JP3803023B2 - Oil filtration structure and oil filtration gasket - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オイルの濾過構造に係り、特に可変バルブタイミング装置を備えたエンジンにおいてオイル通路に流れるオイルを濾過するとともにオイルの漏れを防止するオイルの濾過構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のエンジンにおいては、必要とされる各種機能を向上させるために、クランク軸の回転に対するカム軸の回転位相を変化して、吸排気弁のバルブタイミングを可変する可変バルブタイミング装置を設けている。
【0003】
即ち、図44に示す如く、エンジン202においては、エンジン本体としてのシリンダブロック204とクランクロアケース206とシリンダヘッド208とが接合して設けられ、クランクロアケース206の下面にオイルパン210が取り付けられ、また、シリンダヘッド208の上面にシリンダヘッドカバー212が取り付けられている。シリンダブロック204とクランクロアケース206との間には、クランク軸214が軸支して設けられている。シリンダヘッド208の上部位には、カム軸216が軸支して設けられている。また、クランク軸214に固定したクランクスプロケット218とカム軸216に固定したカムスプロケット220とには、タイミングチェーン222が巻き掛けて設けられている。更に、クランク軸214には、クランクスプロケット218の近傍で、オイルポンプ224が設けられている。シリンダブロック204とクランクロアケース206とシリンダヘッド208とには、タイミングチェーン222を覆うように、タイミングチェーンカバー226が跨って取り付けられている。
【0004】
このエンジン202には、可変バルブタイミング装置228が設けられる。この可変バルブタイミング装置228においては、クランク軸214の回転に対するカム軸216の回転位相を変化させるようにカム軸216に取り付けられた油圧アクチュエータ230と、この油圧アクチュエータ230の作動油圧の給排を制御するようにタイミングチェーンカバー226に取り付けられたオイル制御弁232とが備えられている。
【0005】
油圧アクチュエータ230は、図44、49に示す如く、複数のアクチュエータ側取付ボルト234で固定されてカムスプロケット220と一体で回転するアクチュエータハウジング236と、このアクチュエータハウジング236に対してカム軸216の端面に同軸上で取り付けた回転軸238の回りで回動することによってクランク軸214に対するカム軸216の回転位相を変化させるベーン240とを備え、また、内部に進角側油圧室242と遅角側油圧室244とを形成している。
【0006】
また、オイル制御弁232は、図45〜47に示す如く、タイミングチェーンカバー226のバルブ用取付面226Aに接合するハウジング接合面246Aを有するバルブハウジング246と、このバルブハウジング246のスプール孔248に摺動(スライド)可能に内装されたスプール250と、このスプール250を動作するソレノイド252とを備えている。このソレノイド252は、制御手段254の信号に基づいてスプール250を摺動動作させる3位置式のものである。バルブハウジング246は、図44に示す如く、複数(四本)の取付ボルト256とによってタイミングチェーンカバー226に取り付けられる。この各取付ボルト256は、頭部とねじ軸部とが一体になっているものである。この各取付ボルト256を取り付けるために、タイミングチェーンカバー226のバルブ用取付面226Aには、図45に示す如く、各取付ボルト256に対応して各ボルトねじ穴258が形成されている。
【0007】
また、バルブハウジング248には、図47に示す如く、各取付ボルト256を挿通する各ボルト挿通孔260と、オイルポンプ224により圧送された作動油が供給される供給側ポート262と、進角側ポート264と、遅角側ポート266と、油圧アクチュエータ230の進角側油圧室242あるいは遅角側油圧室244から排出された作動油をタイミングチェーンカバー226の内側に戻すためのドレンポート268とが形成され、この各ポート262〜268がスプール250の摺動動作によって選択的に連通される。
【0008】
オイル制御弁232と油圧アクチュエータ230とは、図44〜46に示す如く、進角側オイル通路270と遅角側オイル通路272とによって連絡している。進角側オイル通路270は、タイミングチェーンカバー226に形成されて進角側ポート264に連通する進角側カバーオイル通路270Aと、シリンダヘッド208に形成された進角側ヘッドオイル通路270Bと、カム軸216に形成されて進角側油圧室242に連通する進角側シャフトオイル通路270Cとからなる。遅角側オイル通路272は、タイミングチェーンカバー226に形成されて遅角側ポート264に連通する遅角側カバーオイル通路272Aと、シリンダヘッド208に形成された遅角側ヘッドオイル通路272Bと、カム軸216に形成されて遅角側油圧室244に連通する遅角側シャフトオイル通路272Cとからなる。また、タイミングチェーンカバー226には、図49に示す如く、ドレンポート268に連通して内部に貫通するドレンオイル通路274が形成されている。
【0009】
また、オイルポンプ224とオイル制御弁232とは、図44、49に示す如く、作動油用オイル通路276によって連絡している。この作動油用オイル通路276は、シリンダブロック204内とオイルパイプ278とによって構成され、オイルポンプ224に接続した潤滑油用オイル通路280から分岐し、オイル制御弁232の供給側ポート262に連通している。潤滑油用オイル通路280の途中には、オイルポンプ224からのオイルを濾過するポンプ側オイルフィルタ282が設けられている。
【0010】
そして、可変バルブタイミング装置228において、バルブタイミングを進角側に移行させる場合には、オイル制御弁232を切替えて、図49に示す如く、油圧アクチュエータ230の進角側油圧室242に作動油圧(オイル圧)を負荷させると共に、遅角側油圧室244に充填していた作動油を遅角側オイル通路272及びドレーンオイル通路274から排出させ、これにより、べーン240がアクチュエータハウジング236に対して図49中の時計回りに相対回転して、図49に示す如く、クランク軸214に対するカム軸216の回転位相を進角側に変化させる構造である。一方、バルブタイミングを遅角側に移行させる場合には、オイル制御弁232を切替えて、油圧アクチュエータ230の遅角側油圧室244に作動油圧を負荷させると共に、進角側油圧室242に充填していた作動油を進角側オイル通路268から排出させ、これにより、べーン240がアクチュエータハウジング236に対して図50中の反時計回りに相対回転して、図50に示す如く、クランク軸214に対するカム軸216の回転位相を遅角側に移行させる構造である。
【0011】
ところで、オイル制御弁232においては、スプール250及びこのスプール250が摺動可能に嵌合されるスプール孔248が、精密加工部品であり、作動油中に異物が存在した場合には、この異物がスプール250とスプール孔248との間に噛み込まれ、その作動に支障をきたすおそれがあった。
【0012】
そこで、オイル制御弁の上流側(オイルポンプ側)の作動油用オイル通路に、エンジンの外部に設けた開口部から着脱自在なオイルフィルタを設けた発明が、実開平7−42402号公報に開示されている。また、ガスケットフィルタの構造としては、例えば、特開平11−333228号公報に開示されている。この公報に記載のものは、中央のフィルタ部とそれを囲むガスケット部とで円板形状のガスケットフィルタを構成したものである。
【0013】
また、従来において、流体中に含まれる塵埃等の異物を除去するために、例えば、液体のような流体の流通路を遮断するように、フィルタが設けられた構造体が使用されている。このような構造体であるガスケットを構成する一対のリング状部材の各気体流通孔の間にメッシュ板を配置し、この一対のリング状部材を、接着剤で接着し、若しくは、機械的にカシメを施して一体化した構造のもの、また、円盤の一面に開口する各流体流通孔の孔縁部位を一段下げて凹陥部を設け、この凹陥部にメッシュ板を納めてこのメッシュ板の周縁部を、前記各流体流通孔の孔縁部位の対向面に接着剤で接着した構造等のものがある。このように、接着剤で接着した構造のガスケットにおいては、その接着部分が不完全になり易く、流体の流通抵抗によりメッシュ板が、脱落したり、外れたりして、フイルタ作用を果たさなくなってしまう。また、凹陥部にメッシュ板を納める構造のガスケットにおいては、各流体流通孔の孔縁部位に凹陥部を形成するとともに、各メッシュ板を各別に凹陥部の対向面に接着するという手間を要し、しかも、流体が段面に向かう方向へ流れる場合には問題が生じないが、流体がその段面の反対方向へ流れる場合には、その抵抗により接着面が剥離し易い不具合がある。
【0014】
このような不具合を解消するために、ガスケット本体として、ゴム、プラスチック等の弾性材を使用し、フィルタとしてのメッシュ板を溶着して一体に成形したフィルタ付きガスケットがある。このようなフィルタ付きガスケットの構造は、メッシュ板を弾性材と一体化することにより、メッシュ板のずれや剥離、製作の手間の問題を解決したものである(特開平9−108521号公報参照)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来、可変バルブタイミング装置を備えたエンジンにおいて、実開平7−42402号公報に開示された発明においては、油圧アクチュエータからオイル制御弁に戻される作動油中に異物が存在した場合には、この異物を取り除くことができず、異物がスプールとスプール孔との間に噛み込まれ、オイル制御弁の作動に支障をきたすおそれがあり、また、オイルフィルタが互いに直交するオイル通路の交差部に配置され、作動油を円筒状のフィルタの開口部から流入させて側面から流出させるので、作動油圧の圧力損失が大きく、可変バルブタイミング装置の応答性の低下の要因となっていた。
【0016】
また、実開平7−42402号公報の問題点の改善案として、図45に示す如く、オイル制御弁232の下流側に、進角側、遅角側オイル通路270、272の軸方向に延出するようにして、進角側、遅角側フィルタ292−1、292−2を設置する案がある。しかし、この案では、油圧アクチュエータ230からオイル制御弁232に戻ってくるオイルから異物を除去するには、進角側、遅角側オイル通路270、272の双方に各一個の進角側、遅角側フィルタ292−1、292−2を設置する必要があるため、部品点数が増大するという不都合がある。また、進角側、遅角側フィルタ292−1、292−2を進角側、遅角側オイル通路270、272内に設置するため、進角側、遅角側オイル通路270、272の内径の精度を管理する必要があるので、加工費用が増大するという不都合がある。更に、進角側、遅角側オイル通路270、272内に進角側、遅角側フィルタ292−1、292−2を設置する場合に、各オイル通路270、272の各穴径と各フィルタ292の各スリーブの外径との間に隙間が生ずると、その隙間から異物が通過するおそれがあるため、その隙間を極力小さく、または、フィルタ292をきつく圧入する必要があり、この場合、フィルタ292の圧入位置の管理が必要なために、組立工数が増大するという不都合がある。また、市場において、ユーザのオイルメンテナンスが不十分なことにより、フィルタ292には劣化したオイルのスラッジ等が付着して目詰まりし、このため、可変バルブタイミング装置の応答性が低下した場合、その圧入されたフィルタ292の洗浄、あるいは、その交換のための取り外しが困難であるので、フィルタ292を圧入した部品(図45の場合はタイミングチェーンカバー226)毎にアッセンブリでの交換となり、交換部品の費用・工数が増大するという不都合があった。
【0017】
また、図46〜48に示す如く、オイル制御弁232をエンジン202に取付ける場合に、オイル制御弁232のバルブハウジング246のハウジング接合面246Aとタイミンチェーンカバー226のバルブ用取付面226Aの間からオイルが外部に漏れないようOリング294を設置するのが一般的である。このOリング294を付けるためのリング用溝296を、オイル制御弁232又はタイミングチェーンカバー226に設ける必要がある。しかし、このリング用溝296は、各オイル通路270、272、274、276の外側に設ける必要があるために、バルブ用取付面226A及びバルブハウジング246がその溝296の設置分大きな形状となり、このため、レイアウト上不利になるとともに、また、そのリング用溝296の形成のために、機械加工を施す場合は、加工費が増大し、更に、金型による成形の場合には、金型の費用の増大となるという不都合があった。
【0018】
更に、従来、フィルタ付きガスケットにおいては、メッシュ板と弾性材との溶着の位置合わせが困難であり、ずれが生じ易く、溶着の度合いによっては、メッシュ板の孔部が塞がる等の不都合があり、また、溶着のコストも高くなるという不都合があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、エンジンの本体に取り付けられる可変バルブタイミング装置のオイル制御弁に連絡したオイル通路に流れるオイルを濾過するフィルタとこのフィルタを通過したオイルが前記オイル通路外に漏れるのを防止するシール部材とを設け、前記フィルタをメッシュ板で形成し、このメッシュ板の両面には弾性部材を有する弾性板を設け、この各弾性板には前記オイル通路に対応する箇所に孔部を形成し、前記メッシュ板と前記各弾性板とを一体的化したオイルフィルタガスケットを前記オイル制御弁と前記エンジンの本体との間に配設したオイルの濾過構造において、前記弾性板は、板状部材の両面に弾性部材を付着して形成されるとともに、前記メッシュ板側に配設される弾性部材の厚さが前記オイル制御弁又は前記エンジンの本体側に配設される弾性部材の厚さよりも大きく形成されたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
この発明は、オイルを濾過するフィルタを形成するメッシュ板とこのメッシュ板の両面に設けられる弾性板とを一体的化したオイルフィルタガスケットを、オイル制御弁とエンジンの本体との間に配設したオイルの濾過構造において、前記弾性板は、板状部材の両面に弾性部材を付着して形成されるとともに、メッシュ板側に配設される弾性部材の厚さがオイル制御弁又はエンジンの本体側に配設されている弾性部材の厚さよりも大きく形成されていることにより、面圧の低下とメッシュ板への密着不足とを防止し、オイル漏れや滲みを防止し、オイルフィルタガスケットの信頼性を向上し、また、オイルフィルタガスケットの取り付け・取り外しを容易とし、加工・組み立ての費用の低減と市場におけるメンテナンスを向上し、更に、オイルフィルタの機能とガスケットの機能とを一体化したオイルフィルタガスケットにより、部品点数を低減することができる。
【0021】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜21は、この発明の第1実施例を示すものである。図19〜21において、2は車両(図示せず)に搭載される多気筒用(3気筒)のエンジン、4はシリンダブロック、6はクランクロアケース、8はシリンダヘッド、10はシリンダヘッドカバー、12はオイルパンである。
【0022】
シリンダブロック4とクランクロアケース6との間には、クランク軸14が軸支して設けられている。このクランク軸14には、クランクプーリ16が取り付けられるとともに、クランクスプロケット18が取り付けられ、また、このクランクスプロケット18とクランクプーリ16との間でオイルポンプ20が取付けられている。このオイルポンプ20は、オイルパン12内のオイルをストレーナ22及び吸入管24を経て吸い上げてエンジン2の各部位に供給するものである。
【0023】
シリンダヘッド8の上部位には、カム軸として、吸気カム軸26及び排気カム軸28が並設されている。吸気カム軸26には、吸気カムスプロケット30が取付けられている。排気カム軸28には、排気カムスプロケット32が取付けられている。クランクスプロケット18と吸気カムスプロケット30と排気カムスプロケット32とには、タイミングチェーン34が巻掛けて設けられている。また、エンジン2の本体であるシリンダブロック4とクランクロアケース6とシリンダヘッド8との側面には、タイミングチエーン34を覆うように、タイミングチェーンカバー36が跨って取付けられている。このタイミングチェーンカバー36は、下部位においてオイルポンプ20のポンプケースとしても機能しているものである。
【0024】
エンジン2には、クランク軸14の回転に対するカム軸の回転位相を変化させ、バルブタイミングを進角側又は遅角側に移行する可変バルブタイミング装置38が設けられる。
【0025】
この可変バルブタイミング装置38は、カム軸としての吸気カム軸26に取り付けられてクランク軸14の回転に対する吸気カム軸26の回転位相を変化させる油圧アクチュエータ40と、タイミングチェーンカバー36の所定位置に取り付けられて油圧アクチュエータ40の作動油圧の給排を制御するオイル制御弁42とを備えている。
【0026】
油圧アクチュエータ40は、図19に示す如く、複数のアクチュエータ側取付ボルト44で固定されて吸気カムスプロケット30と一体で回転するアクチュエータハウジング46と、このアクチュエータハウジング46に対して吸気カム軸26の端面に同軸上で取り付けた回転軸48の回りで回動することによってクランク軸14に対する吸気カム軸26の回転位相を変化させるベーン50とを備え、また、内部に進角側油圧室52と遅角側油圧室54とを形成している(図15参照)。
【0027】
また、オイル制御弁42は、図10、18に示す如く、タイミングチェーンカバー36のバルブ用取付面36Aに接合するハウジング接合面56Aを有するバルブハウジング56と、このバルブハウジング56のスプール孔58に摺動可能に内装されたスプール60と、このスプール60を動作するソレノイド62とを備えている。このソレノイド62は、制御手段64の信号に基づいてスプール60を摺動(スライド)動作させる3位置式のものである。バルブハウジング56は、図17に示す如く、この実施例において、二本の第1、第2植込みボルト66−1、66−2と二本の第1、第2取付ボルト68−1、68−2とによってタイミングチェーンカバー36に取り付けられる。これら各植込ボルト66、各取付ボルト68を取り付けるために、タイミングチェーンカバー36のバルブ用取付面36Aには、図18に示す如く、各植込ボルト66、各取付ボルト68に対応して各ボルトねじ穴70が形成されている。二本の第1、第2植込みボルト66−1、66−2には、図17に示す如く、バルブハウジング56を装着した後に、第1、第2取付ナット72−1、72−2が螺着される。
【0028】
また、バルブハウジング56には、各植込ボルト66・各取付ボルト68を挿通する各ボルト挿通孔(図示せず)と、オイルポンプ20により圧送された作動油が供給される供給側ポート74と、進角側ポート76と、遅角側ポート78と、油圧アクチュエータ40の進角側油圧室52あるいは遅角側油圧室54から排出された作動油をタイミングチェーンカバー36の内側に戻すためのドレンポート80とが形成され、この各ポート74〜80がスプール60の摺動動作によって選択的に連通される。つまり、ソレノイド62の中問位置の状態(図12参照)から、スプール60をバルブハウジング56に対して図12中の左方向に移動させることにより、図13に示す如く、進角側ポート76と供給側ポート74とが連通されると共に、遅角側ポート78とドレンポート80とが連通される構造である。また、ソレノイド62の中間位置の状態(図12参照)から、スプール60をバルブハウジング56に対して図12中の右方向に移動させることにより、図14に示す如く、遅角側ポート78と供給側ポート74とが連通されると共に、進角側ポート76とドレンポート80とが連通される構造である。なお、図12に示す如く、ソレノイド62が中間位置に位置された場合には、進角側ポート76と遅角側ポート78と供給側ポート74とが夫々遮断された状態になっている。
【0029】
オイル制御弁42と油圧アクチュエータ40とは、図19に示す如く、進角側オイル通路82と遅角側オイル通路84とによって連絡している。進角側オイル通路82は、タイミングチェーンカバー36に形成されて進角側ポート76に連通する進角側カバーオイル通路82Aと、シリンダヘッド8に形成された進角側ヘッドオイル通路82Bと、吸気カム軸26に形成されて進角側油圧室52に連通する進角側シャフトオイル通路82Cとからなる。遅角側オイル通路84は、タイミングチェーンカバー56に形成されて遅角側ポート78に連通する遅角側カバーオイル通路84Aと、シリンダヘッド8に形成された遅角側ヘッドオイル通路84Bと、吸気カム軸26に形成されて遅角側油圧室54に連通する遅角側シャフトオイル通路84Cとからなる。また、タイミングチェーンカバー36には、図10に示す如く、ドレンポート80に連通して内部に貫通するドレンオイル通路86が形成されている。
【0030】
また、オイルポンプ20とオイル制御弁42とは、図15に示す如く、作動油用オイル通路88によって連絡している。この作動油用オイル通路88は、シリンダブロック4内とオイルパイプ90とによって構成され、オイルポンプ20に接続した潤滑油用オイル通路92から分岐し、オイル制御弁42の供給側ポート74に連通している。潤滑油用オイル通路92の途中には、オイルポンプ20からのオイルを濾過するポンプ側オイルフィルタ94が設けられている。
【0031】
そして、可変バルブタイミング装置38において、バルブタイミングを進角側に移行させる場合には、オイル制御弁42を切替えて、図15に示す如く、油圧アクチュエータ40の進角側油圧室52に作動油圧を負荷させると共に、遅角側油圧室54に充填していた作動油を遅角側オイル通路84及びドレンオイル通路86から排出させることにより、べーン50がアクチュエータハウジング46に対して図15中の時計回りに相対回転して、図15に示す如く、クランク軸14に対する吸気カム軸26の回転位相を進角側に変化させる構造である。一方、バルブタイミングを遅角側に移行させる場合には、オイル制御弁42を切替えて、油圧アクチュエータ40の遅角側油圧室54に作動油圧を負荷させると共に、進角側油圧室52に充填していた作動油を進角側オイル通路82及びドレンオイル通路86から排出することにより、べーン50がアクチュエータハウジング46に対して図16中の反時計回りに相対回転して、図16に示す如く、クランク軸14に対する吸気カム軸26の回転位相を遅角側に移行させる構造である。
【0032】
図10、15、18、19に示す如く、オイル制御弁42のバルブハウジング56のハウジング接合面56Aとタイミングチェーンカバー36のバルブ用取付面36Aとの間には、オイル濾過用ガスケットであるオイルフィルタガスケット96が介設される。
【0033】
このオイルフィルタガスケット96は、オイル制御弁42とエンジン2の本体としてのタイミングチェーンカバー36との間に配置され、オイルを濾過する機能とオイル漏れを防止する機能とを有している。
【0034】
オイルフィルタガスケット96は、作動油としてのオイルを濾過する機能とこのオイルが外部に漏れるのを防止する機能とを有するものであり、図6〜9に示す如く、フィルタである一枚のメッシュ板98と、このメッシュ板98の両面に挟持するように重ね合わされた弾性板としての第1、第2ゴムコート板100−1、100−2とによって構成されている。図6に示す如く、メッシュ板98は、例えば金属線からなる一方向線材102−1と他方向線材102−2とを編んで網目に構成されている。第1ゴムコート板100−1は、板状部材に弾性部材としての例えばゴム層を接着剤(図示せず)で付着したものであり、第1板状部材104−1と、この第1板状部材104−1の両面に付着した弾性部材としての発泡ウレタン層や発泡エチレン層等からなる第1外側、第1内側弾性材106−1A、106−1Bとによって構成されている。第2ゴムコート板100−2は、板状部材に弾性部材としてのゴム層を接着剤(図示せず)で付着したものであり、第2板状部材104−2と、この第2板状部材104−2の両面に付着した弾性部材としての発泡ウレタン層や発泡エチレン層等からなる二枚の第2外側、第2内側弾性材106−2A、106−2Bとによって構成されている。
【0035】
前記各板状部材104は、例えば、鉄板、アルミニウム板、ステンレス板、銅板等の材質からなる金属板や、合成樹脂等から選定される。
【0036】
ゴム層からなる前記各弾性材106は、例えば、アクリロニトリルブタジェンゴム(NBR)、スチレンブタジェンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジェンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム等の材質から選定される。なお、この弾性材106としては、ゴム層の他に、ゴム材を発泡させた発泡ゴム層を使用することも可能である。この発泡ゴム層は、メッシュ板98との間を確実に埋めることができるものである。
【0037】
前記接着剤は、例えば、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、エポシキ樹脂系、酢酸ビニル系、シアノアクリレート系、ポリウレタン系、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂系、水性高分子−イソシアネート系、反応型アクリル樹脂系、変性アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型、酢ビ共重合樹脂系エマルジョン型、EVA樹脂系エマルジョン型、アクリル樹脂系エマルジョン型、EVA系ホットメルト型、エラストマー系ホットメルト型、ポリアミド系ホットメルト型、合成ゴム系溶剤型、合成ゴムラテックス型等の接着剤、溶剤型ゴム系、水系型ゴム系、溶剤型アクリル系、水系型アクリル系、シリコーン系、ホットメルト型、液状硬化型等の感圧型接着剤等の材質から選定される。
【0038】
オイルフィルタガスケット96においては、メッシュ板98の両面に挟持するように第1、第2ゴムコート板100−1、100−2を重ね合わせ、そして、組付強度を高くするために、リベット、グロメット、はとめ、機械的カシメ等でメッシュ板98と第1、第2ゴムコート板100−1、100−2とを一体化して構成される。つまり、ゴムコート板100は、各孔部を設けた板状部材104の両面に弾性材106を互いに重ね合わせて構成されており、その間に、例えば、直径が0、1mm、60メッシュ、鋼材(SUS304)の金網で形成された金属メッシュを配置している。
【0039】
メッシュ板98は、例えば、金属メッシュ又は樹脂メッシュ等の材質で形成される。この場合に、金属メッシュとしては、金網、パンチィングメタル等がある。また、樹脂メッシュとしては、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニル等のメッシュ状織物、あるいは、その溶着したものがある。メッシュ板98の線径があまり大きいと、段差を吸収するために、ゴムコート板100を厚くする必要があるので、トルクダウンを考慮する場合には、線径としては0.8mm以下が好ましいものである。
【0040】
図1に示す如く、メッシュ板98には、周縁に各植込ボルト66、各取付ボルト68を挿通させる中間ボルト孔98A、98A、98A、98Aが形成されているとともに、作動油中の異物の除去を必要としないオイル通路であるドレンポート80に対応する箇所に中間貫通孔98Bが形成され、また、対角線上の各隅部位でハウジング側接合面56Aとバルブ用取付面36Aとに挟まれない部分の中間一側、中間他側突延部98−PL、98−PRが形成され、また、この中間一側、中間他側突延部98−PL、98−PRに中間一側、中間他側グロメット孔98−GL、98−GRが形成されている。
【0041】
第1ゴムコート板100−1には、周縁に中間ボルト孔98A、98A、98A、98Aに対応した第1ボルト孔100−1A、100−1A、100−1A、100−1Aが形成されているとともに、中間貫通孔98Bに対応した孔部としての第1貫通孔100−1Bが形成され、また、各オイル通路82、84、88に対応した第1通路用貫通孔100−1C、100−1D、100−1Eが形成され、更に、中間一側、中間他側突延部98−PL、98−PRに対応した第1一側、第1他側突延部100−1PL、100−1PRが形成され、この第1一側、第1他側突延部100−1PL、100−1PRに中間一側、中間他側グロメット孔98−PL、98−PRに対応した第1一側、第1他側グロメット孔100−1GL、100−1GRが形成されている。
【0042】
第2ゴムコート板100−2は、第1ゴムコート板100−1と同様に形成されている。この第2ゴムコート板100−2には、周縁に中間ボルト孔98A、98A、98A、98Aに対応した第2ボルト孔100−2A、100−2A、100−2A、100−2Aが形成されているとともに、中間貫通孔98Bに対応した孔部としての第2貫通孔100−2Bが形成され、また、各オイル通路82、84、88に対応した第2通路用貫通孔100−2C、100−2D、100−2Eが形成され、更に、中間一側、中間他側突延部98−PL、98−PRに対応した第2一側、第2他側突延部100−2PL、100−2PRが形成され、この第2一側、第2他側突延部100−2PL、100−2PRに中間一側、中間他側グロメット孔98−PL、98−PRに対応した第2一側、第2他側グロメット孔100−2GL、100−2GRが形成されている。
【0043】
このメッシュ板98と二枚の第1、第2ゴムコート板100−1、100−2とは、図3に示す如く、オイル制御弁42とエンジン2の本体、つまり、タイミングチェーンカバー36のバルブ用取付面36Aに挟まれない一側、他側突出部位P−1、P−2を、固定手段としての一側、他側グロメット108−1、108−2で結合したり、あるいは、図4に示す如く、固定手段として第2ゴムコート板102−2の孔部縁部位を丸めた第2カシメ部102−2Kでカシメを施したり、図5に示す如く、第1、第2ゴムコート板102−1、102−2の孔部縁部位を丸めた第1、第2カシメ部102−1K、102−2Kでカシメを施して一体的に固定結合され、オイルフィルタガスケット96を構成している。
【0044】
従って、図2に示す如く、オイルフィルタガスケット96には、各植込ボルト66、取付ボルト68を挿通する各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aが形成され、また、ドレンオイル通路86に対応する箇所に貫通孔部96Bが形成され、更に、各オイル通路82、84、88に対応する箇所に進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eが形成され、また、一側、他側突出部位P−1、P−2に一側、他側グロメット孔部96−1G、96−2Gが形成される。このオイルフィルタガスケット96は、図7、8に示す如く、オイル制御弁42とエンジン2の本体の間に挟まれて圧縮されることにより、第1、第2ゴムコート板100−1、100−2の発泡ウレタン等の層状の第1内側、第2内側弾性材106−1B、106−2Bがメッシュ板98の網目に入り込んでメッシュ板98の隙間を埋めるとともに、第1外側、第2外側弾性材106−1A、106−2Aがバルブ用接合面36A及びハウジング接合面56Aのシールを果たすものである。
【0045】
これにより、図15、16に示す如く、油圧アクチュエータ40への作動油圧の給排を制御するオイル制御弁42とエンジン2の本体としてのタイミングチェーンケース36との間にオイルフィルタガスケット96を設置することで、油圧アクチュエータ40とオイル制御弁42との間の作動油中に存在する異物を、取り除く構造になっている。また、油圧アクチュエータ40とこの油圧アクチュエータ40への作動油圧を制御するオイル制御弁42との間に、進角側オイル通路82及び遅角側オイル通路84が配設されており、この進角側、遅角側オイル通路82、84とオイル制御弁42との間の作動油中に存在する異物を、オイルフィルタガスケット96によって取り除く構造になっている。更に、オイルポンプ20からオイル制御弁42に連絡して作動油用オイル通路88に圧送されて油圧アクチュエータ40を作動させるためのオイルに存在する異物も、オイルフィルタガスケット96により取り除く構造となっている。
【0046】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0047】
可変バルブタイミング装置38の油圧アクチュエータ40において、バルブタイミングが進角側に移行される場合には、制御手段64の制御信号によりソレノイド62が駆動され、スプール60が図12の中間位置の状態から図12中の左側に移動されることにより、図13に示す如く、進角側ポート76と供給側ポート74とが連通されると共に、遅角側ポート78とドレンポート80とが連通される。これにより、作動油が進角側オイル通路82から油圧アクチュエータ40の進角側油圧室52に流入すると共に、遅角側油圧室54に充填していた作動油は、遅角側オイル通路84を流下して、タイミングチェーンカバー36とオイル制御弁42との間に設置されたオイルフィルタガスケット96の遅角側メッシュ孔部96Dを通過して濾過された後に、オイル制御弁42の遅角側ポート78に流入し、ドレンポート80からタイミングチェーンカバー36の内側に排出される。
【0048】
また、バルブタイミングが遅角側に移行される場合には、制御手段64の制御信号によりソレノイド62が駆動され、スプール60が図12の中間位置の状態から図12中の右側に移動されることにより、図13に示す如く、遅角側ポート78と供給ポート74とが連通されると共に、ドレンポート80と進角側ポート76とが連通される。これにより、作動油が遅角側オイル通路84から油圧アクチュエータ40の遅角側油圧室54に流入すると共に、進角側油圧室52に充填していた作動油は、進角側オイル通路82を流下して、タイミングチェーンカバー36とオイル制御弁42との間に設置されたオイルフィルタガスケット96の進角側メッシュ孔96Cを通過して濾過された後、オイル制御弁42に流入し、ドレンポート80からタイミングチェーンカバー36の内側に排出される。
【0049】
ところで、油圧アクチュエータ40からオイル制御弁42に戻される下流側の作動油は、オイルフィルタガスケット96の各メッシュ孔部96C、96Dを通過してから、オイル制御弁42に流入されるので、油圧アクチュエータ40とオイル制御弁42との間に存在する異物がオイル制御弁42のスプール60の摺動部位に噛み込まれて、オイル制御弁42の動作に支障をきたすようなことを防止することができる。
【0050】
また、オイルポンプ20からオイル制御弁42に圧送される上流側の作動油についても同様に、オイルフィルタガスケット96の供給側メッシュ孔部96Eを通過してからオイル制御弁42に流入されるので、オイルポンプ20とオイル制御弁42との間に存在する異物がオイル制御弁42のスプール60の摺動部位に噛み込まれ、オイル制御弁42の動作に支障をきたすようなことを防止することができる。
【0051】
また、オイルフィルタガスケット96はメッシュ板98の両面側に重ねた第1、第2ゴムコート板100−1、100−2の両面の発泡ウレタン等の第1外側、第2外側弾性材106−1A、106−2Aがオイル制御弁42のハウジング接合面56Aとタイミングチェーンカバー36のバルブ用取付面36A間のシールを果たすとともに、第1内側、第2内側弾性材106−1B、106−2Bがメッシュ板98の網目に密着することによって、オイル制御弁42の取付部位からのオイル漏れを効果的に防止している。
【0052】
更に、進角側オイル通路82と遅角側オイル通路84及び作動油用オイル通路88の各オイル通路間のオイルの漏れを防止しているので、各オイル通路間でのオイルの漏れを防止し、可変バルブタイミング装置38の応答性に支障をきたすことを防止することができる。
【0053】
更にまた、オイルフィルタガスケット96は、それを構成するメッシュ板98と第1、第2ゴムコート板100−1、100−2がグロメット108等の固定手段によって結合され、そして、タイミングチェーンカバー36への取付けは、図14に示す如く、オイル制御弁42と共に、二本の第1、第2埋込ボルト66−1、66−2と二本の第1、第2取付ボルト68−1、68−2で固定されるので、バルブ用取付面36Aに対してオイルフィルタガスケット96やオイル制御弁42がずれることがなく、その組付けが容易であり、また、その取り外しも容易であるので、オイルフィルタガスケット96のメンテナンス時には、その交換等が容易となり、捕集した異物を容易に取り除くことができる。
【0054】
即ち、オイルを濾過する機能とオイルの漏れを防止する機能とを有するオイルフィルタガスケット96をオイル制御弁42とエンジン2の本体との間に設けたので、オイルフィルタガスケット96の取り付け・取り外しを容易とし、加工・組み立ての費用の低減と市場におけるメンテナンスを向上し、また、オイルフィルタの機能とガスケットの機能とを一体化したオイルフィルタガスケット96により、部品点数を低減し、その管理も容易とし、しかも、廉価とすることができる。
【0055】
また、フィルタをメッシュ板98で形成し、このメッシュ板98の両面に弾性部材を有するゴムコート板100−1、100−2を重ね合わせ、このゴムコート板100−1、100−2には各オイル通路82、84、88に対応する箇所に孔部を形成し、そして、メッシュ板98と第1、第2ゴムコート板100−1、100−2とをグロメット108等の固定手段によって一体的にしてオイルフィルタガスケット96を構成したことにより、オイル制御弁42とエンジン2の本体との合せ面からのオイルの漏れを防止するとともに、オイル制御弁42に流入するオイル中の異物を除去するので、可変バルブタイミング装置38の信頼性を向上し、また、各オイル通路82、84、88との間が連通するのを防止し、可変バルブタイミング装置38の応答性を向上することができる。
【0056】
更に、メッシュ板98と二枚の第1、第2ゴムコート板100−1、100−2との三枚の板をグロメット108又はカシメを施してオイルフィルタガスケット96を構成したことにより、その組付性を向上することができる。また、進角側、遅角側オイル通路82、84毎にフィルタを設ける必要がなく、オイルフィルタガスケット96をエンジン本体とオイル制御弁42との間に配設したので、そのメンテナンスを容易にするとともに、通路断面積が小さくなるのを回避し、また、組付工数を削減することができる。更に、各オイル通路82、84、86、88の周辺にOリング等のシール部材を不要とし、バルブ用取付面36A等を小さな形状に形成することが可能となり、レイアウト上有利にするとともに、取付面36A、接合面56AにOリング用の溝の加工を不要とし、加工等を削減することができ、しかも、設計の自由度を大きくすることができる。
【0057】
図22は、この発明の第2実施例を示すものである。
【0058】
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には同一符号を付して説明する。
【0059】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96において、各オイル通路82、84、88に対応する部分のメッシュ板98には、凸部112を形成した。
【0060】
この第2実施例の構成によれば、従来の図46に示すようにオイル通路にフィルタを設置するとその部分の通路断面積が減少し、また、フィルタに異物が懸かると、さらに通路断面積が減少するので、油圧アクチュエータ40への作動油量減少により、油圧アクチュエータ40の応答性が低下しようとするが、オイルフィルタガスケット96の各メッシュ孔部96C、94D、94Eに対応する部分のメッシュ板98に凸部112を形成したことによって、オイル通路面積を減少させることなく、また、各メッシュ孔部96C、94D、94Eに異物が懸かっても、必要十分な通路断面積を確保しているので、可変バルブタイミング装置38の応答性の低下を防止することができる。
【0061】
なお、この第2実施例においては、タイミングチェーンカバー36への取付けは、オイル制御弁42とオイルフィルタガスケット96の位置を合わせなければ、オイルフィルタガスケット96の凸部112を変形させ、その後、図24に示す如く、通常の取付ボルト68を用いて正規の位置に組付けた場合に、凸部112の変形により通路断面積が減少した状態のため、油圧アクチュエータ40の応答性に悪影響を与える。そこで、図23に示す如く、少なくとも二本の埋込ボルト66−1、66−2を使用することにより、オイル制御弁42とオイルフィルタガスケット96の組付時に、エンジン2の設置方向がどのような向きであっても、タイミングチェーンカバー36の各オイル通路82、84、88、あるいは、オイル制御弁42各ポート76、78、74とメッシュ板98の凸部112とがずれることなく設置できるので、凸部112を変形させてしまうことを防止できる。
【0062】
図25は、この発明の第3実施例を示すものである。
【0063】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、メッシュ板98の外形形状S1を、ゴムコート板100の外形形状S2よりも小さく形成した。
【0064】
この第3実施例の構成によれば、メッシュ板98が両側のゴムコート板100よりも大きいか、あるいは、同形状の場合に、メッシュ板98の切断部位のメッシュ板98を形成する金属線の一方向線材102−1、102−2のほつれがゴムコート板100からはみでる場合がある。そこで、メッシュ板98の外形形状をゴムコート板100の外形形状よりも小さくすることによって、金属線の一方向線材102−1、102−232の端部がゴムコート板100からはみでるのを防止することができる。これにより、ゴムコート板100の発泡エチレン層等の弾性材106がメッシュ板98の網目に完全に密着しきれないため、弾性材106とメッシュ板98の隙間からオイルが漏れ出てきても、第1外側弾性材106−1A及び第2外側弾性材106−1A同士が密着するので、その外部にオイルが漏れるのを防止することができ、組付時の安定化を図るとともに、オイルフィルタガスケット96の信頼性を向上することができる。
【0065】
図26は、この発明の第4実施例を示すものである。
【0066】
この第4実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ゴムコート板100の弾性材106において、オイル制御弁42又はタイミングチェーンカバー36のオイル制御弁42の取付面側に当たる第1外側弾性材106−Aの厚さT1に対して、メッシュ板98側の第2弾性材106−Bの厚さT2を大きく形成した。
【0067】
この第4実施例の構成によれば、ゴムコート板100の弾性材106の厚さは、薄すぎるとメッシュ板98の網目に密着しきれずオイルの漏れの原因となる。しかし、弾性材106は厚さの増大に応じて、エンジン2の熱やオイルによる劣化等により、組付け初期に対する弾力(反発力)の低下分も増大するため、面圧の低下によりオイルもれに繋がる。そこで、弾性材106の厚さにおいて、オイル制御弁42又はタイミングチェーンカバー36のオイル制御弁42の取付面側に当たる外側弾性材106−Aに対して、メッシュ板98に当たる面側の内側弾性材106−Bを厚くすることにより、面圧の低下とメッシュ板98への密着不足とを防止し、オイル漏れや滲みを防止し、オイルフィルタガスケット96の信頼性を向上することができる。
【0068】
図27は、この発明の特別構成であり、第5実施例を示すものである。
【0069】
この第5実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96において、ゴムコート板100には、進角側オイル通路82に対応する箇所で、この進角側オイル通路82周辺を所要の面域に切り欠いて進角側切欠部122Aを形成するとともに、この進角側切欠部122Aの周縁に進角側シール用ビード124Aを形成する。また、ゴムコート板100には、遅角側オイル通路84に対応する箇所で、この遅角側オイル通路84周辺を所要の面域に切り欠いて遅角側切欠部122Bを形成するとともに、この遅角側切欠部122Bの周縁に遅角側シール用ビード124Bを形成する。更に、ゴムコート板100には、作動油用オイル通路88に対応する箇所で、この作動油用オイル通路88周辺を所要の面域に切り欠いて供給側切欠部122Cを形成するとともに、この供給側切欠部122Cの周縁に供給側シール用ビード124Cを形成する。
【0070】
この第5実施例の構成によれば、オイルフィルタガスケット96の進角側オイル通路82、遅角側オイル通路84、作動油用オイル通路88に対応する箇所のメッシュ部位に詰まりが生じても、これらオイル通路82、84、88周辺の各切欠部122A、122B、122Cにオイルが流れることが可能となり、オイルの流動を円滑にすることができる。また、各ビード124によって、オイルが外部に流れるのを防止することができる。
【0071】
図28〜38は、この発明の第6実施例を示すものである。
【0072】
この第6実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96は、図29、30に示す如く、フィルタである一枚のメッシュ板98と、このメッシュ板98の両面に挟持するように重ね合わされた弾性板としての第1、第2ゴムコート板100−1、100−2とによって構成されている。図30に示す如く、第1ゴムコート板100−1は、第1板状部材104−1と第1弾性材106−1とからなる。また、第2ゴムコート板100−2は、第2板状部材104−2と第2弾性材106−2とからなる。このように構成されたオイルフィルタガスケット96には、図28に示す如く、各植込ボルト66、取付ボルト68を挿通する各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aが形成され、また、ドレンオイル通路86に対応する箇所に貫通孔部96Bが形成され、更に、各オイル通路82、84、88に対応する箇所に進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eが形成され、また、一側、他側突出部位P−1、P−2に一側、他側グロメット孔部96−1G、96−2Gが形成される。
【0073】
第1、第2ゴムコート100−1、100−2の第1、第2板状部材104−1、104−2のメッシュ板98側の各面上には、図29に示す如く、第1、第2側弾性コーティング材132−1、132−2が夫々設けられる。つまり、第1ゴムコート100−1のメッシュ板98が配置される側の面上である第1板状部材104−1には、図32に示す如く、各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aと貫通孔部96B、進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eとを隔離してシールするように各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aの内側に配置した第1外側弾性コーティング材132−1Aが設けられ、この第1外側弾性コーティング材132−1Aの一部と共働して貫通孔部96Bを包囲し所定面域S1−Aの第1貫通孔側空間部134−1Aを区画形成する第1貫通孔側弾性コーティング材132−1Bが設けられ、この第1貫通孔側弾性コーティング材132−1Bの一部と共働して進角側メッシュ孔部96Cを包囲し所定面域S1−Bの第1進角側空間部134−1Bを区画形成する第1進角側弾性コーティング材132−1Cが設けられ、第1外側弾性コーティング材132−1Aの一部と第1貫通孔側弾性コーテイング134−1Bと第1進角側弾性コーティング材132−1Cの一部と共働して遅角側メッシュ孔部96Dを包囲し所定面域S1−Cの第1遅角側空間部134−1Cを区画形成する第1遅角側弾性コーティング材132−1Dが設けられ、第1外側弾性コーティング材132−1Aの一部と第1貫通孔側弾性コーティング材132−1Bの一部と第1進角側弾性コーティング材132−1Cの一部と共働して供給側メッシュ孔部96Eを包囲し所定面域S1−Dの第1供給側空間部134−1Dを区画形成する第1供給側弾性コーティング材132−1Eが設けられている。これにより、第1ゴムコート板100−1は、第1板状部材104−1の一方の面に弾性部材である第1弾性材106−1を重ね合わせるとともに、第1板状部材104−1の他方の面で前記各孔部周辺に各第1弾性コーティング材132−1を設けて構成される。
【0074】
また、第2ゴムコート100−2のメッシュ板98が配置される側の面上である第2板状部材104−2には、図31に示す如く、各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aと貫通孔部96B、進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eとを隔離してシールするように各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aの内側に配置した第2外側弾性コーティング材132−2Aが設けられ、この第2外側弾性コーティング材132−2Aの一部と共働して貫通孔部96Bを包囲し所定面域S2−Aの第2貫通孔側空間部134−2Aを区画形成する第2貫通孔側弾性コーティング材132−2Bが設けられ、この第2貫通孔側弾性コーティング材132−2Bの一部と共働して進角側メッシュ孔部96Cを包囲し所定面域S2−Bの第2進角側空間部134−2Bを区画形成する第2進角側弾性コーティング材132−2Cが設けられ、第2外側弾性コーティング材132−2Aの一部と第2貫通孔側弾性コーテイング134−2Bと第2進角側弾性コーティング材132−2Cの一部と共働して遅角側メッシュ孔部96Dを包囲し所定面域S2−Cの第2遅角側空間部134−2Cを区画形成する第2遅角側弾性コーティング材132−2Dが設けられ、第2外側弾性コーティング材132−2Aの一部と第2貫通孔側弾性コーティング材132−2Bの一部と第2進角側弾性コーティング材132−2Cの一部と共働して供給側メッシュ孔部96Eを包囲し所定面域S2−Dの第2供給側空間部134−2Dを区画形成する第2供給側弾性コーティング材132−2Eが設けられている。これにより、第2ゴムコート板100−2は、第2板状部材104−2の一方の面に弾性部材である第2弾性材106−2を重ね合わせるとともに、第2板状部材104−2の他方の面で前記各孔部周辺に各第2弾性コーティング材132−2を設けて構成される。
【0075】
これにより、オイルフィルタガスケット96は、板状部材104の一方の面に弾性部材を重ね合わせるとともに、板状部材104の他方の面で各孔部周辺に弾性コーティング材132を設けてゴムコート板100を構成し、このゴムコート板100をメッシュ板98を挟持するように重ね合わせて構成される。
【0076】
弾性コーティング材132は、例えば、シリコーンゴム、エポシキゴム、アクリロニトリルブタジェンゴム(NBR)、スチレンブタジェンゴム(SBR)、アクリルゴム、シリコーン樹脂、エポシキ樹脂等のメッシュ板98との間を埋めることのできる柔軟性を有する材料から採用される。この弾性コーティング材132を板状部材104に固着する方法としては、スクリーン印刷、その他の印刷手段、スプレーコーティング、フローコーテイング等によって板状部材の表面に所要のパターン形状及び厚さで付着する方法がある。この場合に、周知のマスク治具を用いたマスキングを併用して弾性コーテイング材132を付着させることにより、明瞭なパターンで弾性コーテイング材132を付着成形することができる。
【0077】
よって、各孔部を設けた板状部材104の両面に発泡させたゴム層を形成させ、他方の面の孔部の周縁部位にシリコーンゴム等からなる弾性コーテイング材132をを設けたゴムコート100が、弾性コーテイング材132が対向するように重ね合わせて構成され、その間に直径が0、1mm、60メッシュ、鋼材(SUS304)の金網からなる金属メッシュとしてのメッシュ板98を配置している。
【0078】
タイミングチェーンカバー36のバルブ用取付面36Aには、図33に示す如く、オイルフィルタガスケット96の各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aに対応したカバー側ボルト孔部136A、136A、136A、136Aと、貫通孔部96B、進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eに対応したドレン側カバーポート部136B、進角側カバーポート部136C、遅角側カバーポート部136D、作動油用ポート部136Dと、が設けられている。そして、図34に示す如く、タイミングチェーンカバー36のバルブ用取付面36Aにオイルフィルタガスケット96を接合すると、ドレン側カバーポート部136B、進角側カバーポート部136C、遅角側カバーポート部136D、作動油用ポート部136Dに対応してオイルフィルタガスケット96の前記各空間部134A、134B、134C、134Dが夫々所定箇所に配置される。
【0079】
オイル制御弁42としては、各ポート部形状が異なる図35に示す第1オイル制御弁42−1と図36に示す第2オイル制御弁42−2との2種類がある。図35の第1オイル制御弁42−1においては、オイルフィルタガスケット96の各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aに対応した第1バルブ側ボルト孔部138−1A、138−1A、138−1A、138−1Aと、貫通孔部96B、進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eに対応した第1ドレン側バルブポート部138−1B、第1進角側バルブポート部138−1C、第1遅角側バルブポート部138−1D、第1作動用ポート部138−1Eと、が設けられている。また、図36の第2オイル制御弁42−2においては、オイルフィルタガスケット96の各ボルト孔部96A、96A、96A、96Aに対応した第2バルブ側ボルト孔部138−2A、138−2A、138−2A、138−2Aと、貫通孔部96B、進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eに対応した第2ドレン側バルブポート部138−2B、第2進角側バルブポート部138−2C、第2遅角側バルブポート部138−2D、第2作動油用ポート部138−2Eと、が設けられている。第1ドレン側バルブポート部138−1Bと第2ドレン側バルブポート部138−2Bとは異なる所定面域の形状であり、第1進角側バルブポート部138−1Cと第2進角側バルブポート部138−2Cとは異なる所定面域の形状であり、第1遅角側バルブポート部138−1Dと第2遅角側バルブポート部138−2Dとは異なる所定面域の形状であり、第1作動油用ポート部138−1Eと第2作動油用ポート部138−2Eとは異なる所定面域の形状である。
【0080】
また、図34、35、36に示す如く、第1オイル制御弁42−1のバルブハウジング接合面56A−1の四方の第1バルブ側ボルト孔部138−1A、138−1A、138−1A、138−1Aのうち3つの第1バルブ側ボルト孔部138−1Aに沿うように延びる第1遅角側バルブポート部138−1Dと、第2オイル制御弁42−2のバルブハウジング接合面56A−2の四方の第2バルブ側ボルト孔部138−2A、138−2A、138−2A、138−2Aのうち2つの第2バルブ側ボルト孔部138−2Aに沿うように延びる第2遅角側バルブポート部138−2Dとの両方に対応するように、第1、第2中間連絡弾性コーティング材132−1K、132−2Kが第1、第2板状部材104−1、104−2に設けられている。この第1、第2中間連絡弾性コーティング材132−1K、132−2Kは、第1オイル制御弁42−1の第1遅角側バルブポート部138−1D内に配設され、第1オイル制御弁42−1では、第1遅角側バルブポート部138−1Dを区画する機能を有していないが、第2オイル制御弁42−2では、第2遅角側バルブポート部138−2Dを区画する機能を有している。
【0081】
また、第1オイル制御弁42−1のバルブハウジング接合面56A−1の第1遅角側バルブポート部138−1D側に突出した部分を有する第1作動油用ポート部138−1Eと、第2オイル制御弁42−2のバルブハウジング接合面56A−2の円形形状の第2作動油用ポート部138−2Eとの両方に対応するように、第1、第2一側連絡弾性コーティング材132−1M、132−2Mが第1、第2板状部材104−1、104−2に設けられている。この第1、第2一側連絡弾性コーティング材132−1M、132−2Mは、第1オイル制御弁42−1の第1作動油用ポート部138−1Eの突出した部分に配設され、第1オイル制御弁42−1では、第1作動油用ポート部138−1Eを区画する機能を有していないが、第2オイル制御弁42−2では、第2作動油用ポート部138−2Eを区画する機能を有している。
【0082】
更に、第1オイル制御弁42−1の略四角形状のバルブハウジング取付面56A−1においては、このバルブハウジング取付面56A−1の中央部を越えて第1作動油用ポート部138−1E側に延びる第1進角側バルブポート部138−1Cと、第2オイル制御弁42−2の略四角形状のバルブハウジング取付面56A−2の中央部近傍まで延びる第2進角側バルブポート部138−2Cとの両方に対応するように、第1、第2他側連絡弾性コーティング材132−1N、132−2Nが第1、第2板状部材104−1、104−2に設けられている。この第1、第2他側連絡弾性コーティング材132−1N、132−2Nは、第1オイル制御弁42−1の第1進角側バルブポート部138−1C内に配設され、 第1オイル制御弁42−1では、第1進角側バルブポート部138−1Cを区画する機能を有していないが、第2オイル制御弁42−2では、第2進角側バルブポート部138−2Cを区画する機能を有している。
【0083】
そして、図37に示す如く、第1オイル制御弁42−1にオイルフィルタガスケット96を接合すると、第1ドレン側バルブポート部138−1B、第1進角側バルブポート部138−1C、第1遅角側バルブポート部138−1D、第1作動用ポート138−1Dに貫通孔部96B、進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eが対応して配置される。また、図38に示す如く、第2オイル制御弁42−2にオイルフィルタガスケット96を接合すると、第2ドレン側バルブポート部138−2B、第2進角側バルブポート部138−2C、第2遅角側バルブポート部138−2D、第2作動油用ポート部138−2Dに貫通孔部96B、進角側メッシュ孔部96C、遅角側メッシュ孔部96D、供給側メッシュ孔部96Eが対応して配置される。
【0084】
この第6実施例の構成によれば、各ポート部形状が異なる第1、第2オイル制御弁42−1、42−2に対して、オイルフィルタガスケット96を共通して使用することができ、オイルフィルタガスケット96の汎用性を向上することができ、また、第1弾性コーテイング132−1と第2弾性コーテイング132−2とが重なり合っているので、各空間部134のシール性を向上することができる。
【0085】
図39は、この発明の第7実施例を示すものである。
【0086】
この第7実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96は、メッシュ板98の両面に所定厚さT3の板状部材としての第1、第2弾性部材106−1、106−2を重ね合わせ、そして、孔部142を形成、第1弾性部材106−1のメッシュ板98側の面で孔部142の周辺に第1弾性コーティング材144−1を設けるとともに、第2弾性部材106−2のメッシュ板98側の面で孔部142の周辺の第2弾性コーティング材144−2を設けて構成される。
【0087】
この第7実施例の構成によれば、所定厚さT3の板状部材である第1、第2弾性部材106−1、106−2の弾性力によってシール性を向上するとともに、構成を簡単にすることができ、廉価とすることができる。
【0088】
図40は、この発明の第8実施例を示すものである。
【0089】
この第8実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96は、弾性板(板状部材)が軟質ガスケット材からなるものであり、メッシュ材としてパンチングメタル152を設け、このパンチングメタル152の両面に第1、第2ゴムコート板100−1、100−2を重ねて構成されている。第1ゴムコート板100−1は、第1板状部材104−1と、この第1板状部材104−1の両面の第1外側、第1内側弾性材106−1A、106−1Bとからなる。また、第2ゴムコート板100−2は、第2板状部材104−2と、この第2板状部材104−2の両面の第2外側、第1内側弾性材106−2A、106−2Bとからなる。つまり、オイルフィルタガスケット96は、板状部材104の両面に発泡ゴム層の弾性材106を付着してゴムコート板100を形成し、このゴムコート板100を互いに重ね合わせて、このゴムコート板100の間に厚さ0、1mm、開口率60%の金属メッシュとしてのパンチィングメタル152を配置して構成され、孔部154を形成している。
【0090】
この第8実施例の構成によれば、パンチングメタル152を使用するので、構成を簡単にするとともに、軟質ガスケットを形成し、各板状部材104に設けた各弾性材106の存在によってシール性を向上することができる。
【0091】
図41は、この発明の第9実施例を示すものである。
【0092】
この第9実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96は、弾性板(板状部材)が軟質ガスケット材からなるものであり、メッシュ材としてパンチングメタル162を設け、このパンチングメタル162の両面に所定厚さT4の板状部材としての第1、第2シート部材164−1、164−2を重ね合わせて構成され、孔部166を形成している。
【0093】
前記シート部材164は、例えば、ジョイントシート、ビータシート、コルクラバー、セルローズファイバ、グラファイトシート等のシートからなる。
【0094】
ジョイントシートは、芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維等の有機系繊維若しくは又はそれらを混合し、加熱加圧して製造したシート状ガスケット材である。ビータシートは、有機系繊維若しくはガラス繊維、カーボン繊維、セラミックス繊維等の無機系繊維又はそれらを混合したものを主材料に、ゴムラテックス等をバインダとして混合し、抄造法によって製造したシート状ガスケット材である。コルクラバーは、粒度調整したコルク粒とゴムコンパウンドを混練し、加熱加圧して製造したものである。セルローズファイバは、木綿、化学バルブ等ですいた紙、及び、これらを淡泊質、ゴム等で処理したものである。グラファイトシートは、主として天然に産出するりん片状黒鉛を膨張させ、シート状に成形した積層構造を有する柔軟な材料である。
【0095】
この第9実施例の構成によれば、パンチングメタル162を使用するので、構成を簡単にするとともに、シート部材164によってシール効果を向上することができる。
【0096】
図42は、この発明の特別構成であり、第10実施例を示すものである。
【0097】
この第10実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96は、板状部材104に孔部172を形成するように複数の細径穴172Aを形成し、また、この孔部172周辺の一面に第1弾性コーティング材174−1を設けるとともに、この孔部172周辺で他面には第2弾性コーティング材174−2を設けて構成される。
【0098】
この第10実施例の構成によれば、板状部材104に複数の細径穴172Aを形成して孔部172を形成するとともに、板状部材104に弾性コーティング174を設けるだけなので、オイルフィルタガスケット96の構成を簡単とし、廉価とすることができる。
【0099】
図43は、この発明の特別構成であり、第11実施例を示すものである。
【0100】
この第11実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、オイルフィルタガスケット96においては、第1板状部材104−1の孔部182周辺でメッシュ板98側に突出する第1内側ビード184−1と外側に突出して第1内側ビード184−1よりも大きな第1外側ビード186−1とを形成するとともに、第2板状部材104−2の孔部182周辺で第1内側ビード184−1に対向する第2内側ビード184−2と第1外側ビード186−1に対向する第2外側ビード186−2とを形成した。
【0101】
この第11実施例の構成によれば、第1、第2板状部材104−1、104−2の各内側ビード184及び外側ビード186の強い復元力によって、シール性を向上することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、オイルを濾過するフィルタを形成するメッシュ板とこのメッシュ板の両面に設けられる弾性板とを一体的化したオイルフィルタガスケットを、オイル制御弁とエンジンの本体との間に配設したオイルの濾過構造において、前記弾性板は、板状部材の両面に弾性部材を付着して形成されるとともに、メッシュ板側に配設される弾性部材の厚さがオイル制御弁又はエンジンの本体側に配設されている弾性部材の厚さよりも大きく形成されていることにより、面圧の低下とメッシュ板への密着不足とを防止し、オイル漏れや滲みを防止し、オイルフィルタガスケットの信頼性を向上し、また、オイルフィルタガスケットの取り付け・取り外しを容易とし、加工・組み立ての費用の低減と市場におけるメンテナンスを向上し、更に、オイルフィルタの機能とガスケットの機能とを一体化したオイルフィルタガスケットにより、部品点数を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイルフィルタガスケットの分解した斜視図である。
【図2】オイルフィルタガスケットの平面図である。
【図3】オイルフィルタガスケットをグロメットで一体的にした断面図である。
【図4】オイルフィルタガスケットをカシメで一体的にした断面図である。
【図5】オイルフィルタガスケットをカシメで一体的にした他の断面図である。
【図6】オイルフィルタガスケットの拡大断面図である。
【図7】図2のVII−VII線によるオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図8】オイルフィルタガスケットの断面図である。
【図9】オイルフィルタガスケットの概略断面図である。
【図10】オイル制御弁とエンジン本体との間にオイルフィルタガスケットを設けた断面図である。
【図11】オイルフィルタガスケットが圧縮された状態の拡大断面図である。
【図12】オイル制御弁の中間位置の断面図である。
【図13】オイル制御弁が進角側に動作した状態の断面図である。
【図14】オイル制御弁が遅角側に動作した状態の断面図である。
【図15】油圧アクチュエータが進角側に動作した状態の断面図である。
【図16】油圧アクチュエータが遅角側に動作した状態の断面図である。
【図17】エンジンの一部拡大正面図である。
【図18】タイミングチェーンカバーの断面図である。
【図19】エンジンの断面図である。
【図20】エンジンの正面図である。
【図21】エンジンの平面図である。
【図22】第2実施例においてオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図23】第2実施例において植込ボルトでオイルフィルタガスケットを取り付けた断面図である。
【図24】第2実施例において通常の取付ボルトでオイルフィルタガスケットを取り付けた断面図である。
【図25】第3実施例においてオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図26】第4実施例においてオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図27】第5実施例においてオイルフィルタガスケットの平面図である。
【図28】第6実施例においてオイルフィルタガスケットの平面図である。
【図29】図28のXXIX−XXIX線によるオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図30】オイルフィルタガスケットの拡大断面図である。
【図31】図30のXXXI−XXXI線による断面図である。
【図32】図30のXXXII−XXXII線による断面図である。
【図33】第6実施例におけるタイミングチェーンカバーの取付面の図である。
【図34】図30のタイミングチェーンカバーの取付面にオイルフィルタガスケットを接合した図である。
【図35】第6実施例における第1オイル制御弁のバルブ取付面の図である。
【図36】第6実施例における第2オイル制御弁のバルブ側取付面の図である。
【図37】図35の第1オイル制御弁のバルブ取付面にオイルフィルタガスケットを接合した図である。
【図38】図36の第2オイル制御弁のバルブ側取付面にオイルフィルタガスケットを接合した図である。
【図39】第7実施例においてオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図40】第8実施例におけるオイルフィルタガスケットの斜視図である。
【図41】第9実施例におけるオイルフィルタガスケットの斜視図である。
【図42】第10実施例におけるオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図43】第11実施例におけるオイルフィルタガスケットの断面図である。
【図44】従来におけるエンジンの断面図である。
【図45】従来におけるタイミングチェーンカバーの断面図である。
【図46】従来においてエンジンの概略平面図である。
【図47】従来においてオイル制御弁の底面図である。
【図48】図47のA−A線による断面図である。
【図49】従来において油圧アクチュエータが進角側に動作した状態の断面図である。
【図50】従来において油圧アクチュエータが遅角側に動作した状態の断面図である。
【符号の説明】
2 エンジン
4 シリンダブロック
6 シリンダヘッド
26 吸気カム軸
38 可変バルブタイミング装置
40 油圧アクチュエータ
42 オイル制御弁
82 進角側オイル通路
84 遅角側オイル通路
86 ドレンオイル通路
88 作動油用オイル通路
96 オイルフィルタガスケット
98 メッシュ板
100 ゴムコート板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an oil filtering structure, and more particularly to an oil filtering structure that filters oil flowing in an oil passage and prevents oil leakage in an engine having a variable valve timing device.
[0002]
[Prior art]
In a vehicle engine, in order to improve various functions required, a variable valve timing device is provided that varies the valve timing of the intake and exhaust valves by changing the rotational phase of the camshaft relative to the rotation of the crankshaft. .
[0003]
That is, as shown in FIG. 44, in the
[0004]
The
[0005]
44 and 49, the
[0006]
Further, as shown in FIGS. 45 to 47, the
[0007]
In addition, as shown in FIG. 47, the
[0008]
The
[0009]
The
[0010]
In the variable
[0011]
By the way, in the
[0012]
Therefore, an invention in which an oil filter that is detachable from an opening provided outside the engine is provided in the hydraulic oil passage on the upstream side (oil pump side) of the oil control valve is disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 7-44202. Has been. Moreover, as a structure of a gasket filter, it is disclosed by Unexamined-Japanese-Patent No. 11-333228, for example. In this publication, a disk-shaped gasket filter is constituted by a central filter portion and a gasket portion surrounding the filter portion.
[0013]
Conventionally, in order to remove foreign matters such as dust contained in a fluid, a structure provided with a filter is used so as to block a flow path of a fluid such as a liquid. A mesh plate is disposed between the gas flow holes of the pair of ring-shaped members constituting the gasket which is such a structure, and the pair of ring-shaped members are bonded with an adhesive or mechanically crimped. In addition, it has a structure that is integrated with each other, and the hole edge part of each fluid flow hole that opens on one surface of the disk is lowered by one step to provide a recessed part, and a mesh plate is placed in this recessed part, and the peripheral part of this mesh plate There is a structure or the like in which each of the fluid flow holes is adhered to an opposing surface of a hole edge portion with an adhesive. In this way, in the gasket having a structure bonded with an adhesive, the bonded portion is likely to be incomplete, and the mesh plate may fall off or come off due to the flow resistance of the fluid, and the filter function will not be performed. . In addition, in the gasket having a structure in which the mesh plate is accommodated in the recessed portion, it is necessary to form a recessed portion at the edge portion of each fluid circulation hole and to attach each mesh plate to the opposing surface of the recessed portion separately. In addition, there is no problem when the fluid flows in the direction toward the step surface. However, when the fluid flows in the opposite direction of the step surface, there is a problem that the adhesive surface easily peels due to the resistance.
[0014]
In order to solve such problems, there is a gasket with a filter in which an elastic material such as rubber or plastic is used as a gasket body, and a mesh plate as a filter is welded and integrally formed. Such a structure of a gasket with a filter solves the problem of displacement and peeling of the mesh plate and labor of manufacturing by integrating the mesh plate with the elastic material (see Japanese Patent Laid-Open No. 9-108521). .
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
However, conventionally, in an engine provided with a variable valve timing device, in the invention disclosed in Japanese Utility Model Laid-Open No. 7-42402, when foreign matter is present in the hydraulic fluid returned from the hydraulic actuator to the oil control valve, This foreign matter cannot be removed, and the foreign matter may be caught between the spool and the spool hole, which may hinder the operation of the oil control valve, and the oil filter may be at the intersection of the oil passages orthogonal to each other. Since the hydraulic oil is arranged and flows from the opening of the cylindrical filter and flows out from the side surface, the pressure loss of the hydraulic pressure is large, which causes a decrease in the responsiveness of the variable valve timing device.
[0016]
Further, as an improvement plan of the problem of Japanese Utility Model Laid-Open No. 7-44202, as shown in FIG. 45, the advance side and the retard
[0017]
46 to 48, when the
[0018]
Furthermore, in conventional gaskets with a filter, it is difficult to align the position of the weld between the mesh plate and the elastic material, the shift is likely to occur, and depending on the degree of welding, there are inconveniences such as blocking the holes of the mesh plate, In addition, there is a disadvantage that the cost of welding increases.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, in order to eliminate the inconvenience described above, the present invention provides a filter for filtering oil flowing through an oil passage connected to an oil control valve of a variable valve timing device attached to the main body of the engine, and an oil passing through the filter. A seal member is provided to prevent leakage outside the oil passage. The filter is formed of a mesh plate, and elastic plates having elastic members are provided on both sides of the mesh plate, and holes are formed in the respective elastic plates at locations corresponding to the oil passages. An oil filter gasket in which each elastic plate is integrated is disposed between the oil control valve and the main body of the engine. In the oil filtration structure, The elastic plate is formed by adhering elastic members to both surfaces of the plate-like member, and the thickness of the elastic member arranged on the mesh plate side is arranged on the oil control valve or the engine main body side. Formed larger than the thickness of the elastic member It is characterized by that.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
This invention An oil filtration structure in which an oil filter gasket in which a mesh plate forming a filter for filtering oil and elastic plates provided on both sides of the mesh plate is integrated is disposed between an oil control valve and an engine main body. The elastic plate is formed by adhering elastic members to both surfaces of the plate-like member, and the thickness of the elastic member arranged on the mesh plate side is arranged on the oil control valve or the engine main body side. It is formed to be larger than the thickness of the elastic member, preventing a decrease in surface pressure and insufficient adhesion to the mesh plate, preventing oil leakage and bleeding, and improving the reliability of the oil filter gasket. In addition, it is easy to install and remove the oil filter gasket, reduce the processing and assembly costs and improve the maintenance in the market, and further, by the oil filter gasket that integrates the function of the oil filter and the function of the gasket, Reduce the number of parts Can The
[0021]
【Example】
Embodiments of the present invention will be described in detail and specifically with reference to the drawings. 1 to 21 show a first embodiment of the present invention. 19 to 21, 2 is a multi-cylinder (3-cylinder) engine mounted on a vehicle (not shown), 4 is a cylinder block, 6 is a crank lower case, 8 is a cylinder head, 10 is a cylinder head cover, and 12 is It is an oil pan.
[0022]
A
[0023]
An
[0024]
The
[0025]
The variable
[0026]
As shown in FIG. 19, the
[0027]
10 and 18, the
[0028]
The
[0029]
As shown in FIG. 19, the
[0030]
Further, the
[0031]
In the variable
[0032]
As shown in FIGS. 10, 15, 18, and 19, an oil filter that is an oil filtration gasket is provided between the housing
[0033]
The
[0034]
The
[0035]
Each of the plate-
[0036]
Each
[0037]
Examples of the adhesive include urea resin, melamine resin, phenol resin, epoxy resin, vinyl acetate, cyanoacrylate, polyurethane, α-olefin-maleic anhydride resin, and aqueous polymer-isocyanate. , Reactive acrylic resin type, modified acrylic resin type, vinyl acetate resin type emulsion type, vinyl acetate copolymer resin type emulsion type, EVA resin type emulsion type, acrylic resin type emulsion type, EVA type hot melt type, elastomer type hot melt type Mold, polyamide hot melt type, synthetic rubber solvent type, synthetic rubber latex type adhesive, solvent type rubber type, water type rubber type, solvent type acrylic type, water type acrylic type, silicone type, hot melt type, It is selected from materials such as a pressure-sensitive adhesive such as a liquid curing type.
[0038]
In the
[0039]
The
[0040]
As shown in FIG. 1, the
[0041]
The first rubber coated plate 100-1 is formed with first bolt holes 100-1A, 100-1A, 100-1A, 100-1A corresponding to the intermediate bolt holes 98A, 98A, 98A, 98A on the periphery. The first through hole 100-1B as a hole corresponding to the intermediate through
[0042]
The second rubber coat plate 100-2 is formed in the same manner as the first rubber coat plate 100-1. The second rubber coated plate 100-2 is formed with second bolt holes 100-2A, 100-2A, 100-2A, 100-2A corresponding to the intermediate bolt holes 98A, 98A, 98A, 98A on the periphery. In addition, a second through hole 100-2B is formed as a hole corresponding to the intermediate through
[0043]
The
[0044]
Therefore, as shown in FIG. 2, the
[0045]
Thus, as shown in FIGS. 15 and 16, an
[0046]
Next, the operation of the first embodiment will be described.
[0047]
In the
[0048]
Further, when the valve timing is shifted to the retard side, the
[0049]
By the way, since the downstream hydraulic oil returned from the
[0050]
Similarly, the upstream hydraulic oil pressure-fed from the
[0051]
The
[0052]
Further, since oil leakage between the oil passages of the advance
[0053]
Furthermore, the
[0054]
That is, since the
[0055]
Further, the filter is formed of a
[0056]
Furthermore, the
[0057]
FIG. 22 shows a second embodiment of the present invention.
[0058]
In the following embodiments, portions having the same functions as those in the first embodiment will be described with the same reference numerals.
[0059]
The features of the second embodiment are as follows. That is, in the
[0060]
According to the configuration of the second embodiment, as shown in FIG. 46 of the prior art, when a filter is installed in the oil passage, the passage cross-sectional area of that portion decreases, and when foreign matter hangs on the filter, the cross-sectional area of the passage further increases. Therefore, the responsiveness of the
[0061]
In the second embodiment, when the
[0062]
FIG. 25 shows a third embodiment of the present invention.
[0063]
The features of the third embodiment are as follows. That is, the outer shape S1 of the
[0064]
According to the configuration of the third embodiment, when the
[0065]
FIG. 26 shows a fourth embodiment of the present invention.
[0066]
The features of the fourth embodiment are as follows. In other words, in the
[0067]
According to the configuration of the fourth embodiment, if the thickness of the
[0068]
FIG. 27 shows a special configuration of the present invention and shows a fifth embodiment.
[0069]
The features of the fifth embodiment are as follows. That is, in the
[0070]
According to the configuration of the fifth embodiment, even when clogging occurs in the mesh portion of the
[0071]
28 to 38 show a sixth embodiment of the present invention.
[0072]
The features of the sixth embodiment are as follows. That is, as shown in FIGS. 29 and 30, the
[0073]
On each surface of the first and second rubber coats 100-1 and 100-2 on the
[0074]
Further, as shown in FIG. 31, each
[0075]
As a result, the
[0076]
The
[0077]
Therefore, the
[0078]
The
[0079]
As the
[0080]
Further, as shown in FIGS. 34, 35, and 36, four first valve side bolt hole portions 138-1A, 138-1A, 138-1A on the four sides of the valve housing
[0081]
Also, a first hydraulic oil port portion 138-1E having a portion projecting to the first retarded-side valve port portion 138-1D side of the valve housing
[0082]
Further, in the substantially square valve
[0083]
37, when the
[0084]
According to the configuration of the sixth embodiment, the
[0085]
FIG. 39 shows a seventh embodiment of the present invention.
[0086]
The features of the seventh embodiment are as follows. That is, the
[0087]
According to the structure of the seventh embodiment, the sealing performance is improved by the elastic force of the first and second elastic members 106-1 and 106-2, which are plate-like members having a predetermined thickness T3, and the structure is simplified. Can be inexpensive.
[0088]
FIG. 40 shows an eighth embodiment of the present invention.
[0089]
The features of the eighth embodiment are as follows. That is, in the
[0090]
According to the configuration of the eighth embodiment, since the punching
[0091]
FIG. 41 shows a ninth embodiment of the present invention.
[0092]
The features of the ninth embodiment are as follows. That is, in the
[0093]
The sheet member 164 is made of a sheet such as a joint sheet, a beater sheet, a cork rubber, a cellulose fiber, or a graphite sheet.
[0094]
The joint sheet is a sheet-like gasket material produced by mixing organic fibers such as aromatic polyamide fibers and polyethylene fibers or by mixing and heating and pressing them. The beater sheet is a sheet-like gasket material manufactured by a papermaking method in which inorganic fibers such as organic fibers or glass fibers, carbon fibers, ceramic fibers, or a mixture thereof are mixed as a main material and rubber latex is mixed as a binder. It is. A cork rubber is produced by kneading corrugated particles and a rubber compound, which are adjusted in particle size, and heating and pressing. Cellulose fiber is made of paper made of cotton, chemical valves, etc., and these are treated with light-colored material, rubber or the like. The graphite sheet is a flexible material having a laminated structure in which flake graphite produced mainly in nature is expanded and formed into a sheet shape.
[0095]
According to the configuration of the ninth embodiment, since the punching
[0096]
FIG. 42 shows a special configuration of the present invention and shows a tenth embodiment.
[0097]
The features of the tenth embodiment are as follows. That is, the
[0098]
According to the configuration of the tenth embodiment, since the
[0099]
FIG. 43 shows a special configuration of the present invention and shows an eleventh embodiment.
[0100]
The features of the eleventh embodiment are as follows. That is, in the
[0101]
According to the configuration of the eleventh embodiment, the sealing performance can be improved by the strong restoring force of each inner bead 184 and outer bead 186 of the first and second plate-like members 104-1 and 104-2.
[0102]
【The invention's effect】
As is apparent from the detailed description above, according to the present invention, An oil filtration structure in which an oil filter gasket in which a mesh plate forming a filter for filtering oil and elastic plates provided on both sides of the mesh plate is integrated is disposed between an oil control valve and an engine main body. The elastic plate is formed by adhering elastic members to both surfaces of the plate-like member, and the thickness of the elastic member arranged on the mesh plate side is arranged on the oil control valve or the engine main body side. It is formed to be larger than the thickness of the elastic member, preventing a decrease in surface pressure and insufficient adhesion to the mesh plate, preventing oil leakage and bleeding, and improving the reliability of the oil filter gasket. In addition, it is easy to install and remove the oil filter gasket, reduce the processing and assembly costs and improve the maintenance in the market, and further, by the oil filter gasket that integrates the function of the oil filter and the function of the gasket, The number of parts can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view of an oil filter gasket.
FIG. 2 is a plan view of an oil filter gasket.
FIG. 3 is a cross-sectional view in which an oil filter gasket is integrated with a grommet.
FIG. 4 is a cross-sectional view in which an oil filter gasket is integrated by caulking.
FIG. 5 is another cross-sectional view in which an oil filter gasket is integrated by caulking.
FIG. 6 is an enlarged cross-sectional view of an oil filter gasket.
7 is a cross-sectional view of an oil filter gasket taken along line VII-VII in FIG.
FIG. 8 is a cross-sectional view of an oil filter gasket.
FIG. 9 is a schematic cross-sectional view of an oil filter gasket.
FIG. 10 is a sectional view in which an oil filter gasket is provided between the oil control valve and the engine body.
FIG. 11 is an enlarged cross-sectional view of a state where an oil filter gasket is compressed.
FIG. 12 is a cross-sectional view of an intermediate position of the oil control valve.
FIG. 13 is a cross-sectional view of a state in which the oil control valve operates to the advance side.
FIG. 14 is a cross-sectional view of a state where the oil control valve is operated to the retard side.
FIG. 15 is a cross-sectional view of a state in which the hydraulic actuator is operated to the advance side.
FIG. 16 is a cross-sectional view of a state where the hydraulic actuator is operated to the retard side.
FIG. 17 is a partially enlarged front view of the engine.
FIG. 18 is a cross-sectional view of a timing chain cover.
FIG. 19 is a cross-sectional view of an engine.
FIG. 20 is a front view of the engine.
FIG. 21 is a plan view of the engine.
FIG. 22 is a cross-sectional view of an oil filter gasket in the second embodiment.
FIG. 23 is a sectional view in which an oil filter gasket is attached with a stud bolt in the second embodiment.
FIG. 24 is a cross-sectional view in which an oil filter gasket is mounted with a normal mounting bolt in the second embodiment.
FIG. 25 is a cross-sectional view of an oil filter gasket in the third embodiment.
FIG. 26 is a cross-sectional view of an oil filter gasket in the fourth embodiment.
FIG. 27 is a plan view of an oil filter gasket in the fifth embodiment.
FIG. 28 is a plan view of an oil filter gasket in the sixth embodiment.
29 is a cross-sectional view of an oil filter gasket taken along line XXIX-XXIX in FIG. 28.
FIG. 30 is an enlarged cross-sectional view of an oil filter gasket.
31 is a cross-sectional view taken along line XXXI-XXXI in FIG.
32 is a sectional view taken along line XXXII-XXXII in FIG.
FIG. 33 is a diagram of a mounting surface of a timing chain cover in the sixth embodiment.
34 is a view in which an oil filter gasket is joined to the mounting surface of the timing chain cover of FIG. 30. FIG.
FIG. 35 is a view of the valve mounting surface of the first oil control valve in the sixth embodiment.
FIG. 36 is a view of a valve side mounting surface of a second oil control valve in a sixth embodiment.
37 is a view in which an oil filter gasket is joined to the valve mounting surface of the first oil control valve in FIG. 35. FIG.
38 is a view in which an oil filter gasket is joined to the valve side mounting surface of the second oil control valve of FIG. 36. FIG.
FIG. 39 is a sectional view of an oil filter gasket in the seventh embodiment.
FIG. 40 is a perspective view of an oil filter gasket according to an eighth embodiment.
FIG. 41 is a perspective view of an oil filter gasket according to a ninth embodiment.
42 is a sectional view of an oil filter gasket according to a tenth embodiment. FIG.
FIG. 43 is a sectional view of an oil filter gasket according to an eleventh embodiment.
FIG. 44 is a cross-sectional view of a conventional engine.
FIG. 45 is a cross-sectional view of a conventional timing chain cover.
FIG. 46 is a schematic plan view of a conventional engine.
FIG. 47 is a bottom view of an oil control valve in the prior art.
48 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. 47. FIG.
FIG. 49 is a cross-sectional view showing a state in which the hydraulic actuator is operated to the advance side in the prior art.
FIG. 50 is a cross-sectional view showing a state in which a hydraulic actuator is operated to a retard side in the related art.
[Explanation of symbols]
2 Engine
4 Cylinder block
6 Cylinder head
26 Intake camshaft
38 Variable valve timing device
40 Hydraulic actuator
42 Oil control valve
82 Advance oil passage
84 Delayed oil passage
86 Drain oil passage
88 Oil passage for hydraulic oil
96 Oil filter gasket
98 mesh board
100 Rubber coated board
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