JP3792161B2 - ディジタル・ディストリビューション・フレーム装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル・ディストリビューション・フレーム装置に関し、特に光通信システムなどの通信装置間で接続される信号線を仲介するディジタル・ディストリビューション・フレーム装置に関する。
【0002】
光通信システムにおいて、アナログ交換機あるいはディジタル交換機と光通信網との間は、多重化装置を含む通信装置が接続されている。通信装置は、取り扱う周波数、すなわち予め決められた伝送速度により分けて構成されている。個々の通信装置は、一般に1つの筐体又はシェルフに搭載され、これら筐体又はシェルフは架フレーム又はラックに設置されている。
【0003】
【従来の技術】
通信装置では、多数の電子回路基板が着脱自在に搭載されている。通信装置の筐体には複数段の棚部が設けられ、各棚部の上下壁には電子回路基板の抜き差し方向に沿って案内部材が設置されている。電子回路基板はこれを案内部材に沿って挿入することにより筐体の棚部内に搭載される。このとき、棚部の背後に設けられたバックワイヤリングボードとの間で電気的な接続が行われる。すなわち、電子回路基板側とバックワイヤリングボード側とにはそれぞれ互いに嵌合するコネクタが設けられ、そのコネクタ同士の機械的接続により、各電子回路基板はバックワイヤリングボードを介して電気的な相互接続を得ている。
【0004】
一方、電子回路基板は電子機器内のその他の電子回路基板との間で、あるいは外部電子機器などとの間で信号などの入出力を行う必要がある。その接続については、局内ケーブルが接続されたコネクタを架フレームに固定しておき、その位置にブロックと呼ばれる小型のバックワイヤリングボード付き筐体を固定し、電子回路基板をそのブロックに搭載することにより、電子回路基板に設けてある外部接続用コネクタと架フレームに固定されたコネクタとの電気的な接続を得るようにしている。
【0005】
さらに、通信装置の電子回路基板、たとえば電源用パッケージには、冗長運転あるいは信頼性向上のために、二重化されているものがあり、その機能に障害が発生したときには、障害のある電源用パッケージを交換することになる。また、回線数をたとえば増やす場合には、新たに電子回路基板を増設することになる。このように、電子回路基板の交換又は増設の際には、電子回路基板をコネクタから外したりコネクタに嵌め合わせたりする操作が必要となる。
【0006】
このような電子回路基板の抜き差しがあると、電源の電圧が一時的に低下することがある。たとえば、電源用パッケージとして電源現用パッケージと電源予備用パッケージとを使用して並列運転をしていたとすると、電源現用パッケージ及び電源予備用パッケージはともに負荷電流を半分ずつ負担していることになり、この状態からたとえば電源現用パッケージを引き抜いたとすると、電源予備用パッケージは今までの2倍の負荷電流が必要になる。このような場合、電源予備用パッケージのDC/DCコンバータは、2倍の負荷電流を流すように制御するが、これには時間遅れを生じ、一瞬電圧が低下することがある。この一瞬の電圧低下により、負荷側のパッケージは正常に機能できなくなることがあり、この結果、回線エラーが生じ、品質の悪い回線を提供することになる。同様に、負荷側のパッケージにおいても、増設の際には、そのパッケージに、短時間のうちに非常に大きな突入電流が流れ、これによって、電源電圧が一瞬低下して、回線エラーを生じることがある。このため、従来では、電源現用パッケージ及び電源予備用パッケージ用のバックワイヤリングボード上のシートコネクタに容量の大きなバイパスコンデンサを直接半田付けにより接続して、そのような、電源電圧の急激な変動を吸収するようにしている。
【0007】
また、通信装置は、取り扱う周波数により分かれており、たとえば2Mb/s(メガビット/秒)までの一次群速度を扱う装置、たとえば8Mb/sまでの二次群速度を扱う装置、たとえば34Mb/sまでの三次群速度を扱う装置、たとえば140Mb/sまでの四次群速度を扱う装置、及び四次群速度以上を扱う装置に分けられている。これらの装置間の接続は、直接行うこともできるが、電気信号の接続の場合、ディジタル・ディストリビューション・フレーム(以下DDFと略す)装置を介して接続するのが一般的である。
【0008】
このDDF装置を用いる理由としては次のようなことが挙げられる。すなわち、装置毎にメーカーが違う場合、配線接続先のコネクタ、端子、又は線種が合わないことが多々あり、これを整合させるための仲介点が必要である。装置毎に設置される時期が異なる場合、作業性を良くするため配線を装置毎に切り分けられるような仲介点が必要である。設置後に配線替えが発生した場合、フォーミングされた配線をやり直すのは多大な工数・工費がかかるため、ジャンパ線などで簡単に配線替えが可能な仲介点が必要である。装置の信号線接続は裏面で行うものが多いので、現場調整・保守時に信号をモニタするとき、装置裏面でなく前面側から作業することが必要である。したがって、DDF装置は、ジャンパ線を使用して配線替えをする機能と、信号モニタ機能とを有しており、通信装置では必需品となっている。
【0009】
DDF装置には、大きく分けて、低周波75Ω用DDF装置と、低周波120Ω用DDF装置と、高周波用DDF装置との3種類がある。このように、同じ低周波でも、顧客のインタフェースはインピーダンスが75Ω系と120Ω系との2種類がある。
【0010】
低周波75Ω用DDF装置は、入出力信号用線及びジャンパ線とも同軸線であるため、同軸コネクタの占める面積が大きく、コンパクトにすることができない。また、低周波の入出力信号を扱う装置は、ペア線接続用の平コネクタなどと、同軸線接続用の同軸コネクタとの2種類が必要になるが、2種類のコネクタを装置へ実装すると、コネクタ収容面積が広くなり、装置自体が大きくなる。このため、従来のDDF装置では、装置接続部のコネクタは、ラッピングタイプの平コネクタ1種類にしたり、低周波120Ω用DDF装置からの配線はペア線であるから、そのまま装置のコネクタへラッピング接続したり、低周波75Ω用DDF装置からの配線は同軸であるから、同軸線を装置のコネクタの近傍まで配線し、同軸/単線変換用部品で端末処理して単線2本に変換し、その単線2本を装置のコネクタへラッピング接続したり、あるいは装置内に75Ω/120Ωのインピーダンス変換機能を有し、配線のインピーダンスに合わせて切替え設定するようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、装置間を接続する特に75Ω系のDDF装置では、装置近傍まで同軸線による配線をするため、広いケーブルスペースが必要になり、同軸線の本数が多く、しかも、装置コネクタへの接続前に、同軸/単線変換処理が必要となるため、配線時の作業性が悪く、現地の不慣れな作業員が変換処理をした場合には、ルーズコンタクト障害の原因ともなっている。また、低周波の入出力信号を取り扱う装置は、インタフェースが75Ω及び120Ωの2種あるため、装置内でインピーダンス変換機能が必要になる。さらに、低周波75Ω用DDF装置への接続線材はすべて同軸線のため、同軸線の占める面積が大きく、そのため、実装スペース上の制約から収容回線が少なくなる。
【0012】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、低周波の入出力信号を取り扱う装置に対して、装置への入出力信号線の種類を1つに統一して装置近傍での配線の作業性を改善したDDF装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
図2は上記目的を達成する本発明の原理構成図であり、通信装置間で接続される信号線を仲介するディジタル・ディストリビューション・フレーム装置を正面から見た図である。
【0014】
ラックに固定されたプリント配線板11には、その上方の位置に同軸線12を接続することができる同軸端子13が配設され、中央には配線替えあるいは信号をモニタするときの測定点となるコネクタ14、15が2列に配列されていて、その間はジャンパ線16によって配線されている。その下には、低周波側装置から同軸線12で受けたアンバランス信号をバランス信号に変換する変換手段17が配設されている。そして、この変換手段17の下にはバランス信号を送り出す端子が設けられ、高周波側装置へのペア線18が接続されている。
【0015】
上述の手段によれば、ディジタル・ディストリビューション・フレーム装置にアンバランス信号をバランス信号に変換する変換手段17を有することにより、高周波側装置への入出力信号線の種類がペア線に統一され、高周波側装置への信号線の接続が容易になり、実装スペースが少なくて済むようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は通信装置を背面から見た図であって、この通信装置は、オープンラックに搭載されるシェルフ1と、外線接続用コネクタ2及び電源用コネクタ3を有しシェルフ1に搭載される電子回路基板4と、電子回路基板4の電源用コネクタ3に接続されるシートコネクタ5を有しシェルフ1の背面に設けられるバックワイヤリングボード6とによって構成される。シェルフ1の背面には、各電子回路基板4間での電気的な接続を行うバックワイヤリングボード6が配設され、さらに、電子回路基板4をシェルフ1の前面から挿入したときに、その後端部にある外線接続用コネクタ2を保持するシュラウド41、42、43が固定されている。
【0017】
また、通信装置は、バックワイヤリングボード6の電源ラインに電気的に接続されるバックワイヤリングボード搭載コネクタ7を備え、このバックワイヤリングボード搭載コネクタ7と嵌合するコネクタとバイパスコンデンサとを有するバイパスコンデンサモジュール8をさらに備えて、バイパスコンデンサをプラグイン式に交換自在な構成にしている。
【0018】
図2は通信装置間で接続される信号線を仲介するディジタル・ディストリビューション・フレーム装置を正面から見た図であって、ラックに固定されたプリント配線板11には、その上方の位置に同軸線12を接続することができる同軸端子13が配設され、中央には配線替えあるいは信号をモニタするときの測定点となるコネクタ14、15が2列に配列されていて、その間はジャンパ線16によって配線されている。その下には、低周波側装置から同軸線12で受けたアンバランス信号をバランス信号に変換する変換手段17が配設されている。そして、この変換手段17の下にはバランス信号を送り出す端子が設けられ、高周波側装置へのペア線18が接続されている。
【0019】
ディジタル・ディストリビューション・フレーム装置にアンバランス信号をバランス信号に変換する変換手段17を有することにより、高周波側装置への入出力信号線の種類がペア線に統一され、高周波側装置への信号線の接続が容易になり、実装スペースが少なくて済むようになる。
【0020】
図3は本発明を適用した伝送システムの一例を示す図である。この図において、20は電話回線が接続されるアナログ交換機であり、21はデータ通信用のディジタル交換機、22は伝送速度2Mb/sまで多重化する多重化装置であり、この多重化装置22及びディジタル交換機21はディジタル・ディストリビューション・フレーム(DDF)装置23に接続されている。このDDF装置23と次のDDF装置24との間には、伝送速度8Mb/sまで多重化する多重化装置25、26が接続されている。DDF装置24には、光端局装置27が接続され、8Mb/sの光通信回線に接続されている。DDF装置24と次のDDF装置28との間には、伝送速度34Mb/sまで多重化する多重化装置29が接続され、また、DDF装置23とDDF装置28との間には2Mb/sから34Mb/sに多重化する多重化装置30が接続されている。DDF装置28には、34Mb/sの光通信回線に接続される光端局装置31が接続されている。さらに、DDF装置28と次のDDF装置32との間には、140Mb/sの速度まで多重化する3台の多重化装置33、34、35が接続されている。DDF装置32にはさらに、140Mb/sの光端局装置36、無線装置37、及びさらに高速の、たとえば565Mb/sの速度まで多重化し光信号に変換する多重化・光端局装置38が接続されている。
【0021】
この通信装置では、多重化装置25、26、29、30、33、34、及び35と、光端局装置31、及び36とが、それぞれ1枚の電子回路基板にて完結されており、入出力信号ケーブルの端子を各電子回路基板に直接導入できることが前提になっている。
【0022】
図4は通信装置の一実施の形態を示す図である。この図は通信装置を背面から見たものであり、電子回路基板搭載用シェルフ1は、シェルフ搭載用ラック40に固定されている。シェルフ1の背面には、各電子回路基板4間での電気的な接続を行うバックワイヤリングボード6が配設され、さらに、電子回路基板4をシェルフ1の前面から挿入したときに、その後端部にある外線接続用コネクタ2を保持するシュラウド41、42、43が固定されている。
【0023】
バックワイヤリングボード6は、その背面側に、外部より電源供給を受ける受電端子44及びバイパスコンデンサモジュール搭載のコネクタが嵌合されるバックワイヤリングボード搭載コネクタ7が設置され、正面側には電子回路基板4の後端部に実装された電源用コネクタ3と嵌合するシートコネクタ5が搭載されている。受電端子44を介して供給される電源は、バックワイヤリングボード6のシートコネクタ5を通じて電子回路基板4に給電される。このバックワイヤリングボード6にはまた、電源ラインの他に、警報信号用のライン及びマイクロコンピュータバスが配線されている。バックワイヤリングボード6の正面側には、警報信号を外部に取り出すために、警報信号出力用コネクタ45が配設されており、ある電子回路基板4にて故障が発生した場合には、その警報信号出力用コネクタ45を介して、たとえば、同じラック40に搭載の別のシェルフに設けられた架上ランプを点灯するようにしている。
【0024】
外部電子装置間接続用の局内ケーブル46は、オープンラック40の側面の溝を使用し、オープンラック40に搭載されているシェルフ1の近傍まで導入される。局内ケーブル46の先端は、オープンラック40の背面側の側板を跨ぎ、シェルフ1の背面を通過してシェルフ1に搭載されているシュラウド41、42、43に導かれる。
【0025】
図5は電子回路基板と外線との接続関係を示す図である。この図によれば、シェルフ1の背面に搭載されるシュラウド41、42、43は、シェルフ1に搭載される電子回路基板4の外線接続用コネクタ2の種類に合わせて変えられている。この実施の形態では、シュラウド41、42、43は外線接続用コネクタ2を単に機械的に保持するだけで、電気的な中継を行っていないが、中継する形式を採ってもよい。したがって、このシュラウド41、42、43は、電子回路基板4搭載時の基板の固定機能と局内ケーブル46の同軸コネクタ47及び平コネクタ48のガイド機能とを有していることになる。
【0026】
シュラウド41、42、43のシェルフ1への着脱作業は、シェルフ1の背面から可能であり、また、局内ケーブル46に接続された同軸コネクタ47及び平コネクタ48のシュラウド41、42、43への着脱作業もシェルフ1の背面から可能になっている。
【0027】
好ましい実施の形態では、3種のシュラウド41、42、43が用意される。すなわち、図3の伝送システムにおいて、伝送速度を2Mb/sから16倍の34Mb/sにする多重化装置30を例に挙げると、この多重化装置30は、低速装置側の入出力はすべてペア線、高速装置側の入出力は同軸線であり、16チャネルのシステムを1つ収容している。まず低速装置側では、信号線は1チャネル当たり送りと受けとでそれぞれ2本ずつ必要なので合計4本、これが16チャネルあるので総計64本になる。電子回路基板4の外線接続用コネクタ2として、36ピンコネクタを使用すれば、コネクタは2つ必要になり、ケーブルは16ペアケーブルが2本となる。一方、高速装置側は、送りと受けとで同軸ケーブルが2本必要になる。したがって、この電子回路基板4としては、2個の平コネクタ及び2個の同軸コネクタとをガイドする開口部が形成されているシュラウド41が使用される。
【0028】
伝送速度を2Mb/sから4倍の8Mb/sにする多重化装置25、26では、4チャネルのシステムを2つ収容している。信号線は、低速装置側では、4(チャネル)×4(本)×2(システム)=32本必要であり、これは16ペアのケーブルが1本で済む。高速装置側では、送りと受けとを2システム分必要なので、同軸ケーブル4本となる。したがって、これには1個の平コネクタと4個の同軸コネクタとをガイドする開口部が形成されているシュラウド42が使用される。
【0029】
伝送速度を4倍に多重化する多重化装置29、33、34、35では、低速装置側に4本、高速装置側に1本必要であり、送りと受けとで合計10個の同軸コネクタが必要になる。光端局装置26、30、35では送りと受けとで2本必要になる。さらに、多重化装置を切り替えるスイッチ装置及びそのスイッチ装置を制御する自動保護切替制御装置では、6本及び12本の同軸ケーブルが必要である。したがって、これらの機能を搭載した電子回路基板では、最大12本の同軸ケーブルがあればよいので、12個の同軸コネクタをガイドする開口部が形成されているシュラウド43が共通に使用される。
【0030】
図6はシュラウドの別の実施の形態を示す図である。この例のシュラウド49は、ペア線用の平コネクタをガイドする開口部50が2個あり、同軸コネクタ用の開口部51が12個穿設されていて、これら開口部50、51は一列に配置されている。このシュラウド49を採用することにより、シュラウドの形状を1種類に統一することが可能になる。この場合、電子回路基板の外線接続用コネクタ2を収容しているコネクタハウジングも1種類でよいことになる。
【0031】
図7はシュラウドのさらに別の実施の形態を示す図である。図示のシュラウド52は、ペア線の平コネクタ用の開口部50が2個、同軸コネクタ用の開口部51が12個穿設されている。ここで、2個の開口部50及び2個の開口部51と、残りの10個の開口部51とが2列に配置されている。このシュラウド52を採用することにより、シュラウドの形状を1種類に統一することが可能になる。
【0032】
図8は通信装置の電源回路を示す図である。この図において、シェルフ1に搭載される電子回路基板として、2つの電源パッケージ4a,4bと、多重化装置などの複数の負荷側パッケージ4c,4d,・・・,4nとが示されている。1つのシェルフ1には、局舎電源の冗長運転を考慮して、同一構成の2枚の電源パッケージ4a,4bが電源現用及び電源予備用パッケージとして搭載され、並列運転されている。これらの電源パッケージ4a,4bは、正常時は双方が半分ずつの負荷の電力を負担し、いずれか一方が故障した場合に残りの電源パッケージが全負荷の電力を賄うことになる。したがって、同一構成のこれら電源パッケージ4a,4bは、1枚でもすべての負荷側パッケージ4c〜4nを駆動することができるだけの電力容量を有している。
【0033】
受電端子44は、バックワイヤリングボード6のシートコネクタ5を介して電源パッケージ4a,4bに接続される。電源パッケージ4a,4bは、受電端子から受けた、たとえば−48ボルトの電圧を±5ボルトの電圧に変換するDC/DCコンバータ4aa,4baを有している。各電源パッケージ4a,4bの電圧出力端子は、バックワイヤリングボード6の±5ボルトの電源ラインに接続されており、さらに負荷側パッケージ4c〜4n用のシートコネクタ5に接続されている。電源パッケージ4a,4bの負荷側の電源ラインにはまた、バイパスコンデンサモジュール8が並列に接続されている。このバイパスコンデンサモジュール8はバックワイヤリングボード搭載コネクタ7を介して電源パッケージ4a,4bの負荷側電源ラインに着脱自在に接続されている。
【0034】
図9は電源パッケージ搭載位置付近の詳細を示す図である。負荷側パッケージについてはその搭載位置に限定はないが、この図によれば、電源パッケージ4a,4b用のシートコネクタ5a,5bだけは位置が決められており、この近辺のバックワイヤリングボード6上に、バックワイヤリングボード搭載コネクタ7と受電端子44とが集中配置されている。特に、バックワイヤリングボード搭載コネクタ7については、電源パッケージ4a,4b用のシートコネクタ5a,5bにできるだけ近い位置に、すなわち電源パッケージ4a,4b用の負荷側出力に最短距離で配置されている。
【0035】
図10はバイパスコンデンサモジュールの詳細を示す図である。バイパスコンデンサモジュール8は、バックワイヤリングボード搭載コネクタ7と嵌合するコネクタ8aと、正負電源用の2つの有極性電解コンデンサ8b,8cと、これらを搭載するプリント基板8dと、これらを収容するケース8eとから構成されている。コネクタ8a及びコンデンサ8b,8cはプリント基板8dの同一面上に実装されており、2つのコンデンサ8b,8cはコネクタ8aを挟んで配置されている。
【0036】
図11はバイパスコンデンサモジュール搭載時の断面を示す図である。この図によれば、このバイパスコンデンサモジュール8は、バックワイヤリングボード裏カバー50をバックワイヤリングボード6の背面からシェルフ1に装着した後で、そのバックワイヤリングボード裏カバー50に設けられた開口部を通して、バックワイヤリングボード搭載コネクタ7に装着されている。バイパスコンデンサモジュール8のコネクタ8aとバックワイヤリングボード搭載コネクタ7との嵌合による結合に加えて、バイパスコンデンサモジュール8のケース8eに首付きねじ8f及び抜け止めワッシャ8gが設けられており、その首付きねじ8fをバックワイヤリングボード裏カバー50に設けられたタップ穴にねじ止めすることによって、ケース8eをバックワイヤリングボード裏カバー50に固定するようにしている。
【0037】
バイパスコンデンサモジュール8をプラグイン式構造にしたことにより、コンデンサ寿命時のコンデンサの交換が容易になり、しかも正電源用及び負電源用の2つのコンデンサ8b,8cを同時に交換することが可能になる。また、コンデンサ8b,8cをプリント基板8dに実装するとき、コネクタ8eと同じ面上にして、コンデンサ8b,8cをバックワイヤリングボード裏カバー50とバックワイヤリングボード6との間の空間に収容することにしたので、このバイパスコンデンサモジュール8は、そのケース8eの高さ、すなわちバックワイヤリングボード裏カバー50から後方へのはみだし量が小さい低背構造となる。
【0038】
コンデンサ8b,8cは、電源パッケージ4a,4bの負荷側の電源ラインに装着されるので、電源ラインに発生する電圧変動を緩和することができる。すなわち、障害発生による交換時に、電源パッケージ4a又は4bを引き抜く必要があるが、このとき、残りの電源パッケージ4b又は4aは今までの2倍の出力電流に制御されなければならない。しかし、DC/DCコンバータは瞬時に応答することができないので、出力電圧が整定するまでの間は、コンデンサ8b,8cから不足分の電流が供給されることになり、これにより電源ラインの急激な電圧変動の大きさが最小にされる。逆に、電源パッケージを追加して並列運転をする場合にも、DC/DCコンバータは供給電流を半分にするよう制御するまでの間の電圧変動を抑制することができる。
【0039】
また、負荷側パッケージ4c〜4nにおいても同様に、障害発生によるパッケージの交換あるいは回線インタフェースの変更又は増設作業に伴う負荷側パッケージの挿抜の必要性がある。このときにも、負荷電流が急変することによる瞬間的な電圧低下を発生するが、コンデンサ8b,8cの存在により、瞬間的な電圧低下はなくなり、これにより負荷側パッケージの誤動作による回線エラーが防止されることになる。
【0040】
図12はDDF装置の一例を示す回路図である。このDDF装置は、実装スペースを多く取る75Ω系の同軸線を多数収容して実装スペースのない高周波側装置へペア線で渡すような装置間接続に適用される。たとえば、図3の伝送システムの例におけるDDF装置23とすることができ、低周波側装置とのインタフェースが75Ω系の同軸線である場合である。
【0041】
この図12において、符号60は低周波側装置、70は低周波75Ω用DDF装置、80は高周波側装置である。低周波75Ω用DDF装置70は、低周波側装置60からの同軸線12を収容する同軸端子13を有している。この同軸端子13は収容回線数に合せて設けられ、たとえば8回線であれば、入力線i1〜i8及び出力線o1〜o8用に入出力で16個設けられている。なお、図示の例では、8回線分を1システムとし、これを4システムSYS1,SYS2,SYS3,SYS4備えている。各同軸端子13は32ピンの平コネクタ14aに接続されている。この平コネクタ14aはジャンパ線16のコネクタが接続される部分であるとともに、保守時などに使用される測定用ケーブルのコネクタが接続される低周波装置側信号の測定点でもある。ジャンパ線16の他端のコネクタと接続される部分が32ピンの平コネクタ15aであり、この平コネクタ15aは高周波装置側信号の測定点でもある。これら平コネクタ14a、15aとジャンパ線16のコネクタとの接続位置は自由に替えられるので、低周波75Ω用DDF装置70は配線替えの機能もある。
【0042】
平コネクタ15aは、バランス信号/アンバランス信号の変換を行うトランス17aを介して32ピンの平コネクタ71が接続されている。なお、低周波側装置60から受ける側のチャネルについては、トランス17aの平コネクタ15a側に顧客仕様に合せて設定されるアース設定端子72が設けられ、低周波側装置60へ送る側のチャネルについては、トランス17aの信号入出力端子に波形劣化補正用のコンデンサ73、74がそれぞれ並列に接続されている。低周波75Ω用DDF装置70の高周波側装置80との接続は、低周波75Ω用DDF装置70の平コネクタ71と高周波側装置80の平コネクタ81とを接続するペア線18によって行われる。この例では、ペア線18は8回線分の16ペアで1本のケーブルにしてあり、両端に設けられる平コネクタは32ピンである。
【0043】
図13はDDF装置のラックへの取り付け例を示す図である。この図は、低周波75Ω用DDF装置70をシェルフ搭載ラック40に正面から取り付けた状態を示しており、8回線のシステムが4つ実装されている。同軸端子13はプリント配線板11の正面側の上方に32個ずつ2列に配置されている。ジャンパ線16のコネクタが接続される平コネクタ14a、15aもプリント配線板11の正面側に4個ずつ実装されている。平コネクタ14a、15aの実装位置の間には、64個のトランス17a、32個のアース設定端子72及び64個のコンデンサ73、74がプリント配線板11の正面側に実装され、高周波側装置との接続用の平コネクタ71については、プリント配線板11の裏面側に4個実装されている。したがって、同軸線12の同軸端子13への取り付け、ジャンパ線16による配線又は配線替え、平コネクタ14a、15aへの測定用ケーブルの接続を、正面側から行うことができる。
【0044】
上記の例のように、低周波側装置60の回線を8回線分×4システム搭載していると、低周波側装置60からの同軸線12の本数及びジャンパ線16の本数はそれぞれ64本になる。このため、高周波装置側のケーブル接続のみを平コネクタにしただけでは、同軸線12を接続する同軸端子13とジャンパ線16を接続するコネクタとを合せて、192個にもなり、膨大な実装スペースを必要とする。このため、ジャンパ線16は同軸ではなく、シールド線にして両端を平コネクタにすることで、同軸線を接続する部分を64個の同軸端子13だけで済み、少スペースへのジャンパ線接続用コネクタの実装が可能になる。
【0045】
ジャンパ線16は、通常のシールド線では信号の劣化があるため、インピーダンスが75Ωで、芯線とドレイン線とがペア線のごとく撚ってあるシールド線を使用しており、両端には2ピンの平コネクタが設けられている。もちろん、このシールド線は、測定時に平コネクタ14a又は15aに接続される測定用ケーブルにも採用されている。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のDDF装置によれば、本来、高周波装置側にあったインピーダンス変換機能をDDF装置に移し、ジャンパ線として75Ωシールド線を使用するようにしたことにより、トータルコストを下げることができ、伝送システムのフロアスペースの省スペース化と建設工事の作業性が向上する。すなわち、高周波側装置のインピーダンスは120Ωの1種類になるため、装置内のインピーダンス切換え機能が不要となって装置コストを下げることができ、高周波側装置への配線がコネクタ接続になり、しかも、高周波が装置との接続に多芯ペアケーブルが使用できるため、ケーブル本数が減って配線スペースが節約されて、建設工事の作業性がよくなり、さらに、シールド線のジャンパ線の採用で同軸線が減って実装スペースが少なくて済み、収容回線数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信装置の構成図である。
【図2】本発明のDDF装置の原理構成図である。
【図3】本発明を適用した伝送システムの一例を示す図である。
【図4】通信装置の一実施の形態を示す図である。
【図5】電子回路基板と外線との接続関係を示す図である。
【図6】シュラウドの別の実施の形態を示す図である。
【図7】シュラウドのさらに別の実施の形態を示す図である。
【図8】通信装置の電源回路を示す図である。
【図9】電源パッケージ搭載位置付近の詳細を示す図である。
【図10】バイパスコンデンサモジュールの詳細を示す図である。
【図11】バイパスコンデンサモジュール搭載時の断面を示す図である。
【図12】DDF装置の一例を示す回路図である。
【図13】DDF装置のラックへの取り付け例を示す図である。
【符号の説明】
1 シェルフ
2 外線接続用コネクタ
3 電源用コネクタ
4 電子回路基板
5 シートコネクタ
6 バックワイヤリングボード
7 バックワイヤリングボード搭載コネクタ
8 バイパスコンデンサモジュール
11 プリント配線板
12 同軸線
13 同軸端子
14、15 コネクタ
14a、15a 平コネクタ
16 ジャンパ線
17 変換手段
17a トランス
18 ペア線
Claims (3)
- 低周波側装置からの信号線を仲介するディジタル・ディストリビューション・フレーム装置において、
前記低周波側装置から同軸線を介して送信されたアンバランス信号を受ける同軸端子と、
前記同軸端子と接続し、前記低周波側装置から高周波側装置への配線替えまたは信号測定が可能なコネクタ部と、
前記コネクタ部と、前記高周波側装置の信号線接続点との間に配置して、前記アンバランス信号をバランス信号に変換する変換手段と、
を有することを特徴とするディジタル・ディストリビューション・フレーム装置。 - 前記コネクタ部は、前記同軸端子側に配列した第1の平コネクタと、前記変換手段側に配列した第2の平コネクタとから構成され、前記第1、第2の平コネクタは、前記同軸線と同じインピーダンスを有し、かつ前記第1、第2の平コネクタで終端したシールド線であるジャンパ線で接続することを特徴とする請求項1記載のディジタル・ディストリビューション・フレーム装置。
- 前記低周波側装置から前記同軸線で受けた前記アンバランス信号を前記バランス信号に変換する前記変換手段を使用して前記高周波側装置から見たインピーダンスを1種類に統一したことを特徴とする請求項1記載のディジタル・ディストリビューション・フレーム装置。
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