JP3807211B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用操舵装置に関し、特にステアリングの操舵反力を制御するようにした車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用操舵装置として、例えば特開2000−33879号公報に示すものが知られている。この公報記載の装置では、車速や横加速度、ヨーレイト等の車両情報を検出し、それらの検出値に基づいてステアリングの操舵反力を決定し、車両のコントロール性を高めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両のコントロール性は、上述した車両情報のみならずステアリング自体の操作性によっても影響を受ける。すなわち、ステアリングの操舵角が大きい場合には運転者は途中で手を持ち替えて操作することになり、片手操作が余儀なくされるが、その際に手を上から下に降ろしながらステアリングを操作すると、操作速度が速くなりがちとなり、細かな操作もしずらくなることが考えられる。この場合、車両の低車速での取り回し性を向上させるためにステアリングギヤ比を低くすると、ステアリングの操作速度の影響がよりいっそう顕著になる。
【0004】
本発明の目的は、ステアリングホイールを把持した手を上から下に降ろしてステアリングホイールを操作した場合であっても、ステアリングホイールの操作速度が速くならず、良好な操作性を得ることができる車両用操舵装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、ステアリングホイールに作用する操舵反力を増減する操舵力調整手段を有する車両用操舵装置に適用される。そして、ステアリングホイールの上部の上方から下方への降下操作を検出する降下操作検出手段と、降下操作が検出されると、所定期間、操舵反力が大きくなるように操舵力調整手段を制御する制御手段とを備えることにより上述した目的は達成される。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用操舵装置において、降下操作検出手段が、ステアリングホイールに作用する上下方向の荷重を検出する荷重検出手段を有し、荷重検出手段で検出された荷重が減少傾向になると、降下操作を検出するものである。
(3) 請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用操舵装置において、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、降下操作が検出されると、操舵角検出手段によって検出された現在の操舵角から降下操作の開始時の操舵角を減算した値の正弦値に舵角反力が比例するように、制御手段が操舵力調整手段6を御するものである。
(4) 請求項4の発明は、請求項2に記載の車両用操舵装置において、降下操作が検出されると、荷重検出手段によって検出された荷重に応じて操舵反力が変化するように、制御手段が操舵力調整手段を制御するものである。
(5) 請求項5の発明は、請求項4に記載の車両用操舵装置において、荷重検出手段によって検出された直進走行時の荷重の平均値を算出する荷重平均算出手段を有し、降下操作が検出されると、荷重平均算出手段によって算出された荷重の平均値の1/2の値から荷重検出手段によって検出された現在の垂直荷重を減算した値に操舵反力が比例するように、制御手段が操舵力調整手段を制御するものである。
(6) 請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用操舵装置において、検出手段は、ステアリングホイールの持ち替え操作を検出する持ち替え操作検出手段を有し、持ち替え操作の検出を条件に降下操作を検出するものである。
(7) 請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の車両用操舵装置において、荷重検出手段を、ステアリングホイールを支持する部材に貼付された歪みゲージ式のセンサとしたものである。
(8) 請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の車両用操舵装置において、ステアリングホイールの取付角度を調整するチルト機構と、その取付角度を検出する角度検出手段とを備え、降下操作が検出されると、角度検出手段によって検出された取付角度に応じてステアリングホイールに作用する操舵反力が変化するように、制御手段が操舵力調整手段の駆動を制御するものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1) 請求項1の発明によれば、ステアリングホイールを把持した手を上方から下方に降ろしてステアリングを操作する降下操作を検出し、その検出時にステアリングホイールに作用する操舵反力が大きくなるようにしたので、ステアリングの操作速度が速くならず、良好な操作性を得ることができる。
(2) 請求項2の発明によれば、ステアリングホイールに作用する上下方向の荷重が減少傾向になると降下操作を検出するようにしたので、複雑な構成によらずに降下操作が検出される。
(3) 請求項3の発明によれば、ステアリングホイールに作用する操舵反力を、現在の操舵角から降下操作開始時の操舵角を減算した値の制限値に比例させたので、操舵反力の変化がスムーズである。
(4) 請求項4、5の発明によれば、ステアリングホイールに作用する上下方向の荷重に応じて操舵反力を変化させるようにしたので、ステアリングホイールの操作性を確実に高めることができる。
(5) 請求項6の発明によれば、ステアリングホイールの持ち替え操作の検出を条件に降下操作を検出するようにしたので、降下操作の検出が正確である。
(6) 請求項8の発明によれば、ステアリングホイールの取付角度に応じて操舵反力を変化させるようにしたので、適切な操舵反力を作用させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本実施の形態に係わる車両用操舵装置の構成を示す図である。ステアリングホイール1を回転自在に支持するコラムシャフト2にはピニオン3が連結され、ピニオン3には車幅方向に移動可能にラック4が歯合されて、いわゆるラックアンドピニオン式の操舵機構が形成されている。これによって、ステアリング1の操作量(操舵角θ)に応じてラック4が移動し、車輪5が転舵する、コラムシャフト2には電動モータ6が連結され、コントローラ7からの制御信号によりモータ6の駆動を制御することでシャフト2に操舵反力を与えるようになっている。
【0008】
コラムシャフト2にはステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角検出センサ8が設けられている。操舵角検出センサ8は車両直進時、すなわちステアリングホイール1が中立位置にある時に0を検出し、ステアリングホイール1が右方向(時計方向)に操舵されると+、左方向(反時計方向)に操舵されるとマイナスの値を検出する。コラムシャフト2は、図2、3に示すように、車体側に固定されたステアリングメンバーブラケット11からチルト機構12を介して上下方向に揺動可能に支持されている。チルト機構12には角度センサ9が装着され、角度センサ9により水平方向からのコラムシャフト2の角度(コラムシャフト角度θc)が検出される。ステアリングメンバーブラケット11には歪みゲージなどの荷重検出センサ10が貼付され、荷重検出センサ10によりブラケット11に作用する垂直方向荷重が検出される。なお、ブラケット11に作用する垂直方向荷重としてはステアリングホイール1に作用する垂直方向荷重Fやステアリングホイール1の自重、コラムシャフト2の自重などがあるが、ステアリングホイール1に作用する垂直方向荷重Fのみを検出するように荷重検出センサ10の初期値が補正されている。
【0009】
これらのセンサ8〜10からの検出値は、図1に示すように、コントローラ7に取り込まれる。コントローラ7ではこれらの検出値に基づいて後述するような処理を実行し、電動モータ6に制御信号を出力する。これによって、コラムシャフト6に操舵反力が作用し、ステアリングホイール1の操作速度が調整される。
【0010】
ここで、ステアリングホイール1の一般的な操作方法について説明する。例えば、ステアリングホイール1を中立位置から左方向(反時計方向)に操舵角が大きくなるように操作(切り増し操作)するとき、手の動きは図4に示すようになる。まず、両手でステアリングホイール1を操作し(a)、ステアリングホイール1の操舵角θが所定量以上になると左手を離して右手だけで操作を行い(b)、操作した右手が上方から下方に降ろされるとステアリングホイール1から右手を離して左手に持ち替える(c)。そして、そのまま左手だけで操作し、操作した左手が上方から下方に降ろされるとステアリングホイール1を右手に持ち替え(d)、操作した右手が上方から下方に降ろされるとステアリングホイール1を左手に持ち替える。このように右手、左手を交互に持ち替えて、ステアリングホイール1を切り増し操作する。
【0011】
このとき、ステアリングホイール1の操舵角θは、図5(a)の特性Aに示すように変化する。この特性Aを時間微分すると、図5(b)に示すように舵角速度Vθの特性Bが得られる。ここで、特性Bの点B1,B2,B3はそれぞれステアリングホイール1を持ち替えた時であり、図4の(c),(d),(E)の状態に相当し、点B1,B2,B3で舵角速度Vθは極小となっている。このとき、ステアリングホイール1には、図5(c)の特性Cに示すような垂直荷重Fが作用している。
【0012】
特性Cにおいて、中立位置ではステアリングホイール1は両手で操作されるため垂直荷重Fは最大FNであり、ステアリングホイール1の切り増し操作に伴い、前述したようにステアリングホイール1は右手、左手で交互に操作されるため、垂直荷重Fは増減を繰り返す。ここで、特性Cの点C1,C2,C3はそれぞれステアリングホイール1を握る手がステアリングホイール1の真上にきたときであり、点C4,C5,C6は手が下方に降下されたときである。点C1,C2,C3では、手の自重がステアリングホイール1に最大に作用するため、垂直荷重Fは最大FN/2となっており、その後、区間C1−C4,C2−C5,C3−C6において、手の降ろし操作(降下操作)に伴い垂直荷重Fは減少している。このような垂直荷重Fの減少によりステアリングホイール1に作用する操舵力が増加するため、図5(b)の舵角速度Vθは区間C1−C4,C2−C5,C3−C6で最大となっている。すなわち、降下操作時に舵角速度Vθが増加する。
【0013】
本実施の形態では、電動モータ6の駆動を制御し、ステアリングホイール1に対して図5(d)に示すような操舵反力(設定操舵トルクT)を、すなわち、垂直荷重Fの減少に対応して増加するような設定操舵トルクTを作用させる。これによって、降下操作時の舵角速度Vθの増加が抑えられ、ほぼ一定の速度でステアリングホイール1が操舵される。なお、図5ではステアリングホイール1を左方向に操作したときの特性を示したが、ステアリングホイール1を中立位置から右方向に操作したときは操舵角θおよび舵角速度Vθが負の値をとる。このとき、垂直荷重Fは図5(c)に示したのと同様であり、設定操舵トルクTも図5(d)に示したのと同様となる。
【0014】
図5(d)では設定操舵トルクTを模式的に示したが、実際の設定操舵トルクTは次式(I)で表され、これを図示すると図6に示すようになる。
T = TN+FN/2×(ステアリング半径)×sinθofs×cosθc (I)
上式において、FN/2は降下操作開始時(θ=θofs0)にステアリングホイール1に作用する垂直荷重であり、これにステアリング半径とcosθcを乗じることで、垂直荷重Fをステアリングホイール1の周方向のトルクに換算する。そして、降下操作を開始してからの舵角変化量θofs(=θ−θofs0)の正弦値sinθofsを乗じ、これに基準トルクTNを加算して設定操舵トルクTを演算する。なお、基準トルクTNは、例えば垂直荷重FNにステアリング半径とcosθcを乗じて算出される。
【0015】
なお、以上の実施の形態と請求項との対応において、電動モータ6が操舵力調整手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8と荷重検出センサ10が降下操作検出手段を、コントローラ7が制御手段を、荷重検出センサ10が荷重検出手段を、操舵角検出センサ8が操舵角検出手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8が持ち替え操作検出手段を、角度センサ9が角度検出手段をそれぞれ構成する。
【0016】
次に、電動モータ6に出力される制御信号について説明する。
図7、8は、第1の実施の形態に係わるコントローラ7で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートはエンジンキースイッチのオンによってスタートする。まず、ステップS1で持ち替え操作の有無を示すFlag1を0(持ち替え操作無)にセットするとともに、降下操作の有無を示すFlag2を0(降下操作無)にセットする。また、垂直荷重FNを0にセットし、降下操作開始時からの舵角変化量θofsを0にセットする。次いで、ステップS2で、操舵角検出センサ8が検出した操舵角θ、角度センサ9が検出したコラムシャフト角度θc、荷重検出センサ10が検出した垂直荷重Fをそれぞれ読み込む。
【0017】
次のステップS3では、検出した操舵角の絶対値|θ|が5degより小さいか否かを判定し、ステップS3が肯定されると車両が直進走行と判定されてステップS4に進み、所定時間にわたって検出された垂直荷重Fの平均値をFNとする。次いで、図8のステップS30でFlag1に0をセットし、ステップS31でFlag2に0をセットするとともに、降下操作開始時の操舵角を示すθofs0に0を代入する。次いで、ステップS32で基準トルクTNを演算してこれを目標操舵トルクTに代入し、ステップS33でその目標操舵トルクTNがステアリングホイール1の戻り方向のトルクTとして作用するように、電動モータ6に制御信号を出力する。
【0018】
一方、ステップS3が否定されるとステップS5に進み、操舵角θが0以上か否かを判定する。ステップS5が肯定されるとステアリングホイール1が左方向に操作されたと判定されてステップS6に進み、操舵角θの微分値である舵角速度Vθが0より大きいか否か、すなわち、ステアリングホイール1が切り増し操作されているか否かを判定する。ステップS6が肯定されるとステップS7に進み、否定されるとステップS30に進む。ステップS7ではFlag1が0か否かを判定し、肯定されるとステップS8に進み、否定されると図8のステップS13に進む。
【0019】
ステップS8では操舵角θが250degより小さく、かつ、操舵角θの二階微分である舵角加速度Aθが0で、かつ、前回の舵角加速度のサンプル値Aθが0より小さいか否かを判定する。これはステアリングホイール1の持ち替え開始の有無を判定するステップである。すなわち、ステアリングホイール1の最初の持ち替えは、通常、操舵角θが150degから225degの範囲で行われることが多いため、操舵角θ<250degを条件とし、かつ、舵角加速度Aθ=0、前回の舵角加速度のサンプル値Aθ<0を条件として舵角速度Vθが図5(b)の点Cにあるか否かを判定する。ステップS8が肯定されるとステップS9に進み、否定されると図8のステップS30に進む。
【0020】
一方、ステップS5が否定されるとステアリングホイール1が右方向へ操作されたと判定されてステップS10に進む。ステップS10では舵角速度Vθ≦0か否かを判定し、肯定されるとステアリングホイール1の右方向への切り増し操作と判定されてステップS11に進み、否定されるとステップS30に進む。ステップS11ではFlag1が0か否かを判定し、肯定されるとステップS12に進み、否定されると図8のステップS13に進む。ステップS12では、操舵角θ≧−250゜、かつ、舵角加速度Aθ=0、かつ、前回の舵角加速度のサンプルAθ>0を条件として持ち替え操作の開始の有無を判定し、肯定されるとステップS9に進み、否定されると図8のステップS30に進む。
【0021】
ステップS9ではFlag1に1をセットする。次いで、ステップS13でFlag2が0か否かを判定する。ステップS13が肯定されると降下操作がなされていないと判定されてステップS14に進み、垂直荷重Fの微分値、すなわち、図5(c)の特性Cの傾き VFが0か否かを判定する。ステップS14が肯定されるとステップS15に進み、垂直荷重の微分値の前回のサンプル値VFが0より大きいか否か、すなわち、垂直荷重Fが極大値であるか否かを判定する。ステップS15が肯定されるとステップS16に進み、垂直荷重F≒F/2が成立しているか否かを判定する。ここでは、垂直荷重Fが0.9×F/2≦F≦1.1×F/2の条件を満たすとき、F≒F/2が成立しているものとする。ステップS14〜ステップS16の全てが肯定されると垂直荷重Fが図5(c)の点C1,C2,C3にあると判定されてステップS17に進み、いずれか1つでも否定されるとステップS31に進む。
【0022】
ステップS17ではFlag2に1をセットし、かつ、そのときの操舵角θをθofs0に代入し、垂直荷重が減少する前のピーク値の操舵角を記憶してステップS19に進む。一方、ステップS13が否定されるとステップS18に進み、垂直荷重の傾きVFが0以下か否か、すなわち、降下操作中か否かを判定する。ステップS18が肯定されるとステップS19に進み、ステップS18が否定されるとステップS31に進む。ステップS19ではFlag1=1かつFlag2=1が成立しているか否かを判定し、肯定されるとステップS20に進み、否定されるとステップS31に進む。
【0023】
ステップS20では、操舵角θからステップS17で設定したθofs0を減算してその絶対値を求め、降下操作開始時からの舵角変化量θofsを算出する。次いで、ステップS21で前述した式(I)により目標操舵トルクTを演算し、ステップS33でその目標操舵トルクTがステアリングホイール1の戻り方向のトルクとして作用するように、電動モータ6に制御信号を出力する。次いで、図7のステップS34に進んでエンジンキースイッチのオンを判定し、スイッチオンならステップS2に戻り、オフなら処理を終了する。
【0024】
次に、本実施の形態の動作をより具体的に説明する。
直進走行時にはステップS3、ステップS4、ステップS30〜ステップS33と処理が進み、ステアリングホイール1には電動モータ6からの設定操舵トルクTとして基準トルクTNが作用する。その状態からステアリングホイール1を左方向または右方向に切り増し操作すると操舵角θが増加するが、操舵角θが持ち替え開始点(図5(b)の点B1)に至るまでは、ステップS8またはステップS12が否定され、ステアリングホイール1には基準トルクTNが作用する。操舵角θが持ち替え開始点B1に至ると、ステップS8またはステップS12が肯定されてステップS9でFlag1=1がセットされる。このとき、降下操作の開始前はステップS14〜ステップS16が否定され、ステアリングホイール1には基準トルクTNが作用する。このようにステアリングホイール1の切り増し操作により操舵角速度Vθが1回以上減少するとステアリングホイール1の持ち替えを判定する。
【0025】
ステアリングホイール1がさらに切り増し操作されて、降下操作の開始点(図5(C)の点C1)に至ると、ステップS14〜ステップS16が肯定され、ステップS17〜ステップS21、ステップS33と処理が進む。そして、その後の繰り返しの処理ではステップS13、ステップS18〜ステップS21、ステップS33と処理が進んで、ステアリングホイール1には図6に示すような設定操舵トルクTが作用する。これによって、降下操作時に他の場合よりも大きな操舵反力が作用することとなり、操舵速度Vθの増加が抑えられる。
【0026】
1回目の降下操作が終了すると、ステップS7またはステップS11からステップS13、ステップS18、ステップS19、ステップS31と処理が進む。そして、その後の繰り返しの処理では、ステップS13、ステップS14〜ステップS16と処理が進み、ステップS14〜ステップS16が否定されてステアリングホイール1には基準トルクTNが作用する。2回目の降下開始点(図5(c)の点C2)に至ると、1回目のときと同様、ステップS14〜ステップS16が肯定されて、ステップS17〜ステップS21、ステップS33に進み、ステアリングホイール1には図6に示すような設定操舵トルクTが作用する。以降、2回目の降下操作終了時から3回目の降下操作終了時までも同様に処理が進み、図5(d)に示すように、基準トルクTNと図6の設定操舵トルクTとが交互に作用する。
【0027】
このように本実施の形態によると、操舵角θやステアリングホイール1に作用する垂直荷重Fにより降下操作を検出し、その検出時にステアリングホイール1に作用する操舵トルクTを増加させるようにしたので、降下操作時にステアリングホイール1の操作速度が速くならず、良好な操作性を得ることができる。この場合、ステアリングホイール1に作用する垂直荷重Fが減少傾向となったときに降下操作を検出するようにしたので、複雑な構成によらずに降下操作を検出できる。また、操舵角θに基づいてステアリングホイール1の持ち替えの有無を検出し、その検出後、垂直荷重Fに基づいて降下操作を検出するので、降下操作の検出が正確である。さらに、現在の操舵角θから降下操作開始時の操舵角θofs0を減算した角度の正弦値sinθofsに、操舵トルクTを比例させるようにしたので、操舵トルクTの変化がスムーズである。さらにまた、車速や横加速度などの車両情報ではなく、ステアリングホイール1に作用する情報に基づいて操舵トルクTを制御するので、車両情報などに誤差があった場合でもステアリングホイール1の操作性は向上する。また、ステアリングホイール1の取付角度θcに応じて操舵トルクTを調整したので、適切な操舵トルクTを作用させることができる。
【0028】
−第2の実施の形態−
図9〜11を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、ステアリングホイール1に作用する操舵トルクTの特性である。すなわち、第1の実施の形態では、降下操作の開始点θofs0からの操舵角θの増加に伴いサインカーブに沿って操舵トルクTを増加させたが、第2の実施の形態では、図9に示すように、ステアリングホイール1に作用する垂直荷重Fの減少に伴い操舵トルクTを減少させる。図9の特性は次式(II)で示される。
T = TN+(FN/2−F)×(ステアリング半径)×cosθc (II)
【0029】
なお、第2の実施の形態と請求項との対応において、電動モータ6が操舵力調整手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8と荷重検出センサ10が降下操作検出手段を、コントローラ7が制御手段を、荷重検出センサ10が荷重検出手段を、コントローラ7が荷重平均算出手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8が持ち替え操作検出手段を、角度センサ9が角度検出手段をそれぞれ構成する。
【0030】
図10、11は、第2の実施の形態に係わるコントローラ7で実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、図7、8のフローチャートと同一の箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違点を主に説明する。第2の実施の形態では操舵角の変化量θofsを求める必要がないため、ステップS1の代わりのステップS1A、およびステップS31の代わりのステップS31Aでは、それぞれθofs0=0の処理が不要とされ、ステップS17の代わりのステップS17Aではθofs0=θの処理が不要とされている。また、ステップS20は削除され、ステップS21の代わりのステップS21Aでは前述した式(II)により目標トルクが演算される。これによって、降下操作時にステアリングホイール1に作用する操舵トルクTは図8に示すように変化する。
【0031】
第2の実施の形態では、垂直荷重Fに応じた操舵トルクTをステアリングホイール1に作用させるので、歪みゲージのノイズ成分などにより降下操作の開始点に誤差があった場合でも、ステアリングホイール1には常に垂直荷重Fの変化に対応した操舵トルクTを作用させることができ、ステアリングホイール1の操作性を確実に向上させることができる。
【0032】
なお、上記実施の形態では、電動モータ6により操舵トルクTを作用させるようにしたが、他のアクチュエータにより操舵トルクTを作用させるようにしてもよい。その一例として、コラムシャフト2にブレーキ力を付与するようなブレーキパッドを設け、パッドの押し付け力を調整して操舵トルクTを作用させるようにしてもよい。また、操舵角θや垂直荷重Tに基づいて降下操作を検出したが、他の方法により降下操作を検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置の構成を示す図。
【図2】本実施の形態に係わる車両用操舵装置の要部拡大図。
【図3】コラムシャフトの角度とステアリングホイールに作用する垂直荷重を示す図。
【図4】ステアリングホイールの一般的な操作方法を示す図。
【図5】ステアリングホイールの特性を示す図。
【図6】第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置による設定操舵トルクを示す図。
【図7】第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その1)。
【図8】第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その2)。
【図9】第2の実施の形態に係わる車両用操舵装置による設定操舵トルクを示す図。
【図10】第2の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その1)。
【図11】第2の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その2)。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 コラムシャフト
6 電動モータ 7 コントローラ
8 操舵角検出センサ 9 角度センサ
10 荷重検出センサ 12 チルト機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用操舵装置に関し、特にステアリングの操舵反力を制御するようにした車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用操舵装置として、例えば特開2000−33879号公報に示すものが知られている。この公報記載の装置では、車速や横加速度、ヨーレイト等の車両情報を検出し、それらの検出値に基づいてステアリングの操舵反力を決定し、車両のコントロール性を高めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両のコントロール性は、上述した車両情報のみならずステアリング自体の操作性によっても影響を受ける。すなわち、ステアリングの操舵角が大きい場合には運転者は途中で手を持ち替えて操作することになり、片手操作が余儀なくされるが、その際に手を上から下に降ろしながらステアリングを操作すると、操作速度が速くなりがちとなり、細かな操作もしずらくなることが考えられる。この場合、車両の低車速での取り回し性を向上させるためにステアリングギヤ比を低くすると、ステアリングの操作速度の影響がよりいっそう顕著になる。
【0004】
本発明の目的は、ステアリングホイールを把持した手を上から下に降ろしてステアリングホイールを操作した場合であっても、ステアリングホイールの操作速度が速くならず、良好な操作性を得ることができる車両用操舵装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、ステアリングホイールに作用する操舵反力を増減する操舵力調整手段を有する車両用操舵装置に適用される。そして、ステアリングホイールの上部の上方から下方への降下操作を検出する降下操作検出手段と、降下操作が検出されると、所定期間、操舵反力が大きくなるように操舵力調整手段を制御する制御手段とを備えることにより上述した目的は達成される。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用操舵装置において、降下操作検出手段が、ステアリングホイールに作用する上下方向の荷重を検出する荷重検出手段を有し、荷重検出手段で検出された荷重が減少傾向になると、降下操作を検出するものである。
(3) 請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用操舵装置において、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、降下操作が検出されると、操舵角検出手段によって検出された現在の操舵角から降下操作の開始時の操舵角を減算した値の正弦値に舵角反力が比例するように、制御手段が操舵力調整手段6を御するものである。
(4) 請求項4の発明は、請求項2に記載の車両用操舵装置において、降下操作が検出されると、荷重検出手段によって検出された荷重に応じて操舵反力が変化するように、制御手段が操舵力調整手段を制御するものである。
(5) 請求項5の発明は、請求項4に記載の車両用操舵装置において、荷重検出手段によって検出された直進走行時の荷重の平均値を算出する荷重平均算出手段を有し、降下操作が検出されると、荷重平均算出手段によって算出された荷重の平均値の1/2の値から荷重検出手段によって検出された現在の垂直荷重を減算した値に操舵反力が比例するように、制御手段が操舵力調整手段を制御するものである。
(6) 請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用操舵装置において、検出手段は、ステアリングホイールの持ち替え操作を検出する持ち替え操作検出手段を有し、持ち替え操作の検出を条件に降下操作を検出するものである。
(7) 請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の車両用操舵装置において、荷重検出手段を、ステアリングホイールを支持する部材に貼付された歪みゲージ式のセンサとしたものである。
(8) 請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の車両用操舵装置において、ステアリングホイールの取付角度を調整するチルト機構と、その取付角度を検出する角度検出手段とを備え、降下操作が検出されると、角度検出手段によって検出された取付角度に応じてステアリングホイールに作用する操舵反力が変化するように、制御手段が操舵力調整手段の駆動を制御するものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1) 請求項1の発明によれば、ステアリングホイールを把持した手を上方から下方に降ろしてステアリングを操作する降下操作を検出し、その検出時にステアリングホイールに作用する操舵反力が大きくなるようにしたので、ステアリングの操作速度が速くならず、良好な操作性を得ることができる。
(2) 請求項2の発明によれば、ステアリングホイールに作用する上下方向の荷重が減少傾向になると降下操作を検出するようにしたので、複雑な構成によらずに降下操作が検出される。
(3) 請求項3の発明によれば、ステアリングホイールに作用する操舵反力を、現在の操舵角から降下操作開始時の操舵角を減算した値の制限値に比例させたので、操舵反力の変化がスムーズである。
(4) 請求項4、5の発明によれば、ステアリングホイールに作用する上下方向の荷重に応じて操舵反力を変化させるようにしたので、ステアリングホイールの操作性を確実に高めることができる。
(5) 請求項6の発明によれば、ステアリングホイールの持ち替え操作の検出を条件に降下操作を検出するようにしたので、降下操作の検出が正確である。
(6) 請求項8の発明によれば、ステアリングホイールの取付角度に応じて操舵反力を変化させるようにしたので、適切な操舵反力を作用させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本実施の形態に係わる車両用操舵装置の構成を示す図である。ステアリングホイール1を回転自在に支持するコラムシャフト2にはピニオン3が連結され、ピニオン3には車幅方向に移動可能にラック4が歯合されて、いわゆるラックアンドピニオン式の操舵機構が形成されている。これによって、ステアリング1の操作量(操舵角θ)に応じてラック4が移動し、車輪5が転舵する、コラムシャフト2には電動モータ6が連結され、コントローラ7からの制御信号によりモータ6の駆動を制御することでシャフト2に操舵反力を与えるようになっている。
【0008】
コラムシャフト2にはステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角検出センサ8が設けられている。操舵角検出センサ8は車両直進時、すなわちステアリングホイール1が中立位置にある時に0を検出し、ステアリングホイール1が右方向(時計方向)に操舵されると+、左方向(反時計方向)に操舵されるとマイナスの値を検出する。コラムシャフト2は、図2、3に示すように、車体側に固定されたステアリングメンバーブラケット11からチルト機構12を介して上下方向に揺動可能に支持されている。チルト機構12には角度センサ9が装着され、角度センサ9により水平方向からのコラムシャフト2の角度(コラムシャフト角度θc)が検出される。ステアリングメンバーブラケット11には歪みゲージなどの荷重検出センサ10が貼付され、荷重検出センサ10によりブラケット11に作用する垂直方向荷重が検出される。なお、ブラケット11に作用する垂直方向荷重としてはステアリングホイール1に作用する垂直方向荷重Fやステアリングホイール1の自重、コラムシャフト2の自重などがあるが、ステアリングホイール1に作用する垂直方向荷重Fのみを検出するように荷重検出センサ10の初期値が補正されている。
【0009】
これらのセンサ8〜10からの検出値は、図1に示すように、コントローラ7に取り込まれる。コントローラ7ではこれらの検出値に基づいて後述するような処理を実行し、電動モータ6に制御信号を出力する。これによって、コラムシャフト6に操舵反力が作用し、ステアリングホイール1の操作速度が調整される。
【0010】
ここで、ステアリングホイール1の一般的な操作方法について説明する。例えば、ステアリングホイール1を中立位置から左方向(反時計方向)に操舵角が大きくなるように操作(切り増し操作)するとき、手の動きは図4に示すようになる。まず、両手でステアリングホイール1を操作し(a)、ステアリングホイール1の操舵角θが所定量以上になると左手を離して右手だけで操作を行い(b)、操作した右手が上方から下方に降ろされるとステアリングホイール1から右手を離して左手に持ち替える(c)。そして、そのまま左手だけで操作し、操作した左手が上方から下方に降ろされるとステアリングホイール1を右手に持ち替え(d)、操作した右手が上方から下方に降ろされるとステアリングホイール1を左手に持ち替える。このように右手、左手を交互に持ち替えて、ステアリングホイール1を切り増し操作する。
【0011】
このとき、ステアリングホイール1の操舵角θは、図5(a)の特性Aに示すように変化する。この特性Aを時間微分すると、図5(b)に示すように舵角速度Vθの特性Bが得られる。ここで、特性Bの点B1,B2,B3はそれぞれステアリングホイール1を持ち替えた時であり、図4の(c),(d),(E)の状態に相当し、点B1,B2,B3で舵角速度Vθは極小となっている。このとき、ステアリングホイール1には、図5(c)の特性Cに示すような垂直荷重Fが作用している。
【0012】
特性Cにおいて、中立位置ではステアリングホイール1は両手で操作されるため垂直荷重Fは最大FNであり、ステアリングホイール1の切り増し操作に伴い、前述したようにステアリングホイール1は右手、左手で交互に操作されるため、垂直荷重Fは増減を繰り返す。ここで、特性Cの点C1,C2,C3はそれぞれステアリングホイール1を握る手がステアリングホイール1の真上にきたときであり、点C4,C5,C6は手が下方に降下されたときである。点C1,C2,C3では、手の自重がステアリングホイール1に最大に作用するため、垂直荷重Fは最大FN/2となっており、その後、区間C1−C4,C2−C5,C3−C6において、手の降ろし操作(降下操作)に伴い垂直荷重Fは減少している。このような垂直荷重Fの減少によりステアリングホイール1に作用する操舵力が増加するため、図5(b)の舵角速度Vθは区間C1−C4,C2−C5,C3−C6で最大となっている。すなわち、降下操作時に舵角速度Vθが増加する。
【0013】
本実施の形態では、電動モータ6の駆動を制御し、ステアリングホイール1に対して図5(d)に示すような操舵反力(設定操舵トルクT)を、すなわち、垂直荷重Fの減少に対応して増加するような設定操舵トルクTを作用させる。これによって、降下操作時の舵角速度Vθの増加が抑えられ、ほぼ一定の速度でステアリングホイール1が操舵される。なお、図5ではステアリングホイール1を左方向に操作したときの特性を示したが、ステアリングホイール1を中立位置から右方向に操作したときは操舵角θおよび舵角速度Vθが負の値をとる。このとき、垂直荷重Fは図5(c)に示したのと同様であり、設定操舵トルクTも図5(d)に示したのと同様となる。
【0014】
図5(d)では設定操舵トルクTを模式的に示したが、実際の設定操舵トルクTは次式(I)で表され、これを図示すると図6に示すようになる。
T = TN+FN/2×(ステアリング半径)×sinθofs×cosθc (I)
上式において、FN/2は降下操作開始時(θ=θofs0)にステアリングホイール1に作用する垂直荷重であり、これにステアリング半径とcosθcを乗じることで、垂直荷重Fをステアリングホイール1の周方向のトルクに換算する。そして、降下操作を開始してからの舵角変化量θofs(=θ−θofs0)の正弦値sinθofsを乗じ、これに基準トルクTNを加算して設定操舵トルクTを演算する。なお、基準トルクTNは、例えば垂直荷重FNにステアリング半径とcosθcを乗じて算出される。
【0015】
なお、以上の実施の形態と請求項との対応において、電動モータ6が操舵力調整手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8と荷重検出センサ10が降下操作検出手段を、コントローラ7が制御手段を、荷重検出センサ10が荷重検出手段を、操舵角検出センサ8が操舵角検出手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8が持ち替え操作検出手段を、角度センサ9が角度検出手段をそれぞれ構成する。
【0016】
次に、電動モータ6に出力される制御信号について説明する。
図7、8は、第1の実施の形態に係わるコントローラ7で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートはエンジンキースイッチのオンによってスタートする。まず、ステップS1で持ち替え操作の有無を示すFlag1を0(持ち替え操作無)にセットするとともに、降下操作の有無を示すFlag2を0(降下操作無)にセットする。また、垂直荷重FNを0にセットし、降下操作開始時からの舵角変化量θofsを0にセットする。次いで、ステップS2で、操舵角検出センサ8が検出した操舵角θ、角度センサ9が検出したコラムシャフト角度θc、荷重検出センサ10が検出した垂直荷重Fをそれぞれ読み込む。
【0017】
次のステップS3では、検出した操舵角の絶対値|θ|が5degより小さいか否かを判定し、ステップS3が肯定されると車両が直進走行と判定されてステップS4に進み、所定時間にわたって検出された垂直荷重Fの平均値をFNとする。次いで、図8のステップS30でFlag1に0をセットし、ステップS31でFlag2に0をセットするとともに、降下操作開始時の操舵角を示すθofs0に0を代入する。次いで、ステップS32で基準トルクTNを演算してこれを目標操舵トルクTに代入し、ステップS33でその目標操舵トルクTNがステアリングホイール1の戻り方向のトルクTとして作用するように、電動モータ6に制御信号を出力する。
【0018】
一方、ステップS3が否定されるとステップS5に進み、操舵角θが0以上か否かを判定する。ステップS5が肯定されるとステアリングホイール1が左方向に操作されたと判定されてステップS6に進み、操舵角θの微分値である舵角速度Vθが0より大きいか否か、すなわち、ステアリングホイール1が切り増し操作されているか否かを判定する。ステップS6が肯定されるとステップS7に進み、否定されるとステップS30に進む。ステップS7ではFlag1が0か否かを判定し、肯定されるとステップS8に進み、否定されると図8のステップS13に進む。
【0019】
ステップS8では操舵角θが250degより小さく、かつ、操舵角θの二階微分である舵角加速度Aθが0で、かつ、前回の舵角加速度のサンプル値Aθが0より小さいか否かを判定する。これはステアリングホイール1の持ち替え開始の有無を判定するステップである。すなわち、ステアリングホイール1の最初の持ち替えは、通常、操舵角θが150degから225degの範囲で行われることが多いため、操舵角θ<250degを条件とし、かつ、舵角加速度Aθ=0、前回の舵角加速度のサンプル値Aθ<0を条件として舵角速度Vθが図5(b)の点Cにあるか否かを判定する。ステップS8が肯定されるとステップS9に進み、否定されると図8のステップS30に進む。
【0020】
一方、ステップS5が否定されるとステアリングホイール1が右方向へ操作されたと判定されてステップS10に進む。ステップS10では舵角速度Vθ≦0か否かを判定し、肯定されるとステアリングホイール1の右方向への切り増し操作と判定されてステップS11に進み、否定されるとステップS30に進む。ステップS11ではFlag1が0か否かを判定し、肯定されるとステップS12に進み、否定されると図8のステップS13に進む。ステップS12では、操舵角θ≧−250゜、かつ、舵角加速度Aθ=0、かつ、前回の舵角加速度のサンプルAθ>0を条件として持ち替え操作の開始の有無を判定し、肯定されるとステップS9に進み、否定されると図8のステップS30に進む。
【0021】
ステップS9ではFlag1に1をセットする。次いで、ステップS13でFlag2が0か否かを判定する。ステップS13が肯定されると降下操作がなされていないと判定されてステップS14に進み、垂直荷重Fの微分値、すなわち、図5(c)の特性Cの傾き VFが0か否かを判定する。ステップS14が肯定されるとステップS15に進み、垂直荷重の微分値の前回のサンプル値VFが0より大きいか否か、すなわち、垂直荷重Fが極大値であるか否かを判定する。ステップS15が肯定されるとステップS16に進み、垂直荷重F≒F/2が成立しているか否かを判定する。ここでは、垂直荷重Fが0.9×F/2≦F≦1.1×F/2の条件を満たすとき、F≒F/2が成立しているものとする。ステップS14〜ステップS16の全てが肯定されると垂直荷重Fが図5(c)の点C1,C2,C3にあると判定されてステップS17に進み、いずれか1つでも否定されるとステップS31に進む。
【0022】
ステップS17ではFlag2に1をセットし、かつ、そのときの操舵角θをθofs0に代入し、垂直荷重が減少する前のピーク値の操舵角を記憶してステップS19に進む。一方、ステップS13が否定されるとステップS18に進み、垂直荷重の傾きVFが0以下か否か、すなわち、降下操作中か否かを判定する。ステップS18が肯定されるとステップS19に進み、ステップS18が否定されるとステップS31に進む。ステップS19ではFlag1=1かつFlag2=1が成立しているか否かを判定し、肯定されるとステップS20に進み、否定されるとステップS31に進む。
【0023】
ステップS20では、操舵角θからステップS17で設定したθofs0を減算してその絶対値を求め、降下操作開始時からの舵角変化量θofsを算出する。次いで、ステップS21で前述した式(I)により目標操舵トルクTを演算し、ステップS33でその目標操舵トルクTがステアリングホイール1の戻り方向のトルクとして作用するように、電動モータ6に制御信号を出力する。次いで、図7のステップS34に進んでエンジンキースイッチのオンを判定し、スイッチオンならステップS2に戻り、オフなら処理を終了する。
【0024】
次に、本実施の形態の動作をより具体的に説明する。
直進走行時にはステップS3、ステップS4、ステップS30〜ステップS33と処理が進み、ステアリングホイール1には電動モータ6からの設定操舵トルクTとして基準トルクTNが作用する。その状態からステアリングホイール1を左方向または右方向に切り増し操作すると操舵角θが増加するが、操舵角θが持ち替え開始点(図5(b)の点B1)に至るまでは、ステップS8またはステップS12が否定され、ステアリングホイール1には基準トルクTNが作用する。操舵角θが持ち替え開始点B1に至ると、ステップS8またはステップS12が肯定されてステップS9でFlag1=1がセットされる。このとき、降下操作の開始前はステップS14〜ステップS16が否定され、ステアリングホイール1には基準トルクTNが作用する。このようにステアリングホイール1の切り増し操作により操舵角速度Vθが1回以上減少するとステアリングホイール1の持ち替えを判定する。
【0025】
ステアリングホイール1がさらに切り増し操作されて、降下操作の開始点(図5(C)の点C1)に至ると、ステップS14〜ステップS16が肯定され、ステップS17〜ステップS21、ステップS33と処理が進む。そして、その後の繰り返しの処理ではステップS13、ステップS18〜ステップS21、ステップS33と処理が進んで、ステアリングホイール1には図6に示すような設定操舵トルクTが作用する。これによって、降下操作時に他の場合よりも大きな操舵反力が作用することとなり、操舵速度Vθの増加が抑えられる。
【0026】
1回目の降下操作が終了すると、ステップS7またはステップS11からステップS13、ステップS18、ステップS19、ステップS31と処理が進む。そして、その後の繰り返しの処理では、ステップS13、ステップS14〜ステップS16と処理が進み、ステップS14〜ステップS16が否定されてステアリングホイール1には基準トルクTNが作用する。2回目の降下開始点(図5(c)の点C2)に至ると、1回目のときと同様、ステップS14〜ステップS16が肯定されて、ステップS17〜ステップS21、ステップS33に進み、ステアリングホイール1には図6に示すような設定操舵トルクTが作用する。以降、2回目の降下操作終了時から3回目の降下操作終了時までも同様に処理が進み、図5(d)に示すように、基準トルクTNと図6の設定操舵トルクTとが交互に作用する。
【0027】
このように本実施の形態によると、操舵角θやステアリングホイール1に作用する垂直荷重Fにより降下操作を検出し、その検出時にステアリングホイール1に作用する操舵トルクTを増加させるようにしたので、降下操作時にステアリングホイール1の操作速度が速くならず、良好な操作性を得ることができる。この場合、ステアリングホイール1に作用する垂直荷重Fが減少傾向となったときに降下操作を検出するようにしたので、複雑な構成によらずに降下操作を検出できる。また、操舵角θに基づいてステアリングホイール1の持ち替えの有無を検出し、その検出後、垂直荷重Fに基づいて降下操作を検出するので、降下操作の検出が正確である。さらに、現在の操舵角θから降下操作開始時の操舵角θofs0を減算した角度の正弦値sinθofsに、操舵トルクTを比例させるようにしたので、操舵トルクTの変化がスムーズである。さらにまた、車速や横加速度などの車両情報ではなく、ステアリングホイール1に作用する情報に基づいて操舵トルクTを制御するので、車両情報などに誤差があった場合でもステアリングホイール1の操作性は向上する。また、ステアリングホイール1の取付角度θcに応じて操舵トルクTを調整したので、適切な操舵トルクTを作用させることができる。
【0028】
−第2の実施の形態−
図9〜11を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、ステアリングホイール1に作用する操舵トルクTの特性である。すなわち、第1の実施の形態では、降下操作の開始点θofs0からの操舵角θの増加に伴いサインカーブに沿って操舵トルクTを増加させたが、第2の実施の形態では、図9に示すように、ステアリングホイール1に作用する垂直荷重Fの減少に伴い操舵トルクTを減少させる。図9の特性は次式(II)で示される。
T = TN+(FN/2−F)×(ステアリング半径)×cosθc (II)
【0029】
なお、第2の実施の形態と請求項との対応において、電動モータ6が操舵力調整手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8と荷重検出センサ10が降下操作検出手段を、コントローラ7が制御手段を、荷重検出センサ10が荷重検出手段を、コントローラ7が荷重平均算出手段を、コントローラ7と操舵角検出センサ8が持ち替え操作検出手段を、角度センサ9が角度検出手段をそれぞれ構成する。
【0030】
図10、11は、第2の実施の形態に係わるコントローラ7で実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、図7、8のフローチャートと同一の箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違点を主に説明する。第2の実施の形態では操舵角の変化量θofsを求める必要がないため、ステップS1の代わりのステップS1A、およびステップS31の代わりのステップS31Aでは、それぞれθofs0=0の処理が不要とされ、ステップS17の代わりのステップS17Aではθofs0=θの処理が不要とされている。また、ステップS20は削除され、ステップS21の代わりのステップS21Aでは前述した式(II)により目標トルクが演算される。これによって、降下操作時にステアリングホイール1に作用する操舵トルクTは図8に示すように変化する。
【0031】
第2の実施の形態では、垂直荷重Fに応じた操舵トルクTをステアリングホイール1に作用させるので、歪みゲージのノイズ成分などにより降下操作の開始点に誤差があった場合でも、ステアリングホイール1には常に垂直荷重Fの変化に対応した操舵トルクTを作用させることができ、ステアリングホイール1の操作性を確実に向上させることができる。
【0032】
なお、上記実施の形態では、電動モータ6により操舵トルクTを作用させるようにしたが、他のアクチュエータにより操舵トルクTを作用させるようにしてもよい。その一例として、コラムシャフト2にブレーキ力を付与するようなブレーキパッドを設け、パッドの押し付け力を調整して操舵トルクTを作用させるようにしてもよい。また、操舵角θや垂直荷重Tに基づいて降下操作を検出したが、他の方法により降下操作を検出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置の構成を示す図。
【図2】本実施の形態に係わる車両用操舵装置の要部拡大図。
【図3】コラムシャフトの角度とステアリングホイールに作用する垂直荷重を示す図。
【図4】ステアリングホイールの一般的な操作方法を示す図。
【図5】ステアリングホイールの特性を示す図。
【図6】第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置による設定操舵トルクを示す図。
【図7】第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その1)。
【図8】第1の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その2)。
【図9】第2の実施の形態に係わる車両用操舵装置による設定操舵トルクを示す図。
【図10】第2の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その1)。
【図11】第2の実施の形態に係わる車両用操舵装置を構成するコントローラでの処理の一例を示す図(その2)。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 コラムシャフト
6 電動モータ 7 コントローラ
8 操舵角検出センサ 9 角度センサ
10 荷重検出センサ 12 チルト機構
Claims (8)
- ステアリングホイールに作用する操舵反力を増減する操舵力調整手段を有する車両用操舵装置において、
前記ステアリングホイールの上部の上方から下方への降下操作を検出する降下操作検出手段と、
前記降下操作が検出されると、所定期間、前記操舵反力が大きくなるように前記操舵力調整手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記降下操作検出手段は、前記ステアリングホイールに作用する上下方向の荷重を検出する荷重検出手段を有し、
前記荷重検出手段で検出された荷重が減少傾向になると、前記降下操作を検出することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2に記載の車両用操舵装置において、
前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、
前記制御手段は、前記降下操作が検出されると、前記操舵角検出手段によって検出された現在の操舵角から前記降下操作の開始時の操舵角を減算した値の正弦値に前記舵角反力が比例するように、前記操舵力調整手段を制御することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2に記載の車両用操舵装置において、
前記制御手段は、前記降下操作が検出されると、前記荷重検出手段によって検出された荷重に応じて前記操舵反力が変化するように、前記操舵力調整手段を制御することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項4に記載の車両用操舵装置において、
前記荷重検出手段によって検出された直進走行時の荷重の平均値を算出する荷重平均算出手段を有し、
前記制御手段は、前記降下操作が検出されると、前記荷重平均算出手段によって算出された荷重の平均値の1/2の値から前記荷重検出手段によって検出された現在の垂直荷重を減算した値に前記操舵反力が比例するように、前記操舵力調整手段を制御することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の車両用操舵装置において、前記検出手段は、前記ステアリングホイールの持ち替え操作を検出する持ち替え操作検出手段を有し、前記持ち替え操作の検出を条件に前記降下操作を検出することを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項2〜6のいずれかに記載の車両用操舵装置において、前記荷重検出手段は、前記ステアリングホイールを支持する部材に貼付された歪みゲージ式のセンサであることを特徴とする車両用操舵装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の車両用操舵装置において、
前記ステアリングホイールの取付角度を調整するチルト機構と、
その取付角度を検出する角度検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記降下操作が検出されると、前記角度検出手段によって検出された取付角度に応じて前記ステアリングホイールに作用する操舵反力が変化するように、前記操舵力調整手段の駆動を制御することを特徴とする車両用操舵装置。
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