JP3819835B2 - ガス用減圧弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイヤフラム式アクチュエータとそのダイヤフラム式アクチュエータで駆動される弁部とで構成されるガス用減圧弁に関し、特にダイヤフラム式アクチュエータが、支持ケースと、その支持ケースに周縁部を挟持され圧力室の流体圧を一面に作用せしめるダイヤフラムと、前記支持ケースの一部を構成する円筒部内に形成されて前記ダイヤフラムの他面を臨ませたばね室と、そのばね室に収納されて前記圧力室の容積を減少させる側に前記ダイヤフラムを付勢するコイルばねとを備え、そのコイルばねを受けるばね受けワッシャが、該コイルばねのばね力を調節すべく前記円筒部に螺合されるアジャストボルトに当接されるものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなダイヤフラム式アクチュエータを備えたガス用減圧弁は、たとえば下記特許文献1等で既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−270716号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アジャストボルトは、コイルばねのばね力を調節するためのものであり、組立時にアジャストボルトを締め付けたり、緩めたりしてコイルばねのばね力を調節するのであるが、アジャストボルトの回転作動によってコイルばねの端部でばね受けワッシャが齧られる事象が生じ、再調整が不能となる場合があり、製品歩留りを低下させる原因となっている。またばね受けワッシャが齧られることで切粉が生じ、その切粉にコイルばねの端部が乗り上げてしまい、ダイヤフラムの作動精度が低下してしまう場合もある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、アジャストボルトによるコイルばねのばね力調整によってもばね受けワッシャが齧られることのないようにしたダイヤフラム式アクチュエータを備えたガス用減圧弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ダイヤフラム式アクチュエータと、そのダイヤフラム式アクチュエータで駆動される弁部とで構成されるガス用減圧弁であって、該ダイヤフラム式アクチュエータが、支持ケースと、その支持ケースに周縁部を挟持され圧力室の流体圧を一面に作用せしめるダイヤフラムと、前記支持ケースの一部を構成する円筒部内に形成されて前記ダイヤフラムの他面を臨ませたばね室と、そのばね室に収納されて前記圧力室の容積を減少させる側に前記ダイヤフラムを付勢するコイルばねとを備え、そのコイルばねを受けるばね受けワッシャが、該コイルばねのばね力を調節すべく前記円筒部に螺合されるアジャストボルトに当接されるものにおいて、前記アジャストボルトの回動作動時に前記コイルばねの端部で前記ばね受けワッシャが齧られないように、そのばね受けワッシャの表面にダイヤモンド・ライク・カーボン層が形成されることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、ダイヤモンド・ライク・カーボン層は、ダイヤモンドに類似した高硬度のカーボン薄膜であって優れた摺動性および耐摩耗性を発揮するものであるので、アジャストボルトの回動作動時にコイルばねの端部でばね受けワッシャが齧られることがないようにすることができ、これにより、製品歩留りを向上せしめることができ、しかもばね受けワッシャでの齧りに因る切粉の発生を防止することでコイルばねの切粉への乗り上げを防止してダイヤフラムの作動精度を高めることができるから、ガス用減圧弁での流量ばらつきを大幅に低減できて、そのガス用減圧弁の流量制御精度の向上を図ることができる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、ダイヤフラム式アクチュエータと、そのダイヤフラム式アクチュエータで駆動される弁部とで構成されるガス用減圧弁であって、該ダイヤフラム式アクチュエータが、支持ケースと、その支持ケースに周縁部を挟持され圧力室の流体圧を一面に作用せしめるダイヤフラムと、前記支持ケースの一部を構成する円筒部内に形成されて前記ダイヤフラムの他面を臨ませたばね室と、そのばね室に収納されて前記圧力室の容積を減少させる側に前記ダイヤフラムを付勢するコイルばねとを備え、そのコイルばねを受けるばね受けワッシャが、該コイルばねのばね力を調節すべく前記円筒部に螺合されるアジャストボルトに当接されるものにおいて、前記アジャストボルトの回動作動時に前記コイルばねの端部で前記ばね受けワッシャが齧られないように、そのばね受けワッシャの表面に、シリコン膜またはクロム膜と、シリコン膜またはクロム膜を覆うダイヤモンド・ライク・カーボン層とが形成されることを特徴とする。
【0009】
このような請求項2記載の発明の構成によれば、シリコン膜はカーボン薄膜であるダイヤモンド・ライク・カーボン層と膨張係数がほぼ等しいものであり、またクロム膜は母材との密着性が優れるだけでなくダイヤモンド・ライク・カーボンのクロム膜側境界に生じる炭化物との間の投錨効果によってダイヤモンド・ライク・カーボン層との密着性が優れており、そのようなシリコン膜またはクロム膜を、ばね受けワッシャの表面との間に介在するようにしてダイヤモンド・ライク・カーボン層が形成されるので、ダイヤモンド・ライク・カーボン層を、ばね受けワッシャの表面に確実に形成することが可能である。しかもダイヤモンド・ライク・カーボン層は、ダイヤモンドに類似した高硬度のカーボン薄膜であって優れた摺動性および耐摩耗性を発揮するものであるので、アジャストボルトの回動作動時にコイルばねの端部でばね受けワッシャが齧られることがないようにすることができ、これにより、製品歩留りを向上せしめることができ、しかもばね受けワッシャでの齧りに因る切粉の発生を防止することでコイルばねの切粉への乗り上げを防止してダイヤフラムの作動精度を高めることができるから、ガス用減圧弁での流量ばらつきを大幅に低減できて、そのガス用減圧弁の流量制御精度の向上を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図8は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は燃料ガス供給装置の構成を概略的に示す図、図2は一次減圧弁の縦断面図、図3は一次減圧弁が備えるリーフばねの平面図、図4は図3の4ー4線断面図、図5は図2の要部拡大図、図6はばね受けワッシャの齧り率を従来のものと対比して示す図、図7は部品交換率を従来のものと対比して示す図、図8は一次減圧弁の流量ばらつきを従来のものと対比して示す図である。
【0012】
先ず図1において、圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas:以下、CNGと言う)が、1または複数のCNGタンク20…にたとえば25〜1MPaの高圧で貯溜されており、それらのCNGタンク20…がそれぞれ備える容器遮断弁21…が、充填口22に逆止弁23を介して共通に接続されるとともに、手動遮断弁24に共通に接続され、各容器遮断弁21…および手動遮断弁24間の管路25には、圧力センサ26および温度センサ27が付設される。
【0013】
容器遮断弁21…および手動遮断弁24の開弁時に前記CNGタンク20…からのCNGは、CNGタンク20…へのコンプレッサによるCNGの充填時に混入する可能性のあるオイルを除去するためのオイルフィルタ29を備える高圧管路28を介してレギュレータRAに導かれ、該レギュレータRAでたとえば0.6〜0.7MPaに減圧されたCNGが、低圧フィルタ30を経て二次減圧弁31に導かれ、二次減圧弁31でたとえば0.2〜0.3MPaに減圧されたCNGが、エンジンEのインジェクタ32に管路33を介して導かれ、管路33には、温度センサ34および圧力センサ35が付設される。
【0014】
レギュレータRAは、温水通路37を有する共通のレギュレータボディ38に、高圧フィルタ39、電磁遮断弁40および一次減圧弁41が配設されて成るものであり、圧力スイッチ42が該レギュレータRAに付設される。
【0015】
高圧フィルタ39は、手動遮断弁24から高圧管路28を介して導かれるCNGに含まれる不純物を除去するものである。また一次減圧弁41は、高圧フィルタ39で不純物が除去された25〜1MPaの高圧のCNGを、たとえば0.6〜0.7MPaに減圧するように作動し、電磁遮断弁40は、エンジンEの運転停止時や圧力スイッチ42からの信号出力に伴って遮断すべく高圧フィルタ39および一次減圧弁41間に介設される。さらに圧力スイッチ42は、一次減圧弁41で減圧されたCNGが、たとえば予め設定された設定圧たとえば1.65MPa以上となるのに応じてスイッチング態様を変化させ、前記電磁遮断弁40を遮断させる信号を出力する。
【0016】
レギュレータボディ38の温水通路37には、一次減圧弁41での減圧作用に伴ってレギュレータボディ38の温度が低下し過ぎないようにするために、エンジンEからエンジン冷却水が導入されるのであるが、レギュレータボディ38とは別に配置されたサーモスタット43が、温水通路37を流通するエンジン冷却水がたとえば70℃を超えたときに閉弁するようにしてレギュレータボディ38の温度が上昇しすぎないようにする。
【0017】
図2において、一次減圧弁41は、ダイヤフラム式アクチュエータAと、該ダイヤフラム式アクチュエータAで駆動される弁部Vとで構成される。ダイヤフラム式アクチュエータAは、支持ケース90で周縁部が挟持されるダイヤフラム93と、支持ケース90およびダイヤフラム93間に介装されるコイルばね116と、一部を支持ケース90に摺接させるようにしてダイヤフラム93の中央部に保持されるリーフばね132とを備える。また弁部Vは、レギュレータボディ38に固定される弁座部材98と、該弁座部材98に着座可能な弁体106と、弁体106を弁座部材98の弁座105に着座させる方向に付勢するばね112とを備える。
【0018】
支持ケース90は、アルミニウム合金から成るレギュレータボディ38と、該レギュレータボディ38の一端面50に複数のボルト92…で締結されるアルミニウム合金製のカバー91とで構成されるものであり、レギュレータボディ38の一端面50と、円筒部91aを有するカバー91との間にゴム製のダイヤフラム93の周縁部が挟持される。
【0019】
レギュレータボディ38の一端面50には、ダイヤフラム93の一面との間に圧力室としての減圧室94を形成する凹部95が設けられており、レギュレータボディ38には、減圧室94の中心部に一端を開口せしめる取付け孔97が設けられる。この取付け孔97は、凹部95の閉塞端中央部に一端を開口する第1孔部97aと、第1孔部97aよりも小径にして第1孔部97aの他端に一端が同軸に連なる第2孔部97bと、第2孔部97bよりも小径にして第2孔部97bの他端に一端が同軸に連なる第3孔部97cと、第3孔部97cよりも小径にして第3孔部97cの他端に一端が同軸に連なる第4孔部97dとで構成され、一次減圧弁41の出力側の圧力を圧力スイッチ42で検出するための検出孔136が第4孔部97dに同軸に連なるようにしてレギュレータボディ38に設けられ、また電磁遮断弁40からCNGを導く通路80が第2孔部97bの内面に開口するようにしてレギュレータボディ38に設けられる。
【0020】
取付け孔97における第1孔部97aには、円筒状である弁座部材98が、第1および第2孔部97a,97b間の段部との間に環状のシール部材99を挟むようにして螺合される。すなわち取付け孔97における第1孔部97aの一端側内面には雌ねじ100が刻設されており、該雌ねじ100に弁座部材98が螺合される。
【0021】
弁座部材98の減圧室94側の端面には、取付け孔97の軸線に直交する平面内で弁座部材98の半径方向に延びる複数たとえば4つの溝101…を相互間に形成する複数たとえば4つの突部102…が突設されており、それらの溝101…は十字状に配置される。而して弁座部材98の雌ねじ100への螺合時には、十字状に配置された溝101…に図示しない工具を係合して弁座部材98を回転操作することが可能であり、弁座部材98をレギュレータボディ38に容易に取付けることができる。
【0022】
弁座部材98と、取付け孔97における第2および第3孔部97b,97c間の段部との間には前記通路80に通じる弁室103が形成される。また弁座部材98は、その減圧室94側の端部で半径方向内方に張出す内向き鍔98aを一体に備えるものであり、該内向き鍔98aの内周で減圧室94に通じる弁孔104が形成され、内向き鍔98aの内面には、前記弁孔104を中央部に開口させて弁室103に臨むテーパ状の弁座105が形成される。
【0023】
弁室103内には前記弁座105に着座可能な合成樹脂製の弁体106が収納され、該弁体106は、弁孔104と同軸に配置される弁軸107に固定される。
【0024】
弁体106は、テーパ状である弁座105に着座すべく該弁座105に対向する一端面をテーパ状にして円筒状に形成されるものであり、弁軸107が弁体106に弾発的に嵌合されることにより、弁軸107に固定される。しかも弁軸107の外面には、弁体106の内面に弾発的に接触するOリング108が装着されている。
【0025】
弁軸107の一端部は、取付け孔97における第3孔部97cの内面との間に介装せしめたOリング109により軸方向の移動を可能としてレギュレータボディ38に支承される。また弁体106の外面は、弁座部材98の内面にその周方向に等間隔をあけた複数箇所で摺接しており、それらの摺接部相互間で弁体106および弁座部材98間には弁軸107の軸方向に沿って延びる流通路110…が形成される。
【0026】
取付け孔97における第3および第4孔部97c,97d間の段部との間に前記Oリング109を保持するための保持板111が、第2および第3孔部97b,97c間の段部に当接されており、この保持板111と弁体106との間に、弁体106を弁座105に着座させる方向のばね力を発揮するばね112が設けられる。
【0027】
カバー91およびダイヤフラム93間には、ダイヤフラム93の他面を臨ませるばね室115が形成され、該ばね室115には、ダイヤフラム93を減圧室94側に付勢するコイルばね116が収納される。
【0028】
カバー91の円筒部91a内には、弁孔104と同軸に延びる収納孔117が外端を開口するようにして設けられており、該収納孔117は、軸方向外方側のねじ孔部117aと、該ねじ孔部117aよりも大径としてねじ孔部117aに同軸に連なる軸方向内方側の摺動孔部117bとから成る。
【0029】
ダイヤフラム93の中央部の減圧室94側に臨む面には、ダイヤフラム93の中心部を貫通してばね室115側に突出する円筒部118aを一体に有する第1ダイヤフラムリテーナ118が当接され、ダイヤフラム93の中央部のばね室115側に臨む面には、前記円筒部118aの外面に設けられる環状段部119に内周を係合せしめてダイヤフラム93の中央部を第1ダイヤフラムリテーナ118との間に挟み込む第2ダイヤフラムリテーナ120が当接される。
【0030】
弁軸107の他端部すなわちダイヤフラム93側の端部にはダイヤフラムロッド121に同軸に締結されており、このダイヤフラムロッド121が、第1ダイヤフラムリテーナ118の中央部に減圧室94側から挿入される。第1ダイヤフラムリテーナ118における円筒部118aの内面には、減圧室94側に臨む環状段部122が設けられ、ダイヤフラムロッド121は該環状段部122に係合される。また第2ダイヤフラムリテーナ120は、ダイヤフラム93および補助リテーナ123間に挟まれており、円筒部118aからの突出部分でダイヤフラムロッド121に設けられたねじ軸部121aに、前記補助リテーナ123との間にワッシャ124…を介在させたナット125が螺合され、このナット125を締付けることにより、ダイヤフラム93の中央部を両ダイヤフラムリテーナ118,120で挟むとともに、ダイヤフラム93の中央部に弁軸107が固定されることになる。しかも減圧室94およびばね室115間をシールするために、ダイヤフラムロッド121の外周に装着されたOリング126が円筒部118aの内面に弾発的に接触する。
【0031】
収納孔117の外端開口部すなわちねじ孔部117aには、アルミニウム合金から成るアジャストボルト127が進退可能に螺合され、アジャストボルト127のカバー91からの突出部には、アジャストボルト127の進退位置を調節するためのロックナット128が螺合される。またアジャストボルト127には、ばね室115を大気に開放するための開放孔129が設けられる。
【0032】
ステンレス鋼たとえばSUS304(JIS)から成るコイルばね116は、前記アジャストボルト127の内面に当接されるステンレス鋼たとえばSUS304(JIS)製のばね受けワッシャ130と、ばね室115側でダイヤフラム93に装着される補助リテーナ123に当接されるリーフばね132との間に縮設される。したがってアジャストボルト127の進退位置を調節することにより、コイルばね116のばね荷重を調節することができる。
【0033】
図3および図4を併せて参照して、リーフばね132は、支持ケース90の一部である円筒部91aの内面に摩擦接触することでダイヤフラム93に摺動抵抗を付与するためのものであり、ばね室115側でダイヤフラム93の中央部に装着される補助リテーナ123およびコイルばね116間に閉塞端が挟まれる有底円筒状のカップ部132aと、前記円筒部91aにおける摺動孔117bの内面の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば8箇所に弾発的に摺接するようにして前記カップ部132aの開口端に一体に連設される複数のリーフ部132b,132b…とを一体に有して、ステンレス鋼たとえばSUS304(JIS)により形成される。
【0034】
レギュレータボディ38には、減圧室94に一端を通じさせる複数の出口通路133…が取付け孔97と平行に穿設されており、これらの出口通路133…は低圧フィルタ30(図1参照)に接続される。
【0035】
このような一次減圧弁41において、弁室103に高圧のCNGが流入していない状態では、コイルばね116のばね力によりダイヤフラム93が減圧室94側に撓んでおり、弁体106は弁座105から離反して弁孔104を開口せしめている。而して弁室103に流入した高圧のCNGが弁孔104から減圧室94側に流入し、減圧室94の圧力が、コイルばね116のばね力に抗してダイヤフラム93をばね室115側に撓ませる程度に増大すると、弁体106が弁座105に着座して弁孔104が閉鎖されることになり、そのような弁孔104の開放・閉鎖が繰り返されることにより、たとえば25〜1MPaの高圧で弁室103に流入したCNGが、たとえば0.6〜0.7MPaに減圧されて減圧室94から出口通路133…へと流れることになる。
【0036】
ところで、アジャストボルト127は、コイルばね116のばね力を調節するためのものであり、組立時にアジャストボルト127を締め付けたり、緩めたりしてコイルばね116のばね力を調節するのであるが、その際、アジャストボルト127の回転作動によってコイルばね116の端部でばね受けワッシャ130が齧られる事象が生じないようにするために、ばね受けワッシャ130の表面には、図5で示すように、ダイヤモンド・ライク・カーボン層134が形成される。このダイヤモンド・ライク・カーボン層134は、ダイヤモンドに類似した高硬度のカーボン薄膜であり、たとえば0.2〜10μmの厚さを有するように形成される。但し、図5ではわかり易くするためにダイヤモンド・ライク・カーボン層134が、その厚みを誇張して描かれている。
【0037】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、一次減圧弁41のダイヤフラム式アクチュエータAにおいて、ばね受けワッシャ130の表面にダイヤモンド・ライク・カーボン層134が形成されている。
【0038】
このダイヤモンド・ライク・カーボン層134は、ダイヤモンドに類似した高硬度のカーボン薄膜であって優れた摺動性および耐摩耗性を発揮するものであるので、アジャストボルト127の回動作動時にコイルばね116の端部でばね受けワッシャ130が齧られることがないようにすることができ、製品歩留りを向上せしめることができるとともに切粉の発生を防止することでダイヤフラムの作動精度の向上を図ることができる。
【0039】
すなわちダイヤフラム式アクチュエータAをたとえば100個組み立てた際にばね受けワッシャ130に齧りが発生した割合は、図6で示すように、なんらの表面処理もばね受けワッシャ130に施されていなかった従来のものでは38%に達したのに対し、本発明のものでは0%であり、ばね受けワッシャ130に齧りが生じる事象が生じないようにすることができる。
【0040】
このような齧りに起因したばね受けワッシャ130の交換率 は、図7で示すように、従来のものでは齧りが生じたもののうち95%を交換したのに対し、本発明のものでは当然ながら0%であり、製品歩留りを著しく向上せしめることができることがわかる。また一次減圧弁41での流量ばらつきは、図8で示すように、従来のものが−4〜+5%の範囲であるのに対し、本発明のものでは−1〜+2%と大幅に低減されており、ばね受けワッシャ130での齧りによる切粉の発生を防止することで、コイルばね116の切粉への乗り上げを防止し、それによりダイヤフラム式アクチュエータAの作動精度を高め、ひいては一次減圧弁41の流量制御精度の向上を図ることができることがわかる。
【0041】
上記第1実施例では、ばね受けワッシャ130の表面に、ダイヤモンド・ライク・カーボン層134が直接形成されていたが、図9で示す第2実施例のように、ばね受けワッシャ130の表面に、シリコン膜135と、該シリコン膜135を覆うダイヤモンド・ライク・カーボン層134とが形成されるようにしてもよい。
【0042】
シリコン膜135は、カーボン薄膜であるダイヤモンド・ライク・カーボン層134と膨張係数がほぼ等しいものであり、たとえば0.1〜2μmの範囲の厚さを有するように形成される。但し、図9ではわかり易くするためにダイヤモンド・ライク・カーボン層134およびシリコン膜135が、それらの厚みを誇張して描かれている。
【0043】
この第2実施例によれば、ダイヤモンド・ライク・カーボン層134と膨張係数がほぼ等しいシリコン膜135を、ばね受けワッシャ130の表面との間に介在するようにしてダイヤモンド・ライク・カーボン層134が形成されるので、ダイヤモンド・ライク・カーボン層134をばね受けワッシャ130の表面に確実に形成することが可能である。
【0044】
本発明の他の実施例として、上記実施例のシリコン膜135に代えてクロム膜を用いるようにしてもよい。この場合、クロム膜は母材との密着性が優れるだけでなくダイヤモンド・ライク・カーボンのクロム膜側境界に生じる炭化物との間の投錨効果によってダイヤモンド・ライク・カーボン層134との密着性が優れており、ばね受けワッシャ130の表面との間にクロム膜を介在するようにしてダイヤモンド・ライク・カーボン層134を形成することで、ダイヤモンド・ライク・カーボン層134を、ばね受けワッシャ130の表面に確実に形成することが可能である。
【0045】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、アジャストボルトの回動作動時にコイルばねの端部でばね受けワッシャが齧られることがないようにすることができ、これにより、製品歩留りを向上せしめることができ、しかもばね受けワッシャでの齧りに因る切粉の発生を防止することでコイルばねの切粉への乗り上げを防止してダイヤフラムの作動精度を高めることができるから、ガス用減圧弁での流量ばらつきを大幅に低減できて、そのガス用減圧弁の流量制御精度の向上を図ることができる。
【0047】
また請求項2記載の発明によれば、ダイヤモンド・ライク・カーボン層を、ばね受けワッシャの表面に確実に形成することが可能であり、しかもアジャストボルトの回動作動時にコイルばねの端部でばね受けワッシャが齧られることがないようにすることができ、これにより、製品歩留りを向上せしめることができ、しかもばね受けワッシャでの齧りに因る切粉の発生を防止することでコイルばねの切粉への乗り上げを防止してダイヤフラムの作動精度を高めることができるから、ガス用減圧弁での流量ばらつきを大幅に低減できて、そのガス用減圧弁の流量制御精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料ガス供給装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】 一次減圧弁の縦断面図である。
【図3】 一次減圧弁が備えるリーフばねの平面図である。
【図4】 図3の4ー4線断面図である。
【図5】 図2の要部拡大図である。
【図6】 ばね受けワッシャの齧り率を従来のものと対比して示す図である。
【図7】 部品交換率を従来のものと対比して示す図である。
【図8】 一次減圧弁の流量ばらつきを従来のものと対比して示す図である。
【図9】 第2実施例の図5に対応した断面図である。
【符号の説明】
94・・・圧力室としての減圧室
93・・・ダイヤフラム
90・・・支持ケース
115・・ばね室
116・・コイルばね
91a・・円筒部
130・・ばね受けワッシャ
127・・アジャストボルト
134・・ダイヤモンド・ライク・カーボン層
135・・シリコン膜
V・・・・弁部
Claims (2)
- ダイヤフラム式アクチュエータ(A)と、そのダイヤフラム式アクチュエータ(A)で駆動される弁部(V)とで構成されるガス用減圧弁であって、
該ダイヤフラム式アクチュエータ(A)が、支持ケース(90)と、その支持ケース(90)に周縁部を挟持され圧力室(94)の流体圧を一面に作用せしめるダイヤフラム(93)と、前記支持ケース(90)の一部を構成する円筒部(91a)内に形成されて前記ダイヤフラム(93)の他面を臨ませたばね室(115)と、そのばね室(115)に収納されて前記圧力室(94)の容積を減少させる側に前記ダイヤフラム(93)を付勢するコイルばね(116)とを備え、そのコイルばね(116)を受けるばね受けワッシャ(130)が、該コイルばね(116)のばね力を調節すべく前記円筒部(91a)に螺合されるアジャストボルト(127)に当接されるものにおいて、
前記アジャストボルト(127)の回動作動時に前記コイルばね(116)の端部で前記ばね受けワッシャ(130)が齧られないように、そのばね受けワッシャ(130)の表面にダイヤモンド・ライク・カーボン層(134)が形成されることを特徴とする、ガス用減圧弁。 - ダイヤフラム式アクチュエータ(A)と、そのダイヤフラム式アクチュエータ(A)で駆動される弁部(V)とで構成されるガス用減圧弁であって、
該ダイヤフラム式アクチュエータ(A)が、支持ケース(90)と、その支持ケース(90)に周縁部を挟持され圧力室(94)の流体圧を一面に作用せしめるダイヤフラム(93)と、前記支持ケース(90)の一部を構成する円筒部(91a)内に形成されて前記ダイヤフラム(93)の他面を臨ませたばね室(115)と、そのばね室(115)に収納されて前記圧力室(94)の容積を減少させる側に前記ダイヤフラム(93)を付勢するコイルばね(116)とを備え、そのコイルばね(116)を受けるばね受けワッシャ(130)が、該コイルばね(116)のばね力を調節すべく前記円筒部(91a)に螺合されるアジャストボルト(127)に当接されるものにおいて、
前記アジャストボルト(127)の回動作動時に前記コイルばね(116)の端部で前記ばね受けワッシャ(130)が齧られないように、そのばね受けワッシャ(130)の表面に、シリコン膜(135)またはクロム膜と、シリコン膜(135)またはクロム膜を覆うダイヤモンド・ライク・カーボン層(134)とが形成されることを特徴とする、ガス用減圧弁。
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