JP3807942B2 - 盲人用誘導案内システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は盲人用誘導案内システムに関し、詳しくは目の不自由な人(本明細書では、単に盲人者という。)を目的地まで誘導する盲人用誘導案内装置と盲人用の補装具である盲人用安全杖(本明細書では、単に盲人用杖という。)又は盲人用歩行ガイド装置の組み合わせから成る誘導システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、盲人者が単独で目的地に移動しようとする場合、盲人用杖を頼りにして、盲人者自身が路面状態及び周囲の音を認識することで、自分の現在位置を認識し判断し、目的地までの移動を行っていた。
【0003】
また、盲導犬を同伴している場合でも、盲導犬が盲人者の行き先を知って誘導するわけではなく、交差点等の道の分岐点や階段の位置等を盲人者に知らせるものであり、どこへ行くかという意志は盲人者にあり、盲人者が予め地図を調べて「いくつめの交差点を右・・・」というように記憶したり、他人に聞いた情報に基づき、盲導犬に命令し、かかる命令に従って盲導犬は動くものであるため、目的地への具体的な経路等の細かな情報を予め認識する必要がある。
【0004】
日頃、慣れ親しんだ地域や通い慣れた頻繁な場所を目的地とする場合には特に問題は無いが、滅多に訪れることの無い場所や初めて訪れる場所の場合、路面状態や周囲の音による判断が極めて困難である。
【0005】
また、その日の状況や曜日等の種々条件(例えば、平日と休日との違い)によって周囲の音も変化するため、初めて訪れる場所までの経路中の情報を全て事前に得ることは不可能に近い。
【0006】
さらに、目的地が初めて訪れる場所であり、しかも経路途中に電車やバス等の交通機関を利用する場合、利用する時間帯や乗り継ぎの不手際等によって、予想以上に非効率的な時間を過ごしてしまう場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、目的地が初めて訪れる場所であっても、安全に、しかも確実且つ容易に目的地まで誘導可能な盲人用誘導案内システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は下記構成によって達成される。
【0009】
1.地図データ及び危険個所データを記憶した地図記憶手段と、現在位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置及び前記目的地設定手段で設定された目的地を前記地図記憶手段が記憶中の地図データから検索する地図検索手段と、該地図検索手段で検索された現在位置及び目的地間の経路を地図データから検索する経路検索手段と、該経路検索手段で検索された経路と前記危険個所に近付いた時とを音声案内する音声案内手段とを備えた盲人用誘導案内装置と、盲人用杖との組み合わせから成り、前記盲人用誘導案内装置はショルダーバッグ又はリュックサック等の携帯鞄類に収納されており、前記盲人用杖は障害物センサーを有する盲人用誘導案内システムであり、前記地図記憶手段に記憶されている危険個所に近付いた時に、前記盲人用杖の障害物センサーの感知範囲が切り替わることを特徴とする盲人用誘導案内システム。
【0010】
2.地図データ及び危険個所データを記憶した地図記憶手段と、現在位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置及び前記目的地設定手段で設定された目的地を前記地図記憶手段が記憶中の地図データから検索する地図検索手段と、該地図検索手段で検索された現在位置及び目的地間の経路を地図データから検索する経路検索手段と、該経路検索手段で検索された経路と前記危険個所に近付いた時とを音声案内する音声案内手段とを備えた盲人用誘導案内装置と、盲人用歩行ガイド装置との組み合わせから成り、前記盲人用誘導案内装置はショルダーバッグ又はリュックサック等の携帯鞄類に収納されており、前記盲人用歩行ガイド装置は障害物センサーを有する盲人用誘導案内システムであり、前記盲人用歩行ガイド装置は、4つの走行用車輪と1つの危険回避用車輪の計5つの車輪を有した構成であることを特徴とする盲人用誘導案内システム。
【0011】
3.前記盲人用歩行ガイド装置は、太陽電池等の電源を備えた本体に盲人用ハンドルと前記電源によって電動走行する車輪を備えていることを特徴とする上記2に記載の盲人用誘導案内システム。
【0013】
.前記地図記憶手段に記憶されている危険個所に近付いた時に、前記盲人用杖の障害物センサーの感知範囲が切り替わることを特徴とする上記1〜のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
【0014】
4.前記地図記憶手段に時刻表等の各種交通機関の交通情報が記憶されており、利用する交通機関に近付いた時に、目的地と現在時刻から最適な交通手段を検索し、検索した交通手段の情報を音声案内することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
【0015】
.前記携帯鞄類に及び/又は盲人用杖及び/又は盲人用歩行ガイド装置が、盲人の存在を知らせる点滅灯及び/又は音響等の警報手段を有することを特徴とする上記1〜のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
【0016】
.前記盲人用杖が、道路の高低差を感知するためのキャスターを有することを特徴とする上記1〜のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
【0017】
.前記目的地設定手段の目的地の設定が音声入力によることを特徴とする上記1〜の何れかに記載の盲人用誘導案内システム。
【0018】
.前記盲人用誘導案内装置がアンテナを有し、該アンテナが前記携帯鞄類及び/又は前記盲人用杖及び/又は盲人用歩行ガイド装置に配設されていることを特徴とする上記1〜のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
【0020】
.前記盲人用歩行ガイド装置の5つの車輪の各々は、シリンダー機構によって上下動可能に懸架され、障害物センサーによって検知された路面状況(凹凸や階段等の段差等)に応じてシリンダー機構が作動して車輪の上下動を行う構成であることを特徴とする上記に記載の盲人用誘導案内システム。
【0021】
10.前記盲人用歩行ガイド装置の危険回避用車輪は、通常時は路面と非接触状態であり、危険回避時に路面に接地して回避方向への移動を可能とする構成であることを特徴とする上記又はに記載の盲人用誘導案内システム。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0023】
図1は本発明に係る盲人用誘導案内システムを構成する盲人用誘導案内装置及び盲人用杖の一実施例を示す概略斜視図、図2は盲人用誘導案内装置の概略構成を示すブロック図、図3は盲人用歩行ガイド装置の一実施例を示す概略斜視図である。
【0024】
本発明に係る盲人用誘導案内システムの第一の実施例は、盲人用誘導案内装置1と、盲人用杖2との組み合わせからなり、盲人用誘導案内装置1は、図示するようにショルダーバッグ形式の携帯鞄類3に収納されている。尚、盲人用誘導案内装置1を収納するものとしては、ショルダーバッグに限らず、日常的に愛用している携帯鞄類であればよく、リュックサック、ウエストポーチ、ヒップバッグ等、公知公用の他の形式の鞄類であってもよい。
また、盲人用杖2は障害物センサーを有するものである。
【0025】
先ず、盲人用誘導案内装置1について説明する。
盲人用誘導案内装置1は、主として、地図データを記憶した地図記憶手段と、現在位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置及び前記目的地設定手段で設定された目的地を前記地図記憶手段が記憶中の地図データから検索する地図検索手段と、該地図検索手段で検索された現在位置及び目的地間の経路を地図データから検索する経路検索手段と、該経路検索手段で検索された経路を音声案内する音声案内手段とを備えており、装置全体は本体装置によって制御されている。
【0026】
以下、各構成について詳述する。
位置検出手段である通信部10は、例えば、ナビゲーションシステム等で使用されているGPS(Global Positioning System「全地球位置把握システム」)を採用することができ、GPS衛星との間で通信動作を行うことで盲人者の現在位置情報を得るGPS部11を有している。通信部10の通信アンテナはショルダーバッグ3(携帯鞄類)及び/又は盲人用杖2に配設されていることが好ましい。
【0027】
音声案内手段であるスピーカー部20は、経路案内等の音声メッセージを音声出力するものである。ヘッドホン形式とすることも考えられるが、盲人者は周囲の音を重要な認識情報獲得手段としているので、両耳を塞ぐ態様は好ましくない。従って、耳の近傍、例えば、衣服の襟元にセットできるスピーカー形式であることが最も好ましい。襟元への取付はクリップ22等の簡易な固定手段であることが好ましい。
【0028】
尚、本発明においてはスピーカー部20の形式として片耳式のヘッドホン或いはイヤホン形式、又は両耳式のヘッドホン或いはイヤホン形式を排除するものではない。
【0029】
目的地設定手段である目的地を設定する一方式としては音声入力が挙げられる。音声入力はマイクロホン部21に、例えば、目的地ないしは目的地情報等の目的地設定情報を音声支持することで行われることが好ましい。マイクロホンは前述したスピーカー部20と一体型であることが好ましい。
【0030】
本体装置30には、地図データ等を記憶したCD、DVD等の記録媒体から当該地図データ等を読み出して記憶するナビゲーション部31と、例えば、目的地設定操作を盲人者に促す案内や目的地までの経路を案内に関る音声データを生成し、この音声データをスピーカー部20に音声出力させる音声合成部33と、マイクロホン部21で抽出された音声を音声認識する音声識別部34と、様々な指令を入力する本体操作部35と、この本体装置30全体に電力を供給するバッテリー部36とを有している。
【0031】
操作部40は、電源スイッチの他に、各種調整や操作を行うものであり、点字表記されている。また、操作部40は、遠隔操作によって操作するように構成してもよい。
【0032】
ナビゲーション部31は、記録媒体から地図データ等を読み出し、また、例えば、目的地の住所や電話番号又は郵便番号を入力するだけで目的地の地図データを認識し、GPS部11から得られた現在位置情報と、この目的地の地図データとに基づいて現在位置から目的地までの経路を認識し、リアルタイムに目的地までの経路を盲人者に通知することができるように構成されている。電話番号や郵便番号を入力データとして用いる場合、電話番号や郵便番号に対応した住所をデータとして記憶されているものとする。
【0033】
さらに地図データには、盲人者にとって危険と思われる危険個所のデータが記憶されている。さらにまた地図データには、交差点や銀行、コンビニエンスストアや病院等の周辺店舗や、駅内のホーム案内、バスの停留所案内、タクシー乗場案内、交番案内等、外出に際して必要と思われる各種案内情報も含まれることが好ましい。
【0034】
さらにまた地図データには、時刻表等の各種交通機関の交通情報が記憶されていることが好ましく、利用する交通機関に近付いた時に、目的地と現在時刻から最適な交通手段を検索し、検索した交通手段の情報、例えば、切符売場や目的地までの運賃、改札の位置、該当ホームまでの経路、電車到着までの時間等の情報を音声案内する。
【0035】
予め地図データ等の各種情報を記憶したDVD等の記録媒体で当該地図データとして入力した、例えば、ナビゲーション部31は地図記憶手段を構成しており、また、GPS衛星との通信動作現在位置を検出する。例えば、GPS部11は一検出手段を構成しており、また、目的地を設定する、マイクロホン部21や各種入力部や操作部40は目的地設定手段を構成しており、位置検出手段で検出された現在位置及び目的地設定手段で設定された目的地を地図記憶手段に記憶中の地図データから検索する、例えば、ナビゲーション部31は地図検索手段を構成しており、また、この地図検索手段で検索された現在位置及び目的地間の経路を地図データから検索する、例えば、ナビゲーション部31は経路検索手段を構成しており、この経路検索手段で検索された経路を音声案内する、例えば、音声合成部33は音声案内手段を構成している。
【0036】
制御手段は、音声案内中に所定信号を検出すると、位置記憶手段が記憶中の現在位置から所定信号検出時の現在位置までの距離及び所要時間に基づいて移動時速を算出し、この移動時速に基づいて所定信号検出時の現在位置から目的地までの所要時間を算出する、例えば、ナビゲーション部31に相当するものである。
【0037】
盲人用誘導案内装置1を収納した携帯鞄類3には、該携帯鞄類3を携行している者が盲人であることを知らせるための点滅灯3Aを有することが好ましい。点滅灯3Aとしては、盲人者の周囲にいる者達や自動車等が盲人者の存在を容易に認識できるように携帯鞄類3の一箇所だけでなく、前後やショルダー等の上部にも備えていることが好ましい。
点滅灯3Aとしては、低消費電力型の発光ダイオード等が好ましいが、その他、種々公知公用の発光手段を備えたものを用いることができる。
【0038】
次に盲人用杖2について説明する。
盲人用杖2は、前述した通り障害物センサー2Bを備えている。センサーとしては、種々公知公用のセンサーを用いることができ、例えば、超音波、レーザー、レーダー、赤外線等が挙げられる。
センサーとして超音波を用いた場合、超音波を発信し、発信した超音波の反射波に基づいて障害物等を検知する超音波送受信部を有している。
【0039】
超音波送受信部は、例えば、盲人者の進行方向による指向性や、盲人者の周辺環境による無指向性で超音波信号を発信する発信部と、この超音波信号の反射信号を受信する受信部とで構成し、この受信部で反射信号を受信することで障害物を検知するものである。
【0040】
障害物を検知した場合、その情報を盲人者に直ちに伝達する。伝達手段としては、例えば、盲人用杖2の持ち手部に振動子を組み込んでおき、該振動子の振動によって盲人者の手に伝えたり、或いは、盲人用誘導案内装置1に有線或いは無線により情報を伝え、該盲人用誘導案内装置1の音声案内手段によって音声案内するようにしてもよい。
【0041】
また盲人用杖2には、盲人の存在を知らせる点滅灯2Aを有することが好ましい。
点滅灯2Aとしては、前述した携帯鞄類3の点滅灯と同様のものを用いることができる。
【0042】
さらに盲人用杖2には、道路の高低差を感知するためのキャスター2Cを有することが好ましい。
道路の高低差を感知するためのキャスター2Cとしては、公知公用の技術を特別の制限なく使用できる。
【0043】
次に、本発明に係る盲人用誘導案内システムの第二の実施例について説明する。
第二の実施例は、第一の実施例の盲人用杖2に代えて盲人用歩行ガイド装置4を用いている。その他の構成については、第一の実施例と同様である。尚、本発明においては、盲人用杖2と盲人用歩行ガイド装置4の併用も可能であり、盲人用歩行ガイド装置4に、盲人用杖2を収納できる構成を設けておき、外出先の状況に応じて両者を使い分けられるようにしてもよい。
【0044】
盲人用歩行ガイド装置4は、基本的には障害者用歩行補助器であるため、各種店舗内や公共機関内において特別の制限無く利用できるが、狭小な場所などのため物理的な利用が困難な場合等は、盲人用杖2を用いる。
例えば、店舗入り口等に盲人用歩行ガイド装置4を置き、そこから店舗内へは盲人用杖2で入店する場合も考えられる。この場合、買い物等を済ませた後、店舗入り口に置いた盲人用歩行ガイド装置4に速やかに辿り着けるように、音声ガイドされることが好ましい。
【0045】
以下、図3に基づき盲人用歩行ガイド装置4について説明する。尚、図3では、下記において説明する駆動源、シリンダー機構、バッテリー、ブレーキ機構等の各機構については省略している。
図3に示す盲人用歩行ガイド装置4は、4つの走行用車輪4B・4C・4D・4Eと1つの危険回避用車輪4Fの計5つの車輪を有しており、盲人者がハンドルのグリップ部4G・4Gを握った状態で走行する。
【0046】
走行方式としては、下記の3種類が挙げられる。
(1)各車輪は動力を持たず遊動状態であり、盲人者が押して走行する。
(2)モーター等の駆動源を有し、盲人者の歩行速度に合わせて走行する。使用する盲人者に応じて各種速度に設定可能とする。
(3)電動アシスト型の駆動源を有し、盲人者の歩行時の押し出す力に応じて、走行し、歩行者の停止に合わせて走行を停止する。
【0047】
また、盲人用歩行ガイド装置4の5つの車輪4B・4C・4D・4Eは、シリンダー機構によって上下動可能に懸架されていることが好ましく、障害物センサー4Hによって検知された路面状況(凹凸や階段等の段差等)に応じてシリンダー機構が作動して車輪の上下動を行い、階段の昇降を可能とする構成であることが好ましい。かかる機構は、上記(1)の駆動源を持たない方式でも備えていることが好ましい。
【0048】
さらに5つの車輪4B〜4Fの内、危険回避用車輪4Fは、通常時は路面と非接触状態であり、危険回避時に路面に接地して回避方向への移動を可能とする構成であることが好ましい。図3において、4Iは危険回避用車輪4Fを制御する制御部である。かかる構成については、公知の技術を特別の制限なく採用できる。
【0049】
駆動源及び/又はシリンダー機構が使用する電力は、盲人用歩行ガイド装置4に積載するバッテリーから供給される。該バッテリーは、家庭用電源より充電可能とすることが好ましい。また、電源としては、太陽電池パネル4Jを装着し、太陽電池からの電力を利用することもできるし、バッテリーと太陽電池との併用とすることもできる。
【0050】
さらに、盲人用歩行ガイド装置4は、車輪4B〜4Eの向きが固定式ではなく、4輪操舵形式であることが好ましい。4輪操舵式とすることで、狭い場所での小回りや横移動等が可能となる。
【0051】
その他の構成、例えば、障害物センサー4H、点滅灯4A等の種々構成は前述した盲人用杖2と同様である。
【0052】
尚、障害物センサー4Hにより、進行方向に危険物或いは危険地帯の存在が明らかとなった場合、自動的にブレーキ機構が働き、走行を停止することが好ましい。
走行を停止する際、危険であるため停止した旨の音声メッセージを音声出力する。さらに、危険を回避するために、左折又は右折或いは後進する旨の案内を音声出力する。
【0053】
尚また、盲人用歩行ガイド装置4は装置自体の全体形が大きいため、盲人用杖2よりも回りの人に対する物理的脅威も大きいため、こちらの存在を知らせる必要度が高い。従って、点滅灯4Aだけでなく、チャイムや音楽等の音響、その他の警報を発生させて、盲人者の存在を知らせる構成とすることがより好ましい。
【0054】
盲人用歩行ガイド装置4は上記した通り、装置自体の全体形が大きいため、軽量且つ折り畳み可能な構成とすることが好ましい。
【0055】
前記盲人用誘導案内装置1の本体装置30は、盲人者の目的地までの経路で目印となる交差点や店舗に近付いた所で順次、音声合成部33を介して音声出力することで、盲人者に経路が合っていること等の現在情報を認識させる。
【0056】
さらに本体装置30は、目的地までの経路で危険個所に近付いた場合にナビゲーション部31を介して検出すると、盲人者に危険個所である旨の警告を発する音声メッセージを音声出力する。
【0057】
また、危険個所に近付いた時に音声案内するだけでなく、盲人用杖2及び/又は盲人用歩行ガイド装置4の障害物センサーの感知範囲を切り替えることで、より確実に危険を回避することができる。障害物センサーの感知範囲は、危険個所の危険度及び種類によって、範囲が設定される。危険度が高い場合には、逸早く察知する必要があるので、感知範囲を広くすることが好ましい。
【0058】
障害物センサーの感知範囲が切り替わる際も、切り替わる旨の音声メッセージを音声出力によって案内することが好ましい。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、目的地が初めて訪れる場所であっても、携帯鞄類に収納した盲人用誘導案内装置によって現在位置から目的地までの経路を音声案内することができ、しかも障害物センサーを有する盲人用杖又は盲人用歩行ガイド装置によって障害物を検知することができるので、安全に、しかも確実且つ容易に目的地まで誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る盲人用誘導案内システムを構成する盲人用誘導案内装置及び盲人用杖の一実施例を示す概略斜視図
【図2】盲人用誘導案内装置の概略構成を示すブロック図
【図3】盲人用歩行ガイド装置の一実施例を示す概略斜視図
【符号の説明】
1 盲人用誘導案内装置
2 盲人用杖
3 携帯鞄類
4 盲人用歩行ガイド装置

Claims (10)

  1. 地図データ及び危険個所データを記憶した地図記憶手段と、現在位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置及び前記目的地設定手段で設定された目的地を前記地図記憶手段が記憶中の地図データから検索する地図検索手段と、該地図検索手段で検索された現在位置及び目的地間の経路を地図データから検索する経路検索手段と、該経路検索手段で検索された経路と前記危険個所に近付いた時とを音声案内する音声案内手段とを備えた盲人用誘導案内装置と、盲人用杖との組み合わせから成り、前記盲人用誘導案内装置はショルダーバッグ又はリュックサック等の携帯鞄類に収納されており、前記盲人用杖は障害物センサーを有する盲人用誘導案内システムであり、前記地図記憶手段に記憶されている危険個所に近付いた時に、前記盲人用杖の障害物センサーの感知範囲が切り替わることを特徴とする盲人用誘導案内システム。
  2. 地図データ及び危険個所データを記憶した地図記憶手段と、現在位置を検出する位置検出手段と、目的地を設定する目的地設定手段と、前記位置検出手段で検出された現在位置及び前記目的地設定手段で設定された目的地を前記地図記憶手段が記憶中の地図データから検索する地図検索手段と、該地図検索手段で検索された現在位置及び目的地間の経路を地図データから検索する経路検索手段と、該経路検索手段で検索された経路と前記危険個所に近付いた時とを音声案内する音声案内手段とを備えた盲人用誘導案内装置と、盲人用歩行ガイド装置との組み合わせから成り、前記盲人用誘導案内装置はショルダーバッグ又はリュックサック等の携帯鞄類に収納されており、前記盲人用歩行ガイド装置は障害物センサーを有する盲人用誘導案内システムであり、前記盲人用歩行ガイド装置は、4つの走行用車輪と1つの危険回避用車輪の計5つの車輪を有した構成であることを特徴とする盲人用誘導案内システム。
  3. 前記盲人用歩行ガイド装置は、太陽電池等の電源を備えた本体に盲人用ハンドルと前記電源によって電動走行する車輪を備えていることを特徴とする請求項2に記載の盲人用誘導案内システム。
  4. 前記地図記憶手段に時刻表等の各種交通機関の交通情報が記憶されており、利用する交通機関に近付いた時に、目的地と現在時刻から最適な交通手段を検索し、検索した交通手段の情報を音声案内することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
  5. 前記携帯鞄類に及び/又は盲人用杖及び/又は盲人用歩行ガイド装置が、盲人の存在を知らせる点滅灯及び/又は音響等の警報手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
  6. 前記盲人用杖が、道路の高低差を感知するためのキャスターを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
  7. 前記目的地設定手段の目的地の設定が音声入力によることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の盲人用誘導案内システム。
  8. 前記盲人用誘導案内装置がアンテナを有し、該アンテナが前記携帯鞄類及び/又は前記盲人用杖及び/又は盲人用歩行ガイド装置に配設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の盲人用誘導案内システム。
  9. 前記盲人用歩行ガイド装置の5つの車輪の各々は、シリンダー機構によって上下動可能に懸架され、障害物センサーによって検知された路面状況(凹凸や階段等の段差等)に応じてシリンダー機構が作動して車輪の上下動を行う構成であることを特徴とする請求項2に記載の盲人用誘導案内システム。
  10. 前記盲人用歩行ガイド装置の危険回避用車輪は、通常時は路面と非接触状態であり、危険回避時に路面に接地して回避方向への移動を可能とする構成であることを特徴とする請求項2又は9に記載の盲人用誘導案内システム。
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