JP3814130B2 - カラーフィルター基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカラー液晶表示装置に使用されるカラーフィルター基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラーフィルター基板の製造方法の1つとして、スピンコート法がある。このスピンコート法は、ガラス基板上にクロム等のメタルからなるブラックマトリックス(以下BMと呼ぶ)を、フォトリソグラフィ、エッチングによって形成した後、上記ガラス基板の全面に、所定の色の顔料を分散させた感光性樹脂をスピンナーによってコーティングして乾燥し、その後、この感光樹脂を露光・現像して、所定の色の色画素パターンを得る。この工程を、R、G、B(赤、緑、青)の3色について3回繰り返して、カラーフィルターパターンを形成する。
【0003】
また、新たなカラーフィルター基板の製造方法としてカラードライフィルム法が行われている。この方法は、まず所定の顔料を分散させた感光性樹脂を、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム支持体上に塗膜し、この感光性樹脂をガラス基板上に熱圧着転写し、その後、この転写した感光性樹脂を露光・現像して、所定の色の色画素パターンを得る。以上の工程をR、G、Bの色画素パターンとBMとを形成するために4回繰り返して、カラーフィルター基板を形成する。このカラードライフィルム法は、フィルム支持体上に感光性樹脂を連続塗布するので、この感光性樹脂は上記スピンコート法による場合と比べて均一な膜厚になって、色画素パターンの品質が安定する。さらに、上記感光性樹脂はフィルム支持体上への塗布効率が良いので、顔料の使用量が少なくて済み、また、塗布時間も短いので、製造コストが低減できるという利点がある。
【0004】
さらに最近では、インクジェット印刷やオフセット印刷などの印刷技術を用いて、ガラス基板上の所定の位置のみにRGBのインクを印刷して色画素パターンを形成するというカラーフィルター基板の製造方法が提案されている。この方法は、色画素位置にのみインクを乗せるので、上記カラードライフィルム法よりさらに顔料の使用量が少なくて済み、また、フィルム支持体や塗膜保護用のフィルムが不要であるから材料費が非常に少ない。さらに、手間のかかる露光・現像の工程がなく、露光・現像装置が不要であるため、製造コストが安価になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記スピンコート法は、ガラス基板への感光性樹脂の塗布効率が悪く、また、製造工程も煩雑なため不良品が発生し易いという問題がある。
【0006】
一方、上記カラードライフィルム法は、色画素配置がデルタ形状の場合は適用が極めて困難になるという問題がある。より詳しくは、図4に示すように、デルタ形状の色画素配置においては、最初の2色R,Bを形成した後、3色目の色画素パターンを形成すべき画素位置101が、それ以前に形成した2色R,Bの色画素パターン102,103によって囲まれる。その状態で、図5に示すようにローラ105によって3色目の感光性樹脂107をガラス基板108上にラミネートすると、上記2色の色画素パターン102,103によって空気の逃げ道が遮断されて、上記3色目の色画素パターンを形成すべき画素位置101に気泡109が生じる。なお、図5においては、1画素分の大きさの気泡109が生じているが、感光性樹脂107が貼り付けられると、上記気泡109はラミネート圧によって圧縮されて、1画素分以下の大きさのラミネート気泡となる場合が多い。上記ガラス基板108において、気泡109やラミネート気泡が生じた位置には、第3色目の感光性樹脂107が付着しないので、いわゆる色抜けの欠陥が生じてしまう。また、カラードライフィルム法は顔料の使用量は少ないが、前述の様にPTEフィルム支持体等が必要なので、材料費全体としてはコストダウンにならない。
【0007】
また、上記印刷法は、インクが色画素位置の外に漏れないように、色画素間の境界に形成されたBMをインクの区画壁として使用したり、上記BMに撥水性を持たせるといった工夫が必要である。いずれにしても、カラーフィルター基板にBMを配置しなければならない。これに対して、前述のスピンコート法やカラードライフィルム法では、例えば特開平9−152593号公報に開示されているように、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基板のソース配線メタルとゲート配線メタルをBMとして利用できる。すなわち、上記ソース配線メタルとゲート配線メタルとを層間絶縁層によって組み合わせて、これらの配線メタルによってTFTアレイ基板の画素部分以外の部分を遮光することによって、カラーフィルター基板にBMを形成することを削除できる。こうしてBMを形成する工程を削除すると、大幅に製造コストが削減できる。したがって、BMが必須である印刷法は、BMを削除できる上記スピンコート法やカラードライフィルム法に比べると、必ずしもコスト面で有利とはいえない。また、印刷法においては、色画素パターンを形成するインクは多くの溶剤を含む。この溶剤は、インクがガラス基板上に印刷される際に、インクに不均一に含まれる場合が多い。その状態で、カラーフィルター基板の焼成の工程において上記溶剤が乾燥すると、インクによる色画素パターンの膜厚のばらつきが生じる。その結果、印刷法によって形成された色画素パターンは色むらが生じ易いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、色画素配置がデルタ形状の場合おいても色画素パターンに気泡が生じることがなく、色むらがなく、BMが不要で安価なカラーフィルター基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるカラーフィルター基板の製造方法は、透明基板上に、赤、青の2色のうちの第1色の色顔料を分散させた第1感光性樹脂膜をスピンコート法またはカラードライフィルム法によって形成する工程と、
上記第1感光性樹脂膜を現像、露光によってパターニングして、第1色の色画素パターンを形成する工程と、
上記透明基板上に、赤、青の2色のうちの第2色の色顔料を分散させた第2感光性樹脂膜をスピンコート法またはカラードライフィルム法によって形成する工程と、
上記第2感光性樹脂膜を現像、露光によってパターニングして、一方の縁が上記第1色の色画素パターンに接する一方、上記一方の縁に対向する他方の縁が、上記一方の縁が接する第1色の色画素パターンに隣合う第1色の色画素パターンに対して隔てられた第2色の色画素パターンを形成する工程と、
上記透明基板上の上記第1色の色画素パターンと第2の色画素パターンとが互いに隔たる領域に、印刷法によって、緑色の色画素パターンを形成する工程とを有する。
【0010】
本発明によれば、上記第1色および第2色の色画素パターンを、透明基板上に形成した感光性樹脂膜をフォトグラフィ技術によってパターニングして各々形成した後、第3色の色画素パターンのみを印刷法によって形成する。したがって、この第3色の色画素パターンの形成時に、カラードライフィルム法におけるような気泡が生じないので、カラーフィルター基板の色抜けの欠陥が回避されて、製造時に不良品が生じる確率が少なくなる。
【0011】
また、スピンコート法またはカラードライフィルム法によって上記第1、第2感光性樹脂膜を形成するので、これら第1、第2感光性樹脂膜は均一な厚さに形成され、第1色および第2色の色画素パターンは均一な厚さに形成できるから、色むらが少ないカラーフィルター基板になる。
【0012】
また、赤色または青色を第1色または第2色として、これらの色の顔料を分散させた第1および第2感光性樹脂を、夫々スピンコート法またはカラードライフィルム法によって成膜し、フォトリソグラフィによってパターニングして、第1色および第2色の色画素パターンを夫々形成する。こうして、膜厚の変化が色むらとして認識されやすい赤色および青色の膜を、膜厚を均一に形成できるスピンコート法またはカラードライフィルム法によって成膜する。一方、膜厚の変化が色むらとして認識され難い緑色の膜は、膜厚がばらつきやすい印刷法によって形成するのである。その結果、色むらが少なく、かつ、色画素配置がデルタ形状であっても色抜けのないカラーフィルター基板が、安価に製造される。
【0013】
1実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、上記印刷法は、インクジェット印刷法またはオフセット印刷法である。
【0014】
上記実施形態によれば、第3色の色画素パターンを、インクジェット印刷法またはオフセット印刷法で形成するので、色画素パターンを形成する際に使用する顔料が少なくなり、また、フォトリソグラフィによるパターニングが不要であるから、露光、現像工程の手間が省かれて、カラーフィルター基板の製造コストが削減される。
【0015】
1実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、上記第1色の色画素パターンの1部と、第2色の色画素パターンの1部とを重ねて形成し、かつ、上記透明基板上にBMを形成しない。
【0016】
上記実施形態によれば、上記第1色の色画素パターンの1部と、第2色の色画素パターンの1部とを重ねて形成するので、第1色の色画素パターンと第2色の色画素パターンとが多少ずれても、第1色の色画素パターンと第2色の色画素パターンとの間に隙間が生じないから、カラーフィルター基板からの光漏れが防止される。
【0017】
また、上記色画素パターンの1部と、第2色の色画素パターンの1部とを重ねる部分を、完成したカラーフィルター基板を重ね合せる例えばTFTアレイ基板のTFT素子部に対応する大きさに形成すると共に、TFT素子部に対応する位置に形成して、このTFT素子の位置を遮光する。かつ、上記TFTアレイ基板において、TFTアレイ基板のメタル配線によって、TFTアレイ基板の画素部分以外の部分を遮光する。こうして、カラーフィルター基板側にBMを形成することを回避する。その結果、カラーフィルター基板の製造コストが大幅に削減される。
【0018】
また、印刷法によって第3色の色画素パターンを形成する際、この第3色の色画素パターンを形成すべき位置は、それ以前に形成された第1色および第2色の色画素パターンに囲まれているから、この第1色および第2色の色画素パターンに囲まれた位置に第3色のインクを配置すればよい。したがって、従来の印刷法におけるような混色を防ぐためのBMをカラーフィルター基板に設ける必要がない。また、上記第3色の色画素位置は、上記第1色の色画素パターンと第2色の色画素パターンとで囲まれているから、例えば上記印刷法がインクジェット法である場合、インクの噴射位置が画素内で多少ずれても、インクは上記色画素位置内に広がるので、従来の印刷方式の課題であった位置精度の問題も生じない。
【0019】
以下、色画素パターンを形成する膜の厚みの変化と、その色画素パターンを透過する光の色むらとの相関について述べる。
【0020】
図1は、ノートブック型パーソナルコンピュータ用の液晶表示装置に使用されているカラーフィルター基板と同一のカラーフィルター基板を用いて、このカラーフィルター基板のRGBの3色の色画素パターンについて、これらの色画素パターンの膜厚を変化させた際の色差を示した図である。縦軸は、色度の変化分を示す色差ΔEab *であり、横軸は、色画素パターンの膜厚を示し、変化させる前の膜厚に対する比で表した膜厚比である。
【0021】
ここにおいて、色度としてL*a*b*表色系色度(国際照明委員会:等色差表色系色度)を用い、膜厚を変化させる前に色画素パターンが有する色度を基準色度とした。この基準色度からの色差は、下記の式(1)を用いて計算した。
△Eab *=[(△L*)2+(△a*)2+(△b*)2]1/2・・・(1)
ここに、ΔEab *:色差、△L*,△a*,△b*:標準色度からの色度の増分である。
【0022】
図1に示すように、色画素パターンの膜厚が変化前の膜厚(基準膜厚)よりも大きくなるにつれて、その色画素パターンを透過する光の色差が大きくなると共に、色画素パターンの膜厚が基準膜厚よりも小さくなるにつれて、その色画素パターンを透過する光の色差は大きくなる。すなわち、色画素パターンを透過する光の色度の変化は、色画素パターンの膜厚と相関がある。図1から分かるように、Bの色画素パターンの膜厚を増加および減少させた場合の光の色差が最も大きい。Bの色画素パターンに次いで、膜厚を変化させた場合の色差が大きいのは、Rの色画素パターンである。膜厚の変化に対する色差が最も小さいのは、Gの色画素パターンである。色差は、色むらとして認識されるので、Gの色画素パターンは、その膜厚がばらついても他の2色よりも色むらとして感知され難いことになる。したがって、膜厚のばらつきが生じ易い印刷法で形成する色画素パターンを、Gの色画素パターンにすると、色むらが最も目立ち難くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラーフィルター基板の製造方法を、図示の実施形態により詳細に説明する。
【0024】
図2は、1実施形態におけるカラーフィルター基板の製造方法を示す工程図であり、TFT液晶表示装置に用いられるストライプ画素配列のカラーフィルター基板を製造する工程を示している。
【0025】
図2(a)に示すように、第1の工程において、透明基板としてのガラス基板1の上に、RGBの3色のうちの第1色のとしてのRの顔料を分散させた第1感光性樹脂膜2を、カラードライフィルム法によって形成する。
【0026】
続いて、図2(b)に示す第2の工程において、上記第1感光性樹脂膜2にマスク露光し、現像して、Rの色画素パターン3を形成する。このとき、ガラス基板1に、第2色あるいは第3色の色画素パターンを形成する際、および、完成したカラーフィルター基板をTFTアレイ基板と貼り合わせる際に用いられる図示しない位置合わせ用マークを形成しておく。
【0027】
次いで、図2(c)に示す第3の工程において、ガラス基板1上の全面に、第2色としてのBの顔料を分散させた第2感光性樹脂膜を、カラードライフィルム法によって形成する。この第2感光性樹脂膜を乾燥させた後、上記第2の工程において形成した位置合わせ用マークによってマスクの位置合わせをして、このマスクを用いてフォトリソグラフィによってBの色画素パターン5を形成する。このとき、図2(c)に示すように、第1色の色画素パターン3と第2色の色画素パターン5との境界部分bにおいて、上記第1色の色画素パターン3と第2色の色画素パターン5とが重なるように形成する。そうすることによって、上記第1色および第2色の色画素パターン3,5の位置が多少ずれても、その間に隙間が生じないようにする。さらに、図3の平面図に示すように、上記第1色の色画素パターン3の1部と、第2色の色画素パターン5の1部とを重ねてなる遮光部7を形成する。この遮光部7は、完成したカラーフィルター基板をTFTアレイ基板と張り合わせた際に、このTFTアレイ基板のTFT素子に対向する位置に形成して、上記TFT素子部を通過する光を遮光するために設ける。
【0028】
そして、図2(d)に示す第4の工程において、上記第1色の色画素パターン3と第2色の色画素パターン5とで挟まれた位置である第3色の色画素位置8に、第3色としてのGのインク9を、印刷法としてのインクジェット印刷法によって噴射する。このとき、ガラス基板1上には、第3色の色画素位置8のみに色画素パターンが形成されずに残っている。その結果、上記第3色の色画素位置8に上記噴射されたG(緑)のインク9が広がって、図2(e)に示すように、第3色の色画素パターン10が形成される。
【0029】
その後、上記第1乃至第3色画素パターン3,5,10を形成したガラス基板1を焼成し、その上に図示しない透明保護膜を塗布して、さらに焼成してカラーフィルター基板が完成する。
【0030】
一方、上記完成したカラーフィルター基板と張り合わせるTFTアレイ基板において、ソース配線メタルとゲート配線メタルとを層間絶縁膜を介して重ね合わせる。そうすると、上記ソース配線メタルとゲート配線メタルとによって、TFTアレイ基板の画素部分以外の部分が遮光されてBMの機能を奏するので、カラーフィルター基板にBMが不要になる。なお、上記TFTアレイ基板のTFT素子部分は、カラーフィルター基板に上記第3の工程において形成した遮光部7によって遮光する。したがって、このカラーフィルター基板の製造方法によって製造されたカラーフィルター基板は、BMを設けなくても色画素以外の部分が遮光されるので、BMの製造工程が削除されて安価にカラーフィルター基板を製造できる。
【0031】
本実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、上記第4の工程において、上記インク9を噴射する位置が第3色の色画素位置8内で多少ずれても、この第3色の色画素位置8は上記第1色の色画素パターン3と第2色の色画素パターン5とで挟まれているから、インク9は上記第3色の色画素位置8内に広がる。そして、上記第3色の色画素パターンが所定の形状に形成される。したがって、従来の印刷法におけるようにインクを噴射する位置を精度良く位置決めする必要がないので、カラーフィルター基板の製造工程における手間を省くことができる。
【0032】
また、本実施形態のカラーフィルター基板は、上記第1色の色画素パターン3と第2色の色画素パターン5とが、第3色の色画素パターン10を形成するインク9が広がるべき色画素位置8の両側を挟んでいるので、従来の印刷法におけるような画素間の境界、あるいはインクの流出を防ぐ壁としてのBMが不要である。また、前述のように、画素部分以外の遮光についても、上記TFTアレイ基板の配線メタルによって画素部分以外の部分を遮光するので、カラーフィルター基板にBMを設ける必要がない。したがって、カラーフィルター基板の製造コストが安価になる。
【0033】
また、上記第3色の色画素パターン10は印刷法によって形成するので、従来におけるようなカラードライフィルム法における第3色の色画素位置に生じる気泡を回避して、気泡に起因する色抜けの問題を回避できる。
【0034】
また、本実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、色画素パターンの膜厚が変化した場合に、色画素パターンを透過する光の色度が変わり易くて色むらとして認識され易いRとBの色画素パターン3,5について、これらの色画素パターン3,5が形成される第1感光性樹脂膜2および第2感光性樹脂膜を、膜厚が均一に形成されるカラードライフィルム法によって形成する。一方、色画素パターンの膜厚が変化した場合に、色画素パターンを透過する光の色度が変わり難くて色むらとして認識され難いGの色画素パターン10を、膜厚がばらつき易いインクジェット法によって形成する。したがって、RGBの色画素パターン3,5,10は、全体として色むらが殆ど認識されない。したがって、色むらが殆ど無いにも拘らず、安価なカラーフィルター基板を得ることができる。
【0035】
なお、上記実施形態において、第1感光性樹脂膜2および第2感光性樹脂膜をカラードライフィルム法によって形成したが、スピンコート法によって形成してもよい。
【0036】
また、上記実施形態において、第1色はRであり、第2色はBであったが、第1色をBにして第2色をRにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態はストライプ画素配列のカラーフィルター基板を製造したが、図4に示したような色画素配列がデルタ形状のカラーフィルター基板でもよい。この場合、第3色の色画素パターンを形成すべき色画素位置101が、第1色および第2色の色画素パターン102,103によって囲まれるので、この第3色の色画素位置101に噴射されたG(緑)のインクは、このインクの噴射位置が高精度に位置決めされなくても上記第3色の色画素位置101内に広がる。したがって、上記インクが広がる領域を定めて画素間の境界となって、インクの流出を防ぐBMは不要である。
【0038】
また、上記第3色の色画素パターンを形成する際の印刷法は、オフセット印刷でもよい。
【0039】
上記実施例においては、BMを設けなかったが、コストアップが許容されるならば、BMを形成してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明によるカラーフィルター基板の製造方法は、第1色の色顔料を分散させた第1感光性樹脂膜を形成する工程と、この第1感光性樹脂膜を現像、露光によってパターニングして第1色の色画素パターンを形成する工程と、第2色の色顔料を分散させた第2感光性樹脂膜を形成する工程と、この第2感光性樹脂膜を現像、露光によってパターニングして、一方の縁が上記第1色の色画素パターンに接する一方、上記一方の縁に対向する他方の縁が、上記一方の縁が接する第1色の色画素パターンに隣合う第1色の色画素パターンに対して隔てられた第2色の色画素パターンを形成する工程と、上記透明基板上の上記第1色の色画素パターンと第2の色画素パターンとが互いに隔たる領域に、印刷法によって第3色の色画素パターンを形成する工程とを有するので、上記第3色の色画素パターンの形成時に、カラードライフィルム法におけるような気泡が生じないので、気泡によるカラーフィルター基板の色抜けの欠陥を回避できて不良品を少なくできる。
【0041】
1実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、上記第1、第2感光性樹脂膜は、スピンコート法またはカラードライフィルム法によって形成するので、第1色および第2色の色画素パターンを均一な厚さに形成できるから、色むらが少ない高品質なカラーフィルター基板にできる。
【0042】
1実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、上記印刷法は、インクジェット印刷法またはオフセット印刷法であるので、色画素パターンを形成する際に使用する顔料を少なくでき、また、フォトリソグラフィによるパターニングが不要であるから、露光、現像工程の手間を省くことができる。
【0043】
1実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、上記第1色の色画素パターンの1部と、第2色の色画素パターンの1部とを重ねて形成するので、第1色の色画素パターンと第2色の色画素パターンとが多少ずれても、第1色の色画素パターンと第2色の色画素パターンとの間に隙間が生じないから、カラーフィルター基板からの光漏れを防止できる。
【0044】
また、上記色画素パターンの1部と、第2色の色画素パターンの1部とを重ねる部分を、例えばTFTアレイ基板のTFT素子部に対応する部分に位置させると共に、上記TFTアレイ基板のメタル配線によってTFTアレイ基板の画素部分以外の部分を遮光することによって、カラーフィルター基板側のBMを削除できるから、カラーフィルター基板の製造コストを削減できる。
【0045】
また、上記第1色および第2色の色画素パターンは、第3色の色画素パターンを形成する前に、第3色の色画素位置の周りを囲んで形成されるので、従来の印刷法におけるようなインクの漏れを防止するためのBMが不要になるから、カラーフィルター基板にBMを形成する必要がなくなって、カラーフィルター基板の製造コストを削減できる。
【0046】
1実施形態のカラーフィルター基板の製造方法は、上記第3色の色画素パターンは、Gの色画素パターンであり、Gは、RおよびBよりも色画素パターンの膜厚の変化による色むらが認識され難いから、膜厚がばらつきやすい印刷法によって緑色の色画素パターンを形成することによって、カラーフィルター基板の色むらを少なくできる。
【0047】
以上のように、本発明によれば、材料効率が良く、デルタ画素配列の色画素パターンを形成する際に色抜けが殆ど起こらない印刷法によって、BMを設けないで緑色の色画素パターンを形成し、しかも、膜厚のばらつきが色むらとして認識されにくい緑色の色画素パターンを、比較的膜厚がばらつき易い印刷法によって形成し、膜厚の変化が色むらとして認識され易い赤色および青色の色画素パターンは、膜厚が均一に形成できるスピンコート法またはカラードライフィルム法によって形成するので、従来のスピンコート法またはカラードライフィルム法の長所と、印刷法の長所を取り入れて、低コストかつ高品質なカラーフィルター基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 RGBの3色の色画素パターンに関して、その膜厚比の変化と色画素パターンを透過した光の色差との関係を示した図である。
【図2】 本発明によるカラーフィルター基板の製造方法を示す工程図である。
【図3】 図2(c)の第3の工程におけるカラーフィルター基板を示す平面図である。
【図4】 デルタ画素配列に形成された色画素パターンを示す平面図であり、第1色および第2色のRとBの色画素パターンが形成された状態を示している。
【図5】 カラードライフィルム法によって第3色の色画素パターンを形成する様子を示した図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 Rの顔料を分散させた第1感光性樹脂膜
3 Rの色画素パターン
5 Bの色画素パターン
8 第3色の色画素位置
9 Gのインク
10 Gの色画素パターン
Claims (3)
- 透明基板上に、赤、青の2色のうちの第1色の色顔料を分散させた第1感光性樹脂膜をスピンコート法またはカラードライフィルム法によって形成する工程と、
上記第1感光性樹脂膜を現像、露光によってパターニングして、第1色の色画素パターンを形成する工程と、
上記透明基板上に、赤、青の2色のうちの第2色の色顔料を分散させた第2感光性樹脂膜をスピンコート法またはカラードライフィルム法によって形成する工程と、
上記第2感光性樹脂膜を現像、露光によってパターニングして、一方の縁が上記第1色の色画素パターンに接する一方、上記一方の縁に対向する他方の縁が、上記一方の縁が接する第1色の色画素パターンに隣合う第1色の色画素パターンに対して隔てられた第2色の色画素パターンを形成する工程と、
上記透明基板上の上記第1色の色画素パターンと第2の色画素パターンとが互いに隔たる領域に、印刷法によって、緑色の色画素パターンを形成する工程と
を有することを特徴とするカラーフィルター基板の製造方法。 - 上記印刷法は、インクジェット印刷法またはオフセット印刷法であることを特徴とする請求項1のカラーフィルター基板の製造方法。
- 上記第1色の色画素パターンの1部と、第2色の色画素パターンの1部とを重ねて形成し、かつ、上記透明基板上にブラックマトリックスを形成しないことを特徴とする請求項1または2のカラーフィルター基板の製造方法。
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