JP3810746B2 - 版掛け間違い検出方法及び版掛け間違い検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、版胴に装着される刷版の掛け間違いを検出するのに用いて好適の技術に関し、特に、印刷面に印刷された被検査画像と、検査基準となる基準画像との濃淡レベル差に基づいて検出を行なう版掛け間違い検出方法及び版掛け間違い検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、版胴に刷版を装着して印刷を行なう印刷機(例えば輪転機など)では、印刷開始前に作業者が手作業で版胴に刷版を装着している。
このため、版胴に刷版を装着する際、作業者が誤って刷版を天地方向逆に或いは裏表逆に装着してしまったり、本来装着すべき刷版とは異なる刷版を装着してしまったりする(これを版の掛け間違い又は版の掛け誤りという)おそれがある。
したがって、作業者は、実際に刷り上った印刷物を目視により検査し、版の掛け間違いを判断していた。
しかしながら、例えば新聞紙等の多ページの印刷物を印刷する輪転機等では、刷版の数が多いため、版の掛け間違いを検査するのに手間がかかってしまう。
【0003】
そこで、このような作業者の手間を省くため、版の掛け間違いを自動的に検出する装置を備えた印刷機も開発されている。
例えば特許文献1には、図5に示すように、予め版5の左右何れかの余白部に、版5を区別するためのバーコード5aを記しておき、版掛け間違い判別装置20により、このバーコード5aをバーコードリーダ(或いはカメラ)8で読み取ることで、正しく版5が装着されているか判別する技術が開示されている。
また、特許文献2には、刷版製作前の画像データを記憶しておき、刷版が版胴に装着された後の印刷開始前の所定時に、版胴の周面に対向する位置に設置した読取センサにより刷版の画像を読み取り、この画像のデータを刷版製作前の画像データと比較して、両データが一致しない場合には版胴の回転を停止し、表示器に刷版の誤装着を表示する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許3315061号公報
【特許文献2】
特許2971602号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、版5にバーコード5aを記しておく必要があり、このためのスペース(バーコードスペース)を確保しておかなければならない。
また、特許文献1の技術では、刷版が装着される版胴の全てにバーコードリーダ8を装備する必要があり、コスト高を招いてしまう。
【0006】
さらに、特許文献2の技術では、刷版が装着される版胴の全てに読取センサを装備する必要があり、特許文献1の技術と同様にコスト高を招いてしまう。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、低コストで且つ正確に版の掛け間違いを検出できるようにした、版掛け間違い検出方法及び版掛け間違い検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の版掛け間違い検出方法(請求項1)は、印刷面に印刷された被検査画像を、該印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値f(x,y)に変換する変換ステップと、予め記憶しておいた検査基準となる基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)に対する該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)の位置ずれ量(Δx,Δy)を正規化相関法により算出する位置ずれ算出ステップと、該基準画像の濃淡レベル値f base (x,y)と該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)との最大相関値が、予め設定された基準相関値よりも小さい場合、版の掛け間違いとして検出する第1版掛け間違い検出ステップとをそなえるとともに、該第1版掛け間違い検出ステップによって、版の掛け間違いを検出されなかった場合に実施し、該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)を該位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて位置ずれ補正する位置ずれ補正ステップと、該位置ずれ補正した補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)との差|fbase(x,y)−F(x,y)|から、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の該位置ずれ量に対応した係数を乗じた2次微分値を減算して得られた該補正画像の濃淡レベル差が、予め設定された基準レベル差よりも大きい画素の数を計算し、該画素数の全画素数に対する割合が予め設定された基準割合よりも大きい場合に版の掛け間違いとして検出する第2版掛け間違い検出ステップとをそなえていることを特徴としている。
【0008】
さらに、該位置ずれ補正ステップの後で実施し、該基準画像の濃淡レベル値f base (x,y)の最大値Max std 及び最小値Min std を求めるステップと、該位置ずれ補正した補正画像の濃淡レベル値F(x,y)の最大値Max及び最小値Minを求めるステップと、該補正画像の全画素について濃淡レベル値νを
(ν−Min)×(Max std −Min std )/(Max−Min)+Min std
に変換してスケーリングを行うステップとを備え、該第2版掛け間違い検出ステップでは、該スケーリングステップにおいてスケーリングされた補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値f base (x,y)との差に基づいて版の掛け間違いを検出することが好ましい(請求項2)。
【0009】
本発明の版掛け間違い検出装置(請求項3)は、印刷面から印刷された被検査画像を取得する画像取得手段と、該画像取得手段により取得された該被検査画像を、該印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値f(x,y)に変換するとともに、検査基準となる基準画像を、該印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値fbase(x,y)に変換する変換手段と、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)に対する該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)の位置ずれ量(Δx,Δy)を正規化相関法により算出する位置ずれ算出手段と、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)と該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)との最大相関値が、予め設定された基準相関値よりも小さい場合、版の掛け間違いとして検出する版掛け間違い検出手段と、該版掛け間違い検出手段によって、版の掛け間違いが検出されなかった場合には、該位置ずれ算出手段により算出された位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)を位置ずれ補正する位置ずれ補正手段と、をそなえ、該版掛け間違い検出手段は、該位置ずれ補正手段により位置ずれ補正された補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)との差|fbase(x,y)−F(x,y)|から、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の該位置ずれ量に対応した係数を乗じた2次微分値を減算して得られた該被検査画像の濃淡レベル差が、予め設定された基準レベル差よりも大きい画素の数を計算し、該画素数の全画素数に対する割合が予め設定された基準割合よりも大きい場合に版の掛け間違いとして検出することを特徴としている。
【0010】
さらに、該位置ずれ補正手段により位置ずれ補正された補正画像の濃淡レベル値F(x,y)の最大値Max及び最小値Minを求め、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の最大値Maxstd及び最小値Minstdを求め、該補正画像の全画素について濃淡レベル値νを
(ν−Min)×(Maxstd−Minstd)/(Max−Min)+Minstd
に変換してスケーリングを行うスケーリング手段を備え、該版掛け間違い検出手段は、該スケーリング手段によりスケーリングされた補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)との差に基づいて版の掛け間違いを検出することが好ましい(請求項4)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態としての版掛け間違い検出装置を模式的に示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る版掛け間違い検出装置は、例えば連続紙(紙面)1に印刷を行なう輪転機にそなえられるもので、画像取得手段としてのラインセンサカメラ3と、ラインセンサカメラ3に接続されたコンピュータ等の制御部4と、表示手段としてのディスプレイ10とをそなえて構成されている。
【0012】
ラインセンサカメラ3は、図示省略のCCDイメージセンサ素子,レンズ等から構成されており、光源(例えば蛍光灯)3aにより照明された紙面1からの反射光量を検出することにより、同一の絵柄2が連続して印刷された紙面1の画像を取り込むようになっている。また、ここでは、ラインセンサカメラ3は、版の掛け間違いを検出するための検査対象となる画像(以下、被検査画像という)を、RGBIr(Red,Green,Blue,Infrared)の濃淡レベル値(光量値又は輝度値)で検出するようになっている。
【0013】
制御部4は、変換手段41,位置ずれ算出手段42,位置ずれ補正手段43,版掛け間違い検出手段44に相当する各機能をそなえて構成されている。
変換手段41は、ラインセンサカメラ3により取り込まれた被検査画像を、紙面1の幅方向をx軸、紙面1の走行方向をy軸とした、即ち印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値(具体的には輝度値)f(x,y)として、画像データに変換するようになっている。
【0014】
また、本実施形態に係る輪転機には、製版情報をコンピュータ管理する製版システム30が接続されており、この製版システム30には、これから印刷に供される絵柄2の製版データ(基準画像)が予め入力されて記憶されている。なお、ここでは、基準画像は、CMYK(Cyan,Magenta,Yellow,blacK)各200dpiの1bit/dotデータ〔1bit TIFF(Tagged Image File Format)形式〕で保存されている。
【0015】
変換手段41は、上記の製版システム30から200dpiの1bit/dotデータの基準画像を取り込み、この基準画像からセンサの1画素毎の画線率(例えば、1画素内において、インキの付くドットを「1」とし、それ以外のドットを「0」とした場合の、1画素中で「1」が占める割合)を計算するようになっている。
【0016】
また、変換手段41は、予め用意された濃度変換テーブル(LUT:Look Up Table,CMYK画線率−濃度値テーブルともいう)により基準画像のCMYK画線率を濃度値へ変換し、さらに、以下に示す式1を用いて濃度値をRGBIr輝度値へ変換するようになっている。なお、式1において、Gは基準の明るさ(白紙の輝度値)、gは輝度値である。
【0017】
【数1】
【0018】
このように、変換手段41は、CMYKの色情報として保存されている基準画像fbase(x,y)を、ラインセンサカメラ3により取り込まれる被検査画像f(x,y)と同じ形式、即ちRGBIr輝度値に数値化するようになっている。
【0019】
位置ずれ算出手段42は、変換手段41により輝度値変換された基準画像fba se(x,y)と被検査画像f(x,y)との位置ずれ量(Δx,Δy)を、正規化相関法を用いて算出するようになっている。
【0020】
正規化相関法では、図2に示すように、まず、テンプレートとして用意した2次元画像Tと、テンプレート画像Tと同じサイズの部分画像I′を対象画像Iから切り出し、これら2次元画像T,I′をそれぞれ1次元のベクトルと見なし、以下に示す式2により相関値Cを計算する。
【0021】
【数2】
【0022】
そして、この式2により、部分画像I′を1画素ずつずらしながら対象画像の全体について相関値Cの計算を行ない、相関値Cが最大となる点を、テンプレート画像Tが存在する点とする。このようにして、テンプレート画像Tと対象画像Iとの位置関係、即ち位置ずれを求めることができる。
【0023】
本実施形態に係る位置ずれ算出手段42は、基準画像(例えば画像全体:横160画素×縦240画素)の中央部分(例えば横140画素×縦220画素)をテンプレート画像Tとして抽出し、上述したような正規化相関法の計算を行なうことで、基準画像fbase(x,y)と被検査画像f(x,y)との位置ずれ量(Δx,Δy)を算出するようになっている。
そして、最大相関値Cがあらかじめ設定された基準の相関値(基準相関値)よりも小さい場合、後述する版掛け間違い検出手段44により、版胴6に装着された版5は、本来装着されるべき版5とは全く異なるものである(版の掛け間違いである)と検出されるようになっている。
【0024】
位置ずれ補正手段43は、位置ずれ算出手段42により算出された位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて被検査画像f(x,y)の位置ずれを補正するようになっている。
【0025】
この位置ずれ補正について具体的に説明する。また、説明を段階的に行なうため、画像を1次元のものとする。つまり、基準画像をfbase(x)、被検査画像をf(x)として説明する。
図3に示すように、検査対象が、基準画像fbase(x)に対してx軸の正方向にΔxだけずれている時、取り込まれる被検査画像f(x)は印刷欠陥(インキのぼた落ちや色抜け)がなければ式3で表わされる。
【0026】
【数3】
【0027】
また、被検査画像f(x)を位置ずれ補正した後の補正画像F(x)は式4で表わされる。
【0028】
【数4】
【0029】
この式4により、被検査画像f(x)の位置ずれを補正することで補正画像の輝度値F(x)を得ることができる。
また、ラインセンサカメラ3で取り込まれた被検査画像が基準画像よりも全体的に明るかったり暗かったりする場合があるので、このレベル差をなくすため、位置ずれ補正手段43は、基準画像と補正画像との輝度値レベルをそろえるようになっている(スケーリングを行なう)。
【0030】
このスケーリングの手順としては、まず、基準画像fbase(x)の輝度値の最大値Maxstd及び最小値Minstdを求める(手順1)。次に、補正画像F(x)の輝度値の最大値Max及び最小値Minを求める(手順2)。そして、補正画像の各画素の輝度値νを補正画像F(x)の全画素について以下の式5に示す値に変換する(手順3)。
【0031】
【数5】
【0032】
このような手順により、基準画像fbase(x)と補正画像F(x)との輝度値レベルのスケーリングが行なわれるようになっている。
版掛け間違い検出手段44は、まず、以下に示す式6により、補正画像F(x)と基準画像fbase(x)との差から、基準画像fbase(x)の位置ずれ量に対応した係数を乗じた2次微分値を減算するようになっている。
【0033】
【数6】
【0034】
次に、版掛け間違い検出手段44は、式6により得られた被検査画像f(x)の輝度値の差(濃淡レベル差)Sを予め設定された基準レベル差と比較する。
そして、Sが基準レベル差よりも大きくなる画素の数Nを計算し、全画素数N0に対するNの割合(即ち面積)Mを求め、このMが予め設定された基準割合よりも小さい場合、版胴6に装着された版5は適正(正常)に装着されていると判定し、また、Mが予め設定された基準割合よりも大きい場合、版胴6に装着された版5は掛け間違いであると判定するようになっている。
【0035】
ところで、上記の式6は、以下のような計算により求められたものである。まず、式4に式3を代入して以下の式7を得る。
【0036】
【数7】
【0037】
ここで、Δx(1−Δx)をkとおいて整理すると、以下の式8が得られる。
【0038】
【数8】
【0039】
また、式8の右辺の中括弧の中を整理すると、以下の式9が得られる。
【0040】
【数9】
【0041】
この式9は、基準画像fbase(x)の差分の差分、すなわち基準画像fbase(x)の2次微分を示している。
さらに、画像を2次元で表示すると、即ち、基準画像をfbase(x,y)、被検査画像をf(x,y)とすると、上述と同様の考え方で、以下の式10を得る。
【0042】
【数10】
【0043】
なお、式10の右辺第1項は基準画像fbase(x,y)のx軸方向の2次微分値、右辺第2項は基準画像fbase(x,y)のy軸方向の2次微分値、右辺第3項は基準画像fbase(x,y)の斜め方向の2次微分値である。
上述したように、基準画像fbase(x,y)から補正画像F(x,y)を減算しても結果は0にはならず、ある値を持っている。この値は、基準画像fbase(x,y)の2次微分値と等しい値であることがわかる。
【0044】
つまり、本検出装置では、基準画像fbase(x,y)から補正画像F(x,y)を減算した値から、基準画像fbase(x,y)の2次微分値をさらに減算することにより、より精度良く位置ずれを補正した上で、基準画像fbase(x,y)と被検査画像f(x,y)とのより詳細な違いを検出し、版5の掛け間違いが発生しているか否かをより正確に検出できるようになっている。
【0045】
また、本検出装置では、版掛け間違い検出手段44により版5の掛け間違いが検出された場合、表示手段としてのディスプレイ10に、版5の掛け間違いが発生していることが表示されるようになっている。これにより、作業者は、ディスプレイ10を見ることで、版5が掛け間違いであるか否かを容易に知ることができる。
【0046】
本実施形態の版掛け間違い検出装置は、上述のように構成されているので、例えば図4に示すフローに沿って処理が行なわれる。
まず、製版システムに保存されている製版データ(基準画像)(CMYK,1bit TIFFデータ)から、センサの各画素の画線率を計算する(ステップS10。変換ステップ)。
【0047】
次に、濃度変換テーブルLUTを用いて各画素の画線率から濃度値を求め、さらに、濃度値から輝度値(RGBIr)へ変換することにより、基準画像を、ラインセンサカメラ3により取り込まれた被検査画像のデータ形式(RGBIr)と同様のデータ形式にする(ステップS20。変換ステップ)。
その後、基準画像の中央部をテンプレートとして正規化相関法により基準画像に対する被検査画像の位置ずれ量を算出する(ステップS30。位置ずれ算出ステップ)。なお、このとき、正規化相関法により算出された最大相関値が予め設定された基準相関値よりも小さいか否かを判定して(ステップS40)、最大相関値が基準相関値よりも小さい場合、現在装着されている版は、本来装着されるべき版とは全く異なる版であると検出され(ステップS110)、ディスプレイ10にその旨が表示される。
【0048】
次に、被検査画像の位置ずれを補正して補正画像を求めた後(ステップS50。位置ずれ補正ステップ)、この補正画像の輝度値レベルを基準画像の輝度値レベルに合わせてスケーリングを行なう(ステップS60)。
その後、上記の式6の計算を行ない(ステップS70)、式6により得られたSが基準レベル差よりも大きくなる画素の数Nを求め、この画素数Nの全画素数N0に対する割合Mを計算する(ステップS80)。
【0049】
そして、このMが基準割合よりも大きい場合、現在装着されている版は、本来装着されるべき版とは部分的に異なる版或いは版全体が異なるものであると検出され(ステップS120。版掛け間違い検出ステップ)、ディスプレイ10にその旨が表示される。
また、Mが基準割合以下である場合、現在装着されている版は本来装着されるべき版と同様であることがディスプレイ10に表示される(ステップS100)。
【0050】
上述したように、本発明の一実施形態としての版掛け間違い検出装置及び検出方法によれば、正規化相関法により算出された基準画像と被検査画像との最大相関値に基づいて、版の掛け間違いが発生しているか否かをおおまかに判定することができる。
また、この後、基準画像と被検査画像との違いをさらに細かく調べることで、版の掛け間違いをより正確に検出することが可能である。
さらに、従来のようなバーコードリーダ等を版胴毎に設ける必要がないので、コストを低減できる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、本実施形態では図1に示すように、本検出装置を製版システムとは別体に設ける構成としたが、本検出装置を製版システムと一体に構成してももちろん良い。
【0052】
また、本実施形態では、図1に示すように片面印刷の場合について説明したが、両面印刷の場合には、紙面の両面側にラインセンサカメラ3を設けることで、紙面の両面側の版胴に装着される版についても、掛け間違いを検出することが可能であることは言うまでもない。
さらに、本発明は、輪転機だけでなく、刷版を用いるものに広く適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の版掛け間違い検出方法及び検出装置によれば、基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)から補正画像の濃淡レベル値F(x,y)を減算した値から、基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の位置ずれ量に対応した係数を乗じた2次微分値をさらに減算することにより得られた補正画像の濃淡レベル差が、予め設定された基準レベル差よりも大きくなる画素の数を計算し、この画素数の全画素数に対する割合が基準割合よりも大きい場合に、版の掛け間違いとして検出するので、従来のようなバーコードリーダ等を版胴毎に設けて版の掛け間違いを判別する必要がなく、コストを低減できるとともに、より正確に版の掛け間違いを検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての版掛け間違い検出装置を模式的に示す構成図(一部ブロック図)である。
【図2】本発明の一実施形態に係る正規化相関法を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る位置ずれ算出手段の処理を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態としての版掛け間違い検出方法の処理を示すフローチャートである。
【図5】従来の版掛け間違い検出装置を模式的に示す構成図である。
【符号の説明】
1 紙面
2 絵柄
3 ラインセンサカメラ(画像取得手段)
3a 光源
4 制御部(コンピュータ)
5 版(刷版)
5a バーコード
6 版胴
8 バーコードリーダ
10 ディスプレイ(表示手段)
20 版掛け間違い判別装置
30 製版システム
41 変換手段
42 位置ずれ算出手段
43 位置ずれ補正手段
44 版掛け間違い検出手段
Claims (4)
- 印刷面に印刷された被検査画像を、該印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値f(x,y)に変換する変換ステップと、
予め記憶しておいた検査基準となる基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)に対する該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)の位置ずれ量(Δx,Δy)を正規化相関法により算出する位置ずれ算出ステップと、
該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)と該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)との最大相関値が、予め設定された基準相関値よりも小さい場合、版の掛け間違いとして検出する第1版掛け間違い検出ステップとをそなえるとともに、
該第1版掛け間違い検出ステップによって、版の掛け間違いを検出されなかった場合に実施し、
該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)を該位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて位置ずれ補正する位置ずれ補正ステップと、
該位置ずれ補正した補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)との差|fbase(x,y)−F(x,y)|から、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の該位置ずれ量に対応した係数を乗じた2次微分値を減算して得られた該補正画像の濃淡レベル差が、予め設定された基準レベル差よりも大きい画素の数を計算し、該画素数の全画素数に対する割合が予め設定された基準割合よりも大きい場合に版の掛け間違いとして検出する第2版掛け間違い検出ステップとをそなえている
ことを特徴とする、版掛け間違い検出方法。 - 該位置ずれ補正ステップの後で実施し、
該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の最大値Maxstd及び最小値Minstdを求めるステップと、
該位置ずれ補正した補正画像の濃淡レベル値F(x,y)の最大値Max及び最小値Minを求めるステップと、
該補正画像の全画素について濃淡レベル値νを
(ν−Min)×(Maxstd−Minstd)/(Max−Min)+Minstd
に変換してスケーリングを行うステップとを備え、
該第2版掛け間違い検出ステップでは、該スケーリングステップにおいてスケーリングされた補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)との差に基づいて版の掛け間違いを検出する
ことを特徴とする、請求項1記載の版掛け間違い検出方法。 - 印刷面から印刷された被検査画像を取得する画像取得手段と、
該画像取得手段により取得された該被検査画像を、該印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値f(x,y)に変換するとともに、検査基準となる基準画像を、該印刷面の位置(x,y)をパラメータとした濃淡レベル値fbase(x,y)に変換する変換手段と、
該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)に対する該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)の位置ずれ量(Δx,Δy)を正規化相関法により算出する位置ずれ算出手段と、
該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)と該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)との最大相関値が、予め設定された基準相関値よりも小さい場合、版の掛け間違いとして検出する版掛け間違い検出手段と、
該版掛け間違い検出手段によって、版の掛け間違いが検出されなかった場合には、該位置ずれ算出手段により算出された位置ずれ量(Δx,Δy)に基づいて該被検査画像の濃淡レベル値f(x,y)を位置ずれ補正する位置ずれ補正手段と、をそなえ、
該版掛け間違い検出手段は、該位置ずれ補正手段により位置ずれ補正された補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)との差|fbase(x,y)−F(x,y)|から、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の該位置ずれ量に対応した係数を乗じた2次微分値を減算して得られた該被検査画像の濃淡レベル差が、予め設定された基準レベル差よりも大きい画素の数を計算し、該画素数の全画素数に対する割合が予め設定された基準割合よりも大きい場合に版の掛け間違いとして検出する
ことを特徴とする、版掛け間違い検出装置。 - 該位置ずれ補正手段により位置ずれ補正された補正画像の濃淡レベル値F(x,y)の最大値Max及び最小値Minを求め、該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)の最大値Maxstd及び最小値Minstdを求め、該補正画像の全画素について濃淡レベル値νを
(ν−Min)×(Maxstd−Minstd)/(Max−Min)+Minstd
に変換してスケーリングを行うスケーリング手段を備え、
該版掛け間違い検出手段は、該スケーリング手段によりスケーリングされた補正画像の濃淡レベル値F(x,y)と該基準画像の濃淡レベル値fbase(x,y)との差に基づいて版の掛け間違いを検出する
ことを特徴とする、請求項3記載の版掛け間違い検出装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003028307A JP3810746B2 (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 版掛け間違い検出方法及び版掛け間違い検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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