JP3819266B2 - 地磁気式進行方向決定方法、地磁気式移動体移動方法及び地磁気式進行方向決定装置 - Google Patents

地磁気式進行方向決定方法、地磁気式移動体移動方法及び地磁気式進行方向決定装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛行機、船、車両等の移動体が地球表層を目標位置(目標地点)に向かって移動する際に、地磁気に基づいて移動体の進行方向を決定するのに用いられる地磁気式進行方向決定方法及びこの方法を用いた地磁気式移動体移動方法並びにこの方法を実現するための地磁気式進行方向決定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶・航空機などの大型移動体を航行する際に、その進行方向を決定するために、人工衛星、電波標識などを用いた移動体の位置検出システムが採用されている。これら従来の位置検出システムでは、高度な計測器を用いて精密な位置評定を行なうため、磁気コンパスやジャイロコンパスなどを用いた方向制御と組合わせることにより、地球上の任意の地点への正確な航行が可能になる。しかしながら従来のシステムは、電波計測のために精密で複雑な計測機を必要とし、また深い水中やトンネル内などのように電波が到達できない場所では使用できないという問題がある。
【0003】
これに対して地磁気を用いたナビゲーションシステムは、移動距離計測と組合わせることにより、電波の届かない場所でも移動体の進行方向を決定することができる。
【0004】
車に搭載される地磁気を利用したナビゲーションシステムの場合には、地磁気は車が実際に進行している方向を検出するためだけに地磁気が利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の地磁気を利用したナビゲーションシステムの場合には、移動距離が長くなると、方向の誤差・移動距離の誤差が累積して正確な目標地点に到達することができないという課題がある。
【0006】
本発明は、遠方の目標地点(目標位置)であっても、あるいは位置標識電波が利用できない状況でも、目標地点への到達が可能な地磁気式進行方向決定方法及びこの方法を用いた地磁気式移動体移動方法並びにこの方法を実現するための地磁気式進行方向決定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
地磁気を利用する本発明は、大きく分けて3つのグループに分けられる。第1のグループに属する発明は地磁気と緯度及び経度を利用するものであり、第2のグループに属する発明は地磁気ベクトルを利用するものであり、第3のグループに属する発明は、地磁気ベクトルを利用し且つ目標位置の決定に永久磁石を利用するものである。以下各グループごと課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
[第1のグループに属する発明]
まず地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に移動体を移動させるために必要な移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法は、次のステップを構成要件とする。
【0009】
(1)第1のステップでは、地磁気を測定する地磁気測定手段及び地球上の所定地域の地磁気成分データが緯度及び経度毎に予め記憶されている地磁気成分データ記憶手段を移動体に搭載する。地磁気測定手段としては、公知の二軸磁気センサーや三軸磁気センサ等を用いることができる。また地磁気成分データ記憶手段に記憶しておく地磁気成分データとしては、理科年表等に開示されているデータ(水平分力、偏角等)を利用すればよい。
【0010】
(2)第2のステップでは、地磁気測定手段により地磁気成分を測定する。地磁気成分としては、例えば水平分力と磁場の方向または偏角の方向を測定する。
【0011】
(3)第3のステップでは、地磁気測定手段で測定した移動体の現在位置の地磁気成分と地磁気成分データ記憶手段に記憶されている地磁気成分データとを比較して、移動体の現在位置の緯度及び経度を判定する。例えば、水平分力と偏角が分かれば、理科年表に開示されている地磁気成分データを地磁気成分データ記憶手段に記憶させておくことにより、移動体の地理的な現在位置(緯度、経度)を知ることができる。
【0012】
(4)第4のステップでは、第3のステップで判定した現在位置の緯度及び経度と予め分かっている目標位置の緯度及び経度とから移動体の進行方向を決定する。
【0013】
この地磁気式進行方向決定方法を利用して地球上を移動する地磁気式移動体移動方法においては、上記(1)乃至(4)のステップにより進行方向を決定して、下記の(5)のステップを実行する。
【0014】
(5)現在位置の緯度及び経度が目標位置の緯度及び経度になるまで移動体を移動させる。目標位置に達する前に障害がある場合には、迂回をする必要性もある。その場合には、障害を避けて通るために、出発位置と目標位置との間に1以上の中間経由地(中間目標位置)を定め、この中間目標位置を目標位置として順次移動すれば、最終的な中間目標位置に到達することができる。
【0015】
地磁気の成分は、長期的(数百年〜万年)には大きく変化することが知られており、また短期的(数時間・日)には微小に変化する場合があることも知られている。しかし移動のために適用する時間(数日〜数ヶ月)内では一定と考えられる。例えば、理科年表に掲載される地磁気成分地図は、5年程度で校正されるが、この程度の期間内における校正が行われれば、特に問題はなく、この地磁気成分地図を用いることによって、現在の位置を累積誤差を生むことなく磁気的に同定することができる。したがってこの発明によれば、電波によらないで目的地への航行が可能となる。特に、地磁気成分は限定された範囲では、地理的な地図と類似の、地理的な地図と一対一に対応可能な磁気的に連続した地図を構成している。同一地磁気成分地図上にない遠隔の地が目標位置であっても、前述の目標位置の手前に障害がある場合と同様に、同一地磁気成分地図内に中間目標位置を設定し、順次中間目標に移動することにより、最終的に目標位置に到達することができる。
【0016】
上記発明の方法を実現するために用いる地磁気式進行方向決定装置は、地磁気成分を測定する地磁気測定手段と、地球上の所定地域の地磁気成分データが緯度及び経度を基準にして予め記憶されている地磁気成分データ記憶手段と、現在位置判定手段と、進行方向決定手段とから構成される。現在位置判定手段は、地磁気測定手段で測定した移動体の現在位置の地磁気成分と地磁気成分データ記憶手段に記憶されている地磁気成分データとを比較して、移動体の現在位置の緯度及び経度を判定するように構成されている。また進行方向決定手段は、現在位置判定手段で判定した現在位置の緯度及び経度と目標位置の緯度及び経度とから移動体の進行方向を決定するように構成されている。
【0017】
[第2のグループに属する発明]
第2のグループに属する発明では、地磁気ベクトルを利用する。地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に移動体を移動させるために必要な移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法では、次のステップを構成要件とする。
【0018】
(1)第1のステップでは、地磁気を測定する地磁気測定手段及び目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段を移動体に搭載する。
【0019】
(2)第2のステップでは、地磁気測定手段により地磁気成分を測定する。
【0020】
(3)第3のステップでは、地磁気測定手段が測定した地磁気成分から求めた移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)を求める。
【0021】
(4)第4のステップでは、前記差ベクトルが減少する方向を移動体の進行方向として決定する。差ベクトルが減少する方向は、移動体の方向を任意の方向に少しずつ変更することにより差ベクトルの変化方向を観察することにより決定することができる。移動体の方向変更は、操縦装置(船舶であれば舵、飛行体では尾翼、地中航走体は車輪の向きを変更する装置)を用いて、操縦者が行えばよい。
【0022】
この地磁気式進行方向決定方法を利用して地球上を移動する地磁気式移動体移動方法においても、上記(1)乃至(4)のステップにより進行方向を決定して、下記の(5)のステップを実行する。
【0023】
(5)前記差ベクトルが0になるまで移動体を移動させる。
【0024】
前述の通り、地磁気成分は限定された範囲では、地理的な地図と類似の、地理的な地図と一対一に対応可能な磁気的に連続した地図を構成している。したがって現在地と目的地の地図上に相異なる目標地点を選んで地磁気ベクトル(地磁気成分)の差を減少させる方向に移動体が移動することによって目標地点に到達する。この発明によれば、目標位置の地磁気ベクトルが地磁気成分地図により分かっていれば、現在位置の緯度及び経度が分からなくても、目標位置に到達することができる。
【0025】
上記発明の方法を実現するために用いる地磁気式進行方向決定装置は、地磁気成分を測定する地磁気測定手段と、地磁気測定手段が測定した地磁気成分から移動体の現在位置の地磁気ベクトルXを演算する地磁気ベクトル演算手段と、目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段と、地磁気ベクトル演算手段が出力する現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)を演算する差ベクトル演算手段と、差ベクトル演算手段が演算した差ベクトルが減少する方向を移動体の進行方向として決定する進行方向決定手段とを具備する。
【0026】
移動体(特に飛行機のような航行体)の進行方向を決定するための時間を短くして決定精度を高めるためには、上記進行方向決定方法を利用して、下記のようにするのが好ましい。
【0027】
(6a)現在位置を位置中心にして航行体を旋回させる。
【0028】
(6b)旋回中に地磁気測定手段が測定した地磁気成分から求めた航行体の複数の地磁気ベクトルXnと目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている地磁気ベクトルBとの差ベクトルCn(=B−Xn)を求める。
【0029】
(6c)そして差ベクトルが最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定する。
【0030】
このようにすれば、例えば地磁気成分地図を基準にして目標位置地磁気ベクトル記憶手段に目標位置の地磁気ベクトルBを記憶させておいたときに、進行方向を早期に且つ高い精度で決定することができる。なおこの旋回動作は、進行方向の誤差が極端に大きくならない時間間隔をあけて周期的に行えばよい。 そこで上記進行方向決定方法を利用して航行体を移動させる場合には、上記(6a)乃至(6c)のステップに加えて、下記のステップ(6d)を実行すればよい。
【0031】
(6d)決定した進行方向へ所定時間または所定距離移動する毎に上記動作を繰り返して、差ベクトルが0になるまで航行体を移動させる。
【0032】
上記進行方向決定方法を実現するために、航行体に搭載され、地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に航行体を移動させるために必要な航行体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定装置は、地磁気成分を測定する地磁気測定手段と、地磁気測定手段が測定した地磁気成分から航行体の現在位置の地磁気ベクトルXを演算する地磁気ベクトル演算手段と、現在位置を中心にして航行体が旋回している間に、地磁気ベクトル演算手段が演算した地磁気ベクトルXnを記憶する地磁気ベクトル記憶手段と、地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている複数の地磁気ベクトルXnと目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている地磁気ベクトルBとの差ベクトルCn(=B−Xn)を求める差ベクトル演算手段と、差ベクトル演算手段が演算した差ベクトルCnが最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定する進行方向決定手段とから構成することができる。目標位置までの距離が長くなればなるほど、複数回の進行方向の変更をする必要性が生じてくる。そこで実用的には、進行方向決定手段が決定した進行方向を記憶する進行方向記憶手段を更に備え、進行方向決定手段は周期的に進行方向を決定して、進行方向記憶手段の記憶内容を更新するようにする。この点は、上記第1のグループの発明においても同様である。
【0033】
[第3のグループに属する発明]
上記グループの各発明では、目標位置の地磁気データを記憶手段に記憶させているが、このグループの発明では、地磁気測定手段の側に特定の永久磁石を配置することにより、目標位置を設定する。
【0034】
まず地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法は、次のステップを構成要件とする。
【0035】
(1)第1のステップでは、移動体に地磁気成分を測定する三軸地磁気測定手段を搭載する。
【0036】
(2)第2のステップでは、目標位置の磁気ベクトルを発生するのに必要な磁気成分と逆方向の地磁気成分を持った永久磁石を、三軸磁気測定手段に対して予め定めた位置関係で配置する。
【0037】
(3)第3のステップでは、三軸磁気測定手段と永久磁石との位置関係を、三軸磁気測定手段が測定する地磁気成分から求められる地磁気ベクトルが、前記永久磁石が無いときに三軸地磁気測定手段が測定した地磁気成分から求められる移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置の地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となるように定める。
【0038】
(4)そして第4のステップでは、三軸磁気測定手段が測定する地磁気成分から求めた差ベクトルCが減少する方向を移動体の進行方向として決定する。
【0039】
本発明のように、記憶する目標地点の磁気成分の値を逆成分とすることによって、現在位置の地磁気の磁気成分(地磁気ベクトル)と目標位置の磁気成分(地磁気ベクトル)との差の計測に零点法が適用できるので、磁気測定系の測定範囲(計測レンジ)が小さくて済み、高感度な計測が可能となる。また、磁気成分の記憶に磁性体を使うことにより、計測点における磁気の大きさと方向が記憶できる。計測点における磁気の大きさと方向は、永久磁石(磁性体)の配置や磁気の強さ及び磁化の方向で容易に設定し且つ変更することができるので、記憶手段を簡素化することができる。
【0040】
この方法を実現するための、地磁気式進行方向決定装置は、地磁気成分を測定する三軸地磁気測定手段と、三軸磁気測定手段に対して予め定めた位置関係で配置されて、目標位置の地磁気ベクトルを発生するのに必要な磁気成分と逆方向の磁気成分を持った永久磁石と、三軸地磁気測定手段が測定する地磁気成分から地磁気ベクトルを演算する地磁気ベクトル演算手段と、磁気ベクトル演算手段が演算した地磁気ベクトルが減少する方向を移動体の進行方向として決定する進行方向決定手段とを具備する。そして三軸磁気測定手段と永久磁石との位置関係を、三軸磁気測定手段が測定する地磁気成分から求められる地磁気ベクトルが、永久磁石が無いときに三軸地磁気測定手段が測定する地磁気成分から求めた移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置の地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となるように定める。
【0041】
このグループの発明においても、進行方向の決定時間を短くするためには、決定方法を次のようにすればよい。
【0042】
(5a)現在位置を位置中心にして航行体を旋回させる。
【0043】
(5b)旋回中に三軸地磁気測定手段が測定した地磁気成分から求められる差ベクトルが最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定する。
【0044】
そしてこの方法を実現する地磁気式進行方向決定装置においては、地磁気ベクトル記憶手段に、現在位置を位置中心にして航行体が旋回している間に、地磁気ベクトル演算手段が演算した地磁気ベクトルXnを記憶させる。また進行方向決定手段は、地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている地磁気ベクトルXnが最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定するようにすればよい。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して第1乃至第3のグループの発明の実施の形態をそれぞれ詳細に説明する。
【0046】
図1は、本発明の地磁気式進行方向決定方法を実施する地磁気式進行方法決定装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。この装置は、航空機等の航行体(移動体)に搭載されるものである。図1において、符号1で示したものは、地磁気を測定する地磁気測定手段であり、この地磁気測定手段1で測定した地磁気は、地磁気成分演算手段3に入力され、地磁気成分演算手段3は地磁気成分(水平分力、偏角等)を演算する。地磁気測定手段1としては、公知の磁気検出器を用いることができる。例えば、特開平10-132568号公報(地磁気センサーによる方位角の高精度測定方法)に、この実施の形態で利用できる磁気検出器の一例が示されている。この公報に示された地磁気センサは、フラックスゲートを用いた二軸磁気検出器である。この二軸磁気検出器は、例えば移動体上にセンサを水平に(重力の方向と直交する方向に延びる垂直面内に)支持することによって、移動体に設置された基準方向(Nで示す)に対する磁場の方向θ(磁針の方向または方位角または地磁気の偏角)および水平分力(Hr)を正確に求めるための装置である。この磁気検出器を地磁気測定手段1として用いれば、自差を補正することによって、地磁気の方向を高精度で測定できる。この二軸磁気検出器を用いる場合には、検出器の設置方向(N)を移動体に固定するのではなく、任意の方向に向けて測定できる。例えば設置方向(N)を地球の緯度方向に配置することによって、移動体の姿勢によらず、現在位置における水平分力の大きさと偏角の方向(角度)を知ることができる。水平分力の大きさと偏角の方向(角度)を求める地磁気成分演算手段3も、特開平10−132568号公報に示されている。
【0047】
なお地磁気測定手段1としては、地磁気が精度よく測定できるものであれば、上記の例以外の他の磁気検出方式を用いる地磁気測定手段を用いることもできる。例えば、現在実用化されているものでは、ホール素子を用いる地磁気検出方式や、磁気抵抗素子を用いる地磁気検出方式を用いた地磁気測定手段を用いることも可能である。また二軸磁気検出器に代えて三軸磁気検出器を用いることもできる。三軸式の磁気検出器を用いれば、偏角と水平分力の組合わせだけでなく、さらに垂直分力も加えた全磁力の測定が可能となるので、位置の同定がより精度高くできる利点がある。
【0048】
現在位置判定手段5は、地磁気成分演算手段3で演算した水平分力と偏角とに基いて、移動体の現在位置を判定する。現在位置判定手段5は、地磁気成分データ記憶手段7に記憶されている地磁気の水平分力データ及び地磁気の偏角データと、演算により求めた現在位置の水平分力と偏角とを対比して、現在位置を判定する。図2および図3は、地磁気の水平分力データ及び地磁気の偏角データの一例を示している。これらのデータ即ち、地表座標系(各点の鉛直上・緯度・経度からなる直交座標)を用いた地理的な各点の地磁気成分は、理科年表、International Geomagnetic Reference Field(http:// www.ngdc.noaa.gov/ IAGA/ wg8/ igrf2000.html)などに開示されており、定期的(5年毎)に更新されている。現在位置判定手段5は、地磁気成分演算手段3の演算結果と地磁気成分データ記憶手段7に記憶されている図2及び図3に示すような公知のデータを用いて、移動体の地理的な現在位置(緯度、経度)を判定する。
【0049】
なお一般的な地磁気検出器を地磁気測定手段として用いる場合に、地磁気検出器の設置方向を決めるには、星や太陽の方向を観測して求めることができるし、またジャイロコンパスによる自転軸の位置から求めることもできる。また地磁気検出器の方向を移動させる代わりに、別手段で分かっている絶対方向と検出器の軸方向の角度差から、演算によって現在位置における水平分力・偏角の方向(角度)を求めることもできる。
【0050】
移動体に設置される地磁気測定手段1は、常時一定方向に支持する必要はなく、測定が必要なときに地磁気測定手段1の設置方向を場所によらない絶対方向:例えば鉛直軸と、緯度・経度軸からなる方向、ないし地球の自転軸(ジャイロによって求められる)と鉛直軸および自転軸に直交する方向(水平の東西方向)、それらに直交する方向に設定することによって、再現できる値を得ることができる。
【0051】
図1の実施の形態の装置の主要部分は、マイクロコンピュータを利用して実現することができる。図4は、その場合に用いるソフトウエアの基本アルゴリズムを示すフローチャートである。そこで以下の説明では、図4のフローチャートのステップを併せて併記する。
【0052】
この実施の形態では、出発地点および目標地点の地理的な位置(緯度・経度)が分かっているものとする。位置入力手段9から出発地点の緯度及び経度を入力する(ステップST1)。この段階で、現在位置判定手段5で判定した現在位置が、航路決定手段11に入力される。次に位置入力手段9から最終目標位置(目的地)の緯度及び経度を航路決定手段11に入力する(ステップST3)。航路決定手段11は、地図データ記憶手段13に記憶されている地図データから、出発地から目的地までの航路を決定する。なおこの地図データとしては、地磁気成分データ記憶手段7に記憶させるデータに含まれる地図情報を利用することもできる。航路決定手段11は、出発地と最終目標位置(目的地)の緯度及び経度から最初の進行方向を決定する。そして目標位置決定手段15は、最終目標位置(目的地)の地磁気成分を地磁気成分データ記憶手段7から得て、緯度及び経度と共に地磁気成分を目標位置データ記憶手段17に記憶させる(ステップST4)。
【0053】
航路に障害がないときには、例えば移動体が飛行機であれば、この段階で決定した大圏航路となる方向を進行方向とすると最短距離で目的地に到達できる。スタート時にはコンパスによって、進行方向に進路をとればよい。目的地と出発地との間の地理的な障害によって大圏航路がとれない場合もありえる。そのときは、中間目的地即ち中間経由地を経由して最終目的地に航行するような経路を選ぶことによって、地球上の任意の場所に移動可能となる。航路決定手段11は、入力データに基いて、障害を避けて目的地に到達するために必要な1以上の中間経由地を決定し、目標位置決定手段15はその1以上の中間経由地の緯度及び経度に基いて中間経由地の地磁気成分を地磁気成分データ記憶手段7から読み出して目標位置データ記憶手段17に、緯度及び経度並びにその地磁気成分を記憶させる(ステップST5〜ST7)。このようにすることにより、中間経由地を順次の目的地として最終目標位置(最終目的地)に到達することが可能になる。
【0054】
進行方向決定手段19は、現在位置判定手段5が判定した現在位置の緯度及び経度と目標位置(または中間経由地)の緯度及び経度とから移動体の進行方向を決定し、決定した進行方向を進行方向記憶手段21に記憶させる(ステップST8〜ST10)。進行方向記憶手段21に記憶された進行方向は、例えば、運転席のモニタ等の表示装置23に表示させる。そして以後進行方向決定手段19は、周期的または非周期的に現在位置判定手段5からの判定結果を入力して(ステップST12:tは時間、Tは設定時間間隔)、進行方向の修正または変更を行い、進行方向記憶手段21の記憶データを更新する(ステップST8〜ST10)。
【0055】
進行方向決定手段19が決定した進行方向に従って移動を開始すると、目標位置到達判定手段25は、地磁気成分演算手段3で演算して得た現在の地磁気成分と目標位置データ記憶手段17に記憶されている目標位置の地磁気成分とを対比して、両者が一致したときに、目標位置に到達したと判定する(ステップST11)。目標位置に達するまでは、進行方向決定手段19による進行方向の修正が継続される。目標位置に移動体が達した段階で、その目標位置が中間経由地であれば、進行方向の決定に用いる目標位置を次の中間経由地または最終目標地に変更する(ステップST13、ステップST6及びST7)。そこで目標位置到達判定手段25は、この変更を目標位置データ記憶手段17に指示し、以後目標位置データ記憶手段17は、進行方向記憶手段19及び目標位置到達判定手段25に提供する目標位置のデータを変更する。移動体が最終目標位置に達すれば、動作は終了する(ステップST13)。
【0056】
上記実施の形態は、出発地点と目標地点の地理的な位置(緯度・経度)が予め分かっている場合に適用できるものである。これに対して以下の第2のグループに属する発明は、出発地点ないし目標地点の地磁気成分は分かっている必要があるものの、地理的な位置(緯度・経度)が分からない場合にも適用できる磁気式進行方向決定方法を提供するものである。そこで以下第2のグループの発明の実施の形態の一例について説明する。図5は、第2のグループの発明の地磁気式進行方向決定方法を実施する地磁気式進行方法決定装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。また図6は、図5の装置の主要部をマイクロコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。以下の説明では、理解を容易にするために、必要個所において図6のフローチャートのステップを併記する。なお図1に示した実施の形態のブロック図と実質的に同じブロックについては、図1に示した符号に100を加えた数の符号を付して説明を省略する。
【0057】
図5の装置では、地磁気測定手段101が測定した地磁気成分から移動体の現在位置の地磁気ベクトルXを演算する地磁気ベクトル演算手段104と、目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段118と、地磁気ベクトル演算手段104が出力する現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置地磁気ベクトル記憶手段118に記憶されている地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)を演算する差ベクトル演算手段106と、差ベクトル演算手段106が演算した差ベクトルが減少する方向を移動体の進行方向として決定する進行方向決定手段120とが、図1の実施の形態と基本的に相違する。なおこの例では地磁気測定手段101として、三軸磁気測定器を用いる。
【0058】
まず図5の実施の形態で用いる第2のグループの発明の基本的思想を説明する。地球表面で地磁気は磁位Vmを形成している。地磁気の各成分は磁位の勾配H(ベクトル)=−grad Vm として表すことができ、地理的な立体地図(地球儀)に各点の地磁気成分を図7(a)に示すようにベクトル表示すると、地磁気が単純な磁荷でないため各ベクトルの終点は必ずしも立体地図の中心に一致しない。ある点Aのベクトルの終点を立体地図の中心に合わせ、地理的な周辺の地磁気成分を原点から逆方向に表示していくと地球儀に比べてゆがんだ磁気的な立体地図を作成することができる。地磁気が連続的な変化を示しているのでA点から磁気的な立体地図の範囲を広げていくと、地理的な点と地磁気的な点が連続して一対一に対応することのできる「方向付け可能範囲」がある。磁気的な立体地図の方向付け可能範囲をさらに広げていくと偏角成分[図7(b)に例示]や水平・垂直分力成分[図7(a)に例示]の変化方向が地理的な変化方向と逆転するために一対一対応ができなくなる限界に達する。ここで拡大の範囲を終了する。
【0059】
このようにして作成された磁気的な立体的な地図を本明細書では以下地磁気地図という。一つの方向付け可能範囲内で、出発点Aの位置を別の位置にしても、作成される磁気地図は相似形であるから、出発点は任意にとることができ、同じ限界範囲が形成される。地球表面の地磁気成分は地磁気の状態によって変化するが、おおむね地球表面全体を5〜10区画の地磁気地図で覆うことができる。
【0060】
図8は、A地点(日本:北海道)からB地点(ロシア:シベリア地方)に移動する場合の例を示す。各地の磁場の成分を示すために直交座標系を導入する。鉛直軸と、緯度・経度軸からなる座標軸のうちNS、EWの軸は地表面の任意地点において水平面に設けた地理的な座標(緯度・経度方向)を示している。図をわかりやすくするために、磁気の垂直成分は上下を逆転して(S極に対する大きさで)、また偏角は東西を逆にして表示するものとする。地磁気データ(理化年表)によると、A地点の水平分力は27μT、垂直分力は4μT、偏角は8.5度西である。原点から各成分を座標軸にとると座標軸上にA点が決まる。同様にA地点の近傍の各地において磁気データをプロットしていくと各点の磁気地図が作成される。B点の水平分力は16μT、垂直分力は50μT、偏角は10度東なので、図示の点となる。このようにして作成された磁気地図は、原点と面上の各点との距離が、その点の地磁気の大きさ(全磁力)を示す。原点と面上の各点を結ぶ方向は、各点の水平面に置かれた地理的な座標によって計測される地磁気の各分力を表している。
【0061】
このようにして作成された磁気地図は、地磁気の水平分力が赤道から離れるに従って減少し、地磁気の垂直分力が極に近づくにつれて増大する多くの地域では、緯度の変化と磁気立体地図の水平面からの変化が相似するために、地理的な地図(地球儀で観察される図形)に類似した相対位置関係となる。しかし、地磁気の偏角は地理的な東西方向の差(経度差)と偏角の差が地域によって同じではないから、東西が逆転した配置となる場合もある。例えば図9に示す地磁気地図の例では、北米・南米大陸付近で、地理的な配置と磁気立体地図における図形が、図8と同じ表示方法とすると東西が逆転したものとなる。
【0062】
そこでこのような地磁気地図を、図5の地磁気地図記憶手段107に記憶する。最初に位置入力手段109から航路決定手段111に最終目標位置Bの磁気データを入力する(図6のステップST1)。航路決定手段111は、途中に障害があるか否かを基準にして航路を決定し、途中に障害がある場合には、中間経由地を決定する(ステップST3及びST4)。目標位置決定手段115は、最終目標位置の地磁気ベクトルBを地磁気地図記憶手段107から読み取って目標位置地磁気ベクトル記憶手段118に記憶させる。また中間経由地を設定する場合には、中間経由地の地磁気ベクトルBも目標位置地磁気ベクトル記憶手段118に記憶させる(ステップST2及びST4)。現在地点(出発地点Aを含む)の磁気データ即ち現在位置の地磁気ベクトルXは、地磁気ベクトル演算手段104から得る(ステップST5及びST6)。差ベクトル演算手段106は、地磁気ベクトル演算手段104が出力する現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置地磁気ベクトル記憶手段118に記憶されている地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)を演算する(ステップST7)。進行方向決定手段120は、差ベクトル演算手段106が演算した差ベクトルが減少する方向を移動体の進行方向として決定し、決定した進行方向を進行方向記憶手段121に記憶させる。差ベクトルCは、図8及び図9に示すCベクトルである。差ベクトルCの大きさが減少する方向に進行することによって、地理的な目標地点と磁気地図の目標地点が一対一で対応することから、どのような進行経路であっても、最終的に目的地Bへ到達することができる。差ベクトルCが0になるまでの間、周期的に現在位置の磁気ベクトルと目標位置の磁気ベクトルとの差ベクトルを取って進行方向の修正を行う(ステップST9及びステップ10、ステップST5〜ステップST8)。目標位置到達判定手段126は、中間経由地に到達したか否かを判定し(ステップST9及びST10)、中間経由地に到達した場合には、次の経由地または最終目標位置の地磁気ベクトルが差ベクトル演算手段106で使用する地磁気ベクトルBとなるように目標位置地磁気ベクトル記憶手段118の出力を変更する。そして最終的に目標位置に達したことを目標位置到達判定手段126が判定すると、動作は終了する(ステップST12)。
【0063】
この第2のグループの発明の実施は、1つの地磁気地図で表せる範囲に限られるものの、目的地点の磁気成分が分かっていれば、地理的な目標位置(緯度・経度)や現在位置が不明な場合でも、地磁気測定手段101の出力によって目的地に到達できるので、第一の実施の形態に比べ、より簡素な地磁気式進行方向決定方法及び装置を提供できる。なお目標地点と出発地点の経路を選択するときは、地理的な地図と磁気立体地図の図形が相似形に近いところに中間経由地を置くと、大圏航路で進行することができる。中間経由地を最初の目標地点として進み、次に同様の目標地点を定め、最終的に当初の目標地点に到達する経路とするのが好ましい。
【0064】
図10は、第2のグループの発明の第2の実施の形態における地磁気式進行方向決定装置の構成を示すブロック図であり、図11は、図10の装置の主要部をマイクロコンピュータを利用して実現する場合に用いるソフトウエアの基本アルゴリズムを示すフローチャートである。以下の説明では、図11のフローチャートのステップを併せて併記する。図10の実施の形態は、図5の実施の形態と比べて、進行方向決定手段124の構成と移動体(航行体)の移動方法が異なる。その他の点は、図5の実施の形態と同様である。なおこの例では、地磁気測定手段として三軸磁気測定器を用いている。この実施の形態では、進行方向を正確に且つ短い時間で決定するために、周期的または非周期的に移動体としての航行体を現在位置を中心にして旋回させ(ステップST5)、旋回中に地磁気測定手段104が測定した(ステップST6)地磁気成分から地磁気ベクトル演算手段104が求めた航行体の複数の地磁気ベクトルXn(ステップST7)と目標位置地磁気ベクトル記憶手段118に記憶されている地磁気ベクトルBとの差ベクトルCn(=B−Xn)を所定の時間間隔で求める(ステップST8)。なお旋回動作は、進行方向の誤差が極端に大きくならない時間間隔をあけて周期的または非周期的に行えばよい。そして進行方向決定手段124は、所定の時間間隔で求めた複数の差ベクトルCnを、差ベクトル記憶手段124aに記憶する。少なくとも1回の旋回が終了すると、差ベクトル減少最大方向判定手段124bは、差ベクトルCnが最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定する(ステップST9)。このようにして決定した進行方向は、図5の実施の形態と同様に進行方向記憶手段121に記憶される。以後の動作は、図5の実施の形態と同様である(ステップST10〜ST12)。
【0065】
この実施の形態の理論を説明する。図12は、先に述べた地磁気地図であって、Mは目標地点、Xは現在地点であり、XはMの廻りで磁位が単調に変化する範囲にある点、即ちMから極端に離れていない場所とする。目標地点Mの地磁気成分即ち地磁気ベクトルBは、移動体上に設置された地磁気測定手段101としての三軸磁気測定器の測定座標系と同じ座標系で目標位置地磁気ベクトル記憶手段118に記憶されている。目標地点Mへの進行方向を求めるために、移動体としての航行体は、X点の廻りで図の小円の矢印方向にほぼ一定の速度で旋回する。移動体上に設置された三軸磁気測定器で地磁気の成分を観測すると、X1の地点(略東方向に進行中)では矢印で示したようにO−X1の磁気成分が観測され、X2の地点(略西方向に進行中)では、O−X2の磁気成分が観測される。予め記憶された目標地点Mの磁気成分即ち地磁気ベクトルBと、各地点で観測される地磁気成分(地磁気ベクトルXn)との差Cnを求めると、X1地点において差ベクトルC1の大きさは時間あたり最大の速度で増加を示し、X2の地点において差ベクトルC2の大きさは時間あたり最大の速度で減少する。そこで、X2の地点における進行方向(略西方向)を、進路方向として記憶する。なお進路方向の記憶は、別置きの磁気コンパスを用いた方向指針の設定として行なうこともできる。
【0066】
移動中の方向修正は、移動中のMとXとの中間地点で、再度同じ旋回を繰り返して求める。あるいは、移動中の進行方向を少しだけ左右にずらせたときに、差の減少速度が減少すればその修正を却下し、差の減少速度が増大すれば、その方向を修正方向として採用する方法を用いることができる。
【0067】
図12では、三軸磁気測定器の座標系を鉛直上方向と緯度・経度方向に合わせた状態で表している。三軸磁気測定器の座標系は航行体の空間方位(水平面内方向や傾き程度)によって軸方向が変化する。したがってMの位置における地磁気成分(地磁気ベクトル)が、三軸磁気測定器の座標系が図12の状態にあるときの値として記憶されている場合は、地磁気成分を観測するときに座標系の方位を図12の状態に一致するように配置する必要がある。あるいは、座標系の方位を別の手段で計測して、Mの位置の地磁気成分を図12の状態にあるときの値に変換して差ベクトルCnの大きさを計算する必要がある。なお座標系の方向を一致させるには、方向については前述したような天体観測(星や太陽)による方法や、ジャイロコンパスによる自転軸を用いることができ、鉛直方向については重力センサーを用いることができる。
【0068】
また図5及び図10の実施の形態では、地磁気測定手段101として三軸磁気測定手段を用いるものとして説明したが、平面に投影した場合に有為であれば必ずしも磁気の3成分を用いる必要がなく、二軸磁気測定器を地磁気測定手段として用いて本発明を実現することができる。
【0069】
図13は、第3のグループの発明の地磁気式進行方向決定方法を実施する地磁気式進行方向決定装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。また図14は、図13の装置の主要部をマイクロコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。以下の説明では、理解を容易にするために、必要個所において図14のフローチャートのステップを併記する。なお図1に示した実施の形態のブロック図と実質的に同じブロックについては、図1に示した符号に200を加えた数の符号を付して説明を省略する。上記グループの各発明では、目標位置の地磁気データを記憶手段に記憶させているが、このグループの発明では、三軸地磁気測定手段201の近くに目標位置の磁気ベクトルを発生するのに必要な磁気成分と逆方向の地磁気成分を持った永久磁石202を配置することにより、目標位置を設定する。この例では、永久磁石202の位置と磁力とを任意に定めることにより、目標位置を設定する。三軸地磁気測定手段201と永久磁石202との位置関係は、三軸地磁気測定手段201が測定する地磁気成分から求められる地磁気ベクトルXが、永久磁石202が無いときに三軸地磁気測定手段201が測定した地磁気成分から求められる移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置の地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となるように定める(ステップST1)。図5の実施の形態と同様に、三軸地磁気測定手段201は移動体上で地磁気成分を測定し(ステップST2)、地磁気ベクトル演算手段204は三軸地磁気測定手段201の出力に基づいて地磁気ベクトルクX(即ち差ベクトルCに相当)を演算する(ステップST3)。進行方向決定手段220は、地磁気ベクトルXが減少する方向を移動体の進行方向として決定し、決定した進行方向を進行方向記憶手段221に記憶させる(ステップST4)。この動作は、所定の周期で繰り返し実行され(ステップST5及びST6)、目標位置到達判定手段226が地磁気ベクトルXが0になったことを判定すると、移動体が目標位置に到達したと判定する(ステップST5)。
【0070】
この発明のように、記憶する目標地点の磁気成分の値を逆成分とすることによって、現在位置の地磁気の磁気成分(地磁気ベクトル)と目標位置の磁気成分(地磁気ベクトル)との差の計測に零点法が適用できるので、磁気測定系の測定範囲(計測レンジ)が小さくて済み、高感度な計測が可能となる。
【0071】
図15は、この実施の形態の概念を説明するために用いる地磁気地図である。この図においては、目標地点Mの磁気成分の記憶手段を三軸磁気測定手段と一体に配置した永久磁石202で構成し、この永久磁石202には目標地点の磁気成分(地磁気ベクトル)をその値の逆成分として記憶させる。図15において、202は小さな永久磁石でできた磁性体である。永久磁石202は、三軸地磁気測定手段201と一体となって移動体上に配置されている。永久磁石202が、三軸磁気測定手段の測定点Oにおいて作る磁場は、目標地点の磁気成分と逆方向成分―Mを与えるように方向・強さ・位置が調整されて設定されている。したがって三軸地磁気測定手段201は、地磁気の成分と磁石の磁場との合成磁場を測定するので、地磁気ベクトル演算手段204の出力は、現在位置の地磁気ベクトルXと目標位置の地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となる。したがってこの実施の形態によれば、成分差(差ベクトル)の演算が不要であり、進行方向決定手段220でこの差ベクトルが小さくなる方向を探してその方向を進行方向と決定する。
【0072】
より短い時間で、正確に進行方向を決定するためには、移動体としての航行体を現在位置を中心にして旋回させ、旋回中に三軸地磁気測定手段が測定した地磁気成分から求められる差ベクトルが最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定すればよい。航行体をX点の廻りで旋回させた場合に得られる地磁気ベクトルは、図15に示すようになり、旋回中に観測される磁気成分はO−X1´、O―X2´のようになって成分差の演算を行なわずとも、三軸地磁気測定手段の出力だけから直接ベクトル差を求めることができて、進行方向を求めることができる。図16は、この地磁気式進行方向決定方法を実施する地磁気式進行方法決定装置の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。また図17は、図16の装置の主要部をマイクロコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。図16においては、図13に示した実施の形態と同様のブロックには、図13に付した符号と同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態では、現在位置を位置中心にして航行体が旋回している間に、地磁気ベクトル演算手段204が演算した地磁気ベクトルXnを記憶する地磁気ベクトル記憶手段221と、地磁気ベクトル記憶手段222に記憶されている地磁気ベクトルXnが最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定する進行方向決定手段224とを備えている。その他の点は、図13の実施の形態と同じである。
【0073】
図17に示すように、この実施の形態では、旋回中に三軸地磁気測定手段201は航行体上で地磁気成分を測定し(ステップST3)、地磁気ベクトル演算手段204は三軸地磁気測定手段201の出力に基づいて周期的に地磁気ベクトルクXn(即ち差ベクトルCnに相当)を演算し、演算した地磁気ベクトルXnを地磁気ベクトル記憶手段222に記憶させる(ステップST4)。そして進行方向決定手段224は、複数の地磁気ベクトルXnのうち最も速やかに減少する方向を航行体の進行方向として決定し、決定した進行方向を進行方向記憶手段221に記憶させる(ステップST5)。この動作は、所定の周期で繰り返し実行され(ステップST6及びST7)、目標位置到達判定手段226が地磁気ベクトルXが0になったことを判定すると、移動体が目標位置に到達したと判定する(ステップST6)。
【0074】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、現在の位置を累積誤差を生むことなく磁気的に評定することができるので、電波によらないで正確に目的地への航行が可能となる。
【0075】
(2)上記第2のグループの発明によれば、地理的な地図と類似の、磁気的に連続して地理的な地図と一対一に対応可能な地磁気成分地図を用いることによって、目標の緯度・経度が分からなくても磁気的な移動によって目標地点に到達することができる。
【0076】
(3)第2のグループ及び第3のグループの中で進行方向の決定のために、航行体を旋回させるものでは、旋回するときの磁気成分の差(地磁気ベクトルの差)が減少する速度が最大である方向に進行方向を取ることによって、現在位置が不明でも、目標地点に到達する方向を知ることができる。
【0077】
(4)第3のグループの発明のように、磁気成分の記憶に磁性体を使うと、計測点における磁気の大きさを、磁性体の配置や磁気の強さ・方向で容易に設定し変更することができるので、記憶装置が簡素となる。また、零点法が適用できるので、高感度な計測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の地磁気式進行方向決定方法を実施する地磁気式進行方法決定装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である
【図2】 磁気水平分力の一例を示す図である。
【図3】 磁気偏角の一例を示す図である。
【図4】 図1の実施の形態の主要部をマイクロコンピュータを利用して実現する場合に用いるソフトウエアの基本アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図5】 第2のグループの発明の地磁気式進行方向決定方法を実施する地磁気式進行方法決定装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図6】 図5の装置の主要部をマイクロコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図7】 (a)及び(b)は、磁気成分と方向付け可能範囲を説明するために用いる図である。
【図8】 地磁気地図の一例(日本付近)を示す図である。
【図9】 地磁気地図の一例(北米大陸)を示す図である。
【図10】 第2のグループの発明の第2の実施の形態における地磁気式進行方向決定装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 図10の装置の主要部をマイクロコンピュータを利用して実現する場合に用いるソフトウエアの基本アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図12】 進行方向を決定する方法を説明するために用いる地磁気地図の一例を示す図である。
【図13】 第3のグループの発明の地磁気式進行方向決定方法を実施する地磁気式進行方法決定装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図14】 図13の装置の主要部をマイクロコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図15】 零点法による地磁気計測を説明するために用いる地磁気地図を含む図である。
【図16】 地磁気式進行方法決定装置の他の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図17】 図16の装置の主要部をマイクロコンピュータを用いて実現する場合に用いるソフトウエアのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,101 地磁気測定手段
201 三軸地磁気測定手段
3 地磁気成分演算手段
104,204 地磁気ベクトル演算手段
5 現在位置判定手段
106 差ベクトル演算手段
7 地磁気成分データ記憶手段
107 地磁気地図記憶手段
9,109 位置入力手段
11,111 航路決定手段
13 地図データ記憶手段
15,115 目標位置決定手段
17 目標位置データ記憶手段
118 目標位置地磁気ベクトル記憶手段
19,120 進行方向決定手段
21,121 進行方向記憶手段
23,123 表示装置
25,126 目標位置到達判定手段

Claims (15)

  1. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法であって、
    地磁気を測定する地磁気測定手段及び前記地球上の所定地域の地磁気成分データが緯度及び経度毎に予め記憶されている地磁気成分データ記憶手段を前記移動体に搭載し、
    前記地磁気測定手段により地磁気成分を測定し、
    前記地磁気測定手段で測定した前記移動体の現在位置の地磁気成分と前記地磁気成分データ記憶手段に記憶されている前記地磁気成分データとを比較して、前記移動体の現在位置の緯度及び経度を判定し、
    前記現在位置の緯度及び経度と前記目標位置の緯度及び経度とから前記移動体の前記進行方向を決定することを特徴とする地磁気式進行方向決定方法。
  2. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定することにより、前記移動体を前記目標位置まで移動させる地磁気式移動体移動方法であって、
    地磁気を測定する地磁気測定手段及び前記地球上の所定地域の地磁気成分データが緯度及び経度毎に予め記憶されている地磁気成分データ記憶手段を前記移動体に搭載し、
    前記地磁気測定手段により地磁気成分を測定し、
    前記地磁気測定手段で測定した前記移動体の現在位置の地磁気成分と前記地磁気成分データ記憶手段に記憶されている前記地磁気成分データとを比較して、前記移動体の前記現在位置の緯度及び経度を判定し、
    前記現在位置の緯度及び経度と前記目標位置の緯度及び経度とから前記移動体の前記進行方向を決定し、
    前記現在位置の緯度及び経度が前記目標位置の緯度及び経度になるまで前記移動体を移動させることを特徴とする地磁気式移動体移動方法。
  3. 移動体に搭載され、地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に前記移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定装置であって、
    地磁気成分を測定する地磁気測定手段と、
    前記地球上の所定地域の地磁気成分データが緯度及び経度を基準にして予め記憶されている地磁気成分データ記憶手段と、
    前記地磁気測定手段で測定した前記移動体の現在位置の地磁気成分と前記地磁気成分データ記憶手段に記憶されている前記地磁気成分データとを比較して、前記移動体の前記現在位置の緯度及び経度を判定する現在位置判定手段と、
    前記現在位置判定手段で判定した前記現在位置の緯度及び経度と前記目標位置の緯度及び経度とから前記移動体の前記進行方向を決定する進行方向決定手段とを具備することを特徴とする地磁気式進行方向決定装置。
  4. 前記地磁気成分データ記憶手段は、緯度・経度ごとの地磁気成分を含む地磁気成分地図を前記地磁気成分データとして記憶している請求項3に記載の地磁気式進行方向決定装置。
  5. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法であって、
    地磁気を測定する地磁気測定手段及び前記目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段を移動体に搭載し、
    前記地磁気測定手段により地磁気成分を測定し、
    前記地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から求めた前記移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと前記目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)を求め、
    前記差ベクトルが減少する方向を前記移動体の進行方向として決定することを特徴とする地磁気式進行方向決定方法。
  6. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定することにより、前記移動体を前記目標位置まで移動させる地磁気式移動体移動方法であって、
    地磁気を測定する地磁気測定手段及び前記目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段を前記移動体に搭載し、
    前記地磁気測定手段により地磁気成分を測定し、
    前記地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から求めた前記移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと前記目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)を求め、
    前記差ベクトルが減少する方向を前記移動体の進行方向として決定し、
    前記差ベクトルが0になるまで前記移動体を移動させることを特徴とする地磁気式移動体移動方法。
  7. 移動体に搭載され、地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に前記移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定装置であって、
    地磁気成分を測定する地磁気測定手段と、
    前記地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から前記移動体の現在位置の地磁気ベクトルXを演算する地磁気ベクトル演算手段と、
    前記目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段と、
    前記地磁気ベクトル演算手段が出力する前記現在位置の地磁気ベクトルXと前記目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)を演算する差ベクトル演算手段と、
    前記差ベクトル演算手段が演算した前記差ベクトルが減少する方向を前記移動体の進行方向として決定する進行方向決定手段とを具備することを特徴とする地磁気式進行方向決定装置。
  8. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に航行体を移動させるために必要な前記航行体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法であって、
    前記航行体に地磁気成分を測定する地磁気測定手段と前記目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段とを搭載し、
    現在位置を位置中心にして前記航行体を旋回させ、
    旋回中に前記地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から求めた前記航行体の複数の地磁気ベクトルXnと前記目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルCn(=B−Xn)を求め、
    前記差ベクトルが最も速やかに減少する方向を前記航行体の進行方向として決定することを特徴とする地磁気式進行方向決定方法。
  9. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に航行体を移動させるために必要な前記航行体の進行方向を決定することにより、前記航行体を前記目標位置まで移動させる地磁気式航行体航行方法であって、
    前記航行体に地磁気成分を測定する地磁気測定手段と前記目標位置の地磁気ベクトルBを記憶する目標位置地磁気ベクトル記憶手段とを搭載し、
    現在位置を位置中心にして前記航行体を旋回させ、
    旋回中に前記地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から求めた前記航行体の複数の地磁気ベクトルXnと前記目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルCn(=B−Xn)を求め、
    前記差ベクトルが最も速やかに減少する方向を前記航行体の進行方向として決定し、
    決定した進行方向へ所定時間または所定距離移動する毎に上記動作を繰り返して、前記差ベクトルが0になるまで前記航行体を移動させることを特徴とする地磁気式航行体移動方法。
  10. 航行体に搭載され、地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に前記航行体を移動させるために必要な前記航行体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定装置であって、
    地磁気成分を測定する地磁気測定手段と、
    前記地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から前記航行体の現在位置の地磁気ベクトルXを演算する地磁気ベクトル演算手段と、
    現在位置を中心にして前記航行体が旋回している間に、前記地磁気ベクトル演算手段が演算した地磁気ベクトルXnを記憶する地磁気ベクトル記憶手段と、
    前記地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている複数の前記地磁気ベクトルXnと前記目標位置地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルCn(=B−Xn)を求める差ベクトル演算手段と、
    前記差ベクトル演算手段が演算した前記差ベクトルCnが最も速やかに減少する方向を前記航行体の進行方向として決定する進行方向決定手段とを具備することを特徴とする地磁気式進行方向決定装置。
  11. 前記進行方向決定手段が決定した前記進行方向を記憶する進行方向記憶手段を更に備え、
    前記進行方向決定手段は周期的に前記進行方向を決定して、前記進行方向記憶手段の記憶内容を更新することを特徴とする請求項3,7及び10に記載の地磁気式進行方向決定装置。
  12. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法であって、
    前記移動体に地磁気成分を測定する三軸地磁気測定手段を搭載し、
    前記目標位置の磁気ベクトルを発生するのに必要な磁気成分と逆方向の地磁気成分を持った永久磁石を、前記三軸磁気測定手段に対して予め定めた位置関係で配置し、
    前記三軸磁気測定手段と前記永久磁石との前記位置関係を、前記三軸磁気測定手段が測定する地磁気成分から求められる地磁気ベクトルが、前記永久磁石が無いときに前記三軸地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から求められる前記移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと前記目標位置の地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となるように定め、
    前記三軸磁気測定手段が測定する前記地磁気成分から求めた前記差ベクトルCが減少する方向を前記移動体の進行方向として決定することを特徴とする地磁気式進行方向決定方法。
  13. 地磁気を利用して地球上の任意の位置から方向付け可能範囲内で予め地磁気成分が分かっている目標位置に航行体を移動させるために必要な前記航行体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定方法であって、
    前記航行体に地磁気成分を測定する三軸地磁気測定手段を搭載し、
    前記目標位置の磁気ベクトルを発生するのに必要な磁気成分と逆方向の地磁気成分を持った永久磁石を、前記三軸磁気測定手段に対して予め定めた位置関係で配置し、
    前記三軸磁気測定手段と前記永久磁石との前記位置関係を、前記三軸磁気測定手段が測定する地磁気成分から求められる磁気ベクトルが、前記地磁気測定手段が測定する前記地磁気成分から求めた前記航行体の現在位置の地磁気ベクトルXと前記目標位置の前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となるように定め、
    現在位置を位置中心にして前記航行体を旋回させ、
    旋回中に前記三軸地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から求められる前記差ベクトルが最も速やかに減少する方向を前記航行体の進行方向として決定することを特徴とする地磁気式進行方向決定方法。
  14. 移動体に搭載され、地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に前記移動体を移動させるために必要な前記移動体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定装置であって、
    地磁気成分を測定する三軸地磁気測定手段と、
    前記三軸磁気測定手段に対して予め定めた位置関係で配置されて、前記目標位置の地磁気ベクトルを発生するのに必要な磁気成分と逆方向の磁気成分を持った永久磁石と、
    前記三軸地磁気測定手段が測定する前記地磁気成分から地磁気ベクトルを演算する地磁気ベクトル演算手段と、
    前記磁気ベクトル演算手段が演算した前記地磁気ベクトルが減少する方向を前記移動体の進行方向として決定する進行方向決定手段とを具備し、
    前記三軸磁気測定手段と前記永久磁石との前記位置関係が、前記三軸磁気測定手段が測定する地磁気成分から求められる前記地磁気ベクトルが、前記永久磁石が無いときに前記三軸地磁気測定手段が測定する前記地磁気成分から求めた前記移動体の現在位置の地磁気ベクトルXと前記目標位置の前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となるように定められていることを特徴とする地磁気式進行方向決定装置。
  15. 航行体に搭載され、地磁気を利用して地球上の任意の位置から目標位置に前記航行体を移動させるために必要な前記航行体の進行方向を決定する地磁気式進行方向決定装置であって、
    地磁気成分を測定する三軸地磁気測定手段と、
    前記三軸磁気測定手段に対して予め定めた位置関係で配置されて、前記目標位置の地磁気ベクトルを発生するのに必要な磁気成分と逆方向の磁気成分を持った永久磁石と、
    前記三軸地磁気測定手段が測定する前記地磁気成分から磁気ベクトルを演算する地磁気ベクトル演算手段と、
    現在位置を位置中心にして前記航行体が旋回している間に、前記地磁気ベクトル演算手段が演算した地磁気ベクトルを記憶する地磁気ベクトル記憶手段と、
    前記地磁気ベクトル記憶手段に記憶されている前記地磁気ベクトルが最も速やかに減少する方向を前記航行体の進行方向として決定する進行方向決定手段とを具備し、
    前記三軸磁気測定手段と前記永久磁石との前記位置関係が、前記三軸磁気測定手段が測定する地磁気成分から求められる前記地磁気ベクトルが、前記永久磁石が無いときに前記三軸地磁気測定手段が測定した前記地磁気成分から求められる前記航行体の現在位置の地磁気ベクトルXと前記目標位置の前記地磁気ベクトルBとの差ベクトルC(=B−X)となるように定められていることを特徴とする地磁気式進行方向決定装置。
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