JP3797189B2 - 鋼材の腐食速度推定方法および腐食評価方法 - Google Patents

鋼材の腐食速度推定方法および腐食評価方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性鋼材等の鋼材の腐食速度の推定と腐食の評価に関し、特に、 大気暴露環境下での鋼材の腐食速度を非破壊で高精度に推定する方法を提供するものである。
以下、 本発明に適用する鋼材として耐候性鋼材を例示して説明するが、 本発明が鋼材一般に適用できるものであることは言うまでもない。
【0002】
【従来の技術】
耐候性鋼は、鋼中にP、Cu、Cr、Ni等の合金元素を添加し大気中における耐食性を向上させた鋼であり、タンク、鉄塔、橋梁等の鋼構造物に広く使用されている。
耐候性鋼は、屋外の大気暴露下において、腐食の原因である酸素や水を通しにくい保護性錆と呼ばれる錆を数年で形成し、その後の腐食の進行を抑制している。このため、耐候性鋼は防錆塗料の塗布が不要であり、いわゆる裸使用が可能で安価な高耐食性材料である。
【0003】
耐候性鋼材を使用した鋼構造物は、ライフサイクルコストやミニマムメンテナンスの観点から注目されているが、適用するにはいくつかの制限があり、また適用後も最低限の維持管理、点検が必要である。
例えば、建設省(現国土交通省)による耐候性鋼の適用指針(「耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XX)、建設省土木研究所、(社) 鋼材楽部、(社) 日本橋梁建設協会発行」)によれば、飛来塩分量が0.05mdd (mg/dm2 /day )以上となる地域では、従来の耐候性鋼(JISG3144 :溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材) は無塗装で使用できないことが規定されている。
【0004】
飛来塩分量の測定は長期間を要するが、一般に、飛来塩分量は海岸からの距離とともに減少するので、各沿岸地域に応じて、飛来塩分量の測定を省略してもよい離岸距離が定められている。しかし、海からの飛来塩分が少ない山間部でも、路面に凍結防止のため融雪塩を散布する場合があり、 そのような環境下では、耐候性鋼材に著しい腐食を生じ、保護性錆が形成されない場合もある。また、常に湿った環境下では保護性錆は形成されにくいことが知られており、場合によっては適切な処置を必要とする場合もある。
【0005】
耐候性鋼を使用した鋼構造物の維持管理上最も重要なことは、鋼材表面に保護性錆が形成されたかどうかを判定することである。しかしながら、耐候性鋼に保護性錆が形成されて腐食速度が低減する期間は、その暴露環境に大きく依存するのが現実であり、その判定方法として的確で信頼性のある方法は未だ確立されていないのが現状である。
【0006】
ところで、本質的に重要となるのは、問題とする鋼材の大気環境下における腐食速度である。腐食速度は、腐食量の微分値であり、腐食量の経年変化を測定し、その腐食量カーブから回帰式により算出される。
つまり、ある時点での腐食速度を測定するためには、初めに多くの試験片を暴露し、一定期間ごとにそれらの試験片を順次回収して当該試験片の初期重量からの腐食による重量減を求めた過去の一連のデータが必要となる。
【0007】
しかしながら、このようなデータを採取することは、 鋼構造物の維持管理のための手段としてはコストも労力もかかり、とても簡便な方法とは言えない。 確かに、 この方法は、 鋼構造物が架設された時点からその構造物と同じ環境に測定用試料(試験片)を設置し、その腐食量を追跡することのできる確実で信頼性の高い方法である。
【0008】
ところが、この方法では、 腐食量の経年変化のデータを採取する必要があるため、腐食速度を測定するために多数の測定用試料を準備しておく必要があり、試験片の準備や、それらのデータの採取と管理、解析に多大な労力を要することになる。
そのため、従来から、 腐食速度と相関があると考えられている錆の状態を判定し、 腐食速度を簡便に推定する各種の方法が提案されている。
【0009】
まず、錆の外観からの判定基準として、「耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XV)(建設省土木研究所、(社) 鋼材楽部、(社) 日本橋梁建設協会発行) 」に示されている5段階評価基準がある。この基準は、 錆外観の粗度、剥離錆の有無から評点をつけて評価するものである。 すなわち、外観上で、繊密で密着性のある錆が形成されていれば、腐食速度は十分低減されているものと判定し、維持管理上問題がないとするものである。
【0010】
次に、 現場で非破壊かつ迅速に錆状態を計測する方法として、「Corrosion 、vol.45、No.4、pp347-352(1989) 」には、「錆層のイオン透過抵抗を測定して、錆の保護性を評価する方法」が開示されている。 この方法は、錆層の環境遮断性に着目したものであり、定量的な方法で優れている。
一方、 特開平6-241982号公報には、耐候性鋼材の錆層を微少量採取し、その採取粉末に対するα- FeOOH量の割合、および、α- FeOOHの平均結晶粒径のうち少なくとも一方を測定するにより、その鋼材の錆層の安定度を評価することを特徴とする耐候性鋼材の錆安定化評価方法が開示されている。
【0011】
また、特開平11-316209 号公報には、耐候性鋼材と参照電極との電位差を測定して、その電位差から腐食速度を推定する方法が開示されている。
さらに、特開2000-241339 号公報には、錆層の断面の光学顕微鏡解析を行って、錆層内のクラック密度、あるいは、地鉄界面における消光錆占有率によって錆の保護性を判定する方法が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の5段階評価基準による錆の外観判定については、観察者の主観がはいることになり、一般性に欠け、定量的な評価が困難であるという問題がある。
また、錆層のイオン透過抵抗を測定する方法は、定量性があり優れた方法といえるが、異常腐食を生じた厚い錆の場合、イオン透過抵抗の測定結果に信頼性がなく、外観判定を併用せざるを得ず、やはり一般性に欠ける。
【0013】
なお、イオン透過抵抗の測定は、実際の腐食速度を測定するものではなく、錆の環境遮断性と腐食速度の相関を仮定して測定する方式である。
次に、 特開平6-241982号公報に開示された、錆中のα- FeOOH量の割合で錆の保護性を評価する方法も定量的な方法である。
耐候性鋼の錆は、内層と外層の2層構造をしており、その内層部分が耐候性に大きな役割を果たしていることは良く知られた事実である。しかし、錆を採取するにあたって、内層の地鉄に密着した錆層を採取するのは困難な作業であり、採取方法によって分析値に大きなばらつきを生じるという問題がある。
【0014】
また、特開平11-316209 号公報に開示された、電位差を測定する方法は、錆で覆われた鋼板の電位と腐食速度との相関について原理的に不明な点が多く、厚い異常錆で覆われた場合には測定値に誤差を生ずるという欠点を有する。
さらに、特開2000-241339 号公報に開示された、錆層の断面の光学顕微鏡写真を解析する方法では、その解析のための指標として提示されているクラック密度と界面消光錆占有率と腐食速度との定量的相関が必ずしも明確にされていない。また、自然にできた錆層の不均一性を考えると、ミクロ的な観察結果での判定では誤差が大きいものと考えられる。
【0015】
本発明は、 以上の問題点を解消し、 大気環境に暴露された耐候性鋼材を一定温度、一定湿度環境下の密閉空間に保持して、その空間の圧力低下速度を計測することにより、非破壊かつ定量的な鋼材の腐食速度推定方法を提供するものであり、また、その推定した腐食速度に基づく腐食評価方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上の課題を解決するためには、非破壊的に鋼材の腐食速度を推定可能とする必要があると考えた。ところが、腐食速度の測定方法としては、電気化学的な手法があるものの、錆層を有した鋼板については適用が困難な点が多い。
【0017】
一方、本発明者らは、「Corrosion Science 、Vol.27、 No.9、pp905-926(1987) 」に実験的に用いられている酸素消費率計測法に着目し、 この方法が、非破壊、非接触で腐食速度を計測できる有効な手法であり、耐候性鋼に代表される鋼材の腐食速度の推定に適用可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、 以下の各項記載の鋼材の腐食速度推定方法および鋼構造物の腐食評価方法により、上記課題を解決したのである。
▲1▼ 大気環境下に暴露した評価試験片を非破壊的に測定し、鋼材の腐食速度の推定を行う鋼材の腐食速度推定方法であって、該評価試験片を、定温、定湿度の密閉容器中に保持する工程と、 該密閉容器内の圧力低下速度を計測する工程と、 計測した当該圧力低下速度に基づき、 酸素消費率を算出する工程と、 該酸素消費率から、あらかじめ求めた酸素消費率と実際の腐食速度の関係に基づき、腐食速度を導出する工程と、 を有することを特徴とする鋼材の腐食速度推定方法。
▲2▼ 前記の定湿度を、湿度90%以上の定湿度とすることを特徴とする上記▲1▼に記載の鋼材の腐食速度推定方法。
▲3▼ 前記の酸素消費率(icorr)を、前記圧力低下速度(ΔP/Δt)に基づいて、下記(1)式で算出することを特徴とする上記▲1▼または▲2▼に記載の鋼材の腐食速度推定方法。
【0018】
corr = 4(F・G/(R・T・A))・ΔP/Δt ・・・ (1)
但し、 F:ファラデー定数、G:密閉容器の体積、R:気体定数、T:温度、A:評価試験片の面積、である。
▲4▼ 鋼構造物の完工時点で、 該鋼構造物の近傍に、該鋼構造物と同一素材の評価試験片を装着して該鋼構造物と同一条件の大気環境下で暴露を行い、
腐食評価時に、 当該評価試験片を取り外して上記▲1▼〜▲3▼のいずれかに記載の鋼材の腐食速度推定方法を適用し、腐食速度の推定を行うことで前記鋼構造物の腐食評価を行うことを特徴とする鋼構造物の腐食評価方法。
▲5▼ 上記▲4▼に記載の鋼構造物の腐食評価方法において、さらに、前記評価試験片を、腐食速度推定後、前記鋼構造物の近傍に再度装着して継続利用することを特徴とする鋼構造物の腐食評価方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、「Corrosion Science 、Vol.27、No. 9、pp905-926(1987) 」に記載の酸素消費率計測法に基づく腐食速度の計測方法について説明する。
酸素消費率計測法は、高湿度状態とした密閉チェンバ内で、鋼材の腐食を促進させ、主たるカソード反応である酸素還元をそのチェンバの圧力低下として検出する方法である。
【0020】
すなわち、鋼材の酸素還元反応に基づき、鋼材の腐食の速度に対応する酸素消費率icorr(単位は、通常、μA/cm2 とされる)は、その酸素消費に伴うチェンバの圧力低下の変化率(圧力低下速度)をΔP/Δtとして、
corr = 4(F・G/(R・T・A))・ΔP/Δt ・・・ (1)
但し、 F:ファラデー定数、G:密閉容器の体積、R:気体定数、T:温度、A:評価試験片の面積、で算出することができる。
【0021】
図1に、本発明の鋼材の腐食速度測定方法に適用して、評価用試験片Sの酸素消費率を測定する差圧測定装置の一例を示す。
図1の差圧測定装置は、評価用試験片Sを装入する測定チェンバ1aと参照チェンバ1bからなる密閉容器1、および、測定チェンバ1aと参照チェンバ1bの差圧を測定する差圧計4から構成され、その差圧計4の出力が表示装置である記録計5に出力されて表示される。 密閉容器1は、恒温槽3内に収められ、例えば20℃の一定温度に保持される。 一方、測定チェンバ1aと参照チェンバ1bには、それぞれ湿度調整用溶液2を封入し、チェンバ内を一定の高湿度に保持し、 腐食を促進させる。
【0022】
なお、チェンバ1a、1b内の湿度が高いほど腐食が促進され、測定精度も高くなることから、 湿度は高いほど好ましい。特に、 実用測定上の観点からは、90%以上とすることを好適とする。
本発明においては、 評価用試験片Sを、チェンバ内の一定温度、 一定湿度(高湿度)中に保持し、 その環境下での酸素消費に伴う圧力低下を計測する。 圧力低下は、 測定チェンバ1aと参照チェンバ1bの差圧を測定することで、 簡単に計測することができる。 なお、チェンバ内を一定の高湿度に保持するには、 種々の化学物質の飽和溶液をチェンバ内に置けばよい。
【0023】
そして、チェンバ密閉後の圧力低下の変化率ΔP/Δtを測定することで、 上記(1)式から鋼材の腐食速度に対応した酸素消費率icorrを算出する。
本発明者らは、 酸素消費率計測法が、実際に評価用試験片Sを腐食環境下に置くことで、その腐食量を短時間かつ高精度に測定可能とするものであり、 測定した酸素消費率icorrが実環境下での実際の腐食速度と高い相関関係にあることを見出したのである。そして、酸素消費率icorrの値が小さいほど、腐食速度が遅く、 かつ、錆の保護性が高いことを見出した。
【0024】
図2は、 腐食速度が既知の種々の耐候性鋼について、図1で示す差圧測定装置を用いて酸素消費率icorr(μA/cm2 )を測定した結果のグラフである。 なお、恒温槽の温度は20℃、チェンバ内の湿度調整用溶液としては、NH4H2P04の飽和溶液を用い、湿度を93%として測定している。
図2からも明らかなように、 図1の装置で測定した酸素消費率icorr(μA/cm2 )と実際の腐食速度(mm/year)とは非常に高い相関がある。すなわち、測定した酸素消費率icorrの値をそのまま腐食速度の推定値として採用することが可能である。
【0025】
なお、実際の腐食速度は、暴露年数と腐食量の関係の実測データから回帰によって求めた値である。
ところで、本発明の鋼材の腐食速度推定方法を適用して、実際の鋼構造物の腐食評価を行うには、 評価対象の鋼構造物が竣工した時点で、 その鋼構造物と同一素材の評価試験片を構造物の近傍に装着し、同一条件の環境下で大気暴露しておく。そして、所要年数経過後の腐食評価時に、 当該評価試験片を取り外して本発明の試験装置(図1参照)に封入して測定を行い、 その結果に基づいて腐食速度推定を行う。 このようにして推定した腐食速度から、錆の保護性を判定することができ、鋼構造物の的確な腐食評価を行うことが可能となる。
【0026】
ちなみに、測定後の評価試験片は再利用が可能である。すなわち、当該評価試験片を、取付けていた元の場所に再度取付けておけば、次の腐食評価時に、その時点での腐食速度推定を行うことができる。 そのため、本発明では、 多数の評価試験片を用意しておく必要がなく、 必要最小限の評価試験片を用意するだけで足りる。
【0027】
【実施例】
橋梁を模した耐候性鋼材製の鋼構造物10(図3に模式的に示す)に、その耐候性鋼材から切り出した評価用試験片Sa、Sbを装着し、 略6年に及ぶ大気環境下での暴露試験を実施した。
評価用試験片Sa、Sbは、コンクリート橋脚13上に載設した橋梁I桁模擬構造物(I桁)12の下フランジ内側上面の2箇所に取付けた。 また、I桁12の上部にはコンクリート天板11を載設して橋梁を模している。 なお、模擬橋梁を設置した地点の年間平均の飛来塩分量は0.06mdd である。
【0028】
以上のようにして大気暴露した2つの評価用試験片Sa、Sbを、暴露開始から1年毎に取り外し、 本発明の腐食速度推定方法を適用した測定を実施した。 なお、測定完了後は元の位置に戻して大気暴露を継続し、毎年、同一の評価用試験片を用いるようにした。
ただし、暴露4年目(つまり、3年目の測定完了後)から、評価用試験片Sbを取付けた側のI型構造体の下フランジ内側上面に、週1回、塩化ナトリウム溶液を塗布した。塩化ナトリウムの塗布量は、0.2mddに相当する量とした。
【0029】
図4のグラフに、 評価試験片Sa、Sbの各年の腐食速度推定結果を示す。
評価試験片Saは、年を追うごとに順調に腐食速度が低減しており、鋼材表面に保護性錆が形成されていることは明らかである。
一方、 評価試験片Sbは、3年目までは評価試験片Saと同様に、順調に腐食速度が低減しているが、塩化ナトリウム溶液を塗布し始めた4年目から腐食速度が増大している。すなわち、塗布した塩化ナトリウム溶液の影響で保護性錆の形成が阻害されている。
【0030】
以上の結果からも明らかなように、 本発明の適用で、 環境変化による錆状態の変化を的確に評価することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、耐候性鋼等の鋼材の実際の腐食速度を高い精度で推定可能であり、また、腐食速度を非破壊、かつ、定量的に評価することができる。
本発明を適用することで、 耐候性鋼等の鋼材を用いた鋼構造物の維持管理を、簡便、かつ、的確に行うことができるようになり、もしも腐食速度の増大が見られた場合には、早急に塗装等の適切な補修を行うことで、構造物としての致命的な損傷を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の腐食速度推定方法に適用する差圧測定装置の模式図である。
【図2】酸素消費率と実際の腐食速度の対応を示すグラフである。
【図3】本発明に適用する評価用試験片を橋梁に設置した様子を示す模式図である。
【図4】評価用試験片の腐食の経過を示すグラフである。
【符号の説明】
1 密閉容器(チェンバ)
1a 測定チェンバ
1b 参照チェンバ
2 湿度調整用溶液
3 恒温槽
4 差圧計
5 記録計(表示装置)
10 (鋼)構造物
11 コンクリート天板
12 橋梁I桁模擬構造物(I桁)
13 コンクリート橋脚
S、Sa、Sb 評価用試験片

Claims (5)

  1. 大気環境下に暴露した評価試験片を非破壊的に測定し、鋼材の腐食速度の推定を行う鋼材の腐食速度推定方法であって、
    該評価試験片を、定温、定湿度の密閉容器中に保持する工程と、
    該密閉容器内の圧力低下速度を計測する工程と、
    計測した当該圧力低下速度に基づき、 酸素消費率を算出する工程と、
    該酸素消費率から、あらかじめ求めた酸素消費率と実際の腐食速度の関係に基づき、腐食速度を導出する工程と、
    を有することを特徴とする鋼材の腐食速度推定方法。
  2. 前記の定湿度を、湿度90%以上の定湿度とすることを特徴とする請求項1に記載の鋼材の腐食速度推定方法。
  3. 前記の酸素消費率(icorr)を、前記圧力低下速度(ΔP/Δt)に基づいて、下記(1)式で算出することを特徴とする請求項1または2に記載の鋼材の腐食速度推定方法。

    corr = 4(F・G/(R・T・A))・ΔP/Δt ・・・ (1)
    但し、 F:ファラデー定数、G:密閉容器の体積、R:気体定数、T:温度、A:評価試験片の面積、である。
  4. 鋼構造物の完工時点で、 該鋼構造物の近傍に、該鋼構造物と同一素材の評価試験片を装着して該鋼構造物と同一条件の大気環境下で暴露を行い、
    腐食評価時に、 当該評価試験片を取り外して請求項1〜3のいずれかに記載の鋼材の腐食速度推定方法を適用し、腐食速度の推定を行うことで前記鋼構造物の腐食評価を行うことを特徴とする鋼構造物の腐食評価方法。
  5. 請求項4に記載の鋼構造物の腐食評価方法において、さらに、
    前記評価試験片を、腐食速度推定後、前記鋼構造物の近傍に再度装着して継続利用することを特徴とする鋼構造物の腐食評価方法。
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