JP3815307B2 - Gps受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(Grobal Positioning System)衛星からの信号を受信して測位演算するGPS受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のGPS受信装置としては、例えば、複数のGPS衛星からの信号を受信して、GPS衛星からGPS受信装置までの擬似距離とGPS衛星の位置を求めることで、自機(GPS受信装置)の受信位置の演算、すなわち測位演算を行うものを挙げることができる。
【0003】
まず、上述のようなGPS受信装置は、GPS衛星からの信号を受信するためには、この信号の周波数に同期(周波数同期)する必要があるが、第1番目に捕捉したGPS衛星からの信号を受信した時点で、GPS受信装置に設けた内部クロックの周波数のずれを補正して、周波数同期に必要な時間を削減する。
【0004】
この内部クロックの周波数のずれの補正には、GPS衛星の速度によって生じるドップラー効果を推定する必要があり、ドップラー効果を推定するにあたっては、GPS衛星の位置及び速度と、GPS受信装置の位置とが必要となる。
【0005】
一般的には、GPS衛星の位置及び速度は、GPS受信装置に保存されたGPS衛星軌道情報と内蔵時計により計算することができる。また、GPS受信装置の位置は、GPS受信装置が保存する最終測位位置やその他の種々の手段によって取得されたGPS受信装置の概略位置を推定位置として用いることができる。
【0006】
なお、GPS受信装置の所持者が移動すること等により、GPS受信装置の推定位置と真の位置との間に、例えば、数百〜数千km程度の大きな誤差が生じた場合、GPS衛星の位置及び速度とGPS受信装置の推定位置とから計算されるドップラー効果を考慮した信号捕捉周波数にも数百〜数千km程度の大きな誤差が生じることになる。
【0007】
こうしたドップラー効果を考慮した信号捕捉周波数の誤差が大きくなると、GPS受信装置が最初に、つまり第1番目に捕捉したGPS衛星についてドップラー効果を考慮した信号捕捉周波数をもとに、GPS受信装置の内部クロック周波数を補正する場合、それ以降に捕捉するGPS衛星については、信号周波数探索範囲のずれにより捕捉できなくなるときが生じるという問題があった。
【0008】
こうした問題に対しては、GPS受信装置は、タイマーを設けて、GPS衛星の信号を捕捉できない時間には、GPS衛星を探索する信号探索周波数範囲を広げたり、前述したGPS受信装置の推定位置を一旦消去する等して対応している。
【0009】
また、GPS衛星からGPS受信装置までの擬似距離の計算は、GPS受信装置の推定位置とGPS衛星の位置とから推定距離を計算して算出するが、このようにすることで、擬似距離計算の時間を短縮したり、GPS衛星信号の受信状態が悪いときにも擬似距離計算を可能にしたりする。
【0010】
しかしながら、GPS衛星からGPS受信装置までの推定距離の誤差が大きくなると、擬似距離の計算結果に誤りが生じる場合があるため、推定位置に対して有効期限を設定する等により、推定位置の誤差による推定距離の誤差を必要な大きさに制限している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のようなGPS受信装置においては、船や自動車等のように移動中は常にGPS受信装置が稼動していて、最終測位位置を推定位置として用いても現在位置と大きく異なる場合が少ないような用途を前提としているため、GPS受信装置が停止中に大きく移動する場合に性能劣化が著しく大きくなるという問題点があった。
【0012】
また、上述のようなGPS受信装置においては、一定の時間を経過してもGPS衛星からの信号を捕捉できない場合に、例えば、GPS衛星を探索する信号探索周波数範囲を広げる等を行い対応するが、この場合、その時間を経過するまではGPS衛星を捕捉できなくなるという問題点があった。
【0013】
また、上述のようなGPS受信装置においては、GPS受信装置がGPS衛星からの信号受信を建物等によって遮られる場合等があるため、この信号探索周波数範囲を広げるまでの時間をむやみに短くすることはできないという問題点があった。
【0014】
また、上述のようなGPS受信装置においては、例えば、推定位置の誤差を前回測位からの経過時間によって制限して、GPS衛星からGPS受信装置までの擬似距離を計算する場合には、前回の測位結果を推定位置として使用できる期間は数時間程度と短時間であるので、推定位置を利用した擬似距離の計算が可能な場合が少ないという問題点があった。
【0015】
本発明は上記問題点を改善するためになされたものであり、高精度の誤差の検出を行うことで、測位時間等の高速化や、測位の安定化を実現するGPS受信装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のGPS受信装置は、アンテナから入力されたGPS衛星からの信号を処理するGPS衛星信号処理部と、GPS衛星信号処理部での処理結果を用いて各GPS衛星とアンテナとの間の擬似距離を求める擬似距離演算部と、GPS衛星信号処理部での処理結果を用いて各GPS衛星の位置及び速度を求める衛星軌道計算部と、擬似距離演算部で求めた各GPS衛星とアンテナとの間の擬似距離と衛星軌道計算部で求めた各GPS衛星の位置及び速度とによりアンテナの位置を求める測位演算部と、少なくともアンテナの推定位置の情報を保有している推定位置保存部と、を備えて構成されるGPS処理部によって、複数のGPS衛星から受信した信号をもとにGPS衛星からアンテナまでの擬似距離を演算して測位演算するGPS受信装置において、信号の捕捉に成功した複数のGPS衛星の信号捕捉周波数の差分からアンテナの推定位置の誤差を検出する機能を有してなる推定位置誤差推定部を設け、推定位置誤差推定部は、GPS衛星信号処理部から第1番目に捕捉したGPS衛星と第2番目に捕捉したGPS衛星の信号捕捉周波数の差分を取得する一方、推定位置保存部から得たアンテナの推定位置と衛星軌道計算部から得たGPS衛星の位置および速度から計算によって前記第1番目と第2番目との2つのGPS衛星の信号推定周波数の差分を取ることで信号推定周波数に含まれる内蔵クロック周波数とGPS衛星の推定ドップラー周波数のうち内蔵クロック周波数の誤差を相殺して2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の影響のみを残し、2つのGPS衛星の信号捕捉周波数の差分と2つのGPS衛星の信号推定周波数の差分との間の誤差を、アンテナの推定位置の誤差によって生じている、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の差分に相当するものとして、処理するものであり、さらに、推定位置誤差推定部は、信号捕捉周波数の差分から求められる推定ドップラー周波数の誤差の差分に対してアンテナの推定位置の誤差の影響が最大となる方向を検出することで推定位置の誤差の最小値を求める機能と、信号捕捉周波数の差分から求められる推定ドップラー周波数の誤差の差分に対してアンテナの推定位置の誤差の影響が最小となる方向を検出することで推定位置の誤差の最大値を求める機能との、少なくとも一方の機能を有してなることを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載のGPS受信装置は、請求項1に記載のGPS受信装置において、アンテナの推定位置の誤差の範囲から、衛星信号のドップラー周波数の誤差範囲を求めることで衛星信号探索周波数範囲を設定する機能を有してなる衛星捕捉判断部を設けたことを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載のGPS受信装置は、請求項1に記載のGPS受信装置において、擬似距離演算に誤りが発生しないように推定位置誤差許容範囲を設定し、アンテナの前記推定位置の誤差の範囲がこの推定位置誤差許容範囲を超える場合には、擬似距離演算に前記推定位置を使用しないようにする機能を前記GPS処理部に設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載のGPS受信装置は、請求項3に記載のGPS受信装置において、前記推定位置誤差許容範囲が、−150km〜150km以内であることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るGPS受信装置1を示すブロック図である。
【0024】
第1実施形態において、図1に示すように、GPS受信装置1は、GPS衛星(図示せず)からの信号を受信するアンテナ2と、受信した信号をもとにGPS衛星から自機までの擬似距離を演算して測位演算するGPS処理部10と、後述の機能を有してなる衛星捕捉判断部7と、後述の機能を有してなる推定位置誤差推定部9とを備えて構成されている。
【0025】
また、GPS処理部10は、アンテナ2から入力されたGPS衛星からの信号を処理するGPS衛星信号処理部3と、各GPS衛星とアンテナ2との間の擬似距離を求める擬似距離演算部4と、各GPS衛星の位置及び速度を求める衛星軌道計算部5と、GPS衛星の信号を受信したアンテナ2の位置を求める測位演算部6と、少なくともGPS受信装置1の推定位置の情報を保有している推定位置保存部8とを備えて構成されている。
【0026】
以下に、GPS受信装置1の動作を説明する。GPS受信装置1は、アンテナ2から入力されたGPS衛星からの信号をGPS衛星信号処理部3で処理して、この処理結果により、擬似距離演算部4で各GPS衛星とアンテナ2との間の擬似距離を求め、衛星軌道計算部5で各GPS衛星の位置及び速度を求める。これらの、擬似距離と各GPS衛星の位置及び速度により、測位演算部6にてGPS衛星の信号を受信したアンテナ2の位置を求める。
【0027】
まず、衛星捕捉判断部7は、第1番目のGPS衛星を捕捉した後は、その1番目に捕捉したGPS衛星の信号捕捉周波数から、GPS受信装置1の内蔵クロック周波数を推定する。
【0028】
なお、内蔵クロック周波数は、GPS受信装置に内蔵されている基準周波数信号発生器(図示せず)の発生する周波数であり、信号捕捉周波数とGPS衛星の位置及び速度と推定位置から計算されるドップラー周波数から計算することができる。
【0029】
そして、衛星捕捉判断部7は、まだ捕捉していないGPS衛星について、計算された内蔵クロック周波数と各GPS衛星のドップラー周波数から、GPS衛星信号処理部3においてGPS衛星探索を実行し、推定位置保存部8から得たGPS受信装置1の推定位置と衛星軌道計算部5から得たGPS衛星の位置及び速度から各GPS衛星の推定ドップラー周波数を計算する。
【0030】
次に、GPS衛星信号処理部3で第2番目のGPS衛星を捕捉後、推定位置誤差推定部9では、GPS衛星信号処理部3から第1番目に捕捉したGPS衛星と第2番目に捕捉したGPS衛星の信号捕捉周波数の差分を取得して、GPS受信装置1の推定位置とGPS衛星の位置および速度から計算によって求められる2つのGPS衛星の信号推定周波数の差分との誤差を求める。
【0031】
なお、信号捕捉周波数とは、実際にGPS衛星の信号を捕捉した周波数であり、信号推定周波数とは、探索前にGPS衛星の信号周波数を計算、推定した値である。
【0032】
ここで、推定位置誤差推定部9で計算される各GPS衛星の信号推定周波数には、内蔵クロック周波数とGPS衛星の推定ドップラー周波数が含まれているが、内蔵クロック周波数の誤差については全GPS衛星の信号捕捉周波数に共通であるため、2つのGPS衛星の信号推定周波数の差分を取ることで内蔵クロック周波数の誤差は打ち消されて、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の影響のみが残ることになる。
【0033】
よって、2つのGPS衛星の信号捕捉周波数の差分と2つのGPS衛星の信号推定周波数の差分との間の誤差は、GPS受信装置1の推定位置の誤差によって生じている、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の差分に相当する。
【0034】
また、推定位置誤差推定部9では、第1番目に捕捉したGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差と、第2番目に捕捉したGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の差分が最小となる、推定位置の誤差の方向を以下のように求める。
【0035】
GPS受信装置1の推定位置の誤差が発生した場合、GPS衛星の推定ドップラー周波数の計算値に誤差が発生する。
【0036】
ここで、GPS衛星の推定ドップラー周波数は、GPS受信装置1とGPS衛星との相対速度から計算するため、GPS受信装置1の推定位置の誤差のずれた方向が、GPS衛星の進行方向からどれだけずれているかによって、推定位置の誤差の大きさが同じ場合でも、推定ドップラー周波数の誤差は異なる値を取ることになり、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の差分も異なる値を取ることになる。
【0037】
推定位置誤差推定部9は、GPS受信装置1の推定位置に一定の誤差を与えた場合の2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の差分を、全方向の誤差に対して計算することで、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の差分の誤差が最小となる推定位置の誤差の方向を求める。
【0038】
これをもとに、推定位置誤差推定部9は、この2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の差分の誤差が最小となる方向での、第1番目に捕捉したGPS衛星と第2番目に捕捉したGPS衛星における信号捕捉周波数の差分と信号推定周波数の差分の間の誤差に対応する、推定位置の誤差を求めることで、推定位置の誤差の最大値を取得する。
【0039】
衛星捕捉判断部7では、推定位置誤差推定部9からこの最大の推定位置の誤差を取得し、取得した最大の推定位置の誤差に対してGPS衛星からの信号を捕捉可能となる最小の範囲を、各GPS衛星の信号の探索周波数範囲として設定してGPS衛星信号処理部3に指示をだす。
【0040】
なお、推定位置誤差推定部9は、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の差分の誤差が最小となる方向を求めて、推定位置の誤差の最大値を前述のように取得するのと同様にして、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の差分の誤差が最大となる方向を求めて、推定位置の誤差の最小値を取得することも可能である。
【0041】
この場合には、衛星捕捉判断部7では、推定位置誤差推定部9からこの最小の推定位置の誤差を取得し、取得した最小の推定位置の誤差に対してGPS衛星からの信号を捕捉可能となる最大の範囲を、各GPS衛星の信号の探索周波数範囲として設定してGPS衛星信号処理部3に指示をだす。
【0042】
かかるGPS受信装置1においては、従来、GPS受信装置1の推定位置を用い、GPS衛星が捕捉できない、あるいは測位できないといった現象が一定時間継続することによって推定位置誤差の存在を検出していたのに対して、GPS衛星を2衛星以上捕捉できた時点で推定位置誤差の存在を検出することにより、推定位置誤差存在時の測位時間の短縮ができる。
【0043】
また、推定位置誤差の最小値又は最大値を求めることで、推定位置の利用精度を上げる、あるいは利用範囲を広げることにより、測位時間が短縮できる。
【0044】
また、衛星信号の推定ドップラー周波数の誤差範囲を求めて、衛星信号探索周波数範囲を最小限に設定することで、衛星捕捉時間の短縮による測位時間が短縮できる。
【0045】
次に、推定位置誤差許容範囲を設定して擬似距離演算に誤りが発生しないようにするような実施形態を、本発明の第2実施形態として図2に基づいて説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係るGPS受信装置1を示すブロック図である。なお、第1実施形態との同一箇所には同一符号を付して、共通部分の説明は省略する。
【0046】
一般的なGPS処理部10を構成する擬似距離演算部4は、擬似距離演算方法として、例えば、GPS衛星信号処理部3から取得する情報のみから擬似距離を演算する第1の方法と、例えば、推定位置保存部8から取得するGPS受信装置1の推定位置と衛星軌道計算部5から取得するGPS衛星の位置もGPS衛星信号処理部3から取得する情報に加えて利用し擬似距離を演算する第2の方法を行う。
【0047】
第1の方法においては、GPS衛星からの信号についての全ての情報を取得するのには、時間を要するとともに、GPS衛星からの信号の受信状態が悪い場合には、全ての情報を取得できない場合もある。
【0048】
これに対して、第2の方法では、推定位置と、GPS衛星の位置から求めたGPS衛星とGPS受信装置1との間の推定距離を、GPS衛星信号処理部3から取得する信号の同期情報のみにより補正することで擬似距離を求めるため、衛星信号の同期が取れるだけで擬似距離演算が可能で、演算完了までの時間が短く、また、衛星信号の受信状態が悪くても同期さえ取れていれば演算が可能である。
【0049】
ここで、第2実施形態においては、GPS処理部10の擬似距離演算部4には、擬似距離演算に誤りが発生しないように推定位置誤差許容範囲を設定し、GPS受信装置1の推定位置の誤差の範囲がこの推定位置誤差許容範囲を超える場合には、擬似距離演算に推定位置を使用しないようにする機能を付加する。
【0050】
ここで、前述の第2の方法においては、同期情報による補正は、例えば、−150km〜150kmの範囲以内で補正を行うことが好ましい。これは、GPS衛星とGPS受信装置1の推定距離の誤差が、−150km〜150kmの範囲以内である場合には、擬似距離の演算結果に発生する誤りが少ないからである。なお、推定位置としては、前回の測位結果を用いる。
【0051】
そこで、擬似距離演算に誤りが発生しにくいような推定位置誤差許容範囲は、−150km〜150kmの範囲以内と設定する。
【0052】
よって、擬似距離演算部4は、推定位置誤差推定部9から最大の推定位置の誤差を取得して、この最大の推定位置の誤差に対応する推定距離の誤差が、推定位置誤差許容範囲以内、つまり、−150km〜150kmの範囲以内であれば、推定位置からGPS衛星とGPS受信装置1との間の推定距離を求めて、擬似距離の演算に利用するようにする。
【0053】
また、擬似距離演算部4は、推定位置誤差推定部9から最小の推定位置の誤差を取得して、−150km〜150kmの範囲を越えるようであれば、推定位置を擬似距離の演算に利用しないようにする。
【0054】
それ以外の場合は、前回測位からの経過時間とGPS受信装置1がおかれる最大速度の積が、−150km〜150kmの範囲以内であれば、擬似距離演算部4は、擬似距離の演算に利用するようにする。
【0055】
かかるGPS受信装置1においては、推定位置誤差に対して、擬似距離演算に誤りが発生しないように推定位置誤差許容範囲を設定することで、推定位置を擬似距離演算に用いた測位時間を短縮することのできる場合を増やすことができる。
【0056】
なお、推定位置誤差推定部9による最大の推定位置の誤差の推定、最小の推定位置の誤差の推定は、第1実施形態に示したものと略同様であるが、第2実施形態においては、第3番目のGPS衛星を捕捉するまで、測位演算できないので、第3番目のGPS衛星捕捉時点で3つのGPS衛星中のそれぞれ2つのGPS衛星間の衛星信号捕捉周波数の差から推定位置の誤差を推定することで、推定位置誤差の推定精度を上げることも可能である。
【0057】
【発明の効果】
上記のように本願の請求項1に係る発明のGPS受信装置にあっては、GPS衛星を2衛星以上捕捉できた時点で推定位置誤差の存在を検出することにより、推定位置誤差存在時の測位時間が短縮できるので、測位時間等の高速化や、測位の安定化を実現するGPS受信装置を提供することができた。さらに、推定位置誤差の最小値又は最大値を求める機能を有することで、推定位置の利用精度を上げる、あるいは利用範囲を広げることにより、測位時間が短縮するという効果を奏するものである。
【0061】
また、請求項2に係る発明のGPS受信装置にあっては、請求項1に記載の発明において、衛星信号の推定ドップラー周波数の誤差範囲を求めて、衛星信号探索周波数範囲を最小限に設定することで、衛星捕捉時間の短縮により測位時間が短縮するという効果を奏する。
【0062】
また、請求項3に係る発明のGPS受信装置にあっては、請求項1に記載の発明において、推定位置誤差に対して、擬似距離演算に誤りが発生しないように推定位置誤差許容範囲を設定することで、推定位置を擬似距離演算に用いた測位時間を短縮することのできる場合が増えるという効果を奏する。
【0063】
また、請求項4に係る発明のGPS受信装置にあっては、請求項3に記載の発明において、推定位置誤差許容範囲が、−150km〜150km以内であるように設定することで、推定位置を擬似距離演算に用いた測位時間を確実に短縮することのできる場合が増えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るGPS受信装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るGPS受信装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 GPS受信装置
2 アンテナ
3 GPS衛星信号処理部
4 擬似距離演算部
5 衛星軌道計算部
6 測位演算部
7 衛星捕捉判断部
8 推定位置保存部
9 推定位置誤差推定部
10 GPS処理部
Claims (4)
- アンテナから入力されたGPS衛星からの信号を処理するGPS衛星信号処理部と、GPS衛星信号処理部での処理結果を用いて各GPS衛星とアンテナとの間の擬似距離を求める擬似距離演算部と、GPS衛星信号処理部での処理結果を用いて各GPS衛星の位置及び速度を求める衛星軌道計算部と、擬似距離演算部で求めた各GPS衛星とアンテナとの間の擬似距離と衛星軌道計算部で求めた各GPS衛星の位置及び速度とによりアンテナの位置を求める測位演算部と、少なくともアンテナの推定位置の情報を保有している推定位置保存部と、を備えて構成されるGPS処理部によって、複数のGPS衛星から受信した信号をもとにGPS衛星からアンテナまでの擬似距離を演算して測位演算するGPS受信装置において、
信号の捕捉に成功した複数のGPS衛星の信号捕捉周波数の差分からアンテナの推定位置の誤差を検出する機能を有してなる推定位置誤差推定部を設け、
推定位置誤差推定部は、GPS衛星信号処理部から第1番目に捕捉したGPS衛星と第2番目に捕捉したGPS衛星の信号捕捉周波数の差分を取得する一方、推定位置保存部から得たアンテナの推定位置と衛星軌道計算部から得たGPS衛星の位置および速度から計算によって前記第1番目と第2番目との2つのGPS衛星の信号推定周波数の差分を取ることで信号推定周波数に含まれる内蔵クロック周波数とGPS衛星の推定ドップラー周波数のうち内蔵クロック周波数の誤差を相殺して2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の影響のみを残し、2つのGPS衛星の信号捕捉周波数の差分と2つのGPS衛星の信号推定周波数の差分との間の誤差を、アンテナの推定位置の誤差によって生じている、2つのGPS衛星の推定ドップラー周波数の誤差の差分に相当するものとして、処理するものであり、
さらに、推定位置誤差推定部は、
信号捕捉周波数の差分から求められる推定ドップラー周波数の誤差の差分に対してアンテナの推定位置の誤差の影響が最大となる方向を検出することで推定位置の誤差の最小値を求める機能と、
信号捕捉周波数の差分から求められる推定ドップラー周波数の誤差の差分に対してアンテナの推定位置の誤差の影響が最小となる方向を検出することで推定位置の誤差の最大値を求める機能との、少なくとも一方の機能を有してなることを特徴とするGPS受信装置。 - アンテナの推定位置の誤差の範囲から、衛星信号のドップラー周波数の誤差範囲を求めることで衛星信号探索周波数範囲を設定する機能を有してなる衛星捕捉判断部を設けたことを特徴とする、請求項1に記載のGPS受信装置。
- 擬似距離演算に誤りが発生しないように推定位置誤差許容範囲を設定し、アンテナの前記推定位置の誤差の範囲がこの推定位置誤差許容範囲を超える場合には、擬似距離演算に前記推定位置を使用しないようにする機能を前記GPS処理部に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のGPS受信装置。
- 前記推定位置誤差許容範囲が、−150km〜150km以内であることを特徴とする、請求項3に記載のGPS受信装置。
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