JP3804767B2

JP3804767B2 - Antistatic coating composition

Info

Publication number: JP3804767B2
Application number: JP2001314113A
Authority: JP
Inventors: 純一久保
Original assignee: Ako Kasei Co Ltd
Current assignee: Ako Kasei Co Ltd
Priority date: 2001-04-17
Filing date: 2001-10-11
Publication date: 2006-08-02
Anticipated expiration: 2021-10-11
Also published as: JP2003003124A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電が防止された塗料組成物に関する。
さらに本発明は、無機塩水和物の潮解性を利用して帯電を防止された塗料組成物に関する。
なお、本発明の塗料は、いわゆる塗料を対象とすることは勿論、表面コーティングに使用される、いわゆるコーティング剤も対象とする。
【０００２】
【従来の技術】
塗料の歴史は古く、以前は溶剤系がほとんどであった。最近、この分野でも、環境への配慮が必要となり、特にVOC(揮発性有機物質）の問題がクローズアップされ、水系塗料の台頭が著しく、今後もこの傾向は続くと考えられる。
【０００３】
しかし、最も古くて未だ未解決の問題は、塗布の状態をいかに長く保持できるか、すなわち、塗料の耐久性の問題である。その一つの原因である静電気の防止も重要な問題の一つである。すなわち、汚れの原因として、空気中のちり、油状物質などが静電気により塗膜表面に付着することが汚れの大きな原因と考えられている。
この問題を解決するために、例えば、親水性塗料とか帯電防止性塗料などが提案されている。前者の親水性塗料では、例えば、OHなどの親水基を表面に存在させ、これにより空気中の水分を吸着させ、水の薄膜を形成させる。後者の帯電防止性塗料では、導電性物質又は帯電防止性物質を表面に塗布するか又は帯電防止性物質を塗料中に混ぜておくなどの手段を講じるのである。しかし、後者の帯電防止性物質を添加する場合の原理は、親水性塗料の場合と同様、空気中の水分を表面に吸着させ、水の薄膜を形成させる。この水薄膜の形成により、水洗による汚れの除去が容易になり、特に雨だれ汚染などに有効とされている。
【０００４】
この場合の問題となるのは、添加により、基材の持っている色、透明性、物性を大きく変えないこと、及び優れた帯電防止性を有することである。この帯電防止性を表す数値として、表面抵抗率がある。すなわち、表面抵抗率が大きいほど、帯電し易くなる。したがって、十分に帯電を防止するためには、表面抵抗率を下げる必要がある。
【０００５】
従来の方法では、基材塗料の外観、物性をあまり変化させることなく、表面抵抗率を 10⁷Ω以下に下げることは困難であった。もし可能であったとしても、それは重大なコストアップをともない、工業的な実施は困難があった。
【０００６】
従来、塗料表面帯電を防止するには多くの手段が提案されている。例えば、帯電防止剤の添加又は塗布、導伝性物質の添加又は塗布、粉体塗料への導伝性物質の混入、ポリマー自体の導電性の向上、親水性塗料等々である。しかし、いずれの手段においても、その効果と経済性を考慮すると、いずれも一長一短であり、未だ満足すべき手段とは言い難い。
【０００７】
また、塗料の耐久性を維持するものとして、超耐久性塗料と呼ばれるものがある。例えば、フッ素樹脂塗料、アクリルシリコン系塗料、シリコンエマルジョン塗料等々である。しかし、これらは高価であり、どこにでも手軽に使えるというものではない。
そこで、本発明は、一般に使用されている塗料の耐久性を簡単な手段で経済的に改善することを課題とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塗料の汚れ、劣化を防止するため、無機塩又は無機塩の水和物の潮解性を利用して帯電を防止することによって、表面の静電気の発生が防止された塗料を提供するものであり、基本的には以下の構成からなる。
（１）潮解性を有する無水無機塩又は潮解性を有する無機塩水和物を基材ポリマー 100重量部に対し１〜50重量部を添加した帯電を防止された塗料組成物。
（２）無水無機塩が、CaCl₂、MgCl₂、AlCl₃、Ca(No₃)₂、Mg(NO₃)₂、Al(NO₃)₃、Na₂CO₃、Na₂SiO₃、Na₂HPO₄又はNaH₂PO₄から選ばれたものであり、無機塩水和物がこれらの塩の水和物から選ばれたものである上記（１）に記載の帯電を防止された塗料組成物。
（３）塗料組成物が、水系塗料組成物である上記（１）又は（２）に記載の帯電を防止された塗料組成物。
（４）塗料組成物が、溶剤系塗料組成物である上記（１）〜（３）のいずれかに記載の帯電を防止された塗料組成物。
（５）無機塩水和物を使用する上記（４）に記載の帯電を防止された塗料組成物。
（６）帯電防止塗料である上記（１）〜（５）のいずれかに記載の塗料組成物。
【０００９】
以下に本発明を詳細に説明する。
塗料は、大別して溶剤系塗料と水系塗料があり、本発明で得られる帯電を防止した組成物は、この両者に対して有効である。しかし、本組成物が、最も効果を発揮するのは水系塗料の場合である。水系塗料の場合、無水無機塩の形で添加することが可能である。その理由は、無水無機塩で添加しても、これは水和物に変化し、水和物としてポリマーに取り込まれるからである。
【００１０】
また、塗料にはハイソリッド塗料と呼ばれるものがあるが、これは溶媒の量を極力少なくし、速乾性を狙うものであり、このような塗料もその溶媒が水系か溶剤系かによって、本発明における水系塗料又は溶剤系塗料のいずれかに含まれる。
【００１１】
本発明では、一般に使用されている塗料に潮解性を有する無機塩又はその水和物を添加することにより、帯電を防止し、汚染され難くすることが一つの目的とするものであるが、帯電防止塗料自体も本発明に含まれることは勿論である。
一般に帯電防止塗料は、静電気を嫌う個所に塗布することによって、帯電を防止することを目的として使用されるもので、種々の工業分野で広く使用されているが、本発明の塗料組成物の優れた帯電防止性、基材の外観（色、透明性など）を損なわない性質、物性への影響の少なさ、及び経済性（コストアップの小ささ）により、上記のような各種工業で多くの用途に使用され得る可能性を有している。
【００１２】
従来の帯電防止塗料は、例えば、繊維及び製紙などでの毛羽立ち、糸や繊維の巻き付き、折り畳み不良、糸むら等の防止、粉体工業での篩の目詰まりの防止、プラスチック、ゴム工業での塵埃付着による品質劣化、加工中の帯電の防止、フィルム、写真工業での機械への巻き付き、品質低下の防止、電子機器工業での誤作動、雑音、電撃などの防止、精密機器工業での粉塵付着による品質低下の防止等々の用途に用いられているが、本発明の塗料組成物もこのような用途に使用することは、十分可能である。
【００１３】
溶剤系塗料に添加する場合、添加する塩水和物はできるだけ細かく粉砕し、微粒化して添加することが好ましいが、水系塗料の場合、その必要はない。何故ならば、溶剤系の場合、添加された塩水和物は固体の形で塗料中に存在するため、帯電防止効果を大きくするため及び外観、物性への影響を小さくするためにも微粒化が必要である。微粒化の程度はその用途によって異なるが、一般には平均粒径 200ミクロン以下、好ましくは 100ミクロン以下が望まれる。しかし、水系塗料の場合、添加された無水無機塩又は無機塩水和物は、水に溶解した状態でポリマーに取り込まれるため、微粒化の必要はない。
【００１４】
本発明における無水無機塩又は無機塩水和物の添加量は、一般には基材ポリマー100重量部に対して 0.5〜 100重量部、好ましくは１〜50重量部であるが、この添加量は帯電防止効果及び基材への影響度から決められる。例えば、乾燥後の表面抵抗率を 10⁷Ωまで落としたい場合には、塩水和物としての添加量は、基材ポリマ− 100重量部に対して５〜20重量部、 10⁸Ω〜10⁹Ωの場合には１〜10重量部で十分である。
溶剤系塗料の場合にも、この範囲の添加量であれば、塩水和物の添加によって、基材塗料の色、透明性、物性の変化は大きくないが、水系塗料の場合には添加による影響は極めて軽微である。塗料の場合、特に塗料としての特性に対する影響が懸念されるが、実施例に示すとおり、それほど大きくはない。
【００１５】
添加される塩としては、潮解性を有し、水和物を生成するものであれば使用可能であるが、帯電防止効果、基材塗料の外観（色、透明性など）及び物性に対する影響の小さいこと、安全性、価格等からCaCl₂、MgCl₂、AlCl₃、Ca(No₃)₂、Mg(No₃)₂、Al(No₈)₃、Na₂Co₃、Na₂SiO₃、Na₂HPO₄又はNaH₂PO₄が特に好ましい。先に述べたとおり、これらの塩の水和物の形で添加することは勿論良い。
しかし、水が存在しない塗料、すなわち溶剤系塗料の場合、上記無機塩を水和物として添加する必要がある。すなわち、CaCl₂6H₂O、MgCl₂6H₂O、AlCl₃9H₂O、Ca(NO₈)₂4H₂O、 Mg(NO₈)₂6H₂O、Al(NO₃)₃9H₂O、Na₂CO₃10H₂O、Na₂SiO₃nH₂O、Na₂HPO₄12H₂O又はNaH₂PO₄2H₂O（又は1H₂O）の形で添加することが必要である。
【００１６】
本発明によれば、基材塗料の外観、物性を大きく変化させることなく、表面抵抗率 10⁷Ω以下にまで容易に下げることができる。また、適切な塩とポリマーの組合わせによっては10⁴Ω以下にまで下げることが可能である。表面抵抗率の低下と水に対する接触角との関係、さらには汚れ難さとの関係は、従来の多くの研究で明らかにされているとおりである。すなわち、表面抵抗率の低下は水の薄膜の生成を意味し、これが静電気の生じ難さにつながり、ひいては表面の汚れ難さを意味する。
【００１７】
本発明では、基材塗料を構成するポリマーの化学構造に特に制限はない。添加された塩水和物は、物理的にポリマー分子間に取り込まれるため、ポリマーの化学構造ににかかわらず帯電防止効果を発揮する。
【００１８】
本方法において、溶剤系塗料の場合は塩水和物の微粒、水系塗料の場合は無水無機塩又は塩水和物の添加は容易である。添加は例えば製品タンクのような場所で行われるが、十分に撹拌するだけで良い。また、製品として納入された塗料に上記無水無機塩又は無機塩水和物を添加することも可能である。上記添加は、一般には常温で良い。混合を促進するために、加熱することは差支えないが、この場合にも50℃以下の加熱で十分である。添加のために特別な設備は必要としない。強いて言えば、十分な撹拌を必要とするだけで良い。
【００１９】
本発明の一つの重要な特徴は、その経済性にある。本方法で使用される無機塩は極めて安価である。したがって、その増量材としての効果を考慮すれば、添加によるコストアップは非常に小さい。従来の帯電防止剤がかなり、高価なことと比較すれば、その効果とあいまって極めて魅力的と言える。
【００２０】
現在、上市されている帯電防止剤としては 400種にも及ぶものが知られているが、この中に無機物は含まれていない。本発明では、従来、帯電防止剤として用いられていない無機物の特性に着目し、驚くほどの帯電防止効果の発揮されることを見出したものである。
【００２１】
本発明の塗料組成物では、上記無水無機塩又は無機塩水和物は、溶剤系でも使用可能であるが、その特徴は水系塗料でより顕著に発揮される。すなわち、塩水和物（無水無機塩も水和物に変化する）は水に溶けた状態でポリマーに取り込まれる。この状態で取り込まれると、基材中に非常に均一に分散し、基材の外観、物性を変化させることが少なく、かつ大きな帯電防止効果を発揮することが本発明者により見出され、本発明を完成するに至った。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下の実施例によって、本発明の実施の態様及び奏せられる効果を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００２３】
【実施例１】
スチレン／アクリル系塗料用水性エマルジョン、CaCl₂, MgCl₂, AlCl₃及びその水和物であるCaCl₂6H₂O, MgCl₂6H₂O又は AlCl₃9H₂Oの帯電防止効果をみた。
上記エマルジョンに上記無水無機塩又は無水塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、テフロン基板上に流し入れ、アプリケーターより厚さ0.03mmの膜を形成する。常温で、十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧及び半減期（印加電圧10KV）、並びに摩擦帯電量を測定した（JIS L-1094による）。
ブランクとして、これらの塩又は塩水和物を添加しないサンプルも同じ方法で作成し、同様の測定を行い、結果を比較した。
測定は、20℃、相対湿度20％の条件下で行った。
なお、上記塩又は塩水和物添加後のサンプルの外観（色、透明性）及び触感（軟らかさ、弾力性）はブランクのサンプルとほとんど相違はなかった。
結果を表１に示す。
なお、表１中の添加量はエマルジョン中の基材ポリマーに対する塩の水和物換算での重量部で示す。
【００２４】
【表１】

【００２５】
【実施例２】
先の実施例１と同じスチレン／アクリル系塗料用エマルジョンに塩化物に代えて硝酸塩を添加した。すなわち、 Ca(No₃)₂, Mg(No₃)₂, Al(No₈)₃及びにその水和物であるCa(NO₃)₂4H₂O, Mg(NO₃)₂6H₂O又はAl(NO₃)₃9H₂Oを添加した。添加の方法、サンプルの作成方法、測定方法及び測定条件、添加量はすべて実施例１と同じとした。
なお、添加後のサンプルの外観、触感はブランクとほとんど相違はなかった。
結果を表２に示す。
【００２６】
【表２】

【００２７】
【実施例３】
先の実施例１及び２と同じスチレン／アクリル系塗料用エマルジョンに、塩化物（実施例１）及び硝酸塩（実施例２）に代えて、Na₂Co₃及びNa₂SiO₃又はその水和物を添加した。
添加方法、サンプルの作成方法、測定方法及び測定条件、添加量はすべて実施例及び２と同じとした。
なお、添加後のサンプルの外観、触感は今回もブランクとほとんど相違なかった。
結果を表３に示す。
【００２８】
【表３】

表中の添加量は、添加した塩又は塩水和物の量(g)/添加前の塗料の重量である。
【００２９】
【実施例４】
溶剤系塗料である外装用アクリル樹脂塗料（大日本塗料（株）製）を入手し、これにCaCl₂, MgCl₂, AlCl₃及びこれらの水和物であるCaCl₂6H₂O, MgCl₂6H₂O又は AlCl₃9H₂O を添加して、その帯電防止効果をみた。すなわち、これらの塩又は塩水和物を乳鉢で十分細かく微粒化し（平均粒径60ミクロン）、これを塗料に加え、常温で十分撹拌した。
得られた塗料をテフロン基板上に塗布し、常温で十分乾燥し、厚さ0.03mmの膜を形成した。この膜について、20℃、相対湿度20％の条件下で、表面抵抗率、帯電圧及び半減期（印加電圧10KV）及び摩擦帯電量を測定した(JIS L-1094による)。
ブランクとして、これらの塩又は塩水和物を添加しないサンプルも同様の方法で作成し、同様の測定を行い、結果を比較した。
結果を表４に示す。
なお、上記塩又は塩水和物を添加したサンプルの外観及び触感はブランクと比較して、相違はほとんどなかった。
【００３０】
【表４】

【００３１】
【実施例５】
実施例４に用いた溶剤系塗料にCa(NO₃)₂4H₂O, Mg(NO₃)₂6H₂O, Al(NO₃)₃9H₂O, Na₂CO₃10H₂O又はNa₂SiO₃nH₂O を添加し、その帯電防止効果をみた。
添加試料の作成及び添加方法、及び添加量、測定方法、測定条件は実施例４と同じである。
結果をブランクと比較して表５に示す。
なお、本実施例においても添加後のサンプルの外観、触感はブランクと比較して相違はなかった。
【００３２】
【表５】

なお、添加量は塗料重量(g) に対する添加した塩又は塩水和物重量(g) で示した。
【００３３】
【実施例６】
エチレン／酢酸ビニール共重合樹脂塗料（水系エマルジョン塗料、不揮発分48％）にCa(NO₃)₂、Mg(NO₃)₂、Al(NO₃)₃及びその水和物であるCa(NO₃)₂4H₂O、Mg(NO₃)₂6H₂O又はAl(NO₃)₃9H₂Oを添加し、その帯電防止効果及び添加による塗料としての特性の変化をみた。
塗料に対して上記無水無機塩又は無機塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、ガラス基板上に塗布し（膜厚0.02mm）、常温で十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧、半減期（印加電圧10KV）及び摩擦帯電量を測定した（JIS L-1094による）。
測定は、20℃、相対湿度20％で行った。
さらに、その後、これらのサンプルについて、光沢保持率（耐候性試験）、塗膜伸度、水接触角、付着強度、鉛筆硬度、引張り強さ、曲げ強度をみた。結果をブランクと比較して表６に示す。
結果を表６に示す。
【００３４】
【表６】

【００３５】
【実施例７】
スチレン／アクリル共重合樹脂塗料（水系エマルジョン、不揮発分49％）にCa(NO₃)₂4H₂O, Mg(NO₃)₂6H₂O, Al(NO₃)₃9H₂O, Na₂CO₃10H₂O 又は Na₂SiO₃nH₂Oを添加し、その帯電防止効果及び添加による塗料としての特性の変化をみた。
塗料に上記無機塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、ガラス基板上に塗布し（膜厚0.02mm）、常温で十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧及び半減期（印加電圧10KV）及び摩擦帯電量を測定した (JIS L-1094) 。
測定は、20℃相対湿度20％で行った。
さらに、これらのサンプルについて、光沢保持率（耐候性試）、塗膜伸度、水接触角、付着強度、鉛筆硬度、引張り強さ及び曲げ強度をみた。
添加量とは、実施例６と同様に添加前の塗料重量(g) に対する添加物重量部(g) である。
結果をブランクと比較して、表７に示す。
【００３６】
【表７】

【００３７】
【実施例８】
スチレン／アクリル酸エステル共重合樹脂塗料（水系エマルジョン、不揮発分50％）にNa₂HPO₄又はNaH₂PO₄を添加し、その帯電防止効果及び添加による塗料としての特性の変化をみた。
塗料に各無機塩水和物を常温で加え、十分撹拌した後、ガラス基板上に塗布し（膜厚0.02mm）、常温で、十分乾燥した後、膜表面の表面抵抗率、帯電圧、半減期（印加電圧10KV）及び摩擦帯電圧を測定した（JIS L-1094）。
測定は、20℃、相対湿度20％で行った。
さらに、これらのサンプルについて、光沢保持率（耐候性試験）、塗膜伸度、水接触角、付着強度、引張り強さ及び曲げ強度をみた。
添加量とは、実施例６、７と同様に添加前の塗料重量（g）に対する添加物重量（g）である。
結果をブランクと比較して表８に示す。
【００３８】
【表８】

【００３９】
【結果の総括】
実施例１〜９から以下のことが確認できた。
イ．潮解性を有する無機塩水和物が塗料表面の帯電を防止することは明らかである。
ロ．この帯電防止効果は大きく、表面抵抗率を10⁷Ω以下にまで容易に低下させることができ、適切な塩とポリマーの組合わせよっては10⁴Ω以下に下げることも可能である。
ハ．本発明の帯電防止組成物は、水系塗料は勿論、溶剤系塗料においても効果がある。ただし、溶剤系の場合には、添加する塩水和物を微粒化して添加することが好ましい。
ニ．水系塗料の場合には、無水無機塩を添加しても、無機塩水和物を添加しても、その効果は変わらない。このことは、無水無機塩が水和物に変化してポリマーに取り込まれることと考えられる。
ホ．帯電防止のための無機塩又はその塩水和物の添加によって、基材塗料の外観（色、透明性）が損なわれることはほとんどない。
ヘ．本発明の帯電防止組成物は、ポリマ−を用いた基材塗料の化学組成にはほとんど関係なく効果を発揮する。これは、塩水和物が物理的にポリマー中の取り込まれるためと考えられる。
ト．本組成物の使用により、塗料表面での帯電が著しく抑制されるため、水接触角は大幅に減少し、汚染性が著しく改善される。
チ．添加により、伸度、付着強度、引張り強さ、曲げ強さなどは多少変化するが、その変化は小さく、実用上ほとんど問題ない。
【００４０】
【発明の効果】
本発明では、ポリマーに対して潮解性を有する無機塩又はその水和物の添加することによって、塗料表面の帯電が著しく防止され、その結果、水に対する接触角の減少や汚染性の低減が達成される。また、無機塩又はその水和物の添加によって塗料の色、透明性等はほとんど損なわれることなく、また塗料としての性質も大きく変化させることなく、実用上ほとんど支障がない。
さらに、無機塩及びその水和物の添加は、経済的にほとんどコストアップにはつながらない。これらの塩又はその水和物の添加、特にに水系塗料への添加は極めて容易であり、特別の設備を必要としないばかりか塗布する直前での添加も可能であり、取り扱いはきわめて簡単である。
これらのことから、一般に使用されている塗料の汚染性の軽減策として容易に実施されるだけでなく、その帯電防止効果の大きさから、帯電防止塗料として特殊な用途も期待される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a coating composition in which charging is prevented.
Furthermore, the present invention relates to a coating composition that is prevented from being charged by utilizing the deliquescence of inorganic salt hydrate.
In addition, the coating material of this invention also covers what is called a coating agent used for surface coating as well as what is called a coating material.
[0002]
[Prior art]
Paints have a long history and used to be mostly solvent based. Recently, in this field as well, environmental considerations have become necessary, especially the problem of VOC (Volatile Organic Substances), and the emergence of water-based paints has been remarkable. This trend will continue in the future.
[0003]
However, the oldest and still unsolved problem is how long the state of application can be maintained, i.e. the durability of the paint. Prevention of static electricity, which is one of the causes, is also an important problem. That is, as a cause of dirt, it is considered that dust in the air, oily substances, and the like adhere to the coating film surface due to static electricity is a major cause of dirt.
In order to solve this problem, for example, hydrophilic paints or antistatic paints have been proposed. In the former hydrophilic paint, for example, a hydrophilic group such as OH is present on the surface, thereby adsorbing moisture in the air and forming a thin film of water. In the latter antistatic coating, measures such as applying a conductive substance or an antistatic substance to the surface or mixing the antistatic substance in the coating are taken. However, the principle of adding the latter antistatic substance is that water in the air is adsorbed on the surface to form a thin film of water, as in the case of hydrophilic paint. The formation of this water thin film facilitates removal of dirt by washing with water, and is particularly effective for raindrop contamination.
[0004]
The problems in this case are that the color, transparency, and physical properties of the base material are not significantly changed by addition, and that the antistatic property is excellent. As a numerical value representing this antistatic property, there is a surface resistivity. That is, the larger the surface resistivity, the easier it is to charge. Therefore, in order to sufficiently prevent charging, it is necessary to lower the surface resistivity.
[0005]
In the conventional method, it has been difficult to lower the surface resistivity to 10 ⁷ Ω or less without significantly changing the appearance and physical properties of the base coating material. If possible, it has been associated with significant cost increases and has been difficult to implement industrially.
[0006]
Conventionally, many means have been proposed for preventing charging of the paint surface. For example, the addition or application of an antistatic agent, the addition or application of a conductive substance, the mixing of a conductive substance into a powder paint, the improvement of the conductivity of the polymer itself, the hydrophilic paint, and the like. However, in any means, considering the effect and economy, all are merits and demerits, and are still not satisfactory means.
[0007]
In addition, there is a so-called super-durable paint that maintains the durability of the paint. For example, fluorine resin paint, acrylic silicon paint, silicon emulsion paint, and the like. However, these are expensive and not easy to use everywhere.
Therefore, an object of the present invention is to economically improve the durability of commonly used paints by simple means.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a paint in which the generation of static electricity on the surface is prevented by preventing electrification using the deliquescence of an inorganic salt or a hydrate of an inorganic salt in order to prevent the paint from being stained and deteriorated. Basically, it has the following configuration.
(1) An antistatic coating composition obtained by adding 1 to 50 parts by weight of an anhydrous inorganic salt having deliquescence or an inorganic salt hydrate having deliquescence to 100 parts by weight of a base polymer.
(2) anhydrous inorganic _{_{salts, CaCl 2, MgCl 2, AlCl}} 3, Ca (No 3) 2, Mg (NO 3) 2, Al (NO 3) 3, Na 2 CO 3, Na 2 SiO 3, Na 2 The antistatic coating composition according to the above (1), wherein the coating composition is selected from HPO ₄ or NaH ₂ PO ₄ and the inorganic salt hydrate is selected from hydrates of these salts.
(3) The antistatic coating composition as described in (1) or (2) above, wherein the coating composition is an aqueous coating composition.
(4) The antistatic coating composition according to any one of (1) to (3), wherein the coating composition is a solvent-based coating composition.
(5) The antistatic coating composition as described in (4) above, wherein an inorganic salt hydrate is used.
(6) The coating composition according to any one of (1) to (5), which is an antistatic coating.
[0009]
The present invention is described in detail below.
The paint is roughly classified into a solvent-based paint and a water-based paint, and the antistatic composition obtained in the present invention is effective for both. However, this composition is most effective in the case of water-based paints. In the case of a water-based paint, it can be added in the form of an anhydrous inorganic salt. The reason is that even when added as an anhydrous inorganic salt, this changes to a hydrate and is incorporated into the polymer as a hydrate.
[0010]
In addition, there are paints called high solid paints, which are intended to reduce the amount of solvent as much as possible and aim for quick drying. Depending on whether the paint is water-based or solvent-based, the present invention In either water-based paint or solvent-based paint.
[0011]
The purpose of the present invention is to prevent electrification and to prevent contamination by adding a deliquescent inorganic salt or a hydrate thereof to commonly used paints. Of course, the prevention coating itself is also included in the present invention.
In general, antistatic paints are used for the purpose of preventing electrification by applying them to places where static electricity is disliked, and are widely used in various industrial fields. In many industries such as those mentioned above, the antistatic properties, properties that do not impair the appearance of the substrate (color, transparency, etc.), little impact on physical properties, and economy (small cost increase) It has the potential to be used for applications.
[0012]
Conventional antistatic paints are, for example, fuzzing in fibers and papermaking, winding of yarns and fibers, folding failure, yarn unevenness, etc., prevention of clogging of sieves in the powder industry, plastics and rubber industry Deterioration of quality due to dust adhesion, prevention of electrification during processing, film, wrapping around machinery in the photographic industry, prevention of quality deterioration, malfunction in electronic equipment industry, prevention of noise, electric shock, etc., dust in precision equipment industry Although it is used for applications such as prevention of quality deterioration due to adhesion, the coating composition of the present invention can be sufficiently used for such applications.
[0013]
When added to a solvent-based paint, the salt hydrate to be added is preferably pulverized as finely as possible and atomized, but this is not necessary in the case of a water-based paint. This is because, in the case of a solvent system, the added salt hydrate is present in the paint in the form of a solid, so that it can be atomized to increase the antistatic effect and to reduce the influence on the appearance and physical properties. is necessary. The degree of atomization varies depending on the application, but generally an average particle size of 200 microns or less, preferably 100 microns or less is desired. However, in the case of a water-based paint, the added anhydrous inorganic salt or inorganic salt hydrate is taken into the polymer in a state dissolved in water, and thus there is no need for atomization.
[0014]
The amount of the anhydrous inorganic salt or inorganic salt hydrate added in the present invention is generally 0.5 to 100 parts by weight, preferably 1 to 50 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base polymer. It is determined from the effect and the degree of influence on the substrate. For example, when it is desired to reduce the surface resistivity after drying to 10 ⁷ Ω, the addition amount as a salt hydrate is 5 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the base polymer, 10 ⁸ Ω to 10 ^9. In the case of Ω, 1 to 10 parts by weight is sufficient.
Even in the case of solvent-based paints, if the addition amount is within this range, the color, transparency, and physical properties of the base paint will not change significantly due to the addition of salt hydrates. Is extremely minor. In the case of a paint, there is a concern about the influence on the properties as a paint, but it is not so large as shown in the examples.
[0015]
The salt to be added can be used as long as it has deliquescence and produces a hydrate, but it has an antistatic effect, the appearance of the base paint (color, transparency, etc.) and the influence on the physical properties. CaCl ₂ , MgCl ₂ , AlCl ₃ , Ca (No ₃ ) ₂ , Mg (No ₃ ) ₂ , Al (No ₈ ) ₃ , Na ₂ Co ₃ , Na ₂ SiO ₃ , Na ₂ HPO ₄ or NaH ₂ PO ₄ is particularly preferred. As described above, it is of course good to add these salts in the form of hydrates.
However, in the case of a paint without water, that is, a solvent-based paint, it is necessary to add the inorganic salt as a hydrate. That is, CaCl ₂ 6H ₂ O, MgCl ₂ 6H ₂ O, AlCl ₃ 9H ₂ O, Ca (NO ₈ ) ₂ 4H ₂ O, Mg (NO ₈ ) ₂ 6H ₂ O, Al (NO ₃ ) ₃ 9H ₂ O, It is necessary to add in the form of Na ₂ CO ₃ 10H ₂ O, Na ₂ SiO ₃ nH ₂ O, Na ₂ HPO ₄ 12H ₂ O or NaH ₂ PO ₄ 2H ₂ O (or 1H ₂ O).
[0016]
According to the present invention, the surface resistivity can be easily lowered to 10 ⁷ Ω or less without greatly changing the appearance and physical properties of the base coating material. Also, depending on the combination of an appropriate salt and polymer, it can be reduced to 10 ⁴ Ω or less. The relationship between the decrease in surface resistivity and the contact angle with water, as well as the relationship with soiling resistance, has been clarified in many conventional studies. That is, the decrease in the surface resistivity means the formation of a thin film of water, which leads to the difficulty of generating static electricity, and thus the difficulty of soiling the surface.
[0017]
In this invention, there is no restriction | limiting in particular in the chemical structure of the polymer which comprises a base coating material. Since the added salt hydrate is physically incorporated between polymer molecules, it exhibits an antistatic effect regardless of the chemical structure of the polymer.
[0018]
In this method, it is easy to add salt hydrate fine particles in the case of solvent-based paints and anhydrous inorganic salts or salt hydrates in the case of water-based paints. The addition is carried out in a place such as a product tank, but it only needs to be thoroughly stirred. It is also possible to add the anhydrous inorganic salt or inorganic salt hydrate to the paint delivered as a product. In general, the addition may be performed at room temperature. In order to promote mixing, heating may be performed, but in this case, heating at 50 ° C. or lower is sufficient. No special equipment is required for the addition. To put it simply, it only requires sufficient agitation.
[0019]
One important feature of the present invention is its economics. Inorganic salts used in the present method are very inexpensive. Therefore, if the effect as an extender is taken into consideration, the cost increase due to the addition is very small. Compared with the fact that the conventional antistatic agent is quite expensive, it can be said that it is extremely attractive in combination with its effect.
[0020]
Currently, as many as 400 kinds of antistatic agents on the market are known, but these do not contain inorganic substances. In the present invention, attention has been paid to the characteristics of inorganic substances that have not been used as an antistatic agent, and it has been found that a surprising antistatic effect is exhibited.
[0021]
In the coating composition of the present invention, the anhydrous inorganic salt or inorganic salt hydrate can be used in a solvent system, but its characteristics are more prominently exhibited in a water-based coating material. That is, a salt hydrate (an anhydrous inorganic salt also changes to a hydrate) is taken into the polymer in a state dissolved in water. When incorporated in this state, the present inventors have found that it is very uniformly dispersed in the base material, hardly changes the appearance and physical properties of the base material, and exhibits a large antistatic effect. The invention has been completed.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The following examples explain the embodiment of the present invention and the effects produced, but the present invention is not limited to these examples.
[0023]
[Example 1]
The antistatic effect of water-based emulsion for styrene / acrylic paint, CaCl ₂ , MgCl ₂ , AlCl ₃ and its hydrate CaCl ₂ 6H ₂ O, MgCl ₂ 6H ₂ O or AlCl ₃ 9H ₂ O was observed.
The anhydrous inorganic salt or anhydrous salt hydrate is added to the emulsion at room temperature and after sufficient stirring, it is poured onto a Teflon substrate to form a 0.03 mm thick film from the applicator. After sufficiently drying at normal temperature, the surface resistivity, charged voltage, half-life (applied voltage 10 KV), and triboelectric charge amount of the film surface were measured (according to JIS L-1094).
As blanks, samples to which these salts or salt hydrates were not added were also prepared by the same method, the same measurement was performed, and the results were compared.
The measurement was performed under conditions of 20 ° C. and a relative humidity of 20%.
The appearance (color, transparency) and feel (softness, elasticity) of the sample after addition of the salt or salt hydrate were almost the same as the blank sample.
The results are shown in Table 1.
In addition, the addition amount in Table 1 is shown in parts by weight in terms of salt hydrate with respect to the base polymer in the emulsion.
[0024]
[Table 1]

[0025]
[Example 2]
Nitrate was added in place of chloride to the same emulsion for styrene / acrylic paint as in Example 1 above. That is, Ca (No ₃ ) ₂ , Mg (No ₃ ) ₂ , Al (No ₈ ) ₃ and its hydrate Ca (NO ₃ ) ₂ 4H ₂ O, Mg (NO ₃ ) ₂ 6H ₂ O or Al (NO ₃ ) ₃ 9H ₂ O was added. The addition method, sample preparation method, measurement method and measurement conditions, and addition amount were all the same as in Example 1.
Note that the appearance and feel of the sample after addition were almost the same as the blank.
The results are shown in Table 2.
[0026]
[Table 2]

[0027]
[Example 3]
Instead of chloride (Example 1) and nitrate (Example 2), Na ₂ Co ₃ and Na ₂ SiO ₃ or their hydrates are replaced with the same emulsion for styrene / acrylic paint as in Examples 1 and 2 above. Was added.
The addition method, sample preparation method, measurement method and measurement conditions, and addition amount were all the same as in Examples and 2.
In addition, the appearance and tactile sensation of the sample after addition were almost the same as the blank this time.
The results are shown in Table 3.
[0028]
[Table 3]

The amount added in the table is the amount of salt or salt hydrate added (g) / weight of paint before addition.
[0029]
[Example 4]
Acquired acrylic resin paint for exterior use (Dainippon Paint Co., Ltd.), which is solvent-based paint, and CaCl ₂ , MgCl ₂ , AlCl ₃ and their hydrates, CaCl ₂ 6H ₂ O, MgCl ₂ 6H ₂ O or AlCl ₃ 9H ₂ O was added to see the antistatic effect. That is, these salts or salt hydrates were sufficiently finely pulverized in a mortar (average particle size 60 microns), added to the paint, and sufficiently stirred at room temperature.
The obtained paint was applied on a Teflon substrate and sufficiently dried at room temperature to form a film having a thickness of 0.03 mm. The film was measured for surface resistivity, charged voltage, half-life (applied voltage 10 KV), and triboelectric charge under conditions of 20 ° C. and 20% relative humidity (according to JIS L-1094).
As blanks, samples to which these salts or salt hydrates were not added were also prepared in the same manner, the same measurement was performed, and the results were compared.
The results are shown in Table 4.
Note that the appearance and feel of the sample to which the salt or salt hydrate was added were almost the same as the blank.
[0030]
[Table 4]

[0031]
[Example 5]
The solvent-based paint used in Example 4 was Ca (NO ₃ ) ₂ 4H ₂ O, Mg (NO ₃ ) ₂ 6H ₂ O, Al (NO ₃ ) ₃ 9H ₂ O, Na ₂ CO ₃ 10H ₂ O or Na _2. SiO ₃ nH ₂ O was added and its antistatic effect was observed.
The preparation of addition sample, addition method, addition amount, measurement method, and measurement conditions are the same as in Example 4.
The results are shown in Table 5 compared with the blank.
Also in this example, the appearance and feel of the sample after addition were not different from those of the blank.
[0032]
[Table 5]

The amount added was expressed as the added salt or salt hydrate weight (g) with respect to the paint weight (g).
[0033]
[Example 6]
Ethylene / vinyl acetate copolymer resin paint (water-based emulsion paint, nonvolatile content 48%), Ca (NO ₃ ) ₂ , Mg (NO ₃ ) ₂ , Al (NO ₃ ) ₃ and its hydrate Ca (NO ₃ ) ₂ 4H ₂ O, Mg (NO ₃ ) ₂ 6H ₂ O, or Al (NO ₃ ) ₃ 9H ₂ O were added, and the antistatic effect and changes in the properties as a paint due to the addition were observed.
Add the above-mentioned anhydrous inorganic salt or inorganic salt hydrate to the paint at room temperature, stir well, apply it on a glass substrate (film thickness 0.02mm), dry sufficiently at room temperature, surface resistivity of the film surface, The charged voltage, half-life (applied voltage 10 KV) and triboelectric charge were measured (according to JIS L-1094).
The measurement was performed at 20 ° C. and a relative humidity of 20%.
Furthermore, after that, the gloss retention (weather resistance test), coating film elongation, water contact angle, adhesion strength, pencil hardness, tensile strength, and bending strength were observed for these samples. The results are shown in Table 6 compared with the blank.
The results are shown in Table 6.
[0034]
[Table 6]

[0035]
[Example 7]
Styrene / acrylic copolymer paint (water-based emulsion, nonvolatile content 49%) with Ca (NO ₃ ) ₂ 4H ₂ O, Mg (NO ₃ ) ₂ 6H ₂ O, Al (NO ₃ ) ₃ 9H ₂ O, Na ₂ CO ₃ 10H ₂ O or Na ₂ SiO ₃ nH ₂ O was added, and the antistatic effect and changes in the properties as a paint due to the addition were observed.
Add the above inorganic salt hydrate to the paint at room temperature and stir well, then apply it on a glass substrate (film thickness 0.02mm), dry well at room temperature, then surface resistivity, charged voltage and half-life of the film surface ( Applied voltage 10KV) and triboelectric charge were measured (JIS L-1094).
The measurement was performed at 20 ° C. and a relative humidity of 20%.
Furthermore, about these samples, gloss retention (weather resistance test), coating film elongation, water contact angle, adhesion strength, pencil hardness, tensile strength and bending strength were observed.
The amount added is the weight part (g) of the additive relative to the weight (g) of the paint before the addition, as in Example 6.
The results are shown in Table 7 compared with the blank.
[0036]
[Table 7]

[0037]
[Example 8]
Na ₂ HPO ₄ or NaH ₂ PO ₄ was added to a styrene / acrylic acid ester copolymer resin coating (water-based emulsion, non-volatile content 50%), and the antistatic effect and changes in the properties as a coating were observed.
Add each inorganic salt hydrate to the paint at room temperature, stir well, apply on the glass substrate (film thickness 0.02mm), dry sufficiently at room temperature, surface resistivity, charged voltage, half-life on the film surface (Applied voltage 10KV) and frictional voltage were measured (JIS L-1094).
The measurement was performed at 20 ° C. and a relative humidity of 20%.
Furthermore, about these samples, gloss retention (weather resistance test), coating film elongation, water contact angle, adhesion strength, tensile strength, and bending strength were observed.
The addition amount is the additive weight (g) with respect to the paint weight (g) before addition as in Examples 6 and 7.
The results are shown in Table 8 compared with the blank.
[0038]
[Table 8]

[0039]
[Summary of results]
The following could be confirmed from Examples 1-9.
I. It is clear that the inorganic salt hydrate having deliquescence prevents the coating surface from being charged.
B. This antistatic effect is great, the surface resistivity can be easily lowered to 10 ⁷ Ω or less, and it can be lowered to 10 ⁴ Ω or less depending on the combination of an appropriate salt and polymer.
C. The antistatic composition of the present invention is effective not only in water-based paints but also in solvent-based paints. However, in the case of a solvent system, the salt hydrate to be added is preferably atomized and added.
D. In the case of water-based paints, the effect of adding an anhydrous inorganic salt or adding an inorganic salt hydrate does not change. This is considered that the anhydrous inorganic salt is converted into a hydrate and incorporated into the polymer.
E. The appearance (color, transparency) of the base coating material is hardly impaired by the addition of an inorganic salt or an salt hydrate thereof for antistatic.
F. The antistatic composition of the present invention exhibits an effect almost regardless of the chemical composition of the base coating material using a polymer. This is thought to be because the salt hydrate is physically incorporated into the polymer.
G. By using the present composition, charging on the surface of the paint is remarkably suppressed, so that the water contact angle is greatly reduced and the contamination is remarkably improved.
H. Although the elongation, adhesion strength, tensile strength, bending strength, and the like slightly change due to the addition, the changes are small and practically no problem.
[0040]
【The invention's effect】
In the present invention, by adding an inorganic salt having a deliquescence property to a polymer or a hydrate thereof, charging of the coating surface is remarkably prevented, and as a result, a reduction in contact angle with water and a reduction in contamination are achieved. Is done. Further, the color and transparency of the paint are hardly impaired by the addition of the inorganic salt or hydrate thereof, and the properties as the paint are not greatly changed, and there is almost no trouble in practical use.
Furthermore, the addition of inorganic salts and hydrates thereof does not substantially increase the cost economically. The addition of these salts or hydrates thereof, especially to water-based paints, is extremely easy, and it is possible to add them just before application as well as not requiring special equipment, and handling is very simple. .
From these facts, it is not only easily implemented as a measure for reducing the contamination of commonly used paints, but is also expected to have a special application as an antistatic paint because of its large antistatic effect.

Claims

CaCl _2, MgCl ₂ in an aqueous emulsion _{_{paint, AlCl 3, Ca (NO 3}} ) 2, Mg (NO 3) 2, Al (NO 3) 3, Na 2 CO 3, Na 2 SiO 3, Na 2 HPO 4 or NaH hydrates of deliquescent inorganic salt selected from ₂ PO _4, were added 50 parts by weight with respect to the base polymer 100 parts by weight, after drying of the hydrate of deliquescent inorganic salt in the polymer state An antistatic coating composition characterized by being incorporated by