JP3821210B2 - 化学増幅型レジスト材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高感度で高解像性を有し、特に超LSI製造用の微細パターン形成材料として好適な化学増幅ポジ型レジスト材料等の化学増幅型レジスト材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められているなか、次世代の微細加工技術として遠紫外線、EB、EUV、X線リソグラフィーが有望視されている。遠紫外線リソグラフィーは、0.24μm以下の加工も可能であり、光吸収の低いレジスト材料を用いた場合、基板に対して垂直に近い側壁を有したパターン形成が可能になる。
【0003】
近年開発された酸を触媒とした化学増幅型ポジ型レジスト材料(特公平2−27660号、特開昭63−27829号公報等記載)は、遠紫外線の光源として高輝度なKrFエキシマレーザーを利用し、感度、解像性、ドライエッチング耐性が高く、優れた特徴を有した遠紫外線リソグラフィーに特に有望なレジスト材料として期待されている。
【0004】
このような化学増幅型ポジ型レジスト材料としては、ベースポリマー、酸発生剤からなる二成分系、ベースポリマー、酸発生剤、酸不安定基を有する溶解制御剤からなる三成分系が知られている。
【0005】
例えば、特開昭62−115440号公報には、ポリ−4−tert−ブトキシスチレンと酸発生剤からなるレジスト材料が提案され、この提案と類似したものとして特開平3−223858号公報には分子内にtert−ブトキシ基を有する樹脂と酸発生剤からなる二成分系レジスト材料、更には特開平4−211258号公報にはメチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基含有ポリヒドロキシスチレンと酸発生剤からなる二成分系のレジスト材料が提案されている。
【0006】
更に、特開平6−100488号公報には、ポリ[3,4−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン]、ポリ[3,4−ビス(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、ポリ[3,5−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン]等のポリジヒドロキシスチレン誘導体と酸発生剤からなるレジスト材料が提案されているが、いずれの場合にも、アルカリ水溶液による現像後のパターン膜厚の減少や、ドライエッチングに対する耐性が弱いなどの欠点があった。
【0007】
また、より高い透明性及び基板への密着性の実現のため、ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリレートの共重合体を使用したレジスト材料も報告されているが(特開平8−101509号公報、特開平8−146610号公報)、この種のレジスト材料では耐熱性や、部分的なパターン崩壊、パターン形状上の裾引き等の問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、従来のレジスト材料を上回る、ドライエッチング耐性、高感度及び高解像度、プロセス適応性を有し、アルカリ水溶液による現像後のパターン膜厚の減少が改善された化学増幅型レジスト材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量が1,000〜500,000である高分子化合物と、下記一般式(2)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量が1,000〜500,000である高分子化合物とを併用することが、化学増幅ポジ型レジスト材料のベース樹脂として有効で、この高分子化合物の混合物と酸発生剤と有機溶剤とを含む化学増幅ポジ型レジスト材料が、優れたドライエッチング耐性、高感度及び高解像度、プロセス適応性を有し、アルカリ水溶液による現像後のパターン膜厚の減少を改善し、実用性が高く、精密な微細加工に有利に用いられることから、超LSI用レジスト材料として非常に有効であることを知見した。
【0010】
【化3】
Figure 0003821210
(式中、Rは水酸基又はOR3基を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、R3、R4は酸不安定基を示し、R5はメチル基又はエチル基を示す。Zは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。また、xは0又は正の整数、yは正の整数であり、x+y≦5を満足する数であり、mは0又は正の整数であり、nは正の整数であり、m+n≦5を満足する数である。p、sは正数、q、rは0又は正数であり、0<(q+r)/(p+q+r+s)≦0.8、0.01≦s/(p+q+r+s)≦0.1、p+q+r+s=1を満足する数である。)
【0011】
【化4】
Figure 0003821210
(式中、R6、R7、R8は水素原子又はメチル基を示し、R9はメチル基又はエチル基を示す。Eは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は酸素原子もしくは硫黄原子を含む炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R11は炭素数1〜20の三級アルキル基を示す。kは0又は正の整数であり、k≦5を満足する数である。t、wは正数であり、uは正数、vは0又は正数であ、t+u+v+w=1を満足する数である。)
【0012】
このように、上記一般式(1)と(2)で示される高分子化合物を併用してレジスト材料に配合した場合、双方の高分子化合物のレジスト材料の欠点を補うこと以上の大きな利点を有している。即ち、上記一般式(1)で示される高分子化合物のみをレジスト材料として用いた場合、高感度、高解像性を有するものの、ドライエッチングに対する耐性が弱く、また、アルカリ水溶液による現像後のパターン膜厚の減少幅が大きいという欠点を有するものとなる。一方、上記一般式(2)で示される高分子化合物のみをレジスト材料として用いた場合、ドライエッチング耐性が強く、アルカリ水溶液による現像後のパターン膜厚の減少幅も比較的小さいという利点を有するものの、感度が低く、パターン形状での裾引きなどの欠点も現れてしまう。
【0013】
これらに対して、上記一般式(1)と(2)で示される高分子化合物を併用してレジスト材料に配合した場合、それぞれ片方のみを使用した場合よりも、高感度及び高解像度、プロセス適応性を有し、かつ、優れたドライエッチング耐性を有し、アルカリ水溶液による現像後のパターン膜厚の減少が比較的小さい、化学増幅ポジ型レジスト材料となることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0014】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の化学増幅型レジスト材料は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量が1,000〜500,000である高分子化合物と、下記一般式(2)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量が1,000〜500,000である高分子化合物の両方を含むことを特徴とする。
【0015】
【化5】
Figure 0003821210
(式中、Rは水酸基又はOR3基を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、R3、R4は酸不安定基を示し、R5はメチル基又はエチル基を示す。Zは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。また、xは0又は正の整数、yは正の整数であり、x+y≦5を満足する数であり、mは0又は正の整数であり、nは正の整数であり、m+n≦5を満足する数である。p、sは正数、q、rは0又は正数であり、0<(q+r)/(p+q+r+s)≦0.8、0.01≦s/(p+q+r+s)≦0.1、p+q+r+s=1を満足する数である。)
【0016】
ここで、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
【0017】
上記R3、R4の酸不安定基としては、種々選定されるが、特に下記式(3)、(4)で示される基、炭素数4〜20の分岐状又は環状の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基であることが好ましい。なお、R3、R4の酸不安定基は互いに異なるものである。
【0018】
【化6】
Figure 0003821210
【0019】
式(3)において、R12、R13は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等を例示できる。R14は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられ、更にこれらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。
【0020】
【化7】
Figure 0003821210
【0021】
12とR13、R12とR14、R13とR14とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR12、R13、R14はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
【0022】
また、式(4)においてR15、R16はR12、R13で説明したものと同様である。R17の炭素数4〜40の有機基としては、炭素数4〜40の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、特に炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(3)で示される基を示し、三級アルキル基として具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−イソプロピルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−イソプロピルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基等が挙げられ、トリアルキルシリル基として具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられ、オキソアルキル基として具体的には、3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が挙げられる。aは0〜6の整数である。
【0023】
上記式(3)で示される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
【0024】
【化8】
Figure 0003821210
【0025】
上記式(3)で示される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
【0026】
上記式(4)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
【0027】
また、炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基としては、tert−ブチル基、tert−アミル基、tert−エチル−3−ペンチル基、ジメチルベンジル基等が挙げられるほか、1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−n−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−n−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、3−メチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−エチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−メチル−1−シクロヘキセン−3−イル、3−エチル−1−シクロヘキセン−3−イル等が例示できる。
【0028】
各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。
炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、3−オキソシクロヘキシル基、下記式で示される基が挙げられる。
【0029】
【化9】
Figure 0003821210
【0030】
また、上記式(1)において、p、sは正数、q、rは0又は正数で、p+q+r+s=1、0<(q+r)/(p+q+r+s)≦0.8、特に0.07≦(q+r)/(p+q+r+s)≦0.5、0.01≦s/(p+q+r+s)≦0.1、特に0.01≦s/(p+q+r+s)≦0.05を満足することが好ましい。p、q、rのいずれかが0となると、アルカリ溶解速度のコントラストが少なくなり、解像度が悪くなる。q+rの全体に対する割合が0.8を超えたり、sの全体に対する合計割合が0.1を超えると、架橋しすぎてゲルとなり、アルカリに対して溶解性がなくなったり、アルカリ現像の際に膜厚変化や膜内応力又は気泡の発生を引き起こしたり、親水基が少なくなるために基板との密着性に劣る場合がある。更に、p、q、rはその値を上記範囲内で適宜選定することにより、パターンの寸法制御、パターンの形状コントロールを任意に行うことができる。
【0031】
本発明の高分子化合物において、上記酸不安定基の含有量は、レジスト膜の溶解速度のコントラストに影響し、パターン寸法制御、パターン形状等のレジスト材料の特性にかかわるものである。
【0032】
本発明の式(1)の繰り返し単位を有する高分子化合物において、R3、R4の酸不安定基としては特に上記式(3)、(4)で示されるものが好ましく、また上記繰り返し単位を構成する各単位はそれぞれ1種でも2種以上が組み合わされたものでもよい。
【0033】
【化10】
Figure 0003821210
(式中、R6、R7、R8は水素原子又はメチル基を示し、R9はメチル基又はエチル基を示す。Eは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は酸素原子もしくは硫黄原子を含む炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R11は炭素数1〜20の三級アルキル基を示す。kは0又は正の整数であり、k≦5を満足する数である。t、wは正数であり、uは正数、vは0又は正数であ、t+u+v+w=1を満足する数である。)
【0034】
上記R11の酸不安定基としては、種々選定されるが、特に下記式(5)、(6)で示される基が特に好ましい。
【0035】
【化11】
Figure 0003821210
(但し、式中R18は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビニル基、アセチル基、フェニル基又はシアノ基であり、bは0〜3の整数である。)
【0036】
式(5)の環状アルキル基としては、5員環がより好ましい。具体例としては、1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−ビニルシクロペンチル、1−アセチルシクロペンチル、1−フェニルシクロペンチル、1−シアノシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、1−イソプロピルシクロヘキシル、1−ビニルシクロヘキシル、1−アセチルシクロヘキシル、1−フェニルシクロヘキシル、1−シアノシクロヘキシルなどが挙げられる。
【0037】
【化12】
Figure 0003821210
(但し、式中R19は、イソプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビニル基、アセチル基、フェニル基又はシアノ基である。)
【0038】
式(6)の具体例としては、1−ビニルジメチル、1−アセチルジメチル、1−フェニルジメチル、1−シアノジメチルなどが挙げられる。
【0039】
上記R10のアルキル基としては、種々選定され、具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、5員環ラクトン基、6員環ラクトン基、テトラヒドロフラン基、カーボネート基、ジオキソラン基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基で置換されたアルキル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
更に、レジスト材料の特性を考慮すると、t、wはそれぞれ正数、uは正数、vは0又は正数であ、好ましくは下記式を満足する。
【0041】
0<w/(t+u+v+w)≦0.5、更に好ましくは0.2<w/(t+u+v+w)≦0.4である。0≦v/(t+u+v+w)≦0.2、更に好ましくは0.01<v/(t+u+v+w)≦0.1である。0u/(t+u+v+w)≦0.05、更に好ましくは0u/(t+u+v+w)≦0.02である。
【0042】
wが0となり、上記式(2)の高分子化合物がこの単位を含まない構造となると、アルカリ溶解速度のコントラストが少なくなり、解像度が悪くなる。また、tの割合が多すぎると、未露光部のアルカリ溶解速度が大きくなりすぎる。u、vの両方が0の場合も解像性が悪化したり、ドライエッチング耐性が弱い等の欠点が現われる。なお、t、u、v、wはその値を上記範囲内で適宜選定することによりパターンの寸法制御、パターンの形状コントロールを任意に行うことができる。
【0043】
本発明の式(1)、(2)の高分子化合物は、それぞれ重量平均分子量が1,000〜500,000、好ましくは3,000〜30,000である必要がある。重量平均分子量が小さすぎるとレジスト材料が耐熱性に劣るものとなり、大きすぎるとアルカリ溶解性が低下し、パターン形成後に裾引き現象が生じ易くなってしまう。
【0044】
更に、本発明の高分子化合物においては、使用するポリヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は低分子量や高分子量のポリマーが存在するために架橋数の設計ができずらく、同じ性能を持ったレジスト材料を製造するのが困難となる場合がある。それ故、パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分子量分布の影響が大きくなり易いことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、使用するヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸エステルの共重合体の分子量分布は1.0〜2.0、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。
【0045】
本発明の式(1)、(2)の高分子化合物の混合物は、化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして有効であり、本発明は、この高分子混合物をベースポリマーとする下記化学増幅ポジ型レジスト材料を提供する。
I.(A)有機溶剤
(B)ベース樹脂として一般式(1)と一般式(2)の高分子混合物
(C)酸発生剤
を含有してなることを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
II.(A)有機溶剤
(B)ベース樹脂として一般式(1)と一般式(2)の高分子混合物
(C)酸発生剤
(D)溶解制御剤
を含有してなることを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
III.更に、(E)添加剤として塩基性化合物を配合したことを特徴とするI又はII記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
【0046】
本発明の化学増幅ポジ型レジスト材料において、(A)成分の有機溶剤としては、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸3−メトキシブチル、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、3−エトキシエチルプロピオネート、3−エトキシメチルプロピオネート、3−メトキシメチルプロピオネート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ジアセトンアルコール、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、γブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、テトラメチレンスルホン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましいものは、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、乳酸アルキルエステルである。これらの溶剤は単独でも2種以上混合してもよい。好ましい混合溶剤の例はプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートと乳酸アルキルエステルである。なお、本発明におけるプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートのアルキル基は炭素数1〜4のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好適である。また、このプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートには1,2置換体と1,3置換体があり、置換位置の組み合わせで3種の異性体があるが、単独あるいは混合物のいずれの場合でもよい。
【0047】
また、上記の乳酸アルキルエステルのアルキル基は炭素数1〜4のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、中でもメチル基、エチル基が好適である。
【0048】
溶剤としてプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートを添加する際には全溶剤に対して50重量%以上とすることが好ましく、乳酸アルキルエステルを添加する際には全溶剤に対して50重量%以上とすることが好ましい。また、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートと乳酸アルキルエステルの混合溶剤を溶剤として用いる際には、その合計量が全溶剤に対して50重量%以上であることが好ましい。この場合、更に好ましくは、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートを60〜95重量%、乳酸アルキルエステルを5〜40重量%の割合とすることが好ましい。プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが少ないと、塗布性劣化等の問題があり、多すぎると溶解性不十分、パーティクル、異物の発生の問題がある。乳酸アルキルエステルが少ないと溶解性不十分、パーティクル、異物の増加等の問題があり、多すぎると粘度が高くなり塗布性が悪くなる上、保存安定性の劣化等の問題がある。
【0049】
これら溶剤の添加量は化学増幅ポジ型レジスト材料の固形分100重量部に対して300〜2,000重量部、好ましくは400〜1,000重量部であるが、既存の成膜方法で可能な濃度であればこれに限定されるものではない。
【0050】
(C)成分の光酸発生剤としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもかまわない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド型酸発生剤等がある。以下に詳述するがこれらは単独或いは2種以上混合して用いることができる。
【0051】
スルホニウム塩はスルホニウムカチオンとスルホネートの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
【0052】
ヨードニウム塩はヨードニウムカチオンとスルホネートの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
【0053】
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル−2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニルカルボニルジアゾメタンが挙げられる。
【0054】
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
【0055】
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレート、ベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
【0056】
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基の全てをトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
【0057】
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
【0058】
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−(シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
【0059】
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤の例としては、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキシルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。
【0060】
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミドである。
【0061】
ポリマーに用いられる酸不安定基の切れ易さ等により最適な発生酸のアニオンは異なるが、一般的には揮発性がないもの、極端に拡散性の高くないものが選ばれる。この場合好適なアニオンは、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンである。
【0062】
本発明の化学増幅ポジ型レジスト材料における光酸発生剤(C)の添加量としては、レジスト材料中の固形分100重量部に対して0〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。上記光酸発生剤(C)は単独又は2種以上混合して用いることができる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
【0063】
(D)成分の溶解制御剤としては、重量平均分子量が100〜1,000で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均10〜100モル%の割合で置換した化合物が好ましい。なお、上記化合物の重量平均分子量は100〜1,000、好ましくは150〜800である。溶解制御剤の配合量は、ベース樹脂100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が少ないと解像性の向上がない場合があり、多すぎるとパターンの膜減りが生じ、解像度が低下する傾向がある。
【0064】
このような好適に用いられる(D)成分の溶解制御剤の例としては、ビス(4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(2’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)メタン、ビス(4−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロピラニルオキシ))プロパン、2,2−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−tert−ブトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−(1’’−エトキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−(1’’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)プロパン、4,4−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−(2’’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−tert−ブトキシフェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−(1’’−エトキシエトキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、4,4−ビス(4’−(1’’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)吉草酸tertブチル、トリス(4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(2’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルフェニル)メタン、トリス(4−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、1,1,2−トリス(4’−(2’’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(2’’−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)エタン等が挙げられる。
【0065】
(E)成分の塩基性化合物は、光酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適しており、このような塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0066】
このような(E)成分の塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
【0067】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0068】
また、混成アミン類としては、例えば、ジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えば、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えば、ピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えば、オキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えば、チアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えば、ピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えば、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えば、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えば、キノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0069】
更に、カルボキシル基を有する含窒素化合物としては、例えば、アミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えば、ニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン等)などが例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として、3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
【0070】
更に、このヒドロキシル基を有する含窒素化合物のヒドロキシル基の水素原子の一部あるいは全部をメチル基、エチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、アセチル基、エトキシエチル基等で置換した化合物が挙げられ、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのメチル置換体、アセチル置換体、メトキシメチル置換体、メトキシエトキシメチル置換体が好ましく用いられる。具体的にはトリス(2−メトキシエチル)アミン、トリス(2−エトキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メトキシ}エチル]アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミンが挙げられる。
【0071】
なお、塩基性化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、レジスト材料中の固形分100重量部に対して0〜2重量部、特に0.01〜1重量部を混合したものが好適である。配合量が2重量部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0072】
本発明の化学増幅ポジ型レジスト材料中には、更に、塗布性を向上させるための界面活性剤を加えることができる。
【0073】
界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステリアルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(トーケムプロダクツ)、メガファックF171,F172,F173(大日本インキ化学工業)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム)、アサヒガードAG710,サーフロンS−381,S−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106、サーフィノールE1004,KH−10,KH−20,KH−30,KH−40(旭硝子)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341,X−70−092,X−70−093(信越化学工業)、アクリル酸系又はメタクリル酸系ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業)が挙げられ、中でもFC430、サーフロンS−381、サーフィノールE1004,KH−20,KH−30が好適である。これらは単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0074】
本発明の化学増幅ポジ型レジスト材料中の界面活性剤の添加量としては、レジスト材料組成物中の固形分100重量部に対して2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
【0075】
本発明の(A)有機溶剤と、(B)上記一般式(1)と(2)で示される高分子化合物の混合物と、(C)酸発生剤を含む化学増幅ポジ型レジスト材料を種々の集積回路製造に用いる場合は、特に限定されないが公知のリソグラフィー技術を用いることができる。
【0076】
集積回路製造用の基板(Si,SiO2,SiN,SiON,TiN,WSi,BPSG,SOG,有機反射防止膜等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.1〜2.0μmとなるように塗布し、ホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜120℃、1〜5分間プリベークする。次いで、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線などから選ばれる光源、好ましくは300nm以下の露光波長で目的とするパターンを所定のマスクを通じて露光を行う。露光量は1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように露光することが好ましい。ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。
【0077】
更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明のレジスト材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜193nmの遠紫外線、157nmの真空紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線による微細パターンニングに最適である。また、上記範囲を上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
【0078】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例、参考例、比較例]
表1及び表2に示す化学増幅ポジ型レジスト材料を調製した。なお、表1、2に示すレジスト組成物の成分は次の通りである。
重合体A:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基を1−エトキシエチル基15モル%、tert−ブトキシカルボニル基15モル%づつ保護した、重量平均分子量12,000の重合体。
重合体B:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基を1−エトキシエチル基25モル%、更に1,4−ブタンジオールジビニルエーテルで3モル%架橋した、重量平均分子量13,000の重合体。
重合体C:ポリp−ヒドロキシスチレンの水酸基を1−エトキシエチル基30モル%保護した、重量平均分子量12,000の重合体。
重合体D:p−ヒドロキシスチレンと1−エチルシクロペンチルメタクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が72:28であり、更にp−ヒドロキシスチレン部分が1,4−ブタンジオールジビニルエーテルで2モル%架橋した、重量平均分子量11,000の重合体。
重合体E:p−ヒドロキシスチレンと1−エチルシクロペンチルメタクリレートと、イソボロニルアクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が73:22:5であり、更に重量平均分子量16,000の重合体。
重合体F:p−ヒドロキシスチレンと1−エチルシクロペンチルメタクリレートと、1−テトラヒドロフラニルメチルメタクリレートのコポリマーで、その組成比(モル比)が68:27:5であり、更に重量平均分子量16,000の重合体。
PAG1:4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホン酸トリフェニルスルホニウム
PAG2:4−(4’−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホン酸(4−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウム
PAG3:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン
PAG4:ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン
溶解制御剤A:ビス(4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン
塩基性化合物A:トリス(2−メトキシエチル)アミン
界面活性剤A:FC−430(住友スリーエム社製)
界面活性剤B:サーフロンS−381(旭硝子社製)
溶剤A:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
溶剤B:乳酸エチル
【0079】
【表1】
Figure 0003821210
【0080】
【表2】
Figure 0003821210
【0081】
得られたレジスト材料を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過した後、このレジスト液をシリコーンウェハー上へスピンコーティングし、0.6μmに塗布した。
【0082】
次いで、このシリコーンウェハーを100℃のホットプレート上で90秒間ベークした。更に、エキシマレーザーステッパー(ニコン社、NSR2005EXNA=0.5)を用いて露光し、110℃で90秒間ベーク(PEB:post exposure bake)を施し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現像を行うと、ポジ型のパターン(実施例1〜4、比較例1〜5)を得ることができた。
【0083】
得られたレジストパターンを次のように評価した。
レジストパターン評価方法:
0.24μmのラインアンドスペースのトップとボトムを1:1で解像する露光量を最適露光量(感度:Eop)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。また、解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕微鏡を用いてレジスト断面を観察した。
なお、レジストのPED安定性は、最適露光量で露光後、24時間の放置後PEB(post exposure bake)を行い、線幅の変動値で評価した。この変動値が少ないほどPED安定性に富む。
【0084】
レジストパターン評価結果を表3に示す。
パターン評価以外の評価方法:
レジスト材料の現像後の膜厚減少に関しては、走査型電子顕微鏡を用いて未露光部のレジスト断面を観察、測定し、現像前の塗布膜厚(0.6μm)に対して、膜厚の減少が0.5%以内(0.003μm以内)であるとき良好、1%以内であるときやや悪、それ以上であるとき悪と表記した。更に現像後のドライエッチング耐性は、実際にエッチングを行い、その後のパターン形状を、走査型電子顕微鏡を用いてレジスト断面を観察し、比較して良好なレジストと、不良なレジストとに区別した。
なお、エッチングは、以下に示した条件で行った。
Figure 0003821210
【0085】
【表3】
Figure 0003821210
【0086】
【発明の効果】
本発明の化学増幅型レジスト材料は、ポリヒドロキシスチレン誘導体と、ヒドロキシスチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、特に三成分共重合体の両方をベース樹脂としてレジスト材料に配合することにより、従来のレジスト材料を上回る、ドライエッチング耐性、高感度及び高解像度、プロセス適応性を有し、アルカリ水溶液による現像後のパターン膜厚の減少が改善された、化学増幅ポジ型レジスト材料を与えることが可能である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量が1,000〜500,000である高分子化合物と、下記一般式(2)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量が1,000〜500,000である高分子化合物との高分子混合物を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト材料。
    Figure 0003821210
    (式中、Rは水酸基又はOR3基を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、R3、R4は酸不安定基を示し、R5はメチル基又はエチル基を示す。Zは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。また、xは0又は正の整数、yは正の整数であり、x+y≦5を満足する数であり、mは0又は正の整数であり、nは正の整数であり、m+n≦5を満足する数である。p、sは正数、q、rは0又は正数であり、0<(q+r)/(p+q+r+s)≦0.8、0.01≦s/(p+q+r+s)≦0.1、p+q+r+s=1を満足する数である。)
    Figure 0003821210
    (式中、R6、R7、R8は水素原子又はメチル基を示し、R9はメチル基又はエチル基を示す。Eは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R10は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は酸素原子もしくは硫黄原子を含む炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R11は炭素数1〜20の三級アルキル基を示す。kは0又は正の整数であり、k≦5を満足する数である。t、wは正数であり、uは正数、vは0又は正数であ、t+u+v+w=1を満足する数である。)
  2. 一般式(1)中のR3,R4が、下記式(3)又は(4)
    Figure 0003821210
    (式(3)中、R12、R13は水素原子、又は炭素数1〜18の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、R14は炭素数1〜18のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基であり、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基又はアルキルアミノ基で置換されていてもよい。また、R12とR13、R12とR14、R13とR14とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR12、R13、R14はそれぞれ炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
    Figure 0003821210
    (式(4)中、R15、R16は前記R12、R13と同様の基であり、R17は炭素数4〜40の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は前記一般式(3)で示される基を示す。aは0〜6の整数である。)
    で示される酸不安定基である請求項1記載の化学増幅型レジスト材料。
  3. 一般式(2)中のR11が、下記式(5)又は(6)
    Figure 0003821210
    (但し、式中R18は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビニル基、アセチル基、フェニル基又はシアノ基であり、bは0〜3の整数である。)
    Figure 0003821210
    (但し、式中R19は、イソプロピル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビニル基、アセチル基、フェニル基又はシアノ基である。)
    で示される三級アルキル基である請求項1又は2記載の化学増幅型レジスト材料。
  4. (A)有機溶剤
    (B)ベース樹脂として請求項1,2又は3記載の高分子混合物
    (C)酸発生剤
    を含有してなることを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
  5. (A)有機溶剤
    (B)ベース樹脂として請求項1,2又は3記載の高分子混合物
    (C)酸発生剤
    (D)溶解制御剤
    を含有してなることを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
  6. 更に、(E)添加剤として塩基性化合物を配合したことを特徴とする請求項又は記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
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