JP3817120B2 - Displacement control method for moving table, member processing method, XY stage device, and method for manufacturing the XY stage device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X−Y平面内で案内される移動テーブルを備え、該移動テーブルに載置される部材をX−Y平面内で変位可能なX−Yステージ装置に関連するものであり、特に、該X−Yステージ装置、移動テーブルの変位制御方法、及び該変位制御方法を利用した部材加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のX−Yステージ装置は、電子部品搭載装置(チップマウンタ)、工作機械、光学系(レンズ・ミラー等)の制御機構等の数多くの産業分野で広く利用されている。
【0003】
図14に、従来のX−Yステージ装置900を示す。このX−Yステージ装置900は、X軸案内機構903におけるX軸テーブル(図示省略)上に、可動テーブル907を有するY軸案内機構906を搭載したものである。X軸案内機構903は、Y軸案内機構906を保持すると共にX軸方向に直線的に案内するX軸ガイドレール908と、このX軸ガイドレール908と平行に配置されるX軸ボールネジ902と、このX軸ボールネジ902を回転駆動するX軸サーボモータ901と、を備えており、このX軸サーボモータ901を適宜制御することによって、Y軸案内機構906全体がX方向に移動・位置決めされる。Y軸案内機構906は、可動テーブル907を保持すると共にY軸方向に直線的に案内するY軸ガイドレール909と、このY軸ガイドレール909と平行に配置されるY軸ボールネジ905と、このY軸ボールネジ905を回転駆動するY軸サーボモータ904と、を備えており、このY軸サーボモータ904を適宜制御することによって、可動テーブル907が、Y軸案内機構906上でY方向に移動・位置決めされる。従って、X軸及びY軸サーボモータ901、904を制御すれば、可動テーブル907がX方向及びY方向にの任意の位置に位置決めされるようになっている。
【0004】
つまり、このX−Yステージ装置900では、X軸、Y軸案内機構903、906におけるX軸、Y軸ガイドレール908、909が、可動テーブル907をX−Y平面内で案内するX−Yガイド機構として機能し、又、X軸、Y軸ボールネジ902、905及びX軸、Y軸サーボモータ901、904が駆動装置として機能しているといえる。
【0005】
X軸及びY軸サーボモータ901、904の制御方式には、例えば、エンコーダによって計測されるX軸及びY軸ボールネジ902、905の回転量から可動テーブル907の移動量を予測し、その予測値からX軸及びY軸サーボモータ901、904を制御するセミクローズドループ制御方式や、又、可動テーブル907の移動量をリニアゲージ等によって直接計測し、その値からX軸及びY軸サーボモータ901、904をフィードバック制御するフルクローズドループ制御方式等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、このようなX−Yステージ装置900の利用分野は極めて多岐に渡っており、従来のように、部材を所定の場所に停止させる単なる「静的な位置決め」以外にも、部材を周期的に動かすような「動的な位置決め」を目的として利用される機会が増えつつある。特に、近年の技術の高度化・複雑化に伴って、部材が「高速」且つ「精密」に円軌跡(楕円を含む)を描くように運動させたいという強い要望が存在する。なお、高速の円軌跡運動はほどんど「振動」に近いものとなる。
【0007】
しかしながら、高速な円軌跡運動を達成しようとする場合、各ボールネジ902、905等のシャフト機構による駆動方式では、正転・逆転の切換時や、急加減速時等に増大してしまう駆動側の振動が、(振動に近い)高速な円軌跡運動に対して外乱として作用してしまい、結局、制御速度を高めるのに一定の限界があった。又、安定した(一定の)円軌跡を描くように可動テーブル907を運動させようとする場合、セミクローズドループ制御方式では、各ボールネジ902、905の撓み、バックラッシ等が考慮されないので、運動軌跡が変動して誤差(目標軌跡からのズレ)が増大した。
【0008】
又、フルクローズドループ制御方式であればより精密に円軌跡を描くことが可能になるが、制御速度が上昇すると、既に述べたように各ボールネジ902、905の振動が可動テーブル907に伝達して可動テーブル907の位置計測信号が不安定となった。その結果、信号が不安定となる分、フィードバック制御の応答性を高めることが出来ないという問題が生じ、更に、時々刻々と変化するX軸、Y軸の目標位置に、移動テーブル907を正確に追随させるためには、駆動機構側に極めて高い加速性能、減衰性能等が要求されるという問題が生じた。
【0009】
これらの事実は、結局従来の可動テーブル907の支持構造では、可動テーブル907に高速且つ精密な円軌跡(楕円を含む)を描かせることが事実上困難であることを意味している。
【0010】
更に、前記X−Yステージ装置900では、X軸案内機構903の上にY軸案内機構906を設置するという2段積み上げ構造となっているので、重心が高くなって自身の重さによって転倒モーメントが生じ易く、その結果、円軌跡運動制御の際に可動テーブル7に振れが発生して誤差が増大する傾向にあった。また、このような2段積み上げ構造の場合、最下段に位置するX軸案内機構903にとっては、Y軸案内機構906の総てが移動負荷(慣性負荷)となるが、Y軸案内機構906の移動負荷は可動テーブル907のみであるので、X方向の制御とY方向の制御との応答性に大きな差が生じてしまい、円軌跡運動にズレが発生しやすいという問題があった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、X−Yステージ装置における移動テーブルが、高速且つ高精度にX−Y平面内で円軌跡を描いて運動をできるようにすることを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本第1発明は、X−Y平面内で案内される移動テーブルを備え、駆動装置によって該移動テーブルを駆動することにより、該移動テーブルに載置される部材をX−Y平面内で変位可能なX−Yステージ装置における、該移動テーブルの変位制御方法において、前記移動テーブルを、X方向及びY方向にそれぞれ干渉し合うことなく独立して移動・復元可能な弾性変形作用を伴うX−Yガイド機構によってX−Y平面内で案内すると共に、該移動テーブルがX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とを一致させ、更に前記駆動装置によって、一致された該固有振動数の値Tに対して運動周波数fが√(T2−7500)<f<√(T2+7500)となるように前記移動テーブルを円軌跡運動させることにより上記目的を達成するものである。
【0013】
あらゆる部材は少なからず弾性変形するので、その部材特有の固有振動数を有している。X−Yガイド機構にも、その様な弾性変形作用によって固有振動数を有していたと考えられるが、一般的にその固有振動数は、共振等を誘引する不安定な要素となることから、制御に悪影響を与えるものと考えられている。
【0014】
従って、制御側の目標周波数と装置側(被制御側)の固有振動数とが一致しないように設計するのが常識であり、実際に従来は、移動テーブルを周期的に往復運動させる際の目標周波数に対して、移動テーブル自身の固有振動数が大幅に大きくなるように設定されていた。又、仮に弾性部材の弾性変形が伴ってしまうガイド機構を採用する場合には、その固有振動数を大幅に小さく設定して、運動に影響を及ぼさないようにするのが一般的である。
【0015】
しかし、本発明者は、そのような一般的な思想とは全く反対に、固有振動数付近の共振を積極的に利用することに着目した。具体的には、「弾性部材の弾性変形を伴う」X−Yガイド機構を敢えて採用し、そのX方向とY方向の固有振動数を一致させ、その固有振動数に近い所定範囲(√(T2−7500)<f<√(T2+7500))の運動周波数で駆動装置によって移動テーブルを駆動させるようにした。なお、この運動周波数とは、円(楕円を含む)運動の回転数と略同義である。
【0016】
このように駆動すれば、移動テーブルは自らの固有振動数に近い上記所定範囲で運動するので、駆動装置側の駆動力と弾性部材の復元力が同方向に合成される。その結果、駆動力が復元力で補われる分、駆動装置側に要求さる駆動力は小さくなるので、駆動装置側の消費エネルギを激減させることが出来る。これは、駆動装置側の発熱等が防止されることにもなり、駆動機構や移動テーブル側の熱膨張が低減されて位置決め精度がより向上する。なお、上記所定範囲は、より好ましくは√(T2−5000)<f<√(T2+5000)とする。
【0017】
又、X方向及びY方向に固有振動数が一致されているので、移動テーブルは自ら正確な円軌道(真円、楕円の双方を含む)を描いた運動(振動)が可能となっている。
【0018】
具体的に説明すると、従来は、仮に移動テーブルを円軌跡運動させる場合には、駆動装置の強制力のみによって円を描くように駆動していた。そのようにしても、そもそも、固有振動数を利用するという思想が存在しなかったこともありX方向とY方向の固有振動数が相違していたので、軌道に「うねり」が発生して、どうしても安定した運動軌跡を得ることが出来なかった。
【0019】
しかし、本発明では固有振動数を一致させているので、駆動装置によって移動テーブルに一旦円軌跡を描かせれば、その後の移動テーブルは、その軌跡を「自ら」維持するように振動する。従って、時々刻々とX−Y平面内で円を描くように複雑な(或いは強制的な)制御をしなくても、移動テーブルの運動軌跡のズレを修正可能な程度に制御すれば、常に安定した周波数で、且つ極めて安定した軌跡で運動させることが出来る。
【0020】
例えば、基本的に移動テーブルは自分で勝手に円を描くように動くので、駆動装置によって断続的に駆動してもある程度の位置決め精度を得ることができ、駆動機構の応答性もあまり高く設定する必要がなくなる。
【0021】
なお、固有振動数を「一致」させる場合とは、完全に一致させる場合に限らない。設計・製作上の理由から多少のズレは避けることが出来ないものであり、要は、安定して円軌跡運動可能な程度であれば良く、例えば、一方の固有振動数に対して、他方がその前後10%の範囲内で設定されていればよい。望ましくは、前後5%の範囲内に納める。
【0022】
又、移動テーブルの固有振動数とは、駆動装置側の付勢状態(あるいは係合状態)を無視(開放)した場合の振動数を意味し、例えば駆動装置がボールネジの場合には、ボールネジを駆動するモータを開放した場合における固有振動数を意味し、又、例えば駆動装置が非接触タイプのリニアモータの場合には、その付勢力(推力)を開放した場合における固有振動数を意味している。
【0023】
又、上記第1発明と全く同様な思想の下、運動周波数fが90<f<110Hzの範囲内の場合には、近似的な関係がある0.5T<f<1.5Tを満たすように移動テーブルを円軌跡運動させればよく(本第2発明)、より望ましくは、0.8<f<1.2Tを満たすようにする。その際には固有振動数Tを適宜設定して、100Hzの運動周波数fで駆動可能としても良い。
【0024】
ところで、上記第1、第2発明においては、前記駆動装置が、自身の固定部又は可動部の一方が前記移動テーブル配置される駆動用リニアモータとされており、該駆動用リニアモータによって非接触状態で前記移動テーブルを円軌跡運動させることが好ましい。
【0025】
このように駆動装置として非接触のリニアモータを採用すれば、自らの推力が零、即ち電流OFFの際に移動テーブルに何等外的な影響を与えないので、その場合に移動テーブルが自由振動するようになる。例えば、ボールネジ等によって駆動する場合には、移動テーブルと連結される必要があるので、自らが駆動力を発生する必要が無くても、移動テーブルの自由振動に追従させる必要が生じ、(従来よりも極めて少ないエネルギ消費量で済むものの)無駄なエネルギーが消費されてしまう。しかし、リニアモータによれば、自身の推力のON・OFFや大小等によって断続的に駆動することが可能となるので、消費電力をより大幅に低減させることが出来る。
【0026】
更に、リニアモータは自身の振動が極めて小さいという特徴がある。例えばボールネジ等の駆動により移動テーブルを高い周波数で運動させる場合には、駆動側の振動が移動テーブルに伝達して外乱として作用し易いが、リニアモータではそのような問題は殆ど生じない。
【0027】
以上に示した変位制御方法は、あらゆる産業分野で利用することが出来るものであるが、例えば、移動テーブルに載置される部材を加工する場合にも適用できる。具体的には、X−Yステージ装置における、X−Y平面内で移動可能な移動テーブルに載置される部材に対して加工穴を形成する部材加工方法において、前記移動テーブルを、上記第1、第2発明の変位制御方法によって円軌跡運動させ、放電加工によって、該移動テーブルに載置される部材に該円軌跡と同等以上の大きさの加工穴を形成するようにすればよい(第3発明)。
【0028】
このようにすると、部材側は安定した円軌跡を描いて運動するので、放電加工装置の加工電極を静止させた状態で、その円軌跡に沿った大きさの穴が部材に形成される。従って、その円軌跡を真円にすれば真円の穴が、円軌跡を楕円にすれば楕円の穴が加工される。なお、穴は貫通するものに限定されず、途中まで加工された凹状の穴であってもよい。
【0029】
又、このX−Yステージ装置自体を、更に別のX−Y機構に設置し、X−Yステージ装置全体を所定の軌跡(これは円に限定されない)を描くように移動させれば、部材に、その軌跡に沿った溝(上記「穴」の移動軌跡といえる)を形成することも出来るようになる。勿論この場合には、円軌跡の大きさを変化させることによって、溝の幅を変化させることが出来る。
【0030】
以上に示した変位制御方法、部材加工方法は、以下に示すようなX−Yステージ装置によって実現される。
【0031】
即ち、上記課題を解決可能な本第4発明は、固定テーブルに対してX−Yガイド機構を介してX−Y平面内で移動可能な移動テーブルを備え、駆動装置によって該移動テーブルを駆動することで、該移動テーブルに載置される部材をX−Y平面内で位置決め可能なX−Yステージ装置において、前記X−Yガイド機構が、前記移動テーブルをX方向及びY方向にそれぞれ干渉し合うことなく独立して移動・復元可能な弾性部材を備えることで、該弾性部材がX−Y平面内で案内される前記移動テーブルに対してX方向、Y方向に相互に干渉しない復元力を付与可能に構成し、更に該移動テーブルがX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とを一致させるようにしたことを特徴とするX−Yステージ装置である。
【0032】
特に、弾性部材を備える上記X−Yガイド機構は、X方向に対してのみ柔で、Y方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、前記X−Y平面内のY方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX方向における相対変位のみを許容する複数の第1弾性ヒンジと、Y方向に対してのみ柔で、X方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、前記X−Y平面内のX方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY方向における相対変位のみを許容する複数の第2弾性ヒンジと、前記移動テーブルに対して固定可能とされる移動ベース、前記固定テーブルに対して固定可能とされると共に、前記移動ベースと同一のX−Y平面を含むように配置される固定ベース、及び該固定ベース及び移動ベースとの間において前記同一のX−Y平面を含むように配設される中間ベースと、を備えると共に、前記移動ベースが固定ベースに対して前記X−Y平面内において微少変位可能で且つZ方向については所定の位置に保持される態様となるように、該固定ベース、中間ベース、及び移動ベースが、前記第1,第2弾性ヒンジを組み合わせによって連結されるようにすることが好ましい。
【0033】
このX−Yガイド機構は、弾性部材として「弾性ヒンジ」を備えた構成を採用した。
【0034】
弾性ヒンジ自体の基本的な構造は公知であり、一般に特定の一方向においてのみ柔で他の方向において剛なる特性を有し、自身の両端に接続された部材間の前記柔の方向における相対変位のみを許容する機能を有する。従って、今、例えばX方向に対してのみ柔で、Y方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、前記X−Y平面内のY方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX方向における相対変位のみを許容する第1弾性ヒンジを考えた場合、該第1弾性ヒンジの弾性変形により、可動部材を固定部材に対しX方向に相対移動させることが出来る。その一方で、この第1弾性ヒンジはY方向の相対移動は殆ど許容しない。つまり、可動部材をX方向に「案内」することができるようになる。
【0035】
全く同様に、Y方向に対してのみ柔で、X方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、前記X−Y平面内のX方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY方向における相対変位のみを許容する第2弾性ヒンジ(配置方向が異なるのみで具体的な構造は第1弾性ヒンジと同じものを採用できる)を考えた場合、この第2弾性ヒンジによって可動部材をY方向に「案内」することができるようになる。
【0036】
ただし、固定ベースと移動ベースとを単純に第1、第2弾性ヒンジを介して連結したのでは、せっかくの個々の「案内」機能が干渉してしまい、X方向とY方向の円滑な駆動が現実には非常に困難になってしまうため、当然両方向の固有振動数を一致させることもできなくなってしまう。そこで、本発明者は、「中間部材」を固定ベースと移動ベースとの間に介在させる構造を発案し、この不具合を解消した。
【0037】
X−Y平面の固定ベースと移動ベースとの間に中間部材を介在させた上で、3者を第1、第2弾性ヒンジを介して連結すると、該中間部材が第1、第2弾性ヒンジの剛とされた方向に対して固定状態を維持するようになるため、固定ベースに対して移動ベースがX方向、Y方向の双方向に独立して「案内」されて移動することが出来るようになる。従って、この構造のX−Yガイド機構を、固定テーブルと移動テーブルの間に配置すれば、移動テーブルが固定テーブルに対してX−Y平面内で案内される。
【0038】
このX−Yガイド機構は、X方向に移動テーブルが移動する際の剛性(弾性係数)が主に第1弾性ヒンジ側によって決定され、Y方向に移動テーブルが移動する際の剛性(弾性係数)が主に第2弾性ヒンジによって決定される。つまり、X方向とY方向の剛性が独立していることから各方向の剛性設定が容易となり、それに関連して、各方向の固有振動数を容易に設定することが出来る。つまり、X方向とY方向の固有振動数を容易且つ高精度に一致させることが出来るようになる。
【0039】
ところで、固有振動数は、剛性以外にも振動部分(可動部分)の質量に大きく影響される。従って、X方向の振動部分質量とY方向の振動部分質量とが異なる場合には、その差を考慮して各方向の剛性を設定しなければならない。
【0040】
上記のX−Yガイド機構は、従来と比較して各方向の可動部質量の差を大幅に低減させることが出来る構造であるので、各方向の剛性を独立して設定(設計)できるという特徴と相まって、各方向の固有振動数を高精度に一致させることが出来るようになる。なお、バックラッシュ、滑り、転がり等が本質的に存在しないため、極めて応答性が良く且つ安定した制御も可能になる。
【0041】
又、例えばボールネジやベアリング等を介在させて微小変位をガイドしようとすると、このボールネジ等における局所部分(特定部分)に集中して圧力が作用して寿命が低下するという問題があった。しかし、弾性ヒンジによるガイド機構によれば、転動疲労等が構造上生じないため、長時間に亘って安定した制御特性、即ち安定した円軌道案内機能を発揮できるようになる。なお、上記の中間部材や第1、第2弾性ヒンジの数・形状等は特に限定されない。これは、必要に応じて適宜配置されてよい。
【0042】
なお、以上に示したX−Yステージ装置においては、前記駆動装置として、X方向駆動用のリニアモータと、Y方向駆動用のリニアモータと、を備えるようにすることが好ましく、又更に、X方向及びY方向に一致されている前記固有振動数の値をT、前記X方向及びY方向駆動用リニアモータが前記移動テーブルを円軌跡運動させる場合の周波数をf、とした場合に、√(T2−7500)<f<√(T2+7500)の関係が成立するように設定することが好ましい。
【0043】
又、このようなX−Yステージ装置を製造する際には、一般的に、その使用目的に適した移動テーブルの目標運動周波数fが客先から要求・設定され、それに対応させて設計・製造する事が多い。
【0044】
その場合には、(固有振動が生じるように)移動テーブルが弾性変形作用を伴うX−Yガイド機構によって案内される構成とすると共に、この移動テーブルがX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とを一致させ、更に、駆動装置によって前記移動テーブルを円軌跡運動させる際の目標となる運動周波数fに対して、一致された固有振動数の値Tを、√(f2−7500)<T<√(f2+7500)の範囲内に設定するように製造すればよい。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態の例について詳細に説明する。
【0046】
図1及び図2に、本発明の実施形態に係るX−Yステージ装置15の全体構成を示す。このX−Yステージ装置15は、X−Y平面内で移動可能な移動テーブル2を備えており、この移動テーブル2上に設置される部材(図示省略)をX−Y平面内で位置決め可能となっている。
【0047】
X−Yステージ装置15は、更に、移動テーブル2(移動ベース2A)に対してZ軸方向の所定の隙間Sを空けて平行に配置される固定テーブル1と、この固定テーブル1及び移動テーブル2の間に配置されるX−Yガイド機構49とを備える。
【0048】
移動テーブル2は、自身の中心に開口が形成され、X−Yガイド機構49にボルトによって固定・配設される搭載テーブル82と、搭載テーブル82の開口を覆うように設置される搭載プレート84(2点鎖線参照)と、を備える。従って、この搭載プレート84と搭載テーブル82によって移動テーブル2が構成される。なお、搭載テーブル82の開口は、X−Yガイド機構49を固定テーブル1に固定する際に、ボルトを挿入し、締めるための空間を確保するものである。
【0049】
固定テーブル1及び前記移動テーブル2には、移動テーブル2をY軸方向に相対移動させることが可能なY軸方向駆動用リニアモータ3と、移動テーブル2をX軸方向に相対移動させることが可能なX軸方向駆動用リニアモータ7と、が設置されている。
【0050】
各リニアモータ3、7は、各々、自身の駆動方向(推力発生方向)に直列的に2つの駆動ユニットが配置されて対となって機能する。例えば、X軸方向駆動用リニアモータ7は、移動テーブル2のX軸方向両端側に配置される2つの駆動ユニット7A、7Bを備えており、これらの駆動ユニット7A、7BがセットになってX軸方向の推力を発生するように機能する。
【0051】
詳細には図7に拡大して示されるように、X軸方向駆動用リニアモータ7(他のリニアモータも同様)の駆動ユニット7Aは、固定テーブル1側に固定されて固定子として機能する磁石ユニット28と、搭載テーブル82側に固定(内蔵)されて可動子として機能するコイル8Aと、を備える。
【0052】
磁石ユニット28は、コイル8Aに対してZ軸方向に磁界Gが生じるように配置される永久磁石21A〜21Dと、この永久磁石21A〜21Dを支持する2つのヨーク20A、20Bと、このヨーク20A、20Bを所定の間隔を維持した状態で保持するホルダ22と、を備えており、一方のヨーク20Bが固定テーブル1に固定されることで、磁石ユニット28全体が固定されるようになっている。一方、コイル8Aは、上記Z軸方向の磁界G中をY軸方向に電流が流れるように配置されており(図1参照)、その結果、該コイル8AがX軸方向の推進力32を受けるようになっている。
【0053】
なお、この実施形態では磁石ユニット28が固定子、コイル8Aが可動子として機能する場合に限って示したが、勿論これらを反対に設置して、磁石ユニット28を可動子、コイル8Aを固定子として機能させるようにしてもよい。又、一対の駆動ユニット7A、7Bを配置する場合に限定されず、単一の駆動ユニットであっても構わない。
【0054】
次にX−Yガイド機構49について詳細に説明する。
【0055】
図3に拡大して示されるように、このX−Yガイド機構49は、方形リング状に構成されて、移動テーブル2にボルトによって連結される移動ベース2Bと、固定テーブル1にボルトによって連結されると共に、移動ベース2Bと同一のX−Y平面を含むように配置されるプレート状の固定ベース1Bと、この固定ベース1B及び移動ベース2Bとの間における同一のX−Y平面内を含むようにして、両者との間に弾性ヒンジ(詳細は後述)を介して配設される中間ベース50と、を備える。
【0056】
中間ベース50は、X軸方向に延在する2本のX軸方向延在部50A、50A、及びY軸方向に延在する2本のY軸方向延在部50B、50Bから構成されており、全体として、X−Y平面内において略方形のリング状に構成されている。なお、幾つかのX軸方向又はY軸方向延在部50A、50Bは部分的に屈曲されており、例えばセンサ等の他の機材との干渉が防止されている。
【0057】
固定ベース1Bと中間ベース50との間には、X方向の変形を許容する第1弾性ヒンジ54が配置されている。具体的に、この第1弾性ヒンジ54は、固定ベース1Bと2本のX軸方向延在部50Aの「各々の」間に配置され、一方のX軸方向延在部50Aと固定ベース1Bとの間に間隔LX1を空けて2本ずつ、計4本の第1弾性ヒンジ54が並列配置される。他方のX軸方向延在部50Aと固定ベース1Bとの間も同様である。
【0058】
中間ベース50と移動ベース2B(移動テーブル2)の間には、Y方向の変位を許容する第2弾性ヒンジ56が配置されている。具体的に、この第2弾性ヒンジ56は、固定ベース1Bと2本のY軸方向延在部50Aの「各々の」間に配置され、つまり、一方のY軸方向延在部50Bと固定ベース1Bとの間に間隔LY1を空けて2本ずつ、計4本の第2弾性ヒンジ56が並列配設される。他方のY軸方向延在部50Bと固定ベース1Bとの間も全く同様である。
【0059】
従って、このX−Yガイド機構49は入れ子状になっており、全体的には線対称に近い構造となっている。又、中間ベース50は、各弾性ヒンジ54、56と連結される以外は、固定ベース1Bと移動ベース2Bと非接触の状態を保っている。
【0060】
X方向の変形を許容する第1弾性ヒンジ54は、X方向に対してのみ柔で、Y方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、X−Y平面内のY方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX方向における相対変位のみを許容する。又、Y方向の変形を許容する第2弾性ヒンジ56は、Y方向に対してのみ柔で、X方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、X−Y平面内のX方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY方向における相対変位のみを許容する。
【0061】
次に、X方向の移動を許容する第1弾性ヒンジ54の構造について説明する。なお、多少の大きさ等の相違はあるものの、長手方向がX方向とY方向で異なる以外には、第1弾性ヒンジと第2弾性ヒンジの構造は殆ど同じであるので、第2弾性ヒンジ56の構造等の説明は省略する。
【0062】
第1弾性ヒンジ54は、図5の斜視図に示すように、2つの部材間(固定ベース1Bと中間ベース50)との間をつなぐブリッジ部材70によって構成される。このブリッジ部材70の外周面における、長さ方向に離間した2箇所にはノッチ80が形成されており、このノッチ80から弾性曲げ変形容易な減肉部90が構成される。この減肉部90の曲げ変形により、2つの部材間の相対変位を許容できるように構成したものである。
【0063】
この場合、ノッチ80は、方形断面のブリッジ部材70の曲げ変形させようとする方向(第1弾性ヒンジ54の場合はX方向、第2弾性ヒンジ56の場合はY方向)に面する2つの外側面に、対称形状の半円形に形成されている。これは、局部的な減肉化を図り(つまり減肉部90を作り出して)、最小断面積部を曲がり点として、容易に曲げ変形できるようするためである。
【0064】
図6は第1弾性ヒンジ54の最小断面積部の断面形状を示している。
【0065】
この最小断面積部の断面Sは、ブリッジ部材70の肉厚に相当する縦方向(Z方向)の寸法aに対して、横方向(X方向)の寸法bが短縮された矩形断面をなしており、それにより、減肉部90は、縦方向(Z方向)にはほとんど曲がらないものの、横方向(X方向)には曲がり易い特性を得ている。又、ブリッジ部材70の長手方向(Y方向)は、自身が緊張棒として作用するので、2つの部材間のY方向の移動は許容していない。
【0066】
次に第1弾性ヒンジ54、固定ベース1B及び中間ベース50の相互作用を説明する。
【0067】
一対の第1弾性ヒンジ54、54は、図4(A)に拡大して示されるように、自身両端が、固定ベース1Bと中間ベース50とによって固定支持されている。図4(B)に示されるように、固定ベース1Bに対して中間ベース50がX軸方向(図の下方向)に移動した場合には、第1弾性ヒンジ54の両端側の各減肉部90が他の部分に優先して弾性変形するので、その相対移動に追従することができる。その結果、第1弾性ヒンジ54によって中間ベース50がX軸方向に直線的に案内される。
【0068】
特に図示しないが、第2弾性ヒンジ56においてもほぼ同様な構造となっている。従って、第2弾性ヒンジ56は、中間ベース50に対して移動ベース2AをY軸方向に案内するようになっている。
【0069】
なお、いずれの場合も、第1、第2弾性ヒンジ54,56は、Z方向(X−Y平面と垂直な方向)については「剛体」として機能する。従って、第1弾性ヒンジ54を介して中間ベース50が固定ベース1Bに片持ち状態で支持され、且つ、第2弾性ヒンジ56を介して移動ベース2Bがこの中間ベース50に片持ち状態で支持されるため、移動ベース2Bは、何らのZ方向の支持手段がなくても、X−Y平面内に保持されることになる。
【0070】
この結果、以上に説明したX−Yガイド機構49は、このように中間ベース50が第1弾性ヒンジ54によって固定ベース1Bに対してX軸方向に変位可能に支持され、且つ、移動ベース2Bが第2弾性ヒンジ56によって中間ベース50に対してY軸方向に変位可能に支持されていることにより、全体としては、移動ベース2Bが、固定ベース1Bに対してX軸向、Y軸方向の双方の方向に独立して(互いに干渉し合うことなく)変位可能とされている。つまり、X軸方向及びY軸方向のガイド機能を有することになる。
【0071】
以上のことから、固定テーブル1に上記固定ベース1Bを、移動テーブル2に上記移動ベース2Bを固定するようにして、X−Yガイド機構49を設置すれば、移動テーブル2が固定テーブルに対してX軸方向、Y軸方向の双方向に直線的に「案内」されるようになり、バックラッシュ、滑り、転がり等が本質的に存在しない極めて安定したガイド特性が得られる。
【0072】
なお、リング状の移動ベース2Bにおける内周側には、X軸計測基準面23及びY軸計測基準面24が形成されており、又、各基準面23、24に対向するようにして、固定テーブル1側に、X軸変位センサ14及びY軸変位センサ15が設置されている。これらの変位センサ14、15は、移動テーブル2の固定テーブル1に対するX軸方向変位量及びY軸方向変位量を計測する。
【0073】
次に、このX−Yステージ装置15の固有振動数等について説明する。
【0074】
移動テーブル2を案内するX−Yガイド機構49は、既に詳細に説明したように、弾性部材である第1,第2弾性ヒンジ54、56を備えている。従って、移動テーブル2が中立位置から変位すると、各弾性ヒンジ54、56(X−Yガイド機構49)が移動テーブル2に対して、X方向の復元力Fsx及びY方向の復元力Fsyを付勢するようになっている。その結果、各駆動用リニアモータ3、7の推力を無視した状態で、移動テーブル2はX方向及びY方向にそれぞれ固有の振動数px、pyを有している。
【0075】
この各方向の固有振動数px、py以下のように求められる。
【0076】
上記復元力Fsx、Fsyは、移動テーブル2の変位量x、yによって比例的に変化するので、復元力をこの変位x,yによって除した値(Fsx/x、Fsy/y)は、X方向及びY方向の剛性(弾性係数)kx,kyとなっている。
【0077】
これらの各方向の剛性kx,kyと、移動テーブル2がX方向に移動する際の可動部質量Mx、Y方向に移動する際の可動部質量Myから、固有振動数px,pyは下記の式によって求められる。
【0078】
px=(1/2π)・√(kx/Mx){Hz}
py=(1/2π)・√(ky/My){Hz}
【0079】
ところで、Y方向の可動部質量Myは、ここでは、移動テーブル2(内蔵されている各コイル4A、4B、8A、8Bを含む)、及び移動ベース2Bの各質量を合計したものである。又、X方向の可動部質量Mxは、Y方向の可動部質量Myに、更に、計8本の第2弾性ヒンジ56、及び中間ベース50の各質量を加えたものである。これは、図3に示したように、移動ベース2BがX方向に移動する際には、第2弾性ヒンジ56と中間ベース50も一緒に移動するからである。なお、移動テーブル2に載置される部材質量が既にわかっている場合には、各可動部質量Mx,Myにその質量を加えても構わない。
【0080】
X方向の可動部質量MxとY方向の可動部質量Myは異なる値となるが(Mx>My)、このX−Yステージ装置15では、第1、第2弾性ヒンジ54、56の寸法を適宜設定することによって、各方向の剛性kx,kyを調整し(具体的には、kx>kyとして)、上記式におけるX方向の固有振動数pxとY方向の固有振動数pyとが一致するように設定されている。このようにすると、X方向とY方向の振動周期が一致するので、移動テーブル2が自由振動する際に(減衰を無視すれば)常に一定の軌跡が描かれるようになる。
【0081】
なお、「完全に」一致させることは設計上現実的ではなく、本実施形態では、pxに対してpyが0.9px<py<1.1pxの範囲に収まれば一致の概念に含まれるものとする。
【0082】
更にX−Yステージ装置15においては、T:X方向及びY方向に一致されている前記固有振動数の値(=px,py){Hz}、f:X方向及びY方向駆動用リニアモータ3、7が移動テーブル2を円軌跡運動させる場合の周波数{Hz}、とした場合に√(T2−7500)<f<√(T2+7500)(より好ましくは√(T2−5000)<f<√(T2+5000)とする)の関係が成立するように設定されている。なお、円軌跡運動の周波数fとは、単位時間当たりの運動回転数と同義である。
【0083】
具体的には、本実施形態では、固有振動数Tが120Hz、リニアモータ3、7によって移動テーブル2を円軌跡運動させる際の周波数fが100Hzに設定されている。なお、好ましくは、固有振動数Tを80Hz<T<120Hzに設定し、その値Tに対して上記範囲内で運動周波数fを設定すればよい。
【0084】
特に、このように周波数fを90<f<110Hzの範囲内に設定することを意図する場合、0.5T<f<1.5Tの関係が満たされるように、周波数f及び固有振動数Tを設定すればよい。より望ましくは、0.8T<f<1.2Tとする。
【0085】
なお、一致された固有振動数Tによって各方向の剛性kx,kyを表現すると、上記の式から、kx=Mx(2πT)2、ky=My(2πT)2となる。
【0086】
以上に示したX−Yステージ装置15における移動テーブル2の変位制御方法について、制御系の構成等を含めて図8を参照して説明する。
【0087】
X−Yステージ装置15における移動テーブル2には、既に説明したように、合計4つのコイル4A、4B、8A、8Bが内蔵されている。なお、コイル対4A、4BによってY軸方向の推進力が生じ、コイル対8A、8BによってX軸方向の推進力が生じるようになっており、各コイル対は一体(セット)として制御される。
【0088】
制御系は、Y軸変位センサ15の検出値が入力される減算器44と、X軸変位センサ14の検出値が入力される減算器45と、を備える。各検出値が入力された上記減算器44、45には、更に、位置指令出力手段58からの各種指令値が入力される。この位置指令出力手段58は、移動テーブル2のX軸方向位値を設定して減算器45に出力し、Y軸方向位置を設定して減算器44に出力するものである。減算器44では、そのY軸方向指令位置とY軸変位センサ14の検出値との偏差を演算してその結果をY軸位置制御補償器47に対して出力する。減算器45には、X軸方向指令位置とX軸変位センサ15の検出値との偏差を演算し、その結果をX軸位置制御補償器48に対して出力する。
【0089】
各位置制御補償器47、48では、入力された各値から各リニアモータの操作量を算出する。つまり、Y軸位置制御補償器47においては、Y軸方向駆動用リニアモータ3に対してY軸方向操作量を出力する。同様に、X軸位置制御補償器48においては、X軸方向駆動用リニアモータ7に対してX軸方向操作量を出力する。
【0090】
各コイル対(4A、4B)(8A、8B)の直前にはそれぞれ電流アンプ54、56が接続されている。従って、X軸方向操作量及びY軸方向操作量に基づいて、各電流アンプ54、56が各コイル対(4A、4B)(8A、8B)に所定の電流を流す。この結果、各コイル対(4A、4B)(8A、8B)では所望の推力が発生するので、それによって移動テーブル2がX−Y方向に移動されるようになっている。
【0091】
図9には、X−Yステージ装置15の制御システムのブロック線図が示されている。
【0092】
rx、ryは、移動テーブル2を真円軌跡運動させる際の目標値であり、上記位置指令出力手段58から出力されるものである。従って、半径rの真円軌道、周波数f、との条件で円軌跡運動させたい場合を考えると、目標値はrx=r・sin(2πft)、ry=r・cos(2πft)となる。実際に計測される移動テーブル2の変位量はx,yである。
【0093】
X軸、Y軸位置制御補償器47、48は目標値rx、ryと実測値x、yとの差に依存して制御特性Kx(s)、Ky(s)で位置補償演算を行う。この各位置制御補償器47、48を経て出力されたX方向及びY方向操作量は、各方向の電流アンプ54、56と駆動用リニアモータ3、7から構成されるX方向及びY方向駆動系90、92に入力される。この各方向の駆動系90、92におけるX方向及びY方向の電流アンプ・モータ係数は共にkthrであり、この各駆動系90、92を経ることで、駆動用リニアモータ3、7が所定の推力Fmx,Fmyを発生する。その一方で、既に所定の変位量x,yとなっている状態の移動テーブル2は、X−Yガイド機構49からの復元力Fsx、Fsyを受けているので、実際に移動テーブル2に作用する外力Fx、Fyはこれらの合力となる。
【0094】
なお、上記復元力Fsx、Fsyは、既に説明したように、剛性kx、kyから以下のようになっている。
【0095】
Fsx=−kx・x
Fsy=−ky・y
【0096】
上記外力Fx、Fyによる移動テーブル2の加速度は、各方向の可動部質量Mx,Myから、Fx/Mx、Fy/Myとなる。移動テーブル2には摩擦が存在しないため、これらの加速度を2階積分したものが変位x、yとなる。この関係をラプラス変換子sを用いて表わすと以下のようになる。
【0097】
x=Fx/(Mx・s2)
y=Fy/(My・s2)
【0098】
ところで、上記目標運動の周波数fが移動テーブル2の固有振動数Tと一致するように設定されており、目標真円半径rと一致して実際に円軌跡運動している場合(つまり、x=r・sin(2πTt)、y=r・cos(2πTt)で運動している場合)を考えると、上記復元力Fsx、Fsyは下記のようになる。
【0099】
【0100】
これは、既に示したように各方向の剛性kx、kyは、kx=Mx(2πT)2、ky=My(2πT)2で表現されるからである。
【0101】
この復元力は、勿論、移動テーブル2が周波数T、真円軌道半径rで円軌跡運動する際に必要となる外力に他ならない。このため、駆動系90、92によって発生される(要求される)推力Fmx,Fmyは零となる。つまり、全く「駆動」する必要がない。
【0102】
次に、目標周波数fと固有振動数Tが異なる場合(f≠T)を考える。この周期fで移動テーブル2が運動する場合の復元力は下記のようになる。
【0103】
【0104】
一方、周波数f、真円軌道の半径rで実際に移動テーブル2が運動する際に「必要な」外力Fx、Fyは以下のように示される。
【0105】
Fx=−Mx(2πf)2・r・sin(2πft)
Fy=−Mx(2πf)2・r・cos(2πft)
【0106】
従って、上記復元力Fsx,Fsyと上記外力Fx,Fyとの差、つまり、復元力Fsx,Fsyに対して推力で補わなければならない分が、駆動系90、92に要求される推力Fmx,Fmyである。
【0107】
具体的には、
Fmx=−Mx{(2πT)2−(2πf)2}・r・sin(2πft)
Fmy=−Mx{(2πT)2−(2πf)2}・r・cos(2πft)
となる。
【0108】
従って、目標周波数fと、固有振動数Tが近づけば近づくほど、駆動系90、92に要求される推力は少なくなる。このことは、各駆動リニアモータ3、7によって消費される電力を、従来よりも大幅に減少させることが出来ることを意味する。本発明者の解析によると、目標周波数fを100Hzに固定して固有振動数Tを変化させた場合に実効電力が図10に示されるように変化することがわかった。
【0109】
なお、解析時の各設定値は、可動部質量Mx、My=1.2(kg)、各リニアモータ3、7のコイル抵抗R=18(Ω)、真円半径r=50(μm)、モータ推力定数k=30(N/A)である。
【0110】
この結果、目標周波数fと固有振動数Tとの関係が−7500<f2−T2<7500、あるいは0.5f<T<1.5fとなる範囲において、特に電力消費量を激減させることが出来る。又、更に好ましくは、0.8f<T<1.2fとする。もちろん、Tとfとは対等の関係にあり、これらを入れかえた0.5T<f<1.5Tとなる範囲においても電力消費量を激減させることができる。
【0111】
実際の値としては既に述べたように、まず固有振動数Tが80<T<120{HZ}の範囲内にある値に設定し、その値Tに対して、上記関係を満たすように目標周波数fを設定することが好ましい。
【0112】
このX−Yステージ装置15では、固有振動数が積極的に利用されている。具体的には、弾性ヒンジ54、56の弾性変形を伴うX−Yガイド機構49を採用し、そのX方向とY方向の固有振動数を値Tで一致させ、その固有振動数Tに近い所定範囲の運動周波数によって、移動テーブル2を駆動させるようにした。
【0113】
このように駆動すれば、移動テーブル2が自らの固有振動数Tに近い範囲で運動するので、各リニアモータ3、7側の推力(駆動力)と弾性ヒンジ54、56による復元力が同方向に合成される。その結果、復元力が移動テーブル2を円軌跡運動させる分、リニアモータ3、7側に要求さる推力が小さくなり消費エネルギが激減される。
【0114】
又、X方向及びY方向に固有振動数が一致されているので、移動テーブル2は自ら正確な円軌道(真円、楕円の双方を含む)を描いた運動(振動)が可能となっている。具体的に説明すると、従来は(そもそも、固有振動数を利用する思想が存在しなかったこともあり)X方向とY方向の固有振動数はむしろ相互に影響し合わないように敢えて一致させず、移動テーブル2を円軌跡運動させる場合には、駆動装置の強制力によってのみ駆動していた。しかしながら、X方向とY方向の固有振動数の相違から、どうしても軌道に「うねり」が発生して安定した運動軌跡を得ることが出来ないという問題があった。
【0115】
しかし、このX−Yステージ装置15では、移動テーブル2に円軌跡を一度描かせれば、その後はその軌跡を「自ら」維持するように振動する。従って、複雑な(或いは強制的な)制御をしなくても、移動テーブル2の運動軌跡のズレや、周波数のズレ分を修正可能な程度に制御(駆動)すれば、常に安定した周波数で、且つ極めて安定した軌跡で運動させることが出来る。
【0116】
又、駆動装置として非接触のリニアモータ3、7が採用されているので、自らの推力が零、即ち電流OFFの際に移動テーブル2に何等外的な影響を付与しない。その結果、移動テーブル2が自由振動する事が出来るようになる。従って、リニアモータ3、7によって、推力のON・OFFや大小等によって断続的に移動テーブル2を駆動することが可能となるので、消費電力をより大幅に低減させることが出来る。
【0117】
なお、リニアモータ3、7は自身の振動が極めて小さいという特徴がある。移動テーブル2を高い周波数で運動させる場合であっても、安定したガイド特性であるX−Yガイド機構49との相乗作用によって外乱振動が殆ど発生しないので、極めて安定した運動が可能となり、制御の応答性を向上させることが出来る。
【0118】
以上に示したX−Yステージ装置15や、その移動テーブル2の変位制御方法は、あらゆる産業分野で利用することが出来るものである。例えば、移動テーブルに載置される部材を加工する為に適用した例を第2実施形態として以下説明する。
【0119】
図11に、本発明に第2実施形態に係る部材加工方法が適用される放電加工装置300を部分的に示す。
【0120】
この放電加工装置300は、加工電極382と、工作液が貯留される工作液層384と、工作液内に浸されるようにして工作液層384に載置される加工部材386と、該工作液層384をX−Y平面内で移動可能に支持するX−Yステージ装置315と、該X−Yステージ装置315を、更にX−Y平面内で移動可能に支持している大型X−Y駆動装置388(2点鎖線参照)と、を備える。なお、X−Yステージ装置315は、第1実施形態で示したX−Yステージ装置15と同様であるので、その構成・作用等の詳細な説明は省略する。
【0121】
放電加工は、加工部材386と加工電極382との間に火花放電を発生させて、その放電に伴って加工部材386から微量の切り屑を取り去って穴をあけるものである。従って、その穴は加工電極382の先端の断面形状と同等形状となるのが一般的である。
【0122】
放電加工装置300におけるX−Yステージ装置315によって、工作液層384がX−Y平面内で案内される。又、(移動テーブル2を含む)工作液層384がX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とが値Tで一致されており、X方向及びY方向駆動用リニアモータ303、307によって、固有振動数Tに対して運動周波数fが√(T2−7500)<f<√(T2+7500)となるように、工作液層384が半径rの真円を描くように運動される。なお、加工電極382は、X−Y平面内で静止している。
【0123】
このようにすると、図12に示されるように、工作液層384内に載置される加工部材386も同様に円軌跡運動するので、この真円Cの半径r以上、具体的にはこの円軌跡Cに沿って加工電極382が移動した場合と同等の大きさとなる加工穴388が形成される。なお、図12では便宜上、「実際には移動している」加工部材386を基準座標として、加工電極382が相対的に移動しているように示してある。
【0124】
このようにすると、加工部材386側は安定した円軌跡Cを描いて運動するので、精密な大きさの加工穴388を形成することができる。従って、その円軌跡Cを真円にすれば真円の穴が、楕円にすれば楕円の穴が加工される。なお、加工穴388は貫通するものに限定されず、途中まで加工された凹状の穴であってもよい。
【0125】
ところで、放電加工装置300は、X−Yステージ装置325自体が、更に別の大型X−Y駆動装置388に設置されているので、X−Yステージ装置315全体を所定の軌跡(これは円に限定されない)を描くように移動させることができる。
【0126】
大型X−Y駆動装置388によって、加工部材386を線Lにそって移動させた場合の加工状態を図13に示す。このようにすると、上記加工穴388の移動軌跡となる加工溝389を形成することが出来る。勿論この場合には、円軌跡Cの大きさ(半径r)を変化させることによって、加工溝388の幅を変化させることも出来る。
【0127】
なお、ここでは第1、第2実施形態を示したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、他の実施形態も勿論存在しする。つまり、本発明の実施形態は、今回示した第1、第2実施形態に限定されるものではない。
【0128】
又、明細書全文に表れてくる部材の形容(機能・形状)はあくまで例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
【0129】
【発明の効果】
本発明によれば、X−Yステージ装置におけり移動テーブルを、極めて安定した軌跡で円運動させることが出来るようになる。又、駆動装置側の消費エネルギーを激減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るX軸−Y軸ステージ装置を示す斜視図
【図2】図1におけるII−II矢視断面図
【図3】図2におけるIII−III矢視断面図
【図4】図3におけるIV部を拡大して示す部分断面図
【図5】同X−Yステージ装置における弾性ヒンジの構造を拡大して示す斜視図
【図6】図5のVI−VI矢視断面図
【図7】図3におけるVII部を拡大して示す部分断面図
【図8】同X−Yステージ装置の制御系を示す概念図
【図9】同X−Yステージ装置における制御システムのブロック線図
【図10】同X−Yステージ装置の電力消費量を解析した結果を示す線図
【図11】本発明の第2実施形態に係る部材加工方法が適用される放電加工機をしめす部分斜視図
【図12】同放電加工機によって加工された加工部材を示す拡大図
【図13】同放電加工機によって加工された加工部材を示す拡大図
【図14】従来のX軸−Y軸ステージ装置を示す斜視図
【符号の説明】
1…固定基台
2…移動テーブル
3…Y軸方向駆動用リニアモータ
7…X軸方向駆動用リニアモータ
15、315…X軸−Y軸ステージ装置
50…中間部材
54…第1弾性ヒンジ
56…第2弾性ヒンジ
300…放電加工装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an XY stage apparatus including a moving table guided in an XY plane and capable of displacing a member placed on the moving table in the XY plane. The present invention relates to an XY stage apparatus, a displacement control method for a moving table, and a member processing method using the displacement control method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, this type of XY stage apparatus has been widely used in many industrial fields such as electronic component mounting apparatuses (chip mounters), machine tools, and control systems for optical systems (lenses, mirrors, etc.).
[0003]
FIG. 14 shows a conventional
[0004]
In other words, in the
[0005]
For the control method of the X-axis and Y-
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, the field of use of such an
[0007]
However, when trying to achieve a high-speed circular locus motion, the drive system using the shaft mechanism such as each
[0008]
In addition, the full closed loop control method makes it possible to draw a circular locus more precisely. However, when the control speed increases, the vibrations of the
[0009]
These facts mean that it is practically difficult for the conventional support structure of the movable table 907 to draw a high-speed and precise circular locus (including an ellipse) on the movable table 907.
[0010]
Further, since the
[0011]
The present invention has been made in view of the above-described problems, and is mainly intended to enable a moving table in an XY stage apparatus to move by drawing a circular locus in an XY plane at high speed and with high accuracy. With a purpose.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The first invention includes a moving table guided in the XY plane, and the member placed on the moving table can be displaced in the XY plane by driving the moving table by a driving device. In the displacement control method of the moving table in an XY stage apparatus, the moving table is Can move and restore independently without interfering with each other in the X and Y directions While guiding in the XY plane by an XY guide mechanism with an elastic deformation action, the natural frequency in the X direction and the natural frequency in the Y direction when the moving table moves in the X direction and the Y direction are obtained. Further, the movement frequency f is set to √ (T 2 −7500) <f <√ (T 2 The above object is achieved by moving the moving table in a circular locus so that +7500).
[0013]
Since every member is elastically deformed, there is a natural frequency unique to that member. Although it is considered that the XY guide mechanism also has a natural frequency due to such an elastic deformation action, in general, the natural frequency becomes an unstable element that induces resonance and the like. It is thought to adversely affect control.
[0014]
Therefore, it is common knowledge to design the target frequency on the control side so that the natural frequency on the device side (controlled side) does not match. The natural frequency of the moving table itself was set to be significantly increased with respect to the frequency. If a guide mechanism that involves elastic deformation of an elastic member is employed, the natural frequency is generally set to be significantly small so as not to affect the movement.
[0015]
However, the present inventor has paid attention to the positive use of resonance near the natural frequency, contrary to such a general idea. Specifically, an XY guide mechanism “with elastic deformation of the elastic member” is employed, the natural frequencies in the X direction and the Y direction are matched, and a predetermined range (√ (T 2 −7500) <f <√ (T 2 The moving table is driven by the driving device at a motion frequency of +7500)). Note that this motion frequency is substantially synonymous with the rotational speed of a circle (including an ellipse) motion.
[0016]
When driven in this way, the moving table moves in the predetermined range close to its own natural frequency, so that the driving force on the driving device side and the restoring force of the elastic member are combined in the same direction. As a result, since the driving force required for the driving device is reduced by the amount of the driving force supplemented by the restoring force, the energy consumption on the driving device can be drastically reduced. This also prevents heat generation and the like on the drive device side, reduces thermal expansion on the drive mechanism and the moving table side, and improves positioning accuracy. The predetermined range is more preferably √ (T 2 −5000) <f <√ (T 2 +5000).
[0017]
In addition, since the natural frequencies coincide with each other in the X direction and the Y direction, the moving table can perform a motion (vibration) depicting an accurate circular orbit (including both a perfect circle and an ellipse).
[0018]
More specifically, conventionally, when the moving table is moved in a circular locus, it is driven so as to draw a circle only by the forcing force of the driving device. Even so, in the first place, there was no idea that the natural frequency was used, and the natural frequency in the X direction and the Y direction was different, so “swell” occurred in the trajectory, I couldn't get a stable motion track.
[0019]
However, since the natural frequencies are matched in the present invention, once the circular trajectory is drawn on the moving table by the driving device, the subsequent moving table vibrates so as to maintain the trajectory “self”. Therefore, even if complicated (or compulsory) control is not performed so as to draw a circle in the XY plane from time to time, it is always stable by controlling the displacement of the movement trajectory of the moving table to such an extent that it can be corrected. It is possible to move with an extremely stable trajectory at a specified frequency.
[0020]
For example, since the moving table basically moves in a self-drawn circle, a certain degree of positioning accuracy can be obtained even if it is intermittently driven by the driving device, and the responsiveness of the driving mechanism is set too high. There is no need.
[0021]
Note that the case where the natural frequencies are “matched” is not limited to the case where they are completely matched. Some deviation is unavoidable for reasons of design and production. In short, it is sufficient that the circular trajectory can stably move. For example, for one natural frequency, the other is It may be set within the range of 10% before and after that. Desirably, it is within the range of 5% before and after.
[0022]
The natural frequency of the moving table means the frequency when the energized state (or engaged state) on the drive device side is ignored (released). For example, when the drive device is a ball screw, the ball screw is It means the natural frequency when the motor to be driven is opened. For example, when the driving device is a non-contact type linear motor, it means the natural frequency when the urging force (thrust) is released. Yes.
[0023]
Under the same idea as the first invention, when the motion frequency f is in the range of 90 <f <110 Hz, the approximate relationship 0.5T <f <1.5T is satisfied. The moving table may be moved in a circular locus (this second invention), and more preferably, 0.8 <f <1.2T is satisfied. In that case, the natural frequency T may be set as appropriate so that it can be driven at a motion frequency f of 100 Hz.
[0024]
By the way, in the first and second inventions, the drive device is a drive linear motor in which one of its fixed part or movable part is arranged on the moving table, and is not contacted by the drive linear motor. The moving table is preferably moved in a circular locus in a state.
[0025]
If a non-contact linear motor is used as the driving device in this way, the moving table does not have any external influence when its own thrust is zero, that is, when the current is OFF. In this case, the moving table vibrates freely. It becomes like this. For example, when driven by a ball screw or the like, it is necessary to follow the free vibration of the moving table even if it does not need to generate a driving force because it needs to be connected to the moving table. However, wasteful energy is consumed (although very little energy consumption is required). However, according to the linear motor, it is possible to drive intermittently depending on ON / OFF of its own thrust, the magnitude of the thrust, and the like, so that the power consumption can be greatly reduced.
[0026]
Furthermore, the linear motor has a feature that its own vibration is extremely small. For example, when the moving table is moved at a high frequency by driving a ball screw or the like, vibration on the driving side is easily transmitted to the moving table and acts as a disturbance, but such a problem hardly occurs in the linear motor.
[0027]
The displacement control method described above can be used in all industrial fields, but can also be applied to, for example, processing a member placed on a moving table. Specifically, in a member processing method for forming a processing hole in a member placed on a moving table movable in an XY plane in an XY stage apparatus, the moving table is the first table. Then, the circular trajectory is moved by the displacement control method of the second invention, and a machining hole having a size equal to or larger than the circular trajectory is formed in the member placed on the moving table by electric discharge machining. 3 invention).
[0028]
By doing so, the member side moves while drawing a stable circular locus, so that a hole having a size along the circular locus is formed in the member while the machining electrode of the electric discharge machining apparatus is stationary. Accordingly, if the circular locus is a perfect circle, a perfect hole is processed, and if the circular locus is an ellipse, an elliptical hole is processed. In addition, a hole is not limited to what penetrates, The concave hole processed halfway may be sufficient.
[0029]
If this XY stage apparatus itself is installed in another XY mechanism and the entire XY stage apparatus is moved so as to draw a predetermined trajectory (this is not limited to a circle), a member can be obtained. In addition, a groove along the trajectory (which can be said to be a movement trajectory of the “hole”) can be formed. Of course, in this case, the width of the groove can be changed by changing the size of the circular locus.
[0030]
The displacement control method and member processing method described above are realized by an XY stage apparatus as shown below.
[0031]
In other words, the fourth invention capable of solving the above-described problem includes a moving table that can move in a XY plane via an XY guide mechanism with respect to a fixed table, and the moving table is driven by a driving device. Thus, in the XY stage apparatus capable of positioning the member placed on the moving table in the XY plane, the XY guide mechanism is The moving table can be moved and restored independently without interfering with each other in the X and Y directions. By providing the elastic member, the elastic member is mutually guided in the X direction and the Y direction with respect to the moving table guided in the XY plane. Do not interfere Provides resilience Possible And an X-Y stage apparatus characterized in that the natural frequency in the X direction and the natural frequency in the Y direction coincide with each other when the moving table moves in the X direction and the Y direction. is there.
[0032]
In particular, the XY guide mechanism including an elastic member is flexible only in the X direction, has rigidity in the Y direction and the Z direction, and extends along the Y direction in the XY plane. A plurality of first elastic hinges that allow only relative displacement in the X direction between members connected to both ends of the members, and flexible only in the Y direction, with respect to the X direction and the Z direction A plurality of second elastic hinges having a rigid characteristic and arranged only along the X direction in the XY plane so as to allow only relative displacement in the Y direction between members connected to both ends thereof A movable base that can be fixed to the movable table, a fixed base that can be fixed to the fixed table, and is arranged to include the same XY plane as the movable base, and Between the fixed base and the moving base And an intermediate base disposed so as to include the same XY plane, and the movable base is slightly displaceable in the XY plane with respect to the fixed base, and the Z direction is predetermined. It is preferable that the fixed base, the intermediate base, and the moving base are connected by a combination of the first and second elastic hinges so as to be held in the position.
[0033]
This XY guide mechanism employs a configuration including an “elastic hinge” as an elastic member.
[0034]
The basic structure of the elastic hinge itself is known, and generally has a characteristic that it is flexible only in one specific direction and is rigid in the other direction, and the relative displacement in the flexible direction between the members connected to both ends of the elastic hinge. It has a function to allow only. Therefore, for example, it is flexible only in the X direction and rigid in the Y direction and the Z direction, and is arranged along the Y direction in the XY plane so that both ends thereof When considering the first elastic hinge that allows only relative displacement in the X direction between the members connected to each other, the movable member can be moved relative to the fixed member in the X direction by elastic deformation of the first elastic hinge. I can do it. On the other hand, the first elastic hinge hardly allows relative movement in the Y direction. That is, the movable member can be “guided” in the X direction.
[0035]
Exactly in the same way, it is flexible only in the Y direction and rigid in the X and Z directions. By being arranged along the X direction in the XY plane, When considering a second elastic hinge that allows only relative displacement in the Y direction between the connected members (the specific structure can be the same as that of the first elastic hinge, only the arrangement direction is different). The movable member can be “guided” in the Y direction by the elastic hinge.
[0036]
However, if the fixed base and the moving base are simply connected via the first and second elastic hinges, the individual “guide” functions interfere with each other, and smooth driving in the X and Y directions is prevented. In reality, it becomes very difficult, and naturally the natural frequencies in both directions cannot be matched. Therefore, the present inventor has devised a structure in which an “intermediate member” is interposed between the fixed base and the movable base, and has solved this problem.
[0037]
When an intermediate member is interposed between the fixed base and the movable base in the XY plane and the three members are connected via the first and second elastic hinges, the intermediate member becomes the first and second elastic hinges. Since the fixed state is maintained with respect to the rigid direction, the moving base can be “guided” and moved independently of the fixed base in both the X and Y directions. become. Therefore, if the XY guide mechanism having this structure is arranged between the fixed table and the movable table, the movable table is guided in the XY plane with respect to the fixed table.
[0038]
In this XY guide mechanism, rigidity (elastic coefficient) when the moving table moves in the X direction is mainly determined by the first elastic hinge side, and rigidity (elastic coefficient) when the moving table moves in the Y direction. Is mainly determined by the second elastic hinge. That is, since the stiffness in the X direction and the Y direction is independent, the stiffness setting in each direction can be easily performed, and the natural frequency in each direction can be easily set in relation thereto. That is, the natural frequencies in the X direction and the Y direction can be matched easily and with high accuracy.
[0039]
By the way, the natural frequency is greatly influenced by the mass of the vibrating part (movable part) in addition to the rigidity. Therefore, when the vibration partial mass in the X direction and the vibration partial mass in the Y direction are different, the rigidity in each direction must be set in consideration of the difference.
[0040]
Since the above XY guide mechanism has a structure that can greatly reduce the difference in mass of the movable part in each direction compared to the conventional case, the rigidity in each direction can be set (designed) independently. With this, the natural frequency in each direction can be matched with high accuracy. In addition, since there is essentially no backlash, slip, rolling, etc., extremely responsive and stable control is possible.
[0041]
Further, for example, when trying to guide a minute displacement by interposing a ball screw, a bearing or the like, there is a problem that the pressure acts on a local portion (specific portion) of the ball screw or the like to reduce the life. However, according to the guide mechanism using the elastic hinge, since rolling fatigue or the like does not occur structurally, it becomes possible to exhibit stable control characteristics over a long period of time, that is, a stable circular orbit guide function. The number and shape of the intermediate member and the first and second elastic hinges are not particularly limited. This may be appropriately arranged as necessary.
[0042]
In the above-described XY stage apparatus, it is preferable that the driving apparatus includes a linear motor for driving in the X direction and a linear motor for driving in the Y direction. When the value of the natural frequency matched with the direction and the Y direction is T, and the frequency when the X-direction and Y-direction driving linear motor moves the moving table in a circular path is f, √ ( T 2 −7500) <f <√ (T 2 It is preferable to set so that the relationship +7500) is established.
[0043]
Further, when manufacturing such an XY stage apparatus, generally, the target motion frequency f of the moving table suitable for the purpose of use is requested / set by the customer, and designed / manufactured accordingly. There are many things to do.
[0044]
In this case, the moving table is guided by an XY guide mechanism having an elastic deformation action (so that natural vibration occurs), and X when the moving table moves in the X direction and the Y direction is used. The natural frequency in the direction is matched with the natural frequency in the Y direction, and the natural frequency value matched with respect to the target motion frequency f when the moving table is caused to move in a circular path by the driving device. T, √ (f 2 −7500) <T <√ (f 2 It may be manufactured so as to be set within the range of +7500).
[0045]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, examples of embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0046]
1 and 2 show the overall configuration of an
[0047]
The
[0048]
The movable table 2 has an opening at the center thereof, a mounting table 82 fixed and arranged on the
[0049]
The fixed table 1 and the moving table 2 can be relatively moved in the X-axis direction, and the Y-axis direction driving
[0050]
Each of the
[0051]
Specifically, as shown in an enlarged view in FIG. 7, the
[0052]
The
[0053]
In this embodiment, only the case where the
[0054]
Next, the
[0055]
As shown in an enlarged view in FIG. 3, the
[0056]
The
[0057]
A first
[0058]
Between the
[0059]
Therefore, the
[0060]
The first
[0061]
Next, the structure of the first
[0062]
As shown in the perspective view of FIG. 5, the first
[0063]
In this case, the
[0064]
FIG. 6 shows the cross-sectional shape of the minimum cross-sectional area portion of the first
[0065]
The cross section S of the minimum cross-sectional area portion is a rectangular cross section in which the horizontal direction (X direction) dimension b is shortened with respect to the vertical direction (Z direction) dimension a corresponding to the thickness of the
[0066]
Next, the interaction of the first
[0067]
The pair of first elastic hinges 54, 54 are fixedly supported at both ends by the fixed
[0068]
Although not particularly shown, the second
[0069]
In any case, the first and second elastic hinges 54 and 56 function as “rigid bodies” in the Z direction (direction perpendicular to the XY plane). Accordingly, the
[0070]
As a result, in the
[0071]
From the above, if the
[0072]
An X-axis
[0073]
Next, the natural frequency of the
[0074]
As already described in detail, the
[0075]
The natural frequencies px and py in each direction are obtained as follows.
[0076]
Since the restoring forces Fsx and Fsy change in proportion to the displacement amounts x and y of the moving table 2, values (Fsx / x and Fsy / y) obtained by dividing the restoring force by the displacements x and y are X direction. And stiffness (elastic coefficient) kx, ky in the Y direction.
[0077]
From the rigidity kx, ky in each direction, the movable part mass Mx when the moving table 2 moves in the X direction, and the movable part mass My when moved in the Y direction, the natural frequencies px, py are expressed by the following equations. Sought by.
[0078]
px = (1 / 2π) · √ (kx / Mx) {Hz}
py = (1 / 2π) · √ (ky / My) {Hz}
[0079]
By the way, the movable part mass My in the Y direction is the sum of the masses of the moving table 2 (including the built-in
[0080]
Although the movable part mass Mx in the X direction and the movable part mass My in the Y direction have different values (Mx> My), in the
[0081]
Note that “perfectly” matching is not realistic in design, and in this embodiment, if py falls within the range of 0.9 px <py <1.1 px with respect to px, it is included in the concept of matching. To do.
[0082]
Further, in the
[0083]
Specifically, in this embodiment, the natural frequency T is set to 120 Hz, and the frequency f when the moving table 2 is moved in a circular path by the
[0084]
In particular, when the frequency f is intended to be set within the range of 90 <f <110 Hz in this way, the frequency f and the natural frequency T are set so that the relationship of 0.5T <f <1.5T is satisfied. You only have to set it. More preferably, 0.8T <f <1.2T.
[0085]
When the rigidity kx, ky in each direction is expressed by the matched natural frequency T, kx = Mx (2πT) from the above equation. 2 Ky = My (2πT) 2 It becomes.
[0086]
The displacement control method of the moving table 2 in the
[0087]
As already described, the movement table 2 in the
[0088]
The control system includes a subtractor 44 to which the detection value of the Y-
[0089]
Each
[0090]
[0091]
FIG. 9 shows a block diagram of a control system of the
[0092]
rx and ry are target values for moving the moving table 2 in a perfect circular locus, and are output from the position command output means 58. Accordingly, when considering a case where a circular locus movement is desired under the condition of a true circular orbit having a radius r and a frequency f, the target values are rx = r · sin (2πft) and ry = r · cos (2πft). The displacement amount of the moving table 2 actually measured is x, y.
[0093]
The X-axis and Y-axis
[0094]
The restoring forces Fsx and Fsy are as follows from the rigidity kx and ky, as already described.
[0095]
Fsx = −kx · x
Fsy = −ky · y
[0096]
The acceleration of the moving table 2 by the external forces Fx and Fy becomes Fx / Mx and Fy / My from the movable part masses Mx and My in each direction. Since there is no friction in the moving table 2, these accelerations are second-order integrated to give displacements x and y. This relationship is expressed as follows using a Laplace transformer s.
[0097]
x = Fx / (Mx · s 2 )
y = Fy / (My · s 2 )
[0098]
By the way, when the frequency f of the target motion is set so as to coincide with the natural frequency T of the moving table 2, and the actual circular locus motion coincides with the target perfect circle radius r (that is, x = Considering the case of moving at r · sin (2πTt), y = r · cos (2πTt), the restoring forces Fsx and Fsy are as follows.
[0099]
[0100]
As already shown, the rigidity kx, ky in each direction is kx = Mx (2πT) 2 Ky = My (2πT) 2 It is because it is expressed by.
[0101]
Of course, this restoring force is nothing but an external force required when the moving table 2 moves in a circular locus at a frequency T and a true circular orbit radius r. For this reason, the thrusts Fmx and Fmy generated (required) by the
[0102]
Next, consider a case where the target frequency f and the natural frequency T are different (f ≠ T). The restoring force when the moving table 2 moves in this period f is as follows.
[0103]
[0104]
On the other hand, the “necessary” external forces Fx and Fy when the moving table 2 actually moves at the frequency f and the radius r of the perfect circular orbit are expressed as follows.
[0105]
Fx = −Mx (2πf) 2 ・ R · sin (2πft)
Fy = −Mx (2πf) 2 ・ R ・ cos (2πft)
[0106]
Therefore, the difference between the restoring forces Fsx and Fsy and the external forces Fx and Fy, that is, the amount that must be compensated by the thrust for the restoring forces Fsx and Fsy is the thrust Fmx and Fmy required for the
[0107]
In particular,
Fmx = −Mx {(2πT) 2 − (2πf) 2 } · R · sin (2πft)
Fmy = −Mx {(2πT) 2 − (2πf) 2 } · R · cos (2πft)
It becomes.
[0108]
Therefore, the closer the target frequency f and the natural frequency T are, the smaller the thrust required for the
[0109]
In addition, each set value at the time of analysis is the movable part mass Mx, My = 1.2 (kg), the coil resistance R = 18 (Ω) of each
[0110]
As a result, the relationship between the target frequency f and the natural frequency T is -7500 <f 2 -T 2 In the range where <7500 or 0.5f <T <1.5f, the power consumption can be drastically reduced. More preferably, 0.8f <T <1.2f. Of course, T and f have an equal relationship, and the power consumption can be drastically reduced even in a range where 0.5T <f <1.5T in which these are replaced.
[0111]
As described above, as described above, first, the natural frequency T is set to a value within the range of 80 <T <120 {HZ}, and the target frequency is set so as to satisfy the above relationship with respect to the value T. It is preferable to set f.
[0112]
In the
[0113]
If driven in this way, the moving table 2 moves within a range close to its own natural frequency T, so that the thrust (driving force) on the
[0114]
In addition, since the natural frequencies coincide with each other in the X direction and the Y direction, the moving table 2 can perform a motion (vibration) depicting an accurate circular orbit (including both a perfect circle and an ellipse). . More specifically, in the past (there was no idea of using natural frequencies in the first place), the natural frequencies in the X direction and the Y direction were not intentionally matched so as not to affect each other. When the moving table 2 is moved in a circular locus, it is driven only by the forcing force of the driving device. However, due to the difference between the natural frequencies in the X direction and the Y direction, there is a problem that “swells” occur in the trajectory and a stable motion trajectory cannot be obtained.
[0115]
However, in this
[0116]
Further, since the non-contact
[0117]
The
[0118]
The
[0119]
FIG. 11 partially shows an electric
[0120]
The electric
[0121]
In the electric discharge machining, a spark discharge is generated between the machining
[0122]
The working
[0123]
In this way, as shown in FIG. 12, the machining
[0124]
In this way, the machining
[0125]
By the way, since the XY stage apparatus 325 itself is installed in another large
[0126]
FIG. 13 shows a machining state when the
[0127]
In addition, although 1st, 2nd embodiment was shown here, as long as it is the range which does not deviate from the summary of this invention, other embodiment also exists. That is, the embodiment of the present invention is not limited to the first and second embodiments shown this time.
[0128]
The features (functions / shapes) of the members appearing in the entire specification are merely examples, and are not limited to these descriptions.
[0129]
【The invention's effect】
According to the present invention, the moving table in the XY stage apparatus can be circularly moved with a very stable trajectory. In addition, the energy consumption on the drive device side can be drastically reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an X-axis / Y-axis stage apparatus according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II-II in FIG.
3 is a cross-sectional view taken along arrow III-III in FIG.
4 is an enlarged partial cross-sectional view showing a portion IV in FIG. 3;
FIG. 5 is an enlarged perspective view showing a structure of an elastic hinge in the XY stage apparatus.
6 is a cross-sectional view taken along the line VI-VI in FIG.
7 is an enlarged partial sectional view showing a portion VII in FIG. 3;
FIG. 8 is a conceptual diagram showing a control system of the XY stage apparatus.
FIG. 9 is a block diagram of a control system in the XY stage apparatus.
FIG. 10 is a diagram showing the result of analyzing the power consumption of the XY stage apparatus;
FIG. 11 is a partial perspective view showing an electric discharge machine to which a member machining method according to a second embodiment of the present invention is applied.
FIG. 12 is an enlarged view showing a processed member processed by the electric discharge machine
FIG. 13 is an enlarged view showing a processed member processed by the electric discharge machine.
FIG. 14 is a perspective view showing a conventional X-axis / Y-axis stage apparatus;
[Explanation of symbols]
1 ... Fixed base
2 ... Moving table
3 .... Y-axis direction linear motor
7 ... X-axis direction linear motor
15, 315 ... X axis-Y axis stage device
50. Intermediate member
54. First elastic hinge
56. Second elastic hinge
300 ... Electrical discharge machine
Claims (9)
前記移動テーブルを、X方向及びY方向にそれぞれ干渉し合うことなく独立して移動・復元可能な弾性変形作用を伴うX−Yガイド機構によってX−Y平面内で案内すると共に、
該移動テーブルがX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とを一致させ、更に
前記駆動装置によって、一致された該固有振動数の値Tに対して運動周波数fが√(T2−7500)<f<√(T2+7500)となるように前記移動テーブルを円軌跡運動させる
ことを特徴とする移動テーブルの変位制御方法。An XY stage apparatus having a moving table guided in an XY plane and capable of displacing a member placed on the moving table in the XY plane by driving the moving table by a driving device. In the displacement control method of the moving table in
The moving table is guided in the XY plane by an XY guide mechanism having an elastic deformation action that can be moved and restored independently without interfering with each other in the X direction and the Y direction .
The natural frequency in the X direction and the natural frequency in the Y direction when the moving table moves in the X direction and the Y direction are made to coincide with each other. And moving the moving table so that the moving frequency f becomes √ (T 2 −7500) <f <√ (T 2 +7500).
前記移動テーブルを、X方向及びY方向にそれぞれ干渉し合うことなく独立して移動・復元可能な弾性変形作用を伴うX−Yガイド機構によってX−Y平面内で案内すると共に、
該移動テーブルがX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とを一致させ、更に
前記駆動装置によって、一致された該固有振動数の値Tに対して前記運動周波数fが90<f<110(Hz)且つ0.5T<f<1.5Tとなるように前記移動テーブルを円軌跡運動させる
ことを特徴とする移動テーブルの変位制御方法。An XY stage apparatus having a moving table guided in an XY plane and capable of displacing a member placed on the moving table in the XY plane by driving the moving table by a driving device. In the displacement control method of the moving table in
The moving table is guided in the XY plane by an XY guide mechanism having an elastic deformation action that can be moved and restored independently without interfering with each other in the X direction and the Y direction .
The natural frequency in the X direction and the natural frequency in the Y direction when the moving table moves in the X direction and the Y direction are made to coincide with each other. And moving the moving table so that the moving frequency f satisfies 90 <f <110 (Hz) and 0.5T <f <1.5T.
前記駆動装置が、自身の固定部又は可動部の一方が前記移動テーブルに配置される駆動用リニアモータとされており、該駆動用リニアモータによって非接触状態で前記移動テーブルを円軌跡運動させる
ことを特徴とする移動テーブルの変位制御方法。In claim 1 or 2,
The drive device is a drive linear motor in which one of its fixed part or movable part is disposed on the moving table, and the moving table is moved in a circular path in a non-contact state by the driving linear motor. A displacement control method for a moving table.
前記移動テーブルを、請求項1、2又は3のいずれかに記載の変位制御方法によって円軌跡運動させ、放電加工によって、該移動テーブルに載置される部材に該円軌跡と同等以上の大きさの加工穴を形成する
ことを特徴とする部材加工方法。In a member processing method for forming a processing hole in a member placed on a movable table movable in an XY plane in an XY stage apparatus,
The movement table is moved in a circular locus by the displacement control method according to any one of claims 1, 2, or 3, and a member mounted on the movement table is sized equal to or larger than the circular locus by electric discharge machining. A member machining method, characterized by forming a machining hole.
前記X−Yガイド機構が、前記移動テーブルをX方向及びY方向にそれぞれ干渉し合うことなく独立して移動・復元可能な弾性部材を備えることで、該弾性部材がX−Y平面内で案内される前記移動テーブルに対してX方向、Y方向に相互に干渉しない復元力を付与可能に構成し、更に
該移動テーブルがX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とを一致させるようにした
ことを特徴とするX−Yステージ装置。A movable table that is movable in the XY plane via an XY guide mechanism with respect to the fixed table is provided, and the movable table is driven by a driving device, so that a member placed on the movable table is moved to X In an XY stage apparatus that can be positioned in the -Y plane,
The XY guide mechanism includes an elastic member that can move and restore the moving table independently without interfering with each other in the X direction and the Y direction, so that the elastic member guides in the XY plane. The moving table is configured to be able to apply a restoring force that does not interfere with each other in the X direction and the Y direction, and the natural frequency in the X direction and the Y when the moving table moves in the X direction and the Y direction. An XY stage apparatus characterized by matching the natural frequency of the direction.
前記X−Yガイド機構が、
X方向に対してのみ柔で、Y方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、前記X−Y平面内のY方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のX方向における相対変位のみを許容する複数の第1弾性ヒンジと、
Y方向に対してのみ柔で、X方向及びZ方向に対して剛の特性を有し、前記X−Y平面内のX方向に沿って配置されることにより、自身の両端に接続された部材間のY方向における相対変位のみを許容する複数の第2弾性ヒンジと、
前記移動テーブルに対して固定可能とされる移動ベース、前記固定テーブルに対して固定可能とされると共に、前記移動ベースと同一のX−Y平面を含むように配置される固定ベース、及び該固定ベース及び移動ベースとの間において前記同一のX−Y平面を含むように配設される中間ベースと、を備えると共に、
前記移動ベースが固定ベースに対して前記X−Y平面内において微少変位可能で且つZ方向については所定の位置に保持される態様となるように、該固定ベース、中間ベース、及び移動ベースが、前記第1,第2弾性ヒンジの組み合わせによって連結された
ことを特徴とするX−Yステージ装置。In claim 5,
The XY guide mechanism is
A member that is flexible only in the X direction and rigid in the Y direction and the Z direction, and is arranged along the Y direction in the XY plane, thereby being connected to both ends of itself. A plurality of first elastic hinges allowing only relative displacement in the X direction between them;
A member that is flexible only in the Y direction and rigid in the X direction and the Z direction, and is arranged along the X direction in the XY plane so that it is connected to both ends of itself. A plurality of second elastic hinges allowing only relative displacement in the Y direction between them;
A movable base that can be fixed to the movable table, a fixed base that can be fixed to the fixed table, and is arranged to include the same XY plane as the movable base, and the fixed An intermediate base arranged to include the same XY plane between the base and the moving base, and
The fixed base, the intermediate base, and the movable base are arranged such that the movable base can be slightly displaced in the XY plane with respect to the fixed base and is held at a predetermined position in the Z direction. The XY stage apparatus is connected by a combination of the first and second elastic hinges.
前記固定テーブル及び前記移動テーブルに自身の固定部及び可動部が配置され、前記移動テーブルを固定テーブルに対してX方向に相対移動させることが可能なX方向駆動用のリニアモータと、
前記固定テーブル及び前記移動テーブルに自身の固定部及び可動部が配置され、前記移動テーブルを固定テーブルに対してY方向に相対移動させることが可能なY方向駆動用のリニアモータと、を備える
ことを特徴とするX−Yステージ装置。The drive device according to claim 5 or 6,
A linear motor for driving in the X direction in which the fixed part and the movable part are arranged on the fixed table and the movable table, and the movable table can be moved relative to the fixed table in the X direction;
A linear motor for driving in the Y direction, the fixed part and the movable part of which are arranged on the fixed table and the movable table, and capable of moving the movable table relative to the fixed table in the Y direction. An XY stage apparatus characterized by the above.
X方向及びY方向に一致されている前記固有振動数の値をT、
前記X方向及びY方向駆動用リニアモータが前記移動テーブルを円軌跡運動させる場合の周波数をf、とした場合に、
√(T2−7500)<f<√(T2+7500)
の関係が成立するように設定されている
ことを特徴とするX−Yステージ装置。In claim 7,
The natural frequency value matched in the X and Y directions is T,
When the frequency when the linear motor for driving in the X direction and the Y direction moves the moving table in a circular path is f,
√ (T 2 −7500) <f <√ (T 2 +7500)
An XY stage apparatus characterized in that the relationship is established.
前記移動テーブルが、X方向及びY方向にそれぞれ干渉し合うことなく独立して移動・復元可能な弾性変形作用を伴うX−Yガイド機構によって案内される構成とすると共に、該移動テーブルがX方向及びY方向に移動する際のX方向の固有振動数とY方向の固有振動数とを一致させ、更に、
前記駆動装置によって前記移動テーブルを円軌跡運動させる際の目標となる運動周波数fに対して、一致された前記固有振動数の値Tを、√(T2−7500)<T<√(T2+7500)の範囲内に設定する
ことを特徴とするX−Yステージ装置の製造方法。An XY stage apparatus having a moving table guided in an XY plane and capable of displacing a member placed on the moving table in the XY plane by driving the moving table by a driving device. In the manufacturing method of
The moving table is guided by an XY guide mechanism having an elastic deformation action that can be moved and restored independently without interfering with each other in the X direction and the Y direction. And match the natural frequency in the X direction and the natural frequency in the Y direction when moving in the Y direction,
The value T of the natural frequency matched with the target motion frequency f when the moving table moves the moving table in a circular locus is represented by √ (T 2 −7500) <T <√ (T 2 +7500). The manufacturing method of the XY stage apparatus characterized by the above-mentioned.
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