JP3787490B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼装置に係り、特にはその燃焼装置の燃焼ガスの排気技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼装置の一例として、消火の訓練をする為に、ナトリウムを燃焼させる燃焼装置が公知である。その公知の例は、日本原子力学会誌VOL.42,No.7
(2000)の第7頁から第8頁にかけて記載されている。
【0003】
そのナトリウム(以下、Naと表示する。)燃焼装置においては、図10,図11に示す様に円筒状の燃焼容器1内に燃焼パン14を据置き、燃焼パンの中にナトリウム16を入れて、これをヒータ17によって加熱することによってNaを燃焼させている。
【0004】
燃焼に必要な空気は、給気ブロワ2によって燃焼容器1下部より供給している。また、燃焼時に発生するNaエアロゾルを外部に排出するために燃焼容器1上部中央に排気口18があり、これに配管と排気ブロワ7からなる排気系が取り付けられている。
【0005】
更に、Naエアロゾルを効率よく容器外に排出するため、旋回流発生用ノズル5は燃焼容器1下方においてノズルからの空気ガスの流出方向が接線方向に成るようにノズル方向が向けられている。これに給気系の空気の一部を供給するための配管が接続されている。このノズル5やガス供給配管系によって燃焼容器1内に主旋回流である竜巻状の旋回流A1が発生するように設計されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃焼装置では、渦を発生させるのには多量のガスを供給する必要があった。
【0007】
また、渦の発生が不安定であり、燃焼時に発生するNaエアロゾル等を含む排気ガスを排出しにくいといった問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明では、主旋回流の発生手段の他に燃焼容器上部中央に補助旋回流を発生させる手段を追加する手段を講じた。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1と図2に本発明の第1実施例の構成を示す。本実施例でも、従来例と同様に燃焼容器1の内側下方に給気ブロワ2,ダンパ3,供給配管からなる給気系に接続された旋回流発生用ノズル5が燃焼場所の周囲に複数個存在し、主旋回流発生手段とされる。その燃焼場所には、燃焼パン14とヒ−タ17が配備される。そのヒ−タ17による加熱で燃焼パン14内のNa16が燃焼する構成である。その燃焼に必要な空気をダンパを介して供給配管から燃焼場所に分配している。
【0011】
燃焼容器1は円筒状であるがその上方は半球ドーム状になっている。そのドーム状の上端には排気口18が煙突のように上方へ突き出されている。従って、排気口18は燃焼容器1の上方中央に位置している。
【0012】
排気口18の内側には、補助旋回流発生手段として旋回流発生用ノズル6が旋回方向に吹出し口を向けて配備されている。そのノズル6には、給気系を構成する供給配管から分岐した配管がダンパ4を介して接続されているから、そのノズル6から給気ブロワ2により供給される空気が旋回方向へ吹出す。
【0013】
排気口18の上方には排気系が接続される。排気系は排気口18に接続された排気配管と、その排気配管に接続された排気ブロワ7から構成される。その排気ブロワ7を駆動すると、燃焼容器1内の燃焼ガスを排気口18と排気配管経由で排気出来る。
【0014】
燃焼を行う場合には、給気ブロワ2を稼動して燃焼場所と旋回流発生用ノズル5に空気を圧送する。圧送された空気は一部が燃焼に供せられ、その他は旋回流発生用ノズル5から接線方向に吹き出ることで旋回流A1を主旋回流として発生させる。
【0015】
これと同時に給気ブロワ2はダンパ4を経由して旋回流発生用ノズル6にも空気を圧送するから、旋回流発生用ノズル6から吹き出た空気が旋回流A2を補助旋回流として発生させる。Na燃焼時のエアロゾルを含む燃焼ガスが各旋回流に巻き込まれて効率良く排気ブロワ7で排気される。
【0016】
本実施例では、燃焼容器下方に取り付けられた主旋回流発生用ノズル5の他に、燃焼容器上方中央近傍にも補助旋回流発生用ノズル6が取り付いている。給気ブロワ2によって圧縮された空気は二分され、主旋回流発生用ノズル5と補助旋回流発生用ノズル6に供給される。それぞれのノズル5,6に供給される空気流量は、燃焼容器1の大きさで決められるが、ダンパ3及びダンパ4の開度調節によって流量調節が行えるようになっている。
【0017】
本実施例においては少ない流量で補助旋回流が発生し、この補助旋回流によって主旋回流が誘起されるので、小さな流量で確実に主旋回流を作ることが出来る。
【0018】
図3,図4,図5に本発明の第2実施例の構成を示す。本実施例においては、燃焼容器1の上部中央に補助旋回流A2を作る手段として旋回流A2発生用ベーン8が取り付けてある。補助旋回流発生用ベーン8は、図5のように、上端及び下端が閉じられ、内側円筒19と外側円筒20で囲まれた環状流路21内にあり、その向きは内側円筒の接線方向になっている。また、内側円筒19の側壁にはスリットが切られている。
【0019】
排気ブロワ7から供給される排気ガスは環状流路に入り、隣接するベ−ン8の間を通過した後スリットを通して排気口18内に流出する。排気ガスがベーン8間を通過する時に接線方向に整流されるので排気ガスの流出方向も接線方向になり、この結果、容器1の出口近傍に補助旋回流A2が発生する。
【0020】
なお、補助旋回流A2発生用ベーン8に供給される排気ガスの流量は、実験で予め決定しておき、ダンパ9及びダンパ10の開度調節によって流量調節が行えるようになっている。
【0021】
その他の構成と作用は既述の第1実施例と同じである。
【0022】
図6,図7に本発明の第3実施例の構成を示す。本実施例においては、燃焼容器1上部中央に存在する排気口18に補助旋回流A2を作る手段として穴の開いた板からなる旋回流A2発生用スロート11が取り付けてある。
【0023】
そのスロート11の穴の大きさは、流動抵抗が過大にならない様に設定しておく。この旋回流A2発生用スロート11は、燃焼容器1出口部に、燃焼容器内から燃焼容器の排気口上方に向かう強い吸込み流を作るために設けられる。強い吸込み流を作ることを可能とするため、旋回流A2発生用スロート11の下流側で排気ガスの一部を再循環用ブロワ12で引き込み、旋回流A2発生用スロート
11の上流側、即ち燃焼容器1内であってスロート11よりも低い部所にダンパ10で調整した流量を戻す配管経路と再循環ガス吐出口を設けている。この再循環流によって、燃焼容器内が過度の負圧となり難い上、旋回流A2発生用スロート11の穴の上流側に竜巻状の補助旋回流A2が発生する。
【0024】
その他の構成と作用は既述の第1実施例と同じである。
【0025】
図8,図9に本発明の第4実施例の構成を示す。本実施例は、燃焼容器1内の周方向流れの循環強度を大きくするために、既述の第3実施例の燃焼容器1の内周に沿って複数台の旋回流A1発生用ブロワ13を主旋回流発生手段として配置したものである。この実施例では給気ブロワ2が空気を供給する先は燃焼場所のみとなる。
【0026】
各旋回流A1発生用ブロワ13においては、燃焼容器1内のガスを接線方向に吸込み、旋回流A1発生用ブロワ13で加圧した後再び燃焼容器1内へ接線方向へ吹出して戻す様にしてある。本実施例によれば、主旋回流である旋回流A1をより強くすることが出来る。
【0027】
その他の構成と作用は第3実施例と同じである。
【0028】
本発明の各実施例によれば、排気口近傍に補助旋回流を発生させて主旋回流を迅速且つ確実に安定した旋回流に発達させて、旋回流と排気の合成力で竜巻のような流れを作って燃焼時のNaエアロゾルを旋回中心に集めて排気出来る。
【0029】
その補助旋回流は旋回半径が小さくて少ない風量で発生させることができる。そのため、主旋回流発生手段から大量の風量を吹出して旋回を勢いの良い安定した状態に維持するのに比べて少ない流量で旋回流を確実に発生させる事ができる。よって、主旋回流発生手段に多量のガスを流さなくてもよく、各ブロワの容量が少なくてよく、経済的でもある。
【0030】
本発明の各実施例によれば、少ない流量で燃焼容器内の旋回流を確実に安定的に発生させる事が出来る。
【0031】
さらには、本発明の各実施例によれば少ない流量で初期の渦を作ることが出来、多量のガスを流す必要がなくなる。この結果、先に述べた各ブロワばかりか、ダンパ,配管等、ガスの給気ライン,排気ラインの構成をコンパクトなものとすることが出来る。また、渦の発生時期と発生位置が安定化するため、渦の発生時期と規模を制御し易くなる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、極力少ない流量で旋回流を確実に発生させ燃焼ガスを確実に排気出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるNa燃焼装置の縦断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明の第2実施例によるNa燃焼装置の縦断面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】図3の旋回流発生用ベーンの斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例によるNa燃焼装置の縦断面図である。
【図7】図6のA−A矢視図である。
【図8】本発明の第4実施例によるNa燃焼装置の縦断面図である。
【図9】図8のA−A矢視図である。
【図10】従来のNa燃焼装置の縦断面図である。
【図11】図10のA−A矢視図である。
【符号の説明】
1…燃焼容器、2…給気ブロワ、5…旋回流A1発生用ノズル、6…旋回流
A2発生用ノズル、7…排気ブロワ、8…旋回流A2発生用ベーン、11…旋回流A2発生用スロート、12…再循環用ブロワ、13…旋回流A1発生用ブロワ、14…燃焼パン、16…ナトリウム、17…ヒータ、18…排気口、19…内側円筒、20…外側円筒、21…環状流路。

Claims (4)

  1. ナトリウムの燃焼場所を含む領域を囲む唯一の容器と、前記燃焼場所に燃焼に必要な空気をダンパを介して供給する空気の供給手段と、前記容器の内側に前記燃焼場所の周囲に装備されて前記容器内に旋回流を発生させる主旋回流発生手段と、前記容器の上部に装備された排気口と、前記排気口に接続されて前記容器内のガスを排出する排気手段と、前記排気口又はその近傍に装備されて旋回流を発生させる補助旋回流発生手段とを備えたナトリウム燃焼装置。
  2. 請求項1において、補助旋回流発生装置は、旋回流の旋回方向に吹出し口を向けられたスリットと、前記スリット内に風圧を供給する手段とを備える補助旋回流発生手段とを備えたナトリウム燃焼装置。
  3. 請求項1において、補助旋回流発生装置は、排気口に装備されたスロートと、前記スロートよりも低い前記容器内の箇所に排気を戻す手段とを備える補助旋回流発生手段とを備えたナトリウム燃焼装置。
  4. 請求項1又は請求項2又は請求項3において、主旋回流発生手段は、旋回方向へ吹出し方向を向けた複数のブロワであるナトリウム燃焼装置。
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