以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2はパチンコ遊技機1における遊技盤10を正面からみた正面図、図3はパチンコ遊技機1を背面からみた背面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の左側で開閉可能に支持された前面枠2、および前面枠2に開閉可能に設けられているガラス板保持枠3で構成される。前面枠2には、遊技盤10、上皿12、灰皿18を含む下皿16、操作ハンドル(操作ノブ)19、機構板70および打球発射装置87も設けられる。
ガラス板保持枠3には、遊技盤10における遊技領域25を透視可能にする円形透視窓4が設けられ、円形透視窓4の裏面からガラス板(図示せず)が装着されている。また、ガラス板保持枠3における上部には、円形透視窓4の外周に沿って、装飾LED6およびその左右両側方に配された装飾ランプ5a,5bが設けられている。装飾LED6や装飾ランプ5a,5bは、遊技状態に応じて点灯または点滅され遊技の雰囲気を盛り上げる。特に、特定遊技状態の発生や継続を遊技者に報知する。さらに、ガラス板保持枠3における支持側上部には、払い出すべき遊技球が不足したことを報知する球切れランプ7や入賞の発生にもとづいて払い出されるべき遊技球があるたことを報知する賞球ランプ8が設けられ、ガラス板保持枠3における上部左右には、遊技の進行に応じた効果音を発生するスピーカ9a,9bが設けられている。
ガラス板保持枠3の下部には、開閉可能な上皿開閉板11が設けられ、上皿開閉板11の表面には、複数の皿部材が固着されて成形された上皿12が設けられている。また、上皿開閉板11における開放側上部には、左右方向に移動可能な球抜き操作レバー13が設けられている。球抜き操作レバー13が一方向に移動されると、上皿12に貯留されている遊技球が、上皿開閉板11の裏面に形成されている球抜き路(図示せず)が流下して下皿16に誘導される。
また、上皿12には、圧電ブザー14が内蔵されている。圧電ブザー14は、遊技球の貸出異常が生じたときや遊技球の貸出時に、その旨を報知するために報知音を発するものである。さらに、上皿12には、図示されていないが、パチンコ遊技機1に隣接して設けられているカードユニット20を操作するための操作部(球貸スイッチ、返却スイッチ、残高表示器等)が設けられている。
前面枠2の下部に取り付けられている下皿16は、上皿12に貯留しきれない余剰の遊技球を貯留するものであり、下皿16の前面壁には、操作レバー17がスライド可能に取り付けられている。操作レバー17が操作されると下皿16に貯留されていた遊技球が下方に流下し、遊技客等は、流下した遊技球を持ち運び可能な球箱に移し替えることができる。また、下皿16の左側には灰皿18が設けられ、右側には操作ハンドル19が設けられている。操作ハンドル19は、後述する打球発射装置87の駆動モータ88の駆動を開始するスイッチを内蔵するとともに、弾発力を調整するものである。
パチンコ遊技機1に隣接して設けられているカードユニット20は独自の制御回路によって制御されるが、上皿12に設けられている球貸スイッチ、返却スイッチ、残高表示器や、後述する払出制御基板ボックスに内蔵される払出制御基板に接続される。なお、カードユニット20は、パチンコ遊技機1に内蔵されていてもよい。
次に、遊技盤10の正面構造を図2を参照して説明する。
遊技盤10の表面には、円弧状の誘導レール24が取り付けられている。誘導レール24の内側が遊技領域25とされる。遊技領域25には、可変表示装置26や可変入賞球装置51が設けられるとともに、単に打球を入賞させる入賞口、および打球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘が設けられる。また、遊技領域25における最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打球が取り込まれるアウト口64が設けられている。
可変表示装置26は、遊技盤10の正面に取り付けられる取付基板27と、遊技盤10の裏面に取り付けられる複数の回転ドラム122A〜122Cを含む可変表示装置駆動部100とで構成される。可変表示装置駆動部100の構成および作用については、図7〜図9を参照して後で詳しく説明する。
遊技領域25内を落下する打球が可変表示装置26の下方に配置されている始動入賞口48に入賞して始動口スイッチ50がオンすると、回転ドラム122A〜122Cが回転を開始し、所定時間が経過すると、左、中、右の順で停止する。停止時に表示される回転ドラム122A〜122Cの外周に描かれている図柄(特別図柄)の組合せがあらかじめ定められている大当り図柄と一致すると大当り遊技状態となる。大当り遊技状態では、一定時間(例えば25〜29秒)が経過するまで、または所定個数(例えば15個)の入賞があるまで、可変入賞球装置51の開閉板53が開放する開放サイクルが所定回数(例えば16回)繰り返される。
可変表示装置26の取付基板27には、回転ドラム122A〜122Cを透視可能にするための表示窓28a〜28cが形成される。表示窓28a〜28cの上部には上部障害突起31が設けられている。また、上部障害突起31において、飾りランプ33が内蔵される。さらに、飾りLED34,35,36,37も内蔵される。取付基板27の下方には、回転ドラム122A〜122Cを回転させる権利を留保した旨を報知する始動記憶表示器29が設けられる。また、始動記憶表示器29の左右には、下部誘導突起38が設けられる。下部誘導突起38は、可変表示装置26の左右側方から流入する遊技球を受け止めて、始動入賞口48に向けて落下させる。また、下部誘導突起38にも、飾りランプ39が内蔵されている。
可変表示装置26は遊技領域25のほぼ中央に設置され、可変入賞球装置(特別電動役物)51は、遊技領域25における下部であってアウト口64の上方に設置される。可変表示装置26の左右上方には、ランプ41を内蔵する風車40が設置され、可変表示装置26の左右上部には、通過口42および普通入賞口46が設置されている。また、可変表示装置26の上部には普通図柄表示器44が設置されている。通過口42には、打球の通過を検出するゲートスイッチ43および通過記憶表示器45が内蔵されている。普通入賞口46には、単に装飾効果を発揮する飾りLED47が設けられている。また、普通入賞口46には入賞検出スイッチ46aが内蔵されている。
打球がゲートスイッチ43によって検出されると、普通図柄表示器44の表示結果が所定時間後に導出され、表示結果があらかじめ定められている当たり図柄と一致すると、始動入賞口48のソレノイド49がオンして始動入賞口48に入賞しやすくなる状態になる。通過記憶表示器45は、普通図柄表示器44の表示結果を導出する権利を留保していることを報知するものである。
この実施の形態では、普通図柄表示器44には2つの普通図柄表示エリアあり(図2に示す例では左側と右側)、普通図柄変動中ではそれらが交互に点灯する。そして、変動終了時に当りに対応した方が点灯していた場合に、普通電動役物である始動入賞口48のソレノイド49がオンして始動入賞口48に入賞しやすくなる状態になる。
また、誘導レール24の先端の遊技領域25への入口部分には、遊技領域25に到達した打球が誘導レール24内に逆流しないようにするための逆流防止装置63が設けられている。
可変入賞球装置51は、円形状の遊技領域25の下半分の形状に対応するような円弧状の飾り板62を有する。飾り板62のほぼ中央に、長方形状の入賞領域52が形成される。そして、入賞領域(大入賞口)52は、開閉板53によって開閉される。開閉板53は、ソレノイド54によって開閉される。入賞領域52は2つに区分され、一方の領域に打球が入賞すると、打球はV入賞スイッチ55によって検出される。V入賞スイッチ55による検出(Vゾーンへの入賞の検出)があると、大当り遊技状態における次の開放サイクルの開始が保証される。他方の領域に打球が入賞すると、打球はカウントスイッチ56によって検出される。なお、Vゾーンに入賞した遊技球は、カウントスイッチ56が設けられている領域側に移送される。
開閉板53の下方には突出障害部材が設けられているが、突出障害部材の前面には、大当り遊技状態における開放サイクルの回数を表示する回数表示器57と、1回の開放サイクルにおける開閉板53内への入賞球数を表示する入賞個数表示器58とが設置されている。また、飾り板62には、複数の飾りLED59,60、およびアタッカーランプ61が設けられている。
図3に示すように、遊技盤10の裏面には、可変表示装置26の後面構造物である可変表示装置駆動部100のドラム収納ボックス101が固定されている。また、ドラム収納ボックス101の周囲を囲むように、入賞球集合カバー体(図示せず)が取り付けられている。入賞球集合カバー体には、各種の入賞口や入賞球装置に入賞した入賞球を所定の流路に従って誘導する誘導経路および入賞球集合樋が形成される。
入賞球集合カバー体の裏面には、遊技盤10に配置される入賞口や入賞球装置等に付設されるスイッチや装飾用発光源の電装部品の配線が接続される第1中継基板72および第2中継基板73が取り付けられている。第1中継基板72および第2中継基板73は、遊技盤10に設けられている各種の電装部品と遊技制御回路基板ボックス82に収納される遊技制御基板(主基板)とを中継するために設けられている。なお、ドラム収納ボックス101、第1中継基板72および第2中継基板73は、機構板70のほぼ中央に設けられている窓開口71から突出したり、外から視認できるように設置されている。
つぎに、機構板70の構成を図3を参照して説明する。機構板70は遊技盤10の裏面を覆うように設けられているが、機構板70の背面側の最上部には、遊技球として供される多量の遊技球を貯留する球貯留タンク74が取り付けられている。球貯留タンク74の下方には、球貯留タンク74から流出する遊技球を複数列(例えば2列)に整列させながら流下させる誘導レール75が傾斜状に設けられている。誘導レール75の末端には、窓開口71の側方に配置され、誘導レール75からの整列した遊技球を受け入れて、入賞球信号にもとづいて所定個数の遊技球を払い出す球払出装置76が接続されている。なお、球払出装置76における上流側には、球切れ検出スイッチ77(図3において図示せず)が設けられている。球切れ検出スイッチ77がオンしたときには、球切れランプ7が点灯する。
球払出装置76から払い出された遊技球は、払出通路を介して上皿12または下皿16に導かれる。なお、球払出装置76は、払出制御基板98に搭載されている払出制御用CPUによって制御される。払出制御用CPUは、主基板のCPUから賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置76を制御する。さらに、下皿16の上流側の払出通路の一側には、満タンスイッチ78が設けられる。満タンスイッチ78がオンすると、打球発射装置の駆動モータの駆動および球払出装置76からの遊技球払出が停止される。
また、機構板70の裏面上部には、ターミナルボックス80が設けられている。ターミナルボックス80は、パチンコ遊技機1に電源を供給する電源線や、遊技場の管理コンピュータと情報信号をやりとりするための情報入出力端子81等が設けられた基板が収納される。さらに、窓開口71の下部に遊技制御基板ボックス82が着脱自在に取り付けられている。遊技制御基板ボックス82の下方には、払出制御基板ボックス83が取り付けられている。
また、図3に示すように、前面枠2の裏面下部一側に打球発射装置87が取り付けられている。打球発射装置87は、打球を発射する打球杆89と打球杆89に往復動作を与える駆動モータ88とで構成される。打球発射装置87の設置位置とは反対側に、ガラス板保持枠3に設けられている電飾部品(装飾ランプ5a,6bや装飾LED6等)および遊技盤に設けられている電飾部品の動作を制御するランプ制御基板85とが設置されている。
図4は、電源基板910の一構成例を示すブロック図である。電源基板910は、主基板、表示制御基板、音声制御基板、ランプ制御基板および払出制御基板等の電気部品制御基板(遊技機に設けられている電気部品を制御する電気部品制御手段を搭載した基板)と独立して設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+12VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ電源となるコンデンサ916は、DC+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。
トランス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換する。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913は、+21V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に出力する。コネクタ915は例えば中継基板に接続され、中継基板から各電気部品制御基板および機構部品に必要な電圧の電力が供給される。
ただし、電源基板910に各電気部品制御基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給するようにしてもよい。また、図4には1つのコネクタ915が代表して示されているが、コネクタは、各電気部品制御基板対応に設けられている。
DC−DCコンバータ913からの+5Vラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成する。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が遮断されたときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バックアップされているRAMすなわち記憶内容保持状態となりうる記憶手段)に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックアップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。
なお、バックアップ電源として、+5V電源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられる。
また、電源基板910には、電源監視用IC902が搭載されている。電源監視用IC902は、VSL電源電圧を導入し、VSL電源電圧を監視することによって電源断の発生を検出する。具体的には、VSL電源電圧が所定値(この例では+22V)以下になったら、電源断が生ずるとして電圧低下信号(電源断信号)を出力する。なお、監視対象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。電源監視用IC902からの電圧低下信号は、主基板331や払出制御基板98等に供給される。
電源監視用IC902が電源断を検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後の電圧を監視するように構成されているので、CPUが必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができる。従って、より精密な監視を行うことができる。さらに、監視電圧としてVSL(+30V)を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出できる。
よって、+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下する+30V電源電圧を監視して電源断を認識すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電源復旧待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
また、電源監視用IC902は、電気部品制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているので、電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電源断信号を供給することができる。電源断信号を必要とする電気部品制御基板が幾つあっても電源監視手段は1つ設けられていればよいので、各電気部品制御基板における各電気部品制御手段が後述する復帰制御を行っても、遊技機のコストはさほど上昇しない。
なお、図4に示された構成では、電源監視用IC902の検出出力(電源断信号)は、バッファ回路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基板(例えば主基板と払出制御基板)に伝達されるが、例えば、1つの検出出力を中継基板に伝達し、中継基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応じたバッファ回路を設けてもよい。
図5は、遊技制御基板ボックス82内に収納される遊技制御基板(主基板)331に形成される遊技制御回路の構成を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板98、ランプ制御基板85、音声制御基板97表示制御基板165も示されている。主基板331は、ターミナルボックス80、払出制御基板ボックス83内に収納される払出制御基板98、音声制御基板97およびランプ制御基板85と電気的に接続されている。また、主基板331は、表示制御基板165とも接続されている。
以下、図5および図6を参照して遊技制御手段および回転ドラム制御回路の動作を説明する。
主基板331には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路353と、ゲートスイッチ43、入賞口スイッチ46a、始動口スイッチ50、V入賞スイッチ55、カウントスイッチ56、満タンスイッチ78および球切れ検出スイッチ77からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路358と、始動入賞口48を開放するためのソレノイド49および開閉板53を開閉するソレノイド21を基本回路353からの指令に従って駆動するソレノイド回路359とが搭載されている。
なお、図5には示されていないが、大入賞口内の経路を切り換えるための切換ソレノイドに対する駆動信号も基本回路353から出力され、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路358を介して基本回路353に伝達される。
また、基本回路353から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置26の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をターミナルボックス80に対して出力する情報出力回路364が搭載されている。
基本回路353は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM354、ワークメモリとして使用されるRAM355、制御用のプログラムに従って制御動作を行うCPU356およびI/Oポート部357を含む。なお、RAM355、ROM354およびI/Oポート部357は外付けであってもCPU356に内蔵されていてもよい。また、RAM354の一部または全部が、電源基板910からのバックアップ電源でバックアップされている。すなわち、主基板331には、バックアップRAMが存在する。
さらに、主基板331には、電源投入時に基本回路353をリセットするためのシステムリセット回路65と、基本回路353から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部357のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路367とが設けられている。
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板85に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている始動記憶表示器29、通過記憶表示器45、回転表示器57、入賞個数表示器58および飾りLEDの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている装飾ランプ・LED5a,5b,6、賞球ランプ8および球切れランプ7の表示制御を行う。また、この実施の形態では、普通図柄表示器44は表示制御基板に搭載されている表示制御手段によって制御されるが、ランプ制御手段によって制御されてもよい。
図6は、表示制御基板165内の回路構成例を、回転ドラム122A〜122Cを回転させるドラムモータ200A〜200C、回転ドラム122A〜122Cの内部に設置されているドラムランプ151A〜151C、および主基板331の一部とともに示すブロック図である。なお、ドラムランプ151A〜151Cは、実際には、それぞれ複数のルナライト(熱陰極管)を含む。
表示制御用CPU401は、制御データROM402に格納されたプログラムに従って動作し、主基板331の出力ポート571,572および出力バッファ回路573から、ノイズフィルタ407および入力バッファ回路405を介してストローブ信号(INT信号)が入力されると、入力バッファ回路405を介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路405として、例えば汎用ICである74HC244を使用することができる。
そして、表示制御用CPU401は、受信した表示制御コマンドに従って、ドラムモータ200A〜200Cの駆動制御およびドラムランプ151A〜151Cの点灯制御を行うための信号を、出力ポート511を介してモータ駆動回路176およびライト駆動回路178に与える。モータ駆動回路176およびライト駆動回路178は、表示制御用CPU401からの信号に従って、ドラムモータ200A〜200Cおよびドラムランプ151A〜151Cを駆動する。
入力バッファ回路405は、主基板331から表示制御基板165へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、表示制御基板165側から主基板331側に信号が伝わる余地はない。表示制御基板165内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板331側に伝わることはない。なお、出力ポート571,572の出力をそのまま表示制御基板165に出力してもよいが、単方向にのみ信号伝達可能な出力バッファ回路573を設けることによって、主基板331から表示制御基板165への一方向性の信号伝達をより確実にすることができる。
図7は、可変表示装置26の可変表示装置駆動部100の一構成例を示す分解斜視図、図8は可変表示装置駆動部100の断面図である。なお、図8は、回転ドラムユニット120A〜120Cのうちの1つを代表して示すものであり、図8では、回転ドラムユニット120A〜120C、プリント配線取付基板121A〜121C、回転ドラム122A〜122Cは、回転ドラムユニット120、プリント配線取付基板121、回転ドラム122として示されている。
図7に示すように、可変表示装置26の可変表示装置駆動部100は、回転ドラムユニット120A〜120Cと、それらを収納するドラム収納ケース101とで構成される。ドラム収納ケース101は、前方が開放した箱状に形成される。そして、開口から回転ドラムユニット120A〜120Cが挿入された後、それらを支持する。すなわち、ドラム収納ケース101の上部および下部には、各回転ドラムユニット120A〜120Cに対応する係合溝105が形成されている。一方、各回転ドラムユニット120A〜120Cにおけるプリント配線取付基板121A〜121Cには係合突部123が形成され、係合突部123がドラム収納ケース101に設けられた係合溝105に係合する。
また、ドラム収納ケース101の開口上下には、取付片103および係合片104が設けられている。取付片103および係合片104は、ドラム収納ケース101の上部から後方および底面に沿ってあてがわれる金属製の取付バンド102の先端を折り曲げて形成される。そして、取付片103および係合片104が遊技盤10の裏面に固定されている額縁状の取付板(図示せず)に装着されることによって、可変表示装置駆動部100全体が遊技盤10に取り付けられる。
ドラム収納ケース101の底面には、各回転ドラムユニット120A〜120Cに対応する接続用開口112が設けられ、接続用開口112を介して、プリント配線取付基板121A〜121Cにおける接続突片部127と表示制御基板165に設けられるコネクタ167とが接続される。さらに、ドラム収納ケース101の後面には、回転ドラムユニット120A〜120Cが装着されたときに取付部125が臨む係止開口(図示せず)が形成されている。
そして、その係止開口に臨んだ取付部125が、図8に示すように、ドラム収納ケース101に形成された穴109にビス111がねじ込まれることによって、回転ドラムユニット120A〜120Cは、ドラム収納ケース101に固定される。このとき、放熱板110も、取付部125とともにねじ止めされる。放熱板110は金属で形成され、金属製のプリント配線取付基板121A〜121Cと接触することにより、プリント配線取付基板121A〜121Cに蓄積された熱が放熱板110を介して外部に放出される。
ドラム収納ケース101の下側裏面には、表示制御基板165をビス止めするための取付ボス106が設けられている。そして、取付ボス106に表示制御基板165が取り付けられた状態で、表示制御基板165を保護するための表示制御基板ボックス160がドラム収納ケース101に取り付けられる。取付のために、ドラム収納ケース101の底面前方には係合穴108が形成され、後面下端には取付穴107が形成されている。
回転ドラムユニット120A〜120Cにおける回転ドラム122A〜122Cは、複数の図柄を有する筒状の図柄表示面を含むドラム状に形成されている。そして、図柄表示面から中心に向かって六角対角線状に形成されたリールフレームの軸支部が、回転子140のD型カット突部143にビスで固定される。回転ドラム122A〜122Cを回転駆動するドラムモータ(ステッピングモータ)が取り付けられるプリント配線取付基板121A〜121Cの上辺から後部側方にかけて、プリント配線取付基板121A〜121C自体の剛性を高めるために補強凸部124が形成されている。
また、後端下部には、取付穴126を有する取付部125が形成され、底辺後部には、プリント配線によって形成される導電端子部を有する接続突片部127が設けられている。さらに、ドラムランプ151を収納支持するランプカバー153を取り付けるための取付穴128が、プリント配線取付基板121A〜121Cの前方部に設けられている。プリント配線取付基板121A〜121Cのほぼ中央部には、回転子140の軸部を回転自在に支持する軸受137を固定するための軸取付穴が設けられている。
プリント配線取付基板121A〜121Cのほぼ中央部に、ステッピングモータの駆動コイルを内蔵した円筒状のコイルケース135が取り付けられる。コイルケース135はプリント配線取付基板121A〜121Cにビス止めされ、駆動コイルの端部はプリント配線の導電部にはんだ付けされる。回転子140と軸受137との間には、スプリングワッシャ141および平ワッシャ142が挟み込まれる。また、軸受137を貫通してプリント配線取付基板121A〜121Cの裏側に突出した部分は、ワッシャ146を介してEリング147で固定される。
なお、回転ドラム122A〜122Cは、回転子140の軸部が軸受137に支持された状態で前方からモータカバー148が貼られ、モータカバー148から前方に突出したD型カット突部143に回転ドラム122A〜122Cがはめられてビス止めされることにより、プリント配線取付基板121A〜121Cに装着される。
ドラムランプ151はランプカバー153によって覆われるが、ランプカバー153は、各ドラムランプ151を受け止めるランプ受け台156を有する。ランプ受け台156がドラムランプ151を支持した状態で、その上下に形成されている取付穴154が取付穴128にビス155で止められることにより、ランプカバー153はプリント配線取付基板121A〜121Cに固定される。なお、ドラムランプ151は、装飾効果を高めるために遊技者から視認しうる図柄に後方から光を照射するものである。図7では、ドラムランプ151として3つのライトが示されているが、遊技効果を増進するために、さらに多くのライトを用いてもよい。例えば、図8では、5つのライトが例示されている。
サブ基板ボックス160は、図7に示すように、上面が開放したボックス状に形成されている。そして、その側壁の全周にわたって多数の放熱穴161が設けられている。表示制御基板165の前方には、ドラム収納ボックス101の係合穴108と係合する係合爪162が設けられている。また、表示制御基板165の後方には、ドラム収納ボックス101の取付穴107に対応する取付穴163が設けられている。サブ基板ボックス160は、係合爪162が係合穴108に挿入された後、取付穴163の位置が取付穴107の位置に合った状態で、ビス164によってドラム収納ボックス101に装着される。
サブ基板ボックス160に収納される表示制御基板165には、ドラム収納ボックス101の取付ボス106に対応した取付穴166が設けられている。そして、図9に示すように、上面側には、各回転ドラムユニット120A〜120Cの接続突片部127に接続される複数のコネクタ167が実装されている。下面側には、遊技制御基板ボックス82に収納される主基板331に接続されるコネクタ173、CPU401、トランジスタ171等が実装されている。なお、図9には4つのトランジスタ171が例示されているが、実際には多数のトランジスタおよびICが実装される。
図10は、主基板331におけるCPU356周りの一構成例を示すブロック図である。図10に示すように、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)からの電源断信号(電圧低下信号)が、CPU356のマスク不能割込端子(XNMI端子)に接続されている。電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電源のうちのいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を検出する回路である。この実施の形態では、VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値以下になるとローレベルの電源断信号を発生する。VSLは、遊技機で使用される直流電圧のうちで最大のものであり、この例では+30Vである。従って、CPU356は、割込処理によって電源断の発生を確認することができる。
図10には、システムリセット回路65も示されている。リセットIC651は、電源投入時に、外付けのコンデンサの容量で決まる所定時間だけ出力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイレベルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに立ち上げてCPU356を動作可能状態にする。また、リセットIC651は、電源監視回路が監視する電源電圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(電源監視回路が電源断信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以下になると出力をローレベルにする。従って、CPU356は、電源監視回路からの電源断信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った後、システムリセットされる。
図10に示すように、リセットIC651からのリセット信号は、NAND回路947に入力されるとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタIC941は、クリア端子への入力がローレベルになると、発振器943からのクロック信号をカウントする。そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路945,946を介してNAND回路947に入力される。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップフロップ(FF)942のクロック端子に入力される。フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定され、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力される。OR回路949の他方の入力には、NAND回路947の出力がNOT回路948を介して導入される。そして、OR回路949の出力がCPU356のリセット端子に接続されている。このような構成によれば、電源投入時に、CPU356のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU356は、確実に動作を開始する。
そして、例えば、電源監視回路の検出電圧(電源断信号を出力することになる電圧)を+22Vとし、リセット信号をローレベルにするための検出電圧を+9Vとする。そのように構成した場合には、電源監視回路とシステムリセット回路65とが、同一の電源VSLの電圧を監視するので、電圧監視回路が電源断信号を出力するタイミングとシステムリセット回路65がシステムリセット信号を出力するタイミングの差を所望の所定期間に確実に設定することができる。所望の所定期間とは、電源監視回路からの電源断信号に応じて電力供給停止時処理を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了するまでの期間である。
CPU356等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電源が断しても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧すると、システムリセット回路65からリセット信号が発せられるので、CPU356は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電発生時の遊技状態に復帰することができる。
なお、図10に示す構成では、電源投入時にCPU356のリセット端子に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられるが、リセット信号の立ち上がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット解除されるCPUを使用する場合には、符号941〜949で示された回路素子は不要である。その場合、リセットIC651の出力がそのままCPU356のリセット端子に接続される。
この実施の形態で用いられるCPU356は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。PIOは、PB0〜PB3の4ビットおよびPA0〜PA7の1バイトのポートを有する。PB0〜PB3およびPA0〜PA7のポートは、入力/出力いずれにも設定できる。ただし、この実施の形態では内蔵PIOを使用しない。その場合には、例えば、全ポートを入力モードとして、全ポートをグラウンドレベルに接続する。なお、電源投入時に、PIOは自動的に入力モードに設定される。
次に遊技機の動作について説明する。
図11は、主基板331におけるCPU356が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、CPU356が起動すると、メイン処理において、CPU356は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU356は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
この実施の形態で用いられるCPU356は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
この実施の形態で用いられているCPU356には、マスク可能な割込(INT)のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU356は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU356は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU356は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:CPU356の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU356は割込モード2に設定される。
そして、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の停電発生NMI処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。この実施の形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。バックアップなしを確認したら、CPU356は初期化処理を実行する。
この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電源断時にバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、図12に示すように、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU356は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば(ステップS8)、CPU356は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
初期化処理では、CPU356は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタなど)に初期値を設定する初期値設定処理も行われる。さらに、サブ基板(ランプ制御基板85、払出制御基板98、音声制御基板97、表示制御基板165)を初期化するための処理を実行する(ステップS13)。サブ基板を初期化する処理とは、例えば初期設定のためのコマンドを送出する処理である。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU356に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS1において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS15)。
この実施の形態では、CPU356の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、図13に示すように、CPU356は、例えばタイマ割込が発生したことを示すタイマ割込フラグをセットする(ステップS12)。
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、タイマ割込が発生したか否かの監視(ステップS17)の確認が行われるループ処理に移行する。なお、ループ内では、表示用乱数更新処理(ステップS16)も実行される。
CPU356は、ステップS17において、タイマ割込が発生したことを認識すると、ステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU356は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートセンサ12、始動口スイッチ17、カウントセンサ23および入賞口スイッチ19a,19b,24a,24b等のスイッチの状態を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS23)。CPU356は、さらに、停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS24)。
図14は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用=特別図柄決定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当り時の図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用=特別図柄判定用)
(4)ランダム4:リーチ時の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外の乱数も用いられている。
ステップS23では、CPU356は、(1)の大当り判定用乱数および(3)の大当り図柄判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数である。
さらに、CPU356は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器44の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU356は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(表示制御コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、CPU356は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU356は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS30)。ソレノイド回路359は、駆動指令に応じてソレノイド49,54を駆動し、始動入賞口48または開閉板53を開状態または閉状態とする。
そして、CPU356は、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチ46a,50,56の検出出力にもとづく賞球数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御基板98に払出制御コマンドを出力する。払出制御基板98に搭載されている払出制御用CPUは、払出制御コマンドに応じて球払出装置76を駆動する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で遊技制御処理を実行してもよい。
また、メイン処理には遊技制御処理に移行すべきか否かを判定する処理が含まれ、CPU356の内部タイマが定期的に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理で遊技制御処理に移行すべきか否かを判定するためのフラグがセット等がなされるので、遊技制御処理の全てが確実に実行される。つまり、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、次回の遊技制御処理に移行すべきか否かの判定が行われないので、遊技制御処理中の全ての各処理が実行完了することは保証されている。
以上に説明したように、この実施の形態では、CTCやPIOを内蔵するCPU356に対して、初期設定処理で割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCを用いた定期的なタイマ割込処理を容易に実現できる。また、タイマ割込処理をプログラム上の任意の位置に設置できる。また、内蔵PIOを用いたスイッチ検出処理等を容易に割込処理で実現できる。その結果、プログラム構成が簡略化され、プログラム開発工数が低減する等の効果を得ることができる。
図15は、この実施の形態で用いられる左右中図柄の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、左右中図柄として、それぞれ20の図柄がある。それぞれの図柄には、00(H)〜13(H)の図柄番号が付されている。可変表示装置26における左右中の列は、それぞれ、3つの(但し、各列における上段および下段には図柄の一部のみが表示される構成であってもよい。)の図柄を表示可能である。
図16は、CPU356が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄プロセス処理は、図11のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU356は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
特別図柄変動待ち処理(ステップS300):始動入賞口48に打球入賞して始動口スイッチ50がオンするのを待つ。始動口スイッチ50がオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに大当り決定用乱数等を抽出する。
特別図柄判定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、抽出されている大当り決定用乱数の値に応じて大当りとするかはずれとするか決定する。
停止図柄設定処理(ステップS302):左右中図柄の停止図柄を決定する。
リーチ動作設定処理(ステップS303):左右中の停止図柄の組み合わせにもとづいてリーチ動作するか否か決定するとともに、リーチとすることに決定した場合には、変動パターン決定用乱数の値に応じてリーチ時の変動期間を決定する。
全図柄変動開始処理(ステップS304):可変表示装置26において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、表示制御基板165に対して、左右中最終停止図柄と変動態様を指令する情報とが送信される。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
全図柄停止待ち処理(ステップS305):所定時間(ステップS310の変動短縮タイマで示された時間)が経過すると、可変表示装置26において表示される全図柄が停止される。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド54を駆動して大入賞口を開放する。また、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータをランプ制御基板85に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS308):V入賞スイッチ55の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図17は打球が始動入賞口48に入賞したことを判定する処理を示すフローチャートである。打球が遊技盤10に設けられている始動入賞口48に入賞すると、始動口スイッチ50がオンする。例えば、特別図柄プロセス処理のステップS300の特別図柄変動待ち処理において、図17に示すように、CPU356は、スイッチ回路358を介して始動口スイッチ50がオンしたことを判定すると(ステップS41)、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS42)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS43)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出する。そして、それらを始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する(ステップS44)。なお、始動入賞記憶数が4に達している場合には、始動入賞記憶数を増やす処理を行わない。すなわち、この実施の形態では、最大4個の始動入賞口17に入賞した打球数が記憶可能である。
CPU356は、ステップS25の特別図柄プロセス処理において、図18に示すように始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS51)。始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに(ステップS52)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする(ステップS53)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている各値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。
そして、CPU356は、ステップS52で読み出した値、すなわち抽出されている大当り判定用乱数の値にもとづいて当たり/はずれを決定する(ステップS54)。ここでは、大当り判定用乱数は0〜299の範囲の値をとることにする。図19に示すように、低確率時には例えばその値が「3」である場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。高確率時には例えばその値が「3」,「7」,「79」,「103」,「107」のいずれかである場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する。
大当りと判定されたときには、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)を抽出しその値に従って大当り図柄を決定する(ステップS55)。この実施の形態では、抽出されたランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左右中の図柄番号が設定されている。また、ステップS52で読み出した値、すなわち抽出されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値にもとづいて図柄の変動パターンを決定する(ステップS56)。
はずれと判定された場合には、CPU356は、大当りとしない場合の停止図柄の決定を行う。この実施の形態では、ステップS52で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左図柄を決定する(ステップS57)。また、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS58)。そして、ランダム2−3の値に従って右図柄を決定する(ステップS59)。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。
さらに、CPU356は、左右図柄が同じになった場合には、すなわちリーチが成立することに決定された場合には、ステップS52で読み出した値、すなわち抽出されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値にもとづいて図柄の変動パターンを決定する(ステップS60)。
高確率状態では、はずれ時の変動パターンとして変動時間が短縮されたものも使用される場合には、高確率状態では、CPU356は、通常のはずれ時の変動パターンを用いるか短縮された変動パターンを用いるのかを、例えば所定の乱数等を用いて決定する。
以上のようにして、始動入賞にもとづく図柄変動の表示態様が大当りとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか決定され、それぞれの停止図柄の組合せが決定される。
なお、図18に示された処理は、図16に示された特別図柄プロセス処理におけるステップS301〜S303の処理をまとめて示した場合の処理に相当する。
次に、主基板331から表示制御基板165に対する表示制御コマンドの送出について説明する。図20は、主基板331から表示制御基板165に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。図20に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板331から表示制御基板165に送信される。また、主基板331と表示制御基板165との間には、ストローブ信号を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、図21に示すように、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、図21に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されていることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図22は、表示制御基板165に対する制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号(ストローブ信号)との関係を示すタイミング図である。図21に示すように、MODEまたはEXTのデータが出力ポートに出力されてから、所定期間が経過すると、CPU356は、データ出力を示す信号であるINT信号をオン状態にする。また、そこから所定期間が経過するとINT信号をオフ状態にする。
なお、ここでは、表示制御コマンドについて説明したが、他のサブ基板に送出される各制御コマンドも、図21および図22に示された形態と同一である。
図23は、表示制御基板165に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図23に示す例において、コマンド8000(H)〜80XX(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置26における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンドは変動開始指示も兼ねている。
コマンド91XX、92XXおよび93XXは、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。また、コマンド8F00は、特別図柄の初期表示を指示するための特別図柄電源投入表示コマンド(電源投入表示コマンド)である。表示制御手段は、電源投入表示コマンドを受信すると、あらかじめ決められている特別図柄の組み合わせを可変表示装置26に表示する制御を行う。そして、コマンドA0XXは、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)である。
コマンドBXXXは、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。ただし、普通図柄表示器44がランプ制御手段で制御される場合には、B1XX(H)およびB2XX(H)は、表示制御基板165には送出されない。また、コマンドC000(H)は客待ちデモンストレーションを指示するコマンドであるが、このコマンドは、可変表示装置26がCRTやLEDである場合に用いられる。
コマンドC100(H)は、電源投入時に遊技制御手段のバックアップRAMに電源オフ時の遊技状態が保存されていて、かつ、電源オフ時に図柄の変動中であった場合に送出される特別図柄停電復旧コマンドである。表示制御手段は、特別図柄停電復旧コマンドを受信すると、指示された左右中図柄を表示する制御を開始する。指示された左右中図柄とは、特別図柄停電復旧コマンドに続けて送出される左右中の停止図柄を指定するコマンドであり、電源オフの直前に送出されていた左右中の停止図柄を指定するコマンドと同一のコマンドである。
コマンドD000(H)〜D400(H)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。ただし、普通図柄表示器44がランプ制御手段で制御される場合には、それらのコマンドは、表示制御基板165には送出されない。
表示制御基板165の表示制御手段は、主基板331の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図23に示された内容に応じて可変表示装置26および普通図柄表示器44(表示制御手段が普通図柄も制御する場合)の表示状態を変更する。
遊技制御手段から各電気部品制御基板(サブ基板)に制御コマンドを出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの設定が行われる。図24(A)は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。また、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
なお、EXTデータそのものがコマンドデータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのデータが設定されるようにしてもよい。この実施の形態では、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)が0あれば、コマンドデータ2にEXTデータそのものが設定されていることを示す。なお、そのようなEXTデータはビット7が0であるデータである。また、ワークエリア参照ビットが1あれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであることを示す。
図24(B)INTデータの一構成例を示す説明図である。INTデータにおけるビット0は、払出制御基板98に払出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU356は、例えば賞球処理(メイン処理のステップS31)において、INTデータに「01(H)」を設定する。また、INTデータにおけるビット1は、表示出制御基板165に表示制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット1が「1」であるならば、表示制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU356は、例えば表示制御コマンド制御処理(メイン処理のステップS27)において、INTデータに「02(H)」を設定する。
INTデータのビット2,3は、それぞれ、ランプ制御コマンド、音声制御コマンドを送出すべきか否かを示すビットであり、CPU356は、それらのコマンドを送出すべきタイミングになったら、特別図柄プロセス処理等で、ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。それらのコマンドを送出するときには、INTデータの該当ビットが「1」に設定され、コマンドデータ1およびコマンドデータ2にMODEデータおよびEXTデータが設定される。
この実施の形態では、各制御コマンドについて、それぞれ複数のコマンド送信テーブルが用意され、使用すべきコマンド送信テーブルはポインタで指定される。また、複数のコマンド送信テーブルはリングバッファとして使用される。例えば、表示制御コマンドについて、図24(C)に示すように、12個のコマンド送信テーブルが用意されている。従って、CPU356は、例えば、表示制御コマンド制御処理において、コマンド送信個数カウンタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。そして、コマンド送信個数カウンタを更新する。そして、コマンド送信個数カウンタの値が12になると、その値を0に戻す。
図25は、図11に示された遊技制御処理における表示制御コマンド制御処理(ステップS27)の処理例を示すフローチャートである。表示制御コマンド制御処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。表示制御コマンド制御処理において、CPU356は、まず、コマンド送信テーブルのアドレス(読出ポインタの内容)をスタック等に退避する(ステップS331)。そして、読出ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS332)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを+1する(ステップS333)。従って、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
そこで、CPU356は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS334)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS335)。
図26は、コマンド送信ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信ルーチンにおいて、CPU356は、まず、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS351)。次いで、送信回数=4を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS352)。そして、払出制御信号を出力するためのポート1のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS353)。この実施の形態では、ポート1のアドレスは、払出制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。また、ポート2〜4のアドレスが、表示制御信号、ランプ制御信号、音声制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。
次に、CPU356は、比較値を1ビット右にシフトする(ステップS354)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS355)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」であったことを意味する。この実施の形態では4回のシフト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマンドを送出すべきことが指定されているときには、最初のシフト処理でキャリービットが1になる。
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS356)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート1のアドレスが設定されているので、そのときに、払出制御コマンドのMODEデータがポート1に出力される。
次いで、CPU356は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS357)、処理数を1減算する(ステップS358)。加算前にポート1を示していた場合には、IOアドレスに対する加算処理によって、IOアドレスにはポート3のアドレスが設定される。ポート2は、表示制御コマンドを出力するためのポートである。そして、CPU356は、処理数の値を確認し(ステップS359)、値が0になっていなければ、ステップS354に戻る。ステップS354で再度シフト処理が行われる。
2回目のシフト処理ではINTデータにおけるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じてキャリーフラグが「1」または「0」になる。従って、表示制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。同様に、3回目および4回目のシフト処理によって、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。このように、それぞれのシフト処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理によってチェックされるコマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に対応したIOアドレスが設定されている。
よって、キャリーフラグが「1」になったときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート4)に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出処理を行うことができる。
また、このように、シフト処理のみによってどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきかが判定されるので、いずれの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略化されている。
次に、CPU356は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS360)、読み出したデータをポート0に出力する(ステップS361)。この実施の形態では、ポート0のアドレスは、各制御信号についてのINT信号を出力するためのポートであり、ポート0のビット0〜4が、それぞれ、払出制御INT信号、表示制御INT信号、ランプ制御INT信号、音声制御INT信号を出力するためのポートである。INTデータでは、ステップS351〜S359の処理で出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビットに対応したビットが「1」になっている。従って、ポート1〜ポート4のいずれかに出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)に対応したINT信号がオン状態になる。
次いで、CPU356は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS363,S364)。この処理は、図22のタイミング図に示されたINT信号(制御信号INT)のオン期間を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(00)を設定して(ステップS365)、そのデータをポート0に出力する(ステップS366)。よって、INT信号はオフ状態になる。そして、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS368,S369)。この処理は、1つ目のINT信号の立ち下がりからEXTデータ出力開始までの期間を設定するための処理である。
従って、ステップS367でウェイトカウンタに設定される値は、1つ目のINT信号の立ち下がりからEXTデータ出力開始までの期間が、制御コマンド受信対象となる全ての電気部品制御手段(サブ基板に搭載されているCPU等)が確実にコマンド受信処理を行うのに十分な期間になるような値である。また、ウェイトカウンタに設定される値は、その期間が、ステップS351〜S359の処理に要する時間よりも長くなるような値である。
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU356は、図25に示すステップS336で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU356は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS337)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS339)。0でなければ、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS339)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS340)。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする(ステップS341)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされ、ワークエリア参照ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのまま引数2にロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次に、CPU356は、コマンド送信ルーチンをコールする(ステップS342)。従って、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。その後、CPU356は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS343)、コマンド送信テーブルを指す読出ポインタの値を更新する(ステップS344)。読出ポインタの値が図24(C)に示すコマンドコマンド送信テーブル12の位置を越えた場合には、読出ポインタの値が0に戻される。
さらに、コマンド送信テーブルにまだ未送信の制御コマンドが設定されている場合には、ステップS331に戻る。なお、ステップS331に戻る場合には、連続して制御コマンドが送出されることになるので、制御コマンド間の間隔を空けるためにディレイタイムをおく。また、未送信の制御コマンドが設定されているか否かは、例えば、コマンド送信カウンタの値と読出ポインタの値とを比較することによって判断される。
以上のようにして、1つの制御信号出力モジュールであるコマンド制御処理モジュールによって、2バイト構成の各制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド)が、対応する電気部品制御手段に送信される。電気部品制御手段では、取込信号としてのINT信号の立ち下がりを検出すると制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、いずれの電気部品制御手段についても、取り込み処理が完了する前に遊技制御手段からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、各電気部品制御手段において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち上がりで制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、INT信号の極性を図22に示された場合と逆にしてもよい。
また、この実施の形態では、複数のコマンド送信テーブルがリングバッファとして用いられ、図25に示すコマンド制御処理では、読出ポインタが指しているコマンド送信テーブルを対象としてコマンド出力制御が行われ、コマンド送信テーブルにデータを設定する処理、例えば、遊技制御処理における表示制御コマンド制御処理では、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルを対象としてコマンド設定処理が行われる。従って、同時に複数のコマンド送出要求が発生しても、それらの要求にもとづくコマンド出力処理は問題なく実行される。
さらに、この実施の形態では、コマンド送信テーブルに複数の制御コマンドが設定されている場合には、1回のコマンド制御処理で全ての制御コマンドが送出される。コマンド制御処理(例えば表示制御コマンド制御処理)は2msに1回起動されるので、結局、2msのメイン処理起動周期において、全ての制御コマンドが送出される。また、この実施の形態では、各制御手段への制御コマンド(表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音声制御コマンド、払出制御コマンド)毎に、それぞれ複数のコマンド送信テーブルが用意されているので、例えば、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドのコマンド送信テーブルに制御コマンドが設定されている場合には、1回のコマンド制御処理で全ての表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドを送出することも可能である。すなわち、同時に(1メイン処理起動周期での意味)、それらの制御コマンドを送出することができる。遊技演出の進行上、それらの制御コマンドの送出タイミングは同時に発生するので、このように構成されているのは便利である。ただし、払出制御コマンドは、遊技演出の進行とは無関係に発生するので、一般には、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドと同時に送出されることはない。
図27は、図11に示されたメイン処理のサブ基板初期化処理(ステップS13)における表示制御コマンド送出部分を示すフローチャートである。サブ基板初期化処理において、CPU356は、まず、コマンド送信個数カウンタ(初期値は0)が指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1に8F(H)を設定し(ステップS201)、コマンドデータ2に00(H)を設定し(ステップS202)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS203)。よって、電源投入表示コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS204)。次いで、図25に示された表示制御コマンド制御処理をコールする(ステップS243)。従って、コマンド送信テーブルに設定された表示制御コマンドが送出される。
表示制御手段は、電源投入表示コマンドを受信すると、あらかじめ決められている初期表示図柄を可変表示装置26に表示する。例えば、初期表示図柄としての「7」,「ベル」,「7」(図15参照)のはずれ図柄の組み合わせが表示される。
図28は、遊技機への電力供給開始時に主基板331から表示制御基板165に送出される特別図柄に関する表示制御コマンドの送出例を示すタイミング図である。図27に示す処理(図11に示すメイン処理のステップS13の処理)によって、コマンド送信テーブルに、電源投入表示コマンドが設定される。そして、表示制御コマンド制御処理(ステップS243)において、そのコマンドが送出される。
なお、電源投入時ではない通常の遊技制御中では、図柄の変動を開始させるときに、遊技制御手段は、変動パターンコマンドおよび左右中図柄を示すコマンドを送出し、変動パターンに応じて決まる変動時間が経過したときに図柄の変動を停止させることができるようなタイミングで、特別図柄図柄停止コマンド(確定コマンド)を送出する。なお、変動パターンコマンドは、図柄(識別情報)の変動すなわち可変表示の開始を指示する可変表示コマンドに相当する。
図29,図30は、電源基板910からの電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理(電力供給停止時処理)の処理例を示すフローチャートである。この実施の形態では、電源基板910からの電源断信号は、CPU356のマスク不能割込端子に接続されている。また、全てのRAMがバックアップ電源によってバックアップされているとする。
電力供給停止時処理において、CPU356は、AFレジスタ(アキュミュレータとフラグのレジスタ)を所定のバックアップRAM領域に退避する(ステップS101)。また、割込フラグをパリティフラグにコピーする(ステップS102)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成されている。また、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタおよびスタックポインタをバックアップRAM領域に退避する(ステップS104〜S108)。
次に、バックアップあり指定値(この例では「55H」)をバックアップフラグにストアする。バックアップフラグはバックアップRAM領域に形成されている。次いで、パリティデータを作成する(ステップS110〜S117)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS110)、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS111)。また、チェックサム算出回数をセットする(ステップS112)。
そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS113)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS114)、ポインタの値を1増やし(ステップS115)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS116)。ステップS113〜S116の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される(ステップS117)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU356は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS118)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS119)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS120)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、CPU356は、クリアデータ(00)を適当なレジスタにセットし(ステップS121)、8ビット出力ポートの数に応じた処理数(この例では「7」)を別のレジスタにセットする(ステップS122)。また、出力ポート0のアドレスをIOポインタに設定する(ステップS123)。IOポインタとして、さらに別のレジスタが用いられる。
そして、IOポインタが指すアドレスにクリアデータをセットするとともに(ステップS174)、IOポインタの値を1増やし(ステップS125)、処理数の値を1減算する(ステップS127)。ステップS124〜S126の処理が、処理数の値が0になるまで繰り返される。その結果、全ての出力ポート0〜6にクリアデータが設定される。この例では、「1」がオン状態であり、クリアデータである「00」が各出力ポートにセットされるので、全ての出力ポートがオフ状態になる。
従って、遊技状態を保存するための処理(この例では、チェックサムの生成およびRAMアクセス防止)が実行された後、各出力ポートは直ちにオフ状態になる。なお、この実施の形態では、遊技制御処理において用いられるデータが格納されるRAM領域は全て電源バックアップされている。従って、その内容が正しく保存されているか否かを示すチェックサムの生成処理、およびその内容を書き換えないようにするためのRAMアクセス防止処理が、遊技状態を保存するための処理に相当する。
遊技状態を保存するための処理が実行された後、直ちに各出力ポートがオフ状態になるので、保存される遊技状態と整合しない状況が発生することは確実に防止される。図29,図30に示す処理が実行されるときには、遊技機に対する電源供給が停止するので、電気部品に印加される電圧が低下していく。そして、印加電圧が駆動可能電圧を下回った時点で電気部品の駆動は停止する。従って、遊技機に対する電力供給停止時には、短時間の遅れはあるものの電気部品の駆動は停止する。
以下、遊技状態復旧処理について説明する。
図31は、図11のステップS9に示された遊技状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。この例では、CPU356は、バックアップRAMに保存されていた値を各レジスタに復元する(ステップS91)。そして、バックアップRAMに保存されていたデータにもとづいて停電時の遊技状態を確認して復帰させる。すなわち、バックアップRAMに保存されていたデータにもとづいて、ソレノイド回路59を介してソレノイド49やソレノイド54を駆動し、始動入賞口48や開閉板53の開閉状態の復旧を行う(ステップS92,S93)。また、電源断中でも保存されていた特別図柄プロセスフラグおよび普通図柄プロセスフラグの値に応じて、電源断時の特別図柄プロセス処理の進行状況および普通図柄プロセス処理の進行状況に対応した制御コマンドを、表示制御基板165、ランプ制御基板85および音声制御基板97に送出する(ステップS94)。
以上のように、遊技状態復旧処理では、復元された内部状態に応じて、各種電気部品の状態復元が行われるとともに、表示制御基板165、ランプ制御基板85および音声制御基板97に対して、制御状態を電源断時の状態に戻すための制御コマンド(電源断時の制御状態を復旧させるための制御コマンド)が送出される。
遊技状態を電源断時の状態に復帰させると、この実施の形態では、CPU356は、前回の電源断時の割込許可/禁止状態を復帰させるため、バックアップRAMに保存されていたパリティフラグの値を確認する(ステップS95)。パリティフラグがオフ状態であれば、割込許可設定を行う(ステップS96)。しかし、パリティフラグがオン状態であれば、そのまま(ステップS1で設定された割込禁止状態のまま)遊技状態復旧処理を終了する。パリティフラグがオン状態であるということは、図29におけるステップS102に示されたように、前回の電源断時に割込禁止状態であったことを意味する。従って、パリティフラグがオン状態である場合には、割込許可はなされない。
遊技状態が復旧されることによって、電源断時に図柄変動中であった場合には、変動時間の残り時間が復元されたり、始動入賞記憶数が復元されたりする。従って、遊技制御手段は、図柄の変動制御を電源断時の状態から継続することもできるし、復元された始動入賞記憶にもとづいて直ちに新たな図柄変動を開始するための制御(電源断時に図柄変動中でなかった場合)を行うこともできる。また、電源断時に図柄変動中であった場合、その変動において停止表示されるべきであった左右中図柄を示すデータも復元することができる。
図32〜図35は、図31に示す遊技状態復旧処理の制御コマンド送出処理(ステップS94)における表示制御コマンド送出処理例を示すフローチャートである。遊技状態復旧処理の制御コマンド送出処理において、CPU356は、まず、前回電源断したときに特別図柄の変動中であったか否か確認する(ステップS251)。特別図柄の変動中であったか否かは、復元されたデータから判断できる。特別図柄の変動中であった場合には、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にC1(H)を設定し(ステップS256)、コマンドデータ2に00(H)を設定し(ステップS257)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS258)。よって、特別図柄電源復旧表示指定コマンド(復旧コマンド)が設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS259)。
次に、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1に91(H)を設定し(ステップS260)、前回電源断する前に送出した左図柄停止コマンドに対応したデータをコマンドデータ2に設定し(ステップS261)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS262)。よって、前回電源断したときの変動において用いられた左図柄指定コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS263)。
また、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1に92(H)を設定し(ステップS264)、前回電源断する前に送出した中図柄停止コマンドに対応したデータをコマンドデータ2に設定し(ステップS265)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS266)。よって、前回電源断したときの変動において用いられた中図柄指定コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS267)。
さらに、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1に93(H)を設定し(ステップS268)、前回電源断する前に送出した右図柄停止コマンドに対応したデータをコマンドデータ2に設定し(ステップS269)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS270)。よって、前回電源断したときの変動において用いられた右図柄指定コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS271)。
ステップS260〜S271の処理によって、前回電源断したときの変動において用いられた停止図柄を表示することを指示する表示制御コマンドが、コマンド送信テーブルに設定される。
ステップS255において、特別図柄変動中ではなかったことが確認されたら、図33に示すように、CPU356は、まず、コマンド送信個数カウンタ(初期値は0)が指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1に91(H)を設定し(ステップS205)、コマンドデータ2に前回電源断する前に最後に送出した左図柄停止コマンドに対応したデータを設定し(ステップS206A)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS207)。よって、前回電源断する前に最後に送出した左図柄指定コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS209)。
また、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1に92(H)を設定し(ステップS209)、コマンドデータ2に前回電源断する前に最後に送出した中図柄停止コマンドに対応したデータを設定し(ステップS210A)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS211)。よって、前回電源断する前に最後に送出した中図柄指定コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS212)。
さらに、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1に93(H)を設定し(ステップS213)、コマンドデータ2に前回電源断する前に最後に送出した右図柄停止コマンドに対応したデータを設定し(ステップS214A)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS215)。よって、前回電源断する前に最後に送出した右図柄指定コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS216)。
さらに、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にA0(H)を設定し(ステップS217)、コマンドデータ2に00(H)を設定し(ステップS218)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS219)。よって、特別図柄停止コマンド(確定コマンド)が設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS220)。
以上の処理によって、左右中の図柄を指定する図柄指定コマンドと確定コマンドとがコマンド送信テーブルに設定される。そして、それらのコマンドは、後述する表示制御コマンド制御処理(ステップS298)によって表示制御手段に送出される。
表示制御手段は受信した左右中停止図柄コマンドによる図柄を目指して変動制御を行うので、バックアップデータがあって、電源断時に図柄変動中でなかった場合には、図柄の初期変動の後、電源断時に表示されていた左右中図柄が表示されることになる。電源復旧時に図柄の変動は行われるが、停電時等に表示されていた図柄がそのまま停止図柄になるので、遊技者等は、停電等からの復旧処理が行われたことを直ちに認識することができる。なお、CRTやLCDによる可変表示装置を有している遊技機では、電源投入時に遊技制御手段が対応する表示制御コマンドを送出することによって、背景やキャラクタも、停電等の発生時の表示状態に戻すことができる。すなわち、遊技制御手段が、遊技機への電力供給停止時に可変表示装置に表示されていた内容に応じたコマンドを表示制御手段に送出することによって、表示制御手段に対して、遊技機への電力供給停止時に可変表示装置に表示されていた背景やキャラクタ等も復元させることができる。
そして、表示制御手段が普通図柄の表示制御を行う遊技機では、以下のような制御を行ってもよい。すなわち、CPU356は、前回電源断したときに普通図柄の変動中であったか否か確認する(ステップS285)。普通図柄の変動中であったか否かは、復元されたデータから判断できる。普通図柄の変動中であった場合には、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にD4(H)を設定し(ステップS286)、コマンドデータ2に00(H)を設定し(ステップS287)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS288)。よって、普通図柄電源復旧表示定コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS289)。
また、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にD1(H)を設定し(ステップS290)、電源断時に最後に送出した普通図柄左指定の表示制御コマンドに対応したデータをコマンドデータ2に設定し(ステップS291)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS292)。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS293)。
そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にD2(H)を設定し(ステップS294)、電源断時に最後に送出した普通図柄右指定の表示制御コマンドに対応したデータをコマンドデータ2に設定し(ステップS295)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS296)。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS297)。さらに、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にD3(H)を設定し(ステップS381)、コマンドデータ2に00(H)を設定し(ステップS382)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS383)。よって、普通図柄停止コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS220)。なお、このように普通図柄停止コマンドが送出されるように制御するのではなく、普通図柄に関する変動パターンコマンドが送出されるようにしてもよい。この場合には、停電等が発生する前の遊技状態が復旧されるので、遊技制御手段は、普通図柄の変動時間のうち残り時間を計時して、その時点で普通図柄停止コマンドを送出する。従って、表示制御手段は、普通図柄について、残り時間について変動制御を行うことができる。
次いで、図25に示された表示制御コマンド制御処理をコールする(ステップS298)。従って、コマンド送信テーブルに設定された各表示制御コマンドが、順次送出される。なお、この実施の形態では、コマンド送信テーブルに各表示制御コマンドを設定し、その後一括して各コマンドが送出されるが、送出コマンドをバッファに設定し、バッファに設定される都度、バッファ内のコマンドを送出するように構成してもよい。
ステップS285において、普通図柄変動中ではなかったことが確認されたら、図35に示すように、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にD1(H)を設定し(ステップS235)、電源断時に最後に送出した普通図柄左指定の表示制御コマンドに対応したデータをコマンドデータ2に設定し(ステップS236A)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS237)。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS238)。
そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にD2(H)を設定し(ステップS239)、電源断時に最後に送出した普通図柄右指定の表示制御コマンドに対応したデータをコマンドデータ2に設定し(ステップS240A)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS241)。また、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS242)。さらに、コマンド送信個数カウンタが指すコマンド送信テーブルのコマンドデータ1にD3(H)を設定し(ステップS381)、コマンドデータ2に00(H)を設定し(ステップS382)、INTデータに02(H)をセットする(ステップS383)。よって、普通図柄停止コマンドが設定される。そして、CPU356は、コマンド送信個数カウンタの値を更新(+1)する(ステップS220)。
次いで、図25に示された表示制御コマンド制御処理をコールする(ステップS243)。従って、コマンド送信テーブルに設定された各表示制御コマンドが、順次送出される。なお、この実施の形態では、コマンド送信テーブルに各表示制御コマンドを設定し、その後一括して各コマンドが送出されるが、送出コマンドをバッファに設定し、バッファに設定される都度、バッファ内のコマンドを送出するように構成してもよい。
図36は、遊技機への電力供給開始時に、バックアップRAMに遊技状態が保存されていて、かつ、前回の電源断時に特別図柄変動中であった場合に、主基板331から表示制御基板165に送出される特別図柄に関する表示制御コマンドの送出例を示すタイミング図である。図32に示す処理(図31に示す遊技状態復旧処理のステップS94の処理に対応)によって、コマンド送信テーブルに、特別図柄停電復旧表示コマンドおよび左右中の初期表示図柄を指定するコマンドが設定される。そして、表示制御コマンド制御処理(ステップS298)において、それらのコマンドが順次出力される。
従って、図36に示すように、短時間で、それらの表示制御コマンドが送出される。具体的には、全ての表示制御コマンド送出に要する時間は2msの割込発生間隔よりも短く、また、全ての表示制御コマンド送出が完了するまで、少なくとも2msのタイマ割込はかからない。
また、図37は、遊技機への電力供給開始時に、バックアップRAMに遊技状態が保存されていて、かつ、前回の電源断時に特別図柄変動中でなかった場合に、主基板331から表示制御基板165に送出される特別図柄に関する表示制御コマンドの送出例を示すタイミング図である。図33に示す処理(図31に示す遊技状態復旧処理のステップS94の処理の後半に対応)によって、コマンド送信テーブルに、左右中の図柄を指定する図柄指定コマンドおよび特別図柄停止コマンド(確定コマンド)が設定される。そして、表示制御コマンド制御処理(ステップS298)において、それらのコマンドが順次出力される。
次に、表示制御手段の動作について説明する。図38は、表示制御基板165におけるドラムモータ200A,200B,200Cの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。図38に示すように、主基板331や表示制御基板165等の各種制御基板とは別に設けられている電源基板910から、ドラムモータ200A,200B,200Cの駆動用として+30V電圧が表示制御基板165に供給されている。+30V電圧は、各ドラムモータ200A,200B,200C対応に設けられているスイッチング回路191A,191B,191CおよびA−D変換器410に入力される。
スイッチング回路191A,191B,191Cは表示制御用CPU401の内蔵出力ポートからのスイッチング信号に応じて+30Vパルス波形(PWM波形)を生成する。例えば、スイッチング回路191Aにおいて、出力ポートからハイレベルが出力されている期間では、トランジスタTr1とトランジスタTr2がともに導通し、VA出力端子は0Vとなる。また、出力ポートからローレベルが出力されている期間では、トランジスタTr1とトランジスタTr2がともに遮断状態になり、ダイオードを介してVA出力端子に+30Vが現れる(ダイオードによる電圧降下は無視する。)。
なお、図38にはスイッチング回路191Aの構成例のみが示されているが、スイッチング回路191Bおよびスイッチング回路191Cの構成は、スイッチング回路191Aの構成と同じである。
表示制御用CPU401は、A−D変換器410を介して+30電圧を監視する。そして、その値が+30Vからずれると、スイッチング回路191A,191B,191Cに与えられるスイッチング信号のデューティ比を調整する。
また、表示制御用CPU401から、出力ポート511を介してドラムモータ200A,200B,200Cの各駆動コイルを駆動するためのモータ駆動信号が出力される。出力ポート511からのモータ駆動信号は、駆動回路(増幅回路)176A,176B,176Cを介してドラムモータ200A,200B,200Cの各駆動コイルの一端に印加される。各駆動コイルの他端には、スイッチング回路191A,191B,191Cによって生成されたPWM波形が印加される。PWM波形は、各駆動コイルに対する実効的な電源電圧となる。なお、駆動回路176A,176B,176Cおよびスイッチング回路191A,191B,191Cは、駆動手段であるドラムモータ200A,200B,200Cを制御する駆動制御回路である。
ドラムモータ200A〜200Cには、位置検出のためのドラムセンサ139A,139B,139Cが設置されている。ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号は、増幅回路177および入力ポート521を介して表示制御用CPU401に入力される。それぞれの回転ドラム122A〜122Cの所定位置に、無反射部分が設けられている。そして、無反射部分を検出できるような位置に、例えば反射型フォトセンサによるドラムセンサ139A,139B,139Cが設けられている。ドラムセンサ139A,139B,139Cは、それぞれ、無反射部分を検知すると、そのことを示す検出信号を出力する。表示制御用CPU401は、検出信号によって回転ドラム122A〜122Cの位置が所定位置にきたことを認識でき、その位置を基準として、回転中の任意のタイミングにおける回転ドラム122A〜122Cの位置すなわち表示図柄を認識することができる。なお、ドラムセンサ139A,139B,139Cには、電源基板からの+12V電圧が供給される。
図39は、表示制御基板165におけるドラムランプ151A〜151Cの駆動に関する部分の一構成例を示すブロック図である。この例では、ドラムランプ151A〜151Cは、それぞれ3つの白色のルナライト(熱陰極管)と、2つの赤色のルナライトとを含む。
各ルナライトのフィラメント側の2端子の一方は接地され、他方にはヒータ駆動電圧が印加される。また、アノードには、表示制御用CPU401から、出力ポート511および駆動回路(増幅回路)178A,178B,178Cを介して点灯信号が印加される。ルナライトは、ヒータ駆動電圧が印加されてフィラメントが加熱されている状態でアノードに点灯信号が印加されると発光する。
図39に示すように、この実施の形態では、各ドラムランプ151A〜151Cにおける3つの白色のルナライトのヒータ駆動電圧と、2つの赤色のルナライトのヒータ駆動電圧とは、別系統で制御されている。この例では、表示制御用CPU401の内蔵出力ポートから赤ルナライト駆動用制御信号と白ルナライト駆動用制御信号とが独立して出力される。また、各ドラムランプ151A〜151Cにの全ての白ルナライトのフィラメントは1つのヒータ駆動電圧で駆動され、全ての赤ルナライトのフィラメントは1つのヒータ駆動電圧で駆動される。この実施の形態では、全ての白ルナライトが同期して点滅し、全ての赤ルナライトが同期して点滅する。従って、全ての白ルナライトと全ての赤ルナライトとが、それぞれ1つのヒータ駆動電圧で駆動されても問題はない。
表示制御用CPU401からの赤ルナライト駆動用制御信号は、スイッチング回路178Dのスイッチング信号となる。スイッチング回路178Dは、スイッチング信号に応じて、電源基板から供給される+5.4V電圧を各ドラムランプ151A〜151Cの赤色ルナライトのフィラメントに供給したり遮断したりする。また、白ルナライト駆動用制御信号は、スイッチング回路178Eのスイッチング信号となる。スイッチング回路178Eは、スイッチング信号に応じて、電源基板から供給される+5.4V電圧を各ドラムランプ151A〜151Cの白色ルナライトのフィラメントに供給したり遮断したりする。
図40は、表示制御用CPU401が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域をクリアする等の初期値設定処理が行われる(ステップS701)。その後、この実施の形態では、表示制御用CPU401は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。なお、ループ内では所定の乱数を発生するためのカウンタを更新する処理も行われる(ステップS710)。そして、図41に示すように、タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU401は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の可変表示制御処理を実行する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかるとする。すなわち、可変表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な可変表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で可変表示制御処理を実行してもよい。
可変表示制御処理において、表示制御用CPU401は、まず、ドラムセンサ139A,139B,139Cがオンしたか否か判定するセンサ処理を行う(ステップS704)。さらに、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS705)。次いで、表示制御用CPU401は、ドラムモータ200A,200B,200Cに対して駆動信号を出力し、所定の回転数分ドラムモータ200A,200B,200Cを回転させるモータ制御処理を行う(ステップS706)。
この実施の形態では、ドラムモータ200A,200B,200Cの駆動方式として1−2相励磁方式が用いられる。従って、具体的には、モータ制御処理(ステップS706)において、基準励磁パターンを含む8種類の励磁パターンデータが繰り返しドラムモータ200A,200B,200Cに出力される。また、この例では、回転ドラム122A〜122Cは、240ステップ(1図柄あたり12ステップ)の励磁パターンが与えられると1回転する。従って、1回転するうちに、240/8=30の基準励磁パターンが各ドラムモータ200A,200B,200Cに与えられる。すなわち、表示制御用CPU401は、30回の励磁パターンが出力されると、ドラムモータ200A,200B,200Cが1回転したと認識することができる。また、12ステップの励磁パターンが出力されると、1図柄分回転したと認識することができる。
表示制御手段のRAMには、例えば、左右中図柄の現在表示図柄を示すデータエリアが用意される。そして、モータ制御処理において、12ステップの励磁パターンが出力されると、現在表示図柄を示すデータが+1される。
次いで表示制御用CPU401は、表示制御プロセス処理を行う(ステップS708)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。その後、ステップS710に戻る。
次に、主基板331からの表示制御コマンド受信処理について説明する。図42は、主基板331から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
図43は、割込処理による表示制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板331からの表示制御用のINT信号は表示制御用CPU401の割込端子に入力されている。例えば、主基板331からのINT信号がオン状態になると、表示制御用CPU401において割込がかかる。そして、図43に示す表示制御コマンドの受信処理が開始される。
表示制御コマンドの受信処理において、表示制御用CPU401は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS670)。なお、割込が発生すると表示制御用CPU401は自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、ステップS670の処理の実行前に割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。次いで、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS671)。そして、2バイト構成の表示制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS672)。
1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのMODEデータ(1バイト目)のはずである(図21参照)。そこで、表示制御用CPU401は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS673)。
表示制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS674)。既に受信したか否かは、受信バッファ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS675)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのEXTデータ(2バイト目)のはずである(図21参照)。なお、ステップS674における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。
ステップS675において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS676)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS677)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS678)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS679)、割込許可に設定する(ステップS680)。
表示制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。なお、このことは、払出制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドについても同様である。
図44は、図40に示す表示制御手段の初期化処理の具体例を示すフローチャートである。なお、ここでは、特別図柄の初期化に着目して説明を行うが、表示制御手段が普通図柄の表示制御も行う場合には、普通図柄の初期表示制御も実行される。
初期化処理において、表示制御用CPU401は、まず、レジスタやRAMの初期化を行う(ステップS718)。そして、コマンド解析処理(ステップS719)をコールしつつ、主基板331から特別図柄電源投入表示コマンドまたは特別図柄停電復旧表示コマンドの受信を待つ(ステップS720,S721)。特別図柄電源投入表示コマンドを受信したら、ドラムモータ200A,200B,200Cの駆動を開始する(ステップS724)。特別図柄停電復旧表示コマンドを受信したら、ドラムモータ200A,200B,200Cの駆動を開始する(ステップS724)。このように、電力供給開始時に実行される初期化処理では、変動パターンコマンドを最初に受信しなくてもエラーフラグをセットしない。
また、確定コマンドを受信した場合には(ステップS722)、エラーフラグをセットした後(ステップS723)、ドラムモータ200A,200B,200Cの駆動を開始する(ステップS724)。このように、電力供給開始時に実行される初期化処理で、確定コマンドを最初に受信した場合にはエラーフラグをセットする。なお、確定コマンドを最初に受信する場合は、電力供給開始時に、遊技制御手段のバックアップRAMに遊技状態が保存されていて、かつ、前回の電源断時に特別図柄変動中でなかった場合である。従って、左右中の図柄を指定する図柄指定コマンドと特別図柄停止コマンド(確定コマンド)とが送出される(図37参照)。すなわち、電力供給が開始された後、表示制御手段が図柄指定コマンドを受信する以前に他のコマンドを受信していなかった場合にはエラーフラグがセットされる。そして、ドラムセンサ139A,139B,139Cの検出信号が回転ドラム122A〜122Cの無反射部分を検出するか否か(ドラムセンサがオンするか否か)を関するための監視タイマをセットする(ステップS725)。
なお、この段階では、初期化処理(ステップS721)によってドラムランプ151A〜151Cは消灯されている。ただし、主基板331から客待ちデモ表示コマンドを受信すると、客待ちデモ表示用のランプ点灯パターンでドラムランプ151A〜151Cはは点灯/消灯することになる。
そして、コマンド解析処理(ステップS726)およびモータ制御処理とドラムランプ処理をコールしつつ(ステップS727)、ドラムセンサがオンするのを待つ(ステップS728)。なお、図44には1つのドラムセンサのオンを待つことが示されているが、実際には、3つのドラムセンサ139A,139B,139Cのそれぞれについて、ステップS726〜S729の処理が行われる。また、モータ制御処理(ステップS727)は、メイン処理におけるステップS706の処理と同じである。
ドラムセンサがオンする前に監視タイマがタイムアウトした場合には(ステップS731)、ステップS765に移行する。また、主基板331から変動パターンコマンドを受信した場合には(ステップS732)、通常の可変表示制御に移行するための処理を行う。ここで、特別図柄停電復旧表示コマンドを受信していた場合には(ステップS729)、ドラムランプ消灯要求をセットする(ステップS730)。なお、ドラムランプ消灯要求に代えて、ドラムランプが所定の点灯パターンで点滅したり、点灯したり、消灯したりするような要求を行ってもよい。ただし、そのようなパターンは、通常の図柄変動時に用いられる点灯パターンとは異なるものである。すなわち、特別図柄停電復旧表示コマンドを受信したことを特定できるような点灯パターンが用いられる。また、点灯または消灯は、白色ルナライトのみ、または、赤色ルナライトのみを対象にしてもよい。
ドラムセンサがオンすると、回転ドラムが所定位置にきたことになるので、その位置に対応する現在表示図柄を現在表示図柄データエリアにセットし、主基板331から受信している左右中の停止図柄を示すデータと現在表示図柄データとの差に応じて、停止図柄を表示した状態でドラムモータの回転を停止するまでの時間を算出する(ステップS741)。そして、算出した時間をタイマにセットする(ステップS742)。
なお、ステップS741において、特別図柄電源投入表示コマンドを受信していた場合には、あらかじめ決められている左右中の停止図柄を示すデータと現在表示図柄データとの差に応じて、停止図柄を表示した状態でドラムモータの回転を停止するまでの時間を算出する。
次いで、表示制御用CPU401は、コマンド解析処理(ステップS743)およびモータ制御処理とドラムランプ処理をコールしつつ(ステップS744)、タイマがタイムアウトするのを待つ(ステップS745)。タイマがタイムアウトする前に主基板331から変動パターンコマンドを受信した場合には(ステップS746)、通常の可変表示制御に移行するための処理を行う。
タイマがタイムアウトすると、主基板331から特別図柄停電復旧表示コマンドを受信していた場合には(ステップS747)、揺れ動作指示フラグをセットする(ステップS752)。そして、確定コマンドを受信するか(ステップS754)、変動パターン指定コマンドを受信するまで(ステップS755)、その状態を維持する。なお、この間、コマンド解析処理、モータ制御処理およびドラムランプ処理がコールされる(ステップS753)。
特別図柄停電復旧表示コマンドを受信していない場合には(ステップS747)、ドラムモータの駆動をオフする(ステップS748)。そして、特別図柄電源投入表示コマンドを受信していた場合には(ステップS740)、ステップS759に移行し初期化処理を終了する。そうでない場合には、確定コマンドまたは変動パターン指定コマンドを受信するのを待つ(ステップS750,S751)。なお、この間、コマンド解析処理、モータ制御処理およびドラムランプ処理がコールされる(ステップS749)。そして、確定コマンドを受信したら、表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定を行って(ステップS759)、初期化処理を終了する。変動パターンコマンドを受信した場合には、通常の可変表示制御に移行するための処理を行う。
表示制御用CPU401は、揺れ動作指示フラグがオンしているときに、確定コマンドを受信したら(ステップS754)、揺れ動作指示フラグをリセットし(ステップS756)、ランプ消灯要求をリセットし(ステップS757)、ドラムモータの駆動をオフし(ステップS758)、表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定を行って(ステップS759)、初期化処理を終了する。
なお、実際にドラムモータの駆動を停止するのは、モータ制御処理においてなされることが好ましい。突然にドラムモータへの通電を断ったのでは、ドラムモータに対して悪影響を及ぼすおそれがあるからである。従って、実際には、ドラムモータ停止要求フラグをセットしてモータ制御処理をコールする。そして、モータ制御処理において、ドラムモータ停止要求フラグのオンが検出されたら、適切なタイミングでドラムモータの駆動が停止される。なお、適切なタイミングとは、一連の励磁パターン出力のうちの適正なタイミング(1つの励磁パターン出力完了時等)である。
また、モータ制御処理では、揺れ動作指示フラグがオンしている場合には、ドラムモータ200A,200B,200Cに対して、所定ステップ数分の正転用の励磁パターンの出力と所定ステップ数分の逆転用の励磁パターンの出力とを繰り返す。従って、回転ドラム122A〜122Cは揺れ動作を行う。
図46は、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される処理であって、通常の制御に移行するための処理を示すフローチャートである。その処理において、表示制御用CPU401は、変動移行報知パターンを、点灯パターンテーブルとして使用することに決定する(ステップS760)、点灯パターンテーブルとは、メイン処理におけるドラムランプ処理(ステップS707)で用いられるテーブルであり、ドラムランプ処理では、点灯パターンテーブルとして使用することに決定されているテーブルに設定されている点灯/消灯パターンに従ってドラムランプ151A〜151Cの点灯/消灯を制御する。また、変動移行報知パターンとは、初期表示制御中に変動パターンデータを受信して図柄変動制御に移行したことを報知するための点灯/消灯パターンが設定されているテーブルである。
さらに、表示制御用CPU401は、所定期間ディレイ要求フラグをセットし(ステップS761)、ドラムモータの駆動を直ちにオフして(ステップS762)、表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定を行って(ステップS763)、メイン処理のステップS704に移行する。
図47は、ドラムセンサ139A,139B,139Cの異常が検出された場合の処理を示すフローチャートである。この処理は、所定時間内にドラムセンサがオンしなかった場合に実行される。所定時間内にドラムセンサがオンしなかった場合には、回転ドラム122A〜122Cの動作が不良であったり、ドラムモータ200A,200B,200Cが不良であったり、ドラムセンサ139A,139B,139Cが不良であったりすることを意味する。そこで、表示制御用CPU401は、そのような場合には、異常を検出したとする。
従って、表示制御用CPU401は、エラーフラグをセットする(ステップS765)。エラーフラグのセットに応じて、エラーを示す試験用信号が遊技機外部に出力される。また、コマンド解析処理、モータ制御処理およびドラムランプ処理をコールしつつ(ステップS766)、変動パターンコマンドの受信をチェックする(ステップS767)。変動パターンコマンドを受信した場合には、通常の可変表示制御に移行するための処理を行う。
よって、異常が検出された場合には、ドラムモータは回転し続ける。従って、遊技店員等は、直ちにドラムセンサ異常が生じたことを認識できる。
以上のような初期化処理によって、遊技機への電力供給が開始されたときに、主基板331から、左右中図柄を指定するコマンドおよび確定コマンドを受信したら、表示制御手段は、左右中図柄を指定するコマンドで指定された図柄を初期図柄として表示するための制御を実行する。また、特別図柄停電復旧表示コマンドおよび左右中図柄を指定するコマンドを受信したら、表示制御手段は、左右中図柄を指定するコマンドで指定された図柄を初期図柄として表示するための制御を実行するとともに、確定コマンドを受信するまで図柄を仮停止(揺れ動作)させる制御を行う。なお、この場合、エラーフラグがセットされる。さらに、特別図柄電源投入表示コマンドを受信したら、あらかじめ決められている左右中図柄を表示するための制御を行う。この場合、エラーフラグはセットされない。
このように、電源投入時に主基板331から受信した特別図柄電源投入表示コマンド、左右中図柄を指定するコマンドおよび確定コマンド、または、特別図柄停電復旧表示コマンドおよび左右中図柄を指定するコマンドにもとづいて初期図柄表示制御が行われることによって、確実に、かつ、迅速に電源投入時の初期表示が実現される。
なお、既に説明したように、遊技制御手段は、バックアップRAMに遊技状態が保存されていない場合に、特別図柄電源投入表示コマンドを送出する。バックアップRAMに遊技状態が保存されていたが、保存されていた遊技状態が図柄変動中でないことを示していた場合に、左右中図柄を指定するコマンドおよび確定コマンドの順に各コマンドを送出する。また、バックアップRAMに保存されていた遊技状態が図柄変動中であった場合に、特別図柄停電復旧表示コマンドおよび左右中図柄を指定するコマンドの順に各コマンドを送出する。なお、バックアップRAMに保存されていた遊技状態が図柄変動中であった場合に送出される左右中図柄を指定するコマンドは、電源断前に最後に送出された左右中図柄を指定するコマンドと同一である。
さらに、特別図柄停電復旧表示コマンドを受信した場合には、左右中図柄が、確定コマンドが受信されるまで、停止図柄で仮停止(揺れ動作)される。従って、遊技者は、停電復旧処理が行われていることを容易に視認できる。また、特別図柄停電復旧表示コマンドを受信した場合には、確定コマンドが受信されるまで、ドラムランプ消灯要求フラグがセットされている。よって、その間、ドラムランプ処理によって、全てのドラムランプ151A〜151Cが消灯される。従って、この点からも、遊技者は、停電復旧処理が行われていることを容易に視認できる。
また、特別図柄停電復旧表示コマンドを受信した場合に、揺れ動作が停止するまでの時間は、電源断時に実行中であった図柄変動のうちの未実行であった変動時間分に相当する。遊技制御手段が特別図柄停電復旧表示コマンドを送出するのは、遊技状態がバックアップRAMに保存されていて、かつ、保存されていた遊技状態が図柄変動中であった場合である。遊技制御手段は、遊技状態復旧処理で遊技状態の復旧処理を行うが、その処理において、未実行であった変動時間も復元される。そして、復元された変動時間が経過したら、図柄の変動を停止させるためのコマンド(この例では確定コマンド)を表示制御手段に対して送出する。表示制御手段は、そのコマンドを受信するまで図柄を揺れ変動させる。従って、電源断時に実行中であった図柄変動のうちの未実行であった変動時間に相当する時間が経過すると、揺れ変動が終了する。
ただし、未実行であった変動時間が比較的短かった場合または新たに開始される図柄変動の変動時間が短かった場合等には、ドラムモータが停止図柄を目指してまだ回転中であるときに確定コマンドを受信することがある。その場合には、停止図柄を表示するまでのタイマがタイムアウトしてから(ステップS745参照)確定コマンドの受信確認が行われるので、未実行であった変動時間を越えて図柄の変動が行われる。ドラムモータ回転中に確定コマンドを受信した場合には、早めに停止図柄を表示させるために、ドラムモータの回転方向として、現在表示図柄と停止図柄との間の距離が近い方向を選定するようにしてもよい。すなわち、モータの回転を逆転させることを許容してもよい。なお、停止図柄を表示するとは、左右中の特別図柄表示領域の中段に停止図柄を表示させることである。
また、図柄表示の初期化処理を行っているときに、変動パターンコマンドが受信されたときには、表示制御手段は、初期化処理を中断してステップS704に移行する。ステップS704以降の処理は通常の可変表示制御処理であるから、結局、変動パターンコマンドが受信されたときには通常の可変表示制御処理に直ちに移行する。その結果、不必要な初期化処理の実行が抑制され、遊技制御の迅速化を図ることができる。
図48は、表示制御手段における図柄データ記憶領域の構成例を示す説明図である。この例では、主基板331から受信した左右中図柄を示すコマンドが今回図柄エリア(第1の識別情報格納領域)に格納される。ただし、格納されるのは、2バイトのコマンドのうちのEXTデータ(1バイト)である。この例では、EXTデータの内容は図柄番号に相当する。そして、今回図柄エリアの内容が有効であることを示す有効フラグが用意される。今回図柄エリアの内容は、例えば、確定コマンドを受信したときに、前回図柄エリア(第2の識別情報格納領域)に複写される。そのとき、有効フラグがクリアされる。すなわち、今回図柄エリアが初期化される。なお、表示制御用CPU401は、図柄データ記憶領域に格納した図柄番号で指定される左右中の各図柄を、可変表示装置26における左右中の特別図柄表示領域のそれぞれの中段に表示させる停止図柄として使用する。すなわち、図柄指定コマンドで指定された図柄は、特別図柄表示領域のそれぞれの中段に表示される。
図49は、コマンド解析処理(ステップS705,S722,S726,S743等)の具体例を示すフローチャートである。主基板331から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されているコマンドの内容が確認される。
コマンド解析処理において、表示制御用CPU401は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS681)。格納されているか否かは、コマンド受信カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPU401は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS682)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
読み出した受信コマンドが左図柄指定コマンドであれば(ステップS683)、そのコマンドのEXTデータを今回格納エリアの左停止図柄格納エリアに格納し(ステップS684)、対応する有効フラグをセットする(ステップS685)。なお、左図柄指定コマンドであるか否かは、2バイトの表示制御コマンドのうちの1バイト目(MODEデータ)によって直ちに認識できる。
読み出した受信コマンドが中図柄指定コマンドであれば(ステップS686)、そのコマンドのEXTデータを今回格納エリアの中停止図柄格納エリアに格納し(ステップS687)、対応する有効フラグをセットする(ステップS688)。読み出した受信コマンドが右図柄指定コマンドであれば(ステップS689)、そのコマンドのEXTデータを今回格納エリアの右停止図柄格納エリアに格納し(ステップS690)、対応する有効フラグをセットする(ステップS691)。
読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS695)。
図50は、図40に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS708)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S804のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグがセットされたか否か確認する。そのようなフラグは、受信コマンドバッファに格納された受信コマンドが、変動パターンコマンドである場合にセットされる。
全図柄変動開始処理(ステップS801):左右中図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
全図柄停止待ち設定処理(ステップS803):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、ドラムランプ151A〜151Cを用いて、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
図51は、乱数値とドラムランプ点灯パターンの関係の一例を示す説明図である。この実施の形態では、複数用意されている変動パターンのそれぞれについて複数のドラムランプ点灯パターンが用意されている。そして、表示制御手段は、乱数を抽出し、抽出値に応じたドラムランプ点灯パターンを図柄変動中において用いることに決定する。図51には、変動パターン#1に関する例が示されているが、全ての変動パターンについて、乱数値と各ドラムランプ点灯パターンとの関係が、ROMテーブルとして用意されている。
なお、図51では比較的簡単なドラムランプ点灯パターン(点灯時間と消灯時間のみ)が示されているが、この実施の形態では、図7や図39に例示したように各ドラムについて多数のドラムランプとしてのルナライトが設けられている。従って、各ドラムランプ点灯パターンをより複雑なパターンとして、遊技効果を増進することができる。また、図51では、第1〜第3のパターンとして、それぞれ1つのパターンが例示されているが、ドラムランプ151A〜151Cは左右中のドラムのそれぞれに対して設けられているので、それぞれのドラムについて別のパターンを用いてもよい。
図52は、表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理表示制御用CPU401は、変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する(ステップS811)。受信していれば、表示制御プロセスフラグの値を、全図柄変動開始処理に応じた値にする(ステップS812)。また、今回図柄エリアにおける有効フラグをリセットする(ステップS826)。なお、ここで、エラーフラグをリセットしておく(ステップS827)。
変動パターンコマンドを受信していない場合には、確定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS813)。確定コマンドを受信した場合には、今回図柄エリア中の左右中図柄番号のうちの有効フラグオンに対応した図柄番号を、停止図柄の番号としてロードする。また、左右中図柄のうち有効フラグがオンしていない図柄については、前回図柄エリアに格納されている図柄番号を停止図柄の番号としてロードする。(ステップS814)。そして、前回図柄エリアに格納されている図柄番号を用いる場合には、暫定図柄使用フラグをセットする(ステップS815)。なお、暫定図柄使用フラグ左右中図柄のそれぞれに対応して用意されている。
暫定図柄使用フラグがセットされた場合には、ロードした図柄番号による各図柄の組み合わせが大当りとなるか否かを確認する(ステップS816,S817)。大当りの組み合わせとなるのであれば、左右中図柄のうち暫定図柄使用フラグがセットされている図柄の図柄番号を+1してその数値を図柄番号とする(ステップS818)。このような制御を行うことによって、暫定的に前回図柄エリアのデータ(前回の変動において用いられた停止図柄)を使用した場合であっても、大当りの組み合わせとなってしまうことは防止される。
例えば、左右中図柄のいずれかに対応して暫定図柄使用フラグがセットされている場合には、暫定図柄使用フラグがセットされている図柄の図柄番号を+1する。左右図柄に対応して暫定図柄使用フラグがセットされている場合には、左図柄の図柄番号を+1する。左中図柄に対応して暫定図柄使用フラグがセットされている場合には、左図柄の図柄番号を+1する。中右図柄に対応して暫定図柄使用フラグがセットされている場合には、右図柄の図柄番号を+1する。左右中図柄に対応して暫定図柄使用フラグがセットされている場合には、左図柄の図柄番号を+1する。このように、図柄番号が+1される図柄はあらかじめ定められている。ただし、上記の選定の仕方は単なる一例であり、左右中図柄のうち図柄番号が+1される図柄は、どのように決められていてもよい。
次に、表示制御用CPU401は、左右中の停止図柄を示すデータ(図柄番号)と現在表示図柄データを示すデータとの差に応じて、停止図柄を表示した状態でドラムモータの回転を停止するまでの時間を算出する。また、早めに停止図柄を表示させるために、ドラムモータの回転方向として、現在表示図柄と停止図柄との間の距離が近い方向を選定する(ステップS819)。そして、決定した変動方向をモータ制御処理に通知するために変動方向を指定するデータを所定のデータエリアにセットするとともに(ステップS820)、算出した時間を変動タイマにセットする(ステップS821)。また、エラーフラグをセットする(ステップS828)。ここで設定される変動時間タイマは、表示図柄を、指定された停止図柄とするための左右中のそれぞれの変動時間を設定するタイマである。従って、その時間は、現在表示図柄と停止図柄との距離と、ドラムモータ回転速度とから決定される。なお、その時間は、連続的に図柄変動がなされる場合のインタバル時間(停止時間=遊技制御手段における確定コマンド〜次の変動に関する変動パターンコマンド送出)よりも短いことが好ましい。従って、そのときのドラムモータの回転速度が低い場合には、例えば、徐々に回転速度を上げて最高速度で回転するように制御する。この実施の形態では、例えば、現在表示図柄と停止図柄との間の距離が最大である場合でも、上記の停止時間内に停止図柄を表示できるような性能のドラムモータ200A,200B,200Cが用いられている。また、変動方向を決定する際に(ステップS819)、いずれの方向でも現在表示図柄と停止図柄との間の距離が同じである場合には、あらかじめ決められた方向を変動方向とする。あらかじめ決められた方向は、例えば、正転方向(図柄が上から下に変動する方向)である。また、左右中図柄のうち、現在表示図柄と停止図柄とが同じものである場合には、その図柄に関する変動タイマに0を設定する。すなわち、そのような図柄については変動を行わない。また、左右中図柄のうち暫定使用フラグがセットされている図柄については、変動タイマに0を設定してもよい。すなわち、左右中図柄のうち図柄指定コマンドを受信できていない図柄については変動させないようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドを受信せずに確定コマンドを受信した場合には、エラーフラグがセットされる(ステップS828)。エラーフラグがセットされたときには、後述するように、エラーを示す試験信号が出力される。従って、遊技機外部において、エラーが生じたことを容易に観測できる。なお、電源投入時には、変動パターンコマンドを受信しなくてもエラーとはしない(ステップS723)。既に説明したように、電源投入時は、遊技制御手段が、変動パターンコマンドを送出せずに確定コマンドを送出するからである。
次いで、今回図柄エリアの内容を前回図柄エリアに複写するとともに(ステップS822)、有効フラグをリセットする(ステップS823)。また、ドラムモータの駆動を開始して(ステップS824)、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に応じた値にする(ステップS825)。
変動パターンコマンドを受信せずに確定コマンドを受信した場合として、例えば、何らかの理由で変動パターンコマンドが受信できなかった場合がある。その場合でも、上述したように、表示制御手段は、停止図柄が表示されるように図柄の変動制御を行うことができる。
そして、停止図柄を示すコマンドが受信できなかった場合には、前回の図柄変動において用いられた停止図柄を使用する。従って、停止図柄を示す表示制御コマンドが受信できなかったときでも、図柄変動制御が中断してしまったり停止してしまったりするようなことはない。
図53は、表示制御プロセス処理における全図柄変動開始処理を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、表示制御用CPU401は、まず、所定期間ディレイ中であるか否か確認する(ステップS830)。動作中でなければ、所定期間ディレイ要求があるか否か確認する(ステップS831)。なお、所定期間ディレイ要求は、初期化処理におけるステップS761、すなわち、図柄表示の初期化処理中に変動パターンコマンドを受信した場合にセットされる。
所定期間ディレイ要求がある場合には、所定期間ディレイ動作を行うためのディレイタイマをセットする(ステップS832)。このような処理によって、図柄表示の初期化処理中に変動パターンコマンドを受信した場合に所定期間ドラムモータの駆動が停止され、図柄の変動は中断される。また、この間、ドラムランプ点灯パターンとして、変動移行報知パターンが用いられる。よって、遊技者は、初期化処理中に通常の図柄変動に移行したことを容易に認識できる。また、後述するように、実際に変動(回転)が開始された後では変動パターンに応じたランプ点灯パターンが用いられる。すなわち、その段階で、ランプ点灯パターンが変更される。よって、遊技者は、実際の図柄変動(初期化処理ではない)に移行したことも容易に認識できる。
なお、初期化処理中に変動パターンコマンドが受信される場合とは、表示制御手段が初期化処理を行っているときに始動入賞口48に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合の他に、バックアップRAMに保存されていた遊技状態を復元したときに始動記憶数が0でなかった場合もある。遊技制御手段は、始動条件が成立したり、始動記憶数が0でなかった場合には、図柄変動を開始させるために直ちに変動パターンコマンドを送出するが、表示制御手段の側で、初期化処理中に変動パターンコマンドが受信されると直ちに通常の図柄変動に移行するように構成されているので、遊技者に不利益が与えられることはない。
所定期間ディレイ要求がない場合、または、あっても所定期間ディレイが終了した場合には、表示制御用CPU401は、乱数を抽出し、抽出値に応じてランプ点灯パターンを決定し(ステップS834)、決定したパターンが設定されているテーブルを、点灯パターンテーブルとして使用することに決定する(ステップS835)。
次に、図柄指定コマンド待ちタイマ(この例では0.5秒)をセットし(ステップS836)、ドラムモータの駆動を開始し(ステップS837)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS838)。
図54は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、表示制御用CPU401は、まず、ステップS836で設定した0.5秒の時間の経過後であるか否かを確認する(ステップS840)。経過後であればステップS873に移行する。経過後でなければ、ステップS836で設定されたタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。タイムアウトしていた場合には、以下のように、停止図柄の決定処理を行う。なお、この実施の形態における0.5秒の値は一例であって、遊技機の構造の違い等に応じて異なる値が用いられる。
すなわち、今回図柄エリアにおける左図柄に関する有効フラグがオン状態であれば(ステップS842)、今回図柄エリアの左停止図柄格納エリアに格納されている図柄番号を左停止図柄の図柄番号としてロードする(ステップS843)。左図柄に関する有効フラグがオン状態でなければ、前回図柄エリアの左停止図柄格納エリアに格納されている図柄番号を左停止図柄の図柄番号としてロードし(ステップS844)、暫定図柄使用フラグをセットする(ステップS845)。
また、今回図柄エリアにおける中図柄に関する有効フラグがオン状態であれば(ステップS846)、今回図柄エリアの中停止図柄格納エリアに格納されている図柄番号を中停止図柄の図柄番号としてロードする(ステップS847)。中図柄に関する有効フラグがオン状態でなければ、前回図柄エリアの中停止図柄格納エリアに格納されている図柄番号を中停止図柄の図柄番号としてロードし(ステップS848)、暫定図柄使用フラグをセットする(ステップS849)。
そして、今回図柄エリアにおける右図柄に関する有効フラグがオン状態であれば(ステップS850)、今回図柄エリアの右停止図柄格納エリアに格納されている図柄番号を右停止図柄の図柄番号としてロードする(ステップS851)。右図柄に関する有効フラグがオン状態でなければ、前回図柄エリアの右停止図柄格納エリアに格納されている図柄番号を右停止図柄の図柄番号としてロードし(ステップS852)、暫定図柄使用フラグをセットする(ステップS853)。
以上のような処理によって、変動パターンコマンド受信後、例えば0.5秒が経過したら、受信図柄指定コマンドのチェックが行われる。左右中の停止図柄を指定するコマンドは変動パターンコマンドに続けて出力されるので、一般には、0.5秒が経過したときに、左右中の停止図柄を指定するコマンドが既に受信され、それらに応じた図柄番号が今回図柄エリアに設定されている。そして、左右中の停止図柄を指定するコマンドを受信したときに直ちにそれらがチェックされるのではなく、受信後に時間をおいてからチェックされるので、左右中の図柄指定コマンドの受信順はいずれであってもよいことになる。例えば、中→左→右の順で図柄指定コマンドを受信した場合であっても、ステップS841〜S853の処理によって、問題なく、左右中の停止図柄は表示制御手段において認識される。
また、0.5秒経過後に、左右中の停止図柄のうち受信されていなかった停止図柄指定コマンドがあった場合には、前回の変動において用いられた停止図柄が使用される。従って、停止図柄を指定するコマンドが何らかの理由で受信されなかった場合でも、図柄の変動制御は続行されている。なお、今回図柄エリアとして、所定期間(この例では、0.5秒)が経過する前に用いられる領域と、所定期間経過後に用いられる領域との2つを設けてもよい。その場合には、図49に示されたコマンド解析処理によって図柄指定コマンドの受信を確認したときに、所定期間経過前と後とで、異なる今回図柄エリアに図柄番号が格納される。また、ステップS843、S847、S851で扱われる今回図柄エリアは、当然、所定期間経過前に用いられる領域である。
そして、暫定図柄使用フラグがセットされた場合には、ロードした図柄番号による各図柄の組み合わせが大当りとなるか否かを確認する(ステップS861,S862)。大当りの組み合わせとなるのであれば、左右中図柄のうち暫定図柄使用フラグがセットされている図柄の図柄番号を+1してその数値を図柄番号とする(ステップS863)。また、表示制御用CPU401は、変動パターンに応じた変動時間に対応したドラムモータ駆動時間を設定する(ステップS864)。ここで、所定時間ディレイ動作を行った後では、その時間分を減算してドラムモータ駆動時間を設定する。
以上の処理によって、表示制御手段は、変動パターンコマンドを受信してから所定期間(この例では0.5秒)内に図柄指定コマンドを受信しなかった場合には、受信しなかった図柄指定コマンドに対応する図柄(左右中図柄のうちの一つ以上)については、所定の制御として、以前に受信した図柄指定コマンドであって最新の図柄指定コマンドに応じた図柄を指定された停止図柄と見なし、図柄指定コマンドを受信している図柄についてはそのコマンドで指定された図柄を停止図柄とする制御を行う。また、それらの図柄を停止図柄として変動制御を行う。
よって、変動時間が経過したときには、ステップS843またはS845、S847またはS848、およびS851またはS852でロードされた各図柄が可変表示装置26において表示されることになる。従って、以上の処理によって、変動パターンコマンドを受信してから所定期間内に図柄指定コマンドを受信しなかった場合には、変動終了時に、受信しなかった図柄指定コマンドに対応する図柄(左右中図柄のうちの一つ以上)については、以前に受信した図柄指定コマンドであって最新の図柄指定コマンドに応じた図柄(前回の変動において用いられた図柄)が停止図柄として可変表示装置26に表示され、図柄指定コマンドを受信している図柄についてはそのコマンドで指定された図柄が停止図柄として可変表示装置26に表示される。
なお、1つの変動パターンに応じた変動時間中において、変動速度(モータ回転速度)は、常に一定とは限らない。1つの変動パターン中において、低速変動、中速変動、高速変動等が存在することがある。ステップS836で設定されるモータ駆動時間は全期間の時間であるが、実際には、表示制御用CPU401は、各変動速度の各期間を認識しておく必要がある。そして、表示制御プロセス処理の図柄変動中処理において、変動速度の切替時点で、モータ制御処理に対して、切替後の速度を通知する。モータ制御処理では、通知された変動速度に応じて、例えば励磁パターン出力間隔を調整することによってモータ回転速度を変動速度に合わせる。
また、一般に、決定した左右中の停止図柄を最終停止図柄とするために各速度での変動期間の長さを調整したりする必要がある。そのような調整制御を実現するには、変動速度の切替時点を調整するようにモータ制御処理に対して指示するようにすればよい。その場合、高速変動期間の長さを調整することによって、変動期間の長さを調整することが好ましい。そして、ステップS864において、ディレイ時間分を減算してドラムモータ駆動時間を設定する場合にも、高速変動期間の長さを短くすることによって、減算処理を実現することが好ましい。
次いで、表示制御用CPU401は、変動時間タイマをセットし(ステップS865)、確定コマンドの受信と変動時間タイマのタイムアウトを待つ(ステップS875,S873)。確定コマンドが受信されると、暫定図柄使用フラグがオンしているか否か確認する(ステップS876)。オンしていれば、有効フラグが全て(左右中について)オンしているか否か確認する(ステップS877)。有効フラグが全てオンしていれば、暫定図柄使用フラグをオフするとともに(ステップS878)、ステップS867〜S869と同様の処理を行う。暫定図柄使用フラグがオンしているということは、変動開始から0.5秒経過した時点で図柄指定コマンドを受信していなかったことを意味する。また、その状態で、有効フラグが全てオンしているということは、確定コマンドを受信するまでに図柄指定コマンドを受信したことを意味する。そこで、そのような場合には、暫定図柄ではなく受信した図柄指定コマンドにもとづいて停止図柄を表示するための制御を行う。そして、この実施の形態では、ステップS867〜S869の処理を行うことによって、早めに停止図柄を表示できるようにする。確定コマンドを受信し(ステップS875)、暫定図柄使用フラグがオンしていない場合、または、オンしていても全ての有効フラグがオンでない場合には、確定コマンドの受信タイミングが所定のタイミングよりも早いか否か確認する(ステップS866)。所定のタイミングとは、例えば、変動時間タイマがタイムアウトするあたりであったり、変動期間タイマがタイムアウトする時点に対してやや早い時点である。
なお、ステップS877において有効フラグが全てオンしていなくても、変動開始から所定期間(この例では0.5秒)経過時にチェックしたときにオンしていず、確定コマンド受信時にはオンしていたものがあれば、ステップS878以降の処理を行うようにしてもよい。ステップS876以降の処理によって、前回の変動において用いられた図柄を停止図柄と見なして変動制御を行った場合であっても、所定期間経過後確定コマンドを受信するまでに図柄指定コマンドを受信している図柄についてはそのコマンドで指定された図柄を停止図柄とする制御が実行されることになる。そして、確定コマンドを受信するまでに図柄指定コマンドを受信できていない図柄については前回の変動において用いられた停止図柄が今回の変動における停止図柄とされる。
また、左右中図柄の停止タイミングが異なっている場合が普通であるから、実際には、変動時間タイマは左右中図柄のうち最後に停止する図柄に対応した変動時間を測定するタイマである。例えば、中図柄が最後に停止する図柄であるとすると、左図柄および右図柄の停止タイミングは変動パターンに応じて決まるので、表示制御プロセス処理中の図柄変動中処理において、表示制御用CPU401は、左図柄の停止タイミングが到来すると、ドラムモータ200Aを停止させるように制御し、右図柄の停止タイミングが到来すると、ドラムモータ200Cを停止させるように制御する。
確定コマンドの受信タイミングが所定のタイミングよりも早い場合には、早めに表示図柄を停止図柄(今回図柄エリアに設定されている図柄)とするような制御を行う。すなわち、早めに停止図柄を表示させるために、ドラムモータの回転方向として、現在表示図柄と停止図柄との間の距離が近い方向を選定する(ステップS867)。ただし、ドラムモータの特性等を考慮すると、そのときの回転方向と同一の回転方向をドラムモータの回転方向として決定してもよい。そして、決定した変動方向をモータ制御処理に通知するために変動方向を指定するデータを所定のデータエリアにセットするとともに(ステップS868)、算出した時間を変動時間タイマにセットする(ステップS869)。なお、ステップS867での停止図柄は、暫定図柄使用フラグがオンしている場合には、前回の変動において用いられた図柄である。
ここで設定される変動時間タイマは、表示図柄を、指定された停止図柄とするための変動時間を設定するタイマである。従って、その時間は、現在表示図柄と停止図柄との距離と、ドラムモータ回転速度とから決定される。なお、その時間は、連続的に図柄変動がなされる場合のインタバル時間(停止時間)よりも短いことが好ましい。従って、そのときのドラムモータの回転速度が低いときには、例えば、徐々に回転速度を上げて最高速度で回転するように制御する。変動方向を決定する際に(ステップS867)、いずれの方向でも現在表示図柄と停止図柄との間の距離が同じである場合には、あらかじめ決められた方向を変動方向とする。あらかじめ決められた方向は、例えば、正転方向(図柄が上から下に変動する方向)である。また、左右中図柄のうち、現在表示図柄と停止図柄とが同じものである場合には、その図柄に関する変動タイマに0を設定する。すなわち、そのような図柄については変動を行わない。また、左右中図柄のうち暫定使用フラグがセットされている図柄については、変動タイマに0を設定してもよい。すなわち、左右中図柄のうち図柄指定コマンドを受信できていない図柄については変動させないようにしてもよい。
そして、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に応じた値にする(ステップS872)。
確定コマンドの受信と変動時間タイマのタイムアウトを待っているときに、変動時間タイマがタイムアウトすると、表示制御用CPU401は、確定コマンド未受信フラグをセットして(ステップS874)、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に応じた値にする(ステップS872)。
図56は、表示制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、表示制御用CPU401は、まず、変動時間タイマがかかっていてそのタイムアウト待ちであるか否かを確認する(ステップS880)。変動時間タイマがかかっている場合として、図55に示された図柄変動中処理において確定コマンドを所定時間よりも早く受信した場合(ステップS866)、または、後述する表示図柄補正処理を開始した場合がある。変動時間タイマがかかっている場合には、ステップS885に移行する。
変動時間タイマがかかっていない場合には、確定コマンド受信待ちの状態であるか否か確認する(ステップS881)。確定コマンド受信待ちの状態とは、後述するステップS891〜S893が実行された後の状態である。確定コマンド受信待ちの状態でなければ、確定コマンド未受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS882)。セットされていない場合には、左右中図柄に対応する暫定図柄使用フラグのうちのいずれか1つ以上がセットされているか否か確認する(ステップS883)。暫定図柄使用フラグがセットされていることは、前回図柄エリアのデータが使用されたことを意味する。
そこで、そのことを報知するために、セットされている暫定図柄使用フラグに対応したドラムランプについてランプ消灯要求フラグをセットする(ステップS884)。なお、ドラムランプ消灯要求に代えて、ドラムランプが点灯パターンで点滅したり、点灯したり、消灯したりするような要求を行ってもよい。ただし、そのようなパターンは、通常の図柄変動時に用いられる点灯パターンとは異なるものである。すなわち、左右中図柄のうち図柄停止コマンドを受信できなかった図柄に対応したドラムを特定可能な点灯パターンが用いられる。また、点灯または消灯は、白色ルナライトのみ、または、赤色ルナライトのみを対象にしてもよい。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS885)、可変表示装置26に停止表示されている左右中図柄が、メモリ図柄と一致しているか否か確認する(ステップS886)。メモリ図柄とは、今回図柄エリア(有効フラグがセットされているもの)に格納されているデータが示す図柄、または、今回図柄エリアにおいて有効フラグがセットされていないものについての前回図柄エリアに格納されているデータが示す図柄である。一般には、停止表示されている図柄は、メモリ図柄と一致する。一致しないのは、図柄の変動開始後0.5秒が経過してから変動時間タイマがタイムアウトする前での間に、左右中のいずれかの(または、そのうちの2つもしくは全部の)図柄指定コマンドを受信して今回図柄エリアの内容が更新された場合である。なお、図49に示されたコマンド解析処理によって、左右中図柄のそれぞれに関して、複数回図柄指定コマンドを受信した場合には、今回図柄エリアにおける対応する停止図柄格納エリアが上書きされている。
可変表示装置26に停止表示されている左右中図柄がメモリ図柄と一致している場合には、表示制御用CPU401は、ドラムモータの駆動を停止し(ステップS887)、今回図柄エリアの内容を前回図柄エリアに複写するとともに(ステップS888)、有効フラグをリセットする(ステップS889)。また、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値にする(ステップS888)。なお、2つの今回図柄エリアが設けられている場合には、それらの今回図柄エリアに格納されている左右中図柄に関するデータのうち、最新の左右中図柄に関するデータを前回図柄エリアに複写する。すなわち、シフトする。一般に、所定期間(この例では0.5秒)経過後に使用される今回図柄エリアに受信データが格納されている場合には、、そのデータが最新データである。
ステップS882において、確定コマンド未受信フラグがオンしていることを確認した場合には、表示制御用CPU401は、暫定図柄使用フラグがセットされていれば、対応するドラムの揺れ動作指示フラグをセットする(ステップS893)。そして、内部状態を確定コマンド待ちの状態にする。
その状態で、確定コマンドの受信が確認されたら(ステップS894)、ステップS886に移行する。従って、今回図柄エリアの内容は、確定コマンドの受信を契機として、前回図柄エリアにシフトされる。また、有効フラグが無効化される。なお、この実施の形態では、変動時間タイマがタイムアウトするよりも前に確定コマンドを受信した場合には(ステップS866)、変動時間タイマがタイムアウトしたときに(ステップS885)、今回図柄エリアの内容が前回図柄エリアにシフトされるが、確定コマンドを契機にシフト処理が行われことに変わりはない。
ステップS886において、可変表示装置26に停止表示されている左右中図柄がメモリ図柄と一致していないことが確認されたら、表示制御用CPU401は、表示図柄補正のための制御を行う。具体的には、ステップS879と同様の制御、すなわち、ドラムモータの回転方向として、現在表示図柄と停止図柄(メモリ図柄)との間の距離が近い方向を選定する。ただし、ドラムモータの特性等を考慮すると、そのときの回転方向と同一の回転方向をドラムモータの回転方向として決定してもよい。そして、決定した変動方向をモータ制御処理に通知するために変動方向を指定するデータを所定のデータエリアにセットするとともに、算出した時間を変動時間タイマにセットする。従って、この実施の形態では、最後に受信した図柄指定コマンドにもとづいて停止図柄の制御が実行されている。よって、左右中図柄のそれぞれに関して、何らかの理由で複数回の図柄指定コマンドを受信したような場合でも、表示制御手段は、問題なく停止図柄の制御を行うことができる。なお、今回図柄エリアとして2つの領域が用意されている場合には、S886の処理に代えて、所定期間(この例では、0.5秒)経過後に用いられる今回図柄エリアに受信コマンドが設定されているか否かの判断が行われる。そして、設定されていれば、S879の処理を行って表示図柄の補正を行う。
図57は、ドラムランプ点灯パターンが設定されたランプ制御テーブルの一例を示す説明図である。ここでは、比較的簡単なドラムランプ点灯パターン(点灯時間と消灯時間のみ)が示されているが、図7や図39に例示したように各ドラムについて多数のドラムランプとしてのルナライトが設けられている。従って、各ドラムランプ点灯パターンをより複雑なパターンとして、遊技効果を増進することができる。また、ドラムランプ151A〜151Cは左右中のドラムのそれぞれに対して設けられているので、それぞれのドラムについて別のパターンを用いてもよい。なお、図57に示す例において、FF(H)は終了コードを示す。
図58は、ドラムランプ処理の一例を示すフローチャートである。ドラムランプ処理において、表示制御用CPU401は、まず、ランプ消灯要求がセットされているか否か確認する(ステップS901)。セットされていれば、ドラムランプを消灯する(ステップS902)。なお、ドラムランプ消灯要求に代えて、ドラムランプが所定の点灯パターンで点滅したり、点灯したり、消灯したりするような要求をなされている場合には、そのパターンに応じてあらかじめ決められているランプ点灯テーブルをランプ制御テーブルとして使用するように設定する。
ランプ消灯要求がセットされていなければ、ランプ制御テーブルの設定データに従った制御を行う。なお、どのランプ制御テーブルを使用するのかは、表示制御プロセス処理等で指定されている。表示制御用CPU401は、まず、ランプタイマが動作中であるか否か確認する(ステップS904)。動作中であれば、ランプタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS905)。タイムアウトした場合には、ランプ制御テーブルのデータを指すポインタの値を+1する(ステップS906)。
そして、ポインタが指すランプ制御テーブルのデータをロードし(ステップS907)、ロードしたデータが終了コードであれば(ステップS908)、ポインタの値を0に戻す(ステップS909)。ロードしたデータが終了コードでなければ、ロードしたデータをランプタイマにセットし(ステップS910)、ポインタの値を+1する(ステップS911)。そして、ポインタが指すランプ制御テーブルのデータをロードし、ロードしたデータに応じてドラムランプを点灯または消灯する(ステップS912)。
なお、上記の実施の形態では、可変表示装置26がドラム機構で実現された場合を例にしたが、ベルト等の他の回転機構で実現されている場合であっても本発明を適用することができる。また、上記の実施の形態では、主基板331と表示制御基板165が別個に設けられていたが、それらを1つの基板とした場合でも本発明を適用できる。
また、上記の実施の形態では、可変表示装置26がドラムの回転によって図柄を可変表示する遊技機を例示したが、上記の実施の形態における制御方式のうちには、可変表示装置がCRTやLCDで実現される遊技機に対しても適用できるものがある。例えば、遊技制御手段が、バックアップRAMに遊技状態が保存されていない場合に、または、保存されていた遊技状態が図柄変動中でないことを示していた場合に、左右中図柄を指定するコマンドおよび確定コマンドを表示制御手段に送出することは、可変表示装置がCRTやLCDで実現される遊技機に対しても適用できる。また、バックアップRAMに保存されていた遊技状態が図柄変動中であった場合に、特別図柄停電復旧表示コマンドおよび左右中図柄を指定するコマンドを表示制御手段に送出することも、可変表示装置がCRTやLCDで実現される遊技機に対しても適用できる。
さらに、表示制御手段において、今回図柄エリアと前回図柄エリアとを用いて、取りこぼした図柄指定コマンドについて前回図柄エリアのデータを使用することも、可変表示装置がCRTやLCDで実現される遊技機に対して適用できる。また、双方のエリア間のデータの複写制御や前回図柄エリアのデータを用いた場合の大当り発生の防止制御も、可変表示装置がCRTやLCDで実現される遊技機に対して適用できるし、特に、変動パターン受信後所定期間(上記の例では0.5秒)が経過すると、今回図柄エリアの有効フラグをチェックして、取りこぼした図柄指定コマンドについて前回図柄エリアのデータを使用することも、可変表示装置がCRTやLCDで実現される遊技機に対して適用できる。なお、上記の実施の形態では、確定コマンドを受信したことを条件として今回図柄エリアの内容が前回図柄エリアにシフトされたが、シフト処理の実行開始の条件となる所定の条件は、変動開始を示すコマンド(変動パターンコマンド)を受信したことであってもよい。また、左右中のそれぞれの図柄指定コマンドを受信した場合に、今回図柄エリアにおける対応するデータを前回図柄エリアにシフトしてもよい。確定コマンドに受信に代えて、変動開始を示すコマンドや図柄指定コマンドの受信を条件にしても、コマンド受信誤りが生じない限り、今回図柄エリアの内容は前回図柄エリアに確実にシフトされる。さらに、変動開始を示すコマンドを受信したとき、図柄指定コマンドを受信したとき、および、確定コマンドを受信したときのいずれでも、今回図柄エリアの内容を前回図柄エリアにシフトするようにしてもよいし、それら(変動開始を示すコマンド、図柄指定コマンド、確定コマンド)のうち2つについて、コマンドを受信したときに今回図柄エリアの内容を前回図柄エリアにシフトするようにしてもよい。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、遊技制御手段のバックアップRAMに遊技状態が保存されていない場合には、遊技制御手段が電源投入表示コマンドを表示制御手段に送出し、バックアップRAMに遊技状態が保存されていて遊技状態が図柄変動中でないことを示していた場合には、遊技制御手段が、左右中図柄を指定するコマンドおよび確定コマンドを表示制御手段に送出するので、表示制御手段は、電源投入時に、可変表示装置26に確実に初期図柄を表示することができる。
また、遊技制御手段が、バックアップRAMに保存されていた遊技状態が図柄変動中であった場合に、特別図柄停電復旧表示コマンドおよび左右中図柄を指定するコマンドを表示制御手段に送出するので、停電等からの復旧時にも、表示制御手段は、可変表示装置26に確実に初期図柄を表示することができる。
さらに、初期図柄を表示するための制御を行っているときに変動パターンコマンドを受信すると、表示制御手段は、直ちに通常の可変表示制御状態に移行するので、無駄な初期表示制御が実行されてしまうことはなく、遊技者に不利益が与えられること等が防止される。また、表示制御手段において、左右中図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドの受信順序を問わないような制御がなされているので、遊技制御手段の表示制御コマンド送出制御に柔軟性を持たすことができ、表示制御コマンド送出制御の簡易化を図ることもできる。
そして、変動パターンコマンドを受信すると、可変表示装置26における図柄変動が直ちに停止されるとともに、受信した変動パターンに応じた変動を開始するまでに一旦停止期間が設けられている。また、一旦停止期間は常に一定である。よって、処理の迅速化が図られるとともに、一旦停止期間によって動作の安定化も図られている。さらに、初期表示処理から通常の変動パターンに移行したことがドラムランプによって報知されるので、遊技者は、容易にそのことを認識できる。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示装置26に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。また、パチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても、本発明を適用することができる。