JP3806520B2 - Air conditioner with ice storage tank - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、氷蓄熱槽を備えた空気調和装置に係り、氷蓄熱ユニットに蓄熱された冷熱を放熱して放冷冷房運転を実施する氷蓄熱槽を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、図6に示すように、圧縮機1、熱源側熱交換器2、四方弁3及び電動膨張弁4を備えた熱源側ユニット5と、氷蓄熱槽6内にコイル7が水没状態で配設されてコイル7外周に氷が形成可能な氷蓄熱ユニット8と、利用側熱交換器9を備えた利用側ユニット10とを有し、製氷運転、放冷冷房運転、通常冷房運転を実施可能とする空気調和装置11が知られている。
【0003】
製氷運転は、圧縮機1からのガス冷媒が熱源側熱交換器2を経て液冷媒となり、その後に電動膨張弁4を通り、氷蓄熱槽6内のコイル7に流入して蒸発し、この氷蓄熱槽6内で製氷動作が実施された後、ガス冷媒が圧縮機1へ戻されて実施される。
【0004】
放冷冷房運転は、熱源側ユニット5の圧縮機1を停止させ、氷蓄熱ユニット8に設置されて冷媒を圧送する液ポンプ又はガスポンプなどの循環ポンプ12(図6では液冷媒を圧送する液ポンプ)を稼働させることによりなされている。つまり、循環ポンプ12の稼働により、氷蓄熱ユニット8における氷蓄熱槽6のコイル7内で、氷に蓄熱された冷熱を吸収して過冷却状態となった液冷媒が利用側熱交換器9へ圧送され、この利用側熱交換器9において液冷媒が蒸発して、この蒸発潜熱と氷の冷熱の放熱とにより放冷冷房運転が実施される。
【0005】
通常冷房運転は、圧縮機1から熱源側熱交換器2へ導かれて液冷媒となった冷媒を、氷蓄熱槽6のコイル7内へ流すことなく、利用側熱交換器9へ供給して液冷媒を蒸発し、この蒸発潜熱により実施される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の放冷冷房運転では、特に循環ポンプ12が液ポンプの場合に、この循環ポンプ12にキャビテーションが発生するおそれがある。そこで、この液ポンプを用いず、氷蓄熱槽6のコイル7内の過冷却状態の液冷媒を複数(例えば2個)のタンク内に貯溜させ、これらのタンク内へ高圧ガス冷媒を交互に供給することにより、上記タンク内の上記液冷媒を利用側熱交換器9へ圧送して、放冷冷房運転を実施可能とするものが考えられる。
【0007】
しかし、この場合には、高圧ガス冷媒を複数のタンク内へ交互に供給させるタイミングがずれると、タンク内の液冷媒を利用側熱交換器9へ、滞ることなく連続的に圧送することができず、氷の冷熱を利用した放冷冷房運転を良好に実施できない恐れがある。
【0008】
本発明の課題は、上述の事情を考慮してなされたものであり、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を良好に実施できる氷蓄熱槽を備えた空気調和装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、圧縮機及び熱源側熱交換器を備えた熱源側ユニットと、氷蓄熱槽内にコイルが水没状態で配設されてこのコイル外周に氷が形成可能な氷蓄熱ユニットと、利用側熱交換器を備えた利用側ユニットとを有し、製氷運転、冷房運転を実施可能とする氷蓄熱槽を備えた空気調和装置において、上記氷蓄熱槽内の上記コイルと上記利用側熱交換器との間に、冷媒を貯溜可能な複数のタンクが並列状態で配設され、上記コイル内の液冷媒が上記タンク内に貯溜されて、これらのタンク内へ交互に供給される高圧ガス冷媒により上記利用側熱交換器へ圧送可能に構成され、上記高圧ガス冷媒の上記タンク内への交互の供給が、上記複数のタンク内にそれぞれの設置された液面センサからの信号に基づき実施されることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記液面センサは、上限液面を検知する上限センサ部と、下限液面を検知する下限センサ部とを備え、これら上限センサ部又は下限センサ部のいずれか一方のみからの信号に基づき、高圧ガス冷媒のタンク内への交互の供給がなされる際に、熱源側ユニットから氷蓄熱ユニットへの冷媒の補充、排出が実施可能に構成されたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、上記複数のタンクへ交互に供給される高圧ガス冷媒は、熱源側ユニットの圧縮機よりも容量の小さな小容量圧縮機から供給される高圧ガス冷媒であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項1又は3に記載の発明には、次の作用がある。
【0013】
タンク内の液面センサからの信号に基づき、高圧ガス冷媒がタンク内へ交互に供給されて、タンク内に貯溜された液冷媒が利用側熱交換器へ圧送可能に構成されたことから、タンク内の液冷媒を連続的に且つ確実に利用側熱交換器へ圧送でき、したがって、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を良好に実施できる。
【0014】
請求項2に記載の発明には、次の作用がある。
【0015】
高圧ガス冷媒のタンク内への交互の供給が、液面センサの上限センサ部又は下限センサ部のいずれか一方のみからの信号に基づき実施される場合に、熱源側ユニットから氷蓄熱ユニットへの冷媒の補充、排出が実施可能に構成されたことから、氷蓄熱ユニット内における冷媒量を常に適切化でき、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を効率良く実施できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る氷蓄熱槽を備えた空気調和装置の一実施の形態を示す管路図である。
【0018】
図1は、本発明に係る氷蓄熱槽を備えた空気調和装置の一実施の形態を示す管路図である。
【0019】
この図1に示す空気調和装置20は、熱源側ユニット21、氷蓄熱ユニット22及び利用側ユニット23を有して構成される。熱源側ユニット21の冷媒配管24が、氷蓄熱ユニット22の冷媒配管25、26を介して利用側ユニット23の冷媒配管27に接続される。
【0020】
熱源側ユニット21は、冷媒配管24に圧縮機28、四方弁29、熱源側熱交換器30及び電動膨張弁31が順次接続されて構成される。また、利用側ユニット23は、冷媒配管27に利用側熱交換器32及び電動膨張弁33が配設されて構成され、この電動膨張弁33は、空調負荷に応じて開度が調整される。
【0021】
氷蓄熱ユニット22は、コイル34を収容した氷蓄熱槽35を備えると共に、冷媒配管25に第1開閉弁36が、冷媒配管26に第2開閉弁37がそれぞれ配設される。更に、冷媒配管25には、第1開閉弁36の配設位置よりも利用側ユニット23側に、接続配管38を介してコイル34の一端が接続され、この接続配管38に電動膨張弁39が配設される。また、コイル34の他端は、第3開閉弁40を備えた接続配管41を介して、冷媒配管26における第2開閉弁37配設位置の利用側ユニット23側に接続される。
【0022】
氷蓄熱槽35には水が充満され、コイル34はこの氷蓄熱槽35内に水没状態で配設される。このコイル34内には、空気調和装置20の製氷運転時に熱源側熱交換器30から液冷媒が流入して蒸発し、これにより、コイル34の外周に氷が付着して形成される。
【0023】
上記接続配管38には、電動膨張弁39とコイル34との間に、二股に分岐する分岐配管42を介して2個のサージタンク43A及び43Bが並列状態で接続される。これらのサージタンク43A、43Bが合流配管44を介して、冷媒配管25における第1開閉弁36配設位置と接続配管38接続位置との間に接続される。これにより、サージタンク43A及び43Bは、氷蓄熱槽35内のコイル34と利用側熱交換器32との間に配設されて、氷蓄熱槽35内の氷に蓄熱された冷熱により凝縮されて過冷却状態となった液冷媒が貯溜可能に設けられる。
【0024】
分岐配管42には、サージタンク43A、43Bの流入側に流入側逆止弁45A、45Bが、また、合流配管44には、サージタンク43A、43Bの流出側に流出側逆止弁46A、46Bがそれぞれ配設されている。これらの流入側逆止弁45A、45Bは、氷蓄熱槽35のコイル34からサージタンク43A、43Bへのみ流れる冷媒の流れを許容し、流出側逆止弁46A、46Bは、サージタンク43A、43Bから利用側熱交換器32側へのみ流れる冷媒の流れを許容する。
【0025】
サージタンク43A及び43Bは、第1配管51、第2配管52、第3配管53及び第4配管54を介して、四方弁55及び小容量圧縮機56に接続される。第1配管51、第2配管52、第3配管53及び第4配管54は、それぞれの一端が四方弁55の各ポートに接続されると共に、第1配管51、第2配管52の他端が小容量圧縮機56の吐出口と吸込口にそれぞれ接続される。また、第3配管53、第4配管54の他端がサージタンク43A、43Bにそれぞれ接続される。
【0026】
四方弁55の切り換え操作により、第1配管51及び第3配管53の連通並びに第2配管52及び第4配管54の連通(A側切換)と、第1配管51及び第4配管54の連通並びに第2配管52及び第3配管53の連通(B側切換)とが選択的に切り換えられる。また、小容量圧縮機56は、熱源側ユニット21における圧縮機28よりも小さな容量(1/10〜1/20)の圧縮機であり、空気調和装置20の放冷冷房運転時にのみ稼働される。この小容量圧縮機56から吐出される冷媒は、熱源側ユニット21の圧縮機28から吐出される冷媒と同一組成である。
【0027】
上記四方弁55のA側切換又はB側切換への操作により、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒がサージタンク43A又は43B内へ交互に供給可能に構成される。これにより、サージタンク43A、43B内に貯溜された過冷却状態の液冷媒が利用側熱交換器32へ圧送可能に構成される。
【0028】
上記サージタンク43A、43Bのそれぞれの内部に、液冷媒の液面を検出する液面センサ57A、57Bが配置される。これらの液面センサ57A及び57Bは、図2に示すように、サージタンク43A、43Bの長手方向に延びるパイプ58にフロート59が摺動自在に挿通され、パイプ58の上端部に上限センサ部60が、パイプ58の下端部に下限センサ部61がそれぞれ設置されて構成される。
【0029】
上限センサ部60は、パイプ58上端部に固着されたアッパストッパ62とリミットスイッチ63が取り付けられて設けられる。上限センサ部60は、フロート59に貼着された磁石64がリミットスイッチ63に近接して、このリミットスイッチ63をON作動させることにより、サージタンク43A、43B内の液冷媒の上限液面を検出する。
【0030】
また、下限センサ部61は、パイプ58下端部に固着されたロアストッパ65とリミットスイッチ66が取り付けられて設けられる。下限センサ部61は、フロート59に貼着された磁石67がリミットスイッチ66に近接して、このリミットスイッチ66をON作動させることにより、サージタンク43A、43B内の液冷媒の下限液面を検出する。
【0031】
図1に示す制御装置68は、放冷冷房運転時に、液面センサ57A及び57Bからの検出信号を受信して、四方弁55の切り換え位置を制御する。
【0032】
つまり、図3に示すように、液面センサ57Aのリミットスイッチ66がサージタンク43A内の上限液面を検出し、ほぼ同時に、液面センサ57Bの下限センサ部61がサージタンク43B内の下限液面を検出したときに、制御装置68は、四方弁55をA側切換とし、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒をサージタンク43A内へ供給して、このサージタンク43A内の液冷媒を利用側熱交換器32へ圧送可能とする。逆に、液面センサ57Aの下限センサ部61がサージタンク43A内の下限液面を検出し、ほぼ同時に、液面センサ57Bの上限センサ部60がサージタンク43B内の上限液面を検出したときに、制御装置68は、四方弁55をB側切換とし、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒をサージタンク43B内へ供給して、このサージタンク43B内の液冷媒を利用側熱交換器32へ圧送可能とする。
【0033】
また、制御装置68は、放冷冷房運転時に氷蓄熱ユニット22の液冷媒が過剰気味の場合には、図4に示すように、液面センサ57Aの上限センサ部60がサージタンク43A内の上限液面を検出したときに四方弁55をA側切換として、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒をサージタンク43A内へ供給し、このサージタンク43A内の液冷媒を利用側熱交換器32へ圧送可能とする。逆に、制御装置68は、液面センサ57Bの上限センサ部60がサージタンク43B内の上限液面を検出したときに、四方弁55をB側切換として、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒をサージタンク43B内へ供給し、このサージタンク43B内の液冷媒を利用側熱交換器32へ圧送可能とする。
【0034】
更に、制御装置68は、放冷冷房運転時に氷蓄熱ユニット22の液冷媒が不足気味の場合には、図5に示すように、液面センサ57Bの下限センサ部61がサージタンク43B内の下限液面を検出したときに四方弁55をA側切換として、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒をサージタンク43A内へ供給し、このサージタンク43A内の液冷媒を利用側熱交換器32へ圧送可能とする。逆に、液面センサ57Aの下限センサ部61がサージタンク43A内の下限液面を検出したときに四方弁55をB側切換として、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒をサージタンク43B内へ供給し、このサージタンク43B内の液冷媒を利用側熱交換器32へ圧送可能とする。
【0035】
制御装置68は、放冷冷房運転時に氷蓄熱ユニット22の液冷媒が過剰気味の場合で、更に、サージタンク43Aから利用側熱交換器32への液冷媒圧送時間とサージタンク43Bから利用側熱交換器32への液冷媒圧送時間とが所定時間以下に短くなったとき、何らかの指令信号の入力によって、又は自動的に、第1開閉弁36を閉弁状態としつつ第2開閉弁37を開弁操作し、四方弁29を冷房位置とした状態で圧縮機28を稼働させる。これにより、氷蓄熱ユニット22内の余剰の液冷媒が熱源側ユニット21側へ排出されるよう構成される。
【0036】
更に、制御装置68は、放冷冷房運転時に氷蓄熱ユニット22の液冷媒が不足気味の場合で、サージタンク43Aから利用側熱交換器32への液冷媒圧送時間とサージタンク43Bから利用側熱交換器32への液冷媒圧送時間とが所定時間以下に短くなったとき、何らかの指令信号の入力により、又は自動的に、第2開閉弁37を閉弁状態としつつ第一開閉弁36を開弁操作して、熱源側ユニット21内の液冷媒を氷蓄熱ユニット22内へ補充するよう構成される。
【0037】
次に、空気調和装置20の製氷運転、放冷冷房運転、通常冷房運転を説明する。
【0038】
[A]製氷運転
空気調和装置20の製氷運転は、例えば、夜間10時から翌朝8時までの電力料金の安い時間帯に、熱源側熱交換器30からの液冷媒を氷蓄熱槽35のコイル34内へ供給し、氷蓄熱槽35内に氷を作る運転である。
【0039】
この場合には、電動膨張弁33が閉弁され、第1開閉弁36、第2開閉弁37、第3開閉弁40及び電動膨張弁39が開弁操作される。
【0040】
この状態で、熱源側ユニット21の圧縮機28が稼働されると、この圧縮機28から吐出されたガス冷媒は、熱源側熱交換器30にて凝縮され、電動膨張弁31及び39を経て減圧され、氷蓄熱槽35のコイル34内へ流入する。このコイル34内に流入した冷媒は蒸発して、コイル34の外周に氷を付着した状態で形成する。その後、コイル34内のガス冷媒は接続配管41及び冷媒配管26を経て四方弁29へ至り、圧縮機28に戻される。
【0041】
[B]放冷冷房運転
空気調和装置20の放冷冷房運転は、例えば、昼間気温が上昇する時間帯に、氷蓄熱槽35のコイル34内で氷の冷熱により過冷却状態とされてサージタンク43A、43B内に貯溜された液冷媒を、このサージタンク43A、43Bから利用側熱交換器32へ圧送することにより実施される。
【0042】
この場合には、第1開閉弁36、第2開閉弁37及び電動膨張弁39が閉弁され、電動膨張弁33及び第3開閉弁40が開弁操作される。また、熱源側ユニット21の圧縮機28は、製氷運転終了後の停止状態にある。
【0043】
この状態で、小容量圧縮機56が稼働され、液面センサ57A及び57Bからの信号により、四方弁55のA側切換と、B側切換とが交互に実施される。例えば、液面センサ57Aの上限センサ部60にてサージタンク43A内の上限液面が検出され、液面センサ57Bの下限センサ部61にてサージタンク43B内の下限液面が検出された時には、四方弁55がA側切換となって、小容量圧縮機56から吐出された高圧ガス冷媒が、第1配管51及び第3配管53を経てサージタンク43A内へ流入する。これにより、このサージタンク43A内の貯溜液冷媒が流出側逆止弁46A、合流配管44、冷媒配管25及び27を経て利用側熱交換器32内へ流入する。サージタンク43A内に貯溜した液冷媒は、氷蓄熱槽35のコイル34内を通り、氷蓄熱槽35内の氷に蓄熱された冷熱により過冷却状態とされた液冷媒であるため、利用側熱交換器32内で蒸発することにより、上記氷の冷熱の放熱(放冷)と蒸発潜熱とにより室内を効率的に冷却する。
【0044】
利用側熱交換器32にて蒸発したガス冷媒は、接続配管41及び第3開閉弁40を経て氷蓄熱槽35のコイル34内へ流入し、上述の如く、氷蓄熱槽35内の氷により過冷却状態の液冷媒となって、流入側逆止弁45Bを経てサージタンク43B内へ流入する。
【0045】
この時、サージタンク43A内が高圧であるため、氷蓄熱槽35のコイル34内の液冷媒は、サージタンク43A内へ流れることなくサージタンク43B内へ流れる。同様に、サージタンク43B内がサージタンク43Aに比べて低圧であるため、サージタンク43B内の貯溜冷媒が流出側逆止弁46Bを経て利用側熱交換器32側へ流出することもない。
【0046】
液面センサ57Aの上限センサ部60にてサージタンク43A内の下限液面が検出され、液面センサ57Bの下限センサ部61にてサージタンク43B内の上限液面が検出されたとき、四方弁55がB側切換となって、小容量圧縮機56から吐出された高圧ガス冷媒が、第1配管51及び第4配管54を経てサージタンク43B内へ流入する。すると、サージタンク43B内に貯溜された過冷却状態の液冷媒が、流出側逆止弁46B、合流配管44、冷媒配管25、27及び電動膨張弁33を経て利用側熱交換器32へ流入し蒸発して、前述と同様に、放冷及び蒸発潜熱により室内を効率的に冷房する。この利用側熱交換器32からのガス冷媒は、接続配管41及び第3開閉弁40を経て氷蓄熱槽35のコイル34内で氷の冷熱により過冷却状態となり、分岐配管42及び流入側逆止弁45Aを経てサージタンク43A内へ流入する。
【0047】
液面センサ57Aの上限センサ部60にてサージタンク43A内の上限液面が検出され、液面センサ57Bの下限センサ部61にてサージタンク43B内の下限液面が検出されたときに、四方弁55がA側切換となって、上述の動作を繰り返し、放冷冷房運転を継続させる。
【0048】
[C]通常冷房運転
空気調和装置20の通常冷房運転は、氷蓄熱槽35内の氷に蓄熱された冷熱を利用しないで実施される冷房運転であり、電動膨張弁39及び第3開閉弁40が閉弁され、第1開閉弁36、第2開閉弁37並びに電動膨張弁31及び33が開弁操作される。
【0049】
この状態で、圧縮機28が稼働されると、この圧縮機28から吐出されたガス冷媒は、熱源側熱交換器30にて凝縮され、電動膨張弁31、冷媒配管25及び電動膨張弁33を経て利用側熱交換器32へ流入し、この利用側熱交換器32にて蒸発して、蒸発潜熱により室内を冷房した後、冷媒配管26及び四方弁29を経て圧縮機28へ戻される。
【0050】
上記実施の形態の空気調和装置20は、上述のように構成されたことから、次の効果▲1▼〜▲3▼を奏する。
【0051】
▲1▼サージタンク43A内の液面センサ57Aとサージタンク43B内の液面センサ57Bからの信号に基づき四方弁55が切り換えられて、小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒がサージタンク43A、43B内へ交互に供給され、これにより、サージタンク43A、43B内に貯溜された過冷却状態の液冷媒が利用側熱交換器32へ圧送可能に構成されたことから、サージタンク43A、43B内からそれぞれ交互に供給される液冷媒を、滞らせることなく連続的に、且つ確実に利用側熱交換器32へ圧送できる。従って、氷蓄熱槽35内の氷の冷熱を利用した放冷冷房運転を良好に実施できる。
【0052】
▲2▼小容量圧縮機56からの高圧ガス冷媒のサージタンク43A、43B内への交互の供給が、液面センサ57Aと57Bの上限センサ部60又は下限センサ部61のいずれか一方のみからの信号により実施される場合、例えば、液面センサ57A及び57Bの上限センサ部60からの信号のみにより高圧ガス冷媒のサージタンク43A、43B内への交互の供給が実施される、氷蓄熱ユニット22内の液冷媒が過剰気味の場合に、第2開閉弁37を開操作し、かつ圧縮機28により冷房運転を実施することによって、氷蓄熱ユニット22内の余剰液冷媒を熱源側ユニット21へ排出する。また、液面センサ57A及び57Bの下限センサ部61からの信号のみにより高圧ガス冷媒のサージタンク43A、43B内への交互の供給が実施される、氷蓄熱ユニット22内の液冷媒が不足気味の場合には、第1開閉弁36を開操作して、熱源側ユニット21内の液冷媒を氷蓄熱ユニット22内へ補充する。これらのことから、氷蓄熱ユニット22内における液冷媒を常に適量化でき、氷蓄熱槽35内の氷の冷熱を利用した冷房運転を効率よく実施できる。更に、氷蓄熱ユニット22内の液冷媒が過剰の場合に、小容量圧縮機56の液圧縮を確実に防止できるので、安全性も向上させることができる。
【0053】
▲3▼氷蓄熱ユニット22内に液冷媒が適正量ある場合に、液面センサ57A又は57Bの上限センサ部60が上限液面を検知してからその下限センサ部61が下限液面を検知するまでの時間を計測することにより、液冷媒の循環流量を検出できる。これにより、放冷冷房運転の制御を最適化でき、更に、小容量圧縮機56を適切な運転能力の圧縮機に設定できる。
【0054】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0055】
例えば、流入側逆止弁45A、45B、流出側逆止弁46A、46Bを流入側開閉弁70A、70B、流出側開閉弁71A、71Bにそれぞれ置き換えてもよい。この場合、これら流入側開閉弁70A、70B、流出側開閉弁71A及び71Bは、製氷運転及び通常冷房運転時には全て閉弁される。更に、放冷冷房運転時にには、流入側開閉弁70A及び流出側開閉弁71Bが連動して開閉し、流入側開閉弁70B及び流出側開閉弁71Aが連動して、流入側開閉弁70A及び流出側開閉弁71Bとは逆に開閉操作する。
【0056】
また、サージタンク43A、43Bは3以上あってもよい。更に、氷蓄熱ユニット22内に液冷媒が過剰または不足気味の場合に、熱源側ユニット21への余剰液冷媒の排出、熱源側ユニット21内からの液冷媒の補充を制御装置68によらず手動により実行してもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る氷蓄熱槽を備えた空気調和装置によれば、氷蓄熱槽内のコイルと利用側熱交換器との間に、冷媒を貯溜可能な複数のタンクが並列状態で配設され、上記コイル内の過冷却状態の液冷媒が上記タンク内に貯溜されて、これらのタンク内へ交互に供給される高圧ガス冷媒により利用側熱交換器へ圧送可能に構成され、上記高圧ガス冷媒の上記タンク内への交互の供給が、上記複数のタンク内にそれぞれ設置された液面センサからの信号に基づき実施されることから、これらのタンク内の液冷媒を連続的にかつ確実に利用側熱交換器へ圧送でき、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を良好に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る氷蓄熱槽を備えた空気調和装置の一実施の形態を示す管路図である。
【図2】図1のサージタンク内における液面センサを示す側面図である。
【図3】液面センサからの信号と四方弁の切り換えタイミングとの関係を示すグラフである。
【図4】氷畜熱ユニット内に液冷媒が過剰気味な場合の、液面センサからの信号と四方弁の切り換えタイミングとの関係を示すグラフである。
【図5】氷畜熱ユニット内に液冷媒が不足気味な場合の、液面センサからの信号と四方弁の切り換えタイミングとの関係を示すグラフである。
【図6】従来の氷蓄熱槽を備えた空気調和装置を示す管路図である。
【符号の説明】
21 熱源側ユニット
22 氷蓄熱ユニット
23 利用側ユニット
28 圧縮機
29 四方弁
32 利用側熱交換器
34 コイル
35 氷蓄熱槽
43A、43B サージタンク
55 四方弁
56 小容量圧縮機
57A、57B 液面センサ
60 上限センサ部
61 下限センサ部
68 制御装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an air conditioner including an ice heat storage tank, and more particularly to an air conditioner including an ice heat storage tank that dissipates cold heat stored in an ice heat storage unit and performs a cooling and cooling operation.
[0002]
[Prior art]
In general, as shown in FIG. 6, a coil 7 is placed in a submerged state in a
[0003]
In the ice making operation, the gas refrigerant from the
[0004]
In the cooling and cooling operation, the
[0005]
In the normal cooling operation, the refrigerant that has been led from the
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above-described cooling and cooling operation, cavitation may occur in the
[0007]
However, in this case, if the timing for alternately supplying the high-pressure gas refrigerant into the plurality of tanks shifts, the liquid refrigerant in the tank can be continuously pumped to the utilization side heat exchanger 9 without stagnation. Therefore, there is a possibility that the cooling and cooling operation using the cold heat of ice cannot be carried out satisfactorily.
[0008]
The subject of this invention is made in view of the above-mentioned situation, and provides the air conditioning apparatus provided with the ice thermal storage tank which can implement the air_conditioning | cooling operation using the cold of the ice in an ice thermal storage tank favorably. It is in.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the invention, the liquid level sensor includes an upper limit sensor unit that detects an upper limit liquid level and a lower limit sensor unit that detects a lower limit liquid level. The refrigerant can be replenished and discharged from the heat source unit to the ice heat storage unit when alternating supply of high-pressure gas refrigerant into the tank is performed based on the signal from either the sensor unit or the lower limit sensor unit. It is characterized by having been comprised by this.
[0011]
The invention according to claim 3 is the invention according to
[0012]
The invention according to
[0013]
Based on the signal from the liquid level sensor in the tank, the high-pressure gas refrigerant is alternately supplied into the tank, so that the liquid refrigerant stored in the tank can be pumped to the use side heat exchanger. The liquid refrigerant inside can be continuously and reliably pumped to the use-side heat exchanger, and therefore, the cooling operation using the cold heat of the ice in the ice heat storage tank can be carried out satisfactorily.
[0014]
The invention according to
[0015]
When alternating supply of high-pressure gas refrigerant into the tank is performed based on a signal from only one of the upper limit sensor part and the lower limit sensor part of the liquid level sensor, the refrigerant from the heat source side unit to the ice heat storage unit Therefore, the amount of refrigerant in the ice heat storage unit can always be made appropriate, and the cooling operation using the cold heat of the ice in the ice heat storage tank can be performed efficiently.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0017]
FIG. 1 is a pipe line diagram showing an embodiment of an air conditioner equipped with an ice heat storage tank according to the present invention.
[0018]
FIG. 1 is a pipe line diagram showing an embodiment of an air conditioner equipped with an ice heat storage tank according to the present invention.
[0019]
The
[0020]
The heat
[0021]
The ice
[0022]
The ice
[0023]
Two surge tanks 43 </ b> A and 43 </ b> B are connected in parallel between the
[0024]
The
[0025]
The surge tanks 43 </ b> A and 43 </ b> B are connected to the four-
[0026]
By switching the four-
[0027]
The high-pressure gas refrigerant from the small capacity compressor 56 can be alternately supplied into the
[0028]
[0029]
The upper
[0030]
The lower
[0031]
The
[0032]
That is, as shown in FIG. 3, the limit switch 66 of the
[0033]
In addition, when the liquid refrigerant in the ice
[0034]
Further, when the liquid refrigerant in the ice
[0035]
The
[0036]
Furthermore, the
[0037]
Next, the ice making operation, the cooling and cooling operation, and the normal cooling operation of the
[0038]
[A] Ice making operation The ice making operation of the
[0039]
In this case, the
[0040]
In this state, when the
[0041]
[B] Cooling / cooling operation The cooling / cooling operation of the
[0042]
In this case, the first on-off
[0043]
In this state, the small capacity compressor 56 is operated, and the A-side switching and the B-side switching of the four-
[0044]
The gas refrigerant evaporated in the use
[0045]
At this time, since the inside of the
[0046]
When the upper
[0047]
When the upper limit liquid level in the
[0048]
[C] Normal Cooling Operation The normal cooling operation of the
[0049]
When the
[0050]
Since the
[0051]
(1) The four-
[0052]
(2) The alternating supply of the high-pressure gas refrigerant from the small-capacity compressor 56 into the
[0053]
(3) When there is an appropriate amount of liquid refrigerant in the ice
[0054]
As mentioned above, although this invention was demonstrated based on one Embodiment, this invention is not limited to this.
[0055]
For example, the inflow
[0056]
Further, there may be three or
[0057]
【The invention's effect】
As described above, according to the air conditioner including the ice heat storage tank according to the present invention, a plurality of tanks capable of storing refrigerant are arranged in parallel between the coil in the ice heat storage tank and the use side heat exchanger. The supercooled liquid refrigerant in the coil is stored in the tank, and is configured to be pressure-fed to the use-side heat exchanger by the high-pressure gas refrigerant that is alternately supplied into these tanks. Since the alternating supply of the high-pressure gas refrigerant into the tank is performed based on signals from liquid level sensors respectively installed in the plurality of tanks, the liquid refrigerant in these tanks is continuously supplied. Moreover, it can be reliably pumped to the use side heat exchanger, and the cooling operation using the cold heat of the ice in the ice heat storage tank can be carried out satisfactorily.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a pipe line diagram showing an embodiment of an air conditioner equipped with an ice heat storage tank according to the present invention.
2 is a side view showing a liquid level sensor in the surge tank of FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is a graph showing the relationship between the signal from the liquid level sensor and the switching timing of the four-way valve.
FIG. 4 is a graph showing the relationship between the signal from the liquid level sensor and the switching timing of the four-way valve when the liquid refrigerant is excessive in the ice storage heat unit.
FIG. 5 is a graph showing the relationship between the signal from the liquid level sensor and the switching timing of the four-way valve when there is a shortage of liquid refrigerant in the ice storage heat unit.
FIG. 6 is a pipe line diagram showing an air conditioner equipped with a conventional ice heat storage tank.
[Explanation of symbols]
21 Heat
Claims (3)
上記氷蓄熱槽内の上記コイルと上記利用側熱交換器との間に、冷媒を貯溜可能な複数のタンクが並列状態で配設され、上記コイル内の液冷媒が上記タンク内に貯溜されて、これらのタンク内へ交互に供給される高圧ガス冷媒により上記利用側熱交換器へ圧送可能に構成され、
上記高圧ガス冷媒の上記タンク内への交互の供給が、上記複数のタンク内にそれぞれの設置された液面センサからの信号に基づき実施されることを特徴とする氷蓄熱槽を備えた空気調和装置。A heat source side unit having a compressor and a heat source side heat exchanger, an ice heat storage unit in which a coil is placed in a submerged state in an ice heat storage tank and ice can be formed on the outer periphery of the coil, and a use side heat exchanger. In an air conditioner having an ice heat storage tank that can be used for ice making operation and cooling operation,
A plurality of tanks capable of storing refrigerant are arranged in parallel between the coil in the ice storage tank and the use side heat exchanger, and liquid refrigerant in the coil is stored in the tank. The high-pressure gas refrigerant supplied alternately into these tanks is configured to be capable of being pumped to the use side heat exchanger,
Air conditioning with an ice heat storage tank, wherein alternating supply of the high-pressure gas refrigerant into the tank is performed based on signals from liquid level sensors installed in the plurality of tanks. apparatus.
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