JP3807946B2 - 使い捨て着用物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排泄物を吸収、保持する使い捨て着用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平8−322876号公報は、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、縦方向に前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、股下域の両側に横方向内方へ向かって実質的に弧を画く脚周り当接縁部を有し、縦方向へ延びる実質的に不透液性の防漏カフが脚周り当接縁部近傍に縦方向へ伸長状態で取り付けられた使い捨て着用物品を開示している。
【0003】
脚周り当接縁部は、コアの両側縁の外側を股下域から前後胴周り域へ向かって縦方向へ延びる第1当接縁部と、前胴周り域の側に位置する第1当接縁部の前部から横方向外方へ向かって延びる第2当接縁部と、後胴周り域の側に位置する第1当接縁部の後部から前記横方向外方へ向かって延びる第3当接縁部とから形成されている。
【0004】
防漏カフは、第1当接縁部を縦方向へ延びる固定縁部と、表面シートの上方へ起立性向を有して縦方向へ延びる自由縁部と、前後胴周り域に位置して物品の横方向内方へ倒伏した固定前後端部とを有する。自由縁部には、縦方向へ延びる伸縮性の弾性部材が伸長状態で取り付けられている。このおむつでは、それが表面シートを内側にして湾曲すると、防漏カフの自由縁部が縦方向へ収縮し、自由縁部が表面シートの上方へ起立する。このおむつでは、防漏カフの自由縁部が排泄物に対する障壁を形成し、第1当接縁部からの排泄物の漏出を防ぐことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
同号公報に開示のおむつでは、防漏カフの固定前後端部が物品の横方向内方へ倒伏しているので、固定前後端部が排泄物に対する障壁として機能せず、軟便や水様便等の流動性排泄物が防漏カフの固定前後端部を容易に乗り越えてしまい、第2および第3当接縁部へ向かって流動した流動性排泄物がそれら当接縁部から漏出する場合がある。
【0006】
本発明の課題は、第2および第3当接縁部からの排泄物の漏出を防ぐことができる使い捨て着用物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、縦方向に前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、前記股下域の両側に横方向内方へ向かって実質的に弧を画く脚周り当接縁部を有し、前記脚周り当接縁部が、前記股下域から前記前後胴周り域へ向かって前記縦方向へ延びる第1当接縁部と、前記前胴周り域の側に位置する前記第1当接縁部の前部から横方向外方へ向かって延びる第2当接縁部と、前記後胴周り域の側に位置する前記第1当接縁部の後部から前記横方向外方へ向かって延びる第3当接縁部とから形成された使い捨て着用物品である。
【0008】
かかる前提における本発明の特徴は、前記肌当接側に位置して横方向へ延びる実質的に不透液性の防漏シートが、前記第2および第3当接縁部の少なくとも一方に取り付けられ、前記防漏シートが、前記第2および第3当接縁部の前記少なくとも一方を前記横方向へ延びる固定縁部と、前記固定縁部と並行して前記胴周り域の側を前記横方向へ延びる自由縁部と、前記第1当接縁部の側を前記縦方向へ延びる固定内端部と、前記固定内端部から横方向外方へ所与寸法離間して前記縦方向へ延びる固定外端部とを有することにある。
【0009】
本発明の実施の態様の一例としては、前記防漏シートが、前記固定内端部から前記固定外端部へ向かうにつれて前記物品を前記縦方向へ二分する横中心線から次第に離間するように延びている。
【0010】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記肌当接側に位置して前記縦方向へ延びる実質的に不透液性の防漏カフが、前記脚周り当接縁部近傍に前記縦方向へ伸長状態で取り付けられ、前記防漏カフが、前記脚周り当接縁部近傍を前記縦方向へ延びる固定縁部と、前記表面シートの上方へ起立性向を有して前記縦方向へ延びる自由縁部と、前記前後胴周り域に位置して前記横方向内方と前記横方向外方とのいずれか一方へ倒伏した固定前後端部とを有し、前記防漏シートが、前記防漏カフの外側に位置している。
【0011】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記防漏シートの固定内端部が、前記防漏カフの自由縁部に固着されている。
【0012】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記防漏カフと前記防漏シートとが、実質的に非伸縮性の帯状シートから形成され、前記縦方向へ延びる伸縮性の第1弾性部材が、前記防漏カフの自由縁部に前記縦方向へ伸長状態で取り付けられ、前記横方向へ延びる伸縮性の第2弾性部材が、前記防漏シートの自由縁部に前記横方向へ伸長状態で取り付けられている。
【0013】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記防漏カフと前記防漏シートとが、弾性的な伸縮性を有する帯状シートから形成され、前記防漏シートが、前記第2および第3当接縁部の少なくとも一方に前記横方向へ伸長状態で取り付けられている。
【0014】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明にかかる使い捨て着用物品の詳細を開放型の使い捨ておむつを例として説明すると、以下のとおりである。
【0015】
図1,2は、表面シート2の側から示すおむつ1Aの部分破断斜視図と、図1のA−A線断面図とであり、図3は、前後胴周り域23,25を連結した着用状態で示す図1のおむつ1Aの断面斜視図である。図1では、横方向を矢印Xで示し、縦方向を矢印Yで示す。なお、表面シート2と裏面シート3との内面とは、コア4に対向する面をいい、それらシート2,3の外面とは、コア4に非対向の面をいう。
【0016】
おむつ1Aは、肌当接側に位置する透液性表面シート2と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート3と、それらシート2,3の間に介在する吸液性コア4とを主要な構成部材とする。コア4は、表面シート2と裏面シート3との内面に接合されている。おむつ1Aは、それら構成部材の他に、表面シート2の外面を縦方向へ延びる実質的に不透液性の防漏カフ5と、防漏カフ5の外側に位置して表面シート2の外面を横方向へ延びる実質的に不透液性の防漏シート6とを有する。
【0017】
おむつ1Aは、縦方向に前胴周り域23および後胴周り域25と、前後胴周り域23,25の間に位置する股下域24とを備え、前後胴周り域23,25を横方向へ延びる両端縁部7と、前後胴周り域23,25を縦方向へ延びる両側縁部8とを有する。股下域24の両側には、おむつ1Aの横方向内方へ向かって実質的に弧を画く脚周り当接縁部9が延びている。
【0018】
脚周り当接縁部9は、コア4の両側縁4の外側を股下域24から前後胴周り域23,25へ向かって縦方向へ延びる第1当接縁部12と、前胴周り域23の側に位置する第1当接縁部12の前部12aから横方向外方へ向かって延びる第2当接縁部13と、後胴周り域25の側に位置する第1当接縁部12の後部12bから横方向外方へ向かって延びる第3当接縁部14とから形成されている。第2および第3当接縁部13,14は、第1当接縁部12の前後部12a,12bから横方向外方へ向かうにつれておむつ1Aを縦方向へ二分する横中心線Zから次第に離間するように延びている。
【0019】
防漏カフ5は、実質的に非伸縮性の帯状シートから形成されている。防漏カフ5は、脚周り当接縁部9近傍に縦方向へ伸長状態で取り付けられ、股下域24から前後胴周り域23,25へ向かって延びている。
【0020】
防漏カフ5は、脚周り当接縁部9近傍を縦方向へ延びる固定縁部5aと、表面シート2の上方へ起立性向を有して縦方向へ延びる自由縁部5bと、前後胴周り域23,25に位置しておむつ1Aの横方向内方へ倒伏した固定前後端部5cとを有する。防漏カフ5は、固定縁部5aが脚周り当接縁部9に固着され、固定前後端部5cが両端縁部7に固着されている。
【0021】
防漏カフ5では、固定縁部5aから横方向外方へ側部5dが延びている。防漏カフ5の自由縁部5bには、縦方向へ延びる伸縮性の弾性部材15が伸長状態で取り付けられている。弾性部材15は、自由縁部5bの一部に被覆されている。
【0022】
防漏シート6は、実質的に非伸縮性の帯状シートから形成されている。防漏シート6は、第3当接縁部14に横方向へ伸長状態で取り付けられ、第1当接縁部12の後部12bから後胴周り域25の両側縁部8へ向かって延びている。
【0023】
防漏シート6は、第3当接縁部14を横方向へ延びる固定縁部6aと、固定縁部6aと並行して後胴周り域25の側を横方向へ延びる自由縁部6bと、第1当接縁部12の後部12b近傍を縦方向へ延びる固定内端部6と、後胴周り域25の両側縁部8を縦方向へ延びる固定外端部6dとを有する。防漏シート6は、固定縁部6aが第3当接縁部14に固着され、固定内端部6cが第1当接縁部12の後部12b近傍に固着され、さらに、固定外端部6dが後胴周り域25の両側縁部8に固着されている。
【0024】
防漏シート6は、固定内端部6cから固定外端部6dへ向かうにつれて横中心線Zから次第に離間するように延びている。防漏シート6の自由縁部6bには、横方向へ延びる伸縮性の弾性部材16が伸長状態で取り付けられている。弾性部材16は、自由縁部6bの一部に被覆されている。
【0025】
おむつ1Aでは、それが表面シート2を内側にして縦方向へ湾曲すると、弾性部材15の収縮にともなって防漏カフ5の自由縁部5bが縦方向へ収縮し、自由縁部5bが表面シート2の上方へ起立する。
【0026】
両端縁部7には、横方向へ延びる帯状の胴周り用弾性部材10が伸長状態で取り付けられている。脚周り当接縁部9には、縦方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材11が伸長状態で取り付けられている。
【0027】
おむつ1Aでは、後胴周り域25の両側縁部8に一対のテープファスナ17が取り付けられ、前胴周り域23における裏面シート3の外面にテープファスナ17の止着域となる矩形のターゲットテープ18が取り付けられている。
【0028】
テープファスナ17は、可撓性を有するプラスチックフィルムから形成され、後胴周り域25の両側縁部8に固着された基端部と、ターゲットテープ18に係脱可能に止着する自由端部とを有する。テープファスナ17は、自由端部に粘着剤(図示せず)が塗布され、自由端部が粘着剤を介して表面シート2の外面に仮着されている。ターゲットテープ18は、可撓性を有するプラスチックフィルムから形成されている。
【0029】
両端縁部7では、表面シート2の端部2aと裏面シート3の端部3aとがコア4の両端縁4aから縦方向外方へ延び、それら端部2a,3aの互いに重なり合う部分が固着されている。防漏カフ5の固定前後端部5cは、表面シート2の端部2aに固着されている。胴周り用弾性部材10は、表面シート2の端部2aと裏面シート3の端部3aとの間に介在し、それら端部2a,3aに固着されている。
【0030】
両側縁部8と脚周り当接縁部9とでは、表面シート2の側部2bがコア4の両側縁4bから横方向外方へわずかに延び、側部2bからさらに横方向外方へ裏面シート3の側部3bと防漏カフ5の側部5dとが延びている。側部2bと側部3bとは、それら側部2b,3bの互いに重なり合う部分が固着されている。側部3bと側部5dとは、それら側部3b、5dの互いに重なり合う部分が固着されている。防漏カフ5の固定縁部5aは、表面シート2の側部2bに固着されている。脚周り用弾性部材11は、裏面シート3の側部3bと防漏カフ5の側部5dとの間に介在し、それら側部3b,5dに固着されている。防漏シート6の固定縁部6aと固定内端部6および固定外端部6とは、防漏カフ5の側部5dに固着されている。
【0031】
おむつ1Aを着用するには、後胴周り域25の両側縁部8を前胴周り域23の両側縁部8の外側に重ね合わせ、粘着剤を介してテープファスナ17の自由端部をターゲットテープ18に止着する。前後胴周り域23,25が連結されたおむつ1Aには、図3に示すように、胴周り開口19と、脚周り開口20とが画成される。
【0032】
おむつ1Aでは、起立した防漏カフ5の自由縁部5bが排泄物に対する障壁を形成する。おむつ1Aでは、第1当接縁部12からの排泄物の漏出が防漏カフ5によって防止される。おむつ1Aでは、軟便や水様便等の流動性排泄物が防漏カフ5の固定後端部5cを乗り越え、それが第3当接縁部14へ向かって流動したとしても、防漏シート6の自由縁部6bによって排泄物が堰き止められる。おむつ1Aでは、第3当接縁部14からの排泄物の漏出が防漏シート6によって防止される。
【0033】
図4,5は、他の実施の形態を示す使い捨ておむつ1Bの部分破断斜視図と、図4のB−B線断面図とであり、図6は、前後胴周り域23,25を連結した着用状態で示す図4のおむつ1Bの断面斜視図である。図4では、横方向を矢印Xで示し、縦方向を矢印Yで示す。図4のおむつ1Bが図1のそれと異なる点は、以下のとおりである。
【0034】
このおむつ1Bでは、防漏シート6が第3当接縁部14に取り付けられ、さらに、防漏シート21が第2当接縁部13に取り付けられている。防漏シート21は、防漏カフ5の外側に位置して表面シート2の外面を横方向へ延びている。
【0035】
防漏シート21は、実質的に非伸縮性の帯状シートから形成されている。防漏シート21は、第2当接縁部13に横方向へ伸長状態で取り付けられ、第1当接縁部12の前部12aから前胴周り域23の両側縁部8へ向かって延びている。
【0036】
防漏シート21は、第2当接縁部13を横方向へ延びる固定縁部21aと、固定縁部21aと並行して前胴周り域23の側を横方向へ延びる自由縁部21bと、第1当接縁部12の前部12a近傍を縦方向へ延びる固定内端部21cと、前胴周り域23の両側縁部8を縦方向へ延びる固定外端部21dとを有する。防漏シート21は、固定縁部21aが第2当接縁部13に固着され、固定外端部21dが前胴周り域23の両側縁部8に固着されている。
【0037】
防漏シート21は、固定内端部21cから固定外端部21dへ向かうにつれて横中心線Zから次第に離間するように延びている。防漏シート21の自由縁部21bには、横方向へ延びる伸縮性の弾性部材22が伸長状態で取り付けられている。弾性部材22は、自由縁部21bの一部に被覆されている。
【0038】
このおむつ1Bでは、それら防漏シート6,21の固定内端部6c,21cが防漏カフ5の自由縁部5bに固着されている。おむつ1Bでは、防漏カフ5の自由縁部5bが表面シート2の上方へ起立することにともなって、防漏シート6,21の自由縁部6b,21bが表面シート2の上方へ持ち上げられるので、防漏カフ5の自由縁部5bと防漏シート6,21の自由縁部6b,21bとが排泄物に対する障壁を形成する。このおむつ1Bでは、軟便や水様便等の流動性排泄物が防漏シート6,21の自由縁部6b,21bを乗り越えてしまうことを防ぐことができる。
【0039】
おむつ1Bでは、流動性排泄物が防漏カフ5の固定前後端部5cを乗り越え、それが第2および第3当接縁部13,14へ向かって流動したとしても、防漏シート6,21の自由縁部6b,21bによって排泄物が堰き止められる。おむつ1Bでは、第2および第3当接縁部13,14からの排泄物の漏出がそれら防漏シート6,21によって防止される。
【0040】
それら図示例のおむつ1A,1Bでは、それを着用したときに、防漏シート6,21の自由縁部6b,21bに取り付けられた弾性部材16,22が横方向外方へ伸長し、脚周り用弾性部材11と相俟って、弾性部材16,22が着用者の脚周りを締め付けるので、第2および第3当接縁部13,14を着用者の脚周りに密着させることができる。
【0041】
それら図示例のおむつ1A,1Bでは、防漏カフ5と防漏シート6,21とが弾性的な伸縮性を有する帯状シートから形成されていてもよい。この場合は、それらの自由縁部5b,6b,21bに対する弾性部材15,16,22の取り付けを省くことができる。
【0042】
表面シート2には、親水性繊維不織布、または、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムを使用することができる。裏面シート3には、疎水性繊維不織布、不透液性のプラスチックフィルム、疎水性繊維不織布を重ね合わせた2層の不織布、疎水性繊維不織布にプラスチックフィルムを固着した複合シートのいずれかを使用することができる。防漏カフ5と防漏シート6,21とには、疎水性繊維不織布を使用することができる。
【0043】
裏面シート3や防漏カフ5、防漏シート6,21には、高い耐水性を有するメルトブローン法による繊維不織布を、高い強度を有しかつ柔軟性に富んだスパンボンド法による繊維不織布で挟んだ複合不織布を使用することもできる。
【0044】
不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン、または、ポリエチレン/ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【0045】
防漏カフ5と防漏シート6,21とが伸縮性のシートから形成されている場合は、伸縮性を有する疎水性繊維不織布を使用することができる。伸縮性繊維不織布としては、メルトブローンやスパンボンドの各製法により製造されたものを使用することができる。伸縮性繊維不織布の構成繊維としては、熱可塑性エラストマー樹脂を溶融、紡糸した伸縮性繊維を使用することができる。また、防漏カフと防漏シートとには、熱可塑性エラストマー樹脂繊維からなる伸縮性かつ疎水性繊維不織布の少なくとも片面に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、のいずれかの熱可塑性合成樹脂を溶融、紡糸した捲縮繊維からなる疎水性繊維不織布を貼り合わせた複合不織布を使用することもできる。
【0046】
コア4は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所要の厚みに圧縮されている。コア4は、ポリマー粒子の脱落や型崩れを防止するためにその全体がティッシュペーパーに被覆されていることが好ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【0047】
表裏面シート2,3の固着や防漏カフ5の固着、防漏シート6,21の固着、コア4の接合、弾性部材10,15,16,22の取り付けには、ホットメルト型接着剤、または、ヒートシールや超音波接合等の熱による溶着手段を利用することができる。
【0048】
この発明は、開放型のおむつの他に、前後胴周り域があらかじめ連結されたパンツ型のおむつにも実施することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明にかかる使い捨て着用物品によれば、軟便や水様便等の流動性排泄物が第2および第3当接縁部へ向かって流動したとしても、防漏シートの自由縁部によって排泄物が堰き止められる。この物品では、第2および第3当接縁部からの排泄物の漏出が防漏シートによって防止される。
【0050】
脚周り当接縁部近傍に縦方向へ延びる防漏カフが取り付けられた物品では、起立した防漏カフの自由縁部が排泄物に対する障壁を形成し、第1当接縁部からの排泄物の漏出が防漏カフによって防止される。防漏カフの固定前後端部を乗り越えて第2および第3当接縁部へ向かって流動した排泄物は、防漏シートの自由縁部によって堰き止められる。
【0051】
防漏シートの固定内端部が防漏カフの自由縁部に固着された物品では、防漏カフの自由縁部が表面シートの上方へ起立することにともなって、防漏シートの自由縁部が表面シートの上方へ持ち上げられるので、自由縁部が排泄物に対する障壁を形成し、第2および第3当接縁部からの排泄物の漏出防止を向上させることができる。
【0052】
また、それら物品では、脚周り用弾性部材と相俟って、防漏シートの自由縁部に取り付けられた弾性部材が着用者の脚周りを締め付けるので、第2および第3当接縁部を着用者の脚周りに密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面シートの側から示すおむつの部分破断斜視図。
【図2】 図1のA−A線断面図。
【図3】 前後胴周り域を連結した着用状態で示す図1のおむつの部分破断斜視図。
【図4】 他の実施の形態を示す使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図5】 図5のB−B線断面図。
【図6】 前後胴周り域を連結した着用状態で示す図4のおむつの部分破断斜視図。
【符号の説明】
1A 使い捨ておむつ(使い捨て着用物品)
1B 使い捨ておむつ(使い捨て着用物品)
2 透液性表面シート
3 不透液性裏面シート
4 吸液性コア
5 防漏カフ
5a 固定縁部
5b 自由縁部
5c 固定前後端部
6 防漏シート
6a 固定縁部
6b 自由縁部
6c 固定内端部
6d 固定外端部
9 脚周り当接縁部
12 第1当接縁部
12a 前部
12b 後部
13 第2当接縁部
14 第3当接縁部
15 弾性部材(第1弾性部材)
16 弾性部材(第2弾性部材)
21 防漏シート
21a 固定縁部
21b 自由縁部
21c 固定内端部
21d 固定外端部
22 弾性部材(第2弾性部材)
23 前胴周り域
24 股下域
25 後胴周り域
Z 横中心線

Claims (6)

  1. 肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、縦方向に前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、前記股下域の両側に横方向内方へ向かって実質的に弧を画く脚周り当接縁部を有し、前記脚周り当接縁部が、前記股下域から前記前後胴周り域へ向かって前記縦方向へ延びる第1当接縁部と、前記前胴周り域の側に位置する前記第1当接縁部の前部から横方向外方へ向かって延びる第2当接縁部と、前記後胴周り域の側に位置する前記第1当接縁部の後部から前記横方向外方へ向かって延びる第3当接縁部とから形成された使い捨て着用物品において、
    前記肌当接側に位置して横方向へ延びる実質的に不透液性の防漏シートが、前記第2および第3当接縁部の少なくとも一方に取り付けられ、前記防漏シートが、前記第2および第3当接縁部の前記少なくとも一方を前記横方向へ延びる固定縁部と、前記固定縁部と並行して前記胴周り域の側を前記横方向へ延びる自由縁部と、前記第1当接縁部の側を前記縦方向へ延びる固定内端部と、前記固定内端部から横方向外方へ所与寸法離間して前記縦方向へ延びる固定外端部とを有することを特徴とする前記物品。
  2. 前記防漏シートが、前記固定内端部から前記固定外端部へ向かうにつれて前記物品を前記縦方向へ二分する横中心線から次第に離間するように延びている請求項1記載の物品。
  3. 前記肌当接側に位置して前記縦方向へ延びる実質的に不透液性の防漏カフが、前記脚周り当接縁部近傍に前記縦方向へ伸長状態で取り付けられ、前記防漏カフが、前記脚周り当接縁部近傍を前記縦方向へ延びる固定縁部と、前記表面シートの上方へ起立性向を有して前記縦方向へ延びる自由縁部と、前記前後胴周り域に位置して前記横方向内方と前記横方向外方とのいずれか一方へ倒伏した固定前後端部とを有し、前記防漏シートが、前記防漏カフの外側に位置している請求項1または請求項2に記載のおむつ。
  4. 前記防漏シートの固定内端部が、前記防漏カフの自由縁部に固着されている請求項3記載のおむつ。
  5. 前記防漏カフと前記防漏シートとが、実質的に非伸縮性の帯状シートから形成され、前記縦方向へ延びる伸縮性の第1弾性部材が、前記防漏カフの自由縁部に前記縦方向へ伸長状態で取り付けられ、前記横方向へ延びる伸縮性の第2弾性部材が、前記防漏シートの自由縁部に前記横方向へ伸長状態で取り付けられている請求項3または請求項4に記載のおむつ。
  6. 前記防漏カフと前記防漏シートとが、弾性的な伸縮性を有する帯状シートから形成され、前記防漏シートが、前記第2および第3当接縁部の少なくとも一方に前記横方向へ伸長状態で取り付けられている請求項3または請求項4に記載のおむつ。
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