JP3824636B2 - アンドロステノン - Google Patents
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Description
発明の背景
アンドロゲンは男性および女性の両方における多数の生理学的機能の原因となる。アンドロゲン反応性細胞の中で発現された特定の細胞内ホルモンにより、アンドロゲンの作用は伝達される。主要な循環アンドロゲンであるテストステロンは、下垂体由来黄体化ホルモン(LH)の刺激の下で精巣のライディヒ細胞により分泌される。しかしながら、ある標的組織、例えば、前立腺および皮膚、において、アンドロゲンの作用のために、テストステロンの4,5二重結合のジヒドロテストステロン(DHT)への還元が要求される。標的組織におけるステロイド5α−レダクターゼは、スキームAに示すように、NADPH依存性の方法でDHTへのテストステロンの変換を触媒する。
これらの標的組織においてDHTが作用物質として作用する必要性は、痕跡前立腺を有しそして
または男性型禿頭症に悩まされていない、ステロイド5α−レダクターゼ欠乏個体の研究により強調された(参照、McGinley、J.et al.、The New England J.of Medicine、300、1233(1979))。従って、これらの標的組織におけるテストステロンのDHTへの変換の阻害は、種々のアンドロゲン反応性疾患、例えば、良性前立腺過形成、前立腺癌、
男性型禿頭症および多毛症、の治療において有用であることが予測される。
さらに、5α−レダクターゼの2つのアイソザイムがヒトにおいて存在し、それらは組織の分布、テストステロンに対する親和性、pHプロフィルおよびインヒビターに対する感受性が異なることが最近発見された(参照、Russel、D.W.et al.、Nature、354、159(1991))。Imperato−McGinleyが研究したステロイド5α−レダクターゼ欠乏個体は、2型、5α−レダクターゼ酵素を欠乏し(Russel、D.W.et al.、New England J.Med.327、1216(1992))、この2型は前立腺の中に存在する主要なアイソザイムであるが、1型アイソザイムは皮膚において支配的である。5α−レダクターゼの2つのアイソザイムのアイソザイム特異的および二重インヒビターの相対値は、治療する疾患のタイプ(良性前立腺過形成、前立腺癌、
男性型禿頭症または多毛症)ならびに疾患の段階(予防/治療)および意図する患者における予測される副作用(例えば、青春期に達した男性における
の治療)に依存するであろう。
テストステロン5α−レダクターゼインヒビター[以後、「5α−レダクターゼインヒビター」]は、価値ある治療の可能性を有するので、世界的な活発な研究の主題であった。例えば、参照:Hsia、S.およびVoight、W.、J.Invest.Derm.62、224(1973);Robaire、B.et al.、J.Steroid Biochem.8、307(1977);Petrow、V.et al.、Steroids、38、121(1981);Liang、T.et al.、J.Steroid Biochem.、19、385(1983);Holt、D.et al.、J.Med.Chem.、33、937(1990);米国特許第4,377,584号、米国特許第4,760,071号および米国特許第5,017,568号。2つの特に有望な5α−レダクターゼインヒビターは、MK−906(Merck)(一般名、フィナステライド[finasteride]で知られており、そして商標Proscarで市販されている)、およびSKF−105657(SmithKline Beecham)であり、スキームBに示されている。
ウシ副腎およびブタ顆粒層細胞の3β−ヒドロキシ−△5−ステロイドデヒドロゲナーゼ/3−ケト−△5−ステロイドイソメラーゼ(3BHSD)の、薬物フィナステライドではなく、4−アザステロイド誘導体4−MA(概要C)
による強い阻害(Tan、C.H.;Fong、C.Y.;Chan、W.K.、Biochem.Biophys.Res.Commun.、144、166(1987)およびBrandt、M.;Levy、M.A.、Biochemistry、28、140(1989))ならびにステロイド生合成(Potts、G.O.et al.、Sterids、32、257(1978))は、1および2型の5α−レダクターゼの最適なインヒビターが、また、ヒト副腎3BHSDに対して選択的であるべきであることを示唆する。5α−レダクターゼインヒビターにおける選択性の重要性は、ある種の4−アザステロイド、例えば、4−MA、における肝毒性の報告により強調された(McConnell、J.D.The Prostate Suppl.、3、49(1990)およびRasmusson、G.H.et al.、J.Med.Chem.、27、1969(1984))。
発明の概要
本発明の1つの面は、下記式(I)の化合物またはその薬学上許容される溶媒和物を提供する。
(式中、
炭素1および2は単結合または二重結合により結合されており、
R1は水素またはメチルであり、
R2は水素またはメチルであり、
R3は(A)
であり、式中、R4およびR5は独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ハロゲン、フェニル(1または2以上のハロゲンで置換されていてもよい)であるか、またはR4およびR5は隣接する炭素上に存在するとき、一緒になって、1または2以上の酸素または硫黄原子を含有していてもよい融合5、6または7員環を形成し、
WおよびZはメチレンであり、前記メチレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって飽和3〜12員環系を形成し、前記環系は、
1)1または2以上の低級アルキル基で独立して置換されていてもよく、
2)酸素または硫黄原子を含有していてもよく、
3)前記3〜12員の環の2つの前記メチレン基は(C1-6)アルキレン基と結合して2環式環系を形成してもよく、そして
Xは水素またはハロゲンであるか、または下記式(B):
であり、式中、R6はトリフルオロメチル、1または2以上のハロゲンもしくは分枝鎖状(C4-7)アルキル基で置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、R7またはR8のいずれかはトリフルオロメチル、ハロゲン、1または2以上のハロゲンもしくは分枝鎖状(C4-7)アルキル基で置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであるが、他方は水素またはハロゲンであり、そして
Xは水素またはハロゲンである)
本発明の他の面は、次の通りである:
1. テストステロン−5α−レダクターゼを式(I)の化合物と接触させることを含んでなるテストステロン−5α−レダクターゼを阻害する方法。
2. 治療が必要である患者に有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる、アンドロゲン反応性または媒介疾患を治療する方法。
3. 活性成分として式(I)の化合物を含有する医薬処方物。
4. 抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、と組み合わせて有効量の式(I)の化合物を治療が必要である患者に投与することを含んでなる、アンドロゲン反応性または媒介疾患を治療する方法。
5. アルファ1アドレナリン作動性レセプター遮断薬(例えば、テトラゾシン)と組み合わせて有効量の式(I)の化合物を治療が必要である患者に投与することを含んでなる、良性前立腺過形成を治療する方法。
6. 抗エストロゲンと組み合わせて有効量の式(I)の化合物を治療が必要である患者に投与することを含んでなる、良性前立腺過形成を治療する方法。
7. 式(I)の化合物の製造において使用するある種の化学的中間体。
発明の詳細な説明
化合物
多数の有機化合物はそれらがその中で反応し、またはそれらがそれから沈澱または結晶化する溶媒と錯体を形成することができることを有機化学の当業者は理解するであろう。これらの錯体は「溶媒和物」として知られている。例えば、水との錯体は「水和物」として知られている。式(I)の化合物の溶媒和物は本発明の範囲内に入る。
また、多数の有機化合物は2以上の結晶形態で存在することができることを有機化学の当業者は理解するであろう。例えば、結晶の形態は溶媒和物毎に変化することができる。従って、式(I)の化合物またはその薬学上許容される溶媒和物のすべての結晶の形態は本発明の範囲内に入る。
本明細書おいて使用するとき、アルキルまたはアルコキシに関する用語「低級」は、1〜6個の炭素、特に1〜4個の炭素の直鎖もしくは分枝鎖を意味する。本明細書おいて使用するとき、用語「分枝鎖状(C4-7)アルキル」は、第四炭素を介して結合した3〜6個の炭素、例えば、t−ブチル、t−アミルなどを意味する。用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素の部分を意味する。
WおよびZにより形成される環系の例は、下記のものを包含するが、これらに限定されない:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシルなど;ノルボルニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、またはテトラヒドロチオピラニル。3〜8員環系は好ましい。
Wメチレン基の1つがZメチレン基の1つに(C1-6)アルキレン基により結合されるとき形成される2環式環系の例は、下記のものを包含するが、これらに限定されない:
R4およびR5により形成される融合5、6または7員環の例は、下記のものを包含するが、これらに限定されない:
置換基(A)の「第四炭素」、すなわち、−NH−、フェニル基、WおよびZが結合している炭素、は非対称であることができることを有機化学の当業者は理解するであろう。第四炭素の回りのこの非対称は1対の立体異性体を生ずる(参照、March、J.、Advanced Organic Chemistry、第3版、第4章、“Stereochemistry”,John Wiley & Sons、New York(1985))。さらに、WおよびZがアルキル基で置換されているか、またはアルキレン基で結合されているとき、また、他の対の立体異性体を生ずる他の不斉炭素を確立することができる。この明細書において教示する新規化合物のすべての立体異性体は本発明の範囲内に入る。
本明細書おいて使用するとき、第四炭素をWおよびZに接続する単結合を表す波線は、これらの2つの結合が第四炭素に関してαまたはβの関係を有することができることを示す。用語「α」は結合および対応する置換基がページの平面より下に伸びることを意味するが、用語「β」は結合および対応する置換基がページの平面より上に伸びることを意味し、そしてこの明細書において濃い楔形の結合により描写されている。これらの用語の使用は標準の化学用語と一致する。
式(I)の化合物の特定のグループにおいて、Xは水素である。他の特定の式(I)の化合物の特定のグループにおいて、R2は水素である。式(I)の化合物のなお他のグループにおいて、R6はトリフルオロメチル、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、そしてR7またはR8のいずれかはトリフルオロメチル、ハロゲン、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであるが、他方は水素またはハロゲンである。式(I)の化合物の他の特定のグループにおいて、炭素1および2は二重結合により結合されている。
式(I)の化合物の特定のグループは、式(IA)の化合物である。
(式中、
炭素1および2は単結合または二重結合により結合されており、
R1は水素またはメチルであり、
R4およびR5は独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ハロゲン、フェニル(1または2以上のハロゲンで置換されていてもよい)であるか、またはR4およびR5は隣接する炭素上に存在するとき、一緒になって、1または2以上の酸素または硫黄原子を含有していてもよい融合5、6または7員環を形成し、
WおよびZはメチレン基であり、前記メチレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって飽和3〜12員環系を形成し、前記環系は、
1)1または2以上の低級アルキル基で置換されていてもよく、
2)酸素または硫黄原子を含有していてもよく、
3)前記3〜12員の環の2つの前記メチレン基は(C1−C6)アルキレン基と結合して2環式環系を形成してもよく、そして
Xは水素またはハロゲンである)
式(IA)の化合物の特定の基において、R4およびR5は独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ハロゲン、フェニル(1または2以上のハロゲンで置換されていてもよい)であり、そしてXが水素である。
X、R4およびR5の少なくとも1つが水素以外である、式(IA)の化合物は好ましい。フェニル環のパラ(4−)位の置換基は特に好ましい。
式(IA)の化合物の特定のグループにおいて、R4およびR5の少なくとも一方は低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲンまたはフェニル、特に分枝鎖状アルキル、例えば、t−ブチル、トリフルオロメチル、またはハロゲン、である。
式(IA)の化合物の4つの他の特定のグループにおいて、
1)WおよびZはメチレン基であり、前記メチレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって炭素原子のみを含有する飽和3〜12員環系を形成し、そして1または2以上の低級アルキルで独立して置換されることができる;または
2)WおよびZはメチレン基であり、前記メチレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって酸素または硫黄原子を含有する飽和3〜12員環系を形成し、そして1または2以上の低級アルキルで独立して置換されることができる;または
3)WおよびZはメチレン基であり、前記メチレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって炭素原子のみを含有する飽和3〜12員環系を形成し、そして1または2以上の低級アルキルで独立して置換されることができ、そして2つの前記メチレン基は(C1-6)アルキレン基で結合されて2環式環系を形成する;または
4)WおよびZはメチレン基であり、前記メチレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって酸素または硫黄原子を含有する飽和3〜12員環系を形成し、そして1または2以上の低級アルキルで独立して置換されることができ、そして2つの前記メチレン基は(C1-6)アルキレン基と結合し、2環式関係を形成する。
式(I)の化合物の他の特定の基は、式(IB)の化合物である:
(式中、
炭素1および2は単結合または二重結合により結合されており、
R1は水素またはメチルであり、
R6はトリフルオロメチル、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、
R7またはR8のいずれかはトリフルオロメチル、ハロゲン、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであるが、他方は水素またはハロゲンであり、そして
Xは水素またはハロゲンである)
式(IB)の化合物において、R7またはR8が分枝鎖状(C4-7)アルキルでありかつXが水素であるとき、R6はトリフルオロメチルまたは1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニルである。
式(IB)の化合物の他の特定のグループにおいて、R6はトリフルオロメチルまたは分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、そしてR7またはR8のいずれかはトリフルオロメチル、ハロゲン、または1または2以上のハロゲンで置換されたフェニルであるが、他方は水素またはハロゲンである。
式(IB)の化合物の他の特定のグループにおいて、R6はトリフルオロメチルまたは分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、R7またはR8のいずれかはトリフルオロメチルであるが、他方は水素であり、そしてXは水素である。
式(IB)の化合物の他の特定のグループにおいて、R6およびR8は独立してトリフルオロメチルまたはt−ブチルであるが、R7およびXは水素である。
式(I)の化合物の特定の化合物は、次の通りである:
化合物/実施例番号 化合物名
1. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
2. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
3. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
4. 17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
5. 17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
6. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
7. 17β−N−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
8. 17β−N−1−(4−メトキシフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
9. 17β−N−1−(4−フルオロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
10. 17β−N−1−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
11. 17β−N−1−(4−メトキシフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
12. 17β−N−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
13. 17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)シクロヘプチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
14. 17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)テトラヒドロピラニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
15. 17β−N−1−(2,4−ジクロロフェニル)シクロプロピルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
16. 17β−N−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2−ジエチルシクロプロピルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
17. 17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)−4,4−ジメチルシクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
18. 17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)−4−t−ブチルシクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
19. 17β−N−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
20. 17β−N−4−(4−t−ブチルフェニル)テトラヒドロチオピラニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
21. 17β−N−1−(4−ビフェニル)−2,2−ジエチルシクロプロピルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
22. 17β−N−(2,5ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
23. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
24. 17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
25. 17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
26. 17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
27. 17β−N−(2,5−ジ−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
28. 17β−N−(2,5−ジ−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
29. 17β−N−(2,5−ジ−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
30. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
31. 17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
32. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−1エン−3−オン
33. 17β−N−9−(4−t−ブチルフェニル)ビシクロ[3.3.1]ノニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン。
式(I)の特定の化合物は、次の通りである:
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン。
式(III)、(IV)および(IVa)の特定の中間体化合物は、次の通りである:
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オン
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸、および
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン。
化合物の製造
本発明の化合物は、米国特許第4,377,584号(以後、「585」とする)および米国特許第4,760,071号(以後、「071」とする)(両方を引用することによって本明細書の一部とされる)の中に教示されている方法により製造できる。例えば、炭素1および2が単結合により結合されている式(I)の化合物は、スキームIに示す手順により製造できる。
スキーム1において、式(IVa)の4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン化合物を、水素化により式(I)の4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オンに変換する。例えば、水素化は酢酸の中で60〜70℃および40〜60psiの水素圧において触媒の酸化白金の存在下に実施することができる。
式(IVa)の化合物は、スキームIAの手順により製造できる:
スキームIAの工程1において、3−オキソ−4−アンドロステン−17β−カルボン酸(II)を式(III)の対応するアミドに変換する。これは前記酸を活性化しそして式(IIa)の化合物と反応させることによって達成できる。例えば、反応順序は、非プロトン性溶媒、例えば、トルエン、塩化メチレンまたはテトラヒドロフラン、の中で−5〜10℃において塩基、例えば、ピリジン、の存在下にハロゲン化剤、例えば、塩化オキサリルまたは塩化チオニル、で処理することによって、対応する酸ハロゲン化物に変換することができる。中間体の酸ハロゲン化物、例えば、酸塩化物、を、必要に応じて触媒、例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、の存在下に25〜70℃において非プロトン性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、の中で、式(IIa)のアミン(式中、置換基は式(I)について定義した通りである)と反応させて、式(III)のアミドを生成することができる。
R3が(A)である式(IIa)の化合物、すなわち、シクロアルキルベンジルアミンは、対応する酸(入手可能である場合)のクルチウス転位によるか、またはHe、X.et al.、J.Med.Chem.、36、1188(1993)の方法により、すなわち、対応するシクロアルカノンを適当なアリールグリニヤール試薬と反応させ、次いで生ずるアルコールをアジ化ナトリウムおよびトリフルオロ酢酸で処理してアミンに変換し、次いでアジドを水素化リチウムアルミニウムで還元することによって製造される。式(IIa)の置換シクロプロピルベンジルアミンは、ロジウムを触媒として適当なアリール−α−ジアゾ−エステル(Baum、J.S.et al.、Synthetic Comm.、17、1709(1987)の方法により製造される)を適当なオレフィン(Davies、H.W.et al.、Tetrahedron Lett.、30、5057(1989)に記載されているような)の中に挿入し、次いでエステルを鹸化しそして酸をクルチウス転位させることによって製造される。R3が(B)である式(IIa)の化合物、すなわち、置換アニリンは商業的に入手可能であるか、またはこの分野において知られている方法により製造される(参照、CA80(25)の中に要約されているBlakitnyiら、J.Org.Chem.USSR(英訳)、10、512(1974);14623fおよびReetz、M.T.et al.、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、19、900および901(1980))。
工程2において、式(III)の化合物を、酸化により、例えば、t−ブタノールの中で還流において塩基性条件下に水性過マンガン酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸ナトリウムで処理することによって、式(IV)の5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸誘導体に変換する。
工程3において、式(IV)の化合物を、プロトン性または非プロトン性溶媒の中で高温において、例えば、エチレングリコールの中で還流において、式NH2R1の化合物、例えば、アンモニア(R1=H)またはメチルアミン(R1=メチル)、で処理することによって、式(IVa)の対応する化合物に変換する。
式(I)の化合物は、また、式(I)の他の化合物から相互変換により製造できる。例えば、スキームBの方法を使用して、炭素1および2の間の二重結合が存在しそしてR1が水素である式(I)の化合物、すなわち、式(Ib)の化合物を、式(I)の対応する化合物、すなわち、式(Ia)の化合物から製造することができる。
スキームIBにおいて、式(Ia)の化合物を、脱水素系、例えば、乾燥ジオキサンの中の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)およびビス(トリ−メチルシリル)トリフルオロアセトアミドで室温において2〜5時間処理し、次いで10〜20時間還流加熱することによって、脱水素して、式(Ib)の対応する4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オンを生成する(参照、Bhattacharya、A.et al.、J.Chem.Soc.、110、3318(1988)。
また、スキームIIにおいて、炭素1および2が二重結合により結合されている式(I)の化合物を、式(V)の3−オキソ−4−アザ−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸から、スキームIA、工程1に記載するように式(IIa)の化合物との反応により、製造することができる。R2が水素である式(V)の化合物は、Rasmusson、G.H.et al.、J.Med.Chem.、29、2298(1986)の方法により製造することができる。R2がメチルである式(V)の化合物は、スキームIIaに従い製造することができる。
工程1において、JOが保護されたヒドロキシ基、例えば、トリイソプロピルシリルオキシ基、であり、そしてCO2Alkがカルボン酸エステル基、例えば、メチルエステル、である式(IV)の化合物を、非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメタン、の中で、強い重金属の酸化性錯体、例えば、クロム酸/3,5−ジメチルピラゾール、と反応させて、式(VII)の対応する化合物を生成する。式(VI)の化合物は、3β−ヒドロキシエチエン酸(J.Med.Chem.、27、1690)から、PCT特許出願WO94/14833号の中に教示されている方法により製造することができる。例えば、3β−ヒドロキシエチエン酸メチルエステルを、塩基、例えば、イミダゾール、の存在下に非プロトン性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミドまたはジクロロメタン、の中で、25〜55℃の範囲の適度な温度において、ヒドロキシ保護試薬、例えば、トリイソプロピルシリルクロライド、と反応させることができる。
工程2において、式(VII)の化合物の7−オキソ部分を、ウィッティヒ(wittig)試薬で処理し、次いで接触水素化しそして3−ヒドロキシ基を脱保護して式(VIII)の対応する化合物を生成することによって、対応するアルキル基、例えば、メチル基、に変換する。例えば、式(VII)の化合物を、非プロトン性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、の中で約−5℃〜10℃の温度範囲において、例えば、0℃において、メチルトリフェニルホスホニウムヨウ素(iodide)およびn−ブチルリチウムと反応させて、対応する7−アルキリデン誘導体を生成することができる。次いで、環外二重結合を水素雰囲気下にトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムクロライドで処理して選択的に還元して、主として7β−アルキル置換化合物を生成することができる。次いで、3−ヒドロキシ上の保護基を除去して、式VIIIの化合物を生成する。例えば、保護基がトリイソプロピルシリルである場合、それはテトラヒドロフランの中でテトラブチルアンモニウムフルオライドで処理して除去することができる。
工程3において、式(VIII)の化合物の3−ヒドロキシ基を酸化して対応する3−オキソ部分を生成し、二重結合を移動させて式(IX)の化合物を生成する。例えば、酸化はアルキルケトン、例えば、アセトン、の中で、ほぼ室温において、ジョーンズ(Jones)試薬を使用して達成することができる。
工程4において、式(IX)の化合物を、スキームIAの工程2に記載する方法に類似する方法で酸化して、式(X)の対応する5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸誘導体を生成する。
工程5において、式(X)の化合物を、スキームIに記載する方法に類似する方法で、式(XI)の化合物に変換する。
工程6において、式(XI)の化合物を、スキームIBに記載する方法に類似する方法で脱水素して、対応する4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン誘導体を生成する。次いで、17−カルボン酸エステル基を鹸化により対応する17−カルボン酸基に変換して、式(V)の化合物を生成する。例えば、カルボン酸エステル基を、プロトン性または非プロトン性の溶媒の中で中程度のないし強い塩基で処理して、例えば、ほぼ室温においてジオキサン/水の中で金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、で処理して、カルボン酸基に変換することができる。
式(I)の化合物またはその溶媒和物の製造における初期の段階において、分子の中の1または2以上の感受性基を保護して望ましくない副反応を防止することが必要であるおよび/または望ましいことがあることを、当業者は理解するであろう。
式(I)の化合物の製造において使用する保護基は、慣用方法において使用できる。参照、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry、J.F.W.McOmie編、Plenum Pres s、London(1973)またはProtective Groups in Organic Synthesis、Theodora Green、John Wiely and Sons、New York(1981)。
存在保護基の除去は慣用手順により達成することができる。アリールアルキル基、例えば、ベンジル、は、触媒、例えば、炭素担持パラジウム、の存在下に加水素分解により切り放すことができる;アシル基、例えば、N−ベンジルオキシカルボニル、は、例えば、酢酸の中で臭化水素を使用する加水分解によるか、または、例えば、接触水素化により、除去することができる。
理解されるように、前述の一般的方法のいずれにおいても、ちょうど記載したように分子の中の感受性基を保護することが望ましいか、または必要であることさえある。従って、一般式(I)の保護された誘導体またはその塩の脱保護を含む反応工程は、前述の方法のいずれに対しても引き続いて実施することができる。
従って、本発明の更なる面によれば、下記の反応を、必要に応じておよび/または所望ならば、一般的方法のいずれかに引き続いて任意の適当な順序で実施することができる:
(i)保護基の除去;および
(ii)式(I)の化合物またはその溶媒和物からその薬学上許容される溶媒和物への変換。
本発明の化合物の製造について上に示した一般的方法は、製造順序における最後の工程として使用されると同様に、また、要求される化合物の製造における中間段階における所望の基の導入のために使用できる。従って、このような多段階方法において、最終生成物において所望の分子中に存在する基に反応条件が影響を与えないように、反応順序を選択すべきであることを理解すべきである。
スキームIおよびIIの中に示す式(I)の化合物および中間体化合物(II)〜(XI)は、この分野において便利な方法、例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化、により製造することができる。
in vitroアッセイ
ステロイド5α−レダクターゼ
酵素活性は下記のものから由来したミクロソームを使用して決定することができる:1)良性前立腺過形成(BPH)の患者からの前立腺組織;2)ヒト1型5α−レダクターゼを発現する組み換えバキュロウイルス感染SF9細胞;または3)ヒト2型5α−レダクターゼを発現する組み換えバキュロウイルス感染SF9細胞。ミクロソームは組織または細胞を均質化し、次いでホモジネートを分画遠心分離することによって調製した。ミクロソーム抽出物を、NADPH濃度を維持することができるNADPH再生系を含有する緩衝液の中で、変化する濃度の[1,2,6,7−3H]−テストステロン、1mMのNADPH、および様々な量の式(I)の化合物、すなわち、被検化合物、と0.5〜240分の範囲内の期間の間インキュベートした。対応するインキュベーションを対照研究として被検化合物を使用しないで実施した。
1型のIC50測定のために、テストステロンを除外するアッセイ成分をpH7.0において10分間前インキュベートし、そして100nMのテストステロンを添加した後、アッセイを10〜120分間進行させた。2型のIC50測定のために、テストステロンを除外するアッセイ成分をpH6.0において20分間前インキュベートし、そして8nMのテストステロンを添加した後、アッセイを20〜40分間進行させた。対照研究における対応する変換と比較した被検化合物の存在下のテストステロンのDHTへの変換の百分率を、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)と放射線化学的検出を使用して推定した。これらのアッセイの結果は、表1に報告したIC50として表されている。
3β−ヒドロキシ−△ 5 −ステロイドデヒドロゲナーゼ/3−ケト−△ 5 −ステロイドイソメラーゼ
ヒト副腎組織から由来したミクロソームを使用して、酵素活性を測定する。この組織のホモジナイゼーション、引き続くホモジネートの分画遠心分離により、ミクロソームを調製した。ミクロソーム抽出物を、pH7.5の緩衝液の中で、変化する濃度のデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、1mMのNAD+、および様々な量の式(I)の化合物、すなわち、被検化合物、と1〜60分の範囲内の期間の間インキュベートした。対応するインキュベーションを対照研究として被検化合物を使用しないで実施した。対照研究における対応する変換と比較した被検化合物の存在下のDHEAのアンドロステジオンへの変換の百分率を、HPLCと放射線化学的検出を使用して推定した。これらのアッセイの結果は、表1に報告したKiとして表されている。
ステロイド5α−レダクターゼインヒビターのin vivo評価
ステロイド5α−レダクターゼインヒビターのin vivo活性は、慢性ラットモデルにおいて決定することができる(Brooks、J.R.et al.、Steroids、47、1(1986))。慢性モデルは去勢した雄のラットであり、これらのラットに皮下的にテストステロン(20μg/ラット)および経口的に被検化合物(0.01〜10mg/kg)またはビヒクルを毎日7日間投与する。次いで、動物を殺しそして前立腺を秤量する。テストステロン刺激の前立腺の大きさの減少は被検化合物の活性を証明した。既知のステロイド5α−レダクターゼインヒビターを平行に試験して、アッセイ方法の一貫性を確実にした。
有用性
本発明のステロイド5α−レダクターゼインヒビターは、他の5α−レダクターゼインヒビター、例えば、フィナステライドおよびSKF105657、についての方法に類似する方法において、アンドロゲン反応性疾患、例えば、前立腺の良性および悪性の疾患、特に良性前立腺過形成、の治療において有用である。5α−レダクターゼのインヒビターに関するin vitro、ラットin vivoおよびヒト臨床的データの相関関係について、下記の文献を参照のこと:Stoner、E.et al.、J.Steroid Biochem.Molec.Biol.37、375(1990);Brooks、J.R.et al.、Steroids、47、1(1986)およびRasmusson、G.H.et al.、J.Med.Chem.、29、2298(1986))。
本発明の化合物は、また、前立腺炎、前立腺癌、皮膚のアンドロゲン媒介疾患、例えば、
多毛症および男性型禿頭症、の治療において有用である。また、他のホルモンに関係する疾患、例えば、多嚢胞性卵巣疾患、をこれらの化合物で治療することができる。
5α−レダクターゼインヒビターとして有効であるために要求される式(I)の化合物の量は、もちろん、治療される個々の哺乳動物とともに変化し、そして究極的に医薬または獣医学の従事者の判断による。考慮すべき因子は、治療される症状、投与経路、処方物の特質、哺乳動物の体重、表面積、年令および一般的症状、および投与すべき特定の化合物を包含する。しかしながら、適当な有効5α−レダクターゼ阻害投与量は、約0.001〜約2mg/kg体重/日の範囲、好ましくは約0.005〜約1mg/kg/日の範囲である。
合計の1日量は、単一の投与量、多数の投与量、例えば、2〜6回/日として、または選択した期間の間の静脈内注入により与えることができる。前述の範囲の上下の投与量は本発明の範囲内に入り、そして所望ならばそして必要に応じて個々の患者に投与することができる。例えば、75kgの哺乳動物について、投与量の範囲は約0.4mg〜約75mg/日であり、そして典型的な投与量は約10mg/日であろう。個々の多数回の投与量が適用される場合、治療は典型的には2.5mgの式(I)の化合物を4回/日与えることで行うことできる。
処方物
医学的用途のための本発明の処方物は、活性化合物、すなわち、式(I)の化合物、ならびにそのための許容される担体および任意の他の治療上活性な成分を含んでなる。担体は処方物の他の成分と適合性であるという意味において薬学上許容されなくてはならない。
従って、本発明は、さらに、式(I)の化合物ならびにそのための薬学上許容される担体を含んでなる医薬処方物を提供する。
処方物は、経口的、経直腸的、局所的または非経口的(皮下、筋肉内および静脈内を包含する)投与に適当なものを包含する。経口的または非経口的投与は好ましい。
処方物は好適には単位投与形態で提供され、そして薬学分野においてよく知られている方法により調製できる。すべての方法は、1種または2種以上の補助的成分を構成する担体と活性化合物を関連させる工程を含む。一般に、処方物は活性化合物を液状担体または微細な固体状担体と均一かつ均質に関連させ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の単位投与形態に造形することによって調製される。
経口的投与に適当な本発明の処方物は、個々の単位として、例えば、カプセル剤、カシェ剤、錠剤またはトローチ剤として、各々は前もって決定した量の活性化合物を含有する;粉末または顆粒として;または水性液体または非水性液体の中の懸濁液または溶液、例えば、シロップ剤、エリキシル剤、乳濁液または頓服水剤(draught)として、提供することができる。
錠剤は、必要に応じて1種または2種以上の補助的成分とともに、圧縮または成形により製造できる。圧縮錠剤は、適当な機械で、自由流動性の形態、例えば、粉末または顆粒、の活性化合物を、補助的成分、例えば、結合剤、滑剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤、とともに圧縮することによって製造することができる。成形錠剤は、適当な機械で、粉末状活性化合物と任意の適当な担体との混合物を成形することによって製造できる。
シロップ剤または懸濁液は、糖、例えば、スクロース、の濃水溶液に活性化合物を添加することによって調製することができ、ここで、また、補助的成分をこれに添加することができる。このような補助的成分は、香味剤、糖の結晶化遅延剤または任意の他の成分の溶解度の増加剤、例えば、多価アルコール、例えば、グリセロールまたはソルビトール、を包含することができる。
経直腸的投与のための処方物は、坐剤の基剤のための慣用の担体、例えば、カカオバターまたはWitepsol S55(Dynamite Nobel Chemicalの商標、ドイツ国)、を含む坐剤として提供することができる。
非経口的投与に適当な処方物は、好ましくは受容体の血液と等張である活性化合物の滅菌の水性製剤を含んでなる。従って、このような処方物は好適には蒸留水、蒸留水または生理食塩水の中の5%デキストロースを含有することができる。有用な処方物は、また、適当な溶媒で希釈すると、前述の非経口的投与に適当な溶液を形成する、濃厚な溶液または固体状物を含んでなる。
局所用処方物は、軟膏、クリーム、ゲルおよびローションを包含し、これらは薬学の分野においてよく知られている方法により調製することができる。軟膏、クリーム、ゲル、またはローションの基剤および活性成分に加えて、このような局所用処方物は、また、保存剤、香料、および追加の活性な医薬を含有することができる。
前述の成分に加えて、本発明の処方物は医薬処方物の分野において利用される1種または2種以上の任意の補助的成分、例えば、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑剤、懸濁剤、保存剤(酸化防止剤を包含する)などを含むことができる。
実施例
下記の実施例は本発明のいくつかの面を例示するが、限定として解釈すべきではない。これらの実施例において使用する記号および慣例は、現代の化学文献、例えば、Journal of the American Chemical Society、において使用されているものと一致する。
実施例1
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物1)
A. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オン
トルエン(330mL)および乾燥ピリジン(3.75mL)の中の3−オキソ−4−アンドロステン−17β−カルボン酸(Rasmusson、G.H.et al.、J.Med.Chem.、27、1960(1984))(10.44g、32.9mmol)の懸濁液に、0℃において、塩化チオニル(3.6mL、49mmol)を添加する。反応混合物を0℃において15分間攪拌し、次いで室温において1時間攪拌する。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(1.01g、8.28mmol)および1−アミノ−1−(4−クロロフェニル)シクロペンタン(12.90g、65.9mmol;対応する酸のクルチウス転位により製造した)で処理し、そして室温に放温し、そして一夜攪拌する。次に、反応混合物を順次に1N HCl、10%NaOH、水およびブラインで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濾過する。濾液を濃縮し、そしてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーに付し、35〜50%酢酸エチル−ヘキサンの勾配で溶離すると、濃縮後、17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オンが灰色泡状物として得られる;収量:8.44g(52%)。
B. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸
上の部Aにおいて製造した17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オン(8.44g、17.1mmol)、t−ブタノール(130mL)、炭酸ナトリウム(3.18g、25.6mmol)、および水(35mL)の還流溶液に、過マンガン酸カリウム(0.67g、4.3mmol)、過ヨウ素酸ナトリウム(25.57g、120mmol)および水(190mL)の75℃の溶液を、35分かけて添加する。さらに25分間還流後、この不均質混合物を室温に冷却し、セライトのベッドを通して濾過し、固体状物を水で洗浄し、そして濾液を真空濃縮してt−ブタノールを除去する。生ずる水溶液を6N HClでpH2に酸性にし、次いでCH2Cl2(4×100mL)で抽出する。CH2Cl2層を一緒にし、そして水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空濃縮すると、17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸が灰色固体状物として得られる;収量:7.30g(83粗製%)。この物質を下の工程Cにおいて直接使用する。
C. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン
乾燥エチレングリコール(20mL)の中の、工程Bからの、17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸(4.78g、9.30mmol)の懸濁液に、−5℃において、アンモニア(約3.5mL、0.14mol)を添加し、そしてこの混合物を0℃において30分間攪拌する。生ずる溶液を1時間かけて170℃に加熱し、反応混合物30℃に冷却し、そして水を添加する。生ずるスラリーを1N HClで希釈し、クロロホルム(4×100mL)で抽出し、抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして濃縮すると、17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オンが黄褐色固体状物として得られる;収量:5.08g(100%粗製)。この物質を下の工程Dにおいて直接使用する。
D. 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
酢酸(120mL)の中の17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン(上から、約9.30mmol)の溶液に、酸化白金(0.32g)を添加する。生ずる混合物に水素を56psiに供給し、そして75℃に5時間加熱し、次いで一夜室温に放冷する。水素雰囲気を窒素で置換した後、反応混合物をセライトを通して濾過し、そしてセライトのパッドをCH2Cl2で洗浄する。トルエンを添加し、そして濾液を真空濃縮すると、油状物が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/アセトン/酢酸エチル、6:3:1〜1:3:1)により精製すると、17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オンが対応する17β第一アミドとの混合物として得られる;収量:0.69g(15%)。引き続いてこの物質をHPLC(BDS Hypersil C8カラム、50%CH3CN/水)により精製しそして熱酢酸エチルで粉砕すると、純粋な試料が得られる:m.p.261−263℃;分析、C30H41ClN2O2・1/4H2Oについての計算値:C、71.83;H、8.34;N、5.58。実測値:C、71.85;H、8.23;N、5.59。
実施例2
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物2)
実施例1工程Bからの17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸(1.73g、3.36mmol)を使用して出発しそして実施例1工程CおよびDの手順に従い、工程Cにおけるアンモニアの代わりにメチルアミンを使用すると、17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オンが製造される、m.p.125−130℃。分析、C31H43ClN2O2・1/2H2Oについての計算値:C、71.37;H、8.38;N、5.31。実測値:C、71.58;H、8.53;N、5.39。
実施例3
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物3)
トルエン(5ml)、ジメチルホルムアミド(0.5mL)、およびピリジン(0.06mL、0.7mmol)の中の3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸(Rasmusson、G.H.et al.、J.Med.Chem.、29、2298(1986))(0.159g、0.50mmol)の懸濁液に、0℃において、塩化チオニル(0.05mL、0.7mmol)を添加する。15分後、氷浴を除去し、そして反応混合物を室温に放温する。1時間後、反応混合物を真空濃縮する。残留物を乾燥CH2Cl2の中に溶解し、そして1−アミノ−1−(4−クロロフェニル)シクロペンタン(0.49g、2.5mmol;対応する酸のクルチウス転位により製造した)を室温において添加し、次いで4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.061g、0.50mmol)を添加する。4時間後、1N HClを添加し、この混合物をCHCl3(3×100mL)で抽出し、CHCl3をMgSO4で乾燥し、濾過しそして濃縮する。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/アセトン/酢酸エチル、26:3:1〜11:3:1)に付し、濃縮すると、白色固体状物が得られる。この物質を酢酸エチルで粉砕すると、17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−3−オンが白色固体状物として得られる;収量:129mg(52%);m.p.307−309℃(分解);分析、C30H39ClN2O2についての計算値:C、72.28;H、7.94;N、5.66。実測値:C、72.59;H、7.93;N、5.54。
実施例4
実施例4〜21
これらの化合物は上の実施例3において概説したように製造した。商業的に入手可能でないアミンは、PCT出願WO94/14833号に記載されているように製造した。
17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物4)
融点:282−285℃
分析、C34H48N2O2・1/4H2Oについての計算値:C、78.34;H、9.38;N、5.37。実測値:C、78.29;H、9.40;N、5.38。
実施例5
17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物5)
融点:233−236℃
分析、C35H50N2O2・1/2H2Oについての計算値:C、77.88;H、9.52;N、5.19。実測値:C、77.82;H、9.54;N、5.21。
実施例6
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物6)
融点:270−272℃
分析、C31H47ClN2O2についての計算値:C、73.13;H、8.12;N、5.50。実測値:C、73.06;H、8.14;N、5.47。
実施例7
17β−N−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物7)
融点:294−297℃
分析、C31H39F3N2O2についての計算値:C、70.43;H、7.44;N、5.30。実測値:C、70.34;H、7.46;N、5.23。
実施例8
17β−N−1−(4−メトキシフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物8)
融点:257−260℃
分析、C31H42N2O3についての計算値:C、75.88;H、8.63;N、5.71。実測値:C、75.86;H、8.57;N、5.60。
実施例9
17β−N−1−(4−フルオロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物9)
融点:290℃
分析、C30H39FN2O2についての計算値:C、75.28;H、8.21;N、5.85。実測値:C、75.09;H、8.26;N、5.75。
実施例10
17β−N−1−(4−フルオロフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物10)
融点:283−285℃
分析、C31H41FN2O2についての計算値:C、75.58;H、8.39;N、5.69。実測値:C、75.63;H、8.45;N、5.67。
実施例11
17β−N−1−(4−メトキシフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物11)
融点:238−240℃
分析、C32H44N2O3・1/4H2Oについての計算値:C、75.48;H、8.81;N、5.50。実測値:C、75.42;H、8.78;N5.51。
実施例12
17β−N−1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物12)
融点:255−257℃
分析、C32H42N2O4についての計算値:C、74.10;H、8.16;N、5.40。実測値:C、74.07;H、8.17;N、5.37。
実施例13
17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)シクロヘプチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物13)
融点:152−162℃
分析、C36H52N2O2・1/2H2Oについての計算値:C、78.07;H、9.65;N、5.06。実測値:C、78.11;H、9.64;N、5.04。
実施例14
17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)テトラヒドロピラニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物14)
融点:240−242℃
HRMS、C34H48N2O3についての計算値:533.375143。.実測値:533.37512(−1.5ppm)。
実施例15
17β−N−1−(2,4−ジクロロフェニル)シクロプロピルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物15)
融点:297−298℃
分析、C28H34Cl2N2O4についての計算値:C、67.06;H、6.83;N、5.59。実測値:C、67.18;H、6.86;N、5.53。
実施例16
17β−N−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2−ジエチルシクロプロピルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物17)
融点:225−228℃
分析、C33H43F3N2O2についての計算値:C、71.20;H、7.79;N、5.03。実測値:C、70.92;H、7.77;N、4.99。
実施例17
17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)−4,4−ジメチルシクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物17)
融点:172−175℃
分析、C37H54N2O2・1/3H2Oについての計算値:C、78.68;H、9.76;N、4.96。実測値:C、78.58;H、9.69;N、4.74。
実施例18
17β−N−1−(4−t−ブチルフェニル)−4−t−ブチルシクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物18)
融点:189−194℃
分析、C39H58N2O2についての計算値:C、79.81;H、9.96;N、4.77。実測値:C、79.65;H、9.89;N4.75。
実施例19
17β−N−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物19)
融点:258−260℃
分析、C31H39F3N2O2についての計算値:C、70.43;H、7.44;N、5.30。実測値:C、70.35;H、7.39;N、5.30。
実施例20
17β−N−4−(4−t−ブチルフェニル)テトラヒドロチオピラニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物20)
融点:267−268℃
分析、C34H48N2O2S・H2Oについての計算値:C、72.04;H、8.89;N、4.92。実測値:C、72.19;H、8.54;N、4.92。
実施例21
17β−N−1−(4−ビフェニル)−2,2−ジエチルシクロプロピルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物21)
融点:167−174℃
分析、C38H48N2O2・1/2H2Oについての計算値:C、79.54;H、8.61;N、4.88。実測値:C、79.34;H、8.43;N、4.76。
実施例22
17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物22)
A. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オン
3−オキソ−4−アンドロステン−17β−カルボン酸(Rasmusson、G.H.et al.、J.Med.Chem.、27、1960(1984))(17.2g、54.4mmol)、乾燥THF(180mL)および乾燥ピリジン(7mL)の溶液に、2℃において、塩化チオニル(5.1mL、70.8mmol)を添加する。反応混合物を2℃において20分間攪拌し、次いで室温において40分間攪拌する。次いで、反応混合物を濾過し、そして固体状物をトルエンで洗浄する。濾液を真空濃縮すると、油状物が得られ、これを乾燥THF(150mL)および乾燥ピリジン(7mL)で希釈する。生ずる暗い溶液に2,5−ビス−(トリフルオロメチル)アニリン(9.4mL、59.8mmol)を添加し、そして反応混合物を5時間還流し、塩化メチレンで希釈し、順次に1N HClおよびブラインで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濾過する。濾液を濃縮し、そして500gのシリカゲルのカラムに適用し、そしてこのカラムを15〜30%の酢酸エチル−ヘキサンの勾配で溶離すると、濃縮後、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−カルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オンが灰色泡状物として得られる;収量:18.3g(64%)。
B. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸
上の部Aにおいて製造した17βN−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オン(18.3g、34.9mmol)、t−ブタノール(275mL)、炭酸ナトリウム(6.3g、50.8mmol)、および水(36mL)の還流溶液に、過マンガン酸カリウム(0.38g、2.4mmol)、過ヨウ素酸ナトリウム(52.2g、245mmol)および水(311mL)の75℃の溶液を、45分かけて添加する。さらに15分間還流後、この不均質混合物を室温に冷却し、そしてセライト(50g)を添加する。反応混合物をセライト(50g)のベッドを通して濾過し、そして固体状物を水で洗浄し、そして濾液を真空濃縮してt−ブタノールを除去する。生ずる水溶液を36%HClでpH2に酸性にし、そしてクロロホルムで4回抽出する。クロロホルム層を一緒にし、そして水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして真空濃縮すると、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸が灰色固体状物として得られる;収量:20.5g(100%粗製)。この物質を下の工程Cにおいて直接使用する。
C. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン
乾燥エチレングリコール(100mL)の中の、工程Bからの、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸(20.5g、34.8mmol)の懸濁液に、室温において、アンモニア(約8mL、0.32mol)を5分かけて添加する。生ずる溶液を45分かけて180℃に加熱し、そして180℃において12分後、反応混合物70℃に冷却し、そして水(116mL)を5分かけて添加する。生ずる懸濁液を7℃に冷却し、そして10分間攪拌し、そして真空下に濾過する。固体状物を水(60mL)で洗浄し、次いでクロロホルムの中に溶解し、そして水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして濃縮する。残留物をクロロホルムの中に溶解し、そして110gのシリカゲルのカラムに適用し、そしてこのカラムを2〜5%のイソプロパノール−クロロホルムの勾配で溶離すると、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−カルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オンが灰色固体状物として得られる;収量:16.5g(90%)。
D. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン テストステロン
酢酸(120mL)の中の17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン(8.9g、16.7mmol)の溶液に、酸化白金(0.9g)を添加する。生ずる混合物に水素を50psiで供給し、そして60〜70℃に6時間加熱する。水素雰囲気を窒素で置換した後、反応混合物をセライトを通して濾過し、そしてセライトのパッドを酢酸(30mL)、クロロホルム(60mL)およびトルエン(200mL)で洗浄する。濾液を真空濃縮すると、油状物が得られ、トルエン(200mL)を添加し、そしてこの溶液を真空濃縮すると、泡状物が得られる。この泡状物を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化すると、85℃において真空乾燥後、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オンが得られる;収量:4.78g(54%);m.p.245−247℃;分析、C27H32F6N2O2についての計算値:C、61.12;H、6.08;N、5.28。実測値:C、61.13;H、6.12;N、5.21。
実施例23
17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物23)
A. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−5−エン−3−オン
乾燥エチレングリコール(8.5mL)の中の、工程Bからの、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸(1.7g、3.1mmol)の懸濁液に、室温において、メチルアミン(約1mL、22.5mmol)を添加し、そして生ずる溶液を1時間かけて180℃に加熱する。180℃において15分後、反応混合物室温に冷却し、そして水(10mL)を添加する。反応混合物を7℃において10分間攪拌し、そして真空下に濾過する。固体状物を水(5mL)で洗浄し、次いでクロロホルムの中に溶解し、そして水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして濃縮する。残留物を110gのシリカゲルのカラムに適用し、そしてこのカラムを2〜5%のイソプロパノール−クロロホルムの勾配で溶離すると、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−5−エン−3−オンが灰色泡状物として得られる;収量:1.11g(66%)。
B. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
酢酸(10mL)の中の17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−5−エン−3−オン(1.0g、1.9mmol)の溶液に、酸化白金(0.10g)を添加する。生ずる混合物に水素を50psiに供給し、そして60〜70℃に45分間加熱する。水素雰囲気を窒素で置換した後、反応混合物をセライトを通して濾過し、そしてセライトのパッドを酢酸(10mL)、クロロホルム(60mL)およびトルエン(30mL)で洗浄する。濾液を真空濃縮すると、油状物が得られ、トルエン(30mL)を添加し、そしてこの溶液を真空濃縮すると、泡状物が得られる。この物質を93gのシリカゲルのクロマトグラフィーに2回付し、メタノール−塩化メチレンの2〜4%の勾配から結晶化すると、60℃において21時間真空乾燥後、17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オンが得られる;m.p.103−105℃;分析、C28H34F6N2O2についての計算値:C、61.76;H、6.29;N、5.14。実測値:C、61.60;H、6.32;N、5.08。
実施例24
17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物24)
乾燥塩化メチレン(6ml)および乾燥ピリジン(8.1mL、0.1mmol)の中の3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸(Rasmusson、G.H.et al.、J.Med.Chem.、29、2298(1986))(0.021g、0.063mmol)の懸濁液に、0℃において、塩化チオニル(6.8mL、0.095mmol)を添加する。氷浴を除去し、そして反応混合物を室温に放温する。1時間後、トルエン(1mL)を添加し、そして反応混合物を真空濃縮する。残留物を乾燥塩化メチレン(1.5mL)および乾燥ピリジン(8.5mL、0.11mmol)の中に溶解し、そして2−t−ブチル−5−トリフルオロメチルアニリン(0.023g、0.126mmol)を室温において添加する。13時間後、塩化メチレン(20mL)を添加し、そして反応混合物を1M硫酸、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして真空濃縮する。残留物を7gのシリカゲルのクロマトグラフィーに付し、2.5〜5%のメタノール−塩化メチレンの勾配で溶離すると、0.01gの白色泡状物が得られる。この物質を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化すると、17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オンが白色固体状物として得られる;m.p.263−264℃。質量分析(m/z)=517MH+。
実施例25
17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物25)
2,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンの代わりに対応する量の2−t−ブチル−5−トリフルオロメチルアニリンを使用して、実施例1に記載するように化合物25を製造する。
融点:256−259℃
分析、C30H41F3N2O2についての計算値:C、69.47;H、7.97;N、5.40。実測値:C、69.49;H、8.00;N、5.41。
実施例26
17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物26)
実施例3の方法に類似する方法により、化合物26を製造する。
融点:229−232℃
分析、C31H43F3N2O2についての計算値:C、69.90;H、8.14;N、5.26。実測値:C、69.79;H、8.07;N、5.19。
実施例27
17β−N−(2,5−ジ−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物27)
実施例3の方法に類似する方法により、化合物27を製造する。
融点:165−171℃(分解)
分析、C33H48N2O2・2/3H2Oについての計算値:C、76.70;H、9.62;N、5.42。実測値:C、76.76;H、9.51;N、5.43。
実施例28
17β−N−(2,5−ジ−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物28)
1−アミノ−1−(4−クロロフェニル)シクロペンタンの代わりに対応する量の2,5−ジ−t−ブチルアニリンを使用して、実施例1に記載するように化合物28を製造する。
融点:162−164℃
分析、C33H50N2O2・1/4H2Oについての計算値:C、77.52;H、9.96;N、5.48。実測値:C、77.58;H、9.97;N、5.48。
実施例29
17β−N−(2,5−ジ−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(化合物29
実施例2の方法に類似する方法により、化合物29を製造する。
融点:150−152℃
分析、C34H52N2O2についての計算値:C、78.41;H、10.06;N、5.38。実測値:C、78.17;H、10.01;N、5.33。
実施例30
17β−N−(2,5−ビス(トリフルメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−(7β−メチル)−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物30)
A. 3β−トリイソプロピルシリルオキシエチエン酸メチルエステル
DMF(800mL)の中の3α−ヒドロキシエチエン酸メチルエステル(J.Med.Chem.27、1690)(516g、1.55mol)の懸濁液を55℃に加熱し、激しく機械的に攪拌しながらイミダゾール(264g、3.88mol)を添加し、次いでトリイソプロピルシリルクロライド(360g、1.87mol)を滴下する。トリイソプロピルシリルクロライドの約半分を添加した後、反応混合物は均質となり、そして反応温度は約70℃に増加する。1.5時間後、反応はTLC(35%酢酸エチル/ヘキサン)により完結し、そして濃厚スラリーが形成する。反応混合物を0℃に冷却し、1リットルの氷水を攪拌しながら添加し、固体状物を濾過により集め、そして水(500mL)およびメタノール(500mL)で洗浄する。生ずる黄褐色固体状物をメタノール(1L)の中に懸濁させ、そして一夜攪拌し、濾過すると、3β−トリイソプロピルシリルオキシエチエン酸メチルエステルが十分な純度の黄褐色固体状物として得られ、次の工程にそのまま使用する。
B. 3β−トリイソプロピルシリルオキシ−7−オキソ−エチエン酸メチルエステル
ジクロロメタン(175ml)の中のクロム酸(50.7g、507mmol)の懸濁液に、0℃において、3,5−ジメチルピラゾール(48.7g、507mmol)を添加し、そして反応混合物を30分間攪拌する。次に、ジクロロメタン(120ml)の中の部Aにおいて製造した3β−トリイソプロピルシリルオキシエチエン酸メチルエステル(31g、63.4mmol)を添加し、そして反応混合物を周囲温度において21時間攪拌する。次いで、NaOHの水溶液(2N、100ml)を添加し、次いでセライト(約200cc)を添加し、反応混合物をガラスウールを通して濾過し、溶媒を真空除去し、そして生ずる残留物を酢酸エチルと水との間に分配する。有機物質を2N NaOH、水、飽和水性NaClで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥し、そして溶媒を回転蒸発により除去する。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(5〜15%酢酸エチル/ヘキサン)に付すと、3β−トリイソプロピルシリルオキシ−7−オキソ−エチエン酸メチルエステルが白色固体状物として得られる;収量:13.8g(43%);分析、C30H50O4Siについての計算値:C、71.66;H、10.02。実測値:C、71.43;H、10.10。
C. 3β−トリイソプロピルシリルオキシ−7β−メチル−エチエン酸メチルエステル
テトラヒドロフラン(THF60ml)の中のメチルトリフェニルホスホニウムヨウ素(14g、34.6mmol)のスラリーに、0℃において、n−ブチルリチウム(21.7ml、ヘキサンの中の1.6M、34.7mmol)を添加する。20分間攪拌した後、25mlのTHFの中の3β−トリイソプロピルシリルオキシ−7−オキソ−エチエン酸メチルエステル(8.72g、17.3mmol)の溶液を添加し、そして10分後、水(120ml)を添加し、次いで飽和水性NaHSO4溶液(15ml)を添加する。次いで、生成物を酢酸エチル(200ml)で抽出し、MgSO4で乾燥し、約50mlに濃縮し、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムクロライド(460mg、0.51mmol)で処理し、そして水素雰囲気下に一夜攪拌する。触媒をシリカゲルのプラグを通して濾過し、そして濾液を凝縮し、そしてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(35%酢酸エチル/ヘキサン)に付すと、3β−トリイソプロピルシリルオキシ−7β−メチル−エチエン酸メチルエステルが白色泡状物として得られる;収量:4.29gの7β:7αエピマーの3:1混合物(86%);分析、C31H54O3Siについての計算値:C、74.04;H、10.82。実測値:C74.15;H、10.88。
D. 3β−ヒドロキシ−7β−メチル−エチエン酸メチルエステル
25mlのTHFの中の3β−トリイソプロピルシリルオキシ−7β−メチル−エチエン酸メチルエステル(4.25g、8.45mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオライド(17ml、THFの中の1M、17mmol)を添加し、次いで室温において6時間攪拌する。水(100ml)および酢酸エチル(150ml)を添加し、そして有機相を水、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮する。生ずる濃縮物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(25〜40%酢酸エチル/ヘキサン)に付すと、3β−ヒドロキシ−7β−メチル−エチエン酸メチルエステルが得られる;収量:2.65g(90%);分析、C22H34O3・1/4H2Oについての計算値:C、75.28;H、9.91。実測値:C、75.67;H、9.98。
E. 17β−カルボメトキシ−7β−メチル−アンドロスト−4−エン−3−オン
220mlのアセトンの中の3β−ヒドロキシ−7β−メチル−エチエン酸メチルエステル(6.6g、19mmol)の溶液に、7.5mlのジョーンズ試薬(3.1M、23.3mmol)を添加し、反応混合物を1時間攪拌し、そして約40mlに濃縮する。生ずる残留物を酢酸エチルの中に取り、2N NaOH、水、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(35%酢酸エチル/ヘキサン)に付すと、17β−カルボメトキシ−7β−メトル−アンドロスト−4−エン−3−オンが黄色油状物として得られる;収量:2.73g(42%);高分解能質量分析:[MH+]C22H33O3についての計算値:345.2430、実測値:
F. 17β−カルボメトキシ−7β−メチル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸
60mlのt−ブタノールの中の17β−カルボメトキシ−7β−メチル−アンドロスト−4−エン−3−オン(2.9g、8.4mmol)の溶液に、6mlの水の中の炭酸ナトリウム(1.04g、8.4mmol)、約35mlの水の中の過ヨウ素酸ナトリウム(9g、42mmol)および過マンガン酸カリウム(134mg、850mmol)のスラリーを添加し、そして反応混合物を48時間還流加熱する。室温に冷却した後、固体状物を濾過により除去し、そして濃縮すると、水性残留物が残り、これを飽和水性NaHSO4で酸性にし、酢酸エチル抽出し、水、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(5〜10%酢酸エチル/ジクロロメタン)に付すが、17β−カルボメトキシ−7β−メチル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸が得られる;収量:1.2g(39%);高分解能質量分析:[MH+]C21H33O5についての計算値:365.2328、実測値:365.2328。
G. 17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン
8mlの無水エチレングリコールの中の17β−カルボメトキシ−7β−メチル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸(1.2g、3.29mmol)の懸濁液に、−40℃においてアンモニア(約15ml、4.2mmol)を添加し、この混合物を30分間攪拌し、次いで45分間170℃に加熱する。次いで、反応混合物を室温に冷却し、そして水を添加する。生ずるスラリーを酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮する。生ずる濃縮物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(3〜5%酢酸エチル/ジクロロメタン)に付すと、17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オンが得られる;収量:590mg(52%);分析、C21H31NO3についての計算値:C、73.01;H9.04;N、4.05。実測値:C、72.97;H、8.98;N、4.04。
H. 17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン
20mlの酢酸の中の17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オン(590mg、1.71mmol)の溶液に、酸化白金(60mg、0.26mmol)を添加する。生ずる混合物に水素を40psiに供給し、16時間震盪し、そして窒素でパージする。触媒を濾過し、そして濾液を凝縮する。生ずる油状物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(3〜5%酢酸エチル/ジクロロメタン)に付すと、17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オンが得られる;収量:465mg(78%);高分解能質量分析:[MH+]C21H34O3についての計算値:348.2539、実測値:348.2537。
I. 17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
4mlのジオキサンの中の17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(182mg、0.52mmol)の溶液に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(120mg、0.52mmol)、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(0.56ml、2.1mmol)を添加し、そしてこの混合物を室温において一夜攪拌する。反応混合物を凝縮し、そして生ずる油状物をジクロロメタン(75ml)の中に取り、そして2N NaOH、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮する。生ずる濃縮物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)に付すと、17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オンが黄褐色泡状物として得られる;収量:150mg(83%);高分解能質量分析:[MH+]C21H32NO3についての計算値:346.2382、実測値:346.2382。
J. 3−オキソ−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸
5mlのジオキサンの中の17β−カルボメトキシ−7β−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(180mg、0.52mmol)の溶液に、55℃において、水(2ml)の中の水酸化リチウム(43mg、1.02mmol)を添加し、そして反応混合物を24時間一夜攪拌する。水(25ml)を添加し、次いで飽和水性NaHSO4を添加し、酢酸エチルで抽出し、引き続いて飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮すると、残留物が得られ、これをシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)に付すと、白色固体状物が得られる;収量:94mg(55%);高分解能質量分析:[MH+]C20H30NO3についての計算値:332.2226、実測値:332.2225。
K. 17β−N−(2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
トルエン中の0.03%DMF1.5ml中の3−オキソ−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸(50mg、0.15mmol)の懸濁液に、0℃において、ピリジン(0.030ml、0.37mmol)および塩化チオニル(0.013ml、0.18mmol)を添加する。15分後、反応混合物を室温に1.5時間加温し、過剰の試薬を共沸除去し、そして生ずる固体状物を1.5mlのトルエンの中にスラリー化する。反応混合物を4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(1mg、触媒)処理し、100℃に加熱し、そして2,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(0.135ml、0.22mmol)を添加する。3.5時間後、反応混合物を縮合し、酢酸エチル/飽和水性NaHSO4で分配し、そして有機相を2N NaOH、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして凝縮する。濃縮物をフラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ジクロロメタン)により精製し、次いでHPLC(BDS Hypersil C8カラム、40〜70%CH3CN/水)により精製し、そして凍結乾燥すると、白色固体状物が得られる;収量:12mg(15%);高分解能質量分析:[MH+]C28H33F6N2O2についての計算値:543.2456、実測値:543.2446。
実施例31
17β−N−(2−t−ブチル−5−トリフルメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物31)
トルエン中0.03%DMF1.5mlの中の実施例31の部Jにおいて製造した3−オキソ−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸(38mg、0.12mmol)の懸濁液に、0℃において、ピリジン(0.023ml、0.29mmol)および塩化チオニル(0.010ml、0.14mmol)を添加する。15分後、反応混合物を室温に1.5時間加温し、過剰の試薬を共沸除去し、そして生ずる固体状物をジクロロメタン(1ml)の中に溶解し、ピリジン(0.025ml、0.30mmol)、および2−t−ブチル−5−トリフルオロメチルアニリン(50mg、0.23mmol)で処理する。24時間後、反応混合物をジクロロメタン(20ml)で希釈し、飽和水性NaHSO4、2N NaOH、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、凝縮し、そしてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製する;収量:15mg(25%);高分解能質量分析:[MH+]C31H42F3N2O2についての計算値:531.3198、実測値:531.3206。
実施例32
17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(化合物32)
3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸の代わりに実施例31のJにおいて製造した対応する量の3−オキソ−4−アザ−7β−メチル−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸を使用して、実施例3の手順により、この化合物を製造する。
実施例33
17β−N−9−(4−t−ブチルフェニル)ビシクロ[3.3.1]ノニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
1−アミノ−1−(4−クロロフェニル)シクロペンタンの代わりに9−アミノ−ビシクロ[3.3.1]ノナンを使用して、実施例3の方法に類似する方法により、化合物33を製造する。
融点277−280℃。
実施例34〜57
これらの化合物は実施例3に概説したようにして製造することができる。商業的に入手可能でないアミンは、WO94/14833号に記載されているようにして製造した。
34. 17β−N−(5−クロロ−2−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
35. 17β−N−(4−ブロモ−2−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
36. 17β−N−(2−t−ブチル−5−フェニル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
37. 17β−N−(4−t−ブチル−2−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
38. 17β−N−(2−フェニル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
39. 17β−N−(2−t−ブチル−5−(4−クロロフェニル))フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
40. 17β−N−(2−(4−t−ブチル)フェニル−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
41. 17β−N−(2−t−ブチル−5−(4−t−ブチル)フェニル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
42. 17β−N−(4−クロロ−2,5−ビス(トリフルオロメチル))フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
43. 17β−N−(2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
44. 17β−N−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
45. 17β−N−(5−ブロモ−2−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
46. 17β−N−(4,5−ジブロモ−2−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
47. 17β−N−(5−t−ブチル−4−クロロ−2−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
48. 17β−N−(5−t−ブチル−6−クロロ−2−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
49. 17β−N−(2,4−ビス(トリフルオロメチル))フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
50. 17β−N−(2−t−ブチル−4−トリフルオロメチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
51. 17β−N−(4−t−ブチル−2−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
52. 17β−N−1−(4−シアノフェニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
53. 17β−N−1−(3−(3−フルオロフェニル)フェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
54. 17β−N−1−(5−インダニル)シクロヘキシルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
55. 17β−N−1−(5−クロロ−2,4−ジメチルフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
56. 17β−N−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ビシクロ[3.2.1]オクタニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン
57. 17β−N−(5−ブロモ−2−t−ブチル)フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン。
実施例58
医薬配合物
(A)経皮系−1000パッチについて
シリコーン流体および活性化合物を一緒に混合し、そしてコロイド状二酸化ケイ素を添加して粘度を増加する。次いで、この物質を下記の成分から構成された引き続いてヒートシールされるポリマーのラミネートの中に入れる:ポリエステル剥離ライナー、シリコーンまたはアクリルポリマーから構成された皮膚接着剤、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルまたはポリウレタン)であるコントロール膜、およびポリエステルのマルチラミネートから作られた不透過性支持膜。次いで、生ずる積層シートを10cm2のパッチに切断する。
(B)経口錠剤−1000錠剤について
活性化合物および澱粉を水で造粒しそして乾燥する。ステアリン酸マグネシウムを乾燥した顆粒に添加し、そしてこの混合物をよく配合する。配合した混合物を錠剤に圧縮する。
(C)坐剤−1000坐剤について
不活性成分を混合し、そして溶融する。次いで、活性化合物を溶融した混合物の中に分布させ、型の中に注ぎ、そして放冷する。
(D)注射−1000アンプル剤について
活性化合物および緩衝剤を約50℃においてプロピレングリコールの中に溶解する。次いで、注射用の水を攪拌しながら添加し、そして生ずる溶液を濾過し、アンプル剤の中に充填し、密閉しそしてオートクレーブ処理により滅菌する。
(E)カプセル剤−1000カプセル剤について
微粉砕した活性化合物をラクトースおよびステアリン酸マグネシウムと混合し、そしてゼラチンカプセルの中に詰める。
Claims (29)
- 下記式(I)の化合物またはその薬学上許容される溶媒和物。
(式中、
炭素1および2は単結合または二重結合により結合されており、
R1は水素またはメチルであり、
R2は水素またはメチルであり、
R3は(A):
(式中、R4およびR5は独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ハロゲン、フェニル(1または2以上のハロゲンで置換されていてもよい)であるか、またはR4およびR5は隣接する炭素上に存在するとき、一緒になって、1または2以上の酸素または硫黄原子を含有していてもよい融合5、6または7員環を形成し、
WおよびZはアルキレン基であり、前記アルキレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって飽和3〜12員環系を形成し、前記環系は、
1)1または2以上の低級アルキル基で独立して置換されていてもよく、
2)酸素または硫黄原子を含有していてもよく、
3)前記3〜12員環の2つの前記アルキレン基は(C1-6)アルキレン基と結合して2環式環系を形成してもよく、そして
Xは水素またはハロゲンである)であるか、または
(B):
(式中、R6はトリフルオロメチル、1または2以上のハロゲンもしくは分枝鎖状(C4-7)アルキル基で置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、R7またはR8のいずれかはトリフルオロメチル、ハロゲン、1または2以上のハロゲンもしくは分枝鎖状(C4-7)アルキル基で置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、他方は水素またはハロゲンである)であり、そして
Xは水素またはハロゲンであり、
但し、式(I)が17β−N−[2,5−ビス(トリフルオロメチル)]フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オンを表すことはない) - Xが水素である、請求項1に記載の化合物。
- R2が水素である、請求項1または2に記載の化合物。
- R6がトリフルオロメチル、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、R7またはR8のいずれかはトリフルオロメチル、ハロゲン、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、他方は水素またはハロゲンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
- 炭素1および2が二重結合により結合されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
- 式(IA)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
(式中、
炭素1および2は単結合または二重結合により結合されており、
R1は水素またはメチルであり、
R4およびR5は独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ハロゲン、フェニル(1または2以上のハロゲンで置換されていてもよい)であるか、またはR4およびR5は隣接する炭素上に存在するとき、一緒になって、1または2以上の酸素または硫黄原子を含有していてもよい融合5、6または7員環を形成し、
WおよびZはアルキレン基であり、前記アルキレン基はそれらが結合する炭素原子と一緒になって飽和3〜12員環系を形成し、前記環系は、
1)1または2以上の低級アルキル基で置換されていてもよく、
2)酸素または硫黄原子を含有していてもよく、
3)前記3〜12員環の2つの前記アルキレン基は(C1-6)アルキレン基と結合して2環式環系を形成してもよく、そして
Xは水素またはハロゲンである) - R4およびR5が独立して水素、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ハロゲン、フェニル(1または2以上のハロゲンで置換されていてもよい)であり、そしてXが水素である、請求項6に記載の化合物。
- X、R4およびR5の少なくとも1つが水素以外である、請求項6または7に記載の化合物。
- フェニル環のパラ(4−)位に置換基を有する、請求項6〜8のいずれか一項に記載の化合物。
- R4およびR5の少なくとも一方が低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲンまたはフェニルである、請求項6〜9のいずれか一項に記載の化合物。
- R4およびR5の少なくとも一方が分枝鎖状アルキル、トリフルオロメチルまたはハロゲンである、請求項10に記載の化合物。
- 式(IB)である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
(式中、
炭素1および2は単結合または二重結合により結合されており、
R1は水素またはメチルであり、
R6はトリフルオロメチル、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、
R7またはR8のいずれかはトリフルオロメチル、ハロゲン、1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニル、または分枝鎖状(C4-7)アルキルであるが、他方は水素またはハロゲンであり、そして
Xは水素またはハロゲンであり、
但し、式(IB)が17β−N−[2,5−ビス(トリフルオロメチル)]フェニルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オンを表すことはない) - R7またはR8が分枝鎖状(C4-7)アルキルでありかつXが水素であるとき、R6がトリフルオロメチルまたは1または2以上のハロゲンで置換されていてもよいフェニルである、請求項12に記載の化合物。
- R6がトリフルオロメチルまたは分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、そしてR7またはR8のいずれかがトリフルオロメチル、ハロゲン、または1または2以上のハロゲンで置換されたフェニルであるが、他方が水素またはハロゲンである、請求項12または13に記載の化合物。
- R6がトリフルオロメチルまたは分枝鎖状(C4-7)アルキルであり、R7またはR8のいずれかがトリフルオロメチルであるが、他方が水素であり、そしてXが水素である、請求項14に記載の化合物。
- R6およびR8が独立してトリフルオロメチルまたはt−ブチルであり、R7およびXが水素である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の化合物。
- 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オンまたはその薬学上許容される溶媒和物。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物と、場合によっては、薬学上許容される担体とを含んでなる、アンドロゲン反応性またはアンドロゲン媒介疾患の治療または予防に用いられる医薬組成物。
- アンドロゲン反応性またはアンドロゲン媒介疾患が良性前立腺過形成、前立腺癌、ざ瘡、男性型禿頭症、多嚢胞性卵巣疾患、および多毛症である、請求項18に記載の医薬組成物。
- (A)炭素1および2が単結合により結合されている式(I)の化合物について、式(IVa):
の化合物を水素化し、
(B)炭素1および2が二重結合により結合されている式(I)の化合物について、式(V):
の化合物を、式(IIa):
H2NR3 (IIa)
の化合物と反応させ、そして必要に応じておよび/または所望ならば、このようにして得られた化合物を、
(i)式(I)の他の化合物に相互変換させる、
(ii)1または2以上の保護基を除去する、および/または
(iii)式(I)の化合物またはその溶媒和物をその薬学上許容される溶媒和物に変換する、
ことを含んでなる1または2以上の反応に付す、
ことを含んでなる請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物の製造法。 - 方法(B)において、式(IIa)の化合物との反応の前に、式(V)の化合物を塩基の存在においてハロゲン化剤で処理する、請求項20に記載の方法。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物または薬学上許容される溶媒和物を含んでなる、5α−テストステロンレダクターゼ酵素阻害剤。
- 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−アンドロスト−4−エン−3−オンまたはその溶媒和物。
- 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−5−オキソ−A−ノル−3,5−セコアンドロスタン−3−オン酸またはその溶媒和物。
- 17β−N−1−(4−クロロフェニル)シクロペンチルカルバモイル−4−アザ−アンドロスト−5−エン−3−オンまたはその溶媒和物。
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JP4516839B2 (ja) * | 2002-04-30 | 2010-08-04 | メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション | アンドロゲン受容体修飾因子としての4−アザステロイド誘導体 |
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1994
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JPH09502729A (ja) | 1997-03-18 |
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