JP3790108B2 - 光変調器の駆動回路および光送信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の光通信システムに用いられる光変調器の駆動回路および光送信装置に関し、特に、マッハツェンダ型光変調器について発生するチャーピングを可変制御する駆動回路および該駆動回路を用いた光送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の光通信システムにおいては、光送信装置で発生するチャーピングを可変に制御する機能が望まれている。例えば、長距離光伝送を行う場合には、光信号が伝送路の波長分散の影響を受けて波形劣化が生じてしまうため、その伝送距離に応じて波長分散を補償するための分散補償ファイバを挿入し、分散値の最適化を行っている。しかし、このような光通信システムは、伝送距離の異なるシステムに適用するたびに、波長分散値が変化するため分散補償ファイバを交換する必要がある。そこで、上記のような分散補償ファイバに代わる技術として、送信光信号の1パルス内に光波長(周波数)変動を予め与えることにより伝送路の波長分散による伝送光波形劣化を防ぐプリチャーピング法が知られている。このプリチャーピング法については、送信光信号に与えるチャーピングを可変に制御する機能を備えた簡易な構成の光送信装置の要求がある。
【0003】
光送信装置で光信号に付与されるチャーピングは、例えば光変調器等において本質的に生じる波長変動が利用される。この光変調器としては、例えば図9に示すような構成のマッハツェンダ型光変調器等が知られている。図9のマッハツェンダ型光変調器では、光送信装置内の光源から出射される直流光が入力されると、その入力光が2つの光導波路に分岐され、一方の光導波路上に設けられた電極に駆動回路からの駆動信号を印加することで、光導波路の屈折率が変化して、各光導波路の伝搬光を合波した光出力が駆動信号に従って強度変調される。
【0004】
図10は、上記のようなマッハツェンダ型光変調器の電極への印加電圧に対する光出力特性を示したものである。図10に示すように、マッハツェンダ型光変調器の光出力特性は、電極への印加電圧に対して正弦曲線に従い変化し、光出力曲線の山から谷に対応した電圧振幅(以下、この電圧値をVπとする)で高速変化する駆動信号を電極に印加することで、その駆動信号に従ってオン・オフする光信号が出力される。
【0005】
上記のようなマッハツェンダ型光変調器を用いた変調方式で生じるチャーピングについては、図10の光出力特性の左肩に対応する範囲(印加電圧の増加に伴って光出力パワーが単調増加する範囲)に動作点を設定した場合、発生するチャーピング量を表すαパラメータが+kで固定となり、右肩に対応する範囲(印加電圧の増加に伴って光出力パワーが単調減少する範囲)に動作点を設定した場合には、αパラメータが−kで固定となる。このαパラメータを示すkの値はマッハツェンダ型光変調器で決まる定数であるため、上記のような外部光変調方式では、αパラメータとして+kまたは−kのいずれかの値しか選択できなかった。なお、マッハツェンダ型光変調器の動作点は、電極に供給するバイアス電圧VB(図9参照)をシフトさせることで調整される。
【0006】
そこで、αパラメータを可変に設定できるようにした外部光変調方式として、例えば特開平5−224163号公報に記載された技術が公知である。この公知技術は、マッハツェンダ型光変調器の2本の光導波路の双方に設けた各電極に駆動信号をそれぞれ印加して光変調を行うようにしたものであって、駆動回路内の差動増幅器の正転側出力および反転側出力をマッハツェンダ型光変調器の各々の電極に導き、正転側出力または反転側出力のいずれかに減衰器を設けて駆動信号の電圧振幅を可変にすることでαパラメータの値を調整可能にしたものである。なお、このような光変調方式を採用したマッハツェンダ型光変調器を、以下では、デュアル駆動マッハツェンダ型光変調器と呼ぶことにする。
【0007】
また、例えば特開平4−14010号公報に記載された光変調器では、マッハツェンダ型光変調器の外部に位相変調器を追加して、マッハツェンダ型光変調器の駆動信号と同じ信号を位相変調器に入力し、その位相変調器の駆動振幅を振幅可変回路を用いて変化させることでαパラメータの値を調整可能にした技術が開示されている。
【0008】
さらに、例えば特開平9−80363号公報に記載された光変調器の制御装置では、マッハツェンダ型光変調器の動作点を安定させるためのバイアス補償回路について極性を切り替える機能を設けることで、光信号に付与されるチャーピング量の正負の切り替えを可能にした技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなデュアル駆動マッハツェンダ型光変調器は、αパラメータの値を変更する際の駆動回路の制御が複雑であるという欠点がある。すなわち、デュアル駆動マッハツェンダ型光変調器では、駆動回路の差動増幅器の出力振幅と減衰器の減衰量とを調整することによって、αパラメータを所要の値に設定することが可能である。しかし、前述の図10に示したように、マッハツェンダ型光変調器に印加する駆動信号の電圧振幅は、マッハツェンダ型光変調器の光出力特性に応じた電圧値Vπに合わせる必要があるので、デュアル駆動マッハツェンダ型光変調器の場合には、差動増幅器の正転側出力および反転側出力の各電圧振幅の和の値がVπとなるように制御しなければならない。具体的には、差動増幅器の出力振幅を調整すると同時に減衰器の減衰量を調整して、上記各電圧振幅の和の値をVπに合わせるという複雑な制御が必要になってしまう。
【0010】
加えて、デュアル駆動マッハツェンダ型光変調器の場合、各電極に印加される駆動信号の各々の位相が一致していないと波形劣化が生じることになるが、差動増幅器の一方の出力側に減衰器を入れることになるため、この減衰器で信号遅延が発生して、各駆動信号の位相差が一致しなくなってしまうという問題もある。これを解決するために、減衰器を入れない側に遅延回路を追加して各駆動信号の位相を合わせることも可能ではあるが、部品点数の増加や外乱による振幅や遅延の変動等を考えると現実的な解決方法では無い。
【0011】
また、マッハツェンダ型光変調器の外部に位相変調器を追加してαパラメータを可変にする場合にも、駆動回路の構成が複雑になってしまうという欠点がある。すなわち、位相変調器の駆動信号について、その電圧振幅を調整する振幅可変回路の出力振幅には限度があるため、αパラメータを正負両側に設定して使用する場合には、駆動信号の極性を反転させるような機能が必要となる。加えて、マッハツェンダ型光変調器の光出力波形の立ち上がりと位相変調器の駆動信号波形の立ち上がりとの位相を合わせる必要があるため、マッハツェンダ型光変調器の駆動信号を所要の時間遅延させる遅延回路を設ける必要があるが、この遅延回路については、温度変化や電源変動などに対して位相差が変化しないような特性が必要となる。
【0012】
さらに、バイアス補償回路に極性切り替え機能を設けてチャーピングの正負を切り替える場合についても、バイアス補償回路について符号反転回路を別途追加する必要があるため、駆動回路の構成が複雑になってしまうという欠点がある。本発明は上記の点に着目してなされたもので、光変調器のαパラメータを容易に可変制御できると共に、光変調を安定して行うことが可能な簡略な構成の駆動回路および光送信装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明による光変調器の駆動回路は、入力光を分岐して第1光導波路および第2光導波路に送り、該第1、第2光導波路をそれぞれ伝搬した光を合波して出力する光路と、前記第1、第2光導波路に対してそれぞれ独立に電圧を印加する第1電極および第2電極と、を有するマッハツェンダ型光変調器について、前記第1、第2電極にそれぞれ印加する第1駆動信号および第2駆動信号を生成する光変調器の駆動回路であって、正転側出力および反転側出力の各電圧振幅の和を前記マッハツェンダ型光変調器の光出力特性に応じた所定の電圧振幅に保持して差動動作する第1差動回路と、前記第1差動回路の正転側出力端子に接続して差動動作し、前記第1駆動信号を生成する第2差動回路と、前記第1差動回路の反転側出力端子に接続し、前記第2差動回路に対して排他的に差動動作し、前記第2駆動信号を生成する第3差動回路と、を備え、前記第1差動回路の制御端子電圧と、前記第2、第3差動回路の双方の制御端子電圧とのいずれか一方が、前記マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを可変に制御するためのαパラメータ制御信号に応じて制御されるものである。
【0014】
かかる構成では、第1差動回路の正転側出力および反転側出力をさらに第2差動回路および第3差動回路に導いて第1、第2駆動信号を生成することで、各々の電圧振幅の比率がαパラメータ制御信号に応じて制御されるようになり、それら第1、第2駆動信号がマッハツェンダ型光変調器の第1、第2電極にそれぞれ印加されることで、マッハツェンダ型光変調器で発生するチャーピング量を表すαパラメータが可変に制御されるようになる。これにより、αパラメータ制御信号による駆動回路の簡略な制御によって、マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを所要の値に設定することが可能になる。
【0015】
また、上記光変調器の駆動回路については、前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号の電圧振幅の比率が一定となるように、前記αパラメータ制御信号に応じて制御される制御端子電圧をフィードバック制御するαパラメータ安定化回路と、を備えるようにしてもよい。
【0016】
かかる構成では、αパラメータ安定化回路によって、出力モニタ回路のモニタ結果を基に第1、第2駆動信号の電圧振幅の比率を一定にするフィードバック制御が行われるようになるため、温度変化や電源変動等の外乱に対しても、マッハツェンダ型光変調器のαパラメータが安定したものになる。
また、上記光変調器の駆動回路については、前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号のデューティ比が一定となるように、前記αパラメータ制御信号に応じて制御される制御端子電圧とは異なる他方の制御端子電圧をフィードバック制御するデューティ安定化回路とを備えるようにしてもよい。
【0017】
かかる構成では、デューティ安定化回路によって、出力モニタ回路のモニタ結果を基に第1、第2駆動信号のデューティ比を一定にするフィードバック制御が行われるようになるため、温度変化や電源変動等の外乱に対しても、マッハツェンダ型光変調器が安定したデューティ比で駆動されるようになる。
また、上記光変調器の駆動回路については、前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号の電圧振幅の和が一定となるように、前記第1差動回路を流れる電流量をフィードバック制御する振幅安定化回路と、を備えるようにしてもよい。
【0018】
かかる構成では、振幅安定化回路によって、出力モニタ回路のモニタ結果を基に第1、第2駆動信号の電圧振幅の和を一定にするフィードバック制御が行われるようになるため、温度変化や電源変動等の外乱に対しても、マッハツェンダ型光変調器の光出力が安定したものになる。
本発明による光送信装置は、直流光を発生する光源と、該光源からの直流光を分岐して第1光導波路および第2光導波路に送り、該第1、第2光導波路をそれぞれ伝搬した光を合波して出力する光路、並びに、前記第1、第2光導波路に対してそれぞれ独立に電圧を印加する第1電極および第2電極を有するマッハツェンダ型光変調器と、前記第1、第2電極にそれぞれ印加する第1駆動信号および第2駆動信号を生成する駆動回路と、を備えた光送信装置であって、前記駆動回路が、正転側出力および反転側出力の各電圧振幅の和を前記マッハツェンダ型光変調器の光出力特性に応じた所定の電圧振幅に保持して差動動作する第1差動回路と、前記第1差動回路の正転側出力端子に接続して差動動作し、前記第1駆動信号を生成する第2差動回路と、前記第1差動回路の反転側出力に接続し、前記第2差動回路に対して排他的に差動動作し、前記第2駆動信号を生成する第3差動回路と、を備え、前記第1差動回路の制御端子電圧と、前記第2、第3差動回路の双方の制御端子電圧とのいずれか一方が、前記マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを可変に制御するためのαパラメータ制御信号に応じて制御されるものである。
【0019】
かかる構成の光送信装置では、光源からの直流光が、駆動回路から供給される第1、第2駆動信号によって駆動されるマッハツェンダ型光変調器により外部変調されて出力される。駆動回路では、第1差動回路の正転側出力および反転側出力をさらに第2、差動回路および第3差動回路に導いて第1、第2駆動信号を生成することで、各々の電圧振幅の比率がαパラメータ制御信号に応じて制御されるため、マッハツェンダ型光変調器で発生するチャーピング量を表すαパラメータが可変に制御されるようになる。これにより、αパラメータ制御信号による駆動回路の簡略な制御によって、マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを所要の値に設定することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる光送信装置の機能構成を示すブロック図である。
図1において、本光送信装置は、半導体レーザ等からなる光源1と、該光源1からの直流光を外部変調するマッハツェンダ型光変調器2およびそれを駆動する駆動回路3とを備えて構成される。
【0021】
マッハツェンダ型光変調器2は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)基板20にチタン(Ti)を拡散することで、分岐および結合するパターンの光路21を形成し、分岐された各光導波路21A,21Bにそれぞれ電界を印加するための電極22A,22Bを形成する。そして、駆動回路3から出力される駆動信号をコンデンサ23A,23Bを介して各電極22A,22Bの一端TA,TBにそれぞれ印加し、電極22Aの他端をバイアスティ24のコンデンサを介して例えば50Ωの終端器25Aにより終端すると共に、電極22Bの他端を例えば50Ωの終端器25Bにより終端する。これにより、光導波路に伝搬される光と同一方向に駆動信号による電界が伝搬する進行波型の構成が形成される。
【0022】
駆動回路3は、マッハツェンダ型光変調器2の各電極22A,22Bに印加する駆動信号を、3つの差動回路30,31A,31Bの組み合わせにより生成する。差動回路30(第1差動回路)は、データ入力端子、デューティ制御端子および振幅制御端子にそれぞれ入力される各信号に従って出力レベルが変化し、正転側出力端子が差動回路31A(第2差動回路)の入力端子に接続され、反転側出力端子が差動回路31B(第3差動回路)の入力端子に接続される。各差動回路31A,31Bは、αパラメータ制御回路32からの制御信号に従って排他的に動作し、差動回路31Aの出力信号がコンデンサ23Aを介してマッハツェンダ型光変調器2の電極22Aに与えられ、差動回路31Bの出力信号がコンデンサ23Bを介して電極22Bに与えられる。
【0023】
また、駆動回路3は、各差動回路31A,31Bの出力信号を出力モニタ回路33A,33Bでそれぞれモニタし、各々のモニタ結果を比較回路34に送り、その比較結果を用いてαパラメータ安定化回路35により各差動回路31A,31Bのフィードバック制御を行うことで、αパラメータの安定化を図る機能を有する。さらに、駆動回路3は、比較回路34の比較結果を基にデューティ安定化回路36により差動回路30のフィードバック制御を行うことで、駆動信号のデューティ比の安定化を図る機能を有する。加えて、駆動回路3は、各出力モニタ回路33A,33Bのモニタ結果を加算回路37で加算し、その加算結果を用いて振幅安定化回路38により差動回路30のフィードバック制御を行うことで、駆動信号の振幅の安定化を図る機能を有する。なお、各機能についての具体的な説明は後述する。
【0024】
また、駆動回路3は、低周波発振器39で発生する低周波信号を駆動信号に重畳し、マッハツェンダ型光変調器3から出力され光カプラ40で分岐された光信号に含まれる低周波信号成分を動作点制御回路41で同期検波してバイアス電圧VBを制御することにより、マッハツェンダ型光変調器3の動作点の安定化を図る機能も備えている。なお、このような動作点の安定化に関する制御技術については、例えば特許2642499号公報等に開示されているためここでの説明を省略する。
【0025】
ここで、上記のような駆動回路3の具体的な回路構成を、機能ブロックごとに一例を挙げて詳しく説明することにする。
図2は、3つの差動回路30,31A,31Bにより駆動信号を生成する基本的な機能ブロックと、αパラメータの安定化を図るためのフィードバック制御を行う機能ブロックとを組み合わせた具体的な回路構成の一例を示す図である。
【0026】
図2の一例では、差動回路30を構成する一対のトランジスTR1,TR2の各ベース端子に、アンプAMP1の正転側出力信号および反転側出力信号がそれぞれ入力される。このアンプAMP1には、データ入力端子に入力されるデータ信号が非反転入力端子に印加され、デューティ制御端子に入力されるデューティ制御信号が反転入力端子に印加されている。また、トランジスタTR1,TR2は、各エミッタ端子が互いに接続され、その共通接続点には差動回路30を流れる電流を制御するトランジスタTR7が接続されている。トランジスタTR1のコレクタ端子は、差動回路31Aを構成する一対のトランジスタTR3,TR4の各エミッタ端子に接続され、また、トランジスタTR2のコレクタ端子は、差動回路31Bを構成する一対のトランジスタTR5,TR6の各エミッタ端子に接続されている。
【0027】
差動回路31AのトランジスタTR3および差動回路31BのトランジスタTR6の各ベース端子には、αパラメータ制御回路32を構成するオペアンプOP2から出力されるαパラメータ制御信号がそれぞれ印加される。一方、差動回路31AのトランジスタTR4および差動回路31BのトランジスタTR5の各ベース端子には、電源E1で発生するリファレンス電圧ref1がそれぞれ印加される。これにより差動回路31A,31Bは、αパラメータ制御信号に従って排他的に動作する。
【0028】
各トランジスタTR3,TR5のコレクタ端子には、電源E3で発生する電源電圧VCCが抵抗R1,R2を介して印加され、各トランジスタTR4,TR6のコレクタ端子には、電源電圧VCCがインダクタンスL1,L2を介して印加されている。また、各トランジスタTR4,TR6のコレクタ端子は、コンデンサ23A,23Bを介してマッハツェンダ型光変調器2の各電極22A,22Bの一端TA,TBに接続される。さらに、ここでは、トランジスタTR3,TR5の各コレクタ端子が、平均値検出回路AD1,AD2の各入力端子に接続されている。この平均値検出回路AD1,AD2は、出力モニタ回路33A,33Bとして機能する。
【0029】
トランジスタTR7は、振幅制御端子に入力される振幅制御信号および電源E2の出力電圧がベース端子に印加され、電源電圧VEEがエミッタ端子に印加される。このトランジスタTR7は、3つの差動回路30,31A,31Bの組み合わせにより構成される回路ブロックの電流源として機能することになる。
平均値検出回路AD1は、差動回路31Aの反転側出力電圧をモニタして、その平均値をオペアンプOP3の反転入力端子に出力する。また、平均値検出回路AD2は、差動回路31Bの反転側出力電圧をモニタして、その平均値を抵抗R7を介してオペアンプOP3の非反転入力端子に出力する。オペアンプOP3は、非反転入力端子と出力端子の間が抵抗R6により接続されていて、各平均値検出回路AD1,AD2から伝えられる平均値の差を演算し、その演算結果を抵抗R5を介してオペアンプOP2の非反転入力端子に出力する。オペアンプOP2は、非反転入力端子と出力端子の間が抵抗R4により接続され、αパラメータ可変端子に入力されるαパラメータ設定信号が反転入力端子に与えられていて、各差動回路31A,31Bの排他的な動作を制御するαパラメータ制御信号を生成して出力する。
【0030】
ここで、図2の回路構成における動作について説明する。
上記のような回路構成では、所要のビットレートのデータ信号およびデューティ制御信号がアンプAMP1に入力されると、デューティ制御信号をリファレンスとしデータ信号に従ってハイレベルとローレベルに変化する出力信号がアンプAMP1で生成される。そして、アンプAMP1の正転側出力信号により差動回路30のトランジスタTR1がスイッチング動作し、反転側出力信号により差動回路30のトランジスタTR2がスイッチング動作する。例えば、アンプAMP1の正転側出力信号がハイレベルになると、差動回路30のトランジスタTR1がオン、トランジスタTR2がオフとなってトランジスタTR1側に電流が流れるようになる。この差動回路30を流れる電流は、トランジスタTR7によって制御される。ここでは、振幅制御端子に入力される振幅制御信号に応じて、駆動信号の電圧振幅がマッハツェンダ型光変調器2の光出力特性に対応した振幅値Vπとなるように、差動回路30を流れる電流量が制御されている。
【0031】
この差動回路30の正転側出力端子(トランジスタTR1のコレクタ端子)および反転側出力端子(トランジスタTR2のコレクタ端子)には、さらに、差動回路31Aおよび31Bがそれぞれ接続されていて、各差動回路31A,31BがオペアンプOP2から出力されるαパラメータ制御信号に従って排他的にスイッチ動作することで、マッハツェンダ型光変調器3のαパラメータを可変に制御することが可能な1組の駆動信号が生成される。ここでは、差動回路31Aの正転側(トランジスタTR4側)出力をa、反転側(トランジスタTR3側)出力を/aとし、差動回路31Bの正転側(トランジスタTR6側)出力をb、反転側(トランジスタTR5側)出力を/bとして、各差動回路31A,31Bの正転側出力a,bが駆動信号として各電極22A,22Bの一端TA,TBに供給されるものとする。
【0032】
ここで、各電極22A,22Bに与えられる駆動信号a,bとαパラメータの関係を具体的に説明する。
図3は、オペアンプOP2から出力されるαパラメータ制御信号の電圧レベルに対するαパラメータの関係を示す図である。また、図4は、αパラメータに対する各駆動信号a,bの電圧振幅の関係を示す図である。なお、ここでは説明を分かりやすくするために、各図の関係について具体的な数値例を挙げると共に、各々の関係(傾斜)を1次で表すようにした。実際には、回路構成等に応じて電圧値は変化し、傾斜も1次とは限らない。
【0033】
例えば、電源E1で発生するリファレンス電圧ref1が−1Vに設定されていて、オペアンプOP2から出力されるαパラメータ制御信号の電圧レベルがリファレンス電圧ref1と同一の−1Vである場合には、各駆動信号a,bの電圧振幅は同一となる。この場合、図3に示すようにαパラメータは0となり、また、図4に示すように各駆動信号a,bの電圧振幅Va,Vbは、Va+Vb=Vπ,Va=Vb=1/2Vπとなる。
【0034】
一方、αパラメータ制御信号の電圧レベルがリファレンス電圧ref1よりも高い場合には、駆動信号aの電圧振幅が増加し、駆動信号bの電圧振幅が減少する。この場合、図3に示すようにαパラメータがプラス方向に増加し、また、図4に示すように各駆動信号a,bの電圧振幅Va,Vbは、Va<Vb(ただしVa+Vb=Vπ)となる。
【0035】
逆に、αパラメータ制御信号の電圧レベルがリファレンス電圧ref1よりも低い場合には、駆動信号aの電圧振幅が減少し、駆動信号bの電圧振幅が増加する。この場合、図3に示すようにαパラメータがマイナス方向に減少し、また、図4に示すように各駆動信号a,bの電圧振幅Va,Vbは、Va>Vb(ただしVa+Vb=Vπ)となる。
【0036】
このように、リファレンス電圧ref1に対するαパラメータ制御信号の電圧レベルを調整することによって、各駆動信号a,bの電圧振幅Va,Vbが、Va+Vb=Vπの関係を保持しながら変化し、すなわち、各々の電圧振幅Va,Vbの比率が自動的に変化するようになる。従って、外部からαパラメータ可変端子に与える信号レベルを変化させてオペアンプOP2の出力電圧レベルを調整するという簡単な方法で、マッハツェンダ型光変調器2のαパラメータを所要の値に可変制御することが可能になる。
【0037】
上記のようにして所要の値に設定したαパラメータの安定化を図るためには、各差動回路31A,31Bの出力をモニタし、そのモニタ結果を用いてαパラメータ制御信号の電圧レベルをフィードバック制御することが有効である。ここでは、例えば、各差動回路31A,31Bの反転側出力/a,/bを平均値検出回路AD1,AD2でそれぞれモニタして平均値電圧を検出し、オペアンプOP3で各平均値電圧の差を求めてオペアンプOP2フィードバックして、各平均値電圧の差が一定になるようにαパラメータ制御信号の電圧レベルを制御するようにしている。
【0038】
具体的に、例えばαパラメータが0になるように設定して安定化を図る場合には、前述の図4に示したように駆動信号a,bの各電圧振幅がVa=Vb=1/2・Vπ[Vpp]となるので、各差動回路31A,31Bの反転側出力/a,/bについての平均値電圧が共にVCC−1/4・Vπ[V]で一定となるようにαパラメータ制御信号の電圧レベルをフィードバック制御すればよい。
【0039】
また、例えばαパラメータが−kになるように設定して安定化を図る場合には、前述の図4に示したように駆動信号aの電圧振幅がVa=Vπ[Vpp]で、駆動信号bの電圧振幅がVb=0[Vpp]となるので、差動回路31Aの反転側出力/aについての平均値電圧がVCC[V]、差動回路31Bの反転側出力/bについての平均値電圧がVCC−1/2・Vπ[V]で一定となるようにαパラメータ制御信号の電圧レベルをフィードバック制御すればよい。
【0040】
さらに、例えばαパラメータが+kになるように設定して安定化を図る場合には、前述の図4に示したように駆動信号aの電圧振幅がVa=0[Vpp]で、駆動信号bの電圧振幅がVb=Vπ[Vpp]となるので、差動回路31Aの反転側出力/aについての平均値電圧がVCC−1/2・Vπ[V]、差動回路31Bの反転側出力/bについての平均値電圧がVCC[V]で一定となるようにαパラメータ制御信号の電圧レベルをフィードバック制御すればよい。
【0041】
加えて、例えばαパラメータが−1/2・kになるように設定して安定化を図る場合には、前述の図4に示したように駆動信号aの電圧振幅がVa=3/4・Vπ[Vpp]で、駆動信号bの電圧振幅がVb=1/4・Vπ[Vpp]となるので、差動回路31Aの反転側出力/aについての平均値電圧がVCC−1/8・Vπ[V]、差動回路31Bの反転側出力/bについての平均値電圧がVCC−3/8・Vπ[V]で一定となるようにαパラメータ制御信号の電圧レベルをフィードバック制御すればよい。
【0042】
次に、設定したデューティ比の安定化を図るためのフィードバック制御を行う機能ブロックについて説明する。
図5は、前述した駆動信号を生成する基本的な機能ブロックと、デューティ比の安定化のための機能ブロックとを組み合わせた具体的な回路構成の一例を示す図である。なお、前述の図2に示した回路構成と同じ部分には同一の符号が付してあり、以下同様とする。
【0043】
図5の回路構成例は、前述の図2に示した回路構成について、αパラメータの安定化のための機能ブロックに代えてデューティ比の安定化のための機能ブロックを設けたものであって、具体的には、差動回路31Aの正転側出力aをモニタするための平均値検出回路AD3と、差動回路31Bの反転側出力/bをモニタするための平均値検出回路AD4と、各平均値検出回路AD3,AD4からの平均値電圧の差を求めるオペアンプOP4とを設けたものである。
【0044】
平均値検出回路AD3は、差動回路31AのトランジスタTR4側に設けた抵抗R9とインダクタンスL1の間の電圧をモニタしてその平均値を検出し、その検出結果をオペアンプOP4の反転入力端子に出力する。なお、R8は、抵抗R9に対応させてトランジスタTR3側に設けた抵抗である。また、平均値検出回路AD4は、差動回路31BのトランジスタTR5側に設けた抵抗R10と抵抗R2の間の電圧をモニタしてその平均値を検出し、その検出結果を抵抗R12を介してオペアンプOP4の非反転入力端子に出力する。なお、R11は、抵抗R10に対応させてトランジスタTR6側に設けた抵抗である。オペアンプOP4は、非反転入力端子と出力端子の間が抵抗R13により接続されていて、各平均値検出回路AD3,AD4から伝えられる平均値電圧の差を演算し、その演算結果をアンプAMP1の反転入力端子に出力する。
【0045】
デューティ制御端子に与えられる信号に応じて設定されるデューティ比を安定化させるには、基本的に、各駆動信号a,bのデューティ比をモニタし、その結果をアンプAMP1にフィードバックして差動回路30の動作を制御すればよい。差動回路31Aの正転側出力aと反転側出力/aの各デューティ比は同一であり、また、差動回路31Bの正転側出力bと反転側出力/bの各デューティ比も同一であるので、例えば、各反転側出力/a,/bのデューティ比をモニタすることで各駆動信号a,bのデューティ比を検出することが可能である。しかし、前述したようにαパラメータを可変にするために各駆動信号a,bの電圧振幅が自動的に制御されるため、デューティ比の設定が一定であっても電圧振幅の変化に伴って各駆動信号a,b(または各反転側出力/a,/b)の平均値が変化しデューティ比が変動したかの区別がつかない。そこで、ここではαパラメータの設定が変化しても電圧振幅が同じになる、差動回路31Aの正転側出力aと差動回路31Bの反転側出力/bの各デューティ比をモニタして、デューティ安定化のためのフィードバック制御を行うようにする。なお、本発明はこれに以外にも、差動回路31Aの反転側出力/aと差動回路31Bの正転側出力bの各デューティ比をモニタしてフィードバック制御を行うことも可能である。
【0046】
具体的には、例えば、正転側出力aのデューティ比が上昇すると、反転側出力/bのデューティ比は下降する。この場合、平均値検出回路AD3で検出される正転側出力aの平均値電圧はデューティ比の上昇に伴って高くなり、平均値検出回路AD4で検出される反転側出力/bの平均値電圧はデューティ比の下降に伴って低くなる。従って、各平均値検出回路AD3,AD4で検出される平均値電圧の差をオペアンプOP4で演算し、その演算結果をアンプAMP1にフィードバックして、前記平均値電圧の差が一定になるようにアンプAMP1のリファレンス電圧を制御することで、デューティ比の安定化を図ることが可能になる。なお、デューティ比の設定を変更する場合には、デューティ制御端子に与える信号のレベルを調整するか、または、抵抗R13の抵抗値を変えるようにすればよい。
【0047】
次に、設定した駆動振幅の安定化を図るためのフィードバック制御を行う機能ブロックについて説明する。
図6は、前述した駆動信号を生成する基本的な機能ブロックと、駆動振幅の安定化のための機能ブロックとを組み合わせた具体的な回路構成の一例を示す図である。
【0048】
図6の回路構成例は、前述の図2に示した回路構成について、αパラメータの安定化のための機能ブロックに代えて駆動振幅の安定化のための機能ブロックを設けたものであって、具体的には、オペアンプOP5および抵抗R14,R15を設けたものである。
オペアンプOP5は、各差動回路31A,31Bを流れる電流の合計をモニタして、その結果を電流源として機能するトランジスタTR7の制御端子にフィードバックするためのものであり、具体的には、差動回路31A,31Bの各出力端子(抵抗R1,R2およびインダクタンスL1,L2の各々の一端)をOR接続し、負荷抵抗R14に発生する電圧が一定となるようにトランジスタTR7のベース電圧をフィードバック制御する信号を生成する。ここでは、OR接続部分が図1の加算回路37に相当し、オペアンプOP5および抵抗R14,R15が振幅安定化回路38に相当することになる。
【0049】
上記のような回路構成によれば、差動回路30を流れる電流が一定に制御されるようになるため、各駆動信号a,bの電圧振幅の和が、前述の図10に示したようなマッハツェンダ型光変調器3の光出力特性に対応した振幅値Vπで常に一定になるように制御することが可能になる。
上記の説明では、駆動回路3の具体的な回路構成を機能ブロックごとに分けて説明してきたが、本実施形態の駆動回路3は各機能ブロックをすべて組み合わせて構成されるものである。図7には、すべての機能ブロックを組み合わせた場合の具体的な回路図を示しておく。なお、本発明による駆動回路は、3つの差動回路30,31A,31Bの組み合わせて構成した駆動信号を生成する基本的な機能ブロックについて、αパラメータ安定化のための機能ブロック、デューティ安定化のための機能ブロックおよび振幅安定化の機能ブロックの少なくとも1つを選択的に組み合わせて構成してもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、差動回路30の動作をデータ信号およびデューティ制御信号に従って制御し、差動回路31A,31Bの排他的な動作をαパラメータ制御信号に従って制御するようなしたが、本発明はこれに限らず、例えば図8の機能構成図に示すように、αパラメータ制御回路32から出力されるαパラメータ制御信号を差動回路30の制御端子に与えてその動作を制御し、データ信号およびデューティ制御信号を差動回路31A,31Bの制御端子に与えて各々の動作を制御するような応用も可能である。この場合には、差動回路30から出力される正転側および反転側の各電圧振幅がαパラメータの設定に応じて変化し、それら正転側出力および反転側出力が差動回路31A,31Bに送られ、データ信号に従って所要のデューティ比で変調されて、上述した実施形態の場合と同様の各駆動信号a,bが生成されるようになる。
【0051】
さらに、上述した実施形態では、光源1からの直流光を1段構成のマッハツェンダ型光変調器を用いて外部変調するようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば、マッハツェンダ型光変調器を2段に接続し、前段側をデータ信号に従って駆動してNRZ形式の光信号を生成し、後段側をクロック信号に従って駆動してNRZ形式からRZ形式への変換を行うような方式の外部変調器についても応用できる。このような2段構成の変調方式の場合には、クロック信号に従って駆動するマッハツェンダ型光変調器の駆動回路について、上述の実施形態に示したような回路構成を適用することにより同様の作用効果を得ることが可能になる。
【0052】
(付記1) 入力光を分岐して第1光導波路および第2光導波路に送り、該第1、第2光導波路をそれぞれ伝搬した光を合波して出力する光路と、前記第1、第2光導波路に対してそれぞれ独立に電圧を印加する第1電極および第2電極と、を有するマッハツェンダ型光変調器について、前記第1、第2電極にそれぞれ印加する第1駆動信号および第2駆動信号を生成する光変調器の駆動回路であって、
正転側出力および反転側出力の各電圧振幅の和を前記マッハツェンダ型光変調器の光出力特性に応じた所定の電圧振幅に保持して差動動作する第1差動回路と、
前記第1差動回路の正転側出力端子に接続して差動動作し、前記第1駆動信号を生成する第2差動回路と、
前記第1差動回路の反転側出力端子に接続し、前記第2差動回路に対して排他的に差動動作し、前記第2駆動信号を生成する第3差動回路と、を備え、
前記第1差動回路の制御端子電圧と、前記第2、第3差動回路の双方の制御端子電圧とのいずれか一方が、前記マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを可変に制御するためのαパラメータ制御信号に応じて制御されることを特徴とする光変調器の駆動回路。
【0053】
(付記2) 付記1に記載の光変調器の駆動回路であって、
前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号の電圧振幅の比率が一定となるように、前記αパラメータ制御信号に応じて制御される制御端子電圧をフィードバック制御するαパラメータ安定化回路と、を備えたことを特徴とする光変調器の駆動回路。
【0054】
(付記3) 付記1に記載の光変調器の駆動回路であって、
前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号のデューティ比が一定となるように、前記αパラメータ制御信号に応じて制御される制御端子電圧とは異なる他方の制御端子電圧をフィードバック制御するデューティ安定化回路とを備えたことを特徴とする光変調器の駆動回路。
【0055】
(付記4) 付記1に記載の光変調器の駆動回路であって、
前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号の電圧振幅の和が一定となるように、前記第1差動回路を流れる電流量をフィードバック制御する振幅安定化回路と、を備えたことを特徴とする光変調器の駆動回路。
【0056】
(付記5)付記1に記載の光変調器の駆動回路であって、前記マッハツェンダ型光変調器が、データ信号に従って変調された駆動信号により駆動される第1マッハツェンダ型光変調部と、クロック信号に従って変調された駆動信号により駆動される第2マッハツェンダ型光変調部と、を有し、該第1、第2マッハツェンダ型光変調部を直列に接続した複数段構成であるとき、前記第2マッハツェンダ型光変調部の前記第1、第2電極に対して、前記第2、第3差動回路で生成された第1、第2駆動信号が印加されることを特徴とする光変調器の駆動回路。
【0057】
(付記6) 直流光を発生する光源と、該光源からの直流光を分岐して第1光導波路および第2光導波路に送り、該第1、第2光導波路をそれぞれ伝搬した光を合波して出力する光路、並びに、前記第1、第2光導波路に対してそれぞれ独立に電圧を印加する第1電極および第2電極を有するマッハツェンダ型光変調器と、前記第1、第2電極にそれぞれ印加する第1駆動信号および第2駆動信号を生成する駆動回路と、を備えた光送信装置であって、
前記駆動回路が、正転側出力および反転側出力の各電圧振幅の和を前記マッハツェンダ型光変調器の光出力特性に応じた所定の電圧振幅に保持して差動動作する第1差動回路と、
前記第1差動回路の正転側出力端子に接続して差動動作し、前記第1駆動信号を生成する第2差動回路と、
前記第1差動回路の反転側出力端子に接続し、前記第2差動回路に対して排他的に差動動作し、前記第2駆動信号を生成する第3差動回路と、を備え、
前記第1差動回路の制御端子電圧と、前記第2、第3差動回路の双方の制御端子電圧とのいずれか一方が、前記マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを可変に制御するためのαパラメータ制御信号に応じて制御されることを特徴とする光送信装置。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による光変調器の駆動回路および光送信装置は、第1〜3差動回路を組み合わせた回路構成により、電圧振幅の比率がαパラメータ制御信号に応じて制御された第1、第2駆動信号を生成してマッハツェンダ型光変調器の第1、第2電極に印加するようにしたことで、αパラメータ制御信号による駆動回路の簡略な制御によって、マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを可変に制御することが可能になる。
【0059】
また、出力モニタ回路のモニタ結果を基にフィードバック制御を行う、αパラメータ安定化回路やデューティ安定化回路、振幅安定化回路を設ければ、温度変化や電源変動等の外乱に対してもマッハツェンダ型光変調器を安定して駆動できるため、品質の高い変調光を発生することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる光送信装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】同上実施形態について、3つの差動回路により駆動信号を生成する基本的な機能ブロックと、αパラメータ安定化のフィードバック制御を行う機能ブロックとを組み合わせた具体的な回路構成の一例を示す図である。
【図3】同上実施形態について、αパラメータ制御信号の電圧レベルに対するαパラメータの関係を示す図である。
【図4】同上実施形態について、αパラメータに対する各駆動信号の電圧振幅の関係を示す図である。
【図5】同上実施形態について、駆動信号を生成する基本的な機能ブロックと、デューティ比の安定化のための機能ブロックとを組み合わせた具体的な回路構成の一例を示す図である。
【図6】同上実施形態について、駆動信号を生成する基本的な機能ブロックと、駆動振幅の安定化のための機能ブロックとを組み合わせた具体的な回路構成の一例を示す図である。
【図7】同上実施形態について、すべての機能ブロックを組み合わせた場合の具体的な回路図である。
【図8】同上実施形態に関連する応用例についての機能構成を示すブロック図である。
【図9】一般的なマッハツェンダ型光変調器の構成を示す図である。
【図10】一般的なマッハツェンダ型光変調器の電極への印加電圧に対する光出力特性を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2 マッハツェンダ型光変調器
3 駆動回路
21 光路
21A,21B 光導波路
22A,22B 電極
30,31A,31B 差動回路
32 αパラメータ制御回路
33A,33B 出力モニタ回路
34 比較回路
35 αパラメータ安定化回路
36 デューティ安定化回路
37 加算回路
38 振幅安定化回路
Claims (5)
- 入力光を分岐して第1光導波路および第2光導波路に送り、該第1、第2光導波路をそれぞれ伝搬した光を合波して出力する光路と、前記第1、第2光導波路に対してそれぞれ独立に電圧を印加する第1電極および第2電極と、を有するマッハツェンダ型光変調器について、前記第1、第2電極にそれぞれ印加する第1駆動信号および第2駆動信号を生成する光変調器の駆動回路であって、
正転側出力および反転側出力の各電圧振幅の和を前記マッハツェンダ型光変調器の光出力特性に応じた所定の電圧振幅に保持して差動動作する第1差動回路と、
前記第1差動回路の正転側出力端子に接続して差動動作し、前記第1駆動信号を生成する第2差動回路と、
前記第1差動回路の反転側出力端子に接続し、前記第2差動回路に対して排他的に差動動作し、前記第2駆動信号を生成する第3差動回路と、を備え、
前記第1差動回路の制御端子電圧と、前記第2、第3差動回路の双方の制御端子電圧とのいずれか一方が、前記マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを可変に制御するためのαパラメータ制御信号に応じて制御されることを特徴とする光変調器の駆動回路。 - 請求項1に記載の光変調器の駆動回路であって、
前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号の電圧振幅の比率が一定となるように、前記αパラメータ制御信号に応じて制御される制御端子電圧をフィードバック制御するαパラメータ安定化回路と、を備えたことを特徴とする光変調器の駆動回路。 - 請求項1に記載の光変調器の駆動回路であって、
前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号のデューティ比が一定となるように、前記αパラメータ制御信号に応じて制御される制御端子電圧とは異なる他方の制御端子電圧をフィードバック制御するデューティ安定化回路とを備えたことを特徴とする光変調器の駆動回路。 - 請求項1に記載の光変調器の駆動回路であって、
前記第2、第3差動回路からそれぞれ出力される信号をモニタする出力モニタ回路と、該出力モニタ回路のモニタ結果を基に検出した前記第1、第2駆動信号の電圧振幅の和が一定となるように、前記第1差動回路を流れる電流量をフィードバック制御する振幅安定化回路と、を備えたことを特徴とする光変調器の駆動回路。 - 直流光を発生する光源と、該光源からの直流光を分岐して第1光導波路および第2光導波路に送り、該第1、第2光導波路をそれぞれ伝搬した光を合波して出力する光路、並びに、前記第1、第2光導波路に対してそれぞれ独立に電圧を印加する第1電極および第2電極を有するマッハツェンダ型光変調器と、前記第1、第2電極にそれぞれ印加する第1駆動信号および第2駆動信号を生成する駆動回路と、を備えた光送信装置であって、
前記駆動回路が、正転側出力および反転側出力の各電圧振幅の和を前記マッハツェンダ型光変調器の光出力特性に応じた所定の電圧振幅に保持して差動動作する第1差動回路と、
前記第1差動回路の正転側出力端子に接続して差動動作し、前記第1駆動信号を生成する第2差動回路と、
前記第1差動回路の反転側出力に接続し、前記第2差動回路に対して排他的に差動動作し、前記第2駆動信号を生成する第3差動回路と、を備え、
前記第1差動回路の制御端子電圧と、前記第2、第3差動回路の双方の制御端子電圧とのいずれか一方が、前記マッハツェンダ型光変調器のαパラメータを可変に制御するためのαパラメータ制御信号に応じて制御されることを特徴とする光送信装置。
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