JP3802534B2 - 道路舗装路面の吸音率測定方法及び装置 - Google Patents

道路舗装路面の吸音率測定方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、時間引き伸しパルス(Time Stretched Pulse)音(以下TSP音と略称する)を発生するパルス発生源を利用して、測定車両を走行しながら道路舗装路面の吸音率を測定する方法及び装置に関する。
近年高機能舗装として活用されるようになってきている高機能舗装(一般的には排水性舗装と呼ぶ場合が多い)は、排水性機能による降雨時の走行性向上特性と音の伝播特性機能による沿道騒音改善特性(この機能のために低騒音舗装とも呼ばれる)を有している。
これらの機能特性は、いずれも舗装路面が多くの空隙を有していることに起因している。
これら舗装路面の有する空隙は、舗装工事完了後の供用経過に伴い、土砂の浸入等による空隙詰まり、さらに走行車両の加重による空隙つぶれ等により高機能特性の劣化が進行してしまう。
従って、舗装路面の高機能特性を空隙率の観点で測定する方法が各種採用されている。
以下に、これまでに採用されている舗装路面の評価手法、特に舗装の空隙が及ぼす影響を何らかの付加的特性の測定等により評価する方法を列挙する。
(1)測定車両に特殊タイヤを装着し、この特殊タイヤによる走行タイヤ音を測定する路面走行タイヤ音測定方法。
(2)定置式の垂直入射吸音率を測定する管内法と呼ばれているもので、この管内法には定在波比法(例えば、非特許文献1)と、2マイクロホン法(例えば、非特許文献2)がある。
(3)車両を走行させながらスピーカからピンクノイズを放射してその反射音の大きさをdB値で測定するスピーカ反射音による測定方法。
(4)車両を走行させながらインパルスを放射し、超音波吸音率を測定する方法。
(5)定置式でピンクノイズを放射し、音響ボックス内の吸音レベルを測定する舗装の吸音レベル測定方法。
JIS A1405 ISO 10534−2
上記(1)の路面走行タイヤ音測定方法は、タイヤの種類、走行速度、車両重量等により変化する値を測定するものであり、舗装路面のもつ空隙等に伴う物理的特性である吸音率を測定するものではないため、舗装の客観的評価の点で問題がある。
上記(2)の管内法と呼ばれている定在波比法及び2マイクロホン法は、いずれも試験室内又は現地ともに定置式で測定するものであり、車両を走行させながらの測定は、不可能である。
また、上記(3)のスピーカ反射音による測定方法は、ピンクノイズを使用するため直接音と反射音を分離して測定することは不可能であるとともに、音源であるスピーカの出力により測定値が変動してしまうため相対的測定値となり、客観性に課題が残る。
上記(4)のインパルス音(TSP音とは特性が異なるパルス音)を採用している超音波吸音率測定方法は、5KHZ〜40KHZの音波のみを対象としているため、道路交通騒音への影響が大きい周波数帯域、特に1000Hzを中心とする可聴域の周波数帯域が測定対象とされていない点に課題がある。
上記(5)の舗装の吸音レベル測定方法は、上記(3)と同様にピンクノイズを使用しているため、受音点における反射音の分離ではなく、反射音以外を排除する測定手法を採用しているため、定置式であり、走行しながらの測定は不可能である。
本発明は、これらの課題を考慮し、測定車両を走行させながら舗装路面が有する空隙率に対応して変動する物理的特性である吸音率を効率的に測定することによって、舗装路面の有する高機能特性を評価できる道路舗装路面の吸音率測定方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、次のような方法及び手段により道路舗装路面の吸音率を測定するものである。
請求項1に対応する発明は、測定車両に、時間引き伸しパルス(Time Stretched Pulse)音(以下TSP音と略称する)を発生するパルス発生源、スピーカ、マイクロホン及びデータレコーダを搭載し、前記パルス発生源から発生するTSP音を前記スピーカより舗装路面に向けて放射し、前記TSP音の直接音及び前記舗装路面からの反射音を前記マイクロホンにより受音して、前記データレコーダに録音し、このデータレコーダに録音されたTSP音を分析手段により、直接音と反射音とを分離するとともに、道路交通騒音の影響が大きい周波数帯域(特に1000Hzを中心とする可聴域の周波数帯域)に重点をおいて、反射音の部分のみを分析し、その分析結果を演算して前記舗装路面の排水性機能(透水性能等による舗装路面の走行性向上機能)や沿道地域への低騒音機能(車両から舗装路面を通して伝播されるエンジン等の路面反射音や走行タイヤ音の低減機能)に結びつく吸音率を求める。
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明の道路舗装路面の吸音率測定方法において、前記測定車両の走行速度に応じてTSP音を放射する前記スピーカ位置又はマイクロホンの受音位置を変更することにより、前記測定車両によって、停止状態から走行状態までの道路舗装路面の吸音率を測定可能にする。
請求項3に対応する発明は、請求項1に対応する発明の道路舗装路面の吸音率測定方法において、前記分析手段は、直接音と反射音が混在するデータをフーリエ変換、逆フィルタ及び逆フーリエ変換を活用して、直接音と反射音を分離した後、反射音の部分をフーリエ変換して周波数分析を行う。
請求項4に対応する発明は、請求項3に対応する発明の道路舗装路面の吸音率測定方法において、周波数分析は、1/12オクターブの中心周波数を用い、且つバンド幅は1/3オクターブバンド幅を採用して解析する。
請求項5に対応する発明は、請求項1に対応する発明の道路舗装路面の吸音率測定方法において、基準路面(例えば密粒度舗装路面)で測定された反射音を演算して得られた吸音率を基に補正項を設定し、相対吸音率とする。
請求項6に対応する発明は、請求項1に対応する発明の道路舗装路面の吸音率測定方法において、舗装路面の吸音率は、一発毎のTSP音を個々に順次分析して得られた結果を基に、連続的に吸音率を求める。
請求項7に対応する発明は、時間引き伸しパルス(Time Stretched Pulse)音(以下TSP音と略称する)を発生するパルス発生源よりサイクリックに出力されるTSP音を舗装路面に向けて放射するスピーカと、このスピーカより放射されたTSP音の直接音と舗装路面からの反射音(道路交通騒音の影響が大きい可聴域の周波数帯域に重点を置いている)とを受音するマイクロホンを測定車両後部に形成された音響ボックス内に配置し、且つ受音されたTSP音を録音するデータレコーダを測定車両に搭載し、前記データレコーダに録音されたTSP音を再生してデジタルデータに変換するデジタル変換手段と、このデジタル変換手段により変換されたデジタルデータから直接音と反射音とを分離する分析手段と、この分析手段より反射音のみを取出して所定の演算により舗装路面の物理的特性である吸音率を求める演算手段とを備える。
請求項8に対応する発明は、請求項7に対応する発明の道路舗装路面の吸音率測定装置において、前記音響ボックス内に設置されるマイクロホンを所定の位置に固定し、前記スピーカを前記測定車両の進行方向に移動可能に支持し、当該スピーカを前記測定車両の走行速度に応じて移動調整する。
請求項9に対応する発明は、請求項8に対応する発明の道路舗装路面の吸音率測定装置において、前記スピーカは、舗装路面に対してTSP音が予定の角度をもって放射するように傾斜させて配置され、前記マイクロホンは舗装路面からの反射音が垂線に対して予定の角度で入射するように傾斜させて固定される。
本発明は、舗装路面が有する空隙率に対応して変動する物理特性である吸音率を効率良く測定することによって、舗装路面の有する排水性能による走行性向上や沿道騒音低減につながる低騒音性能などの高機能特性を効率良く評価することができる。
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を示す道路舗装路面の吸音率測定装置の系統構成図である。
図1において、1はTSP音の信号が録音されたテープレコーダ、2はこのテープレコーダ1からサイクリックに出力されるTSP音の信号を所定のレベルに増幅するアンプで、これらは音源系を構成している。
また、3は測定車両の例えば後輪より後方の車体上に存する障害物の少ないスペースを利用して形成された音響ボックスで、この音響ボックス3内にスピーカ4とマイクロホン5が詳細を後述する構成並びに関係にしてそれぞれ配置され、スピーカ4は上記アンプ2で増幅されたTSP音を舗装路面に向けて放射し、またマイクロホン5はスピーカ4から放射したTSP音の直接音と舗装路面からの反射音を受音する。
さらに、6はマイクロホン5により受音されたTSP音の直接音と反射音が騒音計7を介して入力されるデータレコーダで、このデータレコーダ6はTSP音の直接音と反射音を録音するものである。
一方、8はデータレコーダ6で録音されたTSP音を再生し、必要な部分のデータを取込むパソコンで、このパソコン8は図2に示すようにデータレコーダ6で再生されたデータをデジタルデータに変換するA/D変換手段9、このA/D変換手段9で変換されたデジタルデータを分析用ソフトにより直接音と反射音とを分離する分析手段10、この分析手段10により分離された反射音のみ取込んで吸音率を求める演算手段11及びこの演算手段11で求められた反射音の吸音率を表示する表示手段12を備えている。
これらデータレコーダ6、騒音計7及びパソコン8は、測定系を構成している。
ここで、上記音響ボックス3の構成とスピーカ4及びマイクロホン5の配置について図3及び図4により説明する。
図3に示すように音響ボックス3は、その内面に吸音材13が貼り付けられ、一種の無響室の状態を模擬している。この場合、吸音材13は100%の吸音ではなく、僅かではあるが反射音が発生する。そこで、マイクロホン5の位置を固定しておけば、周囲の壁からの反射音の影響は一定となる。
また、測定車両の走行時においては、スピーカ4から舗装路面にTSP音を放射したときの車両位置とマイクロホン5により舗装路面からの反射音を受音したときの車両位置は車両速度によって異なる。したがって、測定車両を常時一定の速度で走行させるもとすれば、その速度からTSP音を放射してから反射音を受音するまでの間に車両が移動する距離を求めることができるので、その移動距離に相当する分スピーカ4とマイクロホン5の車両の進行方向に対する取付け位置をずらせておけばよい。
さらに、測定車両は一般道と高速道路では異なる速度で走行するため、スピーカ4又はマイクロホン5のいずれかの取付け位置を測定車両の速度に応じて調整する必要がある。
本実施形態では、反射音の影響を一定にするため、マイクロホン5の位置を固定し、スピーカ4を測定車両の速度に応じてスライド移動可能な構成とするものである。
図4は音響ボックス3内にマイクロホン5及びスピーカ4の支持構造を示すものである。
図4に示すようにマイクロホン5は音響ボックス3内の後方側面に取付けられた固定用パイプ14に取付けられ、またスピーカ4は音響ボックス3内の両側面に設けられた一対のガイド15間に跨って配設された支持棒16に取付けられている。
この場合、スピーカ4は、図3に示すように舗装路面17に対してTSP音がθの角度をもって放射するように傾斜させて配置され、またマイクロホン5は舗装路面17からの反射音が垂線に対してθの角度で入射するように傾斜させて固定されている。
因みに、本例ではスピーカ4からのTSP音の放射角度θをθ=5°としたとき、TSP音の放射面から舗装路面17までの距離を1125mmとし、マイクロホン5の受音面までの距離を875mmとしてある。
また、支持棒16は、ガイド15に沿って車両の進行方向に移動調整可能に支持され、図示しないネジ等の固定具により固定される。また、ガイド15には支持棒16の移動量を示すスケールが付されている。
次に上記のように構成された道路舗装路面の吸音率測定装置の作用を説明する。
まず、TSP音の測定原理について述べる。
スピーカから放射するTSP音は、一般に時間の長さがゼロの音と定義されるが、極限まで時間を短くした音と考えることができる。
また、音の性質として図5に示すようにフーリエ変換及びフーリエ逆変換で、時間領域から周波数領域へ、周波数領域から時間領域へ相互に移動することができる。
そこで、いま図6(a),(b)に示すように時刻tでスピーカ4からTSP音を放射すると、まず、直接音がマイク5に到達し、少し時間差を置いて路面からの反射音が到達する。ここで、TSP音に対して、フーリエ変換を行い、逆フィルタをかけて、逆フーリエ変換を行うことで、時間差のある直接音と反射音とを分離することができる。
この分離された直接音と反射音から、反射音のみを取出してフーリエ変換し、周波数分析を行った後、所定の演算を実行することにより舗装路面に存する空隙の吸音率を求めることができる。
次に道路舗装路面の吸音率の測定方法について述べる。
いま、テープレコーダ1に録音されているTSP音の信号がアンプ2により所定のレベルに増幅され、スピーカ4から道路舗装路面に向けてTSP音が放射されると、マイクロホン5にはTSP音の直接音と路面からの反射音とが受音され、一旦データレコーダ6に録音された後、必要な部分を再生してパソコン8に入力される。この場合、データレコーダ6で再生されたデータはオンライン又はオフラインのいずれかの方法でパソコン8に入力される。
パソコン8に入力されたデータは、A/D変換手段9によりデジタルデータに変換され、分析手段9に取込まれる。分析手段9では、直接音と反射音が混じった観測データをフーリエ変換して時間領域から周波数領域に移行させた後、逆フィルタをかけてフーリエ逆変換して時間領域に戻すと、直接到達音と反射到達音の二つのピークを得ることができる。その後、道路交通騒音への影響が大きい周波数帯域、特に1000Hzを中心とする可聴域の周波数帯域に重点をおいて、反射音の部分を切り出してフーリエ変換を行って、周波数分析を行い、その結果をdB値へ変換して演算手段11に取込む。
演算手段11では、次のような演算により道路舗装路面の吸音率を計算することができる。
図7(a)に示すように完全反射の剛壁(実際的にはコンクリート面等を完全反射の剛壁)の反射音と図7(b)に示すように測定試料の反射音の比を求めることで、吸音率を求めることができる。
ここで、吸音率の演算式を示すと次の通りである。
α(θ)=1−Ps(θ)/Pr(θ)
Pr(θ):剛壁の反射音のパワースペクトル
Ps(θ):試料の反射音のパワースペクトル
θ:1/3オクターブバンドの各周波数のパラメータ
前述した完全反射としてのコンクリート舗装でのデータは得ることができないため、本例では密粒舗装のデータを採用している。
ここで、実用的な舗装路面評価を用いる吸音率の求め方について述べる。
舗装路面の吸音率の計算は次のような方法で行われる。
(a)TSP音の切り出し
マイクロホンで受音されるTSP音から反射音を切り出すには、図8に示すように反射音が立ち上がる直前から3msecの時間波形を切り取り、フーリエ変換を行う。
分析結果はTSP音の性質により図9に示すように全ての周波数成分を含む周波数特性となる。
図9において、縦軸はパワースペクトルであり、横軸はリニアスケールである。
通常は1/3オクターブバンドに切り分けて、バンド毎のdB値に変換する。中心周波数fmとその前後の遮断周波数の関係は以下の通りである。
1=fm/6√2=0.890fm
6√2fm=1.1225fm
この範囲の周波数帯の合成値を計算し、相対値のdB値とする。
(b)1/12オクターブ分析を行う
吸音率のピーク周波数をより正確に捉えるために、1/12オクターブの中心周波数を採用する。1/3オクターブバンドでは吸音率のピークが遮断周波数付近にあるとピークが判然としない場合があるため、1オクターブを12分割する細かさとして分析する。
但し、分析結果に安定性を与えるために、バンド幅は1/3オクターブバンド幅を採用している。
図10は、解析結果の1例を示すグラフで、横軸は1/12オクターブ分析の各バンドであり、縦軸は相対レベルのdB値である。
図10に示すような分析を基準面の場合と試料の場合とをそれぞれ行い、バンド毎に前述した吸音率の演算式に代入し、比較演算をすれば吸音率の周波数特性を得ることができる。
(c)相対吸音率を求める
通常の場合の吸音率は、前述した演算式により求められるが、前述したように完全反射としてのコンクリート舗装でのデータを得ることはできないことから、密粒舗装のデータを採用し、密粒舗装を吸音率計算の基準とすることから「相対吸音率」と呼ぶことにする。また、密粒舗装は0.1程度の吸音率であることは、学会誌などで発表されている。そこで、以下の式で吸音率を計算し、相対吸音率と呼ぶことにする。
α(θ)=1−Ps(θ)/Pr(θ)+0.1
Pr(θ):基準面(密粒舗装)の反射音のパワースペクトル
Ps(θ):試料の反射音のパワースペクトル
θ:1/12オクターブバンドの各周波数のパラメータ
(d)平均射入相対吸音率の計算方法
計算方法は通常の平均射入射吸音率と同様であるが、吸音率の項に相対吸音率を用いる点が異なっている。
計算方法について示すと下記の表1のようになる。
Figure 0003802534
上記表において、周波数は1/12オクターブバンドの中心周波数となる。
Ai:i番目の周波数の道路交通騒音のA特性スペクトル
αi :i番目の周波数の射入射相対吸音率
AiはASJModel 1998の定義式に従って計算することができる。
以上の結果、平均斜入射吸音率は、α=(イ)項/(ロ)項として求めることができる。
このようにして求められた平均射入射吸音率の一例として、東京都内の東八道路のD2工区におけるデータを示すと下記表2に示すようになる。
Figure 0003802534
Aiの項の合成値が0dBとなるように補正を行っているので、(イ)項の和は1になる。従って、(ロ)項を(イ)項で割る必要はない。この例では走行速度40Kmと60kmでの計算結果では平均射入射相対吸音率はそれぞれ0.34と0.32であり、ほぼ一致していることが分かる。
このように本実施形態では、測定車両3にTSP音を録音したテープレコーダ1、このテープレコーダ1よりサイクリックに出力されるTSP音を舗装路面に向けて放射するスピーカ4、このスピーカ4より放射されたTSP音の直接音と舗装路面からの反射音を受音するマイクロホン5及びこのマイクロホン5で受音されたTSP音を記録するデータレコーダ6を搭載し、測定車両3を走行させながらテープレコーダ1よりサイクリックに出力されるTSP音をスピーカ4から放射し、マイク5で直接音と反射音とを受音するとともに、データレコーダ6に記録し、このデータレコーダ6に記録されたTSP音をパソコン8に取込んで、A/D変換手段9によりデジタルデータに変換した後、分析手段10により直接音と反射音を分離するとともに、道路交通騒音への影響が大きい周波数帯域、特に1000Hzを中心とする可聴域の周波数帯域に重点をおいて、反射音のみを取出して演算手段11により所定の演算式に基づいて演算することで舗装路面の排水性機能(透水性能等による舗装路面の走行性向上機能)や沿道地域への低騒音機能(車両から舗装路面を通して伝播されるエンジン等の路面反射音や走行タイヤ音の低減機能)に結びつく舗装路面の吸音率を求めるようにしたものである。
従って、測定車両を走行させながら舗装路面の吸音率を高精度で測定でき、もって高機能舗装路面を効率良く評価することができる。
また、スピーカ4からのTSP音の放射位置を測定車両3の走行速度に応じて変更することにより、測定車両が停止状態から走行状態までの吸音率を測定することができる。
さらに、分析手段10では、直接音と反射音が混在するデータをフーリエ変換、逆フィルタ及び逆フーリエ変換を活用して直接音と反射音を分離した後、反射音の部分をフーリエ変換し、1/12オクターブの中心周波数を用い、且つ1/3オクターブバンド幅として周波数分析しているので、各バンド幅での解析を行うに際して、ピークを的確に把握するとともに、安定した測定が可能となる。
また、演算手段11で求められる舗装路面の吸音率は、密粒舗装路面を基準に測定された吸音率をもとに補正値を定めて補正されるので、吸音率の測定の簡略化を図ることができる。
さらに、演算手段11で求められる舗装路面の吸音率は、一発毎のTSP音を個々に順次分析して得られた結果を基に、連続して導かれた演算結果を平均した吸音率によって評価することにより、測定結果の安定化を図ることができる。
一方、測定車両後部に形成された音響ボックス3にスピーカ4を測定車両の進行方向に移動可能に、且つ舗装路面に対してTSP音が予定の角度をもって放射するように傾斜させて支持し、マイクロホン5を所定の位置に舗装路面からの反射音が垂線に対して予定の角度で入射するように傾斜させて固定しているので、コンパクトで且つ正確な測定を行うことができる。
また、500Hz以下の周波数帯域での測定は、音響ボックス3の形状、寸法などを大きくし、スピーカ4とマイクロホン5の位置をそれぞれ高く設定することにより対応が可能である。
本発明による第1の実施形態を示す道路舗装路面の吸音率測定装置の系統構成図。 同実施形態におけるパソコンの機能ブロック図。 同実施形態において、測定車両に形成された音響ボックス及びスピーカ及びマイクロホンの配置関係の説明図。 同じく音響ボックス内に配置されるスピーカ及びマイクロホンの支持構造を示す斜視図。 TSP音の測定原理に付いての説明図。 スピーカから放射したTSP音をマイクロホンで受音したときの観測波形の説明図。 同実施形態において、基準面と飼料面の反射音から吸音率の求め方を説明するための図。 同実施形態において、反射音の切り取りを説明するための波形図。 同じく分析結果の全ての周波数成分を示す周波数特性図。 同じく解析結果の一例を示すグラフ。
符号の説明
1…テープレコーダ、2…アンプ、3…音響ボックス、4…スピーカ、5…マイクロホン、6…データレコーダ、7…騒音計、8…パソコン、9…A/D変換手段、10…分析手段、11…演算手段、12…表示手段、13…吸音材、14…固定用パイプ、15…ガイド、16…支持棒

Claims (9)

  1. 測定車両に、時間引き伸しパルス(Time Stretched Pulse)音(以下TSP音と略称する)を発生するTSP音発生源、スピーカ、マイクロホン及びデータレコーダを搭載し、前記TSP音を前記スピーカより舗装路面に向けて放射し、前記TSP音の直接音及び前記舗装路面からの反射音を前記マイクロホンにより受音して、前記データレコーダに録音し、このデータレコーダに録音されたTSP音を分析手段により、直接音と反射音とを分離するとともに、道路交通騒音の影響が大きい周波数帯域に重点をおいて、反射音の部分のみを分析し、その分析結果を演算して前記舗装路面の排水性機能や沿道地域への低騒音機能に結びつく吸音率を求めることを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定方法。
  2. 請求項1記載の道路舗装路面の吸音率測定方法において、前記測定車両の走行速度に応じてTSP音を放射する前記スピーカ位置又はマイクロホンの受音位置を変更することにより、前記測定車両が停止状態から走行状態までの吸音率を測定可能にしたことを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定方法。
  3. 請求項1記載の道路舗装路面の吸音率測定方法において、前記分析手段は、直接音と反射音が混在するデータをフーリエ変換、逆フィルタ及び逆フーリエ変換を活用して、直接音と反射音を分離した後、反射音の部分をフーリエ変換して周波数分析を行うことを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定方法。
  4. 請求項3記載の道路舗装路面の吸音率測定方法において、周波数分析は、1/12オクターブの中心周波数を用い、且つバンド幅は1/3オクターブバンド幅を採用して解析することを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定方法。
  5. 請求項1記載の道路舗装路面の吸音率測定方法において、演算手段で求められる舗装路面の吸音率は、密粒舗装路面や比較的に音の反射特性が強い路面などの基準面で測定された反射音を演算して得られた吸音率を基に、補正項を設定して補正計算されることを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定方法。
  6. 請求項1記載の道路舗装路面の吸音率測定方法において、演算手段で求められる舗装路面の吸音率は、一発毎のTSP音を個々に順次分析して得られた結果を基に、連続して導かれた演算結果を平均した吸音率によって評価することを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定方法。
  7. 時間引き伸しパルス(Time Stretched Pulse)音(以下TSP音と略称する)を発生するパルス発生源よりサイクリックに出力されるTSP音を舗装路面に向けて放射するスピーカと、このスピーカより放射されたTSP音の直接音と舗装路面からの反射音とを受音するマイクロホンを測定車両後部に形成された音響ボックス内に配置し、且つ受音されたTSP音を録音するデータレコーダを測定車両に搭載し、前記データレコーダに録音されたTSP音を再生してデジタルデータに変換するデジタル変換手段と、このデジタル変換手段により変換されたデジタルデータから直接音と反射音とを分離する分析手段と、この分析手段より反射音のみを取出して所定の演算により舗装路面の物理的特性である吸音率を求める演算手段とを備えたことを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定装置。
  8. 請求項7記載の道路舗装路面の吸音率測定装置において、前記音響ボックス内に設置されるマイクロホンを所定の位置に固定し、前記スピーカを前記測定車両の進行方向に移動可能に支持し、当該スピーカを前記測定車両の走行速度に応じて移動調整するようにしたことを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定装置。
  9. 請求項8記載の道路舗装路面の吸音率測定装置において、前記スピーカは、舗装路面に対してTSP音が予定の角度をもって放射されるように傾斜させて配置され、前記マイクロホンは、舗装路面からの反射音が垂線に対して予定の角度で入射するように傾斜させて固定されることを特徴とする道路舗装路面の吸音率測定装置。
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