JP3822684B2

JP3822684B2 - Method for producing aqueous coating composition

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Publication number: JP3822684B2
Application number: JP27681296A
Authority: JP
Inventors: 秀孝中河原; 誠守屋; 伊久子伊藤
Original assignee: Mitsubishi Chemical Corp; Mitsubishi Rayon Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Chemical Corp; Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date: 1996-09-30
Filing date: 1996-09-30
Publication date: 2006-09-20
Anticipated expiration: 2016-09-30
Also published as: JPH10101966A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性被覆用組成物に関し、より詳しくは分散物の凝集、ゲル化、ブツ等の発生が少ない水性被覆用組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
環境上の点より、近年、水性被覆用組成物のニーズが高まってきており、数多くの品種が開発されてきている。エマルション、ディスパージョン等は、重合体が水中に分散して存在しているために、重合体の分子量が高くなってもあまり大きな粘度上昇が生じない。このため高分子量の重合体を使用することが可能であり、塗膜物性に優れた水性被覆用組成物を製造することができるという利点を有している。
【０００３】
しかし、顔料を分散させる必要のある場合には、重合体が顔料を包み込み、顔料の再凝集を防ぐという作用が不可欠であるが、重合体が水中に分散して存在するエマルション、ディスパージョン等では、顔料の再凝集が防ぎきれず、十分な顔料分散性が得られないという欠点を有する。顔料を包み込み、顔料の再凝集を防ぐためには、重合体が水中に溶解して存在することが必要であり、従来よりこのような水溶性重合体の開発が種々進められてきた。
【０００４】
しかし、重合体が水中に溶解している水溶性重合体は、水溶液の粘度が高くなってしまうため低分子量化をせざるを得ない場合が多く、そのために、耐水性、強度等の塗膜物性に優れた水性被覆用組成物を得ることが難しいという根本的な問題点を有している。
【０００５】
これまでエマルションに、ビニル系重合体水性溶解物をブレンドする検討が行われてきているが、ブツ（異物）、ゲル化、貯蔵安定性等の様々な欠点があり、重合体水性分散液と水溶性ビニル系重合体の特徴を生かした水性被覆用組成物を得ることが困難であった。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、重合体水性分散液に、ビニル系重合体をブレンドし溶解させて分散物のゲル化、ブツ等の発生の少ない水性被覆用組成物を提供することを目的として鋭意研究を進めた結果、塩基性物質の存在下で特定の粒径粒子および酸価を有するビニル系重合体粒子の特定量を重合体水性分散液に溶解させることにより、上記の目的が達成できることを見い出し本発明に至った。
【０００７】
すなわち本発明は、重合体水性分散液［Ｉ］に、粒径が２８μｍ以上である重合体粒子を９５％以上含み、かつ酸価が３０〜３００ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであるビニル系重合体粒子［II］をブレンドし、前記ビニル系重合体粒子［ II ］を塩基性物質で中和して溶解させる水性被覆用組成物の製造方法であって、前記ビニル系重合体粒子［II］の溶解量が前記重合体水性分散液［Ｉ］の固形分１００重量部に対し９０００重量部以下であり、前記ビニル系重合体粒子［ II ］の酸基の５０％以上を中和する水性被覆用組成物の製造方法である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられ重合体水性分散液［Ｉ］は、水性媒体中に重合体からなる樹脂が分散してなるものである。重合体水性分散液［Ｉ］における重合体としては、特に限定されず、一般の重合体、例えばビニル系重合体、ウレタン系重合体、ポリエステル系重合体、塩化ゴム系重合体、塩化ポリオレフィン系重合体等が挙げられるが、これらの中でもビニル系重合体、ウレタン系重合体がブレンド時の凝集物、ゲル等の発生が低いため好ましい。
【０００９】
重合体水性分散液［Ｉ］の製造方法としては、乳化重合法による方法、カルボン酸等の酸基を含む重合体を親水性有機溶剤中に溶解させ、あるいはカルボン酸を含む単量体およびその他共重合可能な単量体を親水性有機溶剤中で溶液重合させて調整した重合体有機溶剤溶液を塩基で中和して水に分散させる方法、重合体を親水性有機溶剤中に溶解後、界面活性剤を含む水中に高剪断をかけて分散化させる方法等、各種の方法が採用できる。なかでも、乳化重合法により製造されるものがビニル系重合体粒子［II］を溶解させる時に安定であるため、特に好ましい。
【００１０】
重合体水性分散液［Ｉ］における重合体からなる固形分量は、特に限定されないが、２０〜６０重量％であることが好ましい。
【００１１】
本発明において用いられるビニル系重合体粒子［II］は、ビニル系重合体の粒状物で構成されるが、粒径が２８μｍ以上である重合体粒子を９５％以上を含有することが必要である。これは、粒径が２８μｍ未満である重合体粒子を５％を越えて含むようになると表面積が大きくなるために、塩基性物質を含む水への溶解速度が大となり、重合体水性分散液［Ｉ］の分散安定性を破壊し、ゲル化、ブツなどの発生要因となるためである。
【００１２】
また、本発明において用いられるビニル系重合体粒子［II］は、酸価が３０〜３００ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであることが必要である。これは、酸価が３０ｍｇ・ＫＯＨ／ｇ未満であると水への溶解性が不十分となるため、ビニル系重合体粒子［II］が重合体水性分散液［Ｉ］に安定してブレンドされず、ブツを生じてしまうようになり、一方、酸価が３００ｍｇ・ＫＯＨ／ｇを越えるとビニル重合体粒子［II］を重合体水性分散液［Ｉ］中に溶解した時点で、重合体水性分散液［Ｉ］の分散安定性が破壊されてゲル化が起こるようになるためである。
【００１３】
上記の特性を有するビニル系重合体粒子［II］は、酸価を付与するための酸基含有ビニル系単量体とこれと共重合可能なビニル系重合体とを共重合することにより得ることができる。
【００１４】
酸基含有ビニル系単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の一塩基酸；フマール酸、マレイン酸、イタコン酸等の二塩基酸またはこれらの部分エステル化物が挙げられる。また、スルホン酸基含有ビニル系単量体としては、例えば２−スルホエチルメタクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらは１種でまたは２種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、カルボン酸を有するビニル系化合物を用いた場合が、水系溶媒への溶解性、耐水性および顔料分散性が良好なものが得られるので好ましい。特に、メタクリル酸を用いた場合には、水系溶媒への溶解性、耐水性および顔料分散性がいずれも非常に良好になる傾向にあり好ましい。
【００１５】
また、共重合可能なビニル系単量体としては、例えばメチル（メタ）アクリレート、エチル（メタ）メタクリレート、ｎ−ブチル（メタ）アクリレート、ｉ−ブチル（メタ）アクリレート、ｔ−ブチル（メタ）アクリレート、シクロヘキシル（メタ）アクリレート、２−エチルヘキシル（メタ）アクリレート、ラウリル（メタ）アクリレート、ステアリル（メタ）アクリレート等のアルキル基の炭素数が１〜１８である（メタ）アクリル酸アルキルエステル；２−ヒドロキシエチル（メタ）アクリレート、２−ヒドロキシプロピル（メタ）アクリレート等のヒドロキシアルキル（メタ）アクリレート；エチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ブチレングリコール（メタ）アクリレート等のグリコールジ（メタ）アクリレート；ジメチルアミノエチル（メタ）アクリレート等のアルキルアミノ（メタ）アクリレート；およびジメチルアミノエチル（メタ）アクリレートメチルクロライド塩、アリル（メタ）アクリレート、トリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、（メタ）アクリロニトリル、スチレン、ベンジルメタクリレート、α−メチルスチレン等が挙げられる。これらは１種でまたは２種以上を組み合わせて用いることができる。
【００１６】
ビニル系重合体粒子［II］を重合により得るに当っての、酸基含有単量体と共重合可能なビニル系単量体との組成割合は、上記の酸価が得られる範囲であれば特に限定されないが、本発明で用いるビニル系重合体粒子が粒状物であるため、付着防止の点からＤＳＣ（示差走査熱量測定法）で測定した二次転移温度（以下、Ｔｇと略記する。）が１０℃以上となるようにすることが好ましい。
【００１７】
ビニル系重合体粒子［II］を得るための重合方法としては、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の公知の方法の適用が可能である。しかし、懸濁重合法で得られるものが溶解時に重合体水性分散体［Ｉ］の分散安定性をそこなわず、ゲル化、ブツ等の発生も少ないことから特に好ましい。懸濁重合法を適用した場合は、重合後濾過により重合体固形物を水等の分散媒体から分離することによって、容易に本発明のビニル系重合体粒子［II］を得ることができる。懸濁重合に用いる分散剤としては、ケン化度が７０〜１００％の範囲であるポバール、ポリ（メタ）アクリル酸ソーダ塩等の公知の水溶性高分子を用いることができる。
【００１８】
また、溶液重合における溶剤としては、本発明で用いる単量体および重合体を溶解させうるものなら特に制限を受けないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ｎ−ブタノール等のアルコール類、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート、ブチルカルビトール、プロピレングリコールメチルエーテル等のグリコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが例として挙げられる。
【００１９】
また、重合触媒としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤等、従来公知の開始剤を目的に応じて任意に使用することができる。
【００２０】
さらに、ビニル系重合体の分子量を調節する目的で、必要に応じてｎ−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用することができる。
【００２１】
ビニル系重合体粒子［II］を得るための重合温度は、重合方法により異なるため一概には決められないが、５５〜９０℃の範囲で行うことが好ましい。
【００２２】
ビニル系重合体粒子［II］の粒径の調整は、例えば懸濁重合の場合には、重合条件、例えば懸濁安定剤の濃度および種類、撹拌速度等適宜選択することにより行うことができる。また、溶液重合、塊状重合の場合には得られた重合体固形物を粉砕し、篩分する等の方法により調整することができる。
【００２３】
本発明において、ビニル系重合体粒子［II］を重合体水性分散液［Ｉ］に溶解するに当って使用される。塩基性物質は、不揮発性の塩基性化合物と揮発性の塩基性化合物が使用される。
【００２４】
不揮発性の塩基性化合物の例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。また、揮発性の塩基化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、１−アミノオクタン、２−メチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、２−ジエチルアミノエタノール、１−アミノ−２−プロパノール、２−アミノ−１−プロパノール、３−アミノ−１−プロパノール、１−ジメチルアミノ−２−プロパノール、３−ジメチルアミノ−１−プロパノール、２−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン等が挙げられる。これらの中でも、揮発性の塩基性化物の使用が重合体水性分散液［Ｉ］中にビニル系重合体粒子［II］を溶解させる際の安定性の面から好ましい。
【００２５】
塩基性物質の使用量は、特に限定されないが、通常はビニル系重合体粒子［II］の酸基を５０％以上を中和させる量が使用される。塩基性物質の使用量が少なすぎる場合にはビニル系重合体粒子［II］の酸基の中和度が低くなって重合体水性分散液［Ｉ］への溶解が困難となる。
【００２６】
本発明の水性被覆用組成物は、上記の重合体水性分散液［Ｉ］に、ビニル系重合体粒子［II］を塩基性物質の存在下に溶解させて得られるが、重合体水性分散液［Ｉ］中へのビニル系重合体粒子［II］の溶解量は、重合体水性分散液［Ｉ］の固形分１００重量部に対し９０００重量部以下である。ビニル系重合体粒子［II］の溶解量が９０００重量部を越えると、重合体水性分散液［Ｉ］の分散安定性がくずれる場合が多くなる。このため、重合体水性分散液［Ｉ］へのビニル系重合体粒子［II］の溶解量は、ブレンド時の安定性およびブレンド効果の面から、重合体水性分散液［Ｉ］の固形分１００重量部に対し２〜１００重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは５〜３０重量部である。
【００２７】
なお、ビニル系重合体粒子［II］を重合体分散液［Ｉ］に溶解するに当っては、必要により１００℃以下の温度に加温してもよい。
【００２８】
本発明の水性被覆用組成物には、消泡剤、顔料分散剤、防腐剤等の添加剤を添加することも可能である。
【００２９】
また、本発明の水性被覆用組成物の塗布方法としては、噴霧コート法、ローラコート法、バーコート法、エアーナイフ法、流延法、刷毛塗り法、ディッピング法等が挙げられるが、特に限定されない。
【００３０】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。実施例中「部」、「％」は、それぞれ「重量部」、「重量％」を示す。
なお、参考例、実施例および比較例における物性の評価は以下に示す方法を用いて行った。
【００３１】
（１）重量平均粒子直径
大塚電子（株）製、光散乱光度計（ＤＬＳ−６００）で測定した。
【００３２】
（２）重量平均分子量
ＧＰＣ法で測定した。
【００３３】
（３）Ｔｇ
ＤＳＣ（示差走査熱量測定法）で測定した。
【００３４】
（４）粒径
重合体粒子を５００メッシュ（目開２８μｍ）の篩で分級した。
【００３５】
（５）酸価（ｍｇ・ＫＯＨ／ｇ）
重合体粒子をメタノールに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として希薄ＫＯＨメタノール溶液を滴下して測定した。
【００３６】
（６）ゲル化
水性被覆用組成物を、半径３ｃｍの円筒状容器に高さ２０ｃｍまで入れ、室温にて１０時間放置した後流動性を目視し、下記の基準で評価した。
良好：全体がさらさらした良好な流動性がある。
不良：全体、または一部がプリン状の凝集物になっている。
【００３７】
（７）ブツ
ガラス板上に、アプリケータにて、たて１０ｃｍ、よこ１０ｃｍの範囲にウエット膜厚が１００μｍとなるよう水性被覆用組成物を塗布し、以下の基準にて評価した。
非常に良好：析出物等のブツをアプリケーターで引きずることによるすじ目が発生せず、ガラス板上に残るブツの数が５個未満であるもの
良好：析出物等のブツをアプリケーターで引きずることによるすじ目が発生せず、ガラス板上に残るブツの数が５個を越え２０個未満であるもの
不良：析出物等のブツをアプリケータで引きずることによるすじ目が発生するかもしくはガラス板上に残るブツの数が２０個以上であるもの
【００３８】
［参考例］
１．重合体水性分散液［Ｉ］の製造
（１）重合体水性分散液［Ｉ−ａ］の製造
撹拌機、温度計、還流凝縮器を備え、加温と冷却がいずれも可能である２リットルの重合装置（以下、単に重合装置と略記する。）中に、脱イオン水１００部に、界面活性剤としてオキシエチレン単位を３５個有するポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル２部、ラウリル硫酸ナトリウム１部および重合開始剤として過硫酸カリウム０．５部を溶解した混合物を入れて撹拌を開始し、７０℃に昇温した。次いで、メチルメタクリレート５７部、ｎ−ブチルメタクリレート２５部、ｎ−ブチルアクリレート１５部およびメタクリル酸３部からなる単量体混合物を４時間かけて滴下した。その後温度を８０℃に昇温し、２時間その温度を保持して反応を終了させ、重量平均粒子直径１２０ｎｍ、Ｔｇ５２℃および重量平均分子量１，０００，０００の重合体を含有し、固形分が５０％、そして粘度が３，０００ｃｐｓである重合体水性分散液［Ｉ−ａ］を得た。
【００３９】
（２）重合体水性分散液［Ｉ−ｂ］の製造
重合体水性分散液［Ｉ−ａ］の製造において、界面活性剤としてオキシエチレン単位を３５個有するポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル５部のみを使用し、単量体混合物をスチレン８５部、２−エチルヘキシルアクリレート１４部およびメタクリル酸１部からなるものに変更した以外は、重合体水性分散液［Ｉ−ａ］の製造と同様にして重合を行い、重量平均粒子直径２５０ｎｍ、Ｔｇ６７℃および重量平均分子量５００，０００の重合体を含有し、固形分が５０％、そして粘度が８００ｃｐｓである重合体水性分散液［１−ｂ］を得た。
【００４０】
（３）重合体水性分散液［Ｉ−ｃ］の製造
上記の重合装置中に、イソプロピルアルコール２５部、メチルメタクリレート４２部、スチレン２３部、ｎ−ブチルメタクリレート２８部およびアクリル酸７部からなる混合物とアゾビスイソブチロニトリル０．１部を入れた後８０℃に昇温し、１時間おきにアゾビスイソブチロニトリルを０．１部ずつ投入しながらその温度を７時間保持した。次いで、その温度を５０℃まで冷却して、２８％アンモニア水３．１部および脱イオン水１５０部を徐々に投入し、その後９５℃まで３時間かけて昇温し、イソプロピルアルコールを初期投入量の１％程度となるまで蒸留除去し、重量平均粒子直径４０ｎｍ、Ｔｇ７６℃および重量平均分子量３５０，０００の重合体を含有し、固形分が４０％、そして粘度が２００ｃｐｓである重合体水性分散液［１−ｃ］を得た。
【００４１】
（４）重合体水性分散液［Ｉ−ｄ］の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器を備えた１０００ｍｌの反応容器に、ジメチロールプロピオン酸１３部、Ｎ−メチル−２−ピロリドン８０部、ポリテトラメチレングリコール１００部およびトリメチロールプロパン５部を加え９０℃に加熱し溶解させた。次に、イソホロンジイソシアネート４８部を加え１０分間撹拌した後ジブチル錫ジラウレート０．１部を加え、９５℃まで昇温して、１時間反応させた。次いで、その親水性基含有オリゴマーをトリエチルアミン５部で中和した後、脱イオン水３００部を加え、１時間撹拌を行い、重量平均粒子直径１３０ｎｍ、Ｔｇ４０℃および重量平均分子量２２０，０００の重合体を含有し、固形分が２９％、そして粘度が８，０００ｃｐｓである重合体水性分散液［Ｉ−ｄ］を得た。
【００４２】
２．ビニル系重合体粒子［II］
（１）ビニル系重合体粒子［II−１］の製造
上記の重合装置中に、脱イオン水２００部とポリビニルアルコール（ケン化度８０％、重合度１，７００）０．６部を入れ、撹拌を行ってポリビニルアルコールを完全に溶解した。次いで、一旦撹拌を停止して、メチルメタクリレート７０部、スチレン１０部、ｎ−ブチルアクリレート１０部およびメタクリル酸１０部からなる単量体、アゾビスイソブチロニトリル０．５部およびｎ−ドデシルメルカプタン４部の混合物を加え７５℃に昇温した。反応温度を７５〜８０℃に保持して３時間反応させ、その後９５℃に昇温し１時間保持し反応を終了させた。その後、目開き３０μｍの篩にて濾過し、粒径が２８μｍ以上である粒子を９９．６％含み、酸価が６５ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであるビニル系重合体粒子［II−１］を得た。
【００４３】
（２）ビニル系重合体粒子［II−２］〜［II−６］の製造
ビニル系重合体粒子［II−１］の製造において、ビニル系単量体重合組成、重合開始剤、連鎖移動剤をそれぞれ表１のように変更した以外は、ビニル系重合体粒子［II−１］の製造と同様な重合および操作を行い、ビニル系重合体粒子［II−２］〜［II−６］を得た。表１にその得られたビニル系重合体粒子についての粒径割合および酸価の測定結果を示した。
【００４４】
【表１】

【００４５】
（３）ビニル系重合体粒子［II−７］の製造
上記の重合装置中に、イソプロピルアルコール１００部を入れて撹拌を開始し、８０℃に昇温した後、メチルメタクリレート６５部、スチレン１０部、ｎ−ブチルアクリレート１２部、メタクリル酸１３部およびアゾビスイソブチロニトリル３部からなる混合物を４時間かけて滴下し、その後１時間おきにアゾビスイソブチロニトリル０．１部を添加しながらその温度で４時間保持して重合を終了し、固形分５０％および粘度２，０００ｃｐｓのビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を得た。その後、この溶液を、２００℃に加熱し、かつ減圧にしてイソプロピルアルコールを蒸留除去し、得られた固形状重合体を、その温度を保持したまま強力撹拌下の２０℃の水中に投入して粒状化した。次いで、その粒状化物を目開き３０μｍの篩で濾過し、ビニル系重合体粒子［II−７］を得た。その得られたビニル系重合体粒子［II−７］は、粒径が２８μｍ以上である粒子を９６．７％含み、酸価は８５．５ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであった。
【００４６】
（４）ビニル系重合体粒子［II−８］の製造
上記の重合装置中に、イソプロピルアルコール１００部、メチルメタクリレート６５部、スチレン１０部、ｎ−ブチルアクリレート１２部、メタクリル酸１３部、アゾビスイソブチロニトリル２部およびｎ−ドデシルメルカプタン３部からなる混合物を入れて撹拌を開始し、８０℃に昇温して重合を開始した。１時間おきにアゾビスイソブチロニトリル０．２部を添加し、９時間その温度を保持し重合を終了させて、固形分５１％および粘度１０，０００ｃｐｓのビニル系重合体のイソプロパノール溶液を得た。その後、この溶液を、２００℃に加熱し、かつ減圧にしてイソプロパノールを蒸留除去し、得られた固形状重合体を二軸混練機に供給して棒状に賦形し、冷却後ペレット状に切断して、ペレット状のビニル系重合体粒子［II−８］を得た。その得られた重合体粒子［II−８］は、粒径が２８μｍ以上であるものを９９．７％含み、酸価は８５．５ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであった。
【００４７】
（５）ビニル系重合体粒子［II−９］の製造
ビニル系重合体粒子［II−８］の製造において得られたビニル系重合体のイソプロパノール溶液をバットに流し込み、減圧下でイソプロピルアルコールを蒸留除去し、塊状の重合体固形物を得た。その後、この塊状の重合体固形物を９８％以上の粒子が４００μｍ以下となるまで粉砕機により粉砕し、粉体状のビニル系重合体粒子［II−９］を得た。その得られたビニル系重合体粒子［II−９］は、粒径が２８μｍ以上であるものを９０．５％含み酸価は８５．５ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであった。
【００４８】
（６）ビニル系重合体粒子［II−１０］の製造
ビニル系重合体粒子［II−９］の製造において得られたビニル系重合体粒子を目開き４０μｍの篩で分級し、その篩分上のものを回収してビニル系重合体粒子［II−１０］を得た。そのビニル系重合体粒子［II−１０］は、粒径が２８μｍ以上であるものを９６．５％を含み、酸価は８５．５ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであった。
【００４９】
（７）ビニル系重合体粒子［II−１１］の製造
ビニル系重合体粒子［II−８］の製造において得られたビニル系重合体のイソプロパノール溶液を大河原加工機器（株）製、Ｌ−８型のスプレードライヤーに供給し、スプレードライを行って（入り口温度１２０℃、出口温度８０℃、アトマイザー回転数３５，０００回転）、ビニル系重合体粒子［II−１１］を得た。その得られたビニル系重合体粒子［II−１１］は、粒径が２８μｍ以上であるものを９２．３％含み、酸価は８５．５ｍｇ・ＫＯＨ／ｇであった。
【００５０】
［実施例１］
上記の重合装置中に、上記参考例で得られ重合体水性分散液［Ｉ−ａ］１００部とビニル系重合体粒子［II−１］１０部、およびビニル系重合体粒子［II−１］中のカルボン酸を１００％中和できる（以下、中和度１００％と表示する。）量の試薬１級２８％アンモニア水０．７部を入れ、６０℃で３時間加熱撹拌して水性被覆用組成物を得た。表３にその水性被覆用組成物のゲル化、ブツについての評価結果を示した。
【００５１】
［実施２〜８、比較例１〜６］
実施例１において、重合体水性分散液、ビニル系重合体粒子および塩基性物質を表２に示すような組み合せに変更した以外は、実施例１と同様な操作を繰り返して各種の水性被覆用組成物を得た。表３にそれらの水性被覆用組成物のゲル化、ブツについての評価結果を示した。
【００５２】
［比較例７］
上記の重合装置中に、脱イオン水４０部、上記のビニル系重合体粒子［II−１］１０部および該ビニル系重合体粒子中の酸に対し中和度が１００％となる量のアンモニア０．７部を加え、６０℃に加温して２時間撹拌し、ビニル系重合体粒子［II−１］の溶解液（Ａ）を得た。その後、そのビニル系重合体粒子［II−１］の溶解液（Ａ）の全量を上記の重合体水性分散液［Ｉ−ａ］１００部に室温にて撹拌しながらブレンドして水性被覆用組成物を得た。表３にその水性被覆用組成物のゲル化、ブツについての評価結果を示した。
【００５３】
［比較例８］
上記の重合装置中に、脱イオン水３５部、イソプロパノール５部、上記のビニル系重合体粒子［II−１］１０部および該ビニル系重合体粒子中の酸に対し中和度が１００％となる量のアンモニア０．７部を加え、６０℃に加温して２時間撹拌し、ビニル系重合体粒子［II−１］の溶解液（Ｂ）を得た。その後、そのビニル系重合体粒子［II−１］の溶解液（Ｂ）の全量を上記の重合体水性分散液［Ｉ−ａ］１００部に室温にて撹拌しながらブレンドして水性被覆用組成物を得た。表３にその水性被覆用組成物のゲル化、ブツについての評価結果を示した。
【００５４】
【表２】

【００５５】
【表３】

【００５６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水性被覆用組成物は、特定の酸価および粒子形状を有するビニル系重合体粒子を重合体水性分散液中で塩基性物質の存在下で溶解させてあるため、ゲル化およびブツの発生がなく、また、顔料分散性に優れており、広範囲にわたって使用できる水性塗料を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to an aqueous coating composition, and more particularly to an aqueous coating composition that is less likely to cause aggregation, gelation, and unevenness of a dispersion.
[0002]
[Background Art and Problems to be Solved by the Invention]
In recent years, the need for an aqueous coating composition has increased in view of the environment, and many varieties have been developed. Emulsions, dispersions, etc. are present in a state where the polymer is dispersed in water, so that the viscosity does not increase so much even if the molecular weight of the polymer increases. For this reason, it is possible to use a high molecular weight polymer, and it has the advantage that the composition for aqueous coatings excellent in the physical property of a coating film can be manufactured.
[0003]
However, when it is necessary to disperse the pigment, it is indispensable that the polymer wraps the pigment and prevents re-aggregation of the pigment, but in the emulsion, dispersion, etc. where the polymer is dispersed in water. , The reaggregation of the pigment cannot be prevented and sufficient pigment dispersibility cannot be obtained. In order to enclose the pigment and prevent re-aggregation of the pigment, it is necessary that the polymer be dissolved in water, and various developments of such water-soluble polymers have been made.
[0004]
However, a water-soluble polymer in which the polymer is dissolved in water often has to have a low molecular weight because the viscosity of the aqueous solution becomes high. It has a fundamental problem that it is difficult to obtain an aqueous coating composition having excellent physical properties.
[0005]
So far, studies have been made on blending an aqueous vinyl polymer solution into an emulsion, but there are various drawbacks such as solids (foreign matter), gelation, and storage stability. It has been difficult to obtain an aqueous coating composition that takes advantage of the characteristics of the conductive vinyl polymer.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the present inventors diligently aiming to provide an aqueous coating composition in which the vinyl polymer is blended and dissolved in the aqueous polymer dispersion to reduce the occurrence of gelation and scumming of the dispersion. As a result of research, it was found that the above object can be achieved by dissolving a specific amount of vinyl polymer particles having a specific particle size particle and acid value in the presence of a basic substance in an aqueous polymer dispersion. The present invention has been found.
[0007]
That is, the present invention provides a vinyl polymer particle [95] containing 95% or more of polymer particles having a particle size of 28 μm or more and an acid value of 30 to 300 mg · KOH / g in the aqueous polymer dispersion [I] [ II] blend, a process for the preparation of the vinyl polymer particles [II] an aqueous coating composition which Ru is dissolved by neutralization with a basic substance, the dissolution of the vinyl polymer particles [II] the amount is at 9000 parts by weight or less with respect to prior Symbol polymer aqueous dispersion 100 parts by weight of a solid content of [I], for aqueous coating to neutralize more than 50% of the acid groups of the vinyl polymer particles [II] It is a manufacturing method of a composition.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The aqueous polymer dispersion [I] used in the present invention is obtained by dispersing a resin made of a polymer in an aqueous medium. The polymer in the aqueous polymer dispersion [I] is not particularly limited, and is a general polymer such as a vinyl polymer, a urethane polymer, a polyester polymer, a chlorinated rubber polymer, a chlorinated polyolefin polymer. Among these, a vinyl polymer and a urethane polymer are preferable because the generation of aggregates and gels during blending is low.
[0009]
As the method for producing the polymer aqueous dispersion [I], a method by an emulsion polymerization method, a polymer containing an acid group such as carboxylic acid is dissolved in a hydrophilic organic solvent, or a monomer containing carboxylic acid and others A method of neutralizing a polymer organic solvent solution prepared by solution polymerization of a copolymerizable monomer in a hydrophilic organic solvent with a base and dispersing in water, after dissolving the polymer in the hydrophilic organic solvent, Various methods such as a method of dispersing by applying high shear in water containing a surfactant can be adopted. Among these, those produced by an emulsion polymerization method are particularly preferable because they are stable when the vinyl polymer particles [II] are dissolved.
[0010]
Although the solid content amount which consists of a polymer in polymer aqueous dispersion [I] is not specifically limited, It is preferable that it is 20 to 60 weight%.
[0011]
The vinyl polymer particles [II] used in the present invention are composed of vinyl polymer particles, and it is necessary to contain 95% or more of polymer particles having a particle size of 28 μm or more. . This is because, when the polymer particles having a particle size of less than 28 μm are included in excess of 5%, the surface area increases, so the dissolution rate in water containing a basic substance increases, and the polymer aqueous dispersion [ This is because the dispersion stability of [I] is destroyed and causes gelation and scumming.
[0012]
The vinyl polymer particles [II] used in the present invention are required to have an acid value of 30 to 300 mg · KOH / g. This is because, when the acid value is less than 30 mg · KOH / g, the solubility in water becomes insufficient, so that the vinyl polymer particles [II] are stably blended with the polymer aqueous dispersion [I]. On the other hand, when the acid value exceeds 300 mg · KOH / g, when the vinyl polymer particles [II] are dissolved in the polymer aqueous dispersion [I], the polymer aqueous This is because the dispersion stability of the dispersion [I] is destroyed and gelation occurs.
[0013]
The vinyl polymer particles [II] having the above characteristics can be obtained by copolymerizing an acid group-containing vinyl monomer for imparting an acid value and a vinyl polymer copolymerizable therewith. Can do.
[0014]
Examples of the acid group-containing vinyl monomer include monobasic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, and crotonic acid; dibasic acids such as fumaric acid, maleic acid, and itaconic acid, and partial esterified products thereof. Examples of the sulfonic acid group-containing vinyl monomer include 2-sulfoethyl sodium methacrylate. These can be used alone or in combination of two or more. Among these, the use of a vinyl compound having a carboxylic acid is preferable because a compound having good solubility in an aqueous solvent, water resistance and pigment dispersibility can be obtained. In particular, when methacrylic acid is used, solubility in an aqueous solvent, water resistance and pigment dispersibility tend to be very good, which is preferable.
[0015]
Examples of copolymerizable vinyl monomers include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) methacrylate, n-butyl (meth) acrylate, i-butyl (meth) acrylate, and t-butyl (meth) acrylate. (Meth) acrylic acid alkyl ester having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl group, such as cyclohexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate; Hydroxyalkyl (meth) acrylates such as ethyl (meth) acrylate and 2-hydroxypropyl (meth) acrylate; glycol di (meth) acrylates such as ethylene glycol di (meth) acrylate and butylene glycol (meth) acrylate; dimethyl Alkylamino (meth) acrylates such as minoethyl (meth) acrylate; and dimethylaminoethyl (meth) acrylate methyl chloride salt, allyl (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, vinyl acetate, vinyl propionate, (meta ) Acrylonitrile, styrene, benzyl methacrylate, α-methylstyrene and the like. These can be used alone or in combination of two or more.
[0016]
When the vinyl polymer particles [II] are obtained by polymerization, the composition ratio of the acid group-containing monomer and the copolymerizable vinyl monomer is within the range where the above acid value can be obtained. Although not particularly limited, since the vinyl polymer particles used in the present invention are granular, the secondary transition temperature (hereinafter abbreviated as Tg) measured by DSC (differential scanning calorimetry) from the viewpoint of adhesion prevention. Is preferably 10 ° C. or higher.
[0017]
As a polymerization method for obtaining the vinyl polymer particles [II], known methods such as a suspension polymerization method, a solution polymerization method and a bulk polymerization method can be applied. However, those obtained by the suspension polymerization method are particularly preferred because they do not impair the dispersion stability of the aqueous polymer dispersion [I] when dissolved and there is little occurrence of gelation and scumming. When the suspension polymerization method is applied, the vinyl polymer particles [II] of the present invention can be easily obtained by separating a polymer solid from a dispersion medium such as water by filtration after polymerization. As a dispersant used for suspension polymerization, a known water-soluble polymer such as poval having a saponification degree in the range of 70 to 100%, poly (meth) acrylic acid sodium salt, or the like can be used.
[0018]
Further, the solvent in the solution polymerization is not particularly limited as long as it can dissolve the monomer and polymer used in the present invention, but alcohols such as methanol, ethanol, isopropyl alcohol, n-butanol, ethyl cellosolve, Examples include glycols such as cellosolve acetate, butyl carbitol, and propylene glycol methyl ether, acetates such as ethyl acetate and butyl acetate, and ketones such as methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone.
[0019]
As the polymerization catalyst, conventionally known initiators such as azo initiators such as azobisisobutyronitrile and peroxide initiators such as benzoyl peroxide can be arbitrarily used depending on the purpose. .
[0020]
Furthermore, a chain transfer agent such as n-dodecyl mercaptan or α-methylstyrene dimer can be used as necessary for the purpose of adjusting the molecular weight of the vinyl polymer.
[0021]
The polymerization temperature for obtaining the vinyl polymer particles [II] varies depending on the polymerization method and is not generally determined, but is preferably in the range of 55 to 90 ° C.
[0022]
For example, in the case of suspension polymerization, the particle size of the vinyl polymer particles [II] can be adjusted by appropriately selecting the polymerization conditions such as the concentration and type of the suspension stabilizer, the stirring speed, and the like. In the case of solution polymerization or bulk polymerization, the obtained polymer solid can be adjusted by a method such as pulverization and sieving.
[0023]
In the present invention, the vinyl polymer particles [II] are used for dissolving in the polymer aqueous dispersion [I]. As the basic substance, a nonvolatile basic compound and a volatile basic compound are used.
[0024]
Examples of the nonvolatile basic compound include sodium hydroxide, calcium hydroxide, potassium hydroxide, sodium carbonate, potassium carbonate and the like. Examples of volatile base compounds include ammonia, triethylamine, propylamine, diethylamine, tripropylamine, dibutylamine, amylamine, 1-aminooctane, 2-methylaminoethanol, ethylaminoethanol, 2-diethylaminoethanol, 1 -Amino-2-propanol, 2-amino-1-propanol, 3-amino-1-propanol, 1-dimethylamino-2-propanol, 3-dimethylamino-1-propanol, 2-propylaminoethanol, ethoxypropylamine Aminobenzyl alcohol, morpholine and the like. Among these, the use of a volatile basified product is preferable from the viewpoint of stability when the vinyl polymer particles [II] are dissolved in the aqueous polymer dispersion [I].
[0025]
Although the usage-amount of a basic substance is not specifically limited, Usually, the quantity which neutralizes 50% or more of the acid groups of vinyl type polymer particle [II] is used. When the amount of the basic substance used is too small, the degree of neutralization of the acid groups of the vinyl polymer particles [II] becomes low, making it difficult to dissolve in the polymer aqueous dispersion [I].
[0026]
The aqueous coating composition of the present invention is obtained by dissolving the vinyl polymer particles [II] in the polymer aqueous dispersion [I] in the presence of a basic substance. The amount of vinyl polymer particles [II] dissolved in [I] is 9000 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the solid content of the aqueous polymer dispersion [I]. If the amount of the vinyl polymer particles [II] dissolved exceeds 9000 parts by weight, the dispersion stability of the polymer aqueous dispersion [I] is often lost. For this reason, the amount of the vinyl polymer particles [II] dissolved in the aqueous polymer dispersion [I] is determined from the standpoint of the stability during blending and the blending effect. It is preferable that it is the range of 2-100 weight part with respect to a weight part, More preferably, it is 5-30 weight part.
[0027]
In addition, when dissolving vinyl polymer particle [II] in polymer dispersion liquid [I], you may heat to the temperature of 100 degrees C or less as needed.
[0028]
It is also possible to add additives, such as an antifoamer, a pigment dispersant, and a preservative, to the aqueous coating composition of the present invention.
[0029]
Examples of the method for applying the aqueous coating composition of the present invention include spray coating, roller coating, bar coating, air knife, casting, brush coating, and dipping. Not.
[0030]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples. In the examples, “parts” and “%” indicate “parts by weight” and “% by weight”, respectively.
In addition, evaluation of the physical property in a reference example, an Example, and a comparative example was performed using the method shown below.
[0031]
(1) Weight average particle diameter Measured with a light scattering photometer (DLS-600) manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd.
[0032]
(2) Weight average molecular weight Measured by GPC method.
[0033]
(3) Tg
It was measured by DSC (differential scanning calorimetry).
[0034]
(4) Particle size The polymer particles were classified with a sieve of 500 mesh (aperture 28 μm).
[0035]
(5) Acid value (mg · KOH / g)
The polymer particles were dissolved in methanol, and a diluted KOH methanol solution was dropped by using phenolphthalein as an indicator for measurement.
[0036]
(6) The gelled aqueous coating composition was placed in a cylindrical container having a radius of 3 cm up to a height of 20 cm, and allowed to stand at room temperature for 10 hours. The fluidity was visually observed and evaluated according to the following criteria.
Good: Good fluidity that is smooth on the whole.
Bad: The whole or a part is a pudding-like aggregate.
[0037]
(7) An aqueous coating composition was applied on a glass plate with an applicator so that the wet film thickness was 100 μm in a range of 10 cm and 10 cm, and evaluated according to the following criteria.
Very good: No streak caused by dragging the deposits with the applicator, and the number of butts remaining on the glass plate is less than 5. Good: By dragging the deposits with the applicator No streak is generated and the number of spots remaining on the glass plate is more than 5 and less than 20. Defective: A streak is generated by dragging the precipitates, etc. with an applicator, or on the glass plate. There are more than 20 items remaining in the box. [0038]
[Reference example]
1. Production of Polymer Aqueous Dispersion [I] (1) Production of Polymer Aqueous Dispersion [Ia] 2 liters equipped with a stirrer, thermometer and reflux condenser, both of which can be heated and cooled In a polymerization apparatus (hereinafter simply referred to as polymerization apparatus), 100 parts of deionized water, 2 parts of polyoxyethylene nonylphenyl ether having 35 oxyethylene units as a surfactant, 1 part of sodium lauryl sulfate and polymerization A mixture in which 0.5 part of potassium persulfate was dissolved as an initiator was added to start stirring, and the temperature was raised to 70 ° C. Subsequently, a monomer mixture consisting of 57 parts of methyl methacrylate, 25 parts of n-butyl methacrylate, 15 parts of n-butyl acrylate and 3 parts of methacrylic acid was added dropwise over 4 hours. Thereafter, the temperature is raised to 80 ° C., and the reaction is terminated by maintaining the temperature for 2 hours. The polymer contains a polymer having a weight average particle diameter of 120 nm, Tg of 52 ° C., and a weight average molecular weight of 1,000,000. An aqueous polymer dispersion [Ia] having a viscosity of 50% and a viscosity of 3,000 cps was obtained.
[0039]
(2) Production of aqueous polymer dispersion [Ib] In the production of aqueous polymer dispersion [Ia], only 5 parts of polyoxyethylene nonylphenyl ether having 35 oxyethylene units as a surfactant was used. Polymerization was carried out in the same manner as in the preparation of the aqueous polymer dispersion [Ia] except that the monomer mixture was changed to 85 parts of styrene, 14 parts of 2-ethylhexyl acrylate and 1 part of methacrylic acid. The polymer aqueous dispersion [1-b] containing a polymer having a weight average particle diameter of 250 nm, Tg of 67 ° C. and a weight average molecular weight of 500,000, a solid content of 50%, and a viscosity of 800 cps was obtained.
[0040]
(3) Production of aqueous polymer dispersion [Ic] A mixture comprising 25 parts of isopropyl alcohol, 42 parts of methyl methacrylate, 23 parts of styrene, 28 parts of n-butyl methacrylate and 7 parts of acrylic acid in the above polymerization apparatus. After adding 0.1 part of azobisisobutyronitrile, the temperature was raised to 80 ° C., and 0.1 part of azobisisobutyronitrile was added every 1 hour, and the temperature was maintained for 7 hours. Subsequently, the temperature is cooled to 50 ° C., 3.1 parts of 28% ammonia water and 150 parts of deionized water are gradually added, and then the temperature is raised to 95 ° C. over 3 hours, and isopropyl alcohol is initially charged. An aqueous polymer dispersion containing a polymer having a weight average particle diameter of 40 nm, Tg of 76 ° C. and a weight average molecular weight of 350,000, a solid content of 40%, and a viscosity of 200 cps. [1-c] was obtained.
[0041]
(4) Production of aqueous polymer dispersion [Id] In a 1000 ml reaction vessel equipped with a thermometer, a stirrer and a reflux condenser, 13 parts of dimethylolpropionic acid, 80 parts of N-methyl-2-pyrrolidone, 100 parts of polytetramethylene glycol and 5 parts of trimethylolpropane were added and heated to 90 ° C. to dissolve. Next, 48 parts of isophorone diisocyanate was added and stirred for 10 minutes, and then 0.1 part of dibutyltin dilaurate was added, and the temperature was raised to 95 ° C. and reacted for 1 hour. Next, the hydrophilic group-containing oligomer was neutralized with 5 parts of triethylamine, 300 parts of deionized water was added, and the mixture was stirred for 1 hour, and a polymer having a weight average particle diameter of 130 nm, Tg of 40 ° C. and a weight average molecular weight of 220,000. An aqueous polymer dispersion [Id] having a solid content of 29% and a viscosity of 8,000 cps was obtained.
[0042]
2. Vinyl polymer particles [II]
(1) Production of vinyl polymer particles [II-1] In the above polymerization apparatus, 200 parts of deionized water and 0.6 part of polyvinyl alcohol (saponification degree 80%, polymerization degree 1,700) were put, Stirring was performed to completely dissolve the polyvinyl alcohol. Then, once stirring was stopped, a monomer consisting of 70 parts of methyl methacrylate, 10 parts of styrene, 10 parts of n-butyl acrylate and 10 parts of methacrylic acid, 0.5 part of azobisisobutyronitrile and n-dodecyl mercaptan 4 parts of the mixture was added and the temperature was raised to 75 ° C. The reaction temperature was maintained at 75-80 ° C. for 3 hours, and then the temperature was raised to 95 ° C. and maintained for 1 hour to complete the reaction. Thereafter, the mixture was filtered through a sieve having an opening of 30 μm to obtain vinyl polymer particles [II-1] containing 99.6% of particles having a particle diameter of 28 μm or more and having an acid value of 65 mg · KOH / g. .
[0043]
(2) Production of vinyl polymer particles [II-2] to [II-6] In production of vinyl polymer particles [II-1], a vinyl monomer polymerization composition, a polymerization initiator, and a chain transfer agent. Except that each was changed as shown in Table 1, the same polymerization and operation as in the production of the vinyl polymer particles [II-1] were carried out to obtain vinyl polymer particles [II-2] to [II-6]. Obtained. Table 1 shows the measurement results of the particle size ratio and acid value of the obtained vinyl polymer particles.
[0044]
[Table 1]

[0045]
(3) Production of vinyl polymer particles [II-7] In the above polymerization apparatus, 100 parts of isopropyl alcohol was added and stirring was started. After the temperature was raised to 80 ° C., 65 parts of methyl methacrylate and 10 parts of styrene , 12 parts of n-butyl acrylate, 13 parts of methacrylic acid and 3 parts of azobisisobutyronitrile were added dropwise over 4 hours, and then 0.1 part of azobisisobutyronitrile was added every other hour. While maintaining the temperature for 4 hours, the polymerization was completed to obtain an isopropyl alcohol solution of a vinyl polymer having a solid content of 50% and a viscosity of 2,000 cps. Thereafter, this solution was heated to 200 ° C. and isopropyl alcohol was distilled off under reduced pressure. The obtained solid polymer was poured into 20 ° C. water with vigorous stirring while maintaining the temperature. Granulated. Subsequently, the granulated product was filtered through a sieve having an opening of 30 μm to obtain vinyl polymer particles [II-7]. The obtained vinyl polymer particles [II-7] contained 96.7% of particles having a particle size of 28 μm or more, and the acid value was 85.5 mg · KOH / g.
[0046]
(4) Production of vinyl polymer particles [II-8] In the above polymerization apparatus, 100 parts of isopropyl alcohol, 65 parts of methyl methacrylate, 10 parts of styrene, 12 parts of n-butyl acrylate, 13 parts of methacrylic acid, azobis A mixture consisting of 2 parts of isobutyronitrile and 3 parts of n-dodecyl mercaptan was added and stirring was started, and the temperature was raised to 80 ° C. to initiate polymerization. 0.2 parts of azobisisobutyronitrile is added every 1 hour, and the temperature is maintained for 9 hours to complete the polymerization to obtain an isopropanol solution of a vinyl polymer having a solid content of 51% and a viscosity of 10,000 cps. It was. Thereafter, this solution is heated to 200 ° C., and the isopropanol is distilled off under reduced pressure. The obtained solid polymer is fed into a twin-screw kneader to be shaped into a rod, and after cooling, cut into a pellet. As a result, pellet-like vinyl polymer particles [II-8] were obtained. The obtained polymer particles [II-8] contained 99.7% of particles having a particle size of 28 μm or more, and the acid value was 85.5 mg · KOH / g.
[0047]
(5) Production of vinyl polymer particles [II-9] The isopropanol solution of vinyl polymer obtained in the production of vinyl polymer particles [II-8] was poured into a vat, and isopropyl alcohol was distilled under reduced pressure. Removal of the bulk polymer solid was obtained. Thereafter, this bulk polymer solid was pulverized with a pulverizer until 98% or more of the particles became 400 μm or less to obtain powdery vinyl polymer particles [II-9]. The obtained vinyl polymer particles [II-9] contained 90.5% of particles having a particle size of 28 μm or more, and had an acid value of 85.5 mg · KOH / g.
[0048]
(6) Production of vinyl polymer particles [II-10] The vinyl polymer particles obtained in the production of vinyl polymer particles [II-9] are classified with a sieve having an opening of 40 μm, and the sieving is performed. Were recovered to obtain vinyl polymer particles [II-10]. The vinyl polymer particles [II-10] contained 96.5% particles having a particle size of 28 μm or more, and the acid value was 85.5 mg · KOH / g.
[0049]
(7) Production of vinyl polymer particles [II-11] An isopropanol solution of a vinyl polymer obtained in the production of vinyl polymer particles [II-8] was manufactured by Okawara Processing Equipment Co., Ltd., L-8. This was supplied to a spray dryer of the type and spray-dried (inlet temperature 120 ° C., outlet temperature 80 ° C., atomizer rotation speed 35,000 rotations) to obtain vinyl polymer particles [II-11]. The obtained vinyl polymer particles [II-11] contained 92.3% having a particle size of 28 μm or more, and the acid value was 85.5 mg · KOH / g.
[0050]
[Example 1]
In the above polymerization apparatus, 100 parts of the aqueous polymer dispersion [Ia] obtained in the above reference example, 10 parts of vinyl polymer particles [II-1], and vinyl polymer particles [II-1]. Add 0.7 parts of reagent grade 28% ammonia water in an amount that can neutralize 100% of the carboxylic acid (hereinafter, indicated as 100% neutralization degree), and heat-stir for 3 hours at 60 ° C. for aqueous coating. A composition was obtained. Table 3 shows the results of evaluation of gelation and irregularity of the aqueous coating composition.
[0051]
[Examples 2 to 8, Comparative Examples 1 to 6]
In Example 1, the same operations as in Example 1 were repeated except that the aqueous polymer dispersion, the vinyl polymer particles and the basic substance were changed to the combinations shown in Table 2, and various aqueous coating compositions were obtained. I got a thing. Table 3 shows the results of evaluation of gelation and irregularity of these aqueous coating compositions.
[0052]
[Comparative Example 7]
In the above polymerization apparatus, 40 parts of deionized water, 10 parts of the above-mentioned vinyl polymer particles [II-1], and ammonia in such an amount that the degree of neutralization becomes 100% with respect to the acid in the vinyl polymer particles. 0.7 part was added, it heated at 60 degreeC, and it stirred for 2 hours, and obtained the solution (A) of vinyl polymer particle [II-1]. Thereafter, the total amount of the solution (A) of the vinyl polymer particles [II-1] was blended with 100 parts of the above polymer aqueous dispersion [Ia] with stirring at room temperature, to form an aqueous coating composition. I got a thing. Table 3 shows the results of evaluation of gelation and irregularity of the aqueous coating composition.
[0053]
[Comparative Example 8]
In the polymerization apparatus, 35 parts of deionized water, 5 parts of isopropanol, 10 parts of the vinyl polymer particles [II-1], and the neutralization degree is 100% with respect to the acid in the vinyl polymer particles. An amount of 0.7 part of ammonia was added, and the mixture was heated to 60 ° C. and stirred for 2 hours to obtain a solution (B) of vinyl polymer particles [II-1]. Thereafter, the total amount of the solution (B) of the vinyl polymer particles [II-1] was blended with 100 parts of the above polymer aqueous dispersion [Ia] with stirring at room temperature to form an aqueous coating composition. I got a thing. Table 3 shows the results of evaluation of gelation and irregularity of the aqueous coating composition.
[0054]
[Table 2]

[0055]
[Table 3]

[0056]
【The invention's effect】
As described above, the aqueous coating composition of the present invention is obtained by dissolving vinyl polymer particles having a specific acid value and particle shape in a polymer aqueous dispersion in the presence of a basic substance. Further, it is possible to provide a water-based paint which is free from gelation and scum and excellent in pigment dispersibility and can be used over a wide range.

Claims

The polymer aqueous dispersion [I] is blended with vinyl polymer particles [II] containing 95% or more of polymer particles having a particle size of 28 μm or more and an acid value of 30 to 300 mg · KOH / g. , the vinyl polymer particles [II] a method for producing an aqueous coating composition to be dissolved by neutralizing with a basic substance, the vinyl polymer particles [II] dissolved amount before Symbol polymer The manufacturing method of the aqueous coating composition which is 9000 weight part or less with respect to 100 weight part of solid content of aqueous dispersion [I], and neutralizes 50% or more of the acid group of the said vinyl-type polymer particle [ II ] .