本件特許出願は、優先権を主張する基礎出願である日本国特許出願である、特願2002−228595号に記載されている内容を全て含むものであり、上記特許出願に記載された事項は、本件特許出願の内容の一部をなすものとする。
明細書中のインバータトランスとの用語は、上記基礎出願における変圧トランスに相当する意味で用いている。すなわち、基礎出願では、変圧トランスを、いわゆるDCからACへの変換を行うインバータの意味と、1次側のACから2次側のACへの変換の意味での昇圧及び降圧変換も含む意味で用いている。本件明細書中においては、インバータトランスとの用語は、1次側と2次側の巻数比を異ならせた変圧トランスの意味も含む。
また、高次巻線とは、1次巻線以外の、変圧(昇圧及び降圧を含む)用巻線であり、2次巻線、3次巻線、帰還巻線等を含む。また、1次側で自励発振に用いる高次巻線とは、帰還巻線又は自励発振用の1次巻線以外の高次巻線、例えば3次巻線のいずれも含む。また、例えば自励発振に用いない3次巻線とは、非自励発振用の3次巻線を言う。
本発明を概して説明すると以下の通りである。
本発明の蛍光管点灯装置は、被駆動体の両端に一対設けたインバータ回路において、被駆動体の両端にかかる交流電圧が互いに逆位相の関係を維持するように、互いのインバータ回路が間接的に接続されるような手段を有することを特徴としている。「間接的に接続される」との用語は、互いのインバータ回路の間においてキャリア(電子・正孔)の移動を伴わない接続であることを意味するものである。具体的には、コイル、トランス等に代表される誘導結合効果を利用したインバータ回路間の接続に例示される方法等である。
また本発明の蛍光管点灯装置は、上記の「間接的接続」手段として、
1)互いのインバータ回路の自励発振に用いない高次巻線同士に関わる結合、或いは、2)互いのインバータ回路のチョークコイル同士に関わる結合等に代表される、いわゆる各インバータ回路にある少なくとも1つ同士の巻線の誘導結合を利用したことを特徴としている。
また本発明の蛍光管点灯装置は、上記『巻線の誘導結合』の手段として、
1)においては直接結合、トランス仲介結合、並列コイル近接接合等、
2)においてはトランス仲介結合、並列コイル近接接合、トランス化結合、単純近接接合を用いたことを特徴としている。
また本発明の蛍光管点灯装置は、互いのインバータ回路の駆動が逆位相(インバータ間逆相)の関係にあることを特徴としている。
上記した蛍光管点灯装置のいずれかの構成によれば、被駆動体の両端に印加する電圧が安定して逆相になるため、被駆動体の両端に安定した同一周波数で逆位相の交流電圧を印加することが可能となる。
また、本発明の蛍光管点灯装置は、各インバータ回路が2つの出力端子を有する場合は、互いの出力が逆位相の関係にあること(インバータ内逆相)を特徴としている。
また、本発明の蛍光管点灯装置において、上記インバータ間逆相の方法として、1)2つの一入力一出力型インバータトランスの1次巻線が互いに逆巻、2)1つの一入力二出力型インバータトランスの2次巻線が互いに逆巻、3)2つの一入力二出力型インバータトランスにおいて、インバータトランス内の2次巻線が互いに逆巻であり、インバータトランス間の2次巻線が互いに逆巻であること、のいずれかを特徴とする。
上記した蛍光管点灯装置のいずれかの構成によれば、各インバータ回路内でトランス誘導効果によってコア等に発生する電気的または磁気的ノイズをキャンセルし合い、被駆動体の両端に発生するノイズを消去することができる。
ここで、被駆動体には、例えばシーズヒータ、ニクロムヒータなどのヒータ類、及び蛍光管等が使用できる。もし、シーズヒータやニクロムヒータに上記インバータ回路のいずれかを用いた場合には、シーズヒータの両端での発熱状態を一様にできるため、均一な発熱状態が必要な状況での使用に優れ、さらに、蛍光管に上記インバータ回路を用いた場合には、蛍光管の両端で均一な輝度の発光が得られることになるため、輝度の均一性が要求される状況での使用に優れる。
また、被駆動体の両端のインバータ回路の帰還巻線同士を接続する手段は、被駆動体を直線状に配置し両端のインバータ回路を被駆動体の端部に配置する場合には、被駆動体の長さ分だけ引き回す必要が生じることになるが、帰還巻線同士を接続する手段の長さが長くなると電力損失及びノイズが発生するといった問題を生じる場合がある。
ノイズが問題となる場合の具体例をあげると、大型の液晶表示装置のバックライト装置に用いられる蛍光管に上記したいずれかのインバータ回路を用いて蛍光管を駆動するようにすると、帰還巻線同士を接続した接続線からノイズが発生し、液晶パネルの表示画面の映像に悪影響を及ぼすような問題が発生する。
この問題を解決するには、被駆動体の両端のインバータ回路の帰還巻線同士を接続した接続線に印加される電圧を低いものとすることが望ましく、電圧が低ければノイズも小さいものとすることができ、同時に電力損失も低減することができる。
そこで本発明の蛍光管点灯装置は、蛍光管の両端がそれぞれ、自励発振に用いる3次巻線を有するインバータトランスの2次巻線と、自励発振に用いない3次巻線を有するインバータトランスの2次巻線とによって接合されることを特徴としている。
また本発明の蛍光管点灯装置は、上記間接接続に用いる3次巻線の巻数は自励発振に用いる3次巻線より少ないことを特徴としている。
上記した蛍光管点灯装置のいずれかの構成によれば、多灯式の蛍光管点灯装置における複数本の蛍光管に掛かる電力バランスを均等化することが可能となる他、インバータ回路間の結合度合いを制御して蛍光管点灯装置全体に掛かるノイズの強弱を制御することが可能となる。
また、本発明の蛍光管点灯装置は、上記蛍光管点灯装置を複数個用いて平行配列された蛍光管にかかる交流電圧が、1本ごとに又は1蛍光管点灯装置が駆動する蛍光管の本数ごとに、その位相を反転させるように、各蛍光管点灯装置間を間接接続することを特徴としている。
また、本発明の蛍光管点灯装置は、上記『間接的接続』の手段として、1)互いの蛍光管点灯装置の自励発振に用いない3次巻線同士に関わる結合、或いは、2)互いの蛍光管点灯装置のチョークコイル同士に関わる結合等に代表される、いわゆる各蛍光管点灯装置にある少なくとも1つ同士の巻線の誘導結合を利用したことを特徴としている。
また、本発明の蛍光管点灯装置は、上記『巻線の誘導結合』の手段として、1)においては直接結合、トランス仲介結合、並列コイル近接接合等、2)においてはトランス仲介結合、並列コイル近接接合、トランス化結合、単純近接接合を用いたことを特徴としている。
上記した蛍光管点灯装置のいずれかの構成によれば、蛍光管点灯装置の駆動の同期をとることが可能となり、蛍光管点灯装置のノイズやフリッカなどを解消することができる。
そして、このような蛍光管点灯装置は、例えば透過型の液晶表示装置の液晶パネルを照明するバックライト装置のように、全面にわたって輝度の均一性を求められる場所に使用すると非常に好適である。
そこで、本発明のバックライト装置においては、上記したいずれかの蛍光管点灯装置と、該蛍光管点灯装置が備える蛍光管と対向して配置され蛍光管が発する光を蛍光管側に反射する反射板と、前記蛍光管の前記反射板の配置側とは相対する側に対向して配置される光拡散板とを備えたことを特徴とするバックライト装置とする。若しくは、上記したいずれかの蛍光管点灯装置と、該蛍光管点灯装置が備える蛍光管が発する光を面状の光に変換する導光板と、を備えたことを特徴とするバックライト装置とする。このように構成すれば、蛍光管の両端の輝度が一定になることから、より均一な輝度で面状に発光するバックライト装置とすることができる。
そして、このようなバックライト装置を液晶表示装置に使用した場合には、バックライト装置の均一な輝度に基づいて、良好な画質の液晶表示装置を提供することが可能である。そこで、本発明の液晶表示装置においては、バックライト装置の光拡散板の蛍光管配置側とは相対する側に、バックライト装置から発せられる光の透過度を変化させ所定の画像を表示する液晶パネルを設けたことを特徴とする液晶表示装置とする。
また、バックライト装置の導光板の面状の光を発する面と対向して、光の透過度を変化させ所定の画像を表示する液晶パネルを設けたことを特徴とする液晶表示装置とする。
このように構成すれば、バックライト装置から均一な面状の発光が提供されることから、表示画面全体の輝度を均一化でき、それに基づいて高い画質の液晶表示装置とすることができる。
以下、本発明に係るインバータ回路に関する具体的な実施の形態について図面を参照しつつ説明を行う。以下においては、インバータ回路により駆動される被駆動体として蛍光管を例にし、この蛍光管を駆動する蛍光管駆動装置に本発明に係るインバータ回路を用いた場合の実施の形態を図1から図12までに基づいて説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態による蛍光管点灯装置について、図1から図3までを参照しつつ説明を行う。図1は、本実施の形態による蛍光管点灯装置の主要部の回路構成例を示す図である。図1に示すように、2個のインバータトランス2、5又3、4を一組として構成したインバータ回路A、Bを、被駆動体である2本の蛍光管15、16の両端にそれぞれ設けた構成を有する。ここで、各蛍光管15、16のそれぞれの両端に接続したインバータトランス2、5又は3、4のうち、自励発振に使用していない昇圧トランスの帰還巻線両端同士を互いに接続する構成(LN)を有している。
図1に示す装置の主要構成要素は、2つのインバータ回路A,Bと2本の蛍光管15、16である。さらに、インバータ回路A、Bは直流電源入力端子1(1a、1b)、インバータトランス2〜5、チョークコイル6,7、トランジスタ8〜11、共振コンデンサ12、13、フィルター用コンデンサ14などを有している。これらの構成要素のうち、インバータトランス2〜5に関しては、発振回路の一部を構成する1次巻線L1、L1’、蛍光管に高電圧を供給する2次巻線L2(L2−1〜L2−2’)、トランジスタ8〜11をスイッチすることができる3次巻線L3−2、L3−2’によって構成されている。
次に、図1に示すインバータ回路A、Bのそれぞれの動作原理についてインバータ回路Aを例に説明する。蛍光管用インバータ回路は、一般的に、蛍光管に交流(周波数は例えば数10Hz〜数10kHz)の高電圧(例えば数100〜数1000V)を供給することを目的とする。そこで、まず入力端子1aから入力された直流電圧を交流電圧に変換するために、発振回路(トランス2、3、チョークコイル6及び共振コンデンサ12によって構成される)を設け、直流を交流に変換している。その周波数は、主に、トランス2,3の主インダクタンス及びチョークコイル6及び共振コンデンサ12等の各定数によって決定される。
次に、入力電圧の高電圧への変換は、インバータトランス2、3によって行うことが可能である。すなわち、各インバータトランスの1次巻線L1に対する2次巻線L2の巻数比を、数10〜数100倍にすることにより、数10Vの電圧を2次巻線において数100〜数1000Vに変換することが可能となる。
さらに、1次巻線側を流れる電流の方向をトランジスタ8、9によって制御するために、インバータトランス2、3には3次巻線L3を設けている。つまりトランジスタ8、9のベース側に交互に適当な電圧を加えられるように、2次巻線L2に対する3次巻線L3の巻数比によって適当に降圧させる。これにより3次巻線に発生する数V程度の交流電圧波形によって、トランジスタ8、9は交互にオン/オフ状態を繰り返し、インバータ回路Aを安定駆動させることが可能となる。尚、1つのインバータ回路に複数のインバータトランスを用いる場合、使用する3次巻線は通常1つで十分である。
以上がインバータ回路の一般的な駆動原理であるが、このように、トランジスタ8、9にスイッチング作用を与える手段がインバータトランスの3次巻線L3−2、L3−2’によって供給されるインバータ回路の駆動方式を一般的に自励式と呼ぶ。(以下、このような役割を実際に担う3次巻線とそうでない3次巻線を区別するために、『自励発振用3次巻線』と『非自励発振用3次巻線』と使い分けることにする。)
そして、本発明における蛍光管点灯装置の構成としては以下の通りである。図1に示す2本の蛍光管を有するインバータ回路において、例えば蛍光管15に関しては、トランス2の1次巻線とトランス4の1次巻線とは逆相になっており、一方、トランス2の2次巻線とトランス5の2次巻線とは同相になっている。蛍光管15とともに配置されている蛍光管16に関しては、トランス3の1次巻線とトランス5の1次巻線は逆相であり、一方、トランス3の2次巻線とトランス4の2次巻線とは同相になっている。加えて、非自励発振用3次巻線は、トランス3と4又は2と5とが逆相となるように間接接続されている。
上記の関係、すなわち、1本の蛍光管の両端に接続される両トランス3、4の1次巻線と2次巻線とのうちいずれか一方が同相、他方が逆相になっており、互いのインバータ回路が非自励発振用3次巻線を用いて間接接続されている場合には、この3次巻線は蛍光管の両端に印加される交流電圧が逆相になるようにするために、インバータAとBとを同相で同期をとるように間接接続している。
本発明の第1の実施の形態による蛍光管点灯装置は、図1に示すように、蛍光管15,16のそれぞれの両端に接続された2つのインバータ回路A、Bにおいて、インバータ回路A、Bそれぞれに設けられた非自励発振用3次巻線同士を互いに接続した構成(LN)をとっている点を特徴とする。これにより、インバータ回路A、Bの間に電気的結合を形成せずに、インバータトランス2、4の2次巻線L2及び3次巻線L3−1、L3−1’間の誘導効果によって互いの位相を同調させるように作用させることができる。これにより、インバータ回路A、Bの間を、誘導効果により「間接的に接続する」ことができる。
蛍光管15、16への接続に関しては、蛍光管15、16のそれぞれの両端に印加される電圧が互いに逆位相の関係になるように、インバータ回路A、Bのそれぞれからインバータトランスの2次巻線L2の一端子を引き出して接続すれば良い。
以上のような回路構成により、蛍光管15、16には、波形歪みのない交流波形であり、かつ、十分な高電圧をかけることができるため、安定して蛍光管を駆動させることができる。また、蛍光管の電力に対する発光効率も、インバータトランス1個で蛍光管1本を駆動させる場合に比べて、約10%程向上させることが可能となる。
尚、インバータ回路間の接続方法としては、図2(a)の破線部Mのように非自励発振用巻線同士の直接接続する構成が部品点数を増やさずにすむため簡便な方法であるが、本実施の形態による「間接的接続方法」は、図2(a)に示す方法に限定されるものではない。その他、破線部Mにおいて、図2(b)に示すようにトランスを仲介してさらにその誘導効果を利用した構成(トランス仲介結合)や、図2(c)に示すように非自励発振用3次巻線に並列に接続したコイルCL1、CL2を互いに近接させて配置した構成(コイル近接)を用いることも可能であり、これらの構成も本発明の範囲に含まれるものである。
また、インバータ回路間の間接接続方法としては、蛍光管の両端に逆位相電圧がかかる構成であれば、逆相でも同相でも良い。但し、電子部品及びインバータ基板の配線パターンなどの回路設計の共通化あるいはトランスの電気的/磁気的ノイズ対策等の影響を考慮すると、逆相接続により上記の効果を得ることができ、また、上記の影響を低減することもできるので好ましい。
尚、蛍光管15,16のそれぞれにかかる高圧交流電圧は、互いに逆相であれば、互いの蛍光管から発生する輻射ノイズをキャンセルし合うことができ、ノイズを低減させることが可能となる。また、上述の原理は、蛍光管の駆動本数が2本より多くても良く、この場合でも本発明の範囲内である。
また、蛍光管15、16のインバータトランスの接続方法について、例えば蛍光管15がインバータトランス2及び4を介して、蛍光管16がインバータトランス3及び5を介して接続された場合、互いの蛍光管15、16の仕様や性能が同じであっても、互いの明るさが同じにならない場合がある。これは、蛍光管15が非自励発振用3次巻線L3−1,L3−1’を有するインバータトランス同士によって接続され、蛍光管16が自励発振用3次巻線L3−2,L3−2’を有するインバータトランス同士によって接続されているためである。つまり、インバータトランスにかかる電力がその3次巻線を自励発振に用いるか否かによって異なるため、蛍光管15、16のそれぞれにかかる電力が異なってしまうことがあるためである。
そこで、本実施の形態においては、蛍光管15、16とその両端に接続されるインバータトランス2、5、3、4との組合せを以下のようにすることで、二本の蛍光管15、16にかかる電力を均等化させる工夫がなされている。すなわち、図1に示すように、蛍光管15の一方の端子はインバータ回路Aの非自励発振用3次巻線L3−1を有するインバータトランス2の2次巻線L2−1と接続し、蛍光管15の他方の端子はインバータ回路Bの自励発振用3次巻線L3−2’を有するインバータトランス5の2次巻線L2−1’と接続させている。同様に、蛍光管16についても同様なインバータトランスとの組合せを与える(図1参照))。
蛍光管15、16と2つのインバータトランスの組合せを上記のように選択することにより、2本の蛍光管15、16に印加される電力が均等になる方向に調整される。従って、2本の蛍光管が同じ仕様、性能であればほぼ同じ明るさになるため、例えば、バックライト装置の照明用に本実施の形態による蛍光管点灯装置を用いた場合の輝度ムラを改善することができる。
また、本実施の形態による蛍光管点灯装置は、インバータ回路間の間接接続が可能であるとともに、一方のインバータ回路のノイズが他方に伝播しやすくなる可能性がある。例えばデューティー調光方式による調光手段を採用した場合、一方のインバータ回路の始動時に発するリップルノイズが他方に伝播し、より高電圧、高電流のリップルノイズが生じうる。
そこで、本実施の形態による蛍光管点灯装置において、非自励発振用3次巻線の巻数を、自励発振用3次巻線よりも少なくするのが好ましい。自励発振用3次巻線には、通常、トランジスタのベース(又はゲート)がON状態になるように、最大で数V程度の交流起電力を起こす必要があるが、非自励発振用3次巻線にはそれほど大きな起電力を起こす必要がなく、巻数が0.5ターン程度であってもその役割を果たすことができる。またこの巻数は現状のトランス設計技術でも製作可能であり、インバータ回路間の間接接続の役割を果たすことは十分可能である。更にこの方法は3次巻線L3−1、L3−1’にかかる電圧が低電圧ですむため、インバータトランスの3次巻線L3−1、L3−1’にかかる電力を削減する方法としても有効である。これにより、蛍光管点灯装置の内部に発生し得る電圧又は電流ノイズを極力抑えることが可能となり、同時にインバータ回路間の間接接続にかかる電力を最小限に抑えることができる。
さらに、インバータ回路においては、上述の通りその内部自身にもノイズを発生する場合があり、特にインバータトランス2〜5から発生する磁界が他の電子部品(液晶パネル等)にノイズに起因する悪影響を与える可能性もある。
そこで、本実施の形態による蛍光管点灯装置では、各インバータ回路A、B毎に発生するノイズを抑制するために、2つのインバータトランス2、3の2次巻線L2の出力が互いに逆位相になるようにすることを特徴としている。具体的には、図1において、インバータトランス2、3の並列接続された1次巻線L1同士を互いに逆巻にしたり、1次巻線L1の両端子を互いに入れ換えて接続したり、あるいは2次巻線を互いに逆巻にするという方法が考えられる。
以上において説明したように、本実施の形態による蛍光管点灯装置によれば、一方のインバータ回路が他方のインバータ回路に与えるノイズを低減することもできるため、蛍光管点灯装置全体のノイズも減少し、他の電子部品に与えるノイズ等の悪影響も少なくなる。尚、本実施の形態におけるインバータトランスの仕様においては別段限定する条件はなく、例えば、閉磁型/開磁型といったコアの設計に対して限定されるものではない。
また、図1に示すようなインバータ回路はあくまでも基本構成であり、本実施の形態に対し、若干の改良、改善を加えたインバータ回路でも同様の機能を果たす。例えば、調光回路やランプ破損等に伴うエラー検出回路等の付加機能を追加した場合や、トランジスタ8、9のベース端子にはいずれか一方だけを入力端子1に接続し、調光時の発振ノイズを低減させる改良を施したインバータ回路に関しても本発明の範疇に入るものである。
次に、本実施の形態の変形例による蛍光管点灯装置について図3を参照しつつ説明を行う。図3は、蛍光管点灯装置におけるインバータトランスに一入力二出力タイプ(以下「2in1型」と称する。)を用いた場合の構成例を示す図である。インバータトランス2、3は、それぞれ2つの3次巻線を有しており、一方は自励発振用3次巻線L3−2、L3−2’、他方は非自励発振用3次巻線L3−1、L3−1’として用いている。
図3に示すように、本実施の形態の変形例による蛍光管点灯装置の主要構成要素としては、2つのインバータ回路A、Bと2本の蛍光管15、16を有している。インバータ回路A、Bは、直流電源入力端子1(1a、1b)と、インバータトランス2、3と、チョークコイル6、7と、トランジスタ8〜11と、共振コンデンサ12,13と、フィルター用コンデンサ14とを有して構成される。これらの構成要素のうち、インバータトランス2、3は、1次巻線L1、L1’、2つの2次巻線L2−1、L2−1’、L2−2、L2−2’、2つの3次巻線L3−1,L3−2(L3−1’、L3−2’)を含んで構成されている。尚、本変形例による蛍光管点灯装置は、自励発振用3次巻線をL3−2、L3−2’とし、非自励発振用3次巻線をL3−1、L3−1’として用いている。
このような構成を有する蛍光管点灯装置においても、図1に示す蛍光管点灯装置の構成の場合と同様の利点を有する。
以上のような回路構成により、蛍光管15、16には、波形歪みのない交流波形であり、かつ、十分な高電圧をかけることができるため、安定して蛍光管を駆動させることができる。
また、本実施の形態による蛍光管点灯装置によれば、例えば、インバータトランス2、3の非自励発振用3次巻線L3−1、L3−1’の巻数を自励発振用3次巻線L3−2、L3−2’の巻数より少なくすることにより、一方のインバータ回路が他方のインバータ回路に与えるノイズを低減することもできる。また、各インバータトランス2、3の2つの2次巻線L2−1、L2−2を互いに逆巻で設計することにより、逆相駆動した蛍光管15、16に発生する輻射ノイズがキャンセルし合い、蛍光管点灯装置全体のノイズも減少し、他の電子部品に与えるノイズ等の悪影響も少なくなる。
尚、インバータ回路間の接続方法としては、図1の場合と同様に、図2(a)の破線部Mのように非自励発振用巻線同士の直接接続する構成が部品点数を増やさずにすむため簡便な方法であるが、本変形例による「間接的接続方法」は、図2(a)に示す方法に限定されるものではない。その他、破線部Mにおいて、図2(b)に示すようにトランスを仲介してさらにその誘導効果を利用した構成や、図2(c)に示すように非自励発振用3次巻線に並列に接続したコイルCL1、CL2を互いに近接させて配置した構成を用いることも可能であり、これらの構成も本発明の範囲に含まれるものである。
尚、本実施形態では1つのインバータトランスに2つの3次巻線L3−1、L3−2を設けているが、その巻線の数は2つに限定されるものではなく、必要に応じて3つ以上設けても良い。(詳細は第5の実施形態(図11)参照。)
次に、本発明の第2の実施の形態による蛍光管点灯装置について、図4及び図5を参照しつつ説明を行う。
図4は、本発明に係る蛍光管点灯装置の主要回路図を表した第2の実施形態である。インバータトランスには2in1型を採用しており、蛍光管両端に互いに逆位相の電圧がかかるように、その両端がインバータトランスの一端にそれぞれ接続した構成であって、更に各インバータ回路の自励発振用3次巻線に対し、それぞれ並列に設けたコイル等によって、互いに接続することで互いのインバータ回路を間接的接続した構成としている。
図4の主な構成要素は、2つのインバータ回路A、Bと2本の蛍光管15、16である。そして、インバータ回路A、Bは、直流電源入力端子1a、2in1型のインバータトランス2,3、チョークコイル5、6、トランジスタ8,9、8’、9’、共振コンデンサ11,12、フィルター用コンデンサ14などにより構成されている。このうち、インバータトランス2、3については、1次巻線L1、L1’、2次巻線L2−1、L2−1’,L2−2、L2−2’3次巻線L3−1,L3−1’、L3−2、L3−2’によって構成される。そして、本実施の形態においては自励発振用3次巻線をL3−2、L3−2’として用いている。
本実施の形態による蛍光管点灯装置では、インバータ回路A、Bの間を間接的に接合する手段として、破線部M内の構成例としていくつかの実施例を挙げる。この実施例は、各インバータ回路A,Bの自励発振用3次巻線L3−2、L3−2’から引き出した二端子間に、並列にコイル又はトランスを介して接続することを特徴としている。より具体的な構造としては、図5(a)に示すように、破線部M内においてトランスの2つの巻線L4、L4’を介して接続する構成(トランス仲介結合)が挙げられる。
さらに、図5(b)に示すように、2つのトランスを介して接続する構成とすることも可能である。図5(b)のような2つのトランスを利用する利点について、真っ直ぐに伸びた直管型の蛍光灯を例にして説明する。図5(a)のように、トランス1つのみの場合には、インバータA,Bのいずれかにのみトランスを実装することになり、インバータAとBとの電力が均等にならないため、蛍光管の両端で輝度差が生じやすい。しかしながら、図5(b)に示すように2つのトランスを利用すれば、インバータA,Bに1つずつトランスが実装できるため、両インバータ回路A,Bに電力を均等に割振ることができ、蛍光管の左右の輝度バランスを保つことができる。さらに、本実施例における2つのトランスにおいて、出力側の巻線L5、L5’の巻数を入力側の巻線L4、L4’より少なくすることにより、出力巻線L5、L5’(図5(b))に印加される電圧を低くする作用が働き、互いのインバータ回路A、B間に伝わる電圧成分のうち余分なノイズ成分を極力抑えることが可能となる。さらに、入力側と出力側との巻線L4、L5、L4’、L5’のいずれか1つが互いに逆巻になるようにすれば、互いのトランスに発生するノイズ成分がキャンセルし合い、互いのインバータ回路A、Bを安定に発振させることが可能となる。
また、図5(c)に示すように、単に、インバータトランス2、3の自励発振用巻線のそれぞれに並列にコイルCL4、CL4’を接続し、互いのコイルCL4、CL4’を近接して配置(コイル近接)しても良い。この構成によっても、互いのコイルCL4、CL4’のコアから発生する磁界によってコイルCL4、CL4’にかかる誘導起電力の電圧位相が同調化され、蛍光管両端に印加される交流電流が逆位相で駆動するため、第1の実施の形態による蛍光管点灯装置と同様に、蛍光管の両端駆動が可能となる。
また、互いのインバータ回路ABを逆相駆動させたい場合は、図5(a)のように、互いの自励発振用3次巻線に並列に接続した巻線(L4又はL4’)を逆巻で接続すれば良い。これにより、インバータ回路A,Bの部品構成、配線パターンを共通化させながらも、容易に両端駆動が可能となる。
さらに、本発明の第1の実施の形態による蛍光管点灯装置と同様に、各インバータ回路内でインバータトランスの2出力が互いに逆相になるようにすることも可能である。また、インバータトランスに1in1型を採用した場合も本発明の範疇に入るものであり。その場合には、蛍光管の両端に接続するインバータトランスは自励発振用3次巻線を有するものと非自励発振用3次巻線を有するものとの組合せにすることもできる。このようにすれば、上記第1の実施の形態による蛍光管点灯装置の場合と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態による蛍光管点灯装置について図面を参照しつつ説明を行う。図6は、本実施の形態による蛍光管点灯装置の構成例を示す図である。図6に示す構造は、2つのインバータ回路AとBとの同期手段として、1次巻線L1、L1’の各々から引き出されたセンタータップCT1、CT2の各々と入力端子1aとの間に設けられたチョークコイル(図示せず)同士が間接接続されており、この間接接続はインバータA,Bが逆相駆動されるように構成されている第1の構成と、インバータ回路A,B内の2次巻線L2−1とL2−1’、L2−2とL2−2’とが、それぞれ逆巻になっている第2の構成とを特徴とする。これによりコアの磁場がキャンセルされる。
本実施の形態による蛍光管点灯装置は、上記第1の構成を有することにより、部品点数を増加させずに(簡単な構成で)蛍光管の両端に印加される電圧の逆相化が可能である。また、上記第2の構成を有することにより、コアで発生する磁場を除去する。インバータ回路内のノイズを低減することができる。
本実施の形態の他の変形例による蛍光管点灯装置としては、インバータ回路A、Bの間を間接的に接合する手段として、破線部M内に構成として4つの構成例を挙げることができる。これらの4つの構成例は、各インバータ回路A、Bの同期手段として、それぞれのセンタータップに対して、お互いが関連付けされて同期がとれるように、チョークコイル同士の間接接続構造を設けた点を特徴としている。
より具体的な間接接続構造としては、図7(a)に示すように(コイル近接型)、破線部M内においてコイルCL1、CL2を近接配置させることによるコイル近接形の構成を有している。また、図7(b)に示すように2つのトランスを介して間接的に接続するトランス仲介型の構成とすることも可能である。この構成によれば、図7(a)におけるコイル2つの構成からトランス1つの構成に部品点数を削減することができる。また、図7(c)に示すように、2つのトランスT1、T2を介して接続する構成とすることも可能である。図7(c)に示す構成(トランス仲介型)は、例えば、直管型の蛍光管を点灯させるためにインバータ回路A,Bが離れた位置にある場合、トランス1つではインバータA,Bのいずれかに実装してしまうと、両インバータの電力バランスが崩れ、蛍光管の両端の明るさが均等にならないので、トランスを2つ用いて両インバータに1つずつトランスを実装することにより、両インバータ回路A、Bに電力を均等に割振ることができ、蛍光管の左右の輝度バランスを保つことができるという利点がある。従って、図7(c)に示す構成は、直線的に延びた直管式のランプの両端を駆動する場合にその技術的効果を表す。
さらに、本実施例における2つのトランスにおいて、出力側の巻線L5’の巻数を入力側の巻線L4’よりも少なくすることにより、出力巻線L5’に印加される電圧を降圧する作用が働き、互いのインバータ回路A、B間に伝わる電圧成分のうち余分なノイズ成分を極力抑えることが可能となる。また、入力側と出力側との巻線が互いに逆巻になるように構成すれば、互いのトランスに発生するノイズ成分がキャンセルし合うため、互いのインバータ回路A、Bを安定に発振させることが可能となる。
また、図7(d)に示すような型であっても、間接接続に用いる巻線を少なくして弱い誘導結合で結合させることもできる。図7(d)に示す構成では、2つの巻線CL31、CL41が対を形成しトランスを構成している。このようにすると、互いのインバータ回路に発生するノイズを極力抑えつつ同期をとることができる。
また、インバータ回路間の間接接続方法としては、蛍光管の両端に逆位相電圧がかかる構成であれば、逆相でも同相でも良く、本発明の範疇とする。
次に、本発明の第4の実施の形態による蛍光管点灯装置について図面を参照しつつ説明を行う。図8は、本実施の形態による蛍光管点灯装置の構成例を、2in1タイプを例にして説明した図である。図8に示すように、本実施の形態による蛍光管点灯装置は、1次巻線L1’とL3’とを有する降圧トランス3、5を介して、インバータAとインバータBとが間接的に接続されている構成を有している。
インバータA、Bのそれぞれにおいては、1次巻線の電圧よりも小さくした電圧を2次巻線から取り出す降圧トランス3、5側の1次巻線L1’、L3’が、インバータトランス(昇圧トランス)側の1次巻線L1、L3とそれぞれ並列接続されている。1次巻線L1’、L3’はそれぞれ降圧させるための2次巻線L2−2、L2−2’とでトランス3、5を構成する。そして、この2次巻線L2−2、L2−2’が互いに間接あるいは直接的に接続されたことを特徴としている。
本実施の形態による蛍光管点灯装置では、間接接続の手段として、互いのインバータ回路A、Bからそれぞれ引き出した発振回路の一部を構成しているトランス1次巻線L1’、L3’を有するトランス3,5の2次巻線L2−2,L2−2’を介して間接接続している。つまり、これらの1次巻線L1’、L3’を有するトランス3、5の各2次巻線L2−2、L2−2’をインバータ回路A,Bの位相が反転するように接続された構成を有している。つまり、本来は蛍光管の両端に昇圧接続するべき手段であるトランスの2次巻線を、蛍光管の電力供給には使用せずに、間接接続に用いているのが本変形例の特徴である。
上記のような構成を形成することで、降圧トランス3、5の各1次巻線L1’、L3’にはそれぞれ、昇圧トランス2、4の1次巻線L1、L3と同様に、センタータップCT1’、CT2’から流れる電流の方向がトランジスタ8〜11のスイッチング状況に応じて絶えず変動し、それによるトランスのコア磁束の変動によって降圧トランス3、5の2次巻線L2−2、L2−2’には交流電圧波形が生じる。そして、これらの2次巻線同士が図8のように結合されることにより互いのインバータ回路の位相が逆位相で同期化されて、昇圧トランス2、4の2次巻線L2−1、L2−1’には逆位相の高電圧が発生する。したがって、これらの二端子を蛍光管15の両端に接続することにより、蛍光管15を安定した周波数で駆動することが可能となる。また、蛍光管16についても同様な原理で可能である。
以上の構成により、昇圧トランス2の1次巻線L1にセンタータップCT1を介して流れる電流の向きと、昇圧トランス4の1次巻線L3にセンタータップCT2を介して流れる電流の向きとが逆になるように動作するため、同相に巻回された昇圧トランス2の2次巻線L2−1と昇圧トランス4の2次巻線L2−1’との間には、逆相の交流電流を、その電圧波形に歪みを生じさせることなく生成することができる。
従って、蛍光管15、16の両端に一対のインバータ回路を設けて、蛍光管を並列駆動させる場合に、各インバータ回路の蛍光管に接続した2次巻線に生じる電圧を逆相に同期をとって制御することができるので、各蛍光管の両端に差分電圧を均等な大きさで印加することができ、蛍光管の長さが長くても明るさを均等にすることができる。
尚、上記の例では、降圧トランス同士を接続するために2次巻線を用いたが、降圧トランスに対してさらに帰還巻線(3次巻線)を設け、帰還巻線同士を接続しても良い。
また、降圧トランス3、5の2次巻線同士の結合方法は前述と同様に直接結合にとどまらず、コイル、トランス等を介した結合であっても良く、本発明の範疇に属するものである。
また、インバータ回路間の間接接続方法としては、蛍光管の両端に逆位相電圧がかかる構成であれば、逆相でも同相でも良く、本発明の範疇とする。
次に、本発明の第5の実施の形態による蛍光管点灯装置について図9から図12までを参照しつつ説明する。本実施の形態による蛍光管点灯装置では、蛍光管両端のインバータ回路間での間接接続手段を用いた第一の構成と、蛍光管点灯装置間の間接接続手段を用いた第二の構成を有している点を特徴としている。
図9に示す蛍光管点灯装置では、上記第一、第二の構成は以下の通りである。つまり、蛍光管両端のインバータ回路間での間接接続手段である第一の構成は、インバータ回路A又はBの自励発振用3次巻線に並列接続された巻線を有するトランス71又は73と、インバータ回路C又はDの同じく自励発振用3次巻線に並列接続された巻線を有するトランス75又は77とが、前記巻線に対向する巻線によって接続された手段LN1又はLN2を指している。一方、蛍光管点灯装置間の間接接続手段を用いた第二の構成は、インバータ回路A、Bの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN3又は、インバータ回路C、Dの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN4の少なくともいずれか一方を構成している。
上記第一の構成LN1、LN2接続方法については、インバータ回路AとC、又はBとDの位相が同相あるいは逆相されるように駆動されていればいずれでも良く、蛍光管51〜54の各々がその両端にかかる電圧が逆相になるように接続すればよい。
上記第二の構成LN3、LN4接続方法についても、インバータ回路AとBの位相が同相或いは逆相されるように駆動されていればいずれでも良いが、蛍光管51〜54にかかる交流電圧の位相が、一本又は一蛍光管点灯装置の有する蛍光管本数毎に反転するように接続することが望ましい。つまり、例えば一蛍光管点灯装置内にある蛍光管51、52にかかる交流電圧の位相が互いに逆位相の場合には、間接接続手段LN3又はLN4はインバータ回路AとB又はCとDが同位相で駆動するように接続すれば、蛍光管51〜54に印加される交流電圧の位相は常に一本ずつ反転する。また逆に、一蛍光管点灯装置内にある蛍光管51、52にかかる交流電圧の位相が互いに同位相の場合には、間接接続手段LN3又はLN4はインバータ回路AとB又はCとDが逆位相で駆動するように接続すれば、蛍光管51〜54に印加される交流電圧の位相は2本ずつ、つまり一蛍光管点灯装置が有する蛍光管本数ごとに、反転する。このように、蛍光管にかかる交流電圧の位相を、一本又は一蛍光管点灯装置の有する蛍光管本数ごとに反転させることにより、蛍光管から発生する不要輻射ノイズを互いに打ち消し合う事が可能となり、低ノイズの蛍光管点灯装置をあたえることが出来る。
尚、このような蛍光管にかかる交流電圧の位相を順次反転するための具体的方法としては、上記の方法の他にトランスの2次巻線の蛍光管への接続端子とGND端子を各2次巻線ごとに順次入れ替えるといった方法でも可能である。従って、上記蛍光管の位相反転手段のために、各インバータ回路A〜Dの2つの2次巻線L2−1、L2−2を互いに逆巻にする方法は必ずしも必要ではなく、同じ方向に巻回したものでも良く、本発明の範囲内とする。
尚、これらの間接接続手段LN1〜4についてはいずれか1つであれば欠けていてもインバータ回路A〜Dの同期は取れるので問題はないが、インバータ回路間の同期強化等の必要に応じて4つ全てを具備する構成としても良い。
上記構成を有する蛍光管点灯装置によれば、例えば、蛍光管から液晶パネルへ飛びこむノイズも低減させることが可能となるため、その応用範囲と効果は一層広くかつ高くなる。
次に、本実施の形態の第一変形例による蛍光管点灯装置について図10を参照しつつ説明を行う。本実施の形態の第一変形例による蛍光管点灯装置は、蛍光管両端のインバータ回路同士の間接接続手段である第一の構成は、インバータ回路A、Cの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN1、とインバータ回路B、Dの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN2とを指している。一方、蛍光管点灯装置間の間接接続手段を用いた第二の構成は、インバータ回路A又はCの自励発振用3次巻線に並列接続された巻線を有するトランス71又は75と、インバータ回路B又はDの同じく自励発振用3次巻線に並列接続された巻線を有するトランス73又は77とが、前記巻線に対向する巻線によって接続された手段LN3又はLN4を構成している。つまり、前述の本来の実施形態(図9)における第一の構成と第二の構成の手段がそれぞれ入れ替わった構成である。したがって、その効果も図9と同様な効果を有する。
また本第一変形例も、先の実施形態と同様に、間接接続手段を逆相化させるか同相化させるかの判断は、蛍光管51〜54に印加される交流電圧の位相の反転状況に合わせて設計すれば良く、同相化でも逆相化でもいずれでも適宜対応させるものとする。このような構成を有する蛍光管点灯装置によれば、蛍光管から発生する不要輻射成分が蛍光管の間で打ち消し合うので、蛍光灯から例えば液晶パネルへのノイズを低減させることが可能となる。
尚、これらの間接接続手段LN1〜4についてはいずれか1つであれば欠けていてもインバータ回路A〜Dの同期は取れるので問題はないが、インバータ回路間の同期強化等の必要に応じて4つ全てを構成しても良い。
次に、本実施の形態の第二変形例による蛍光管点灯装置について図11を参照しつつ説明を行う。本実施の形態の第二変形例による蛍光管点灯装置では、インバータトランスに3つの3次巻線を設けており、そのうちの一つを自励発振用3次巻線として使用しているため、残り2つが非自励発振用3次巻線として使用可能である。このため蛍光管両端のインバータ回路同士の間接接続手段である第一の構成も、蛍光管点灯装置間の間接接続手段を用いた第二の構成のいずれも、これら非自励発振用3次巻線を使用することができる。従って、蛍光管両端のインバータ回路同士の間接接続手段である第一の構成は、インバータ回路A、Cの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN1、とインバータ回路B、Dの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN2とを指している。一方、蛍光管点灯装置間の間接接続手段を用いた第二の構成は、インバータ回路A、Bの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN3、とインバータ回路C、Dの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN4を構成している。図9と手段は異なるものの各間接接続手段の目的はそれぞれ同じであるので、その効果も図9と同様な効果を有する。
また本第二変形例も、先の実施の形態と同様に、間接接続手段を逆相化させるか同相化させるかの判断は、蛍光管51〜54に印加される交流電圧の位相の反転状況に合わせて設計すれば良く、同相化でも逆相化でもいずれでも適宜対応させることができる。このような構成を有する蛍光管点灯装置によれば、蛍光管から発生する不要な輻射成分が蛍光管の間で打ち消し合うので、蛍光灯から例えば液晶パネルへのノイズを低減させることが可能となる。
尚、これらの間接接続手段LN1〜4についてはいずれか1つであれば欠けていてもインバータ回路A〜Dの同期は取れるので問題はないが、インバータ回路間の同期強化等の必要に応じて4つ全てを構成しても良い。
次に、本実施の形態の第三変形例による蛍光管点灯装置について図12を参照しつつ説明を行う。本実施形態の第三変形例による蛍光管点灯装置では、蛍光管両端のインバータ回路同士の間接接続手段である第一の構成は、インバータ回路A、Cの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN1、とインバータ回路B、Dの非自励発振用3次巻線の両端同士を接続する手段LN2とを指している。一方、蛍光管点灯装置間の間接接続手段を用いた第二の構成は、インバータ回路AとB又はCとDのチョークコイル同士による間接接続手段90又は90’を構成している。図9と手段は異なるものの各間接接続手段の目的はそれぞれ同じである(90、90’はLN3、LN4に対応)ので、その効果も図9と同様な効果を有する。
また本第三変形例も、先の実施形態と同様に、間接接続手段を逆相化させるか同相化させるかの判断は、蛍光管51〜54に印加される交流電圧の位相の反転状況に合わせて設計すれば良く、同相化でも逆相化でもいずれでも適宜対応させるものとする。このような構成を有する蛍光管点灯装置によれば、蛍光管から発生する不要な輻射成分が蛍光管の間で打ち消し会うので、蛍光灯から例えば液晶パネルへのノイズを低減させることが可能となる。
尚、図12における間接接続手段90又は90’では、インバータ回路AとB又はCとDの接続方法として、トランスの各巻線をチョークコイルとして用いるトランス化結合の構成をとっているが、第三の実施形態(図7(a)〜(d))と同様な例による構成を取っても良い。
尚、これらの間接接続手段LN1、LN2、90、90’についてはいずれか1つであれば欠けていてもインバータ回路A〜Dの同期は取れるので問題はないが、インバータ回路間の同期強化等の必要に応じて4つ全てを構成しても良い。
以上、第5の実施形態について説明したが、蛍光管両端のインバータ回路同士の間接接続手段としての第一の構成、蛍光管点灯装置間の間接接続手段としての第二の構成のいずれも、インバータ回路内にある各種巻線を用いて、それらに発生する誘導起電力から発生する磁束を介して互いのインバータ回路に発生する共振周波数を伝達し合った結果、互いのインバータ回路の共振周波数を共鳴させて同期化をさせる原理を用いている。したがって上記第一、第二のいずれの構成にも、上述した各種巻線を用いることができ、本発明の範疇とするところである。又上記第二の構成については、3つ以上の蛍光管点灯装置に置ける非自励発振用3次巻線等を並列に接続することによっても、3つ以上の蛍光管点灯装置を間接接続させることが可能であり、蛍光管点灯装置の員数は限定されることなく、本発明の範疇に入るものである。また、一蛍光管点灯装置が有し得る蛍光管の本数については特に限定されることはない。その場合でも上記第二の構成における蛍光管点灯装置の位相の同相/逆相の選択については、蛍光管に印加される電圧の位相が一本毎或いは一蛍光管点灯装置が有する蛍光管本数毎に反転されているように間接接続されていればいずれでも良く、これも本発明の範囲内とする。
間接接続に3次巻線を用いる場合に、3次巻線の巻数は、自励発振に用いる3次巻線の巻線より少ない。例えば、図1においては、間接接続に用いる3次巻線L3−1の巻数は例えば0.5〜3巻程度と少なくても良い。一方、自励発振に用いる3次巻線L3−2の巻数は、例えばトランジスタ8,9のベース側をオンさせる程度の巻数例えば数巻である。このように、巻数の差をつけることにより、蛍光灯への印加電圧の制御が低い電圧でも可能となり、ノイズの影響を低減することができる。尚、図3に示すように、同じトランス内における3次巻線に関しても、自励発振に用いる3次巻線と間接接続に用いる3次巻線とで、図1の場合と同様に巻数を変化させることが可能である。
尚、これまで間接接続手段として図示してきた実施例は全て、各インバータ回路の同じ部分の巻線同士に関わる結合であるが、間接接続手段の定義はインバータ回路間のキャリアの移動を伴わない、誘導結合効果による結合である。したがって、これまで示した各種巻線(つまり、自励発振に用いない3次巻線、チョークコイル、被駆動体の電力供給に用いない2次巻線、自励発振に用いる3次巻線に並列接続された巻線等)のうち間接接続可能な適当な組合せによる結合も間接接続とみなすものである。例えば、「自励発振に用いない3次巻線」と「被駆動体の電力供給に用いない2次巻線」との直接接続であっても良く、「チョークコイル」と「自励発振に用いる3次巻線に並列接続された巻線」とのトランス化結合であっても良い。
以上において第1の実施形態から第5の実施形態として説明した蛍光管点灯装置の応用例として、例えば透過型の液晶表示装置のように背面から均一な面状の光を要求する表示装置に用いられるバックライト装置に応用した例について説明する。
<バックライトとしての実施例>
本実施例によるバックライト装置は、大きく分類すると2つに分類でき、その一つは表示画面となる個所と対向して蛍光管を設け、蛍光管から発せられた光を光拡散板で拡散して面状の均一な光として表示画面を照明する所謂直下式バックライト装置であり、他の一つは表示画面の側方に蛍光管を設け、導光板によって蛍光管の光を表示画面を照明する均一な面状の光に変換して表示画面を照明する所謂サイドエッジ式バックライト装置である。
第1の実施の形態から第5の実施の形態において説明した蛍光管点灯装置は、いずれの方式のバックライト装置にも応用可能であり、以下、第6の実施形態として図13〜図15を参照して直下式バックライト装置への応用例について説明し、第7の実施形態として図16〜図17を参照してサイドエッジ式バックライト装置への応用例について説明する。
図13は、本発明の第6の実施の形態による直下式バックライト装置に使用される回路の構成例を示す図であり、本発明の第1の実施の形態による蛍光管点灯装置を複数設け、複数の蛍光管に関して同期をとり同時駆動する構成を示している。図13においてnは自然数を示しており、nは使用状態によって設計者が最適な値(すなわち、蛍光管の本数)を選択するものである。
また、図14は本実施の形態による直下式バックライト装置の正面図であり、図15は図14中のX−X矢視断面を示す図である。尚、本発明の第4の実施の形態における図14及び図15においては、図5にいうn値が3の場合(すなわち、蛍光管の本数が6本の場合)を示しているが、これは一例にすぎず、蛍光灯の本数は用途に応じて適宜変更可能である。
図13に示すように、本実施の形態による蛍光管点灯装置は、入力端子1、2と、インバータ回路A1−B1、A2−B2、…、An−Bnとを有しており、それぞれのインバータ回路には、間接接続手段として、前記第一の構成LN1〜LNnと、前記第二の構成LNa、LNbと、蛍光灯15、16とが設けられている。
図14、図15に示すように、直下式バックライト装置30は、上記第1の実施の形態に記載した3組の蛍光管点灯装置を直流電源に並列に接続して設け、各蛍光管15、16を所定の幅だけ離間させて均一に配置し、その蛍光管15、16を収容するシールド枠31と、このシールド枠31と蛍光管15、16との間に形成された反射板32と、蛍光管15、16の反射板32配置側とは相対する側に対向配置された光拡散板33と、蛍光管15、16の両端を固定するための両端固定具34と、蛍光管15、16の中央を固定するための中央固定具35とを有する。
蛍光管点灯装置に関して既に説明した部分を除く各部の構成について説明すると、シールド枠31は、一方が開口する箱体の外周に開口側とは相対する方向に延設した鍔部を備えた形状のものであり、例えば鉄、アルミニウム又はマグネシウム合金からなる板材をプレス加工によって加工することにより形成することができる。
また、反射板32は、例えば高反射率材料を含有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等からなるフィルムにより形成されるものであり、蛍光管から発せられた光のうち反射板32配置側に放出された光の大部分を蛍光管側に反射するものである。尚、この反射板32には、別の態様として、高反射率材料の塗装をシールド枠31に施して形成したものを用いることも可能である。
光拡散板33は、例えばアクリルやポリカーボネートの透明材料に高拡散率の材料を含有して形成され、蛍光管15、16から入射面に入射された光を均一に拡散し、入射面と対向する位置の放射面から放射する。
また、両端固定具34は、蛍光管15、16の両端を所定の位置に配置するために支持するものであり、インバータ回路A、Bはこの両端固定具34よりも外側であってシールド部31との間に配置される。そして、中央固定具35は、長尺化した蛍光管15、16が、その自重等により撓むのを防止する。
以上のように構成されている直下式バックライト装置30の動作について以下に説明する。インバータ回路A、Bに直流電流を印加すると、上記の各実施の形態に記載したように、インバータ回路A、Bは自励発振が行われ、蛍光管15、16の両端に逆相の正弦波状の電圧が安定して印加される。それによって、蛍光管15、16の両端の輝度は均一化される。そして、蛍光管から発せられた光は光拡散板33の入射面に入射されて拡散され、放射面から放出される。このとき、各蛍光管の両端の輝度が均一化されていることから、光拡散板33の放射面から放出される光が全面にわたって均一に放出されることになる。
以上のように、本実施の形態による蛍光管点灯装置によれば、面状の均一な輝度の光を光拡散板33から放出する直下式バックライト装置30を構成することができる。尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態に記載した蛍光管点灯装置を用いた例について記載したが、第2から第5の実施の形態による蛍光管点灯装置を用いても同様の効果を得ることができる。
また、インバータ回路A、Bの配置位置についても種々の変形が可能であり、例えば、シールド枠31の反射板32配置側とは相対する側にインバータ回路を設けても良い。但し、高電圧となる2次巻線と蛍光管15、16との接続線が長くなると電力損失が大きくなり、かつ、浮遊容量といった不確定要素も影響し易くなりノイズ発生原因ともなりうるため、蛍光管15、16の両端になるべく近い個所に設けることが好ましい。
図16は本発明の第7の実施の形態による蛍光管点灯装置を用いたバックライト装置の正面図であり、図17は図16中のY−Y矢視断面を示す図である。尚、第6の実施の形態における図16及び図17においては、図13でのn値が2の場合(すなわち、蛍光管の本数が4本の場合)を示しているが、これはあくまで一例にすぎず、それ以上の本数であってもそれ以下の本数であっても良い。
サイドエッジ式バックライト装置40は、図16に示すように、一方に開口部を有する箱状の筐体44の内部の側方に蛍光管15、16を配置し、第1の実施の形態による2組の蛍光管点灯装置を直流電源に並列に接続するとともに、筐体44の内部に蛍光管15、16と対向して配置される導光板41と、蛍光管15、16の周囲を覆い、かつ、導光板41の配置方向には開口を有する反射板42と、導光板41の放射面と相対する側の面と対向して設けられる背面反射板43と、を設ける構成としたものである。
既に説明した蛍光管点灯装置を除く各部の構成について説明すると、導光板41は所定の厚みを有するアクリル或いはポリカーボネートなどの高透過率の材料からなり、両側方に配置された蛍光管15、16の光を側面から入射し、放射面45から略面状の均一な光を放射するものである。
そして、反射板42及び背面反射板43は、例えば内側に高反射率材料を含有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等からなるフィルムを備えた板材や、高反射率の塗装を板材に施した構成からなるのであり、蛍光管から発せられた光を、可能な限り減衰することなく導光板41側に反射するものである。
以上のように形成したエッジライト式バックライト装置40の動作について説明すると、インバータ回路A、Bに直流電流を印加すると、上記の各実施の形態において記載したように、インバータ回路A、Bは自励発振を行い、蛍光管15、16の両端に逆相の正弦波状の電圧が安定して印加される。それによって、蛍光管15、16の両端の輝度は均一化される。各蛍光管は同期がとられているため、いずれの蛍光管においても両端の輝度は均一化される。
そして、蛍光管から発せられた光は導光板41の入射面に入射されて拡散され、放射面45から放出される。このとき、各蛍光管の両端の輝度が均一化されていることから、導光板の放射面の両端での輝度も均一なものとなる。
以上のように、本実施の形態によれば、面状の均一な輝度の光を導光板41の放射面45から放出するサイドエッジ式バックライト装置40とすることができる。尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態に記載した蛍光管点灯装置を用いた例について記載したが、第2から第5の実施の形態に記載した蛍光管点灯装置を用いても同様の効果を得ることができる。尚、第7の実施の形態についても、インバータ回路A、Bの配置位置が図示したものに限られないことは勿論である。
またこのように第6、7の実施形態に示すバックライト装置では蛍光管の形状は直管型を前提としているが、本発明全般においてその形状を限定するものではなく、例えばL字、U字、コ字管等についても適当に用いてやれば良い。ただ、直管型はその形状から蛍光管の両端に接続する2インバータ回路間の距離が存在し、ランプ長が大きいほどその距離は大きくなるので、これまで示してきた間接接続が有効になるのは言うまでも無い。
更に、このようなバックライト装置においては、蛍光管の配置は垂直方向より水平配置にすると良い。水平配置の方が、蛍光管内部の水銀分布がどちらかの電極に偏ることなく一様になるため、蛍光管寿命が伸びるためである。したがって、これによりバックライト装置の発光輝度分布を一様に制御し、かつバックライト装置としての寿命も延ばすことが可能となる。
以上には、直下式バックライト装置における実施の形態と、サイドエッジ式バックライト装置における実施の形態とを示したが、これらのバックライト装置の放射面と対向して液晶パネルを配置し液晶表示装置を構成するようにすると、バックライト装置から放射される光の均一性が高いことから、画面全体にわたって輝度が均一な画質の良い液晶表示装置を構成することができる。
次にLCDとしての実施形態について説明する。
この液晶表示装置にかかる実施の形態として、直下式バックライト装置を用いた例を第8の実施の形態として、サイドエッジ式バックライト装置を用いた例を第9の実施の形態として説明する。
<直下式の場合>
図18は、本発明の第8の実施の形態によるLCDの構成例を示す側面図である。尚、直下式バックライト装置の構成は第6の実施の形態において説明した構成と同様であるため説明を省略する。液晶表示装置50は、図18に示すように、直下式バックライト装置30の光拡散板33の反射板32配置側とは相対する側(すなわち、光拡散板33からの光の放射面側)に光学シート52と、液晶パネル51とがこの順に配置されている。そして、液晶パネル51には図示しない液晶パネルの駆動装置が接続され、液晶パネルの駆動装置から液晶パネル51の各画素の階調信号が出力され、表示画面に所望の画像を表示する。
各部の構成例について説明すると、液晶パネル51は、透過型の液晶パネルであればいずれのものでも使用することができ、例えばTFT(Thin Film Transistor)方式のものを用いることができる。また、光学シート52は、液晶パネル51の種類などによって要求される機能は異なるが、一般的には偏光フィルムや光拡散フィルムなどが含まれる。但し、液晶パネル51が光学シート52を要しない仕様のものであれば、光学シート52を省略できる。
上記のように形成した液晶表示装置50に備えられた直下式バックライト装置30から均一な面状の光が液晶パネル51に照射されるため、画面全体が均一な輝度を有する画質の高い画像を表示できる。
<エッジライト式の場合>
図19は、本発明の第9の実施の形態による液晶表示装置の構成例を示す側面図である。尚、サイドエッジ式バックライト装置の構成に関しては、上記の第7の実施の形態において説明したものと同様であるため説明を省略する。
液晶表示装置60は、図19に示すように、サイドエッジ式バックライト装置40の放射面45と対向して、光学シート52、液晶パネル51の順に配置されている。尚、光学シート52、液晶パネル51については第6の実施の形態において説明したものと同様であり、液晶パネル51には図示しない液晶パネルの駆動装置が取り付けられ、液晶パネル51の各画素の階調を調整する点も同様である。
上記の構成を有する液晶表示装置60に備えられたサイドエッジ式バックライト装置40からほぼ均一な面状の光が液晶パネル51に照射されるため、画面全体が均一な輝度を有する画質の高い画像を表示することができる。
またこのように第8、9の実施形態に示す液晶表示装置では蛍光管の形状は直管型を前提としているが、本発明全般においてその形状を限定するものではなく、例えばL字、U字、コ字管等についても適当に用いてやれば良い。ただ、直管型はその形状から蛍光管の両端に接続する2インバータ回路間の距離が存在し、ランプ長が大きいほどその距離は大きくなるので、これまで示してきた間接接続が有効になるのは言うまでも無い。
更に、このような液晶表示装置においては、蛍光管の配置は地面に対し、垂直方向より水平配置にすると良い。水平配置の方が、蛍光管内部の水銀分布がどちらかの電極に偏ることなく一様になるため、蛍光管寿命が伸びるためである。したがって、これにより液晶表示装置の発光輝度分布を一様に制御し、かつ液晶表示装置としての寿命も延ばすことが可能となる。
以上説明したとおり、本発明にかかるインバータ回路を用いると、被駆動体の両端にかかる電圧を安定して逆相にすることができるため、被駆動体の両端の出力の均一化を図ることができる。
また、本発明にかかる蛍光管駆動装置は、蛍光管の両端にかかる電圧を安定して逆相にすることができることから、蛍光管の両端の輝度を均一に駆動できる蛍光管駆動装置とすることができる。
また、本発明にかかる蛍光管駆動装置は、互いインバータ回路を逆相で接続することにより、互いに共通仕様のインバータ回路を用いても蛍光管の両端の輝度を均一に駆動できる蛍光管駆動装置とすることができる。
また、本発明にかかる蛍光管駆動装置は、2本以上の蛍光管の明るさが均一である蛍光管駆動装置とすることができる。
また、本発明にかかる蛍光管駆動装置は、各インバータ回路内部のノイズを低減できるため、低ノイズの蛍光管駆動装置とすることができる。
また、本発明にかかる蛍光管駆動装置は、インバータ回路間に伝わるノイズを低減させることができるため、低ノイズの蛍光管駆動装置とすることができる。
さらに、本発明にかかるバックライト装置においては、バックライト装置に用いた蛍光管の両端が均一な輝度に発光されることから、均一な面状の発光を提供できるバックライト装置とすることができる。
またさらに、本発明にかかる液晶表示装置においては、バックライト装置から均一な面状の発光が提供されることから、表示画面全体の輝度を均一化でき、それに基づいて高い画質の液晶表示装置とすることができる。