JP3806432B2 - 木材処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、木材のワレ(割れ)等を防止して安定性や耐久性を付与するための新しいタイプの木材処理剤および該処理剤を使用する新規な木材処理システムに関し、特に、木材処理装置に関する。
木材は我々の生活に不可欠な天然資源である。しかしながら、木材を構造材料として利用する場合の問題の1つは、使用とともに経時的に腐朽し美感や強度が損なわれるということである。したがって、「腐朽」をいかに抑制するかということが、木材を最大限に利用するためのかぎである。
「腐朽」は木材内に腐朽菌が侵入し、木材成分を分解することによって起こる。この対策として従来より実施されてきた一般的な処理方法においては、まず木材を気乾状態まで乾燥させて細胞空隙に存在する水分を減らして、ある程度のワレが生じている木材の空隙部分に水溶性あるいは油性の防腐剤を注入している。しかしながら、このような処理木材を屋外で使用すると、風雨等で薬剤が溶脱して効力が低下したり、乾燥に伴う「ワレ」に腐朽菌が侵入したりすることは避けられない。さらに、従来より多用されてきたCCA(クロム・銅・ヒ素)のような処理剤は、安全性および環境保護の点から使用が規制される方向にあり、新しい処理剤の開発が望まれている。
本発明の目的は、ワレが発生する前の含水率の高い状態のまま木材に注入されて、効果的に腐朽を防止し、ワレの発生を抑制することができるような新しい木材処理剤とそれを利用する木材処理システム(木材処理方法、木材処理装置)を確立することにある。
本発明は、研究を重ねた結果、従来より用いられているものとは全く異なる木材処理剤として好適な新しいタイプの物質を見出すことにより上記の目的を達成することができた。すなわち、本発明に従えば、先ず基本発明として、次の一般式(1)で表わされるメチロール化フェノール単量体(式中、mは1,2または3である)の1種以上を含有し、弱酸性ないしは中性の水溶液として使用される木材処理剤が提供される。好ましい態様として、本発明の木材処理剤は、フッ化ナトリウムのような防腐性金属塩を含有する。
さらに、本発明は上記の木材処理剤を加圧注入した後、該被処理木材を乾燥および加熱することによりメチロール化フェノール単量体を硬化、樹脂化させる木材の処理方法を提供する。また、本発明は、別の視点として、上記のような処理方法によって得られ、硬化、樹脂化したフェノール系物質が細胞壁に浸透していることを特徴とする改質処理された木材も提供する。
さらに、本発明に従えば、被処理木材を搬入し排気後、該被処理木材に木材処理液を加圧注入するのに用いられる注薬缶であって、被処理木材を搬入する側である前部が後部に向かって下方傾斜している円筒状のハウジング、該ハウジングの前部に配備され木屑等のゴミを除去するための排出口、および該ハウジングの後部の最深部に位置するように配備され残渣を除去するための排出口を有し、該残渣排出口の前後に前記円筒状ハウジングの底部周辺に沿って最深部を挟むように両側に複数の弓状小片から成る残渣分離部材が設けられている注薬缶が提供される。
本発明に従えば、さらに、上記の木材の処理方法の実施に使用される、被処理木材に木材処理液を加圧注入するための注薬缶およびその付属設備を有する注薬セクションと、木材処理液が注入された被処理木材を乾燥および加熱する高温型蒸気式乾燥機を有する乾燥・加熱セクションとから成り、前記注薬セクションが恒温室内に収容されている木材処理装置が提供される。好ましい態様として該木材処理装置においては、乾燥・加熱セクションにホルムアルデヒド処理手段が取り付けられている。また、該木材処理装置における注薬缶として上記定義した注薬缶が好ましい。
本発明を実施すれば、木材の腐朽やワレなどを安全且つ確実に防止することができる。
発明の対象
本発明は、特に国産スギの有効利用につながり、これを用いる心持ち材や小径木等の耐久性向上に効果的である。しかしながら、本発明の対象はこのような特定の樹種、寸法、大きさ、用途の木材に限定されるものではない。例えば、国産または外国産の針葉樹(マツなど)や広葉樹(ブナなど)のような一般的な樹木の他、パルプ、合板、ファイバーボード、パーティクルボードのようなセルロース材料ないしは木質素材にも本発明の木材処理剤、木材処理方法および/または木材処理装置は適用され得る。したがって、本明細書において用いる「木材」という語は、そのような材料ないしは素材を含む広義に解釈すべきものとする。また、本発明の特徴は、ワレ(割れ)の生じていない含水率の高い木材をそのまま処理できることにあるが、ワレの生じている木材も処理対象として含む。但し、そのようなワレ自体を完全に修復することは困難であるが、ワレの進行を長期間阻止することは可能である。
木材処理剤
本発明の木材処理剤は、前記一般式(1)で表されるメチロール化フェノール単量体、具体的には以下の化学構造式で示されるようなモノメチロールフェノール(A)、ジメチロールフェノール(B)およびトリメチロールフェノール(C)の1種以上から構成される。
すなわち、本発明の木材処理剤は、従来より接着剤、塗料等として用いられてきた高分子量のフェノール樹脂または未反応のフェノールもしくはそのオリゴマーを多量に含有するものとは異なり、実質的に低分子量のメチロール化フェノール単量体のみで構成される。本発明の木材処理剤は、このようなメチロール化フェノール単量体を含有する弱酸性ないしは中性(pH3.0〜7.0)の水溶液(水性溶液)として調製されて使用され、この際、ホルムアルデヒドは実質的に存在させない。メチロール化フェノール単量体は1種のみを使用してもよく、また、複数種類のメチロール化フェノール単量体の混合物として使用することもできる。使用濃度は、メチロール化フェノール単量体の全量として45重量%以下、好ましくは10〜20重量%の濃度の水溶液として調製する。
以上のように調製された本発明の木材処理剤は、従来の処理剤(薬剤)を用いる場合とは異なり、後にも詳述するように、ワレが発生する前の含水率の高い状態のままで被処理木材に注入することができる。ここで、本発明の木材処理剤を構成するメチロール化フェノール単量体は、低分子であるため、木材細胞の微細な空隙にまで浸透することができ、後に乾燥、加熱されると、例えば、以下の反応式で表わされるように、メチロール基を介して結合し、更に三次元網目状になって硬化し樹脂化して、木材の細胞壁を膨張した状態に固定する。
本発明の木材処理剤を構成するこのようなメチロール化フェノール単量体は、既知の反応を利用して合成することができる。例えば、フェノール:ホルムアルデヒド:NaOH=1:(1.9〜2.0):(0.2〜0.5)のモル比で、30℃において15時間反応させ、次に1時間かけて70℃まで昇温し70℃で30分間反応させた後、冷却し、アルカリを除去することによりメチロール化フェノール単量体混合物を製造し、HPLCにより各成分の同定を行う。
メチロール化フェノール単量体の合成条件により、未反応フェノールやフェノール類の重合体が含まれていることがあるが、微少量であれば(一般的には10モル%以下)メチロール化フェノール単量体の機能に実質的な影響を与えることはない。また、木材処理剤の調製に際しては、弱酸性ないしは中性としホルムアルデヒドの存在は、極めて少量であるので、ホルムアルデヒドによる通常のフェノール樹脂の架橋形成反応は殆ど起こらないと考えてよい。
好ましい態様として、本発明の木材処理剤には防腐作用を有する金属塩を含有させる。好適な金属塩の例は、フッ化ナトリウム(NaF)である。このような防腐性金属塩を用いると木材の腐朽防止効果が一層高められ、特に、フッ化ナトリウムは木材に対する浸透性に優れ、メチロール化フェノール単量体が硬化、樹脂化すると、該樹脂に被覆された状態で細胞内腔に存在して、万一木材に小さなワレが生じた場合にも防菌効果を発揮することになる。フッ化ナトリウムのような防腐性金属塩は、一般に、木材処理剤水溶液中で0.001〜0.5重量%の濃度で使用する。以上の記述から理解されるように本発明の木材処理剤は、従来使用されていたCCA等の有害物質を含む保存剤と異なり、地球環境への影響を充分に考慮した安全性の高い薬剤である。
木材処理方法本発明によれば、以上のような木材処理剤を使用することにより、従来の方法とは異なる新しい方法に従って木材の腐朽防止処理を実施することができる。図1は、本発明の方法の各工程を示すものであり、以下、この図に示す工程に従って本発明の木材処理方法の詳細を説明する。
(1) 先ず、被処理木材3を注薬缶1内に搬入するが、本発明の方法においては、ワレの生じていない含水率の高い状態の木材をそのまま処理することもできる。これに対して、従来の方法においては、この工程の前に被処理木材を充分に乾燥しておく必要があり、通常は既にワレが生じている木材を注薬缶に搬入していた。
(2) 注薬缶内を減圧排気して木材内の空気を除く。一般に減圧は600mmHg以上とし、また、木材の外周部および木口から薬液(木材処理溶液)の浸潤をよくするために減圧操作は一気に行うことが好ましい。
(3) 本発明の木材処理溶液2を注薬缶内に充満させる。
(4) 注薬缶内を加圧し、被処理木材の内部に処理剤溶液を注入する。この加圧操作は、被処理木材の樹種、形状、寸法等を考慮して、徐々に圧力を上げてゆくようにすることが好ましい。
(5) 加圧後、木材処理剤溶液を排出する。この際、該溶液内には木屑、砂、その他のゴミや沈殿物が含まれているため、注薬缶の清掃や処理剤溶液の回収が面倒となるが、本発明に従えば、木材処理装置の項において後述するように特殊な注薬缶を用いることによりこのような面倒が軽減、回避される。
(6) 注薬缶から注入処理後の木材を取り出す。本発明に従えば、後述するように、以上の注薬缶を用いる各工程を、恒温室内で実施することにより、木材処理剤溶液の変性を防止することができる。
(7) 過剰な水分を除去するため、木材を乾燥する。この乾燥工程は、メチロール化フェノール単量体の硬化樹脂化のムラおよび乾燥初期の割れの発生を防ぐためにゆるやかな乾燥を行うことが重要である。具体的な乾燥条件は、被処理木材の樹脂、形状、寸法等を考慮して設定する。一般的には風乾を行った後、乾燥機を用いて、ほぼ、繊維飽和点になるまで乾燥させる。使用可能な乾燥機としては、蒸気式、除湿式、高周波式、減圧式、マイクロ波式乾燥機などが挙げられるが、特に好ましいのは蒸気式乾燥機である。
(8) 所定の含水率になった木材を加熱し(110〜130℃)、木材内部に浸透している処理剤(メチロール化フェノール単量体)を硬化、樹脂化させる。
上記(7)および(8)の乾燥および硬化(加熱)工程は、一連の操作が可能な高温型蒸気式乾燥機を用いて実施するのが好ましい。また、本発明に従えば、木材処理装置に関連して後述するように、このような乾燥・加熱工程において発生するガス、特にホルムアルデヒドを処理することにより大気汚染を防止するようになっている。
処理後の木材の特性
以上の処理によって、硬化、樹脂化したフェノール系物質が細胞壁に浸透した木材が得られる。図2および図3は、本発明に従うそのような改質処理された木材の特性をモデル的に示すためのものである。木材は細長い細胞が軸方向に束になって構成されている(図2)。各細胞の細胞壁には微細な空隙(a)があり、この部分への水分の移動により木材の寸法変化が起こる。
上記の処理工程(2)、(3)、(4)により細胞内部(b)、細胞間層(c)および細胞壁の空隙(a)に溶液が浸透する。そして、(7)の乾燥工程により細胞内部(b)の薬剤は大部分が除かれ、細胞壁の空隙(a)に溶液が残る。このとき細胞壁は膨張した状態である。従来の薬剤では分子量が大きいため細胞壁の空隙(a)に入り込むことができず、細胞内部(b)および細胞間層(c)に浸透するだけであった。
最終的には、加熱工程(8)により細胞壁内のメチロール化フェノール単量体が硬化し、細胞壁は膨張した状態に固定される(図3)。本発明に従う処理木材は、このようなバルキング効果により寸法変化が抑制されてワレ(割れ)を最小限にとどめるとともに、硬化、樹脂化したフェノール系物質が細胞壁を被覆するために腐朽菌による木材成分の分解が防止されるものと解される。
図4は、本発明に従って処理された木材の表面を拡大して示す顕微鏡写真(SEM、400倍)であり、比較のために未処理木材のSEM写真も示している。図から明らかなように本発明に従う処理木材(a)は、未処理のもの(b)に比べて明らかに細胞壁が厚く膨張していることが理解される。
また、本発明に従う処理木材中に硬化、樹脂化したフェノール系物質が浸透、存在していることは、当該処理木材の一部をスライスし、ゼフリー試薬でリグニン部を除き、その後、72%硫酸でセルロース部およびヘミセルロース部を加水分解したものの残存物をIRスペクトルで分析することにより確認された。さらに、塩化鉄を塗布しても青色が認められないことからも硬化樹脂化していることが確認されている。
木材処理装置
上述の本発明の木材処理方法は、被処理木材に木材処理液を加圧注入するための注薬缶およびその付属設備を有する注薬セクションと、木材処理液が注入された被処理木材を乾燥および加熱する高温型蒸気式乾燥機を有する乾燥・加熱セクションとから成り、注薬セクションが恒温室内に収容されている木材処理装置を用いて実施される。注薬セクションを恒温室内に収容することは、木材処理の分野ではこれまでに行なわれていなかった。以下にも述べるように、注薬に用いる薬剤、水、作業液のすべてを恒温管理して安定性を図り、極めてバラツキの少ない製品を得ることができる。
図5は、このような本発明装置の注薬セクションを概示するものである。図に示されるように、本発明の木材処理装置においては、圧力ゲージ(p)と真空ゲージ(v)を備える注薬缶(B)、ならびにその付属設備である作業液タンク(C)、溶解槽(D)、原液(処理剤溶液)タンク(E)、真空ポンプ(F)、加圧ポンプ(G)、操作室(H)、輸送ポンプおよび配管(I)を恒温室(A)内に収容して常に一定の温度(15±5℃)に維持しながら、木材処理方法の項で前述した(1)〜(6)の諸工程において、被処理木材の樹種、形状、寸法等を総合的に判断し、真空度、圧力値、加圧時間などをコンピューター制御により運転管理する。また、注薬缶、作業液タンク、溶解槽、原液タンク、各ポンプ、配管類等はすべて、メチロール化フェノール単量体から成る処理剤溶液に殆ど影響を与えない金属等(特に好ましいのはステンレス)で製作したものを用いる。
メチロール化フェノール単量体から成る本発明の木材処理剤溶液は温度の影響を受け易い。そこで、注薬セクションを上記のように温度管理することにより処理剤溶液の機能を安定に維持し、得られる処理木材の品質を確保することができる。従来、木材の処理においては、このような薬剤(処理剤)の温度管理は全く行われていなかった。
さらに、メチロール化フェノール単量体を処理剤として用いる本発明の木材処理装置においては、乾燥・加熱セクションに、該セクションから発生するガス、特にホルムアルデヒドの処理手段を取り付けることが好ましい。ホルムアルデヒドの処理手段としては、1)ホルムアルデヒドを熱分解する燃焼器、2)ホルムアルデヒドを溶解、吸収する水またはアルカリ水溶液を含む吸着器、3)活性炭等の吸着剤が好適であり、これらを組み合わせて取り付けてもよい。このようにすることにより、大気汚染防止を考慮した木材処理装置が得られる。
注薬缶
本発明者は、さらに上述の木材処理方法の実施に当たり、被処理木材を搬入し排気後、該被処理木材に木材処理液を加圧注入するのに用いられる新規な注薬缶を案出している。
図6は、本発明の注薬缶を示すものである。図に示されるように、注薬缶は円筒状のハウジング11から構成され、このハウジングは被処理木材を搬入する側である前部から後部に向かって僅かに下方傾斜(一般に1/100〜1/500)している。本発明の注薬缶においてはその前部に木屑等のゴミを除去するための排出口12、およびその後部に残渣を除去するための排出口13が円筒形ハウジングの底の最深部に位置するように配備されている。
排出口12は、適当なバルブ14を介してフィルター15に連結され、該フィルターは作業タンクに連結されている。他方、残渣排出口13の前後には円筒形ハウジングの底部周辺に沿って最深部を挟むように両側に複数の弓形小片16から成る残渣分離部材17が設けられている。残渣排出口13は、適当なバルブ18を介してろ過槽19に連結され、該ろ過槽は作業タンクに連結されている。残渣排出口13の後方には、弓形小片を介して作業液回収口20が設けられ、この作業液回収口も作業タンクに連結されている。
このような注薬缶を用いれば前記処理方法の工程(4)の加圧注入時に、排出口12を通る木屑等のゴミがフィルター15により除去される。さらに、工程(5)の溶液排出時には、液下に沈澱する砂などの残渣は、円筒形ハウジングが後部に向かって下方傾斜していることにより、後部に移送されるとともに、弓状小片16により挟まれた最深部を通って、その大部分が残渣排出口13から出てろ過槽により除去される。したがって、作業液回収口20からは清澄な溶液が作業タンクに送られる。このようにして、注薬缶内の清掃や処理剤溶液の回収が容易となる。
以下、本発明の特徴をさらに明らかにするため実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
減圧、加圧注入外径100mm×長さ1mの割れの発生していない含水率約55%のスギ加工丸太に下記に示す組成の処理剤溶液(10重量%水溶液)を加圧注入することにより、注入量300kg/m3の注入材を得た。なお、注薬缶としては外径200 mm×長さ1mの図6に示すステンレス製注薬缶を用いた。また、減圧操作は650mmHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分、2kgf/cm2で9分間保持、2〜6kgf/cm2昇圧に1分、6kgf/cm2で9分間保持、6〜10kgf/cm2昇圧に1分、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。以上の操作は、図5に示すような温度管理された恒温室内で行った。
〔処理剤組成〕
1)未反応フェノール5〜7.8(モル%)
2)モノメチロールフェノール23〜25(モル%)
3)ジメチロールフェノール32〜35(モル%)
4)トリメチロールフェノール32〜37(モル%)
5)重合体(フェノール換算)0〜1.5(モル%)
乾燥、硬化処理
以上のようにしてえられた注入材を24時間風乾した後、蒸気式乾燥機により2日間乾燥を行うことにより、割れの生じていない含水率約40%の処理木材を得た。蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。次に上記のように乾燥した木材に高温型乾燥機により120℃で2時間硬化処理を行った。
顕微鏡観察及びIR分析
以上のような本発明による処理後の木材の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。比較のために未処理材についてもSEM観察を行った。その結果を図4に示す。本発明の処理木材(a)は未処理のもの(b)に比べて明らかに細胞壁が厚く膨張している。72%硫酸を用いる加水分解後の残留物のIR分析により、これが硬化したフェノール系物質によるものであることが確認された。
屋外曝露試験
以上のようにして得られた本発明の処理木材と、比較のための未処理材(スギ材:外径100mm×長さ20cm)を屋外に1年間曝露して割れの進行状態を調べた。なお、試験開始時には双方とも割れの発生はなかった。その結果を図7のグラフに示す。本発明の処理木材は長期間にわたり屋外に曝露しても殆ど割れがみられないのに対して、未処理材には顕著な割れの進行が認められることが確認された。
本発明は、木材を処理してその有効利用を促進する技術として産業の多くの分野で活用されることが期待される。
本発明の木材処理方法の各工程を示す。 木材細胞の構造を模式的に示す図である。 本発明の処理によって木材細胞の状態が変化する様子を模式的に示すものである。 本発明に従って処理された木材および被処理材の細胞表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の木材処理装置の注薬セクションを全体的に示す斜視図である。 本発明の注薬缶を示す図である。 本発明に従って処理された木材および被処理材の屋外曝露試験の結果を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 被処理木材に木材処理液を加圧注入するための注薬缶ならびにその付属設備である作業液タンク、溶解槽、処理剤原液タンク、真空ポンプ、加圧ポンプ、操作室、輸送ポンプおよび配管を有する注薬セクションと、木材処理液が注入された被処理木材を乾燥および加熱する高温型蒸気式乾燥機を有する乾燥・加熱セクションとから成り、前記注薬セクションが恒温室内に収容されていることを特徴とする木材処理装置。
  2. 乾燥・加熱セクションにホルムアルデヒド処理手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1の木材処理装置。
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