JP3781903B2 - 気体燃料エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体燃料エンジンの制御装置に係り、特に、エンジンに供給される気体燃料の圧力と温度等に基づいてインジェクタから噴射される気体料の噴射パルス幅を補正制御する気体燃料エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用エンジンにおいては、排気ガス規制、燃費規制等の種々規制が設けられており、特に、環境保護の要求の観点から前記規制は、一層強化される傾向にある。
一方、現在の自動車用のエンジンの燃料は、ガソリンや軽油などの液体燃料が主であるが、その埋蔵量の制限等により、将来、その液体燃料の供給不足、価格の高騰などが懸念されていることから、代替エネルギーを用いた自動車の開発が行われている。該代替エネルギーを用いた代表的な自動車としては、電気自動車や、液体燃料と電気とのハイブリット自動車、アルコール、ガス(天然ガス、プロパンガス、水素ガスなど)を燃料としたガス自動車等が挙げられるが、それを供給するための燃料供給施設・設備等のインフラ面、あるいはコスト面で、天然ガスを用いた自動車が、その開発において、一歩リードしているのが現況である。
【0003】
天然ガス自動車は、使用燃料がメタンガスを主成分とするため、排気ガス排出量を従来の液体燃料自動車に比べて低減することが可能である。更に、噴射方式を各気筒独立として、燃料を噴射するMPI(マルチポイントインジェクションシステム)化することで、最適空燃比制御が可能になり、排気ガス性能、燃費性能、動力性能、運転性等の運転性能を向上させることができるとともに、従来の液体(ガソリン)燃料用のエンジン制御システムを転用することが概ね可能で、製造コストも抑制できるとの効果を有している。
【0004】
これは、前述した強化の一途をたどっている近年の自動車を取り巻く環境保護の要求(排気ガス規制、燃費規制など)に適合するものであり、今後大いに期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、天然ガス自動車のような気体燃料を使用する自動車においては、燃料ボンベへの天然ガスの充填においては、その充填圧力を高圧の状態にして置く必要性があり、その取り扱いの安全性に対する配慮が重要となる。該安全性を配慮した一例としては、特開平7-189789公報所載の技術等がある。該技術等の天然ガスを使用した自動車用エンジンの取り扱えの安全性の配慮としては、天然ガス燃料の圧力(燃圧)の異常上昇時、あるいは自動車の非常(衝突)時のために、燃料ボンベからエンジンへの燃料の供給を制限(遮断)する手段を備えることが知られている。
【0006】
また、気体燃料は、気体であるが故に、その温度、圧力等の燃料状態の違いにより、性状を異にするので、その燃料状態の変化に基づいて燃料噴射量に補正を加えて、エンジンを最適空燃比に制御する必要があると共に、該最適空燃比に制御するためには、気体燃料の燃料状態を正確に検知することが必要がある。
しかし、例えば、検出センサの断線や該検出センサの特性の使用中のシフト、燃圧調整用レギュレータの故障による圧力振幅の増大等の場合には、燃料状態を検知することが不能になる場合がある。このような、検知不能の場合には、従来は非常事態と判定できなかったので、燃料の供給制限(停止)等が行われずに、通常の噴射制御を行わざるをえなかった。
【0007】
天然ガス用自動車のエンジンにおいては、通常、図3に示す概要図の如く、理論空燃比L1が、L1=約17(16.8:メタン80%)の状態となり、該状態においては、該理論空燃比L1の空燃比リーン側では、可燃範囲(失火限界)は広いが、リッチ側では可燃範囲(失火限界)は、狭いという状態を奏してしている。前記エンジンの運転中において、該エンジンの実際の空燃比は、気体燃料の理論空燃比L1に対し、運転環境による燃料状態(燃圧や燃温)の変化、あるいは運転状態(過渡時/定常時)の変化に基づくの燃圧変化によって、矢印aの範囲内で変動し、場合によっては、運転性能が悪化するとの事態か生じる。特に、実際の空燃比が前記理論空燃比L1よりリッチ側に移動した場合には、可燃範囲が狭いので、失火等の原因となる虞がある。
【0008】
また、前記の如く、検出センサの断線等の燃料状態を検知することが不能になった場合に、検知不能状態のままで、成り行き制御を行っていては、低温時に、気体密度が増加する等によって、空燃比がリッチ側に移動することで、失火(最悪はエンスト、始動不能)に至るとの危険性がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされてものであって、その目的とするところは、気体燃料が、エンジンの運転環境による圧力や温度の変化、あるいはエンジンの過渡時や定常時等の運転状態の変化によって圧力変化しても、エンジンが失火等を起こさずに、最良な運転状態を維持できる気体燃料の噴射量(噴射パルス幅)を設定できる気体燃料エンジンの制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明の気体燃料エンジンの制御装置は、基本的には、気体燃料の基本噴射パルス幅を演算する基本パルス幅演算手段と、燃料状態パルス幅補正値を演算する燃料状態パルス補正値演算手段と、空燃比補正値を演算する空燃比補正値演算手段と、前記燃料状態パルス幅補正値と前記空燃比補正値とにより前記基本噴射パルス幅を補正して気体燃料の噴射パルス幅を演算する噴射パルス幅演算手段とを備え、前記燃料状態パルス補正値演算手段が、気体燃料の温度及び/又は圧力を燃料状態値として算出する燃料状態値算出手段と該燃料状態値に基づきパルス幅補正値を算出するパルス幅補正値算出手段とを備えると共に、燃料系の異常状態を判定する燃料系異常状態判定手段と、燃料状態値を所定値に固定する固定燃料状態値算出手段と、燃料状態パルス幅補正値を所定値に固定する固定パルス幅補正値算出手段とを備え、燃料系の異常に際し、固定燃料状態値算出手段又は固定パルス幅補正値算出手段は、燃料状態系の正常時に対して、エンジンの空燃比を空燃比リッチ状態での失火への余裕代を確保するように希薄側へ移行させるべく前記固定燃焼状態値若しくは前記固定パルス幅補正値を算出し、その算出結果によって前記燃料状態パルス幅補正値を変更し、前記噴射パルス幅演算手段に出力することを特徴としている。
【0010】
そして、本発明の気体燃料エンジンの制御装置の具体的な態様は、前記固定燃料状態値算出手段若しくは前記固定パルス幅補正値算出手段が、前記燃料系異常状態判定手段の燃料状態の異常値の度合いに基づき所定の固定燃焼状態値若しくは所定の固定パルス幅補正値を算出するものであることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の気体燃料エンジンの制御装置の他の具体的な態様は、前記燃料系異常状態判定手段が、燃料状態異常検出時にその燃料状態異常値をメモリ内に保存する異常値記憶手段を備え、該保存した燃料状態異常値に基づき燃料系の異常を判定することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の気体燃料エンジンの制御装置は、燃料系の正常時には、燃料状態値算出手段によって気体燃料の温度及び/又は圧力を燃料状態値として算出し、パルス幅補正値算出手段によって前記燃料状態値に基づきパルス幅補正値を算出して、該パルス幅補正値を噴射パルス幅演算手段に出力して、基本噴射パルス幅を補正して気体燃料の噴射パルス幅を演算して、該演算された噴射パルス幅によって燃料噴射弁から気体燃料を噴射しているが、前記燃料系が異常(燃圧や燃温等が)である場合には、燃料系異常状態判定手段が、その異常を判定し、前記固定燃料状態値算出手段若しくは前記固定パルス幅補正値算出手段が、エンジンの空燃比が希薄側へ移行するような所定の燃料状態値若しくはパルス幅補正値を算出し、該固定パルス幅補正値により基本噴射パルス幅を補正して気体の噴射パルス幅を演算するようにしたので、燃料状態検出不能等を含む燃料系が異常になった場合でも燃焼を安定した状態で継続することができる。
【0012】
更に、本発明の気体燃料エンジンの制御装置の他の具体的な態様は、前記燃料系異常状態判定手段が、気体燃料の温度が所定範囲内にあるか否かにより、若しくは、始動後所定期間中の冷却水温、吸気温度、及び気体燃料温度との関係により燃料系の異常を判定し、気体燃料の温度検出値が正常である場合に、エンジン始動後の所定期間中の冷却水温又は吸気温度と気体燃料温度との温度偏差を算出し、該温度偏差が所定値以上である場合には温度偏差に基づいて燃料温度偏差補正値を算出し、前記燃料温度検出値に燃料温度偏差補正を行うことを特徴とし、前記燃料系異常状態判定手段は、気体燃料の検出圧力が所定範囲内にあるか否かにより、前記検出圧力を平滑化処理して平滑化処理後の圧力が所定範囲内にあるか否かにより、若しくは、検出圧力の振幅が所定範囲内にあるか否かにより燃料系の異常を判定することを特徴としている。
【0013】
更にまた、前記燃料系異常状態判定手段は、異常警報装置又は外部診断装置等の外部警告手段に接続され、燃料状態に異常がある場合に外部警告手段への出力制御を行い、前記燃料系異常状態判定手段の異常値記憶手段が、燃料状態の異常検出履歴を各々の気体燃料状態異常検出毎に保存し、燃料状態異常検出時の履歴を外部診断装置からの消去要求により消去することを特徴としている。
【0014】
更にまた、本発明の前記気体燃料エンジンの制御装置は、前記燃料系異常状態判定手段が平滑化処理後の圧力値を異常であると判定したとき、前記エンジンの燃料配管内に配置された燃料遮断弁による燃料噴射弁への燃料供給を遮断することで、異常状態時(燃圧異常上昇時など)に限定して燃料供給を制限(遮断)することも可能になり、信頼性が向上する。
【0015】
また、制御装置と外部警報装置(警告ランプ、ブザーなど)や外部診断装置(自己診断用チェック装置など)とを結線し、運転者に警告するとともに、診断結果の操作を行うようにしたことで、運転者の危険状態からの回避、故障状態の早期警告を行うことができ、信頼性、サービス性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の気体燃料エンジンの制御装置の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の気体燃料エンジンの制御装置を備えたエンジンシステムの全体構成図である。
【0017】
図1のエンジンシステムは、エンジン1を備え、該エンジン1の各気筒には、ピストン1a、シリンダ1b、及び前記ピストン1aとシリンダ1bとで形成される燃焼室1cがあり、該燃焼室1cの上部には吸気管4と排気管5とが接続されていると共に、点火プラグ7が配置されている。前記吸気管4と排気管5の接続部には、吸気弁2aと排気弁2bとが配置され、前記吸気管4には、燃料を噴射するインジェクタ18が装着されている。
【0018】
空気供給系統においては、エアクリーナ3から入った空気が、スロットル弁6を通り、前記エンジンの気筒(燃焼室1c)に吸入される。
気体燃料の供給系統は、気体燃料を高圧の状態で充填貯蔵した燃料ボンベB、燃料噴射の燃圧を調整する調圧弁(レギュレータ)16、燃料を噴射する前記インジェクタ18、前記燃料ボンベBと前記レギュレータ16とを連結する高圧配管15、前記レギュレータ16と前記インジェクタ18とを連結する低圧配管17、高圧配管15のボンベ側とレギュレータ16側に設置された遮断弁11、12、及び、低圧配管17とで構成され、前記燃料ボンベBからの気体燃料が、遮断弁11,12が配置された高圧配管15を介してレギュレータ16に導かれ、該レギュレータ16で調圧されて前記インジェクタ18から吸気管4内に噴射される。
【0019】
前記低圧配管17には、燃料状態(燃温、燃圧)を検出する燃温センサ13と燃圧センサ14とが配置され、前記高圧配管15には、図示を省略したが、高圧配管15内の異常燃圧を検知する高圧対応の燃圧センサが配置されている。
エンジン1の運転状態の情報を検出するものとしては、吸気の質量流量を計測する吸気量検出センサS、エンジンの冷却水温を計測する水温センサ8、及び吸気温度を計測する吸気温度センサ9があり、エンジン1の各々の部所に配置されていると共に、図示を省略したが、クランク角度を検出するクランク角センサとスロットル角度を検出するスロットルセンサもエンジン1に配置されている。
【0020】
前記各検出センサの検出信号は、コントロールユニット10に入力されており、該コントロールユニット10では、クランク角センサの信号からエンジン回転数を、スロットルセンサと吸気量検出センサSとから吸入吸気量を、該吸入空気量とエンジン回転数とからエンジン負荷を算出し、これら各種情報に基づいて、エンジン1に供給する最適燃料噴射パルス幅、燃料噴射時期、点火時期などを演算し、燃料噴射弁であるインジェクタ18にて燃料を噴射し、図示していない点火コイルへの通電/遮断により点火プラグ7により混合気に点火している。前記コントロールユニット10の外部には、診断装置19が配置され、両者はシリアル通信などの通信手段を介在して相互通信可能になっている。
【0021】
図2は、本実施形態の気体燃料エンジンの制御装置(コントロールユニット10)の制御ブロック図を示すもので、インジェクタ18から噴射される燃料噴射量(パルス)の演算状態を示す制御ブロック図である。
前記インジェクタ18から噴射される気体燃料は、燃料噴射のための噴射パルス幅を演算することによって行われるが、その手順は、吸入空気量・エンジン回転数演算手段20で、吸気量検出センサSとクランク角センサ(図示省略)等からの検出信号に基づいてエンジンの吸入空気量とエンジン回転数とを演算する。
【0022】
基本パルス幅演算手段21は、前記吸入空気量とエンジン回転数とから燃料噴射のための基本噴射パルス幅(吸気量から求まる1気筒当たり必要な噴射パルス幅)を演算する。基本燃料噴射パルス幅の演算は、ガソリン用のパルス演算方式を用いる。
噴射パルス幅演算手段22は、前記演算された基本燃料噴射パルス幅を空燃比補正値演算手段25で演算した空燃比補正値(詳細後述)と、燃料状態パルス補正値演算手段26で算出されたパルス幅補正値(詳細後述)とで補正して噴射燃料パルス幅を演算する。インジェクタ駆動手段23は、前記演算された噴射燃料パルス幅に基づいてインジェクタ18の開弁時期を設定するものである。
【0023】
運転状態検出手段24は、水温センサ8とスロットル角度センサ6aとの検出信号に基づいてエンジン水温及びスロットル角度等を算出し、空燃比補正値演算手段25では、前記算出値に基づいて空燃比補正値(例えば、水温補正量、加速/減速時補正量等の空燃比調整値)を演算し、前記噴射パルス幅演算手段22に出力する。なお、本実施形態においては、O2センサによる空燃比フィードバック制御や空燃比学習制御については、記載を省略したが、該制御を前記空燃比補正値演算手段25内に包括することも可能である。
【0024】
次に、燃料状態パルス補正値演算手段26について説明する。該燃料状態パルス補正値演算手段26の燃料状態値算出手段27は、前記燃温センサ13と前記燃圧センサ14からの検出信号に基づいて気体燃料の温度と圧力を算出する。パルス補正値算出手段28では、基本の燃料温度(基本燃温)との関係(例えば、演算式:√(入力燃温値)/√(基本燃温値)の演算結果)から燃温補正係数と、基本の燃料圧力(基本燃圧)との関係(例えば、演算式:(基本燃圧値)/(入力燃圧値)からの演算結果)から燃圧補正係数とを算出し、これらの乗算結果をパルス幅補正値として算出する。
【0025】
算出されたパルス幅補正値は、切換手段29を介して前記噴射パルス幅演算手段22に出力され、前記基本パルス幅演算手段21で演算された気体燃料噴射の基本パルス幅を、該パルス幅補正値と前記空燃比補正値算出手段25で算出した空燃比補正値とによって補正し、最終的にインジェクタ18にて噴射される液体燃料の噴射パルス幅を算出する。
【0026】
前記噴射パルス幅演算手段22での基本パルス幅の補正は、図3に示されているように、気体燃料の理論空燃比L1に対し、運転環境による燃料状態(燃圧や燃温)の変化、あるいは運転状態(過渡時/定常時)の変化に基づく燃圧変化によって、空燃比は矢印aの範囲内で変動するが、燃温や燃圧に基づいて算出されるパルス補正値により、前記変動に対して補正され、理論空燃比L1へ収束される。
【0027】
前記燃料状態パルス補正値演算手段26の固定燃料状態値算出手段30、固定パルス幅補正値算出手段31、燃料系異常状態判定手段32、及び警告発生手段34は、本実施形態の主要な制御手段を構成するもので、気体燃料の燃温や燃圧が異常な状態となったことを判定して補正のための燃焼状態値、及び/又はパルス幅補正値の固定を行うこと、即ち、気体燃料の燃温や燃圧の判定結果が異常であると判定した場合、固定燃料状態値算出手段30で燃料状態検出値を、固定パルス幅補正値算出手段31でパルス幅補正値を各々所定値に固定(リーン方向へ移行可能な値へのシフト)を行うものである。
【0028】
燃料系異常状態判定手段32は、水温センサ8と吸気量検出センサSで検出された信号を入力すると共に、前記燃料状態値算出手段27で算出した気体燃料の燃料温度と燃料圧力等の燃料状態値に基づき燃料系が異常であるか否かを、異常値記憶手段33に格納されている異常値と対比して判定する。該判定は、前記燃料状態値によって複数段に判定できるものであり、その判定結果を、前記固定燃料状態値算出手段30及び前記固定パルス幅補正値算出手段31に出力する。
【0029】
前記固定燃料状態値算出手段30は、前記燃料系異常状態判定手段32の前記複数段の判定に基づき特定の固定燃料状態値(固定燃圧補正係数、固定燃温補正係数)を算出し、前記固定パルス幅補正値算出手段31は、前記固定燃料状態値算出手段30で算出した特定の固定燃料状態値から固定パルス幅補正値を算出するか、前記燃料系異常状態判定手段32の前記複数段の判定に基づき特定の固定パルス幅補正値を算出して切換手段29に出力する。
【0030】
一方、燃料系異常状態判定手段32は、燃料系が異常と判定した場合には、切換手段29に出力して、前記噴射パルス幅演算手段22へのパルス補正値演算手段28からのパルス幅補正値を、固定パルス幅補正値算出手段31からの固定パルス幅補正値に切り換える。
燃料系の異常に基づく前記切換手段29による固定パルス幅補正値の切り換えは、エンジン1内での空燃比をリーン側にシフトさせることにある。即ち、図3に示されているように、理論空燃比L1(約17(16.8:メタン80%))に対し、空燃比がリーン側では、可燃範囲(失火限界)は広いが、リッチ側では可燃範囲(失火限界)は狭いのが実情である。エンジンの運転において、燃料状態を検知が不能状態のまま成り行き制御を行うと、低温時の気体密度増加による空燃比リッチ、あるいは燃圧上昇時の噴射量過多による空燃比リッチによって、失火(最悪はエンスト、始動不能)にいたる危険性があることである。
【0031】
前記燃料系補正手段26の固定燃料状態値算出手段30と固定パルス幅補正値算出手段31で、燃料状態値の固定とパルス幅補正値の固定を行うことにより、空燃比L1から空燃比L2に移行させ、空燃比リッチ状態での失火への余裕代を確保可能にしている。
固定する所定値をどのような値にするかの要求量は、エンジンの構造により異なるため、適合作業により各エンジンシステム毎に所定固定値を求める必要があるが、運転状態(例えば、定常/過渡、低水温/高水温など)によって切り替えることで、各エンジンシステム毎の空燃比L2からの空燃比偏差(図3中の矢印b幅)を更に小さくすることが可能である。
【0032】
前記固定燃料状態値算出手段30と前記固定パルス幅補正値算出手段31は、コントロールユニット10の演算負荷やメモリ容量削減のために、どちらか一方だけを採用することにしても良い。前記燃料系異常状態判定手段32は、燃料系の異常を判定した場合には、警報発信手段34に出力して外部の警報器34aや外部診断装置19を作動する。
【0033】
次に、燃料状態の異常検出手段について説明する。図4は、燃料温度系の異常検出手段の一例を示した制御フローチャートであり、該フローチャートは、定時間タスクで実行されるルーチンである。
まず、ステップ35では、燃温センサ13からの信号を読み込み、ステップ36では、所定範囲内に電圧の入力値が入っているかどうかを判定する。該ステップ36は、燃温センサ13の電気的結線状態を診断するものであり、入力値読み込み用のA/D変換器の電源電圧が5Vと仮定した場合、センサ信号は、センサ特性やレギュレータ構造(冷却水温をレギュレータ内部に通過させる構造)にもよるが、実使用燃温範囲では、入力値は1V程度から4V程度の範囲内に入る。判定値としては、0.5Vと4.5Vとになり、この範囲内であれば、ステップ37に進み、電気的結線(電圧チェック)結果が、OKであるとして、次の診断事項であるステップ39に進む。
【0034】
ステップ36で、入力値が所定範囲外であった場合、すなわち、燃温センサ13とコントロールユニット10を結ぶ車両ハーネスの結線状態が、断線(ハーネス切れ、コネクタはずれ)又は、ショート(天落、地落)の状態と判定された場合には、ステップ38で電気的結線(電圧チェック)結果がNGであるとしてステップ45に進み、該ステップ45で、燃温系のNG情報(履歴)であるNGフラグをセットするとともに、ステップ46により、前述した通りの燃温入力値の固定、またはパルス補正値の固定を実施して、本制御ルーチンを終了する。
【0035】
ステップ39以降は、燃温情報が正常かどうかを機能的に判定するものであり、ステップ39では、始動直後(もしくは始動後所定時間)かどうかを判定する。始動後所定時間とした理由は、燃温を測定する場合に燃温センサが検出する燃温が配管壁温である危険性があるので、始動して気体温度を検出可能な状態になってから、燃温を測定するようにするためである。
【0036】
始動後所定時間内でない場合はステップ44で燃温系NGフラグをクリアして、本制御ルーチンを終了する。
ステップ39で、始動後所定時間内と判定された場合は、ステップ40に進み、該ステップで他のエンジン関連の温度情報である吸気温センサ信号、冷却水温センサ信号の読み込みを実施する。ここで、吸気温センサ、水温センサ、燃温センサのセンサ特性が異なる場合があり、温度情報にノーマライズ処理され、次のステップ41で各温度の比較が行われる。該ステップ41では、始動直後の各温度が、ほぼ同一の値している(外気温に収束している)ことを前提に診断する。
【0037】
ステップ41で同一値になっていれば、ステップ42で前記温度特性がOKであるとして、ステップ44に進み、燃温系NGフラグをクリアして本ルーチンを終了する。しかし、ステップ41で各温度が一致していない場合は、ステップ43で燃温系(機能チェック)をNGとして、前記のステップ45、46を経由して本ルーチンを終了する。
【0038】
ここで、始動モードが、エンジン停止直後の再始動である場合があり、この時は、本診断では誤診断の危険性がある。また、温度の一致判定には温度センサの特性ばらつきも考慮する必要があり、判定所定値には余裕代を十分にとる必要があるが、この場合、燃温センサの特性異常(特性異常までは行かないまでも特性がずれている状態)を見逃す危険性がある。
【0039】
これを解決する手段としては、ステップ41を、図5に示すフローに置換することができる(該フローは、図4のステップ40とステップ42の間に位置するものである)。
図4のフローのステップ40の処理が終了した場合に、ステップ50に進み、該ステップ50で、吸気温度が冷却水温と一致しているかを判定する。判定は冷却水温±X℃以内に入っているかどうかで判定する。入っていない場合は、再始動モードであると判定し、ステップ44へ移行する。冷却水温±X℃以内に吸気温度が入っていた場合、再始動モードではないとして、燃温が冷却水温±X℃以内に入っているかどうかを判定する。入っていない場合には、燃温センサ13の特性異常としてステップ43へ移行し、NG処理を実行する。
【0040】
入っている場合は、ステップ52へ進むが、ステップ52では、燃温と水温との偏差を求め、ステップ53では、その偏差が所定値以上かどうかを判定する。所定値以内である場合は、図4のステップ42へもどる。入っていない場合は、燃温によるパルス補正演算が不可能状態ではないが、燃温センサ特性がずれていると判定し、ステップ54に進み、該ステップ54では、ステップ53の偏差に基づき燃温補正の修正係数を算出する(修正係数は、図2の燃料状態値算出手段27又はパルス補正値算出手段28へ反映される)。このようにして燃温系の異常判定と燃温補正の修正が実行される。
【0041】
次に、図6は、燃料圧力系の異常検出手段の一例を示したフローチャートであり、該フローチャートは、定時間タスクで実行されるルーチンである。
ステップ55では、燃圧センサからの信号を読み込み、ステップ56では所定範囲内に電圧の入力値が入っているかどうかを判定する。該ステップ56は、燃圧センサ14の電気的結線状態を診断しているものであり、入力値の読み込み用のA/D変換器の電源電圧が5Vと仮定した場合に、センサ信号がセンサ特性やレギュレータ調整圧力にもよるが、実使用燃圧範囲では、入力値が1V程度から4V程度の範囲内に入る。判定値としては、0.5Vと4.5Vとになり、この範囲内であれば、ステップ57で電気的結線(電圧チェック)結果をOKとして、次の診断事項であるステップ59に進む。
【0042】
ステップ56で、もしも、入力値が所定範囲外であった場合、即ち、燃圧センサ14とコントロールユニット10を結ぶ車両ハーネスの結線状態が、断線(ハーネス切れ、コネクタはずれ)又はショート(天落、地落)の状態と判定された場合には、ステップ58で、電気的結線(電圧チェック)結果をNGとして、ステップ69で、燃温系のNG情報(履歴)であるNGフラグをセットするとともに、ステップ70で、前述した通りの燃圧入力値の固定、またはパルス補正値の固定を実施して、本制御ルーチンを終了する。
【0043】
ステップ59では、燃圧センサ14の信号に対して平滑化処理を行う、ここでは加重平均処理として実行する。ステップ60では、この平滑化処理された入力燃圧が、安全範囲(予め設定されている燃圧範囲)内に入っているかどうかを判定する。安全範囲外とは、燃圧の異常上昇/降下により車両(エンジン)として危険な状態であることを意味し、燃圧の異常上昇は、過充填などによる燃料システム配管内の燃圧上昇、燃圧の異常降下は配管などの破損などによる燃料漏れと考えて良い。
【0044】
平滑化する目的は、気体燃料故に、圧力ノイズ(瞬間的な圧力振動やリップル)による異常判定時の誤判定を防止するためであり、平滑化することで圧力中心値を得ることができ、安定した診断が可能になる。図7は、燃圧の入力値と平滑値、電気的結線(電圧チェック)等の比較図で、燃圧異常判定状態を示したものである。
【0045】
平滑化された入力燃圧値が安全の範囲内である場合には、ステップ61に進み、燃圧異常無し(OK)とする。ステップ60で、平滑化された入力燃圧値が安全の範囲外である場合には、ステップ62へ移行し、燃圧系NG(燃圧異常)として、ステップ69で燃圧系のNG情報(履歴)であるNGフラグをセットするとともに、ステップ70で前述した通りの燃圧入力値の固定、又はパルス補正値の固定を実施して、本制御ルーチンを終了する。
【0046】
ステップ61で、燃圧異常無し(OK)とした後は、ステップ63に進み、該ステップ63で、燃圧入力値(ステップ59の平滑化処理を行っていないもの)を取り込み、定時間間隔で最大値、最小値を演算する。
図8は、燃圧の最大値、最小値の演算の様子の詳細を示しており、定時間T毎に最大値、最小値を更新する。更新手段の詳細は、省略するが、燃圧入力毎に入力新値と最大値/最小値とを比較し、入力新値>最大値ならば入力新値を最大値として置き換え、入力新値≦最大値ならば最大値は保持され、入力新値<最小値ならば入力新値を最小値として置き換え、入力新値≧最小値ならば最大値は保持される。周期T経過毎に、最大値−最小値を求め、これを燃温振幅とする(図6のステップ64に相当する)。
【0047】
なお、燃圧振幅演算後に、最大値/最小値が初期化され、初期値は次回T開始直後の初回入力値となる。燃圧振幅が、所定値(判定振幅値)と比較され(図6のステップ65)、所定値より大きい場合は、燃圧系NG(振幅異常)と判定((図6のステップ67)し、燃圧系NGフラグをAの地点でセットする(図6のステップ69)。
【0048】
図6に戻って説明すると、ステップ70で、前記した通りの燃圧入力値の固定、またはパルス補正値の固定を実施して、本制御ルーチンを終了する。ステップ65で、振幅が所定範囲内に入っている場合には、ステップ66で振幅異常無し(OK)として、ステップ68にて、燃圧系NGフラグをクリアして本ルーチンを終了する。
【0049】
以上のように、燃料系診断を行い、入力値固定/パルス補正値固定が求められるが、燃料パルス幅演算への入力値固定/パルス補正値固定の反映内容は、図9のフローチャートを用いて説明する。該フローチャートは、定時間タスクで実行されるルーチンである。また、その内容は、図2の制御ブロック図と基本的に同様であり、特に特徴とする制御部分は、ステップ80、81、84での制御である。
【0050】
まず、ステップ75で、吸入空気量、エンジン回転数を取り込み、ステップ76で噴射パルスの基本となる基本パルス幅を演算する。ステップ77では、水温、スロットル開度などの各種センサ情報による運転状態を取り込み、ステップ78では、空燃比補正係数となる各種補正係数を算出する。次にステップ79で、気体燃料の温度(燃温)や圧力(燃圧)で代表される燃料状態を取り込む。ステップ80では、前記した燃料系の情報(NGフラグ)を読み出し、NGフラグ=0ならば、ステップ82で、図5のステップ54で演算した燃温補正修正係数を読み出し、ステップ83では、ステップ79の燃料情報とステップ82の燃温補正修正係数に基づきパルス補正値の演算が実行される。
【0051】
ステップ81で、燃料系NGフラグ=1であった場合には、ステップ84に進み、該ステップ84で、予め設定されている燃料状態の異常時のパルス補正値が読み出される。ステップ85では、ステップ76の基本パルス幅に、ステップ83の燃料状態パルス補正値又はステップ84の燃料状態の異常時パルス補正値の何れかと、ステップ78の各種補正係数(空燃比補正係数)とにより補正を行うことにより、気体燃料の噴射パルス幅を演算してステップ86に進む。ステップ86では、前記気体燃料の噴射パルス幅に基づいて、インジェクタ駆動パルス幅をセットし、本ルーチンを終了する。それによって、インジェクタ18による燃料噴射が実行される。
【0052】
次に、図10に基づいて運転者への警報手段について説明し、図11に基づいてディーラーなどでのサービス対応としての外部診断装置への出力について説明する。
図10は、警報の手段として警告ランプ用いた場合の一例を示したものであり、まず、ステップ90で、燃料系NGフラグを読み出してステップ91に進む。ステップ91は、燃料系がNGであるか否かを判定するもので、燃料系NGのフラグ=0、即ち、NOであれば、そのまま本ルーチンを終了するが、燃料系NGのフラグ=1であれば、ステップ92に進み、該ステップ92で、警告ランプを駆動(点灯)し、運転者へ燃料系に異常があることを警告する。
【0053】
図11は、前記コントロールユニット10の外部に装置された外部診断装置19と前記コントロールユニット10との間の制御に関するもので、前記両者の結線は、シリアル通信などの通信手段を介在し実行される。まず、ステップ95では、前記外部診断装置からの診断結果の出力要求があるかどうかを判定する。通常、外部診断装置からはディーラー等のサービスマンの操作により診断結果の出力要求の操作が行われることを前提としている。
【0054】
前記ステップ95で、前記外部診断装置からの出力要求が無い場合には、そのまま、本ルーチンを終了する。ステップ95で、出力要求があった場合には、ステップ96進み、該ステップ96で、燃料系NGフラグを読み出し、ステップ97で外部診断装置へNGフラグ情報を出力する。前記外部診断装置側では、人が読めるような(何の異常なのかを変換する変換表がなくても読めるような)異常コード、例えば"燃料系異常"の如き言語に変換して画面表示させる。
【0055】
本実施形態においては、前記外部診断装置への異常コードの出力について記載したが、全世界的視野で見ると、サービス体制が不十分な国も多く、外部診断装置が行き届いていない場合もある。この様な場合には、インスツルメントパネル内のランプの点灯や点滅などで異常であることを表示させる手法も有効である。更に、図12から図16のフローチャートは、図4もしくは図6のフローチャートのNG情報を細分化し、各々のNG情報に適応した異常コード出力する状態を示したものである。図12は、図4のフローチャートのステップ38を細分化してステップ100とし、燃温系電圧チェックの項目を付加したものであり、図13は、図4のステップ43を細分化してステップ101として、燃温系機能チェックの項目を付加したものである。
【0056】
図14のフローチャートは、図6のフローチャートのステップ58を細分化してステップ102とし、燃圧系電圧チェックの項目を付加したものであり、図15は、図6のステップ62を細分化してステップ103として、燃圧系燃圧異常のチェックの項目を付加したものであり、更に、図16のステップ104は、燃圧系の振幅異常のチェックの項目を付加したものである。
【0057】
以上の説明では、燃料系異常時には、パルス幅に補正を行う手段が主であったが、各燃料系診断においては、車両火災などの防止のために、燃圧異常についてだけ、燃料配管への燃料供給停止(遮断)を行うことが望ましく、その配慮が必要である。
図17は、前記燃圧異常時における燃料供給停止のフローチャートを示したものであり、図15のフローチャートのステップ103とステップ69との間に位置するステップとしてステップ105を設け、該ステップ105で、燃料系圧力が異常NG(燃料系圧力異常フラグ=1)であるか否かを判定する。燃料系圧力がOK(燃料系圧力異常フラグ=0)であれば、ステップ69へ移行するが、燃料系圧力が異常NG(燃料系圧力異常フラグ=1)であった場合は、ステップ106に進み、該ステップ106において燃料供給を禁止(遮断)を行い、ステップ107で燃料配管内の遮断弁11.12を駆動し、燃料供給を禁止(遮断)する。これにより安全性は向上することができるが、更にインジェクタ18による噴射を禁止させる手段を設けることもできる。
【0058】
次に、前記NG情報(フラグ)の消去手段について説明する。該NG情報(フラグ)の消去手段を備える目的は、ディーラーなどでの修理後に、NG情報(フラグ)が残っていると、再度診断を実行させないと診断結果が更新されず、サービス性を損なう危険性があるからである。
図18は、前記NG情報(フラグ)の消去手段の一例を示したフローチャートを示したものであり、NG情報(フラグ)は、外部診断装置のみでクリアされることを意味する。即ち、該フローチャートを採用する場合には、図4のステップ44や図6のステップ68は無効になるものである。
【0059】
前記の外部診断装置とコントロールユニット10との間では、シリアル通信などの通信手段を介在し実行されると記述したが、ステップ110では、外部診断装置からの診断結果の消去要求があるか否かの有無を判定する。当然のことであるが、消去の要求は、外部診断装置を用いて作業しているサービスマンが消去要求を入力することを前提としている。消去要求が無ければ、NG情報(フラグ)は、保持されるが、消去要求があった場合には、ステップ111に進み、該ステップで、各種燃料状態NG情報(フラグ)を消去(クリア)する。
【0060】
ここで、サービス性に関して、今一つの実施例を示す。エンジンの運転制御においては、基本的には、燃料系異常診断を、再度実行して、その診断結果がOKであれば、NG情報(フラグ)をクリアし、警告ランプを消灯させることは問題が無いが、このように一旦NGを検出後、OK判定される場合(例えば、燃温センサや燃圧センサの車両ハーネスのコネクタが接触不良であった場合などが考えられる状態では)、NG判定が、再発する可能性は高く、運転者に不安感を与えるばかりでなく、この状態(警告ランプが消灯になった状態)でディーラーなどへ入庫したとしても、診断結果がクリアされているので、点検、修理の糸口がつかめず、サービス性を損なう危険性が高い。
【0061】
前記不具合を解消するために、警告ランプの点灯/消灯は、リアルタイムの診断結果で行うにしても、燃料系の異常NGの履歴として、NG情報(フラグ)を制御装置内に、残すことを提案する。
図19のフローチャートは、前記提案の一例を示すもので、ステップ115で、前回と今回の燃料系異常診断ルーチンでのNGフラグを読み出し、ステップ116では、前回のNGフラグが1であるかどうかを判定する。ステップ116で、前回のNGフラグが0であれば、ステップ110へ移行し、ランプ消灯の状態はそのままとするが、ステップ116で、NGフラグが1であった場合は、ステップ117へ進み、今回のNGフラグも1であるかどうかを判定する。該ステップ117で今回のNGフラグが1であれば、ランプ点灯状態をそのまま維持し、今回のNGフラグが0であれば、ステップ118に進み、該ステップ118で、ランプを消灯させる。
【0062】
この後、ステップ110へ進み、外部診断装置からの要求によりNG情報(フラグ)の消去要求(クリア)があるか否かを判定する。消去要求が無い場合には、ルーチンを終了し、消去要求がある場合には、ステップ111に進み、該ステップ111で、各種燃料NGフラグを消去(クリア)する処理を実行する。これにより、再度、燃料系異常診断を実行し、診断結果がOKであった場合、ランプは消灯させても、診断の履歴は保持できるので、サービス性の向上が可能になる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
例えば、前記実施形態においては、気体燃料は天然ガスの如く記載したが、他の気体燃料であっても、本発明への適用には何等の不都合もなく、適用可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明の気体燃料エンジンの制御装置は、前記燃料系が異常である場合には、燃料系異常状態判定手段がその異常を判定し、パルス幅補正値をエンジンの空燃比が希薄側へ移行するような所定の固定値に変更して、該固定パルス幅補正値により基本噴射パルス幅を補正して気体の噴射パルス幅を演算するようにしたので、燃料状態検出不能等を含む燃料系が異常になった場合でも燃焼を安定した状態で継続することができる。このため、運転性悪化、排気性能低下などを抑制できると共に、前記燃料系異常状態判定手段と外部診断装置とを接続することにより、ディーラーでのサービス性(作業性)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の気体燃料エンジンの制御装置を備えたエンジンシステムの全体構成図。
【図2】図1の気体燃料エンジンの制御装置の制御ブロック図。
【図3】図1の気体燃料エンジンの空燃比と燃焼安定度の関係を示す図。
【図4】図1の気体燃料エンジンの制御装置の燃温系の異常検出を示す制御フローチャート。
【図5】図4の制御フローチャートにおける燃温センサの特性異常等を判定する制御フローチャート。
【図6】図1の気体燃料エンジンの制御装置の燃圧系の異常検出を示す制御フローチャート。
【図7】図1の気体燃料エンジンの制御装置の燃圧の入力値と平滑値、電気的結線(電圧チェック)等の比較図で、燃圧異常判定状態を示した図。
【図8】図1の気体燃料エンジンの制御装置の燃圧振幅の判定のタイミングチャート。
【図9】図1の気体燃料エンジンの制御装置の基本となる主制御フローチャート。
【図10】図1の気体燃料エンジンの制御装置の警報ランプ駆動を示す制御フローチャート。
【図11】図1の気体燃料エンジンの制御装置の外部診断装置との制御を示す制御フローチャート。
【図12】図4の制御フローチャートの細分化したNG情報(燃温電圧)の制御フローチャート。
【図13】図4の制御フローチャートの細分化したNG情報(燃温系機能チェック)の制御フローチャート。
【図14】図6の制御フローチャートの細分化したNG情報(燃圧電圧)の制御フローチャート。
【図15】図6の制御フローチャートの細分化したNG情報(燃圧系燃圧異常)の制御フローチャート。
【図16】図6の制御フローチャートの細分化したNG情報(燃圧系振幅異常)の制御フローチャート。
【図17】図15の制御フローチャートのNG情報(燃圧系燃圧異常)における燃料供給停止の制御フローチャート。
【図18】図1の気体燃料エンジンの制御装置の外部診断装置との制御における診断結果消去の制御フローチャート。
【図19】図1の気体燃料エンジンの制御装置の警報ランプ消灯と外部診断装置の診断結果消去の制御フローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2a 吸気弁
2b 排気弁
3 エアクリーナ
4 吸気管
5 排気管
8 水温センサ
9 吸気温センサ
10 コントロールユニット
11 燃料遮断弁
12 燃料遮断弁
13 燃温センサ
14 燃圧センサ
16 レギュレータ
18 インジェクタ
19 外部診断装置
21 基本パルス幅演算手段
22 噴射パルス幅演算手段
25 空燃比補正値演算手段
26 燃料状態パルス補正値演算手段
27 燃料状態値算出手段
28 パルス幅補正値算出手段
29 切換手段
30 固定燃料状態値算出手段
31 固定パルス幅補正値算出手段
32 燃料系異常状態判定手段
33 異常値記録手段
34a 警報器
Claims (12)
- 気体燃料の基本噴射パルス幅を演算する基本パルス幅演算手段と、燃料状態パルス幅補正値を演算する燃料状態パルス補正値演算手段と、空燃比補正値を演算する空燃比補正値演算手段と、前記燃料状態パルス幅補正値と前記空燃比補正値とにより前記基本噴射パルス幅を補正して気体燃料の噴射パルス幅を演算する噴射パルス幅演算手段とを備えた気体燃料エンジンの制御装置において、
前記燃料状態パルス補正値演算手段は、気体燃料の温度及び/又は圧力を燃料状態値として算出する燃料状態値算出手段と該燃料状態値に基づきパルス幅補正値を算出するパルス幅補正値算出手段とを備えると共に、燃料系の異常状態を判定する燃料系異常状態判定手段と、燃料状態値を所定値に固定する固定燃料状態値算出手段と、燃料状態パルス幅補正値を所定値に固定する固定パルス幅補正値算出手段とを備え、
燃料系の異常に際し、固定燃料状態値算出手段又は固定パルス幅補正値算出手段は、燃料状態系の正常時に対して、エンジンの空燃比を空燃比リッチ状態での失火への余裕代を確保するように希薄側へ移行させるべく前記固定燃焼状態値若しくは前記固定パルス幅補正値を算出し、その算出結果によって前記燃料状態パルス幅補正値を変更し、前記噴射パルス幅演算手段に出力することを特徴とする気体燃料エンジンの制御装置。 - 気体燃料の基本噴射パルス幅を演算する基本パルス幅演算手段と、燃料状態パルス幅補正値を演算する燃料状態パルス補正値演算手段と、空燃比補正値を演算する空燃比補正値演算手段と、前記燃料状態パルス幅補正値と前記空燃比補正値とにより前記基本噴射パルス幅を補正して気体燃料の噴射パルス幅を演算する噴射パルス幅演算手段とを備えた気体燃料エンジンの制御装置において、
前記燃料状態パルス補正値演算手段は、気体燃料の温度及び/又は圧力を燃料状態値として算出する燃料状態値算出手段と該燃料状態値に基づきパルス幅補正値を算出するパルス幅補正値算出手段とを備えると共に、燃料系の異常状態を判定する燃料系異常状態判定手段と、燃料状態値を所定値に固定する固定燃料状態値算出手段と、燃料状態パルス幅補正値を所定値に固定する固定パルス幅補正値算出手段とを備え、
燃料系の異常に際し、固定燃料状態値算出手段又は固定パルス幅補正値算出手段は、燃料状態系の正常時に対して、エンジンの空燃比を希薄側へ移行させるべく前記固定燃焼状態値若しくは前記固定パルス幅補正値を算出し、その算出結果によって前記燃料状態パルス幅補正値を変更し、前記噴射パルス幅演算手段に出力し、
前記燃料系異常状態判定手段は、気体燃料の温度が所定範囲内にあるか否かにより、若しくは、始動後所定期間中の気体燃料の温度が所定範囲にあるか否かにより燃料系の異常を判定すると共に、気体燃料の温度検出値が正常である場合に、エンジン始動後の所定期間中の冷却水温又は吸気温度と気体燃料温度との温度偏差を算出し、該温度偏差が所定値以上である場合には温度偏差に基づいて燃料温度偏差補正値を算出し、前記燃料温度検出値に燃料温度偏差補正を行うことを特徴とする気体燃料エンジンの制御装置。 - 気体燃料の基本噴射パルス幅を演算する基本パルス幅演算手段と、燃料状態パルス幅補正値を演算する燃料状態パルス補正値演算手段と、空燃比補正値を演算する空燃比補正値演算手段と、前記燃料状態パルス幅補正値と前記空燃比補正値とにより前記基本噴射パルス幅を補正して気体燃料の噴射パルス幅を演算する噴射パルス幅演算手段とを備えた気体燃料エンジンの制御装置において、
前記燃料状態パルス補正値演算手段は、気体燃料の温度及び/又は圧力を燃料状態値として算出する燃料状態値算出手段と該燃料状態値に基づきパルス幅補正値を算出するパルス幅補正値算出手段とを備えると共に、燃料系の異常状態を判定する燃料系異常状態判定手段と、燃料状態値を所定値に固定する固定燃料状態値算出手段と、燃料状態パルス幅補正値を所定値に固定する固定パルス幅補正値算出手段とを備え、
燃料系の異常に際し、固定燃料状態値算出手段又は固定パルス幅補正値算出手段は、燃料状態系の正常時に対して、エンジンの空燃比を希薄側へ移行させるべく前記固定燃焼状態値若しくは前記固定パルス幅補正値を算出し、その算出結果によって前記燃料状態パルス幅補正値を変更し、前記噴射パルス幅演算手段に出力し、
前記燃料系異常状態判定手段は、燃料状態異常検出時にその燃料状態異常値をメモリ内に保存する異常値記憶手段を備え、該保存した燃料状態異常値に基づき燃料系の異常を判定するものであり、
前記燃料系異常状態判定手段の異常値記憶手段は、燃料状態異常検出時の履歴を、外部診断装置からの消去要求により消去することを特徴とする気体燃料エンジンの制御装置。 - 前記燃料状態パルス補正値演算手段は、切換手段を備え、前記燃料系異常状態判定手段の出力信号に基づき前記パルス幅補正値と前記固定パルス幅補正とを切り換えて前記噴射パルス幅演算手段に出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記固定燃料状態値算出手段若しくは前記固定パルス幅補正値算出手段は、前記燃料系異常状態判定手段の燃料状態の異常値の度合いに基づき所定の固定燃焼状態値若しくは所定の固定パルス幅補正値を算出するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記燃料系異常状態判定手段は、燃料状態異常検出時にその燃料状態異常値をメモリ内に保存する異常値記憶手段を備え、該保存した燃料状態異常値に基づき燃料系の異常を判定することを特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記燃料系異常状態判定手段は、気体燃料の温度が所定範囲内にあるか否かにより、若しくは、始動後所定期間中の気体燃料の温度が所定範囲にあるか否かにより燃料系の異常を判定することを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記燃料系異常状態判定手段は、気体燃料の検出圧力が所定範囲内にあるか否かにより、前記検出圧力を平滑化処理して平滑化処理後の圧力が所定範囲内にあるか否かにより、若しくは、検出圧力の振幅が所定範囲内にあるか否かにより燃料系の異常を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記燃料系異常状態判定手段は、異常警報装置又は外部診断装置等の外部警告手段に接続され、燃料状態に異常がある場合に外部警告手段への出力制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記燃料系異常状態判定手段の異常値記憶手段は、燃料状態の異常検出履歴を各々の気体燃料状態異常検出毎に保存することを特徴とする請求項3又は6に記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記燃料系異常状態判定手段は、該判定手段を再度実行し、判定結果が正常である場合には、外部異常警告装置への出力許可を禁止することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
- 前記制御装置は、前記燃料系異常状態判定手段が平滑化処理後の圧力値を異常であると判定したとき、前記エンジンの燃料配管内に配置された燃料遮断弁による燃料噴射弁への燃料供給を遮断することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気体燃料エンジンの制御装置。
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