JP3816359B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理システム - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理システム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理システムに係り、特に、高周波の電力供給に対応して電力ロス低減に用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなうプラズマ処理装置の一例としては、従来から、図13に示すような、いわゆる2周波励起タイプのものが知られている。
図13に示すプラズマ処理装置は、高周波電源1とプラズマ励起電極4との間に整合回路2Aが介在されている。整合回路2Aはこれら高周波電源1とプラズマ励起電極4との間のインピーダンスの整合を得るための回路として設けられている。
【0003】
高周波電源1からの高周波電力は整合回路2Aを通して給電板(配電体)3によりプラズマ励起電極4へ供給される。この整合回路2Aは導電体から形成されるマッチングボックス2内に収納されており、プラズマ励起電極4および給電板3は、導体からなるシャーシ21によって覆われている。
プラズマ励起電極(カソード電極)4の下側には、多数の孔7が形成されたシャワープレート5が凸部4aに接して設けられている。これらプラズマ励起電極4とシャワープレート5との間に形成された空間6にはガス導入管17が接続されており、導体からなるガス導入管17の途中には絶縁体17aが挿入されてプラズマ励起電極14側とガス供給源側とが絶縁されている。
【0004】
ガス導入管17から導入されたガスは、シャワープレート5の孔7を介してチャンバ壁10により形成されたチャンバ室60内に供給される。なお、符号9はチャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電極)4とを絶縁する絶縁体である。また、排気系の図示は省略してある。
一方、チャンバ室60内には基板16を載置しプラズマ励起電極ともなるウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられておりその周囲にはサセプタシールド12が設けられている。
【0005】
サセプタシールド12はサセプタ電極8を受けるシールド支持板12Aと、その中央部に垂下形成された筒型の支持筒12Bとからなり、支持筒12Bはチャンバ底部10Aを貫通して、その下端部とチャンバ底部10Aとがベローズ11により密閉接続されている。
ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12は、これらの隙間がシャフト13の周囲の設けられた電気絶縁物からなる絶縁手段12Cによって真空絶縁されている。また、ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12は上下動可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の調整ができる。
ウエハサセプタ8には、シャフト13およびマッチングボックス14内に収納された整合回路を介して第2の高周波電源15が接続されている。なお、チャンバ壁10とサセプタシールド12とは直流的に同電位となっている。
【0006】
図12に従来のプラズマ処理装置の他の例を示す。図13に示すプラズマ処理装置とは異なり、図12に示すプラズマ処理装置は1周波励起タイプのプラズマ処理装置である。すなわち、カソード電極4にのみ高周波電力を供給しており、サセプタ電極8は接地されている。図13で示される高周波電源15とマッチングボックス14が省略されている。また、サセプタ電極8とチャンバ壁10とは直流的に同電位となっている。
【0007】
上記のプラズマ処理装置においては、一般的に13.56MHz程度の周波数の電力を投入して、両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマにより、CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなうものである。
このとき、高周波電源1から供給された高周波電流の経路を考えた場合、高周波電流は給電部分を介してカソード電極4に供給され、その後、サセプタ電極8から戻電部分を介して高周波電源1のアースに戻る。この戻電部分としては、チャンバ壁10と直流的に同電位とされた部分で高周波電源1のアース線に接続された部分が考えられる。具体的には、シャーシ21,マッチングボックス2等である。
この知見は、発明者らが定量的に見出したものである。チャンバに接続されたアース線のプラズマ励起周波数におけるインピーダンスは、戻電部分経路のインピーダンスに比べ2〜3桁大きいことを見出した。また、アース線の有無に依らず、処理結果に違いはなく、得られた知見を検証できた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のプラズマ処理装置においては、高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路、つまり、電流経路の復路である戻電部分におけるインダクタンスが大きく、これにより両電極4,8間のプラズマ発生空間に流れ込む高周波電流が制限されてしまうため、結果的にプラズマ空間に投入される電力が目減りして、発生するプラズマ密度が減少する可能性があり、これを改善したいという要求があった。
この戻電部分として、アルミニウム板等からなるシャーシ21,マッチングボックス2等の高周波抵抗成分に起因する給電ロスが大きくプラズマ発生空間で実効的に消費される高周波電力が小さいという問題があった。
【0009】
また、上記のようなプラズマ処理においては、処理進行に伴うプラズマ処理装置の経時変化によってもプラズマ処理のばらつきが発生する可能性があり、特に、戻電部分としてのシャーシ21,マッチングボックス2等の部分に起因するプラズマ処理経時変化の変動要因を抑制し、時間的に均一で安定したプラズマ処理をおこないたいという要求が存在していた。特に、複数回のプラズマ処理をおこなう際に、回を重ねるごとに、戻電部分の高周波特性が変化してしまい、それぞれのプラズマ処理結果が安定しないという問題があった。
これは、例えば、アルミニウム板からなるシャーシ21,マッチングボックス2の表面が酸化等変質することに起因すると思われ、複数回のプラズマ処理をおこなった場合その前後で顕著になっていた。
【0010】
さらに、上記のようなプラズマ処理室(チャンバ)を複数有するプラズマ処理装置および/またはプラズマ処理システムに対しても、同様に、各プラズマ処理装置あるいは個々のプラズマチャンバに対して、プラズマ処理の機差を低減したいという要求が存在していた。
特に、複数回のプラズマ処理前後における機差の発生を低減したいという要求は顕著であった。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.戻電部分における高周波抵抗の低減を図ること。
2.給電ロスの低減を図ること。
3.戻電部分における高周波抵抗の経時変化を抑制すること。
4.プラズマ発生空間への電力供給の安定性を向上すること。
5.プラズマ発生状態の安定性を向上すること。
6.複数回のプラズマ処理における安定性を向上すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマ処理装置は、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が高周波電力給電体を介して接続され前記出力端子に前記電極が高周波電力配電体を介して接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、を具備するプラズマ処理室ユニットを有し、
前記整合回路が、前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体としてのマッチングボックス内部に収容され、
前記高周波電力配電体が、前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体としてのシャーシ内部に収容され、
前記プラズマ励起電極は前記シャーシに覆われるとともに、前記シャーシと前記マッチングボックスとが互いに接続され、
電流経路のうち前記電極より直流接地側部分には、少なくとも前記プラズマ処理室のチャンバ壁と前記シャーシと前記マッチングボックスとの表面の一部に電気抵抗を低減する低抵抗部としてのAg膜がメッキにより設けられ
前記低抵抗部の厚み寸法が、前記高周波電源から供給される高周波電力周波数における表皮深さより大きく設定されてなることにより上記課題を解決した。
本発明において、前記低抵抗部が、金,銀,銅または少なくともこれらを含む合金からなることが好ましい。
本発明は、前記電極が、前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体によって覆われ、
前記低抵抗部が、前記遮蔽導体表面に設けられてなることが可能である。
また、本発明において、前記遮蔽導体が銅または銅を含む合金からなる手段を採用することもできる。
また、前記低抵抗部の表面が、絶縁体からなる絶縁被膜によって覆われてなることができる。
本発明のプラズマ処理装置は、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が高周波電力給電体を介して接続され前記出力端子に前記電極が高周波電力配電体を介して接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、
前記整合回路を内部に収容し前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側の一部を構成する遮蔽導体と、を具備するプラズマ処理室ユニットを有し、前記遮蔽導体が銅または銅を含む合金からなることにより上記課題を解決した。
本発明のプラズマ処理装置は、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が高周波電力給電体を介して接続され前記出力端子に前記電極が高周波電力配電体を介して接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、
前記高周波電力配電体を内部に収容し前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側の一部を構成する遮蔽導体と、を具備するプラズマ処理室ユニットを有し、前記遮蔽導体が銅または銅を含む合金からなることにより上記課題を解決した。
本発明のプラズマ処理装置は、プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、
前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、
入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が高周波電力給電体を介して接続され前記出力端子に前記電極が高周波電力配電体を介して接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、
前記電極を覆うとともに前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側の一部を構成する遮蔽導体と、を具備するプラズマ処理室ユニットを有し、前記遮蔽導体が銅または銅を含む合金からなることにより上記課題を解決した。
本発明においては、前記遮蔽導体の表面が、絶縁体からなる絶縁被膜によって覆われてなることができる。
本発明においては、上記のプラズマ処理装置において、
前記プラズマ処理室ユニットが複数設けられてなることができる。
本発明のプラズマ処理システムにおいては、上記のプラズマ処理装置が複数設けられてなることができる。
【0013】
本発明のプラズマ処理装置は、高周波電源から供給される電流経路のうち前記電極より直流接地側部分、つまり、高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路部分、すなわち、電流経路の復路である戻電部分において、少なくともその表面の一部に電気抵抗を低減する低抵抗部が設けられてなることにより、高周波電源から供給された高周波電流が高周波電源のアース側に戻る経路である戻電部分において、高周波電流の経路となる導体表面におけるインダクタンスを低減し、この戻電部分における高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。これにより、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の上昇を図ることができ、処理速度が向上する。例えば、プラズマCVD等により膜の積層をおこなう場合には堆積速度の向上を図ることができる。また、プラズマ空間で消費される実効的な電力を変えずにプラズマ励起周波数の高周波化により処理速度の向上を図ることができる。
【0014】
直流接地側部分とは、例えば高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線の外導体(シース線)に接続されて接地電位となっており、プラズマ処理室(チャンバ)のチャンバ壁、プラズマ処理室のチャンバ壁に接続された後述する遮蔽導体、および外導体によって構成される。これらはそれぞれ、高周波電源から供給された高周波電流が電源側に戻る経路、つまり、電流経路の復路を構成しているものである。
ここで、遮蔽導体は、高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)の外導体に接続され整合回路がその内部に収容されているマッチングボックス、および、このマッチングボックスとチャンバ壁とに接続されて電極(プラズマ励起電極)を覆うシャーシから構成される。
さらに、この整合回路とプラズマ励起電極を具備するチャンバとが離れた位置に設けられた場合には、遮蔽導体にはマッチングボックス,シャーシの他に、このマッチングボックスとシャーシとを結んで高周波電力配電体を収容するハウジングの部分をも含むものとされる。これにより、整合回路と電極とチャンバとの位置関係に関わりなく、給電部分の遮蔽をおこない、遮蔽部分かつ電流経路の復路部分である遮蔽導体における高周波電流に対する制限を低減することが可能となる。
なお、本発明において、「表面」とは、外側表面のみならず、内側表面も意味するものである。つまり、チャンバ壁のように、プラズマ処理室内の真空側である内側表面と、大気圧側である外部側の表面とを有する場合や、遮蔽導体のように、電磁波の放射源(整合回路、高周波電力配電体、サセプタ電極等)と対向する内側表面と、その反対側の外側表面とを有する場合、これらの両側表面を含むものとし、さらに、それ以外の部分、例えば、遮蔽導体がメッシュ状とされてその外側表面と内側表面とを連結する細かい貫通孔が設けられた場合、この貫通孔の内側部分等なども含むものとする。
【0015】
本発明において、前記低抵抗部が、金,銀,銅または少なくともこれらを含む合金からなることにより、アルミニウム材、ステンレス鋼材等からなる直流接地側部分の基材よりも抵抗値の低い金,銀,銅または少なくともこれらを含む合金を実効的な高周波電流の経路となる導体表面に設けて、この導体表面における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減して、この戻電部分における高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0016】
本発明の前記低抵抗部が、前記プラズマ処理室のチャンバ壁外側表面に設けられてなることで、戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、チャンバ壁外側における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この戻電部分における実効的な高周波電流の経路となる導体表面の高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0017】
また、本発明において、前記低抵抗部が、前記整合回路が収容される前記遮蔽導体表面に設けられることにより、戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、整合回路が収容される遮蔽導体における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この戻電部分における実効的な高周波電流の経路となる導体表面の高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
この整合回路が収容される遮蔽導体としては、高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)の外導体に接続されるマッチングボックスと、このマッチングボックスに接続されて電極(プラズマ励起電極)を覆うシャーシ、または、整合回路とプラズマ励起電極が設けられるチャンバとが離れた位置に設けられた場合にマッチングボックスとシャーシとを結んで高周波電力配電体を収容するハウジングの部分とを含むものである。これにより整合回路と電極とチャンバとの位置関係に関わりなく、高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0018】
また、前記低抵抗部が、前記高周波電力配電体が収容される前記遮蔽導体表面に設けられることにより、戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、高周波電力配電体が収容される遮蔽導体における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この戻電部分における実効的な高周波電流の経路となる導体表面の高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
この高周波電力配電体が収容される遮蔽導体としては、電極(プラズマ励起電極)およびこの電極に接続される高周波電力配電体を覆うシャーシと、このシャーシに接続されて高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)の外導体に接続され且つ整合回路が収容されるマッチングボックス、および/または、高周波電力配電体とプラズマ励起電極が設けられるチャンバとが離れた位置に設けられた場合にマッチングボックスとシャーシとを結んで高周波電力配電体を収容するハウジングの部分とを含むものである。これにより整合回路と電極とチャンバとの位置関係に関わりなく、高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0019】
本発明においては、前記低抵抗部が、前記プラズマ励起電極(カソード電極)が覆われる前記遮蔽導体表面に設けられることにより、戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、電極(プラズマ励起電極)が覆われる遮蔽導体における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この戻電部分における実効的な高周波電流の経路となる導体表面の高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
このプラズマ励起電極が覆われる遮蔽導体としては、プラズマ処理室(チャンバ)に接続されてプラズマ励起電極(カソード電極)およびこのプラズマ励起電極に接続される高周波電力配電体を覆うシャーシと、このシャーシに接続されて高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)の外導体に接続され且つ整合回路が収容されるマッチングボックス、および/または、高周波電力配電体とプラズマ励起電極が設けられるチャンバとが離れた位置に設けられた場合にマッチングボックスとシャーシとを結んで高周波電力配電体を収容するハウジングの部分とを含むものである。これにより整合回路と電極とチャンバとの位置関係に関わりなく、高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0020】
さらに、前記遮蔽導体が銅または銅を含む合金からなることにより、戻電部分である高周波電流がサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路復路側の直流接地側部分のうち遮蔽導体における低抵抗部以外の部分を流れた場合にも、遮蔽導体における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この戻電部分における実効的な高周波電流の経路となる遮蔽導体表面の高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
特に、電気的強度的理由により、遮蔽導体表面に低抵抗部が設けることができなかった場合に、より効果的に高周波抵抗を低減することができる。
【0021】
また、本発明では、前記低抵抗部の厚み寸法が、前記高周波電源から供給される高周波電力周波数(プラズマ励起周波数)における表皮深さより大きく設定されてなることにより、実効的に高周波電流の流れている導体表面部分における抵抗値を低減することができるため、戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分の基体の強度等に影響を与えることなく、電流経路の復路側の直流接地側部分のインダクタンスを低減して、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスをさらに低減することが可能となる。
ここで、表皮深さとは、後述する図3に示すように、導体を交流電流が流れているとき、この電流によってできる円周方向の磁界も電流とともに時間変化し、この電磁誘導によって電流の変化を妨げる方向に逆起電力が発生するが、このとき、導体断面の中心部の電流ほど磁束鎖交数が大きいので逆起電力も大きくなるため、導体断面の中心部の電流密度が小さくなり、電流が周辺部を流れるようになるという表皮効果により、導体内に、導体表面から電流が浸み込む深さのことをいい、以下の式(1)で定義される。
【数1】
Figure 0003816359
ここで、
δ:表皮深さ
ω:高周波電源から供給される高周波周波数
μ:透磁率(=μ0 真空の透磁率)
σ:低抵抗部材の導電率
である。
【0022】
本発明においては、前記低抵抗部の表面が、絶縁体からなる絶縁被膜によって覆われてなることにより、戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路復路側としての直流接地側部分において酸化等の経時変化を低減できるため、電流経路復路側の直流接地側部分における高周波抵抗の変動を抑制することが可能となり、電流経路の復路側の直流接地側部分に生じる高周波特性の経時変化に起因するプラズマ処理の変動要因を抑制し、再現性が高く安定したプラズマ処理をおこなうことができ、特に、複数回のプラズマ処理をおこなう際においても、それぞれのプラズマ処理結果を安定させることができる。
【0023】
本発明のプラズマ処理装置は、前記整合回路を内部に収容し前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体が、銅または銅を含む合金からなることにより、高周波電流が戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち遮蔽導体における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この遮蔽導体における実効的な高周波電流の経路となる遮蔽導体表面の高周波電流に対する制限を低減できるため、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
これにより、前述したように遮蔽導体表面に、厚み寸法が高周波電源から供給される高周波電力周波数における表皮深さより大きく設定された銅または銅を含む合金からなる低抵抗部を設けた場合と同様に実効的に高周波電流の流れる部分をも含んで抵抗値を低減することが可能となる。
ここで、整合回路が収容される遮蔽導体としては、高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)の外導体に接続されるマッチングボックスと、このマッチングボックスに接続されて電極(プラズマ励起電極)を覆うシャーシ、または、整合回路とプラズマ励起電極が設けられるチャンバとが離れた位置に設けられた場合にマッチングボックスとシャーシとを結んで高周波電力配電体を収容するハウジングの部分とを含むものである。これにより整合回路と電極とチャンバとの位置関係に関わりなく、給電部分としての整合回路を遮蔽できるとともに、高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0024】
本発明のプラズマ処理装置は、前記高周波電力配電体を内部に収容し前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体が、銅または銅を含む合金からなることにより、高周波電流が戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち遮蔽導体における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この遮蔽導体における実効的な高周波電流の経路となる遮蔽導体表面の高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
これにより、前述したように遮蔽導体表面に、厚み寸法が高周波電源から供給される高周波電力周波数における表皮深さより大きく設定された低抵抗部を設けた場合と同様に実効的に高周波電流の流れる部分をも含んで抵抗値を低減することが可能となる。
この高周波電力配電体が収容される遮蔽導体としては、電極(プラズマ励起電極)およびこの電極に接続される高周波電力配電体を覆うシャーシと、このシャーシに接続されて高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)の外導体に接続され且つ整合回路が収容されるマッチングボックス、および/または、高周波電力配電体とプラズマ励起電極が設けられるチャンバとが離れた位置に設けられた場合にマッチングボックスとシャーシとを結んで高周波電力配電体を収容するハウジングの部分とを含むものである。これにより整合回路と電極とチャンバとの位置関係に関わりなく、給電部分としての高周波電力配電体を遮蔽できるとともに、高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0025】
本発明のプラズマ処理装置は、前記電極を覆うとともに前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側の一部を構成する遮蔽導体が銅または銅を含む合金からなることにより、高周波電流が戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち遮蔽導体における高周波抵抗を低減することができ、インダクタンスを低減し、この遮蔽導体における実効的な高周波電流の経路となる遮蔽導体表面の高周波電流に対する制限を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
これにより、前述したように遮蔽導体表面に、厚み寸法が高周波電源から供給される高周波電力周波数における表皮深さより大きく設定された低抵抗部を設けた場合と同様に実効的に高周波電流の流れる部分をも含んで抵抗値を低減することが可能となる。
この電極が覆われる遮蔽導体としては、プラズマ処理室(チャンバ)に接続されてプラズマ励起電極(カソード電極)およびこのプラズマ励起電極に接続される高周波電力配電体を覆うシャーシと、このシャーシに接続されて高周波電源からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)の外導体に接続され且つ整合回路が収容されるマッチングボックス、および/または、高周波電力配電体とプラズマ励起電極が設けられるチャンバとが離れた位置に設けられた場合にマッチングボックスとシャーシとを結んで高周波電力配電体を収容するハウジングの部分とを含むものである。これにより整合回路と電極とチャンバとの位置関係に関わりなく、高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0026】
本発明においては、前記遮蔽導体の表面が、絶縁体からなる絶縁被膜によって覆われてなることにより、戻電部分であるサセプタ電極から高周波電源のアース側に戻る電流経路復路側としての直流接地側部分を構成する遮蔽導体において酸化等の経時変化することを防止でき、電流経路復路側の直流接地側部分を構成する遮蔽導体における高周波抵抗の変動を抑制することが可能となり、電流経路の復路側の直流接地側部分を構成する遮蔽導体に生じる高周波特性の経時変化に起因するプラズマ処理の変動要因を抑制し、再現性が高く安定したプラズマ処理をおこなうことができ、特に、複数回のプラズマ処理をおこなう際においても、それぞれのプラズマ処理結果を安定させることができる。
【0027】
本発明においては、上記のプラズマ処理装置において、前記プラズマ処理室ユニットが複数設けられてなることにより、複数のプラズマチャンバ(プラズマ処理室ユニット)に対して、直流接地側部分における高周波抵抗を低減するよう設定して、直流接地側部分のインピーダンス、高周波抵抗等の電気的高周波的な特性の機差を低減することが可能となり、個々のプラズマチャンバにおいて、プラズマ空間で消費される実効的な電力の差を低減することができる。
特に、直流接地側部分、または、低抵抗部の表面が、絶縁体からなる絶縁被膜によって覆われてなることにより、個々のプラズマチャンバにおいて戻電部分である電流経路復路側としての直流接地側部分に酸化等の経時変化が生じ、これに起因して個々のプラズマチャンバにおける電流経路復路側の高周波抵抗が変動することを抑制可能にできる。これにより、それぞれのプラズマチャンバにおいて高周波抵抗等の電気的高周波的な特性の機差が増大することを防止でき、その結果、個々のプラズマチャンバにおいて電流経路の復路側の直流接地側部分に生じる高周波特性の経時変化に起因するプラズマ処理の変動要因を抑制し、再現性が高く安定したプラズマ処理をおこなうことができる。さらに、複数回のプラズマ処理をおこなう際においても、それぞれのプラズマチャンバにおけるプラズマ処理結果を各々安定させることができる。
その結果、複数のプラズマチャンバに対して同一のプロセスレシピを適用して、プラズマ処理結果の機差を低減すること、つまり、複数のプラズマチャンバにおいて例えば成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、のパラメータの差が生じることを防止できる。
【0028】
本発明のプラズマ処理システムにおいては、上述の各プラズマ処理装置が複数設けられてなる手段を採用することにより、上記のプラズマ処理装置と同様の効果を奏することのできるプラズマ処理システムを提供することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理システムの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本実施の形態のプラズマ処理装置71の概略構成を示す図である。本実施の形態のプラズマ処理装置71は、例えば、トップゲート型TFTの半導体能動膜をなす多結晶シリコンの成膜からゲート絶縁膜の成膜までの一貫処理が可能なものとされ、複数の処理室ユニットを有する装置とされる。
【0030】
本実施の形態のプラズマ処理装置71は、図1に示すように、略七角形状の搬送室72の周囲に、5つの処理室ユニットと1つのローダ室73と1つのアンローダ室74とが連設されている。また、5つの処理室ユニットの内訳としては、アモルファスシリコン膜を成膜する第1成膜室、シリコン酸化膜を成膜する第2成膜室、およびシリコン窒化膜を成膜する第3成膜室からなるプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)75,76,77、成膜後の被処理基板のアニーリング処理を行うレーザアニール室78、成膜後の被処理基板の熱処理を行う熱処理室79、である。
【0031】
プラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)である、第1成膜室75、第2成膜室76、第3成膜室77はそれぞれ異なる種類の膜を成膜するような異なる処理をおこなうことも可能であり、また、同一のプロセスレシピにより同一の処理をおこなうこともできるものであるが、略同一の構成とされている。そして、これらの複数のプラズマチャンバ75,76,77においては、後述するように、戻電部分である高周波電流がサセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路復路側の直流接地側部分において、少なくともその表面の一部に電気抵抗を低減する低抵抗部RLが設けられてなる構成とされている。
ここでは第1成膜室75を例に挙げてその構成を説明する。
【0032】
図2は本実施形態のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の概略構成を示す断面図である。
【0033】
プラズマチャンバ(第1成膜室)75は、CVD( chemical vapor deposition)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理が可能な1周波数励起タイプのプラズマ処理室ユニットとされ、図2に示すように、プラズマを励起するための平行平板型電極4,8が設けられ、この電極4に高周波電力配電体3を介して接続された高周波電源1と、前記プラズマチャンバ75と前記高周波電源1とのインピーダンス整合を得るための整合回路2Aとを具備する構成とされる。
【0034】
さらに詳細に説明すると、プラズマチャンバ75には、図2に示すように、チャンバ室(プラズマ処理室)60の上部位置に高周波電源1に接続されたプラズマ励起電極(電極)4およびシャワープレート5が設けられ、チャンバ室60の下部にはシャワープレート5に対向して被処理基板16を載置するサセプタ電極(電極)8が設けられている。プラズマ励起電極4は、高周波電力配電体(給電板)3および整合回路2Aを介して第1の高周波電源1と接続されている。これらプラズマ励起電極4および高周波電力配電体(給電板)3は、シャーシ21に覆われるとともに、整合回路2Aは導電体からなるマッチングボックス2の内部に収納されている。
これらシャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2は互いに接続されるとともに、後述するように、マッチングボックス2は同軸ケーブルとされる給電線1Aのシールド線(外導体)に接続されている。
【0035】
給電板3としては、例えば、幅50〜100mm、厚さ0.5mm、長さ100〜300mmの形状を有する銅の表面に銀めっきを施したものが用いられており、この給電板3は、後述する整合回路2Aのチューニングコンデンサ24の出力端子およびプラズマ励起電極4にそれぞれネジ止めなどの結合手段により着脱可能に取り付けられている。
また、プラズマ励起電極(カソード電極)4の下側には環状の凸部4aが設けられるとともに、このプラズマ励起電極(電極)4の下には、多数の孔7が形成されているシャワープレート5が凸部4aに接して設けられている。これらプラズマ励起電極4とシャワープレート5との間には空間6が形成されている。この空間6にはシャーシ21の側壁を貫通するとともにプラズマ励起電極(カソード電極)4を貫通してガス導入管17が接続されている。
【0036】
このガス導入管17は、導体からなるとともに、ガス導入管17の途中には絶縁体17aがシャーシ21内側位置に介挿されてプラズマ励起電極14側とガス供給源側とが絶縁される。
ガス導入管17から導入されたガスは、シャワープレート5の多数の孔7,7からチャンバ壁10により形成されたチャンバ室60内に供給される。チャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電極)4とは絶縁体9により互いに絶縁されている。また、図2において、チャンバ室60に接続されるべき排気系の図示は省略してある。
一方、チャンバ室60内には基板16を載置しプラズマ励起電極ともなる盤状のウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられている。
【0037】
サセプタ電極(対向電極)8の下部中央には、シャフト13が接続され、このシャフト13がチャンバ底部10Aを貫通して設けられるとともに、シャフト13の下端部とチャンバ底部10A中心部とがベローズ11により密閉接続されている。これら、ウエハサセプタ8およびシャフト13はベローズ11により上下動可能となっており、プラズマ励起電極4,8間の距離の調整ができる。
これらサセプタ電極8とシャフト13とが接続されているため、サセプタ電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10は直流的に同電位となっている。さらに、チャンバ壁10とシャーシ21は接続されているため、チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボックス2はいずれも直流的に同電位となっている。
【0038】
ここで、整合回路2Aは、チャンバ室60内のプラズマ状態等の変化に対応してインピーダンスを調整するために、その多くは複数の受動素子を具備する構成とされている。
整合回路2Aは、図2に示すように、複数の受動素子として、高周波電源1と給電板3との間に設けられ、インダクタンスコイル23と、エアバリコンからなるチューニングコンデンサ24と、真空バリコンからなるロードコンデンサ22と、から構成されている。
これらのうち、インダクタンスコイル23,チューニングコンデンサ24は、整合回路2Aの入力端子側から出力端子側へ直列に接続されるとともに、インダクタンスコイル23の間の分岐点からこれらと並列にロードコンデンサ22が接続されている。このインダクタンスコイル23,チューニングコンデンサ24は、導体を介さずに直接接続されており、また、ロードコンデンサ22の一端は、導体を介してマッチングボックス2(接地電位部分)に接続されている。
ここで、チューニングコンデンサ24は整合回路2Aの受動素子のうち最終端とされ、このチューニングコンデンサ24の出力端子は整合回路2Aの出力端子とされており、チューニングコンデンサ24は高周波電力配電体3を介してプラズマ励起電極4に接続されている。
【0039】
マッチングボックス(遮蔽導体)2は、同軸ケーブルとされる給電線(高周波電力給電体)1Aのシールド線に接続されており、このシールド線が直流的にアースされている。これにより、サセプタ電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10,シャーシ21,マッチングボックス2は接地電位に設定されることになり、同時に、ロードコンデンサ22の一端も直流的にアースされた状態となる。
これらサセプタ電極8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10,シャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2、給電線1Aのシールド線は、直流接地側部分を構成している。
【0040】
これら直流接地側部分において、少なくともその表面の一部に電気抵抗を低減する低抵抗部RLが設けられている。
具体的には、低抵抗部RLは、直流接地側部分のうち、高周波電源1からの同軸ケーブルとされる電源線(高周波電力給電体)1Aの外導体(シールド線)に接続され整合回路2Aがその内部に収容されているマッチングボックス(遮蔽導体)2と、このマッチングボックス2およびチャンバ壁10に接続されて電極(プラズマ励起電極)4を覆うとともにこのプラズマ励起電極4に接続される高周波電力配電体3が内部に収容されているシャーシ(遮蔽導体)21と、チャンバ壁10との表面に設けられている。
なお、低抵抗部RLをチャンバ室60の真空側つまりチャンバ壁10内側表面に設けること、および、低抵抗部RLをマッチングボックス2、シャーシ21内側表面に設けることもできる。
【0041】
この低抵抗部RLは、アルミニウム、SUS304などのステンレス鋼からなるシャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2、チャンバ壁10の中心部に比べて、Au,Ag,Cuまたは少なくともこれらを含む合金のような低抵抗材料からなるものとされ、具体的には、Alからなるシャーシ21、マッチングボックス2,チャンバ壁10の表面に低抵抗部RLとしてのAg膜がメッキ等により設けられている。
なお、アルミニウムからなるマッチングボックス2、シャーシ21の内側表面に、低抵抗部RLとしてAg膜をメッキ等により設けてもよい。
ここで、低抵抗部RLの厚み寸法が、高周波電源1から供給される高周波電力周波数における表皮深さδと等しいかこれより大きく設定されている。
【0042】
図3はシャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2、チャンバ壁10の低抵抗部RLおよび表皮深さδを説明するための模式断面図である。
ここで、シャーシ21、マッチングボックス2、チャンバ壁10はその断面を模式的に円形に表している。
表皮深さとは、図3に示すように、例えば、アルミニウムからなるシャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2を交流電流iが流れているとき、この電流iによってできる円周方向の磁界も電流iとともに時間変化し、この電磁誘導によって電流の変化を妨げる方向に逆起電力が発生するが、このとき、導体断面の中心部の電流ほど磁束鎖交数が大きいので逆起電力も大きくなるため電流密度が小さくなり、結果として電流が表面付近を流れるようになる際に、シャーシ21、マッチングボックス2内に、シャーシ21、マッチングボックス2表面から電流iが浸み込む深さをいい、以下の式(2)で定義される。
【数2】
Figure 0003816359
ここで、
δ:表皮深さ
f:高周波電源から供給される高周波周波数
μ:透磁率(=μ0 真空の透磁率)
σ:導電率
である。
【0043】
例えば、高周波電源から13.56MHz程度の周波数fの電力が供給されたとき、シャーシ21、マッチングボックス2に対して銀とされる低抵抗部RLにおける表皮深さとしては、
導電率σ=1.10×108 S/m,透磁率μ=μ0 (真空の透磁率)とすると、
表皮深さδ=1.30×10μm となるため、
低抵抗部RLの厚みは、δ=1.30×10μmより大きくなるよう、例えば、メッキ等によりシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面に設けられる。
【0044】
シャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2およびチャンバ壁10の表面は、図3に示すように、絶縁体からなる絶縁被膜PCによって覆われてなる。ここで、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面とは、シャーシ21、マッチングボックス2の表面全体およびチャンバ壁10の外側面を意味し、低抵抗部RLが設けられている場合にはこの低抵抗部RLの表面を覆うようになっている。
ここで、絶縁被膜PCとしては、ポリイミド,PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)等が適応される。ここで、絶縁被膜PCとしてポリイミド,PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を採用した場合には耐熱性に優れるという特性を生かすことができ、ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)を採用した場合には、耐摩耗性に優れているという特性を生かすことができる。
【0045】
本実施形態のプラズマチャンバ75においては、13.56MHz程度以上の周波数の電力、具体的には、例えば13.56MHz,27.12MHz,40.68MHz等の周波数の電力を投入して、両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマにより、サセプタ電極8に載置した基板16にCVD( chemical vapor deposition)、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ処理をおこなうことができる。
【0046】
図4は図2に示す本実施形態のプラズマ処理室ユニットにおける電流経路の復路を示す模式図である。
このとき、高周波電力は、高周波電源1から、給電部分として、給電線1Aの同軸ケーブル,整合回路2A,高周波電力配電体3,プラズマ励起電極(カソード電極)4に供給される。一方、高周波電流の経路を考えた場合、電流iはこれら給電部分を介してプラズマ空間(チャンバ室60)を経由した後、さらにもう一方の電極(サセプタ電極)8から、図4に破線iで示すように、シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10を通り、その後、シャーシ21,マッチングボックス2,給電線1Aのシールド線を通り、高周波電源1のアースに戻る。
ここで、高周波電流はチャンバ壁10,シャーシ(遮蔽導体)21,マッチングボックス(遮蔽導体)2においては、その表面に設けられた低抵抗部RLの部分を介して伝達されている。
これら、シャフト13,サセプタシールド12,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10,シャーシ(遮蔽導体)21,マッチングボックス(遮蔽導体)2,給電線1Aのシールド線は、それぞれ、戻電部分である高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路、つまり、電流経路の復路としての直流接地側部分を構成しているものである。
【0047】
上記構成の処理室75,76,77のいずれかにおいてアモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の成膜をおこなう際には、サセプタ電極8上に被処理基板16を載置し、高周波電源1から高周波電極4に高周波電力を印加するとともにガス導入管17からシャワープレート6を介して反応ガスをチャンバ室60内に供給してプラズマを発生させ、被処理基板16上にアモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等を成膜する。
【0048】
レーザアニール室78は、図5に示すように、チャンバ80の上部にレーザ光源81が設けられる一方、チャンバ80内の下部には被処理基板16を載置するためのステージ82が直交するX方向、Y方向の2方向に水平移動可能に設けられている。そして、レーザ光源81の出射部81aからスポット状のレーザ光83(1点鎖線で示す)が出射されると同時に、被処理基板16を支持したステージ82がX方向、Y方向に水平移動することにより、レーザ光83が被処理基板16の全面を走査できるようになっている。レーザ光源81には例えばXeCl、ArF、ArCl、XeF等のハロゲンガスを用いたガスレーザを用いることができる。
また、レーザアニール室78の構成は、レーザ光を出射するレーザ光源を備え、レーザ光源から出射されるスポット状のレーザ光が被処理基板の表面をくまなく走査できる構成のものであれば、種々の構成の装置を用いることができる。この場合、レーザ光源は例えばXeCl、ArF、ArCl、XeF等のハロゲンガスを用いたガスレーザを用いることができる。膜の種類によってはYAGレーザ等の他のレーザ光源を用いることもでき、レーザ光の照射の形態としては、パルスレーザアニール、連続発振レーザアニールを用いることができる。また、熱処理室の構成は、例えば多段式電気炉型の装置を用いることができる。
【0049】
熱処理室79は、図6に示すように、多段式電気炉型のものであり、チャンバー84内に多段に設けられたヒータ85の各々に被処理基板16が載置される構成になっている。そして、ヒータ85の通電により複数枚の被処理基板16が加熱されるようになっている。なお、熱処理室89と搬送室72との間にはゲートバルブ86が設けられている。
【0050】
図1に示すローダ室73、アンローダ室74には、ローダカセット、アンローダカセットが着脱可能に設けられている。これら2つのカセットは、複数枚の被処理基板16が収容可能なものであり、ローダカセットに成膜前の被処理基板16が収容され、アンローダカセットには成膜済の被処理基板16が収容される。そして、これら処理室ユニットとローダ室73、アンローダ室74の中央に位置する搬送室72に基板搬送ロボット(搬送手段)87が設置されている。基板搬送ロボット87はその上部に伸縮自在なリンク機構を有するアーム88を有し、アーム88は回転可能かつ昇降可能となっており、アーム88の先端部で被処理基板16を支持、搬送するようになっている。
【0051】
上記構成のプラズマ処理装置71は、例えば各処理室ユニットにおける成膜条件、アニール条件、熱処理条件等、種々の処理条件や処理シーケンスをオペレータが設定する他は、各部の動作が制御部により制御されており、自動運転する構成になっている。したがって、このプラズマ処理装置71を使用する際には、処理前の被処理基板16をローダカセットにセットし、オペレータがスタートスイッチを操作すれば、基板搬送ロボット87によりローダカセットから各処理室内に被処理基板16が搬送され、各処理室で一連の処理が順次自動的に行われた後、基板搬送ロボット87によりアンローダカセットに収容される。
【0052】
本実施形態のプラズマチャンバ75においては、高周波電源1から供給される電流経路のうちサセプタ電極(電極)8より直流接地側部分、つまり、高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路、すなわち、電流経路の復路である戻電部分における、少なくともその一部としてのシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面に電気抵抗を低減する低抵抗部RLが設けられてなることにより、高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路である直流接地側部分において、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の基材であるアルミニウムに比べて高周波電流の経路となる導体表面における高周波抵抗を低減し、電流経路の復路における高周波電力の損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。これにより、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の上昇を図ることができ、その結果、プラズマ励起周波数の高周波化による処理速度の向上を図ること、つまり、プラズマCVD等により膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図ることができる。
【0053】
本実施形態において、低抵抗部RLが、銀からなることにより、アルミニウムからなる直流接地側部分の基材よりも抵抗値の低い銀を実効的な高周波電流の経路となるシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面に設けて、この導体表面における高周波抵抗を低減することができ、この電流経路の復路における高周波電力の損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0054】
本実施形態の低抵抗部RLが、チャンバ壁10外側表面に設けられてなることで、戻電部分であるサセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、チャンバ壁10部分における高周波抵抗を低減することができ、この戻電部分における実効的な高周波電流の経路となる導体表面において、高周波電力に対する損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態における低抵抗部RLが、整合回路2Aが収容されるマッチングボックス(遮蔽導体)2、シャーシ(遮蔽導体)21表面に設けられることにより、サセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、整合回路2Aが収容されるマッチングボックス2、シャーシ21における高周波抵抗を低減することができ、このマッチングボックス(遮蔽導体)2、シャーシ(遮蔽導体)21における実効的な高周波電流の経路となる導体表面において、高周波電力に対する損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0056】
低抵抗部RLが、高周波電力配電体3が収容されるシャーシ(遮蔽導体)21表面に設けられることにより、サセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、高周波電力配電体3が収容されるシャーシ(遮蔽導体)21における高周波抵抗を低減することができ、このシャーシ(遮蔽導体)21における実効的な高周波電流の経路となる導体表面において、高周波電力に対する損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0057】
また、低抵抗部RLが、プラズマ励起電極(カソード電極)4を覆うシャーシ(遮蔽導体)21表面に設けられることにより、サセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路の復路側の直流接地側部分のうち、電極(プラズマ励起電極)を覆うシャーシ(遮蔽導体)21における高周波抵抗を低減することができ、このシャーシ(遮蔽導体)21における実効的な高周波電流の経路となる導体表面において、高周波電力に対する損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0058】
ここで、これらの遮蔽導体としてのマッチングボックス2、シャーシ21はサセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路の復路側であり、この電流経路の復路側の遮蔽導体2,21が、高周波電源1から、プラズマ発生空間に高周波電力を供給する給電部分としての電流経路の往路側である整合回路2A,高周波電力配電体3をその内部に収容しており、同時に、電流経路の復路側の遮蔽導体2,21が、電流経路の往路側であるプラズマ励起電極(カソード電極)4にを覆っており、かつ、これら遮蔽導体2,21の給電部分2A,3,4に対向する側の内側表面に低抵抗部RLが設けられていることにより、この給電部分2A,3,4の遮蔽をおこなうとともに、遮蔽導体2,21の構造上、壁面と壁面、壁面と天面とのように、各面どうしのつなぎ目に隙間が生じた場合であっても、遮蔽導体2,21の表面に沿って流れる高周波電流の電流経路となる遮蔽導体2,21の外側内側表面に低抵抗部RLを設けることで、遮蔽導体2,21の高周波抵抗を低減することができ、遮蔽導体2,21の部分における電力損失を低減でき、結果としてプラズマ空間への実効電力を増大させることができる。つまり、遮蔽導体2,21の外側表面のみに低抵抗部RLを設けた場合に比べ、遮蔽導体2,21の内側表面にも低抵抗部RLを設けた場合にはさらに、プラズマ空間へ供給する実効的な高周波電力のロスを低減することができることになる。
【0059】
また、低抵抗部RLの表面が、絶縁体からなる絶縁被膜PCによって覆われてなることにより、直流接地側部分であるサセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路復路側におけるシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10が酸化等の経時変化することを防止でき、電流経路復路側のシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10における高周波抵抗の変動を抑制することが可能となり、電流経路の復路側のシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10に生じる高周波特性の経時変化に起因するプラズマ処理の変動要因を抑制し、再現性が高く安定したプラズマ処理をおこなうことができ、特に、複数回のプラズマ処理をおこなう際においても、それぞれのプラズマ処理結果を安定させることができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、低抵抗部RLは、シャーシ21、マッチングボックス2の表面全体およびチャンバ壁10外側の表面全体に設けたが、これらの一部分、例えば、高周波電流の伝播経路として設定した場合に好ましい箇所のみに設けることも可能である。
この低抵抗部を設ける位置の例として、例えば、チャンバ壁10の外壁に縦ストライプ状に設けることができ、この場合、電流伝播経路を平行に複数設けたことになるため、高周波抵抗を低減することができ、実効的な高周波電力ロスを低減することが可能である。
【0061】
さらに、電流経路の復路側のシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面に低抵抗部RLや絶縁被膜PCを設けて、高周波特性の経時変化に起因するプラズマ処理結果のばらつきを抑制することにより、処理をおこなった基板の評価によるプラズマ処理装置71の動作確認・動作の評価の後、調整をおこなうという2段階のメンテナンスをおこなう必要を低減することが可能なため、新規設置時や調整・メンテナンス時において、各プラズマチャンバ75,76,77ごとの機差を低減して処理のばらつきを実質的になくし同一のプロセスレシピにより略同一の処理結果を得るために必要な調整時間を、大幅に短縮することができる。その上、被処理基板16への実際の成膜等による検査方法を採用した場合、別々におこなうしかなかった複数のプラズマチャンバ75,76,77に対する結果をほぼ同時に実現することができる。また、このような被処理基板の評価に要するプラズマ処理装置71の動作確認調整に必要な検査用基板等の費用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従事する作業員の人件費等、コストを削減することが可能となる。
また、プラズマ処理装置全体の消費電力の低減を図ること、ランニングコストの削減を図ること、生産性の向上を図ることがより一層可能になる。同時に、処理時間をより短縮することが可能となるため、プラズマ処理に要する電力消費を減らせることから環境負荷となる二酸化炭素の総量をより削減することが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態においては、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面に低抵抗部RLや絶縁被膜PCを設けたが、シャーシ21の表面のみ、あるいは、マッチングボックス2の表面のみ、あるいは、チャンバ壁10の表面のみ、またはこれらの組み合わせた状態に低抵抗部RLや絶縁被膜PCを設けることが可能である。
さらに、低抵抗部RLがAg単層からなるものとしたが、これ以外にも、Au,Cuや、これらを含む合金で抵抗率の低い、電気伝導度の高い材質を適応することもでき、あるいは、複数の層、例えば、最深部にCu層、次いで、Ag層、最表面にAu層のように、深さ方向電流密度の大きい順に抵抗率の低い材質とする等の構成が適応可能である。
このように、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面全体にAu,Agおよびこれらを含む合金等のように低腐食性の材料からなる低抵抗部を設けた場合には、絶縁被膜を設けないこともできる。
【0063】
また、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10としても、ステンレス鋼等の基材からなるものを適応することも可能である。
【0064】
また、本実施形態においては、プラズマチャンバ75,76,77において、サセプタ電極側8に基板16を載置してプラズマ励起電極4に対する電流経路の復路側における高周波特性の設定をおこなうよう設定したが、RIE(reactive ion etching)反応性スパッタエッチングに対応するようにカソード電極4側に基板16を取り付けるよう対応することも可能である。
【0065】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理システムの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第2実施形態]
図7は本実施形態のプラズマ処理装置91の概略構成を示す断面図である。
本実施形態のプラズマ処理装置91は、図7に示すように、略四角形の搬送室92の周囲にロードロック室93と熱処理室99と処理室95,96とが設けられた構成とされている。この装置は基板移載用の搬送ロボットが設置されている搬送室92を中央にして、各室の間が、ゲートg1,g2,g3,g4で区切られている。搬送室(待機室)92と加熱室99とその他の処理室ユニット95,96はそれぞれ個別の高真空ポンプによって高真空度に排気されている。ロードロック室93は低真空ポンプによって低真空度に排気されている。
【0066】
本実施形態のプラズマ処理装置91においては、その構成要素が図1〜図6に示した第1実施形態のプラズマ処理装置71に対応しており、それぞれ、搬送室72に搬送室92が、熱処理室79に熱処理室99が、ロードロック室93がローダ室73およびアンローダ室74に対応しており、略同一の構成の部分に関しては説明を省略する。
【0067】
プラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95,96は、図1〜図6に示した第1実施形態のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)75,76に対応して、それぞれ異なる種類の膜を成膜するような異なる処理をおこなうことも可能であり、また、同一のプロセスレシピにより同一の処理をおこなうこともできるものであるが、略同一の構成とされている。
そして、これらの複数のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95,96は、電流経路の復路側のシャーシ21、マッチングボックス2が、銅または銅を含む合金からなるとともに、チャンバ壁10の表面に銅からなる低抵抗部RLが設けられかつ、これらシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面が絶縁被膜PCで覆われた構成とされている。
ここではプラズマ処理室ユニット95を例に挙げてその構成を説明する。
【0068】
図8は本実施形態のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の概略構成を示す断面図、図9は本実施形態における低抵抗部および表皮深さδを説明するための模式断面図、図10は図8におけるプラズマ処理室ユニットにおける電流経路の復路を示す模式図である。
【0069】
本実施形態のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95は、2周波数励起タイプのプラズマ処理室とされ、図1〜図6に示した第1実施形態のプラズマ処理室75と異なるのはサセプタ電極8側に電力を供給する点と、シャーシ21、マッチングボックス2の構造に関する点である。それ以外の対応する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のプラズマチャンバ95,96は、後述するように、高周波電源1側の戻電部分である高周波電流がサセプタ電極8から高周波電源1のアース側に戻る電流経路復路側の直流接地側部分において、その表面に電気抵抗を低減する低抵抗部RL’が設けられてなる構成とされている。
【0070】
本実施形態のプラズマチャンバ95は、図8に示すように、サセプタ電極8の周囲にサセプタシールド12が設けられ、ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12は、これらの隙間がシャフト13の周囲に設けられた電気絶縁物からなる絶縁手段12Cによって真空絶縁されるとともに電気的にも絶縁されている。また、ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12は、ベローズ11により上下動可能に構成されている。この構成により、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間の距離が調整可能となっている。また、サセプタ電極8は、シャフト13下端に接続された給電板28、および、導電体からなるサセプタ電極側マッチングボックス26内部に収納された整合回路25を介して第2の高周波電源27と接続されている。
【0071】
この給電板28としては、例えば、幅50〜100mm、厚さ0.5mm、長さ100〜300mmの形状を有する銅の表面に銀めっきを施したものが用いられており、この給電板28は、後述する整合回路25のチューニングコンデンサ31の出力端子およびシャフト13下端にそれぞれネジ止めなどの結合手段により着脱可能に取り付けられている。
給電板28は、サセプタシールド12の支持筒12B下端に接続されたシャーシ29に覆われるとともに、シャーシ29は、同軸ケーブルとされる給電線27Aのシールド線によって接続されマッチングボックス26とともにアースされている。これにより、サセプタシールド12,シャーシ29,マッチングボックス26は直流的に同電位となっている。
【0072】
ここで、整合回路25は、第2の高周波電源27とサセプタ電極8との間のインピーダンスの整合を図るものとされ、この整合回路25としては、図8に示すように、複数の受動素子として、第2の高周波電源27と給電板28との間に、チューニングコイル30とチューニングコンデンサ31とが直列に設けられ、これらと並列にロードコンデンサ32が接続され、このロードコンデンサ32の一端はマッチングボックス26に接続されており、整合回路2Aと略同様の構成とされている。マッチングボックス26は給電線27Aのシールド線を介して接地電位に設定されており、同時に、ロードコンデンサ32の一端がアースされている。なお、チューニングコイル30と直列にチューニングコイルを接続することや、ロードコンデンサ32と並列にロードコンデンサを設けることも可能である。
【0073】
本実施形態のプラズマチャンバ95においては、サセプタ電極8上に被処理基板16を載置し、第1、第2の高周波電源1,27からプラズマ励起電極4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を印加するとともにガス導入管17からシャワープレート5を介して反応ガスをチャンバ室60内に供給してプラズマを発生させ、被処理基板16に対して成膜等のプラズマ処理をおこなう。このとき、第1の高周波電源1から13.56MHz程度以上の周波数の電力、具体的には、例えば13.56MHz,27.12MHz,40.68MHz等の周波数の電力を投入する。そして、第2の高周波電源27からも第1の高周波電源1からと同等か、異なる周波数の電力、例えば1.6MHz程度の電力を投入することもできる。
【0074】
本実施形態の直流接地側部分においては、チャンバ壁10は第1実施形態と同様に構成されているが、シャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2がいずれも、銅または銅を含む合金からなる構成とされている。つまり、本実施形態のシャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2は、図9に示すように、第1実施形態におけるAgの代わりに低抵抗材である銅からなる低抵抗部RL’をその表面に設けるとともに基材を銅とした構成と同じであり、言い換えると、第1実施形態と同様に低抵抗材である銅からなる低抵抗部RL’をその表面に設けるとともにこの低抵抗部RL’を設ける厚みをシャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2の厚み寸法と等しい程度まで設定した構成と同じであるといえる。
ここで、高周波電源から13.56MHz程度の周波数fの電力が供給されたとき、シャーシ21、マッチングボックス2に対して銅とされる低抵抗部RL’における表皮深さとしては、
導電率σ=0.58×108 S/m,透磁率μ=μ0 (真空の透磁率)とすると、
表皮深さδ=1.79×10μm となるため、
低抵抗部RL’の厚みは、δ=1.79×10μmより大きくなるようシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面に設けられる設定であるといえる。
【0075】
本実施形態のシャーシ(遮蔽導体)21、マッチングボックス(遮蔽導体)2は、このように低抵抗部RL’とみなすことのできる銅の厚み寸法が、高周波電源1から供給される高周波電力周波数における表皮深さδを大きく越えて設定されているため、この表皮深さδまでしかシャーシ21、マッチングボックス2表面から電流iが浸み込まなくなる、このため、高周波電源1側の戻電部分であるサセプタ電極8からの復路側の直流接地側部分における高周波電源1から供給された電流伝播経路は、チャンバ壁10における低抵抗部RL、また、シャーシ21およびマッチングボックス2における低抵抗部RL’から構成されることになる。
【0076】
シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面は、図9に示すように、絶縁体からなる絶縁被膜PCによって覆われてなる。ここで、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面とは、シャーシ21、マッチングボックス2の表面つまり低抵抗部RL’全表面およびチャンバ壁10の外側全表面を意味し、チャンバ壁10に低抵抗部RLが設けられている場合にはこの低抵抗部RLの表面を覆うようになっている。
ここで、絶縁被膜PCとしては、耐熱性に優れたポリイミド,PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、耐摩耗性に優れたETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)等が適応される。
【0077】
上記構成のプラズマ処理装置91は、ゲートg0を開放して被処理基板16をロードロック室93に搬入し、ゲートg0を閉塞してロードロック室93を低真空ポンプによって排気する。ゲートg1,g2を開放してロードロック室93に搬入された基板16を、搬送室92の搬送ロボットの移載アームによって熱処理室99に移動し、ゲートg1,g2を閉塞して搬送室92と熱処理室99を高真空ポンプによって排気する。ついで基板16を加熱処理し、終了後、ゲートg2,g4を開放して熱処理された基板16を、搬送室92の搬送ロボットの移載アームによってプラズマチャンバ95に移動する。プラズマチャンバ95の基板16を反応処理し、終了後ゲートg4,g3を開放して処理された基板16を、搬送室92の搬送ロボットの移載アームによってプラズマチャンバ96に移動する。プラズマチャンバ96の基板16を反応処理し、終了後ゲートg3,g1を開放して基板16を、搬送室92の搬送ロボットの移載アームによってロードロック室93に移動する。
【0078】
このとき、例えば各処理室における成膜条件等の処理条件や処理シーケンスをオペレータが設定する他は、各部の動作が制御部により制御されており、自動運転する構成になっている。したがって、このプラズマ処理装置91を使用する際には、処理前の被処理基板16をロードロック室93のローダカセットにセットし、オペレータがスタートスイッチを操作すれば、基板搬送ロボットによりローダカセットから各処理室内に被処理基板16が搬送され、各処理室で一連の処理が順次自動的に行われた後、基板搬送ロボットによりアンローダカセット(ローダカセット)に収容される。
【0079】
上記構成のプラズマチャンバ95,96においては、第1実施形態と同様に、サセプタ電極8上に被処理基板16を載置し、高周波電源1と第2の高周波電源27から高周波電極4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を印加するとともにガス導入管17からシャワープレート5を介して反応ガスをチャンバ室60内に供給してプラズマを発生させ、被処理基板16上にアモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等を成膜する。
【0080】
本実施形態のプラズマチャンバ95,96においては、第1実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、高周波電源1から供給される電流経路のうちサセプタ電極(電極)8より直流接地側部分、つまり、高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路、すなわち、電流経路の復路である戻電部分における、少なくともその一部としてのシャーシ21、マッチングボックス2が銅または銅を含む合金からなるとともに、チャンバ壁10の表面に電気抵抗を低減する銅からなる低抵抗部RLが設けられてなることにより、高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路である直流接地側部分において、シャーシ21、マッチングボックス2表面においては低抵抗部RL’とみなせる部分を、また、チャンバ壁10表面においては低抵抗部RLを経由することにより、高周波電流の経路となる導体表面における高周波抵抗を低減し、電流経路の復路における高周波電力の損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。これにより、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の上昇を図ることができ、処理速度が向上する。例えば、プラズマCVD等により膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図ることができる。また、プラズマ空間で消費される実効的な電力を変えずにプラズマ励起周波数の高周波化により処理速度の向上を図ることができる。
【0081】
また、シャーシ21、マッチングボックス2が銅のみで構成されるため、第1実施形態のようにその表面にメッキ等をおこなう必要がなく、製造コストを低減することができる。
【0082】
なお、本実施形態においてシャーシ21、マッチングボックス2がCuからなるものとしたが、これ以外にも、Cuを含む合金、および、Au,Agや、これらを含む合金で抵抗率の低い、電気伝導度の高い材質を適応することもできる。
【0083】
本実施形態のプラズマチャンバ95,96においては、上述したシャーシ21、マッチングボックス2の構成、あるいは第1実施形態におけるシャーシ21、マッチングボックス2の構成を、第2の高周波電源27に対する戻電部分において適応することも可能である。
【0084】
つまり、第2の高周波電源27から供給される電流経路のうちカソード電極(電極)4より直流接地側部分、つまり、高周波電源27から供給された高周波電流が高周波電源27のアース側に戻る経路、すなわち、電流経路の復路である戻電部分における、少なくともその一部としてのシャーシ29、マッチングボックス26が銅または銅を含む合金からなるとともに、チャンバ壁10の表面に電気抵抗を低減する銅からなる低抵抗部RLが設けられてなる構成とすることが可能である。
【0085】
この場合、高周波電源27から供給された高周波電流が高周波電源27のアース側に戻る経路である直流接地側部分において、シャーシ29、マッチングボックス9表面においては低抵抗部RL’とみなせる部分を、また、チャンバ壁10表面においては低抵抗部RLを経由することにより、高周波電流の経路となる導体表面における高周波抵抗を低減し、電流経路の復路における高周波電力の損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。これにより、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の上昇を図ることができ、、処理速度が向上する。例えば、プラズマCVD等により膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図ることができる。また、プラズマ空間で消費される実効的な電力を変えずにプラズマ励起周波数の高周波化により処理速度の向上を図ることができる。
【0086】
また、シャーシ29、マッチングボックス26の表面に絶縁被膜PCを設けることも可能であり、シャーシ21、マッチングボックス2の表面に設けた場合と同様の効果を奏することが可能である。
【0087】
ここで、整合回路25の出力端子PR’であるチューニングコンデンサ31と、サセプタ電極8の設けられたチャンバ室60が離間して設けられた場合には、出力端子PR’とサセプタ電極とを接続するために、給電線27Aおよび給電板28に代えて、他の高周波電力配電体をもうけることができる。この場合、高周波電力配電体を内部に収容してこれを遮蔽するとともにシャーシ29、マッチングボックス26どうしを接続するハウジング(遮蔽導体)の部分を設けることが可能である。
この場合、ハウジング(遮蔽導体)の表面においては、同様に、低抵抗部RL’および絶縁被膜PCを設けることができる。
これにより整合回路25と電極4,8とチャンバ壁10との位置関係に関わりなく、第2の高周波電源27からの給電部分としての高周波電力配電体を遮蔽できるとともに、サセプタ電極8に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。
【0088】
さらに、平行平板型の電極4,8を有するタイプに変えて、ICP(inductive coupled plasma)誘導結合プラズマ励起型、RLSA(radial line slot antenna)ラジアルラインスロットアンテナ型などのプラズマ処理装置や、RIE(Riactive Ion Etching)反応性スパッタエッチング用の処理装置に適用することもできる。
なお、電極4,8に替えて、ターゲット材を取り付けることにより、プラズマ処理としてスパッタリングをおこなうことも可能である。
【0089】
さらに、上記の各実施形態におけるプラズマ処理装置においては、プラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)を複数有する構成としたが単数からなる構成とすることも可能である。
【0090】
以下、本発明に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理システムの第3実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第3実施形態]
図11は本実施形態のプラズマ処理システムの概略構成を示す模式図である。
【0091】
本実施形態のプラズマ処理システムは、図1に示した第1実施形態と略同等のプラズマ処理装置71,71’と、図7に示した第2実施形態と略同等のプラズマ処理装置91と、を組み合わせて概略構成されている。先に説明した第1ないし第2実施形態の構成要素に対応するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
本実施形態のプラズマ処理システムは、図11に示すように、3つのプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95,96,97を有するプラズマ処理装置71、2つのプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95,96を有するプラズマ処理装置91、および、3つのプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95,96,97を有するプラズマ処理装置71’が製造ラインの一部を構成するものとされている。
ここで、図1に示したような第1実施形態のプラズマ処理装置71,71’の部分において、プラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)75,76,77に替えて、図7に示した第2実施形態における2周波数励起タイプのプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95と略同等のプラズマ処理室ユニットを3つ有する構成とされており、これらプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)95,96,97は略同一の構造とされている。
【0093】
本実施形態のプラズマ処理システムは、図11に示すように、各プラズマチャンバ95,96,97に対するインピーダンス測定用端子がスイッチSW3を介してインピーダンス測定器ANに接続されている。スイッチSW3は各プラズマチャンバ95,96,97の測定時に測定対象のプラズマチャンバ95,96,97とインピーダンス測定器ANとのみを接続して、それ以外のプラズマチャンバ95,96,97を切断するよう切り替えるスイッチとして設けられている。
【0094】
本実施形態の直流接地側部分では、複数のプラズマチャンバ95,96,97において、第2実施形態と同様に、シャーシ21、マッチングボックス2がいずれも、銅または銅を含む合金からなる構成とされるとともに、第1実施形態と同様に、シャーシ21、マッチングボックス2、チャンバ壁10の表面にAgからなる低抵抗部RL、絶縁被膜PCが設けられた構成とされている。
ここで、低抵抗部RLの厚み寸法が、第1実施形態と同様に、高周波電源1から供給される高周波電力周波数における表皮深さδと等しいかこれより大きく設定されている。また、低抵抗部RLの表面が、第1実施形態と同様に、絶縁体からなる絶縁被膜PCによって覆われている。
【0095】
本実施形態のプラズマ処理システムにおいては、例えば、プラズマ処理前処理をおこなった被処理基板16に、プラズマ処理装置71のプラズマチャンバ95,96,97において成膜処理をおこない、ついで、熱処理室79において加熱処理をおこない、その後、レーザーアニール室78においてアニール処理をおこなう。次いで、この被処理基板16をプラズマ処理装置71から搬出し、図示しないプラズマ処理装置71と同等の装置におけるプラズマ処理室において、被処理基板16に順次第2,第3の成膜処理をおこなう。
次いで、このプラズマ処理装置から搬出した被処理基板16に、図示しない別の処理装置において、フォトリソグラフィー工程によりフォトレジストの形成をおこなう。
そして、被処理基板16をプラズマ処理装置91に搬入し、プラズマチャンバ95,96においてプラズマエッチングをおこなう。
次いで、図示しないプラズマ処理装置から搬出された被処理基板16に、図示しない他の処理装置において、レジストを剥離し、新たにフォトリソグラフィー工程によりパターニングする。
最後に、プラズマ処理装置71’のプラズマチャンバ95、96,97において被処理基板16に順次第1,第2,第3の成膜処理がおこなわれ、被処理基板16をプラズマ処理後処理へと送り、製造ラインにおける本実施形態のプラズマ処理システムにおける工程は終了する。
【0096】
本実施形態のプラズマ処理システムにおいては、第1,第2実施形態と同等の効果を奏するとともに、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の表面に抵抗率の低いAgからなる低抵抗部RLが設けられてなることにより、各プラズマチャンバ95,96,97において、高周波電源1から供給された高周波電流が高周波電源1のアース側に戻る経路である直流接地側部分において、シャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10の基材に比べて、高周波電流の経路となる導体表面における高周波抵抗を低減し、電流経路の復路における高周波電力の損失を低減することができ、さらに、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスをさらに低減することが可能となるとともに、複数のプラズマチャンバ95,96,97において高周波電力のロスを低減できることにより、プラズマ処理システム全体としての高周波電力のロスをより一層低減することが可能となる。
【0097】
また、低抵抗部RLがAgからなるとともに、この低抵抗部RLの表面が、絶縁体からなる絶縁被膜PCによって覆われてなることにより、電流経路復路側におけるシャーシ21、マッチングボックス2およびチャンバ壁10において酸化等の経時変化で高周波抵抗が変動することを防止できるため、それぞれのプラズマチャンバ95,96,97に対する電気的高周波的な特性の機差を低減することが可能となり、これにより、プラズマ処理システム全体においてインピーダンス特性を指標とする一定の管理幅内に複数のプラズマチャンバ95,96,97の状態を設定することが可能となるので、個々のプラズマチャンバ95,96,97において、発生するプラズマ密度等をそれぞれ略均一にすることができる。これにより、プラズマ処理システム全体において複数のプラズマチャンバ95,96,97に対して同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を再現性高く安定して得ること、つまり、複数のプラズマチャンバ95,96,97において例えば成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性の膜を得ることが可能となる。そのため、プラズマ処理システムの全般的な電気的高周波的特性を設定することが可能となり、個々のプラズマチャンバ95,96,97におけるプラズマ発生の安定性を期待することができる。その結果、動作安定性が高く、各プラズマチャンバ95,96,97で均一な動作が期待できるプラズマ処理システムを提供することが可能となる。
特に、同じ処理を施すプラズマチャンバであれば、同じプロセスレシピを適用し、同じ処理結果を得ることができる。
【0098】
また、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理システムと比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の向上を図ることができるため、プラズマ処理システム全体として電力の消費効率を向上し、同等の処理速度もしくは膜特性を得るために、従来より少ない投入電力ですむようにできる。しかも、これらを、複数のプラズマチャンバ95,96,97において実現することができる。したがって、プラズマ処理システム全体の消費電力の低減を図ること、ランニングコストの削減を図ること、生産性の向上を図ることがより一層可能になる。同時に、処理時間をより短縮することが可能となるため、プラズマ処理に要する電力消費を減らせることから環境負荷となる二酸化炭素の総量をより削減することが可能となる。
さらに、これらは、特に複数回のプラズマ処理をおこなう際に、それぞれのプラズマ処理結果を複数のプラズマチャンバ95,96,97において安定させることができる。
【0099】
さらに、平行平板型の電極4,8を有するタイプに変えて、ICP(inductive coupled plasma)誘導結合プラズマ励起型、RLSA(radial line slot antenna)ラジアルラインスロットアンテナ型などのプラズマ処理装置や、RIE(Riactive Ion Etching)反応性スパッタエッチング用の処理装置に適用することもできる。
【0100】
【発明の効果】
本発明のプラズマ処理装置およびプラズマ処理システムによれば、高周波電源から供給される電流経路のうち高周波電源1から供給された高周波電流の復路である前記電極より直流接地側部分に、少なくともその表面の一部に電気抵抗を低減する低抵抗部が設けられてなることにより、電流の復路において、高周波電流の経路となる導体表面における高周波抵抗を低減し、この部分における高周波電力の損失を低減することができ、結果的に、プラズマ発生空間に供給される高周波電力のロスを低減することが可能となる。これにより、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の上昇を図ることができ、処理速度が向上する。例えば、プラズマCVD等により膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図ることができる。また、プラズマ空間で消費される実効的な電力を変えずにプラズマ励起周波数の高周波化により処理速度の向上を図ることができる。
また、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システム全体の消費電力の低減を図ること、ランニングコストの削減を図ること、生産性の向上を図ることがより一層可能になる。同時に、処理時間をより短縮することが可能となるため、プラズマ処理に要する電力消費を減らせることから環境負荷となる二酸化炭素の総量をより削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態における概略構成を示す図である。
【図2】 本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態におけるプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の概略構成を示す断面図である。
【図3】 図2における本実施形態のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の低抵抗部および表皮深さδを説明するための模式断面図である。
【図4】 図2に示す本実施形態のプラズマ処理室ユニットにおける電流経路の復路を示す模式図である。
【図5】 図1におけるレーザアニール室を示す縦断面図である。
【図6】 図1における熱処理室を示す縦断面図である。
【図7】 本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【図8】 本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施形態におけるプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の概略構成を示す断面図である。
【図9】 図8における本実施形態のプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)の低抵抗部および表皮深さδを説明するための模式断面図である。
【図10】 図8に示す本実施形態のプラズマ処理室ユニットにおける流経路の復路を示す模式図である。
【図11】 本発明に係るプラズマ処理システムの第3実施形態における概略構成を示す模式図である。
【図12】 従来のプラズマ処理装置の一例を示す模式図である。
【図13】 従来のプラズマ処理装置の他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
RL…低抵抗部
PC…絶縁被膜
δ…表皮深さ
1…高周波電源
1A,27A…給電線(高周波電力給電体)
2,26…マッチングボックス(遮蔽導体)
2A,25…整合回路
3…高周波電力配電体
4…プラズマ励起電極(カソード電極)
5…シャワープレート
6…空間
7…孔
8…ウエハサセプタ(サセプタ電極)
9…絶縁体
10…チャンバ壁
10A…チャンバ底部
11…ベローズ
12…サセプタシールド
12A…シールド支持板
12B…支持筒
13…シャフト
16…基板(被処理基板)
17…ガス導入管
17a…絶縁体
21,29…シャーシ(遮蔽導体)
22,32…ロードコンデンサ
23,30…チューニングコイル
24,31…チューニングコンデンサ
27…第2の高周波電源
28…給電板(高周波電力配電体)
60…チャンバ室(プラズマ処理室)
71,91…プラズマ処理装置
72,92…搬送室
73…ローダ室
74…アンローダ室
75、76,77,95,96,97…プラズマチャンバ(プラズマ処理室ユニット)
78…レーザアニール室
79,99…熱処理室
80,84…チャンバ
81…レーザ光源
82…ステージ
83…レーザ光
85…ヒータ
86…ゲートバルブ
87…基板搬送ロボット(搬送手段)
88…アーム
93…ロードロック室

Claims (5)

  1. プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電源が高周波電力給電体を介して接続され前記出力端子に前記電極が高周波電力配電体を介して接続されるとともに前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得るための整合回路と、を具備するプラズマ処理室ユニットを有し、
    前記整合回路が、前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体としてのマッチングボックス内部に収容され、
    前記高周波電力配電体が、前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体としてのシャーシ内部に収容され、
    前記プラズマ励起電極は前記シャーシに覆われるとともに、前記シャーシと前記マッチングボックスとが互いに接続され、
    電流経路のうち前記電極より直流接地側部分には、少なくとも前記プラズマ処理室のチャンバ壁と前記シャーシと前記マッチングボックスとの表面の一部に電気抵抗を低減する低抵抗部としてのAg膜がメッキにより設けられ、
    前記低抵抗部の厚み寸法が、前記高周波電源から供給される高周波電力周波数における表皮深さより大きく設定されてなることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記低抵抗部が、金,銀,銅または少なくともこれらを含む合金からなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記電極が、前記プラズマ処理室のチャンバ壁に接続されて前記電流経路の直流接地側部分の一部を構成する遮蔽導体によって覆われ、
    前記低抵抗部が、前記遮蔽導体表面に設けられてなることを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記遮蔽導体が銅または銅を含む合金からなることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記低抵抗部の表面が、絶縁体からなる絶縁被膜によって覆われてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のプラズマ処理装置。
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