JP3783798B2 - 電磁式打撃装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、さく岩機やブレーカ等に使用される電磁式打撃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、さく岩機やブレーカ等の打撃装置に使用される往復打撃機構では、油圧や空圧によりシリンダ内のピストンを前後方向に往復動させ、ロッドやチゼル等の工具を打撃している。
【0003】
空圧式打撃装置は、機構が簡単で安価であるが、排気による騒音が大きく、また、エネルギーの利用効率が極めて低い。
油圧式打撃装置は、空圧式打撃装置に比べればエネルギーの利用効率が高いが原動機、油圧ポンプを含めたエネルギーの利用効率は、回転式電動機に比較するとまだ低い。
【0004】
また、作動流体の圧力源として、空圧の場合はコンプレッサー、油圧の場合は原動機、油圧ポンプを設けるため、設備が大型化する。
しかも、油圧及び空圧式の打撃装置の場合、ピストンの運動制御も作動流体を利用して行っているので、使用する条件に合わせて、ピストンの作動を細かく制御することは困難である。
【0005】
そこで、シリンダにリニアモータの固定子を設け、磁性体であるピストンをリニアモータの可動子とした往復打撃機構を備えた電磁式打撃装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さく岩機やブレーカ等の打撃機構では、ピストンを高い周波数で往復させ、被破砕物を破砕可能な打撃力を発生させるピストン速度が必要であるので、強いピストンの推進力が要求される。
【0007】
しかしながら、従来のリニヤモータを用いた電磁式打撃装置では、さく岩機やブレーカ等が必要とするピストンの推進力を得ることは困難であり、工具を打撃する際の打撃力が不足するという問題があった。
【0008】
本発明は、さく岩機やブレーカ等の打撃装置におけるかかる問題を解決するものであって、エネルギーの利用効率が高く、ピストンの運動制御が容易で、強いピストンの推進力を得ることのできる電磁式打撃装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、シリンダにリニアモータの固定子を設け、鋼製のピストンをリニアモータの可動子とする往復打撃機構を備えた打撃装置において、前記ピストンに、複数の永久磁石を、互いに前後方向に離間し同極が対向するよう配設するとともに、前記永久磁石とピストンの外周との間に、非磁性体製の衝撃吸収用のダンパーを挿入することにより上記課題を解決している。
【0010】
電磁式打撃装置を駆動する場合には、リニアモータの固定子のコイルに電流が供給され、通電したコイル内には電流による磁界が発生してリニアモータの可動子であるピストンを前後方向に往復動させる。
【0011】
リニアモータの可動子には、複数の永久磁石が、互いに前後方向に離間し同極が対向するように配設されているので、ピストンには強い推進力が与えられ、さく岩機やブレーカが必要とする打撃力を得ることができる。
そして、永久磁石とピストンの外周との間に非磁性体製の衝撃吸収用のダンパーを設けることにより、磁束の漏れを防いで推進力を有効に発揮させることができ、打撃した際の衝撃から永久磁石を保護する役目も果たすことができる。
【0012】
リニアモータの固定子はコイルを多段に設け、各コイルへの通電を可動子の移動に対応して順次切換えるようにすることにより、広い範囲で強い推進力が得られ、ピストン速度を高速にしてより大きな打撃力が得られるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態を示す電磁式打撃装置を用いたブレーカの構成の説明図、図2乃至図9はピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図、図10はピストン及びコイルの下半部の磁力線の解析結果の説明図である。
【0014】
このブレーカ1では、シリンダ2の前方(図上左方)にフロントヘッド11とフロントカバー13とが取付けられており、このフロントヘッド11の前端部にはロッド12がロッドピン14で規制されて所定距離前後摺動可能に挿着されている。シリンダ6の後方にはバックヘッド15が設けられている。
【0015】
シリンダ6内に設けられたピストン2は、前後の小径の部分が、シリンダ6の前端部に設けられた軸受9とバックヘッド15に設けられた軸受10とでシリンダ6内を前後に移動可能に支持されている。
【0016】
シリンダ6には、強磁性体からなる固定子励磁鉄心8で覆われた円筒状のコイル7が、前後方向に6段設けられており、これがリニアモータの固定子となっている。各コイル7は、電源制御装置17に接続され電流を供給される。
【0017】
シリンダ6に設けられたピストン2は、鋼製でリニアモータの可動子となっており、このピストン2の中央の大径の部分の外周上には、4個の永久磁石3が、互いにピストン2の軸方向に離間し同極が対向するよう配設されている。各永久磁石3の間には、リング状の可動子励磁鉄心4が装着されている。永久磁石3及び可動子励磁鉄心4とピストン2の外周との間には、衝撃吸収と磁束の漏れを防止するためのダンパー5が挿入されている。ここでダンパー5はウレタンゴムを用いているが、他の合成ゴムや天然ゴムを用いることもできる。
【0018】
バックヘッド15には、ピストン2が前後に往復動するときのピストン2の後端の位置を検出するピストン位置検出装置16が設けられており、このピストン位置検出装置16は電源制御装置17に接続されている。
【0019】
このブレーカ1において、コイル7に電流が供給されていない状態では、図2に示すように、ピストン2は永久磁石3の磁力により、永久磁石3と固定子励磁鉄心8とが最も近接する位置に保たれている。
【0020】
ブレーカ1を駆動する場合には、ピストン2に設けた永久磁石3及び可動子励磁鉄心4に臨む位置にあるコイル7に電源制御装置17から電流を供給する。
ここで、前端の永久磁石3から後端の永久磁石3までの距離は、コイル7の前後の幅の約3倍となっているので、図3に示すように3箇所のコイル7に通電される。3箇所のコイル7の通電方向は、ピストン2の下側において、前後のコイル7が紙面の裏側から表側、中央のコイル7は紙面表側から裏側となっている。
【0021】
このとき、図10に示すように、個々の固定子励磁鉄心8の後端部と可動子励磁鉄心4の前端部の間に磁束が密集しており、且つ斜めに流れているので、磁気エネルギーに勾配が発生しピストン3には推進力が作用する。磁束が斜めに流れた場合、それを真っ直ぐに流そうとする方向に力が働くから、ピストン2に作用する推進力の方向は前方となる。
【0022】
ここで、鋼製のピストン2は強磁性体であるから、通常の状態では磁束がピストン2の方に漏れて有効に力が発揮できなくなる。永久磁石3及び可動子励磁鉄心4とピストン2の外周との間挿入されているダンパー5は非磁性体であるので、この磁束の漏れを防いで推進力を有効に発揮させる。またダンパー5はピストン2がロッド12を打撃した際の衝撃から永久磁石3を保護する役目も果たしている。
【0023】
コイル7に通電してピストン2に前方への推進力が与えられると、ピストン2は前進を開始する。ピストン2が前進を続けコイル7の幅だけ移動すると、後端の永久磁石3が、通電中の3箇所のコイル7のうちで最も後方のコイル7内を通過してしまう。ピストン位置検出装置16がこの位置を検出すると、電源制御装置17は、図4に示すように、通電中の3箇所のコイル7のうちで最も後方のコイル7への通電を停止し、他の2箇所のコイル7への通電の方向を切換え、それまで通電していたコイル7より1つ前方のコイル7へ新たに通電を開始する。新たに通電されている3箇所のコイル7の通電方向は、ピストン2の下側において、前後のコイル7が紙面の裏側から表側、中央のコイル7は紙面表側から裏側となっており、ピストン2には前方への推進力が作用する。
【0024】
以後、各コイル7への通電をピストン2の移動に対応して順次切換えて、ピストン2を加速させてゆく。
ピストン2が前進を続け、ピストン2の先端がロッド12の後端の位置に達すると、図5に示すように、ピストン2がロッド12を打撃する。ピストン位置検出装置16がこの位置を検出すると、電源制御装置17は、図6に示すように、各コイル7への通電を逆向きに切換える。すなわちロッド12からの反力を受けるのと同時に、ピストン2への推進力は後方に向けて作用するようになり、ピストン2は後退を開始する。
【0025】
ピストン2の後退行程においても、前進行程の場合と同様に各コイル7への通電をピストン2の移動に対応して順次切換えて、ピストン2を加速させてゆく。ピストン2が所定の位置まで後退し、ピストン位置検出装置16がこの位置を検出すると、電源制御装置17は、図7に示す状態から、各コイル7への通電を逆向きに切換える。そこでピストン2への推進力は図8に示すように、前方に向けて作用するようになる。ピストン2は慣性により後方への移動を続けるが、次第に減速してやがて停止し、図9に示す状態となって再び前進行程にはいる。以後同様のサイクルが繰り返される。
【0026】
ピストン2が後退する際のピストン2への推進力を後方から前方へと切換える位置を変更することにより、ピストン2のストロークを変化させ、ピストン2がロッド12を打撃するときの速度を制御することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電磁式打撃装置は、機構が簡単で必要な設備も少なくてすみ、また、電磁力を推進力とするため空圧式や油圧式の打撃装置に比べてエネルギーの利用効率が高く、省エネルギー効果が大きい。リニアモータの可動子に、複数の永久磁石を、互いに前後方向に離間し同極が対向するよう配設するとともに、永久磁石とピストンの外周との間に磁束の漏れを防ぐことができる非磁性体製の衝撃吸収用のダンパーを設けていて大きなピストンの推進力を得ることができるので、さく岩機やブレーカ等の打撃装置において、必要とする大きな打撃力を工具に与えることができる。ピストンのストロークや速度は電気的に制御することができるので操作が容易となる。
また、衝撃吸収用のダンパーは、磁束の漏れを防ぐだけではなく、打撃した際の衝撃から永久磁石を保護する役目も果たすことができる。
【0028】
リニアモータの固定子はコイルを多段に設け、各コイルへの通電を可動子の移動に対応して順次切換えるようにすることにより、広い範囲で強い推進力が得られ、ピストン速度を高速にしてより大きな打撃力が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す電磁式打撃装置を用いたブレーカの構成の説明図である。
【図2】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図3】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図4】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図5】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図6】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図7】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図8】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図9】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図10】ピストン及びコイルの下半部の磁力線の解析結果の説明図である。
【符号の説明】
1 ブレーカ
2 ピストン
3 永久磁石
4 可動子励磁鉄心
5 ダンパー
6 シリンダ
7 コイル
8 固定子励磁鉄心
9 軸受
10 軸受
11 フロントヘッド
12 ロッド
13 フロントカバー
14 ロッドピン
15 バックヘッド
16 ピストン位置検出装置
17 電源制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、さく岩機やブレーカ等に使用される電磁式打撃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、さく岩機やブレーカ等の打撃装置に使用される往復打撃機構では、油圧や空圧によりシリンダ内のピストンを前後方向に往復動させ、ロッドやチゼル等の工具を打撃している。
【0003】
空圧式打撃装置は、機構が簡単で安価であるが、排気による騒音が大きく、また、エネルギーの利用効率が極めて低い。
油圧式打撃装置は、空圧式打撃装置に比べればエネルギーの利用効率が高いが原動機、油圧ポンプを含めたエネルギーの利用効率は、回転式電動機に比較するとまだ低い。
【0004】
また、作動流体の圧力源として、空圧の場合はコンプレッサー、油圧の場合は原動機、油圧ポンプを設けるため、設備が大型化する。
しかも、油圧及び空圧式の打撃装置の場合、ピストンの運動制御も作動流体を利用して行っているので、使用する条件に合わせて、ピストンの作動を細かく制御することは困難である。
【0005】
そこで、シリンダにリニアモータの固定子を設け、磁性体であるピストンをリニアモータの可動子とした往復打撃機構を備えた電磁式打撃装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さく岩機やブレーカ等の打撃機構では、ピストンを高い周波数で往復させ、被破砕物を破砕可能な打撃力を発生させるピストン速度が必要であるので、強いピストンの推進力が要求される。
【0007】
しかしながら、従来のリニヤモータを用いた電磁式打撃装置では、さく岩機やブレーカ等が必要とするピストンの推進力を得ることは困難であり、工具を打撃する際の打撃力が不足するという問題があった。
【0008】
本発明は、さく岩機やブレーカ等の打撃装置におけるかかる問題を解決するものであって、エネルギーの利用効率が高く、ピストンの運動制御が容易で、強いピストンの推進力を得ることのできる電磁式打撃装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、シリンダにリニアモータの固定子を設け、鋼製のピストンをリニアモータの可動子とする往復打撃機構を備えた打撃装置において、前記ピストンに、複数の永久磁石を、互いに前後方向に離間し同極が対向するよう配設するとともに、前記永久磁石とピストンの外周との間に、非磁性体製の衝撃吸収用のダンパーを挿入することにより上記課題を解決している。
【0010】
電磁式打撃装置を駆動する場合には、リニアモータの固定子のコイルに電流が供給され、通電したコイル内には電流による磁界が発生してリニアモータの可動子であるピストンを前後方向に往復動させる。
【0011】
リニアモータの可動子には、複数の永久磁石が、互いに前後方向に離間し同極が対向するように配設されているので、ピストンには強い推進力が与えられ、さく岩機やブレーカが必要とする打撃力を得ることができる。
そして、永久磁石とピストンの外周との間に非磁性体製の衝撃吸収用のダンパーを設けることにより、磁束の漏れを防いで推進力を有効に発揮させることができ、打撃した際の衝撃から永久磁石を保護する役目も果たすことができる。
【0012】
リニアモータの固定子はコイルを多段に設け、各コイルへの通電を可動子の移動に対応して順次切換えるようにすることにより、広い範囲で強い推進力が得られ、ピストン速度を高速にしてより大きな打撃力が得られるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態を示す電磁式打撃装置を用いたブレーカの構成の説明図、図2乃至図9はピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図、図10はピストン及びコイルの下半部の磁力線の解析結果の説明図である。
【0014】
このブレーカ1では、シリンダ2の前方(図上左方)にフロントヘッド11とフロントカバー13とが取付けられており、このフロントヘッド11の前端部にはロッド12がロッドピン14で規制されて所定距離前後摺動可能に挿着されている。シリンダ6の後方にはバックヘッド15が設けられている。
【0015】
シリンダ6内に設けられたピストン2は、前後の小径の部分が、シリンダ6の前端部に設けられた軸受9とバックヘッド15に設けられた軸受10とでシリンダ6内を前後に移動可能に支持されている。
【0016】
シリンダ6には、強磁性体からなる固定子励磁鉄心8で覆われた円筒状のコイル7が、前後方向に6段設けられており、これがリニアモータの固定子となっている。各コイル7は、電源制御装置17に接続され電流を供給される。
【0017】
シリンダ6に設けられたピストン2は、鋼製でリニアモータの可動子となっており、このピストン2の中央の大径の部分の外周上には、4個の永久磁石3が、互いにピストン2の軸方向に離間し同極が対向するよう配設されている。各永久磁石3の間には、リング状の可動子励磁鉄心4が装着されている。永久磁石3及び可動子励磁鉄心4とピストン2の外周との間には、衝撃吸収と磁束の漏れを防止するためのダンパー5が挿入されている。ここでダンパー5はウレタンゴムを用いているが、他の合成ゴムや天然ゴムを用いることもできる。
【0018】
バックヘッド15には、ピストン2が前後に往復動するときのピストン2の後端の位置を検出するピストン位置検出装置16が設けられており、このピストン位置検出装置16は電源制御装置17に接続されている。
【0019】
このブレーカ1において、コイル7に電流が供給されていない状態では、図2に示すように、ピストン2は永久磁石3の磁力により、永久磁石3と固定子励磁鉄心8とが最も近接する位置に保たれている。
【0020】
ブレーカ1を駆動する場合には、ピストン2に設けた永久磁石3及び可動子励磁鉄心4に臨む位置にあるコイル7に電源制御装置17から電流を供給する。
ここで、前端の永久磁石3から後端の永久磁石3までの距離は、コイル7の前後の幅の約3倍となっているので、図3に示すように3箇所のコイル7に通電される。3箇所のコイル7の通電方向は、ピストン2の下側において、前後のコイル7が紙面の裏側から表側、中央のコイル7は紙面表側から裏側となっている。
【0021】
このとき、図10に示すように、個々の固定子励磁鉄心8の後端部と可動子励磁鉄心4の前端部の間に磁束が密集しており、且つ斜めに流れているので、磁気エネルギーに勾配が発生しピストン3には推進力が作用する。磁束が斜めに流れた場合、それを真っ直ぐに流そうとする方向に力が働くから、ピストン2に作用する推進力の方向は前方となる。
【0022】
ここで、鋼製のピストン2は強磁性体であるから、通常の状態では磁束がピストン2の方に漏れて有効に力が発揮できなくなる。永久磁石3及び可動子励磁鉄心4とピストン2の外周との間挿入されているダンパー5は非磁性体であるので、この磁束の漏れを防いで推進力を有効に発揮させる。またダンパー5はピストン2がロッド12を打撃した際の衝撃から永久磁石3を保護する役目も果たしている。
【0023】
コイル7に通電してピストン2に前方への推進力が与えられると、ピストン2は前進を開始する。ピストン2が前進を続けコイル7の幅だけ移動すると、後端の永久磁石3が、通電中の3箇所のコイル7のうちで最も後方のコイル7内を通過してしまう。ピストン位置検出装置16がこの位置を検出すると、電源制御装置17は、図4に示すように、通電中の3箇所のコイル7のうちで最も後方のコイル7への通電を停止し、他の2箇所のコイル7への通電の方向を切換え、それまで通電していたコイル7より1つ前方のコイル7へ新たに通電を開始する。新たに通電されている3箇所のコイル7の通電方向は、ピストン2の下側において、前後のコイル7が紙面の裏側から表側、中央のコイル7は紙面表側から裏側となっており、ピストン2には前方への推進力が作用する。
【0024】
以後、各コイル7への通電をピストン2の移動に対応して順次切換えて、ピストン2を加速させてゆく。
ピストン2が前進を続け、ピストン2の先端がロッド12の後端の位置に達すると、図5に示すように、ピストン2がロッド12を打撃する。ピストン位置検出装置16がこの位置を検出すると、電源制御装置17は、図6に示すように、各コイル7への通電を逆向きに切換える。すなわちロッド12からの反力を受けるのと同時に、ピストン2への推進力は後方に向けて作用するようになり、ピストン2は後退を開始する。
【0025】
ピストン2の後退行程においても、前進行程の場合と同様に各コイル7への通電をピストン2の移動に対応して順次切換えて、ピストン2を加速させてゆく。ピストン2が所定の位置まで後退し、ピストン位置検出装置16がこの位置を検出すると、電源制御装置17は、図7に示す状態から、各コイル7への通電を逆向きに切換える。そこでピストン2への推進力は図8に示すように、前方に向けて作用するようになる。ピストン2は慣性により後方への移動を続けるが、次第に減速してやがて停止し、図9に示す状態となって再び前進行程にはいる。以後同様のサイクルが繰り返される。
【0026】
ピストン2が後退する際のピストン2への推進力を後方から前方へと切換える位置を変更することにより、ピストン2のストロークを変化させ、ピストン2がロッド12を打撃するときの速度を制御することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電磁式打撃装置は、機構が簡単で必要な設備も少なくてすみ、また、電磁力を推進力とするため空圧式や油圧式の打撃装置に比べてエネルギーの利用効率が高く、省エネルギー効果が大きい。リニアモータの可動子に、複数の永久磁石を、互いに前後方向に離間し同極が対向するよう配設するとともに、永久磁石とピストンの外周との間に磁束の漏れを防ぐことができる非磁性体製の衝撃吸収用のダンパーを設けていて大きなピストンの推進力を得ることができるので、さく岩機やブレーカ等の打撃装置において、必要とする大きな打撃力を工具に与えることができる。ピストンのストロークや速度は電気的に制御することができるので操作が容易となる。
また、衝撃吸収用のダンパーは、磁束の漏れを防ぐだけではなく、打撃した際の衝撃から永久磁石を保護する役目も果たすことができる。
【0028】
リニアモータの固定子はコイルを多段に設け、各コイルへの通電を可動子の移動に対応して順次切換えるようにすることにより、広い範囲で強い推進力が得られ、ピストン速度を高速にしてより大きな打撃力が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す電磁式打撃装置を用いたブレーカの構成の説明図である。
【図2】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図3】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図4】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図5】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図6】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図7】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図8】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図9】ピストン位置とコイル通電の関係を示すブレーカの作動の説明図である。
【図10】ピストン及びコイルの下半部の磁力線の解析結果の説明図である。
【符号の説明】
1 ブレーカ
2 ピストン
3 永久磁石
4 可動子励磁鉄心
5 ダンパー
6 シリンダ
7 コイル
8 固定子励磁鉄心
9 軸受
10 軸受
11 フロントヘッド
12 ロッド
13 フロントカバー
14 ロッドピン
15 バックヘッド
16 ピストン位置検出装置
17 電源制御装置
Claims (2)
- シリンダにリニアモータの固定子を設け、鋼製のピストンをリニアモータの可動子とする往復打撃機構を備えた打撃装置において、前記ピストンに、複数の永久磁石を、互いに前後方向に離間し同極が対向するよう配設するとともに、前記永久磁石とピストンの外周との間に、非磁性体製の衝撃吸収用のダンパーを挿入したことを特徴とする電磁式打撃装置。
- リニアモータの固定子にコイルを多段に設け、各コイルへの通電を可動子の移動に対応して順次切換えるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の電磁式打撃装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17957796A JP3783798B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 電磁式打撃装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17957796A JP3783798B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 電磁式打撃装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025985A JPH1025985A (ja) | 1998-01-27 |
JP3783798B2 true JP3783798B2 (ja) | 2006-06-07 |
Family
ID=16068171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17957796A Expired - Fee Related JP3783798B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 電磁式打撃装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3783798B2 (ja) |
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NZ542700A (en) * | 2005-09-27 | 2008-05-30 | Flexidrill Ltd | Drill string suspension with vibrational head floatably connected to a support |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP17957796A patent/JP3783798B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1025985A (ja) | 1998-01-27 |
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