JP3796807B2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼室に燃焼を噴射するメイン噴射に先行して少量の燃料をパイロット噴射するように構成されたディーゼルエンジンの燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平4−153530号公報に示されるように、ディーゼルエンジンからなる内燃機関の騒音対策やNOx等の有害排気物対策として、燃料の噴射に先立つパイロット噴射を達成するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置において、運転状態によって決定されるパイロット噴射の終了からメイン噴射開始までの時間間隔に応じ、内燃機関の運転状態によって決定されるメイン噴射制御時間を補正することにより、パイロット噴射終了時に発生する燃料噴射ノズル内の残圧や燃料圧送路内の空洞のメイン噴射への影響を補償することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に示されたディーゼルエンジンの燃料噴射装置に用いられている燃料噴射ポンプは、各気筒別にプランジャーで燃料を送る列型のポンプであるが、ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプとしては上記列型ポンプのほかに、分配型燃料噴射ポンプも知られている。この分配型燃料噴射ポンプは各気筒に装備された噴射ノズルに対して燃料を分配供給するもので、列型ポンプに比べてコンパクトである等の利点を有し、普通乗用車などに広く使用されている。
【0004】
この分配式燃料噴射ポンプを用いる場合、従来、パイロット噴射は行われていなかったが、例えば直噴式エンジンに分配式燃料噴射ポンプを適用するような場合に、やはり騒音対策や有害成分対策が要求され、騒音低減等のための方法としてパイロット噴射を行うことが好ましい。
【0005】
ただし、このように分配式燃料噴射ポンプを用いたものにおいてパイロット噴射を行おうとする場合、分配式燃料噴射ポンプは列型燃料噴射ポンプと比べて大幅に噴射圧力が低いため、パイロット噴射後にメイン噴射を行うときに動作不良を招き易い等の問題がある。
【0006】
具体的に問題点の一例を説明すると、エンジンの各気筒に装備される噴射ノズルは、一般に、噴射ポンプからの燃料圧力で機械的に弁体がリフトするようになっているが、分配式燃料噴射ポンプを用いると比較的噴射圧が低く、従って噴射ノズルに具備されるリターンスプリングのバネ力も弱いため、噴射ノズルが閉弁後にバウンスし易い。そして、パイロット噴射によるバウンスが収まっていないうちにメイン噴射時期となると、設定圧力よりも低い圧力で噴射ノズルが開いてしまって充分な噴射圧が得られなくなることにより、燃料の微粒化が悪くなって着火性、燃焼性が悪化する等の問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑み、分配型燃料噴射ポンプを用いつつ、騒音低減等のためパイロット噴射を行うようにし、しかも、運転状態等に応じてパイロット噴射の割合やパイロット噴射とメイン噴射との間隔等を適正に調整することができ、パイロット噴射及びメイン噴射を良好に行わせることができるディーゼルエンジンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、分配型燃料噴射ポンプと、各気筒毎に設けられて、上記分配型燃料噴射ポンプからの燃料圧力で機械的に弁体がリフトするようになっている噴射ノズルとを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置において、噴射ノズルからの燃料噴射をメイン噴射とこれより早い時期に行うパイロット噴射とに分割して行うことが可能で、かつ、メイン噴射とパイロット噴射の各噴射量及び両噴射の間隔の調節が可能な燃料供給調節手段と、エンジンの全運転域で運転状態に応じた燃料噴射量を設定した燃料噴射量特性のマップから要求噴射量を演算する要求噴射量演算手段と、パイロット噴射後に上記噴射ノズルの弁体が閉弁静止状態になったときにメイン噴射が開始されるように、上記要求噴射量に基づいてパイロット噴射の噴射量であるパイロット噴射量及びパイロット噴射とメイン噴射との間隔であるパイロット間隔を演算する手段と、これらの演算に基づいて上記燃料供給調節手段を制御することによりパイロット噴射及びメイン噴射を制御する制御手段とを備えたものである。
【0009】
この構成によると、燃料噴射量特性のマップから求められる要求噴射量に応じ、上記パイロット噴射量及びパイロット間隔が適正に調整されるとともに、パイロット噴射後において噴射ノズルのバウンスが収まっていないときにメイン噴射が開始されることが避けられ、不正常なメイン噴射動作が防止されるので、パイロット噴射及びメイン噴射が良好に行われることとなる。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項1記載の装置において、上記要求噴射量に基づいてパイロット噴射量を演算するパイロット噴射量演算手段と、このパイロット噴射量もしくは上記要求噴射量に応じてパイロット間隔を演算するパイロット間隔演算手段とを備えたものである。また、請求項に係る発明は、請求項記載の装置において、上記パイロット間隔演算手段は、上記パイロット噴射量が多くなるほどパイロット間隔を大きくするようにしたものである。
【0013】
このような構成によると、パイロット噴射量が多いときは噴射ノズルのバウンスが生じ易くなることに対応してパイロット間隔が大きくされることにより、メイン噴射動作が適正に行われる。
【0014】
請求項に係る発明は、請求項1〜のいずれかに記載の装置において、高出力域ではパイロット噴射量を0とすることによりメイン噴射のみ行わせるようにしたものである。
【0015】
この構成によれば、ディーゼルエンジンが高出力運転状態にあることが確認された場合に、パイロット噴射が禁止されて相対的にメイン噴射における燃料の噴射量が増大されることにより、エンジン出力が十分に確保されることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態によるディーゼルエンジンの噴射装置のうちの、主に分配型燃料噴射ポンプを示している。この図において、分配型燃料噴射ポンプ1は、エンジンによって駆動されるドライブシャフト2にカップリング3を介して接続されたカムディスク4と、プランジャスプリング6によってカムディスク4に押付けられたポンププランジャ7とを備えており、上記カムディスク4は、エンジンシリンダ数と同数のフェイスカム5を有し、ローラホルダー8に保持されたローラ9に当接している。そして、上記カムディスク4がドライブシャフト2に駆動されて回転するとローラ9上を所定のカムリフトだけ往復動し、これに伴って上記ポンププランジャ7が回転しつつ往復動することにより、燃料が吸入通路10から圧力室11に導入された後、燃料分配ポート12から通路13及びデリバリバルブ14を通って各気筒15の噴射ノズル16に圧送されるようになっている。
【0017】
また、上記圧力室11には、メイン噴射とパイロット噴射の各噴射量及び両噴射の間隔の調節が可能な燃料供給調節手段としての電磁スピル弁17が接続されている。この電磁スピル弁17は、図2に示すように、メイン噴射のタイミング及び量を制御するためのメインバルブ18と、パイロット噴射のタイミング及び量を制御するためのパイロットバルブ19とを備えている。
【0018】
この電磁スピル弁17のメインバルブ18及びパイロットバルブ19が、図1中に示した噴射状態制御手段20からの制御信号により作動されるようになっている。上記噴射状態制御手段20はコントロールユニット(ECU)21に接続され、このECU21にはクランク各センサ22、アクセル開度センサ23、燃料温度センサ24等からの検出信号が入力され、これらの信号に基づいてエンジン回転数、エンジン負荷に相当するアクセル開度、燃料温度等が検出されるようになっている。
【0019】
図3は各気筒に装備された噴射ノズル16の先端部付近の構造を拡大して示ている。この図に示すように噴射ノズル16は、ボディ25内に、ポンプ1から送られた燃料を導入する燃料室26を有するとともに、その内部に棒状の弁体27を備えている。この弁体27の先端には外側テーパー部28、中間テーパー部29、内側テーパー部30が連続的に形成され、上記中間テーパー部29がボディ25の先端近傍部内周側に設けられた弁座31に当接するようになっている。また、ボディ25の先端部には噴口32が形成されている。
【0020】
このような構造により、弁座31に弁体27の先端側の中間テーパー部29が密接している着座状態では、燃料室26の燃圧が外側テーパー部28に作用し、この状態で燃圧が設定値以上になると付勢力に抗して弁体27が開き始め、これによって中間テーパー部28が弁座31から少しでも離れると、中間テーパー部28や内側テーパー部29にも燃圧が作用して、受圧面積が増大することにより開作動が助長され、こうして弁体27が開作動すると噴口32から燃料が噴射されるようになっている。
【0021】
図4は上記噴射状態制御手段20の構成を示している。この図において、上記噴射状態制御手段20には、図2に示すように、ディーゼルエンジンの運転状態等をパラメータとして予め設定されたマップから読み出された値に基づき、燃料の要求噴射量を演算によって求める要求噴射量演算手段35と、この要求噴射量演算手段35の出力信号に応じてパイロット噴射の噴射量であるパイロット噴射量を演算するパイロット噴射量演算手段36と、上記要求噴射量演算手段35の出力信号に応じてパイロット噴射とメイン噴射との間隔であるパイロット間隔を演算するパイロット間隔演算手段37とが設けられている。
【0022】
上記燃料の要求噴射量は、ディーゼルエンジンの冷却水温、燃料温度、給気温度、EGR量およびアクセル開度等に応じ、ディーゼルエンジンの全運転領域で最適値となるように、実験等により予め求められてマップとして記憶され、一般的にエンジン回転数が高いほど、上記燃料の要求噴射量も増加する傾向にある。また、上記パイロット噴射量は、上記要求噴射量に基づいて演算され、例えば、ディーゼルエンジンの運転状態等をパラメータとして予め実験等により設定されたパイロット噴射率のマップから読み出された値を、上記要求噴射量の演算値に乗じる等によって算出されるようになっている。さらに、上記パイロット間隔は、上記要求噴射量もしくは上記パイロット噴射量をパラメータとして予め設定されたマップから読み出された値に基づいて演算され、エンジンのクランク角を単位として求められるように構成されている。
【0023】
上記演算手段36,37においてパイロット噴射量及びパイロット間隔を演算する際、パイロット噴射後の上記噴射ノズルの弁体が閉弁静止状態になったときにメイン噴射が開始されるように、パイロット噴射量及びパイロット間隔が求められる。そして、上記パイロット間隔は、パイロット噴射量が多くなるにつれて大きくなるように設定されている。このような条件を満足する要求噴射量、パイロット噴射量、パイロット間隔の関係は、予め実験的に調べられ、テーブルもしくはマップとして記憶されている。
【0024】
さらに上記噴射状態制御手段20には、上記要求噴射量からパイロット噴射量を減算することによりメイン噴射量(メイン噴射の噴射量)を演算するメイン噴射量演算手段38と、ディーゼルエンジンの運転状態等をパラメータとして予め設定されたマップに基づき、メイン噴射タイミングを演算によって求めるメイン噴射タイミング演算手段39と、噴射状態補正手段40とが設けられている。
【0025】
この噴射状態補正手段40は、メイン噴射タイミングをパラメータとして予め設定されたマップから読み出された補正値に基づきパイロット噴射量を補正するとともに、メイン噴射タイミングをパラメータとして予め設定されたマップから読み出された補正値に基づきパイロット間隔を補正するようになっている。
【0026】
さらにこの噴射状態補正手段40は、クランク角センサ22等の検出信号に応じてディーゼルエンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段41の出力信号に基づき、アイドル運転状態においてエンジン回転速度を目標回転速度に一致させる方向にパイロット噴射量を補正するフィードバック補正機能を有している。
【0027】
また噴射状態補正手段40は、上記回転速度検出手段41の出力信号に応じて角速度変動を検出する角速度変動検出手段42の出力信号に基づき、上記角速度変動を抑制する方向にパイロット間隔を補正する機能を有している。
【0028】
また、上記噴射状態制御手段20には、上記アクセルセンサ23の出力信号に応じて車両の加速度を検出する加速度検出手段43と、燃料温度センサ24の出力信号に応じて燃料温度を検出する燃料温度検出手段44と、ディーゼルエンジンの出力が予め設定された基準値以上の高出力運転状態にあるか否かを判定する運転状態判定手段45とが設けられている。
【0029】
そして、ディーゼルエンジンのアイドル運転状態において、上記燃料温度検出手段45の出力信号に応じて燃料温度が低いことが確認された場合に、上記噴射状態補正手段40によってパイロット噴射量を減少させる方向に補正する制御が実行されるようになっている。また、上記加速度検出手段43の出力信号に応じて車両が予め設定された基準値以上の加速状態にあることが確認された場合に、上記噴射状態制御手段20によってパイロット噴射量を減少させる方向に補正するとともに、パイロット噴射とメイン噴射との間隔を減少させる方向に補正する制御が実行されるようになっている。
【0030】
また、上記運転状態判定手段45において、ディーゼルエンジンが高出力域にあることが確認された場合、例えばエンジン回転数が所定値以上の過回転状態にある場合、車速が所定値以上の高車速走行状態にある場合または燃焼噴射量の多いエンリッチ状態にあることが確認された場合には、上記パイロット噴射における燃料噴射量が0に設定されるとともに、上記パイロット間隔が0に設定されることにより、パイロット噴射が禁止され、メイン噴射のみが行われるように構成されている。なお、上記運転状態判定手段45において、車両が所定の減速状態における燃料カット制御の実行状態にあることが確認された場合には、上記パイロット噴射も停止される。
【0031】
上記構成の噴射状態制御手段9による基本制御動作を図3および図4に示すフローチャートに基づいて説明する。上記基本制御動作がスタートすると、まずステップS1において初期設定を行った後、ステップS2において、上記クランク角センサ22、アクセルセンサ23または燃料温度センサ24等から出力された検出信号を入力する。次いで、ステップS3において、上記運転状態に応じて必要となる燃料の要求噴射量QFを要求噴射量演算手段35により求めた後、ステップS4において、ディーゼルエンジンの運転状態を上記運転状態判定手段45によって判定する。
【0032】
また、ステップS5において、上記運転状態の判定結果に応じてパイロット噴射を実行するパイロット噴射にあるか否かを判定し、NOと判定された場合には、ステップS17,S18に移行してパイロット噴射量QPおよびパイロット間隔APをそれぞれ0に設定してパイロット噴射を禁止する。
【0033】
上記ステップS5でYESと判定された場合には、ステップS6において、上記要求噴射量演算手段14により求めた要求噴射量QFに基づき、パイロット噴射における燃料の基本噴射量(パイロット基本噴射量)QFBをパイロット噴射量演算手段36により演算して求めるとともに、ステップS7において、上記要求噴射量QFに基づき、パイロット噴射とメイン噴射との基本間隔(パイロット基本間隔)APBをパイロット間隔演算手段37により演算して求める。
【0034】
その後、ステップS8において、上記メイン噴射タイミング演算手段39によって求めたメイン噴射タイミングに基づき、パイロット噴射量を補正するための噴射タイミング補正係数QPTとパイロット間隔を補正するための噴射タイミング補正係数APTとを、上記噴射状態補正手段40により演算して求める。
【0035】
上記噴射タイミング補正係数APTは、メイン噴射が上死点(TDC)の前後5°以内の範囲で行われる場合には1に設定され、上記メイン噴射が上死点よりも5°以上前の範囲で行われる場合には1よりも小さな値に設定されることにより、上記パイロット間隔が狭くなるように補正され、また、メイン噴射が上死点よりも5°以上後の範囲で行われる場合には上記パイロット間隔が広くなるように補正されることになる。
【0036】
そして、ステップS9において、エンジン回転速度に基づいてパイロット噴射量をフィードバック制御するための噴射タイミング補正係数QPFを、上記噴射状態補正手段40により演算して求める。この場合、所定のアイドル運転状態となったとき、エンジン回転速度の検出値と目標アイドル回転速度との偏差に応じ、PI制御等により、エンジン回転速度を目標アイドル回転速度に収束させるように補正係数QPFを求めればよい。
【0037】
次にステップS10において、ディーゼルエンジンの角速度変動に基づいてパイロット噴射間隔を補正するための補正係数APFを、上記噴射状態補正手段40により演算して求める。この場合、角速度変動が所定値以上となったとき、パイロット噴射間隔を大きくする方向に補正する。
【0038】
また、ステップS11において、車両の加速度に基づいてパイロット噴射量を補正するための補正係数QPA及びパイロット噴射間隔を補正するための補正係数APAを求め、ステップS12において、燃料温度に基づいてパイロット噴射量を補正するための補正係数QPCを求める。
【0039】
次いで、ステップS13において、上記基本噴射量の演算値QPBと、上記各補正係数QPT,QPC,QPF,QPAとに基づき、パイロット噴射における最終噴射量QPを演算する。すなわち、上記基本噴射量の演算値QPBに、上記補正係数QPTと,補正係数QPCとを乗じるとともに、これに上記補正係数QPFと補正係数QPAとに基づいて求めた値(1+QPF−QPA)を乗じることにとより、上記最終的なパイロット噴射量QPを求める。
【0040】
また、ステップS14において、上記基本間隔の演算値APBと、上記各補正係数APT,APF,APAとに基づき、パイロット噴射における最終間隔APを演算する。すなわち、上記基本間隔の演算値APBに、上記補正係数APTとを乗じるとともに、これに上記補正係数APFと補正係数APAとに基づいて求めた値(1+APF−APA)を乗じることにとより、上記最終間隔APを求める。
【0041】
次に、ステップS15において、上記要求噴射量の演算値QFからパイロット噴射量の最終演算値QPを減算することにより、最終的なメイン噴射量QMを求めた後、ステップS16において、上記各最終演算値QP,AP,QMに対応した制御信号を出力することにより、燃料の噴射制御を実行する。
【0042】
以上のような当実施例の装置によると、ディーゼルエンジンの全運転領域で最適値となるように実験等により予め求められて記憶されている燃料噴射量特性のマップから、上記要求噴射量演算手段35により要求噴射量が演算されるとともに、この要求噴射量に基づき、パイロット噴射量演算手段36及びパイロット間隔演算手段37によりパイロット噴射量及びパイロット間隔が求められるため、これら要求噴射量、パイロット噴射量及びパイロット間隔の適正な関係を予め実験的に調べて設定しておくことにより、パイロット噴射とその後に行われるメイン噴射を適正に行わせることができる。
【0043】
とくに、上記演算手段36,37においてパイロット噴射量及びパイロット間隔を演算する際、パイロット噴射後の上記噴射ノズルの弁体が閉弁静止状態になったときにメイン噴射が開始されるように、パイロット噴射量及びパイロット間隔が求められ、上記パイロット間隔は、パイロット噴射量が多くなるにつれて上記パイロット間隔が大きくなるように設定されるため、パイロット噴射後に行われるメイン噴射において誤動作が防止される。
【0044】
すなわち、分配式燃料噴射ポンプ1を用いると噴射圧とそれに応じた噴射ノズル16に具備されるリターンスプリングのバネ力が比較的小さいため、噴射ノズル16が閉弁後にバウンスし易いが、とくに、図7に二点鎖線で示すように、パイロット噴射によるバウンスが収まっていないうちにメイン噴射時期となると、図3に示す噴射ノズル16において弁対27が弁座31から少しでも離れていると受圧面積が増大することから、設定圧力よりもかなり低い燃圧で噴射ノズル16が開いてしまい、充分な噴射圧が得られなくなることにより、燃料の微粒化が悪くなる。これに対し、上記演算手段36,37においては、このような事態が生じないようにパイロット噴射量及びパイロット間隔が求められ、例えばパイロット噴射量が多くなってバウンスガ生じ易くなれば上記パイロット間隔が大きくされる。このため、パイロット噴射後に確実にバウンスが収まった時点でメイン噴射の開始時期となり、メイン噴射が正しく行われる。
【0045】
また、高出力域ではパイロット噴射量及びパイロット間隔が0とされ、メイン噴射のみが行われる(ステップS17,S18)ため、出力が確保される。
【0046】
なお、上記実施形態では、メイン噴射とパイロット噴射の各噴射量及び両噴射の間隔の調節が可能な燃料供給調節手段として、電磁スピル弁17を分配型燃料噴射ポンプ1に装備しているが、噴射ノズルあるいはポンプと噴射ノズルとの間の燃料供給経路に燃料供給調節手段を設けるようにしてもよい。
【0047】
その他の各部の構造も、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更して差し支えない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明は、分配型燃料噴射ポンプを用いたものにおいてメイン噴射とパイロット噴射とを行うようにし、とくに、エンジンの全運転域で運転状態に応じた燃料噴射量を設定した燃料噴射量特性のマップから要求噴射量を演算し、それにに基づいてパイロット噴射量及びパイロット間隔を演算し、これらの演算に基づいて上記燃料供給調節手段を制御するようにしているため、パイロット噴射及びメイン噴射を精度良く制御することができる。
【0049】
とくに、パイロット噴射後に上記噴射ノズルの弁体が閉弁静止状態になったときにメイン噴射が開始されるように、パイロット噴射量及びパイロット間隔を設定しているので、パイロット噴射後の噴射ノズルのバウンスに起因してメイン噴射が不正常に行われることを確実に防止することができる。
【0050】
また、高出力域ではパイロット噴射量を0とすることによりメイン噴射のみ行わせるようにしておくと、高出力域でエンジン出力わ十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施形態を示す一部断面説明図である。
【図2】電磁スピル弁の断面図である。
【図3】噴射ノズルの要部の断面図である
【図4】制御系のブロック図である。
【図5】制御の一例を示すフローチャートである。
【図6】図5から続くフローチャートである。
【図7】動作説明図である。
【符号の説明】
1 分配型燃料噴射ポンプ
16 噴射ノズル
17 電磁スピル弁
20 噴射状態制御手段
35 要求噴射量演算手段
36 パイロット噴射量演算手段
37 パイロット間隔演算手段

Claims (4)

  1. 分配型燃料噴射ポンプと、各気筒毎に設けられて、上記分配型燃料噴射ポンプからの燃料圧力で機械的に弁体がリフトするようになっている噴射ノズルとを備えたディーゼルエンジンの燃料噴射装置において、噴射ノズルからの燃料噴射をメイン噴射とこれより早い時期に行うパイロット噴射とに分割して行うことが可能で、かつ、メイン噴射とパイロット噴射の各噴射量及び両噴射の間隔の調節が可能な燃料供給調節手段と、エンジンの全運転域で運転状態に応じた燃料噴射量を設定した燃料噴射量特性のマップから要求噴射量を演算する要求噴射量演算手段と、パイロット噴射後に上記噴射ノズルの弁体が閉弁静止状態になったときにメイン噴射が開始されるように、上記要求噴射量に基づいてパイロット噴射の噴射量であるパイロット噴射量及びパイロット噴射とメイン噴射との間隔であるパイロット間隔を演算する手段と、これらの演算に基づいて上記燃料供給調節手段を制御することによりパイロット噴射及びメイン噴射を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  2. 上記要求噴射量に基づいてパイロット噴射量を演算するパイロット噴射量演算手段と、このパイロット噴射量もしくは上記要求噴射量に応じてパイロット間隔を演算するパイロット間隔演算手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  3. 上記パイロット間隔演算手段は、上記パイロット噴射量が多くなるほどパイロット間隔を大きくする請求項2記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  4. 高出力域ではパイロット噴射量を0とすることによりメイン噴射のみ行わせるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
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