JP3790086B2 - 高周波電力増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波信号を増幅する高周波電力増幅器に関する。特に、マイクロ波帯以上の高周波信号を増幅する通信用の高周波高出力電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信用の高周波高出力電力増幅器(以下「HPA」という)には、出力波が他局に及ぼす干渉を低減したりHPA自体の消費電力を低減する目的で、最大出力電力よりも低い出力電力に制御する機能が要求される場合がある。このような要求に応えるHPAとしては、前置増幅器の利得を制御し、HPAへの入力電力を制御することにより、その出力電力を制御する方法が一般的に用いられている。
【0003】
ここで、UHF帯以下の比較的低い周波数帯では、HPAを例えばB級プッシュプル回路で構成すれば、HPAの消費電力は出力電力に応じたものとなり、出力電力の低減により消費電力の低減も可能となる。
【0004】
一方、マイクロ波帯以上の高い周波数帯では、増幅に用いる半導体素子の性能上、無信号状態のときにバイアスによって増幅素子をピンチオフ状態にするB級動作は増幅に適さない。そのため、A級動作またはAB級動作をするように回路を構成する必要がある。
【0005】
HPAに用いる増幅素子がA級動作やAB級動作する場合、HPAの電力負荷効率は飽和出力近傍で最大値を示す。そして、飽和出力が得られる状態から入力電力を下げると、それにほぼ比例して出力電力が下がる。しかし、消費電力がほぼ一定であるため、出力電力低下に伴って電力負荷効率は著しく低下する。したがって、マイクロ波帯以上の高周波信号を増幅するHPAにおいて、消費電力を低減することを目的とする場合には、前置増幅器の利得を制御して入力電力を低減する方法は適さない。
【0006】
(第1の従来例)
図7は、消費電力低減と出力電力制御を可能とする従来の高周波電力増幅器の第1の構成例を示す。
【0007】
図において、本高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる複数N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nを並列に配置し、入力側の高周波スイッチ2により共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つの信号入力端子を接続し、出力側の高周波スイッチ3により高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つの出力端子と共通信号出力端子5を接続する。バイアス制御手段6aは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つ(ここでは1−N)をオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行うとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段を共通信号入力端子4および共通信号出力端子5に接続するように高周波スイッチ2,3を制御する構成である。
【0008】
本高周波電力増幅器では、高周波増幅手段1−1〜1−Nはそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択すればよい。すなわち、高周波スイッチ2,3を制御し、選択した高周波増幅手段をオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0009】
ここで、高周波スイッチ2,3としては、一般的に半導体を用いたスイッチ(半導体スイッチ)が用いられる。この高周波スイッチに要求される性能のうち、特にオン状態の通過損失(挿入損失)と、オン状態の通過損失とオフ状態の通過損失の比(オンオフ比)が重要であり、挿入損失が低く、オンオフ比が高いほど高性能である。
【0010】
また、図7に示す高周波スイッチ2,3のように、1つの端子とN個の選択端子のいずれか1つを選択的に接続する1対Nスイッチでは、選択された端子に対して選択されなかった端子に入力される信号の漏洩を示す電力漏洩抑圧量(端子間アイソレーション)も重要であり、端子間アイソレーションが高いほど高性能である。
【0011】
しかし、マイクロ波帯以上の高い周波数帯で用いられる半導体スイッチでは、低挿入損失と、高オンオフ比および高端子間アイソレーションとを同時に満たすことは困難である。そのため、上記の従来構成において、オンオフ比および端子間アイソレーションに優れた半導体スイッチを採用すると、半導体スイッチの挿入損失が高くなることから、それを補償するために余分に信号を増幅する必要が生じ、消費電力が増大する。一方、挿入損失に優れた半導体スイッチを採用すると、オンオフ比や端子間アイソレーションが低くなることから、選択した信号経路以外の構成要素の影響が現れ、期待通りの性能を得ることが困難になる。
【0012】
一般に、高周波増幅手段の信号出力端子から信号が入力され、その信号入力端子へ逆流する量は0ではなく、また高周波スイッチの端子間アイソレーションも有限の値である。したがって、共通信号入力端子4から入力された高周波信号が、オン状態の高周波増幅手段で増幅されて出力側の高周波スイッチ3に入力されたときに、その端子間を漏洩してオフ状態の高周波増幅手段の信号出力端子から信号入力端子へ逆流し、その逆流出力が入力側の高周波スイッチ2に入力され、その端子間を漏洩して帰還する信号が発生することがある。特に、端子間アイソレーションが十分でなく、オン状態となる高周波増幅手段の利得が高い場合には、帰還信号による発振などの現象が起こることがある。
【0013】
(第2の従来例)
図8は、消費電力低減と出力電力制御を可能とする従来の高周波電力増幅器の第2の構成例を示す。ここでは、高周波スイッチを用いない構成例を示す(参考文献:岡崎,大平,荒木、「Ku 帯電力増幅器における効率的送信電力制御法の検討」、電子情報通信学会技術報告DSP99−156(2000−01))。
【0014】
図において、本高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる複数N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nを並列に配置し、共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号入力端子とをそれぞれ対応する入力側伝送線路8−1〜8−Nを介して接続し、高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5とをそれぞれ対応する出力側伝送線路9−1〜9−Nを介して接続する。バイアス制御手段6bは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つをオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行う構成である。
【0015】
入力側伝送線路8−1は、接続される高周波増幅手段1−1の入力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号入力端子4から高周波増幅手段1−1をみた入力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。入力側伝送線路8−2〜8−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0016】
出力側伝送線路9−1は、接続される高周波増幅手段1−1の出力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号出力端子5から高周波増幅手段1−1をみた出力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。出力側伝送線路9−2〜9−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0017】
本高周波電力増幅器では、高周波増幅手段1−1〜1−Nはそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択してオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0018】
ここで、出力側伝送線路9−1〜9−Nは、接続された高周波増幅手段1−1〜1−Nがオフ状態であれば理想的には無限大のインピーダンスとなるので、高周波スイッチを用いなくてもオフ状態の高周波増幅手段に信号が流れ込むことはない。しかし、実際には有限のインピーダンスとなるので、オフ状態の高周波増幅手段にわずかの割合で信号が流れ込む。特に、共通信号出力端子5からオフ状態の高周波増幅手段に接続された高周波伝送線路をみたインピーダンスが、高周波電力増幅器の出力インピーダンスに対して数倍程度にしかならない場合には、第1の従来例における高周波スイッチの端子間アイソレーションが十分でない場合と同様の問題が生じる。すなわち、共通信号入力端子4から入力された高周波信号のうち、オン状態の高周波増幅手段で増幅され、出力側の高周波伝送線路を介してオフ状態の高周波増幅手段の信号力端子からその信号入力端子に逆流し、入力側の高周波伝送線路を介して帰還する量が無視できなくなり、発振などの現象が起こることがある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来例で用いる高周波スイッチは、高い周波数帯で使用する場合に、挿入損失とオンオフ比および端子間アイソレーションがトレードオフの関係になる。すなわち、オンオフ比および端子間アイソレーションを優先すると、高くなる挿入損失を補償するために消費電力が増大する。一方、挿入損失を優先すると、オンオフ比や端子間アイソレーションが低くなり、特にオン状態となる高周波増幅手段の利得が高い場合には、帰還信号により発振などを起こす問題がある。
【0020】
第2の従来例では、共通信号入力端子または共通信号出力端子からみた高周波増幅手段のオフ時の入力インピーダンスまたは出力インピーダンスを所定値以上にするような特定長の伝送線路を挿入する構成により、高周波スイッチがなくても十分なアイソレーションが得られるようになっている。これにより、高周波スイッチに関わる問題点は一応解決される。しかし、実際には入力インピーダンスまたは出力インピーダンスを無限大にすることはできないので、オフ状態の高周波増幅手段にわずかながら信号が流れ込み、その帰還信号により発振などを起こす問題がある。
【0021】
本発明は、並列に接続された高周波増幅手段を切り替えることにより出力電力制御を行う高周波電力増幅器において、帰還信号による発振などの希望しない現象を防止し、安定した動作を可能とする高周波電力増幅器を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1〜3に記載の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なるN個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段が3つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、制御手段により所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、初段および最終段の増幅素子以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う。
【0024】
請求項4〜6に記載の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なるN個の高周波増幅手段の信号入力端子が入力側高周波スイッチを介して共通信号入力端子に接続される構成において、N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段が2つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、制御手段により所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、最終段の増幅素子以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う。
【0025】
請求項7〜9に記載の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なるN個の高周波増幅手段の信号出力端子が出力側高周波スイッチを介して共通信号出力端子に接続される構成において、N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段が2つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、制御手段により所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、初段の増幅素子以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う。
【0026】
請求項10〜12に記載の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なるN個の高周波増幅手段の信号入力端子が入力側高周波スイッチを介して共通信号入力端子に接続され、N個の高周波増幅手段の信号出力端子が出力側高周波スイッチを介して共通信号出力端子に接続される構成において、N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段が1つの増幅素子または2つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、制御手段により所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う。
【0027】
以上の構成は、帰還信号が比較的逆流しやすい所定の高周波増幅手段がオフ状態に制御されるときに、多段接続される増幅素子のすべてをオフ状態とせずに、一部をオン状態とするものである。これは、増幅素子のすべてをオフ状態とする場合に比べて消費電力は若干増加するが、所定の高周波増幅手段がオフ状態になったときに帰還信号が逆流する量を減少させることができるので、その帰還信号によって生じる発振現象などを防止することができる。
【0028】
特に、共通信号入力端子または共通信号出力端子からみた高周波増幅手段のオフ時の入力インピーダンスまたは出力インピーダンスが十分でない場合(請求項1〜9)や、高周波スイッチの端子間アイソレーションが十分でない場合(請求項4〜12)に、所定の高周波増幅手段で帰還信号の割合を減少させる効果は大きい。なお、入力側または出力側に高周波スイッチを用いない構成(請求項1〜5,7〜8)でも、高周波増幅手段の初段または最終段の増幅素子がオフ状態に制御されるので、伝送線路のインピーダンス特性を利用するスイッチ機能に影響を与えることはない。
【0029】
請求項13に記載の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なるN個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段に、共通信号入力端子から入力された高周波信号がオン状態の高周波増幅手段で増幅され、共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段を逆流して共通信号入力端子へ帰還する信号が負帰還信号になるように位相調整する位相調整手段を備える。これにより、オフ状態の所定の高周波増幅手段を介する帰還信号は元の入力信号と逆相となるので打ち消される。このとき、オン状態となる高周波増幅手段の利得は若干減少するが、帰還信号によって生じる発振現象などが防止され、高周波電力増幅器の安定動作が実現する。
【0030】
また、請求項1〜12に記載の機能と、請求項13に記載の機能は、組み合わせて用いることができる(請求項14)。これにより、帰還信号の割合を減少させ、さらに元の入力信号と逆相になるように位相調整して帰還させることができる。
【0031】
なお、請求項1〜14に示す構成には、飽和出力が互いに異なるN個の高周波増幅手段の中に、飽和出力が同一のものを予備系として備える構成を含めてもよい。この場合の高周波電力増幅器としては、例えばi個(iは1以上N/2以下の整数)の高周波増幅手段にそれぞれ1個の予備系を備えた場合に、実質的にN−i個の高周波増幅手段を切り替えて出力電力制御を行う構成となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の高周波電力増幅器の第1の実施形態を示す。本実施形態は、請求項1に対応するものである。
【0033】
本実施形態の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる複数N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nを並列に配置し、共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号入力端子とをそれぞれ対応する入力側伝送線路8−1〜8−Nを介して接続し、高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5とをそれぞれ対応する出力側伝送線路9−1〜9−Nを介して接続する。バイアス制御手段6cは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つ(ここでは1−N)をオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行う構成である。
【0034】
入力側伝送線路8−1は、接続される高周波増幅手段1−1の入力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号入力端子4から高周波増幅手段1−1をみた入力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。入力側伝送線路8−2〜8−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0035】
出力側伝送線路9−1は、接続される高周波増幅手段1−1の出力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号出力端子5から高周波増幅手段1−1をみた出力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。出力側伝送線路9−2〜9−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0036】
本実施形態では、高周波増幅手段1−1〜1−Nはそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択してオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0037】
ここで、本実施形態の特徴は、所定の高周波増幅手段1−1が3段以上の増幅素子(入出力整合回路を含む)により構成され、バイアス制御手段6cが高周波増幅手段1−1をオフ状態とするときに、初段および最終段の増幅素子以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行うところにある。図1では、破線がオフ制御するバイアス信号、実線がオン制御するバイアス信号を示す。
【0038】
以下、高周波増幅手段1−1の増幅素子を3段構成とした場合のシミュレーション結果について説明する。増幅素子としてゲート長 0.5μmのGaAsMESFETをソース接地とし、そのゲート幅を初段、中段、最終段でそれぞれ 200μm、 400μm、3200μmとして設計した高周波増幅手段に、14.2GHzの高周波信号を入力した場合の特性を示す。
【0039】
高周波増幅手段をオン状態とする場合には、すべての増幅素子に対してドレインバイアス電圧(以下「Vds」という)10Vを印加し、ゲートバイアス電圧(以下「Vgs」という)としてドレイン電流がその飽和ドレイン電流値の 0.6倍となる電圧−0.65Vを印加すると、通過利得(以下「S21」という)は21.1dBとなる。また、その出力端子から高周波信号を入力して入力端子に出力される逆方向通過利得(以下「S12」という)は−59.2dBとなる。一方、高周波増幅手段をオフ状態とする場合には、すべての増幅素子に対してVdsとして10Vを印加し、Vgsとしてその増幅素子がピンチオフとなる電圧−2.0 Vを印加すると、S21は−25.8dBとなり、S12は−25.9dBとなる。
【0040】
本実施形態の高周波増幅手段1−1では、初段および最終段の増幅素子がオフ状態、中段の増幅素子がオン状態になるように、初段および最終段の増幅素子のVdsを10V、Vgsを−2.0 Vとし、中段の増幅素子のVdsを10V、Vgsを−0.65Vとすると、S21は−10.3dB、S12は−36.8dBとなる。したがって、高周波増幅手段1−1では、S12がすべての増幅素子をオフ状態とした場合に比べて10dB以上も改善されることがわかる。
【0041】
このように、オフ状態とする高周波増幅手段1−1をバイアス制御することにより、S12が10dB以上も改善されるので、この高周波増幅手段を逆流する帰還信号電力が著しく減少する。これにより、発振等の現象が防止され、高周波電力増幅器の動作を安定させることができる。
【0042】
なお、オフ状態に制御される高周波増幅手段のうち、本実施形態の高周波増幅手段1−1のような高周波増幅手段は1つに限らず、複数あってもよい。また、3段以上の増幅素子を有する高周波増幅手段をオフ状態に制御するときに、オン状態となる増幅素子は初段および最終段以外の増幅素子であれば任意である。また、3段以上の増幅素子を有する高周波増幅手段が1つであり、それがオン状態に制御された場合には、他のすべての高周波増幅手段は一律にオフ状態に制御されることになる。
【0043】
また、図1の構成において、共通信号入力端子4とN個の入力側伝送線路8−1〜8−Nのいずれか1つとを接続する入力側の高周波スイッチ2を備えた構成としてもよい(請求項2)。この場合には、バイアス制御手段6cは、オン状態に制御した高周波増幅手段1−Nの信号入力端子と共通信号入力端子4とを接続するように入力側の高周波スイッチ2を制御する。
【0044】
また、図1の構成において、N個の出力側伝送線路9−1〜9−Nのいずれか1つと共通信号出力端子5とを接続する出力側の高周波スイッチ3を備えた構成としてもよい(請求項3)。この場合には、バイアス制御手段6cは、オン状態に制御した高周波増幅手段1−Nの信号出力端子と共通信号出力端子5とを接続するように出力側の高周波スイッチ3を制御する。
【0045】
なお、図1の構成において、共通信号入力端子4とN個の入力側伝送線路8−1〜8−Nのいずれか1つとを接続する入力側の高周波スイッチ2を備え、かつN個の出力側伝送線路9−1〜9−Nのいずれか1つと共通信号出力端子5とを接続する出力側の高周波スイッチ3を備えた構成としてもよい。
【0046】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の高周波電力増幅器の第2の実施形態を示す。本実施形態は、請求項4に対応するものである。
【0047】
本実施形態の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる複数N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nを並列に配置し、入力側の高周波スイッチ2により共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つの信号入力端子を接続し、高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5とをそれぞれ対応する出力側伝送線路9−1〜9−Nを介して接続する。バイアス制御手段6dは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つ(ここでは1−N)をオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行うとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段1−Nを共通信号入力端子4に接続するように高周波スイッチ2を制御する構成である。
【0048】
出力側伝送線路9−1は、接続される高周波増幅手段1−1の出力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号出力端子5から高周波増幅手段1−1をみた出力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。出力側伝送線路9−2〜9−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0049】
本実施形態では、高周波増幅手段1−1〜1−Nはそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択してオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0050】
ここで、本実施形態の特徴は、所定の高周波増幅手段1−1が2段以上の増幅素子(入出力整合回路を含む)により構成され、バイアス制御手段6dが高周波増幅手段1−1をオフ状態とするときに、最終段の増幅素子以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行うところにある。図2では、破線がオフ制御するバイアス信号、実線がオン制御するバイアス信号を示す。
【0051】
以下、高周波増幅手段1−1の増幅素子を2段構成とした場合のシミュレーション結果について説明する。増幅素子としてゲート長 0.5μmのGaAsMESFETをソース接地とし、そのゲート幅を初段、最終段でそれぞれ 200μm、 400μmとして設計した高周波増幅手段に、14.2GHzの高周波信号を入力した場合の特性を示す。
【0052】
高周波増幅手段をオン状態とする場合には、すべての増幅素子に対してVdsとして10Vを印加し、Vgsとしてドレイン電流がその飽和ドレイン電流値の 0.6倍となる電圧−0.65Vを印加すると、S21は13.7dBとなる。また、S12は−37.3dBとなる。一方、高周波増幅手段をオフ状態とする場合には、すべての増幅素子に対してVdsとして10Vを印加し、Vgsとしてその増幅素子がピンチオフとなる電圧−2.0 Vを印加すると、S21は−16.5dBとなり、S12は−16.5dBとなる。
【0053】
本実施形態の高周波増幅手段1−1では、最終段の増幅素子がオフ状態、初段の増幅素子がオン状態になるように、最終段の増幅素子のVdsを10V、Vgsを−2.0 Vとし、初段の増幅素子のVdsを10V、Vgsを−0.65Vとすると、S21は−3.80dB、S12は−28.4dBとなる。したがって、高周波増幅手段1−1では、S12がすべての増幅素子をオフ状態とした場合に比べて10dB以上も改善されることがわかる。
【0054】
このように、オフ状態とする高周波増幅手段1−1をバイアス制御することにより、S12が10dB以上も改善されるので、この高周波増幅手段を逆流する帰還信号電力が著しく減少する。これにより、発振等の現象が防止され、高周波電力増幅器の動作を安定させることができる。
【0055】
なお、オフ状態に制御される高周波増幅手段のうち、本実施形態の高周波増幅手段1−1のような高周波増幅手段は1つに限らず、複数あってもよい。また、2段以上の増幅素子を有する高周波増幅手段をオフ状態に制御するときに、オン状態となる増幅素子は最終段以外の増幅素子であれば任意である。また、2段以上の増幅素子を有する高周波増幅手段が1つであり、それがオン状態に制御された場合には、他のすべての高周波増幅手段は一律にオフ状態に制御されることになる。
【0056】
また、図2の構成において、共通信号入力端子4とN個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号入力端子との間に、入力側伝送線路8−1〜8−Nをそれぞれ挿入してもよい(請求項5)。ただし、入力側伝送線路8−1は、接続される高周波増幅手段1−1の入力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号入力端子4から高周波増幅手段1−1をみた入力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。入力側伝送線路8−2〜8−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0057】
また、図2の構成において、N個の出力側伝送線路9−1〜9−Nのいずれか1つと共通信号出力端子5とを接続する出力側の高周波スイッチ3を備えた構成としてもよい(請求項6)。この場合には、バイアス制御手段6dは、さらにオン状態に制御した高周波増幅手段1−Nの信号出力端子と共通信号出力端子5とを接続するように出力側の高周波スイッチ3を制御する。
【0058】
なお、図2の構成において、共通信号入力端子4とN個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号入力端子との間に、入力側伝送線路8−1〜8−Nをそれぞれ挿入し、かつN個の出力側伝送線路9−1〜9−Nのいずれか1つと共通信号出力端子5とを接続する出力側の高周波スイッチ3を備えた構成としてもよい。
【0059】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の高周波電力増幅器の第3の実施形態を示す。本実施形態は、請求項7に対応するものである。
【0060】
本実施形態の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる複数N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nを並列に配置し、共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号入力端子とをそれぞれ対応する入力側伝送線路8−1〜8−Nを介して接続し、出力側の高周波スイッチ3により高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つの信号出力端子と共通信号出力端子5を接続する。バイアス制御手段6eは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つ(ここでは1−N)をオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行うとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段1−Nを共通信号出力端子5に接続するように高周波スイッチ3を制御する構成である。
【0061】
入力側伝送線路8−1は、接続される高周波増幅手段1−1の入力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号入力端子4から高周波増幅手段1−1をみた入力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。入力側伝送線路8−2〜8−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0062】
本実施形態では、高周波増幅手段1−1〜1−Nはそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択してオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0063】
ここで、本実施形態の特徴は、所定の高周波増幅手段1−1が2段以上の増幅素子(入出力整合回路を含む)により構成され、バイアス制御手段6eが高周波増幅手段1−1をオフ状態とするときに、初段の増幅素子以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行うところにある。図3では、破線がオフ制御するバイアス信号、実線がオン制御するバイアス信号を示す。
【0064】
高周波増幅手段1−1の増幅素子を2段構成とした場合のシミュレーション結果は、第2の実施形態と同様であり、高周波増幅手段1−1では、S12がすべての増幅素子をオフ状態とした場合に比べて10dB以上も改善される。
【0065】
なお、オフ状態に制御される高周波増幅手段のうち、本実施形態の高周波増幅手段1−1のような高周波増幅手段は1つに限らず、複数あってもよい。また、2段以上の増幅素子を有する高周波増幅手段をオフ状態に制御するときに、オン状態となる増幅素子は初段以外の増幅素子であれば任意である。また、2段以上の増幅素子を有する高周波増幅手段が1つであり、それがオン状態に制御された場合には、他のすべての高周波増幅手段は一律にオフ状態に制御されることになる。
【0066】
また、図3の構成において、N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5との間に、出力側伝送線路9−1〜9−Nをそれぞれ挿入してもよい(請求項8)。ただし、出力側伝送線路9−1は、接続される高周波増幅手段1−1の出力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号出力端子5から高周波増幅手段1−1をみた出力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。出力側伝送線路9−2〜9−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0067】
また、図3の構成において、共通信号入力端子4とN個の入力側伝送線路8−1〜8−Nのいずれか1つとを接続する入力側の高周波スイッチ2を備えた構成としてもよい(請求項9)。この場合には、バイアス制御手段6eは、さらにオン状態に制御した高周波増幅手段1−Nの信号入力端子と共通信号入力端子4とを接続するように入力側の高周波スイッチ2を制御する。
【0068】
なお、図3の構成において、N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5との間に、出力側伝送線路9−1〜9−Nをそれぞれ挿入し、かつ共通信号入力端子4とN個の入力側伝送線路8−1〜8−Nのいずれか1つとを接続する入力側の高周波スイッチ2を備えた構成としてもよい。
【0069】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の高周波電力増幅器の第4の実施形態を示す。本実施形態は、請求項10に対応するものである。
【0070】
本実施形態の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる複数N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nを並列に配置し、入力側の高周波スイッチ2により共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つの信号入力端子を接続し、出力側の高周波スイッチ3により高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つの信号出力端子と共通信号出力端子5を接続する。バイアス制御手段6fは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つ(ここでは1−N)をオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行うとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段1−Nを共通信号入力端子4および共通信号出力端子5に接続するように高周波スイッチ2,3を制御する構成である。
【0071】
本実施形態では、高周波増幅手段1−1〜1−Nはそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択してオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0072】
ここで、本実施形態の特徴は、所定の高周波増幅手段1−1が1つの増幅素子または2段以上の増幅素子(入出力整合回路を含む)により構成され、バイアス制御手段6fが高周波増幅手段1−1をオフ状態とするときに、少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行うところにある。図4では、破線がオフ制御するバイアス信号、実線がオン制御するバイアス信号を示す。
【0073】
以下、高周波増幅手段1−1の増幅素子を1段構成とした場合のシミュレーション結果について説明する。増幅素子としてゲート長 0.5μmのGaAsMESFETをソース接地とし、そのゲート幅を 400μmとして設計した高周波増幅手段に、14.2GHzの高周波信号を入力した場合の特性を示す。
【0074】
高周波増幅手段をオン状態とする場合には、すべての増幅素子に対してVdsとして10Vを印加し、Vgsとしてドレイン電流がその飽和ドレイン電流値の 0.6倍となる電圧−0.65Vを印加すると、S21は6.40dBとなる。また、S12は−20.1dBとなる。一方、高周波増幅手段をオフ状態とする場合には、すべての増幅素子に対してVdsとして10Vを印加し、Vgsとしてその増幅素子がピンチオフとなる電圧−2.0 Vを印加すると、S21は−10.9dBとなり、S12は−11.0dBとなる。
【0075】
本実施形態の高周波増幅手段1−1では、増幅素子がオン状態になるようにバイアス制御すると、S21は−6.40dB、S12は−20.1dBとなる。したがって、高周波増幅手段1−1では、S12が増幅素子をオフ状態とした場合に比べて9dB程度も改善されることがわかる。このように、高周波増幅手段1−1をバイアス制御することにより、S12が9dB程度も改善されるので、この高周波増幅手段を逆流する帰還信号電力が著しく減少する。これにより、発振等の現象が防止され、高周波電力増幅器の動作を安定させることができる。
【0076】
なお、オフ状態に制御される高周波増幅手段のうち、少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする高周波増幅手段は1つに限らず、複数あってもよい。また、2段以上の増幅素子を有する高周波増幅手段をオフ状態に制御するときに、オン状態となる増幅素子は任意である。
【0077】
また、図4の構成において、共通信号入力端子4とN個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号入力端子との間に、入力側伝送線路8−1〜8−Nをそれぞれ挿入してもよい(請求項11)。ただし、入力側伝送線路8−1は、接続される高周波増幅手段1−1の入力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号入力端子4から高周波増幅手段1−1をみた入力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。入力側伝送線路8−2〜8−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0078】
また、図4の構成において、N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5との間に、出力側伝送線路9−1〜9−Nをそれぞれ挿入してもよい(請求項12)。ただし、出力側伝送線路9−1は、接続される高周波増幅手段1−1の出力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号出力端子5から高周波増幅手段1−1をみた出力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。出力側伝送線路9−2〜9−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0079】
なお、図4の構成において、共通信号入力端子4とN個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号入力端子との間に、入力側伝送線路8−1〜8−Nをそれぞれ挿入し、かつN個の高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5との間に、出力側伝送線路9−1〜9−Nをそれぞれ挿入してもよい。
【0080】
(第5の実施形態)
図5は、本発明の高周波電力増幅器の第5の実施形態を示す。本実施形態は、請求項13に対応するものである。
【0081】
本実施形態の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる2個の高周波増幅手段1−1〜1−2を並列に配置し、共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−2の各信号入力端子とをそれぞれ対応する入力側伝送線路8−1〜8−2を介して接続し、高周波増幅手段1−1〜1−2の各信号出力端子と共通信号出力端子5とをそれぞれ対応する出力側伝送線路9−1〜9−2を介して接続する。バイアス制御手段6aは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−2のいずれか1つ(ここでは1−2)をオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行う構成である。
【0082】
入力側伝送線路8−1は、接続される高周波増幅手段1−1の入力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号入力端子4から高周波増幅手段1−1をみた入力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。入力側伝送線路8−2についても、接続される高周波増幅手段1−2に対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0083】
出力側伝送線路9−1は、接続される高周波増幅手段1−1の出力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号出力端子5から高周波増幅手段1−1をみた出力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。出力側伝送線路9−2についても、接続される高周波増幅手段1−2に対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0084】
本実施形態では、高周波増幅手段1−1〜1−2はそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択してオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0085】
ここで、本実施形態の特徴は、所定の高周波増幅手段1−1が2段の増幅素子(入出力整合回路を含む)11,12と、その間に挿入される位相調整手段13により構成されるところにある。ただし、位相調整手段13は、例えば伝送線路としたときに、その電気長は信号周波数において、共通信号入力端子4から入力された高周波信号がオン状態の高周波増幅手段1−2で増幅され、共通信号出力端子5からオフ状態の高周波増幅手段1−1を逆流して共通信号入力端子4へ帰還する信号が負帰還信号になるように設定される。なお、共通信号入力端子4において負帰還信号となるような伝送線路の電気長とは、入力信号と帰還信号の位相差が 180°の奇数倍程度になるように設定されたものである。
【0086】
これにより、オフ状態の高周波増幅手段1−1を介する帰還信号の位相は元の入力信号と逆相となるので、帰還信号によって生じる発振現象などが防止され、高周波電力増幅器の動作が安定する。
【0087】
(第6の実施形態)
図6は、本発明の高周波電力増幅器の第6の実施形態を示す。本実施形態は、請求項14に対応するものであり、請求項13の構成(第5の実施形態)を請求項4の構成(第2の実施形態)に適用したものである。なお、他の実施形態にも同様に適用することができる。
【0088】
本実施形態の高周波電力増幅器は、飽和出力が互いに異なる複数N個の高周波増幅手段1−1〜1−Nを並列に配置し、入力側の高周波スイッチ2により共通信号入力端子4と高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つの信号入力端子を接続し、高周波増幅手段1−1〜1−Nの各信号出力端子と共通信号出力端子5とをそれぞれ対応する出力側伝送線路9−1〜9−Nを介して接続する。バイアス制御手段6dは、制御信号入力端子7から入力される制御信号に応じて、高周波増幅手段1−1〜1−Nのいずれか1つ(ここでは1−N)をオン状態とし、それ以外をオフ状態とする制御を行うとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段1−Nを共通信号入力端子4に接続するように高周波スイッチ2を制御する構成である。
【0089】
出力側伝送線路9−1は、接続される高周波増幅手段1−1の出力インピーダンスとして規定された値と等しい特性インピーダンスを有し、高周波増幅手段1−1がオフ状態のときに、共通信号出力端子5から高周波増幅手段1−1をみた出力インピーダンスが信号周波数において最大となるように電気長を定めている。出力側伝送線路9−2〜9−Nについても、それぞれ接続される高周波増幅手段1−2〜1−Nに対して同様の特性インピーダンスおよび電気長を有する。
【0090】
本実施形態では、高周波増幅手段1−1〜1−Nはそれぞれ飽和出力が異なるので、要求される出力電力において電力負荷効率が最も高くなる高周波増幅手段を選択してオン状態とし、それ以外をオフ状態とすることにより、要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図ることができる。
【0091】
ここで、本実施形態の特徴は、所定の高周波増幅手段1−1が2段の増幅素子(入出力整合回路を含む)により構成され、その間に位相調整手段13を挿入したところにある。ただし、位相調整手段13は、例えば伝送線路としたときに、その電気長は信号周波数において、共通信号入力端子4から入力された高周波信号がオン状態の高周波増幅手段1−Nで増幅され、共通信号出力端子5からオフ状態の高周波増幅手段1−1を逆流して共通信号入力端子4へ帰還する信号が負帰還信号になるように設定される。また、バイアス制御手段6dは、第2の実施形態と同様に、高周波増幅手段1−1をオフ状態とするときに、最終段の増幅素子をオフ状態とし、初段の増幅素子をオン状態とする制御を行うところにある。図6では、破線がオフ制御するバイアス信号、実線がオン制御するバイアス信号を示す。
【0092】
これにより、オフ状態の高周波増幅手段1−1のS12が改善されるので、逆流する帰還信号は微小となり、さらにその位相が元の入力信号と逆相になるので、帰還信号によって生じる発振現象などが防止され、高周波電力増幅器の動作が安定する。
【0093】
なお、高周波増幅手段1−1を3段以上の増幅素子で構成した場合に、位相調整手段13を各増幅素子の段間に挿入するか任意の増幅素子の段間に挿入し、全体で負帰還信号になるように位相調整の設定すればよい。また、この場合には、第2の実施形態と同様に高周波増幅手段1−1をオフ状態に制御するときに、オン状態とする増幅素子は最終段以外の増幅素子であれば任意である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高周波電力増幅器は、並列接続されたN個の高周波増幅手段のうち、所定の高周波増幅手段がオフ状態に制御されるときに、多段接続される増幅素子のすべてをオフ状態とせずに、一部をオン状態とすることにより、帰還信号が逆流する量を減少させることができる。すなわち、共通信号入力端子または共通信号出力端子からみた高周波増幅手段のオフ時の入力インピーダンスまたは出力インピーダンスが十分でない場合(請求項1〜9)や、高周波スイッチの端子間アイソレーションが十分でない場合(請求項4〜12)でも、所定の高周波増幅手段で帰還信号の割合を減少させることができるので、その帰還信号によって生じる発振現象などを防止することができる。これにより、出力電力制御を行いながら要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図った高周波電力増幅器において、安定な動作を実現することができる。
【0095】
また、本発明の高周波電力増幅器は、並列接続されたN個の高周波増幅手段のうち、所定の高周波増幅手段がオフ状態に制御されるときに、その高周波増幅手段を逆流して共通信号入力端子へ帰還する信号が負帰還信号になるように位相調整することにより、帰還信号による発振現象などを防止することができる。これにより、出力電力制御を行いながら要求される出力電力に応じた消費電力の低減を図った高周波電力増幅器において、安定な動作を実現することができる。
【0096】
また、以上の構成を組み合わせることにより、オフ状態に制御される所定の高周波増幅手段において、帰還信号の割合を減少させ、かつ負帰還信号になるように調整することができるので、さらに安定な動作を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波電力増幅器の第1の実施形態を示す図。
【図2】本発明の高周波電力増幅器の第2の実施形態を示す図。
【図3】本発明の高周波電力増幅器の第3の実施形態を示す図。
【図4】本発明の高周波電力増幅器の第4の実施形態を示す図。
【図5】本発明の高周波電力増幅器の第5の実施形態を示す図。
【図6】本発明の高周波電力増幅器の第6の実施形態を示す図。
【図7】従来の高周波電力増幅器の第1の構成例を示す図。
【図8】従来の高周波電力増幅器の第2の構成例を示す図。
【符号の説明】
1 高周波増幅手段
2,3 高周波スイッチ
4 共通信号入力端子
5 共通信号出力端子
6a,6b,6c,6d,6e,6f バイアス制御手段
7 制御信号入力端子
8 入力側伝送線路
9 出力側伝送線路
11,12 増幅素子(入出力整合回路を含む)
13 位相調整手段

Claims (14)

  1. 共通信号入力端子と共通信号出力端子との間に並列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の互いに飽和出力の異なる高周波増幅手段と、
    前記共通信号入力端子と前記N個の高周波増幅手段の各信号入力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号入力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた入力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の入力側伝送線路と、
    前記N個の高周波増幅手段の各信号出力端子と前記共通信号出力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた出力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の出力側伝送線路と、
    外部から入力される制御信号に従って、前記N個の高周波増幅手段のいずれか1つを選択的にオン状態とし、他の高周波増幅手段をオフ状態に制御する制御手段とを備え、
    オン状態に制御した高周波増幅手段を介して前記共通信号入力端子から入力された高周波信号を増幅し、前記共通信号出力端子へ出力する高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段は、3つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、
    前記制御手段は、前記所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、初段および最終段の増幅素子をオフ状態とし、それ以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  2. 請求項1に記載の高周波電力増幅器において、
    前記共通信号入力端子と前記N個の入力側伝送線路のいずれか1つとを接続する入力側高周波スイッチを備え、
    前記制御手段は、オン状態に制御した高周波増幅手段の信号入力端子と前記共通信号入力端子とを接続するように前記入力側高周波スイッチを制御する構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  3. 請求項1に記載の高周波電力増幅器において、
    前記N個の出力側伝送線路のいずれか1つと前記共通信号出力端子とを接続する出力側高周波スイッチを備え、
    前記制御手段は、オン状態に制御した高周波増幅手段の信号出力端子と前記共通信号出力端子とを接続するように前記出力側高周波スイッチを制御する構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  4. 共通信号入力端子と共通信号出力端子との間に並列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の互いに飽和出力の異なる高周波増幅手段と、
    前記共通信号入力端子と前記N個の高周波増幅手段の各信号入力端子のいずれか1つとを接続する入力側高周波スイッチと、
    前記N個の高周波増幅手段の各信号出力端子と前記共通信号出力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた出力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の出力側伝送線路と、
    外部から入力される制御信号に従って、前記N個の高周波増幅手段のいずれか1つを選択的にオン状態とし、他の高周波増幅手段をオフ状態に制御するとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段の信号入力端子と前記共通信号入力端子とを接続するように前記入力側高周波スイッチを制御する制御手段とを備え、
    オン状態に制御した高周波増幅手段を介して前記共通信号入力端子から入力された高周波信号を増幅し、前記共通信号出力端子へ出力する高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段は、2つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、
    前記制御手段は、前記所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、最終段の増幅素子をオフ状態とし、それ以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  5. 請求項4に記載の高周波電力増幅器において、
    前記入力側高周波スイッチのN個の選択端子と前記N個の高周波増幅手段の各信号入力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号入力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた入力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の入力側伝送線路を備えた
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  6. 請求項4に記載の高周波電力増幅器において、
    前記N個の出力側伝送線路のいずれか1つと前記共通信号出力端子とを接続する出力側高周波スイッチを備え、
    前記制御手段は、オン状態に制御した高周波増幅手段の信号出力端子と前記共通信号出力端子とを接続するように前記出力側高周波スイッチを制御する構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  7. 共通信号入力端子と共通信号出力端子との間に並列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の互いに飽和出力の異なる高周波増幅手段と、
    前記共通信号入力端子と前記N個の高周波増幅手段の各信号入力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号入力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた入力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の入力側伝送線路と、
    前記N個の高周波増幅手段の各信号出力端子のいずれか1つと前記共通信号出力端子とを接続する出力側高周波スイッチと、
    外部から入力される制御信号に従って、前記N個の高周波増幅手段のいずれか1つを選択的にオン状態とし、他の高周波増幅手段をオフ状態に制御するとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段の信号出力端子と前記共通信号出力端子とを接続するように前記出力側高周波スイッチを制御する制御手段とを備え、
    オン状態に制御した高周波増幅手段を介して前記共通信号入力端子から入力された高周波信号を増幅し、前記共通信号出力端子へ出力する高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段は、2つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、
    前記制御手段は、前記所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、初段の増幅素子をオフ状態とし、それ以外の少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  8. 請求項7に記載の高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段の各信号出力端子と前記出力側高周波スイッチのN個の選択端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた出力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の出力側伝送線路を備えた
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  9. 請求項7に記載の高周波電力増幅器において、
    前記共通信号入力端子と前記N個の入力側伝送線路のいずれか1つとを接続する入力側高周波スイッチを備え、
    前記制御手段は、オン状態に制御した高周波増幅手段の信号入力端子と前記共通信号入力端子とを接続するように前記入力側高周波スイッチを制御する構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  10. 共通信号入力端子と共通信号出力端子との間に並列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の互いに飽和出力の異なる高周波増幅手段と、
    前記共通信号入力端子と前記N個の高周波増幅手段の各信号入力端子のいずれか1つとを接続する入力側高周波スイッチと、
    前記N個の高周波増幅手段の各信号出力端子のいずれか1つと前記共通信号出力端子とを接続する出力側高周波スイッチと、
    外部から入力される制御信号に従って、前記N個の高周波増幅手段のいずれか1つを選択的にオン状態とし、他の高周波増幅手段をオフ状態に制御するとともに、オン状態に制御した高周波増幅手段の信号入力端子と前記共通信号入力端子とを接続し、かつオン状態に制御した高周波増幅手段の信号出力端子と前記共通信号出力端子とを接続するように前記入力側高周波スイッチおよび前記出力側高周波スイッチを制御する制御手段とを備え、
    オン状態に制御した高周波増幅手段を介して前記共通信号入力端子から入力された高周波信号を増幅し、前記共通信号出力端子へ出力する高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段は、1つの増幅素子または2つ以上の増幅素子を多段接続した構成であり、
    前記制御手段は、前記所定の高周波増幅手段のうちオフ状態に制御する少なくとも1つの高周波増幅手段に対して、少なくとも1つの増幅素子をオン状態とする制御を行う構成である
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  11. 請求項10に記載の高周波電力増幅器において、
    前記入力側高周波スイッチのN個の選択端子と前記N個の高周波増幅手段の各信号入力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号入力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた入力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の入力側伝送線路を備えた
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  12. 請求項10に記載の高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段の各信号出力端子と前記出力側高周波スイッチのN個の選択端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた出力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の出力側伝送線路を備えた
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  13. 共通信号入力端子と共通信号出力端子との間に並列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の互いに飽和出力の異なる高周波増幅手段と、
    前記共通信号入力端子と前記N個の高周波増幅手段の各信号入力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号入力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた入力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の入力側伝送線路と、
    前記N個の高周波増幅手段の各信号出力端子と前記共通信号出力端子との間にそれぞれ配置され、前記共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段をみた出力インピーダンスが被増幅信号周波数において所定値以上になるようにそれぞれの電気長を定めたN個の出力側伝送線路と、
    外部から入力される制御信号に従って、前記N個の高周波増幅手段のいずれか1つを選択的にオン状態とし、他の高周波増幅手段をオフ状態に制御する制御手段とを備え、
    オン状態に制御した高周波増幅手段を介して前記共通信号入力端子から入力された高周波信号を増幅し、前記共通信号出力端子へ出力する高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段に、前記共通信号入力端子から入力された高周波信号がオン状態の高周波増幅手段で増幅され、前記共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段を逆流して前記共通信号入力端子へ帰還する信号が負帰還信号になるように位相調整する位相調整手段を備えた
    ことを特徴とする高周波電力増幅器。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の高周波電力増幅器において、
    前記N個の高周波増幅手段のうちの所定の高周波増幅手段に、前記共通信号入力端子から入力された高周波信号がオン状態の高周波増幅手段で増幅され、前記共通信号出力端子からオフ状態の高周波増幅手段を逆流して前記共通信号入力端子へ帰還する信号が負帰還信号になるように位相調整する位相調整手段を備えた ことを特徴とする高周波電力増幅器。
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