JP3789830B2 - 電解液を用いた処理装置用給電ブラシ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電解液を用いた処理装置用の給電ブラシに係り、とくに回路基板を被処理物として電解液を用いた処理を施すために使用される給電ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
電解液を用いた処理を行う装置では、電流供給手段として給電ブラシを用いるものがある。この給電ブラシは、リン青銅あるいはチタン製の導電性線材を用いるものであって、図6に示すように、導電性線材1が帯状の群として平板状のベース部材2における一方の面に植毛(導電性線材1が非常に細いため、植毛と表現される。)されてなるものである。
【0003】
そして、導電性線材1の帯状群は、ベース部材2の面に対して直角に植毛されており、また矢印で示す被処理物3の搬送方向Aに対して平行、あるいは直角に配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この給電ブラシは、被処理物3に対して適切に当接するように適度の柔軟性を持つ必要があり、そのために導電性線材1をある程度長く形成する。この結果、給電ブラシの植毛および取付けが困難であり、僅かな取付け位置の誤差によって被処理物に傷を付ける等の問題が生じる。また、導電性線材1が折れ易いので頻繁な交換が必要であり、被処理物を安定的に生産する上での障害となっている。
【0005】
導電性線材1の材質の面からみると、リン青銅を用いた場合もチタンを用いた場合もそれぞれ問題がある。リン青銅を用いた場合は材質の耐食性が乏しいという問題点があるが、柔軟性は毛足を長くすることで対処できる。しかし、取付けを寸法的に高精度に行わなければ、柔軟性を損なったり、損耗が激しくなったりする。またチタンを用いた場合は、柔軟性および追従性が乏しくて弾性がなく折れやすいこと、および通電性能が不十分であり、通電性能を確保するために多数の給電ブラシを用いなければならない。
【0006】
そして、これらの給電ブラシをメッキ処理に用いる場合は、製品面に傷を付け易いこと、摺動面圧力の調整が困難なこと、耐食性が乏しいこと、柔軟性が乏しいこと、それらの結果として消耗が激しく頻繁な交換作業が求められることなどの問題がある。
【0007】
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、良好な通電性を持ち、柔軟性に富み、耐食性に優れた給電ブラシを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、
ベース部材に導電性線材が植毛されてなり、電解液中で被処理物を搬送しつつ処理を行う装置に設けられ、前記被処理物を一方の電極と他方の電極との間で通電することにより前記被処理物の電気的処理を行う処理装置用給電ブラシにおいて、
帯状群を構成する前記導電性線材が、前記被処理物の搬送方向側にその先端が傾き、前記ベース部材の面に30度ないし60度の角度をなすように植毛されているとともに、
前記帯状群は、前記搬送方向に対して15度ないし45度をなす向きに配置されている
ことを特徴とする処理装置用給電ブラシ、
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例を示したものである。この図1に示された実施例では、給電ブラシ1が、ベース部材2の面に対して角度Bをなし、かつ被処理物3の搬送方向Aに対して角度Cをなすように植設されている。また、給電ブラシ1は、その幅が狭く形成されている。
【0010】
これにより、被処理物1を搬送方向Aに沿って移動させると、給電ブラシ1に対して被処理物3の図示下面が当接したとき、給電ブラシ1の導電性線材は、その基部側は角度Bで被処理物に向かっており、先端にいくに従って徐々に導電性線材の基部側に撓む。また、給電ブラシ1を構成する導電性線材の帯状群の向きが被処理物3の搬送方向に対して角度Cをなしているため、給電ブラシ1を構成する導電性線材の先端部は、搬送方向の影響を受けて被処理物の搬送方向に引きずられ、搬送方向下流側に傾くように撓み方向を徐々に変える。
ここで、角度Cが4 5 度に近付くに従って導電性線材の先端の傾きは搬送方向の影響を受け易くなり、植毛方向から徐々に外れて搬送方向下流側に大きく傾く。逆に、角度 C が1 5 度に近いと、植毛方向に近い方向への撓みとなり、給電ブラシ1の被処理物との接触圧力は小さなものとなる。そして、角度Cの影響によって植毛方向から外れる撓みが大きいと、導電性線材の先端部の変位量が大きくなるから、導電性線材の反発力も大きくなり、結果的に被処理物との接触圧力が大きなものとなる。
【0011】
この結果、給電ブラシ1は、給電ブラシ1を構成する多数の導電性線材の各先端部が被処理物3の下面に接触して、無数の接触点を形成する。また、給電ブラシ1が被処理物3の図示下面に柔軟に接触するため、その接触抵抗は小さなものとなる。
【0012】
図2は、図1に示した給電ブラシ1の詳細構造を示したものである。この給電ブラシ1は、適度に細くて柔軟性、弾性に富んだ導電性線材4を適当な束にして植毛基台5によって固定する。導電性線材4の素材としては、例えばニッケル-タングステン合金を獣毛状に細線化したものを用い、この素材を適当数ずつ集めて束を形成し、この束の基端部を一対の部材間に隙間を有する植毛基台5にある角度を以って斜めに固定する。固定方法としては、例えば溶接を用い、植毛基台の裏側で導電性線材4と植毛基台5とを溶着する。これにより、導電性線材4と植毛基台5とが一体的に固定されて給電ブラシ1が形成される。
【0013】
ここで、導電性線材4の固定角度は、図1における角度Bに相当するもので、図示の場合植毛基台5の面に対して45度としている。この角度は、かなり広い範囲から選択することができ、最適角度が45度を中心にした所定範囲内にあるものという意味であり、30度ないし60度が適当な値である。
【0014】
図3は、図1に示した構成を得るために、図2に示した給電ブラシ1をベース部材2に取付ける構造を示したものである。
【0015】
給電ブラシ1の取付けは、植毛基台5をベース部材2に固定することにより行う。このために、ベース部材21には、その長手方向に対して30度の向きに溝が設けられており、この溝に植毛基台5を嵌入して溶着等により固定する。
【0016】
この結果、給電ブラシ1は、ベース部材2の長手方向、つまり被処理物3の搬送方向に対して30度の傾きを以ってベース部材2に固定される。この傾き角度は適宜選択でき、15度ないし45度の範囲が適当である。
【0017】
図4は、本発明に係る給電ブラシを連続鍍金装置に適用した例を示すものである。この図に示す例では、電解液6に浸された状態で、ロール・ツー・ロール方式により図における右側から左側に向かって矢印Aの向きに、被処理物3を搬送する間に給電ブラシ1によって通電を行う。
【0018】
このとき、給電ブラシ1は、図示のように被処理物3の面上で、搬送方向Aに沿って図示左方向に変形しつつ被処理物3の図示上面に接触し、数A/dm2程度の鍍金電流を供給する。
【0019】
図5(a),(b)は、導電性線材4の先端形状例を示したものである。図5(a)は、球状先端としたものであり、図5(b)は半球状先端としたものである。これらの形状は、被処理物の性質、表面状態、電解液の性状等を考慮し、適宜選択して使用する。ここでは、被処理物との接触抵抗が少ない点接触型のものを例示したが、適度に接触抵抗があった方が良い場合は、面接触するものを選んでもよい。
【0020】
(変形例)
上記実施例では、電解液を用いた処理として鍍金の例を示したが、電着レジストつまり回路基板の回路パターンを形成する際に用いるレジストを電着により形成する場合にも適用できる。同様に、電着塗料、電着ポリイミドなどの電着による皮膜の形成処理にも本発明を適用することができる。
【0021】
また、電解研磨のように、電圧極性が鍍金とは反対のものに対しても本発明を適用することができる。すなわち、被処理物の処理面に適当なマスクを施して電圧を印加することにより、被処理物の処理面から電解析出を行わせ、研磨することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上述のように、電解液中で被処理物を搬送しつつ処理を行う装置で用いられる通電用ブラシを、導電性線材を帯状群にしてベース部材の面に前記被処理物の搬送方向に沿って30ないし60度の角度をなすように植毛して構成したため、耐久性に優れ、しかも通電性、柔軟性に富んだ給電ブラシを提供することができる。
【0023】
そして、高耐久性により給電ブラシの交換頻度が低減して処理の安定化をもたらすため、被処理物の品質を安定化でき、処理コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す斜視図。
【図2】図1に示した給電ブラシ1の詳細構造を示した説明図。
【図3】図2に示した給電ブラシ1をベース部材2に取付ける構造を示した説明図。
【図4】本発明に係る給電ブラシを連続鍍金装置に適用した例を示す説明図。
【図5】図5(a),(b)は、導電性線材4の先端形状例を示したもので、図5(a)は、球状先端としたものを示し、図5(b)は半球状先端としたものを示す説明図。
【図6】従来の給電ブラシの構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1 給電ブラシ
2 ベース部材
3 被処理物
4 導電性線材
5 植毛基台
6 電解液
A 被処理物の搬送方向
B 導電性線材の植毛角度
C 給電ブラシの設置角度
Claims (1)
- ベース部材に導電性線材が植毛されてなり、電解液中で被処理物を搬送しつつ処理を行う装置に設けられ、前記被処理物を一方の電極とし、他方の電極との間で通電することにより前記被処理物の電気的処理を行う処理装置用給電ブラシにおいて、
帯状群を構成する前記導電性線材が、前記被処理物の搬送方向側にその先端が傾き、前記ベース部材の面に30度ないし60度の角度をなすように植毛されているとともに、
前記帯状群は、前記搬送方向に対して15度ないし45度をなす向きに配置されている
ことを特徴とする処理装置用給電ブラシ。
Priority Applications (1)
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JP2002043656A JP3789830B2 (ja) | 2002-02-20 | 2002-02-20 | 電解液を用いた処理装置用給電ブラシ |
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