JP3818044B2 - ノイズ除去装置及びノイズ除去方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、動画像中に含まれるノイズ領域を検出し、除去するノイズ除去装置及びノイズ除去方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル画像におけるノイズとは、一般的に画像中に記録されている対象物や背景領域に含まれている周囲画素とは大きく異なる画素値を持った画素のことである。このようなノイズは、画像中にランダムに、しかも広範囲に分散して存在することがある。ディジタル画像処理におけるノイズ除去処理とは、このような画素を原画像から除去するものであり、例えば3次元ノイズフィルタなどのローパスフィルタを用いて除去する方法がある。このような3次元ノイズフィルタはランダムノイズの低減に効果を発揮する一方で、より強い効果を得るためには時間空間方向のローパスフィルタを強くかける必要がある。これによって、原画像がもっていた周波数帯域を制限することになり、画像がぼけて原画像の鮮鋭感が失われてしまう。
【0003】
今日、DVDやディジタル放送をはじめとする高S/N(Signal/Noise)のディジタル画像の普及によって、以前ほどノイズフィルタの重要性は失われてきた。しかし、映画などのフィルムからディジタル画像を作成するような場合、フィルムに付着した埃や塵がそのままディジタル画像に記録され、それらがノイズとなってディジタル画像に記録されたままになってしまう。このよううな埃や塵が原因のノイズの特徴としては、動画像のフレーム間の相関が小さい、ノイズ部分の画像濃度は同レベルになりやすい等の特徴がある。上述したような従来のノイズ除去処理は、広範囲に分散した1から数画素程度の小さなランダムノイズを対象にしている。フィルム等からディジタル画像を作成する際に、フィルムに物理的に付着していた埃や塵等が同時に記録されてノイズとなったようなものは数画素から十数画素程度の領域を持つことになるので、従来のノイズ除去方法によって除去することは難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、従来のランダムノイズを対象にしたノイズフィルタよりもノイズ除去の効果が大きく、かつ、画像の周波数帯域を制限することがないノイズ検出装置及び方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、映画フィルム等をディジタル化した連続フレームの画像を記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段から読み出されたフレームの対象画素とその画素の周辺画素の輝度差から前記対象画素がエッジ画素であるか否かを判定するエッジ検出手段と、前記エッジ検出手段によって検出されたエッジ画素の上下左右画素の輝度値と、前後フレームにおける前記エッジ画素と同位置の画素の輝度値との比較結果に基づいて前記エッジ画素がノイズ候補であるか否かを判定する画素レベル判定手段と、前記フレームの各走査線ごとに隣接する前記ノイズ候補を統合してノイズ領域候補を作成し、前記ノイズ領域候補の各画素の輝度のばらつきと前記ノイズ領域候補の前後に隣接する一定領域の各画素の輝度値のばらつきとに基づいて前記ノイズ領域候補がノイズ領域であるか否かを判定するノイズ判定手段とを有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ノイズ領域内の各画素値を前記前後のフレーム内の同位置の画素の画素値の平均値に置き換える置換手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記画素レベル判定手段は、2種類のしきい値を記憶する記憶手段と、前記エッジ検出手段によってエッジとみなされた部分と同位置の原フレーム画像の各画素値と第1のしきい値とを比較する第1の比較手段と、前記第1の比較手段における同じ画素の画素値と前後フレームの同位置における画素値との差分と第2のしきい値とを比較する第2の比較手段と、前記第1の比較手段における同じ位置の画素の上下左右画素のいずれかの画素値と前後フレーム画像における同位置の画素値との差分と前記第2のしきい値との大きさを比較する第3の比較手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記ノイズ判定手段は、3種類のしきい値を記憶する記憶手段と、孤立するノイズ候補画素を除去してフレームの1走査線ごとに隣接するノイズ候補画素を統合してノイズ領域候補とする統合手段と、ノイズ領域候補内の画素値の分散値と第1のしきい値を比較する第1の比較手段と、ノイズ候補領域外の左右のある大きさの領域の画素値の平均値の差分を比較する第2の比較手段と、前記第2の比較手段におけるノイズ候補領域部分の左右の領域の画素値の分散値と第3のしきい値を比較する第3の比較手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、映画フィルム等をディジタル化した連続フレームの画像を記憶する画像記憶手段からフレームを読み出し、読み出したフレームの対象画素とその画素の周辺画素の輝度差から前記対象画素がエッジ画素であるか否かを判定し、検出されたエッジ画素の上下左右画素の輝度値と、前後フレームにおける前記エッジ画素と同位置の画素の輝度値との比較結果に基づいて前記エッジ画素がノイズ候補であるか否かを判定し、前記フレームの各走査線ごとに隣接する前記ノイズ候補を統合してノイズ領域候補を作成し、前記ノイズ領域候補の各画素の輝度のばらつきと前記ノイズ領域候補の前後に隣接する一定領域の各画素の輝度値のばらつきとに基づいて前記ノイズ領域候補がノイズ領域であるか否かを判定することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記ノイズ領域内の各画素値を前記前後のフレーム内の同位置の画素の画素値の平均値に置き換えることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、映画フィルム等をディジタル化した連続フレームの画像を記憶する画像記憶手段からフレームを読み出す第1の処理と、前記画像記憶手段から読み出されたフレームの対象画素とその画素の周辺画素の輝度差から前記対象画素がエッジ画素であるか否かを判定する第2の処理と、前記第2の処理によって検出されたエッジ画素の上下左右画素の輝度値と、前後フレームにおける前記エッジ画素と同位置の画素の輝度値との比較結果に基づいて前記エッジ画素がノイズ候補であるか否かを判定する第3の処理と、前記フレームの各走査線ごとに隣接する前記ノイズ候補を統合してノイズ領域候補を作成し、前記ノイズ領域候補の各画素の輝度のばらつきと前記ノイズ領域候補の前後に隣接する一定領域の各画素の輝度値のばらつきとに基づいて前記ノイズ領域候補がノイズ領域であるか否かを判定する第4の処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記ノイズ領域内の各画素値を前記前後のフレーム内の同位置の画素の画素値の平均値に置き換える処理を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態によるノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。図1において、画像記憶手段11は、映画フィルム等をディジタル化することにより得られた動画像を記憶したり、ノイズ除去処理過程で得られる画像等を一時的に記憶する部分である。画像記憶手段11に相当するものとして、例えば、端末装置のメモリやハードディスクなどがある。
【0014】
エッジ検出手段12は、しきい値を記憶する記憶手段と、画像記憶手段11から処理対象のフレーム画像を読み出してSobelフィルタ等のハイパスフィルタを適用する制御手段と、ハイパスフィルタ適用後の画像の各画素値の絶対値としきい値との大きさを比較することにより画像中のエッジを判定する判定手段とを有する。
【0015】
画素レベル判定手段13は、2種類のしきい値を記憶する記憶手段と、3つの比較手段を有する。第1の比較手段は、エッジ検出手段12によってエッジとみなされた部分と同位置の原フレーム画像の各画素値と第1のしきい値を比較する。第2の比較手段は、第1の比較手段における同じ画素の画素値と注目フレームの前後フレームの同位置における画素値との差分と第2のしきい値との大きさを比較する。第3の比較手段は、第1の比較手段における同じ位置の画素の上下左右画素のいずれかの画素値と前後フレーム画像における同位置の画素値との差分と第2のしきい値との大きさを比較する。
【0016】
ノイズ判定手段14は、3種類のしきい値を記憶する記憶手段と、孤立するノイズ候補画素を除去し、フレームの1走査線ごとに隣接するノイズ候補画素を統合してノイズ領域候補とする統合手段と、3つの比較手段とを有する。第1の比較手段は、ノイズ領域候補内の画素値の分散値と第1のしきい値を比較する。第2の比較手段は、ノイズ候補領域外の左右のある大きさの領域の画素値の平均値の差分を比較する。第3の比較手段は、第2の比較手段におけるノイズ候補領域部分の左右の領域の画素値の分散値と第3のしきい値を比較する。
ノイズ除去手段15は、ノイズと判定された領域を前後フレームの同じ位置の画素の平均に置き換えることによってノイズを除去する。
【0017】
次に、この発明の一実施形態によるノイズ除去装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。図2は、図1の実施形態におけるノイズ除去装置の処理手順全般に関するフローチャートである。まず、あるフレーム画像についてノイズ除去処理を初めて行う場合は、対象となるフレーム画像を記憶手段11から読み出し、ノイズを含むと考えられるエッジをエッジ検出手段12によって検出する。ノイズは、一般に画像中において対象物や背景領域内の画素とは大きく異なる画素値を持つものだからである。そして、以降の処理はエッジ検出手段12でエッジとみなされた位置の画素のみについて行う(ステップS21)。
【0018】
ステップS21に示すエッジ検出処理について説明する。図3は、図1に示す実施形態におけるエッジ検出手段の動作を示すフローチャートである。本エッジ検出のための処理手順は次のステップから成る。
画像記憶手段11から読み出したあるフレームにおいて左上の画素から順に注目して処理を行う。処理は注目画素とその周辺画素に対して、Sobelフィルタに代表されるようなハイパスフィルタを適用して適用後の注目画素の画素値xを求める(ステップS31)。求められた画素値xの絶対値とあらかじめ記憶させたエッジレベルのしきい値ETHとを比較する(ステップS32)。
【0019】
この結果、注目画素の画素値xの絶対値がエッジレベルのしきい値ETHよりも大きい場合は、注目画素をエッジに相当する画素とみなし(ステップS33)、エッジレベルのしきい値ETHよりも小さい場合は、注目画素はエッジに相当する画素とはみなさない(ステップS34)。
尚、エッジレベルのしきい値ETHはあらかじめ記憶させておく場合の他に、後から装置の利用者が入力する、あるいは各フレーム画像ごとに計算させることによって決定してもよい。
【0020】
次に画素レベル判定手段13においては、ステップS21で検出されたエッジに対して、エッジ画素の上下左右画素の輝度値及び前後フレームにおける前記エッジ画素と同位置の画素の輝度値を比較することによってノイズ候補を判定する(ステップS22)。
ステップS22において条件を満足する場合はステップS23へ進み、条件を満足しない画素についてはノイズではないと判断される(ステップS26)。
【0021】
ステップS22に示す画素レベル判定処理について説明する。図4は、図1に示す実施形態における画素レベル判定手段の動作に関するフローチャートである。尚、図4のフローチャートにおいて注目画素と近傍領域等の各画素との位置関係は図5に示すように定義する。図5において、y0は現在処理しているフレーム画像における注目画素であり、y0の座標を(i,j)とする。この場合、同フレーム画像中のy1は(i,j−1)の位置の画素、y3は(i−1,j)の位置の画素、y5は(i+1,j)の位置の画素、y7は(i,j+1)の位置の画素を示す。また、ybは1フレーム前の画像におけるy0と同じ位置の画素、yfは1フレーム後の画像におけるy0と同じ位置の画素である。
【0022】
図4のフローチャートにおいて画素レベル判定のための処理手順は次のステップから成る。まず、注目画素y0の画素値Ny0が画素レベルしきい値DTHよりも小さいか否かを判断し(ステップS41)、判断結果がYESの場合、すなわち輝度が低い場合は、ステップS42へ進む。NOの場合は、もとの画素値がノイズレベルと離れている、すなわちノイズではないと判定して終了する(ステップS52)。
【0023】
次に、y0とyfの画素値の差分の絶対値|Ny0ーNyf|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS42)、判断結果がYESの場合は、ステップS43へ進む。NOの場合は、もとの画素値がノイズレベルと離れていると判定して終了する(ステップS52)。
また、y0とybの画素値の差分の絶対値|Ny0ーNyb|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS43)、判断結果がYESの場合は、ステップS44へ進む。NOの場合は、もとの画素値がノイズレベルと離れていると判定して終了する(ステップS52)。
【0024】
さらに、y3とybの画素値の差分の絶対値|Ny3ーNyb|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS44)、判断結果がYESの場合は、ステップS45へ進む。NOの場合は、ステップS46へ進む。
y3とyfの画素値の差分の絶対値|Ny3ーNyf|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS45)、判断結果がYESの場合は、もとの画素値がノイズのレベルに近いと判定して終了する(ステップS53)。NOの場合は、もとの画素値がノイズレベルと離れていると判定して終了する(ステップS52)。
【0025】
y5とybの画素値の差分の絶対値|Ny5ーNyb|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS46)、判断結果がYESの場合は、ステップS47へ進む。NOの場合は、ステップS48へ進む。
y5とyfの画素値の差分の絶対値|Ny5ーNyf|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS47)、判断結果がYESの場合は、もとの画素値がノイズのレベルに近いと判定して終了する(ステップS53)。NOの場合は、もとの画素値がノイズレベルと離れていると判定して終了する(ステップS52)。
【0026】
y1とybの画素値の差分の絶対値|Ny1ーNyb|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS48)、判断結果がYESの場合は、ステップS49へ進む。NOの場合は、ステップS50へ進む。
y1とyfの画素値の差分の絶対値|Ny1ーNyf|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS49)、判断結果がYESの場合は、もとの画素値がノイズのレベルに近いと判定して終了する(ステップS53)。NOの場合は、もとの画素値がノイズレベルと離れていると判定して終了する(ステップS52)。
【0027】
y7とybの画素値の差分の絶対値|Ny7ーNyb|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS50)、判断結果がYESの場合は、ステップS51へ進む。NOの場合は、もとの画素値がノイズレベルと離れていると判定して終了する(ステップS52)。
y7とyfの画素値の差分の絶対値|Ny7ーNyf|がフレーム間差分しきい値DTH2よりも大きいか否かを判断し(ステップS51)、判断結果がYESの場合は、もとの画素値がノイズのレベルに近いと判定して終了する(ステップS52)。NOの場合は、もとの画素値がノイズのレベルと離れていると判定して終了する(ステップ52)。
【0028】
さらに、注目フレームの画像において、画像内の全ての画素についてノイズ除去処理が終了しているかどうかを判断する。そして、ノイズ除去処理がすべての画素について終了していれば次のフレームの画像に進み、すべての画素について終了していなければ次の画素を注目画素として次の処理対象画素にする(ステップS23)。
【0029】
尚、ステップS22において輝度値を用いた比較を行った後に、色差を用いて同様の処理を行うことによって、さらにノイズ候補となる画素を限定する事が可能となる。例えば、8ビットのレベルで表現すると色差成分は、16進数で80(10進数で128)付近で輝度信号は16進数で40(10進数で64)以下で画素レベルを判定する。
また、画像のヒストグラムをとり、輝度成分だと下位数パーセント以下のレベルを黒レベルのしきい値として採用する方法をとれば、画像の内容に合わせて黒レベルを適応的に変化させることができる。
【0030】
ステップS24に示すノイズ判定に関する処理について説明する。図6は、図1に示す実施形態におけるノイズ判定手段14の動作を示すフローチャートである。ノイズ判定手段の動作は次のステップから成る。
まず、フレーム画像の各ノイズ候補画素に隣接する上下左右斜めの合計8つの隣接画素内に他のノイズ候補画素があるかどうかを判断し(ステップS60)、判断結果がYESの場合、すなわち他のノイズ候補画素に隣接している場合は、ステップS61へ進む。NOの場合は、ノイズ候補領域ではない(孤立点である)と判定して終了する(ステップS69)。
【0031】
次に、フレーム画像の各走査線毎に図7に示すようにノイズ候補領域を作成する。そして、ノイズ候補領域を挟んだ同一の走査線の左右のある一定領域の画素をそれぞれ前サンプル、後サンプルと呼ぶ。尚、これらの前後サンプルを構成する画素数は任意に決めることができる。このようにして作成したノイズ候補領域内の画素値の分散値varを計算する(ステップS61)。
分散値varが領域の分散のしきい値VarTHよりも小さいかどうかを判断し(ステップS62)、判断結果がYESの場合は、ステップS63へ進む。NOの場合は、ノイズ領域でないと判定して終了する(ステップS69)。
【0032】
次に、後サンプルの画素値の平均値bexpを計算し(ステップS63)、前サンプルの画素値の平均値fexpを計算する(ステップS64)。fexpとbexpの差分の絶対値|fexp−bexp|が前後平均値のしきい値exTHよりも小さいか否かを判断し(ステップS65)、判断結果がYESの場合は、ステップS66に進む。NOの場合はノイズ領域でないと判定して終了する(ステップS69)。
【0033】
前サンプル及び後サンプルの分散値VarSを計算する(ステップS66)。前サンプル及び後サンプルの分散値VarSが前後画素の分散のしきい値VarSTHよりも小さいか否かを判断し(ステップS67)、判断結果がYESの場合は、ノイズ領域であると判定して終了する。NOの場合はノイズ領域でないと判定して終了する(ステップS69)。尚、上述したVarTH、exTH、VarSTHの各しきい値は、あらかじめ記憶させておく他に、後から装置の利用者が入力する、あるいは画像ごとに計算させることによって決定してもよい。
【0034】
以上の処理によってフレーム画像の各走査線毎にノイズ領域を検出することができる。尚、検出したノイズ領域の大きさについて一定領域以内のものに限定することによって、画像中の横方向に長い線状物体等を誤検出することがなくなる。また、フレーム画像の縦方向に対する同様の処理を上記手順に組み合わせて行ってもよい。ノイズ除去手段15でノイズ領域であると判断された領域内の画素については、前後フレームの同じ位置の画素の平均値に置き換えることによってノイズ除去処理が終了する。
【0035】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりノイズ除去処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0036】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フロッピーディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0037】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、連続フレームの画像を記憶する画像記憶手段から読み出されたフレームの注目する画素及び周辺画素の輝度値からエッジ画素を検出し、エッジ画素の上下左右画素の輝度値等の画素の輝度値からエッジ画素をノイズ候補として判定し、ノイズ候補の画素の周囲に他のノイズ候補の画素が存在する場合について、フレームの各走査線ごとにノイズ領域候補を作成し、その輝度値の分散等からノイズ領域を判定する手段を有するので、従来のランダムノイズを対象にしたノイズフィルタよりもノイズ除去の効果が大きく、かつ、画像の周波数帯域を制限することがないので画像がぼける欠点が生じない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態によるノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態におけるノイズ除去装置の処理手順全般に関するフローチャートである。
【図3】図1の実施形態におけるエッジ検出手段の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1の実施形態における画素レベル判断手段の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4の画素レベル判断手段の動作を説明するためのフレームと各画素の位置関係を示す図である。
【図6】図1の実施形態におけるノイズ判定手段の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1の実施形態におけるノイズ領域及び前後サンプルを説明するための図である。
【符号の説明】
11 画像記憶手段
12 エッジ検出手段
13 画素レベル判定手段
14 ノイズ領域判定手段
15 ノイズ除去手段
Claims (8)
- 映画フィルム等をディジタル化した連続フレームの画像を記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段から読み出されたフレームの対象画素とその画素の周辺画素の輝度差から前記対象画素がエッジ画素であるか否かを判定するエッジ検出手段と、
前記エッジ検出手段によって検出されたエッジ画素の上下左右画素の輝度値と、前後フレームにおける前記エッジ画素と同位置の画素の輝度値との比較結果に基づいて前記エッジ画素がノイズ候補であるか否かを判定する画素レベル判定手段と、
前記フレームの各走査線ごとに隣接する前記ノイズ候補を統合してノイズ領域候補を作成し、前記ノイズ領域候補の各画素の輝度のばらつきと前記ノイズ領域候補の前後に隣接する一定領域の各画素の輝度値のばらつきとに基づいて前記ノイズ領域候補がノイズ領域であるか否かを判定するノイズ判定手段と
を有することを特徴とするノイズ除去装置。 - 前記ノイズ領域内の各画素値を前記前後のフレーム内の同位置の画素の画素値の平均値に置き換える置換手段を有することを特徴とする請求項1に記載のノイズ除去装置。
- 前記画素レベル判定手段は、2種類のしきい値を記憶する記憶手段と、
前記エッジ検出手段によってエッジとみなされた部分と同位置の原フレーム画像の各画素値と第1のしきい値とを比較する第1の比較手段と、
前記第1の比較手段における同じ画素の画素値と前後フレームの同位置における画素値との差分と第2のしきい値とを比較する第2の比較手段と、
前記第1の比較手段における同じ位置の画素の上下左右画素のいずれかの画素値と前後フレーム画像における同位置の画素値との差分と前記第2のしきい値との大きさを比較する第3の比較手段と
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のノイズ除去装置。 - 前記ノイズ判定手段は、3種類のしきい値を記憶する記憶手段と、
孤立するノイズ候補画素を除去してフレームの1走査線ごとに隣接するノイズ候補画素を統合してノイズ領域候補とする統合手段と、
ノイズ領域候補内の画素値の分散値と第1のしきい値を比較する第1の比較手段と、
ノイズ候補領域外の左右のある大きさの領域の画素値の平均値の差分を比較する第2の比較手段と、
前記第2の比較手段におけるノイズ候補領域部分の左右の領域の画素値の分散値と第3のしきい値を比較する第3の比較手段と
を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のノイズ除去装置。 - 映画フィルム等をディジタル化した連続フレームの画像を記憶する画像記憶手段からフレームを読み出し、
読み出したフレームの対象画素とその画素の周辺画素の輝度差から前記対象画素がエッジ画素であるか否かを判定し、
検出されたエッジ画素の上下左右画素の輝度値と、前後フレームにおける前記エッジ画素と同位置の画素の輝度値との比較結果に基づいて前記エッジ画素がノイズ候補であるか否かを判定し、
前記フレームの各走査線ごとに隣接する前記ノイズ候補を統合してノイズ領域候補を作成し、前記ノイズ領域候補の各画素の輝度のばらつきと前記ノイズ領域候補の前後に隣接する一定領域の各画素の輝度値のばらつきとに基づいて前記ノイズ領域候補がノイズ領域であるか否かを判定することを特徴とするノイズ除去方法。 - 前記ノイズ領域内の各画素値を前記前後のフレーム内の同位置の画素の画素値の平均値に置き換えることを特徴とする請求項5に記載のノイズ除去方法。
- 映画フィルム等をディジタル化した連続フレームの画像を記憶する画像記憶手段からフレームを読み出す第1の処理と、
前記画像記憶手段から読み出されたフレームの対象画素とその画素の周辺画素の輝度差から前記対象画素がエッジ画素であるか否かを判定する第2の処理と、
前記第2の処理によって検出されたエッジ画素の上下左右画素の輝度値と、前後フレームにおける前記エッジ画素と同位置の画素の輝度値との比較結果に基づいて前記エッジ画素がノイズ候補であるか否かを判定する第3の処理と、
前記フレームの各走査線ごとに隣接する前記ノイズ候補を統合してノイズ領域候補を作成し、前記ノイズ領域候補の各画素の輝度のばらつきと前記ノイズ領域候補の前後に隣接する一定領域の各画素の輝度値のばらつきとに基づいて前記ノイズ領域候補がノイズ領域であるか否かを判定する第4の処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 前記ノイズ領域内の各画素値を前記前後のフレーム内の同位置の画素の画素値の平均値に置き換える処理を含むことを特徴とする請求項7に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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