JP3818945B2 - 環境経営評価方法および装置、ならびに、プログラム - Google Patents

環境経営評価方法および装置、ならびに、プログラム Download PDF

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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境経営評価方法および装置、ならびに、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題への関心の高まりとその重要性から、製造業をはじめとする各種事業体において、事業活動で発生する環境影響を低減させるなどの環境保全が必須課題となっている。特に、企業などにおいては、環境保全と利益追求とを両立するためのいわゆる環境経営の実施が重要となってきている。
【0003】
昨今では多くの事業体が環境経営を実施するようになり、その効果の良否も事業体評価のひとつになりつつある。そして、環境経営の効果を向上させるためには、部門や商品毎に環境保全活動の効果を評価して改善することが必要である。したがって、環境経営の効果を容易かつ客観的に評価できる手法の確立が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、容易かつ客観的に環境経営を評価するための方法および装置、ならびに、これらを実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる環境経営評価方法は、
コンピュータを用いて、事業体における環境保全活動の成果を評価するための環境経営評価方法であって、
前記事業体の各部門の事業活動において環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報と、前記環境保全コスト情報が示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報と、前記事業活動で発生した製品毎の環境負荷量を示す環境負荷情報、他のコンピュータシステムから製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積するデータベース作成ステップと、
前記データベースで同一の前記識別情報に対応づけられている環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで、前記投じられた環境保全コストに応じて削減された環境負荷量を算出し、算出した削減環境負荷量を示す削減環境負荷情報を、当該識別情報と対応づけて前記データベースに蓄積する削減環境負荷算出ステップと、
入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた、少なくとも、前記環境保全コスト情報と、前記経済効果情報と、前記環境負荷情報と、前記削減環境負荷情報とを前記データベースから取得し該取得した情報を用いた演算をおこなうことにより、前記事業活動における環境保全活動の経済合理性を示す複数の指標を算出する指標算出ステップと、
前記算出された指標と所定の閾値とを比較することで、前記事業体の環境保全活動を経済効率の観点から評価する評価ステップと、
前記評価ステップの評価結果を出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0006】
上記環境経営評価方法において、
前記指標算出ステップは、数式3を計算することで、前記環境保全活動に対する環境収益率を示す指標を算出し、
前記評価ステップは、該算出された指標に示される数値と所定の閾値とを比較することで、前記環境保全活動を経済効率の観点から評価するものとすることができる。
【数3】
環境収益率=経済効果/環境保全コスト
【0007】
上記環境経営評価方法において、
前記指標算出ステップは、前記削減環境負荷情報を金額情報に変換し、該変換された金額情報に基づいて、削減された環境負荷量を削減された社会コストとして指標を算出することが望ましく、この場合、
前記評価ステップは、前記指標に基づいて、前記環境保全活動を経済効率の観点から評価するものとすることができる。
【0008】
上記環境経営評価方法において、
前記指標算出ステップは、数式4を計算することで、前記環境保全活動の環境効果率を示す指標を算出し、
前記評価ステップは、該算出された指標に示される数値と所定の閾値とを比較することで、前記環境保全活動を経済効率の観点から評価するものとすることができる。
【数4】
環境効果率=(経済効果+削減社会コスト)/環境保全コスト
【0009】
上記環境経営評価方法において、
前記データベース作成ステップは、通信ネットワークを介して前記事業体の各部門の前記コンピュータシステムから各情報を取得することが望ましい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるプログラムは、
コンピュータに、
通信ネットワークを介して接続された複数の事業体のコンピュータから、当該事業体の環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報と、前記蓄積された環境保全コストが示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報と、前記製品について発生したライフサイクル単位の環境負荷量を示す環境負荷情報を、前記通信ネットワークを介して取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積するステップと、
前記データベースで同一の前記識別情報に対応づけられている前記環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで、製品毎に削減された環境負荷量を算出し、算出した環境負荷量を金額で示した削減環境負荷情報を、当該識別情報に対応づけて前記データベースに蓄積するステップと、
入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と前記環境保全コスト情報とを前記データベースから取得し該取得した経済効果情報と環境保全コスト情報を用いて製品毎の環境収益率を算出するステップと、
入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と、前記削減環境負荷情報と、前記環境保全コスト情報とを、前記データベースから取得し、該取得した経済効果情報と、削減環境負荷情報と、環境保全コスト情報とを用いて、製品毎の環境効果率を算出するステップと、
算出した前記環境収益率と前記環境効果率のそれぞれを所定の閾値と比較することで、前記事業体の環境保全活動を経済効率の観点から評価するステップと、
評価結果を出力装置に出力するステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる環境経営評価装置は、
事業体の各部門のコンピュータシステムと通信ネットワークを介して通信する通信手段と、
前記通信手段により、前記各部門の事業活動で環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報を当該製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積する環境保全コスト情報取得手段と、
前記通信手段により、前記環境保全コスト情報が示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報を取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する経済効果情報取得手段と、
前記通信手段により、前記事業活動で発生した製品毎の環境負荷量を示す環境負荷情報を当該製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する環境負荷情報取得手段と、
前記データベースに蓄積された環境負荷情報に基づいて、同一の前記識別情報に対応づけられている前記環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで、前記投じられた環境保全コストに応じて削減された環境負荷量を算出し、算出した削減環境負荷量を金額に変換した削減環境負荷情報を、当該識別情報に対応づけて前記データベースに蓄積する削減環境負荷算出手段と、
入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた、少なくとも、前記環境保全コスト情報と、前記経済効果情報と、前記環境負荷情報と、前記削減環境負荷情報と、を前記データベースから取得し、該取得した情報を用いて複数の指標を算出する指標算出手段と、
前記指数算出手段が算出した複数の指標と所定の閾値とを比較することで、前記環境保全活動を経済効率の観点から部門単位で評価し、評価結果を出力する評価手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかるプログラムは、
コンピュータに、
通信ネットワークを介して接続された複数の事業体のコンピュータから、当該事業体の環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報を当該製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積する機能と、
前記蓄積された環境保全コストが示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報を、前記通信ネットワークを介して前記複数のコンピュータから取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する機能と、
前記製品について発生したライフサイクル単位の環境負荷量を示す環境負荷情報を、前記通信ネットワークを介して前記複数のコンピュータから取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する機能と、
前記データベースに蓄積された同一の前記識別情報に対応づけられている前記環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで製品毎に削減された環境負荷量を算出し、算出した環境負荷量を金額で示した削減環境負荷情報を、当該識別情報に対応づけて前記データベースに蓄積する機能と、
入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と前記環境保全コスト情報とを前記データベースから取得し、該取得した情報を用いて、製品毎の環境収益率を算出する機能と、
入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と、前記削減環境負荷情報と、前記環境保全コスト情報とを前記データベースから取得し、該取得した情報を用いて、製品毎の環境効果率を算出する機能と、
算出した前記環境収益率と前記環境効果率のそれぞれを所定の閾値と比較することで、前記事業体の環境保全活動を経済効率の観点から評価する機能と、
評価結果を出力装置に出力する機能と、
を実現させることを特徴とする。
【0013】
上記のような発明によれば、環境経営を容易かつ客観的に評価することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態にかかる環境経営評価装置を説明する。本実施の形態にかかる環境経営評価装置100は、事業活動として環境保全活動を行っている事業体(例えば、企業)に設置される、例えば、ワークステーションなどの所定のコンピュータ装置から構成され、当該事業体の所定のコンピュータシステム1に組み込まれて運用されるものとする。当該事業体は複数の事業所(子会社、関連会社、製造工場、販売店等を含む)や部門(以下、「事業所等」とする)を有するものとし、各事業所等で使用されるコンピュータ装置などが、例えば、LAN(Local Area Network:構内情報通信網)やWAN(Wide Area Network:広域情報通信網)によって相互接続されることで、当該事業体のコンピュータシステム1が構成されているものとする。なお、本実施の形態における「事業体」は、複写機などの事務機器を製造販売する企業であるものとし、以下「事業体R」とする。
【0015】
図1は、本実施の形態にかかる環境経営評価装置100の構成を示すブロック図である。図示するように、環境経営評価装置100は、制御部110と、通信制御部120と、入力部130と、出力部140と、プログラム格納部150と、環境経営情報データベース160と、から構成される。
【0016】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)やワークエリアとなる所定の記憶装置(RAM:Random Access Memory)などから構成され、環境経営評価装置100の各部を制御するとともに、所定の動作プログラムを実行して、後述する各処理を実現する。
【0017】
通信制御部120は、例えば、所定のNIC(Network Interface Card)やルータなどの通信装置から構成され、コンピュータシステム1を構成するLANやWANとのインタフェースとして機能することで、環境経営評価装置100とコンピュータシステム1を構成する他のコンピュータ装置等とを接続して、相互に通信を行う。
【0018】
入力部130は、例えば、キーボードやポインティングデバイスなどの所定の入力装置から構成され、制御部110に対する各種指示の入力の他、プログラム格納部150や環境経営情報データベース160に記録される情報の入力・更新等に用いられる。
【0019】
出力部140は、例えば、ディスプレイ装置やプリンタなどの所定の出力装置から構成され、制御部110の処理結果などを必要に応じて出力する。
【0020】
プログラム格納部150は、例えば、ハードディスク装置などの書き換え可能な記憶装置などから構成され、制御部110が実行することで後述する各処理を実現するためのプログラムを格納する。本実施の形態では、以下のようなプログラムが格納される。
(1)環境経営情報データベース160を管理するためのプログラム(DB管理プログラム)
(2)コンピュータシステム1上での通信を行うプログラム(通信プログラム)
(3)環境経営情報データベース160に記録された情報を用いて所定の演算を行うプログラム(演算プログラム)
(4)環境経営情報データベース160に記録された情報を用いて、環境経営評価を行うプログラム(評価プログラム)
【0021】
環境経営情報データベース160は、例えば、ハードディスク装置などの書き換え可能な記憶装置などから構成され、事業体Rの環境経営に関連する情報(以下、「環境経営情報」)を記録する。環境経営情報データベース160に記録される情報の例を、以下図面を参照して説明する。
【0022】
図2は、環境経営情報データベース160に記録される情報のデータ構成を示す図である。図示するように、環境経営情報データベース160には、所定期間単位(例えば、「年度」)毎のデータベースファイルDFが作成されており、各データベースファイルDFは、事業体Rが製造・販売する製品名を示す「製品」とその「ライフサイクル・ステージ」(LS)とに関連づけられた記録領域(レコード)により構成されている。ここで、「ライフサイクル・ステージ」とは、事業体Rが製造・販売する製品のライフサイクル(原料採取〜廃棄まで)の各段階を示すものである。本実施の形態では、事業体Rは複写機などの製品を製造・販売する企業であるので、「ライフサイクル・ステージ」として、以下のものが設定される。
(1)製品の設計段階である「設計」
(2)素材・部品の調達段階である「調達」
(3)製品の製造段階である「製造」
(4)製品の流通段階である「流通」
(5)製品の販売段階である「販売」
(6)ユーザによる使用段階である「使用」
(7)使用されている製品の保守段階である「保守」
(8)使用済み製品の回収・リサイクル・廃棄段階である「リユース・リサイクル」
【0023】
したがって、新規にデータベースファイルDFを作成する場合には、当該年度において製造・販売された製品についてのレコードが、ライフサイクル・ステージ毎に作成される。
【0024】
図3は、各レコードのデータ構成を示す図である。図示するように、各レコードは、当該製品とライフサイクル・ステージとに対応した、「担当区」、「負荷」、「コスト」、「効果」、「付加価値」の各欄から構成される。
【0025】
「担当区」には、担当事業体や部門を示す情報が記録される。例えば、製品が「製品A」でライフサイクル・ステージが「設計」のレコード(図2における「レコードA−1」)の場合は、製品Aを設計した部署名を示す情報が記録される。
【0026】
「負荷」には、発生した環境負荷量を示す情報(環境負荷情報)が記録される。環境負荷情報の例を図4に示す。図示するように、環境負荷情報には、投入されたエネルギーや資源量など(インプット)を示す情報や、排出された汚染物質量や製品中の化学物質含有量など(アウトプット)を示す情報が記録される。
【0027】
「コスト」には、環境保全活動に対して投じられたコスト(すなわち、環境負荷を抑制するためのコスト)が記録される「環境保全コスト」欄と、投じられた資源・エネルギー(上記「環境負荷情報」に対応)に対するコストが記録される「資源・エネルギーコスト」欄が作成されている。
【0028】
図5に「環境保全コスト」に記録される情報の例を示す。図示するように、「環境保全コスト」は、例えば、以下のような項目に分類される。
(1)生産・サービス活動により事業エリア内で生じる環境負荷を抑制するためのコストである「事業エリア内コスト」
(2)生産・サービス活動に伴って、その上流または下流で生じる環境負荷を抑制するためのコストである「上・下流コスト」
(3)管理活動における環境保全コストである「管理活動コスト」
(4)研究開発活動における環境保全コストである「研究開発コスト」
(5)社会活動における環境保全コストである「社会活動コスト」
(6)環境損傷に対応するためのコストである「環境損傷対応コスト」
【0029】
「事業エリア内コスト」は、さらに、「公害防止コスト」、「地球環境保全コスト」、「資源循環コスト」などに分類される。
【0030】
「公害防止コスト」は、例えば、大気汚染防止、水質汚濁防止、土壌汚染防止、騒音防止、振動防止、悪臭防止、地盤沈下防止、などのために投じられたコストを示す。
【0031】
「地球環境保全コスト」は、例えば、温暖化防止、オゾン層破壊防止、などのために投じられたコストを示す。
【0032】
「資源循環コスト」は、例えば、資源の効率的利用、節水・雨水利用、産業廃棄物の削減・リサイクル、事業系一般廃棄物の削減・リサイクル、産業廃棄物の処理・処分、事業系一般廃棄物の処理・処分、などといった、持続可能な資源循環のために投じられたコストを示す。
【0033】
すなわち、「事業エリア内コスト」は、直接的に環境負荷を削減するために投じられたコストを示すものである。
【0034】
一方、「上・下流コスト」、「管理活動コスト」、「研究開発コスト」、「社会活動コスト」、「環境損傷対応コスト」などは、環境負荷削減のために間接的に資する事業活動に対して投じられたコストを示すものである。以下に、詳細を示す。
【0035】
「上・下流コスト」は、例えば、グリーン購入などに伴い発生した通常の購入行為との差額コスト、生産・販売された製品等のリサイクル・回収・再商品化・適正処理のためのコスト、容器包装等のリサイクル・回収・再商品化・適正処理のためのコスト、容器包装等の低負荷化のための追加的コスト、などを示す。
【0036】
「管理活動コスト」は、例えば、社員への環境教育などのためのコスト、環境マネジメントシステムの構築、運用、認証取得のためのコスト、環境負荷の監視・測定のためのコスト、環境対策組織などの運営のためのコスト、などを示す。
【0037】
「研究開発コスト」は、例えば、環境保全に資する製品等の研究・開発コスト、製造段階における環境負荷低減のための研究開発・企画設計のためのコスト、その他の段階における環境負荷低減のためのコスト、などを示す。
【0038】
「社会活動コスト」は、例えば、環境改善対策(自然保護・緑化・美化・景観保持など)のためのコスト、地域住民の環境活動への支援や情報提供(セミナーなど)のためのコスト、環境保全活動を行う団体などへの寄付・支援のためのコスト、環境情報の公表や環境広告のためのコスト、などを示す。
【0039】
「環境損傷対応コスト」は、例えば、土壌汚染・自然破壊などの修復のためのコスト、環境の損傷に対する引当金繰入額や保険料、環境保全に関する和解金・補償金・罰金・訴訟費用、などを示す。
【0040】
次に、レコードの「効果」欄(図3)について説明する。「効果」欄には、例えば、前年度比で削減された環境負荷量を示す情報が記録される「削減環境負荷」欄と、環境保全活動による経済効果を示す金額情報が記録される「経済効果」欄とが作成されている。
【0041】
図6に、「削減環境負荷」欄に記録される情報の例を示す。図示するように、「削減環境負荷」欄には、当該レコードの「負荷」欄に記録されている環境負荷の各項目のうち、対前年度比で削減されたものの削減量を示す情報と、各削減量を所定の方法で金額に換算した情報とが記録される。ここで、金額換算の手法として、例えば、LCIA(Life Cycle Impact Assessment:ライフサイクル・インパクト・アセスメント)などで用いられるEPS(Environment Priority Strategies for Product Design)を採用するものとする。EPSでは、環境負荷を定量的に示す統合化指標であるELU(Environment Load Unit)を得ることができる。このELU値は、単位が異なる環境負荷を統合し、画一基準の数値として示すものである。したがって、このELU値と各環境負荷項目毎に設定されている係数などを用いて演算することにより、各環境負荷量を金額として表すことができる。このようにして得られた、削減環境負荷量を金額換算した情報が「金額換算値」欄に記録される。
【0042】
図7に「経済効果」欄に記録される情報の例を示す。本実施の形態では、経済効果を示す情報として、例えば、「実質的効果」、「みなし効果」、「偶発的効果」、「社会的効果」、などを記録するものとし、各欄が作成されている。以下、各項目について説明する。
【0043】
「実質的効果」とは、節約や売却等で得た利益を経済効果とし、その利益額を示す情報が「実質的効果」欄に記録される。
【0044】
「みなし効果」とは、環境保全活動が寄与したとみなされる付加価値や節約の効果を示すものであり、その付加価値や節約の額を示す金額情報が「みなし効果」欄に記録される。
【0045】
「偶発的効果」とは、汚染修復や訴訟などのリスクを回避したことにより得られる効果であり、環境保全をしなかった場合に発生しうると想定される汚染修復費用や訴訟費用などの金額情報が「偶発的効果」欄に記録される。
【0046】
「社会的効果」とは、環境対応製品を使用したことにより削減される電気使用量や廃棄物量などの効果であり、削減された電気代や廃棄物処理費などを示す金額情報が「社会的効果」欄に記録される。
【0047】
次に、レコードの「付加価値」欄(図3)について説明する。「付加価値」欄には、図3に示すように、利益額を示す金額情報が記録される。
【0048】
次に、本実施の形態にかかる環境経営評価装置100の動作を、図面を参照して以下説明する。
【0049】
まず、本実施の形態にかかる環境経営評価装置100による「データベース作成処理」を図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、制御部110が、プログラム格納部150に格納されているDB管理プログラムを実行することにより、環境経営情報データベース160に記録されるデータベースファイルDFの作成・更新を行う。
【0050】
まず、環境経営評価装置100は、事業体Rの各事業所等から、環境経営情報データベース160に記録される環境経営情報を取得する(ステップS101)。ここでは、制御部110が、プログラム格納部150に格納されている通信プログラムを実行し、コンピュータシステム1(すなわち、ネットワーク)を介して、各事業所等の適当な部門が使用するコンピュータ装置などから環境経営情報を取得する。例えば、環境負荷情報などは環境負荷を監視・調査等する部門のコンピュータ装置などから取得する。また、コスト情報や経済効果情報などは、経理システムなどのコンピュータ装置などから取得する。
【0051】
制御部110は、プログラム格納部150に格納されているDB管理プログラムを実行し、ステップS101で取得した環境経営情報を、環境経営情報データベース160に作成されているレコードのうち、該当するレコードに順次記録する(ステップS102)。
【0052】
当該レコードに環境負荷情報が記録されると、制御部110は、前年度のデータベースファイルの対応レコード(「製品」−「ライフサイクル・ステージ」が同一のレコード)から環境負荷情報を取得する。制御部110はさらに、プログラム格納部150の演算プログラムを実行し、環境負荷量の差分を算出することで前年度比の削減量を算出して、当該レコードに記録する(ステップS103)。
【0053】
制御部110は、ステップS103で算出した各削減量について、EPS手法の所定の演算を行うことで、削減された環境負荷量のELUを算出し、金額情報として当該レコードに記録する(ステップS104)。以上の処理を、データベースファイルDFに用意されている各レコードについて行うことでデータベースファイルDFを完成させる。
【0054】
次に、上記処理により作成されたデータベースファイルDFに記録された環境経営情報を用いて事業体Rの環境経営を評価する「環境経営評価処理」を、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0055】
この「環境経営評価処理」は、制御部110がプログラム格納部150に格納されている評価プログラムを実行することで開始される。この評価プログラムは、所定の画面を提示してユーザに諸条件を入力させることで、入力された条件に応じた環境経営評価を行うものである。ここで、評価プログラムは、環境経営評価装置100上で入出力を行う「アプリケーション」形式で実現できることはもとより、例えば、インターネットなどの通信ネットワークを介して入出力を行う「ウェブベース」形式などでも実現可能である。この場合、環境経営評価装置100は、ウェブサーバとして機能するものとし、例えば、CGI(Common Gateway Interface)などの動作機構などにより、ユーザからの入力内容に応じて環境経営情報データベース160から必要な情報を取得してウェブページを作成し、通信プログラムとの協働などによりネットワークを介した入出力を行う。
【0056】
以下、評価プログラムが上記「アプリケーション形式」である場合を例に、その動作を説明する。なお、以下の処理における各演算は、評価プログラム自体が行ってもよいし、演算プログラムとの協働により行ってもよい。
【0057】
制御部110は、評価プログラムの動作に基づき、図10に示すような対象指定画面W1を出力部140(この場合、ディスプレイ装置)に表示する(ステップS201)。対象指定画面W1は、環境経営評価の評価対象を指定するためのものである。図示するように、対象指定画面W1には、評価対象とするライフサイクル・ステージや、製品、年度、などを選択指定するための、例えば、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニュー、などが表示される。
【0058】
ユーザは入力部130を操作し、所望する評価対象を選択して画面下部の「OK」ボタンを選択することで、選択された対象を示す情報(以下、「評価対象情報」とする)が制御部110に入力される。図10の例では、「全LS」、「製品A」、「2001年度」が選択されていることを示す。
【0059】
評価対象情報が入力されると(ステップS202:Yes)、制御部110は、環境経営情報データベース160に蓄積されているデータベースファイルDFから、評価対象情報に対応するものを特定する(ステップS203)。本実施の形態では、データベースファイルDFは年度毎に作成されているので、評価対象情報に示される対象年度に対応するデータベースファイルDFが特定される。
【0060】
制御部110は、ステップS203で特定したデータベースファイルDFを構成するレコードから、評価対象情報に対応するレコードを特定し(ステップS204)、特定したレコードに記録されている環境経営情報を取得して所定のワークエリアに保持する(ステップS205)。
【0061】
制御部110は、ステップS205で取得した環境経営情報に基づいて、図11に示すような評価テーブルET1を作成する(ステップS206)。この評価テーブルET1は、ステップS205で取得した環境経営情報を再構成したものである。
【0062】
ここで、評価テーブルET1の上段には、ステップS205で取得した環境経営情報のうち、各レコードの環境負荷情報、すなわち、直接的な環境負荷を示す実データが記録される。一方、下段には、金額ベースの情報である「環境会計」情報が記録される。
【0063】
「環境会計」を構成する各欄のうち、「コスト」および「効果」には、取得した環境経営情報に示される対応する情報が記録される。また、「環境影響」には、上段の環境負荷情報に基づいて、環境負荷を、例えば、「資源影響」、「人間健康影響」、「生態系影響」、「生物多様性」、などに分類し、上段の実データをもとに算出したELU値が記録される。そして、「金額換算」欄には、「環境影響」欄に記録されているELU値に基づいた金額情報が記録される。
【0064】
ここで示される「環境影響」は、事業体Rがもたらした環境負荷によって地球環境に与えるダメージを示すものであり、社会に対して与えた負荷であると捉えることができる。したがって、換算した金額値は、社会が負担するコスト(社会コスト)として記録される。同様に、「効果」欄に記録される「削減社会コスト」は、金額換算された削減環境負荷量を、削減された社会コストとして示すものである。
【0065】
図11に示す評価テーブルET1では、「環境会計」欄の「指標」が空欄である。制御部110は、作成した評価テーブルET1に基づいて、「指標」欄に記録する各指標を算出する(ステップS207)。
【0066】
本実施の形態では、「指標」として「環境効果率」と「環境収益率」を算出する。これらは、環境保全活動が経済合理性をもって行われているかを判別するための指標である。
【0067】
「環境効果率」は、制御部110が、数式5を演算することにより求められる。
【数5】
環境効果率=経済効果額+削減社会コスト総額/環境保全コスト総額
【0068】
一方、「環境収益率」は、制御部110が、数式6を演算することにより求められる。
【数6】
環境収益率=経済効果総額/環境保全コスト総額
【0069】
制御部110は、ステップS207で算出した各指標値を評価テーブルET1の対応する欄に記録することで、図12に示すような評価テーブルET2を作成する。
【0070】
評価テーブルET2を作成すると、制御部110は、作成された評価テーブルET2に記録された指標値に基づいて、評価対象の環境経営評価を行う。本実施の形態では、環境経営のレベルを「環境対応」、「環境保全」、「環境経営」の3つに分類し、これらのうちのいずれに該当するかを評価するものとする。これらの分類を図面を参照して説明する。
【0071】
図13は、環境経営の各レベルを説明するための図である。この図は、環境保全活動に投じられたコストである「環境保全コスト」と、それにより得られた「環境保全効果」および「経済効果」との関係を示すものである。
【0072】
まず、「環境対応」状態とは、投じた「環境保全コスト」により得られる「環境保全効果」が法規制をクリアするレベルである状態をいう。環境保全効果が法規制をクリアできなければ、環境を考慮した事業(経営)とは言えないため、環境経営を行う上で最低限クリアしなければならないレベルがこの「環境対応」レベルである。また、利益などの「経済効果」は投じた「環境保全コスト」より下回っており、すなわち、環境保全活動のコスト回収ができない状態である。
【0073】
「環境保全」状態とは、「環境保全効果」が、法規制を上回る「トップランナーレベル」まで向上した状態であるが、経済効果は「環境対応」と同レベルであることをいう。したがって、高いレベルで環境負荷低減が実現されているが、コスト回収できない状態ということになる。なお、「トップランナーレベル」とは、例えば、法規制より厳しい自主規制や、業界の最高水準のレベル、などであるものとする。
【0074】
そして、「環境保全効果」をトップランナーレベルで維持しつつ、さらに、「経済効果」がコスト回収レベル以上である状態を「環境経営」状態という。すなわち、投じた「環境保全コスト」と同額以上の経済効果が得られている状態である。これは、高い環境保全効果を実現しつつ、増益などによりコスト回収も達成している状態であり、環境負荷低減という社会的責務と、利益追求という企業としての責務を両立した理想的な状態である。なお、「環境保全コスト」が低減された場合、その分は「経済効果」として計上されるものとする。
【0075】
これらの分類のいずれに属するかを、上記各指標値と所定の閾値とを比較することで判別することができる。制御部110は、作成した評価テーブルET2に記録された指標値を用いて、「経営状態判別処理」を実行する。この「経営状態判別処理」を図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0076】
まず、制御部110は、「経済効果率」の値が1以下であるか否かを判別する(ステップS301)。ここで、1以下であれば(ステップS301:Yes)、「環境対応」のレベルであると判別する(ステップS302)。すなわち、「環境効果率」は、「(経済効果総額+削減社会コスト総額)/環境保全コスト総額」で求められるが、ここで、「(経済効果総額+削減社会コスト総額)」は環境保全効果を金額換算したもの(以下、「環境効果額」とする)であるため、「環境効果率」が1であれば、投じた環境保全コストと環境効果額とが同額であることを示す。よって、1以下であれば、「環境効果額≦環境保全コスト」であることを示すため、「環境対応」状態、あるいは、それ以下のレベルであるということがわかる。
【0077】
上述のように、「環境対応」状態は、環境経営を行う上で最低限クリアしなければならないレベルであるため、「環境対応」状態であると判別された場合、評価対象となった事業は見直し等の対象となる。
【0078】
一方、「環境効果率」の値が1を超える場合(ステップS301:No)、制御部110は、さらに「環境収益率」の値が1未満であるか否かを判別する(ステップS303)。ここで、1未満の場合(ステップS303:Yes)、制御部110は、「環境保全」のレベルであると判別する(ステップS304)。すなわち、「環境収益率」は「経済効果総額/環境保全コスト総額」で求められるため、「環境収益率」が1であれば、投じられた環境保全コストと経済効果額が同額であることを示す。よって、1未満であれば、「経済効果総額<環境保全コスト」であることを示すため、対象となる事業における環境保全活動は、高レベルの環境負荷低減が実現されているが、コスト回収できない「環境保全」状態であると判別する。
【0079】
一方、「環境収益率」が1以上である場合(ステップS303:No)、制御部110は、「環境経営」状態であると判別する(ステップS305)。すなわち、「環境収益率」が1以上であれば、「経済効果総額≧環境保全コスト」であることを示すため、高レベルの環境負荷低減を実現しつつ、コスト回収が達成されている状態ということになるからである。
【0080】
制御部110は、上記「経営状態判別処理」の判別結果に基づいて、図15に示すような評価結果画面W2を作成して、出力部140に表示して(ステップS208)、処理を終了する。
【0081】
図示するように、評価結果画面W2には、評価対象についての評価結果(「環境対応」、「環境保全」、「環境経営」のいずれであるか)と、これに対応する所定のコメント等が表示される。また図示するように、例えば、ラジオボタンなどの選択手段とともに、「全データをみる」、「LS毎にみる」、「製品毎にみる」、「評価対象の変更」、などを表示してもよい。
【0082】
ここで、例えば、「全データをみる」が選択された場合、作成した評価テーブルET2を出力部140に表示するなどして、詳細情報を提供する。また、「LS毎にみる」や「製品毎にみる」が選択された場合は、さらに所望の対象(LSや製品)を選択させる画面を表示し、評価テーブルET2から指定された対象についての情報を抽出して表示する。また、「評価対象の変更」が選択された場合には、対象指定画面W1を再度表示する。
【0083】
以上説明したように、上記実施の形態にかかる環境経営評価装置によれば、環境負荷の実データおよびそれに伴う収支情報を取得することで、事業体における環境保全活動の成果を客観的に評価することができる。すなわち、環境負荷情報を金額換算しているので、投じたコストや得られた経済効果との関係を指標化することができ、この指標を用いて容易かつ客観的に環境経営を評価することができる。
【0084】
また、環境経営情報をライフサイクル・ステージや製品毎に取得するので、評価対象の選択に自由度を持たせることができ、詳細な評価を行うことができる。
【0085】
上記実施の形態では、「環境効果率」および「環境収益率」を指標として例示したが、環境経営の評価に用いられる指標はこれらに限られない。例えば、「環境改善効率」、「環境負荷利益率」、「社会コスト改善率」、「社会コスト利益率」、「環境負荷売上指数」、「社会コスト売上率」、などを用いてもよい。
【0086】
「環境改善効率」とは、数式7を演算することにより、単位環境保全コストあたりでどれだけの環境負荷物量を削減できたかを環境負荷項目別に示す指標である。
【数7】
環境改善効率=環境負荷削減量/環境保全コスト総額
【0087】
「環境負荷利益率」とは、数式8を演算することにより、環境負荷物の単位排出量に対して、どれだけの企業付加価値を得たかを示す指標である。
【数8】
環境負荷利益率=売上総利益/環境負荷総量
【0088】
「社会コスト改善率」とは、数式9を演算することにより、社会コスト削減が効率よくなされたかを示す指標である。
【数9】
社会コスト改善率=社会コスト削減総量/環境保全コスト総額
【0089】
「社会コスト利益率」とは、数式10を演算することにより、適正な社会コストで企業の利益が獲得できているかを示す指標である。
【数10】
社会コスト利益率=売上総利益/社会コスト総額
【0090】
「環境負荷売上指数」とは、数式11を演算することにより、事業規模に見合う環境負荷で事業活動がなされているかを示す指標である。
【数11】
環境負荷売上指数=売上高/環境負荷金額換算値総量
【0091】
「社会コスト売上率」とは、数式12を演算することにより、事業規模に見合う社会コストで事業活動がなされているかを示す指標である。
【数12】
社会コスト売上率=売上高/社会コスト総額
【0092】
上記実施の形態で説明した経営状態の分類は一例であり、分類の種類およびその基準は任意である。したがって、指標値と比較する閾値も任意であり、設定した条件や目標に応じて適宜変更可能である。
【0093】
上記実施の形態における環境経営評価装置100は、専用装置で構成可能であることはもとより、例えば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータ装置などで構成することもできる。この場合、汎用コンピュータ装置に、上記各処理を実現するためのプログラムの一部または全部をインストールし、OSなどの制御下で実行することにより上記環境経営評価装置100を構成することができる。また、コンピュータ装置へのプログラムの配布形態は任意である。例えば、CD−ROMなどの記録媒体に記録して配布したり、搬送波に重畳させることで通信媒体(インターネットなど)を介して配布することができる。
【0094】
なお、上記実施の形態では、環境経営評価装置100が取得・蓄積する環境経営情報を事業体Rのものとしたが、例えば、同業他社の環境経営情報を取得して、他社と評価結果を比較するように構成してもよい。また、上記実施の形態では、環境経営評価装置100を事業体Rに設置し、当該事業体により運用される例を示したが、例えば、環境経営評価装置100を第三者団体などが運用し、複数の事業体の環境経営情報を取得して、インターネットなどを通じて各社の環境経営評価情報を提供するような構成としてもよい。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、環境経営を容易かつ客観的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる環境経営評価装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す環境経営情報データベースに作成されるデータベースフィールドの例を示す図である。
【図3】図2に示すデータベースフィールドを構成するレコードの例を示す図である。
【図4】図3に示すレコードに記録される環境負荷情報の例を示す図である。
【図5】図3に示すレコードに記録される環境保全コスト情報の例を示す図である。
【図6】図3に示すレコードに記録される削減環境負荷情報の例を示す図である。
【図7】図3に示すレコードに記録される経済効果情報の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかるデータベース作成処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態にかかる環境経営評価処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図9に示す環境経営評価処理で表示される対象指定画面の表示例を示す図である。
【図11】図9に示す環境経営評価処理で作成される評価テーブルの例を示す図である。
【図12】図9に示す環境経営評価処理で作成される評価テーブルの他の例を示す図である。
【図13】環境経営状態の分類を説明するための図である。
【図14】図9に示す環境経営評価処理で実行される経営状態判別処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】図9に示す環境経営評価処理で表示される評価結果画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 コンピュータシステム
100 環境経営評価装置

Claims (8)

  1. コンピュータを用いて、事業体における環境保全活動の成果を評価するための環境経営評価方法であって、
    前記事業体の各部門の事業活動において環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報と、前記環境保全コスト情報が示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報と、前記事業活動で発生した製品毎の環境負荷量を示す環境負荷情報、他のコンピュータシステムから製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積するデータベース作成ステップと、
    前記データベースで同一の前記識別情報に対応づけられている環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで、前記投じられた環境保全コストに応じて削減された環境負荷量を算出し、算出した削減環境負荷量を示す削減環境負荷情報を、当該識別情報と対応づけて前記データベースに蓄積する削減環境負荷算出ステップと、
    入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた、少なくとも、前記環境保全コスト情報と、前記経済効果情報と、前記環境負荷情報と、前記削減環境負荷情報とを前記データベースから取得し該取得した情報を用いた演算をおこなうことにより、前記事業活動における環境保全活動の経済合理性を示す複数の指標を算出する指標算出ステップと、
    前記算出された指標と所定の閾値とを比較することで、前記事業体の環境保全活動を経済効率の観点から評価する評価ステップと、
    前記評価ステップの評価結果を出力する出力ステップと、
    を備えることを特徴とする環境経営評価方法。
  2. 前記指標算出ステップは、数式1を計算することで、前記環境保全活動に対する環境収益率を示す指標を算出し、
    前記評価ステップは、該算出された指標に示される数値と所定の閾値とを比較することで、前記環境保全活動を経済効率の観点から評価する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の環境経営評価方法。
    【数1】
    環境収益率=経済効果/環境保全コスト
  3. 前記指標算出ステップは、前記削減環境負荷情報を金額情報に変換し、該変換された金額情報に基づいて、削減された環境負荷量を削減された社会コストとして指標を算出し、
    前記評価ステップは、前記指標に基づいて、前記環境保全活動を経済効率の観点から評価する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の環境経営評価方法。
  4. 前記指標算出ステップは、数式2を計算することで、前記環境保全活動の環境効果率を示す指標を算出し、
    前記評価ステップは、該算出された指標に示される数値と所定の閾値とを比較することで、前記環境保全活動を経済効率の観点から評価する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の環境経営評価方法。
    【数2】
    環境効果率=(経済効果+削減社会コスト)/環境保全コスト
  5. 前記データベース作成ステップは、通信ネットワークを介して前記事業体の各部門の前記コンピュータシステムから各情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の環境経営評価方法。
  6. コンピュータに、
    通信ネットワークを介して接続された複数の事業体のコンピュータから、当該事業体の環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報と、前記蓄積された環境保全コストが示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報と、前記製品について発生したライフサイクル単位の環境負荷量を示す環境負荷情報を、前記通信ネットワークを介して取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積するステップと、
    前記データベースで同一の前記識別情報に対応づけられている前記環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで、製品毎に削減された環境負荷量を算出し、算出した環境負荷量を金額で示した削減環境負荷情報を、当該識別情報に対応づけて前記データベースに蓄積するステップと、
    入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と前記環境保全コスト情報とを前記データベースから取得し該取得した経済効果情報と環境保全コスト情報を用いて製品毎の環境収益率を算出するステップと、
    入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と、前記削減環境負荷情報と、前記環境保全コスト情報とを、前記データベースから取得し、該取得した経済効果情報と、削減環境負荷情報と、環境保全コスト情報とを用いて、製品毎の環境効果率を算出するステップと、
    算出した前記環境収益率と前記環境効果率のそれぞれを所定の閾値と比較することで、前記事業体の環境保全活動を経済効率の観点から評価するステップと、
    評価結果を出力装置に出力するステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  7. 事業体の各部門のコンピュータシステムと通信ネットワークを介して通信する通信手段と、
    前記通信手段により、前記各部門の事業活動で環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報を当該製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積する環境保全コスト情報取得手段と、
    前記通信手段により、前記環境保全コスト情報が示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報を取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する経済効果情報取得手段と、
    前記通信手段により、前記事業活動で発生した製品毎の環境負荷量を示す環境負荷情報を当該製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する環境負荷情報取得手段と、
    前記データベースに蓄積された環境負荷情報に基づいて、同一の前記識別情報に対応づけられている前記環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで、前記投じられた環境保全コストに応じて削減された環境負荷量を算出し、算出した削減環境負荷量を金額に変換した削減環境負荷情報を、当該識別情報に対応づけて前記データベースに蓄積する削減環境負荷算出手段と、
    入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた、少なくとも、前記環境保全コスト情報と、前記経済効果情報と、前記環境負荷情報と、前記削減環境負荷情報と、を前記データベースから取得し、該取得した情報を用いて複数の指標を算出する指標算出手段と、
    前記指数算出手段が算出した複数の指標と所定の閾値とを比較することで、前記環境保全活動を経済効率の観点から部門単位で評価し、評価結果を出力する評価手段と、
    を備えることを特徴とする環境経営評価装置。
  8. コンピュータに、
    通信ネットワークを介して接続された複数の事業体のコンピュータから、当該事業体の環境保全活動に投じられた製品毎のコストを示す環境保全コスト情報を当該製品のライフサイクル単位で取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位でデータベースに蓄積する機能と、
    前記蓄積された環境保全コストが示す環境保全コストに応じた経済効果を示す経済効果情報を、前記通信ネットワークを介して前記複数のコンピュータから取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する機能と、
    前記製品について発生したライフサイクル単位の環境負荷量を示す環境負荷情報を、前記通信ネットワークを介して前記複数のコンピュータから取得し、評価対象を示す識別情報と対応づけて、所定期間単位で前記データベースに蓄積する機能と、
    前記データベースに蓄積された同一の前記識別情報に対応づけられている前記環境負荷情報が示す環境負荷量の前記所定期間単位での差分を算出することで製品毎に削減された環境負荷量を算出し、算出した環境負荷量を金額で示した削減環境負荷情報を、当該識別情報に対応づけて前記データベースに蓄積する機能と、
    入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と前記環境保全コスト情報とを前記データベースから取得し、該取得した情報を用いて、製品毎の環境収益率を算出する機能と、
    入力された評価対象を示す識別情報に対応づけられた前記経済効果情報と、前記削減環境負荷情報と、前記環境保全コスト情報とを前記データベースから取得し、該取得した情報を用いて、製品毎の環境効果率を算出する機能と、
    算出した前記環境収益率と前記環境効果率のそれぞれを所定の閾値と比較することで、前記事業体の環境保全活動を経済効率の観点から評価する機能と、
    評価結果を出力装置に出力する機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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