JP3793447B2 - 回遊行動調査装置及びナビゲーションシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回遊行動調査方法及び装置並びにナビゲーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
都心部、地方、区域間では社会生活上の業務、通勤、通学等に伴い、さまざまな人の動きが発生する。一例として、買物を目的として街を訪れる消費者を考えると、このような消費者は、1つの店舗で買物をおえることは少なく、2ケ所、3ケ所と買い廻りを続けることが通常である。また、買物の途中で食事や喫茶を行なったり、また映画を見たりといった人も多い。
このように人が、行先や目的を変えつつ、施設間を渡り歩く行動を回遊行動と呼ぶ。
従来、このような回遊行動の調査には、居住地ベースで被験者をランダムサンプリングし、被験者の一日の行動を記録する、パーソントリップ調査が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のパーソントリップ調査では、被験者の居住地でサンプリングを行なうため、広汎な調査及び、多数のサンプリングを必要とする問題があった。
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、来街地でサンプリングを行なうことによって、集約して調査を行ない、さらに、都心部のトリップチェイン・出向頻度から演算することによって正確なデータを導く回遊行動調査方法を提供することある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
1.本発明のねらいと目的
回遊行動調査とは、都心内での消費者の渡り歩き行動である回遊行動を、立ち寄り場所やそこでの目的などについて、生起順に尋ねる調査である。これまで斎藤らは、魅力ある都心空間の創出に資するため、九州の諸都市において10数回の消費者回遊行動調査を実施し、回遊性に優れた街づくりを提案するとともに、相次いだ福岡都心部での大規模都心商業再開発の効果を、消費者の回遊行動の変化から捉えるべく、回遊行動調査を継続して実施し、人の流れからみた、都心の重心が105m南下したことを検証するなどの成果を上げてきた。一方、回遊行動調査にもとづいた分析の基礎となる回遊マルコフモデルを、実用に耐えるように、精緻化すべく、様々な理論的、技術的開発も平行して行ってきた。
本発明は後者の研究の流れに属すものであるが、その直接の契機は、われわれがこれまで行ってきた、都心部への来街者を対象にした都心部回遊行動調査が、実は「来街地ベース」のパーソントリップ調査に他ならない、と気づいたことにある。
【0005】
交通研究の分野では、従来から、パーソントリップ調査を基本とした、OD (Origin-Destination) 交通量推定に関する多くの研究がなされている。しかし、そこで想定されるパーソントリップ調査は、「居住地ベース」のサンプリング調査であり、都市圏などの広域の圏域を対象に、圏域居住者から回答者をサンプリングし、その1日の交通行動を聞く調査である。ここで、1日の交通行動とは、複数の目的と目的地をもった、Multi-stop, Multi-purpose のことであり、トリップチェインデータを採取することで、OD交通量を推定することが、パーソントリップ調査の主眼であるといえる。
しかし、従来から行われてきた「居住地ベース」のパーソントリップ調査をもとにしたODの推計に関しては、いくつかの問題点が指摘されている。(1)広域の居住地ベースの調査であり、非常にコストがかかること、その結果、(3)改訂までの期間が10数年といった、長さにわたり、変化に対応できていないこと、また、(3)大都市圏のみで行われており、地方圏での需要が高いにも係わらず、実施されてこなかったことなどの実施上の問題点にくわえ、(4)都市圏全体といった広域のODの推計には有効であるが、都市、さらには都心部といった狭い限定された地域のODの推計には、その推計精度に問題があること、また、(5) 買い回りといった同一目的が引き続く買物目的や、レジャー目的など、自由目的のトリップについては、行先記入上の精度の問題などである。
【0006】
これらの推定精度の問題は、居住地ベースのパーソントリップ調査が、1日の交通行動を、調査対象者への訪問調査という手間をかけた調査ではあるが、調査対象地域の広さから、約3%のサンプリング調査となっていることに起因している。これを解決するには、パーソントリップ調査の抽出率を高め、自由目的についても詳細な情報をえられる調査の実施が求められるが、大規模な居住地ベースのサンプリング調査であり、コストが莫大にかかることから、現実的ではない。また、大都市圏から地方都市へパーソントリップ調査を拡大する動きもあり、調査コストの観点を含め、今後のパーソントリップ調査の在り方が模索されているところである。
その一つ有力な方向は、「来街地ベース」のパーソントリップ調査であろう。実際、都心部の消費者回遊行動調査は、都心という地域を限定し、買物、レジャー、食事といった自由目的の記述精度を高めた、来街地ベースのパーソントリップ調査とみることができる。また、既存の大都市圏のパーソントリップ調査を、より低コストな来街地ベースのパーソントリップ調査で、短いタイムスパンで改訂するという方法にも適用できるはずである。
【0007】
しかし、斎藤、栫井、中嶋 (2000) 、栫井(2000)によって、はじめて指摘されたように、来街地ベースのパーソントリップ調査では、得られたトリップチェインデータを、従来の方法に従って単純に集計し、ODパタンの推定を行えば、choice-basedバイアスが生じてしまう、という問題がある。それゆえ、来街地ベースパーソントリップ調査の導入、実施には、このような来街地ベーストリップチェインデータによるODパタン推定における、choice-basedバイアスの問題の理論的解決が必要不可欠となっていた。
本発明のねらいは、その理論的解決を与えることであり、その目的は、来街地ベースパーソントリップチェインでデータによるODパタン推定における、choice-basedバイアスを取り除く、一致推定法を構成するとともに、来街地ベースパーソントリップ調査法を確立することである。
【0008】
前記目的を達成するための手段として本発明請求項1記載のナビゲーションシステムでは、都市を複数のゾーンに分割してノードを設定するノード設定手段、来街地でサンプリングした回遊被験者のトリップチェイン、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度、及び前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を入力する来街地情報入力手段、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度および前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を用いて推定した確率とパス長とサンプリング比率とを利用してウェイトを演算するウェイト演算手段、前記ウェイトにより前記サンプリング地点および前記回遊被験者ごとのサンプル数を重み付けした度数をトリップチェインごとに集計するカウント手段、前記カウントされた値を全サンプル数に占める分布に変換する正規化手段、および前記ウェイト演算手段、カウント手段によって集計された推定値を、正規化手段によって全体サンプル数に占める分布に変換して真の確率を推定し回遊行動を分析する回遊行動分析手段と、を備えた回遊行動調査装置と、
前記来街地情報入力手段へ入力するための位置情報を前記回遊行動調査装置へ送信するとともに、各携帯端末から得られた位置情報に基づき前記回遊行動調査装置が分析した回遊行動のパターンの分析データを受信する携帯端末と、を備えている。
【0009】
請求項2記載のナビゲーションシステムでは、請求項1記載のナビゲーションシステムにおいて、前記ウェイト演算手段は、トリップチェインのサンプリング地点の集合上でのパス長を演算するパス長演算手段と、都心部への出向頻度に対するサンプリング地点への出向頻度比率を演算する出向頻度比率演算手段と、都心部への出向頻度分布を演算する出向頻度分布演算手段と、サンプリング比率を演算するサンプリング比率演算手段と、サンプリング地点別の都心部出向頻度の分布を演算する地点別出向頻度分布演算手段と、を備えている。
【0010】
請求項3記載のナビゲーションシステムでは、請求項1または2記載のナビゲーションシステムにおいて、前記ウェイト演算手段は、前記ノードにおいてサンプリングされなかった場合の補正を加えて回遊行動を導出することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載のナビゲーションシステムでは、請求項1乃至3いずれか記載のナビゲーションシステムにおいて、前記回遊行動分析手段は、ノードからノードへの回遊の度数を示す度数集計表を作成することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の回遊行動調査装置では、都市を複数のゾーンに分割してノードを設定するノード設定手段、来街地でサンプリングした回遊被験者のトリップチェイン、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度、及び前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を入力する来街地情報入力手段、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度および前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を用いて推定した確率とパス長とサンプリング比率とを利用してウェイトを演算するウェイト演算手段、前記ウェイトにより前記サンプリング地点および前記回遊被験者ごとのサンプル数を重み付けした度数をトリップチェインごとに集計するカウント手段、前記カウントされた値を全サンプル数に占める分布に変換する正規化手段、および前記ウェイト演算手段、カウント手段によって集計された推定値を、正規化手段によって全体サンプル数に占める分布に変換して真の確率を推定し回遊行動を分析する回遊行動分析手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の回遊行動調査装置では、請求項5記載の回遊行動調査装置において、前記ウェイト演算手段は、トリップチェインのサンプリング地点の集合上でのパス長を演算するパス長演算手段と、都心部への出向頻度に対するサンプリング地点への出向頻度比率を演算する出向頻度比率演算手段と、都心部への出向頻度分布を演算する出向頻度分布演算手段と、サンプリング比率を演算するサンプリング比率演算手段と、サンプリング地点別の都心部出向頻度の分布を演算する地点別出向頻度分布演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の回遊行動分析手段は、
【数2】
【0015】
請求項8記載の回遊行動調査装置では、請求項5乃至7のいずれか記載の回遊行動調査装置において、前記ウェイト演算手段は、前記ノードにおいてサンプリングされなかった場合の補正を加えて回遊行動を導出することを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の回遊行動調査装置では、請求項5乃至8いずれか記載の回遊行動調査装置において、前記回遊行動分析手段は、ノードからノードへの回遊の度数を示す度数集計表を作成することを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の回遊行動調査装置では、請求項5乃至9いずれか記載の回遊行動調査装置において、前記ノード設定手段は、都市を単位に分割して登録する手段であり、店舗、地域、建物等の階等のノードに区分して数値等を付し、予め登録しておくようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
2.居住地ベースパーソントリップ調査によるODパタンの既存推定法
本節では、従来の居住地ベースパーソントリップ調査にもとづくODパタンの推定法について明確な定式化を行ってレビューする。
2.1使用する概念と記号
まず、ノードの集合をN={1,2,・・・,n,h} で表す。ここでhは自宅である。Nの要素をi,j∈Nで示す。これまでのパーソントリップ調査では、ノードではなく、「ゾーン」という概念を用いてきた。ここでのノードをゾーンと捉えても、以下の数学的表現は全く変らないが、誤解を避けるため、若干の説明を加えておく。「ゾーン」の概念を用いる目的は、対象地域をいくつかのゾーンに分割し、それらのゾーン間のODを推定することにある。対象地域の分割である。
ここでは、簡単のため、ノードをゾーンと捉えてもよいが、正確には、集合の分割でいえば、ノードの集合Nはゾーンの集合の細分割である。すなわち、本発明では、都心部における大規模店舗間の人の流れといった小地域のODも捉えられるように、ノードを点的魅力施設と捉えており、点的魅力施設がいくつか集って、一つのゾーンを形成すると考えている。
【0019】
さて、本発明では、すべてのノードは、いずれも目的トリップの発地(Origin)、着地(Destination) になりうると考える。これらすべてのODペア(i,j) の集合をWで表そう。すなわち、W={(i,j)|i,j∈N}である。
次に、ルート( トリップチェイン、パス) の概念を導入する。通常、ルートとは、ODを結ぶリンクの連鎖とされるが、ここでは、通常の使い方とは異なって、経路をなす、複数のODペアの連鎖、すなわち、トリップチェインの意味で使うことに注意しよう。経路をなす、ODペアの連鎖とは、引き続くODペアの着地と発地が一致するものである。
例えば、3つのODペア{(h,1),(1,3),(3,h)} の連鎖は、(h,1) の1と(1,3) の1が一致し、同様に(1,3) の3と (3,h)、の3が一致しているので、経路をなしている。このように、経路をなすODペアの連鎖であるトリップチェイン{(h,1),(1,3),(3,h)} を、ルートとよび、ルートh13hと書く。本発明では、ルートとして、hで始まり、hで終わる、サイクルのみを考える。
【0020】
以上のもとで、すべてのルートの集合をRで表す。また、その要素r∈Rで示す。
通常、ルートr∈Rは、r=h13hのように、ノードの文字列として表すが、誤解のおそれがないときには、r={h,1,3,h} のように、列をなす、ノードの集合とみなすことがある。ルートr∈Rの長さl(r) は、ルートの集合表現を用いて、次のように定義する。
l(r) =|r|−2 (2.1)
ただし、|A|は集合Aの要素数、濃度を表す。例えば、ルートr={h,1,3,h} の長さは2である。つまり、自宅以外の立ち寄りノード数のことである。
さて、来街地ベースのサンプリング調査の場合は、自宅h以外にサンプリングを行うノードを考えることになる。サンプリング地点kの集合をSとする。S⊂Nである。また、サンプルをtで識別し、サンプルの集合をTで示す。
T={1,2,...,t,...,T}
【0021】
次に、いくつかの確率変数を導入する。まず第1は、対象地域への出向頻度の分布(確率変数)Vである。これはトリップチェインの発生頻度の分布である。従来の概念と混同しやすいので、説明を加えておこう。従来の交通需要予測の研究では、パーソントリップ調査の当日に何回目的トリップを起こしたかに着目し、目的トリップを起こした人の中での平均を、ネットの生成原単位、また、外出しなかった人を含めたときの平均を、グロスの生成原単位と呼んでいる。ネットの目的トリップ生成原単位は、グロスのそれに外出率をかけたものに等しい。出向頻度の分布は、この外出率に相当する概念である。しかし、期間をパーソントリップ調査のように特定の1日とせず、1ヶ月といった期間を考え、当該期間中の外出回数として、出向頻度を定義する。
次に、YをR上の分布とし、φをW上の分布、i.e., ODフローの密度とする。本発明では、このφを「ODパタン」と呼ぶ。また、Zでサンプリング地点への来街者数の分布を表す。ΔS はサンプルがサンプリング地点sに立ち寄ったとき1、そうでないとき0の値をとる確率変数とする。
【0022】
さて、本発明では、居住地ベースの概念と来街地ベースの概念を明確に区別しておく必要がある。そこで、まず、確率事象としてのトリップチェインの観測についての検討から始めよう。トリップチェインの観測の基本は、被験者が、一定期間に、何回外出し、どのようなタイプのトリップチェインを何回行ったかを観測することである。一般に、このような度数に関する確率過程(カウント過程)では、事象の観測は、一定期間に、「同一の」場所で、対象となる事象が何回起こったかを記録すること、と想定している。しかし、ここで観測の対象となっている、「トリップチェイン」の事象とは、場所を移動することである。したがって、この事象は、それが発生した場所でも、また、移動の途中でも、さらに、移動先でも、観測できることになる。トリップチェインの起点である自宅hで観測することを、居住地ベース、また、移動先、訪問先で観測することを、来街地ベースと呼ぶ。注意すべきは、観測は、観測者がトリップチェインの事象とともに移動して行う必要はなく、来街地ベースの観測とは、訪問先となるノードを観測地点として定め、そこでどのようなトリップチェインが何回観測されたかを記録することを意味している。
上述の確率変数や分布を、居住地ベースで定義するとは、トリップチェイン事象を、居住地ベースで観測したときの真の分布や確率変数のことをいい、来街地ベースでの定義とは、来街地ベースで観測したときの真の分布や確率変数を指す。
【0023】
例をあげよう。ODパタンは、実際にトリップチェインが起こっている現場で観測されて、はじめて意味を持つ。すなわち、それぞれのノードに何人訪れたか、といったことは来街地ベースの観測に係わるものであり、ODパタンとは来街地ベースで定義されるべき概念である。これに対して、出向頻度は本来、居住地ベースの概念であるが、各ノードへの来訪者に、一定期間に何回外出したかを回顧的(retrospective) に聞く、といった方法で、来街地ベースでも調査可能である。 本発明では、分布(確率変数)が、居住地、来街地のいずれで定義されているのかを明確に区別するために、その分布(密度)関数に、居住地ベースの場合には、添字hを、また来街地ベースの場合には、添字cを付けて区別することにする。
【0024】
2.2居住地ベースパーソントリップ調査によるODパタンの推定法の定式化
2.2.1確率的機構としてのトリップチェイン交通行動
ODパタンの統計的推定法を議論するためには、トリップチェイン事象を生起させる、確率的機構についてのモデル化が必要である。そのために、トリップチェインという交通行動事象の確率的機構を明確にしておかねばならない。これは、いわば交通行動事象の因果順序の仮定を明確にすることに対応する。
パーソントリップ調査が想定する交通行動事象の因果関係は、これまであまり明示的に述べられたことはないが、大まかな合意は、居住地で観測される、異なった出向頻度をもった交通行動主体が、その出向頻度にしたがって、トリップチェインを起こした結果、出向先で来街者として、観測され、ODパタンとして現れる、ということであろう。
ここであまり明確でないのは、トリップチェインの選択である。本発明では、一歩踏み込んで、居住地ベースでトリップチェインと出向頻度の同時分布を想定する。これは、交通行動主体が、トリップを起こす前に、事前に、出向頻度とトリップチェインの同時選択を行うという仮定であり、統計的推定の仮定をより明確に定式化するための概念装置である。それゆえfh を居住地ベースのトリップチェイン(Y)と出向頻度(V)の同時密度、fc を来街地ベースのそれとすると、想定する因果順序は以下となる。
【数3】
すなわち、最初の矢印は、交通行動主体が、居住地hで、fh(r,v)にしたがって、出向頻度vとトリップチェインのタイプrを同時に選択し、トリップチェインrをv回、引き起こした結果、それが、来街地で観測されて、fc(r,v)として、観測されることを表している。後の2つの矢印→の意味は次である。fc(r,v)→fc(r)は、来街地で観測される、トリップチェインのタイプの分布fc(r)が、fc(r,v)の周辺分布として得られることを示している。また、fc(r)→φは、後述するように、来街地ベースでのR上の分布fc(r)が得られれば、ODペア上の分布φが導出できることを示したものである。
さて、fh とfc には、上述のように矢印で示した因果関係があるが、これらの間には、次の明確な関係が成立する。
【数4】
この関係を理解するために、次の簡単な例を挙げておく。居住地には4人がいて、fh(r,v) が、図2の分布だったとする。出向頻度v=2の人たちは、それぞれ2回トリップチェインを起こすので、図1のv=2の行を2倍して、来街地ベースで観測されるfc(r,v)は、図4となる。従来の1日の交通行動を聞くパーソントリップ調査では、出向頻度は外出率に相当し、また、居住地ベースのfh(r,v) は、人単位の集計に、来街地ベースのfc(r,v)は、トリップ単位の集計に対応する、と考えると理解しやすい。
【0025】
2.2.2居住地ベース調査によるfc(r,v)の推定
先の因果順序から、居住地ベースのパーソントリップ調査によるODパタンの推定には、fc(r,v)が推定されれば、十分である。それは、次節で定式化されるように、fc(r,v)の周辺分布
【数5】
【0026】
2.2.3居住地ベース交通行動調査が収集する情報との推定との関連
来街地ベースのfc(r,v)の推定法式(2.5)式は、あまり見かけない式であり、その意味を明確にするため、ここでは、従来の居住地ベースパーソントリップ調査が収集する情報との関連について考察しておく。従来から行われてきた居住地ベースパーソントリップ調査は、サンプルtの、指定した1日の交通行動を記録する調査であるが、サンプルtから収集する情報は、トリップチェインrt のデータのみであり、一般に、出向頻度vt については質問項目を設けていない。出向頻度に関連する情報は、1日の交通行動記録から、外出したか否かの情報が得られるだけである。
【数6】
このように、現在のパーソントリップ調査では、出向頻度vに関しては、集計した情報が得られるだけであり、サンプルtの出向頻度vt の情報を得るには、集計して属性別のvの平均を求め、これを用いてサンプルtの属性からvt を推測する方法になる。
【0027】
さて、交通行動調査には、このパーソントリップ調査の他にも様々な調査がある。都市圏といった範囲をこえる長距離の移動を対象とした調査、1日の行動ではなく、1週間や3ヶ月といった期間にわたるダイアリー調査などである。しかし、期間や対象とするトリップが異なっても、一定期間に、実際にどのような交通行動を行ったかを記録する調査である限り、収集する情報は基本的にパーソントリップ調査と同じである。ただし、1日ではなく、長期間の記録を取れば、各サンプルの出向頻度(外出回数) を、直接計測できることになる。
一方、以上の方法と対照的に、過去の一定期間の交通行動を回顧的(Retrospective) に想起する調査方法がある。その一定期間の交通行動を、記憶をたどって、すべて記録するという方法であれば、上の方法と、忘却率といった要因を除けば、全く同じであるが、交通行動調査でも、トリップを起こす頻度の高い人の負担を軽減するため、「直近」の長距離交通行動を1つだけ記録してもらう、といった調査方法の提案がなされている。この場合には、従来のパーソントリップ調査の方法とは全く異なって、明示的に、(2.5)式の出向頻度によるウェイト付けを行って、居住地ベースのfh(r,v)を、来街地ベースのfc(r,v)へ変換しなければならない。
また、伝統的に、消費者の居住地ベースでの購買行動調査では、主要な商業施設へ、過去の一定期間に、何回出向したか、サンプルtにその出向頻度vt を、直接聞いたり、「直近」に訪れた商業施設はどこか、などを聞くことが多い。これらの調査方法を採用した場合にも、(2.5)式によるfc(r,v)の推定が必要になる。
【0028】
2.2.4居住地ベース調査によるODパタンの推定
記述を複雑にしないために、トリップチェインの集合R上の分布qr,r∈Rを導入しよう。その定義は、
qr =fc(r)=Pr(Yc =r)
である。すなわち、来街地ベースでトリップチェインの確率変数Yc がrをとる確率である。以下では、qr とODパタンφの関係を導くが、このqr をその推定値で置き換えて、φの推定値を得るのが、ODパタンの推定法である。
まず、トリップチェインをその長さによって、直和分割する。
【数7】
ここで、R(l) = {r∈R|length of r=l}はその長さがlであるトリップチェインの集合である。トリップチェインの長さとは、式(2.1)で定義したように、例えば、h123h のトリップチェインの場合は3であり、サイクルをなすトリップチェインに含まれる、自宅以外のノードの数である。
次の定義をしよう。
【数8】
【0029】
3.来街地ベースパーソントリップ調査によるODパタンの一致推定法の構成
3.1来街地ベーストリップチェインサンプルの尤度
本節では、来街地ベースパーソントリップ調査のサンプリングの機構を検討し、そこで得られるトリップチェインデータの尤度を考察する。
【数9】
第3式はサンプルをサンプリング地点kごとに、T(k) ,k∈Sと分割した表現であり、t∈T(k) とき、st =kである。
ここで、もしもH(s) ではなく、各サンプリング地点への来街者数の真の比率fc(s),s∈Sにしたがってサンプリングされたならば、バイアスのない正しい尤度を与えたはずである。各サンプルに重みを与えることで、来街地ベースのサンプリングの尤度をランダムサンプリングの尤度に変換できれば、目的は達する。そこで、次節の目的は、各サンプルに与える、この重みを導出することである。
【0030】
3.2来街地ベースパーソントリップ調査による重み付き一致推定法の構成
本節の目標は式(3.2)をランダムサンプリングの完全尤度に変形するためのウェイトを求め、その推定方法を、来街地ベースのパーソントリップ調査の設計とともに構成することである。
【0031】
3.2.1重み付き推定法の構成
そのためには、来街地ベースパーソントリップ調査における各サンプル(rt,vt ,st )の尤度fCB (rt ,vt ,st ) の式において、最後の項H(St)をfc(St) で置き換える、あるいは、最後の2項fc(vt|st)H(St)を真の密度fc(st|vt)fc(vt) に置き換えればよい。本発明での重み付き推定法は、後者の方法によって、先の来街地ベースサンプリングによる尤度LCBを変換し、次の第2式により、ランダムサンプリングの完全尤度Lを推定する方法である。
【数10】
3.2.2来街地ベースパーソントリップ調査の設計
来街地ベースパーソントリップ調査の設計によって、収集される情報のみで、上述のウェイトに関する推定が行えることが望ましい。この観点から、来街地ベースパーソントリップ調査の設計要件をまとめれば、次となる。
まず、各サンプリング地点でのサンプリング比率H(s) をきめる。サンプルtが得られたサンプリング地点をst としよう。来街地ベースパーソントリップ調査において、各サンプルから同時に聞くべき調査項目は、(1)サンプルtのトリップチェインrt 、(2)サンプルtの対象地域全体への出向頻度vt 、そして、(3)サンプルtのサンプリング地点st への出向頻度vt(st)である。
したがって、来街地ベースでトリップチェインデータを収集し、これを用いてバイアスのないODパタンを推定するための調査の要件は、これら3種類の情報を同時に聞くことである。トリップチェインのデータは、従来と同様、どこからどこへどんな目的で移動したかの履歴を聞く項目となる。また、対象地域全体、サンプリング地点への出向頻度については、(a) 過去一定期間に、何回外出したか、あるいは、当該地域、地点へ何回訪れたか、を回顧的(Retrospective )に聞く方法、(b) これと同様、将来一定期間に何回外出する予定か、あるいは、当該地域、地点へ何回訪れる予定かを聞く、展望的(Prospective )な方法、(c) 「直近」の外出はいつだったか、あるいは、当該地域、地点への「直近」の訪問時期はいつだったか、を聞く方法など、いくつかの方法が考えられる。更には、想起法と実際の出向頻度を記録する方法との組み合わせなどの方法も考えられる。
いずれにせよ、ここでのポイントは、交通行動調査においては、出向頻度の情報、vt とvt(st)を収集することが、サンプリングの効率を高めるという視点である。
従来のパーソントリップ調査では、調査対象を1日の交通行動に限定することにくわえ、出向頻度を聞いていないため、属性別の外出率の集計結果を用いて、サンプルtの外出率を予測したり、属性別に、一定期間での外出回数や出向頻度を予測したりするには、かなり大規模なサンプルを得なければならないことになる。この点は、非日常的で低頻度の観光交通行動といった調査では、on-boardや来街地ベースでの調査方法が効率的である、という視点にも重なるものである。しかし、本研究の目的は、来街地ベースでえられたトリップチェインデータをもとにバイアスのない、ODパタンの推定方法の理論的研究であり、このような、実際に、どの方法が優れているのか、といった実用化へむけての興味深い論点については、ここでは深入りせず、今後の研究課題としている。
【0032】
3.2.3ウェイトの導出
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【0033】
【実施例】
本節では最も簡単な2ノードの場合の数値例を示す。説明の簡単化のために、都心への買物トリップチェインを想定する。1居住地、都心2商業地を考える。ノードの集合はN={1,2,h} となる。サンプリング地点は商業地1,2で、サンプリング地点の集合はS={1,2} である。ルートの集合はR={r1,r2,r3,r4} とする。ルートr1,r2,r3,r4 は、それぞれ、h1h 、h2h 、h12h、h21hである。
さて、居住地に2人の居住者がいて、ある一定期間に出向頻度が200のタイプIが1人、出向頻度が100のタイプIIが1人とする。タイプIは、都心へ出向したとき、トリップチェインr1=h1h とr3=h12hをそれぞれ0.5の確率で選択するとする。同様に、タイプIIについては、トリップチェインr2=h2h とr4=h21hをそれぞれの0.5確率で選択するとする。以上の想定のもとでは、タイプIは都心へ200 回、タイプIIは100 回出向するので、都心で、すなわち、来街地ベースで観測すると、トリップチェインr1=h1h とr3=h12hが100 回、r2=h2h とr4=h21hが50回ずつ、カウントされる。つまり、来街地ベースR上の分布、fc(r) は図5となる。
真の分布fc(r) のもとでの真のODパタンは図6となる。
さて、来街地ベースパーソントリップ調査であるが、これはサンプリング地点1で50票、地点2で100 票を抽出する、ランダムサンプリングを実施したとしよう。その結果は図7となる。
【数15】
【数16】
【数17】
【0034】
次に、第2実施例に係る回遊行動調査方法について説明する。
第2実施例の回遊行動調査方法はノードにおいてサンプリングされなかった場合の補正を加えて回遊行動を導出する方法である。
その補正方法について以下述べる。
【数18】
【数19】
【数20】
【数21】
【数22】
【数23】
【数24】
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
【数30】
【数31】
【数32】
【0035】
次に、本発明の回遊行動調査装置について説明する。
本発明の回遊行動調査装置は前述した方法を実現する装置であり、コンピュータを使用して回遊行動を導出する装置である。
このコンピュータは、入力装置、制御装置、メモリ装置及び外部記憶装置から構成され、メモリ装置には、都市空間を単位に分割するノード設定手段、各ノード間のトリップチェインを入力するトリップチェイン入力手段、入力されたトリップチェインから各トリップチェインの頻度を演算するプログラムが格納されている。
ノード設定手段は都市を単位に分割してノードとして登録する手段であり、店舗、地域、建物の階等のノードに区分して数値等を付し、予め登録しておく。
トリップチェイン入力手段はキーボート等によって入力を行ない、ノードの番号をトリップ順にキーボード等を操作して入力する。
演算手段は前記回遊行動調査方法において説明した計算を行なう装置である。 また、前記メモリ装置にはノードにおいてサンプリングされなかった場合の補正を行なう補正手段のプログラムが格納されている。
この回遊行動調査装置を作動することにより、トリップチェインの頻度及び、図9に示すようなノードからノードへの回遊の度数を示した、度数集計表が作成される(度数集計表作成手段)。
【表1】
【0036】
ノードへの出向頻度及びトリップチェインデータを収集する調査表としては、商業地、店舗等のノードと、各ノードをどのような経路で渡り歩いたかを記入する記入欄と、それらのノードを含む地域へどれくらいの頻度で出向するかを記入する記入欄を有したものを使用する。
その他、以下に説明するナビゲーションシステムを使用して回遊行動のデータを収集する。
【0037】
次に、本発明のナビゲーションシステムについて説明する。
図10はナビゲーションシステムの説明図、図11は携帯端末のブロック図、図12は携帯端末の使用状態を示す説明図、図13は都市空間の一例を示す図である。
実施の形態3に係るナビゲーションシステムは前記実施の形態の回遊行動調査方法を適用したシステムである。
本発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムは図10に示すように、都市空間の各種情報を格納したサーバーと、各ノードに設置した中継局と、中継局を経由してサーバーと情報を送受を行なう携帯端末を主要な構成としている。
ノードの概念は前記実施の形態で説明したノードと同様である。
前記携帯端末は図11に示すように、CPU、ROM、RAM、入力装置、表示装置、通信装置、電源等を有して構成され、回遊しながらサーバーと交信し、サーバーから得た情報を液晶画面(表示装置)で閲覧することができる。
前記サーバーのコンピュータのデータベースには都市の買物情報、娯楽情報、飲食情報、交通情報、イベント情報、地図情報、回遊行動データ等が格納されている。
前記中継局はサーバーとケーブル等で連結され、各ノードに1個あるいは複数個設置され、携帯端末と電子情報の送受を行なう。サーバ−は中継局から送られてきた携帯端末の電子情報を識別し、携帯端末がどのノードにあるかを確認する。
【0038】
回遊者は図12に示すように、携帯端末を携帯して、都市のノードを回遊し、各ノードの中継局と交信を行なう。ノードの入口またはノードの各所には中継局が設置され、回遊者はノードに入ると、中継局が携帯端末の信号を認識し、サーバーに送信する。
サーバーではこれらの情報を蓄積し、回遊者のトリップチェインを把握する。
サーバーでは携帯端末の位置情報をもとに分析を行ない、図9に示すような度数集計表を作成し、どのノ−ドが回遊の度数が高いか割り出し、この情報を携帯端末の表示装置を通じて回遊者に提供する。
この情報は各ノードに特有の情報を送信し、情報の提示を受けた回遊者は現在のノードから、次にどのノードへの回遊が人気が高いかを知ることができ、行動の参考にすることができる。
ノードの設定は水平的地域及び図13に示すように立体的にビルの階ごとに設定されている。
前記度数集計表は年齢、性別等によって異なるので、年齢別、性別に度数集計表を作成して回遊者へ情報を提供しても良い。
また、携帯端末にインターネットによる通信装置を装備し、各ノードに備えられたアドレスをデジタルカメラ、バーコードリーダー等で自動読取りし、ホームページにアクセスすることも可能である。そして、アクセス先から各ノードの詳細情報を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回遊行動調査方法及び装置においては、来街地でサンプリングしたデータに基づいて、都心部の回遊行動を導くことができる。
そのため、居住地での広範な調査を必要としない。
また、都心部への出向頻度及びトリップチェインデータを採取するのみで、回遊行動を正確に導くことができる。
【0040】
また、本発明のナビゲーションシステムにおいては、回遊者は携帯端末を使用して、サーバーから各種都市情報を得ることができる。
また、サーバー側では、回遊者の正確な回遊データを収集し、蓄積することができる。また、サーバー側に蓄積した様々な個人の回遊データを分析してフィードバックし、回遊者の選好や動機に応じた的確な情報や最新情報を回遊途上で回遊者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トリップチェインの分布を示す図である。
【図2】トリップチェインの分布を示す図である。
【図3】トリップチェインの分布を示す図である。
【図4】トリップチェインの分布を示す図である。
【図5】来街地ベースのR上の分布fc(r)を示す図である。
【図6】真の分布fc(r)のもとで真のODパタンを示す図である。
【図7】来街地ベースパーソントリップ調査のサンプリング結果を示す図である。
【図8】推定値を示す図である。
【図9】度数集計表を示す図である。
【図10】ナビゲーションシステムの説明図である。
【図11】携帯端末のブロック図である。
【図12】携帯端末の使用状態を示す説明図である。
【図13】都市空間の一例を示す図である。
Claims (10)
- 都市を複数のゾーンに分割してノードを設定するノード設定手段、来街地でサンプリングした回遊被験者のトリップチェイン、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度、及び前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を入力する来街地情報入力手段、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度および前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を用いて推定した確率とパス長とサンプリング比率とを利用してウェイトを演算するウェイト演算手段、前記ウェイトにより前記サンプリング地点および前記回遊被験者ごとのサンプル数を重み付けした度数をトリップチェインごとに集計するカウント手段、前記カウントされた値を全サンプル数に占める分布に変換する正規化手段、および前記ウェイト演算手段、カウント手段によって集計された推定値を、正規化手段によって全体サンプル数に占める分布に変換して真の確率を推定し回遊行動を分析する回遊行動分析手段と、を備えた回遊行動調査装置と、
前記来街地情報入力手段へ入力するための位置情報を前記回遊行動調査装置へ送信するとともに、各携帯端末から得られた位置情報に基づき前記回遊行動調査装置が分析した回遊行動のパターンの分析データを受信する携帯端末と、
を備えたことを特徴とするナビゲーションシステム。 - 前記ウェイト演算手段は、トリップチェインのサンプリング地点の集合上でのパス長を演算するパス長演算手段と、都心部への出向頻度に対するサンプリング地点への出向頻度比率を演算する出向頻度比率演算手段と、都心部への出向頻度分布を演算する出向頻度分布演算手段と、サンプリング比率を演算するサンプリング比率演算手段と、サンプリング地点別の都心部出向頻度の分布を演算する地点別出向頻度分布演算手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
- 前記ウェイト演算手段は、前記ノードにおいてサンプリングされなかった場合の補正を加えて回遊行動を導出することを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーションシステム。
- 前記回遊行動分析手段は、ノードからノードへの回遊の度数を示す度数集計表を作成することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のナビゲーションシステム。
- 都市を複数のゾーンに分割してノードを設定するノード設定手段、来街地でサンプリングした回遊被験者のトリップチェイン、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度、及び前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を入力する来街地情報入力手段、前記回遊被験者の対象地域全体への出向頻度および前記ノード中のサンプリング地点への前記回遊被験者の出向頻度を用いて推定した確率とパス長とサンプリング比率とを利用してウェイトを演算するウェイト演算手段、前記ウェイトにより前記サンプリング地点および前記回遊被験者ごとのサンプル数を重み付けした度数をトリップチェインごとに集計するカウント手段、前記カウントされた値を全サンプル数に占める分布に変換する正規化手段、および前記ウェイト演算手段、カウント手段によって集計された推定値を、正規化手段によって全体サンプル数に占める分布に変換して真の確率を推定し回遊行動を分析する回遊行動分析手段と、を備えたことを特徴とする回遊行動調査装置。
- 前記ウェイト演算手段は、トリップチェインのサンプリング地点の集合上でのパス長を演算するパス長演算手段と、都心部への出向頻度に対するサンプリング地点への出向頻度比率を演算する出向頻度比率演算手段と、都心部への出向頻度分布を演算する出向頻度分布演算手段と、サンプリング比率を演算するサンプリング比率演算手段と、サンプリング地点別の都心部出向頻度の分布を演算する地点別出向頻度分布演算手段と、を備えたことを特徴とする請求項5記載の回遊行動調査装置。
- 前記ウェイト演算手段は、前記ノードにおいてサンプリングされなかった場合の補正を加えて回遊行動を導出することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか記載の回遊行動調査装置。
- 前記回遊行動分析手段は、ノードからノードへの回遊の度数を示す度数集計表を作成することを特徴とする請求項5乃至8いずれか記載の回遊行動調査装置。
- 前記ノード設定手段は、都市を単位に分割して登録する手段であり、店舗、地域、建物等の階等のノードに区分して数値等を付し、予め登録しておくようにしたことを特徴とする請求項5乃至9いずれか記載の回遊行動調査装置。
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