JP3822053B2 - デンプンフイラメントを含む可撓性構造物 - Google Patents

デンプンフイラメントを含む可撓性構造物 Download PDF

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    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、澱粉フイラメントを含む可撓性構造体に関し、一層具体的には差別領域を有する可撓性構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙等のセルロース繊維ウエブは公知である。今日では低密度繊維ウエブは、紙タオル、トイレットペーパー、化粧紙、ナプキン、湿潤タオルその他に普通に使用される。この種の紙製品に対する大きな需要は、これらの製品の改良種および製法に対する要望を創造する。この種の要望を満たすために製紙会社では、需要家への製品の全搬送費用を機械および資材コストと調和させる必要がある。
【0003】
従来型製紙装置の操業の場合、パルプ水スラリーを形成させる目的で、繊維水和物の一定濃度達成のための木材セルロース繊維の再パル化、叩解または精製が行われる。テイッシュ、タオル、および衛生製品に使用する紙製品の製法中には、水スラリーの調製、引き続くスラリーの脱水、同時にスラリー中の繊維の再配置による紙ウエブの形成が包含される。脱水に引き続いてウエブを処理して乾燥ロールまたはシート形へと形状を変えると同時に、消費者用包装品へと変換する。脱水工程および上記変換操作の実施には各種の型の機械装置の採用を要し、多額の設備投資が必要になる。
【0004】
従来型製紙作業の他の観点中には、特定最終性を達成する目的で、パルプ中への他の添加剤の添加工程が包含される。例えば、強度向上用樹脂、剥離用界面活性剤、軟化剤、顔料、ラテックス、合成微小球、難燃剤、染料、香料等の添加剤が、製紙用に頻繁に用いられる。紙上に保持されない添加剤部分が工場排水の一部を形成する場合は不経済であるのみならず、また顕著な環境汚染問題を引き起こすので、製紙工程の湿式末端部における添加剤の存在は、製紙会社には厄介な問題を提起する。添加剤は、当業者に公知の塗布法または吸収法により、脱水工程に引き続いて紙ウエブ中に添加してもよい。これらの方法は通常、塗布後の紙の乾燥に余分のネネルギーを必要とする。その上、ある場合には塗装系が溶媒系であることを要し、設備費の追加と、排出基準に適するよう揮発性材料を回収する必要が生ずる。
【0005】
セルロース以外の各種天然繊維ならびに多様な合成繊維が製紙用に使用されてきたが、これらの代替物の全ては高価で、結合性に劣り、化学的に非相容性で、製造系における取り扱いが難しいので、セルロースの商業的代替物とはなり得なかった。製紙加工の各種観点で、澱粉繊維がセルロース代替物として提案された、この種の澱粉フイラメントを使用する商業的試みは、成功していない。その結果、紙製品は依然として木材由来セルロース成分から専ら製造されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
したがって本発明は、長い澱粉フイラメントを含む可撓性構造体およびそれらの製法の提供にある。特に本発明では、複数の澱粉フイラメントを含む可撓性構造体を提供し、この場合、上記構造体は、改良された強度、吸収性、および柔軟性のための明確で強化特性を有する二つまたはそれ以上の領域を含む。
【0007】
また本発明によれば、澱粉フイラメントの製法が提供される。この発明は、特に複数の澱粉フイラメントを製造する電気紡糸法を提供する。
【0008】
(発明の概要)
可撓性構造体は複数の澱粉フイラメントを含む。複数の澱粉フイラメントの少なくとも幾つかは約0.001デシテックスから135デシテックス(dtex)、一層具体的には0.01デシテックスから5デシテックスの寸法を有する。澱粉フイラメントの主軸に垂直な断面の当量直径に対する、少なくとも幾つかの澱粉フイラメントの主軸長のアスペクト比は、100/1を超える、一層具体的には500/1を超える、さらに一層具体的には1000/1を超える、最も具体的には5000/1を超えるアスペクト比である。
【0009】
この構造体は、少なくとも第1領域および第2領域を含み、第1領域および第2領域のそれぞれは、密度、ベース重量、隆起(elevation)、不透明度、クレープ頻度、および、これらの任意の組合わせからなる群から選択された少なくとも一つの共通示強性(intensive property)を有する。第1領域の少なくとも一つの共通示強性は第2領域の少なくとも一つの共通示強性とは、その値において差異がある。
【0010】
一つの実施態様では、第1および第2領域の一つは実質的連続な網状組織を含み、かつ、第1および第2領域のその他は実質的連続な網状組織を通じて分散した複数の個別的区域を含む。他の実施態様では、少なくとも一つの第1領域および第2領域は半連続網状組織を含む。
【0011】
上記可撓性構造体は、少なくとも第3領域をさらに含み、この第3領域は第1領域および第2領域の示強性とは、その値が共通かつ異なった少なくとも一つの示強性を有する。一つの実施態様では、少なくとも一つの第1、第2、および第3領域は実質的連続な網状組織を含み得る。他の実施態様では、少なくとも一つの第1、第2、および第3領域は、個別的または不連続な区域を含み得る。さらに他の実施態様では、少なくとも一つの第1、第2、および第3領域は、実質的半連続な区域を含み得る。さらに他の実施態様では、少なくとも一つの第1、第2、および第3領域は実質的連続な網状組織を通じて分散した複数の個別的区域を含み得る。
【0012】
上記可撓性構造体が、実質的連続な網状組織領域、および実質的連続な網状組織を通じて分散した複数の個別的区域を含む場合、この実質的連続な網状組織領域は、複数の個別的区域の比較的低密度に比べて比較的高密度を有し得る。この構造体を水平な基準面上に配設すると、第1領域は第1隆起を区画し、かつ、第2領域は第1領域から外方向に伸張して、第1隆起を超えた大きさの(水平基準面に比べて)第2隆起を区画する。
【0013】
少なくとも三つの領域を含む実施態様における構造体を基準面上に配設した場合、第1領域は第1隆起を区画でき、第2領域は第2隆起を区画でき、第3領域は第3隆起を区画できる。少なくとも一つの第1、第2、第3隆起は、その他の隆起の少なくとも一つとは異なることができ、例えば第2隆起は第1隆起および第3隆起の中間にあり得る。
【0014】
一つの実施態様における第2領域は、複数の澱粉枕部を含み、個々の枕部は第1隆起から第2隆起へと伸張するドーム部、および、ドーム部から第2隆起で横方向に伸張する片持ち翼部を含み得る。澱粉片持ち翼部の密度は、第1領域の少なくとも一つの密度およびドーム部の密度と等しいか、もしくは異なることができ、または第1領域の密度とドーム部の密度との中間にあり得る。片持ち翼部は、通常、第1平面から高められて、第1領域とカンチバー部との間に実質的空隙な空間を形成する。
【0015】
上記可撓性構造体は、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸、電気紡糸、または、これらの任意の組合わせにより複数の澱粉フイラメント作り;複数の澱粉フイラメントをその上に収容する構造のフイラメント受け側を有する成形部材を準備し;成形部材に複数の澱粉フイラメントを堆積し、この場合、複数の澱粉フイラメントの少なくとも一部を成形部材の模様に順応させ;かつ、複数の澱粉フイラメントを成形部材から取り除く;工程により製造可能である。
【0016】
澱粉フイラメントを堆積する工程中には、成形部材の3次元模様に対して複数のフイラメントの少なくともその一部を成形部材のフイラメント受け側に順応させる工程が包含される。この工程は、例えば複数の澱粉フイラメントに対して液圧差を加えることにより遂行できる。
【0017】
一つの実施態様では、成形部材に複数の澱粉フイラメントを堆積する工程は、成形部材のフイラメント受け側に関して鋭角で澱粉フイラメントを堆積する工程がが包含され、この場合の鋭角は約5度から約85度である。
【0018】
一つの実施態様における成形部材は、強化要素に連結した樹脂製枠組みを包含する。成形部材は、流体透過性、流体不透過性、または流体部分透過性であり得る。強化要素は、フイラメント受け側と枠組み背面の少なくとも一部との間に配置し得る。フイラメント受け側は、実質的連続な模様、実質的半連続な模様、実質的非連続な模様、または、これら任意の組合わせ模様を、その上に含み得る。上記枠組みには、それを通じて複数の開口部が含まれ、これらは、枠組み模様に相似的および換位的に連続的、個別的、または半連続的でありうる。
【0019】
一つの実施態様における成形部材は、第1隆起で配設された強化要素、および、対面関係で強化要素から外方向へ伸張して第2隆起を形成する強化要素に連結した樹脂製枠組みとから形成される。この成形部材は、複数の相互糸織りヤーン、フエルト、または、これらの任意の組合わせを含み得る。
【0020】
複数の澱粉フイラメントを成形部材のフイラメント受け側に堆積させると、それらの柔軟性および/または液圧差の適用に起因して、フイラメントは少なくとも部分的に成形部材の3次元模様に順応し、これにより模様付き枠組みにより支持された複数の澱粉フイラメントからなる第1領域、および、開口部中に偏向して強化要素で支持された複数の澱粉フイラメントからなる第2領域を形成する。
【0021】
一つの実施態様における成形部材は、懸垂部分を含む。この種の成形部材の樹脂製枠組みは、強化要素から外方向に伸張した複数のベース部と、このベース部から第2隆起で横方向に伸張した片持ち翼部とを含む。この片持ち翼部と強化要素との間には空隙空間が形成され、この場合、複数のベース部および複数の片持ち翼部は相互に、成形部材の3次元フイラメント受け側を形成する。この種の成形部剤は、少なくとも二層を対面関係で接合して、層の一つの枠組み部分を他層の開口部に対応させれば成形できる。懸垂部分を含む上記成形部材も、差別的不透明区域を含む模様を有するマスクを通じて光感応性樹脂層を差別架橋すれば形成できる。
【0022】
本発明における、可撓性構造体の製法中には、複数の澱粉フイラメントの選択部分に、例えば機械圧を加えて複数の澱粉フイラメントを圧縮する工程がさらに包含されてもよい。
【0023】
この製法中には、複数の澱粉フイラメントの奥行短縮工程がさらに包含されてもよい。奥行短縮は、クレーピング、マイクロ収縮、または、これらの組合わせにより成就できる。
【0024】
澱粉フイラメントの電気紡糸法には、伸張粘度約50パスカル・秒から約20,000パスカル・秒の澱粉組成物を準備し;次いで澱粉組成物を電気紡糸して寸法約0.001デシテックス(dtex)から約135デシテックスの澱粉フイラメントを作る;工程が包含される。澱粉組成物の電気紡糸工程には、ダイを通じた澱粉組成物の電気紡糸工程が包含される。
【0025】
澱粉組成物中の澱粉は、約1,000から約2,000,000の重量平均分子量を有し;かつ、この澱粉組成物は少なくとも0.05、一層具体的には少なくとも1.00の細孔数を有する。一つの実施態様では、この澱粉組成物は約20重量%から約99重量%のアミロペクチンを含む。この澱粉組成物中の澱粉は、約1,000から約2,000,000の重量平均分子量を有する。この澱粉組成物は、重量平均分子量が少なくとも500,000の高ポリマーを含有できる。
【0026】
この澱粉組成物は、約10重量%から約80重量%の澱粉、および約20重量%から約90重量%の添加剤を含有できる。この種の澱粉は、温度約20℃から約180℃で約100パスカル・秒から約15,000パスカル・秒の伸張粘度を有し得る。
【0027】
この澱粉組成物は、澱粉約20重量%から約70重量%、添加剤約30重量%から約80重量%を含み得る。この種の澱粉組成物は、約200パスカル・秒から約10,000パスカル・秒の伸張粘度(約20℃から約100℃で)を有する。
【0028】
約200パスカル・秒から約10,000パスカル・秒の伸張粘度を有する澱粉組成物は、約3から約50の細孔数を有し得る。一層具体的には、約300から約5,000パスカル・秒の伸張粘度を有する澱粉組成物は、約5か約30の細孔数を有し得る。
【0029】
一つの実施態様では、この澱粉組成物は約0.0005重量%から約5重量%の高ポリマーを含み、この高ポリマーは澱粉と相容性であり、少なくとも500,000の平均分子量を有する。
【0030】
この澱粉組成物は、可塑剤および希釈剤からなる群から選択された添加剤を含み得る。この種の澱粉組成物は、約5重量%から約95重量%のタンパク質をさらに含有でき、この場合のタンパク質はトウモロコシ由来タンパク質、大豆由来タンパク質、小麦由来タンパク質、または、これらの任意の組合わせタンパク質を含む。
【0031】
上記澱粉フイラメントの製法は、空気流で澱粉フイラメントを細長化する工程をさらに包含できる。
【0032】
一つの実施態様では、澱粉フイラメントを含む可撓性構造体の製法中には、伸張粘度約100パスカル・秒から約10,000パスカル・秒の澱粉組成物を準備する工程;3次元のフイラメント受け側およびこれに対向する背面部を準備する工程であって、この場合のフイラメント受け側が実質的連続な模様、実質的半連続な模様、個別的模様または、これらの任意な組合わせ模様を有するように準備する工程;この澱粉組成物を電気紡糸して複数の澱粉フイラメントを製造する工程;ならびに、複数の澱粉フイラメントを成形部材のフイラメント受け側に堆積させる工程であって、この場合の澱粉フイラメントをフイラメント受け側の3次元模様に順応させる工程;が包含される。工業的方法では、上記成形部材は縦方向に連続的に移動する。
【0033】
(発明の具体的な説明)
この明細書において使用する次の用語は、次の意味を有する。
”澱粉フイラメントを含む、可撓性構造体”または単に”可撓性構造体”なる用語は、複数の澱粉フイラメントを含む集成構造体であり、この場合の澱粉フイラメントは機械的に相互に絡まって、ある種の予め定められた顕微鏡的、幾何学的、物理的、および美的性質を有するシート状製品を形成する。
【0034】
”澱粉フイラメント”なる用語は、細長く、薄く、高度に柔軟な澱粉を含む物品であって、主軸に垂直な相互直交の二つの繊維軸に比べて極めて長い主軸を有する物品である。主軸に垂直な繊維断面の当量直径に対する主軸長のアスペクト比は、100/1を超し、一層具体的には500/1を超し、さらに一層具体的には1000/1を超し、最も具体的には5000/1を超過する。この澱粉フイラメントは、他の例えば水、可塑剤およびその他に任意の添加剤等を含有できる。
【0035】
本発明において記載する”当量直径”なる用語は、断面部分の形状に無関係に、本発明における澱粉繊維またはフイラメントの断面積および表面積を定義するのに用いる。したがって当量直径とは、式 S=1/4πD2 (式中、Sは澱粉繊維またはフイラメントの断面積(幾何学的形状に無関係に)、π=3.14159 、Dは当量直径)を満足するパラメーターである。例えば、二つの対面側”A”および二つの対面側”B”により形成された長方形の断面積は、式S=A×Bで表される。同時に、この断面積は当量直径を有する環面積として表すことができる。したがって、当量直径Dは、式S=1/4πD2 (Sはこの長方形の既知面積)から計算できる(当然ながら、環の当量直径はその環の真の直径である)。当量半径は当量直径の1/2である。
【0036】
”材料”または”組成物”との関連における”疑似熱可塑性”なる用語は、高温の影響や、適当な溶媒中への溶解、その他の手法により、これらの材料や組成物を所望形状に成形し得る吹き込み条件下まで軟化せしめ得る場合の、一層具体的には、たわみ構造体形成に適する澱粉フイラメントを成形・加工し得る吹き込み条件下まで軟化せしめ得る場合の、材料および組成物を指す。疑似熱可塑性材料は、例えば熱および圧力両方の影響下に成形できる。疑似熱可塑性材料が熱可塑性材料と異なる点は、疑似熱可塑性物の軟化および液化は軟化剤または溶媒の存在によって起こり、これらが存在しない場合、任意の温度および圧力を付与しても疑似熱可塑性材料はこの種の条件下では”溶融”しないので、成形に必要な軟化条件または流動条件にまで到達せしめ得ない点にある。澱粉のガラス転移温度および融点に及ぼす水分の影響は示差走査熱量計で測定する(Zeleznah および Hoseny 他による "Cereal Chemistry", Vol 64, No. 2, 121-124 頁に記載)。疑似熱可塑性溶融体は流動状態にある疑似熱可塑性材料のことである。
【0037】
”顕微鏡的配置”およびその変更なる用語は、可撓性構造体の比較的小さな(”顕微鏡的”)細部を指し、その全体の(すなわち”巨視的”)配置とは対照的に構造体全体の形状には無関係に、例えばたわみ構造体の表面組織等の詳細を指す。”顕微鏡的”または”巨視的”なる用語は、X−Y面等の2次元配置中に置かれた場合の、構造体全体の配置またはその一部を指す。例えば、巨視的レベルでは、平面上に置かれた場合のこのたわみ構造体は、比較的薄く平らなシートである。しかし、顕微鏡的レベルでは上記構造体は、第1隆起を有する第1平面を含む。しかし顕微鏡的レベルでは上記構造体は、第1隆起を有する第1平面を形成する複数の第1領域、および、第2隆起を形成する枠組み領域を通じて分散し、かつ外向きに伸張する複数のドームまたは”枕”部を含み得る。
【0038】
”示強性”とは、たわみ構造体の平面以内の値の集合に依存する値を有しない性である。共通示強性は、一つを超える領域により保持される示強性である。本発明における、可撓性構造体のこの種の示強性中には、密度、ベース重量、隆起、不透明度、およびクレープ頻度(構造体が奥行短縮された場合)が包含されるが、これらには限定されない。例えば、二つの異なった領域の共通示強せが密度値である場合、一つの領域の密度値は他の領域の密度値とはことなることができる。例えば第1および第2領域等の領域は、個別の示強性により相互に識別できる識別可能な区域である。
【0039】
”ベース重量”とは、澱粉たわみ構造体の単位面の重量(グラム基準)であり、単位面積は澱粉構造体の平面中にとられる。ベース重量を測定する単位面の寸法および形状は、部分ベース重量を有する領域の相対および絶対寸法および形状に依存する。
【0040】
”密度”は、ある領域の厚さ(たわみ構造体の平面に直角の)に対するベース重量の比である。見掛け密度は、試料のベース重量を、適切な単位換算表を組み込んだキヤリパー値で割った値である。本発明において用いる、みかけ密度の単位はg/cm3 である。
【0041】
”キヤリパー”は、下記のように測定した、試料の巨視的厚さである。キヤリパーは、領域の顕微鏡的特性である、微分領域の隆起からは明瞭に区別されるべきである。
【0042】
”ガラス転移温度”Tg は、その温度で材料の粘性またはゴム様状態が、比較的硬く脆い状態に変化する温度である。
【0043】
”縦方向”(またはMD)は、製造装置を通過する、可撓性構造体の流れに平行な方向である。”横方向”(またはCD)は、縦方向に垂直で、かつ、製造される可撓性構造体の一般面に平行な方向である。
”X”、”Y”、および”Z”は、デカルト座標の従来型デカルト座標系を指し、この場合、相互に垂直な座標”X”および”Y”は基準X−Y面を区画し、”Z”はX−Y面に対する直角を区画する。”Z方向”は、X−Y面に垂直な任意方向を指す。同様に”Z次元”は、Z方向に測定した次元、距離またはパラメーターを意味する。例えば成形部材等の要素が湾曲または非平面的である場合は、X−Y面は要素の外形にしたがう。
【0044】
”実質的連続な”領域(区域/網状組織/枠組み)は、線長を通じて区域内を遮断されずに完全走行して任意の2点を連結し得る、その区域を指す。すなわち、実質的連続な領域は、第1面に平行な全方向に実質的”連続性”を有し、かつ、その領域の端部においてのみ終結する。連続的との関連における”実質的”なる用語は、絶対的連続性が好ましくはあるが、絶対連続性からの僅少な偏差は、設計または意図した構造体(または成形部材)の性能に顕著な影響を及ぼさない限り、これを許容し得ることを意味する。
【0045】
”実質的半連続な”領域(区域/網状組織/枠組み)なる用語は、第1面に平行な、少なくとも一つの方向を除く、全ての方向で”連続性”を示す区域を指し、この区域内では線長を通じて区域内を遮断されずに完全に走行する線により、任意の2点を連結し得る区域を指す。半連続枠組みは、第1面に平行な一つの方向においてのみ連続性を示し得る。上記連続領域から類推して、少なくとも一つの方向を除いた全ての方向における絶対連続性が好ましくはあるが、絶対連続性からの僅少な偏差は、設計または意図した構造体(または成形部材)の性能に顕著な影響を及ぼさない限り、これを許容し得る。
【0046】
”不連続”領域とは、第1面に平行な全ての方向で不連続な、個別的かつ相互に分離された区域を指す。
【0047】
”吸収性”とは、毛細管、、浸透圧、溶媒、または化学的作用を包含する各種手法により流体を取り上げ、この種の流体を保持する能力である。吸収性は、本発明明細書において述べる試験法に従って測定できる。
【0048】
”柔軟性”は、変形を受ける以前の形状に復帰する材料または構造体の能力または無能力に係わらず、加えられた負荷下に破損せずに材料または構造体が変形し得る能力を指す。
【0049】
”成形部材”とは、本発明における、可撓性構造体を作る加工時に、澱粉フイラメントが堆積し得る支持体として使用でき、かつ、本発明における可撓性構造体の所望顕微鏡的図形を形成(または”成形”)する成形装置として使用できる構造要素である。この成形部材は、作られる構造体に3次元模様を付与する能力を有する任意要素からなり、静止板、ベルト、織布、および帯が包含されるが、これらに限定されない。
【0050】
”強化要素”は、例えば樹脂系材料を包含する成形部材の団結性、安定性、および耐久性を提供または容易にするのに主として機能する、成形部材の、ある種の実施態様における好ましい要素であるが、必ずしもこれらには限定はされない。この強化要素は、流体透過性、流体不透過性、または部分流体透過性であつてもよく、かつ、複数の織りヤーン、フエルト、プラスチック、他の適当な合成系材料、または、これらの任意組合わせを包含し得る。
【0051】
”加圧面”は、その上に複数の澱粉フイラメントを有する成形部材のフイラメント受け側に対して圧縮され得る面であり、凹み/突起の3次元模様を有する成形部材中に澱粉フイラメントを少なくとも部分的に偏向させる面である。
【0052】
”デシテックス”または”dtex ”は10,000メーター当たりのグラム、
Figure 0003822053
で表した澱粉フイラメントの場合の測定単位である。
【0053】
”溶融紡糸”は、この方法で熱可塑性または疑似熱可塑性材料が、細化力の使用により繊維状材料へと変換される方法である。溶融紡糸法中には、機械的引っ張り、溶融吹き込み、スパンボンデイング、および電気紡糸法が包含される。
【0054】
”機械的伸張”法は、線条に力を加えて溶融して繊維化する目的で、ロール等の駆動面に線条を接触させることにより線条に力を誘発する方法である。
【0055】
”溶融吹き込み”は、フイラメントを細化する目的で高速空気または他の適当な力を用いてポリマーまたは樹脂から直接繊維ウエブまたは物品を製造する方法である。溶融吹き込み法では、材料がダイまたは紡糸口金を出る際に高速空気の形で細化力を加える。
”スパンボンデイング”法中には、流れ力および重力下に所定の距離で繊維を落下させ、次いで高速空気または他の適当な源を利用して力を加える方法が包含される。
【0056】
”電気紡糸”法は、力として電圧を用いて繊維を細化する方法である。
【0057】
”溶液紡糸”法としても公知の”乾式紡糸”法中には、繊維形成を安定化するための溶媒乾燥工程の使用が包含される。材料を適当な溶媒中に溶解し、機械的伸張、溶媒吹き込み、スパンボンデイング、および/または電気紡糸を利用して細化する方法が包含される。溶媒が蒸発するにつれて繊維が安定化する。
【0058】
”湿式紡糸”法中には、適当な溶媒中に材料を溶解し、機械的伸張、溶媒吹き込み、スパンンボンデイングおよび/または電気紡糸を利用して小繊維を形成する方法が包含される。繊維が形成されるにつれて、所望材料を固化する溶液で満たされた浴から構成される凝固系中に繊維を搬送して、安定した繊維を作る。
”澱粉と実質的に相容性の”高ポリマーなる用語は、高ポリマー組成物を軟化温度および/または溶融温度以上に加熱すると、澱粉との実質的均一な混合組成物(すなわち、肉眼で透明または半透明に見える組成物)を高ポリマーが形成し得ることを意味する。
”溶融温度”は、この温度またはこの温度以上で澱粉組成物が溶融または充分に軟化して本発明に従った澱粉フイラメントへと加工し得る温度を意味する。ある種の澱粉組成物は疑似熱可塑性組成物なので、この場合の組成物は明確な”融点”を示さない。
【0059】
”加工温度”は、この温度で本発明による澱粉フイラメントが、例えば細化により成形され得る澱粉組成物の温度を意味する。
【0060】
可撓性構造体
図1−3について、疑似熱可塑性澱粉フイラメント含む可撓性構造体100は、少なくとも第1領域110および第2領域120を包含する。第1領域および第2領域のそれぞれは、例えばベース重量または密度等の少なくとも一つの示強性を共有する。第1領域110の示強性はその値において第2領域120の示強性とはは異なっている。例えば第1領域110の密度は第2領域120の密度より一層高くあってもよい。
【0061】
本発明における可撓性構造体の第1および第2領域110および120は、それぞれのミクロ図形に差異がみられる。例えば図1では、第1領域110は実質的連続な網状組織を含み、構造体100が平坦面上に置かれると、第1隆起で第1面を形成を形成する実質的連続な網状組織を含み;第2領域120は実質的連続な網状組織を通じて分散した複数の個別区域を含み得る。一実施態様では、これらの個別的区域は、個別的突起部または”枕”部を包含し、この部分は網状組織領域から外方に伸張して、第1平面に比べて第1隆起より一層大きな第2隆起を形成する。この枕部も、実質的連続な模様および実質的半連続な模様を含み得る。
【0062】
一実施態様では、この実質的連続な網状組織は比較的高い密度を有し、かつ、枕部は比較的低い密度を有し得る。他の実施態様では、この実質的連続な網状組織領域は比較的小さなベース重量を有し、かつ、枕部は比較的大きなベース重量を有し得る。他の実施態様では、実質的連続な網状組織領域が比較的低い密度を、かつ、枕部が比較的高い密度を有し得る。実質的に連続した網状組織領域が比較的大きなベース重量を有し、かつ、枕部が比較的小さなベース重量を有する実施態様も考えられる。
【0063】
他の実施態様では、第2領域120が半連続網状組織を含む。図2では、この第2領域は図1のそれに類似の個別区域122;および半連続区域121を含み、121区域はX−Y面(すなわち、平坦面上に置かれた構造体100の第1領域110により形成される面)に見られるように少なくとも1方向に伸張している。
【0064】
図2に示す実施態様では、可撓性構造体100は、第1領域110の示強性および第2領域120の示強性とは値において共通かつ異なる少なくとも一つの示強性を有する第3領域130を含む。例えば、第1領域110は第1値を有する共通示強性を有し、第2領域120は第2値を有する共通示強性を有し、かつ、第3領域130は第3値を有する共通示強性を有してもよく、この場合、第1値は第2値とは異なり、かつ、第3値は第2および第1値とは異なり得る。
【0065】
少なくとも三つの差別的領域110、120、130を含む構造体100が、上記のように、水平基準面(例えばX−Y面)上に置かれた場合、第1領域110は第1隆起を有する平面を区画し、第2領域120は伸張して第2隆起を区画する。第3領域130が第3隆起を区画し、この場合、少なくとも一つの第1、第2、および第3隆起が他の隆起の少なくとも一つと異なっている実施態様も考えられる。例えば、第3隆起は第1および第2隆起の中間であってもよい。
【0066】
次表は、差別的(すなわち高、中または低)示強性を有する少なくとも三つの領域を含む構造体100の実施態様の幾つかの可能な組合わせを示すが、これらには限定されない。これらの実施態様の全ては本発明の観点中に包含される。
【0067】
Figure 0003822053
【0068】
図3は、本発明による、さらなる他の実施態様を示し、この場合、第2領域120は、複数の澱粉枕部を含み、少なくとも幾つかの枕部は澱粉ドーム部128および澱粉ドーム部128から伸張した澱粉片持ち翼部129を包含する。澱粉片持ち翼部129はX−Y面から高まり、ドーム部128から一定角度で伸張して実質的空隙な空間または”ポケット”115を、第1領域110と、そこから伸張する澱粉ドーム128および澱粉片持ち翼部129との間に形成する。
【0069】
大量の流体を受理・保持し得る実質的空虚なポケット115の存在が主たる原因で、図3に略記する可撓性構造体100は、所定ベース重量に対して極めて大きな吸収性を示す。ポケット115は、その中の澱粉フイラメントが皆無かまたは僅少であることにより特徴付けられる。
【0070】
当業者は、可撓性構造体の下記製法にために、ならびに、澱粉フイラメントおよび可撓性構造体100の全体としての高度可撓性のために、ポケット115中の個々の澱粉フイラメントの若干量の存在は、これらのフイラメントが構造体100の設計模様および所定性に悪影響を及ぼさない限りは許容し得ことを十分理解されるであろう。これと関連させると、”実質的”空隙なポケット115なる用語は、構造体100および構造体100を含む個々の澱粉フイラメントの高度可撓性のために、澱粉フイラメントまたはそれらの部分の取るに足らない若干量がポケット115中に見いだし得ることを認める意図がある。ポケット115の密度は、立方センチメーター当たり0.005グラム(g/cc)以下、一層具体的には0.004/cc以下、さらに一層具体的には0.003g/cc以下である。
【0071】
他の観点では、片持ち翼部129を含む可撓性構造体100は、片持ち翼部129を有さない対照構造体の表面積に比べて一層増強された全表面積により特徴付けられる。個々のキヤンチレバー部129の数およびこれら各々の顕微鏡的面積が大きい程、結果として生ずる顕微鏡的比表面積(すなわち、平坦面上に置かれた構造体の全巨視的表面積単位量当りの、生じた顕微鏡的表面積)が一層大きくなることを、当業者は十分に理解されるであろう。当業者においては、他の全てのパラメーターが等しいことを前提に、構造体の吸収性表面積が大きい程、その吸収能力も一層大きいことも認めるはずである。
【0072】
片持ち翼部129を含む構造体100に関する実施態様において、片持ち翼部129は構造体100の第3領域を含むことが可能である。例えば、澱粉片持ち翼部129の密度が第1領域の密度と、ドーム部を含む第2領域の密度との中間にある場合の実施態様が考えられる。他の実施態様では、ドーム部128の密度が、第1領域110の比較的高密度と片持ち翼部分129の比較的低密度との中間にあり得る。類推すると、片持ち翼129のベース重量は、第1領域110およびドーム部128のいずれか一つまたは両方のベース重量に等しいか、中間にあるか、または、それよを超過し得る。
【0073】
可撓性構造体の製法
図8および図9は、澱粉フイラメントを含む可撓性構造体100の製法の二つの実施態様を示す略図である。
【0074】
第1に、複数の澱粉フイラメントを準備する。本発明における可撓性構造体100に使用する澱粉フイラメントの製造は、当業界で既知の各種技法により実施できる。例えば、澱粉フイラメントは各種溶融紡糸法により疑似熱可塑性溶融澱粉組成物から製造できる。澱粉フイラメントの大きさは約0.001デシテックスから約135デシテックス、一層具体的には約0.005デシテックスから約50デシテックス、さらに一層具体的には約0.01デシテックスから約5.0デシテックスの範囲で変わり得る。
【0075】
米国特許第 4,139,699号(Hernandezら、2 月13日、1979付);同第4,853,168号(Edenら、8 月 1日、1989付);同第 4,234,480号(Hernandezら、1 月 6日、1981付);同第5,516,815号および同第5,316,57号(Buehlerら)を包含する引例の幾つかは、溶融紡糸法を採用した澱粉フイラメント製造用の澱粉組成物に関する。この溶融組成物は紡糸口金を通じて押し出し、口金オリフイス直径に比べて僅かに大きな直径のフイラメントを作れる(すなち、膨潤効果)。このフイラメントは、次いで引き抜き装置で機械的にまたは熱機械的に引き落とす。
【0076】
押出ポリマーから熱可塑性不織布構造体を作るための種々の工夫は業界既知であり、長い可撓性澱粉フイラメントの製造に有用である。例えば、押出澱粉組成物を紡糸口金(図示せず)を通じて加圧し、下向き進行の澱粉フイラメントからなる垂直配向カーテンを形成させる。この澱粉フイラメントは、吸引型引き抜き用または細化用空気スロットを利用して、空気で急冷できる。米国特許第 5,292,239号(Zeldinら、3 月8 日、1994付)は、澱粉フイラメントに引き抜き力を均一かつ一貫して付与する目的で、空気中の顕著な渦流を低減させる装置を開示する。澱粉フイラメント形成時の空気流中の渦流の低減方法と装置を教示する限定目的のために、この特許における開示を引例として本発明における明細書の記載中に加入する。
【0077】
本発明による場合、澱粉フイラメントは澱粉、水、可塑剤および他の添加剤を含む混合物から製造できる。例えば、適当な澱粉混合物を、押出機で疑似熱可塑性溶融体ヘと転換させ、さらに紡糸口金を通じて引き抜き装置へと搬送して下向進行の澱粉フイラメントからなる垂直配向カーテンに転換できる。この紡糸口金は業界既知の組み立て体を含み得る。この紡糸口金組み立て体中には、澱粉フイラメント製造用に適する断面を有する孔を備えた複数のノズル穴が包含される。所望であれば、全てノズル穴で同一流速が得られるような態様で口金を、澱粉組成物の流動性に適応させることができる。これとは別に、差別的ノズルを用いて流速を変更してもよい。
【0078】
押出機下流に位置させた引き抜き装置(図示せず)には、開放上端部、対向開放下端部、および下向き指向の内部ノズルに圧縮空気を供給する空気供給用多岐管を包含し得る。圧縮空気が内部ノズルを通過するにつれて、引き抜き装置の開放上端部中に空気が引き込まれ、下向き指向の急速移動空気流を形成する。この空気流が、澱粉フイラメントに対する引き抜き力を生じて、澱粉フイラメントが引き抜き装置の開放低端部を出るに先立ってフイラメントを細化または延伸する。
【0079】
この度、可撓性構造体100に有用な澱粉フイラメントが、澱粉溶液に電場を加えて荷電澱粉ジェットを形成させる電気紡糸法により製造できることが判った。電気紡糸法は業界では既知である。”電気紡糸法および電気スパン繊維の応用(Electro-Spinning Process and Applications of Electro-Spun Fibers)”と題する論文(Doshi, Jayesh, Natwarlal, Ph.D., 1994 )は、電気紡糸法につき記載し、方法に包含される力の研究を行っている。この論文は、電気紡糸フイラメントの幾つかの商業的応用についても開示する。電気紡糸法の原理を記載する目的で、この論文を本発明における明細書の記載中に引例として加入する。
【0080】
米国特許第1,975,504号(10月 2日、1934付);同第2,123,992号(7 月19日、1938付);同第2,116,942号(5 月10日、1938付);同第2,109,333号(2 月22日、1938付);同第 2,160,962号(6 月 6日、1939付);同第2,187,306号(1 月16日、1940付);同第2,158,416号(5 月16日、1939付)(以上いずれもFormhals)は電気紡糸法およびその装置を記載する。
【0081】
電気紡糸法を記載する他の引例には次が包含される:
米国特許第3,280,229号(Simonsら、10月 8日、1966付);同第4,044,404号(Martinら、8 月30日、1977付);同第4,069,026号(Simmら、1 月17日、1978付);同第4,143,196号(Simmら、3 月 6日 1979付);同第4,223,101号(Fineら、9 月16日、1980付);同第4,230,650号(Guignardら、10月28日、1980付);同第4,232,525号(Enjoら、11月11日、1980付);同第4,287,139号(Guignardoら、9 月11日、1981付);同第4,323,525号(Bornatら、4 月6 日、1982付);同第4,552,707号(Howら、11月12日、1985付);同第4,689,186号(Bornatら、8 月25日、1987付);同第4,798,607号(Middletonら、1 月17日、1989付;同第4,904,272号(Middletonら、2 月27日、1990付);同第4,968,238号(Satterfieldら、11月 6日、1990付);同第5,024,789号(Barryら、1 月18日、1991付);同第6,106,913号(Scardinoら、8 月22日、2000付);同第6,110,590号公報(Zarkoobら、8 月29日、2000付)。これらの開示を、電気紡糸法の一般的原理および関連装置の記載の目的で本明細書の記載中に引例として加入する。
【0082】
上記引例は各種電気紡糸法および装置を教示はするが、澱粉組成物が本発明による可撓性構造物100の形成に適する、薄く実質的連続な澱粉フイラメントへと首尾よく加工・押出処理できることは教示していない。天然型澱粉は一般に顆粒構造を有するので、電気紡糸法では加工できない。この度、修飾された”構造破壊”澱粉組成物が電気紡糸法の使用により首尾よく加工・処理し得ることが見いだされた。
【0083】
”溶融加工可能な澱粉組成物”[(Larry Neil Mackey らへの、代理人事件整理番号第 #7967R)]と題する同一譲渡人特許出願(本出願の出願日付け)は、本発明における可撓性構造体100に使用される澱粉フイラメントの製造に適する澱粉組成物を開示する。ここに開示の澱粉組成物は、重量平均分子量が約1,000から約2,000,000の澱粉を含み、かつ、澱粉と実質的相容性で、かつ、重量平均分子量が少なくとも500,000の高ポリマーを含む。一実施態様で開示の澱粉組成物は、約20重量%から約99重量%のアミロペクチンを含み得る。この同一譲渡人への特許出願の開示を引例として本明細書の記載中に加入する。
【0084】
本発明によれば澱粉ポリマーを、水、可塑剤および他の添加剤と混合し、生じた溶融体を例えば押出加工して、本発明における可撓性構造体に適する澱粉フイラメントが製造し得るように設計でる。この澱粉フイラメントの澱粉含有率は痕跡量から100重量%の範囲、または澱粉と他の好ましい材料例えばセルロース、合成系材料、タンパク質、および、これらの組合わせ材料とのブレンドであってもよい。
【0085】
澱粉ポリマーの例中には、任意の天然型澱粉、物理的修飾澱粉または化学的修飾澱粉が包含される。天然型で好適な澱粉の中には、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、サゴ椰子澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、大豆澱粉、アロールート澱粉、アミオカ澱粉、ワラビ澱粉、ロトス澱粉、蝋質玉蜀黍澱粉、および高アミロース小麦澱粉ならびに市販アミロース粉末を包含するが、こらのみには限定されない。天然型澱粉特に小麦澱粉および小麦澱粉は安価で供給が安定しているので好適な澱粉系ポリマーである。
【0086】
物理的修飾澱粉は、その構造の寸法を換えることにより形成できる。物理的修飾澱粉の例には、α−澱粉、分別澱粉、湿潤および加熱処理澱粉および機械処理澱粉が包含される。
【0087】
化学修飾澱粉は、澱粉のOH基をアルキレン基、および他のエーテル、エステル、ウレタン、カルバメート、またはイソシアナート基形成物質と反応させることにより形成できる。ヒドロキシアルキル、アセチル、またはカルバメート化澱粉またはこれらの混合物は有用な化学修飾澱粉である。化学修飾澱粉の置換程度は0.05から3.0、好ましくは0.05から0.2である。
【0088】
澱粉の天然型水の含有率は、澱粉の約5%から16重量%である。水含有率約8%から12重量%が最も普通である。この発明の一実施態様では、澱粉のアミロース含有率は通常0%から約80重量%、一層普通には約20%から約30重量%(澱粉基準)である。
【0089】
可塑剤は、作るべき澱粉フイラメントのガラス転移温度を低下させるために澱粉ポリマーに添加してフイラメントの可撓性を増進できる。加えて、可塑剤の存在は、溶融粘度を低下させ、これが、一方で溶融押出を容易にする。可塑剤は、例えばポリオール等の少なくとも一つの水酸基を有する有機化合物である。ソルビトール、マンニトール、D−グルコース、ポリビニルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、スクロース、フルクトース、グリセロールならびに、これらの組合わせが適当であることが判明している。可塑剤の例には、約0.1重量%から約70重量%、一層具体的には約0.2重量%から約30重量%,なお一層具体的には約0.5重量%から約10重量%の量のソルビトール、スクロース、フルクトースが包含される。
【0090】
加工助剤として、および押出澱粉フイラメントの弾性、乾式引張り強度、湿式強度等の性修飾のために、上記澱粉ポリマー中には他の添加剤も通常は添加する。添加剤の通常の含有率は不揮発分基準(添加量は、水等の揮発性成分を除外して計算することを意味する)で0.1重量%〜70重量%の範囲である。添加剤の例には、尿素、尿素誘導体、架橋剤、乳化剤、界面活性剤、滑剤、タンパク質およびそのアルカリ金属塩、生分解性合成ポリマー、ワックス、低融点合成熱可塑性ポリマー、粘結樹脂、伸展剤、および、これらの混合物が包含されるが、これらに限定はされない。生分解性合成ポリマーの例には、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリラクチド、および,これらの混合物が包含されるが、これらのみには限定されない。他の添加剤の例には、蛍光増白剤、酸化防止剤、難燃剤、染料、顔料、および充填材が包含される。本発明においては、尿素を含む添加剤は、0.5重量%から60重量%の範囲で澱粉組成物中に添加するのが有利である。
【0091】
本発明において使用に適する伸展剤の例には、ゼラチン;小麦タンパク質、ヒマワリタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質等の植物タンパク質;アルギン酸塩、カラギーナン、グアルガム、寒天、アラビアガム、その他のガム、およびペクチン等の水溶性多糖;ならびにアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体が包含される。また、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性合成ポリマーも使用できる。
【0092】
本発明における加工処理時の澱粉材料の流れ特性を改良する目的で、滑剤化合物をさらに添加できる。滑剤化合物の例には、好ましくは動植性油脂特に水素添加型油脂類、中でも室温固形状の油脂類が包含される。これら以外の滑剤材料の例には、モノグリセリド、ジグリセリドおよびホスフアチド特にレクチンが包含される。本発明の場合に好ましい滑剤化合物には、モノグリセリド、グリセロールモノステアリン酸エステルが包含される。
【0093】
安価な充填材または加工助剤として、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素およびチタンの酸化物等の無機粒子から選択される、さらなる添加剤が添加できる。加えて、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、リン酸塩等を包含する無機塩類等の添加剤も加工助剤として使用できる。
【0094】
考慮する最終製品の特定用途に応じて他の添加剤も使用できる。例えばトイレットペーパー、使い捨てタオル、化粧紙および他の類似製品等の製品では、湿式強度が望ましい属性である。したがって”湿式強度”樹脂として既知の澱粉ポリマー架橋剤を添加することもしばしば望まれる。
【0095】
紙製品に利用される湿式強度樹脂の種類に就いての一般的論説は、 TAPPI モノグラフシリーズ No.29、”紙および板紙における湿式強度”(Wet Strengthin Paper and Paperboard )、 Technical Association of the Pulp and Paper Industry (New York, 1965 )中に開示がある。最も有用な湿式強度樹脂は一般にカチオン性を示す。ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂はカチオン性ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン系湿式強度樹脂であり、このものは特に利用価値があることが判った。この種の有用な樹脂の例は、米国特許第 3,700,623号公報(Keim への、10月24日、1972 付き)および同第 3,772,076号公報(Keim への、11月13日、1973 付き)中に記載があり、ここに引例として加入する。有用なポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂の一つの発売元は Hercules, Inc. of Wilmington, Delaware であり、商品名「KymenetM」としてこの種の樹脂を市販する。
【0096】
グリオキシル化ポリアクリルアミド樹脂も湿式強度樹脂として有用であることが判った。これらの樹脂は米国特許第 3,556,932号公報(Cosciaら、1 月19日、1971付)および同第第 3,556,933号公報(Williamsら、1 月19日、1971付)中に記載があり、ここに引例として加入する。グリオキシル化ポリアクリルアミド樹脂の一つの発売元は Cytec Co. of Stanford, Connecticut であり、ここでは商品名「ParezTM 631 NC」としてこの種の樹脂を市販する。
【0097】
この発明において利用価値のある他の水溶性カチオン樹脂は、尿素ホルムアルデヒド樹脂およびメラミンホルムアルデヒド樹脂である。これらの多官能樹脂の最も普通の官能基は、アミノ基および窒素に結合したメチロール基等の窒素含有基である。ポリエチレンイミン型樹脂も本発明において有用であることが判明した。加えて、「CaldasR 10 」(Japan Carlit 製)および「CoBondR 1000」(National Starch and Chemical Company製)等の一時湿式強度樹脂も本発明において使用できる。
【0098】
本発明において使用される架橋剤の一つは、湿式強度樹脂「KymeneTM」であり、使用量は約0.1重量%から約10重量%、一層具体的には約0.1重量%から約3重量%の範囲である。
【0099】
本発明による可撓性構造体100のために有用な澱粉フイラメントを作るためには、澱粉組成物は一定範囲の伸張粘度および一定範囲の細孔数等の、一定範囲の粘弾性的挙動を示す必要がある。当然乍ら、加工方法の型(例えば、溶融吹き込み、電気紡糸等)に応じて、澱粉組成物の所要粘弾性的特性を指示できる。
【0100】
伸張粘度、または伸び粘度(ηe )は、澱粉組成物の溶融伸張性に関し、澱粉フイラメント製造等の伸張加工法では特に重要である。組成物の変形の型に応じて伸張粘度には3種の型が包含される:一軸または単一伸張粘度、二軸伸張粘度、および純粋な剪断伸張粘度である。一軸伸張粘度は、機械的伸張、溶融吹き込み、スパンボンデイング、および電気紡糸等の一軸伸張加工の場合に重要である。他の2種の型の伸張粘度は、フイルム、フイラメント、発泡体およびシートならびに部品を製造する場合の二軸伸張または二軸成形加工の場合に重要である。
【0101】
ポリオレフィン、ポリアミドおよびポリエステル等の繊維紡糸用従来型熱可塑性樹脂の場合、これらの従来型熱可塑性材料とそれらのブレンドの、伸張粘度と剪断粘度間には高度の相関関係がある。すなわち、紡糸性は溶融伸張粘度により主として制御される性質であるが、これらの材料の紡糸性は溶融剪断粘度により単純に決定できる。この相関関係は極めて強固で、繊維産業では溶融紡糸性材料の選択および処方を、この溶融剪断粘度に依存している。この溶融伸張粘度は工業用スクリーニング手段としては殆ど使用されていない。
【0102】
したがって、本発明における澱粉組成物が、剪断粘度と伸張粘度との間で、この種の相関関係を必ずしも示さないことを見いだしたことは予想外である。本発明における澱粉組成物は非ニユートン流体に典型的な溶融流れ挙動を示すので、この組成物の歪み硬化挙動すなわち伸張粘度は、歪みまたは変形が増すにつれて増加する。
【0103】
例えば、本発明に従って選択した高ポリマーを澱粉組成物中に添加した場合、組成物の剪断粘度は比較的に変化せずに留まるか、または僅かに低下しさえする。従来の考えに準拠すれば、この種の澱粉組成物は溶融加工性の低下を示し、したがって、溶融伸張加工には適さないはずである。しかし予想外にも、本発明における澱粉組成物は、小量の高ポリマーを添加した場合でも伸張粘度が顕著に増加することを見いだした。結果として、本発明における澱粉組成物は増強された溶融伸張性を有し、したがって、溶融伸張加工処理、特に吹き込み成形、スパンボンデイングおよび電気紡糸を包含する溶融伸張加工処理に適する。
【0104】
後記試験法に準拠して測定した、剪断粘度が約30パスカル・秒(Pa・s)未満、一層具体的には約0.1から約10パスカル・秒未満、なお一層具体的には約1から約8パスカル・秒未満の澱粉組成物は、本発明における溶融繊細化に有用である。ある種の澱粉組成物は低い溶融粘度を示すので、計量ポンプおよび紡糸口金を具備した固定ミキサー等の粘性流体用従来型ポリマー加工装置中で混合、搬送または処理が可能である。この澱粉組成物の剪断粘度は、澱粉の分子量および分子量分布、高ポリマーの分子量、および使用可塑剤量および/または溶媒量により効果的に修飾できる。澱粉の平均分子量の低減は組成物の剪断粘度低減に対する有効な手段であると信じられる。
【0105】
本発明による一実施態様では、本発明における溶融加工性澱粉組成物の伸張粘度範囲は、ダイ温度で約50パスカル・秒から約20,000パスカル・秒、典型的には約100パスカル・秒から約15,000パスカル・秒、一層典型的には約200パスカル・秒から約10,000パスカル・秒、さらに一層典型的には約300パスカル・秒から約5,000パスカル・秒、最も典型的には約500パスカル・秒から約3,500パスカル・秒である。この伸張粘度は、後記分析法に準拠して計算する。
【0106】
澱粉組成物の伸張粘度を包含する流動学的挙動には多くの因子が影響するが、これらの因子中には、使用高分子成分の量と型、澱粉および高ポリマーを包含する成分の分子量および分子量分布、澱粉のアミロース含有量、添加剤の量と型(例えば、可塑剤、希釈剤、加工助剤)、温度、圧力および変形速度等の加工条件、相対湿度、非ニユートン材料の場合は変形履歴(すなわち、時間または歪み履歴依存性)が包含される。ある種の材料は、歪み−硬化が可能であり、すなわち材料の伸張粘度は、歪みの増加と共に増加する。この現象は、絡み合ったポリマー網状組織の延伸に起因すると考えられる。材料から歪みを取り除くと、緩和時間定数に応じて、延伸された絡み合いポリマー網状組織が弛緩して歪みレベルが下がる。この定数は、温度、ポリマー分子量、溶媒濃度または可塑剤濃度、および他の因子の関数である。
【0107】
高ポリマーの存在および性質は、澱粉組成物の溶融伸張粘度に顕著な影響を及ぼす。本発明における澱粉組成物の溶融伸張性の増進に有用な高ポリマーは、典型的には高分子量で、実質的に直鎖型ポリマーである。その上、澱粉と実質的に相容性の高ポリマーは澱粉組成物の伸張性を増強するのに最も有効である。
【0108】
溶融伸張加工に有用な澱粉組成物は、選択された高ポリマーを組成物中に添加すると、通常少なくとも10倍も伸張粘度が高まることが判明した。本発明における澱粉組成物は、選択された高ポリマの添加により典型的には約10から約500倍、一層典型的には約20から約300倍、最も典型的には約30から約100倍も伸張粘度が高まることを示す。高ポリマー濃度が高い程、伸張粘度の増加が大きい。高ポリマーは、Hencky 歪み6における伸張粘度値を200から2000Pa・秒に調整するのに添加できる。例えば、澱粉組成物構成のために1(百万)から15(百万)の分子量を有するポリアクリルアミドが0.001%から0.1%の量で添加できる。
【0109】
使用澱粉の型および濃度も澱粉組成物の伸張粘度に影響を与える。一般的に、アミロース含有量が減少すると、伸張粘度が増加する。また一般的には、処方範囲以内で澱粉分子量が高まると、伸張粘度が増加する。最後に、一般的には組成物中の澱粉濃度が高まると、伸張粘度が高まる(逆に一般的には、組成物中の添加剤濃度が高まると、伸張粘度が低減する)。
【0110】
澱粉組成物の温度は澱粉組成物の伸張粘度に顕著な影響を及ぼす。本発明の目的の場合、澱粉組成物の温度制御には、採用する特定方法に適するならば、あらゆる従来型手法が利用できる。ダイを通じて澱粉フイラメントが作られる実施態様では、押し出される澱粉組成物の伸張粘度に対してダイ温度が顕著に影響する。一般的に、澱粉組成物の温度が上がると、澱粉組成物の伸張粘度は現象する。澱粉組成物の温度は、約20℃から約180℃、一層具体的には約20℃から約90℃、さらに具体的には約50℃から約80℃である。澱粉組成物中の固形分の有無は所要温度に影響を与えることは理解すべきである。
【0111】
伸張流れ挙動を表すにはトルートン比(Tr)が使われることが多い。このトルートン比は、伸張粘度(ηe )と剪断粘度(ηs )との間の比として定義される:
【数1】
Figure 0003822053
式中、伸張粘度ηe は変形速度(ε)および時間(t)に依存する。ニユートン流体の場合、一軸伸張トルートン比は定数3である。本発明の場合の澱粉組成物のように非ニユートン流体の場合、伸張粘度は変形速度(ε)および時間(t)に依存する。本発明による溶融加工組成物のトルートン比は少なくとも3であることが判った。加工温度および Hencky 歪み6における伸張速度700s-1で測定した典型的トルートン比は、約10から5000、一層典型的には約20から1000、さらに一層典型的には約30から500である。
【0112】
また出願人は、ダイを通過する際の澱粉組成物の細孔数(Ca) が、溶融加工性にとり重要であることを見いだした。この細孔数(Ca)は表面張力に対する粘性流体力の比で表される無次元数である。細孔ダイ出口近辺で、この粘性力が表面張力よりも著しく大きくなければ、流体フイラメントは液滴へと破砕され、この現象は通常噴霧現象と呼称される。細孔数は次の方程式に従って計算される:
Ca = (ηs ・Q)/(π・r2 ・σ)
式中、ηs は、剪断速度 3000 s-1 で測定した剪断粘度(パスカル・秒)であり、Qは細孔ダイ通じて流れる容量単位流量(m3 /秒)、rは細孔ダイ半径(m)(非環状オリフイスの場合は、当量直径/半径が使用できる)であり、σは流体の表面張力(ニユートン/m)である。
【0113】
上記のように細孔数は剪断粘度に関係するので、剪断粘度(上記の)に影響するのと同一要因および同一態様で影響を受ける。ここで細孔数または表面張力に関連して用いる”固有の”なる用語は、例えば電場の存在等の外部要因により影響されない澱粉組成物の性を指す。”有効”なる用語は、例えば電場の存在等の外来因子により影響されている澱粉組成物の性を指す。
【0114】
本発明における一実施態様では、溶融加工可能な澱粉組成物は、ダイ通過に際する固有細孔数が少なくとも0.01、有効細孔数少なくとも1.0を有する。静電気なしでは、細孔数は安定化のために1を超す数が必要であり、フイラメントの安定性向上のためには5を超す数が好ましい。静電気を使用すると、電荷無しで測定した固有細孔数が1未満であり得るように電荷反発が表面張力効果に逆らう。電圧をフイラメントに加えると、有効表面張力が低下し、有効細孔数は、次式に従って増加する:
【0115】
細孔数は各種の形式で表示されるが、材料の固有細孔数を決定するのに用い得る代表的方程式は次のようである:
Cainherent=ηS ・ν/σ
式中、Cainherentは固有細孔数、
ηS は流体の剪断粘度、
νは流体の線速度、および
σは表面張力である。
【0116】
本発明における代表的試料は次の組成および性を有する:
National Starch Inc. 製 「Purity Gum 59 」 40.00%
脱イオン水 59.99%
「Superfloc N-3000 LMW」Cytec 製
(高分子量ポリアクリルアミド) 0.01%
試験温度 120°F
剪断粘度(3000S-1) 0.1Pa・秒
ノズル直径 .0254cm
線速度 .236m/秒
固有表面張力 72ダイン/cm
【0117】
流体に静電荷を与えない場合、この材料は実験的にはノズル頂部を通じて流れて小液滴を形成し、次いで重力下に個別液滴として落下する。系に付与される電圧が上がると、液滴の寸法が一層小さくなり、落下機構に向けて加速を始める。電圧が限界(この試料の場合は25キロボルト)に達すると、ノズル頂部では最早液滴は形成せず、小さな連続繊維がノズル頂部から排出される。このように、負荷した電圧は表面張力に打ち勝って細孔破壊モードを排除する。有効細孔数は、かくして、1を超過する数である。上記溶液および実験条件下の実験室的試験では、実質的連続な繊維が生じた。繊維は繊維マット形態で減圧スクリーン上に補集した。光学顕微鏡を用いた分析では、生成繊維は連続で、直径3から5ミクロンであることを示した。
【0118】
ある実施態様における固有細孔数は、少なくとも1、一層具体的には1から100、なお一層具体的には約3から約50、最も具体的には約5から約30である。
【0119】
本発明における澱粉組成物は流動状態で加工されるが、この状態は典型的には”溶融温度”に少なくとも等しい温度か、またはこれを超える温度で生起する。したがって加工温度範囲は澱粉組成物の”溶融温度”により制御され、この溶融温度は後に詳しく記載する試験法に準拠して測定する。澱粉組成物の溶融温度は約20から約180℃、一層具体的には約30から約130℃、さらに具体的には約50から約90℃の範囲である。澱粉組成物の溶融温度は澱粉のアミロース含有量(アミロース含有量が高い程、一層高い溶融温度を必要とする)、水含有量、可塑剤の種類の関数である。
【0120】
澱粉組成物の一軸伸張加工法の例には、溶融紡糸、溶融吹き込み、およびスパンボンデイングが包含される。これらの方法は次の米国特許中に詳細な記載があり、これらの開示を引例としてここに加入する:米国特許第 4.064,605号(Akiyamaら、12月27日、1977付)、同第4,418,026号( Blackieら、11月29日、1983付)、同第4,855,179号( Bourlandら、8 月 8日、1989付)、同第4,909,976号( Cuculoら、3 月20日、1990付)、同第5,145,631号( Jezicら、9 月 8日、1992付)、同第5,516,815号(Buehlerら、5 月14日、1996付)、同第5,342,335号( Rhimら、8 月30日、1994付)。
【0121】
図7、8および9に示す略図は、本発明における可撓性構造体に有用な澱粉組成物を作るための装置10である。装置10は例えば、一軸または2軸押出機、容量型ポンプ、または、これらの既知組合わせを包含できる。澱粉溶液の全水含有量、すなわち、天然水量プラス添加水量は、約5重量%から約80重量%、一層具体的には約10重量%から約60重量%(澱粉材料の全重量基準)である。澱粉材料は、疑似熱可塑性溶融物を形成するのに十分な高温に加熱する。この種の温度は形成される材料のガラス転移温度または/または溶融温度を、通常は超過する。本発明における疑似熱可塑性溶融体は、業界で既知の剪断速度依存性粘度を有する高分子流体である。この粘度は剪断速度の増加ならびに温度が高まると増加する。
【0122】
この澱粉材料は、疑似熱可塑性溶融体へと澱粉材料を転化するために、低濃度の水の存在下に密閉容積中で加熱し得る。この密閉容積は密閉容器でもよく、または押出機スクリュー中に生起するような、供給材料の密封作用により創られる容積であってもよい。密閉容積中で創られる圧力は、水の蒸気圧に起因する圧力ならびに押出機スクリユーバレル中の圧縮材料に起因する圧力を包含する。
【0123】
澱粉の高分子のグリコシド結合を切断して澱粉分子量を低減させる鎖切断触媒を、疑似熱可塑性溶融体の粘度低減用に使用できる。有用な触媒の例には、無機酸および有機断が包含される。有用な無機酸の例には、塩化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸およびホウ酸ならびに多塩基酸の部分塩例えばNaHSO4 またはNaH2 PO4 等が包含される。有用な有機酸の例には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、修酸、クエン酸、酒石酸、イタコン酸、琥珀酸、および、業界で既知の多塩基酸部分塩を包含する他の有機酸が包含される。
【0124】
使用する非修飾澱粉の分子量低減は、2分の1から5000分の1、一層具体的には4分の1から4000分の1に低減できる。触媒濃度は、澱粉の無水グルコース単位のモル当たり10-6から10-2モル、および一層具体的には0.1×10-3から5×10-3モルである。
【0125】
図7において、電気紡糸装置10中に澱粉組成物を供給し、本発明による可撓性構造体100を作るための澱粉フイラメントを作る。この装置10は、澱粉組成物17を受ける(矢印A)ように構成・配置されたハウジング11を含み、澱粉組成物はハウジング11中に保持されてから、ダイヘッド13のジェット14を通じて澱粉フイラメント17a中に押し出される(矢印D)。澱粉組成物を所望温度に加熱する加熱用流体を循環する(矢印BおよびC)ための管状キヤビテイ12を設ける。澱粉組成物の加熱には、電熱、パルス燃焼、水および蒸気加熱等に用いる他の公知加熱用手段が使用できる。
【0126】
電場は、例えば荷電プローブ経由で澱粉溶液に直接与えるか、またはハウジング11および/または押出ダイ13に与える。所望であれば、押し出す澱粉フイラメントの電荷と反対の電荷で成形部材200を電気的に荷電させてもよい。別法として、この成形部材を地面に置いてもよい。電位差は5kVから60kV、一層具体的には20kVから40kVの範囲である。
【0127】
次いで、押し出された複数の澱粉フイラメントを、装置10から一定距離で縦方向MDに移動する成形部材200に堆積させる。この距離は、澱粉フイラメントを伸張させ、次いで乾燥させ、同時にジェットノズル14を出る澱粉フイラメントと成形部材200との間に荷電差が維持されるのに十分な距離でなければならない。この目的のために、乾燥空気流を複数の澱粉フイラメントに接触させて複数の澱粉フイラメントを一定角度で回転させてもよい。このようにすると、ジェットノズル14と成形部材200との間の荷電差維持の目的の、ジェットノズル14と成形部材200との間の最少距離を保持できると同時に、フイラメントを効率よく乾燥する目的の、ノズルと成形部材200との間のフイラメント部分の長さを最少化できる。この種の配置では、ジェットノズル14を出る繊維フイラメントの方向(図7の矢印D)に対して一定角度で成形部材200を配設してもよい。
【0128】
任意に、細化用空気を静電力と併用して延伸力を提供して、澱粉フイラメントが成形部材200に堆積されるのに先立ち細化または延伸されるようにしてもよい。図7Aは細化用空気のための、ジェットノズル14を取り巻く管状オリフイス15、およびジェットノズル14周りに120o で等間隔を隔てた三つの他のオリフイス16を具備したダイヘッドの実施態様の一例を示す略図である。当然乍ら本発明では、細化用空気のための他の既知配置も考慮できる。
【0129】
本発明によれば、澱粉フイラメントの大きさは約0.01デシテックスから約135デシテックス、一層具体的には約0.02デシテックスから約30デシテックス、さらに一層具体的には約0.02デシテックスから約5デシテックスの範囲である。澱粉フイラメントの断面形状は、環状、オバール状、四角、三角、六角、十字、星状、不規則状、および、これらの任意の組合わせ等の各種の形状であり得るが、これらのみには限定されない。これら多様な形状は、澱粉フイラメント製造用ダイノズルの形状の差異により形成し得ることは、当業者には理解し得るはずである。
【0130】
図10Aは、澱粉フイラメント断面の幾つかの可能性を示す略図であるが、限定はされない。この澱粉フイラメントの断面区域は、澱粉フイラメントの主軸に垂直で、かつ、断面の一平面中で澱粉フイラメント外面により形成された境界面により輪郭を描かれた区域である。澱粉フイラメント(フイラメントの単位長または重さ当たりの)の表面積が大きい程、澱粉フイラメントを含む可撓性構造体の不透明性が増すものと信じられる。したがって、澱粉フイラメントの当量直径を大きくして澱粉フイラメントの表面積を最大化すると、本発明における可撓性構造体100の不透明性が高まる利点がある。澱粉フイラメントの当量直径を大きくする一つの方法は、非環状、多面状の断面形状を有する澱粉フイラメントを形成することである。
【0131】
その上、澱粉フイラメントはフイラメントの長さまたは一部を通じて均一な厚さおよび/または断面を有する必要はない。例えば図10は、長方向に沿って異なった断面を有する澱粉フイラメントの画分を示す略図である。この種の異なった断面は、例えばダイの内圧変更により、または、溶融吹き込み法の細化空気または乾燥空気の特性の少なくとも一つの変更により、または溶融吹き込みと電気紡糸法との組合わせにより形成できる。
【0132】
幾つかの澱粉フイラメントは、フイラメント長または一部に沿って間隔を隔てて分布した”ノッチ”を具備する。フイラメント長に沿った澱粉フイラメント断面区域のこの種の変型は、フイラメントの柔軟性を高め、構造体100中で相互に絡み合うフイラメントの能力を容易し、これにより構造体100の柔軟性と可撓性に有益な影響を及ぼすものと考えられる。澱粉フイラメントの上記ノッチまたは他の有益な不規則性は、澱粉フイラメントを下記のような鋭角または突起部分を有する面と接触させて形成し得る。
【0133】
この方法の次工程には、成形部材200を準備する工程が包含される。成形部材200は模様付きシリンダー(図示せず)または他の模様形成用部材例えばベルトもしくはバンドを包含する。この成形部材200は、フイラメント接触側201およびフイラメント接触側201に対向する背面202を備える。流体による圧力差(例えば、ベルト下またはドラム内の減圧による)が澱粉フイラメントを成形部材の模様に押し付けて、可撓性構造体内部に際立った領域を形成させる。
【0134】
本発明による構造体100の製造過程では、澱粉フイラメントをフイラメント接触側201上に堆積させる。通常、第2側202は特定方法の必要性に応じて支持ローラー、案内ローラー、減圧装置等の装置と接触する。フイラメント接触側201は、突起部および/または凹み部からなる3次元模様を包含する。通常(必ずしも必要条件ではないが)、上記模様は非ランダムの繰り返し模様である。フイラメント接触側201上の上記3次元模様は、実質的連続な模様(図4)、実質的半連続な模様(図5)、複数の個別突起を有する模様(図5)、または、これらの任意の組合わせを含み得る。複数の澱粉フイラメントを成形部材200のフイラメント接触側201上に堆積すると、可撓性澱粉フイラメントの一群は成形部材200の成形用模様に少なくとも部分的に順応する。
【0135】
成形部材200は、基準面X−Yに置かれた場合に巨視的には単平面であるベルトまたはバンドを備え、この場合のZ方向はX−Y面に垂直である。同様に、可撓性構造体100は巨視的には単平面で、X−Y面に平行な面中に置かれていると考えられる。X−Y面に垂直なZ方向に沿って可撓性構造体100のカリパーもしくは厚さが伸張し、または成形部材200もしくは可撓性構造体100の差別的領域の隆起が伸張する。
【0136】
所望であれば、ベルトを包含する成形部材200は加圧ベルトとして実施できる。本発明における使用に適する加圧フエルトは次の文献による教示に従って製作し得る:
米国特許第5,549,790号(Phan、8 月27日、1996付);同第5,556,509号(Trokhan ら、9 月17日、1996付);同第5,629,052号(Trokhanら、5 月13日、1997付);同第5,637,194号(Ampulskiら、6月10日、1997付);同第5,674,663号(McFarlandら、10月7 日、1997付);同第5,693,187号(Ampulskiら、12月 2日、1997付);同第5,709,775号(Trokhanら、 1月20日、1998付);同第5,776,307号(Ampilskiら、7 月7 日、1998付);同第5,795,440号(Ampulskiら、8 月18日、1998付);同第5,814,190号(Phan、9 月29日、1998付);同第5,817,377号(Trokhanら、10月6 日、1998付);同第5,846,379号(Ampulskiら、12月 8日、1998付き);同第5,855,739号(Ampulskiら、1月 5日、1999付);同第5,861,082号(Ampulskiら、1月19日、1999付)。
これらの開示を本発明の明細書の記載中に引例として加入する。別の実施態様では、成形部材200は米国特許第 5,569,358号公報(Cameron、10月29日、1996付)の教示に従った加圧フエルトとして実施できる。
【0137】
成形部材200の主たる一実施態様には、強化要素250に連結した樹脂製枠組み210が含まれる。この樹脂製枠組み210は、ある種の前以て選択された模様を有する。例えば図4は、複数の開口を有する実質的連続な枠組み210を示す。幾つかの実施態様における強化要素250は、実質的に流体透過性である。流体透過性強化要素250は、織りスクリーン、または開口要素、フエルト、またはこれらの任意の組合わせを含む。成形部材における開口220で示す強化要素250の部分は、澱粉フイラメントが成形部材を通じて通過するのを阻止し、それにより可撓性構造体100のピンホール発生を低減させる。強化要素250に対する織りスクリーンの使用を望まない場合は、ネット、加圧フエルトもしくはプレートまたは複数の孔を有するフイルムが、枠組み210に対する適切な支持および強度を提供できる。好適な強化要素250は、米国特許第5,496,624 号(Stelljesら、5 月 5日、1996付);同第5,500,277号(Trokhanら、3 月19日、1996付);同第5,566,724号公報(Trokhanら、10月22日、1996付)に従って製作され、これらの開示をここに引例として加入する。
【0138】
各種の型の流体透過性強化要素250が、例えば米国特許第5,275,700 号および同第 5,954,097号公報に記載され、これらの開示をここに引例として加入する。強化要素250は、従来型製紙に使用される”プレスフエルト”と呼称されるフエルトを含む。枠組み210は次の米国特許公報による教示のように、強化要素250に応用できる:
米国特許第5,549,790号(Phan、8 月27日、1996付);同第5,556,509号(Trokhanら、9 月17日、1996付);同第5,580,423号(Ampulskiら、12月 3日、1996付);同第5,609,725号(Phan、3 月11日、1997付);同第5,629,052号(Trokhanら、3 月13日、1997付);同第5,637,194号(Ampulskiら、 6月10日、1997付);同第5,674,663号(McFarlandら、10月 7日、1997付);同第5,693,187号(Ampulskiら、12月 2日、1997付);同第5,709,775号(Trokhanら、1月20日、1998付);同第5,795,440号(Ampilskiら、 8月18日、1998付);同第5,814,190号(Phan、9月29日、1998付);同第5,817,377号(Trokhanら、10月 6日、1998付);同第5,846,379号(Ampilskiら、12月 8日、1998付)。
これらの開示をここに引例として加入する。
【0139】
別法として強化要素250は流体不透過性であってもよい。流体不透過性強化要素250は、本発明における成形部材200の枠組み210の製作に使用される材料と同一または異なった高分子樹脂系材料;プラスチック材料;金属;他の適当な任意の天然型もしくは合成系材料;または、これらの任意組合わせ材料製であってもよい。流体不透過性強化要素250は、全体として成形部材10も流体不透過性にし得るであろうことは、当業者には理解し得るところであろう。強化要素250は部分流体透過性で部分流体不透過性であってもよい。すなわち、強化要素250の、ある部分が流体透過性で、他部分が流体不透過性であってもよい。成形部材200は全体として流体透過性、流体不透過性、または部分流体透過性になし得る。部分流体透過性の成形部材200では、成形部材200の巨視的区域もしくは複数区域の一部もしくは複数部のみが流体透過性である。
【0140】
所望であれば、ジャカード型組織を含む強化要素250が利用できる。米国特許第5,429,686 号公報(Chiuら、7/4/95付);同第 5,672,248号(Wendtら、9/30/97付);同第5,746,887号公報(Wendtら、5/5/98付);同第6,017,417号(Wendtら、1/25/00付)にはジャカード組織を有するベルトの説明図があり、これらの開示を、ジャカード組織の基本的構成を示す限定目的のための引例としてここに加入する。本発明では、ジャカード組織を有するフイラメント接触側201を含む成形部材200を考慮する。この種のジャカード組織模様は、形成部材500、成形部材200、加圧面等として利用できる。ジャカード組織は、 Yankee 型乾燥ドラムに搬送する際に通常生起するような、ニップ構造の圧縮または捺印を望まない場合に特に有用である。
【0141】
本発明によれば、成形部材200の一つ、幾つか、または全ては、米国特許第5,972,813号公報(Polatら、10月26日、1999付)に記載のように、”目くら”または”閉鎖”であってもよい(この開示を引用としてここに加入する)。この特許が記載するように、ゴムおよびシリコ−ン開口220を流体不透過性にする目的で使用される。
【0142】
図6の成形部材200の実施態様には、複数のベース部211から伸張(通常は横方向)する複数の懸垂部219が含まれる。この懸垂部219は強化要素250から高まって空隙空間215を形成し、この空間中へ本発明における澱粉フイラメントが偏向し、図3に記載のような、片持ち翼部分129を形成する。懸垂部219を含む成形部材200は、対面関係(図6)で共に連結した少なくとも2層(211、212)により形成された多層構造体を含み得る。これらの層の各々は、上記引用特許の一つに類似した構造を含む。層(211、212)のそれぞれは、頂面と底面との間を伸張する少なくとも一つの開口(220、図4、4A)を有し得る。連結した層は、一つの層の少なくとも一つの開口が他層の枠組みの一部と他層の枠組みの一部と共に層をなし(成形部材200の一般面に垂直方向に)、この場合の枠組みの一部は上記懸濁部分219を形成する。
【0143】
複数の懸濁部分を含む他の成形部材は、透明領域および不透明領域を含むマスクを通じて、光感応性樹脂、または他の硬化性材料の層を差別架橋する方法により作れる。この不透明分は、例えば比較的高い不透明部分(黒のように不透明)および比較的低い部分不透明領域(すなわち若干の透明性)からなる差別的不透明性を有する領域を含む。
【0144】
フイラメント受け側および対向第2側を有する硬化層を、塗膜のフイラメント受け側に隣接するマスクを通じて硬化性放射線に露出すると、マスクの不透明領域が塗膜の第1区域を硬化性放射線から遮断して塗膜の全厚さを通じて塗膜の第1区域の硬化を阻害する。マスクの部分不透明領域は塗膜の第2区域を単に部分的にのみ遮断して、放射線が塗膜の厚さ未満の(塗膜のフイラメント受け側から開始されて第2側に向かう)、所定厚さに第2区域を硬化することを可能にする。マスクの透明領域は、硬化性放射線が塗膜の全厚さを通じて第3区域の硬化ができるように、未遮断の第3区域を残す。
【0145】
この結果として、未硬化材料を部分成形部材から取り除くことができる。生じた硬化枠組みは、塗膜のフイラメント受け側から形成されたフイラメント接触側201と、塗膜の第2側とから形成された背面202を有する。生じた枠組みは、背面202を含み、かつ塗膜の第3区域から形成された複数の基底部211、および、ウエブ接触側201を含み、かつ塗膜の第2区域から形成された複数の懸垂部219を有する。上記複数の基底部は上記のように、実質的連続な模様、実質的半連な続模様、不連続模様、またはこれらの任意の組合わせを含み得る。懸垂部219は複数の基底部から一定角度(通常約90o であるが、絶対ではない)で伸張し、かつ、生じた枠組みの背面202から距離を隔て、懸垂部と背面との間に空隙空間を形成する。通常、強化要素250を含む成形部材200を使用すると、空隙空間215は懸垂部219と強化要素250との間に形成される(図6)。
【0146】
次の工程では、成形部材200のフイラメント接触側201上に複数の疑似熱可塑性澱粉フイラメントを堆積(図7−9)し、複数の澱粉フイラメントが成形部材200の3次元模様に少なくとも部分的に順応するようにする。図7に略図として示した実施態様を参照するに、澱粉フイラメント17bが引抜き装置を出ると、成形部材200の3次元フイラメント接触側201上に堆積する。工業的連続装置では、上記成形部材200は、図(7−9)のように縦方向MDに連続して移動する無限ベルトを含む。次いで澱粉フイラメントは互いに結び付いて各種従来型技法を通じて絡み合う。米国特許第5,688,468 号公報(Luへの、11月 18 日、 1997 付き)は直径が低減したフイラメントを含むスパンボンド不織ウエブの製造法と装置を教示し、この開示をここに引用して加入する。
【0147】
他の実施態様では、先ず複数のフイラメントを成形部材10ではなくて形成部材500に堆積する(図9)。この工程は任意であり、作る構造体10の幅を通じて複数の澱粉フイラメントのベース重量の均一化を容易にする目的で利用できる。針金製形成部材500を本発明の場合に考慮してもよい。図9に示す実施態様の例では、形成部材500がローラー500aおよび500b周りを縦方向に移動する。形成部材は流体透過性で、かつ、形成部材500下には減圧装置550が置かれ、その上に配列する澱粉フイラメントの一群に液圧差を加えると、成形部材500の受け面を通じて澱粉フイラメントの多かれ少なかれ平坦な分布が促進される。
【0148】
所望であれば、形成部材200を用いて澱粉フイラメント中に、特にフイラメント面上に各種不規則性を形成することもできる。例えば、形成部材のフイラメント受け面を各種の鋭利な端部(図示せず)から構成させ、その上に配列した澱粉フイラメントが比較的的柔らかい間に刻印し、澱粉フイラメント内にノッチ(図11に略図で示す)または他の不規則性を創る。このようにすると、可撓性構造体100にとり有利である。
【0149】
図9の実施態様では、複数のフイラメントを、形成部材500から成形部材200へと、例えば真空シュー600等の業界既知の任意従来型手法により成形部材200へと搬送でき、この場合のしかも真空シューに対しては、形成部材500上に堆積した複数の澱粉フイラメントが分離して成形部材200に接着し得るのに十分な減圧を適用する。
【0150】
可撓性構造体100の連続製法では、成形部材200は形成部材500の線速度未満の線速度を有することができる。トランスフアー点におけるこの種の速度差の使用は製紙業界で公知であり、かつ、低コンシステンシー湿式ウエブに応用する場合に有効であると通常信じられる所謂”マイクロ収縮”に使用できる。マイクロ収縮に関する原理機構を記載する目的で米国特許第 4,440,597号公報の開示を、ここに引用して加入するが、この公報は”湿式マイクロ収縮”に関しての詳細を記載する。簡単にいえば、マイクロ収縮には、繊維コンシステンシーが低いウエブを第1部材(有孔部材等)から、第1部材より低速の第2部材(開放ウイーブ織物のループ等)へと搬送する工程を包含する。もし澱粉フイラメントを形成して、比較的低速の支持体から比較的高速の支持体へと移す時期まで複数の澱粉フイラメントを十分柔軟な条件下に維持できる場合は、複数の澱粉フイラメントをマイクロ収縮に有効に処することが可能であり、これにより可撓性構造体100の奥行短縮ができる。成形部材200の速度は形成部材500の速度を超過すること約1%から約25%である。
【0151】
図9Aは、本発明における方法の実施態様を示し、澱粉フイラメントを角度1o から89o 、一層具体的には約5O から約85O の一定範囲角度で成形部材200へと堆積する。この実施態様では、懸垂部219を有する成形部材200を使用すると特に有利であると信じられる。成形部材200への澱粉フイラメント17aの、この種の”角度”を有する堆積が、懸垂部219と強化要素との間に形成される空隙空間215を、長く柔軟なフイラメント17aに一層接近させることができ、かつ、澱粉フイラメントによる空隙空間215の一層容易な充満を促進できる。図9Aでは、上流空隙空間215aおよび下流空隙空間215bからなる両種の空隙空間219が、成形部材200へのフイラメントの角度ある堆積による利益を受け得るように、澱粉フイラメント17aが2工程で成形部材200に堆積する。成形部材200の特有な図形、特に懸垂部219の図形および/または配向に応じて、下流角度Aは上流角度Bに等しいか、または異なることができる。
【0152】
複数の澱粉フイラメントが成形部材200のフイラメント接触側201上に堆積した直後に、複数のフイラメントはその3次元模様に対して少なくとも部分的に順応する。加えて、成形部材200の3次元模様に対する澱粉フイラメントの順応の惹起または促進のための各種手法が利用できる。一つの方法は、複数の澱粉フイラメントに対して流体差圧を適用することである。この方法は、成形部材200が流体透過性である場合に有利である。例えば、流体透過性成形部材200の背面202に設けられた真空装置550が、成形部材200に対して、かつその上に配列した澱粉フイラメントの一群に対して減圧を適用するよう手配する。減圧の影響下、澱粉フイラメントの幾らかは成形部材200の開口部220および/または空隙空間215中に偏向でき、そうでなくてもその3次元模様に順応できる。
【0153】
可撓性構造体100の全ての三つの領域は一般的には等しいベース重量を有し得るものと信じられる。澱粉フイラメントの一部を開口部220中に偏向させることにより、第1捺印領域110の密度に比べて生成枕部120の密度を高め得る。開口部220中に偏向しない領域110は、圧縮ニップ中に可撓性構造体を圧縮することにより捺印できる。捺印すると、捺印領域110の密度はん枕部120および第3領域130の密度に比べて高まる。開口部220中に偏向しない領域110の密度および第3領域130の密度は枕部120の密度より高い。第3領域の密度は、捺印領域110および枕部120の密度の中間の密度を示すはずである。
【0154】
図1Aを参照するに、本発明による可撓性構造体100は三の異なった密度を有するものと考えられる。最高密度領域は高密度捺印領域110である。この捺印領域110は位置および図形が、成形部材200の枠組み210に対応する。可撓性構造体100の最低密度領域は、位置および図形が成形部材200の開口部220に対応する枕部120の領域になるはずである。成形部材200中の向斜部230に対応する第3領域130は、枕部120と捺印領域110の密度の中間の密度を有することになる。”向斜”部230は成形部材200のフイラメント受け側201から背面202に向けて伸張する方向ベクター成分を有する枠組み210の表面をなす。向斜部230は開口部220が伸張すると同様には、枠組み210を通じて完全に伸張しない。かくして、向斜部230と開口部220との差異は、開口部220が枠組み210の通し孔を表す一方、向斜部230は枠組み210の盲孔、亀裂、またはノッチを表す。
【0155】
本発明による構造体100の第3領域は、三つの異なった隆起で配列されることになる。ここで使用する、ある領域の”隆起”なる用語は、基準面(すなわち、X−Y面)からの距離を指す。便宜上、基準面は水平として肉視でき、この場合、基準面からの立面距離は垂直である。澱粉フイラメント構造体100の特定領域の隆起は、業界公知の、この種の目的に適する任意の非接触測定法を用いて測定できる。特に好ましい測定法は、50ミリメーター範囲で0.3×1.2ミリメーターの大きさのビームを有する非接触型レーザー変位センサー( Laser Displacement Sensor)である。適切な非接触型レーザー変位センサーは「MX1A/B」 型として Idec Company から市販される。別法として、業界で既知の接触型 stylis ゲージを利用して隆起差を測定できる。この種の様式のゲージは米国特許第 4,300,981号公報(Carstens への)に記載があり、ここに引例として加入する。本発明による構造体100は基準面と接触する捺印領域110を用いて基準線上に置かれると、枕部120および第3領域130は基準面から垂直に伸張する。領域110、120および130の隆起差も、図5Aに示すように、深さ差または3次元模様の隆起差を有する成形部材200を用いて形成できる。深さ差/隆起差を有する、この種の3次元模様は、予め選択した成形部材の箇所を研磨して作れる。また、架橋材料製成形部材200は3次元マスクを用いて作れる。凹み/突起部の深さ差/隆起差を備える3次元マスクを使用することにより、隆起差を有する対応枠組み210も作れる。隆起差を伴う表面を形成する他の従来型技法も上記目的のために使用できる。
【0156】
減圧装置550(図8および9)または減圧ピックアップシュー600(図9)により加えられる流体差圧の突然の適用に起因して起こり得る悪影響を軽減するために、成形部材背面を”突出”させて顕微鏡的不規則面を形成させてもよい。流体差圧を突然適用すると、幾らかのフイラメントまたは一部のフイラメントが成形部材200全部を通じて押しやられ、生じた可撓性構造体中に所謂”ピンホール”が形成される結果になりかねない。上記顕微鏡的不規則性は、成形部材200の実施態様の幾つかに対しても有利になり得る。その理由は、成形部材200の背面202と製紙装置表面(例えば真空装置表面)との間に真空シールが形成するのを、これらが阻止し、これによりこれらの間に”漏洩”が創られる結果、本発明における可撓性構造体製造用 ”スルー空気乾燥(through-air-drying)”法における減圧適用による好ましからぬ結果が緩和されるからである。この種の漏洩を創る他の方法は、米国特許第 5,718,806号;同第 5,741,402号;同第5,744,007 号;同第5,776,311 号;同第5,885,421 号公報に開示があり、これらを引例としてここに加入する。
【0157】
上記漏洩は、所謂”示差光透過技術(defferential light transmussion techniques) ”を使用しても創ることができる(米国特許第 5,624,790号; 同第5,554,467 号;同第5,529,664 号;同第5,514,523 号;同第5,334,289 号に記載があり、これらをここに引例として加入する)。この成形部材は不透明部分を有する強化要素に光感応性樹脂塗膜を施し、次いで透明および不透明領域を通じて、ならびに/また強化要素を通じて塗膜を、活性化波長光に曝すことにより作れる。
【0158】
背面不規則性を創る他の方法は、模様付き形成面または模様付き遮断フイルム(米国特許第 5,364,504号 ;同第 5,260,171号 ;同第 5,098,522号に記載があり、これらをここに引例として加入する)から構成される。成形部材は、強化要素が模様付き面上方を移動する間に、強化要素上方および強化要素を通じて光感応性樹脂を鋳造し、次いで、透明および不透明領域を有するマスクを通じて活性化波長光に塗膜を曝すことにより作れる。
【0159】
真空装置550に見られるように、流体透過性成形部材200を通じて一連のフイラメントに減圧を適用するか、または複数のフイラメントに正圧を付与するフアンを用いて複数のフイラメントを成形部材の3次元模様中に偏向し易くすることもできる。
【0160】
さらに、図9は本発明による方法の任意工程を示す略図であり、この場合、ローラー800aおよび800b周りを移送し、かつ複数のフイラメントと接触する無限バンドを具備する柔軟シート材料800を用いて複数の澱粉フイラメントを重ねる。すなわち複数のフイラメントを、成形部材200と柔軟シート材料800との間に、一定時間、はさむ。柔軟シート材料800は成形部材200の空気透過性値未満の透過性を有し、幾つかの実施態様では空気不透過性である。柔軟性シート800に流体差圧Pを付与すると、柔軟性シートの少なくとも一部が成形部材200の3次元模様に向けて、ある場合には3次元模様中へと偏向を起こし、これにより成形部材200の3次元模様中に複数の澱粉フイラメントが密接に順応する。米国特許第 5,893,965号公報は柔軟性シート材料を利用した装置と方法の基本配列を記載する。
【0161】
流体差圧に加えて、またはこれとは別個に、本発明による可撓性構造体100の3次元顕微鏡的模様の形成を容易にする目的で、機械圧も利用できる。この種の機械圧は、例えば、ローラー面またはバンド面を備えた任意適当な加圧面により作れる。図9は加圧面の2種の実施態様例である。一対または数対の加圧ローラー900aおよび900b、ならびに900cおよび900dを用いて、成形部材200上に配設された澱粉フイラメントが3次元模様に一層完全に順応するように押し付ける。所望であれば、例えばローラー900cと900d間に作られた圧がローラー900aと900b間の圧より一層大きくなるように、加圧ローラー間に発揮される圧力に段階を付与できる。これとは別に/またはこれに加えて、ローラー950aおよび950b周囲を移動する無限加圧バンド950を、成形部材200のフイラメント側201の一部に押し付けて、それらの間で可撓性構造体を押印することもできる。
【0162】
加圧面は、平滑または独自の3次元模様付きの面である。後者の場合、加圧面はエンボス用装置として用い、成形部材200の3次元模様と共同または独立に、可撓性構造体中に明瞭な突起および/または凹みからなる顕微鏡的模様を形成する。さらに、この加圧面は、例えば柔軟剤およびインキ等の各種添加剤を可撓性構造体200に析出させるのに用い得る。例えばインキローラー910またはスプレー装置(またはシャワー)920等の従来型技法を用いて可撓性構造体200に各種添加剤を直接または間接的に析出させることができる。
【0163】
構造体100は業界で既知のように任意に奥行短縮できる。奥行短縮は、堅面から、一層具体的には例えば図9に略図を示すシリンダー290等のシリンダーから構造体100をクレープすることで行える。クレープは、業界公知のドクターブレード292を用いて行う。クレープは Sawdai への米国特許第 4,919,756号公報(4 月24日 1992 付き)の開示に従って行えるが、この開示を引例としてここに加入する。代わりにまたは追加的に、奥行短縮は上記のようなマイクロ収縮を利用しても行える。
【0164】
奥行短縮した可撓性構造体100は通常、横方向よりも縦方向に一層伸び易く、奥行短縮方により形成されたヒンジ線周りに容易に曲がる。このヒンジ線は一般的には横方向すなわち可撓性構造体100の幅に沿って伸張する。クレープしない、および/または、そうでなくても奥行短縮しない可撓性構造体100も本発明の権利範囲内にあることを考慮されたい。
【0165】
本発明による可撓性構造体を用いて各種製品を作れる。製品に見いだされる用途は、空気、油および水用フイルター;真空掃除機フイルター;炉用フイルター;顔マスク;コーヒー用フイルター;テイーまたはコーヒー袋;熱絶縁材料および騒音防止材;おむつ、女性用パッド、失禁用品等の使い捨て衛生用品のための不織布;湿気吸収性の改良され、肌触りの柔らかな生分解性織布例えばマイクロフアイバーまたは呼吸性織布;塵捕集および除去用の荷電構造ウエブ;包装用紙、筆記用紙、ニュースプリント、強化板紙等の硬質紙用強化体および強化ウエブ、ならびにトイレットペーパー、紙タオル、ナプキンおよび化粧紙等のテイッシュ級用紙の場合のウエブ;外科用ドレープ、傷用ドレッシング、包帯、歯科用パッチおよび自己溶解性縫合糸等の医療用品;ならびに歯科用フロスおよび歯ブラシ剛毛等の歯科用品である。可撓性構造体の例中には、臭気吸収材、白蟻忌避材、殺虫材、殺げっ歯類材その他の特殊製品も包含される。作られた物品は水および油を吸収するので水や油類の汚れ清掃用に使用でき、または農業用途または園芸用途の保水制御材および水分放出・制御材としての用途が見いだせる。澱粉繊維または繊維ウエブは、製材ダスト、木材パルプ、プラスチックおよびコンクリート等の他の材料中に混合して、壁材、支持ビーム材、圧縮板紙、乾燥壁、バッキング材および天井タイル材等の建築材料;キヤスト、副木および舌押し下げ器具等の他の医療用途;ならびに装飾および/または燃焼目的の暖炉用丸太として使用可能な複合材料中に均一混合できる。
【0166】
試験法
A. 剪断粘度
この組成物の剪断粘度は、細孔粘度計(Rheograph 2003 型、Goettfert 製)を用いて測定する。この測定は、直径Dが1.0mmで長さLが30mm(すなわち、L/D=30)の細孔ダイを用いて実施する。このダイをバレル低端部に取り付け、バレルを試験温度範囲25℃から90℃に保持する。この試験温度(t)に再加熱した試料組成物を粘度計のバレル部に負荷し、バレル部を実質的に満たす(約60グラムの試料を使用)。バレルを特定温度(t)に加熱する。試料負荷後に表面に気泡が生じたら、試験開始に先立だつ組成物を用いて試料から取り込み空気を排除する。細孔ダイを通じて試料がバレルから設定速度で押し出されるような態様でピストンをプログラム化する。細孔ダイを通じて試料がバレルから出る際に、試料は圧力損失を経験する。この圧力損失および細孔ダイを通じた流速から見掛け剪断粘度を計算する。この対数 log(見掛けの剪断粘度)を log (剪断速度)に対してプロットすると、このプロットは、パワーの法則 η=Kγn-1 (Kは材料の定数、γは剪断速度)に従う。本発明における組成物の剪断粘度報告値はこのパワーの法則関係を用いた剪断速度3000s-1の外挿である。
【0167】
B. 伸張粘度
伸張粘度は細孔粘度計(Rheograph 2003 型、Goettfert 製)を用いて測定する。この測定は,初期直径(Dinitial )15mm、最終直径(Dfinal )0.75mm、長さ(L)7.5mmの半双曲線形ダイを用いて実施する。
【0168】
このダイの半双曲線形は二つの方程式により定義される。Zが初期直径からの軸方向距離、D(z)がDinitial から距離zのダイ直径である場合;
【数2】
Figure 0003822053
【0169】
このダイをバレル低端部に取り付け、澱粉組成物が加工されるべき温度に対応する固定試験温度(t)に保持する。この試験温度(加工温度)は、試料澱粉組成物の融点を超す温度である。ダイ温度まで予備加熱した試料澱粉組成物を粘度計バレル部中に負荷し、実質的にバレル部を満たす。負荷後に空気が表面に現れたら、試験実施に先立つ組成物を用いて溶融試料から取り込み空気を排除する。細孔ダイを通じて試料がバレルから設定速度で押し出されるような態様でピストンをプログラム化する。細孔ダイを通じて試料がバレルから出る際に、試料は圧力損失を経験する。この圧力損失およびダイを通じた試料の流速から、次式に従って見掛け伸張粘度を計算する。
伸張粘度=(delta P/伸張速度/Eh)・10+5
式中、伸張粘度はパスカル−秒であり、delta Pは圧力損失(バール)であり、伸張速度はダイを通じた試料の流速(sec-1)であり、Eh は無次元の Hencky 歪みである。Hencky歪みは時間または履歴依存性歪である。非ニユートン流体における流体要素により経験される歪みは、その運動履歴に依存し、すなわち次式で表される:
【数3】
Figure 0003822053
この設計の場合のHencky 歪み(Eh )は、次の方程式により定められる5.99である;
h =ln [(Dinitial /Dfinal2
【0170】
この見掛け伸張粘度はパワーの法則関係を用いて伸張速度250-1の関数として報告する。半双曲形ダイを用いた伸張粘度測定の詳細な開示は米国特許第 5,357,784号公報(Collier、10月25日、1994付)に開示があり、本明細書の記載中にその開示を引例として加入する。
【0171】
C. 分子量および分子量分布
澱粉の重量平均分子量(MW )および分子量分布(MWD)は、混合床カラムを用いたゲル透過クロマトグラフイー(GPC)により測定・決定する。装置の部品は次のようである:
Figure 0003822053
【0172】
分子量 245,000; 350,000; 480,000; 805,000;および2,285,000 のデキストラン(Dextran)標準物質を用いてカラムを検量する。これらのデキストラン検量標準物質は American Polymer Standards Corp., Mentor, OH から市販される。検定標準は、移動相中に検量物質を溶解して約2mg/ml溶液にして調製する。溶液は一昼夜静置する。次いで軽く振ってシリンジ(5ml、「Norm-Ject 」、VWR 社から市販)を用いてシリンジフイルター(5μmナイロン膜「Spartan-25」、VWR 社から市販)を通じて濾過する。
【0173】
澱粉試料は、水道水中の40重量%澱粉混合物を先ず作ることにより調製すが、調製に際しては加熱して澱粉混合物をゼラチン化させる。次いでゼラチン化混合物1.55グラムを移動相22グラム中に加え3mg/ml溶液を作るが、この調製は、5分環撹拌し、105℃オーブン中に1時間、混合物を置き、オーブンから混合物を取り出し、次いで室温に冷却して行う。上記同様にシュリンジおよびシュリンジフイルター用いて溶液を濾過する。
【0174】
濾過した標準または試料溶液を100μlの注射ループ中に自動試料採取器により取り上げて以前の試験材料をフラッシュし、現在の試験材料をカラム中に注入する。カラムからの溶離試料を、50℃に保持した示差屈折計により、設定感度範囲64で移動相背景に対して測定する。この移動相は0.1% W/V LiBr を溶解した DMSO である。流速を1.0ml/分に設定し、かつ isocraticモード(すなわち、操作中は移動相は不変)にする。各標準および試料はGPCを3回通過させ、結果を平均する。
分子量分布は次のように計算する:
MWD=重量平均分子量/数平均分子量
【0175】
D. 熱的性質
本発明における澱粉組成物の熱的性質は、化学文献報告値の融点(開始)156.6℃および溶融熱6.80cal./gを有するインジウム金属標準物質を用いて検量した TA Instruments 「DSC-2910」で測定して決める。標準DSCの操作法は機器メーカーの運転指示書に従う。DSC測定中の澱粉組成物からの揮発性物質の発生(例えば水蒸気)に備えて、o−リングシールを具備した大容量パンを使用し試料パンからの揮発性物質の揮散を防止する。試料および不活性対照(通常は空のパン)を、制御環境中、同一速度で加熱する。実相または疑似相変化が試料中に生起すると、DSC装置が試料から不活性対照への熱の流れを測定する。試験パラメーターの制御、データ採取、計算および報告のために、この装置をコンピユーターに連結する。
【0176】
試料をパン中に秤量し、o−リンおよびキヤップを閉じる。通常の試料量は25から65ミリグラムである。密閉パンを装置中に配設し、熱的性質測定の目的でコンピユーターを次のようにプログラム化する:
1.0℃で平衡化
2.0℃で2分間保持
3.120℃に10℃/分で加熱
4.120℃で2分間保持
5.30℃に10℃/分で冷却
6.室温で24時間平衡化、試料パンはDSC装置から取り出し、この期間中、30℃の制御環境中に置く;
7.試料パンをDSC装置に返し、0℃で平衡化
8.2分間保持
9.120℃に10℃/分で加熱
10.120℃に2分間保持
11.30℃に10℃/分で冷却、かつ平衡化;ならびに
12.使用試料を取り出す
温度または時間に対する示差熱移動(△H)としての熱分析結果をコンピユーターが計算し、報告する。通常、この示差熱移動は重量基準(すなわち、cal./mg)で正規化して報告する。ガラス転移温度等の疑似相転移を試料が示す場合は、ガラス転移温度の測定を一層容易にするために、時間/温度プロットに対する△Hの示差を採用できる。
【0177】
E. 水溶解性
試料組成物の調製は、実質的均一混合物が形成されるまで、諸成分を加熱および撹拌により混合して行う。溶融組成物を「TeflonR 」シート上に広げて薄層フイルムを鋳造し、室温に冷却する。次いで、フイルムをオーブン中100℃で完全に乾燥(すなわち、フイルム/組成物中に水分がなくなるまで)する。乾燥フイルムを室温と平衡させる。粉砕して平衡化フイルムを小さくペレット化する。試料中の固形分(%)を測定するために、粉砕試料を、予め秤量した金属パン中に置き、パンおよび試料の全重量を記録する。秤量したパンおよび試料を100℃のオーブン中に2時間放置し、次いで取り出して直ちに秤量する。固形分(%)は次のように計算する:
Figure 0003822053
【0178】
試料組成物の溶解度を決定する目的で、粉砕試料10gを250mlビーカー中に秤量する。脱イオン水を加え全量を100gにする。試料および水を撹拌皿上で5分間混合する。撹拌後、少なくとも2mlの試料を遠心管中に注ぐ。20,000gで1時間10℃で遠心分離する。遠心分離済み試料の上澄みを採取し、屈折率を読む。試料の溶解度(%)を次のように計算する:
Figure 0003822053
【0179】
F. キヤリパー
試験に先立ちフィルム試料の湿気含有量が約5%から約16%になるまで、相対湿度48%から50%および温度22℃から24℃で状態調節する。湿気含有料はTGA(Thermo Gravimetric Analysis;熱重量分析)で測定・決定する。熱重量分析の場合、 TA Instruments 社からの高分解能「YGA 2950」型熱重量分析計を用いる。試料約20mgをTGAパン中に秤量する。メーカー指示書に準拠して試料およびパンをユニット中に入れ、速度10℃/分で250℃へ加温する。試料中の湿気(%)は重量損失および初期重量から次のように決める:
Figure 0003822053
【0180】
予め状態調節した試料を、キヤリパー測定に用いる脚(フット)の寸法を超える大きさに切断する。使用脚は面積3.14平方インチの環状である。この試料を水平な平面上に置き、この平面と水平負荷面を有する負荷脚との間に試料を封じる。この場合の負荷脚負荷面は約3.14平方インチの環状表面積を有し、試料に対して約15g/cm2 の封圧を与える。キヤリパーは、負荷脚負荷面と上記平面との間に生じた間隙である。この種の測定は、Thwing-Albert, Philadelphia, Pa.から市販の「VIR Electronic Thickness Tester Model II」を使用しれ得られる。結果はミル(mils)で報告する。
キャリパー試験で記録された読みの合計を記録読み数で割る。結果をミル単位で報告する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、可撓性構造体の実施態様を示す略平面図である。
【図1A】図1の線1A−1Aについての略断面図である。
【図2】本発明による、可撓性構造体の他の実施態様を示す略平面図である。
【図3】本発明による、可撓性構造体の他の実施態様を示す略断面図である。
【図4】本発明による、可撓性構造体の製造に使用し得る成形部材の実施態様を示す略平面図である。
【図4A】図Aの線4A−4Aについての略断面図である。
【図5】本発明における、可撓性構造体の形成に使用し得る成形部材の他の実施態様における略平面図である。
【図5A】図Aの線5A−5Aについての略断面図である。
【図6】本発明における、可撓性構造体の形成に使用し得る成形部材の他の実施態様における略平面図である。
【図7】電気紡糸法の実施態様の略部分略側面および略部分断面図である。
【図7A】図7の線7A−7Aについての略図である。
【図8】本発明の方法の実施態様を示す略側面図である。
【図9】本発明における他の実施態様の略側面図である。
【図9A】本発明における他の実施態様の略側面図および部分図である。
【図10】フイラメントの主軸(長軸)に垂直な微分断面を有する澱粉フイラメントの一実施態様の断片の略図である。
【図10A】澱粉フイラメント断面の非独占的実施態様の幾つかの例を示す略図である。
【図11】フイラメント長の少なくとも一部について複数のノッチを有する澱粉フイラメントの断面の略図である。
【符号の説明】
10 澱粉フイラメント製造装置
11 10のハウジング
12 加熱流体のキヤビテイ
13 ダイヘッド
14 ジェットノズル
15 空気(環状)オリフイス
16 空気(離散)オリフイス
17 澱粉組成物
17a 澱粉フイラメント
100 可撓性構造体
110 100の第1領域
120 100の第2領域(ある実施態様中の枕部)
130 300の第3領域
115 100中の実質的空隙空間(ポケット)
(片持ち翼部分と第1領域との間)
128 ドーム部分
129 100の片持ち翼部分
200 成形部材
201 200のフイラメント受け側
202 200の背面
210 枠組み
211 第1層(多重層構造)
212 第2層(---------)
215 219と250との間の空隙空間
219 懸垂部分
220 開口部
230 向斜部
250 強化要素
290 (クレープ用)円筒
292 クレープ用ナイフ
500 形成部材
550 真空装置
600 真空ピックアップシュー
800 材料の可撓性シート(最下部基壇の偏向)
900a−900c 加圧ローラー
910 インキローラー
920 スプレー装置(シャワー)
950 加圧バンド

Claims (32)

  1. 複数の澱粉フイラメントを含む可撓性構造体であって、澱粉フイラメントが、1,000〜2,000,000の重量平均分子量を有する澱粉ポリマーを10重量%〜80重量%含む澱粉組成物を含み、澱粉ポリマーが、該澱粉ポリマーに対して20重量%〜99重量%のアミロペクチンおよび澱粉組成物に対して20重量%〜90重量%の添加剤を含んでなり、上記構造体が少なくとも第1領域および第2領域を含み、上記可撓性構造体が水平基準面に配置された際に、第1領域は第1隆起を区画し、かつ第2領域は第1領域から外方向に伸張して第2隆起を区画し、第1および第2領域のそれぞれが、密度、ベース重量、隆起、不透明性、クレープ頻度、および、これらの任意の組合わせからなる群から選択される少なくとも一つの共通示強性を有し、第1領域の少なくとも一つの共通示強性が第2領域の少なくとも一つの共通示強性とは、その値において異なっており、澱粉組成物が、下記の方程式により計算される細孔数が少なくとも1を示すことを特徴とする、可撓性構造体。
    Ca=(η・Q)/(π・r・σ)
    〔式中、ηは剪断速度3000s−1で測定した剪断粘土(パスカル・秒)であり、Qは細孔ダイを通じて流れる容量単位流量(m/秒)、rは細孔ダイ半径(m)(非環状オリフィスの場合は、当量直径/半径が使用できる)であり、σは流体の表面張力(ニュートン/m)である。〕
  2. 第1および第2領域の一方が実質的連続な網状組織を含み、第1および第2領域の他方が実質的連続な網状組織を通じて分散する複数の個別的区域を含む、請求項1に記載の可撓性構造体。
  3. 第1領域および第2領域の少なくとも一つが、半連続網状組織を含む、請求項1または2に記載の可撓性構造体。
  4. 第1領域の示強性および第2領域の示強性とは、その値において共通および異なった少なくとも一つの示強性を有する少なくとも第3領域をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可撓性構造体。
  5. 第1、第2および第3領域の少なくとも一つが、実質的連続な網状組織を含む、請求項4に記載の可撓性構造体。
  6. 第1、第2および第3領域の少なくとも一つが、不連続区域を含む、請求項4に記載の可撓性構造体。
  7. 第1、第2および第3領域の少なくとも一つが、実質的半連続な区域を含む、請求項4に記載の可撓性構造体。
  8. 第1、第2および第3領域の少なくとも一つが、実質的連続な網状組織を通じて分散した複数の個別区域を含む、請求項4に記載の可撓性構造体。
  9. 第1領域が実質的連続な網状組織領域を含み、第2領域が実質的連続な網状組織領域を通じて分散した複数の個別領域を含み、該実質的連続な網状組織領域が複数の個別領域の相対的低密度に比べて相対的高密度である、請求項2に記載の可撓性構造体。
  10. 構造体を水平基準面に配設した際に、第1領域が第1隆起を区画し、第2領域が第2隆起を区画し、かつ、第3領域が第3隆起を区画し、第1、第2および第3隆起の少なくとも一つが他の隆起の少なくとも一つとは異なって成る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の可撓性構造体。
  11. 第2隆起が第1隆起および第3隆起の中間にある、請求項10に記載の可撓性構造体。
  12. 第2領域が複数の澱粉枕部を含み、枕部の少なくとも幾つかが第1隆起から第2隆起へと伸張するドーム部、および、ドーム部から第2隆起で横方向へ伸張する片持ち翼部を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の可撓性構造体。
  13. 片持ち翼部分の密度が、第1領域の密度およびドーム部分の密度の中間にある、請求項12に記載の可撓性構造体。
  14. 片持ち翼部分が第1面より高く、第1領域と片持ち翼部分との間に実質的中空の空間を形成する、請求項12に記載の可撓性構造体。
  15. 複数の澱粉フイラメントの少なくとも幾らかが、寸法0.001デシテックスから135デシテックス(dtex)である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の可撓性構造体。
  16. 複数の澱粉フイラメントの少なくとも幾らかが、寸法0.01デシテックスから5デシテックスである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の可撓性構造体。
  17. 複数の澱粉フィラメントを含む請求項1に記載の可撓性構造体であって、この可撓性構造体が、次の工程:
    (a)重量平均分子量1,000〜2,000,000の有する澱粉ポリマーを10重量%〜80重量%含む澱粉組成物であって、澱粉ポリマーが、該澱粉ポリマーに対して20重量%〜99重量%のアミロペクチンおよび澱粉組成物に対して20重量%〜90重量%の添加剤を含んでなり、下記の方程式により計算される細孔数が少なくとも1を示すことを特徴とする澱粉組成物を準備し、
    Ca=(η・Q)/(π・r・σ)
    〔式中、ηは剪断速度3000s−1で測定した剪断粘土(パスカル・秒)であり、Qは細孔ダイを通じて流れる容量単位流量(m/秒)、rは細孔ダイ半径(m)(非環状オリフィスの場合は、当量直径/半径が使用できる)であり、σは流体の表面張力(ニュートン/m)である。〕
    (b)澱粉組成物の溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸、電気紡糸またはそれらの任意の組合わせにより複数の澱粉フイラメントを作り;
    (c)少なくとも一つの開口部を有する模様付き樹脂製枠組みに連結した強化要素を含む流体透過性成形部材を準備し、ここで枠組みは複数の澱粉フイラメントを上に受ける構造のフイラメント受け側とフイラメント受け側に対向する背面とを有し、強化要素はフイラメント受け側と、枠組背面の少なくとも一部との間に位置し、フイラメント受け側は実質的連続な模様、実質的半連続な模様、不連続模様、または、これらの任意の組合わせを含み;
    (d)複数の澱粉フイラメントを成形部材のフイラメント受け側に堆積させ、複数の澱粉フイラメントを枠組みのフイラメント受け側の模様に少なくとも部分的に順応させ;
    (e)複数の澱粉フイラメントに流体差圧を加え、これにより、模様付き枠組みにより支持された複数のフイラメントの第1領域、および、少なくとも一つの開口中へ偏向し、かつ強化要素により支持された複数の澱粉フイラメントの第2領域を形成させ;ならびに
    (f)成形部材から複数の澱粉フイラメントを分離し、これにより、第1領域および第2領域を含む可撓性構造体を形成させる;
    ことにより作られて成る、可撓性構造体。
  18. 澱粉フイラメントを含む請求項1に記載された可撓性構造体の製法であって、この製法が、次の工程:
    (a)重量平均分子量1,000〜2,000,000を有する澱粉ポリマーを10重量%〜80重量%含む澱粉組成物であって、澱粉ポリマーが、該澱粉ポリマーに対して20重量%〜99重量%のアミロペクチンおよび澱粉組成物に対して20重量%〜90重量%の添加剤を含んでなり、下記の方程式により計算される細孔数が少なくとも1を示すことを特徴とする澱粉組成物を作成し、
    Ca=(η・Q)/(π・r・σ)
    〔式中、ηは剪断速度3000s−1で測定した剪断粘土(パスカル・秒)であり、Qは細孔ダイを通じて流れる容量単位流量(m/秒)、rは細孔ダイ半径(m)(非環状オリフィスの場合は、当量直径/半径が使用できる)であり、σは流体の表面張力(ニュートン/m)である。〕
    (b)重量平均分子量1,000〜2,000,000を有する澱粉ポリマーを10重量%〜80重量%含む澱粉組成物を含む澱粉フイラメントであって、澱粉ポリマーが、該澱粉ポリマーに対して20重量%〜99重量%のアミロペクチンおよび澱粉組成物に対して20重量%〜90重量%の架橋剤含有添加剤を含んでなる複数の澱粉フイラメントを準備し;
    (c)フイラメント受け側およびそれに対向する背面を有する成形部材であって、この場合のフイラメント受け側がその中に3次元模様を有する成形部材を準備し;
    (d)成形部材のフイラメント受け側上に複数の澱粉フイラメントを堆積させ、複数の澱粉フイラメントをその3次元模様に少なくとも部分的に順応させる;
    ことを含む、可撓性構造体の製法。
  19. 成形部材の準備工程が、フイラメント受け側の3次元模様が実質的に連続な模様、実質的に半連続な模様、複数の別個の突起部を含む模様、または、これらの任意の組合わせを含む成形部材の準備を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 成形部材準備工程が、強化要素に連結した樹脂製枠組みを含む成形部材の準備を含む、請求項18に記載の方法。
  21. 成形部材準備工程が、空気透過性の成形部材の準備を含む、請求項18に記載の方法。
  22. 成形部材準備工程が、懸垂部分を有する成形部材の準備を含む、請求項18に記載の方法。
  23. 成形部材準備工程が、互いに対面関係で連結された少なくとも二つの層により形成された成形部材の準備を含む、請求項18に記載の方法。
  24. 成形部材のフイラメント受け側に複数の澱粉フイラメントを堆積し、かつ、複数の澱粉フイラメントをその3次元模様に少なくとも部分的に順応させる工程が、複数の澱粉フイラメントに流体差圧を加えることを含む、請求項18に記載の方法。
  25. 複数の澱粉フイラメントの選択部分を緻密にする工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
  26. 複数の澱粉フイラメントの選択部分の緻密化工程が、複数の澱粉フイラメントへの機械的圧力の適用を含む、請求項18に記載の方法。
  27. 成形部材のフイラメント側への複数の澱粉フイラメントの堆積工程が、澱粉フイラメントをそれに対して急角度で堆積させ、その急角度が約5度から約85度の範囲の急角度である工程を含む、請求項18に記載の方法。
  28. 複数の澱粉フイラメントの準備工程が、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸、またはこれらの任意の組合わせを含む、請求項18に記載の方法。
  29. 澱粉フイラメントの主軸に垂直な断面の等量直径に対する、少なくとも幾つかの澱粉フイラメントの主軸長のアスペクト比が、少なくとも100/1である、請求項28に記載の方法。
  30. 澱粉フイラメントの寸法が、0.001デシテックスから135デシテックスである、請求項18に記載の方法。
  31. 複数の澱粉フイラメントを奥行短縮する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  32. 奥行短縮工程が、クレーピング、マイクロ収縮、または、これらの組合わせを含む、請求項31に記載の方法。
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