JP3794529B2 - 動画像記録装置、及び、動画像符号化方法 - Google Patents

動画像記録装置、及び、動画像符号化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像記録装置、及び、動画像符号化方法に関し、特に、MPEG(Moving Picture ExpertsGroup)標準の符号化方式で動画像の圧縮記録を行う電子スチルカメラやビデオカメラ等の動画像記録装置、及び、動画像符号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
<MPEG符号化方式の概説>
MPEGは、蓄積メディア系や通信メディア系への動画像適用を目的としてCCITT H.261(テレビ電話、テレビ会議用符号化)から発展した符号化標準である。MPEGは、MC(Motion Compensation;動き補償)やDCT(Discrete Cosine Transform;離散コサイン変換)などの符号化ツールを持つ点で基本的にH.261と共通するが、早送り、巻戻し、途中再生及び逆転再生などのトリックモードを実現するための特殊な構造、すなわち、GOP(Group Of Pictures)構造を持つ点で相違する。
【0003】
図7は、MPEGのシンタクス(構文;ビット・ストリームの満たすべき順序と内容)である。このシンタクスは、シーケンスヘッダとシーケンスエンドの間に幾つかのGOPを持つシーケンス層と、その下位のGOP層からなり、GOP層はGOPヘッダの後にn個のピクチャフレーム(符号化された画面データ)を持つ構造になっている。
【0004】
一つのGOPがランダムアクセスの1単位であり、この単位で上述のトリックモードを可能にする。n個のピクチャフレームのタイプ(ピクチャタイプ)は、Iピクチャ(略号:I)、Pピクチャ(略号:P)又はBピクチャ(略号:B)の何れかであり、各ピクチャタイプの内容は、以下のとおりである。
(1)Iピクチャ
フレーム内符号化画像(Intra-Coded Picture)の略。画面の全てをイントラ符号化する画像である。GOP内の独立性(参照画像を必要としない)を持つ点で他のピクチャタイプと異なる。
(2)Pピクチャ
フレーム間順方向予測符号化画像(Predictive-Coded Picture)の略。前のIピクチャ又はPピクチャから順方向予測される画像である。
(3)Bピクチャ
フレーム内挿双方向予測符号化画像(Bidirectionally Predictive-Coded Picture)の略。前後のIピクチャ又はPピクチャから双方向予測される画像である。
【0005】
図8は、GOP構造の一例を示す図であり、GOPのピクチャ数(Nパラメータ)を“15”とするとともに、I又はPピクチャとPピクチャの周期(Mパラメータ)を“3”とした場合の例である。すなわち、1GOPが15枚のフレームで構成されており、且つ、Iピクチャ(又はPピクチャ)から次のPピクチャまでのフレーム数が3枚の例を示している。
【0006】
図8において、Iピクチャは参照画像を必要としないイントラ符号化画像であるが、PピクチャとBピクチャは、それぞれ順方向と双方向の予測符号化画像であり、図に示すように、Pピクチャは既に符号化済みのIピクチャ又はPピクチャを参照画像とし、Bピクチャは前後のIピクチャ又はPピクチャを参照画像として、それぞれ順方向予測及び双方向予測された画像である。
【0007】
Iピクチャでは原画像のブロックごとにDCT演算、量子化及び可変長符号化を行うが、PピクチャとBピクチャでは参照画像との間の動き補償予測の誤差信号(予測誤差信号)に対してのみDCT演算、量子化及び可変長符号化を行うため、特に予測誤差信号が小さい場合、すなわち、動きの穏やかな動画像の場合の圧縮効率に優れている。
【0008】
図9は、GOPのフレーム配列を示す図である。この図では、原画像の画面順(B0、B1、I2、B3、B4、P5、……)が符号化処理の段階で一部入れ替わり、再生画像の段階で元の並び順に復帰する様子が示されている。符号化処理段階におけるBピクチャの挿入は、その前後のIピクチャ(又はPピクチャ)とPピクチャの符号化後に行われる。例えば、原画像のB3、B4に着目すると、I2とP5の符号化後、これらのI2とP5を参照画像にしてB3、B4が符号化され、I2とP5の後に挿入される結果、原画像の段階で「I2、B3、B4、P5」であった並び順が、「I2、……、P5、B3、B4」と入れ替わることになる。
【0009】
ここで、GOPの生成規則は、▲1▼メディア上のGOPの最初がIピクチャであることと、▲2▼原画像及び再生画像の並び順でGOPの最後がPピクチャであることを満たしていればよく、上述のNパラメータやMパラメータに使用上の制限はないが、実際には、画質や動画像の動きなどから最適と思われる値、例えば、Nはランダムアクセス単位が0.4秒〜1秒程度になるような値(“15”程度)、また、Mは比較的動きの穏やかな画像に合わせた値(“3”程度)に設定されることが多い。
【0010】
<動画像記録装置の一例>
電子スチルカメラは、被写体の像を2次元のイメージセンサで電気信号に変換して、その電気信号から所定周期のフレーム画像を生成するとともに、シャッターキー押し下げ時のフレーム画像をキャプチャし、そのキャプチャ画像をフラッシュメモリ等の記憶媒体に記録するものであり、銀塩カメラと同じく被写体の静止画を記録するものであるが、近時、上記フレーム画像の周期的生成動作を利用し、被写体の動きを連続的に記録できるようにした電子スチルカメラが公知であり、かかる動画像の圧縮記録に上述のMPEGが用いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子スチルカメラにあっては、Mパラメータをあらかじめ固定的に設定しており、その設定値は比較的動きの穏やかな画像に合わせた、例えば“3”であったため、メディア上のフレーム配列でIピクチャ(又はPピクチャ)とPピクチャの間に、常にM−1=2個のBピクチャが挿入されることとなるが、以下の理由で、被写体の動きが激しい場合に画質の劣化を招くという問題点がある。
【0012】
Bピクチャは上述のとおり、フレーム内挿双方向予測符号化画像であって、この画像は前後のIピクチャ又はPピクチャから双方向予測された誤差信号(予測誤差信号)にIピクチャと同様のDCT演算、量子化及び可変長符号化を適用して情報量を圧縮するものであり、被写体の動きが穏やかな場合には相応の圧縮効果が得られて有効な反面、被写体の動きが激しい場合には予測誤差信号が大きくなって却って情報量の増加を招くことになるから、所要の伝送速度を確保するためには、“きつい量子化処理”………量子化とは連続する信号を適当な“間隔”で代表値に置き換え、代表値の番号を符号化する技術であり、“きつい量子化処理”とはその間隔を広げることをいう。………を施さざるを得ず、画質劣化の要因となっていた。
【0013】
なお、Mパラメータを“1”にすれば、Bピクチャの挿入がなくなり、画質劣化を回避できるものの、Bピクチャのメリット、すなわち、被写体の動きが穏やかな場合の情報量の削減効果が失われるので好まくない。
【0014】
そこで本発明は、被写体の動きが穏やかな場合の情報量削減と被写体の動きが激しい場合の画質向上とを共に達成できる動画像記録装置、及び、動画像符号化方法の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定の周期で撮像する撮像手段と、この撮像手段によって所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像とこの現在の一つ前のフレーム画像に含まれる被写体像のエッジ成分の差分を演算する第1の演算手段と、前記撮像手段によって所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像全体とこの現在の一つ前のフレーム画像全体の高輝度成分の差分を演算する第2の演算手段と、前記第1の演算手段によって演算されたエッジ成分の差分と、前記第2の演算手段によって演算された高輝度成分の差分の少なくともいずれかがそれぞれの基準値を超えているか否かを判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段により前記エッジ成分の差分と前記高輝度成分の差分の少なくともいずれかがそれぞれの基準値を超えていると判断されると、前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係があるか否かを判断する第2の判断手段と、この第2の判断手段によって前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係が無いと判断すると、当該現在のフレーム画像をMPEG符号化方式のIピクチャ符号化対象に変更して、前記撮像手段が撮像を停止するまで撮像されたフレーム画像をMPEG符号化方式で動画像に符号化する符号化手段と、この符号化手段により符号化された動画像を記録する記録手段と、
備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、前記第2の判断手段によって前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係があると判断すると、前記現在のフレーム画像について動き補償フレーム間予測を行いMPEG符号化方式で動画像に符号化するよう前記符号化手段を制御する符号化制御手段を更に備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、所定の周期で撮像する撮像ステップと、この撮像ステップにて所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像とこの現在の一つ前のフレーム画像に含まれる被写体像のエッジ成分の差分を演算する第1の演算ステップと、前記撮像ステップにて所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像全体とこの現在の一つ前のフレーム画像全体の高輝度成分の差分を演算する第2の演算ステップと、前記第1の演算ステップにて演算されたエッジ成分の差分と、前記第2の演算ステップにて演算された高輝度成分の差分の少なくともいずれかが、それぞれの基準値を超えているか否かを判断する第1の判断ステップと、この第1の判断ステップにて前記エッジ成分の差分と前記高輝度成分の差分の少なくともいずれかがそれぞれの基準値を超えていると判断されると、前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係があるか否かを判断する第2の判断ステップと、この第2の判断ステップにて前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係が無いと判断すると、当該現在のフレーム画像をMPEG符号化方式のIピクチャ符号化対象に変更して、前記撮像ステップにて撮像を停止するまで撮像されたフレーム画像をMPEG符号化方式で動画像に符号化する符号化ステップと、からなることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明に、前記第2の判断ステップにて前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係があると判断すると、前記現在のフレーム画像について動き補償フレーム間予測を行いMPEG符号化方式で動画像に符号化するよう前記符号化ステップを制御する符号化制御ステップを更に含むことを特徴とする
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、動画(ムービー画像ともいう)記録モードを有する電子スチルカメラを例にして、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、電子スチルカメラの外観図である。図示の電子スチルカメラ1は、特に限定しないが、本体部2と、本体部2に回動可能に取り付けられたカメラ部3とに分かれており、カメラ部3の前面(図面の裏面側)には図示を略した写真レンズが装着されている。写真レンズの後ろには、これも図示を略したCCD(イメージセンサ)が取り付けられており、後述の撮影モードの際に、写真レンズから取り込まれた被写体の像を映像信号に変換して、高解像度のフレーム画像を生成できるようになっている。
【0018】
一方、本体部2には、画像(構図調整のためのスルー画像や記録済みのキャプチャー画像若しくはムービー画像の再生画像若しくはムービー画像を構成する各画面のうちm個の静止画像)を確認するための平面表示装置、例えば、液晶ディスプレイ4が取り付けられているほか、シャッターキー5を始めとする各種の操作キー類が適宜の位置に取り付けられている。操作キーの種類や呼び方は製造会社や機種によってまちまちであり一意に特定できないが、例えば、プラスキー6、マイナスキー7、メニューキー8、電源スイッチ9、ディスプレイキー10、撮影モードキー11、セルフタイマーキー12、ストロボモードキー13、REC/PLAYキー14などであり、これら各キーの機能(役割)は、以下のとおりである。
【0019】
(A)シャッターキー5:
撮影モード時には、その名のとおり“シャッターキー"(半押しで露出とフォーカスを固定し、全押しで画像をキャプチャーする又はムービー撮影を開始する)として働くキーであるが、撮影モードや再生モード時にメニューキー8が押された場合には、液晶ディスプレイ4に表示された様々な選択項目を了解するためのYESキーとしても働くマルチ機能キーである。
(B)プラスキー6:
再生画像を選択したり、各種システム設定を選択したりするために用いられるキーである。“プラス"は、その選択方向を意味し、画像選択の場合であれば最新画像の方向、システム設定選択の場合であれば液晶ディスプレイ4の走査方向である。
(C)マイナスキー7:
方向が逆向きである以外、プラスキーと同じ機能である。
【0020】
(D)メニューキー8:
各種システム設定を行うためのキーである。再生モードにおいては、デリートモード(画像の消去モード)をはじめとした各種項目を液晶ディスプレイ4に表示し、撮影モードにおいては、画像の記録に必要な、例えば、記録画像の精細度やオートフォーカスのオンオフなどに加え、さらに、本実施の形態では、ムービー画像の撮影時間を指定するための選択項目を液晶ディスプレイ4に表示する。
(E)電源スイッチ9:
カメラの電源をオンオフするスイッチである。
(F)ディスプレイキー10:
液晶ディスプレイ4に表示された画像に様々な情報をオーバラップ表示するためのキーである。例えば、撮影モードでは、残り撮影可能枚数や撮影形態(通常撮影、パノラマ撮影又はムービー撮影)などの情報をオーバラップ表示し、再生モードでは、再生画像の属性情報(ページ番号や精細度等)をオーバラップ表示する。
【0021】
(G)撮影モードキー11:
撮影モード時のみ使用可能になるキーである。通常撮影やパノラマ撮影を選択するほか、特に本実施の形態では、ムービー撮影モードを選択する。
(H)セルフタイマーキー12:
セルフタイマー機能をオンオフするキーである。
(I)ストロボモードキー13:
ストロボに関する様々な設定、例えば、強制発光させたり、発光を禁止したり、赤目を防止したりするキーである。
(J)REC/PLAYキー14
撮影モードと再生モードを切り替えるためのキーである。この例では、スライドスイッチになっており、上にスライドすると撮影モード、下にスライドすると再生モードになる。
【0022】
図2は、本実施の形態における電子スチルカメラのブロック図である。なお、本実施の形態の電子スチルカメラは、自動露光(AE)機能と自動焦点(AF)機能を備えており、これらの機能に特有の要素(例えば、光量測定用センサ、測距センサ、オートフォーカス用駆動機構及びこれらの制御機構など)を備えているが、図示の簡単化のためにブロック図に記載していない。
【0023】
図2において、15は写真レンズ、16はCCD(イメージセンサ;発明の要旨に記載の入力手段(変換手段)に相当)、17は水平・垂直ドライバ、18はタイミング発生器(略号はTG)、19はサンプルホールド回路(略号はS/H;発明の要旨に記載の入力手段(変換手段)に相当)、20はアナログディジタル変換器(略号はA/D;発明の要旨に記載の入力手段(変換手段)に相当)、21はカラープロセス回路(発明の要旨に記載の入力手段(変換手段)に相当)、22はビデオトランスファー回路、23はバッファメモリ、24は圧縮・伸長回路(発明の要旨に記載の符号化手段及び変更手段に相当)、25はフラッシュメモリ(発明の要旨に記載の記憶媒体に相当)、26はCPU(発明の要旨に記載の記録手段に相当)、27はキー入力部、28はディジタルビデオエンコーダ、29はバスであり、さらに、30は本実施の形態の特有の要素の一つである動き検出回路(発明の要旨に記載の抽出手段及び検出手段に相当)である。
【0024】
これら各部の機能は、概ね以下のとおりである。
(a)写真レンズ15:
CCD16の受光面上に被写体の像を結ばせるためのものであり、自動焦点機能のための焦点合わせ機構を備えている。なお、ズーム機能を備えたり、沈胴式であったりしてもよい。
(b)CCD16:
電荷をアレイ状に転送する固体撮像デバイスであり、写真レンズ15を介して取り込まれた被写体像を電気信号に変換し、毎秒数十コマ程度のフレーム画像信号を出力するものである。
【0025】
一般にCCDは、多数の光電変換素子をアレイ状に並べた光電変換部と、光電変換素子の出力電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷蓄積部の電荷を所定の方式で読み出す電荷読み出し部とから構成されており、光電変換素子の一つ一つが画素になる。例えば、有効画素数が100万画素のCCDでは、少なくともアレイの桝目が100万個並んでいることになる。以下、説明の都合上、図示のCCD16の有効画素数を1280×960とする。すなわち、行方向(横方向)に1280個、列方向(縦方向)に960個の画素で構成された、1280列×960行のアレイ構造を有しているとする。
【0026】
なお、本実施の形態のCCD16はカラーCCDである。一般にCCDの画素情報そのものは色情報を持っていないため、カラーCCDでは前面に色フィルター(光の三原色を用いた原色フィルター又は色の三原色を用いた補色フィルター)を装着する。
【0027】
また、CCDは、電荷の読み出し方式によって二つのタイプに分けることができる。第1は、信号を読み出すときに画素を一つずつ飛ばす「飛び越し読み出し方式」(インターレースCCDとも言う)のタイプであり、第2は、全画素を順番に読み出す「全面読み出し方式」(プログレッシブCCDとも言う)のタイプである。電子スチルカメラでは第2のタイプがよく用いられるものの、昨今の100万画素を越えるメガピクセル級の電子スチルカメラでは第1のタイプを用いることもある。以下、説明の便宜上、本実施の形態のCCD16は、第2のタイプ(全面読み出し方式)とする。
【0028】
(c)水平・垂直ドライバ17とタイミング発生器18:
CCD16の読み出しに必要な駆動信号を生成する部分であり、本実施の形態のCCD16は、全面読み出し方式と仮定されているから、CCD16の各列を次々に指定しながら行単位に画素の情報を転送する(読み出す)ことができる駆動信号、要するに、1280列×960行のアレイ構造の左上から右下の方向(この方向はテレビジョンの走査方向に類似する)に画素情報をシリアルに読み出すための水平・垂直それぞれの駆動信号を生成するものである。
(d)サンプルホールド回路19:
CCD16から読み出された時系列の信号(この段階ではアナログ信号である)を、CCD16の解像度に適合した周波数でサンプリング(例えば、相関二重サンプリング)するものである。なお、サンプリング後に自動利得調整(AGC)を行うこともある。
(e)アナログディジタル変換器20:
サンプリングされた信号をディジタル信号に変換するものである。
【0029】
アナログディジタル変換器20の出力から輝度・色差マルチプレクス信号(以下、YUV信号と言う)を生成する部分である。YUV信号を生成する理由は、次のとおりである。アナログディジタル変換器20の出力は、アナログかディジタルかの違い及びサンプリングやディジタル変換の誤差を除き、実質的にCCD16の出力と一対一に対応し、光の三原色データ(RGBデータ)そのものであるが、このデータはサイズが大きく、限られたメモリ資源の利用や処理時間の点で不都合をきたす。そこで、何らかの手法で多少なりともデータ量の削減を図る必要がある。YUV信号は、一般にRGBデータの各要素データ(Rデータ、Gデータ、Bデータ)は輝度信号Yに対して、G−Y、R−Y、B−Yの三つの色差信号で表現できるうえ、これら三つの色差信号の冗長を取り除けば、G−Yを転送しなくてもよく、G−Y=α(R−Y)−β(B−Y)で再現できる、という原理に基づく一種のデータ量削減信号と言うことができる。ここで、αやβは合成係数である。
【0030】
なお、YUV信号をYCbCr信号(CbとCrはそれぞれB−YとR−Y)と言うこともあるが、本明細書ではYUV信号に統一することにする。また、YUV信号の信号フォーマットは、輝度信号と二つの色差信号のそれぞれを独立して含む“コンポーネント”と呼ばれる固定長の三つのブロックで構成されており、各コンポーネントの長さ(ビット数)の比をコンポーネント比と言う。変換直後のYUV信号のコンポーネント比は1:1:1であるが、色差信号の二つのコンポーネントを短くする、すなわち、1:x:x(但し、x<1)とすることによってもデータ量を削減できる。これは、人間の視覚特性は輝度信号よりも色差信号に対して鈍感であると言うことを利用したものである。
【0031】
(f)ビデオトランスファー回路22:
ビデオトランスファー回路22は、カラープロセス回路21、バッファメモリ23、ディジタルビデオエンコーダ28及び圧縮・伸張回路24の間を行き来するデータの流れをコントロールするものである。
【0032】
なお、“流れ”とは、カラープロセス回路21、バッファメモリ23、ディジタルビデオエンコーダ28及び圧縮・伸長回路24の間を行き来するデータの動きを概念的に捉えた便宜上の表現であり、その言葉自体に格別の意味はないものの、一般にディジタルシステムにとっては、データの素早い動きはその性能を直接に左右し、とりわけ大量の画素情報を取り扱う電子スチルカメラにとっては、(データの素早い動きは)当然配慮されなければならない設計条件の一つであるから、上記流れのすべて又は一部は高速データ転送の手法を駆使したデータの流れを意味するものである。すなわち、すべての流れは、例えば、DMA(direct memory access)転送による流れであり、ビデオトランスファー回路22は、それに必要な制御部(DMAコントローラ)やその他の周辺部分(例えば、転送速度調節のためのFIFOメモリ及びインターフェース回路など)を含み、これら各部の働きによって、カラープロセス回路21、バッファメモリ23、ディジタルビデオエンコーダ28及び圧縮・伸長回路24の間の“素早いデータ転送”(例えば、DMA転送)を可能にするものである。
【0033】
(g)バッファメモリ23:
書き換え可能な半導体メモリの一種であるDRAMで構成されている。一般にDRAMは記憶内容を保持するために、データの再書込み(リフレッシュ)をダイナミックに行う点でスタティックRAM(SRAM)と相違するが、SRAMと比べて書込みや読み出し速度が劣るものの、ビット単価が安く、大容量の一時記憶を安価に構成できることから、特に電子スチルカメラに好適である。但し、本発明では、DRAMに限定しない。書き換え可能な半導体メモリであればよい。
【0034】
ここで、バッファメモリ23の記憶容量は、以下の条件を全て満たさなければならない。第1の条件は作業に必要な充分なワークエリア(作業空間)を確保できる容量であるという点である。作業空間の大きさはCPU26のアーキテクチャやOS(オペレーティングシステム)及びそのOSの管理下で実行される各種のアプリケーションプログラムによって決まるので、これらの仕様を検討して過不足のない適切な大きさにすればよい。第2の条件は少なくともカラープロセス回路21で生成された高精細な画像の情報(640×480画素の画像情報で且つ1:1:1のコンポーネント比をもつYUV信号)を格納できる大きさのバッファ領域を確保できる容量であるという点であり、さらに、第3の条件は動画用の画像(640×480画素)を格納できる大きさのバッファ領域を確保できる容量であるという点である。
【0035】
(h)圧縮・伸長回路24:
通常撮影の画像についてはJPEG圧縮と伸長を行い、ムービー撮影の画像(ムービー画像)についてはMPEG圧縮と伸長を行う部分である。MPEGは冒頭で説明したとおり動画像の符号化標準であり、JPEG(joint photographic experts group)はカラー静止画(2値画像や動画像を含まないフルカラーやグレイスケールの静止画)の国際符号化標準である。なお、圧縮・伸長回路24は処理速度の点で専用のハードウェアにすべきであるが、CPU26でソフト的に行うことも可能である。
【0036】
MPEGのNパラメータのディフォルト値(既定値)は、適当なランダムアクセス単位を考慮した適当な値(後述)に設定されている。また、Mパラメータは比較的穏やかな画像に合わせた適当な値(後述)に設定されている。これらのディフォルト値は、後述の「動き検出信号MV」がインアクティブ(便宜的にL論理)のときに適用される。
【0037】
すなわち、ムービー画像を圧縮する際に「MV=L」であれば、N枚のピクチャフレームでGOPを構成するとともに、Iピクチャ(又はPピクチャ)とPピクチャの間にM−1枚のBピクチャを挿入するが、「動き検出信号MV」がアクティブ(便宜的にH論理)のときで、且つ、そのアクティブ期間の長さが2フレーム分にわたる場合(図6のケース3及びケース4参照;詳細は後述)は、上記ディフォルト値を無視してGOPを強制的に閉じるようになっている。
【0038】
(i)フラッシュメモリ25:
書き換え可能な読み出し専用メモリ(PROM:programmable read only memory)のうち、電気的に全ビット(又はブロック単位)の内容を消して内容を書き直せるものを指す。フラッシュEEPROM(flash electrically erasablePROM)とも言う。本実施の形態におけるフラッシュメモリ25は、カメラ本体から取り外せない固定型であってもよいし、カード型やパッケージ型のように取り外し可能なものであってもよい。
(j)CPU26:
所定のプログラムを実行してカメラの動作を集中制御するものである。プログラムは、CPU26の内部のインストラクションROMに書き込まれており、記録モードでは、そのモード用のプログラムが、また、再生モードでは、そのモード用のプログラムがインストラクションROMからCPU26の内部RAMにロードされて実行される。
【0039】
(k)キー入力部27:
カメラ本体に設けられた各種キースイッチの操作信号を生成する部分である。
(l)ディジタルビデオエンコーダ28:
ビデオトランスファー回路22を介してバッファメモリ23のバッファ領域から読み出されたディジタル値の表示用画像をアナログ電圧に変換するとともに、液晶ディスプレイ4の走査方式に応じたタイミングで順次に出力するものである。
(m)バス29:
以上各部の間で共有されるデータ(及びアドレス)転送路である。図では省略しているが、各部の間には所要の制御線(コントロールライン)も設けられている。
【0040】
(n)動き検出回路30:
A/D20の出力、すなわち、ディジタルデータに変換された撮像系の出力信号でYUV信号に変換する前の生のフレーム画像信号に基づいて被写体の動きを検出し、動きが大きい(又は激しい)場合にアクティブ(H論理)となる動き検出信号MVを出力する回路である。
【0041】
図3は、動き検出回路30のブロック図であり、31はローパスフィルタ(LPF)、32はハイパスフィルタ(HPF)、33はゲート回路、34はピークホールド回路、35は高輝度判定回路、36は積算回路、37は動き判定部である。LPF31とHPF32でフレーム画像信号の高域周波数成分を取り出すとともに、ゲート回路33で画面内の特定範囲以外をマスクし、ピークホールド回路34でその特定範囲における高域周波数成分のピーク値PKを保持する。同時に、高輝度判定回路35で画面内の高輝度部分を判定し、その高輝度部分のマスクをゲート回路33に指示するとともに、積算回路36で高輝度部分の輝度積算値BTを演算する。
【0042】
図4は、動き判定部37の構成図であり、38はPKを1フレームの間保持するレジスタ、39は現在のPKと前フレームのPKとの差分ΔPKを演算する差演算器、40はΔPKと基準値RPKとを比較して「ΔPK≧RPK」のときにH論理を出力する比較器である。また、41はBTを1フレームの間保持するレジスタ、42は現在のBTと前フレームのBTとの差分ΔBTを演算する差演算器、43はΔBTと基準値RBTとを比較して「ΔBT≧RBT」のときにH論理を出力する比較器である。さらに、44は二つの比較器40、43の少なくとも一方からH論理が出力されたときにH論理を出力するオアゲート、45はオアゲート44の出力を1フレームの間保持するレジスタであり、レジスタ45の保持値が動き検出信号MVとして出力される。なお、FはCCD16のフレーム周期に同期したフレーム信号であり、三つのレジスタ38、41及び45は、このフレーム信号Fに応答して保持値を更新する。
【0043】
図5は、動き判定部37の真理値であり、「ΔPK≧RPK」又は「ΔBT≧RBT」のときにMV=H、すなわち、動き検出信号MVが“アクティブ”になっている。
【0044】
ここで、ΔPKは画面内の特定範囲における高域周波数成分のピーク値PKのフレーム間差分であり、当該ピーク値PKは被写体像のエッジ成分(発明の要旨に記載の特徴部分に相当)をよく表し、そのフレーム間差分に相当するΔPKが大きい場合(ΔPK≧RPK)は、被写体の動きが大きく、二つのフレームの相関関係が希薄であることが分かる。
【0045】
また、ΔBTは画面内の輝度成分(特に高輝度成分)積算値BTのフレーム間差分であり、当該積算値BTは被写体像を含む画面全体の明るさ(発明の要旨に記載の特徴部分に相当)をよく表し、そのフレーム間差分に相当するΔBTが大きい場合(ΔBT≧RBT)も、被写体の動きが大きく、二つのフレームの相関関係が希薄であることが分かる。したがって、何れの場合も、被写体の著しい動きを検出しているから、該当するフレームの間、動き検出信号MVをアクティブ状態に保持する。
【0046】
次に、作用を説明する。
<通常撮影の記録モード>
このモードでは、写真レンズ15の後方に配置されたCCD16がドライバ17からの信号で駆動され、写真レンズ15で集められた映像が一定周期毎に光電変換されて1画像分の映像信号が出力される。そして、この映像信号がサンプリングホールド回路19でサンプリングされ、アナログディジタル変換器20でディジタル信号に変換された後、カラープロセス回路21でYUV信号が生成される。このYUV信号は、ビデオトランスファー回路22を介してバッファメモリ23のバッファ領域に転送され、同バッファ領域への転送完了後に、ビデオトランスファー回路22及びディジタルビデオエンコーダ28を介して液晶ディスプレイ4に送られ、スルー画像として表示される。
【0047】
この状態でカメラの向きを変えると、液晶ディスプレイ4に表示中のスルー画像の構図が変化し、所望の構図が得られた時点でシャッターキー5を“半押し”して露出とフォーカスをセットした後、“全押し”すると、バッファメモリ23のバッファ領域に保存されているYUV信号がその時点のYUV信号で固定され、かつ液晶ディスプレイ4に表示されているスルー画像も同時点の画像で固定される。
【0048】
そして、その時点でバッファメモリ23のバッファ領域に保存されているYUV信号は、ビデオトランスファー回路22を介して圧縮・伸長回路24に送られ、Y、Cb、Crの各コンポーネント毎に8×8画素の基本ブロックと呼ばれる単位でJPEG符号化された後、フラッシュメモリ25に書き込まれ、1画像分のキャプチャー画像として記録される。
【0049】
<通常撮影の再生モード>
このモードでは、CCD16からバッファメモリ23までの経路が停止されるとともに、最新のキャプチャー画像がフラッシュメモリ25から読み出され、圧縮・伸長回路24で伸張処理された後、ビデオトランスファー回路22を介してバッファメモリ23のバッファ領域に送られる。そして、このバッファ領域のデータがビデオトランスファー回路22とディジタルビデオエンコーダ28を介して液晶ディスプレイ4に送られ、再生画像として表示される。
【0050】
<ムービー撮影の記録モード>
基本的な動作は通常撮影時と同じであるが、シャッターキー5を全押しした後、あらかじめ設定されたムービー撮影時間の間、カラープロセス回路21からのYUV信号を圧縮・伸長回路24でMPEG圧縮してフラッシュメモリ25に記録する点で相違する。例えば、ムービー撮影時間が9秒に設定されている場合、シャッターキー5を全押ししてから9秒間のスルー画像を連続的にMPEG圧縮してフラッシュメモリ25に記録する。
【0051】
<ムービー撮影の再生モード>
この再生モードでは二つのモードを選択することができる。その一つはフラッシュメモリ25に記録されている動画像を再生して液晶ディスプレイ4に表示するモードであり、いわゆる動画再生のモードであるが、他の一つは動画像を構成する各画面の中からm個の画面を選択して液晶ディスプレイ4にマルチ画面表示するモードである。画面の選択数mは任意であるが、便宜的にm=9とした場合、液晶ディスプレイ4に9枚の静止画を表示でき、例えば、ゴルフスィングを撮影した9秒間の動画像の中から1秒毎の9枚の静止画を表示してフォームの矯正等を行うことができる。
【0052】
<ムービー撮影の記録モードにおけるMPEG圧縮の一例>
図6は、ムービー撮影の記録モードにおけるGOP構造を示す図である。この図において、Fnは入力画像信号(正確にはビデオトランスファー回路22を介してカラープロセス回路21からバッファメモリ23に取り込まれたYUV信号)、tnはFnのフレーム番号に対応した時間の指標である。なお、nはCCD16の駆動周期に対応したフレームの順番である。
【0053】
図には、a、b及びcの三つのパターンのGOP構造が示されており、これらのパターンは動き検出信号MVの論理状態(ケース0〜ケース4)に基づいて択一的に選択される。すなわち、MVが常にL論理となるケース0又はMVが1フレームだけH論理(アクティブ状態)となるケース1、2では、パターンaのGOP構造が選択され、MVが2フレーム連続してH論理(アクティブ状態)となるケース3又はケース4では、パターンb又はパターンcのGOP構造が選択されるようになっている。
【0054】
パターンaのGOP構造は、GOPのNパラメータとMパラメータにディフォルト値を適用する。ここに、ディフォルト値は特に限定しないが、N=9、M=3である。パターンaの一つのGOPは、例えば、F0、F−2、F−1、F3、F1、F2、F6、F4及びF5の9フレーム(Nフレーム)で構成されており、その符号化方式(符号化のピクチャタイプ)はM=3に対応してGOPの先頭から順にI、B、B、P、B、B、P、B、Bの配列になっている。なお、前方参照フレームはPピクチャ符号化における参照フレームとBピクチャ符号化における前方向の参照フレームを表し、後方参照フレームはBピクチャ符号化における後方向の参照フレームを表している。
【0055】
ここに、ケース0のMVは、常にL論理(インアクティブ状態)であり、動き検出回路30において被写体の著しい動きを検出していない(言い換えれば、動き検出回路30において被写体の穏やかな動きを検出している)ことを示しているから、ケース0に、ディフォルトのNパラメータとMパラメータを適用する。これは、被写体の動きが穏やかな場合の予測誤差信号(動き補償予測の誤差信号)が小さく、圧縮効率を向上できるからである。
【0056】
一方、ケース1とケース2のMVに着目すると、これらは1フレームの間、H論理(アクティブ状態)となっており、動き検出回路30において被写体の著しい動きを検出していることを示しているが、当該フレームをFiとすると、その検出対象フレームはFi−2とFi−1の2フレーム(ケース1ではFi=F2であるからF0とF1、ケース2ではFi=F3であるからF1とF2)だけであり、この2フレームの相関関係が希薄(ケース1ではF0≠F1、ケース1ではF1≠F2)となっているものの、Bピクチャの符号化に必要な他の参照画像(ケース1ではF3、ケース2ではF0及びF3)とFiの相関関係(ケース0ではF1=F3、ケース1ではF0=F1及びF2=F3)は認められるので、被写体の動きが穏やかな場合とみなして支障なく、ケース1とケース2についてもケース0と同様にディフォルトのN及びMパラメータを適用する。
【0057】
他方、ケース3とケース4のMVは、2フレームの間、H論理(アクティブ状態)が続いており、何れのケースもBピクチャの符号化に必要な二つの参照画像との間の相関関係が明らかに希薄である。すなわち、ケース3ではF0≠F1≠F2であり、ケース4ではF1≠F2≠F3であるから、何れのケースも被写体の動きが激しく、予測誤差信号(動き補償予測の誤差信号)が大きいため、Bピクチャの挿入は却って圧縮効率を阻害することになるので、かかるケース3と4にあっては、該当フレーム(ケース3ではF−1、ケース4ではF1)の符号化を完了した時点でN及びMのディフォルト値を無視して強制的にGOPをクローズし、新たなGOPの生成を開始する。
【0058】
これによれば、新たなGOPの先頭が必ずIピクチャとなり、Iピクチャの画質は、例えば、静止画符号化標準のJPEG相当になるので、被写体の動きが激しい場合の画質劣化を防止でき、ムービー撮影の記録画像の品質向上を図ることができる。
【0059】
なお、新たなGOPの生成の際に、Mパラメータを“1”にしてもよい。すなわち、Bピクチャを含まないIピクチャとPピクチャだけのGOP構造にしてもよく、被写体の動きが穏やかになってから、Mパラメータをディフォルト値に戻してもよい。
【0060】
以上のとおり、本実施の形態によれば、動き検出回路30で被写体の著しい動きを検出すると、NパラメータやMパラメータのディフォルト値を無視してGOPを強制的に閉じるようにしたから、画質のよいIピクチャの実質数を増やして、ムービー撮影の記録画像の品質向上を図ることができるという格別の効果が得られる。
【0061】
また、動き検出回路30を構成するLPF31、HPF32、ゲート回路33、ピークホールド回路34、高輝度判定回路35及び積算回路36などは、電子スチルカメラのAF部に搭載されていることが多く、回路の共有化が可能であるため、大幅な改修等を必要とせずに低コストで上記効果を得ることができるというメリットもある。
【0062】
さらに、動き検出回路30の出力信号(動き検出信号MV)を利用することにより、MPEGの動き補償の演算量削減も可能である。すなわち、MPEGでは、被写体の画像の一部を切り出して動き量だけずらし、それを次のフレームの画像として予測(動き補償フレーム間予測)しているが、動き検出信号MVによって、Bピクチャ符号化の対象フレームが前後いずれかのみに相関関係を有しているかを検出可能であるため、MPEGの動き補償処理において、相関関係を持つ参照フレームに対してのみ動き補償フレーム間予測を適用することにより、動きベクトルの演算など大量の演算処理を簡素化でき、省電力化を図ることができるというメリットが得られる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1又は3記載の発明によれば、所定の周期で撮像されるフレーム画像について現在のフレーム画像とこの現在の一つ前のフレーム画像に含まれる被写体像のエッジ成分の差分と現在のフレーム画像全体とこの現在の一つ前のフレーム画像全体の高輝度成分の差分とを演算し、これらエッジ成分の差分と高輝度成分の差分の少なくともいずれかがそれぞれの基準値を超えている場合、この現在のフレーム画像がBピクチャ符号化対象であり、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係が無い場合には、この現在のフレーム画像をIピクチャ符号化対象に変更して、撮像を停止するまで撮像されたフレーム画像を動画像に符号化するようにしたので、撮像された被写体の動きと画像全体の変化とに応じて、動画像をMPEG符号化する際の符号化対象フレームを変更でき、動きが激しい場合の動画像の画質向上を達成できる。
請求項2又は4記載の発明によれば、請求項1又は3記載の発明に加え、現在のフレーム画像がBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係がある場合、この現在のフレーム画像について動き補償フレーム間予測を行いMPEG符号化方式で動画像に符号化するようにしたので、撮像された被写体の動きと画像全体の変化とに応じて、動き補償フレーム間予測も採用することができ、動きが激しい場合の動画像の画質向上だけでなく、動きが穏やかな場合の情報量削減も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子スチルカメラの外観図である。
【図2】電子スチルカメラのブロック図である。
【図3】動き検出回路の構成図である。
【図4】動き判定部の構成図である。
【図5】動き判定部の真理値表である。
【図6】本実施の形態におけるGOP構造図である。
【図7】MPEGのシンタクス図である。
【図8】GOP構造の一例を示す図である。
【図9】原画像の画面順の入れ替わりを示す状態図である。
【符号の説明】
16 CCD(入力手段(変換手段))
19 サンプルホールド回路(入力手段(変換手段))
20 アナログディジタル変換器(入力手段(変換手段))
21 カラープロセス回路(入力手段(変換手段))
24 圧縮・伸長回路(符号化手段、変更手段)
25 フラッシュメモリ(記憶媒体)
26 CPU(記録手段)
30 動き検出回路(抽出手段、検出手段)

Claims (4)

  1. 所定の周期で撮像する撮像手段と、
    この撮像手段によって所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像とこの現在の一つ前のフレーム画像に含まれる被写体像のエッジ成分の差分を演算する第1の演算手段と、
    前記撮像手段によって所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像全体とこの現在の一つ前のフレーム画像全体の高輝度成分の差分を演算する第2の演算手段と、
    前記第1の演算手段によって演算されたエッジ成分の差分と、前記第2の演算手段によって演算された高輝度成分の差分の少なくともいずれかがそれぞれの基準値を超えているか否かを判断する第1の判断手段と、
    この第1の判断手段により前記エッジ成分の差分と前記高輝度成分の差分の少なくともいずれかがそれぞれの基準値を超えていると判断されると、前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係があるか否かを判断する第2の判断手段と、
    この第2の判断手段によって前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係が無いと判断すると、当該現在のフレーム画像をMPEG符号化方式のIピクチャ符号化対象に変更して、前記撮像手段が撮像を停止するまで撮像されたフレーム画像をMPEG符号化方式で動画像に符号化する符号化手段と、
    この符号化手段により符号化された動画像を記録する記録手段と、
    備えたことを特徴とする動画像記録装置。
  2. 前記第2の判断手段によって前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係があると判断すると、前記現在のフレーム画像について動き補償フレーム間予測を行いMPEG符号化方式で動画像に符号化するよう前記符号化手段を制御する符号化制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の動画像記録装置。
  3. 所定の周期で撮像する撮像ステップと、
    この撮像ステップにて所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像とこの現在の一つ前のフレーム画像に含まれる被写体像のエッジ成分の差分を演算する第1の演算ステップと、
    前記撮像ステップにて所定の周期で撮像されるフレーム画像について、現在のフレーム画像全体とこの現在の一つ前のフレーム画像全体の高輝度成分の差分を演算する第2の演算ステップと、
    前記第1の演算ステップにて演算されたエッジ成分の差分と、前記第2の演算ステップにて演算された高輝度成分の差分の少なくともいずれかが、それぞれの基準値を超えているか否かを判断する第1の判断ステップと、
    この第1の判断ステップにて前記エッジ成分の差分と前記高輝度成分の差分の少なくともいずれかがそれぞれの基準値を超えていると判断されると、前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係があるか否かを判断する第2の判断ステップと、
    この第2の判断ステップにて前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参照フレーム画像と相関関係が無いと判断すると、当該現在のフレーム画像をMPEG符号化方式のIピクチャ符号化対象に変更して、前記撮像ステップにて撮像を停止するまで撮像されたフレーム画像をMPEG符号化方式で動画像に符号化する符号化ステップと、
    からなることを特徴とする動画像符号化方法。
  4. 前記第2の判断ステップにて前記現在のフレーム画像がMPEG符号化方式のBピクチャ符号化対象であり、且つ、符号化に必要な前方向あるいは後方向の参 照フレーム画像と相関関係があると判断すると、前記現在のフレーム画像について動き補償フレーム間予測を行いMPEG符号化方式で動画像に符号化するよう前記符号化ステップを制御する符号化制御ステップを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の動画像符号化方法。
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