JP3785182B2 - コンバイン - Google Patents

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本発明は穀稈を連続的に刈取って脱穀するコンバインに関する。
従来、刈取部に隣接させてキャビンを装設させる技術がある(特許文献1参照)。
実開平5−7041号公報
ところが、刈取部とキャビンの間にキャビンの前方回動スペースを確保することによって、収穫作業時に刈取部とキャビンが離反して作業視界の確保などが不充分になる等の不具合がある。
そこで、本発明は、作業者が搭乗するキャビンを備え、左右の前支柱並びに左右の後支柱を機台上に立設固定させ、前支柱上端に支点フレームを横架させ、支点軸及び左右の前防振部材を備える回動支点を介して支点フレームに前記キャビンの前側下面であって、前記キャビン前端よりも所定間隔だけ後方の下面を連結させると共に、前記回動支点を中心に前記キャビンを前方に回動自在に取付けたコンバインであって、前記キャビンの前面左側の角隅部に凹部を形成し、キャビンを前方回動時に刈取部の稈ガイド板を前記凹部に入り込ませるようにすると共に、前記キャビンの前面壁に凹部を形成し、キャビンを前方回動時に前面壁の凹部を刈取部の引起しケースの上端部に対設させたコンバインを提供するものである。
本発明では、作業者が搭乗するキャビンを備え、キャビンの前下側に設ける回動支点を中心に前記キャビンを前方に回動自在に取付けるコンバインにおいて、前記キャビンの前面左側の角隅部に凹部を形成し、キャビンを前方回動時に刈取部の稈ガイド板を前記凹部に入り込ませるようにすると共に、前記キャビンの前面壁に凹部を形成し、キャビンを前方回動時に前面壁の凹部を刈取部の引起しケースの上端部に対設させている。
従って、回動支点を中心に前方に回動させるキャビンに、刈取部の構成部材である稈ガイド板を入り込ませる凹部を設けているため、刈取部とキャビンの間にキャビンの前方回動スペースを確保することによって収穫作業時に刈取部とキャビンが離反して作業視界の確保などが不充分になる等の不具合をなくし、収穫作業時に刈取部とキャビンを近接させて作業視界の確保などを図れる構造であり乍ら、キャビンの支持構造の簡略化を図ることができる。しかも、引起しケース上端部との当接を回避し乍らキャビンの前方回動角度を容易に大きく形成でき、キャビン前方回動時の作業性を容易に向上させることができると共に、例えば刈取部をキャビンと反対側に水平回転軸を中心にしてサイドオープン移動させた後にキャビンの前方回動を可能にする等の面倒な操作を不要となすことができる。
また、左右の前支柱並びに左右の後支柱を機台上に立設固定させ、前支柱上端に支点フレームを横架させ、支点軸及び左右の前防振部材を備える回動支点を介して支点フレームに前記キャビンの前側下面を連結させたので、キャビンの防音・防熱構造を容易に構成できると共に、エンジンの保守作業のためのキャビン回動を容易に行うことができる。さらに、キャビン前端よりも所定間隔だけ後方に回動支点を配置させるから、回動支点の防振効果の確保を容易に行える。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1はキャビンの右側面図、図2は全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)上に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は昇降支点筒軸(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は運転操作部(19)及び運転席(20)を備えるキャビン、(21)は運転席(20)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
また、図4乃至図6に示す如く、操向及び昇降用操作レバー(22)をフロントコラム(23)に設けると共に、走行主変速レバー(24)、走行副変速レバー(25)、刈取クラッチレバー(26)及び脱穀クラッチレバー(27)をサイドコラム(28)に設けるもので、前記キャビン(18)内部の前側及び左側に各コラム(23)(28)を配設させて操作部(19)を構成している。
また、前記キャビン(18)を刈取部(8)の左側に装設させ、キャビン(18)右側面に作業者乗降用ドア(29)を開閉自在に取付け、キャビン(18)を前方下部の回動支点(30)を中心にして前方に回動自在に設ける。また前記刈取部(8)の5条用引起しケース(31)…上端に引起しゲート(32)を取付け、穀稈を移送案内する稈ガイド板(33)を前記ゲート(32)後面側に設ける。そして、前記キャビン(18)前面壁に凹部(34)を形成し、キャビン(18)を前方回動時に前面壁の凹部(34)を刈取部(8)の引起しケース(31)上端部に対設させると共に、前記キャビン(18)の前面左側の角隅部に凹部(35)を形成し、キャビン(18)を前方回動時に刈取部(8)の稈ガイド板(33)を前記凹部(35)に入り込ませるもので、引起しケース(31)上端部との当接を回避し乍らキャビン(18)の前方回動角度を容易に大きく形成でき、キャビン(18)前方回動時の作業性を容易に向上させることができると共に、例えば刈取部(8)をキャビン(18)と反対側に水平回転軸(36)を中心にしてサイドオープン移動させた後にキャビン(18)の前方回動を可能にする等の面倒な操作を不要にしたものである。
上記のように、回動支点(30)を中心に前方に回動させるキャビン(18)に、刈取部(8)の構成部材である稈ガイド板(33)を入り込ませる凹部(35)を設ける。そして、刈取部(8)とキャビン(18)の間にキャビン(18)の前方回動スペースを確保することによって収穫作業時に刈取部(8)とキャビン(18)が離反して作業視界の確保などが不充分になる等の不具合をなくし、収穫作業時に刈取部(8)とキャビン(18)を近接させて作業視界の確保などを図れる構造であり乍ら、キャビン(18)の支持構造の簡略化を行う。
また、刈取部(8)を縦軸である水平回転軸(36)回りにサイドオープン移動させると共に、キャビン(18)を横軸である回動支点(30)回りに前方回動させるもので、水平回転軸(36)回りの移動によって刈取部(8)を脱穀部(4)前側から離反させ、回動支点(30)回りの回動によってキャビン(18)を下側のエンジン(21)などから離反させ、脱穀部(4)前側とエンジン(21)上側の両方を大きく開放させ、メンテナンス作業性の向上などを図る。
さらに、左右走行クローラ(2)(2)を駆動する走行ミッションケース(37)を機台(3)前部に設け、エンジン(21)の出力プーリ(38)にベルト(39)を介して連結させる入力プーリ(40)と、刈取部(8)の各部を駆動する刈取駆動プーリ(41)を、前記ミッションケース(37)左側面に設けると共に、脱穀部(4)各部を駆動する脱穀入力プーリ(42)を備え、テンションプーリ型脱穀クラッチ(43)及びベルト(44)を介して前記出力プーリ(38)に脱穀入力プーリ(42)を連結させる。
さらに、図7乃至図9に示す如く、左右の前支柱(45)(46)並びに左右の後支柱(47)(48)を機台(3)上に立設固定させ、前支柱(45)(46)上端に支点フレーム(49)を横架させ、支点軸(50)及び左右の前防振部材(51)(51)を備える回動支点(30)を介して支点フレーム(49)に前記キャビン(18)の前側下面を連結させると共に、支点フレーム(49)左側端と左側の後支柱(47)に前後端をボルト止め固定させる台フレーム(52)を備え、機台(3)に装設させるエンジン(21)及びミッションケース(37)の上側で前後方向に台フレーム(52)を架設させ、前記台フレーム(52)にキャビン(18)を取付けたもので、キャビン(18)の独立性を高めるユニット化を容易に行うことができ、キャビン(18)の防音・防熱構造を容易に構成できると共に、エンジン(21)の保守作業のためのキャビン(18)回動を容易に行うことができるものである。
上記のように、キャビン(18)の前部下側に設ける回動支点(30)を防振部材で兼用したもので、キャビン(18)の独立性を高めるユニット化を行い、キャビン(18)の防振及び回動支持構造を容易に構成すると共に、例えばエンジン(21)などの保守作業のためのキャビン(18)回動を行い、キャビン(18)の支持構造の簡略化を行う。
また、ボルト止め連結させるブラケット(53)(54)を介してミッションケース(37)に台フレーム(52)の前後長中間を連結させて互の強度を向上させると共に、前記エンジン(21)の右側に冷却用ラジエータ(55)を配設させ、右側の後支柱(48)前側と機台(3)上面間にL形のラジエータフレーム(56)を固定させ、該フレーム(56)にラジエータ(55)を取付けるもので、左右の後支柱(47)(48)間に平板形連結材(57)を一体固定させ、支点フレーム(49)とラジエータフレーム(56)間に連結材(58)を固定させることにより、台フレーム(52)及びラジエータフレーム(56)を平面視四角枠構造の一部として強固に構成できる。
上記のように、回動支点(30)を設ける支点フレーム(49)に前側を連結させる機体フレームである台フレーム(52)を後方に延設させ、ミッションケース(37)の上方を通過させる台フレーム(52)中間にミッションケース(37)上側を連結させるもので、回動支点(30)とミッションケース(37)を台フレーム(52)に連結させることにより、回動支点(30)のキャビン(18)支持剛性とミッションケース(37)の支持剛性を互に向上させ、キャビン(18)及びミッションケース(37)の支持構造の簡略化を行う。
また、後支柱(48)とラジエータフレーム(56)間にエアクリーナフレーム(59)を一体固定させ、該フレーム(59)にエンジン吸気用エアクリーナ(60)を固設させ、ラジエータ(55)上方にエアクリーナ(60)を配置させると共に、前記台フレーム(52)後端部及びエアクリーナフレーム(59)に左右の後防振部材(61)(61)を設けるもので、エンジン(21)よりも高位置の各フレーム(52)(59)間で右側寄りにエアクリーナ(60)を配置させ、エアクリーナ(60)のメンテナンスを容易に行える構成にしている。
また、左側の後防振部材(61)よりも高い位置に右側の後防振部材(61)を設け、キャビン(18)の右側底面(62)を高くして下方のエアクリーナ(60)の取付スペースが確保できると共に、キャビン(18)の左側底面(63)を低くしてサイドコラム(28)からの操作ワイヤ及び電気配線の取出が容易に行え、しかも運転席(20)を載せるキャビン(18)の中央底面(64)を左右よりも低くして作業者座乗時の重心低下並びにキャビン(18)底部剛性向上を図っている。
また、後防振部材(61)(61)に比べ、刈取部(8)と反対側の右側方に前防振部材(51)(51)を偏位させて設け、サイドコラム(28)前方のキャビン(18)左前角隅部の凹部(35)を大きく形成できるように構成し、キャビン(18)の前方回動角度を大きくし、かつキャビン(18)前面と刈取部の干渉を防止している。
さらに、図10及び図11に示す如く、前記支点フレーム(49)にボルト止め固定する前防振部材(51)の円筒形ケース部に円筒形防振ゴム(65)を介して支点軸(50)端部を回転自在に軸支させると共に、支点軸(50)に支点ブラケット(66)…を介してキャビン(18)の前底板(67)を連結させ、回動支点(30)を前防振部材(51)で兼用し、キャビン(18)の回動支持と防振支持を各別に行う構造に比べて部品数を少なくして簡単な構成にできると共に、左右の前防振部材(51)(51)の幅内でサイドコラム(28)よりも右側に前記ブラケット(66)を配置させ、サイドコラム(28)の前部下側に空間(68)を確保して刈取部(8)または機台(3)側との干渉を防止している。また、支点軸(50)の軸芯方向に融通性があるから、固定形の防振構造に比べてねじれ発生を妨げると共に、図7などに示す如く、キャビン(18)前端よりも所定間隔だけ後方に回動支点(30)を配置させるから、回動支点(30)の防振効果の確保を容易に行える。
さらに、図12及び図13に示す如く、前記各フレーム(52)(59)に防振ブラケット(69)(69)を一体固定させ、該ブラケット(69)(69)に後防振部材(61)(61)を取付けるもので、ブラケット(69)を上下から挾む二割り形の防振ゴム(70)(71)と、座板(72)とナット(73)間に防振ゴム(70)(71)を締結するボルト(74)を、後防振部材(61)に備えるもので、前記ボルト(74)の頭部(75)に係止ピン(76)を植設させ、キャビン(18)を機台(3)側に係脱自在に連結させるロック部材(77)を前記ボルト(74)及びピン(76)によって形成する。そして、キャビン(18)後部を支持する後防振部材(61)にロック部材(77)を設け、防振部材(61)の防振支持位置とロック部材(77)の係合位置を一致させてロック部材(77)の係合を確実に行わせることができ、防振作用及び係合作用が互に損なわれるのを容易に防止できるものである。
上記のように、作業者が搭乗するキャビン(18)を備え、キャビン(18)の前部下側に設ける回動支点(30)を中心に前記キャビン(18)を前方に回動自在に取付けるコンバインにおいて、前記キャビン(18)後部を支持する防振部材(61)を介してキャビン(18)を機体側に係脱自在に連結させるロック部材(77)を設けたもので、防振部材(61)の防振支持とロック部材(77)の係合を適正に行わせ、防振作用及び係合作用が互に損なわれるのを防止し、ロック及び防振構造を備えるキャビン(18)の支持構造の簡略化を行う。
また、前防振部材(51)の防振ゴム(65)のバネ定数に比べ、後防振部材(61)の防振ゴム(70)(71)のバネ定数を大きく形成したもので、回動支点(30)となる前方の防振ゴム(65)は、キャビン(18)前方回動によって荷重が加わっても、たわみ量が少なく、安定したキャビン(18)の前方回動が行えると共に、キャビン(18)の防振支持は、前方側では機台(3)等のフレームの可撓性変形がバネ作用となり、前後の防振支持バランスを良好に得られる。
また、キャビン(18)の底面(62)(63)下面側に上載フレーム(78)(78)を一体固定させ、座板(72)上面に前記フレーム(78)下面を当接させ、ボルト(74)の頭部(75)を前記フレーム(78)上面側に突出させると共に、前記フレーム(78)上面に支点ブラケット(79)を立設させ、該ブラケット(79)に軸(80)を介してフック(81)を回転自在に取付ける。そして、キャビン(18)後面に軸(82)を介して基板(83)を回転自在に設け、基板(83)に解除レバー(84)を一体固定させると共に、前記基板(83)を左右の各フック(81)(81)にロッド(85)(85)を介して連結させ、前記レバー(84)の回転操作によってフック(81)を揺動させ、前記係止ピン(76)にフック(81)を係脱させる。また、係止ピン(76)にフック(81)を係合させるとき、フック(81)によってボルト(74)を上方に引上げ、座板(72)を介して上載フレーム(78)を防振ゴム(70)(71)側に圧着させ、防振ゴム(70)(71)のバネ力によって係止ピン(76)をフック(81)に係合支持させ、機械振動などによってフック(81)が離脱するのを防止し、安全性を向上させ、しかもフック(81)のロック支持用バネなどが不要であると共に、図12のように左右のロッド(85)(85)及びフック(81)(81)の引張り方向が逆であるから、フック(81)のロック位置での支持を確実に行え、しかもフック(81)またはピン(77)が係合時に逃げる動作を防いで操作性を向上させる。
また、図1の如く、前記解除レバー(84)をキャビン(18)後面外側に取付け、キャビン(18)の外部でレバー(84)操作を行うことにより、安全性を向上させる。なお、前記レバー(84)をキャビン(18)内部の運転席(20)後側に取付けることも行え、運転席(20)の作業者が後方に振り換えるだけでレバー(84)のロック解除操作またはロック確認が行える。
さらに、図12及び図14に示す如く、前記レバー(84)がピン(77)とフック(81)の係合位置に支持されているか否かを検出するスイッチ(86)を設け、前記レバー(84)がピン(77)とフック(81)の係合位置以外に支持されていて、フック(81)がピン(77)から離脱しているとき、前記スイッチ(86)出力に基づきコントローラ(87)を介してエンジン停止アクチュエータ(88)を作動させ、エンジン(21)を停止維持し、ピン(77)とフック(81)が外れているキャビン(18)ロック解除状態での走行作業を防ぎ、安全性を向上させている。
キャビンの右側面図。 全体の側面図。 同平面図。 キャビンの正面図。 同平面図。 運転操作部の側面図。 台フレーム部の側面図。 同平面図。 同正面図。 前防振部材部の正面図。 同正面図。 後防振部材部の正面図。 同拡大図。 エンジン停止制御回路図。
符号の説明
(8) 刈取部
(18) キャビン
(30) 回動支点(横軸)
(33) 稈ガイド板(構成部材)
(35) 凹部
(36) 水平回転軸(縦軸)
(37) ミッションケース
(49) 支点フレーム
(52) 台フレーム(機体フレーム)
(61) 後防振部材
(77) ロック部材

Claims (1)

  1. 作業者が搭乗するキャビン(18)を備え、左右の前支柱(45)(46)並びに左右の後支柱(47)(48)を機台(3)上に立設固定させ、前支柱(45)(46)上端に支点フレーム(49)を横架させ、支点軸(50)及び左右の前防振部材(51)(51)を備える回動支点(30)を介して支点フレーム(49)に前記キャビン(18)の前側下面であって、前記キャビン(18)前端よりも所定間隔だけ後方の下面を連結させると共に、前記回動支点(30)を中心に前記キャビン(18)を前方に回動自在に取付けたコンバインであって、
    前記キャビン(18)の前面左側の角隅部に凹部(35)を形成し、キャビン(18)を前方回動時に刈取部(8)の稈ガイド板(33)を前記凹部(35)に入り込ませるようにすると共に、
    前記キャビン(18)の前面壁に凹部(34)を形成し、キャビン(18)を前方回動時に前面壁の凹部(34)を刈取部(8)の引起しケース(31)の上端部に対設させたコンバイン。
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