した4倍速音声と、掛算音声を8倍速で記憶した8倍速音声とが記録された構成になっている。ここで、2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声(8A倍速)は、BGMに比べて良く聞こえる大きさで記憶してある。
【0042】
1〜3の段の乗算式とその答えである掛算音声の読み上げ言葉を記載すると、「いんいちが1、いんにが2、いんさんが3、……、いんくが9、いんのじゅう10、いんのじゅういち11、……、いんのさんじゅうし34。
(1の段終了)
にいちが2、ににんが4、にさん6……、にく18、にのじゅう20、にのじゅういち22、にのじゅうに24、にのじゅうさん26、……、にのさんじゅうよん68。(2の段終了)
さんいちが3、さんにが6、さざんが9、……、さんく27、さんのじゅう30、さんのじゅういち33、さんのじゅうに36、さんのじゅうさん39、……、さんのさんじゅうよん102。(3の段終了)」
となる。
【0043】
読み上げ言葉において、例えば、32×33=1056を読み上げる場合に、「[さんじゅうに]の[さんじゅうさん],[せんごじゅうろく]」と言うように、乗算記号×を「の」、等号記号=を一呼吸置いて朗読することにより、テンポ116のリズムを乱すことなく読み上げることができる。なお、変化を付けるために、=を示す「が」を入れることも可能である。
【0044】
また、通常速の掛算音声の初めなどに「掛算さっさ、どこでもさっさ、みんなで楽しく、さささっさ」というような導入言葉を設けることも可能である。このような導入言葉は、掛算が始まることを告げるとともに、所定の区切り毎にこの導入言葉を入れることにより、単調になることを防止し、楽しく学習できるようにする働きがある。
一段毎に2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声を記憶する形態よりも、3〜5程度の掛算の段をまとめて各倍速音声を記憶する方が聞きやすい利点がある。本実施例では、16〜19段は4段まとめて記憶してあり、他の段は3段まとめて記憶してある。
上記掛算音声の2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声を1〜34の段まで聞く(図2においてトラック1〜トラック11を再生する)ことにより、短時間で「九九」を超える34×34の掛算の暗算を学習することができる。
【0045】
図3は2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声をBGMに比べて良く聞こえる状態で再生した時に児童の前頭葉から検出される脳波データを示した図である。
図3において、横軸が2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声をそれぞれ2分間再生した時間を示し、縦軸が脳波強度(μV)を示し、実線5はアルファ波の10秒間の平均値の変化を示し、破線6はベータ波の10秒間の平均値の変化を示している。
【0046】
2倍速音声においては、児童は楽に聞き取れるのでアルファ波の平均値は大きく、ベータ波の平均値は小さくなっている。この状態はリラックスした集中が行われており、記憶に適した状態であると考えられる。しかし、4倍速音声になると、逆にアルファ波は小さく、ベータ波は大きくなっている。この状態は4倍速音声になると聞き取りにくいので一生懸命聞き取ろうと努力するためと考えられる。一方、8倍速音声になると非常に大きなアルファ波が発生しており、テンポ116のBGMの影響でリラックスして集中している状態が得られていると考えられる。
このように2倍速音声→4倍速音声→8倍速音声の順で再生することにより、右脳の開発と潜在意識による記憶を促進させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を説明する。
前記第1実施形態で説明した図2に示すCDのトラック12は1〜9の段の8倍速音声をBGMに比べて小さく聞こえるように記憶したトラック、トラック13は10〜34の段の8倍速音声をBGMに比べて小さく聞こえるように記憶したトラックである。このトラック12、トラック13に記憶された8倍速音声を図2では8B倍速として示している。
このトラック12、トラック13と、BGMに比べて良く聞こえる大きさで記憶してある8倍速音声(8A倍速)を記憶したトラック1〜トラック11とを同一の記憶媒体であるCDに録音してある。これは前記第4発明の一例を示すものである。
学習者は、掛算を意識することなく、このトラック12、トラック13の8倍速音声を単にBGMとして聞き「もう一つの脳が聞いている」と瞑想することにより、潜在意識による加速学習を行うことができる。
【0048】
(第3実施形態)
図4(A)(B)はそれぞれ本発明の第3実施形態を説明するための説明図であり、図4(A)は画像を示し、図4(B)は音声を示す。
図4に示すように、例えば16の段における「16×28=」という通常速度の掛算音声が再生されている時間だけ、「16×28=」の乗算式の画像11を表示し、その乗算式の答えに対応する通常速度の掛算音声が再生されている時間だけ、その答えの数字である「448」の画像12を表示するように構成してある。同様に1〜34までの全ての乗算式とその答えの画像を見せて学習者はその掛算音声と一緒に口ずさむことにより、その乗算式の問いに対して予め答えを予想し、そしてその答えが合っているか否かを瞬時に音声のみならず、画像でも確認することができる。
【0049】
(第4実施形態)
図5(A)(B)はそれぞれ本発明の第4実施形態を説明するための説明図であり、図5(A)は画像を示し、図5(B)は音声を示す。
また、この実施形態では、2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声の少なくとも一つが再生されている時間において、画像表示装置に自然の風景などのリラックスさせる画像を表示することにより右脳および潜在意識の活性化を図るものである。
【0050】
図5(B)においては、2倍速音声が再生されている時間に対応して風景画像1(動きのある映像を含む)を表示し、4倍速音声が再生されている時間に対応して風景画像2を表示し、8倍速音声が再生されている時間に対応して風景画像3を表示している実施例が示してあるが、2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声が再生されている時間すべて風景画像1のみを表示することもできる。また、表示される画像は学習者をリラックスさせる画像であれば、風景画像以外の画像であってもよい。
【0051】
(第5実施形態)
図6〜図8はそれぞれこの掛算学習システムに使用される学習教材の一例を示した図であり、図6は掛算(34×34)の答えの早見表、図7は掛算(34×34)の答えを抜いた空欄早見表、図8は前記2つの早見表に使用する早見表用スケールである。
図8に示す早見表用スケールは、早見表と同じ大きさの枠で形成された1〜n(図8においてはn=34)の数字を書いた数字列を有するスケールで、スケールを早見表に当てることにより、数字列の左右の少なくとも一方側にある早見表の答えを読めるように構成してある。
早見表、空欄早見表及び早見表用スケールはそれぞれ厚紙に印刷したもので構成することもできるし、早見表を基台に印刷し、その基台に対して早見表用スケールを製図用具のスライド定規のように移動できるように構成することもできる。
また、図8においては、縦方向に数字を印刷した早見表用スケールを例示したが、横方向に数字を印刷した早見表用スケールとしても良い。図8に示す早見表用スケールは早見表の左右方向に移動させ、横方向に数字を印刷した早見表用スケールは、早見表の上下方向に移動させることになる。
【0052】
掛算学習システムを学ぶときに、通常速の掛算音声又は2倍速音声を聞きながら早見表の各段の答えを早見表用スケールでスライドさせながら見ていくようにする。9×9の表であれば早見表用スケールを用いなくても各桁を間違いなく見ることができるが、34×34のように数が多くなった場合には、早見表用スケールがないと、答えの見間違いが起こりやすくなる。
【0053】
図7に示す空欄早見表は、通常速の掛算音声又は2倍速音声を聞きながら、早見表用スケールでスライドさせながら各段の答えを想記する場合に使用する。
図6の早見表と図7の空欄早見表を用いて繰り返し学習すると、ほとんどの子供が図7の空欄早見表に正しい答えが浮かび上がるように見えるくるようになる。これは子供の脳内に潜在意識レベルでの掛算パターン処理回路ができたことを意味する。
このような掛算パターン処理回路の形成は、前述の2種類の8倍速音声を繰り返し聞くことにより加速される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す掛算学習システムの概略構成図である。
【図2】図2は記憶媒体としてCDを採用した実施形態においてトラックの記録事項の一例を示した図である。
【図3】図3は2倍速音声、4倍速音声、8倍速音声をBGMに比べて良く聞こえる状態で再生した場合に、児童の前頭葉から検出される脳波データを示した図である。
【図4】図4(A)(B)はそれぞれ本発明の第3実施形態を説明するための説明図である。
【図5】図5(A)(B)はそれぞれ本発明の第4実施形態を説明するための説明図である。
【図6】図6は掛算(34×34)の答えの早見表である。
【図7】図7は掛算(34×34)の答えを抜いた空欄早見表である。
【図8】図8は前記2つの早見表に使用する早見表用スケールである。
【符号の説明】
1…記憶媒体、2…再生機能部。
Claims (4)
- (1〜n)×(1〜n)[nは9以上89以下の自然数]の掛算音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも優位的に聞こえるような第1の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記掛算音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも付随的に聞こえるような第2の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記第1の8倍速音声、前記第2の8倍速音声の2つの音声を音声再生手段によって再生する過程とを有したことを特徴とする、掛算学習システム。
- 請求項1に記載の掛算学習システムにおいて、前記テンポ116の音楽を4拍子の音楽とした、掛算学習システム。
- 暗記事項音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも優位的に聞こえるような第1の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記暗記事項音声を同時に演奏されるテンポ116の音楽よりも付随的に聞こえるような第2の8倍速音声を記憶手段に記憶する過程と、前記第1の8倍速音声、前記第2の8倍速音声の2つの音声を音声再生手段によって再生する過程とを有したことを特徴とする、暗記事項学習システム。
- 請求項3に記載の暗記事項学習システムにおいて、前記テンポ116の音楽を4拍子の音楽とした、暗記事項学習システム。
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