JP3808033B2 - 吐出ノズル及び吐出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形成槽中に吐出された形成成分液を、形成槽中に蓄積されている硬化液で硬化させて、形成成分液の粒子(例えば、化粧クリームなどに混入して用いられる粒子)を製造するための粒子形成槽に用いられる吐出ノズル及び吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬化液中で硬化する形成成分液の液滴を、硬化液が充填された形成装置中に吐出し、硬化させて形成成分液の粒子を製造する技術は数多く提案されている。この技術に関する形成装置は、例えば、特開2000−189495号公報や特開2001−151803号公報に開示されている。
【0003】
これらの形成装置の具体例として、特開2000−189495号公報の図5に掲載されている装置を例にとって説明する。この形成装置は、外管と内管から構成されている。外管下部は実質的に有底構造であって、内管は外管の底壁を貫通して延在している。外管の下部には、硬化液を供給するための供給口が設けられている。供給口から供給された硬化液は、外管内を上昇し、水位と内管の上端との差に応じた量の硬化液が内管の上端縁から内管内に溢流するというように、一定方向に流動する。
【0004】
内管の上方には形成成分液を吐出するための吐出ノズルが設けられている。吐出ノズルより、硬化液中へ形成成分液を液滴状又は糸状に吐出すると、形成成分液が表面張力により液滴状になり、冷却されて粒状に固化する。この時、液滴状への形成を促進させて製造効率を向上させると共に、液滴の大きさを均一にして粒子の分散性を向上させるために、形成成分液に振動を与える場合もある。
【0005】
しかし、上記の形成装置は、外管に供給された硬化液が内管に溢流する際に、硬化液の流れが乱れ、吐出ノズルから連続的に吐出された形成成分液同士が接触して再結合し、目的の大きさよりも大きい粒子が生成される割合が多かった。この粒子の再結合を抑えるための方法の1つとして、吐出ノズル近辺の硬化液の流れの乱れを抑えるために、硬化液の内管へ溢流する量を少なくすることが挙げられる。
【0006】
しかし、硬化液の溢流量を少なくすると内管を硬化液で充液できなくなり、内管内を層流状態で硬化液を流動させることの制御が困難となる。したがって、気泡の発生を抑えるために内管径を小さくすることが求められる。その結果、内管内で粒子が密集することとなり、粒子の再結合という問題を解決するためには効果が少ない。
【0007】
また、上記再結合の問題の解決には、内管内の単位体積あたりに放出される粒子の数を減らすといった方法も考えられる。すなわち、吐出ノズルの吐出口の数を減少させたり、1つの吐出口から吐出される形成成分液の単位時間当りの吐出量を少なくするという方法である。この方法は、単位体積当りに存在する粒子の数が少なくなるため、粒子の接触が少なくなり、再結合を防止するという点では有効である。しかし、この方法では、単位時間あたりに生産可能な粒子の量が減少し、生産能力が低くなるという問題が生じていた。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−189495号公報
【特許文献2】
特開2001−151803号公報
【特許文献3】
特開2002−35560号公報
【0009】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、形成成分液の再結合を防止でき、しかも生産性を低下させることのない吐出ノズル及び吐出装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、外管と内管とを有する多重管構造を有し前記外管下部が実質的に有底構造であると共に、前記硬化液の供給口が外管に設けられ前記供給口から外管と内管との間隙に供給された硬化液を内管上端の開口から前記内管内に溢流させる形成槽の前記内管上部に、吐出対象である形成成分液を吐出して前記形成成分液を前記内管内で硬化させる吐出装置に用いられる吐出ノズルであって、
前記形成成分液の吐出用のオリフィスが複数設けられた先端壁を有し、前記オリフィスは、前記オリフィスの吐出口が中心軸から遠ざかる方向に前記中心軸に対し15〜60゜で傾斜し、前記オリフィスの吐出口が前記先端壁の中心軸を中心として略環状又は多角形状に配置されるように設けられ、隣り合う前記オリフィス間のピッチは生成させる液滴の1倍以上3倍未満となるように構成されたことを特徴とする吐出ノズルを提供する。ここで略環状とは、真円、少し歪んだ円、楕円などであり、多角形状とは四角形以上が好ましい。特に真円が好ましい。
【0011】
上記構成において、吐出ノズルは、硬化液を貯蔵し、当該硬化液中に吐出された形成成分液を前記硬化液によって硬化させる形成槽と共に用いられる。吐出ノズルは、一体的又は別部材で構成された先端壁を有する。先端壁には、形成成分液を吐出するためのオリフィスが複数穿設されている。
【0012】
また、オリフィスは、多重に設けられてもよいが、単周の略環状に設けられていることが好ましい。
【0013】
オリフィスは中心軸に対して所定角度で傾斜して設けられているため、前記形成槽へ吐出された形成成分液の概略的な移動方向に対して、形成成分液が所定角度で放射状に吐出される。すなわち、オリフィスを通って吐出口から吐出された直後の形成成分液は、傾斜して設けられたオリフィスの方向にしたがって、放射状に広がるように硬化液中に吐出される。所定角度は、前記中心軸に対し10〜90゜であることが好ましい。
【0014】
硬化液中に吐出された形成成分液は、熱的変化あるいは化学的変化によって、硬化液と接触している表面から硬化し始め、順次内側に向かって硬化が進行する。
【0015】
隣り合うオリフィスの吐出口から放射状に吐出された直後の形成成分液は、互いの間の距離を広げながら移動する。接触により再結合の問題を生ずるのは、未だ表面が硬化するにいたっていない吐出直後の形成成分液のみであり、内側まで完全に硬化していなくても表面が硬化してしまえば、たとえその後に密になったとしても再結合の問題は生じない。すなわち、表面が硬化していない吐出直後の形成成分液が接触する可能性を低くすることができれば、再結合の問題を解消することができる。
【0016】
したがって、上記構成によれば、生産効率を低下させることなく形成成分の再結合を減少させることができる。
【0017】
本発明の吐出ノズルは、具体的には以下のように種々の態様で構成することができる。
【0018】
好ましくは、前記オリフィスは、その吐出口近傍部分が前記先端壁の吐出面に対して略垂直に設けられる。
【0019】
上記構成によれば、先端壁に設けられた吐出口のオリフィスの断面円形と吐出口の出口の形状を同じに加工することができる。よって、吐出口の加工を容易にすることができる。
【0020】
従来のノズルでは、吐出口から吐出された粒子の再結合を防止するために、隣り合う吐出口は、大きいピッチによって配置されることが必要であった。しかし、本発明に係る吐出ノズルにおいては、オリフィスを傾けて配置することにより、ノズルから吐出された液滴は、ノズルより放射状に広がる方向へ向かうため、隣接するオリフィスから吐出された液滴は互いに遠ざかりながら流れる。このため、吐出直後の形成成分液の再結合を抑制でき、従来のノズルと比べてピッチを小さくすることができる。実際には、ノズルから吐出された直後で液滴同士が接触しない程度までピッチ(吐出口が多角形状の場合は、その重心間の距離をピッチとする。)を下げられるため、ピッチは生成する液滴の粒径以上であればいくらでも構わない。ピッチは吐出口の1.05倍以上となるように設けられてもよい。したがって、先端壁の単位面積当りの生産効率を高く維持することができる。
【0021】
上記構成において、吐出ノズルは、外管と内管とを有する多重管構造を有し、前記外管下部が実質的に有底構造であると共に、前記硬化液の供給口が外管に設けられ、前記供給口から外管と内管との間隙に供給された硬化液が内管上端の開口から前記内管内に溢流するものであって、前記内管上部に吐出された形成成分液を前記内管内で硬化させる形成槽に用いられることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、上記各構成の吐出ノズルと、吐出される形成成分液に間欠的に圧力振動をかける手段を備え、前記形成成分液に振動を伝えながら吐出することによって、粒子状に硬化させる吐出装置を提供する。
【0023】
上記構成において、形成成分液に間欠的に圧力振動をかけることで、形成成分液が振動を受けて凹みを作りながら吐出される。硬化液中に吐出された形成成分液は、表面張力により凹み部分から分離して液滴状になり、粒子が形成される。
【0024】
上記構成によれば、形成成分液の吐出のタイミングを間欠的にすることなく、形成成分液の表面張力を利用することにより粒子の作成を連続的に行うことができる。すなわち、1つの吐出口から吐出される単位時間当りの粒子の生成量を多くすることができ、生産効率を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る吐出ノズルを用いた形成装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る吐出ノズルを用いた粒子製造装置の構成図である。
【0026】
本実施形態において、粒子としてはハイドロゲル粒子及びカプセルなどが例示できる。ハイドロゲルとは、水を溶媒としてゲル化剤から得られたゲルであり、ゲル化剤水溶液をゲル化して得られる。ゲル化剤の例としては、寒天、ゼラチン、アルギン酸塩等が挙げられる。図1の粒子製造装置1においては、概略以下の処理を行うことによって寒天をゲル化剤(形成材)とする粒子であるハイドロゲル粒子を製造する。
【0027】
粒子製造装置1の油性成分槽2は、充填されている化粧品や食料品などに用いられるオイルなどを加熱するためのヒーター(図示なし)を備えており、油性成分液を加熱した状態で保存し、給装パイプ71を通って乳化槽4に供給する。また、寒天溶解槽3は、形成成分液である寒天水溶液を図示しないヒーターによって寒天が溶解する程度の温度まで加熱し、給装パイプ72を通って乳化槽4に供給する。油性成分液と寒天溶液とは溶け合わないため、乳化槽4で乳化させて均一に分散させる必要がある。乳化槽4で撹拌、乳化された油性成分液と寒天水溶液からなる形成成分液は、給装パイプ73を通して形成槽5に供給される。なお、乳化槽4も、寒天が硬化しないように図示しないヒーターを備えている。
【0028】
乳化槽4で乳化された形成成分液は、給装パイプ73を通って形成槽5に送られ、形成槽5で粒子が形成される。形成槽5は、図2に示すように吐出装置との組み合わせで用いられる。形成槽及び吐出装置の構造及び作用については後で詳細に説明する。吐出装置から吐出された形成成分液が硬化槽内で冷却オイルにより冷却され、形成成分液内の寒天が硬化することによって、ハイドロゲルの粒子となる。形成槽により硬化されたハイドロゲル粒子は、その後形成槽から排出される。
【0029】
図2に図1の粒子製造装置に用いられる形成槽及び吐出装置の概略構成図を示す。上述のように、形成槽5は、吐出装置10との組み合わせで利用される。形成槽5は、有底構造の外管6及び外管6の内側に設けられた内管7を備えた2重管構造である。形成槽5内には、硬化液給送口8から送られた硬化液が充填され、矢印41で示すように上昇し、矢印42に示すように、内管7の上縁から内管7内に溢流し、鉛直方向に流動する。内管7は、形成槽5の外管6の底壁を貫通して外部に伸びており、硬化液が矢印45で示されるように給送パイプを通して外部に排出される。内管7内に溢流しきれない硬化液は、矢印43で示すように排出口9に流れ込むことによって、形成槽5内に充填された硬化液の液面は常に一定に保たれる。
【0030】
すなわち、硬化液は、矢印40に示すように形成槽5の硬化液給送口8から供給され、矢印41、42に示すように一定方向に流動して矢印45に示すように外部に排出される。
【0031】
乳化槽4から給送パイプ73を経由して送られてきた形成成分液を吐出するための吐出装置10は、内管7の上側に設けられている。吐出装置10は、本体15とその先端に付される吐出ノズル20とで構成される。本体15は主に形成成分液を充填するものであり、吐出ノズル20は、吐出口を備えた口金として機能する。吐出ノズル20は、その先端壁に形成成分液を吐出するためのオリフィス21を複数有する。形成成分液は、オリフィス21を通過してその吐出口から吐出される。
【0032】
吐出装置10は、オリフィス21の吐出口が硬化液内に浸漬するようにかつ、吐出した形成成分液が、降下してそのまま内管に流れ込むように、内管7の上部に配置する。
【0033】
図3に図2の吐出装置の断面構成図を示す。吐出装置10は、上述したように、主に本体15と、本体の先端に固定される吐出ノズル20とで構成される。本体15には、形成成分液を給送するために、給送パイプ73と接続する供給口14が設けられており、乳化槽4からの形成成分液は、本体15の内腔100に給送される。本体15の内腔100には、ピストン13が上下移動可能に設けられている。ピストンの軸にはと出装置10を振動機11に連結するために支柱17で仕切られており、当該支柱17で囲まれた空間内に蛇腹状の封止具16が設けられている。ピストンの軸先端に接続された振動機11によって上下方向に駆動する。ピストン13の上下方向の往復運動によって、形成成分液に振動が伝えられ、複数のオリフィス21を通りその吐出口24から均等に形成成分液が吐出される。
【0034】
次に吐出装置10に用いられている吐出ノズルについて説明する。図4は、図3の吐出装置に用いられている吐出ノズルの構成を示す図である。吐出ノズル20は、図4(a)に示すように、略円錐形状の部材であり、先端壁22を備えている。先端壁には60孔のオリフィスが穿設されており、先端壁の外側面である吐出面23に吐出口24を開口する。図4(a)に示すように、オリフィス21は、先端壁22の中心軸cに対して、吐出口24が中心軸cから遠ざかる方向に角度αの傾斜を持って設けられている。角度αが90度をこえることにより、オリフィス21から吐出される粒子が大きな広がりを持って吐出されることとなるが、内管7内を流動する硬化液から受ける抵抗が大きくなり、また吐出した粒子が内管7の管壁に衝突するおそれがあるため、あまり大きくすることは望ましくない。具体的には、用いられる形成槽の構造にも影響するが、角度αは10〜90゜程度、さらには15〜60゜、特に20〜50゜が好ましい。
【0035】
また、オリフィス21は、その吐出口24が先端壁の吐出面23上においては、等ピッチに配列されるように設けられることが好ましい。
【0036】
オリフィス21は、先端壁22に中心軸cを中心として単周環状に配列されて設けられている。その結果、中心軸cからすべての吐出口までの距離がほぼ同じとなる。よって、ピストン13によって与えられる内腔100内の形成成分液の各オリフィス21に伝わる振動を均一にすることができ、吐出口により大きさにばらつきある粒子が形成されるのを防止することができる。
【0037】
図4(a)に示すように、吐出面23は、水平方向に対して、角度βだけ傾斜している。角度βは、オリフィス21の吐出口24近傍が吐出面22に対して略垂直となるように設定することが好ましく、角度αに応じて決定する。
【0038】
図5に示すように、吐出ノズルから吐出される形成成分液の粒子101は、オリフィス21が外側を向いて放射状に設けられているため、外側に広がって放出される。すなわち、図5(b)に示すように、隣り合う粒子の間の距離が広がるように放出されるため、粒子の衝突を起こすことなく、再結合をおこしにくい。
【0039】
したがって、オリフィス21の吐出口24間の配列ピッチが小さくしても再結合が生じにくいため、吐出面23の単位面積当りの吐出口24の数を多くすることができる。図4(b)に示すように、具体的には、隣り合う2つの吐出口24の配列ピッチpは、生成させる液滴の直径程度とすることができる。すなわち、概ね生成させる液滴の3〜10倍程度に設定されている従来のノズルに比べて小さなピッチとすることができる。なお、粒子がより広がりをもって吐出されるような場合はより小さく設定することができる。具体的には、吐出口の配置列の径や、角度αがそのパラメータとなり、これらの値に応じて変更することが好ましい。
【0040】
なお、図4(c)に示すようにオリフィス21の吐出口24の形状が、円形ではなク、例えば三角形24tである場合、ピッチpは、その吐出口の重心位置24G間の距離とする。
【0041】
次に図6〜図8を参照して、吐出ノズルの変形例について説明する。図6〜図8は、変形例に係る吐出ノズルの構成図である。なおこれらの変形例に係る吐出ノズルについても、オリフィスの吐出口近傍での傾斜角度αは、上記の通り、10〜90゜程度、さらには15〜60゜、特に20〜50゜とすることが望ましい。
【0042】
図6の吐出ノズル20aは、図4の吐出ノズルと比較して、先端壁22aの吐出面23aの頂部が切断されて平面25aとなった円錐台形状の外形を有している。先端壁21aに穿設されたオリフィス21aは、その吐出口24aが遠ざかる方向に、角度αだけ中心軸cに対して外向きに傾斜して放射状に設けられている。吐出口24aは、吐出面の傾斜面23a上に、中心軸cを中心とする単周環状に等ピッチで配列することが好ましい。
【0043】
図7の吐出ノズル20bは、円筒形の容器体で構成されている。先端壁22bには、オリフィス21bが設けられている。オリフィス21bは、その吐出口24bが遠ざかる方向に、中心軸cに対して角度αだけ傾斜して設けられている。オリフィス21bの吐出口24bは、吐出面23b上に中心軸cを中心として単周環状に配列されている。
【0044】
図8の吐出ノズルは、図4の吐出ノズルとほぼ同様の形状であるが、オリフィス21cが屈曲して設けられている点において異なる。すなわち、オリフィス21cは、内腔側ではピストン13の振動方向にあわせて中心軸に平行な方向に設けられているが途中で屈曲し、吐出口の近傍では中心軸に対して外向きに角度αだけ傾斜する。吐出口24c近傍のオリフィス21cは、吐出面23cに略垂直となるようにして設けられており、形成成分液の液滴を放射状に吐出する。オリフィスが円弧状の曲線の場合には、オリフィスの中心線と吐出面23cの交点における中心線の接線が中心軸Cに対して外向きに角度αだけ傾斜する。
【0045】
(実施例)
図2に示す構造を有する形成装置を用いて粒子を製造硬化させる場合において、以下に示すように使用する吐出ノズルを変えて内管を通って排出された粒子の径分布を比較した。形成装置の大きさは、外管の内径230mm、内管の外径80mm、内管の内径72mm、内管上端の深さ15mmである。硬化液として15℃に冷却したシリコーンオイルを内管内10〜15cm/sec程度に流れるように供給した。ピストンの周波数を68Hz、目標とする粒径を2mmとした。
【0046】
実験に用いられた吐出ノズルは、次の4種類のもので行った。用いられたノズルの吐出口の径はいずれも0.8φとし、ノズルの外形はφ50mm、形成成分液を1孔あたり1kg/hで吐出し、形成成分液の供給が安定してから約1kg程度の粒子を製造し、目開き0.3mm、1.0mm、1.40mm、1.70mm、2.36mm、2.80mm、3.35mmの篩にかけ、粒子を大きさごとに分類して、その大きさの割合を測定した。
【0047】
参考例は、図4に示す吐出ノズルを用いた。具体的な形状としては、角度βが40゜、オリフィスは60孔で等ピッチで配置した。角度αは40゜である。環状に配置された吐出口列の径はφ30mmである。実施例2は、図6に示す吐出ノズルを用いた。具体的な形状としては、オリフィスは40孔で等ピッチで配置した。角度αは40゜である。環状に配置された吐出口列の径はφ30mmである。実施例3は、実施例1に使用した吐出ノズルと同一の寸法のものを使用した。ただし、オリフィスを40孔で、吐出口が等ピッチとなるように配置した。
【0048】
比較例は、図9に示す吐出ノズルを用いた。この吐出ノズル30は、先端壁32に42孔のオリフィスを有し、それらの吐出口24が4重の環状に配列されるように設けた。吐出口列の径は、外側から順にφ24、φ18、φ12、φ6とし、それぞれの後列に配置される吐出口34の数をそれぞれ、24、9、6、3とした。いずれの吐出口も中心軸に平行な方向とした。
【0049】
上記の実施例及び比較例に係る吐出ノズルを使用して製造した粒子の大きさ別の重量及びその割合に関する結果について、表1及び図10に示す。図10において(a)は参考例、(b)は実施例2、(c)は実施例3、(d)は比較例の実験結果である。
【0050】
【表1】
Figure 0003808033
【0051】
オリフィスを外側に傾斜して設けた実施例〜3はいずれもほぼ90%以上の割合で目標とする1.7〜2.36mmの径の粒子を製造することができた。これは、比較例では、2.36mm以上の径を有する粒子の割合が高くなっていることから2つの粒子の再結合が抑制されたためと考えられる。特にオリフィスの数が少なく、吐出口間のピッチが大きい実施例2、3では、ピッチがより小さい参考例よりもこれらの粒子の割合が少なく、粒子の再結合が抑制されていることがわかる。
【0052】
また、逆に、目標とした粒径よりも小さい径の粒子の割合は、比較例と比較してもさほど変化はなく、オリフィスを傾斜させて設けることの形成成分液の吐出に与える影響はほとんどみられなかった。
【0053】
以上説明したように、形成装置に形成成分液を吐出するための吐出ノズルとして本実施形態に係る吐出ノズルを用いることにより、傾斜して設けられたオリフィスの方向にしたがって、粒子が放射状に広がるように硬化液中に吐出される。したがって吐出直後の硬化していない粒子の再結合を防止することができる。また、吐出口の配列ピッチを小さくしても粒子の結合を抑制することができるため、単位面積あたりに設けられる吐出口の数を多くすることができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【0055】
例えば、形成槽の構造は、図2に示すようなものでなくてもよく、硬化液を一定方向に流動させるものであれば広く使用することができる。例えば、特開2001-151803号公報の図2において用いられるような形成槽などを使用することができる。
【0056】
また、吐出ノズルのすべての吐出口が、単周の略環状に設けられている必要はなく、例えば、環状の吐出口列の中央部分近傍に若干の吐出口が設けられるようにオリフィスを穿設してもよい。
【0057】
さらに、オリフィスは、断面円形に設けられている必要はなく、例えば楕円や四角形などの断面形状であってもよい。また、オリフィスは等ピッチに配列する必要はなく、例えば、複数のピッチを組み合わせてもよい。
【0058】
また、本実施形態の吐出ノズルは、粒子の形成に用いられるだけではなく、例えば、連続した糸状体の製造に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る吐出ノズルを用いた粒子製造装置の構成図である。
【図2】 図1の粒子製造装置に用いられる形成槽及び吐出装置の概略構成図である。
【図3】 図2の吐出装置の断面構成図である。
【図4】 図3の吐出装置に用いられている吐出ノズルの構成図である。
【図5】 図4の吐出ノズルの機能の説明図である。
【図6】 図4の吐出ノズルの第1変形例を示す図である。
【図7】 図4の吐出ノズルの第2変形例を示す図である。
【図8】 図4の吐出ノズルの第3変形例を示す図である。
【図9】 比較例に係る吐出ノズルの構成を示す図である。
【図10】 実施例及び比較例の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 粒子製造装置
2 油性成分槽
3 寒天溶解槽
4 乳化槽
5 形成槽
6 外管
7 内管
8 硬化液給送口
9 排出口
10 吐出装置
13 ピストン
20,20a〜20c 吐出ノズル
21,21a〜21c オリフィス
22,22a〜22c 先端壁
23,23a〜23c 吐出面
24,24a〜24c 吐出口
101 粒子

Claims (4)

  1. 外管と内管とを有する多重管構造を有し前記外管下部が実質的に有底構造であると共に、前記硬化液の供給口が外管に設けられ前記供給口から外管と内管との間隙に供給された硬化液を内管上端の開口から前記内管内に溢流させる形成槽の前記内管上部に、吐出対象である形成成分液を吐出して前記形成成分液を前記内管内で硬化させる吐出装置に用いられる吐出ノズルであって、
    前記形成成分液の吐出用のオリフィスが複数設けられた先端壁を有し、前記オリフィスは、前記オリフィスの吐出口が中心軸から遠ざかる方向に前記中心軸に対し15〜60゜で傾斜し、前記オリフィスの吐出口が前記先端壁の中心軸を中心として略環状又は多角形状に配置されるように設けられ、隣り合う前記オリフィス間のピッチは生成させる液滴の1倍以上3倍未満となるように構成された、形成槽用の形成成分液の吐出ノズル。
  2. 前記オリフィスは、単周の略環状に設けられている、請求項1に記載の吐出ノズル。
  3. 前記オリフィスの吐出口は、前記中心軸に対し20〜50゜で傾斜している、請求項1又は2に記載の吐出ノズル。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の吐出ノズルと、吐出される形成成分液に間欠的に圧力振動をかける手段を備え、前記形成成分液に振動を伝えながら吐出することによって、粒子状に硬化させることを特徴とする、吐出装置。
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