JP3812478B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークに穴加工を施すための切削工具に関わり、特にこの穴加工とともに加工穴の穴底に球面加工や奥端面加工を施したりするのに好適な切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の、ワークに穴加工を施す切削工具としては、例えば特開平11−285906号公報や特開2001−105204号公報に、軸状の工具本体先端のヘッド部外周面のうち該工具本体の軸線に対して切刃と反対側の背面部に凹溝を形成したものが提案されている。しかして、このような切削工具によれば、こうして凹溝が形成された分だけヘッド部の軽量化が図られて固有振動数が増大するため、当該切削工具を含む機械系の固有振動数と外力の振動数との乖離を大きくして共振によるビビリの発生を防止することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような穴加工において、例えばワークに形成される加工穴の内径が小さい場合などには、ヘッド部と加工穴内周との干渉を避けつつヘッド部にできるだけ大きな断面積を確保するため、工具本体の軸線に直交するこのヘッド部の断面を、その外形が加工穴の内径と略等しい半径の2つの円弧をその両端部で連結した中膨らみの縦長形状となるように形成するようにしている。ところが、そのような切削工具において上述のようにヘッド部の背面部に凹溝を形成すると、このヘッド部の断面がなす上記縦長形状の長手方向に直交する幅方向においてヘッド部の肉厚が削がれ、加工時に作用する背分力に対しての剛性が損なわれてしまうおそれがある。特に、加工穴の穴底を凹球面状にする球面加工を施したり該穴底を加工穴の中心線に垂直な平面上に仕上げる奥端面加工を施したりする場合には、工具本体を上記ヘッド部の幅方向に移動させながら切削を行わなければならず、そのような加工に用いる切削工具においてこのヘッド部の幅方向の肉厚が削がれてしまうと、工具本体を移動させるときにヘッド部に撓みが生じてしまい、加工精度の劣化を招いたりするおそれがある。
【0004】
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにヘッド部の断面が縦長形状とされた切削工具において、ビビリ振動の発生を抑制しつつ、特に加工穴の穴底にこのような球面加工や奥端面加工を施す場合でもヘッド部に撓みを生じることがないとともに、加工穴からの切屑の排出を促進することができる切削工具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸状をなす工具本体の先端部に、この工具本体の軸線に直交する断面が縦長形状とされて背面とこの背面の反対側に位置する面とが互いに反対向きに凸となる円弧状をなすヘッド部を形成して、このヘッド部の先端に切刃を設けるとともに、該ヘッド部の上記断面における長手方向の一端部側には、上記切刃のすくい面に連なるように延びる底面を有するチップポケットを形成し、このチップポケットの上記底面に、上記断面における長手方向の他端部側に凹む凹部を形成し、該凹部の底面を、全体に亙って滑らかな凹曲面状をなすようにしたことを特徴とする。従って、このような切削工具においては、そのヘッド部がなす縦長形状の長手方向一端部側に形成されたチップポケットの底面に、凹部がこの長手方向他端部側に凹むように形成されているため、この凹部の形成による軽量化によって固有振動数を高めて共振によるビビリの発生を抑えることができる一方、ヘッド部は上記断面の幅方向においてその肉厚が削がれることがなく、従って背分力に対する剛性を十分に確保することができるとともに、特に上述の球面加工や奥端面加工を施す際に工具本体を上記幅方向に移動させても、ヘッド部に撓みが生じたりすることを防ぐことができる。
また、凹部の底面が全体に亙って滑らかな凹曲面状をなすように形成されているので、チップポケットの容量を増大させるとともに切屑がこの凹曲面に沿ってチップポケットの後方に導かれて加工穴から排出されることになる。特に加工穴奥の穴底に上記球面加工や奥端面加工を行う際には、生成した切屑の排出を促進できるため効果的である。
【0006】
ところで、このようにチップポケットの底面にヘッド部の上記断面においてその長手方向一端側に凹む凹部を形成すると、この長手方向すなわち加工時に主分力が作用する方向についてはヘッド部の肉厚が削がれてその剛性が損なわれることとなる。そこで、このような凹部を形成しながらも、この主分力に対する剛性の劣化を抑えるには、上記凹部を、その上記チップポケット底面への開口縁が、該チップポケット底面の外周端との間に間隔をあけるように形成するのが望ましく、これによって凹部がヘッド部の背面やこれとは反対側の側面に開口することがなくなり、該凹部と上記背面や側面との間にチップポケットの底面部分が残されたリブ状部が画成されて、ヘッド部の上記長手方向の寸法は凹部が形成されていない場合と等しい大きさを維持することができるので、主分力に対する剛性も十分に確保することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、工具本体1は、鋼材等から形成されて図2に示すように外形略円柱状のシャンク部2とその先端側のヘッド部3とからなる軸状に構成され、このヘッド部3はシャンク部2の中心を通る当該工具本体1の軸線Oに対してシャンク部2外周の一方の側(図2および図3においては上側、図5および図6においては左側)に偏って該軸線Oに平行に先端側に延びるように形成されている。なお、シャンク部2の外周面には、互いに平行かつ軸線Oにも平行とされた一対の平坦面2a,2aが該軸線O方向にシャンク部2の全長に亙って形成されている。また、このシャンク部2の先端部外周には、上記ヘッド部3が偏って形成された側とは反対側に、このヘッド部3の加工穴への挿入深さを測る目盛り2bが設けられている。さらに、このシャンク部2とヘッド部3との接続部分には、ヘッド部3が偏る側に向かうに従い先端側に突出する傾斜面2cが形成されている。
【0008】
ヘッド部3は、このヘッド部3が上述のように偏る側を向くその背面3aとこの背面3aの反対側に位置する側面3bとが、上記軸線Oに直交する断面において図6に示すように互いに反対向きに凸となる円弧状をなして該軸線O方向に延びるようにそれぞれ形成され、これにより当該ヘッド部3の上記断面は、上記ヘッド部3が軸線Oから偏る方向に垂直な方向(図6において上下方向)を長手方向として、この長手方向の中央部が該長手方向に直交する幅方向に膨らんだ中膨れの縦長形状を呈することとなる。ただし、ここで言う縦長形状の縦方向すなわち上記長手方向とは、上述のように上記断面においてヘッド部3が軸線Oから偏る方向に垂直な方向、すなわち背面3aと側面3bとがなす円弧が交差するその両端部同士を結んだ該円弧の弦が延びる方向となり、例えば工具本体1の配置によっては上記長手方向が横向きに延びるように配設されていたりしても構わない。なお、上記断面において側面3bがなす円弧の半径は、背面3aがなす円弧の半径よりも僅かに大きくされ、かつ当該切削工具により加工される加工穴の内径(半径)と略同じか僅かに小さくされている。
【0009】
さらに、このヘッド部3の上記断面における長手方向の一端部、すなわち該断面において背面3aと側面3bとがなす円弧が交差するその上記両端部のうちの一方の端部(図6における上側の端部)には、ヘッド部3の先端から後端側に向け、この一端部側における背面3aと側面3bとの交差稜線部を切り欠くようにしてチップポケット4が形成されている。ここで、こうしてチップポケット4に切り欠かれることによってヘッド部3に上記一端部側を向いて形成される該チップポケット4の底面5は、そのヘッド部3先端側の部分が軸線Oに対し緩やかな傾斜角で後端側に向かうに従い上記長手方向一端部側に向かう傾斜した平面状の緩斜面5aとされるとともに、その後端側は上記傾斜角が一旦急勾配となる急斜面5bとされ、さらにその後端側では傾斜が再び緩やかになって、シャンク部2とヘッド部3との上記接続部分よりも手前で上記交差稜線部に交差するようにされている。また、この底面5は、上記幅方向においては図5および図6に示すように側面3b側から背面3a側に向かうに従い上記長手方向の一端部側(図5および図6において上側)に向かうように緩やかに傾斜させられている。
【0010】
一方、ヘッド部3の先端面3cは、図3に示すように先端側に向かうに従い上記背面3a側から側面3b側に向けて斜めに延びて該側面3bに鋭角に交差するように形成されており、またこの先端面3cと側面3bとの交差稜線部は、図4に示すように該側面3bに対向する側面視において凸曲線を描きつつチップポケット4の底面5側に向かうように切り上げられている。従って、先端面3cがこのように斜めに形成されることにより、上記底面5も、その先端側の上記緩斜面5aが、側面3bとの交差稜線と先端面3cとの交差稜線とが鋭角に交差する角部を先端に有する略三角形状に形成されることとなり、本実施形態ではこの角部に形成されたチップ取付座6にスローアウェイチップ(以下、チップと称する。)7が着脱可能に取り付けられ、このチップ7に形成された切刃7aがヘッド部3の先端に設けられることとなる。
【0011】
ここで、本実施形態におけるチップ7は、超硬合金等の硬質材料により略菱形の平板状に形成されたネガティブチップであって、この略菱形をなす面をすくい面7bとし、このすくい面7bの鋭角をなすコーナ部周辺に上記切刃7aが形成されている。また、このすくい面7bの中央からは当該チップ7をその厚さ方向に貫通する取付孔7cが形成されている。一方、このようなチップ7が取り付けられる上記チップ取付座6は、上記底面5の緩斜面5aから略チップ7の厚さ分だけ一段凹んで側面3bおよび先端面3cに開口する凹所として形成されて、上記すくい面7bがなす菱形と略同形で上記緩斜面5aと平行とされた底面6aと、この底面6aの周縁から立ち上がって上記緩斜面5aに連なるとともに上記側面3bに交差する壁面6bおよび先端面3cに交差する壁面6cとを備えており、底面6aの中央には図示されないネジ穴が形成されている。
【0012】
しかして、このように構成されたチップ取付座6に、上記チップ7は、そのすくい面7bを上記長手方向一端部側に向けるとともに切刃7aをヘッド部3の先端に突出させ、このすくい面7bとは反対の菱形面を上記底面6aに密着させるとともに切刃7aが形成されたコーナ部の対角上に位置するコーナ部に連なる2つの側面を上記壁面6b,6cに当接させて着座させられ、上記取付孔7cに垂直に挿通されたクランプネジ8を底面6aの上記ネジ穴にねじ込むことにより固定される。なお、こうして取り付けられた上記チップ7の切刃7aは、上記長手方向において工具本体1の軸線Oと略同じ高さに位置させられ、またチップ取付座6の底面6aが平行とされるチップポケット4の底面5の上記緩斜面5aが上述のように傾斜させられることにより、該切刃7aには負の前すくい角および横すくい角が与えられるとともに、すくい面7bはこの緩斜面5aと略面一または僅かに凹んでチップポケット4の底面5に連なるように配置される。
【0013】
そして、本実施形態ではこの緩斜面5aの後方の上記急斜面5b部分において、このチップポケット4の底面5に、上記断面においてヘッド部3がなす縦長形状の長手方向の他端部側(図6において下側)、すなわち上記チップポケット4が形成された側とは反対側に向けて凹む凹部9が形成されている。この凹部9は、その底面5(急斜面5b)への開口縁9aが、該底面5に対向する方向から見て図3に示すように卵形をなすようにされて、このチップポケット4の底面5の外周縁、すなわち該底面5と上記背面3aおよび側面3bとの交差稜線部との間に間隔をあけるようにして形成されている。従って、軸線Oに直交する上記断面においては図6に示すように、この凹部9とヘッド部3の背面3aおよび側面3bとの間にチップポケット4の底面5の上記急斜面5b部分が僅かに残されることとなる。また、この凹部9の底面9bは全体に亙って滑らかな凹曲面状をなすように形成されており、特に軸線O方向については、その先端側が上記緩斜面5aと略等しい傾斜角とされて、後端側に向かうに従い凹曲しつつ急斜面5bの後端側縁部に向けて切れ上がるようにされている。
【0014】
このように構成された切削工具は、その上記シャンク部2が工作機械の刃物台に保持されて、図7や図8に示すようにこの工作機械に回転可能にチャッキングされたワークWにヘッド部3が挿入されることにより、このワークWに加工穴Hを形成してゆく。このとき、上記切削工具は、その軸線OをワークWの回転軸線Cと略平行にして、チップ7の上記すくい面7bをワークWの回転方向に対向させるとともにヘッド部3の上記側面3bを加工穴Hの内周に沿うように対向させて保持され、図中に矢線Aで示すように軸線O方向先端側に送り出されて上記切刃7aがワークWに切り込まされることにより、このワークWの回転軸線Cを中心とした加工穴Hの加工を行ってゆく。なお、この加工時には、ワークWに予め下穴を形成しておいてその内周を上記切刃7aによって切削して加工穴Hを形成するようにしてもよく、また下穴のないワークWに直接加工穴Hを形成するようにしてもよい。
【0015】
しかして、上記構成の切削工具では、工具本体1先端のヘッド部3に上述のように凹部9が形成されているのでヘッド部3の軽量化を図ることができ、当該切削工具を含めた上記工作機械等の機械系の固有振動数を、切削加工によって工具本体1に作用する外力の振動数から大きく乖離させることができる。このため、この固有振動数と外力の振動数とが一致して共振することにより、工具本体1の特にヘッド部3にビビリ振動が生じて加工精度を損なったり、切刃7aや工具本体1に損傷が生じたりするような事態を防止することが可能となる。
【0016】
そして、この凹部9は、断面縦長形状をなすヘッド部3の該断面における長手方向一端部に形成されたチップポケット4の底面5に、この長手方向の他端部側に凹むように形成されているので、ヘッド部3の肉厚が上記長手方向に直交する幅方向に削がれることがなく、この方向に作用する背分力に対してヘッド部3の剛性を十分に確保することができる。このため、例えば上記加工穴Hの内径が小さく、従ってこの加工穴Hに挿入されるヘッド部3の幅も制限されざるを得ない場合にあっても、上記背分力によりヘッド部3に撓みが生じることによって加工精度が損なわれたり、工具本体1の損傷が生じたりするような事態を確実に防止することが可能となる。
【0017】
また、こうしてワークWに所定の深さの加工穴Hを形成した後に、図7に示すように該加工穴Hの穴底に上記回転軸線C上に中心を有する凹球面Rを形成する球面加工を行ったり、あるいは図8に示すように加工穴Hの奥に回転軸線Cに直交する端面Eを形成する奥端面加工を行ったりする場合には、図中に符号Bで示すように加工穴Hの内径加工に連続して凹球面Rや端面Eに沿うように切刃7aをワークWに切り込ませたまま工具本体1をヘッド部3の上記幅方向に向けて加工穴Hの内周側(回転軸線C側)に移動させることとなるが、このような場合でも上記切削工具によれば、この幅方向におけるヘッド部3の剛性が十分に確保されているので、ヘッド部3にその幅方向の撓みが生じるのを抑制することができる。従って、上記構成の切削工具によれば、通常の加工穴Hの内径加工の場合はもとより、このような球面加工や奥端面加工においても高い精度の加工穴Hを円滑かつ安定してワークWに形成することができ、しかもこれら球面加工や奥端面加工を何等支障なく内径加工と連続して行うことができて、加工効率の向上を図ることが可能となる。
【0018】
また、本実施形態では、上記凹部9の開口縁9aがチップポケット4の底面5の外周縁との間に間隔をあけるように形成されており、これにより上記凹部9が形成されたチップポケット4の底面5における上記急斜面5bの両側部には、この底面5が残されて上記長手方向に該底面5と同じ高さのリブ状部が画成され、このリブ状部は凹部9の周りを取り囲むようにヘッド部3の先端側から後端側に連続させられることとなる。このため、本実施形態によれば、上述のように凹部9がヘッド部3の縦長断面における長手方向に凹むように形成されているにも拘わらず、この長手方向におけるヘッド部3の剛性が著しく損なわれたりするのを上記リブ状部によって抑えることができ、加工時にこの長手方向に作用する切削の主分力に対しても該ヘッド部3の撓みを抑制して加工精度の劣化や工具本体1の損傷などを防止することが可能となる。
【0019】
一方、このようにチップポケット4の底面5に凹部9を形成した上記構成の切削工具によれば、この凹部9によってチップポケット4の容積を増大させることが可能となるので、加工時に切削される切屑をこの凹部9を含めたチップポケット4内に収容して確実に排出することが可能となるという利点も得られる。特に、上述した球面加工や奥端面加工のように加工穴Hの穴底の加工を行う場合には、この加工穴Hの深さによっては、例えば図7に示すようにチップポケット4の大半が加工穴H内に収容された状態で加工が行われることがあり、このような場合においても上記切削工具によれば、この凹部9を介して切屑を確実に加工穴Hから排出することができ、切屑が加工穴H内に滞留して円滑な加工を阻害したりするような事態を防止することができる。
【0020】
しかも、本実施形態では、この凹部9の底面9bが凹曲面状に形成されているので、該凹部9内においても切屑の詰まりを生じたりすることがなく、従ってこのような優れた切屑排出性をより確実に奏功することが可能となる。また、特に本実施形態では、この凹部9の底面9bが全体に亙って滑らかな凹曲面状をなしており、凹部9の底面9bの先端側が、切刃7aのすくい面7bに連なるチップポケット4の底面5先端側の緩斜面5aと略等しい傾斜角とされていて、切刃7aによって生成されてすくい面7bを擦過する切屑を、このすくい面7bに連なる緩斜面5aから底部9bへと確実に案内して凹部9に導き、ヘッド部3の後方に排出することができるので、上記球面加工や奥端面加工のように工具本体1の送り方向(移動方向)が変化することによって切屑の流出方向も変化しやすい場合にあっても、さらに確実な切屑処理を促すことが可能となる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、断面縦長形状をなすヘッド部の該断面における長手方向一端部に形成されるチップポケットの底面に他端部側に凹む凹部を形成することにより、ヘッド部の軽量化を図って機械系の固有振動数を外力の振動数から乖離させ、ビビリの発生を防ぐことができるのは勿論、加工時に作用する背分力や、加工穴の穴底に球面加工や奥端面加工を施す際の負荷などによる撓みを抑制することができ、かかる撓みによって加工精度が損なわれたり工具本体に損傷が生じたりするような事態を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す工具本体1先端部の斜視図である。
【図2】 図1に示す実施形態の平面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の工具本体1先端部の拡大平面図である
【図4】 図1に示す実施形態の工具本体1先端部の拡大側面図である
【図5】 図1に示す実施形態の工具本体1先端部を軸線O方向先端側から見た拡大正面図である
【図6】 図4におけるZZ断面図である。
【図7】 図1に示す実施形態により加工穴Hの穴底の球面加工を行う場合を示す平面図である。
【図8】 図1に示す実施形態により加工穴Hの穴底の奥端面加工を行う場合を示す平面図である。
【符号の説明】
1 工具本体
3 ヘッド部
3a ヘッド部3の背面
3b ヘッド部3の側面
4 チップポケット
5 チップポケット4の底面
7a 切刃
7b すくい面
9 凹部
9a 凹部9の開口縁
9b 凹部9の底面
O 工具本体1の軸線

Claims (3)

  1. 軸状をなす工具本体の先端部に、この工具本体の軸線に直交する断面が縦長形状とされて背面とこの背面の反対側に位置する面とが互いに反対向きに凸となる円弧状をなすヘッド部が形成されて、このヘッド部の先端に切刃が設けられるとともに、該ヘッド部の上記断面における長手方向の一端部側には、上記切刃のすくい面に連なるように延びる底面を有するチップポケットが形成されており、このチップポケットの上記底面には、上記断面における長手方向の他端部側に凹む凹部が形成され、該凹部の底面は、全体に亙って滑らかな凹曲面状をなしていることを特徴とする切削工具。
  2. 上記凹部は、その上記チップポケット底面への開口縁が、該チップポケット底面の外周縁との間に間隔をあけるようにして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記凹部の底面の先端側が、前記チップポケットの底面の先端側部分の傾斜角と略等しい傾斜角とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削工具。
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