JP3805814B2 - 臭素化アルコキシ置換金属フタロシアニンの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は臭素化アルコキシ置換金属フタロシアニン、特に銅およびパラジウムフタロシアニンの製造方法に関する。
【0002】
置換フタロシアニンは、光情報記録のために重要な染料のクラスである。なぜならば、置換フタロシアニンは、その中心金属原子の種類によって、適切な周辺置換分を有する場合には、700nm乃至900nmの領域に高いNIR吸収を有するからである。
近赤外(NIR=near infra-red)領域の放射線を吸収するフタロシアニン染料をWORM(write once read many)システムにおける情報記録のために使用することは、公知であり、たとえば、Angewandte Chemie, Issue 11,1475-1502 頁(1989)にM.Emmeliusによって記載されている。ビットの形における情報記録に必要な吸収の変化は、かかる記録体にレーザーを照射することによる物理的変性(たとえば昇華または拡散)または化学的変性(たとえばフォトクロミック、異性化または分解)によって達成される。
【0003】
同じく、アルコキシ置換臭素化フタロシアニンの金属錯塩、特にパラジウム錯塩および銅錯塩も公知であり、たとえば欧州特許出願第A−0513370号および同第A−0519419号明細書に記載されている。これらの化合物は、有機溶剤に可溶性であって、そのアルコキシ基が嵩高い残基を含有しているハロゲン化テトラ−アルコキシ置換フタロシアニンである。そこに記載されている化合物の吸収極大は約700nmから約730nmの範囲にあり、そしてモル吸収係数εは>100,000 1・mol-1・cm-1である。このような特性は、それらを使用して製造された光ディスクに780nmにおける十分高い屈折率および良好な感度を達成させることができる。
欧州特許出願第A−0513370号および同第A−0519419号明細書に記載されているこれらの化合物の製造方法は、アルコキシ置換フタロシアニンから出発し、これを水と非混和性の有機溶剤中において臭素化する。この有機溶剤は、好ましくは飽和炭化水素、エーテル、ハロゲン化炭化水素からなる群より選択される。
【0004】
この方法において出発物質として必要なα−またはβ−アルコキシ置換フタロシアニンは、公知の方法、たとえばNouveau Journal de Chimie, Vol. 6. 653-658(1982)および欧州特許出願第A−0492508号明細書に記載されている方法によって製造することができる。一般に、これらの公知方法は、それぞれ各種の位置異性体を与え、これらの異性体は有機溶剤中の溶解度が異なる。原則的には、α−またはβ−アルコキシ置換フタロシアニンのすべての異性体の混合物が、現在の製造方法による臭素化に適する。しかしながら、主として易溶性の位置的異性体を含有する異性体混合物が好ましく、しかもニトロベンゼン、ニトロトルエンまたはニトロキシレンの存在下において、かつ、使用フタロジニトリルの量を基準にして、少なくとも等モル量の尿素の存在下においてアルコキシ置換フタロジニトリルを反応させた時に高収率で製造されうる異性体混合物である。
【0005】
臭素化テトラアルコキシ金属フタロシアニン、特に銅およびパラジウムフタロシアニンはそれ自体でも光情報記録のために重要であり、かつ経済的な染料である。さらに加えて、これら金属フタロシアニンは重要な中間体としても役立ちうる。たとえば、これらの化合物にさらにリン含有置換分を導入して該化合物の極性、従ってまた溶解性を各種広範囲の溶剤に適合させることができる。
【0006】
臭素化工程における高収率は、これらの化合物の経済的製造にきわめて重要である。
反応の間において、芳香族炭素骨格の周辺の各種の位置において複数の臭素化が起こるから、反応の再現性および選択性もまたかなり重要である。臭素化度、臭素化位置、モル吸収係数および吸収スペクトル(λmax )に関して、反応生成物が高い再現性で得られなければならない。副生成物はきわめて少量であり、容易に除去できるものでなければならない。たとえば、クロマトグラフィー分離法のような複雑な精製方法が不必要でなければならない。所望されない副生成物は、たとえば、Moser、Thomas共著の「フタロシアニン化合物」第54〜59頁〔(Reinhold Publishing Corporation)New York(1963)〕 に記載されている酸化生成物であり得る。
テトラアルコキシパラジウムフタロシアニンは1、1、2−トリクロロエタンのごとき公知の溶剤中において好収率で臭素化可能であるが、テトラアルコキシ銅フタロシアニンの場合には、特に1、1、2−トリクロロエタン中において、フタロシアニン骨格の予期されない破壊が観察される。
【0007】
誠に驚くべきことに、第2の水性相の存在下において、実質的に水と非混和性であるハロゲン化芳香族溶剤中で、対応するテトラアルコキシ銅フタロシアニンを臭素化した場合には、高収率、かつ、高度の置換の再現性をもって臭素化テトラアルコキシ銅フタロシアニンが得られることが見いだされた。その収率は、欧州特許出願第A−0513370号明細書または欧州特許出願第A−0519419号明細書に記載されている溶剤中において製造を実施した場合に達成される収率よりもはるかに高い。
水性相は臭素化反応の全期間にわたって存在するのが好ましい。しかしながら、これを周期的に添加し、除去することもできる、2つの相の良好な混合は、好ましくは、たとえば反応混合物を効率よく撹拌することによって、あるいは一方の相を他方の相の中にスプレーすることによって保証される。
驚くべきことに、水性相に還元剤を添加した場合には、一層高い収率および選択性が達成される。この場合、還元剤は臭素化の最初に一度に添加されるのではなく、その濃度が丁度還元作用をもつような速度で供給されるか、または特に好ましくは臭素化の中断を伴って少しずつ添加される。これはまた、たとえば最初は水性相として純粋の水を使用し、次に一時的に臭素の供給を中断し、そして水性相を還元性溶液で置換し、そのあと、消費された還元性水溶液の全部またはそのいくらかを、臭素の供給を続けながら、水で置換することによって実施することもできる。このサイクルを多数回くり返すことができる。
【0008】
同じようにして、臭素化テトラアルコキシパラジウムフタロシアニンを、テトラアルコキシパラジウムフタロシアニンから出発して同じ工程によって好収率かつ高い置換再現性をもって得ることができる。
同様な工程は、Cu(II),Pd(II),Zn(II),Sn(II),Ni(II),Co(II),Pb(II),Mn(O)またはV(O)テトラアルコキシフタロシアニンの臭素化にも使用できる。
【0009】
従って、本発明は、下記式I
【化3】
(式中、
MeはCu(II),Pd(II),Zn(II),Sn(II),Ni(II),Co(II),Pb(II),Mn(O)またはV(O)であり、
xは1乃至5の数であり、
R1、R2、R3、R4は互いに独立的に直鎖状または分枝状のC1-C16アルキル,C3-C16アルケニル、C3-C16アルキニル基であって、これらの基は置換されていないか、またはC1-C12アルコキシ、CN,NO2 ,ハロゲン、OH,フェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニルまたは(C1-C12アルコキシ)フェニルによって置換されている)の臭素化テトラアルコキシ金属フタロシアニンの位置異性体の混合物を、下記式II
【化4】
のテトラアルコキシ金属フタロシアニンを臭素と反応させることによって製造する方法において、反応を、第2の水性相の存在下において、実質的に水と非混和性であるハロゲン化芳香族溶剤中において実施することを特徴とする方法を提供する。
式IおよびIIにおいて、Meは好ましくは銅またはパラジウムであり、銅が最も好ましい。
【0010】
式Iのフタロシアニンはその周辺芳香族炭素骨格の4つのすべてのフェニル環において臭素によって置換されることができる。周辺芳香族炭素骨格の少なくとも2つのフェニル環が、臭素によって置換されているのが好ましい。周辺芳香族炭素骨格は、好ましくは1乃至4個の臭素によって置換されている。
【0011】
直鎖状または分枝状のC1-C16アルキル基の例はメチル、エチル、およびプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペエンタデシル、ヘキサデシルの各種位置異性体である。
好ましいのはC4-C12アルキル基である。
【0012】
C3-C16アルケニル基の例はプロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニルであり、これらの各種位置異性体を含む。
好ましいのはC4-C12アルケニル基である。
【0013】
C3-C16アルキニル基の例はプロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニルであり、これらの各種位置異性体を含む。
好ましいのはC4-C12アルキニル基である。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は好ましくは分枝状である。
ハロゲンは、たとえばフッ素、臭素、塩素またはヨウ素である。
【0014】
C1-C16アルコキシの例はメトキシ、エトキシおよびプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシの各種位置異性体である。
好ましいのはC1-C6 アルコキシである。
【0015】
R1、R2、R3、R4は、好ましくは、置換されていないか、またはC1-C12アルコキシ、CN、NO2 ,ハロゲン、OH,フェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニルまたは(C1-C12アルコキシ)フェニルによって置換された直鎖状または分枝状のC1-C16アルキル基である。
特に好ましくは、R1、R2、R3、R4は置換されていないか、またはC1-C12アルコキシ、CN,NO2 ,ハロゲン、OH,フェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニルまたは(C1-C12アルコキシ)フェニルによって置換された直鎖状または分枝状のC4-C12アルキル基である。
R1、R2、R3、R4が、置換されていない直鎖状または分枝状C4-C12アルキル基、特に2、4−ジメチル−3−ペンチルであるのが特に好ましい。
置換基−OR1、−OR2、−OR3、−OR4はβ−位置またはα−位置に存在しうる。置換基−OR1、−OR2、−OR3、−OR4のすべてがα−位置に存在しているのが好ましい。
同じR1乃至R4についてα−置換またはβ−置換のいずれの場合にも、溶解度の異なる実質的に4つの位置異性体が存在する。R1乃至R4が互いに異なる場合には生成物である混合物中に存在する可能性のある化合物の数は増加する。
本発明の方法は、R1乃至R4が互いに同種である式Iの臭素化化合物の製造、とりわけR1乃至R4が同種であり、そして置換基OR1乃至OR4がそれぞれα−位置に存在する式Iの臭素化化合物の製造のために特に高度に好適である。
【0016】
好ましいハロゲン含有芳香族溶剤は1−ブロモナフタレン、1−クロロナフタレン、1−クロロナフタレン/2−クロロナフタレン、ブロモトルエン、クロロトルエンまたはジクロロトルエンの位置異性体の1つ、ジブロモベンゼンまたはジクロロベンゼンの位置異性体の1つ、ブロモベンゼンまたはクロロベンゼンである。
特に好ましいハロゲン含有芳香族溶剤はクロロベンゼンである。
【0017】
本発明の方法は、好ましくは、式IIの化合物と同じハロゲン含有芳香族溶剤に要素を溶解し、それを溶液として反応に供給することによって実施される。
臭素:ハロゲン含有芳香族溶剤の重量比は、好ましくは1:10乃至10:1、特に好ましくは1:5乃至5:1である。
本方法は、好ましくは保護ガス雰囲気下、たとえば窒素またはアルゴン雰囲気下において実施される。
ハロゲン含有芳香族溶剤:水の重量比は、好ましくは10:1乃至1:10、特に好ましくは4:1乃至1:1である。
反応温度は、好ましくは20乃至150℃、特に好ましくは30乃至90℃である。
本方法は、好ましくは大気圧下において実施される。
【0018】
水性相中の任意の還元剤、たとえば水溶性の有機または無機還元剤でありうる。水溶性有機還元剤の例はホルムアルデヒド、ハイドロキノン、ギ酸、シュウ酸およびこれらの塩である。水溶性無機還元剤の例はリン(III)化合物、鉄(II)化合物、 硫黄(IV)化合物、窒素化合物、たとえば亜リン酸トリエチル、硫酸鉄七水和物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、ジチオン酸ナトリウム、ジチオン酸カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンなどである。
好ましい還元剤はアルカリ金属の亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩およびチオ硫酸塩であり、亜硫酸ナトリウム水溶液および亜硫酸カリウム水溶液が特に好ましい。
【0019】
以下の実施例によって本発明を説明する。
3−(2、4−ジメチル−3−ペントキシ)フタロジニトリルの100.0g(0.41モル)、塩化銅(II)14.0g(0.1モル)、尿素49.6g(0.82モル)およびモリブデン酸アンモニウムの2.0g(2重量%)をニトロベンゼンの410ml中に導入し、この混合物をアルゴン雰囲気下において撹拌しながら160℃に加熱し、そしてこの温度において5時間撹拌を続ける。このあと、混合物を室温に冷却し、トルエンで希釈し、そして濾過助剤を通して濾過する。その濾液を10℃/10-1ミリバールにおいて蒸発乾固する。この残留物を1リットルのトルエンに溶解し、そして溶離剤としてトルエンを使用してシリカゲル600gに通して濾過する。この濾液を濃縮し、そして残留物を1.5リットルのメタノールの中で撹拌し、濾過し、メタノールで洗い、60℃/165ミリバールにおいて一晩乾燥して、N−メチルピロリドン(NMP)中λmax 712nm(ε=197,680 l・ mol-1・cm-1)の緑青色固体99.5g(理論値の94%)を得た。薄層クロマトグラフィーは、異性体I、II、 III が5:33:62の比率で存在することを示した。
【0020】
3−(2、4−ジメチル−3−ペントキシ)フタロジニトリルの50g(0.206モル)、塩化銅(II)7,0g(51.7ミリモル)、尿素24.8g(0.413モル)、モリブデン酸アンモニウム1.0g(2重量%)およびニトロベンゼンの200mlを、還流冷却器、磁気撹拌器、温度計、窒素入口/出口を具備した1リットル容の三ツ口フラスコに導入し、この混合物を不活性ガス雰囲気下において撹拌しながら、160℃において5時間撹拌する。このあと反応混合物を室温に冷却し、トルエンの200mlで希釈し、そして濾過助剤を通して濾過し、固体を各100mlのトルエンで5回洗う。濾液を、トルエンを使用してシリカゲル500gに通して濾過し、緑色留分を水流ポンプ真空下110℃において可能な限り徹底的に蒸発乾固して、まだ少量のニトロベンゼンを含有していてNMP中のλmax が712nmである緑色樹脂72.1gを得た。
【0021】
3−(2、4−ジメチル−3−ペントキシ)フタロジニトリルの50g(206ミリモル)、無水塩化パラジウム9.1g(51.7ミリモル)、尿素24.8g(413ミリモル)およびモリブデン酸アンモニウム1g(2重量%)をニトロベンゼンの200ml中に導入し、この混合物をアルゴン雰囲気下において撹拌しながら160℃に加熱する。続いてこの温度において4時間撹拌し、このあと混合物を室温に冷却し、トルエンで希釈し、そして濾過助剤を通して濾過する。濾液を100℃/10-1ミリバールにおいて蒸発乾固する。その残留物を400mlのトルエン中に取り出し、この溶液を溶離剤としてトルエンを使用したシリカゲル500gに通して濾過する。トルエン相を250mlまで濃縮し、次いでメタノールの1.5リットルを滴下により添加する。沈殿を濾別し、メタノールの100mlで2回洗い、そして60℃/165ミリバールにおいて12時間乾燥して、NMP中λmax 702nm(ε=215.190 l・ mol-1・cm-1)の緑青色粉末32.5g(59%)を得た。NMR分析は異性体I、II、 III が5:53:42の比率で存在することを示した。
【0022】
目的生成物の製造
実施例B1
臭素化テトラ(α−2、4−ジメチル−3−ペントキシ)銅フタロシアニン
実施例A1に記載したようにして製造したテトラ(α−2、4−ジメチル−3−ペントキシ)銅フタロシアニンの2g(1.94ミリモル)を、クロロベンゼンの20gと水10gとの中に導入する。クロロベンゼンの1g中の臭素0.96g(6.0ミリモル)の溶液を、アルゴン雰囲気下において撹拌しながら40℃において10分間かけて滴下添加する。続いて、この混合物を60℃において1時間撹拌する。この反応混合物を冷却し、クロロベンゼンの50mlで希釈し、NaHSO3の3%水溶液50mlで一回洗い、そしてMgSO4 で乾燥し、濃縮する。残留物をトルエンに溶解し、トルエンを使用して50gのシリカゲルに通して濾過する。濾液を蒸発乾固し、そして60℃/165ミリバールにおいて一晩乾燥して、NMP中のλmax が727nm(ε=145,584 l・ mol-1・cm-1)そして臭素含量が17.2%の緑色粉末2.0g(理論値の84.7%)を得た。
【0023】
実施例B2
臭素化テトラ(α−2、4−ジメチル−3−ペントキシ)銅フタロシアニン
錨型撹拌器、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を具備した2.5リットル容の多口フラスコ中の、クロロベンゼンの735gと水362gとの中に、実施例A2からの粗生成物を導入し、この混合物を撹拌しながら40℃に加熱する。クロロベンゼンの20g中の臭素7.81g(48.9ミリモル)を30分間かけて滴下添加し、この混合物を同じ温度において1時間撹拌する。この溶液はNMP中715nmのλmax を有する。NaHSO3の3%水溶液300mlを添加し、この混合物を5分間撹拌する。その水性相を吸引除去し、そのあと水300mlを加え、この混合物を簡単に撹拌し、再度その水性相を吸引除去する。さらに水362gを添加し、そして上記と同様に臭素7.81g(48.9ミリモル)を滴下添加する。この操作を、全部で臭素25.77g(0.161モル)が反応してしまうまで繰り返す。NMP中のλmax が722nmである溶液を得る。この溶液を冷却し、相分離させ、その有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。この溶液をトルエンを使用してシリカゲル300gに通して濾過し、緑色留分を水流ポンプ真空下において110℃で蒸発させる。残留物をトルエン100ml中に取り出し、この溶液を撹拌しながら2リットルのメタノールに加える。沈殿を濾別し、各回100mlのメタノールを用いて3回洗い、そして60℃/165ミリバールで一晩乾燥して、NMP中のλmax が722nm(ε=172,510 l・ mol-1・cm-1)であり、臭素含量が15.18%の緑色固体44.22g(二段階を通じて理論値の70.6%)を得た。
【0024】
実施例B3
臭素化テトラ(α−2、4−ジメチル−3−ペントキシ)パラジウムフタロシアニン
錨型撹拌器、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を具備した500ml容の多口フラスコ中のクロロベンゼンの100gと水50gとの中に、実施例A3に記載した方法で製造されたテトラ(α−2、4−ジメチル−3−ペントキシ)パラジウムフタロシアニンの10g(9.30ミリモル)を導入し、この混合物を撹拌しながら40℃に加熱する。クロロベンゼンの2g中の臭素7.4g(46.48ミリモル)の溶液を10分間かけて滴下添加し、この混合物を60℃において1時間撹拌する。この溶液を冷却し、クロロベンゼンの100mlで希釈し、NaHSO3の3%水溶液50mlで洗う。その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮する。緑色残留物をトルエンに溶解し、この溶液をトルエンを使用して200gのシリカゲルに通して濾過する。緑色留分を、水流ポンプ真空中において80mlまで濃縮する。この溶液を700mlのメタノールに撹拌しながら滴下添加する。沈殿を濾別し、各回50mlのメタノールを用いて3回洗い、60℃/165ミリバールで一晩乾燥して、NMP中のλmax が724nm(ε=163,210 l・ mol-1・cm-1)であり、臭素の含量が24.24%の緑色固体11.6g(理論値の88.1%)を得た。
【0025】
比較例
比較例V1(実施例B1に対する比較)
テトラ(α−2、4−ジメチル−3−ペントキシ)銅フタロシアニンの臭素化
実施例A1に記載したようにして製造したテトラ(α−2、4−ジメチル−3−ペントキシ)銅フタロシアニンの2g(1.94ミリモル)を、1、1、2−トリクロロエタンの20gと水11gとの中に導入する。1、1、2−トリクロロエタンの2g中の臭素0.82g(5.11ミリモル)を、アルゴン雰囲気下において撹拌しながら40℃において25分間にわたり滴下添加する。反応混合物は、分解して褐色溶液となる。薄層クロマトグラフィーおよびUV/VISスペクトル分析は、出発物質も実施例B1またはB2の目的生成物も存在していないことを示した。
Claims (2)
- 下記式I
MeはCu(II)、Pd(II)、Zn(II)、Sn(II)、Ni(II)、Co(II)、Pb(II)、Mn(O)またはV(O)であり、
xは1乃至5の数であり、
R1、R2、R3、R4は互いに独立に、直鎖状または分枝状のC1−C16アルキル、C3−C16アルケニル、C3−C16アルキニル基であって、これらの基は置換されていないか、またはC1−C12アルコキシ、−CN、NO2、ハロゲン、−OH、フェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、ハロフェニル、ヒドロキシフェニルまたは(C1−C12アルコキシ)フェニルによって置換されている)の臭素化テトラアルコキシ金属フタロシアニンの位置異性体の混合物を、下記式II
- 前記水性相が、アルカリ金属の亜硫酸塩、アルカリ金属のピロ亜硫酸塩およびアルカリ金属のチオ亜硫酸塩からなる群より選択される還元剤を含有している請求項1に記載の方法。
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