JP3793193B2 - 移動端末及び移動端末制御方法 - Google Patents

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本発明は、無線LANシステムを介して、IPv4に準拠した無線通信を行う移動端末、及び当該移動端末を制御する移動端末制御方法に関する。
従来、移動端末は、アクセスポイントに無線接続するための無線LAN(Local Area Network)システムを介して、インターネットに接続することができる。移動端末とアクセスポイントの間は無線LANのプロトコルにより接続され、インターネット(IPv4(Internet Protocol Version 4)に準拠した通信)へはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)により接続される。
このうち無線LANについては、移動端末が、無線LANシステム内のあるアクセスポイントのBSS(Basic Service Set:基本サービスセット)に属することにより無線LANの通信を確立する。移動端末が移動し、異なるBSSのエリアに入った場合は、自動的に当該異なるBSSのアクセスポイントに切り替えるハンドオーバを行い、通信を継続することができる。
また、インターネットへの接続については、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバが、アクセスポイントを介して、移動端末にIPアドレス(プライベートアドレス)を設定等することで可能となる。ところで、大企業などではネットワーク管理や回線資源の分配を効率よく行うために、ネットワークをいくつかのサブネット(管理単位のネットワーク)に分割して設定し、管理する場合がある。IPアドレスはこのサブネット毎に設定され、あるサブネットでは、他のサブネットで設定されたIPアドレスを用いては、インターネットへの接続をすることができない(下記の特許文献1参照)。
特開2000−156682号公報
無線LANシステムにおいて、サブネットは1つ又は複数のBSSにより構成されるので、移動端末がハンドオーバを行った際には、サブネットも異なるものとなる場合がある。その場合、移動端末に設定されていたIPアドレスではインターネットへの接続が不可能になったり、ネットワークに混乱を生じさせ、結果としてデータ通信が中断したり、ハンドオーバ時の一連の処理に時間がかかってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、無線LANシステムを介してインターネットに接続している移動端末がハンドオーバによりBSSが変更となった場合にも、データの送受信を中断等することなくインターネットへの接続を継続可能とし、ハンドオーバ時の一連の処理時間を短縮することができる移動端末及び移動端末制御方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る移動端末は、無線LANシステムを介して、IPv4に準拠した無線通信を行う移動端末であって、自端末のハンドオーバによるBSSの変更があったことを検出する検出手段と、検出手段によりBSSの変更を検出したときに、データの送受信を継続しながらDHCPサーバへサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、BSSの変更前と異なるサブネットである場合に、DHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をしてデータ通信を再開する制御を行い、BBSの変更前と同じサブネットである場合にデータ通信を継続する制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る移動端末では、自端末がハンドオーバをすると、検出手段が当該ハンドオーバによるBSSの変更を検出する。当該検出がなされると、制御手段がデータの送受信を継続しながらDHCPサーバへサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、BSSの変更前と異なるサブネットである場合に、DHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をする制御を行う。
これにより、本発明に係る移動端末は、ハンドオーバによりBSSが変更となる場合、サブネットが同一の場合は従来通りデータの送受信を中断することなくインターネットへの接続を継続でき、また、サブネットが異なるものになった場合でも、データの送受信を中断することなく、ハンドオーバ時の一連の処理時間を短縮することができ、自動的に新たなIPアドレスを取得しインターネットへの接続を行うことができる。
また、本発明は、上記のように移動端末の発明として記述できる他に、以下のように移動端末制御方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリーが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用効果を奏する。
すなわち、本発明に係る移動端末制御方法は、無線LANシステムを介して、IPv4に準拠した無線通信を行う移動端末を制御する移動端末制御方法であって、自端末のハンドオーバによるBSSの変更があったことを検出する検出ステップと、検出ステップによりBSSの変更を検出したときに、データの送受信を継続しながらDHCPサーバにサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、BSSの変更前と異なるサブネットである場合に、DHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をしてデータ通信を再開する制御を行い、BBSの変更前と同じサブネットである場合にデータ通信を継続する制御を行う制御ステップとを備えたことを特徴とする。

ところで、複数のBSSを組み合わせたものをESS(Extended Service Set:拡張サービスセット)と呼ぶ。上記はハンドオーバによりBSSが変更になる場合についてのみ考慮しているが、特にESSの変更となるようなハンドオーバを行った場合には、サブネットも異なることが殆どなので、上述した問題が起こる可能性が高かった。
当該課題に対処するために、本発明の移動端末においては、検出手段は、自端末がハンドオーバを行ったとき、さらにESSの変更があったことも検出し、制御手段は、検出手段によりESSの変更を検出したときに、データ通信を切断し、DHCPサーバへサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、ESSの変更前と異なるサブネットである場合はDHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をする制御もさらに行う構成とすることが望ましい。
本発明に係る移動端末では、自端末がハンドオーバを行ったとき、ESSの変更があったことも検出する。当該検出がなされると、制御手段がデータ通信を切断し、DHCPサーバへサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、当該ESSの変更前と異なるサブネットである場合はDHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をする制御も行う。
これにより、本発明に係る移動端末は、ハンドオーバによりESSが変更となる場合でも、ハンドオーバ時の一連の処理時間をより短縮することができ、自動的に新たなIPアドレスを取得しインターネットへの接続を行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、移動端末が、ハンドオーバによりBSSが変更となる場合、サブネットが同一の場合は従来通りデータの送受信を中断することなくインターネットへの接続を継続でき、また、サブネットが異なるものになった場合でも、データの送受信を中断することなく、ハンドオーバ時の一連の処理時間を短縮することができ、自動的に新たなIPアドレスを取得しインターネットへの接続を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る移動端末の一実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態における無線LANシステム及びIPv4に準拠した無線通信システムの全体構成図である。同図に示すように、無線LANシステム及びIPv4に準拠した無線通信システムは移動端末10と、移動端末10と無線通信を行う無線LANのアクセスポイント20(20A〜20Dの総称)と、当該アクセスポイント20毎のBSS30(30A〜30Dの総称)と、当該複数のBSS30を組み合わせたESS31(31A,31Bの総称)と、サブネット40(40A〜40Cの総称)と、各サブネット40を管理するルータ50(50A〜50Cの総称)と、移動端末10にIPアドレスを設定するDHCPサーバ60とを含んで構成される。移動端末10は、例えば、IP無線電話、PDA(Personal Digital Assistants)、ノートパソコン等に相当する。サブネット40は1つ又は複数のBSS30により構成される。例えば、サブネット40AはBSS30AとBSS30Bとから、サブネット40BはBSS30Cから、サブネット40CはBSS30Dから、それぞれ構成される。
図2は、移動端末10の構成図である。同図に示すように移動端末10は、アクセスポイント20と無線通信を行う無線通信部12と、無線通信部12を通じてインターネット通信を行うインターネット通信部14と、移動端末10がハンドオーバをした際、図1のBSS30及びESS31の変更を検出する検出部16と、インターネット通信部14を制御する制御部18とを含んで構成される。インターネット70は移動端末10の接続対象である。検出部16によるBSS30の変更の検出は、例えば、無線通信部12で認識しているBSS30の識別子であるBSSIDのハンドオーバによる変更を検出すること等により行う。また、検出部16によるESS31の変更の検出は、例えば、無線通信部12で認識しているESS31の識別子であるESSIDのハンドオーバによる変更を検出すること等により行う。
移動端末10は、アクセスポイント20と無線通信を行い、図1のルータ50を介して図1のDHCPサーバ60からIPアドレスを設定されることにより、インターネット70に接続可能となる。
以下、図3の流れ図を用いて、本実施形態の移動端末10により実行される処理を説明する。
まず、無線LANシステムとの無線通信及びインターネット接続が確立された移動端末10では、無線通信部12がハンドオーバの処理を行うと、検出部16がハンドオーバによるBSS30の変更があったことを検出する(S01)。例えば、移動端末10のユーザがBSS30Aのエリアから、BSS30Bのエリアに移動すると、無線通信部12がハンドオーバ処理をし、検出部16がBSS30AからBSS30Bへの変更を検出する。
続いて、検出部16が、当該ハンドオーバによるESS31の変更の有無を検出する(S02)。
ESS31の変更が検出されないときには、データの送受信を継続しながら、制御部18が、DHCPサーバ60へサブネット情報を問い合わせるようインターネット通信部14を制御する(S03)。ここで、DHCPサーバ60へ問い合わせる「サブネット情報」とは、DHCPサーバ60から提案されるIPアドレス及びサブネットマスク等が相当する。上記問い合わせは、DHCPサーバ60へDHCP Discoverを送信することにより行われる。
続いて、制御部18が、当該サブネット情報の問い合わせに対し、DHCPサーバ60から送られたサブネット情報と、ハンドオーバ前のサブネット情報を比較し、ハンドオーバ前後でサブネット40が異なるか否かを判断する(S04)。上記問い合わせ結果のサブネット情報は、DHCPサーバ60から送信されるDHCP Offerに含まれる。
S04にてハンドオーバ前後でサブネット40が異なる場合、制御部18が、DHCPサーバ60から新たなIPアドレスを取得し、当該新たなIPアドレスでインターネットに接続し、データ通信を再開するようにインターネット通信部14を制御する。(S05、S06)。例えば、BSS30の変更がBSS30BからBSS30Cへの変更だった場合は、サブネット40Aからサブネット40Bへ変更となるので、上記処理がなされる。IPアドレスの取得は、DHCPサーバ60へのDHCP Requestの送信及びDHCPサーバ60から送信されるDHCP ACKの受信により行われる。
S04にてハンドオーバ前後でサブネット40が同じ場合、インターネット接続及びデータ通信は継続する(S07)。例えば、BSS30AからBSS30Bへの変更だった場合は、サブネット40Aのままであるので、上記のようにインターネット接続及びデータ通信は継続する。
ハンドオーバの時点(S02)で、ESS31の変更が検出されたときには、制御部18が、データ通信を切断し、DHCPサーバ60へサブネット情報を問い合わせるようインターネット通信部14を制御する(S08、S09)。
続いて、制御部18が、当該サブネット情報の問い合わせに対し、DHCPサーバ60から送られたサブネット情報と、ハンドオーバ前のサブネット情報を比較し、ハンドオーバ前後でサブネット40が異なるか否か判断する(S10)。
このときハンドオーバ前後でサブネット40が異なる場合、制御部18が、DHCPサーバ60から新たなIPアドレスを取得し、当該新たなIPアドレスでインターネット70に接続し、データ通信を再開するようにインターネット通信部14を制御する。(S11、S12)。例えば、ESS31A(BSS20C)からESS31B(BSS30D)への変更だった場合は、サブネット40Bからサブネット40Cへ変更となるので、上記処理がなされる。
S10にてハンドオーバ前後でサブネット40が同じ場合、制御部18が、ハンドオーバ前のIPアドレスでインターネット70に接続し、データ通信を再開するようにインターネット通信部14を制御する(S13)。
これにより、本実施形態における移動端末10は、ハンドオーバによりBSS30が変更となる場合、サブネット40が同一の場合は従来通りデータの送受信を中断することなくインターネット70への接続を継続でき、また、サブネット40が異なるものになった場合でも、データの送受信を中断することなく、ハンドオーバ時の一連の処理時間を短縮することができ、自動的に新たなIPアドレスを取得しインターネット70への接続を行うことができる。
また、本実施形態における移動端末10は、ハンドオーバによりESS31が変更となる場合でも、ハンドオーバ時の一連の処理時間をより短縮することができ、自動的に新たなIPアドレスを取得しインターネット70への接続を行うことができる。
本発明の実施形態における無線LANシステム及びIPv4に準拠した無線通信システムの全体構成図である。 移動端末の構成図である。 本発明の実施形態における処理を表す流れ図である。
符号の説明
10…移動端末、12…無線通信部、14…インターネット通信部、16…検出部、18…制御部、20…アクセスポイント、30,30A,30B,30C,30D…BSS、31,31A,31B…ESS、40,40A,40B,40C…サブネット、50,50A,50B,50C…ルータ、60…DHCPサーバ、70…インターネット。

Claims (3)

  1. 無線LANシステムを介して、IPv4に準拠した無線通信を行う移動端末であって、
    自端末のハンドオーバによるBSSの変更があったことを検出する検出手段と、
    前記検出手段によりBSSの変更を検出したときに、データの送受信を継続しながらDHCPサーバにサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、BSSの変更前と異なるサブネットである場合に、DHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をしてデータ通信を再開する制御を行い、BBSの変更前と同じサブネットである場合にデータ通信を継続する制御を行う制御手段と
    を備えた移動端末。
  2. 前記検出手段は、自端末がハンドオーバを行ったとき、さらにESSの変更があったことも検出し、
    前記制御手段は、前記検出手段によりESSの変更を検出したときに、データ通信を切断し、DHCPサーバへサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、前記ESSの変更前と異なるサブネットである場合はDHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をする制御もさらに行う
    ことを特徴とする請求項1記載の移動端末。
  3. 無線LANシステムを介して、IPv4に準拠した無線通信を行う移動端末を制御する移動端末制御方法であって、
    自端末のハンドオーバによるBSSの変更があったことを検出する検出ステップと、
    前記検出ステップによりBSSの変更を検出したときに、データの送受信を継続しながらDHCPサーバにサブネット情報を問い合わせ、当該問い合わせにより判明したサブネットが、BSSの変更前と異なるサブネットである場合に、DHCPサーバから新たなIPアドレスを取得し、当該IPアドレスでインターネット接続をしてデータ通信を再開する制御を行い、BBSの変更前と同じサブネットである場合にデータ通信を継続する制御を行う制御ステップと
    を備えたことを特徴とする移動端末制御方法。
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