JP3801128B2 - 時刻設定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機やパーソナルコンピュータ、携帯電話機等、時計機能を内蔵した機器に適用される時刻設定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動販売機には、時計機能を内蔵したものがある。この種の自動販売機では、内蔵時計機能の出力時刻に従って、例えば販売時間を制限したり、照明の点灯/消灯を行うようにしている。また、パーソナルコンピュータや携帯電話機においても、内蔵時計機能が設けられており、その出力時刻に従って、例えばファイルに対するアクセス時刻を記録したり、電子メールの送受信時刻を記録するようにしている
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した内蔵時計機能の時刻を設定する方法としては、キーボード等の入力装置から現在時刻を直接入力するもの、あるいは電波時計を使用したもの等がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−50558号公報
【特許文献2】
特開2001−91678号公報
【0005】
しかしながら、前者の場合には、現在時刻を調べる作業が必要になると共に、時刻設定画面を呼び出した後に当該調べた現在時刻を入力する作業が必要となり、作業性の点で好ましいものとはいえない。特に、時刻設定を行う機器が多数ある場合には、上述した作業を機器の数だけ繰り返し実施しなければならず、設定作業がきわめて煩雑となる。
【0006】
これに対して後者の場合には、アンテナで受信した時刻情報を含む標準電波に基づいて時刻が自動的に設定されることになるため、作業の煩雑化を招来する虞れはない。しかしながら、電波時計を使用したものの場合、上述した標準電波を受信できる位置に機器を設置する必要があり、設置場所が著しく制限されることになる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、煩雑な作業を要することなく、しかも機器の設置場所を制限することなく時刻設定を行うことのできる時刻設定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る時刻設定装置は、自局の送信時刻情報とメールサーバの受信時刻情報とを含む電子メールを受信した場合に、これらの情報から送信時刻および受信時刻を抽出し、該抽出した送信時刻と受信時刻との時間差に基づいて自局の現在時刻を修正することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る時刻設定装置は、自局宛に電子メールを送信する電子メール送信手段と、前記電子メール送信手段が送信した自局宛の電子メールを受信した場合に、該電子メールのヘッダ情報に含まれる自局の送信時刻とメールサーバの受信時刻とを抽出するヘッダ情報解析手段と、前記ヘッダ情報解析手段によって抽出された送信時刻と受信時刻との時間差を算出する時間差算出手段と、前記時間差算出手段によって算出された時間差を加算することによって自局の現在時刻を修正する時刻修正手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係る時刻設定装置は、自局の送信時刻情報とメールサーバの受信時刻情報とを含む電子メールを受信した場合に、これらの情報から送信時刻および受信時刻を抽出し、該抽出した送信時刻と受信時刻とから第1修正時間差を算出すると共に、所定の基準局から送信された電子メールを受信した場合に、該電子メールに含まれる情報から前記基準局の送信時刻と前記メールサーバの受信時刻とを抽出し、該抽出した送信時刻と受信時刻とから第2修正時間差を算出し、これら算出した第1修正時間差と第2修正時間差とに基づいて自局の現在時刻を前記基準局の現在時刻に合致させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る時刻設定装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である時刻設定装置を適用した機器を示したもので、自動販売機やパーソナルコンピュータ、携帯電話機等、時計機能部CLを内蔵した機器を例示している。同図1に示すように、実施の形態1で示す機器の時刻設定装置10は、主制御部11、電子メール生成部12、電子メール送受信部13、ヘッダ情報解析部14、時間差算出部15および時刻修正部16を備えている。主制御部11は、メモリ17に格納されたプログラムやデータに基づいて時刻設定装置10の各部を統括的に制御するためのものである。電子メール生成部12は、主制御部11からのメール生成指令が与えられた場合に、当該メール生成指令に従った宛先の電子メールを生成するものである。電子メール送受信部13は、インターネットやイントラネット等のネットワークを通じて電子メールの送受信を行うためのものである。ヘッダ情報解析部14は、電子メール送受信部13が受信した電子メールのヘッダ情報を解析し、ヘッダ情報から当該電子メールの宛先を判断すると共に、電子メールの送信時刻およびメールサーバの受信時刻を抽出するものである。ヘッダ情報解析部14による判断結果、並びにヘッダ情報から抽出した電子メールの送信時刻およびメールサーバの受信時刻は、それぞれ主制御部11に与えられることになる。時間差算出部15は、主制御部11から送信時刻と受信時刻とが与えられた場合にこれらの時間差を算出するものである。時刻修正部16は、主制御部11から時間差が与えられた場合に、この時間差に基づいて時計機能部CLの現在時刻を修正するものである。
【0013】
上記のように構成した時刻設定装置10を有した機器は、例えば図2に示すように、インターネットやイントラネット等のネットワークを通じて相互に電子メールを送受信できるように接続してある。図2に示したそれぞれの機器は、機器専用の個別機能(図示せず)を有してはいるものの、時計機能部CLおよび時刻設定装置10を備える点は図1に示した機器と同様である。
【0014】
図3は、上述した時刻設定装置10の主制御部11が実施する時刻の設定手順を示したフローチャートである。以下、このフローチャートを適宜参照しながら時刻設定装置10において機器の時刻を設定する方法について詳述する。なお、以下においては便宜上、時刻の設定対象となる機器を自局機器と称し、他の機器を他局機器として説明する。また、ネットワークに設けられた複数のメールサーバには、それぞれに標準時刻(JST:Japan Standard Time)が設定されているものとする。
【0015】
まず、時刻設定装置10の主制御部11は、メモリ17に格納した自局機器の電子メールアドレスを読み出し、該読み出した電子メールアドレスを宛先としたメール生成指令、つまり自局機器を宛先としたメール生成指令を電子メール生成部12に与えることにより、電子メール生成部12を通じて電子メールを生成する処理を行う(ステップS101)。
【0016】
ついで時刻設定装置10の主制御部11は、電子メール送受信部13に対して指令を送出し、電子メール生成部12が生成した電子メールを送信する処理を行い(ステップS102)、その後、電子メールの受信待ちとなる(ステップS103)。この間、時刻設定装置10の主制御部11は、機器に内蔵された時計機能部CLの出力時刻を電子メール送受信部13に対して常時与えており、該電子メール送受信部13が送信処理を行った際に時計機能部CLから出力された時刻が電子メールの送信時刻としてヘッダ情報に記録されることになる。
【0017】
ステップS103において電子メールを受信した時刻設定装置10の主制御部11は、ヘッダ情報解析部14を通じて電子メールのヘッダ情報を解析し、まず、当該受信した電子メールが自局機器を宛先としたものであるか否かを判断する(ステップS104)。電子メールが自局機器を宛先としたものであった場合には、さらに、電子メールのヘッダ情報に含まれる自局機器からの送信時刻の抽出、並びにメールサーバの受信時刻の抽出を行い(ステップS105)、その後、これら抽出した送信時刻と受信時刻とを時間差算出部15に与えることにより、両者の時間差を算出する処理を行う(ステップS106)。
【0018】
図4は、電子メール送受信部13が受信した電子メールのヘッダ情報を例示したものである。このヘッダ情報のうち、第1行目のFrom:に続く"useraccount@domainname"は送信元の電子メールアドレスを示し、第2行目のTo:に続く"useraccount@domainname"は宛先(受信先)の電子メールアドレスを示すものである。図4に示した電子メールでは、これら送信元の電子メールアドレスと宛先の電子メールアドレスとが同一であるため、これらのヘッダ情報から電子メール送受信部13の受信した電子メールが自局機器を宛先としたものであると判断することができる。
【0019】
また、ヘッダ情報において第4行目のDate:に続く"Sun, 01 Jan 2002 12:15:44 +0900"は、自局機器から電子メールを送信した際に時計機能部CLが出力した時刻、つまり電子メールの送信時刻を示すものであり、図4に示した電子メールの場合、2002年1月1日12時15分44秒に自局機器から電子メールが送信されたことを現している。
【0020】
ヘッダ情報の第6行目〜第8行目、第9行目〜第10行目、第11行目〜第13行目の各Received:に続く内容は、電子メールを中継したメールサーバに関する記録事項であり、それぞれに含まれる"Sun, 01 Jan 2002 12:05:51 +0900 (JST)"、"Sun, 01 Jan 2002 12:06:05 +0900 (JST)"、"Sun, 01 Jan 2002 12:05:50 +0900 (JST)"が各メールサーバにおける電子メールの受信時刻を示すものである。つまり、上段のReceived:の欄に記載されたメールサーバは、2002年1月1日12時5分51秒に電子メールを受信し、中段のReceived:の欄に記載されたメールサーバは、2002年1月1日12時6分5秒に電子メールを受信し、下段のReceived:の欄に記載されたメールサーバは、2002年1月1日12時5分50秒に電子メールを受信したことを現している。なお、ヘッダ情報に記載されているReceived:の欄の順番と実際に電子メールが中継された順番とは必ずしも一致するとは限らないが、図4に示すヘッダ情報においては、実際に電子メールが中継された順番に上方から順次Received:の欄が記載されているものとする。また、Received:の欄の数は、電子メールを中継したメールサーバの数に応じて適宜増減するものであり、必ずしも3つであるとは限らない。
【0021】
上述したステップS105において、時刻設定装置10の主制御部11は、ヘッダ情報解析部14を通じてヘッダ情報から自局機器の送信時刻としてDate:に続く"Sun, 01 Jan 2002 12:15:44 +0900"を抽出する。一方、受信時刻としては、例えば最初に電子メールを受信したメールサーバMS1のReceived:に含まれる"Sun, 01 Jan 2002 12:05:51 +0900 (JST)"を抽出する。その後、ステップS106において、時刻設定装置10の主制御部11は、時間差算出部15を通じて、これら抽出した送信時刻と受信時刻とから下式に従って両者の時間差を算出する。
時間差=(メールサーバMS1の受信時刻)−(自局機器からの送信時刻)
【0022】
図4に示した電子メールの場合には、(2002年1月1日12時5分51秒)−(2002年1月1日12時15分44秒)から時間差として(−9分53秒)、つまりメールサーバMS1に対して自局機器の時計機能部CLが9分53秒進んでいると算出されることになる。
【0023】
ステップS106において時間差を算出した時刻設定装置10の主制御部11は、該算出した時間差を時刻修正部16に与え、該時刻修正部16を通じて時計機能部CLの現在時刻を修正する(ステップS107)。具体的には、時計機能部CLに対してステップS106で算出した時間差を加えることにより、時計機能部CLの現在時刻を9分53秒だけ遅らせる処理を行う。この結果、機器の時計機能部CLが出力する時刻と、メールサーバMS1との時間差が無くなることになり、当該時計機能部CLを標準時刻に設定することができる。
【0024】
このように、上述した時刻設定装置10によれば、受信した電子メールに含まれる自局機器の送信時刻とメールサーバMS1の受信時刻とに基づいて自局機器の現在時刻を修正することができるため、現在時刻を調べたり、時刻設定画面を呼び出した後に当該調べた現在時刻を入力したりする作業が一切不要となる。しかも、電子メールの送受信を行うことのできるネットワークにさえ接続すればよいため、機器の設置場所を制限することもない。
【0025】
なお、上述した実施の形態1では、時刻設定装置10からの電子メールを最初に受信したメールサーバMS1を時刻設定の対象としているため、ネットワーク上のトラフィックの影響を最小限にとどめ、より正確に時刻設定をすることが可能になるが、必ずしも電子メールを最初に受信したメールサーバMS1を時刻設定の対象とする必要はなく、その他のメールサーバを時刻設定の対象としてもよい。
【0026】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2である時刻設定装置を適用した機器を示したもので、図1に示した実施の形態1と同様に、自動販売機やパーソナルコンピュータ、携帯電話機等、時計機能部CLを内蔵した機器を例示している。
【0027】
この図5に示す実施の形態2で示す機器の時刻設定装置20に関しても、主制御部11、電子メール生成部12、電子メール送受信部13、ヘッダ情報解析部14、時間差算出部15および時刻修正部16を備える点で実施の形態1のものと同様であるが、相対時間差算出部21を備える点で実施の形態1と相違している。
【0028】
すなわち、実施の形態2の相対時間差算出部21は、主制御部11から、後述の第1修正時間差および第2修正時間差が与えられた場合に、これら2つの時間差から相対時間差を算出するためのものである。なお、実施の形態2の時刻設定装置20において、実施の形態1と同様の構成に関しては、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
【0029】
上記のように構成した時刻設定装置20を有した機器は、例えば図6に示すように、インターネットやイントラネット等のネットワークを通じて相互に電子メールを送受信できるように接続してある。図6に示したそれぞれの機器は、機器専用の個別機能(図示せず)を有してはいるものの、時計機能部CLおよび時刻設定装置20を備える点は図5に示した機器と同様である。
【0030】
図7は、上述した時刻設定装置20の主制御部11が実施する時刻の設定手順を示したフローチャートである。以下、このフローチャートを適宜参照しながら時刻設定装置20において機器の時刻を設定する方法について詳述する。なお、以下においては便宜上、図6に示すように、機器Aが時刻設定の基準となるもの(以下、適宜基準局機器Aという)であるとし、かつ基準局機器A以外の機器(以下、適宜自局機器という)が時刻設定の対象となるものとして説明を行う。
【0031】
この実施の形態2では、自局機器に設けた時刻設定装置20の主制御部11が、常に基準局機器Aからの電子メールを受信したか否かの判断を行っている。つまり、電子メール送受信部13が電子メールを受信するたびに、ヘッダ情報解析部14を通じて当該電子メールの送信元が基準局機器Aであるか否かを判断している(ステップS201、ステップS202)。
【0032】
この状態から、基準局機器Aを送信元とする電子メールを受信すると、時刻設定装置20の主制御部11は、さらにヘッダ情報解析部14を通じて当該電子メールのヘッダ情報に含まれる基準局機器Aからの送信時刻の抽出、並びにメールサーバの受信時刻の抽出を行う(ステップS203)。その後、時刻設定装置20の主制御部11は、これら抽出した送信時刻と受信時刻とを時間差算出部15に与えることにより、両者の時間差を算出し、これを第2修正時間差として設定する(ステップS204)。
【0033】
ヘッダ情報から電子メールの送信元が基準局機器Aであるか否かを判断する処理、並びにヘッダ情報に含まれる基準局機器Aからの送信時刻およびメールサーバの受信時刻を抽出する処理は、実施の形態1で示した処理と同様である。なお、上述したステップS203においては、最後に中継を行ったメールサーバ、つまり電子メール送受信部13の直前に電子メールを受信したメールサーバの受信時刻を抽出するものとする。例えば、自局機器が機器Rである場合には、メールサーバMS9の受信時刻を抽出するものとする。
【0034】
第2修正時間差を算出した時刻設定装置20の主制御部11は、メモリ17に格納した自局機器の電子メールアドレスを読み出し、該読み出した電子メールアドレスを宛先としたメール生成指令、つまり自局機器を宛先としたメール生成指令を電子メール生成部12に与えることにより、電子メール生成部12を通じて電子メールを生成する処理を行う(ステップS205)。
【0035】
ついで時刻設定装置20の主制御部11は、電子メール送受信部13に対して指令を送出し、電子メール生成部12が生成した電子メールを送信する処理を行い(ステップS206)、その後、電子メールの受信待ちとなる(ステップS207)。この間、時刻設定装置20の主制御部11は、機器に内蔵された時計機能部CLの出力時刻を電子メール送受信部13に対して常時与えており、該電子メール送受信部13が送信処理を行った際に時計機能部CLから出力された時刻が電子メールの送信時刻としてヘッダ情報に記録されることになる。
【0036】
ステップS207において電子メールを受信した時刻設定装置20の主制御部11は、ヘッダ情報解析部14を通じて電子メールのヘッダ情報を解析し、まず、当該受信した電子メールが自局機器を宛先としたものであるか否かを判断する(ステップS208)。電子メールが自局機器を宛先としたものであった場合には、さらに、電子メールのヘッダ情報に含まれる自局機器からの送信時刻の抽出、並びにメールサーバの受信時刻の抽出を行う(ステップS209)。このステップS209において受信時刻の抽出対象となるメールサーバは、先のステップS203で受信時刻の抽出対象となったメールサーバと同一のものである。つまり、自局機器が機器Rである場合には、メールサーバMS9の受信時刻を抽出する。
【0037】
その後、時刻設定装置20の主制御部11は、抽出した送信時刻と受信時刻とを時間差算出部15に与えることにより、両者の時間差を算出し、これを第1修正時間差として設定する(ステップS210)。
【0038】
さらに、ステップS210において第1修正時間差を算出した時刻設定装置20の主制御部11は、先に算出した第2修正時間差と共に該第1修正時間差を相対時間差算出部21に与え、該相対時間差算出部21を通じてこれら第1修正時間差と第2修正時間差とから下式に従って両者の相対時間差を算出する処理を行う(ステップS211)。
相対時間差=(第1修正時間差)−(第2修正時間差)
={(メールサーバの受信時刻)−(自局機器からの送信時刻)}−{(メールサーバの受信時刻)−(基準局機器Aからの送信時刻)}
【0039】
例えば、第2修正時間差が+10、つまり基準局機器AがメールサーバMS9に対して10分遅れであり、第1修正時間差が−5、つまり自局機器がメールサーバMS9に対して5分進んでいる場合には、相対時間差が−5−(+10)=−15となる。この相対時間差は、基準局機器Aと自局機器との相対的な時間差であり、結局、自局機器が基準局機器Aに対して15分進んでいることとなる。
【0040】
最後に、相対時間差を算出した時刻設定装置20の主制御部11は、該相対時間差を時刻修正部16に与え、該時刻修正部16を通じて時計機能部CLの現在時刻を修正する(ステップS212)。具体的には、時計機能部CLに対してステップS211で算出した相対時間差を加えることにより、時計機能部CLの現在時刻を15分だけ遅らせる処理を行う。この結果、機器の時計機能部CLが出力する時刻と、基準局機器Aの時計機能部CLが出力する時刻との時間差が無くなることになり、基準局機器Aと自局機器とを同じ時刻に設定することができる。
【0041】
このように、上述した時刻設定装置20によれば、受信した自局機器宛の電子メールに含まれる自局機器の送信時刻とメールサーバの受信時刻とから第1修正時間差を算出すると共に、受信した基準局機器Aからの電子メールに含まれる送信時刻とメールサーバの受信時刻とから第2修正時間差を算出し、さらにこれら第1修正時間差および第2修正時間差から相対時間差を算出し、該算出した相対時間差に基づいて自局機器の現在時刻を基準局機器Aの時刻に合致させることができるため、時刻を設定する際に現在時刻を調べたり、時刻設定画面を呼び出した後に当該調べた現在時刻を入力したりする作業が一切不要となる。しかも、電子メールの送受信を行うことのできるネットワークにさえ接続すればよいため、機器の設置場所を制限することもない。
【0042】
さらに、上述した時刻設定装置20によれば、例えば基準局機器Aから複数の自局機器に対して電子メールを同報送信し、該同報電子メールを受信したそれぞれの機器において自局機器宛の電子メールを送受信すれば、それぞれの機器の現在時刻を基準局機器Aの現在時刻と同一時刻に設定することが可能となる。従って、例えば複数の機器間において同一の処理を一斉に行う場合にも、その設定が正確、かつきわめて容易となる。この場合、同報電子メールを送信する以前に、基準局機器Aにおいて、実施の形態1で示した処理を行えば、当該基準局機器A、並びに同報電子メールを受信したすべての機器の現在時刻を標準時刻に設定することも可能である。
【0043】
なお、上述した実施の形態1および2では、いずれも自局機器宛に電子メールを送信することによって自局の送信時刻情報とメールサーバの受信時刻情報とを含む電子メールを受信するようにしているが、必ずしも自局機器宛に電子メールを送信する必要はない。例えば存在しないユーザアカウント、存在しないドメイン名を宛先として電子メールを送信すれば、送信エラーを示す旨の電子メールがメールサーバから自局機器宛に送信されることになる。この電子メールには、自局機器からの送信時刻とメールサーバの受信時刻とが含まれるため、これらを利用すれば、実施の形態1および2と同様の処理を行うことが可能になる。
【0044】
ただしこの場合、メールサーバによっては、自局機器からの送信時刻、あるいはメールサーバの受信時刻がヘッダ情報ではなく、電子メールの本文中に記載するものもある。従って、時刻設定装置としては、ヘッダ情報を解析して送受信時刻を抽出するものに限らず、電子メールの本文をも対象として送受信時刻を抽出するものを備えることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1および2に係る時刻設定装置によれば、受信した電子メールに含まれる自局の送信時刻情報とメールサーバの受信時刻情報とに基づいて自局の現在時刻を修正することができるため、現在時刻を調べたり、時刻設定画面を呼び出した後に当該調べた現在時刻を入力したりする作業が不要となる。しかも、電子メールの送受信を行うことのできるネットワークにさえ接続すればよいため、機器の設置場所を制限することもない。
【0046】
また、本発明の請求項3に係る時刻設定装置によれば、受信した自局宛の電子メールに含まれる自局の送信時刻とメールサーバの受信時刻とから第1修正時間差を算出すると共に、受信した基準局からの電子メールに含まれる送信時刻とメールサーバの受信時刻とから第2修正時間差を算出し、さらにこれら第1修正時間差および第2修正時間差から相対時間差を算出し、該算出した相対時間差に基づいて自局の現在時刻を基準局の時刻に合致させることができるため、時刻を設定する際に現在時刻を調べたり、時刻設定画面を呼び出した後に当該調べた現在時刻を入力したりする作業が一切不要となる。しかも、電子メールの送受信を行うことのできるネットワークにさえ接続すればよいため、機器の設置場所を制限することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である時刻設定装置を適用した機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した機器を含むネットワークの構成を示す概念図である。
【図3】図1に示した時刻設定装置の主制御部が実施する時刻の設定手順を示したフローチャートである。
【図4】電子メールのヘッダ情報を例示した図である。
【図5】本発明の実施の形態2である時刻設定装置を適用した機器の要部構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した機器を含むネットワークの構成を示す概念図である。
【図7】図5に示した時刻設定装置の主制御部が実施する時刻の設定手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10 時刻設定装置
11 主制御部
12 電子メール生成部
13 電子メール送受信部
14 ヘッダ情報解析部
15 時間差算出部
16 時刻修正部
17 メモリ
20 時刻設定装置
21 相対時間差算出部
CL 時計機能部
MS1 メールサーバ
MS9 メールサーバ
R 機器
Claims (3)
- 自局の送信時刻情報とメールサーバの受信時刻情報とを含む電子メールを受信した場合に、これらの情報から送信時刻および受信時刻を抽出し、該抽出した送信時刻と受信時刻との時間差に基づいて自局の現在時刻を修正することを特徴とする時刻設定装置。
- 自局宛に電子メールを送信する電子メール送信手段と、
前記電子メール送信手段が送信した自局宛の電子メールを受信した場合に、該電子メールのヘッダ情報に含まれる自局の送信時刻とメールサーバの受信時刻とを抽出するヘッダ情報解析手段と、
前記ヘッダ情報解析手段によって抽出された送信時刻と受信時刻との時間差を算出する時間差算出手段と、
前記時間差算出手段によって算出された時間差を加算することによって自局の現在時刻を修正する時刻修正手段と
を備えたことを特徴とする時刻設定装置。 - 自局の送信時刻情報とメールサーバの受信時刻情報とを含む電子メールを受信した場合に、これらの情報から送信時刻および受信時刻を抽出し、該抽出した送信時刻と受信時刻とから第1修正時間差を算出すると共に、
所定の基準局から送信された電子メールを受信した場合に、該電子メールに含まれる情報から前記基準局の送信時刻と前記メールサーバの受信時刻とを抽出し、該抽出した送信時刻と受信時刻とから第2修正時間差を算出し、
これら算出した第1修正時間差と第2修正時間差とに基づいて自局の現在時刻を前記基準局の現在時刻に合致させることを特徴とする時刻設定装置。
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