JP3782749B2 - 波長分波装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に波長多重通信に用いられるアレー導波路回折格子(AWG;Arrayed Waveguide Grating)型の波長合分波装置に用いて好適の、波長分波装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図28は従来のAWG型の波長合分波装置の構成を示すブロック図であり、波長合波装置(Wavelength Division Multiplexing Apparatus)および波長分波装置(Wavelength Division Demultiplexing Apparatus)のいずれの装置として機能しうるものである。以下の説明においては、波長合分波装置をMUX/DEMUXと表示し、特に断らない限り、波長合波装置又は波長分波装置を意味するものとして使用する。また、このMUX/DEMUXが有する合波機能および分波機能のうちの主に分波機能に着目し、波長分波装置として機能する場合について説明する。なお、MUX/DEMUXの合波機能は、光の入出力方向が分波機能の場合と逆方向になる。
【0003】
この図28に示すMUX/DEMUX106は、基板100上に、1本の入力導波路101,入力スラブ102,チャネル導波路103,出力スラブ104およびn本の出力導波路105が、周囲の領域100Aに比して相対的に屈折率が大きくなるように形成されている。
なお、以下において、領域100Aに比して相対的に屈折率の高い材料で作られた部分を「コア」と、領域100Aのごときコアを取り囲む相対的に屈折率の低い材料からなる部分を「クラッド」と、それぞれ記載する場合がある。上述の入力導波路1,入力スラブ2,チャネル導波路3,出力スラブ4および出力導波路5はコアに相当し、その周囲の領域100Aはクラッドに相当する。
【0004】
また、この図28に示すMUX/DEMUX106においては、波長領域で多重化された光がこのMUX/DEMUX106の入力導波路101に入力されると、出力導波路105のチャネル♯1〜チャネル♯nから、波長ごとに分離された光が出力されるようになっている。一方、出力導波路105の各チャネル♯1〜チャネル♯nに複数の異なる波長の光を入力されると入力導波路101から全ての光が束ねられ、波長領域で多重化された光が出力される。
【0005】
以下に、MUX/DEMUX106の構成を従来の分光装置(spectroscope又はmonochro-meter)の構成と比較して説明する。このMUX/DEMUX106の機能は、例えば、図28,図29(a)に示すAWG型のほかに、図29(b)に示す分光器型その他のデバイスによって実現される。
図29(b)は従来の分光装置の構成例を示す図であり、この図29(b)に示すものはバルク回折格子型であって、回折格子のピッチを小さくすることは一般に困難である。これに対して、AWG型は、そのピッチが不要であり、AWGを構成する導波路の長さの差を設計することだけでよい。
【0006】
一方、図29(a)はAWG型のMUX/DEMUX106の導波路のコアパターンを示す模式図であり、MUX/DEMUX106におけるコア部分に着目したものである。この図29(a)に示すMUX/DEMUX106の各構成部材(コンポーネント,エレメント又はパーツ)101〜105は、分光装置の各構成部材に対応するものである。
【0007】
図29(c)は導波路を用いて構成した波長合分波装置と従来の分光装置のコンポーネントとの対応を示す図である。この対応を図29(b)を用いて説明する。図29(b)に示す分光装置(回折格子型分光器)110は凹凸付の回折格子113の他に1本の入力光ファイバ111,入力コリメートレンズ112,集光レンズ114およびn本の出力光ファイバ115をそなえて構成されている。
【0008】
このMUX/DEMUX106(図29(a)参照)を構成する入力導波路101は、分波する対象となる波長多重されたレーザ光を後段の入力スラブ102に対して拡散出力するものであり、図29(c)に示すように、光を広げる入射スリットの役割を有している点で分光装置110の入力光ファイバ111と機能的に対応している。
【0009】
同様に、入力スラブ102は入力導波路101に入射された光が入力スラブ102内で拡散し後段のチャネル導波路103に結合するもので、分光装置110における入力コリメートレンズ112の機能(入力光ファイバ111からの入射光パワーを整列し後段の回折格子113を照射するという機能)に対応する。
また、分光装置110の回折格子113に対応するチャネル導波路103は、後述の如く特定の角度に光が偏向するように位相差を形成するもので、集光レンズ114に対応する出力スラブ104は、チャネル導波路から出射され回折された光を収束させるもので、出力光ファイバ115に対応する出力導波路105は、出力スラブ104から出射された光についてスペクトルの一部を切り取るものである。
【0010】
ここで、チャネル導波路103の長さについては、図28および図29(a)のそれぞれに示すMUX/DEMUX106の最下側に位置するチャネル導波路の長さが最も短くなるようにし、また、上側に向かうに従って、その長さが長くなるように形成されている。ここで、隣接するチャネル導波路の長さの差は、それぞれ、一定である。このチャネル導波路が、波長分割(波長ごとの光の分離[スプリット])又は波長多重について重要な働きをする。以下、チャネル導波路103の作用を説明する。
【0011】
図30(a),(b)はそれぞれ図28,図29(a)に示すMUX/DEMUX106の複数のチャネル導波路103のうちから隣接する3本のチャネル導波路を示す図である。これらの図30(a),(b)にそれぞれ示すチャネル導波路131,132および133は、いずれも、光波の「山」の位置(黒い点)および「谷」の位置(白い点)を有する。ここで、チャネル導波路131〜133を伝搬する光波をcos(α)で表すと(αは位相を表す。)、「山」は位相αが2×n×πになる位置を表し、また、「谷」は位相αが(2n+1)×πになる位置を表す。なお、n,πはそれぞれ正の整数,円周率を表す。
【0012】
従って、図30(a),(b)のそれぞれにおいて、隣接する2カ所の「山」の間の長さは、チャネル導波路131〜133を伝搬する光波の波長に等しい。すなわち、図30(a),(b)のそれぞれに示す光波長は、λ0,λ1に等しい。
この図30(a)においては、波長多重伝送に用いられる光波長配置における中心波長に相当する波長を持つ光が入射した場合の光の位相を示している。チャネル導波路103の長さは、波長多重された光の波長のうちで中心波長λ0の光が正確に整数個収まるように長さが設計されている。具体的には、図30(a)の場合には、最も短い導波路131に中心波長λ0が9波、中央の導波路132に10波、最も長い導波路133に11波が入るように設計されている。
【0013】
例えば、後述する図31に示すように、短い波長帯から順にチャネル♯1〜チャネル♯11が設定されている場合には、チャネル♯6に設定された光の波長が、上述の中心波長λ0にあたる。
すなわち、図30(a)に示すように、各導波路131〜133にて出力される中心波長の成分を有する光波は出力スラブ104とのスラブ境界線142の位置において位相が揃っている。換言すれば、チャネル導波路103から出力される波長λ0の光波の等位相面p1は、それぞれの導波路131〜133に垂直になり、3本の導波路131〜133から出力される光は、各導波路131〜133の出力方位に対して正確な水平方向d1に回折される。
【0014】
しかしながら、図30(b)に示すように、中心波長の成分からΔλ短い波長λ1の光波については、出力スラブ104とのスラブ境界線142の位置において位相は揃ってはおらず、隣接する導波路131〜133間においてΔλ単位でシフトした位置において位相が揃うことになる。換言すれば、波長λ1の光波の等位相面p2は、導波路131〜133に垂直とはならず、導波路131〜133から出力される光についても図中上側方向d2に回折される。
【0015】
なお、中心波長λ0よりもΔλ長い光波の場合には、上述の場合と同様の原理によって、図中下側方向に回折されることになる。従って、チャネル導波路103においては、波長多重された光波長の値に応じて回折方向(回折角)が決定されるので、波長多重された光を分光することができるのである。
また、出力スラブ104は、各チャネル導波路103にて波長毎に所定の回折方向で回折され分光された光について集光して、対応するチャネルの出力導波路105に供給する。
【0016】
逆に、チャネル♯1〜♯nに出力される光(例えば図31に示すch♯1出力〜ch♯11出力)に対応する特定波長の光(WDM通信においては、通常、MUX/DEMUX106の帯域幅よりも幅が狭いスペクトルの光が使用される。)が、チャネル#1〜チャネル#n出力の出力導波路105(図28参照)に入力されると、全ての光が束ねられて入力導波路101(図28参照)から出力される。
【0017】
図31は上述の図28および図29(a)に示すMUX/DEMUX106の分光特性および挿入損失の例を示す図であるが、入力導波路101に対して11チャネル(チャネル(ch)♯1〜チャネル♯11)分の波長多重光が入力された場合には、出力導波路105においては、この図31のチャネル♯1〜チャネル♯11に例示するような強度で光が出力される。
【0018】
本発明に関連する装置であるAWGの基本的な構成および動作は、例えば、"IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS. VOL. 2 No. 2. pp. 236-250 (1996)"や、河野健治著「光デバイスのための光結合系の基礎と応用」現代工学社(1991),31頁,式(3.1−7)等に記載されている。本発明に係る波長分波装置は、本発明の特長となる部分以外の構成、機能および動作に関しては、上記参考文献に記載のものと同一である。
【0019】
MUX/DEMUX106の挿入損失とは、出力導波路105の各チャネル♯1〜♯nについて透過率が最大となる損失、換言すれば入力光に対して損失が最も少ない波長における損失であって、チャネル毎に異なるものである。例えば図31に示すように、MUX/DEMUX106の挿入損失は、出力チャネル(#1〜#n)によって異なる。
【0020】
上述の図31のごとき挿入損失の発生要因としては、主に入力スラブ102とチャネル導波路103との接続部分(図30に示すスラブ境界線122参照。以下、接続部と称する。)及びチャネル導波路103と出力スラブ104との接続部(図30に示すスラブ境界線142参照)で生ずる。
図32(a)〜図32(c)はいずれも上述の入力スラブ102とチャネル導波路103との接続部における挿入損失の発生要因を説明するための図であり、図32(a)はMUX/DEMUX106の要部を示すもので、図32(b)は入力スラブ102について拡大表示したもので、図32(c)はさらに入力スラブ102とチャネル導波路103との接続部について拡大表示したものである。
【0021】
ここで、この図32(c)に例示するように、入力スラブ102とチャネル導波路103の接続部であるスラブ境界線122に着目すると、入力スラブ102からチャネル導波路103に向かって進んだ入射光8のうち、チャネル導波路103を伝わる光85は有効であるが、ギャップ部123に到達した光が散乱されて無効な光86となり、損失となる。
【0022】
上述のごとき挿入損失を低減させるための第1の手法としては、図28に示すMUX/DEMUX106に適用される入力スラブとして、図33(a)に示すような入力スラブ102−1を構成することが考えられる。この図33(a)に示す入力スラブ102−1は、チャネル導波路間隔dcを小さくすることにより、チャネル導波路103の接続損失を低減させたものである。
【0023】
すなわち、図33(b)に例示するように、チャネル導波路103の幅w,焦点距離f(入射光拡散中心21からチャネル導波路103の入射位置までの距離)およびチャネル導波路数を一定とした条件において、チャネル導波路間隔dcを小さくすると、チャネル導波路の接続損失を小さくすることができるのである。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
以下、(1−1)〜(1−3)に課題を説明する。
(1−1)しかしながら、図28に示すMUX/DEMUX106においては、入力スラブ102およびチャネル導波路103の接続部の形状と、出力スラブ104およびチャネル導波路103の接続部の形状とが、対称形であるので、入力スラブ102側のチャネル導波路103のチャネル導波路間隔dc(図33(a)参照)を狭くすると、出力スラブ104側のチャネル導波路103の間隔(図示省略)も小さくなる。その場合、次に説明する出力スラブ104近傍において、チャネル導波路103を伝搬する光が相互に結合し干渉するという不都合を生ずる。
【0025】
すなわち、光導波路は、複数の導波路が接近して、その間隔が小さくなると、導波路を伝搬する光が結合する性質を有する。このため、チャネル導波路103の間隔を小さくすると、出力スラブ104近傍において、チャネル導波路103を伝搬する光が相互に結合して干渉する。また、図30(b)に示すように、MUX/DEMUX106は、チャネル導波路131〜133の出力端(output aperture)142において、チャネル導波路131〜133を伝搬する光に位相差が生じることによって波長合分波装置として機能する。
【0026】
ここで、仮に、出力スラブ104近傍のチャネル導波路131〜133の間隔が狭くなってこれらのチャネル導波路131〜133を伝搬する光が結合すると位相が変化して、波長分波機能が低下(depress)する。従って、図28に例示したMUX/DEMUX106については、挿入損失を低減する手段として、入力スラブ102およびチャネル導波路103の接続部の間隔(図32(c)および図33(a)にそれぞれ示すチャネル導波路間隔dc)と、出力スラブ104およびチャネル導波路103の接続部の間隔(図示省略)とを狭くすることができないという課題がある。
【0027】
(1−2)次に、図28に示す入力スラブ102および出力スラブ104とチャネル導波路3の接続(散乱)損失を低減するための第2の手法としては、チャネル導波路103−1を例えば図34(a)に示すように構成することも考えられる。
すなわち、この図34(a)に示すように、チャネル導波路103−1が入力スラブ102に接続される個所である入力側接続部107に、入力スラブ102側から離れるに従って幅が狭くなるテーパ付接続枝162を形成する(以後、テーパ付接続枝162のように導波路幅が狭く変化しているパターンのことをテーパ状と呼称する)。
【0028】
この図34(a)に示す手法においては、例えば図34(b)に示すように、テーパ付接続枝162が入力スラブ102と接続される部分の幅が広がるほど、入力側接続部107の散乱損失が低下する。
しかしながら、上述の図34(a)に示すようなテーパ付接続枝162をそなえたチャネル導波路103−1を適用したMUX/DEMUX106においては、入力スラブとチャネル導波路の間に形成されたテーパ付接続枝162において、以下に述べるように高次モード光が励振され、この励振された高次モード光がチャネル導波路(コア)の外に放射されることにより損失が生じている。
【0029】
図35はチャネル導波路103−1に高次モード光が励振され、コアの外に放射される様子を示す図である。
この図35に示す入力導波路101からの入射光8が、チャネル導波路103−1のテーパ部162に結合すると、0次モード光80a以外に2次モード光82が励振される。ここで、0次モード光80aは、テーパ部162を伝搬し幅が狭い部分に達すると、0次モード光80bになる。2次モード光82は(図35においてP22と付したところ参照)、テーパ部162を伝搬するうちにチャネル導波路103−1の外に放射され損失となる。
【0030】
具体的には、入力スラブ102からテーパ付接続枝162に入射した光は、コアとして形成されるテーパ付接続枝162内をその強度ピークが二つに分かれたり、一つになったりしながら伝搬し、ピークの数が変化する過程で一部の光(高次モード光に対応)がチャネル導波路(コア)103−1の外に放射され、損失となる。
【0031】
したがって、図34(a)に示すチャネル導波路103−1を適用したMUX/DEMUXにおいても、チャネル導波路103−1外に放射された高次モード光が放射されるため損失を生じるという課題がある。
(1−3)さらに、前記(1−1)において、チャネル導波路103の出力端にて、チャネル導波路103を伝搬する光の結合を防止し、また、波長合分波作用の起源である位相差(例えば図30(b)のチャネル導波路103を伝搬する光の位相差)を保つ必要がある。このため、出力スラブ104側のチャネル導波路103の間隔を広く保つことが要求される。
【0032】
さらに、損失の起源であるギャップ(例えば、図32(c)に示すギャップ部123)を小さくする必要がある。このため、入力スラブ102側のチャネル導波路103の間隔(図32(c)および図33(a)にそれぞれ示すチャネル導波路間隔dc)を狭くすることが要求される。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、例えば図28に示すような入力スラブおよび出力スラブの形状が対称形の波長合分波装置において、出力スラブおよびチャネル導波路の接続部におけるチャネル導波路間隔を広く保ったままで、入力スラブおよびチャネル導波路の接続部におけるチャネル導波路間隔を狭くし、損失を低減することができる波長分波装置を提供することを目的とする。
【0033】
同時に、本発明は、前記(1−2)に記載したような、従来例(例えば、図35)のチャネル導波路に励振される高次モードを抑圧し損失を低減できる波長分波装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の波長分波装置は、基板上に、波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、該第1スラブからの前記分配光を入力する複数本の分岐接続枝と、該分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する合流部とを一体形成して構成され、かつ、該分岐接続枝が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような幅を有するように構成され、且つ該合流部における結合接点が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴としている。
【0035】
この場合においては、該分岐接続枝を、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成することができる。
【0036】
さらに、該分岐接続枝を、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するテーパ部と、上記の第1スラブとテーパ部とを光学的に接続し上記のテーパ部の幅が最も幅が狭い部分と同程度の幅で且つほぼ一定幅を有する幅一定狭幅導波路と、により構成することとしてもよい。
この場合においては、上記の第1スラブにおけるチャネル導波路との接続界面を、前記拡散入力される光の拡散中心を中心とする円弧状に形成するとともに、各分岐接続枝の中心軸を、前記拡散中心からの延長線上に配置するように構成することもできる。
【0037】
さらに、本発明の波長分波装置は、上述の場合と同様に、基板上に第1導波路,第1スラブ,複数のチャネル導波路,第2スラブおよび第2導波路が形成されるとともに、該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、該第1スラブからの前記分配光を入力する複数本の1次分岐接続枝と該1次分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する1次合流部とを有してなる複数組の1次結合部と、該1次結合部にて結合された前記分配光を入力する複数本の2次分岐接続枝と該2次分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する2次合流部とを有してなる2次結合部とを一体形成して構成され、かつ、該1次分岐接続枝が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような幅を有するように構成され、且つ該1次合流部における結合接点が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴としている。
【0038】
この場合においては、好ましくは1次分岐接続枝を、上記の1次合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成したり、上記の1次合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するテーパ部と上記の第1スラブとテーパ部とを光学的に接続し上記のテーパ部の幅が最も幅が狭い部分と同程度の幅で且つほぼ一定幅を有する幅一定狭幅導波路とにより構成することとしてもよい。
さらに、上記の第1スラブにおけるチャネル導波路との接続界面を、前記拡散入力される光の拡散中心を中心とする円弧状に形成するとともに、各1次分岐接続枝の中心軸を、前記拡散中心からの延長線上に配置するように構成することもできる。
【0039】
さらに、本発明の波長分波装置は、上述の場合と同様に、基板上に、第1導波路,第1スラブ,複数のチャネル導波路,第2スラブおよび第2導波路が形成されるとともに、該チャネル導波路が、該第1スラブとの接続個所が分配光の高次モード光が励振され得る幅を有するとともに、該第1スラブから離れるに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されるとともに、該チャネル導波路よりも低屈折率の島状形成領域が、該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路を複数に仕切るように設けられ、かつ、該島状形成領域によって仕切られたチャネル導波路が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような導波路として構成され且つ前記仕切られたチャネル導波路が結合する部分の導波路幅が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴としている。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態を説明する。
(a)第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態にかかる波長分波装置が適用されたMUX/DEMUX10の要部を示す模式図であって、特にMUX/DEMUX10を構成する光導波路デバイスにおけるコアのパターンに着目して図示したものである。更に、図2はMUX/DEMUX10を構成する入力スラブ2およびチャネル導波路3の接続部分のコアパターンに着目して図示したものである。
【0041】
第1実施形態にかかるMUX/DEMUX10は、例えば前述の図28に示すようなシリコン基板100上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によるSiO2堆積とフォトリソグラフィープロセスとを組み合わせて、例えば屈折率1.551程度で厚さ20μm程度のアンダークラッド層,屈折率1.5588程度で厚さ7μm程度のコアおよび屈折率1.551程度で厚さ20μm程度のオーバークラッド層から形成されている。
【0042】
すなわち、上述のMUX/DEMUX10におけるコアは、上下左右をアンダークラッド又はオーバークラッドによって取り囲まれるように形成されている。これにより、コアは、コアよりも屈折率が比較的小さいクラッド層で覆われて、光がコア内に閉じ込められて伝搬できるようになっている。
また、MUX/DEMUX10のコアには、この図1に示すように、波長多重された複数チャネルの光を伝搬する入力導波路(第1導波路)1,入力導波路1から入力された光を拡散させる入力スラブ(第1スラブ)2,所定の導波路長差を持って順次長さが設定され入力導波路1にて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路3,チャネル導波路3にて伝搬された各分配光を入力されて波長分離された光を集光する出力スラブ(第2スラブ)4及び出力スラブ4にて集光された光を伝搬する出力導波路5として機能するパターンが一体に形成されている。
【0043】
各要素について更に詳述する。
入力導波路1は、図1の左側から入力導波路1に入力された光をガイドし入力スラブ2に引き渡す(guide and deliver)。入力スラブ2は、基板(例えば図28の符号100を付したもの)と平行な方向に広がる形状を有するので、入力スラブ2を伝搬する光は、横方向には閉じ込められないで拡散(発散)する。このため、入力導波路1を通って入力スラブ2に到達した光は、入射光拡散中心21を中心として拡散し、チャネル導波路3に到達する。ここで、入力スラブ2とチャネル導波路3との境界であるスラブ境界線22(図2参照)の形状は、入射光拡散中心21を中心とする半径fの円弧である。このため、図1に示す入射光拡散中心21から拡散された光は、同一位相で複数のチャネル導波路3に入射される。チャネル導波路3は、隣接する入力スラブ2から、出力スラブ4までの長さの差が一定となるように形成されている。
【0044】
そして、この長さの差により、チャネル導波路3に入射された光がチャネル導波路3を通過し、その出力開口部(output aperture)44に到達したときに、図30(b)に示す位相差が生じる。ここで、出力開口部44は、チャネル導波路3と出力スラブ4との接続部44に等しい。チャネル導波路3は、この位相差を生じさせる機能を有するので、フェイズドアレイ(phased array)と呼ばれる。また、隣接するチャネル導波路3の長さの差は、中心波長λ0のm倍に設計される。mは正の整数であってチャネル導波路3の次数(order of channel waveguide)又はフェイズドアレイの次数(order of the phased array)と呼ばれる。
【0045】
そして、チャネル導波路3を通過してチャネル導波路3の出力開口部44に到達した光は、波長により異なる等位相面を有する。この等位相面は、例えば、図30(a),(b)に示すd1又はd2である。
さらに、出力スラブ4は、入力スラブ2と同様に、チャネル導波路3および出力スラブ4のスラブ境界線である境界線42と、出力開口部44とは、いずれも半径rの円弧上に並ぶように形成されている。このため、チャネル導波路3の出力開口部44から出力スラブ4に出力された光は、スラブ境界線42および出力開口部44の配列位置を決める半径rの円弧の中心に収束される。厳密には、チャネル導波路3の出力開口部44から出力される光の波長が中心波長よりも短い場合には図1において相対的に上側に収束され、また、チャネル導波路3の出力開口部44から出力される光の波長が中心波長よりも長い場合には下側に収束される。
【0046】
さらに、出力導波路5は、所望の波長の光が収束される位置に、一方の端が位置するように配置され、他方は出力端子として使用される。この出力導波路5の出力端には、通常、光ファイバ又は他の光部品の入力端子が接続される。
ここで、入力導波路1,入力スラブ2,出力スラブ4および出力導波路5としては、基本的に前述の図28に示すもの(符号101,102,104および105参照)と同様のものと用いることができる。
【0047】
上述したように、各チャネル導波路3は、隣接するチャネル導波路間で所定の導波路長差を持つように順次長さが設定されており、これにより、各チャネル導波路3を伝搬される光が波長多重されている波長毎に異なった特定の角度に光を偏向(分光)させて、出力スラブ4に出射できるようになっている。更に、各チャネル導波路3の中間点は伝搬する光同士で干渉が生じないように必要な間隔を置いて形成される。
【0048】
なお、上述の入力導波路1,出力導波路5の幅(コアパターンの幅)およびチャネル導波路3における両端部6,7を除く中間部については、導波路幅(コアパターンの幅)をともに7μm程度とすることができる。
さらに、中心波長λ0を1.552μmとし、チャネル導波路3の次数mを30とし、チャネル導波路3の実効的屈折率を約1.552にして、隣接するチャネル導波路3の長さの差を約30μmに設定することができる。
【0049】
また、出力スラブ4側のチャネル導波路3の端部7については、出力スラブ4側から離れるに従ってテーパ状に幅が狭くなる形状になるように形成されている。具体的には、出力スラブ4の接続部におけるチャネル導波路3の間隔dc2は22μmであり、テーパの先端の幅(図1におけるWmax)は19μmであり、チャネル導波路3のテーパ状の部分の長さは2.5mmである。
【0050】
第1実施形態におけるMUX/DEMUX10の入力スラブ2および出力スラブ4の半径fは、いずれも、約6.2mm程度であり、これらの幅は約1mm程度である。すなわち、スラブ境界線22,接続部24,スラブ境界線42および接続部44は、いずれも、半径6.2mmの円弧上に配置されている。
ここで、入力スラブ2側の端部6においては、以下に示すような本願発明の特徴となる構成を有している。
【0051】
すなわち、チャネル導波路3と入力スラブとが光学的に接続される接続個所(入力スラブ2とチャネル導波路3との接続部24)は、上記のチャネル導波路3と出力スラブとが接続される接続個所よりも多くなるように構成されている。具体的には、図3に示すように、第1スラブ2に光学的に接続される近傍部分の各チャネル導波路3、即ち、各チャネル導波路3における第1スラブ2側の端部6が、第1スラブ2からの分配光を入力する2本の分岐接続枝61と、分岐接続枝61からの分配光について光学的に結合させる合流部69と、を一体形成して構成されている。
【0052】
これにより、チャネル導波路3と入力スラブ2とが光学的に接続される個所の間隔(例えば、図2に示すチャネル導波路間隔dc11,dc12)を狭めることができ、ギャップ部(図32(c)の符号123を付したもの)によって生じる損失分が低減される。なお、この場合において、入力スラブ2と各チャネル導波路3との接続部24におけるチャネル導波路間隔(図2におけるdc1)を例えば22μm程度、スラブ境界線22における分岐接続枝61の間隔(図1,図2におけるdc11)を11μm程度、スラブ境界線22から分岐接続枝61が合流部69にて合流する部分までの導波路長さを5mm程度、合流後のテーパ状の導波路長さを1mm程度とそれぞれすることができる。
【0053】
図2および図3に示す2本の分岐接続枝61は、各チャネル導波路3の入力スラブ2側の端部6における中心軸31が、2本の分岐接続枝61で挟まれるギャップ部G1の中心を通過し、且つ、その延長線が入射光拡散中心21を通過するようになっている。換言すれば、各チャネル導波路3における端部6の中心軸31が入射光の光軸と一致するようになっている。
【0054】
さらに、上述の2本の分岐接続枝61の幅としては、入力スラブ2から入力される分配光の高次モード光がカットオフされるような幅W2を有するように構成されている。更に、合流部69における結合接点の幅W1が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されている。
この形成により生じる効果を、本発明のMUX/DEMUX10と従来のMUX/DEMUXとの動作を対比することにより、図4(a),(b)を用いて説明する。
【0055】
図4(a)は従来のMUX/DEMUXのチャネル導波路における光の伝搬を説明するための図である。ここで、入射光8がテーパ付接続枝162に入射すると、殆どの光は0次モード光80aで伝搬するものの、一部の光がチャネル導波路3と入力スラブ2との接続部24近傍において2次モード光82で励振される。また、チャネル導波路162は、図4(a)における右側に向かうほど狭くなるので、所定距離だけ進むと2次モード光82は、カットオフされる。その結果、2次モード光82は、導波路(コア)162の外に放射されて(図4(a)における符号P22参照)、損失となる。
【0056】
これに対し、図1〜図3に示すチャネル導波路3においては、分岐接続枝61が、高次モードがカットオフされるように狭い幅W2の導波路で構成されている。
図4(b)は第1実施形態におけるMUX/DEMUXの作用効果を説明するための模式図であるが、この図4(b)に示すように、入射光8が分岐接続枝61に入射すると、分岐接続枝61では0次モード光80aだけが伝搬するため損失が生じない。
【0057】
また、合流部69は1次モードのごとき高次モードが励振されるような幅W1となるように形成されているが、一方(例えば図中上側)の分岐接続枝61から入射した光による1次モードと他方(例えば図中下側)の分岐接続61から入射した光による1次モードとが相殺されるため、高次モードによる損失が発生しない。
【0058】
なお、この場合においては、分岐接続枝61の導波路長さを5mm程度、合流部69にて合流後のテーパ状の導波路長さを1mm程度、合流部69におけるテーパ状となっている導波路部分の最大幅W1を16μm程度とすることができる。
上述の構成により、第1本実施形態にかかる光合分波装置10では、入力導波路1に複数の波長成分を含む光(波長多重光)を入力すると、出力導波路5のチャネル♯1〜チャネル♯nにおいて、チャネルごとに波長分波された(波長分離された)光を出力する光分波装置として機能する。一方、光合分波装置10は、出力導波路5に入力された各チャネル♯1〜チャネル♯nの光について波長多重したものを、入力導波路1を通じて出力する波長合波装置としても機能する。
【0059】
また、各チャネル導波路3においては、出力スラブ4に対し、前述の図30の場合と同様に、波長毎に異なる出射角度で分配光が出射されることで、波長多重光が波長毎に分波される。また、出力スラブ4では、分波された波長ごとの光をコリメートし、各出力導波路5の入射点において同一波長の光を集光させる。これにより、各出力導波路5では、チャネル毎に互いに異なる波長を有する光を伝搬させることができる。
【0060】
このように、本発明の第1実施形態にかかる波長分波装置によれば、チャネル導波路3と入力スラブ2とが光学的に接続される接続個所の間隔dc11およびdc12を狭くさせているので、入力スラブ2とチャネル導波路3との接続損失を低減させることができる。
さらに、本実施形態においては、従来例のように、高次モード光の放射による損失が発生せず、低損失になる。
【0061】
なお、分岐接続枝61は、図5に示すように、各分岐接続枝61の中心軸32aが、入射光拡散中心21からの延長線上に配置されるように構成されてもよく、このようにすると、更に低損失となる。
また、上述の第1実施形態においては、各チャネル導波路3が2つの分岐接続枝61および合流部69をそなえているが、本発明によればこれに限定されず、2つの分岐接続枝61および合流部69をそなえてなるチャネル導波路と、分岐接続枝61および合流部69によって枝分かれしない構成を持つチャネル導波路とを並存させて構成してもよく、このような構成においても、少なくとも入力スラブ2とチャネル導波路3との接続損失を低減させることができる。
【0062】
(b)第2実施形態の説明
図6は本発明の第2実施形態にかかる波長分波装置として機能するMUX/DEMUX10−1の要部を示す模式図であり、前述の図1の場合と同様に、特にMUX/DEMUX10−1を構成する光導波路デバイスにおけるコアのパターンに着目して示すものである。
【0063】
第2実施形態にかかるMUX/DEMUX10−1においても、前述の第1実施形態の場合と同様、コアが、上下左右をアンダークラッド又はオーバークラッドにより取り囲まれるように形成され、光がコア内に閉じ込められて伝搬できるようになっている。
また、第2実施形態におけるMUX/DEMUX10−1は、前述の第1実施形態におけるもの(符号10参照)に比して、チャネル導波路3−1の構成が異なっているが、これ以外の構成については、前述の第1実施形態の場合と同様である。即ち、コアには、第2実施形態特有の特徴を有するチャネル導波路3−1とともに、前述の第1実施形態におけるものと同様の入力導波路1,入力スラブ2,出力スラブ4及び出力導波路5として機能するパターンが一体に形成されている。
【0064】
また、第2実施形態にかかるチャネル導波路3−1は、入力スラブ2に光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路3−1、即ちチャネル導波路3−1における入力スラブ2側の端部6−1を、入力スラブ2との接続部を最も幅広とする一方、入力スラブ2から離れるに従ってテーパ状に狭くなるテーパ付接続枝62a(図7参照)として形成されるようになっている。このチャネル導波路3−1における入力スラブ2との接続部については、入力される分配光の高次モード光が励振される最小幅よりも広い幅Wmaxとなるように形成される。
【0065】
さらに、各チャネル導波路3−1における高次モード光が励振される幅を有する位置の近傍に、チャネル導波路3−1の形成領域に囲まれ且つチャネル導波路3−1よりも低屈折率の島状形成領域34(図7参照)が設けられている。
例えば、図7に示すように、チャネル導波路3−1における端部7についても、端部6−1の場合と同様に、入力スラブ2との接続部の幅をWmaxとする一方、出力スラブ4から離れるに従ってテーパ状に狭くなるように形成されている。また、島状形成領域34は、チャネル導波路3−1の端部6−1において、高次モードが励振される最小幅程度の幅の導波路位置C1から、スラブ境界線22の位置C2にかけて、周囲をチャネル導波路3−1の形成領域で囲むような島状に形成される。
【0066】
島状形成領域34の頂点部分Aの導波路位置C1における幅W1については、少なくとも高次モードが励振される幅程度(例えば16μm程度)のテーパ状に形成するとともに、上述の端部6−1,7以外の中間部分については幅7μm程度、テーパ付接続枝62aを1.5mmから5mm程度の長さとなるように形成することができる。
【0067】
また、この島状形成領域34によって仕切られた導波路61a−1,61a−2は、入力される分配光の高次モード(2次モード)がカットオフされるような幅を有する導波路として構成されている。
そして、第2実施形態の波長分波装置によれば、チャネル導波路3と入力スラブ2とが光学的に接続される接続部24の間隔が小さくなるので、ギャップ部(図32(c)の符号123を付したもの)によって生じる損失分が低減する。また、前述の第1実施形態の場合と同様に、高次モード光は、2つの導波路61a−1,61a−2にてカットオフされて、さらに、これらの2つの導波路61a−1,61a−2からの入射光によって導波路位置C1において励振される高次モード(1次モード)は、この導波路位置C1において相殺されるので、高次モード光の放射による損失を生じずに低損失になる。
【0068】
以上のように、図6,7に示すチャネル導波路3−1においては、分岐接続枝としての導波路61a−1,61a−2が、高次モードがカットオフされるように狭い幅W2の導波路で構成されているので、図8(b)に示すように、入射光8が導波路61a−1,61a−2に入射すると、この導波路61a−1,61a−2では0次モード光80aだけが伝搬するため損失が生じない。
【0069】
なお、図8(a)は従来のMUX/DEMUXのチャネル導波路における光の伝搬を説明するための図である。
上述の構成により、本発明の第2実施形態にかかる波長分波装置として機能するMUX/DEMUX10−1においても、入力導波路1に複数の波長成分を含む光(波長多重光)を入力すると、出力導波路5のチャネル♯1〜チャネル♯nにおいて、チャネルごとに波長分波された(波長分離された)光を出力する。
【0070】
また、島状形成領域34により、入力スラブ2側のチャネル導波路3の端部6−1に入射される分配光の角度ピッチ(分配光がチャネル導波路3に入射される角度の間隔)を狭くさせているので、分配光の高次モード光をカットオフさせるような導波路幅としつつ、ギャップ部〔図32(c)の符号123参照〕のごとき損失原因を低減させている。
【0071】
すなわち、入力スラブ2側の各チャネル導波路3の端部6−1に入射された分配光は、高次モードがカットオフされて伝搬する。また、1次モードについては導波路61a−1,61a−2が合流する部分C1において相殺されるため、結果として0次モード光のみが伝搬されて、分配光の損失を低減させている。
このように、本発明の第2実施形態にかかる波長分波装置によれば、チャネル導波路3と入力スラブ2とが光学的に接続される接続個所の間隔を狭くしているので、第1実施形態の場合と同様に、入力スラブ2とチャネル導波路3との接続損失を低減させることができる。
【0072】
(c)第3実施形態の説明
図9は本発明の第3実施形態にかかる波長分波装置として機能するMUX/DEMUX10−2の要部を示す模式図であって、前述の各実施形態の場合と同様に、特にMUX/DEMUX10−2を構成する光導波路デバイスにおけるコアのパターンに着目して示すものである。
【0073】
第3実施形態にかかるMUX/DEMUX10−2においても、前述の各実施形態の場合と同様、コアが、上下左右をアンダークラッド又はオーバークラッドによって取り囲まれるように形成され、光がコア内に閉じ込められて伝搬できるようになっている。
また、第3実施形態におけるMUX/DEMUX10−2は、前述の各実施形態におけるもの(符号10,10−1参照)に比して、チャネル導波路3−2の構成が異なっているが、これ以外の構成については、前述の各実施形態の場合と同様である。即ち、コアには、第3実施形態特有の特徴を有するチャネル導波路3−2とともに、前述の各実施形態におけるものと同様の入力導波路1,入力スラブ2,出力スラブ4及び出力導波路5として機能するパターンが一体に形成されている。
【0074】
すなわち、各チャネル導波路3−2における端部6−2は、図10に示すように、入力スラブ2からの分配光を入力する4本の1次分岐接続枝611と、1次分岐接続枝611からの分配光について光学的に結合する1次合流部612とを有してなる2組の1次結合部610と、1次結合部610にて結合された分配光を入力する2本の2次分岐接続枝621と、2次分岐接続枝621からの前記分配光について光学的に結合する2次合流部622とを有してなる2次結合部620と、を一体形成して構成されている。
【0075】
すなわち、第3実施形態におけるMUX/DEMUX10−2では、一本のチャネル導波路3−2が入力スラブ2と4つの接続個所をもって一体に形成されている。換言すれば、上述の1次結合部610および2次結合部620が、複数の分配光について光学的に結合して伝搬させる結合用導波路として構成され、これらの結合用導波路としての1次結合部610および2次結合部620が2段のツリー状にタンデム接続されるようになっているのである。
【0076】
また、各チャネル導波路3−2における4本の1次分岐接続枝611は、各チャネル導波路3−2の入力スラブ2側の端部6における中心軸31(図10参照)が、2つの1次分岐接続枝611で挟まれるギャップ部G2の中心を通過し、且つ、その延長線が入射光拡散中心21(図9参照)を通過するようになっている。換言すれば、各チャネル導波路3−2における端部6−2の中心軸31が入射光の光軸と一致するようになっている。
【0077】
なお、図10において、1次分岐接続枝611の幅は7μm程度、1次分岐接続枝611間の間隔dc11は16μm程度とすることができる。
すなわち、図9,10に示すチャネル導波路3−2においては、分岐接続枝としての導波路611,612が、高次モードがカットオフされるように例えば7μm程度の一定幅の導波路で構成されているので、例えば入射光が導波路611に入射すると、この導波路611では0次モードのみが伝搬するため損失が生じない。
【0078】
同様に、2次結合部620の2次分岐接続枝621においては、1次結合部610からの分配光について伝搬するようになっているが、この2次分岐接続枝621においても例えば7μm程度の一定幅の導波路で構成されているので、0次モードのみが伝搬するようになっている。なお、1次合流部612および2次合流部622においては、前述の第1実施形態における対応部分(図1〜図5の符号69参照)の場合と同様、上流の各分岐接続枝611,621からの分配光について励振された高次モード(1次モード)を相殺できる幅となるように形成されている。
【0079】
本発明の第3実施形態にかかる波長分波装置によれば、入力スラブ2およびチャネル導波路3の接続部24の間隔を更に小さくできるので、ギャップ部(図32(c)の符号123参照)によって生じる損失分を更に低減させることができる。加えて、前述の各実施形態の場合よりも、出力スラブ4とチャネル導波路3−2との接続部44におけるチャネル導波路間隔を拡大させることができ、チャネル導波路3−2の端部7における光の干渉をさらに抑圧でき、特に光の干渉(結合)が生じやすい屈折率差が小さい導波路を用いる場合の干渉(結合)防止に有効である。
【0080】
さらに、上述の第3実施形態においては、チャネル導波路3−2の端部6−2を、1次結合部610および2次結合部620とを2段のツリー状にタンデム接続して構成しているが、本発明によればこれに限定されず、結合用導波路として上述の1次結合部610および2次結合部620の構成と同様の構成を用いることにより、2段よりも多段のツリー状となるようにタンデム接続して構成してもよい。
【0081】
また、上述の第3実施形態にかかる波長分波装置として機能するMUX/DEMUX10−2においては、例えば図11に示すように、各1次分岐接続枝611を、その中心軸32cを入射光拡散中心21からの光軸に一致すように形成することもでき、このように構成することにより前述の図11の場合と同様の利点もある。
【0082】
(d)第4実施形態の説明
図12〜図14は本発明の第4実施形態を示す図であり、図12は本発明の第4実施形態にかかる波長分波装置として機能するMUX/DEMUX10−3の要部を示す模式図であって、前述の各実施形態の場合と同様に、特にMUX/DEMUX10−3を構成する光導波路デバイスにおけるコアのパターンに着目して示すものである。また、図13は入力導波路1,入力スラブ2およびチャネル導波路3−3の一部を拡大して示す模式図であり、図14は入力スラブ2側における1本のチャネル導波路3−3の端部6−3を示す模式図である。
【0083】
第4実施形態にかかるMUX/DEMUX10−3においても、前述の各実施形態の場合と同様、コアが、上下左右をアンダークラッド又はオーバークラッドにより取り囲まれるように形成され、光がコア内に閉じ込められて伝搬できるようになっている。
また、第4実施形態におけるMUX/DEMUX10−3は、前述の第1実施形態におけるもの(符号10参照)に比して、チャネル導波路3−3の構成が異なっているが、これ以外の構成については、前述の各実施形態の場合と同様である。即ち、コアには、第4実施形態特有の特徴を有するチャネル導波路3−3とともに、前述の各実施形態におけるものと同様の入力導波路1,入力スラブ2,出力スラブ4及び出力導波路5として機能するパターンが一体に形成されている。なお、図12〜図14中において、前述の各実施形態を示す図と同様の符号は、ほぼ同一の部分を示している。
【0084】
また、第4実施形態にかかるチャネル導波路3−3は、入力スラブ2に光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路3−3、即ち入力スラブ2側のチャネル導波路3−3の端部6−3が、特徴的なコアパターンをそなえている。
すなわち、第4実施形態のMUX/DEMUX10−3(図12または図13参照)のチャネル導波路3−3の端部6−3は、図14に示すように、入力スラブ2との接続部24においては、幅Wの狭い幅で、入力スラブ2から離れるに従ってWまで広がるテーパ部65pを有する。ここで、例えば、Wを7μm,Wを2μmとすると、入力スラブ2とチャネル導波路3との接続損失を、第1実施形態又は第2実施形態の場合よりも低減することができる。
【0085】
ここで、2本の分岐接続枝65は、幅が入力スラブ2に近づくに従ってテーパ状に狭くなるパターンを有するテーパ部65pをそなえている。換言すれば、テーパ部65pを有する2つの分岐接続枝65と合流部69とを端部6−3にそなえたチャネル導波路3−3が、入力スラブ2と一体形成して、入力スラブ2とチャネル導波路3−3とを光学的に接続しているのである。
【0086】
なお、これらの分岐接続枝65は、図14に示すように、各チャネル導波路3−3の端部6−3における中心軸33bが、2本の分岐接続枝65で挟まれるギャップ部G1の中心を通過し、且つ、その延長線が入射光拡散中心21を通過するようになっている。
次に、第4実施形態のMUX/DEMUXについて、入力スラブ2とチャネル導波路3との接続損失が低下する理由を、図15(a)と図15(b)との比較によって説明する。
【0087】
図15(a)は第4実施形態におけるMUX/DEMUX10−3(図12参照)の入力側接続部6−3の動作を説明するための図であり、図15(b)は第1実施形態におけるMUX/DEMUX10(図1参照)の入力側接続部6の動作を説明するための図である。
この図15(b)に従って、分岐接続枝61のコア幅は7μmの一定なので、分岐接続枝61の先端部分D1の電界強度分布81は、分岐接続枝61の部分D2の電界強度分布84aと同一である。このとき、第1実施形態のMUX/DEMUX10の入力スラブ2とチャネル導波路3との結合効率は、チャネル導波路3に入射する直前の入射光8と、チャネル導波路3の分岐接続枝61を伝搬する予定の0次モード光の電界強度分布81の重畳積分(integration over the area of overlap between the normalized optical field 8 and 81)に等しくなる。なお、この計算方法は、例えば、"IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS. VOL. 28 No. 12. pp. 2729 (1992)"に記載されている。
【0088】
入射光8は、入力スラブ2にて拡散された光の電界強度分布であるので、その幅は広い。これに対して、電界強度分布81は、幅7μmのコア51に励振されるモードであるので狭い。
このように、結合する電界強度の幅の比が大きくなると結合損失が増加する。
これに対して、第4実施形態のMUX/DEMUX10−3に用いられる分岐接続枝61の先端部分は細いので、先端部分に励振される導波モード83は、幅が広い。この結果、入射光8と電界強度分布81との幅の比が小さくなり、結合損失が低下する。
【0089】
これに対し、第4実施形態のごとくテーパ部65pを有する分岐接接続枝65をそなえて構成した場合には、図15(a)に示すように、入力導波路1から放射され入力スラブ2を伝搬してスラブ境界線22に達した入射光の電界強度分布8となるのに対して、分岐接続枝65の先端部分D1に励振される導波モードの電界強度分布は符号83のようになり、また、分岐接続枝65のテーパ部65pが終了した部分D2に励振される導波モードの電界強度分布は符号84のようになる。
【0090】
なお、この図15()において、分岐接続枝65は、テーパ部65pによって先端部分D1から離れるに従って幅が広がるようになっているが、このテーパ部65pによる幅の広がりが終了した部分D2における導波路幅W0を7μm程度とし、先端部分D1における導波路幅Wpを2μm程度とし、テーパ部65pの長さLpを2.5mm程度とすることができる。
【0091】
ここで、本実施形態にかかるチャネル導波路はシングルモード導波路により構成されているので、導波路幅がおよそ1/2より細くなると電界分布が広がる性質がある。即ち、図15(a),図15(b)に示すように、分岐接続枝65における先端部分D1の電界強度分布83は、分岐接続枝61の対応部分の電界強度分布81よりも広く(即ち強度分布の波形が平坦に)なる。
【0092】
なお、分岐接続枝61における先端部分D1,D2における電界強度分布81,84aおよび分岐接続枝65における先端部分D2における電界強度分布84は、励振される部分のコア幅が等しいので、その幅及び形状も等しくなる。
ここで、それぞれの分岐接続枝61,65のスラブ境界線22における光の結合効率は、入射光の電界強度分布8と導波路に励振される各導波モードの電界強度分布81,83との重畳積分〔例えば、河野健治著「光デバイスのための光結合系の基礎と応用」現代工学社、31頁、式(3.1−7)参照〕に等しくなるが、この重畳積分により、分岐接続枝65の構成のほうが、分岐接続枝61の構成よりも結合効率が高くなる(即ち低損失になる)結果を得ることができる。
【0093】
したがって、テーパ部65pを有する分岐接続枝65を構成することにより、テーパ部65pを有さずに分岐接続枝を構成した場合に比して、スラブ境界線22における入力スラブ2とチャネル導波路3−3との接続損失を低下させることができるのである。
このように、本発明の第4実施形態にかかる波長分波装置によれば、入力スラブ2に光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路3−3が、2本の分岐接続枝65と、分岐接続枝65からの分配光について光学的に結合する合流部69とを一体形成して構成され、前述の第1実施形態の場合と同様の利点があるほか、更に分岐接続枝65が、テーパ部65pにより、入力スラブ2に近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されているので、テーパ部65pをそなえていない構成の場合に比しても、入力スラブ2と各チャネル導波路3との接続損失を低減させることができる利点がある。
【0094】
なお、上述の第4実施形態においては、各チャネル導波路3−3における端部6−3の中心軸33bが入射光の光軸と一致するようになっているが、本発明によれば更に、例えば図16に示すように、各分岐接続枝65の中心軸33aが、入射光拡散中心21からの延長線上に配置されるように分岐接続枝65を構成してもよい。
【0095】
換言すれば、この図16に示す各チャネル導波路3−3の分岐接続枝65は、その中心軸33aが共にスラブ境界線22をなす円弧の接線に垂直になるように配置されており、このように分岐接続枝65を構成することにより、上述の実施形態の場合に比しても結合損失をより低下させ、分配光の入射効率を更に高めることができる。
【0096】
また、本発明に係るMUX/DEMUX10−3と従来のMUX/DEMUXとの動作について、図17および図18を用いて対比する。
図17は従来のMAX/DEMUXの場合である。この場合、入力導波路101から入射した入射光8がチャネル導波路103のテーパ部162に結合すると、0次モード光80a以外に、2次モード光82が励振される。ここで、0次モード光80aは、テーパ部162を伝搬して幅が狭い部分に達すると、80bになるが、2次モード光82は、図にP22と示したように、テーパ部162を伝搬するうちに、チャネル導波路103の外に放射された損失となる。
【0097】
次に、これに対して、図18に示すものは、本実施形態例におけるものである。この場合、入射光8がチャネル導波路に結合すると0次モード光80cだけが励振される。2つの枝に励振された0次モード光80c光は、分岐接続枝61を伝搬し二つの枝が一つになる部分で合波される。この際に、上の枝を伝搬する光は、0次モード光80e1と一次モード光831との和で表される。また、下の枝を伝搬する光は、0次モード光80e2と一次モード光832との和で表される。そして、831および832と80e1および80e2とが合波されると、831と832とが相互に相殺されて消滅する。このため、831と832とが合波することによる損失は生じない。また、80e1と80e2とは、0次モードで位相が一致するので、相互に強め合いチャネル導波路3に閉じ込められて伝搬する。従って、従来例のように、高次モードの放射による損失を生じず、低損失となる。
【0098】
この図18に示す構成において、入力スラブ2を介してチャネル導波路3−3を伝搬する光は、分岐接続枝65内においては、前述のチャネル導波路103−1を伝搬する光に比べて、コアの外部に放射される光量が格段に少なくなっており、光損失が大幅に改善できるようになっている。この場合においては、図17に示す構成の場合は−16.4dB程度、図18に示す構成の場合は−14.7dB程度となり、1.7dB程度の損失低減効果を得ている。
【0099】
また、シミュレーションによれば、第4実施形態に係る波長分波装置10−3によって、従来の波長分波装置(図28参照)よりも、1.7dBの損失低減効果が認められた。
(e)第5実施形態の説明
図19〜図21は本発明の第5実施形態を示す図であり、図19は本発明の第5実施形態にかかる波長分波装置として機能するMUX/DEMUX10−4の要部を示す模式図であって、前述の各実施形態の場合と同様に、特に波長合分波装置10−4を構成する光導波路デバイスにおけるコアのパターンに着目して示すものである。また、図20は入力導波路1,入力スラブ2およびチャネル導波路3−4の一部を拡大して示す模式図であり、図21は入力スラブ2側における1本のチャネル導波路3−4の端部6−4を示す模式図である。
【0100】
第5実施形態にかかるMUX/DEMUX10−4においても、前述の各実施形態の場合と同様、コアが、上下左右をアンダークラッド又はオーバークラッドにより取り囲まれるように形成され、光がコア内に閉じ込められて伝搬できるようになっている。
また、第5実施形態におけるMUX/DEMUX10−4は、前述の第4実施形態におけるもの(符号10−3参照)に比して、チャネル導波路3−4の構成が異なっているが、これ以外の構成については、前述の各実施形態の場合と同様である。即ち、コアには、第5実施形態特有の特徴を有するチャネル導波路3−4とともに、前述の各実施形態におけるものと同様の入力導波路1,入力スラブ2,出力スラブ4及び出力導波路5として機能するパターンが一体に形成されている。なお、図19〜図21中において、前述の各実施形態を示す図と同様の符号は、ほぼ同一の部分を示している。
【0101】
また、第5実施形態にかかるチャネル導波路3−4は、入力スラブ2に光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路3−4、即ち入力スラブ2側のチャネル導波路3−4の端部6−4が、特徴的なコアパターンをそなえている。
すなわち、第5実施形態に係るMUX/DEMUX10−4(図19または図20参照)のチャネル導波路3−4の端部6−4は、図21に示すように、入力スラブ2との接続部24においては、幅Wの狭い幅で、入力スラブ2から一定距離離れるまで、その幅が一定の部分66sと、入力スラブ2から離れるに従って、Wまで広がるテーパ部66pを有する。
【0102】
ここで、例えば、Wを7μmとし、Wを2μmとすると、入力スラブ2とチャネル導波路3との接続損失を、第4実施形態で得られる接続損失よりも低減させることができる。
ここで、テーパ部66pは、合流部69側から入力スラブ2に近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するものであり、幅一定狭幅導波路部66sは、入力スラブ2とテーパ部66pとを光学的に接続しテーパ部66pの幅が最も幅が狭い部分と同程度の幅で且つほぼ一定幅を有するものである。
【0103】
ここで、テーパ部65pの長さLpを800mm、幅一定狭幅導波路部66sの長さLsを200μmとすることができる。
なお、図21に示すように、各チャネル導波路3−4の端部6−4における中心軸33bが、2本の分岐接続枝66で挟まれるギャップ部G1の中心を通過し、且つ、その延長線が入射光拡散中心21を通過するようになっている。換言すれば、各チャネル導波路3における端部6−4の中心軸33bが、入射光の光軸と一致するようになっている。
【0104】
また、第5実施形態にかかる光合分波装置10−4では、テーパ部66pおよび幅一定狭幅導波路部66をそなえている場合により、第4実施形態のごとき分岐接続枝65をそなえて構成した光合分波装置10−3に比して、入力スラブ2とチャネル導波路3−3との接続損失を、より低減させることができる。
ここで、第5実施形態に係るMUX/DEMUX10−4により、入力スラブ2とチャネル導波路3との接続損失が低下する理由を、図22(a)と図22(b)との比較により説明する。
【0105】
図22(a)は第5実施形態におけるMUX/DEMUXの入力側接続部6−3の動作を説明するための図であり、図22(b)は第4実施形態におけるMUX/DEMUXの入力側接続部6の動作を説明するための図である。
ここで、図22(a)に示す分岐枝66の先端D1に励振される電界分布は符号83aで表されている。
【0106】
図22(b)に示す入力導波路1から放射され入力スラブ2を伝搬してスラブ境界線22に達した光の電界強度分布8に対し、幅一定狭幅導波路部66sの先端部分D1に励振される導波モードの電界強度分布は符号83で示すものになり、また、分岐接続枝65のテーパ部65pが終了した部分D2に励振される導波モードの電界強度分布については符号84のようになる。
【0107】
ここで、図22(b)に示すように、第1実施形態のMUX/DEMUX10に用いられる分岐接続枝65の場合、分岐接続枝65の幅が最小(2μm)になるのは、ちょうど、スラブ境界線22の部分だけである。分岐接続枝65を伝搬する光が2μmのコア幅に相当する電界強度分布となるには、その光が少なくとも波長よりも長い距離をコアを伝搬することが必要である。ここで、実際上、その光が波長の10倍以上の長さのコアを伝搬することが必要である。
【0108】
しかし、図22(b)に示す分岐接続枝65の幅が2μmの部分の長さは、限りなく0に近く、必要とされる長さより短いので、入力スラブ2近傍で励振されるモードの電界強度分布の幅は、コア幅2μmのコアに励振される電界強度分布の幅よりも狭くなる。
この結果、結合損失は、分岐接続枝65の幅が2μmの場合に期待される結合損失よりも大きくなる。
【0109】
これに対して、第5実施形態の入力側接続部6−4に対応する図22(a)の場合には、分岐接続枝66の先端部のコア幅を波長の10倍以上の長さにわたって2μmの一定にすることができる。
このため、分岐枝66の先端D1に励振される電界分布は、導波路幅が2μmの場合に相当する広さの電界分布83aまで広がる。この光がテーパ部66pを伝搬するうちに電界分布が変化し、テーパ部66pが終了した部分D2に達すると、電界強度84となる。この結果、入力スラブ2とチャネル導波路3との結合損失が、分岐接続枝66の幅が2μmとなった場合に相当する値まで低下する。
【0110】
また、テーパ部65pの長さLpを800mm程度、幅一定狭幅導波路部66sの長さLsを200μm程度とすることができる。
なお、上述の第5実施形態においては、各チャネル導波路3−4における端部6−4の中心軸33bが入射光の光軸と一致するようになっているが、本発明によれば更に、例えば図23に示すチャネル導波路3−4aのように、中心軸33aが、入射光拡散中心21からの延長線上に配置されるように分岐接続枝66aを構成してもよい。
【0111】
換言すれば、この図23に示す各チャネル導波路3−4aの分岐接続枝66aは、その中心軸33aが共にスラブ境界線22をなす円弧の接線に垂直になるように配置することができる。このように分岐接続枝66aを構成することにより、上述の実施形態の場合に比しても結合損失をより低下させ、分配光の入射効率を更に高めることができる。
【0112】
(f)その他
また、上述の第3実施形態にかかるMUX/DEMUXとして機能するMUX/DEMUX10−2においては、各チャネル導波路3−2における端部6−2の1次分岐接続枝611を、その中心軸32bが平行となるように、かつ一定幅の導波路となるように形成されているが、本発明によればこれに限定されず、例えば図24〜図27に示すような態様にて各チャネル導波路3−21〜3−24の端部6−21〜6−24を構成することができる。
【0113】
すなわち、図24に示すように、各チャネル導波路3−21の端部6−21について、図12〜図14と同様のテーパ部65pを有する1次分岐接続枝651をそなえて構成することもでき、このように構成することにより前述の第4実施形態の場合と同様の利点もある。
さらに、例えば図25に示すように、各チャネル導波路3−22の端部6−22における1次分岐接続枝651を、第4実施形態の場合(図12〜図14参照)と同様のテーパ部65pをそなえるとともに、その中心軸32cが入射光の光軸と一致するように構成してもよく、このように構成することにより、第4実施形態の場合と同様の利点があるほか、図11の場合と同様、入力スラブ2とチャネル導波路3−2との結合損失をより一層低減させることに寄与する。
【0114】
また、例えば図26に示すように、各チャネル導波路3−23の端部6−23における1次分岐接続枝661を、第5実施形態の場合(図19〜図21参照)と同様のテーパ部66p及び幅一定部66sをそなえてなる1次分岐接続枝661をそなえて構成してもよく、このように構成することにより、前述の第5実施形態の場合と同様の利点をも得ることができる。
【0115】
さらに、例えば図27に示すように、各チャネル導波路3−24の端部6−24における1次分岐接続枝661を、第5実施形態の場合(図19〜図21参照)と同様のテーパ部66p及び幅一定部66sをそなえるとともに、各分岐接続枝661を、その中心軸32cが入射光の光軸と一致するように構成してもよく、このように構成することにより、第5実施形態の場合と同様の利点があるほか、図11の場合と同様、入力スラブ2とチャネル導波路3−2との結合損失をより一層低減させることに寄与する。
【0116】
さらに、上述の第2実施形態における低屈折率島状領域34を、第2実施形態以外の他の実施形態における態様のチャネル導波路に適用することも、もちろん可能である。
さらに、本発明によれば、上述の各実施形態にて開示された実施態様のほか、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0117】
(g)付記
(付記1) 基板上に、
波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
上記のチャネル導波路と第1スラブとを光学的に接続する接続個所の数が、上記のチャネル導波路と第2スラブとが接続される接続個所の数よりも多くなるように構成されたことを特徴とする、波長分波装置。
【0118】
(付記2) 基板上に、
波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、該第1スラブからの前記分配光を入力する複数本の分岐接続枝と、該分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する合流部とを一体形成して構成されたことを
特徴とする、波長分波装置。
【0119】
(付記3) 該分岐接続枝が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような幅を有するように構成され、且つ該合流部における結合接点が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴とする、付記2記載の波長分波装置。
(付記4) 該分岐接続枝が、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されたことを特徴とする、付記2または3記載の波長分波装置。
【0120】
(付記5) 該分岐接続枝が、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するテーパ部と、上記の第1スラブとテーパ部とを光学的に接続し上記のテーパ部の幅が最も幅が狭い部分と同程度の幅で且つほぼ一定幅を有する幅一定狭幅導波路と、により構成されたことを特徴とする、付記2または3記載の波長分波装置。
【0121】
(付記6) 基板上に、
波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、
該第1スラブからの前記分配光を入力する複数本の1次分岐接続枝と、該1次分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する1次合流部とを有してなる複数組の1次結合部と、
該1次結合部にて結合された前記分配光を入力する複数本の2次分岐接続枝と、該2次分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する2次合流部とを有してなる2次結合部と、を一体形成して構成されたことを
特徴とする、波長分波装置。
【0122】
(付記7) 該1次分岐接続枝が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような幅を有するように構成され、且つ該合流部における結合接点が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴とする、付記6記載の波長分波装置。
(付記8) 該分岐接続枝が、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されたことを特徴とする、付記6または7記載の波長分波装置。
【0123】
(付記9) 該分岐接続枝が、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するテーパ部と、上記の第1スラブとテーパ部とを光学的に接続し上記のテーパ部の幅が最も幅が狭い部分と同程度の幅で且つほぼ一定幅を有する幅一定狭幅導波路と、により構成されたことを特徴とする、付記6または7記載の波長分波装置。
【0124】
(付記10) 基板上に、
波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
該チャネル導波路が、
該第1スラブとの接続個所が分配光の高次モード光が励振され得る幅を有するとともに、該第1スラブから離れるに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されるとともに、
該チャネル導波路よりも低屈折率の島状形成領域が、該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路を複数に仕切るように設けられたこと特徴とする、波長分波装置。
【0125】
(付記11) 該島状形成領域によって仕切られたチャネル導波路が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような導波路として構成され且つ前記仕切られたチャネル導波路が結合する部分の導波路幅が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴とする、付記10記載の波長分波装置。
【0126】
(付記12) 上記の第1スラブにおけるチャネル導波路との接続界面が、前記拡散入力される光の拡散中心を中心とする円弧状に形成されていることを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項記載の波長分波装置。
(付記13) 該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路の中心軸が前記拡散中心からの延長線上に配置されるように構成されたことを特徴とする、付記12記載の波長分波装置。
【0127】
(付記14) 上記の第1スラブにおけるチャネル導波路との接続界面が、前記拡散入力される光の拡散中心を中心とする円弧状に形成されるとともに、
各分岐接続枝の中心軸が、前記拡散中心からの延長線上に配置されるように構成されたことを特徴とする、付記2〜5のいずれか1項記載の波長分波装置。
(付記15) 上記の第1スラブにおけるチャネル導波路との接続界面が、前記拡散入力される光の拡散中心を中心とする円弧状に形成されるとともに、
各1次分岐接続枝の中心軸が、前記拡散中心からの延長線上に配置されるように構成されたことを特徴とする、付記7記載の波長分波装置。
【0128】
(付記16) 基板上に、
波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、複数の分配光について光学的に結合して伝搬させる結合用導波路が複数段ツリー状にタンデム接続されるように形成されたことを
特徴とする、波長分波装置。
【0129】
(付記17) 複数の波長の光からなる波長多重光をガイドして出力する入力導波路と、
該入力導波路から出力された波長多重光を拡散する第1スラブと、
該第1スラブにて拡散された波長多重光を該複数の波長に応じて分離しその分離光を伝搬させる複数の導波路からなり、該複数の導波路が該複数の導波路のうちの隣接する導波路の光路長の差が一定となるように形成された複数のチャネル導波路と、
該複数のチャネル導波路からの複数の分離光を収束する出力スラブとをそなえて構成されたことを特徴とする、波長分波装置。
【0130】
(付記18) 該複数のチャネル導波路を構成する部分のうちの該第1スラブ近傍に位置する第1のスラブ境界線の形状が、
該第1スラブに設けられた拡散中心部を中心とする所定半径を有する円弧であるように構成されたことを特徴とする、付記17記載の波長分波装置。
(付記19) 該第1スラブが、
該拡散中心部から同一位相で該波長多重光を拡散出力するように構成されたことを特徴とする、付記18記載の波長分波装置。
【0131】
(付記20) 該複数のチャネル導波路が、それぞれ、
該光路長の差に基づいて該分離光のそれぞれが位相差を生じるように構成されたことを特徴とする、付記17記載の波長分波装置。
(付記21) 該複数のチャネル導波路が、それぞれ、
該光路長の差を、該波長多重光に含まれる中心波長の整数倍の次数に設定するように構成されたことを特徴とする、付記17記載の波長分波装置。
【0132】
(付記22) 該複数のチャネル導波路を構成する部分のうちの該第2スラブ近傍に位置する第2のスラブ境界線の形状が、
所定半径を有する円弧であるように構成されたことを特徴とする、付記17記載の波長分波装置。
(付記23) 該第2スラブが、
該第2のスラブ境界線から出力される光の波長と、該波長多重光に含まれる中心波長とに基づいて、該複数の分離光を収束するように構成されたことを特徴とする、付記22記載の波長分波装置。
【0133】
(付記24) 少なくとも2端子を有し、一方の端子が所望の波長を有する光の収束位置に設けられるとともに、他方の端子が出力端子として使用される第2導波路をそなえて構成されたことを特徴とする、付記17〜付記23のいずれか一に記載の波長分波装置。
【0134】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の波長分波装置によれば、以下のような作用効果ないし利点がある。
1.チャネル導波路と第1スラブとが光学的に接続される接続個所の間隔dc11およびdc12、換言すれば、第1スラブ側のチャネル導波路の端部チャネル導波路に入射される分配光の角度ピッチ狭くさせているので、第1スラブとチャネル導波路との接続損失を低減させることができる。
【0135】
2.第1スラブと第2スラブの大きさを対称にした場合でも、チャネル導波路と第2スラブとが光学的に接続される接続個所の間隔dc2を広く保ったままで、チャネル導波路と第1スラブとが光学的に接続される接続個所の間隔(dc11及びdc12)を狭くできるため、第2スラブ近傍において、チャネル導波路を伝搬する光の干渉(結合)が防止できるとともに、デバイス設計を容易にしながら、第1スラブとチャネル導波路との接続損失を低減させることができる利点がある。
【0136】
3.分岐接続枝の幅を第1スラブから入力される分配光の高次モード光がカットオフされるような幅W2を有するように形成するとともに、合流部における結合接点の幅W1を入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成しているので、高次モードの励振による損失を抑圧させることができる利点もある。
【0137】
4.島状形成領域によって仕切られたチャネル導波路を、第1スラブから入力される分配光の高次モード光がカットオフされるように形成するとともに、合流点の幅を入力される分配光の高次モード光が励振される幅となるように形成しているので、高次モードの励振による損失を抑圧させることができる利点もある。5.各チャネル導波路の第1スラブ側の端部を、1次結合部および2次結合部が複数段のツリー上にタンデム接続されているので、一本のチャネル導波路3−2が第1スラブ2と2つ以上(この場合においては4つ)の接続個所をもって一体に形成することができ、第1スラブとチャネル導波路との結合損失を低減できる利点があるほか、第2スラブとチャネル導波路との接続部におけるチャネル導波路間隔を拡大させることができ、チャネル導波路の端部における光の干渉をさらに抑圧でき、特に光の干渉(結合)が生じやすい屈折率差が小さい導波路を用いる場合の干渉(結合)防止に有効である。
【0138】
6.第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、2本の分岐接続枝と、分岐接続枝からの分配光について光学的に結合する合流部とを一体形成して構成され、更に分岐接続枝が、テーパ部により、第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されているので、テーパ部をそなえていない構成の場合に比しても、第1スラブと各チャネル導波路との接続損失を低減させることができる利点がある。
【0139】
7.第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路を、2本の分岐接続枝と、分岐接続枝からの分配光について光学的に結合する合流部とを一体形成して構成され、更に分岐接続枝が、テーパ部および幅一定狭幅導波路部をそなえたことにより、テーパ部そなえながら幅一定狭幅導波路部をそなえていない構成の場合に比して、第1スラブと各チャネル導波路との接続損失を更に低減させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態にかかる波長分波装置として機能する波長合分波装置を示す模式図である。
【図2】第1実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図3】第1実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図4】(a)は従来の波長合分波装置のチャネル導波路における光の伝搬を説明するための図であり、(b)は第1実施形態における波長合分波装置の作用効果を説明するための模式図である。
【図5】第1実施形態の変形例における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図6】第2実施形態にかかる波長分波装置として機能する波長合分波装置を示す模式図である。
【図7】第2実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図8】(a)は従来の波長合分波装置のチャネル導波路における光の伝搬を説明するための図であり、(b)は第2実施形態における波長合分波装置の作用効果を説明するための模式図である。
【図9】第3実施形態にかかる波長分波装置として機能する波長合分波装置を示す模式図である。
【図10】第3実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図11】第3実施形態の変形例における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図12】第4実施形態にかかる波長分波装置として機能する波長合分波装置を示す模式図である。
【図13】第4実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図14】第4実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図15】(a)は第4実施形態における波長合分波装置の入力側接続部の動作を説明するための図であり、(b)は第1実施形態における波長合分波装置の入力側接続部の動作を説明するための図である。
【図16】第4実施形態の変形例における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図17】従来の波長合分波装置のチャネル導波路における光の伝搬を説明するための図である。
【図18】第4実施形態の変形例における波長合分波装置の作用効果を説明するための図である。
【図19】第5実施形態にかかる波長分波装置として機能する波長合分波装置を示す模式図である。
【図20】第5実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図21】第5実施形態における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図22】(a)は第5実施形態における波長合分波装置の作用効果を説明するための模式図であり、(b)は図12および図13に示す波長合分波装置のチャネル導波路における光の伝搬を説明するための図である。
【図23】第5実施形態の変形例における波長合分波装置の要部を示す模式図である。
【図24】本発明の波長分波装置として機能する波長合分波装置の他の実施形態を示す模式図である。
【図25】本発明の波長分波装置として機能する波長合分波装置の他の実施形態を示す模式図である。
【図26】本発明の波長分波装置として機能する波長合分波装置の他の実施形態を示す模式図である。
【図27】本発明の波長分波装置として機能する波長合分波装置の他の実施形態を示す模式図である。
【図28】従来のAWG型の波長合分波装置の構成を示すブロック図である。
【図29】(a)はAWG型の波長合分波装置の導波路の形状を示す模式図であり、(b)は従来の分光装置の構成例を示す図であり、(c)は導波路を用いて構成した波長合分波装置と従来の分光装置のコンポーネントとの対応を示す図である。
【図30】(a),(b)はともに複数のチャネル導波路のうちの隣接する3本のチャネル導波路を示す図である。
【図31】波長合分波装置の分光装置および挿入損失の例を示す図である。
【図32】(a)〜(c)はいずれも第1スラブとチャネル導波路との接続部における挿入損失の発生要因を説明するための図である。
【図33】(a)は挿入損失を低減させるための第1の手法について示す図であり、(b)はその作用について説明する図である。
【図34】(a)は挿入損失を低減させるための第2の手法について示す図であり、(b)はその作用について説明する図である。
【図35】チャネル導波路に高次モード光が励振されコアの外に放射される様子を示す図である。
【符号の説明】
1 入力導波路(第1導波路)
2 入力スラブ(第1スラブ)
3,3−1〜3−4,3−4a,3−21〜3−24 チャネル導波路
4 出力スラブ(第2スラブ)
5 出力導波路
6,6−1〜6−4,6−21〜6−24 端部
7 端部
8 入射光の電界強度分布
10,10−1〜10−4 波長合分波装置
21 入射光拡散中心
22,42 スラブ境界線
24,44 接続部
31,33b 端部の中心軸
32a,32c,33a 分岐接続枝の中心軸
34 低屈折率島状形成領域
61 分岐接続枝
61a−1,61a−2 導波路
62a テーパ付接続枝
65,66,66a 分岐接続枝
65p,66p テーパ部
66s 幅一定狭幅導波路部
69 合流部
80a,80b 0次モード
82 2次モード
83,84,84a 電界強度分布
85 導波路を伝わる光
86 散乱され損失になる光
100 基板
100A 周囲の領域
101 入力導波路
102,102−1 入力スラブ
103,103−1 チャネル導波路
104 出力スラブ
105 出力導波路
106,106−1 波長合分波装置
107 入力側接続部
110 分光装置
113 回折格子
131〜133 チャネル導波路
122,142 スラブ境界線
162 テーパ付接続枝
610 1次結合部
611 1次分岐接続枝
612 1次合流部
620 2次結合部
621 2次分岐接続枝
622 2次合流部

Claims (9)

  1. 基板上に、
    波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
    該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
    所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
    該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
    該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
    該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、該第1スラブからの前記分配光を入力する複数本の分岐接続枝と、該分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する合流部とを一体形成して構成され
    かつ、該分岐接続枝が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような幅を有するように構成され、且つ該合流部における結合接点が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴とする、波長分波装置。
  2. 該分岐接続枝が、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されたことを特徴とする、請求項記載の波長分波装置。
  3. 該分岐接続枝が、上記の合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するテーパ部と、上記の第1スラブとテーパ部とを光学的に接続し上記のテーパ部の幅が最も幅が狭い部分と同程度の幅で且つほぼ一定幅を有する幅一定狭幅導波路と、により構成されたことを特徴とする、請求項記載の波長分波装置。
  4. 基板上に、
    波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
    該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
    所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
    該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
    該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
    該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路が、
    該第1スラブからの前記分配光を入力する複数本の1次分岐接続枝と、該1次分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する1次合流部とを有してなる複数組の1次結合部と、
    該1次結合部にて結合された前記分配光を入力する複数本の2次分岐接続枝と、該2次分岐接続枝からの前記分配光について光学的に結合する2次合流部とを有してなる2次結合部と、を一体形成して構成され
    かつ、該1次分岐接続枝が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような幅を有するように構成され、且つ該1次合流部における結合接点が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたことを特徴とする、波長分波装置。
  5. 1次分岐接続枝が、上記の1次合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されたことを特徴とする、請求項記載の波長分波装置。
  6. 1次分岐接続枝が、上記の1次合流部側から第1スラブに近づくに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するテーパ部と、上記の第1スラブとテーパ部とを光学的に接続し上記のテーパ部の幅が最も幅が狭い部分と同程度の幅で且つほぼ一定幅を有する幅一定狭幅導波路と、により構成されたことを特徴とする、請求項記載の波長分波装置。
  7. 基板上に、
    波長多重された複数チャネルの光を伝搬する第1導波路と、
    該第1導波路から入力された光を拡散させる第1スラブと、
    所定の導波路長差を持って順次長さが設定され、該第1スラブにて拡散した光を分配入力されて伝搬する複数のチャネル導波路と、
    該チャネル導波路にて伝搬された各分配光を入力されて、波長分離された光を集光する第2スラブと、
    該第2スラブにて集光された光を伝搬する第2導波路と、が形成されるとともに、
    該チャネル導波路が、
    該第1スラブとの接続個所が分配光の高次モード光が励振され得る幅を有するとともに、該第1スラブから離れるに従ってテーパ状に狭くなる幅を有するように形成されるとともに、
    該チャネル導波路よりも低屈折率の島状形成領域が、該第1スラブに光学的に接続される近傍部分のチャネル導波路を複数に仕切るように設けられ、
    かつ、該島状形成領域によって仕切られたチャネル導波路が、入力される前記分配光の高次モード光がカットオフされるような導波路として構成され且つ前記仕切られたチャネル導波路が結合する部分の導波路幅が、入力される分配光の高次モード光が励振され得る幅となるように形成されたこと特徴とする、波長分波装置。
  8. 上記の第1スラブにおけるチャネル導波路との接続界面が、前記拡散入力される光の拡散中心を中心とする円弧状に形成されるとともに、
    各分岐接続枝の中心軸が、前記拡散中心からの延長線上に配置されるように構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の波長分波装置。
  9. 上記の第1スラブにおけるチャネル導波路との接続界面が、前記拡散入力される光の拡散中心を中心とする円弧状に形成されるとともに、
    各1次分岐接続枝の中心軸が、前記拡散中心からの延長線上に配置されるように構成されたことを特徴とする、請求項4記載の波長分波装置。
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