JP3808016B2 - 移動体模型の空気力学的試験方法、及び空気力学的試験用移動体模型 - Google Patents

移動体模型の空気力学的試験方法、及び空気力学的試験用移動体模型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上の走行路を走行する移動体を縮小した移動体模型に関する空気力学的試験を行う方法、及び空気力学的試験用移動体模型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道列車を縮小した列車模型を風洞内に配置し、列車模型に作用する空気力を計測する風洞試験が行われている。風洞内の列車模型と実際の列車との間には、一定の法則(相似則)が成立するため、風洞試験で得られた空気力により、実際の列車における空気力の値を所定の換算により得ることができる。
【0003】
列車模型による風洞試験においては、図5に示すような方法が用いられていた。すなわち、第1の方法は、図5(A)に示すように、列車模型110をピアノ線121、122、123、124、125を用いて風洞の内壁154〜158から吊り下げるなどして支持する方法である。また、各ピアノ線には、天秤と呼ばれる検出部111、112、113が取り付けられている。天秤111〜113の内部には、ひずみゲージが設置されており、ピアノ線121、122、124などに作用する力を検出するようになっている。ひずみゲージの構成と作用については、後述する。
【0004】
また、第2の方法では、図5(B)に示すように、列車模型210を、例えば下方から支柱221を用いて支持している。この支柱221には、天秤と呼ばれる検出部211が取り付けられている。この天秤211の内部には、ひずみゲージが設置されており、支柱221に作用する力を検出するようになっている。
【0005】
また、第3の方法では、図5(C)に示すように、列車模型310と測定対象列車模型410を用い、列車模型310の内部に天秤311を設置し、天秤311に取り付けた梁部材321により、他方の測定対象列車模型410を支持している。したがって、測定対象列車模型410の車輪425は、レール模型351からは浮いた状態となっている。また、天秤311の内部には、ひずみゲージが設置されており、支柱321に作用する力を検出するようになっており、これにより、測定対象列車模型410に作用する力が検出できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の列車模型風洞試験方法においては、以下のような問題点があった。
【0007】
1)図5(A)に示す第1の方法は、トンネル内で列車に作用する空気力を測定する場合には、トンネル模型の中でピアノ線等により列車模型を吊り下げ支持することになり、ピアノ線や天秤の設置が困難である、という問題があった。
【0008】
2)図5(B)に示す第2の方法においては、レール模型251の下方から支柱221が風洞内に突出し、この支柱221に列車模型210を取り付けて支持させることになる。このため、支柱221は、比較的太い棒状部材となり、風洞内の空気の流れが支柱221によって乱され、実際の列車の場合とは条件が異なってしまう、という問題があった。
【0009】
3)図5(C)に示す第3の方法においては、列車模型310の図における右側に隣接する測定対象列車模型410に加わる力は、天秤311によって検出できるが、天秤311を内蔵する列車模型310自体に作用する力は検出することができない、という問題があった。
【0010】
4)また、従来の天秤では、1個の天秤で計測する場合には、図6に示すように、6個の力を検出しうる「6分力天秤」が必要であった。この6個の力とは、x軸方向(例えば、列車の走行方向)の軸力Fx、y軸方向(例えば、列車の走行方向に垂直な水平方向)の軸力Fy、z軸方向(例えば、鉛直上下方向)の軸力Fz、x軸のまわりのモーメントMx、y軸のまわりのモーメントMy、z軸のまわりのモーメントMzである。しかし、このような6分力天秤は、複雑な機構が必要であるため、非常に高価である、という問題があった。
【0011】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、移動体模型の設置箇所が狭隘の場合や、多数の車両からなる列車模型の場合でも測定が可能で、費用も低廉な空気力学的試験方法及びそのための移動体模型を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る移動体模型の空気力学的試験方法は、地上の走行路を走行する移動体を縮小した移動体模型に関する空気力学的試験を行う方法であって、
前記移動体模型は、
模型本体と、
前記模型本体の前後方向の一方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第1台車部と、
前記模型本体の前後方向の他方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第2台車部と、
前記模型本体の前記第1台車部の付近の内部に形成された第1収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第1収容空間側の内面に固定され他端が前記第1台車部に固定されかつ作用する力を検出する第1天秤部と、
前記模型本体の前記第2台車部の付近の内部に形成された第2収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第2収容空間側の内面に固定され他端が前記第2台車部に固定されかつ作用する力を検出する第2天秤部を有し、
前記移動体模型に空気力を作用させ、前記第1天秤部及び前記第2天秤部により各力を検出すること
を特徴とする。
【0013】
上記した移動体模型の空気力学的試験方法において、好ましくは、
前記第1天秤部は、前記第1台車部の上部に固定されて鉛直上方に延びるように立設され上端が前記模型本体の前記第1収容空間側の内面に固定される第1支柱を有し、前記第1支柱に作用する3軸方向の力を検出し、
前記第2天秤部は、前記第2台車部の上部に固定されて鉛直上方に延びるように立設され上端が前記模型本体の前記第2収容空間側の内面に固定される第2支柱を有し、前記第2支柱に作用する3軸方向の力を検出する。
【0014】
また、上記した移動体模型の空気力学的試験方法において、好ましくは、前記3軸方向の力は、前記鉛直方向の力、及び前記鉛直方向に垂直でかつ前記移動体模型の進行方向と平行な方向の力、及び前記鉛直方向に垂直でかつ前記移動体模型の進行方向に垂直な方向の力である。
【0015】
また、上記した移動体模型の空気力学的試験方法において、好ましくは、前記第1天秤部及び前記第2天秤部は、力を検出するひずみゲージを有する。
【0016】
また、上記した移動体模型の空気力学的試験方法において、好ましくは、前記第1台車部及び前記第2台車部は、風洞の内部に設置されるとともに前記走行路を縮小した走行路模型に固定され、前記風洞により前記移動体模型に空気流が吹き付けられる。
【0017】
また、上記した移動体模型の空気力学的試験方法において、好ましくは、前記移動体模型は、前記走行路を縮小した走行路模型の上を移動可能に構成される。
【0018】
また、本発明に係る空気力学的試験用移動体模型は、
空気力学的試験を行うために、地上の走行路を走行する移動体を縮小した移動体模型であって、
模型本体と、
前記模型本体の前後方向の一方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第1台車部と、
前記模型本体の前後方向の他方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第2台車部と、
前記模型本体の前記第1台車部の付近の内部に形成された第1収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第1収容空間側の内面に固定され他端が前記第1台車部に固定されかつ作用する力を検出する第1天秤部と、
前記模型本体の前記第2台車部の付近の内部に形成された第2収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第2収容空間側の内面に固定され他端が前記第2台車部に固定されかつ作用する力を検出する第2天秤部を備えること
を特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る列車模型風洞試験方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態である列車模型風洞試験方法を説明する図である。また、図1(B)は、図1(A)におけるA−A断面図である。
【0021】
図1に示すように、この列車模型風洞試験方法では、風洞の床53の上にレール模型51及び52を設置し、レール模型51、52の上に列車模型10を固定している。
【0022】
上記した列車模型10は、鉄道列車を縮小した模型であって、模型本体11と、第1台車部12と、第2台車部13と、第1天秤部14と、第2天秤部15を備えて構成されている。
【0023】
模型本体11は、金属、合成樹脂、木材、セラミックス等からなり、中空の細長い箱状の部材である。図1(A)においては、模型本体11の右端が前端部となり、模型本体11の左端が後端部となっている。また、模型本体11の内部の空間は、収容空間31となっている。また、模型本体11の下部には、前方に開口部11cが、後方に開口部11dが設けられている。
【0024】
第1台車部12は、金属、合成樹脂、木材、セラミックス等からなり、模型本体11の前部側の下部に配置されている。第1台車部12は、台車本体16と、2個の車軸21及び22を有している。車軸21には、車輪25と29が取り付けられている。また、車軸22には、車輪26と他の車輪(図示せず)が取り付けられている。また、第1台車部12は、模型本体11からは分離した状態となっている。
【0025】
第2台車部13は、金属、合成樹脂、木材、セラミックス等からなり、模型本体11の後部側の下部に配置されている。第2台車部13は、台車本体17と、2個の車軸23及び24を有している。車軸23には、車輪27と他の車輪(図示せず)が取り付けられている。また、車軸24には、車輪28と他の車輪(図示せず)が取り付けられている。また、第2台車部13は、模型本体11からは分離した状態となっている。
【0026】
また、第1天秤部14は、模型本体11の内部に形成された収容空間31に、模型本体11からは分離した状態で収容されている。また、第1天秤部14は、柱状の第1支柱32を有している。この第1支柱32の下端は、第1台車部12の上部に固定されており、第1支柱32は、第1台車部12から鉛直上方に延びるように立設されている。また、第1支柱32の上端は、模型本体11の収容空間31側の内面のうち、前方の天井の下面となる箇所11aに固定されている。この固定は、接着、溶接、ボルト等による機械接合等のいずれでもよい。
【0027】
また、第1支柱32の下端付近は、模型本体11の下部前方の開口部11cに挿通された状態となっている。また、第1支柱32には、作用する力を検出するひずみゲージ(後述)が取り付けられている。
【0028】
また、第2天秤部15は、模型本体11の内部に形成された収容空間31に、模型本体11からは分離した状態で収容されている。また、第2天秤部15は、柱状の第2支柱33を有している。この第2支柱33の下端は、第2台車部13の上部に固定されており、第2支柱33は、第2台車部13から鉛直上方に延びるように立設されている。また、第2支柱33の上端は、模型本体11の収容空間31側の内面のうち、後方の天井の下面となる箇所11bに固定されている。この固定は、接着、溶接、ボルト等による機械接合等のいずれでもよい。
【0029】
また、第2支柱33の下端付近は、模型本体11の下部後方の開口部11dに挿通された状態となっている。また、第2支柱33には、作用する力を検出するひずみゲージ(後述)が取り付けられている。
【0030】
また、上記の列車模型10の車輪25〜29(車輪26、27、28の逆側の図示しない車輪も含む)のうち、少なくとも1個は、レール模型51又は52に固定されている。この固定は、接着、溶接、ボルト等による機械接合等のいずれでもよい。
【0031】
風洞試験においては、列車模型10は、風洞の内部に設置され、風洞により、列車模型10に空気流が吹き付けられる。
【0032】
次に、図2及び図3を用いて、第1天秤部14における力の測定の原理を説明する。第2天秤部15における力の測定の原理もまったく同様である。
【0033】
図2(A)及び図2(B)は、作用する力を検出するための円柱状の部材(以下、「力検出用柱体」という。)40の構成を示している。図2(B)は、図2(A)のB−B断面図である。
【0034】
図2(A)及び図2(B)に示すように、力検出用柱体40の側面には、ひずみゲージ41及び42が貼り付けられている。
【0035】
図2(C)に示すように、ひずみゲージ41は、ゲージベース81と、抵抗部82と、リード線83及び84を有して構成されている。ゲージベース81は、紙、ポリエステル樹脂等の電気絶縁材料からなり、薄膜状に形成されている。抵抗部82は、金属や半導体等からなり、線状又は箔状に形成されている。抵抗部82の長さLGはゲージ長と呼ばれる。ひずみゲージ41は、接着剤等により力検出用柱体40の表面に貼り付けられている。
【0036】
力検出用柱体40に、図2(A)に示すようなz方向の引張力Fzが加わると、ひずみゲージ41の貼り付け位置の表面に引張応力が発生し、これに伴って抵抗部82のゲージ長LGに伸び量ΔLが発生する。ΔLとLGの比(ΔL/LG)を「ひずみ」といい、被測定物の表面に発生する「表面ひずみ」と等しい。金属等の抵抗は、ひずみに比例して変化する。ひずみゲージ41の抵抗値をRとし、ひずみをε(=ΔL/LG)とし、ひずみεによるひずみゲージ41の抵抗値の変化をΔRとすると、下式(1)の関係が成立する。
ΔR/R=K×ε ………(1)
ここに、Kは、比例定数であり、ゲージ率と呼ばれる。
【0037】
リード線83及び84は、金属等の導体で形成され、外部の電気回路等との接続に用いられ、上記したゲージの抵抗変化を電圧等の変化として外部に出力する。また、力検出用柱体40に、図2(A)とは逆の方向の圧縮力が加わった場合には、ひずみゲージ41の貼り付け位置の表面に圧縮応力が発生し、これに伴って抵抗部82のゲージ長LGに縮み量ΔLが発生する。この場合にも、上式(1)の関係が成立する。ひずみゲージ42についても、ひずみゲージ41とまったく同様である。
【0038】
したがって、ひずみゲージ41の抵抗値の変化を計測することにより、力検出用柱体40に作用するひずみεを検出することができる。フックの法則(弾性の法則)により、ひずみεから力検出用柱体40に作用する軸力Fzを検出することができる。
【0039】
あるいは、ひずみゲージ41の抵抗値の変化と、ひずみゲージ42の抵抗値の変化を加算した値の1/2の値を算出してもよい。また、図2(B)の断面の円周角度90度ごとに4個のひずみゲージを設置してもよい。4個のひずみゲージを用いると、各ひずみゲージを互いに接続して、「ホイートストンブリッジ回路」を構成することにより、温度変化等の誤差を低減することができる。
【0040】
図3は、力検出用柱体40の上端部40aに柱の中心軸(鉛直上下方向)に対して垂直となる水平力、例えばx方向(列車模型10の進行方向)の力Fxが作用した場合の力Fxの検出原理を説明するものである。ここに、図3(B)は、図3(A)のC−C断面図である。
【0041】
この場合には、力検出用柱体40の側面のうち、力Fxの前方位置、及び後方位置となる箇所にひずみゲージ43及び44が貼り付けられている。
【0042】
このような構成で、力検出用柱体40の上端部40aに、図3(A)に示すようなx方向の力Fxが加わると、力検出用柱体40の下端部40bが固定されている状態では、力検出用柱体40に、符号Mで示すような曲げモーメントが作用する。これにより、ひずみゲージ43の貼り付け位置の表面には、引張応力が発生し、ひずみゲージ44の貼り付け位置の表面には、圧縮応力が発生する。
【0043】
これらの引張応力あるいは圧縮応力に伴うひずみは、ひずみゲージ43及び44によって検出することができる。これらのひずみから、応力を逆に求めることができる。また、力Fxによる曲げモーメントMが作用する場合の部材の応力は、計算で求められるから、ひずみゲージ43及び44の出力値(抵抗変化)を計測することにより、力検出用柱体40に作用する力Fxを検出することができる。
【0044】
また、4個のひずみゲージを設置し、各ひずみゲージを互いに接続して、「ホイートストンブリッジ回路」を構成することにより、温度変化等の誤差を低減することができる。
【0045】
また、図示はしていないが、図3の場合とまったく同様にして、力検出用柱体40の上端部40aに柱の中心軸(鉛直上下方向)に対して垂直となる水平力、例えばy方向(列車模型10の進行方向に垂直な水平方向)の力Fyが作用した場合の力Fyも検出することができる。
【0046】
この場合も、4個のひずみゲージを設置し、各ひずみゲージを互いに接続して、「ホイートストンブリッジ回路」を構成することにより、温度変化等の誤差を低減することができる。
【0047】
上記した力検出用柱体40は、第1天秤部14の第1支柱32の内部に挿入配置されて構成される場合がある。あるいは、力検出用柱体40は、第1天秤部14の第1支柱32であってもよい。また、力検出用柱体40は、円柱に限定されず、角柱状、板状等であってもよい。第2天秤部15における力の測定の原理も、第1天秤部14の場合とまったく同様である。
【0048】
上記した列車模型10を用いれば、第1天秤部14からの出力と、第2天秤部15からの出力を合成することにより、列車模型10の運動を検出することができる。すなわち、図4におけるy軸まわりの回転運動であるM2(ピッチング)、図4におけるz軸まわりの回転運動であるM3(ヨーイング)は、第1天秤部14からの出力と、第2天秤部15からの出力を減算することにより、算出することができる。ただし、図4におけるx軸まわりの回転運動であるM1(ローリング)は、算出できない。
【0049】
上記した実施形態は、以下のような利点を有している。
【0050】
a)列車模型10の設置箇所が、トンネル模型内のように狭隘の場合でも、容易に設置、及び空気力の計測を行うことができる。
【0051】
b)多数の車両からなる列車模型の場合には、例えば、上記の列車模型10と同様な構成の車両を、レール模型51又は52の上に列車のように並べて配置するとともに、各車両の車輪のうち少なくとも1個はレール模型51又は52に固定されるように構成すればよい。このように構成することにより、多数の車両からなる列車模型の場合にも、上記した1両の列車模型10の場合とまったく同様にして、各車両に作用する空気力の測定を行うことができる。
【0052】
c)天秤部には、高価な6分力天秤ではなく、3分力天秤を使用するため、費用を低廉にすることができる。
【0053】
上記において、列車模型10は、特許請求の範囲における移動体模型及び空気力学的試験用移動体模型に相当している。また、レール模型51、52は、特許請求の範囲における走行路模型に相当している。また、収容空間31は、特許請求の範囲における第1収容空間と第2収容空間を兼ねている。
【0054】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではない。上記した実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0055】
例えば、列車模型10は、レール模型51、52に固定される場合に限定されず、レール模型51、52の上を移動可能なように構成されてもよい。この場合には、車軸21〜24が台車に固定され、車輪25等がレール模型51等の上を摺動するようにしてもよい。あるいは、車軸21等が台車本体16等に対して回転可能な構成としておき、車輪25等がレール模型51等の上をころがるようにしてもよい。このような構成とすれば、列車がトンネルから出たときに横風を受ける場合の空気力など、種々の場合の空気力学的試験を行うことができる。このように、移動体模型が走行路模型の上を移動可能に構成される場合、列車模型10が1両であるときには、第1台車部12の台車本体16と、第2台車部13の台車本体17は、例えば棒状の部材(図示せず)等により連結する必要がある。これは、列車模型10の第1台車部12と第2台車部13の移動速度にズレを生じさせないようにして、力の値を正確に測定するためである。また、移動体模型が走行路模型の上を移動可能に構成される場合で列車模型10が2両以上となるときにも、力の正確な測定のため、隣接する列車模型の隣接する台車部の台車本体どうしは、例えば棒状の部材(図示せず)等により連結する必要がある。
【0056】
また、本発明は、列車模型だけでなく、地上の走行路を走行する移動体を縮小した移動体模型に関する空気力学的試験方法であればよく、他の移動体、例えば、走行路上を走行する新交通システム、道路上を走行する自動車等にも適用可能である。
【0057】
また、第1台車部に設けられる車軸の個数は、1個又は3個以上であってもよい。第2台車部に設けられる車軸の個数も同様に、1個又は3個以上であってもよい。
【0058】
また、上記した収容空間31のように、全体を中空とするだけでなく、模型本体の第1台車部の付近の内部に個別に第1収容空間を形成し、かつ、模型本体の第2台車部の付近の内部に個別に第2収容空間を形成するようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移動体模型の空気力学的試験方法によれば、以下のような利点を有している。まず、列車模型の設置箇所が、トンネル模型内のように狭隘の場合でも、容易に設置、及び空気力の計測を行うことができる。さらに、第1天秤部、第2天秤部には、高価な6分力天秤ではなく、3分力天秤を使用するため、費用を低廉にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である列車模型風洞試験方法を説明する図である。
【図2】第1天秤部における力の測定の原理を説明する第1の図である。
【図3】第1天秤部における力の測定の原理を説明する第2の図である。
【図4】列車模型の運動を説明する図である。
【図5】従来の列車模型風洞試験方法を説明する図である。
【図6】従来の6分力天秤により計測される6個の力を示す図である。
【符号の説明】
10 列車模型
11 模型本体
11a、11b 支柱取付部
11c、11d 開口部
12 第1台車部
13 第2台車部
14 第1天秤部
15 第2天秤部
16、17 台車本体
21〜24 車軸
25〜29 車輪
31 収容空間
32 第1支柱
33 第2支柱
40 力検出用柱体
41 ひずみゲージ
51、52 レール模型
53 風洞床
81 ゲージベース
82 抵抗部
83、84 リード線
LG ゲージ長
110 列車模型
111〜113 天秤
121〜125 ピアノ線
151 レール模型
153 風洞床
154〜158 風洞内壁
210 列車模型
211 天秤
221 支柱
251 レール模型
253 風洞床
310 列車模型
311 天秤
321 梁部材
325 車輪
351 レール模型
353 風洞床
410 測定対象列車模型
425 車輪

Claims (7)

  1. 地上の走行路を走行する移動体を縮小した移動体模型に関する空気力学的試験を行う方法であって、
    前記移動体模型は、
    模型本体と、
    前記模型本体の前後方向の一方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第1台車部と、
    前記模型本体の前後方向の他方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第2台車部と、
    前記模型本体の前記第1台車部の付近の内部に形成された第1収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第1収容空間側の内面に固定され他端が前記第1台車部に固定されかつ作用する力を検出する第1天秤部と、
    前記模型本体の前記第2台車部の付近の内部に形成された第2収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第2収容空間側の内面に固定され他端が前記第2台車部に固定されかつ作用する力を検出する第2天秤部を有し、
    前記移動体模型に空気力を作用させ、前記第1天秤部及び前記第2天秤部により各力を検出すること
    を特徴とする移動体模型の空気力学的試験方法。
  2. 請求項1記載の移動体模型の空気力学的試験方法において、
    前記第1天秤部は、前記第1台車部の上部に固定されて鉛直上方に延びるように立設され上端が前記模型本体の前記第1収容空間側の内面に固定される第1支柱を有し、前記第1支柱に作用する3軸方向の力を検出し、
    前記第2天秤部は、前記第2台車部の上部に固定されて鉛直上方に延びるように立設され上端が前記模型本体の前記第2収容空間側の内面に固定される第2支柱を有し、前記第2支柱に作用する3軸方向の力を検出すること
    を特徴とする移動体模型の空気力学的試験方法。
  3. 請求項2記載の移動体模型の空気力学的試験方法において、
    前記3軸方向の力は、前記鉛直方向の力、及び前記鉛直方向に垂直でかつ前記移動体模型の進行方向と平行な方向の力、及び前記鉛直方向に垂直でかつ前記移動体模型の進行方向に垂直な方向の力であること
    を特徴とする移動体模型の空気力学的試験方法。
  4. 請求項1記載の移動体模型の空気力学的試験方法において、
    前記第1天秤部及び前記第2天秤部は、力を検出するひずみゲージを有すること
    を特徴とする移動体模型の空気力学的試験方法。
  5. 請求項1記載の移動体模型の空気力学的試験方法において、
    前記第1台車部及び前記第2台車部は、風洞の内部に設置されるとともに前記走行路を縮小した走行路模型に固定され、前記風洞により前記移動体模型に空気流が吹き付けられること
    を特徴とする移動体模型の空気力学的試験方法。
  6. 請求項1記載の移動体模型の空気力学的試験方法において、
    前記移動体模型は、前記走行路を縮小した走行路模型の上を移動可能に構成されること
    を特徴とする移動体模型の空気力学的試験方法。
  7. 空気力学的試験を行うために、地上の走行路を走行する移動体を縮小した移動体模型であって、
    模型本体と、
    前記模型本体の前後方向の一方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第1台車部と、
    前記模型本体の前後方向の他方の前記模型本体の下部に設けられるとともに1又は2以上の車軸と当該車軸の両端付近に設けられる車輪を有しかつ前記模型本体から分離した状態に構成された第2台車部と、
    前記模型本体の前記第1台車部の付近の内部に形成された第1収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第1収容空間側の内面に固定され他端が前記第1台車部に固定されかつ作用する力を検出する第1天秤部と、
    前記模型本体の前記第2台車部の付近の内部に形成された第2収容空間に前記模型本体から分離した状態で収容されるとともに一端が前記模型本体の前記第2収容空間側の内面に固定され他端が前記第2台車部に固定されかつ作用する力を検出する第2天秤部を備えること
    を特徴とする空気力学的試験用移動体模型。
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