JP3823184B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置に関し、特に、光ディスク媒体の媒体の傷(ディフェクト)やトラックジャンプ時に、再生した情報にディフェクトが発生したことを検出する手段を具備し、このときのディフェクトの際の信号同期手段の同期はずれを速やかに復帰させ、また、信号2値化手段の精度・信頼性を大幅に向上させる機能を有した光ディスクドライブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報の大容量化、高密度化に伴って光ディスクドライブのエラー率の低減、信頼性の確保が重要になってきている。例えば光ディスクに情報を蓄積する場合、原情報に変調をかけ、同期信号を重畳させて記録する。上記光ディスクから情報を読み出してこれを復元する場合、まず光ピックアップより出力される再生信号を信号2値化手段を用いてパルス信号にし、これより上記同期信号を信号同期手段を用いて分離して用いる。光ディスクに記録される情報が高密度化されるほど上記信号2値化手段および信号同期手段の精度が要求されるし、さらに種々の外乱に対する信頼性も要求される。
【0003】
また、光ディスク媒体の製造時や使用中にディスク表面や記録面に傷がつくことがある。これより情報を再生した場合、当然この傷の部分での情報が欠損するかあるいはノイズが混入して情報の再生誤り率が高くなる。さらに同期信号成分が欠落すると上記信号同期手段は正常には動作せず、ディフェクト通過後もその復帰には時間を要するため、結果的に実際のディフェクトよりも大きな情報の欠落が発生することになる。またこれに限らず、トラックジャンプの際にはトラック間のクロストーク信号がノイズとして作用し、同様の問題が発生する。したがって、こういったディフェクトを何らかの方法で速やかに検出し、さらに信号同期手段の動作をディフェクトの間一時停止させるなどの対策がとられる。
【0004】
以下図面を参照しながら、上記した従来のディフェクト検出装置の一例について説明する。
図12は特開昭61−170937号公報に記載された従来のディフェクト検出装置のブロック図を示すものである。図12において、まず情報再生信号(RF)は2値化回路101によってパルス信号(PRF)になる。パルス幅測定手段120はそのパルス幅を逐次デジタルカウントする。カウントのためのクロックCCKは非同期クロック発生器102より供給される。光ディスクには、画像や音声をデジタル化したもの,あるいはコンピュータデータ等がコード変換され、RLL(run length limitted )信号として記録されている。すなわち、いかなる情報であっても、そのパルス幅(信号の立ち上がりから立ち下がり、あるいは立ち下がりから立ち上がりまでの時間間隔)は同期状態における同期クロック信号1周期の整数倍であり、しかも所定の最短値(Tmin )と最長値(Tmax )内にあるような信号列にすでに変換されている。例えばCDに用いられているEFM(Eight to Fourteen Modulation,8−14変調)コードの場合、変換後の信号はすべて3T(Tmin =nmin ×T)、4T、5T、・・nT・・、10T、11T(Tmax =nmax ×T)のパルスの組み合わせで構成される。なお、Tは同期クロック1周期の長さを表す。パルス幅測定手段120は現在読み出された信号RFのパルス幅nを整数値で出力するものである。
【0005】
デジタル比較器103はこうして得られたパルス幅nを前回の処理で得られた計測パルス幅n-1と比較し、大きければ(すなわち長ければ)現パルス幅nをラッチレジスタ104に保持し、次回のn-1とする。以上の処理をある程度,例えばフレーカウンタ(図示せず)で計測される所定時間の間続ければ、ラッチレジスタ104にはRLL信号の最大長Tmax のカウント値nmax が保持されているはずである。
【0006】
ここで光ディスク情報面にディフェクトがあった場合、再生信号RFには本来のRLL信号が長時間欠損し、その結果、該再生信号RFにはTmax 以上のパルス幅が現れることがある。この場合、上記ラッチレジスタ104には上記nmax を越えるカウント値が保持されることとなる。デジタル比較器105はこのラッチレジスタ104に保持されている上記nmax を越えるカウント値(次回のn-1)と、上記理想的なRLL信号の最大クロックカウント値nmax とを比較し、前者が後者を越えていればディフェクト検出信号DFT=1を出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成では、ディフェクトの種類によっては検出するのに時間を要したり、あるいは全く検出できない場合があるといった問題を有していた。すなわち、比較的大きなディフェクトであってしかもこの間全く情報が欠損しているような場合は、ディフェクトを通過した直後にTmax を越えたパルスが発生するので、素早い検出が可能である。しかし、ディフェクトには、例えば情報ピット列の異常形成や、あるいは情報面の一部が砂埃などで擦られて無数の小穴ができたような、”インターラプション”と呼ばれるものがある。この小穴の大きさがTmax に相当する大きさ以下ならば、上記方法では検出することができない(ここでCDを例にとると、Tmax =11T=約10μmである)。また、このTmax を越える傷があっても、インターラプションの場合、ディフェクト直後からTmax 以上の傷に出会うとは限らず、ディフェクト半ばでその傷が検出される場合もある。さらにトラックはずれ状態においては、トラック間は全く無信号というわけではなく、両側のトラックからのクロストーク信号が互いに混ざり合って検出される。その量は、トラック間隔が狭い,すなわち高密度であるほど大きくなる。
【0008】
上記のようにディフェクトが検出されない場合、あるいは検出が遅れた場合、情報が全く欠落するディフェクトと同様に,あるいはそれ以上に、信号同期装置に影響を与えることがある。それは、この種のディフェクトは、再生時に大きなノイズとしてRLL信号に重畳されるので、信号同期装置が発生する同期クロック信号との周波数位相関係が乱されるからである。ディフェクトの結果、PLL同期がはずれて、同期クロック信号の周波数がPLLのキャプチャーレンジより大きくずれると、該PLLの再引き込みができない、つまり半永久的にPLLが機能しなくなる状態に陥ることがある。
【0009】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、インターラプションや、トラックはずれのような紛らわしいディフェクトでも、素早くこれを検出することのできる,ディフェクト検出装置,及び信号同期装置を備えた光ディスク装置を提供することを目的としている。
【0010】
また、これにより情報を高精度に,しかも安定に2値化することのできる,信号2値化装置を備えた光ディスク装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明にかかる光ディスク装置は、非同期に検出可能な基準信号を含んだ情報信号と,該情報信号より同期生成される同期信号との間の位相誤差の絶対値の大きさに応じた信号を出力する同期異常検出手段と、上記位相誤差の絶対値とスレショールドレベルとを比較し、ディフェクト検出信号を生成する判定手段と、上記情報信号の情報遷移間隔を非同期に測定する計測手段と、上記計測手段により検出された、上記基準信号の時間長の計測値に基づいて、上記ディフェクト検出信号を解除させる解除手段と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明にかかる光ディスク装置は、請求項1記載の光ディスク装置において、上記計測手段は、ディフェクトが検出される所定の期間,上記情報信号の情報遷移間隔を非同期に測定するものであり、上記解除手段は、上記所定の期間内において上記計測手段により検出された、上記基準信号の時間長の計測値に応じて、上記判定手段が生成するディフェクト検出信号を消滅させるものである、ことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項の発明にかかる光ディスク装置は、請求項1または2に記載のディフェクト検出装置において、上記情報信号の情報遷移間隔の最短値と最長値が規定され、上記基準信号は、上記情報信号を構成する信号群のうち最短または最長の情報遷移間隔を持つ信号であることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項の発明にかかるディフェクト検出装置は、請求項1に記載の光ディスク装置において、上記情報信号の情報遷移の同期信号に対する位相進みに対しては、該位相進みに相当する分の時間幅を有する第1のパルス信号を生成し、その位相遅れに対しては、該位相遅れに相当する分の時間幅を有する第2のパルス信号を生成する位相比較手段を備え、上記第1のパルス信号と上記第2のパルス信号の差信号を位相誤差とし、上記第1のパルス信号と上記第2のパルス信号の和信号を上記位相誤差の絶対値として出力することを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項の発明にかかる光ディスク装置は、請求項記載の光ディスク装置において、パルス信号が存在する間,コンデンサに電流を注入し、上記パルス信号が終了した後、上記コンデンサの両端の電圧をサンプルホールドし、さらに次のパルス信号が供給されるまでに上記コンデンサに蓄積された電荷を放電する第1の時間電圧変換手段と、該第1の時間電圧変換手段と同等の機能を有する第2の時間電圧変換手段とを有し、上記情報信号の情報遷移の同期信号に対する位相進みに対して発生される,該位相進みに相当する分の時間幅を有する第1のパルス信号と、上記情報信号の情報遷移の同期信号に対する位相遅れに対して発生される,該位相遅れに相当する分の時間幅を有する第2のパルス信号との論理和信号を、上記第1の時間電圧変換手段に供給し、上記第1のパルス信号と、上記第2のパルス信号との論理積信号を、上記第2の時間電圧変換手段に供給し、上記第1の時間電圧変換手段,及び第2の時間電圧変換手段の両出力信号の差信号を、位相誤差の絶対値として出力することを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項の発明にかかる光ディスク装置は、請求項1または2記載の光ディスク装置において、上記情報信号と上記同期信号との位相誤差を検出する位相比較手段と、上記位相誤差に応じて上記同期信号の位相を制御する周波数可変手段とよりなる位相同期手段を具備し、さらに上記ディフェクト検出信号に応じて、上記位相比較手段の出力を無効にするゲート手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項7の発明にかかる光ディスク装置は、請求項6記載の光ディスク装置において、上記同期信号に対して非同期に計測クロック信号を発生するクロック信号発生手段を備え、上記計測手段は、上記情報信号の情報遷移間隔を、上記計測クロック信号を用いてデジタルカウントするものであり、上記解除手段は、上記計測手段より出力される計測値を一時的に保持する記憶手段と、所定期間内において、上記計測値と上記記憶手段に保持されている値とを逐次比較して、上記情報信号の最長または最短の上記情報遷移間隔を検出する第1のデジタル比較手段と、上記情報信号の最長または最短の情報遷移間隔の計測値と、予め設定された規定値とを比較し、両者が所定の誤差内で一致したときに一致信号を発生する第2のデジタル比較手段と、上記位相誤差の絶対値が所定の閾値を越えた直後に上記ディフェクト検出信号を発生させ、上記一致信号を受けたとき上記ディフェクト検出信号を解除する手段とからなるものである、ことを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項の発明にかかる光ディスク装置は、請求項記載の光ディスク装置において、上記情報信号と上記同期信号との位相誤差を検出する位相比較手段と、上記基準信号の時間長を基準に上記同期信号の周波数偏差を検出する周波数比較手段と、上記位相誤差または上記周波数偏差に応じて、上記同期信号の位相または周波数を制御する周波数可変手段とよりなる周波数位相同期手段を具備し、さらに上記ディフェクト検出信号が生成されたとき上記周波数比較手段の出力を有効にする手段を備えたものである。
【0018】
また、請求項の発明にかかる光ディスク装置は、請求項記載の光ディスク装置において、上記周波数比較手段は、Mを整数として、同期状態における上記基準信号の情報遷移間隔が上記同期信号の周期のM倍であるとしたとき、上記基準信号の状態遷移間隔と上記同期信号をM分周した信号の周期間隔との差より、上記周波数偏差を検出するものであることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項10の発明にかかる光ディスク装置は、請求項1または2記載の光ディスク装置において、情報信号と同期信号との位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、カットオフ周波数より低域側に少なくとも1次の積分特性を、高域側に平坦特性を持つ第1のループフィルタと、上記第1のループフィルタの出力電圧に応じた周波数の同期信号を発生する周波数可変信号発生手段とよりなる位相制御ループを備え、かつ上記情報信号と上記同期信号との周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と、積分特性を有する第2のループフィルタと、上記周波数可変信号発生手段とよりなる周波数制御ループを備え、上記第2のループフィルタは、上記第1のループフィルタの積分要素を共用していることを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項11の発明にかかる光ディスク装置は、請求項1記載の光ディスク装置において、上記情報信号を適当な閾値を用いて2値化する比較手段と、上記比較手段より出力される2値化信号のデューティーと所定目標値との差に応じた信号をフィードバックして上記閾値を決定する第1の帰還手段と、上記2値化信号を、該2値化信号に対して同期生成された同期クロック信号で逐次ラッチして得た基準信号のデューティーと上記2値化信号のデューティーとの差に応じた信号をフィードバックして上記閾値を決定する第2の帰還手段と、上記ディフェクト検出信号に応じて、上記第2の帰還手段の帰還量を制限する帰還制限手段と、からなる信号2値化手段を有することを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態による光ディスク装置について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1による,ディフェクト検出装置を有する光ディスク装置を示すブロック図である。図1において、2は位相比較器であり、光ディスク媒体100からピックアップ101で再生され、2値化回路1を経た情報信号Uと同期信号Vとの位相誤差に応じたパルスを発生するものである。6は加算器、7は時間電圧変換回路であり、位相比較器2とともに、同期異常検出手段を構成し、位相誤差の絶対値すなわち同期異常を検出し、同期異常検出信号ASYNを出力する。8は電圧比較器(判定手段)であり、同期異常検出信号ASYNと閾値VTHとを比較して、ディフェクト検出フラグ信号DFCTを生成する。11はパルス幅計測回路(計測手段)であって、情報信号Uに含まれる基準信号REFのパルス幅を、非同期クロック発生器10による発生クロックを用いて計測する。200はディフェクト検出解除手段であり、上記電圧比較器8よりのディフェクト検出フラグ信号DFCTをそのまま出力するか、上記パルス幅計測回路10による計測結果11aをもとに、上記ディフェクト検出フラグ信号DFCTの出力を解除させる動作を行う。
【0027】
以下本実施の形態1による,ディフェクト検出装置を備えた光ディスク装置の動作について、図1、図2、図3、図4、図6を用いて説明する。
まず、光ディスク媒体100には、最長値と最短値が規定された情報マーク群が記録されている。本実施の形態1では、特に最長のマークを基準マークと定義し、これを再生した信号を基準信号とする。図1の回路において、位相比較器2の入力Uには、2値化回路1で2値化されたパルス状の情報信号PRFが、入力Vには同期クロック信号CKが供給される。すると、情報信号PRFの立ち上がり,又は立ち下がりエッジ(情報遷移)の,同期クロック信号CKの立ち上がりエッジに対する位相進み・遅れの分の幅のパルス信号が、それぞれUP、DNとして出力される。後述するが、位相同期状態で同期クロック信号CKが生成されている場合(図6の左半分の部分)は、パルス信号UP、DNのパルス幅はほとんど0になっている(厳密には後述のように一定の幅を有する)。ここで、図6の右半分の領域のように、ディフェクト領域DFに突入すると、情報信号PRFにはノイズが重畳されているため、ディフェクト領域DF前に生成された同期クロック信号CKとの位相関係が大きく乱される。このとき、両者の間にランダム的な位相遅れ,又は位相進みが発生するので、パルス信号UP、DNのパルス幅はもはや0ではなくなる。よって図6に示されるように、それぞれの位相出力UP、DNに、ランダム的に変動するパルス幅を持つパルス信号が現れる。
【0028】
これらのランダム的に変動するパルス幅を持つパルス信号UPと,DNとを、加算器6で加算合成し、さらに時間電圧変換回路7を用いて電圧変換すると、図6に示されるような上記両信号のパルス幅に応じた振幅を持つ,信号ASYNが得られる。この振幅は言うまでもなく、ディフェクトの程度(ディフェクトによるノイズの大きさ)に依存する。電圧比較器8は、該信号ASYNを、適当なスレショールド電圧VTHと比較し、これを越えればフラグ信号DFCTを発生する。
【0029】
位相比較器2,及び時間電圧変換回路7の具体的構成を、図2に示す。まず、位相比較器2は一般にはPLL(phase lock loop ),すなわち位相同期回路に用いられるものであり、U、V、それぞれに入力する信号の立ち上がりでトリガされる2対のフリップフロップFF1 , FF2 と、両者の出力の論理積で上記フリップフロップに帰還リセットをかけるNANDゲートNAND1 で構成される。両フリップフロップFF1 ,FF2 の出力がそれぞれUP、DNとなる。このとき、位相比較器2内部の遅延によるオフセットパルスOFP が発生する。すなわち、上記各回路に遅延が全く無ければ、入力UとVに同相の信号が入った場合、出力UP、DNにはパルス幅0の(無限に細い)信号が出るはずであるが、実際は、図3に示されるように、同回路を構成するフリップフロップFF1 ,FF2 とNANDゲートNAND1 の遅延分の幅を持つ(オフセット)パルス信号OFP が出力される。後述のように、この位相比較器の差動出力をPLLに用いる場合は、出力UP、DNの差信号を用いるため、このオフセット分は互いにキャンセルされるので問題にならないが、本実施の形態1のように、両出力のパルス幅の和信号(位相誤差の絶対値)から同期異常信号ASYNを検出する場合には、このオフセット成分が相互に加算されてしまい、従って、特に温度ドリフトなどでこのオフセット成分が変動すると、上記同期異常信号ASYNよりこれに閾値VTHを設けてディフェクト検出フラグ信号DFCTを生成する際に、検出誤差を生じさせる要因となる。従って本実施の形態1では、情報再生信号PRFが入力するごとに上記オフセットパルスと同じ幅を持つダミーパルスDM(UP∩DN),(図3参照)を発生させ、これでオフセット分を除去する方法を実現している。
【0030】
即ち、図2において、ORゲート30は、同期異常検出に用いる加算信号UP∪DNを得るためのものであり、図1の加算器6に相当するものである。一方、ダミーパルス(カウンタオフセットパルス)DM(UP∩DN)は、図3に示されるように、位相比較器2より出力される位相進み、遅れパルスUP、DNを、ANDゲート31に通すことによって抽出される。
【0031】
また、図2において、7aは、図1における時間電圧変換回路7のうち、加算パルス信号UP∪DN,即ち同期異常検出成分ASYNの時間電圧変換をうけもつ第1の時間電圧変換回路部分であり、スイッチ32a、35a、37a、電流源33a、コンデンサ34a、38a、バッファアンプ36a、39a、よりなる。7bは、上記時間電圧変換回路7のうち、論理積パルス信号UP∩DN,即ちオフセット除去のためのダミーパルス成分DMの時間電圧変換を受け持つ第2の時間電圧変換回路部分であり、スイッチ32b、35b、37b、電流源33b、コンデンサ34b、38b、バッファアンプ36b、39b、よりなる。
【0032】
上記第1の時間電圧変換回路部分7aについて動作を説明すると、スイッチ32aはパルス幅の期間だけ、定電流をコンデンサ34aに流し込み、その両端にパルス幅に比例した振幅の電圧Saを発生させる。スイッチ37aとコンデンサ38aは、上記電圧Saをサンプルホールドして信号Haを発生させるものであり、第2の時間電圧変換回路部分7bについても同様で、該両サンプルホールドは、ともに加算パルス信号UP∩DNの立ち下がりから所定の期間実行され、このタイミングはインバータ42とモノマルチ43で決定される。また、上記コンデンサ34a、34bに蓄積された電荷はサンプルホールド終了後に放電され、このタイミングはモノマルチ44で決定される。電圧変換後の両信号Ha、Hbは減算器40を通り、同期異常検出成分ASYNからオフセット成分DMが除去される。ローパスフィルタ41は、上記のように得られた同期異常検出信号ASYNから高周波変動成分を除去するもので、この信号同期装置におけるホールド動作が過度に敏感に機能することを避けるためのものである。
【0033】
図4に、CD(コンパクトディスク)のテストディスクに形成されたインターラプションディフェクトを、実際に図2で示した回路を用いて検出した実験結果を示すものであり、同期異常検出信号ASYN,及び情報再生信号RFを示すものである。この図4に示されるように、同期異常検出信号ASYNはディフェクト領域DFに入るなり増加している。これを図示のようなスレショールドレベルVTHで判定すれば、50〜100μsといった短期間のうちにディフェクト検出信号DFCTを生成することができる。
【0034】
このような本実施の形態1においては、非同期に検出可能な基準信号REFを含んだ情報信号PRFと,該情報信号より同期生成される同期信号CKとの間の位相誤差を検出して、その位相誤差の絶対値の大きさに応じた信号ASYNを生成し、該位相誤差の絶対値に応じてディフェクト検出信号DFCTを生成するようにしたので、該情報信号のパルス幅の最長値Tmax を越えるパルス信号,即ち基準信号のパルス幅を越えるパルス信号,が検出されたか否かにかかわらず、ディフェクト領域DFに入った直後にディフェクト領域DFに入ったことを検出することができ、ノイズ性のディフェクトや、トラックはずれでも迅速にこれを検出することができる。さらには、所定の期間,上記情報信号PRFの情報遷移間隔を測定し、該所定の期間内に検出された上記基準信号REFの時間長の計測値に応じて上記ディフェクト検出信号DFCTを消滅させるようにした、即ち基準信号の同期を参照してディフェクトが通過したことを判断するようにしたため、PLLが再動作する際に疑似ロックすることを避けることができ、正確に再ロックさせることができる効果が得られる。
【0035】
なお、パルス幅計測回路11の動作,及びディフェクト解除手段200の具体的な構成,及び作用については、以下、これを実際に、信号同期装置や、信号2値化装置に適用した、本発明の他の実施の形態で詳細に述べる。
【0036】
実施の形態2
図5は本発明の実施の形態2による,ディフェクト検出装置,及びこれを用いた信号同期装置を有する光ディスク装置のブロック図を示すものである。図5において、1は2値化回路であり、光ディスク媒体100より光ピックアップ101で読み出された再生信号RFをパルス化して情報信号PRFを生成するものである。位相比較器2、減算器3、ループフィルタ4、電圧制御発振器、即ちVCO5(周波数可変信号発生手段)、ゲート2a、2bは、PLL同期回路(位相同期手段)を構成し、パルス信号PRFと同期したクロック同期信号CKを生成する。パルス信号PRF,及びクロック同期信号CKはデコーダに供給され、ビデオ信号,オーディオ信号,あるいはその他の情報信号となる。
【0037】
上記位相比較器2、加算器6、時間電圧変換回路7、電圧比較器8、非同期クロック発生器10、及びパルス幅計測回路11は、図1で示されたものと同等に作用し、フリップフロップ9よりディフェクト検出フラグ信号DFCTを生成する。また、デジタル比較器12、14、ラッチレジスタ13、フレームカウンタ15、及びフリップフリップ16は、所定期間内において上記情報信号の最長または最短の情報遷移間隔の計測値と予め設定された規定値とを比較し、両者が所定の誤差内で一致したとき上記ディフェクト検出信号DFCTを解除する,本実施の形態2におけるディフェクト解除手段200aを構成する。本実施の形態2においても、光ディスク媒体100には、最長値と最短値が規定された情報マーク群が記録されており、特に最長のマークを基準マークと定義し、これを再生した信号を基準信号とする。
【0038】
以下、本実施の形態2による,ディフェクト検出装置,及び信号同期装置を備えた光ディスク装置について、図5,及び図6を用いてその動作を説明する。
図5の回路において、まず、位相比較器2の入力Uに情報信号PRFが、入力Vに同期クロック信号CKが供給されると、パルス信号PRFの立ち上がり,又は立ち下がりエッジの,同期クロック信号CKの立ち上がりエッジに対する位相進み・遅れの分の幅のパルス信号(第1,第2のパルス信号)が、それぞれUP、DNとして出力される。この差信号UP−DNを位相差信号としてループフィルタ4で平滑化したものをVCO5に加え、これが発生する同期クロック信号CKを、位相比較器2にフィードバックすれば、両信号の位相を同期させることができる。言い換えれば、再生信号RFからクロック成分CKを同期抽出することができる。なお、このとき位相差信号UP−DNの平均値は、0となっている。
【0039】
位相進み信号UP、位相遅れ信号DNは、さらに上記実施の形態1で述べたように、加算器6,時間電圧変換回路7,及び電圧比較器8を経て、ディフェクト検出フラグ信号DFCTとなるが、本実施の形態2では、電圧比較器8の出力をディフェクト突入信号DFCTINとし、これの立ち上がりでフリップフロップ9をトリガして、該フリップフロップ9からディフェクト検出信号DFCTを生成する。
【0040】
一旦ディフェクトが検出され、ディフェクト検出信号DFCTが生成されると、信号同期装置(PLL)は、ゲート2a、2bを閉じて位相比較器2の出力をループフィルタ4に供給しないようにする。このようにすると、VCO5の発振周波数は保持され、ディフェクトによるノイズによってクロック同期信号CKが大きく乱れることは防止される。ただし、上記のようにして一旦PLL動作を停止させると、ディフェクト領域DFを通り過ぎても位相同期が実行されず、時間電圧変換回路7の出力はつねにスレショールドレベルVTHを越えたままになる。したがってディフェクト領域DFを通過し、信号同期処理をしても問題がない領域に入ったことを検出するディフェクトフラグ解除手段200aを別途設ける必要がある。以下これについて詳細に説明する。
【0041】
パルス幅計測回路11は、情報信号PRFのパルス幅を逐次デジタルカウントする。カウントのためのクロックCCKは、非同期クロック発生器10より供給され、クロック同期信号CKに対して、非同期である。ただし、クロックCCKの周期は、情報信号PRFに含まれる,基準マーク(図6参照)を検出したときの基準信号REFの周期(あるいはその整数分の1)であるTにほぼ等しく設定されているものとする。従って、パルス幅計測回路11からは、計測したパルス信号,即ち上記情報信号PRFのパルス幅が周期Tの何倍であるかを、デジタル値nで出力する。比較手段12は、こうして得られたパルス幅nを前回の処理で得られたパルス幅n-1と比較し、大きければ、すなわち長ければ、現パルス幅nをラッチレジスタ13に保持し、次回のn-1とする。以上の処理をある程度続ければ、ラッチレジスタ13には、これまでに再生したパルス信号の中で最長のパルス信号の幅(Tmax )の測定値が保持される。
【0042】
このとき、レーザービームが、ディフェクト領域DFから正常な情報領域に復帰していたとすると、RLLコード系の規定に従って、上記最長パルス幅はTmax (=M×T)と一致するはずである。デジタル比較手段14は、この一致を検出する。実際は多少の測定誤差があるので、M−ε≦n−1≦M+εであれば、フラグ(L→H)を立て、さらにフリップフロップ16で確定させてディフェクト解除信号DFCTOUTとし、これをフリップフロップ9のリセット入力に供給し、ディフェクト検出フラグ信号DFCTを解除する。その結果、ゲート2a、2bが開いてPLLは再び動作を開始する。なお、εは検出誤差の許容値であり、M=11であればε=1〜2程度であればよい。
【0043】
フレームカウンタ15は、上記カウントクロックCCKを巡回デジタルカウントし、所定周期でフレームパルス信号FRを出力する。このフレームカウンタ15の役割は、上記一連の動作の開始と終了を指示するものである。即ち、フリップフロップ16に供給される上記フラグ信号FLG=1は、フレームパルスFRの立ち上がりで確定し、デフェクト終了信号DFCTOUT=1として出力される。これと同時にラッチレジスタ13はリセットされ、次のサイクルでの最大パルス幅を検出する動作を開始する。フレームカウンタ15の周期は、その期間内に確実にTmax を検出できる程度に長くなければならないが、長すぎればディフェクト終了信号DFCTOUT=1を出すタイミングがそれだけ遅れるので、必要以上に長くとるべきではない。CDフォーマットでは、Tmax =11Tのマークはリシンク(re-sync )マークとして用いられており、リシンクエリアは40バイトごとに設けられている。したがって、この場合リシンク周期の倍程度、すなわち約80バイトに相当する時間間隔でフレームパルス信号FRを出すようにしておけば、Tmax のマークは必ず一つは検出されることとなる。
【0044】
このような本実施の形態2においては、上記実施の形態1におけるように、情報信号PRFと同期信号CKとの間の位相誤差の絶対値の大きさに応じた信号ASYNを出力する同期異常検出手段と、上記位相誤差の絶対値に応じてディフェクト検出信号DFCTを生成する判定手段9とを備えた構成において、情報信号と同期信号の位相誤差を検出する位相比較手段2と、上記位相誤差に応じて上記同期信号CKの位相を制御する周波数可変手段5とよりなる位相同期手段と、上記ディフェクト検出信号DFCTに応じて上記位相比較手段2の出力を無効にするゲート手段2a,2bとを備え、さらに所定期間内において上記情報信号の最長または最短の情報遷移間隔の計測値と予め設定された規定値とを比較し、両者が一致したとき上記ディフェクト検出信号DFCTを解除する手段200aを具備した構成としたので、上記同期異常検出手段でディフェクトを迅速に検出して、PLL回路をホールド(停止)状態にすることができ、しかもディフェクト通過後に、ディフェクトフラグを解除してゲート2a,2bを開いて、PLL動作を復帰させることができる効果が得られる。
【0045】
なお、上記実施の形態1,2では、位相比較器2は位相進み、遅れの2出力を有し、この論理加算値から同期異常検出を行うようにしたが、上記位相比較器2の機能はこれに限定されるものではない。先述のように、上記位相比較器は、本来は位相進み、遅れの2出力の差動から位相進み・遅れに応じて0を中心に正負に変化する位相比較信号を得るものであり、本発明でこの加算値を求めることは、言い換えれば位相誤差の絶対値を検出することに他ならない。したがって位相比較器としては、上記差動出力に相当するものが直接出力されるもの、例えば、位相誤差が基準電圧あるいは電流を中心に正負の電圧値あるいは電流値で出力されるものであってもよい。ただしその場合、加算演算に代替する処理として、たとえば上記位相比較出力電圧(電流)の変動を、上記基準電圧(電流)に対して全波整流するなどして絶対値演算を行う方法,等を別途考える必要がある。
【0046】
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3について述べる。図7は、本発明の実施の形態3による,ディフェクト検出装置,及び信号同期装置を有する光ディスク装置を示すブロック図である。図7において、光ディスク媒体100,ピックアップ101,2値化回路1、位相比較器2、減算器3、VCO5、加算器6、時間電圧変換回路7、電圧比較器8、非同期クロック発生器10、パルス幅計測回路11、デジタル比較器12、ラッチレジスタ13、フレームカウンタ15,及び同期異常検出手段,PLL同期回路(位相同期手段)は、図5に示したものと同等に動作する。
【0047】
本実施の形態3においても、光ディスク媒体100には、最長値と最短値が規定された情報マーク群が記録されており、特に最長のマークを基準マークと定義し、これを再生した信号を基準信号とする。
【0048】
この図7に示す本実施の形態3では、パルス幅計測回路11、デジタル比較器12、ラッチレジスタ13、131、フレームカウンタ15、分周器23、パルス幅計測回路24、デジタル比較器141、142、減算器143、パルス発生器25、変調器26、ゲート27、チャージポンプ28により、上記ディフェクト検出信号DFCTが生成されたとき上記周波数比較手段(141〜143)の出力を有効にするディフェクト復帰手段200bを構成している。
【0049】
本実施の形態3の特徴は、まずディフェクト検出装置は、電圧比較器8の出力(図5ではDFCTIN)を、フリップフロップ(図5における9)を介さずにそのままディフェクト検出フラグ信号DFCTとしてPLLに供給していることである。上記図5の実施の形態2では、このディフェクト検出フラグ信号DFCTを用いてPLLをホールド(停止)していたために、同期異常信号DFCTINが自己復帰できず、別途ディフェクト解除フラグDFCTOUTを必要としたが、本実施の形態3では、ディフェクト検出フラグDFCTが発生したと同時に、周波数比較手段(141−143)の出力よりの周波数偏差信号FEをループフィルタ4に加えて、位相制御に重畳して周波数制御を実行させるようにしているため、ディフェクト中でも周波数は大きくはずれず、ディフェクト領域DF通過後に周波数偏差が無くなれば(図8の周波数アップ,周波数ダウンの領域を経た後に)、速やかにディフェクト検出フラグDFCTは解除し、PLL回路が通常の動作(位相制御)に復帰するようになる。
【0050】
以下、詳細に動作を説明する。まず、非同期クロック発生器10、パルス幅計測回路11、デジタル比較器12、ラッチレジスタ13、フレームカウンタ15によって逐次最長値探査が実行され、所定期間において、最長のパルス長を有する基準信号の非同期計測における計測長nx が、ラッチレジスタ131からデジタル値で出力される。一方、同期クロックCKは、分周器23でM分周される。Mは基準マークを再生した基準信号の規定長を表すものであり、先述のTmax に相当する。すなわち、先述のように情報信号PRFと同期クロック信号CKが位相同期した場合において、上記基準信号のパルス長は、同期クロックCKの周期のM倍になる。パルス幅計測回路24はパルス幅計測回路11と同等の動作をするものであり、このM分周された信号を非同期クロックCCKでカウントしてデジタル値nckとして出力する。ここで、情報再生信号(RF)とPLLの再生信号CKとの間に周波数偏差が無い場合、情報信号に含まれる基準信号の長さと、同期クロックCKをM分周して作られた信号のパルス幅とは一致するから、デジタルカウント値nck、nx の関係は、
nck=nx
となるはずである。ディフェクトで位相比較器2が乱されるとVCO入力電圧Vckにノイズが乗り、その結果、上記周波数偏差が発生して、上記デジタルカウント値nck、nx のいずれかが大きい,あるいは小さくなるが、デジタル比較器141、142によってこのことが判定され、減算器143によって上記周波数偏差が正負の電圧値を持つ信号として出力される。この信号はパルス発生器25、変調器26でパルス変調され、周波数偏差信号FEとしてPLLにフィードバックされる。この様子を図8に示す。
【0051】
PLL回路は、この周波数偏差信号FEを受けると周波数制御を実行する。本実施の形態3において、ループフィルタ4は、直列に接続された抵抗402、コンデンサ403で構成されている。また、減算器3の出力にはチャージポンプ301が接続されており、位相比較器2は実質的に位相誤差PEに応じた出力電流をループフィルタ4に供給することになる。これ以降のPLL(位相制御)の動作については、上記実施の形態1で述べたのと同等である。一方、周波数偏差信号FEもチャージポンプ28で電流変換され、ループフィルタ4を構成するコンデンサ403に供給される。
【0052】
上記位相誤差信号PEと周波数偏差信号FEが、本実施の形態3におけるように、それぞれ別々の入り口からループフィルタ4に供給されるべき理由については後述することにし、ここでは周波数制御系の概略の動作を図8を用いて説明する。
【0053】
ここでは、M=3(基準信号長は同期クロックの3倍)であるとしている。また、測定精度を高めるため、非同期クロックCCKのクロックの周波数は、同期時における同期クロックCKのほぼ2倍としている。
【0054】
ディフェクト直後、ノイズによってクロックCKの周波数は、一時的に上昇し、nck(M分周信号幅:図中計測長=1.5 )<nx (基準信号幅:図中計測長=3)となり、周波数偏差信号FEは負方向のパルス列となる。これによりコンデンサ403がディスチャージ(放電)され、VCO5に供給される電位Vckは減少し、その結果、VCO5が発生する同期クロック信号CKの周波数は低くなる。すると今度は、M分周信号の幅は長くなるため、カウント値nckは大きくなる(図中計測長1.5 →4)。このとき、周波数偏差信号FEは、正方向のパルス列となってコンデンサ403をチャージ(充電)し、VCO供給電位Vckは上がる。結局、nck(計測長3)=nx (図中計測長3)となるように、言い換えれば、VCO5の発振周波数が、結局基準信号幅の1/Mになるように制定されることになる。ここで、計測長nx は、先述のようにパルス幅計測回路11の出力nを逐次更新して得た,最長マーク長であり、これはフレームパルス毎に再計測がなされる。この理由は、光ディスク媒体を回すモータの回転変動により再生信号自体の周波数が変動し、常にnx =3になるとは限らないからである。
【0055】
本実施の形態3において、周波数偏差信号FEをパルス状にしているのは、周波数制御のゲインが極端に高くならないようにするためである。また、本実施の形態3では、この周波数偏差信号FEをパルス状にするのに、別途パルス発生器25を用い、その発生パルスを上記減算器143の出力に掛け算(26)するようにしているが、これはこれに限らず、例えば非同期クロック発生器10の信号を適当に分周した信号を用いるようにしてもよい。また、同期クロック信号CKから生成したものを用いてもよい。この同期クロックを用いた場合、そのパルス幅は周波数と反比例するから、PLLの動作周波数に関係無く、ゲインを一定にすることができる。
【0056】
上述の周波数制御は、図8に示すようにディフェクトが発生し、同期異常検出信号ASYNが閾値VTHを越えたときにゲート27が開いて実行される。従って上述のようにディフェクトによって一瞬,同期クロック信号CKの周波数がずれても、該同期クロック信号の周波数は速やかに定常時の周波数に復帰する。ここで、PLLによる位相制御は、ディフェクトの有無にかかわず動作させており、ディフェクト中はこのPLL回路は、ノイズによって正常な動作はしないが、ディフェクト通過後は周波数がキャプチャーレンジ内に入れば該PLLは直ちに位相同期状態に入る。上述のようにディフェクトの直後に周波数制御が機能すれば、同期クロック信号の周波数が定常周波数からはずれることは無く、ディフェクト通過後,速やかに位相制御が実行される。その結果、位相誤差の絶対値は0に近づき、同期異常検出信号ASYNが閾値VTHを割って、ディフェクト検出フラグ信号DFCTが自動解除される。
【0057】
さらに本実施の形態3の今ひとつの重要な特徴は、ディフェクト中のノイズによる誤動作を防止できる構成をとっていることである。すなわち、ディフェクト中も最長マークを検出し続けると、ノイズの中で“最長の”ものが検出されてしまう。これに対して、VCO5の周波数を合わせようとすると、当然、周波数がさらにはずれることがある。したがって、本実施の形態3では、ディフェクト検出フラグ信号DFCTINが発生したとき、該信号によりデジタル比較器12の動作をホールド(停止)させるようにしている。このようにすれば、ディフェクトの直前に得られた基準信号の(正しい)時間長が目標値となって、ディフェクト中,あるいはディフェクト通過直後の周波数制御が実行されるため、ノイズによる影響を全く受けないようにすることができる。
【0058】
次に、上記のように位相制御と周波数制御とを共存させる方法について詳しく述べる。図9は、図7の位相制御系と周波数制御系とを機能的に簡略化して示したブロック図である。ここで、周波数を基準に考えると、デジタル比較器141、142、減算器143は、図示のように1つの差動手段(141〜143)として扱うことができる。また、位相比較器2は、周波数/位相変換器と考えられ、図示のように差動手段と、積分要素(1/s)とからなるものと考えることができる。ここで、ゲイン関係は適当に正規化されているものとする。このとき、位相制御系(P−LOOP)のオープンループ特性は、抵抗402(R)、コンデンサ403(C)で決まるフィルタ(第1のループフィルタ)の特性に積分要素を掛けたものになる。上記フィルタ特性は、R、Cで決まるカットオフ周波数1/2πRCより低域が20dB/decの1次積分特性でもって、高域が0dB/decの平坦特性でもって表されるから、これに20dB/decの積分要素を掛ければ、結局図10(a) のように表され、20dB/decのカーブと0dBのラインの交点でループ特性が決まる。
【0059】
一方、周波数特性は位相比較器のような積分要素をもたないから位相制御系と全く同じループフィルタを用いると、図10(c) のようにカットオフ周波数より高域側はフラット(0dB/dec)になってしまって、0dBのラインとの交点が定まらない。ゲインを下げればカットオフより低域で0dBと交差させることができるが、このとき応答特性が低下し、上述のような迅速な周波数引き込みを実行することができない。そこで図9に示すように、周波数制御系のチャージポンプ出力をループフィルタのコンデンサ403に注入して抵抗402が全く無視されるようにすれば、言い換えれば、ループフィルタ4を構成する積分要素だけをループフィルタ(第2のループフィルタ)として用いるようにすれば、オープンループ特性は図10(b) に示すように、20dB/decの1次積分特性となって、0dBと交差させることができ、その結果、適切な速度で周波数引き込みを実現することができる。
【0060】
以上のように本実施の形態3では、情報信号PRFと同期信号CKとの間の位相誤差の絶対値の大きさに応じた信号ASYNを出力し、さらにこれに応じてディフェクト検出信号DFCTを生成する同期異常検出手段を備えた構成において、上記情報信号と上記同期信号との位相誤差を検出する位相比較手段と、上記基準信号の時間長を基準に上記同期信号の周波数偏差を検出する周波数比較手段と、上記位相誤差または上記周波数偏差に応じて上記同期信号の位相または周波数を制御する周波数可変手段とよりなる周波数位相同期手段を具備し、さらに上記ディフェクト検出信号が生成されたとき上記周波数比較手段の出力を有効にするディフェクト復帰手段200bを備え、ディフェクト時にPLLをホールド(停止)せずに周波数制御を実行させるようにしたので、ディフェクト検出フラグを上記周波数制御により自己解除させて、ディフェクト通過後迅速に位相制御を引き込ませることができる効果が得られる。
【0061】
なお、上記実施の形態2,及び実施の形態3においては、ディフェクトフラグを解除するために、測定された最長パルス幅と規定最長パルス幅とを比較したが、これは最短パルス同士の比較を行っても構わない。こうしたほうが、カウンタやラッチレジスタのビット数を小さくでき、装置をよりローコストに実現できる可能性がある。また、パルス幅が最長であるか、あるいは最短であるかを検出するのではなく、非同期に検出できる特定パターン、例えば変調則に無いような組み合わせマークなどのパターンを検出して、ディフェクトフラグを解除するようにしてもよい。
【0062】
実施の形態4
以下、本発明の第4の実施の形態による光ディスク装置について説明する。本実施の形態4は、光ディスク媒体より再生された信号に対して適当な閾値を設け、これを2値化する方法についてのものである。
【0063】
従来より用いられている,光ディスク媒体より再生された信号を2値化する方法としては、該2値化して得られたパルス信号の単位時間におけるH(第1の値)の期間の総和と、L(第2の値)の期間の総和とが相等しくなるように、即ち両者の比(デューティ比)が1となるように、上記閾値をフィードバック制御するものがある。しかるにこの方法は、記録された変調信号が単位時間あたり等しい数のH(1)とL(0)で構成されている,即ちDCフリーであることを前提としている。CDで用いられているEFM(8−14変調,Eight-to-Fourteen Modulation)符号は、この条件をほぼ満たしている。しかし、このDCフリーであることを保証するためには、EFM変調則では、DCフリーにするための,かつランレングスを制限するための3ビットの付加コードを付加して、8ビットの原情報を17ビットに変換せねばならず、それだけ冗長度が大きくなってしまう。
【0064】
同じRLL符号である(2、7)変調では、16ビットに変換され、幾分冗長度が減るが、一方では単位時間における1と0の数の比がアンバランスとなり、DCフリーではなくなってしまう。
【0065】
このような非DCフリー符号が用いられた再生信号を上記方法で2値化しようとすると、本来1と0の数が違うところへこれを無理矢理合わせようとするフィードバックがかかるので、その結果閾値レベルが適正値からずれてしまう,即ちDCドリフトが生じることとなる。
【0066】
こういった課題の解決策として、特開昭60−103720号公報や、特開平2−94916号公報などで開示されている技術が提案されている。すなわち、2値化情報再生信号(再生パルス信号)に対してPLLが作用し、信号同期が確認されると(特開平2−94916号公報では、リシンクマークが検出されるか否かで判定している)、上記PLLより生成されたクロック同期信号で上記再生パルス信号を逐次ラッチして、このラッチした信号のデューティ比に対して上記再生パルス信号のデューティ比が等しくなるように、2値化のための閾値レベルを決定する。このようにすると、適正閾値が、もともと任意の単位時間中の記録信号に含まれる1と0の比になるように決定されるため、上記したようなDCドリフトは無くなる,とされている。
【0067】
しかし、上記2例で開示されている技術は、クロックでラッチした信号が記録される前の信号とほぼ一致していることが前提になっており、ディフェクトなどによるノイズの影響を受けて両者が一致しなくなった場合には、正しく閾値を決定できないばかりか、制御系が不安定になって、閾値が暴走してしまうといった問題点があった。
【0068】
また、上記従来例では、PLLが動作しているときに、ラッチした信号のデューティ比を上記再生パルス信号のデューティ比と比較する,としているが、PLLがはずれない程度のノイズであっても、閾値レベルが暴走すれば、再生信号はもはや得られなくなり、その結果、PLLがはずれてしまうといった自己矛盾が発生する。
【0069】
本実施の形態4では、上記の場合でも安定に動作する信号2値化装置を有する光ディスク装置について述べる。図11は本発明の第4の実施の形態による信号2値化装置を有する光ディスク装置のブロック図である。図11において、111は電圧比較器であり、再生信号RFが閾値VSLを越えればL→Hとなる2値化信号X+ と、H→Lになる2値化信号X- とを出力する。2値化信号X+ 、X- は互いに正論理、負論理の関係にある。112a、112bはフリップフロップであり、2値化信号X+ 、X- をクロック同期信号CKでラッチして、ラッチ信号(基準信号)S+ 、S- を生成するものである。クロック同期信号CKは、位相比較器2、差動アンプ3、ループフィルタ4、VCO5から成るPLL回路によって、2値化信号X+ から同期生成される(2値化信号X- から生成してもよい)。また、114は加減算アンプ、115は積分器であり、
VSL =∫{(X+ −X- )−(S+ −S- )}dt (1)
を演算して、電圧比較器111にフィードバックする。その結果、定常状態において、
(X+ −X- )−(S+ −S- )=0 (2)
となるように閾値VSLが決定される。ここで、先述のように、X+ はX- に対して、S+ はS- に対してそれぞれ相補的関係にあるから、(2) 式が満たされるのは、
+ =S+ - =S- (3)
なる場合に限られる。すなわち、閾値レベルが適当に制御された結果、2値化信号がラッチ信号と一致した、言い換えれば、適切に閾値が決定されたことを意味する。
【0070】
しかし、(1) 式が定常状態になり、(2) 式,あるいは(3) 式が成立するのは、あくまでラッチ信号S+ (S- )が記録前の信号と一致し、しかも閾値の変動に対して変化しないことを前提とする。一般的に言って、フィードバック回路系が安定であるためには、系が負帰還ループを形成していなければならない。図11,あるいは(1) 式で示される系の場合、(X+ −X- )はフィードバック変数VSLに対する関数になっているから、これが負帰還を成すようにすればよい。つまり、閾値VSLが僅かに増加した結果、(X+ (VSL)−X- (VSL))が僅かに減少し、その結果、(1) 式により、閾値VSLを押し下げる、といったように動作させればよい。ところが、(1) 式の(S+ −S- )は、(X+ −X- )に対して逆相であるから、(X+ −X- )が負帰還ならば、見かけ上正帰還となっている。
【0071】
もっとも、上記したように(S+ −S- )が閾値VSLの変動に対して動かなければ、つまり該(S+ −S- )を定数とみなすことができれば、フィードバック系の動作には全く寄与しない。しかし実際は、ラッチ信号(S+ −S- )は閾値VSLに対して段階的に変化する変数である。先述のように光ディスクに記録されている信号は、基準クロック周期をTとして、(nmin )T、(nmin +1)T、・・、nT、・・・、(nmax )Tの幅のパルス列の組み合わせより構成されている。これを再生して2値化する際に閾値レベルがdだけずれると、本来nTのパルス幅を持つ2値化信号X+ (X- )のパルス幅は、(n−δ(d) )Tとなる。ここで、δ(d) はパルス幅の変動量であり、閾値レベル変動dに対して一義的に増加する関数として記述できる。今、
−T/2< δ(d) <+T/2 (4)
ならば、これをラッチした信号S+ (S- )のパルス幅は、かならずnTに復元される。しかし、閾値VSLの変動が(4) 式の範囲を越えると、上記ラッチ信号のパルス幅は、(n−1)T,あるいは(n+1)Tとなってしまう。
【0072】
このように、閾値VSLの変動によってラッチ信号S+ (S- )パルス幅の減少,あるいは増加が一旦生じると、上記した正帰還が発生し、閾値の変動をさらに押し上げ、最後には閾値レベルが再生信号の振幅を通り越してしまう。こうしたことは、先述したインターラプションなどのノイズ性のディフェクトによって容易に起こり得る。
【0073】
そこで本実施の形態4では、パルス幅の変動量δ(d) を検出して、これが(4) の条件を越えるような場合、ラッチ信号(S+ −S- )による正帰還を阻止するようにしている。図11において、加算アンプ6、時間電圧変換回路7、電圧比較器8は、図1で示されたものと同等の動作をする。その結果、クロック同期信号CKの立ち上がりに対する2値化信号X+ の立ち上がり時間の変動の絶対値が、電圧変換されて出力されるが、これは上記nTからのずれの絶対値|δ(d) |に他ならない。したがって、電圧比較器8の閾値VTHを適当に設定することで、(4) 式の範囲を逸脱したことをフラグTOVRで知らせることができる。もっとも(4) 式で与えられているのは許容限界値であるから、実際の閾値VTHは、|δ(d) |がT/2より小さい値でフラグTOVRが立つように、許容値を狭めておくほうがよい。
【0074】
このフラグTOVRによって、ゲート113a、113bが閉じると、
+ =0 S- =0
となって正帰還ループは遮断される。S+ 、S- が消えた結果、2値化信号X+ 、X- は、一見、制御目標を失ったかのように見えるが、実際は(1) 式より、
VSL=∫(X+ −X- )dt (5)
となって、このとき再生信号2値化閾値は、
+ =X- (6)
となるように制御される。つまり、2値化信号のデューティ比が等しくなる通常の閾値決定フィードバックが実行される。
【0075】
このような本実施の形態4では、情報信号RFを適当な閾値VSLを用いて2値化する比較手段111と、上記比較手段より出力される2値化信号の第1の値X+ と第2の値X- の,単位時間あたりの出現数の差に応じた信号を負帰還して上記閾値を決定する第1の帰還手段(114,115,111のループ)と、上記2値化信号を、該2値化信号に対して同期生成された同期クロック信号CKで逐次ラッチ(112a,112b)して得た基準信号の第2の値S- と第1の値S+ の単位時間あたりの出現数の差に応じた信号を上記第1の帰還手段に加えて、実質的に正帰還閉路を形成する第2の帰還手段(112a,112b,113a,113b,114,115,111のループ)と、非同期に検出可能な基準信号REFを含んだ情報信号PRFと,該情報信号より同期生成される同期信号CKとの間の位相誤差を検出して、その絶対値の大きさに応じた信号を出力し、該位相誤差の絶対値に応じて生成されるディフェクト検出信号TOVRに応じて、上記第2の帰還手段の帰還量を制限する帰還制限手段(6,7,8,113a,113b)とを備えたものとしたので、非DCフリーの再生信号に対して適正な閾値を設定することができ、さらにディフェクトがあっても安定に動作する信号2値化装置を実現することができる効果が得られる。
【0076】
なお、本実施の形態4においては、パルス幅の変動量δに対して閾値を設け、これを越えた場合にラッチ信号が供給される正帰還ループを遮断するような構成にしたが、これを変動量δに応じて段階的に上記正帰還ループのゲインを小さくし、ある値以上で0(遮断状態)にするものであっても良い。
【0077】
また、上記全ての実施の形態における構成は、ディスクの傷やトラックはずれに限定されず、すべての外乱要因についてその効力を発揮することができる。たとえば、近年、情報面を多層にした光ディスクが提案されているが、ある記録面から他の記録面にジャンプする際、瞬間的にフォーカスはずれが発生する。こういった場合にも本発明を用いれば、PLLおよび信号2値化処理回路を安定に動作させることができる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように請求項1及び請求項2の発明によれば、非同期に検出可能な基準信号REFを含んだ情報信号PRFと,該情報信号より同期生成される同期信号CKとの間の位相誤差を検出して、その絶対値の大きさに応じた信号ASYNを出力し、該位相誤差の絶対値とスレショールドレベルとを比較して、ディフェクト検出信号DFCTを生成するようにしたので、ディフェクト領域DFに入った直後にディフェクト領域DFに入ったことを検出することができ、ノイズ性のディフェクトや、トラックはずれでも迅速にこれを検出することができ、さらには、所定の期間上記情報信号PRFの情報遷移間隔を測定し、上記所定の期間内に検出された上記基準信号REFの時間長の計測値に応じて上記ディフェクト検出信号DFCTを消滅させるようにしたので、PLLが再動作する際に疑似ロックすることを避けることができ、正確に再ロックさせることができる効果が得られる。
【0079】
また、請求項の発明によれば、上記情報信号と上記同期信号との位相差を検出する位相比較手段と、上記位相誤差に応じて、上記同期信号の位相を制御する周波数可変手段とよりなる位相同期手段と、ディフェクト検出信号に応じて上記位相比較手段の出力を無効にするゲート手段とを備えたので、ディフェクト領域突入直後に位相同期動作をホールド(停止)することができ、ディフェクトの影響を最小限に抑えることができる効果が得られる。
【0080】
また、請求項の発明によれば、上記情報信号と上記同期信号との位相誤差を検出する位相比較手段と、基準信号の時間長を基準に上記同期信号の周波数偏差を検出する周波数比較手段と、上記位相差または上記周波数偏差に応じて上記同期信号の位相または周波数を制御する周波数可変手段とよりなる周波数位相同期手段とを具備し、ディフェクト検出信号が発生したとき上記周波数比較手段の出力を有効にする手段を備えたので、ディフェクト領域突入直後に周波数制御が実行されることにより、ディフェクトによって周波数が大きく乱されることがなく、ディフェクト通過後,速やかに位相制御を実行させることができる効果が得られる。
【0083】
また、請求項11の発明によれば、上記情報信号を適当な閾値を用いて2値化する比較手段と、上記比較手段より出力される2値化信号のデューティーと所定目標値との差に応じた信号をフィードバックして上記閾値を決定する第1の帰還手段と、上記2値化信号を、該2値化信号に対して同期生成された同期クロック信号で逐次ラッチして得た基準信号のデューティーと上記2値化信号のデューティーとの差に応じた信号をフィードバックして上記閾値を決定する第2の帰還手段と、上記ディフェクト検出信号に応じて、上記第2の帰還手段の帰還量を制限する帰還制限手段と、からなる信号2値化手段を有することにより、通常は、第2の帰還手段は、第1の帰還手段の制御目標値として作用して情報信号のパターンによるしきい値のドリフトを除去するように動作するため、高精度に情報信号を2値化することができ、しかもディフェクトの際は、これを迅速に検出して、上記第2の帰還手段の動作を制限し、系が不安定になるのを防止することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による光ディスク装置におけるディフェクト検出装置のブロック図である。
【図2】上記実施の形態1における同期異常検出部の構成図である。
【図3】上記実施の形態1における動作説明のためのタイミングチャート図である。
【図4】上記実施の形態1の実験結果を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2による光ディスク装置におけるディフェクト検出装置とこれを用いた信号同期装置のブロック図である。
【図6】上記実施の形態1における動作説明のためのタイミングチャート図である。
【図7】本発明の実施の形態3による光ディスク装置におけるディフェクト検出装置とこれを用いた信号同期装置のブロック図である。
【図8】上記実施の形態3における動作説明のためのタイミングチャート図である。
【図9】上記実施の形態3における位相,および周波数制御系の機能ブロック図である。
【図10】上記実施の形態3における動作説明のためのオープンループ特性を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態4による光ディスク装置における信号2値化装置のブロック図である。
【図12】従来のディフェクト検出装置の概略図である。
【符号の説明】
1 2値化回路
2 位相比較器
4 ループフィルター
5 VCO
7 時間電圧変換回路
8 電圧比較器
10 非同期クロック発生器
11、24 パルス幅計測回路
12、14、141、142 デジタル比較器
13 ラッチレジスタ
15 フレームカウンタ
28、301 チャージポンプ
33a、33b 電流源
32a、32b、35a、35b、37a、37b スイッチ
111 電圧比較器

Claims (11)

  1. 非同期に検出可能な基準信号を含んだ情報信号と,該情報信号より同期生成される同期信号との間の位相誤差の絶対値の大きさに応じた信号を出力する同期異常検出手段と、
    上記位相誤差の絶対値とスレショールドレベルとを比較し、ディフェクト検出信号を生成する判定手段と
    上記情報信号の情報遷移間隔を非同期に測定する計測手段と、
    上記計測手段により検出された、上記基準信号の時間長の計測値に基づいて、上記ディフェクト検出信号を解除させる解除手段と、を備えたことを特徴する光ディスク装置。
  2. 請求項1記載の光ディスク装置において、
    上記計測手段は、ディフェクトが検出される所定の期間,上記情報信号の情報遷移間隔を非同期に測定するものであり
    上記解除手段は、上記所定の期間内において上記計測手段により検出された、上記基準信号の時間長の計測値に応じて、上記判定手段が生成するディフェクト検出信号を消滅させるものである、ことを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項1または2記載の光ディスク装置において、
    上記情報信号は、その情報遷移間隔の最短値と最長値が規定され、
    上記基準信号は、上記情報信号を構成する信号群のうち最短または最長の情報遷移間隔を持つ信号であることを特徴とする光ディスク装置。
  4. 請求項1記載の光ディスク装置において、
    上記情報信号の情報遷移の上記同期信号に対する位相進みに対しては、該位相進みに相当する分の時間幅を有する第1のパルス信号を生成し、その位相遅れに対しては、該位相遅れに相当する分の時間幅を有する第2のパルス信号を生成する位相比較手段を備え、
    上記第1のパルス信号と上記第2のパルス信号の差信号を位相誤差とし、上記第1のパルス信号と上記第2のパルス信号の和信号を、上記位相誤差の絶対値として出力することを特徴とする光ディスク装置。
  5. 請求項4記載の光ディスク装置において、
    パルス信号が存在する間,コンデンサに電流を注入し、上記パルス信号が終了した後、上記コンデンサの両端の電圧をサンプルホールドし、さらに次のパルス信号が供給されるまでに上記コンデンサに蓄積された電荷を放電する第1の時間電圧変換手段と、
    上記第1の時間電圧変換手段と同等な機能を有する第2の時間電圧変換手段とを有し、
    上記情報信号の情報遷移の同期信号に対する位相進みに対して発生される,該位相進みに相当する分の時間幅を有する第1のパルス信号と、上記情報信号の情報遷移の同期信号に対する位相遅れに対して発生される,該位相遅れに相当する分の時間幅を有する第2のパルス信号との論理和信号を、上記第1の時間電圧変換手段に供給し、
    上記第1のパルス信号と上記第2のパルス信号との論理積信号を、上記第2の時間電圧変換手段に供給し、
    上記第1の時間電圧変換手段,及び第2の時間電圧変換手段の両出力信号の差信号を、位相誤差の絶対値として出力することを特徴とする光ディスク装置。
  6. 請求項1または2記載の光ディスク装置において、
    上記情報信号と上記同期信号との位相誤差を検出する位相比較手段と、上記位相誤差に応じて、上記同期信号の位相を制御する周波数可変手段とよりなる位相同期手段を具備し、さらに
    上記ディフェクト検出信号に応じて上記位相比較手段の出力を無効にするゲート手段とを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  7. 請求項6記載の光ディスク装置において、
    上記同期信号に対して非同期に計測クロック信号を発生するクロック信号発生手段を備え、
    上記計測手段は、上記情報信号の情報遷移間隔を、上記計測クロック信号を用いてデジタルカウントし、
    上記解除手段は、上記計測手段より出力される計測値を一時的に保持する記憶手段と、
    所定期間内において上記計測値と上記記憶手段に保持されている値とを逐次比較して上記情報信号の最長または最短の情報遷移間隔を検出する第1のデジタル比較手段と、
    上記情報信号の最長または最短の情報遷移間隔の計測値と予め設定された規定値とを比較し、両者が所定の誤差内で一致したとき一致信号を発生する第2のデジタル比較手段と、
    上記位相誤差の絶対値が所定の閾値を越えた直後に上記ディフェクト検出信号を発生させ、上記一致信号を受けたとき上記ディフェクト検出信号を解除するディフェクト解除手段とからなる、ことを特徴とする光ディスク装置。
  8. 請求項2記載の光ディスク装置において、
    上記情報信号と上記同期信号との位相誤差を検出する位相比較手段と、
    上記基準信号の時間長を基準に上記同期信号の周波数偏差を検出する周波数比較手段と、
    上記位相誤差または上記周波数偏差に応じて上記同期信号の位相または周波数を制御する周波数可変手段とよりなる周波数位相同期手段を具備し、さらに
    上記ディフェクト検出信号が生成されたとき上記周波数比較手段の出力を有効にするディフェクト復帰手段を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  9. 請求項8記載の光ディスク装置において、
    上記周波数比較手段は、Mを整数として、同期状態における上記基準信号の情報遷移間隔が上記同期信号の周期のM倍であるとしたとき、上記基準信号の情報遷移間隔と上記同期信号をM分周した信号の周期間隔との差より、上記周波数偏差を検出する手段を備えたことを特徴とする信号同期装置。
  10. 請求項1または2記載の光ディスク装置において、
    非同期に検出可能な基準信号を含んだ情報信号と,該情報信号より同期生成される同期信号との位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、
    カットオフ周波数より低域側に少なくとも1次の積分特性を、高域側に平坦特性を持つ第1のループフィルタと、
    上記第1のループフィルタの出力電圧に応じた周波数の同期信号を発生する周波数可変信号発生手段とよりなる位相制御ループを備え、かつ
    上記情報信号と上記同期信号との周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と、
    積分特性を有する第2のループフィルタと、
    上記周波数可変信号発生手段とよりなる周波数制御ループを備え、
    上記第2のループフィルタは、上記第1のループフィルタの積分要素を共用していることを特徴とする光ディスク装置。
  11. 請求項1記載の光ディスク装置において、
    上記情報信号を適当な閾値を用いて2値化する比較手段と、
    上記比較手段より出力される2値化信号のデューティーと所定目標値との差に応じた信号をフィードバックして上記閾値を決定する第1の帰還手段と、
    上記2値化信号を、該2値化信号に対して同期生成された同期クロック信号で逐次ラッチして得た基準信号のデューティーと上記2値化信号のデューティーとの差に応じた信号をフィードバックして上記閾値を決定する第2の帰還手段と、
    上記ディフェクト検出信号に応じて、上記第2の帰還手段の帰還量を制限する帰還制限手段と、からなる信号2値化手段を有することを特徴とする光ディスク装置。
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