JP3802683B2 - High purity titanium plate for titanium target material and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス製造あるいは液晶等の表示素子製造等に使用されるチタンターゲット材用の、緻密な板面金属組織を有し、マクロ模様が均一な高純度チタン板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超LSI(VLSI:Very Large Scale Integrated circuit)や液晶等の表示素子の急激な高集積化に伴い、ゲート電極材、拡散バリア材料、配線材等として、高融点かつ低抵抗の金属である高純度チタンの実用化が進められている。これら電子材料としてのチタン材は、主としてスパッタリングによって形成される。このために、スパッタリングのターゲット材用として高純度チタン材の需要が急増している。
これらの電子材料用に使用するチタン材は、その純度が非常に重要であり、高純度のものが要求されている。例えば、Fe、Ni、Cu等の不純物金属元素は半導体素子のリーク電流増大を惹起し、U、Th等の放射性元素はソフトエラーの原因となることから、これらの元素の混入が厳しく制限されている。
【0003】
このような高純度チタン材は、普通、次のような工程で製造される。
まず、Mg還元法(クロール法)による高純度スポンジチタンを、または沃化物法あるいは溶融塩電解精製法で得られた高純度チタン析出物を原料として、真空アーク溶解炉(VAR)あるいは電子ビーム溶解炉(EBR)で溶解し、蒸気圧の高いアルカリ金属類を蒸散除去した後、インゴットとする。
【0004】
このインゴットには、最終製品の形状に応じた種々の加工が施される。すなわち、インゴットを熱間圧延してビレット、棒材、板材、線材等に加工する方法(特開昭63−212061号公報参照)、インゴットを鍛造加工および圧延加工して形状を整える方法(特開平8−232061号公報、特開平5−255843号公報参照)が知られている。また、加工中のコンタミネーション(酸化や不純物ガス成分の吸収など)を防止するため、室温近傍の温度での冷間加工によって所定の形状に加工する方法もある(特開平3−130339号公報参照)。
【0005】
ところで、チタンの冷間圧延の際には、チタンとロール表面が焼き付き現象を起こし易いことから、冷延素材の結晶粒径Dに関連づけて圧延ロール径Yを一つの実験式から得られる値以下になるように選ぶ方法が知られている(特公昭63−48602号公報参照)。この技術では、デスケールしたチタン素材の表面と圧延ロールとの間に存在する潤滑油の流体特性に起因するオイルピットの発生を防止することができる。なお、この実験式によると圧延ロール径Yは結晶粒径Dにほぼ反比例するように、すなわち、冷延素材の結晶粒径Dが大きくなるほどロール径Yを小さく選ばなければならない。
一方、高純度チタン材の他の製造方法として、上述の高純度チタン析出物を圧縮容器に封入した後、HIP(熱間静水圧加工装置)で加熱・加工して直接所望の形状を得る方法もある(特開平8−277427号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、主として、高純度の原料をその純度を損ねずにターゲット材として望ましい形状に近い形まで加工することにその技術的主眼を置いたものであるため、技術革新が激しく、ターゲット材に対する要求品質水準が高くなる一方であるVLSI分野では、その要求品質に十分に応えられない事態も発生している。このようなターゲット材の要求品質を達成できない原因として、例えば、圧延加工組織の残存、粗大結晶粒の混在、不均一な結晶粒径分布、好ましくない集合組織の存在、集合組織のバラツキ等の影響が考えられるが、十分な検討は行われていないのが実状である。
【0007】
ところで、高純度チタン材を製造するための原素材、すなわち溶解して製造したインゴットや粗加工を施したスラブやビレット等を、さらに鍛造、圧延、熱処理等を行って展伸材にする場合、原素材の持つマクロ組織が加工工程を経ても引き継がれ、展伸材に加工しても肉眼で認識できる金属組織の模様(以下、マクロ模様と呼ぶ)が存在するのが普通である。このマクロ模様も、上記のようなターゲット材の要求品質を達成できない原因の一つであると考えられる。なお、このマクロ模様の存在は、光学顕微鏡などの観察では看過されることも多く、従来、定量的には十分に把握されて来なかった。
【0008】
ここで、マクロ組織とマクロ模様の差異について述べる。
通常、金属組織学でいうマクロ組織は、鋳造組織や加工組織の現出に使用される適当な金属組織現出用酸液(例えば、硝弗酸)を用いてエッチングすることで得られる。鋳造組織や加工組織の場合、酸液の腐食作用を受けて、加工歪が集中するメタルフロー部、格子欠陥密度の高い結晶粒界、コロニーと呼ばれる結晶方位がほぼ揃った領域の間の境界などが優先的に侵食されて模様として肉眼で認識される。
【0009】
一方、マクロ模様とは、原素材、すなわちインゴット若しくはそれを途中まで加工した材料中に存在する比較的粗大な結晶粒、およびそれに含まれていたコロニーなどが、展伸加工途中の塑性変形と熱履歴を受けて、形状、大きさ、それらの分布を変化させた名残として、展伸材の板面を研磨しマクロエッチングすると痕跡程度の模様として認識されるものを指す。このマクロ模様は、境界が不明瞭で上述のマクロ組織におけるような明瞭な金属組織的特徴との対応が困難な場合が多い。マクロ模様の内部には通常の光学顕微鏡で観察されるミクロ組織を含んでおり、限られた狭い領域で観察した場合、一見ミクロ組織が均一に見える場合もあるが、このミクロ組織の大部分はその祖先であるマクロ組織の結晶学的な配向性を継承しているので、肉眼レベルでは明瞭なマクロ模様が観察されることになる。
【0010】
本発明者らは、このマクロ模様がターゲット材の品質に及ぼす影響について考察した。すなわち、このようなマクロ模様が不均一な圧延製品から製造したターゲット材を用いてスパッタリングすると、スパッタ粒子の放出方向分布、放出速度分布、放出エネルギー分布が、マクロ模様の持つ結晶学的配向性に左右されるため、スパッタ粒子が基盤に付着するスピードに差が出てきて付着膜厚の不均一性や配向性の不均一性の問題が生じるものと考察した。
【0011】
したがってターゲット材の表面は、マクロ模様が均一であることが要求される。またターゲット材の表面は使用中に荒れてくるので、研磨・整面して継続使用されるため、ターゲット材用のチタン材には、板面での均一性だけでなく板厚方向での均一性も要求される。
また、本発明者らが別途研究したところ、上記特公昭63−48602号公報に記載の従来技術では、結晶粒径に対して圧延ロール径が小さすぎると、圧延時に剪断変形が表面近傍に集中するため、結晶の粒界で割れるという新たな問題が引き起こされることが判明した。
【0012】
そこで本発明の課題は、半導体デバイスあるいは液晶等の表示素子等において、スパッタリングにより形成したチタン付着膜の膜厚や配向性が均一となるよう、緻密な板面金属組織を有し、マクロ模様が均一なチタンターゲット材用高純度チタン板およびその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、チタンターゲット材において、上記マクロ模様が不均一であるとスパッタリング法により形成された膜厚の不均一性や配向性の不均一性を惹起させるとの認識から、鋭意研究を進めた結果、VLSI用として十分に使用可能な、工業的に製造し得るターゲット材用チタン板およびその製造法を発明するに至った。
【0014】
すなわち上記課題を解決するための本発明の第1発明チタン板は、冷間加工組織をなし、任意のL断面における全板厚断面の、結晶粒を直線的に貫通して生成する直線あるいは笹の葉型のバンド状の形状を有する機械的双晶の面積率が25%以上であることを特徴とするチタンターゲット材用高純度チタン板である。また第2発明チタン板は、再結晶組織をなし、板面に平行な任意の面におけるコロニー組織の面積率が10%未満である冷延焼鈍板であることを特徴とするチタンターゲット材用高純度チタン板である。
【0015】
つぎに上記課題を解決するための本発明の第1発明法は、冷間圧延時の圧延ロール回転数Rc(rps)を、圧延ロール直径D(mm)に応じて(1)式で示される範囲に制御しながら、圧下率6%以上の冷間圧延を行うことにより、冷間加工組織をなし、任意のL断面における全板厚断面の機械的双晶面積率が25%以上である冷延板とすることを特徴とするチタンターゲット材用高純度チタン板の製造方法である。
【0016】
【0017】
そして、熱間加工時に生成したスケールを表面に付けたままで冷間圧延することが好ましい。また、熱間加工時に生成したスケールを表面に付けたまま、大気中で焼鈍を行った後、スケールを残したままで冷間圧延することもでき、また、熱間加工時に生成したスケールを表面に付けたまま、真空クリープ矯正機内で焼鈍を行った後、スケールを残したままで冷間圧延することもできる。
さらに、表面スケールを除去した冷間圧延素材を、該素材の結晶粒径d (μm)に応じて、直径D(mm) が(2)式の関係を満たす圧延ロールで冷間圧延することもできる。
【0018】
D≧1.033 d0.504 (2)
【0019】
また第2発明法は、上記第1発明法で得られたチタン板を、大気中または真空クリープ矯正機内で焼鈍することにより、再結晶組織をなし、板面に平行な任意の面におけるコロニー組織の面積率が10%未満である冷延焼鈍板とすることを特徴とするチタンターゲット材用高純度チタン板の製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、基本的には以下の製造工程を前提として構築されたものである。
通常、高純度チタン展伸材の製造は、真空アーク溶解炉(VAR)や電子ビーム再溶解炉(EBR)において高純度原料を溶解後、金属状態の円柱状インゴットまたは矩形断面インゴットに鋳造される。VARインゴットは、その形状のため、直接、板圧延などの素材とされることは稀で、鍛造機、大型プレス機あるいは分塊圧延機と呼ばれる専用設備により、円柱の形状を扁平な矩形断面状のスラブに成形することが多い。またEBRインゴットは円柱状や矩形断面のインゴットであり、やはり鍛造機や分塊圧延機などで後工程の板圧延機で操業し易い矩形断面スラブに成形される。
【0021】
これらの分塊鍛造スラブや分塊圧延スラブなどは、所定の厚さまでさらに熱間加工し、必要に応じて歪取りとミクロ組織の調整を目的とした焼鈍を行い、冷間加工用の素材とする。そしてこの素材を冷間加工して第1発明のチタン板とし、さらに焼鈍を行って第2発明のチタン板とする。ターゲット材とするには、本発明チタン板をさらに仕上がり寸法まで切断と研削して製品とする。
【0022】
本発明のチタンターゲット材用高純度チタン板において、高純度チタンとは純度が4N(99.99%)以上のものを指す。なおこのとき、ガス成分のO、N、Hについては純度表示にカウントしないものとする。この純度のものであれば、スパッタリングのターゲットにした場合、製造したVLSIにおいてもリーク電流など不純物起因の問題は生じない。
【0023】
第1発明チタン板は冷間加工板であり、冷間加工組織をなし、任意のL断面における全板厚断面の機械的双晶面積率が25%以上である。冷間加工としては、圧延のほか、鍛造、引抜き、繰返し曲げ、引張りなど、いずれの塑性加工法が採用されていてもかまわない。ここで、L断面とは板面に垂直で、かつ組織の延伸方向と平行な平面、すなわち圧延板の場合は圧延方向と平行な平面である。
【0024】
冷間加工用の素材は、圧延等の熱間加工を行ったもの、あるいはさらに焼鈍を行ったものであるが、前述のようにマクロ模様が不均一に存在しているので、冷間加工により機械的双晶を発生させてマクロ模様を分断する。そして、機械的双晶面積率が任意のL断面における全板厚断面で25%以上であれば、このチタン板から製造したターゲットを使用してスパッタリングを行った場合、形成されるゲート電極材、拡散バリア材料、配線材等のチタン膜は、膜厚や配向性が均一となり、半導体デバイス製造あるいは液晶等の表示素子製造等に使用され、VLSI用としても十分に使用可能である。そしてターゲット表面が荒れてきて研磨・整面し繰返し使用しても問題ない。しかもこのような第1発明チタン板は工業的に安定して製造し得る。
【0025】
第2発明チタン板は冷間加工後に焼鈍された板であり、再結晶組織をなし、板面に平行な任意の面におけるコロニー組織の面積率が10%未満である。
ここで、コロニー組織の面積率を次のような技術思想から定義した。マクロ模様の内部には通常の光学顕微鏡で観察されるミクロ組織を含んでいるものの、マクロ模様は境界が不明瞭で、上述のマクロ組織におけるような明瞭な金属組織的特徴との対応が困難な場合が多い。本発明では下記に述べるようなカラーエッチング法を利用した判定方法で板面の結晶方位の分布不均一性を定量評価した。
【0026】
ASM発行 Metal Progress 1985年 3月号31頁所収の George F. Vander Voort 著、「Tint Etching」の解説論文の表−1に、チタン並びにチタン合金用のカラーエッチング法が紹介されている。この論文では、Weck氏エッチング液(5g・NH4 FHF+100mL・water 、あるいは3g・NH4 FHF+4mL・HCL+100mL・water)を用いると、偏光顕微鏡観察した場合、結晶方位に依存して結晶粒が着色できることが述べられている。
【0027】
まず、判定の対象となる板材から顕微鏡観察用サンプル(幅25mm×長さ50mm×厚さ)を5枚採取し、板厚中心部の板面に平行な面について、通常のミクロ組織を顕微鏡観察するのと同じ程度の鏡面研磨を施し、上記Weck氏エッチング液(5g・NH4 FHF+100mL・water)を用いてカラーエッチングした。ノマルスキー型偏光顕微鏡を用いて着色した結晶粒の分布を倍率25倍(対眼レンズ10倍、フィルターなしで対物レンズ 2.5倍)でカラーフィルム(ISO100)で撮影し、最終倍率34倍でA4紙サイズのカラー写真に仕上げた。撮影は各サンプル3視野で行った。
【0028】
肉眼で識別できるマクロ模様を顕微鏡観察するときは、上記の様に25倍程度とするのが、(1) マクロ模様との対応、(2) 各結晶粒の区別、(3) 結晶粒毎の色差の判別に関して最適であった。マクロ模様部分の全部又は一部分を撮影したカラー写真をカラースキャナーを用いて計算機に取り込み、金属組織用画像解析ソフトを用いて結晶粒毎にその色を決定した。物体色データの決定は使用するカラースキャナーにより異なる。
【0029】
RGB表色系の三刺激値R、G、BからXYZ表色系の三刺激値X、Y、Zに変換し、さらに、JIS Z 8729に規定される方法でL* a* b* 表色系の物体色データL* 、a* 、b* とするか、あるいは直接物体色データL* 、a* 、b* データを得る。本発明では両方の方法で得たデータを区別せず使用した。これによって、結晶粒の代表的結晶方位をカラーエッチで着色された結晶粒の物体色(写真に仕上げたもの)として測定できた。
【0030】
マクロ模様が肉眼で全く判別できない材料では個々の結晶粒に対応する色の分布がランダムであったが、マクロ模様が明瞭に判別できる材料では同系色の色の結晶粒が集団でコロニー状に分布していることが分かった。各結晶粒の色の分布のランダム性の指標として、本発明では、個々の結晶粒の物体色の色差をJIS Z 8730の色差表示法
ΔE* ab=[(ΔL* )2 +(Δa* )2 +(Δb* )2 ]1/2
で表示した。
【0031】
二つの結晶粒がある場合、それぞれの物体色の色差ΔE* abが 5.0未満の場合に同系色と判断し、 5.0以上の場合は別系色とした。同系色の物体色を持つ隣り合う結晶粒が作る集団の面積が 40000μm2 以上の場合、これらの集団をコロニー組織と定義し、マクロ模様の不均一性を、板面の金属組織全体に占めるこれらのコロニー組織の面積率で定義した。
【0032】
冷間加工後に焼鈍したチタン板においては、板面に平行な任意の面におけるコロニー組織の面積率が10%未満であれば、このチタン板から製造したターゲットを使用してスパッタリングを行った場合、形成されるゲート電極材、拡散バリア材料、配線材等のチタン膜は、膜厚や配向性が均一となり、液晶素子用ならびにVLSI用としても十分に使用可能である。
【0033】
つぎに本発明の第1発明法は、熱間加工された素材を冷間圧延することにより、全板厚範囲にわたって所定量の機械的双晶を発生させ、上記第1発明チタン板を製造する方法である。
本発明では、高純度チタン板の不均一性の原因をマクロ模様に起因するものとして捉えている。チタンターゲット材用高純度チタン板を冷間圧延により製造する際、その素材の熱間加工材に存在するマクロ模様を、機械的双晶を発生させることによって全板厚範囲で破壊する。その条件として、冷間圧延時の圧延ロール回転数Rc(rps,回/秒)を、圧延ロール直径D(mm)に応じて上記(1)式で示される範囲に制御しながら、圧下率6%以上の冷間圧延を行う。
【0034】
高純度チタンや工業用高純度チタンあるいはチタン合金など、主たる構成相の結晶構造が六方晶である材料を塑性加工するとき、辷り変形の他に機械的双晶が発生し、塑性加工歪をかなりの割合で担うことが知られている(例えば、「金属チタンとその応用」、日刊工業新聞社、昭和58年刊)。このとき、機械的双晶の形状は直線あるいは笹の葉型のバンド状で、結晶粒を直線的に貫通して生成する。
【0035】
そのため、加えられた平均歪量に比べてはるかに大きな塑性歪を局部的に与えることができるばかりでなく、コロニー組織を構成する比較的大きな結晶粒でも効率良く分断し、その内部の結晶方位の分散度を高くすることができる。したがって機械的双晶の発生によりマクロ模様を効果的に破壊できる。機械的双晶の生成後は辷り変形が主に塑性変形歪を担うことになるが、辷り変形は既に機械的双晶により分断されてできたサブ結晶粒の内部で活動するので、コロニー組織を破壊する能力は機械的双晶に比べて小さい。
【0036】
チタンは熱伝導性が悪いため、塑性加工時に歪速度を大きくすると発生する熱が外部に発散せず材料の温度が上昇し易い。また機械的双晶は材料温度が上がるにつれてその生成が減少することが知られている。そこで、高純度チタン材において機械的双晶の発生量と冷間加工条件との関係を詳しく調べた。また、ターゲット材には板面マクロ模様の均一性と緻密性が板厚方向にも求められていることから、機械的双晶の発生量はL断面すなわち圧延方向と板厚方向とを含む断面で全板厚範囲にわたって観察し、面積率を求めた。
【0037】
純度4N5レベル(99.995%以上)の高純度チタン熱延板(板厚33mm)を、真空クリープ矯正機(VCF,Vacuum Creep Flattening equipment)内で400℃×2時間保持後炉冷の VCF焼鈍を施し、黒皮ままの状態で種々のロール径を持つ冷間圧延機および厚板熱延機を用いて冷間圧延を行い、機械的双晶の面積率が25%以上となる冷間圧延条件を調査した。なお VCF焼鈍は、 VCF装置内にて熱間形状矯正と焼鈍を同時に行うことを指す。厚板・中板などレベラー矯正が困難な材料を単独あるいは積層した後、炉内を雲母粉などで充填した後、加熱しながら真空引きすると大気圧が板材に作用して微小なクリープ変形が生じて形状が矯正されて平坦な板材を製造できる。
【0038】
冷間圧延の圧延ロール直径Dは60〜1690mm、圧延ロール回転数Rcは0.1〜10rps 、潤滑は無潤滑、鉱物油、牛脂系油を適宜圧延機と組み合わせて使用した。パス毎の圧下量は、圧延ロールの損壊を防ぐため、ロール径を考慮して定めた。圧延機のロール径を大きく変えるため、実験室規模の小型圧延機や実生産用の大型熱延機を用いて室温約25℃で実験を行った。実験では冷延時の総圧下率を25%に統一して行った。
【0039】
図1は、冷間圧延の圧延ロール直径Dと圧延ロール回転数Rcを座標とし、機械的双晶の面積率が25%以上となる限界条件の曲線を示す。この曲線を含む曲線より下の領域で機械的双晶の面積率が25%以上となり、この条件を式で示したのが上記(1)式である。曲線より上の領域では、加工時の歪速度が高すぎるため双晶の発生前に辷り変形が優先しておこり機械的双晶の面積率が25%未満となる。このように、機械的双晶の発生量は塑性加工法の種類には依存しないが、加工時の歪速度には敏感であることからターゲット材の製造に当たっては従来の展伸材の場合以上に製造条件に配慮することが重要である。
【0040】
図2は、図1の関係を求める上記実験において、ロール直径D、ロール回転数Rc、潤滑条件など、種々の条件で冷間圧延したときに観察される機械的双晶面積率の最大値と圧下率との関係を示す。すなわち図2は、機械的双晶面積率を25%以上とするには、圧下率を6%以上にする必要があることを示している。 以上の実験は熱延板に VCF焼鈍を施したものについて行ったが、大気中で焼鈍を施したものについても、また焼鈍を施さないものについても、同様の結果が得られた
一方ターゲットの製造工程においては、ターゲット材を円板状に加工したりその平坦度を高めるための相当量の研削加工が必要であり、必ずしも通常の工業純度の展伸材に求められるような表面性状を冷延ままの状態で持たせる必要はない。そこで、本発明法の冷間圧延では、むしろ、黒皮スケールの潤滑効果を利用するのが好ましい。
すなわち、熱間加工工程で生成したスケールを表面に付けたままで、あるいはスケールを付けたまま大気中または VCF(真空クリープ矯正機)で焼鈍を行った後、スケールを残したままで冷間圧延するのが好ましい。
この場合、冷間圧延は、一種の機械的デスケール効果を与えるので、引き続いてショットブラストと酸洗処理を行うことで表面のデスケールを効率的に行って、そのままターゲット材素材とすることができる。
【0041】
なお従来の工業用純度の冷間圧延チタン板の製造においては、冷間圧延前に熱延板をそのままあるいは軟化のための再結晶焼鈍を行った後、ショットブラストなどの機械的デスケール処理とその後に引き続く酸洗処理を行って、熱延板の表面のスケール(酸化皮膜、黒皮とも言う)を完全に除去した後冷間圧延を行うことが常識となっている。これは、不必要な酸化やガス吸収を回避するため、冷間圧延後の板を脱脂後、そのまま真空焼鈍し、冷延板の表面性状がそのまま製品表面となる薄板製品を製造する場合が主であることによっている。
【0042】
本発明法では、上記のようにスケール付き素材を冷間圧延するのが好ましい。熱間加工まま、あるいはそれを大気中または VCFで焼鈍しただけのスケール付き状態の材料は、スケールの下に、熱間加工時の剪断変形の集中によって細粒化した部分があるため、これらが、冷延時の粒界での割れの防止に寄与する効果もある。
【0043】
しかし、やむを得ない理由、例えば一旦別の用途向けに製造した高純度チタン製品をターゲット材用とするときには、圧延素材は既にデスケールされており、表面の黒皮を除去した状態で冷延することになる。また、通常の展伸材の製造プロセスでは、製品にするための精整工程でこれらを黒皮と一緒に除去してしまうため、一旦製品に仕上げたものを再度冷間加工する際には上述のような問題が起きうる。
【0044】
そこで本発明者らは、緻密な板面金属組織を有するターゲット材を提供する観点から、5Nレベルの高純度チタン冷延素材として、大きな結晶粒径を有するEBR(電子ビーム再溶解)スラブから切り出した板厚80mmの切片(板面での平均結晶粒径55mm)、分塊スラブから切り出した板厚100mmの切片(板面での平均結晶粒径3.3mm)、熱延板(板厚50mm)を、それぞれ大気中で200℃〜790℃で30分〜2時間保持後空冷の焼鈍を施し表面を機械切削したもの(板面での平均結晶粒径1.1〜112.0μm)を用いた実験を行った。
【0045】
これらの冷延素材を、無潤滑で実験室規模の小型圧延機や実生産用の大型熱延機を用いて圧延ロール径を60〜1690mmと大きく変えて室温約25℃で冷延した。なお冷延時の総圧下率は40%に統一して行った。また、割れの発生を検知しやすくするため圧延素材の表面は機械切削後酸洗しバフ研磨して鏡面に仕上げた。圧延後の冷延板の表面を実体顕微鏡を用いて粒界での割れの有無を調べて割れが発生しない圧延条件を調べた結果、冷延素材の結晶粒径d(μm)に対し圧延ロール径D(mm)を上記(2)式を満たすように選ぶことで、粒界割れを防止できることが判明した。
【0046】
なお本発明法では、冷間加工時の機械的双晶の発生を最大限にするため圧延ロールの回転数を制限することによって加工発熱による機械的双晶の発生率低下を防止している。一方、従来のチタン及びチタン低合金の展伸材の冷間圧延において、圧延速度が定常状態に達するまでの加速段階と圧延終了に至るまでの減速段階では、圧延ロール回転数が一時的には本発明法の範囲となることが有りうる。しかし、本発明法では圧延速度が定常状態になった段階でのロール回転数を規定している。
【0047】
つぎに第2発明法について述べる。本発明の第2発明法は、上記第1発明法で得られたチタン板を大気中または真空クリープ矯正機内で焼鈍することにより、上記第2発明チタン板を製造する方法である。
第1発明法により冷間加工して、L断面における全板厚断面の機械的双晶面積率を25%以上とすることにより、冷延素材に存在したコロニー組織が機械的に破壊され緻密な組織となる。これを再結晶焼鈍すると、マクロ組織内部の結晶方位分散が進み、マクロ模様の不均一が解消されると考えられる。このような観点から本発明者らは冷間圧延時に発生する機械的双晶の面積率と、再結晶後のマクロ模様均一性との関係を調べた。
【0048】
すなわち、純度4N5(99.995%以上)レベルの高純度チタンの熱延板(板厚20mm)で黒皮がついたままの熱延板、及びそれを大気中で500℃×30分保持する焼鈍を施したやはり黒皮ままの熱延・焼鈍板を、ワークロール径270mmの4段式圧延機にてそのまま冷間圧延に供した。圧延ロールの回転数は、0.5rps とし、無潤滑で、平均各パス0.5mmの圧下を掛けて、総圧下率が5〜80%の範囲で冷延するとともに5%毎にサンプリングした。なお、各パス毎に室温(25℃)の水中に浸漬して板の温度が一定になるように注意した。
【0049】
これら圧下率の異なる冷延板のL断面における全板厚断面の機械的双晶面積率を3カ所測定し平均値を求めた。さらに、冷延板に大気中で350℃×30分保持後、空冷する焼鈍を施し、また板面に平行に深さ5mmだけ研削した後、前述のように定義したコロニー組織面積率を指標に、マクロ模様の均一性判定を行った。マクロ模様均一性は、コロニー組織面積率に応じて次のように決めた。
【0050】
評点×:コロニー組織面積率30%以上〜100%
評点△:コロニー組織面積率10%以上〜30%未満
評点○:コロニー組織面積率5%以上〜10%未満
評点◎:コロニー組織面積率0%以上〜5%未満
の4段階評価で評価し○以上が合格である。
【0051】
図3は冷延板中での機械的双晶面積率とマクロ模様均一性評点の関係を示したもので、双晶面積率が増加するにつれてマクロ模様の均一性が改善されることを示している。図3から、冷延板中の双晶面積率が25%以上のものはマクロ模様均一性が合格レベルになることがわかる。なおこの試験では平面研削ができるように冷延ままの材料を冷間ロールレベラーを通して形状矯正を行ったが、板厚を変化させないかぎり冷間ロールレベラー矯正による付加的な双晶の発生は非常に少ないことを別の実験で確認した。
【0052】
機械的双晶導入によるコロニー組織の分断効果は、熱延板の焼鈍有無や冷延圧下量には関係なく機械的双晶の占める割合でのみ決定されることが図3からわかる。なお、上記の結果は圧延という塑性加工法の一つを用いて検討を行い得られたものであるが、マクロ模様の解消に有効なのは圧延という塑性加工法ではなく、発生する機械的双晶の発生量が大きな影響を及ぼすのであり、基本的には加工方法には依存しない。
【0053】
第1発明法においてスケールを付けたままで冷延を行った材料は、往々にして加工硬化しており、ターゲット材製造時の矯正段階で曲がりにくく作業性が悪い場合がある。また、残留応力があると矯正後の切削段階でゆがみを生じ易い。そのような場合、第2発明法により冷延圧延後に焼鈍を入れて軟化させることで問題は解消される。
【0054】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説明する。
【0055】
(実施例1)
4N5の高純度チタンのスケールがついたままの熱延板(板厚32mm)及びそれを真空クリープ矯正機内で360℃×4時間保持後炉冷の焼鈍を施したやはりスケール付き熱延焼鈍板をワークロール径200mmの実験用4段式圧延機にて無潤滑で室温28℃で冷延した、圧下率は5%〜80%の範囲で変化させた。圧延ロールの回転数は1.3rps とした。これらのサンプルのL断面での双晶発生面積率の全板厚平均値を測定した。冷延板を真空クリープ矯正機内で300℃×4時間保持後炉冷の焼鈍を行い、スケール表面下2mmまで研削しさらに#320研磨を行って通常の硝沸酸系のマクロ腐食液でエッチングしてマクロ模様の目視判定を行った。その結果、表1に示すように、機械的双晶面積率が25%以上ではマクロ模様判定は合格であるものの25%未満では熱延板焼鈍の有無に関係なくマクロ模様判定は不合格であった。
【0056】
【表1】
【0057】
(実施例2)
5N5レベルの高純度チタンの熱延板(板厚27mm)を大気中で300℃×30分、450℃×30分の焼鈍および真空クリープ矯正機内で600℃×4時間保持後炉冷の焼鈍を施し黒皮ままの状態で60〜1690mmのロール径を持つ実験用冷間圧延機および実生産用の大型厚板熱延機を用いてロール回転数を変えて室温約27℃で冷間圧延を行い機械的双晶の発生面積率を調査求めた。潤滑は無潤滑、鉱物油、牛脂系油を適宜圧延機と組み合わせて使用した。パス毎の圧下量は圧延ロールの損壊を防ぐため、ロール径を考慮して5〜11%で実施した。なお、冷延時での総圧下率を33%に統一して行った。その結果、表2に示すように(1)式の範囲のものは双晶面積率が25%以上であった。
【0058】
【表2】
【0059】
(実施例3)
冷延素材として4N5レベルの高純度チタンのEBR(電子ビーム再溶解)薄スラブから切り出した板厚50mmの切片(板面での平均結晶粒径52mm)、熱間鍛造スラブから切出した板厚50mmの切片を大気中で500℃×30分保持後空冷(板面での平均結晶粒径4.1mm)、熱延板(板厚50mm)を大気中で500℃×30分保持空冷(板面での平均結晶粒径333μm)、真空クリープ矯正機内で840℃×5時間保持後炉冷(板面での平均結晶粒径333μm)、同じく880℃×11時間保持炉冷(板面での平均結晶粒径520μm)の焼鈍を施し表面を機械切削・酸洗・鏡面研磨したものを無潤滑で圧延ロール径と圧延ロールの回転数を変化させ室温約25℃で冷延した。なお冷延時の総圧下率は60%に統一して行った。表3から、結晶粒径d(μm)に対し圧延ロール径D(mm)を(2)式を満たすように選ぶことが粒界割れの防止に有効であることが判明した。
【0060】
【表3】
【0061】
(実施例4)
5N、4N5、4Nレベルの高純度チタンの黒皮まま熱延板(板厚25mm〜52mm、幅2800×長さ10000mm)とそれらをさらに真空クリープ矯正炉内で真空脱気しながら270℃〜475℃で30分〜4時間の加熱保持を行い形状矯正と焼鈍を同時に行った黒皮付き焼鈍板を用いた。圧延ロール径と圧延ロールの回転数を変化させ総圧下率40%の無潤滑の冷間圧延を室温約42℃で行った。なお、真空クリープ処理を行っても熱延板の黒皮は一部が変色するだけスケールの厚みに大きな変化はなかった。冷間圧延後一部分からサンプルを採取し機械的双晶の発生面積率を測定した。冷延後、いずれの冷延板も各々通常の大気焼鈍(555℃×30分加熱保持後空冷)と真空クリープ矯正機内での焼鈍(450℃×4時間保持後炉冷)を行った後、上述の方法で板面のマクロ模様の評点を付けた。結果は表4に示すようにいずれの焼鈍でも疵の評点には差がなかった。双晶発生面積率を上記知見に従って制御したものではマクロ模様の改善が確認できた。
【0062】
【表4】
【0063】
本発明に於ては実施例として焼鈍は大気焼鈍および真空クリープ矯正機内での焼鈍について取り扱ったが、焼鈍時における酸化やガス吸収は極力避けるべきものであり、焼鈍を不活性ガス中や減圧大気中で行うことは本発明の技術思想を損なうものではない。焼鈍雰囲気の選択は飽くまでも経済的指標に基づいて行うべきものである。
なお、実施例3におけると同様に、スラブから素材を切出した素材を用いる場合、必ずしも切出した後に焼鈍を行う必要は無く、スラブを予め焼鈍しておきそれから冷間圧延素材を切出してもよい。
【0064】
又、本発明は機械的双晶の発生によりコロニー組織の破壊を行うものであり、機械的双晶が所定量生成すれば効果が発生するのであって、必ずしも冷間圧延は厳密に室温付近で行うことを必要としない。例えば約200℃より低い温間域における加工によっても所定の双晶量が生成すれば同等の効果が得られることは言うまでもないのであって本発明に含まれるべきものである。
【0065】
【発明の効果】
本発明は高純度チタンターゲット材素材に含まれているマクロ模様の解消方法を詳細に検討して、チタンターゲット材用高純度チタン板の製造工程の中で、素材の冷延工程に着目して、冷延時における全板厚にわたる機械的双晶の発生量を圧延ロール、圧延ロール回転数、圧延素材結晶粒径を制御することによって、原素材からの加工工程で引き継いできたマクロ模様を一挙に破壊・解消することを可能とする製造方法並びにそのターゲット材用高純度チタン板を提供するものである。本発明は当該ターゲット材素材、ターゲット材の品質向上、生産効率及び歩留りを向上させる経済的な効果が大きく、従来からのチタン及び低チタン合金展伸材のミクロ組織及びマクロ組織の均一化・緻密化にもその技術的思想を適用できることなどからその工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法における冷間圧延におけるロール直径とロール回転数との関係を示すグラフである。
【図2】冷間圧延における総圧下率と冷延板に発生する機械的双晶面積率との関係を示すグラフである。
【図3】熱延板及びそれを大気中で焼鈍した材料を種々の総圧延率で冷延した時の双晶面積率と冷延板を焼鈍した材料のマクロ模様評点の関係を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high-purity titanium plate having a dense plate surface metallographic structure and a uniform macro pattern for a titanium target material used for manufacturing a semiconductor device or a display element such as a liquid crystal, and a method for manufacturing the same. It is.
[0002]
[Prior art]
With the rapid integration of display elements such as VLSI (VLSI: Very Large Scale Integrated circuit) and liquid crystal, high purity, which is a metal with a high melting point and low resistance as a gate electrode material, diffusion barrier material, wiring material, etc. Titanium is being put to practical use. These titanium materials as electronic materials are mainly formed by sputtering. For this reason, the demand for high-purity titanium materials for sputtering target materials is increasing rapidly.
The purity of titanium materials used for these electronic materials is very important, and high purity materials are required. For example, impurity metal elements such as Fe, Ni, and Cu cause an increase in the leakage current of semiconductor elements, and radioactive elements such as U and Th cause soft errors. Therefore, the mixing of these elements is severely limited. Yes.
[0003]
Such a high-purity titanium material is usually manufactured by the following process.
First, high-purity sponge titanium by Mg reduction method (Kroll method) or high-purity titanium precipitate obtained by iodide method or molten salt electrolytic purification method is used as a raw material, vacuum arc melting furnace (VAR) or electron beam melting After melting in an oven (EBR) and evaporating and removing alkali metals having a high vapor pressure, an ingot is obtained.
[0004]
The ingot is subjected to various processing according to the shape of the final product. That is, a method in which an ingot is hot-rolled to be processed into billets, rods, plates, wires, etc. (see Japanese Patent Laid-Open No. 63-212061), and a method in which the shape is shaped by forging and rolling the ingot (Japanese Patent Laid-Open No. No. 8-23261 and JP-A-5-255843) are known. Also, there is a method of processing into a predetermined shape by cold working at a temperature near room temperature in order to prevent contamination during processing (oxidation, absorption of impurity gas components, etc.) (see Japanese Patent Laid-Open No. 3-130339). ).
[0005]
By the way, in the case of cold rolling of titanium, since the titanium and the roll surface are likely to be seized, the rolling roll diameter Y is less than the value obtained from one empirical formula in relation to the crystal grain size D of the cold rolled material. There is known a method of selecting so as to be (see Japanese Examined Patent Publication No. 63-48602). With this technique, it is possible to prevent the occurrence of oil pits due to the fluid characteristics of the lubricating oil existing between the surface of the descaled titanium material and the rolling roll. According to this empirical formula, the roll diameter Y must be selected so that the rolling roll diameter Y is almost inversely proportional to the crystal grain size D, that is, the larger the crystal grain size D of the cold-rolled material.
On the other hand, as another manufacturing method of high-purity titanium material, a method of directly obtaining a desired shape by enclosing the above-described high-purity titanium precipitate in a compression vessel and then heating and processing with a HIP (hot isostatic pressing device) (See JP-A-8-277427).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above prior art mainly focuses on processing a high-purity raw material to a shape close to a desired shape as a target material without impairing its purity. In the VLSI field where the required quality level for the target material is becoming higher, there is a situation where the required quality cannot be sufficiently met. The reasons why the required quality of such a target material cannot be achieved include, for example, the effects of residual rolling structure, mixture of coarse crystal grains, non-uniform crystal grain size distribution, presence of undesirable texture, texture variation, etc. However, the actual situation is that sufficient studies have not been made.
[0007]
By the way, when a raw material for producing a high-purity titanium material, that is, an ingot produced by melting, a slab or billet subjected to rough processing, is further subjected to forging, rolling, heat treatment, etc. to make a wrought material, Usually, there is a metal structure pattern (hereinafter referred to as a macro pattern) that can be recognized by the naked eye even if the macro structure of the raw material passes through the processing step and is processed into a wrought material. This macro pattern is also considered to be one of the reasons why the required quality of the target material as described above cannot be achieved. The presence of this macro pattern is often overlooked by observation with an optical microscope or the like, and has not been sufficiently grasped quantitatively in the past.
[0008]
Here, the difference between the macro structure and the macro pattern is described.
Usually, the macro structure referred to in metallography is obtained by etching using a suitable metal structure revealing acid solution (for example, nitric hydrofluoric acid) used for revealing a cast structure or a processed structure. In the case of a cast or processed structure, a metal flow part where processing strain concentrates due to the corrosive action of acid solution, a grain boundary with a high lattice defect density, a boundary between regions where crystal orientations are almost aligned, called colonies, etc. Is preferentially eroded and recognized by the naked eye as a pattern.
[0009]
On the other hand, a macro pattern is a relatively coarse crystal grain present in a raw material, that is, an ingot or a material obtained by partially processing it, and colonies included in the raw material. As a remnant of the history, the shape, size, and distribution thereof changed, this refers to what is recognized as a trace pattern when the plate surface of the wrought material is polished and macro-etched. In many cases, this macro pattern has an unclear boundary and it is difficult to correspond to a clear metal structure characteristic as in the above-described macro structure. The macro pattern contains a microstructure that can be observed with a normal optical microscope. When observed in a limited narrow area, the microstructure may appear uniform at first glance. Since it inherits the crystallographic orientation of its ancestor macro structure, a clear macro pattern is observed at the naked eye level.
[0010]
The inventors considered the influence of this macro pattern on the quality of the target material. That is, when sputtering is performed using a target material manufactured from a rolled product with such a macro pattern being non-uniform, the emission direction distribution, the emission velocity distribution, and the emission energy distribution of the sputtered particles become the crystallographic orientation of the macro pattern. Therefore, it was considered that the difference in the speed at which sputtered particles adhere to the substrate would cause problems of non-uniformity of the deposited film thickness and non-uniformity of the orientation.
[0011]
Therefore, the surface of the target material is required to have a uniform macro pattern. In addition, since the surface of the target material becomes rough during use, it is used after polishing and surface preparation, so the titanium material for the target material is not only uniform in the plate surface but also in the plate thickness direction. Sex is also required.
Further, when the present inventors separately researched, in the conventional technique described in the above Japanese Patent Publication No. 63-48602, if the rolling roll diameter is too small with respect to the crystal grain size, shear deformation concentrates near the surface during rolling. Therefore, it was found that a new problem of breaking at the crystal grain boundary was caused.
[0012]
Accordingly, an object of the present invention is to have a dense plate surface metallographic structure and a macro pattern so that the thickness and orientation of a titanium adhesion film formed by sputtering are uniform in a display device such as a semiconductor device or a liquid crystal. To provide a uniform high-purity titanium plate for a titanium target material and a method for producing the same.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In the titanium target material, the present inventors have earnestly studied from the recognition that non-uniformity of the macro pattern causes non-uniformity of the film thickness formed by sputtering and non-uniformity of orientation. As a result, the inventors have invented an industrially manufacturable titanium plate for a target material that can be used satisfactorily for VLSI and a method for producing the same.
[0014]
That is, the first invention titanium plate of the present invention for solving the above-mentioned problems has a cold-worked structure and has a total plate thickness cross section in an arbitrary L cross section.It has a straight or persimmon leaf-shaped band shape that penetrates the crystal grains linearly.Mechanical twinsofA high-purity titanium plate for a titanium target material having an area ratio of 25% or more. The second invention titanium plate has a recrystallized structure, and the area ratio of the colony structure in an arbitrary plane parallel to the plate surface is less than 10%.Cold rolled annealed plateThis is a high-purity titanium plate for a titanium target material.
[0015]
Next, the first invention method of the present invention for solving the above-described problem is expressed by the equation (1) in accordance with the rolling roll diameter D (mm) of the rolling roll rotation speed Rc (rps) at the time of cold rolling. By performing cold rolling with a rolling reduction of 6% or more while controlling to a range, a cold-worked structure is formed, and a cold having a mechanical twin area ratio of 25% or more of the entire sheet thickness section in an arbitrary L section. It is a manufacturing method of the high-purity titanium plate for titanium target materials characterized by setting it as a rolled plate.
[0016]
[0017]
And it is preferable to cold-roll with the scale produced | generated at the time of a hot working being attached to the surface. In addition, after annealing in the air with the scale generated during hot working on the surface, it can be cold rolled with the scale remaining, and the scale generated during hot working can be applied to the surface. It can also be cold-rolled with the scale left after annealing in a vacuum creep straightener.
Further, the cold-rolled material from which the surface scale has been removed may be cold-rolled with a rolling roll whose diameter D (mm) satisfies the relationship of the formula (2) according to the crystal grain size d (μm) of the material. it can.
[0018]
D ≧ 1.033 d0.504 (2)
[0019]
In the second invention method, the titanium plate obtained by the first invention method is annealed in the atmosphere or in a vacuum creep straightener to form a recrystallized structure, and a colony structure in an arbitrary plane parallel to the plate surface. It is a manufacturing method of the high purity titanium plate for titanium target materials characterized by setting it as the cold rolled annealing board whose area ratio is less than 10%.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is basically constructed based on the following manufacturing process.
Normally, high-purity titanium wrought material is produced by melting a high-purity raw material in a vacuum arc melting furnace (VAR) or an electron beam remelting furnace (EBR) and then casting it into a cylindrical ingot or a rectangular cross-section ingot. . Due to its shape, VAR ingots are rarely used directly as raw materials for sheet rolling, etc. The cylinder shape is flattened with a specially-known facility called a forging machine, large press machine or block rolling machine. Often molded into slabs. The EBR ingot is a cylindrical or rectangular ingot, and is formed into a rectangular cross-section slab that can be easily operated by a plate mill in a subsequent process using a forging machine or a block mill.
[0021]
These forged slabs and rolled slabs are further hot-worked to a specified thickness, and if necessary, annealed for the purpose of strain relief and microstructure adjustment. To do. This material is cold worked to obtain the titanium plate of the first invention, and further annealed to obtain the titanium plate of the second invention. In order to obtain a target material, the titanium plate of the present invention is further cut and ground to a finished size to obtain a product.
[0022]
In the high-purity titanium plate for a titanium target material of the present invention, high-purity titanium refers to one having a purity of 4N (99.99%) or higher. At this time, the gas components O, N, and H are not counted in the purity display. With this purity, when a sputtering target is used, problems caused by impurities such as leakage current do not occur even in the manufactured VLSI.
[0023]
The first invention titanium plate is a cold-worked plate, has a cold-worked structure, and has a mechanical twin area ratio of 25% or more in the entire plate thickness section in an arbitrary L section. As the cold working, any plastic working method such as forging, drawing, repeated bending, and tension may be adopted in addition to rolling. Here, the L cross section is a plane perpendicular to the plate surface and parallel to the extending direction of the structure, that is, in the case of a rolled plate, a plane parallel to the rolling direction.
[0024]
The materials for cold working are those that have been hot worked such as rolling, or those that have been annealed, but as described above, the macro pattern is non-uniformly present. Generates mechanical twins to break up the macro pattern. And, if the mechanical twin area ratio is 25% or more in the entire plate thickness section in an arbitrary L section, the gate electrode material formed when sputtering is performed using a target manufactured from this titanium plate, Titanium films such as diffusion barrier materials and wiring materials have a uniform film thickness and orientation, are used for manufacturing semiconductor devices or display elements such as liquid crystals, and can be sufficiently used for VLSI. Even if the target surface becomes rough and is polished, leveled and used repeatedly, there is no problem. And such a 1st invention titanium plate can be manufactured industrially stably.
[0025]
The second invention titanium plate is a plate annealed after cold working, has a recrystallized structure, and the area ratio of the colony structure in an arbitrary plane parallel to the plate surface is less than 10%.
Here, the area ratio of the colony tissue was defined from the following technical idea. Although the inside of the macro pattern includes a microstructure that can be observed with a normal optical microscope, the macro pattern has an unclear boundary, and it is difficult to correspond to the clear metal structure characteristics as in the macro structure described above. There are many cases. In the present invention, the unevenness distribution of the crystal orientation of the plate surface was quantitatively evaluated by a determination method using a color etching method as described below.
[0026]
ASM Etched Metal Progress 1985 March issue, page 31 of George F. Vander Voort, “Tint Etching”, Table 1 introduces color etching methods for titanium and titanium alloys. In this paper, Weck's etching solution (5g · NHFourFHF + 100mL ・ water or 3g ・ NHFourIt is stated that when FHF + 4 mL · HCL + 100 mL · water) is used, crystal grains can be colored depending on the crystal orientation when observed with a polarizing microscope.
[0027]
First, five samples for microscopic observation (width 25 mm x length 50 mm x thickness) were collected from the plate to be judged, and the normal microstructure was observed with a microscope on the plane parallel to the plate surface at the center of the plate thickness. The same level of mirror polishing is applied, and the above Weck etching solution (5 g · NHFourColor etching was performed using FHF + 100 mL · water). The distribution of crystal grains colored using a Nomarski polarizing microscope was photographed with color film (ISO100) at 25x magnification (10x eye lens, 2.5x objective lens without filter), and A4 paper size at a final magnification of 34x. Finished in a color photo. Photographing was performed with 3 fields of view for each sample.
[0028]
When microscopically observing macro patterns that can be identified with the naked eye, it should be approximately 25 times as described above. (1) Correspondence with macro patterns, (2) Distinguishing each crystal grain, (3) Each crystal grain It was optimal with respect to color difference discrimination. A color photograph of all or part of the macro pattern portion was taken into a computer using a color scanner, and the color was determined for each crystal grain using image analysis software for metallographic structure. The determination of the object color data differs depending on the color scanner used.
[0029]
The RGB color system tristimulus values R, G, and B are converted to XYZ color system tristimulus values X, Y, and Z, and then L is converted by the method defined in JIS Z 8729.*a*b*Color system object color data L*, A*, B*Or direct object color data L*, A*, B*Get the data. In the present invention, the data obtained by both methods were used without distinction. As a result, the representative crystal orientation of the crystal grains could be measured as the object color (finished in the photograph) of the crystal grains colored by color etching.
[0030]
In the material where the macro pattern cannot be discriminated at all by the naked eye, the color distribution corresponding to each crystal grain was random, but in the material where the macro pattern can be clearly discriminated, the crystal grains of similar colors are distributed in a colony as a group. I found out that As an indicator of the randomness of the color distribution of each crystal grain, in the present invention, the color difference of the object color of each crystal grain is represented by the color difference display method of JIS Z 8730.
ΔE*ab = [(ΔL*)2+ (Δa*)2+ (Δb*)2]1/2
Displayed.
[0031]
When there are two crystal grains, the color difference ΔE of each object color*When ab is less than 5.0, it is judged as a similar color, and when it is 5.0 or more, it is determined as a different color. The area of the group formed by adjacent crystal grains with similar object colors is 40000μm2In these cases, these populations were defined as colony structures, and the nonuniformity of the macro pattern was defined as the area ratio of these colony tissues occupying the entire metal structure on the plate surface.
[0032]
In the titanium plate annealed after cold working, if the area ratio of the colony structure in an arbitrary plane parallel to the plate surface is less than 10%, when sputtering is performed using a target manufactured from this titanium plate, The formed titanium film such as a gate electrode material, a diffusion barrier material, and a wiring material has a uniform film thickness and orientation, and can be sufficiently used for a liquid crystal element and a VLSI.
[0033]
Next, according to the first invention method of the present invention, a hot-worked material is cold-rolled to generate a predetermined amount of mechanical twins over the entire thickness range, thereby producing the first invention titanium plate. Is the method.
In the present invention, the cause of the non-uniformity of the high-purity titanium plate is regarded as being caused by the macro pattern. When a high-purity titanium plate for a titanium target material is produced by cold rolling, the macro pattern existing in the hot-worked material of the material is destroyed in the entire thickness range by generating mechanical twins. As the condition, the rolling roll rotation speed Rc (rps, times / second) at the time of cold rolling is controlled within the range represented by the above formula (1) according to the rolling roll diameter D (mm), while the rolling reduction is 6 % Or more of cold rolling.
[0034]
When plastic working materials such as high-purity titanium, industrial high-purity titanium, or titanium alloys whose main constituent phase is a hexagonal crystal structure, mechanical twinning occurs in addition to twisting deformation, resulting in considerable plastic processing strain. (For example, “titanium metal and its application”, published by Nikkan Kogyo Shimbun, published in 1983). At this time, the shape of the mechanical twin is a straight line or a leaf-shaped band shape of a bamboo shoot, and is formed by penetrating crystal grains linearly.
[0035]
Therefore, not only can a plastic strain much larger than the applied average strain amount be given locally, but even relatively large crystal grains constituting the colony structure can be efficiently divided, and the internal crystal orientation The degree of dispersion can be increased. Therefore, the macro pattern can be effectively destroyed by the generation of mechanical twins. After the mechanical twins are formed, the torsional deformation mainly bears the plastic deformation strain. However, since the torsional deformation is already active inside the sub-grains that have been divided by the mechanical twins, The ability to destroy is small compared to mechanical twins.
[0036]
Titanium has poor thermal conductivity, so if the strain rate is increased during plastic processing, the heat generated does not radiate to the outside and the temperature of the material tends to rise. It is also known that the formation of mechanical twins decreases with increasing material temperature. Therefore, the relationship between the amount of mechanical twins generated and the cold working conditions in high-purity titanium materials was investigated in detail. Further, since the target material is required to have the uniformity and denseness of the plate surface macro pattern also in the plate thickness direction, the amount of mechanical twins generated is the L cross section, that is, the cross section including the rolling direction and the plate thickness direction. The area ratio was obtained by observing over the entire thickness range.
[0037]
High-purity titanium hot-rolled sheet (thickness 33 mm) with a purity of 4N5 (more than 99.995%) is held in a vacuum creep straightener (VCF, Vacuum Creep Flattening equipment) at 400 ° C for 2 hours, and then furnace-cooled VCF annealing Cold rolling using cold rolling mills and thick plate hot rolling mills with various roll diameters in the black skin state, and the area ratio of mechanical twins is 25% or more The conditions were investigated. VCF annealing means simultaneous hot shape correction and annealing in the VCF equipment. After laminating materials that are difficult to correct the leveler, such as thick plates and intermediate plates, and then filling the furnace with mica powder, when vacuuming while heating, atmospheric pressure acts on the plate material and minute creep deformation occurs As a result, the shape is corrected and a flat plate material can be manufactured.
[0038]
Cold rolling roll diameter D was 60 to 1690 mm, rolling roll rotation speed Rc was 0.1 to 10 rps, lubrication was unlubricated, mineral oil, and beef tallow oil were used in combination with a rolling mill as appropriate. The rolling amount for each pass was determined in consideration of the roll diameter in order to prevent damage to the rolling roll. In order to greatly change the roll diameter of the rolling mill, experiments were conducted at a room temperature of about 25 ° C. using a laboratory-scale small rolling mill or a large hot rolling mill for actual production. In the experiment, the total rolling reduction during cold rolling was unified to 25%.
[0039]
FIG. 1 shows a critical condition curve in which the rolling roll diameter D of cold rolling and the rolling roll rotation speed Rc are used as coordinates, and the area ratio of mechanical twins is 25% or more. In the area below the curve including this curve, the area ratio of mechanical twins is 25% or more, and this condition is expressed by the above equation (1). In the region above the curve, since the strain rate at the time of processing is too high, twist deformation is prioritized before the twin is generated, and the area ratio of the mechanical twin is less than 25%. In this way, the amount of mechanical twins generated does not depend on the type of plastic working method, but it is sensitive to the strain rate during processing, so the production of the target material is more than in the case of conventional wrought materials. It is important to consider the manufacturing conditions.
[0040]
FIG. 2 shows the maximum mechanical twin area ratio observed when cold rolling is performed under various conditions such as the roll diameter D, the roll rotation speed Rc, and the lubrication conditions in the above-described experiment for obtaining the relationship of FIG. The relationship with the rolling reduction is shown. That is, FIG. 2 shows that in order to make the mechanical twin area ratio 25% or more, the rolling reduction needs to be 6% or more. The above experiment was conducted on a hot-rolled sheet that had been subjected to VCF annealing, but similar results were obtained for those that were annealed in the air and those that were not annealed.
On the other hand, in the target manufacturing process, a considerable amount of grinding processing is required to process the target material into a disk shape or to increase its flatness, and the surface is always required for a wrought material of ordinary industrial purity. It is not necessary to keep the properties in the cold rolled state. Therefore, in the cold rolling according to the method of the present invention, it is preferable to utilize the lubricating effect of the black scale.
In other words, with the scale generated in the hot working process attached to the surface, or after annealing in the atmosphere or with a VCF (vacuum creep straightener) with the scale attached, cold rolling is performed with the scale remaining. Is preferred.
In this case, since cold rolling gives a kind of mechanical descaling effect, the surface can be efficiently descaled by subsequently performing shot blasting and pickling treatment, and the target material can be used as it is.
[0041]
In the production of conventional cold-rolled titanium sheets with industrial purity, the hot-rolled sheet is left as it is before cold rolling or after recrystallization annealing for softening, followed by mechanical descale treatment such as shot blasting and the like. It is common knowledge to carry out a pickling treatment subsequent to the above to completely remove the scale (also referred to as oxide film or black skin) on the surface of the hot-rolled sheet and then perform cold rolling. In order to avoid unnecessary oxidation and gas absorption, the cold rolled sheet is degreased and then vacuum annealed to produce a thin sheet product in which the surface property of the cold rolled sheet is the product surface as it is. By being.
[0042]
In the method of the present invention, it is preferable to cold-roll the scaled material as described above. A material with a scale that has been hot-worked or just annealed in the air or with VCF has fine-grained parts under the scale due to the concentration of shear deformation during hot working. There is also an effect that contributes to prevention of cracks at grain boundaries during cold rolling.
[0043]
However, for unavoidable reasons, for example, when a high-purity titanium product once manufactured for another application is used as a target material, the rolled material has already been descaled and cold rolled with the surface black skin removed. Become. Also, in the normal wrought material manufacturing process, these are removed together with the black skin in the refining process for making the product. Therefore, when the finished product is once cold worked again, Problems like this can occur.
[0044]
Accordingly, the present inventors cut out from an EBR (electron beam remelting) slab having a large crystal grain size as a high purity titanium cold-rolled material of 5N level from the viewpoint of providing a target material having a dense plate surface metallographic structure. 80 mm thick slices (average crystal grain size 55 mm on the plate surface), 100 mm thick slices cut from the block slab (average crystal grain size 3.3 mm on the plate surface), hot-rolled plate (plate thickness 50 mm) ) In the atmosphere at 200 ° C. to 790 ° C. for 30 minutes to 2 hours, and then subjected to air cooling annealing and machine cutting of the surface (average crystal grain size 1.1 to 112.0 μm on the plate surface) The experiment that had been done.
[0045]
These cold-rolled materials were cold-rolled at a room temperature of about 25 ° C. using a non-lubricating laboratory-scale small rolling mill or a large-scale hot rolling mill for actual production with the rolling roll diameter greatly changed from 60 to 1690 mm. The total rolling reduction during cold rolling was unified to 40%. In order to make it easier to detect the occurrence of cracks, the surface of the rolled material was machine-cut, pickled, buffed, and finished to a mirror surface. The surface of the cold-rolled sheet after rolling was examined for the presence of cracks at grain boundaries using a stereomicroscope and the rolling conditions under which cracks did not occur were examined. It was found that the grain boundary cracking can be prevented by selecting the diameter D (mm) so as to satisfy the above formula (2).
[0046]
In the method of the present invention, in order to maximize the generation of mechanical twins at the time of cold working, the rate of occurrence of mechanical twins due to processing heat generation is prevented by limiting the rotation speed of the rolling roll. On the other hand, in the conventional cold rolling of titanium and titanium low alloy wrought material, in the acceleration stage until the rolling speed reaches a steady state and the deceleration stage until the end of rolling, the rolling roll rotational speed is temporarily It may be within the scope of the method of the present invention. However, in the method of the present invention, the number of roll rotations when the rolling speed reaches a steady state is defined.
[0047]
Next, the second invention method will be described. The second invention method of the present invention is a method for producing the above-mentioned second invention titanium plate by annealing the titanium plate obtained by the above-mentioned first invention method in the atmosphere or in a vacuum creep straightener.
By cold working according to the first invention method and setting the mechanical twin area ratio of the entire plate thickness section in the L section to 25% or more, the colony structure existing in the cold-rolled material is mechanically destroyed and dense. Become an organization. When this is re-annealed, it is considered that the crystal orientation dispersion inside the macro structure advances and the non-uniformity of the macro pattern is eliminated. From this point of view, the present inventors examined the relationship between the area ratio of mechanical twins generated during cold rolling and the macro pattern uniformity after recrystallization.
[0048]
That is, a hot rolled sheet of high purity titanium (thickness 20 mm) with a purity of 4N5 (99.995% or more) level, with a black skin remaining, and held in the atmosphere at 500 ° C. for 30 minutes. The hot-rolled / annealed sheet, which had been annealed as it was, was subjected to cold rolling as it was with a four-stage rolling mill having a work roll diameter of 270 mm. The number of rotations of the rolling roll was 0.5 rps, and it was unlubricated, averaged by 0.5 mm of each pass, cold rolled in a range of 5 to 80% of total rolling reduction, and sampled every 5%. In addition, care was taken so that the temperature of the plate was constant by immersing in water at room temperature (25 ° C.) for each pass.
[0049]
Three mechanical twin area ratios of the entire thickness cross section in the L cross section of these cold-rolled plates having different rolling reduction ratios were measured at three points to obtain an average value. Furthermore, after holding the cold-rolled sheet in the atmosphere at 350 ° C. for 30 minutes, it is annealed by air cooling, and after grinding by a depth of 5 mm parallel to the plate surface, the colony tissue area ratio defined above is used as an index. The uniformity of the macro pattern was determined. The macro pattern uniformity was determined as follows according to the colony tissue area ratio.
[0050]
Score x: Colony tissue area ratio of 30% to 100%
Score △: Colony tissue area ratio of 10% or more to less than 30%
Score ○: Colony tissue area ratio 5% or more and less than 10%
Score ◎: Colony tissue area ratio 0% or more to less than 5%
The evaluation is based on the four-step evaluation, and ○ or more is a pass.
[0051]
FIG. 3 shows the relationship between the mechanical twin area ratio and the macro pattern uniformity score in the cold rolled sheet, and shows that the macro pattern uniformity improves as the twin area ratio increases. Yes. From FIG. 3, it is understood that the macro pattern uniformity is at an acceptable level when the twin area ratio in the cold-rolled sheet is 25% or more. In this test, the shape of the cold-rolled material was straightened through a cold roll leveler so that surface grinding was possible, but additional twins were not generated by cold roll leveler straightening unless the plate thickness was changed. It was confirmed by another experiment that there was little.
[0052]
It can be seen from FIG. 3 that the effect of dividing the colony structure by the introduction of the mechanical twins is determined only by the ratio of the mechanical twins regardless of whether the hot-rolled sheet is annealed or the amount of cold rolling reduction. The above results were obtained by studying using one of the plastic working methods called rolling, but it is not the plastic working method called rolling that is effective in eliminating the macro pattern. The generation amount has a great influence and basically does not depend on the processing method.
[0053]
In the first invention method, the material that has been cold-rolled with the scale attached is often work-hardened, and may be difficult to bend at the correction stage when the target material is manufactured, resulting in poor workability. Further, if there is residual stress, distortion tends to occur in the cutting stage after correction. In such a case, the problem is solved by softening by annealing after cold rolling by the second invention method.
[0054]
【Example】
Below, the present invention will be further explained based on examples.
[0055]
(Example 1)
A hot rolled sheet with a scale of 4N5 high-purity titanium (plate thickness 32 mm) and a hot-rolled annealed sheet with a scale that was subjected to furnace cooling after holding it at 360 ° C for 4 hours in a vacuum creep straightener It was cold-rolled at a room temperature of 28 ° C. without lubrication in a laboratory four-stage rolling mill having a work roll diameter of 200 mm, and the rolling reduction was changed in the range of 5% to 80%. The number of rotations of the rolling roll was 1.3 rps. The average value of the total thickness of the twin generation area ratio in the L cross section of these samples was measured. Hold the cold-rolled plate in a vacuum creep straightener at 300 ° C for 4 hours, and then anneal the furnace, grind it to 2mm below the surface of the scale, perform # 320 polishing, and etch it with a normal hydrofluoric acid-based macro etchant. The macro pattern was visually judged. As a result, as shown in Table 1, when the mechanical twin area ratio is 25% or more, the macro pattern judgment is acceptable, but when it is less than 25%, the macro pattern judgment is unacceptable regardless of the presence or absence of hot-rolled sheet annealing. It was.
[0056]
[Table 1]
[0057]
(Example 2)
5N5 level high-purity titanium hot-rolled sheet (thickness 27mm) is annealed in air at 300 ° C for 30 minutes, 450 ° C for 30 minutes, and kept at 600 ° C for 4 hours in a vacuum creep straightener, followed by furnace cooling annealing Cold rolling at room temperature of about 27 ° C by changing the number of roll rotations using an experimental cold rolling mill having a roll diameter of 60 to 1690 mm and a large-sized thick plate hot rolling mill for actual production. The rate of area of mechanical twins was investigated. For lubrication, non-lubricated mineral oil and beef tallow oil were used in combination with a rolling mill as appropriate. The rolling amount for each pass was 5 to 11% in consideration of the roll diameter in order to prevent damage to the rolling roll. The total rolling reduction during cold rolling was unified to 33%. As a result, as shown in Table 2, in the range of the formula (1), the twin area ratio was 25% or more.
[0058]
[Table 2]
[0059]
(Example 3)
Section of 50mm thickness (average crystal grain size 52mm) cut from EBR (electron beam remelting) thin slab of 4N5 high purity titanium as cold rolled material, thickness 50mm cut from hot forging slab After holding a section of 500 ° C. for 30 minutes in the air, air-cooled (average crystal grain size 4.1 mm on the plate surface), and hot-rolled plate (plate thickness 50 mm) held in the air at 500 ° C. for 30 minutes (plate surface Average crystal grain size at 333 μm), furnace cooling at 840 ° C. for 5 hours in vacuum creep straightener (average crystal grain size at plate surface 333 μm), similarly at 880 ° C. for 11 hours holding furnace cooling (average on plate surface) An annealed crystal grain size of 520 μm and machined, pickled and mirror-polished the surface was cold-rolled at room temperature of about 25 ° C. without lubrication and with the rolling roll diameter and rolling roll rotation speed varied. The total rolling reduction during cold rolling was unified to 60%. From Table 3, it has been found that selecting the rolling roll diameter D (mm) with respect to the crystal grain diameter d (μm) so as to satisfy the formula (2) is effective in preventing grain boundary cracking.
[0060]
[Table 3]
[0061]
(Example 4)
5N, 4N5, 4N level high-purity titanium black hot-rolled sheets (thickness 25 mm to 52 mm, width 2800 x length 10,000 mm) and 270 ° C. to 475 while vacuum degassing them in a vacuum creep straightening furnace An annealing plate with a black skin, which was heated and held at 30 ° C. for 30 minutes to 4 hours to simultaneously perform shape correction and annealing, was used. Unlubricated cold rolling with a total rolling reduction of 40% was performed at a room temperature of about 42 ° C. by changing the diameter of the rolling roll and the number of rotations of the rolling roll. Even when the vacuum creep treatment was performed, the thickness of the scale did not change much as the black skin of the hot-rolled sheet was partially discolored. A sample was taken from a part after cold rolling and the area ratio of mechanical twins was measured. After cold rolling, each cold-rolled plate was subjected to normal atmospheric annealing (555 ° C. × 30 minutes after heating and air cooling) and annealing in a vacuum creep straightener (450 ° C. × 4 hours after furnace cooling), The macro pattern on the plate surface was scored as described above. As a result, as shown in Table 4, there was no difference in the score of wrinkles in any annealing. In the case where the twin generation area ratio was controlled according to the above findings, the improvement of the macro pattern could be confirmed.
[0062]
[Table 4]
[0063]
In the present invention, as an example, annealing deals with atmospheric annealing and annealing in a vacuum creep straightening machine, but oxidation and gas absorption during annealing should be avoided as much as possible. It does not impair the technical idea of the present invention. The selection of the annealing atmosphere should be based on economic indicators until tired.
In addition, when using the raw material cut out from the slab as in Example 3, it is not always necessary to perform annealing after cutting out, and the slab may be annealed in advance, and then the cold rolled material may be cut out.
[0064]
In addition, the present invention destroys the colony structure by the generation of mechanical twins, and the effect occurs if a predetermined amount of mechanical twins are generated. Cold rolling is not necessarily performed at room temperature. Does not need to do. For example, it is needless to say that an equivalent effect can be obtained if a predetermined amount of twins is generated even by processing in a warm region lower than about 200 ° C., and should be included in the present invention.
[0065]
【The invention's effect】
The present invention examines in detail the method for eliminating the macro pattern contained in the high-purity titanium target material, and focuses on the cold rolling process of the material in the manufacturing process of the high-purity titanium plate for the titanium target material. By controlling the rolling roll, rolling roll rotation speed, and rolling material crystal grain size, the macro pattern inherited in the processing process from the raw material is drawn all at once. It is an object of the present invention to provide a production method that enables destruction and elimination, and a high-purity titanium plate for the target material. The present invention has a great economic effect of improving the target material quality, target material quality, production efficiency and yield, and making the microstructure and macro structure of conventional titanium and low titanium alloy stretched materials uniform and dense. Its industrial value is great because its technical idea can be applied to the realization.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between roll diameter and roll rotation speed in cold rolling in the method of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between the total rolling reduction in cold rolling and the mechanical twin area ratio generated in the cold rolled sheet.
FIG. 3 is a graph showing a relationship between a twin area ratio when a hot rolled sheet and a material annealed in the air are cold-rolled at various total rolling rates and a macro pattern score of the material annealed in the cold-rolled sheet. is there.
Claims (8)
Cold rolling with a rolling reduction of 6% or more is performed while controlling the rolling roll rotation speed Rc (rps) during cold rolling within the range represented by the formula (1) according to the rolling roll diameter D (mm). A high-purity titanium plate for a titanium target material, characterized in that it is a cold-rolled plate that has a cold-worked structure and has a mechanical twin area ratio of 25% or more in the entire plate thickness section in an arbitrary L section. Production method.
D≧1.033 d0.504 (2)The cold-rolled material from which the surface scale has been removed is cold-rolled with a rolling roll whose diameter D (mm) satisfies the relationship of the formula (2) according to the crystal grain size d (μm) of the material. The manufacturing method of the high-purity titanium plate for titanium target materials of Claim 3, 4, 5 or 6.
D ≧ 1.033 d 0.504 (2)
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