JP2595647Y2 - ブラシ装置 - Google Patents

ブラシ装置

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JP2595647Y2
JP2595647Y2 JP1993022697U JP2269793U JP2595647Y2 JP 2595647 Y2 JP2595647 Y2 JP 2595647Y2 JP 1993022697 U JP1993022697 U JP 1993022697U JP 2269793 U JP2269793 U JP 2269793U JP 2595647 Y2 JP2595647 Y2 JP 2595647Y2
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JP
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brush
pin
brush holder
arm
brushes
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JP1993022697U
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満彦 迫
国文 伊東
敏治 姫野
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、電動機および発電機な
どのような回転機械などの整流子およびスリップリング
などに接触して給電/集電を行うブラシ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯を、塩酸などを用いて酸洗する酸洗
設備で浸漬ロール、ブライドルロールおよびペイオフロ
ールなどを駆動する直流電動機は、塩素系ガス雰囲気の
悪環境下で使用される。直流電動機の整流子に接触する
ブラシは、ブラシホルダによってその整流子に近接、離
反方向に円滑に変位可能に案内され、ばねによってブラ
シが整流子に圧接され、こうしてブラシの摩耗にかかわ
らず、ブラシは整流子と常に接触した状態に保たれる。
ブラシホルダのブラシを案内するブラシホルダ本体は真
鍮で製作されており、前記悪環境下ではそのブラシホル
ダ本体に錆が発生し、そのためブラシホルダ本体のブラ
シを案内する表面が錆および電蝕によってブラシを円滑
に変位案内することができなくなり、ブラシホルダとブ
ラシが固定状態となってしまうことがある。これによっ
てブラシと整流子との間に隙間が生じ、そのため火花が
発生し、さらにはフラッシュオーバーと呼ばれるように
整流子全体に火花が走り、整流子面は火花で荒れ、運転
不可能となってしまう。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】本考案の目的は、ブラ
シを円滑に案内してブラシと整流子およびスリップリン
グとの接触を確実にし、寿命を長くすることができるよ
うにしたブラシ装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、(a)ブラシ
10,11と、 (b)ブラシホルダ6であって、 (b1)ブラシ10,11をそれぞれ案内する案内部2
4,25を有し、表面にポリテトラフルオロエチレンか
ら成る被覆層が形成されるブラシホルダ本体23と、 (b2)基端部17は第1ピン20によってブラシホル
ダ本体23に角変位可能に支持され、先端部21がブラ
シ10,11の頂部を押圧するアーム16と、 (b3)一端部は第2ピン14によってブラシホルダ本
体23に係止され、他端部はアーム16の基端部17付
近で、アーム16の第1ピン20と前記先端部21との
間に連結されるばね手段13,15,18,19とを有
し、 (b4)第2ピン14とばね手段13,15,18,1
9の前記他端部とを結ぶ直線が、第1ピン20の軸線に
関して、アーム16の前記先端部21側にあって、ばね
手段13,15,18,19のばね力によって前記先端
部21がブラシ10,11の頂部を弾発的に押圧する第
1の状態と、前記直線が、第1ピン20の軸線に関し
て、アーム16の前記先端部21と反対側にあって、前
記先端部21がブラシ10,11の頂部から離間した第
2の状態を保つブラシホルダ6とを含むことを特徴とす
るブラシ装置である。
【0005】また本考案は、被覆層は、厚み10〜10
0μmを有することを特徴とする。
【0006】
【作用】本考案に従えば、後述の図1および図6に示さ
れるように、第2ピン14とばね手段13,15,1
8,19の前記他端部とを結ぶ直線が、第1ピン20の
軸線に関してアーム16の先端部21側にあるとき、ば
ね力によってアーム16の先端部21がブラシ10,1
1の頂部を弾発的に押圧する。また後述の図5に示され
るように、前記直線が、第1ピン20の軸線に関して、
アーム16の前記先端部21とは反対側にあるとき、ア
ーム16の先端部21はブラシ10,11の頂部から離
間して第2の状態となり、これによってブラシ10,1
1を案内部24,25から取外すなどして交換すること
ができ、保守が容易である。さらに本考案に従えば、ブ
ラシホルダ本体23のブラシ10,11を案内する案内
部24,25の表面にテフロン(商品名)を被覆する。
テフロンはポリテトラフルオロエチレンであり、耐薬品
性、耐摩耗性が優れており、その摩擦係数が小さい。し
たがって前述の酸洗設備の塩素系ガス雰囲気における悪
環境下においても、金属製ブラシホルダ本体が腐食して
錆を発生することが防がれ、またブラシを円滑に整流子
に案内することができる。
【0007】さらに本考案に従えば、テフロンから成る
被覆層の厚みは、10〜100μmに選ばれ、これによ
って強度が向上され、またその厚みが薄いので、既存の
ブラシホルダにおいて被覆層が形成されたときにおいて
もブラシを案内する案内部によって円滑にブラシを案内
することが可能である。このように被覆層は薄いので、
従来から案内部内周面とブラシ外周面との間のわずかな
隙間によって、ブラシをできるだけ円滑に変位可能とし
ている既存の構成において、そのようなテフロンから成
る被覆層を形成したとき、案内部内周面とブラシ外周面
との隙間は小さくなるけれども、ブラシを円滑に移動す
ることができる。
【0008】テフロンは、前述のように耐薬品性、耐摩
耗性が優れており、さらに耐熱性に優れており、また非
粘着性が優れており、そのためブラシを円滑に移動可能
に保つことができるようになる。
【0009】
【実施例】図1は、本考案の一実施例のブラシ装置1の
側面図である。このブラシ装置1は図2に示される直流
電動機2において用いられる。本考案に従うブラシ装置
1は、図2において図解の簡略化のために1つだけ示さ
れているけれども、仮想線で示されるように複数個、整
流子3の軸線方向に配置される。直流電動機の金属製で
ある導電性支持部材4の側部には、整流子3の軸線方向
に延びる多数の平行な位置決め突起5が形成され、この
位置決め突起5に、ブラシ装置1を構成するブラシホル
ダ6の位置決め突起7が係止し、ボルト8およびナット
9の組合せによって、そのブラシホルダ6が支持部材4
に固定される。ブラシホルダ6のブラシホルダ本体23
は、この実施例では2つのブラシ10,11を各案内部
24,25内でそれぞれ案内し、これらのブラシ10,
11には可撓性のリード線12を介して支持部材4と電
気的に接続される。
【0010】ブラシ10,11は炭素から成り、あるい
は炭素粉と金属粉との混合物が形成されて成る。これら
のブラシ10,11は、ばね13のばね力によって整流
子3に圧接される。
【0011】図3は、ブラシ装置1の平面図である。ば
ね13の一端部はピン14によってブラシホルダ本体2
3に係止され、そのばね13の他端部はねじ棒15の端
部にピン16aによって係止される。このねじ棒15は
アーム16の基端部17付近にピン18によってピン結
合される。ねじ棒15には圧力調整用ナット19が螺合
する。アーム16の基端部17はピン20によってブラ
シホルダ本体23に角変位可能に支持される。アーム1
6の先端部21はブラシ10,11の頂部を弾発的に押
圧する。
【0012】図4は、図3のセクションIVの拡大した
水平断面図である。ブラシホルダ本体23は、前述のよ
うに真鍮の鋳造品であり、そのブラシホルダ本体23の
全表面には、テフロンから成る被覆層22が形成され
る。ブラシホルダ本体23に被覆層22が形成されてブ
ラシホルダ6が構成される。この被覆層22の厚みは、
10〜100μm、好ましくは20〜30μmである。
被覆層22を形成するにあたっては、テフロン塗膜をブ
ラシホルダ本体6にハケによってまたは吹付けによって
塗布して塗膜を形成し、テフロンは、たとえば熱硬化形
であり、たとえば120〜180℃、あるいは200〜
300℃の焼付け乾燥を行う。これによって強固な被覆
層22が形成される。
【0013】被覆層22の厚みは、前述のように薄いの
で、その被覆層22が形成されていない既存のブラシホ
ルダ本体6にそのまま本考案に従って被覆層22を形成
することができる。アーム16、ピン14,16a,1
8,20、ねじ棒15およびナット19などもまた、テ
フロンの被覆層が形成される。ばね13にもまたテフロ
ンの被覆層が形成されてもよいけれども、焼付け乾燥時
のばね鋼の焼きなましが行われることを防ぐために、ば
ね13にはテフロンの被覆層を形成する代りにクロムめ
っきまたは銅めっきを行い、酸洗設備などの悪環境下で
の腐食を防ぐ。このようなテフロンの被覆層22は、耐
熱性、耐薬品性、非粘着性および耐摩耗性が優れてお
り、また摩擦係数が小さく、ブラシ10,11を案内部
24,25において円滑に案内することができる。
【0014】ブラシ10の交換時には図5に示されるよ
うに、アーム16をその基端部17のピン20まわりに
図5の反時計方向に角変位し、これによってピン14,
18を結ぶ直線がピン20の軸線よりも図5の下方(す
なわちアーム16の先端部21とは反対側)に位置して
アーム16が開いた安定な状態を保つことができる。ピ
ン14,18を結ぶ直線が20の軸線よりも図1の上方
(すなわちアーム16の先端部21側)にある状態に、
アーム16の先端部21は、ブラシ10,11の頂部を
弾発的に押圧する。
【0015】図6は、本考案の他の実施例のブラシ装置
1aの側面図である。この実施例は前述の実施例に類似
し、対応する部分には同一の参照符を付す。この実施例
においてもまた、ブラシホルダ23の真鍮製ブラシホル
ダ本体6の外周面にテフロンの被覆層を形成する。その
他の構成は前述の実施例に類似する。
【0016】
【0017】図7は本考案のさらに他の実施例の連続電
気めっき設備30の縦断面図であり、図8はそのめっき
設備30の水平断面図である。めっきされるべき鋼帯3
1は、めっき槽32の硫酸銅などの電解液33に導電性
ロール34,35,36によって案内され、この電解液
33に浸漬されている電極37と導電性ロール34との
間に直流電源38を接続し、鋼帯31のめっきが行われ
る。導電性ロール34はスリップリングであるコレクタ
リング39に電気的に導通した状態で固定されており、
このコレクタリング39には本考案に従うブラシ装置1
が設けられる。ブラシ装置1は電源38の負極に接続さ
れ、電極37は陽極に接続される。
【0018】図9は、コレクタリング39の側面図であ
る。コレクタリング39の回転軸線40はロール34の
軸線41からずれており、したがってコレクタリング3
9は導電性ロール34が回転されるとき、偏心運動を行
い、このコレクタリング39の周方向に間隔をあけて設
けられている複数のブラシ装置1のブラシ10がコレク
タリング39の周面にばねによって弾発的に圧接されな
がら軸線41の近接方向および離反方向に往復変位し、
こうしてブラシ10の円滑な変位が可能となり、ブラシ
10をばね力でコレクタリング39に常時圧接させるこ
とが可能になる。このブラシ装置1は、前述の図1〜図
5に示される構成と同一であってもよく、あるいはまた
図6に示されるブラシ装置1aと同一構成であってもよ
い。
【0019】本考案は、直流電動機だけでなく、直流発
電機、同期電動機、巻線形誘導電動機、その他の発電
機、連続電気めっき設備30などの集電/給電のための
スリップリング、さらにその他の用途において広範囲に
実施することができる。
【0020】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、アーム1
6を第1ピン20の回りに角変位し第2ピン14とばね
手段13,15,18,19の前記他端部とを結ぶ直線
が、第1ピン20の軸線に関してアーム16の先端部2
1側にあるとき、そのばね力によって先端部21がブラ
シ10,11の頂部を弾発的に押圧する第1の状態が保
たれるとともに、前記直線が、第1ピン20の軸線に関
してアーム16の先端部21と反対側にあるとき、先端
部21がブラシ10,11の頂部から離間した第2の状
態に保たれ、これによってブラシ10,11をブラシホ
ルダ本体23の案内部24,25からたとえば取外すな
どして保守が容易になる。さらに本考案によれば、ブラ
シホルダ本体21の表面にポリテトラフルオロエチレン
から成る被覆層を形成することによって、ブラシホルダ
本体全体の錆の発生を防止することができ、したがって
酸洗設備などの悪環境下での寿命の延長を図ることがで
きる。従来ではたとえば酸洗設備ではブラシ装置は2年
毎に総替えしたのに対して、本考案のブラシ装置では、
その3倍程度の寿命延長をすることが可能となる。
【0021】またブラシが案内部で円滑に移動すること
ができ、そのためブラシを整流子およびスリップリング
などに常時接触させることが可能となり、これによって
火花の発生、さらにはフラッシュオーバーの現象を防ぐ
ことができる。こうして日常点検周期の延長が可能にな
り、たとえば従来では酸洗設備における電動機のメンテ
ナンス点検が毎週行う必要があったけれども、本考案に
よれば、ブラシの摩耗の点検のためにのみ月1回の点検
を行えばよくなり、メンテナンスに要する労力および費
用が軽減されることになる。
【0022】さらに従来、ブラシホルダの材料として、
比較的耐蝕性の高い真鍮を使用していたが、本考案を実
施すれば、安価な鉄系材料を使用することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のブラシ装置1の側面図であ
る。
【図2】ブラシ装置1が用いられる直流電動機2の一部
の構成を示す斜視図である。
【図3】ブラシ装置1の平面図である。
【図4】図3のセクションIVの拡大断面図である。
【図5】ブラシ装置1のメンテナンス時の状態を示す断
面図である。
【図6】本考案の他の実施例のブラシ装置1aの側面図
である。
【図7】本考案のブラシ装置1が関連して実施される連
続電気めっき設備30の簡略化した縦断面図である。
【図8】図7に示される連続電気めっき設備30の一部
の水平断面図である。
【図9】図7および図8に示される連続電気めっき設備
30のコレクタリング39付近の簡略化した側面図であ
る。
【符号の説明】
1,1a ブラシ装置 2 直流電動機 3 整流子 5 支持部材 6 ブラシホルダ 10,11 ブラシ 13 ばね 16 アーム 22 テフロンの被覆層 23 ブラシホルダ本体 30 連続電気めっき設備 34,35,36 導電性ロール 37 電極 38 直流電源 39 コレクタリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01R 39/18

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ブラシ10,11と、 (b)ブラシホルダ6であって、 (b1)ブラシ10,11をそれぞれ案内する案内部2
    4,25を有し、表面にポリテトラフルオロエチレンか
    ら成る被覆層が形成されるブラシホルダ本体23と、 (b2)基端部17は第1ピン20によってブラシホル
    ダ本体23に角変位可能に支持され、先端部21がブラ
    シ10,11の頂部を押圧するアーム16と、 (b3)一端部は第2ピン14によってブラシホルダ本
    体23に係止され、他端部はアーム16の基端部17付
    近で、アーム16の第1ピン20と前記先端部21との
    間に連結されるばね手段13,15,18,19とを有
    し、 (b4)第2ピン14とばね手段13,15,18,1
    9の前記他端部とを結ぶ直線が、第1ピン20の軸線に
    関して、アーム16の前記先端部21側にあって、ばね
    手段13,15,18,19のばね力によって前記先端
    部21がブラシ10,11の頂部を弾発的に押圧する第
    1の状態と、前記直線が、第1ピン20の軸線に関し
    て、アーム16の前記先端部21と反対側にあって、前
    記先端部21がブラシ10,11の頂部から離間した第
    2の状態を保つブラシホルダ6とを含むことを特徴とす
    るブラシ装置。
  2. 【請求項2】 被覆層は、厚み10〜100μmを有す
    ることを特徴とする請求項1記載のブラシ装置。
JP1993022697U 1993-04-28 1993-04-28 ブラシ装置 Expired - Lifetime JP2595647Y2 (ja)

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JPH0682787U JPH0682787U (ja) 1994-11-25
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