JP3822619B2 - 全方向性を有する誘電体レンズ装置。 - Google Patents

全方向性を有する誘電体レンズ装置。 Download PDF

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Description

この発明は、マイクロ波帯、ミリ波帯及び光波帯に適している全方向性を有する誘電体レンズ装置に関し、特に、電磁波の受信機能及び反射機能を有する誘電体レンズ装置に関するものである。
一般に、空間を伝搬する電磁波には、長波、中波、マイクロ波、ミリ波、さらに、赤外線、紫外線、X線やガンマー線があり、それぞれ各帯域とも多方面にわたり応用されている。電磁波の中で、波長380〜760mmの範囲のものは、即ち、光波帯域では、人の目には、光として明るさを感じさせる。そして、現在、ミリ波帯から光波帯の電磁波が、通信の分野で利用され始めている。
従来、通信分野で使用されるミリ波帯域において、電磁波を反射する反射板としては、金属製のものが多く使用されているが、この反射板を光波帯で使用するには、コーナーキューブのように直角に形成する角度精度や表面を平滑に形成する表面平滑度の高い精度が要求される。又、ミリ波帯より長い波長の帯域、いわゆる電波帯域において使用する全方向性を有する誘電体レンズとしては、発泡スチロール等により誘電率を調整して形成されたルーネベルグレンズがある。
そして、誘電体レンズである球体レンズを使用した電波機器としては、ルーネベルグレンズをアンテナとして用いたものがある。これは、図17に示すように、アンテナ装置111は、球体レンズ114とレドーム133との間に発泡材を充填させて発泡材層134を形成することで両者を結合し、これによって球体レンズ114をレドーム133から保持した構造のアンテナ装置である。
特開2001−102857号公報
しかしながら、金属製の反射板を光波・ミリ波帯に使用する場合、構造上90度の範囲でヌル点が両端に表れる。又、実効80度以上の広角度特性を得ることが出来ない。一方、全方向性を有するものとして発泡スチロール等により形成されているルーネベルグレンズの場合には、光を反射させることは出来ないとの問題がある。
又、ルーネベルグレンズをアンテナとして用いたものは、このレンズの周囲がレドームで保護されているが、ミリ波帯(周波数30〜300GHz)より短い波長の電磁波では、レドーム内に配置されているアンテナに入射する電波に対して、レドームを構成する骨格部材による電波の遮蔽、吸収、散乱等の影響による電波的な損失が増大するという欠点があり、一定方向の電磁波を受信あるいは反射することが出来ないという問題がある。
さらに、ミリ波帯(周波数30〜300GHz)より短い波長の電磁波では、損失を抑えるために、アンテナの開口部において表面保護材を薄く形成する必要がある。この場合、表面保護材として誘電損失が大きい材料を使用する際は、特に、薄く形成する必要が生じるが、反面、機械的な強度が弱くなるという欠点が生じる。ミリ波帯で損失の少ないテフロン(登録商標)などの素材を骨格部材として利用したレドームもあるが、これらの骨格部材の材料となる誘電体は重量密度が高いため、このような骨格部材を使用すると、レドームが非常に重くなる欠点がある。
一方、図17におけるレドーム133や、一般的なレドームの表面保護材として用いられているFRPは、軽量で引張りや曲げ、圧縮などに強く、構造材としては優れた性能を有している反面、以下の欠点がある。即ち、FRPは、その製造工程において組成物の一つであるガラス繊維に粗密が発生する。このガラス繊維の粗密により、同じくFRPの組成物の一つである樹脂とこのガラス繊維との間の誘電率が相違するという事態が発生する。
FRPを構成する各組成物の誘電率が相違すると、特に、ミリ波帯(周波数30〜300GHz)より短い波長の電磁波では、レドーム内に配置されているアンテナに入射する電波の散乱、電波的な損失がさらに著しく増大するという問題が発生する。その上、レドームの表面全体に、均一な組成を有するFRP等の表面保護材を得ることが困難であり、周波数によっては入射する電波のビーム特性が異なるという事態が見られる。
また、図17の発泡材層134にて使用されている発泡スチロールも、ミリ波帯(周波数30〜300GHz)より短い波長の電磁波では、受信される電磁波の損失が増大するという問題があるとともに、光波帯には使用出来ないという問題がある。波長の短い帯域の電磁波については、特にアンテナ開口部において電磁波の損失と部材の機械的強度との間で、相反する技術的課題が存在する。
このように、誘電体レンズを用いた電波装置には多くの問題がある。しかしながら、通信、放送等の分野では、ミリ波帯や光波帯の両方に用いることの出来る誘電体レンズを用いた装置の開発が待たれており、さらに、この誘電体レンズを用いて電磁波を受信する機能や反射する機能を有する誘電体レンズ装置の開発が待たれている。
請求項1に係る発明は、電磁波に対して全方向性を有する透明な球形誘電体レンズと、内部が中空の球形であって、この中空の球形のいずれか一方の球面の半径が、球形誘電体レンズの焦点距離と等しい半径を有する透明な誘電体球殻と、この誘電体球殻の内部中心部に球形誘電体レンズを内包した状態で、且つ、焦点距離に沿った位置に誘電体球殻が位置するように、この誘電体球殻と球形誘電体レンズとを位置決め保持する保持機構とを有するものである。
請求項2に係る発明は、球形誘電体レンズは、比誘電率が3.5以下の透明な誘電体で、球状に形成した単一構造である。
請求項3に係る発明は、請求項1〜請求項2にそれぞれ記載の発明において、さらに、誘電体球殻の少なくとも一球面若しくは球形誘電体レンズに、比誘電率が1以上で、且つ、球形誘電体レンズ若しくは前記誘電体球殻の誘電率より小さい透明誘電体物質で形成した誘電体皮膜を設けたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3にそれぞれ記載の発明において、さらに、誘電体球殻は、誘電体損失が小さな透明な誘電体部材で、間隙を介在して同心の中空の球形に形成した多層構造とするとともに、この多層構造の誘電体球殻のいずれか一球面の半径が、球形誘電体レンズの焦点距離と等しい長さであり、保持機構は、多層構造の誘電体球殻のいずれか一球面の半径が、球形誘電体レンズの焦点距離に位置するように、多層構造の誘電体球殻と球形誘電体レンズとを位置決め保持するように形成したものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4にそれぞれ記載の発明において、さらに、誘電体球殻のそれぞれ球面の半径は、球形誘電体レンズの焦点距離より長い半径を有するものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜請求項5にそれぞれ記載の発明において、さらに、球形誘電体レンズの焦点距離に、電磁波を反射する反射体を設けたものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜請求項5にそれぞれ記載の発明において、さらに、球形誘電体レンズの焦点距離に、電磁波を受信する電磁波受信部を設けたものである。
請求項8に係る発明は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、さらに、球形誘電体レンズの焦点距離に、電磁波を反射する反射体と電磁波を受信する電磁波受信部とを設けたものである。
請求項9に係る発明において、請求項1〜請求項8にそれぞれ記載の発明において、さらに、誘電体球殻の厚みは、3mm以下のポリカーボネイト樹脂で形成したものである。
請求項10に係る発明において、請求項1〜請求項8に記載の発明において、さらに、誘電体球殻の厚みは、3mm以下のアクリル樹脂で形成したものである。
請求項11に係る発明において、請求項1〜請求項10に記載の発明において、さらに、球形誘電体レンズは、透明なポリスチレン樹脂で形成したものである。
請求項1に係る発明は、上記のように構成したので、球形誘電体レンズ及び誘電体球殻はいずれも透明部材で形成しているので、ミリ波帯に限らず光波帯の電磁波に対しても全方向性を有するレンズとして作用する。従って、球形誘電体レンズの焦点距離に位置している誘電体球殻の球面には、360度全方向の任意の箇所に電磁波を反射する反射体や受信する電磁波受信部を設けることが出来るので、全方向性を有する反射装置や受信装置を構成することが出来る。又、電源を必要とせず、一度設置すれば半永久的に使用することが出来る。
さらに、球形誘電体レンズは、誘電体球殻の内部で保持装置により、堅固に固定した状態に保持されているので、持ち運ぶ場合や地震等による振動に対しても内部で動くことはなく、破壊、損傷、機械的な変形等が発生することもない。さらに、球形誘電体電波レンズの表面が、風雨等の外的要因や測定中の突発的事象により損傷することもなく、又、機械的な変形が発生することもない。そのため、入射電磁波に対する電波レンズとしての歪みが発生することもない。さらに、入射電磁波に対する焦点距離が変動することもない。又、誘電体球殻による電波の遮蔽、吸収、散乱の影響が小さく、装置全体として堅牢かつ軽量である等の効果がある。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明と同様な効果がある。さらに、誘電体皮膜により、電磁波の透過率が良くなる。
請求項4に係る発明は、上記請求項1及び請求項3に係る発明と同様な効果がある。さらに、単層構造の誘電体球殻より投影面積に対する有効開口面積を大きくすることが出来る。
請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4に係る発明と同様な効果がある。さらに、誘電体球殻の表面に、球形誘電体レンズによる焦点への電磁波の収束を避けることが出来るので、誘電体球殻が加熱されることもなく、安全である。
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜請求項5に係る発明と同様な効果がある。さらに、全方向性を有する反射装置が得られる。又、電源を必要とせず、一度設置すれば半永久的に反射装置として使用することが出来る。そのため、山中や砂漠等の如何なる場所にも設置することが出来、又、空港のない場所でも臨時の誘導滑走路を容易に設営することが出来る。又、レーダ装置に使用する場合には、自動誘導のためのマーカとしても使用することが出来る。
請求項7に係る発明は、上記請求項1〜請求項5に係る発明と同様な効果がある。さらに、全方向性を有する電磁波受信装置が得られる。
請求項8に係る発明は、上記請求項1〜請求項5に係る発明と同様な効果がある。さらに、全方向性を有する反射装置としても又、電磁波受信装置としても使用することが出来る。
請求項9及び請求項10に係る発明は、上記請求項1〜請求項8に係る発明と同様な効果がある。さらに、誘電体球殻が3mm以下のポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂で形成されているので、局所的な加重に対しても、高い強度を維持することが出来るとともに、耐候性を維持することが出来る。
請求項11に係る発明は、上記請求項1〜請求項10に係る発明と同様な効果がある。
誘電体損失が小さな透明な誘電体部材として、比誘電率が3.5以下の誘電体部材で形成され、電磁波に対して全方向性を有する球形誘電体レンズと、この球形誘電体レンズと同様に、誘電体損失が小さな透明な誘電体部材で、内部が中空の球形であって、この中空の球形のいずれか一方の球面の半径が、球形誘電体レンズの焦点距離と等しい半径を有する誘電体球殻と、この誘電体球殻の内部中心部に球形誘電体レンズを内包した状態で、且つ、焦点距離に沿った位置に誘電体球殻が位置するように、この誘電体球殻と球形誘電体レンズとを位置決め保持する保持機構とを有する誘電体レンズ装置と、この全方向性を有する誘電体レンズ装置の球形誘電体レンズの焦点距離に沿って、電磁波を反射する反射体や電磁波を受信する電磁波受信部を設けた誘電体レンズ装置。さらに、球形誘電体レンズを内包した誘電体球殻の厚みは、3mm以下のポリカーボネイト樹脂やあるいは3mm以下のアクリル樹脂で形成する。又、球形誘電体レンズは、透明なポリスチレン樹脂で形成する。
この発明の第1の実施例を、図1〜図9に基づいて詳細に説明する。
ここで、レーダ等で使用されるミリ波帯域において、従来のFRPを使用したレドームでは、電波的な損失が著しく増大する。そこで、発明者等は、ミリ波帯域で使用してもアンテナを保護するに充分な機械的強度があり、且つ、電波的損失の少ないアンテナの保護部材として適した誘電材料を見出すべく、様々な誘電材料について種々実験、調査、検討を行った。その結果は、すでに先の特許出願に記載されている。
まず、先に特許出願した発明について説明する。即ち、一般の発泡スチロールよりさらに軽量で断熱性に優れた高倍の発泡スチロール(EPS)と、乾燥状態の硬度が高く、強靱で耐衝撃性、耐摩耗性に優れたあるコーティング用の樹脂である無溶剤ウレタン樹脂の一種であるエフレタン(登録商標)を見いだした。さらに、この樹脂は、発泡スチロールにコーティングすることが可能であるとともに、コーティングすることで発泡スチロールを効果的に補強可能であることが判明した。
そこで、発明者等は、このコーティング用の樹脂について、電波に対する性質を判断するために、種々実験を重ねた結果、一般の発泡スチロールより発泡率が高い発泡スチロールは、比誘電率が1に近く、電波的には透明性がある性質を有していることが判明した。
そこで、発明者等は、エフレタンでコーティングされた発泡スチロールを用いて、保護用ハウジング、いわゆるアンテナのレドームを試作し、その結果については、すでに特許出願した。
この先に特許出願した発明では、図1に示すように、保護用ハウジング21内に配置される電波機器として、球形の誘電体電波レンズ22を使用した場合である。以下、簡単に説明すると、保護用ハウジング21と球形の誘電体電波レンズ22と電波反射体23とにより構成されており、この誘電体電波レンズ22の周囲には、電波に対して透明性がある比誘電率を有する発泡スチロールが密着した状態で封入されている。
この発泡スチロール構造体4は球形で、その半径は誘電体電波レンズ22の焦点距離と等しくなるように形成されている。即ち、発泡スチロール構造体4を介して誘電体電波レンズ22に入射した電波が発泡スチロール構造体4の表面に焦点を結ぶように、発泡スチロール構造体4は形成されている。さらに、この入射した電波が焦点を結ぶ発泡スチロール構造体4の表面には、電波を反射する電波反射体23が形成されている。発泡スチロール構造体4の全表面と電波反射体23とは、誘電体薄膜5により包囲されて、保護用ハウジング21が構成されている。
従って、発泡スチロール構造体4を介して誘電体電波レンズ22に入射した電波は、発泡スチロール構造体4表面の電波反射体23によって反射され、入射波と同じ方向に反射される。また、誘電体電波レンズ22と電波反射体23とは、実施例1と同様に発泡スチロール構造体4と誘電体薄膜5とにより構成される保護用ハウジング21により、外的要因等から保護されている。
そして、発泡スチロール構造体4と誘電体電波レンズ22を、全方位的に同じ特性を有するルーネベルグレンズとして使用することが出来るとともに、電波反射体23により入射した電波を同じ方向に反射することが可能な電波反射装置とすることが出来るものである。
さらに、発明者等が先に特許出願した発明では、図2に示すように、発泡スチロール構造体4の表面に電波反射体23を形成する代わりに、球形の誘電体電波レンズ22で受信する電波受信部を形成した場合である。以下、簡単に説明する。
図2において、保護用ハウジング31内に配置される電波機器は、実施例3と同様に、球形の誘電体電波レンズ22と後述する電波受信部32とフィーダ33とにより構成されている。
電波機器を構成する誘電体電波レンズ22の全周囲には、電波に対して透明性がある比誘電率を有する発泡スチロールが密着した状態で封入されている。この発泡スチロール構造体4は球形で、その半径は誘電体電波レンズ22の焦点距離と等しくなるように形成されている。即ち、発泡スチロール構造体4を介して誘電体電波レンズ22に入射した電波が、発泡スチロール構造体4の表面に焦点を結ぶように、発泡スチロール構造体4が形成されている。
入射した電波が焦点を結ぶ発泡スチロール構造体4の表面には、誘電体電波レンズ22に入射する電波を受信する電波受信部32が形成されており、電波受信部32には、フィーダ33が接続され、このフィーダ33を介して電波受信部32は給電されている。さらに、この発泡スチロール構造体4の全表面と電波受信部32とフィーダ33とは、誘電体薄膜5により包囲されている。従って、誘電体電波レンズ22と電波受信部32とフィーダ33とにより電波機器が構成され、発泡スチロール構造体4と誘電体薄膜5とにより保護用ハウジング31が構成されており、内部の電波機器は外的要因等から保護されている。
このように構成されているので、発泡スチロール構造体4と誘電体電波レンズ22を、全方位的に同じ特性を有するルーネベルグレンズとして使用することが出来るとともに、電波受信部32により入射した電波を受信することが出来る。
このように、先に出願した上記発明は、誘電体電波レンズ22と保護用ハウジング21、31との間隙が、発泡スチロールで形成された発泡スチロール構造体4で充填されているので、外部から入射する電磁波の内、ミリ波帯より長い波長の電波は通過して透明性を有することになるが、ミリ波帯よりさらに短い波長の光波帯、さらに波長の短い帯域に属する電磁波は、発泡スチロール構造体4で遮断されるように構成されたものである。
そこで、今回、発明者等は、電磁波全域、特に電波帯は勿論のこと光波帯にも用いる事の出来る全方向性を有する誘電体レンズ装置を開発した。以下、この発明の第1の実施例を、図3〜図9に基づいて詳細に説明する。
図3〜図9は、この発明の第1の実施例を示すもので、図3は誘電体レンズ装置51に反射体55を配置した電磁波装置の模式図である。図4は球形誘電体レンズ52と誘電体球殻53との位置関係を示す説明図、図5は誘電体球殻53の誘電体部材として、ポリカーボネイト樹脂を使用した場合について、誘電体球殻53の影響を観察するための反射特性図で、縦軸は減衰値(dB)、横軸は電磁波の入射角度(°)を示している。図6〜図7は電磁波の周波数をパラメータとして、誘電体球殻53による電磁波の減衰特性を示すもので、縦軸は透過損失(dB)、横軸は誘電体部材の板厚(mm)を示しており、図6は誘電体部材としてとして、ポリカーボネイト樹脂を使用した場合、図7は誘電体部材としてアクリル樹脂を使用した場合を示している。図8〜図9は、誘電体損失の小さい透明な誘電体部材として使用可能な誘電体部材を見出すための実験結果を示すもので、図8は比誘電率が3.5の場合、図9は比誘電率が4.0の場合を示している。
図3〜図4において、誘電体レンズ装置51は、この第1の実施例の場合、基本的には球形誘電体レンズ52、この球形誘電体レンズ52を内包する誘電体球殻53、この誘電体球殻53と球形誘電体レンズ52とを位置決めするとともに、保持固定するための保持機構54とにより構成されている。
球形誘電体レンズ52は、この実施例では、誘電体損失の小さい透明な誘電体部材として、透明なポリスチレン樹脂を用いて球形に形成されており、これを電磁波(電波及び光波)が通過する際に屈折されて焦点Fに収束されるように形成されている。このように、この実施例では、球形誘電体レンズ52は、全体が透明な球形であるから、電磁波に対して、即ち、電波帯に限らず光波帯に対しても全方向性を有している。
ここで、発明者等は、球形誘電体レンズの部材として使用可能な誘電体部材を見出すために、比誘電率が異なる複数の球形誘電体レンズを用いて、それぞれ比誘電率の違いによる効果を、光追跡法により解析した。その解析結果は、図8〜図9に示す。図8は比誘電率が3.5の場合、図9は比誘電率が4.0の場合をそれぞれ示している。その結果、比誘電率が3.5の場合には、図8に示すように、球形誘電体レンズ表面に焦点が位置し、比誘電率が4.0の場合には、図9に示すように、球形誘電体レンズの内部に焦点が位置している。従って、比誘電率が3.5以下の場合には、この発明による球形誘電体レンズとして使用可能であることが判明した。
誘電体球殻53は、誘電体損失の小さい透明な誘電体部材を用いて、内部が中空の球形に形成されており、さらに、誘電体球殻53の内球面あるいは外球面の半径、即ち、誘電体球殻53のいずれか一方の球面の半径が、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rと等しい半径となる球形に形成されている。そして、この誘電体球殻53の内部中心部には、球形誘電体レンズ52が保持機構54に固定された状態で配置されているとともに、誘電体球殻53のいずれか一方の球面が、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rに沿って位置するように、保持機構54により位置決めされている。
保持機構54は、この実施例の場合には、図3に示すように、誘電体損失の小さい透明な誘電体部材を用いて、誘電体球殻53の内径と一致する球形を下端部で切断した形状に形成するとともに、この切断面の中央部には、球形誘電体レンズ52の下端部を嵌合した状態で保持する凹部が設けられている。なお、保持機構54はこの実施例に限定されることなく、誘電体球殻53の内部中心部に球形誘電体レンズ52を内包した状態で、且つ、焦点距離Rに沿った位置に誘電体球殻53のいずれか一方の球面が位置するように、誘電体球殻53と球形誘電体レンズ52とを位置決め保持することの出来る構造であれば、如何なる構造であっても良い。
55は電磁波を反射する反射体で、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rに位置している誘電体球殻53の内球面あるいは外球面のいずれか一方の球面に配置され位置決めされている。58は日よけキャップで、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rに誘電体球殻53が配置されているので、誘電体レンズ装置51が光波帯で使用された場合には、球形誘電体レンズ52により光線が誘電体球殻53の表面(焦点F)に収束され、誘電体球殻53が加熱される。そのため、上方からの太陽光線を遮断するようにしたものである。
なお、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rには、反射体55の代わりに、この焦点Fに収束される信号を受信する電磁波受信部(図示せず)を設けても良い。その場合には、受信機能を有する誘電体レンズ装置が得られる。又、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rには、電磁波受信部とともに反射体も配置しても良く、この場合には、反射機能及び受信機能を有する球形誘電体レンズ装置が得られる。
このように構成されている誘電体レンズ装置51に関して、発明者等は、図5に示すように、誘電体球殻53の誘電体部材として、アクリル樹脂を使用した場合について、誘電体球殻53の電磁波に対する影響を観察するための測定を行った。電磁波としては、ミリ波を用いて測定した。
図5において、縦軸は減衰値(dB)、横軸は電磁波の入射角度(°)を示しており、実線は、誘電体レンズ装置51の誘電体球殻53がある場合を示すデータ、破線は誘電体球殻53がなく、球形誘電体レンズ52のみの場合を示すデータである。その結果、電磁波の入射角に対する減衰量は、誘電体球殻53の有無に関係ないことが判明した。
次いで、発明者等は、誘電体球殻53としての最適な誘電体部材とその板厚との関係を見出すために、各種の測定を行った。誘電体部材としては、ポリカーボネイト樹脂とアクリル樹脂との2種類の樹脂を採用した。そして、それぞれその板厚が、1mm、2mm、3mm、3.5mmの各試料について、電磁波の周波数をパラメータとして、誘電体レンズ装置51に入射する電磁波の透過損失の測定を行った。その結果が、それぞれ図6〜図7に示す図である。
誘電体球殻53の誘電体部材として、ポリカーボネイト樹脂を用いて、誘電体球殻53を形成し、その板厚が、1mm、2mm、3mm、3.5mmの各試料について、電磁波の周波数をパラメータとして透過損失を測定した。その結果は図6に示す。なお、図6において、電磁波の周波数が、それぞれ−●−●−●−は76GHzの場合、−■−■−■−は85GHzの場合、−△−△−△−は94GHzの場合の測定結果をそれぞれ示している。
図6に示す測定結果を見ると、誘電体球殻53の板厚が、1mm、2mm迄は、電磁波の周波数が76GHz、85GHz、94GHzのいずれに対しても透過損失は少ない。従って、ポリカーボネイト樹脂は、誘電体球殻53の誘電体部材としては適していることが判明した。しかしながら、電磁波の周波数が76GHzの場合、誘電体球殻53の板厚が2mm以上となると、透過損失は急激に増大する。その結果、周波数が高くなると、即ち、ミリ波帯の周波数より高い周波数の場合、誘電体球殻53の板厚が3mm以下であれば、充分使用に耐えることが判明した。
次いで、発明者等は、上記と同様に、誘電体球殻53の誘電体部材として、アクリル樹脂を用いて誘電体球殻53を形成し、その板厚が、1mm、2mm、3mm、3.5mmの場合について測定した。その結果は図7に示す。なお、図7において、電磁波の周波数が、−●−●−●−は76GHzの場合、−■−■−■−は85GHzの場合、−△−△−△−は94GHzの場合の測定結果をそれぞれ示している。
図7に示す測定結果を見ると、誘電体球殻53の板厚が、1mmの場合には、電磁波の周波数が76GHz、85GHz、94GHzのいずれに対しても透過損失は少なく、アクリル樹脂は、誘電体球殻53の誘電体部材としては適していることが判明した。しかしながら、電磁波の周波数が76GHzの場合、誘電体球殻53の板厚が1mmを越えると、透過損失は急激に増大する。その結果、アクリル樹脂の場合もポリカーボネイト樹脂と同様に、周波数が高くなると、即ち、ミリ波帯より短い波長の場合には、誘電体球殻53の板厚が3mm以下であれば、充分使用に耐えることが判明した。
この発明の第2の実施例は、誘電体レンズ装置51が光波帯で使用する場合の問題を解決するもので、以下、図10〜図11に基づいて説明する。図10〜図11は、球形誘電体レンズの一断面について、光追跡法による実験を行った結果を示す。なお、第1の実施例と同一部分については同一名称、同一番号を付し、その説明を省略する。
実施例1では、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rに誘電体球殻53が配置されているので、誘電体レンズ装置51が光波帯で使用された場合には、球形誘電体レンズ52により光線が誘電体球殻53の表面に収束され、誘電体球殻53が加熱されるという問題がある。受信エネルギが小さい場合には、あまり問題とはならないが、受信エネルギが大きな場合には、問題となる。
実際の太陽光線の偏波は、非常に複雑であるため、発明者等は、単純化する目的で図10に示すように、球形誘電体レンズの一断面について、光追跡法による実験を行った。その解析結果は、図10に示す。この際、誘電体球殻の屈折率は約1.6とし、簡単化のために、内部損失は0とした。スネルの法則により、境界面で光(電磁波)は屈折し、図10に示すように、光(電波)路を追跡すると、その焦点は通常の光学レンズと異なり、収差の大きいものとなる。そこで、仮に、開口面効率はおおよそ50%となる焦点位置(入射エネルギの50%が特定の面積に集まる距離)をaとし、この焦点位置aにおけるエネルギ密度を緩和させるために、焦点位置aのオフセット量を計算した結果が、b点において同じ面積におけるエネルギ密度がおおよそ半分になるならば、このような位置関係となるように、球形誘電体レンズと誘電体球殻とを設置すれば、即ち、太陽光線による予期せぬ火傷などを防ぐことができる。
そこで、この第2の実施例では、図11に示すように、誘電体球殻63の内球面及び外球面のいずれの球面の半径も、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rより長い半径を有する球形に形成されている。そのため、球形誘電体レンズ52により収束される光線は、誘電体球殻63のいずれの球面からも外れた位置に収束される。なお、この実施例の場合には、誘電体球殻63と球形誘電体レンズ52との間に収束されるように形成されている。従って、誘電体球殻63のいずれの球面も加熱されることもなく、安全である。
第1及び第2の実施例では、いずれも誘電体球殻53、63は、単層構造の球形に形成されているが、この実施例では、誘電体球殻73は、間隙77を介在して同心の中空の球形に形成した多層構造である。以下、これについて説明する。図12はこの発明の第3の実施例を示す模式図を示す。なお、第1〜第2の実施例と同一部分については同一名称、同一番号を付し、その説明を省略する。
図12に示すように、誘電体球殻73は、透明な誘電体部材が用いられており、間隙77を介在して中空の球形を同心に複数形成した多層構造に形成されている。そこで、この誘電体球殻73のいずれか一球面の半径が、球形誘電体レンズ52の焦点距離Rと等しい長さに形成されている。そして、球形誘電体レンズ52を中心に内包した状態で、多層構造の誘電体球殻73のいずれか一球面の半径が球形誘電体レンズ52の焦点距離Rに位置するように、誘電体球殻73と球形誘電体レンズ52とを位置決めするとともに、保持する保持機構74が設けられている。
ここで、図13に示すように、誘電体球殻に光を照射して、誘電体球殻内部の光路を見ると、中央部では集光され、端部では逆に広がる特性となる。そこで、先に示した球形誘電体レンズの解析結果から、球形誘電体レンズの端部に入射する電磁波は、光路が曲がりすぎて焦点に集まらないことが判明した。そこで、この発明のように、適切な球形、球殻の大きさ、厚さを設定した多層構造の誘電体球殻を用いて補正すれば、開口効率を大きくすることができる。しかしながら、誘電体球殻を多層構造にした場合には、反射、透過の回数が増えるため、多段反射による性能の劣化があるので、広帯域に特性を取ることはできなくなる。そこで、特定の周波数に対して狭帯域であれば、実用に耐えうる透過率を得ることが可能であることが判明した。
この発明の第4の実施例は、誘電体球殻の表面に、さらに透明な誘電体皮膜57を設けたもので、以下、図14〜図16に基づいて説明する。図14はこの発明の第4の実施例を示す模式図である。図15は誘電体皮膜57の比誘電率と透過率との関係を示す図である。図16は媒質へ入射する光線の説明図である。なお、第1〜第3の実施例と同一部分については同一名称、同一番号を付し、その説明を省略する。
図14に示すように、誘電体球殻53の表面には、比誘電率が1以上で、且つ、球形誘電体レンズ51若しくは誘電体球殻53の誘電率より小さい誘電率を有する透明な誘電体物質で形成した誘電体皮膜57が設けられている。なお、この実施例では、単層構造の誘電体球殻53の表面に誘電体皮膜57を塗布しているが、これに限定されるものではなく、誘電体球殻53の裏面(内面)に設けても良く、あるいは表面及び裏面の両面に設けても良い。又、多層構造の誘電体球殻73のいずれかの層の表面あるいは内面、あるいは両面、あるいは各層に誘電体皮膜を塗布しても同様な効果がある。
次いで、発明者等は、誘電体球殻に塗布等の手段により設けられた誘電体皮膜57が、電磁波の透過率にどのように影響するかを観察するために、図15に示すように、誘電体皮膜の比誘電率とこの誘電体皮膜を透過する電磁波の透過率との関係を求めた。図15中、−●−●−●−は、誘電体球殻53のみの場合、−■−■−■−は、誘電体皮膜57が誘電体球殻53の表面に設けられている場合、−△−△−△−は、誘電体皮膜57が誘電体球殻53の両面に設けられている場合についての結果をそれぞれ示している。
誘電体皮膜の比誘電率とこの誘電体を通過する電磁波の透過率との関係について、以下のように考察した。即ち、一般に、光が屈折率の異なる媒質の境界面に入射すると、光の一部は反射され、残りは屈折して透過する。そこで、誘電体球殻の表面あるいは内面、あるいは両面に誘電体皮膜を塗布した場合、光が誘電率の異なる誘電体皮膜と誘電体球殻との境界面を通過する場合の光の反射率と透過率について考察する。
図12に示すように、光が屈折率nの媒質から角度αで屈折率nの媒質2へ入射する場合、スネルの法則によれば、入射角αと屈折角βは、
n1sinα=n2sinβ・・・(1)となり、反射角は入射角に等しい。
ここで、光線の電気ベクトルの入射面(入射光線と法線とを含む平面)に垂直な入射波、反射波、透過波の成分を、それぞれ、Es、Es’、Es’’及びE、E’、E’’とする。又、磁気ベクトルについても同様に、Hs、Hs’、Hs’’及びH’、H’’とする。
まず、Eベクトルが入射面に垂直に入射する場合、即ち、s偏光の場合には、図16に示すように、電気ベクトルの各成分は紙面に垂直である。境界面に平行な成分の連続性から、入射と反射の成分を加算したものが、境界面で透過成分と等しくなるので、下記式(2)が成立する。
Es+Es'=Es"・・・(2)
一方、図16に示すように、Hベクトルは、入射面内にあるが、それらの境界面に平行な成分は連続する。従って、
Hpcosα−Hp'cos=Hp"cosβ・・・(3)
又、電磁波のEベクトルとHベクトルの大きさの関係は、各媒質の特性インピーダンスZ1、Z2から決まる。従って、
Figure 0003822619
となる。
この関係式(3)、(4)を式(7)に代入すると、式(10)となる。
Figure 0003822619
式(5)と式(3)とから、入射波と反射波の振幅比(振幅反射率)と入射波と透過波の振幅比(振幅透過率)は、図16からそれぞれ式(7)、式(8)となる。
Figure 0003822619
ここで、入射角が0の時は、(α=β=0)Z’=Z、Z’=Zであるから、式(7)、式(8)は、それぞれ下記式(9)、式(10)となる。なお、垂直入射の場合には、偏光方向の区別がなくなるので、添え字sは省略する。
Figure 0003822619
ここで、誘電体球殻の比誘電率ε、誘電体皮膜の比誘電率εとする。又、空気の比誘電率は1であるから、誘電体皮膜を誘電体球殻に設けない場合の振幅透過率Tkは、下記式(11)で表される。なお、途中の換算式については、その説明を省略する。
Figure 0003822619
一方、誘電体皮膜を誘電体球殻の両面に設けた場合には、振幅透過率Tkは、下記式(12)で表される。
Figure 0003822619
以上説明したことから、空気の誘電率と誘電体球殻の誘電率との中間の値、即ち、1<ε<εである値であれば、特性が改善されることが判明した。なお、図13は、ε=3の時の誘電体皮膜57の比誘電率とこの誘電体皮膜57を透過する電磁波の透過率との関係を求めたものである。図13中、−●−●−●−は、誘電体球殻53のみの場合、−■−■−■−は、誘電体皮膜57が誘電体球殻53の表面に設けられている場合、−△−△−△−は、誘電体皮膜57が誘電体球殻53の両面に設けられている場合についての結果をそれぞれ示している。
この発明による全方向性を有する誘電体レンズ装置は、電源を必要としないから、屋内、屋外に係わらず利用可能である。又、道路の側壁等に設置すれば、車両のライトあるいは車両に搭載されているレ−ダ装置で検知出来る反射板として利用可能である。又、地方空港の滑走路の誘導灯として利用出来る。又、砂漠等の空港がない地域で臨時の空港の滑走路の誘導灯としても利用出来る。又、地上に限らず、海上のブイ、船舶のマスト等に設置して目標とすることが出来る。
先に発明者等が特許出願した発明で、保護用ハウジング21とその内部に配置されている電波機器とを示す模式図である。 先に発明者等が特許出願した発明で、保護用ハウジング31とその内部に配置されている電波機器とを示す模式図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、反射体55を配置した誘電体レンズ装置の模式図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、球形誘電体レンズ52と誘電体球殻53との位置関係を示す説明図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、誘電体球殻53の誘電体部材として、アクリル樹脂を使用した場合について、誘電体球殻53の影響を観察するための反射特性図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、誘電体部材として、ポリカーボネイト樹脂を使用した場合の誘電体球殻53による電磁波の減衰特性である。 この発明の第1の実施例を示すもので、誘電体部材として、アクリル樹脂を使用した場合の誘電体球殻53による電磁波の減衰特性である。 この発明の第1の実施例を示すもので、誘電体損失の小さい透明な誘電体部材として使用した誘電体部材の比誘電率が、3.5の場合の実験結果である。 この発明の第1の実施例を示すもので、誘電体損失の小さい透明な誘電体部材として使用した誘電体部材の比誘電率が、4.0の場合の実験結果である。 この発明の第2の実施例を示すもので、球形誘電体レンズの一断面について、光追跡法による実験結果sである。 この発明の第2の実施例を示すもので、球形誘電体レンズ52、誘電体球殻63、反射体等との位置関係を示す説明図である。 この発明の第3の実施例を示す模式図である。 この発明の第3の実施例を示すもので、誘電体球殻内部の光路である。 この発明の第4の実施例を示す模式図である。 この発明の第4の実施例を示すもので、誘電体皮膜57の比誘電率と透過率との関係を示す図である。 媒質へ入射する光線の説明図である。 従来例を示す斜視図である。
符号の説明
51 誘電体レンズ装置
52 球形誘電体レンズ
53、63、73 誘電体球殻
54、74 保持機構
55 反射体
56 電磁波受信部
57 誘電体皮膜
77 間隙

Claims (11)

  1. 電磁波に対して全方向性を有する透明な球形誘電体レンズと、
    内部が中空の球形であって、この中空の球形のいずれか一方の球面の半径が、前記球形誘電体レンズの焦点距離と等しい半径を有する透明な誘電体球殻と、
    この誘電体球殻の内部中心部に前記球形誘電体レンズを内包した状態で、且つ、前記焦点距離に沿った位置に前記誘電体球殻が位置するように、この誘電体球殻と前記球形誘電体レンズとを位置決め保持する保持機構と
    からなる全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  2. 前記球形誘電体レンズは、比誘電率が3.5以下の透明な誘電体で、球状に形成した単一構造であること
    を特徴とする請求項1に記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  3. 前記誘電体球殻の少なくとも一球面若しくは前記球形誘電体レンズに、比誘電率が1以上で、且つ、前記球形誘電体レンズ若しくは前記誘電体球殻の誘電率より小さい透明誘電体物質で形成した誘電体皮膜を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項2にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  4. 前記誘電体球殻は、透明な誘電体部材で、間隙を介在して同心の中空の球形に形成した多層構造とするとともに、この多層構造の誘電体球殻のいずれか一球面の半径が、前記球形誘電体レンズの焦点距離と等しい長さであり、
    前記保持機構は、前記多層構造の誘電体球殻のいずれか一球面の半径が、前記球形誘電体レンズの焦点距離に位置するように、前記多層構造の誘電体球殻と前記球形誘電体レンズとを位置決め保持するように形成したこと
    を特徴とする請求項1〜請求項3にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  5. 前記誘電体球殻のそれぞれ球面の半径は、前記球形誘電体レンズの焦点距離から算出される距離以上の半径を有すること
    を特徴とする請求項1〜請求項4にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  6. 前記球形誘電体レンズの焦点距離に、電磁波を反射する反射体を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項5にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  7. 前記球形誘電体レンズの焦点距離に、電磁波を受信する電磁波受信部を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項5にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  8. 前記球形誘電体レンズの焦点距離に、電磁波を反射する反射体と電磁波を受信する電磁波受信部とを設けたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項5にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  9. 前記誘電体球殻の厚みは、3mm以下のポリカーボネイト樹脂で形成したこと
    を特徴とする請求項1〜請求項8にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  10. 前記誘電体球殻の厚みは、3mm以下のアクリル樹脂で形成したこと
    を特徴とする請求項1〜請求項8にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
  11. 前記球形誘電体レンズは、透明なポリスチレン樹脂で形成したこと
    を特徴とする請求項1〜請求項10にそれぞれ記載の全方向性を有する誘電体レンズ装置。
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