JP3781438B2 - 3次元表面形状測定装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、XYZ座標データ集積装置及びシステムに関する。データ集積速度や機械的信頼性の欠如、装備コストの問題により、従来技術では達成できなかったような種々の重要な表面検査機能及びリバースコンピュータエイデッドデザイン(以下リバースCADと略す)機能を有する3次元表面形状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のXYZ座標データ集積システムは、座標軸測定器(以下CMMと略す)を用いた一点接触プローブ型が一般的であった。このCMMシステムの場合、一つのXYZ座標データを得るためには、XYZ座標の広範囲にわたりプローブを機械的に移動させて測定部分に接触させなければならない。さらに速度上の制約として、プローブを軽く接触させるためにその機械的ユニットの動きを接触点間で加速及び減速させる必要がある。速度を向上させようとすると、機械的摩耗や衝撃その他の信頼性上の問題を防ぐためより複雑で高価な機械的ユニットを用いらなければならない。その他、三角測量の理論に基づく一点非接触型プローブが開発され、これによりプローブが測定部分に接触する必要はなくなったが、測量箇所データを集積するため広範囲にわたりプローブを機械的に動かす必要性は依然として残っている。
【0003】
その他のXYZ座標データシステムとしては、米国特許4、895、434号に記載されているようなレーザー光線走査技術が挙げられる。このシステムによれば、例えばCCDビデオカメラのような映像センサが測定部分の範囲を写す。そしてオフセットアングルのレーザー光線をカメラの検査範囲に機械的に掃引する。こうして多数の画像が集積されてデータ処理が行われ、XYZ座標の測定表面に関する情報が得られる。レーザー光線が機械的に走査し画像が集積されている間、カメラは測定部分に対し一定の時間静止していなければならない。一般に一秒間あるいはそれ以上経過してデータが集積されると、次に配置ユニットがカメラと相対的な測定部分の位置を、あるいは測定部分と相対的なカメラの位置を再配置する。更にセンサ技術を開発することにより、レーザー光線による機械的走査の必要性がなくなった。特に、エレクトロ−オプティカル・インフォメーション・システムズ・インコーポレイテッドにより製造されたイーオーアイエス・エムケー・セブン(EOIS MK VII)によれば、線形の光線アレイ、即ち線形のフリンジパターンを測定部分に投影し、カメラで写す。その場合、カメラが適切な光学的被写界深度(depth of field)でXYZ座標データを集積するために、少なくとも二つのフリンジパターンを順に投影しなければならない。第二フリンジパターンは、光学的投影器のフリンジパターンを機械的に変化させたり、第二の投影器を用いることにより形成可能である。この第二のフリンジパターンは第一フリンジパターンに続くものであり、カメラが測定部分に対し数分の一秒間ほど静止するだけでよい。これら全ての応用例は、機械的配置装置を測定ポイント間あるいはカメラの視界(field of view)間に設置することにより高精度の加速及び減速を可能にしているが、この配置装置の加速及び減速は処理時間の遅れの原因となっている。
【0004】
システムレベルでは、全体的な機能の速度を速める方法として、小量のデータ集積の場合にデータを「薄くする」方法がある。しかしながらこの方法を用いると、データ集積システムを詳細な表面の特徴及びきずが測定される表面検査、及び広範囲の表面が詳細に測定され記憶されるリバースCAD操作に利用しにくくなる。
【0005】
固定された投影パターンを使用する高速3次元(以下3Dと略す)表面マッピングセンサの最も大きな問題は、広範囲なZ軸域(便宜上この用語を用いる。このZ軸域は測定される表面に対しほぼ直角をなす)上において正確であるのみならず、X軸及びY軸(測定される表面とほぼ接する近接の軸)上においても高度な空間的解像度であるようなXYZ座標表面マップを形成することができるかどうかという点にある。しかしながら従来技術、例えば陰影モアレ法(米国特許3,627,427; 4,577,940;4,525,858; 及び4,939,380)や、投影モアレ法(米国特許4,212,073; 3,943,278; 4,850,693; 及び4,874,955)や、投影フリンジモアレ法(米国特許4,070,683; 4,867,570; 及び4,842,411)では、この点を効果的に解決できない。高度なXY軸空間解像度を達成できそうな移相モアレ法の基本方法も適当ではない。なぜなら格子パターンの場合フリンジ期間(fringe period)の間何度も移相しなければならないため処理時間がかかり、比較的長い間測定部分を静止させなければならないからである。固定フリンジモアレ法(陰影型及び投影型、またカメラ光学的参照格子を備えるもの及び備えないものを含む)を利用すれば、もしフリンジパターンが高密度であればXY軸において高い表面マップ空間解像度でありZ軸において正確であるマップが実現可能である。原則的には、フリンジ方向(Y軸方向)の空間的解像度はCCDイメージカメラのピクセルサイズと同じである。フリンジパターンと直角方向(X軸方向)の空間的解像度は、投影されたパターン(複数の基本周波数よりなる複合フリンジパターンを含む)の最高基本周波数により設定されたナイキスト限界(Nyquest limit)により決定される。フリンジパターンの画像コントラストが光学システム内に維持される限り、フリンジパターンが高密度となれば多くの測定上の利点が得られる。即ち、(1)X軸においてより高い表面マップ空間的解像度が得られること (2)Z軸においてより高い測定感度及び解像度が得られること (3)XY座標におけるより小さな表面パッチ部分が測定可能であることである。またこの高密度のパターンの欠点は、Z軸における動的測定範囲がフリンジパターンの間隔により限定されることである。Z座標において表面高さが変化するに従い、フリンジパターンのカメラ視界も変化する。フリンジパターンの基本周波数が完全に1サイクル変化すると、表面位置についての情報が失われる。これはモアレ法及び干渉計によるフリンジパターン処理において「2π問題」として知られており、Z軸の動的測定範囲をほぼ1フリンジパターンサイクルの間隔に限定する。前記の従来技術を含む多くの技術を用いてこの問題を解決しようと試みたが、何れの方法によっても、高速のXYZ座標表面測定及びマッピングを行うと同時に高密度のフリンジパターンにおける上記のような利点も実現するという、本発明の効果を達成できたものはなかった。
【0006】
前記の従来技術により2π問題及びZ軸の動的範囲の問題を解決する方法の概略は以下の通りである。まず、連続的に異なったフリンジパターンを投影することにより、2πの曖昧性を軽減する方法がある。しかしながらこの方法は、データを集積しセンサに対して測定部分を静止させるためにある程度の時間が必要であるという点において、移相モアレ法と同様の問題がある。固定されたパターン技術においては、フリンジをコード化したり、基本フリンジパターンにさらに低い周波数のフリンジパターンを付加したり、あるいは2πの曖昧性を取り除くために特殊な「識別」加工をパターンに施すという方法が一般的である。これらの技術はそれぞれZ軸動的測定範囲を拡大するが、「他にはない」高密度フリンジパターンの効果を喪失する。これらの技術によりZ軸の測定精度を維持するためには、変形パターンにより生じる潜在的雑音またはエラーを軽減するより広範囲の画像フィルター処理が必要である。従って、測定可能なXY座標における表面パッチがその他の場合より大きくなる。その結果、コーナー半径、エッジ輪郭、帯状部分、きず、鋸歯状部分などの細密な高速3D測定が必要である場合、これらの技術はあまり有用ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術における諸問題を解決するためになされたものであり、測定が行われている間センサを測定部分に対して静止させることなくXYZ座標データをカメラの視界内に集積することが可能な3D測定システムを提供することを目的としている。また本発明はXYZ座標データを作成する際に配置装置を機械的に動かす必要がないので、静止状態での測定も可能である。
【0008】
また本発明は、配置装置の加速及び減速を不必要にし、高速な配置装置を簡単な機械的構造で形成することも目的としている。その結果、高い信頼性があり、簡単で安価な配置装置が得られる。
さらに本発明は、既存のCADソフト及びメニューを利用して操作者が直接的に操作することによりデータを操作したりデータをCADデータファイルに変換したりする(いわゆるリバースCAD機能)際に便利なように、データを作成することも目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
以上の目的を達成するために本発明は、
測定物の表面を決定する3次元表面形状測定装置において、
測定物の少なくとも表面を少なくとも一つのフリンジパターンを伴って照射する少なくとも第一照射手段により照射し、
各々が前記第一照射手段に対して一定の空間的配置を有し、精密カメラは前記第一照射手段の視軸に対して第一角度をなす視軸を有し、粗目カメラは前記第一照射手段の前記視軸に対し第二角度をなす視軸を有し、前記第二角度は前記第一角度とは異なる、前記表面部分から反射した照射光を受取る少なくとも二つのカメラを備え、
前記精密カメラの前記視軸は測定物とほぼ垂直に配置され、前記粗目カメラの前記視軸は前記精密カメラの前記視軸と少なくとも3度離れて配置され、
測定物の精密カメラと粗目カメラとの関係を示す3次元部分座標を供給し、
前記精密カメラから得たピクセル座標及び位相値の第一組を出力し、
前記粗目カメラから得たピクセル座標及び位相値の第二組を出力し、
各第一組及び第二組はそれぞれのピクセル座標から第一原展開位相値及び第二原展開位相値を各々取り出し、
第一原展開位相値及び第二原展開位相値、並びに第一組及び第二組のピクセル座標に基づき第一真整数値及び第二真整数値を算出し、
前記第一真整数値及び前記第二真整数値に基づき精密カメラの位相マップを形成し、
部分座標系に基づき部分マップ上に位相マップを形成し、測定物表面部分を表す最終的な3次元座標組を形成することを要旨とする。第一真整数値、第二真整数値は、既知の測定物、精密カメラ、粗目カメラで求められた、位相マップを選択するパラメーターであり、既知の値を求める為に校正作業を行い、その3次元変換係数として位相マップを作成し、測定時に得られた画像より第一真整数値、第二真整数値を求め、校正時に求められた同一の第一真整数値、第二真整数値より位相マップを利用し、三次元形状を求める。校正用の測定物位置と精密カメラ位置、粗目カメラ位置の数値と、得られた画像のピクセル位置、位相値を用いそれぞれの展開位相値を求め、真整数値毎の位相マップを持ち、これを基に測定を行う。まず基準となる測定物と2台のカメラを用い、求められた第一真整数値、第二真整数値毎の位相マップを作成しておき、この位相マップを用いて、実際の測定時に画像データーより、同一の第一真整数値、第二真整数値を求め、記憶してある位相マップより三次元座標変換を行い、三次元座標値を算出する。
【0010】
前記構成を有する本発明は、第一手段及び第二手段である二台のカメラをそれぞれ異なった位置に設置して同時に写し、高密度フリンジパターンを記憶させる。各カメラはそれぞれ異なった既知のジオメトリーで第一照射手段である投影器に(従って互いに)参照(reference)されているので、Z軸測定範囲における2πの曖昧性は解決できる。測定部分をセンサに対して静止する必要はないので、高速測定が可能であるだけでなく、高密度モアレフリンジパターンの全ての利点が得られる。
【0011】
モアレ処理法の理論に基づく本発明はさらに、体積測定法または写真測量法に基づいた二台(またはそれ以上)のカメラによる表面マッピングシステムが有する、XY空間解像度の限界を克服することができる。この体積測定法及び写真測量法は、3D表面上の「識別可能な」点を写し、カメラが互いを参照する方法や各カメラ内で画像化された共通の点のパララックス差を知ることにより、これらの識別可能な点のXYZ座標を測定するものである。滑らかな表面の場合適切な識別可能な点がない可能性があるので、投影器が表面上の点に光学的に「タグ」を付け、それをカメラが写す場合もある。この投影されたタグ付きの点は、体積測定法または写真測量法の処理に使用される「共通」の点を選択する際に混乱されないよう、通常十分間隔があけられている。その結果、このようにして得られたXYZ座標表面マップのXY座標空間解像度は、本発明に基づき高密度フリンジパターンから得た解像度よりかなり低密度となる。またいずれのカメラに対する投影器の既知のジオメトリー的位置も、体積測定処理の一部として利用できない。
【0012】
ウッドの米国特許4,842,411は、二台のカメラと一台のフリンジパターン投影器を備え、測定部分の3D表面を測定する体積測定センサを開示している。しかしながら、カメラに対する投影器ユニットのジオメトリー的配置はフリンジの体積測定処理には使用できない。従って、フリンジパターンの周期は、フリンジ処理の際の混乱を回避する、即ち2π問題を回避するためかなり長い。よってウッドの体積測定センサが二台のカメラを使用してはいるものの、二台またはそれ以上の各々のカメラに対する投影器のジオメトリー配置を利用した本発明の方が、高い表面マップXY解像度を得ることができる。
【0013】
本発明のその他の利点としては、体積測定法よりも多くの表面データポイントが処理でき、それにより最適な回帰分析処理に基づくより正確な表面マップが得られる。
本発明のある程度根幹をなすのは、センサヘッド及びデータ集積方法である。単一の投影器により測定部分に線形フリンジパターンを投影するのが最も簡単な方法であるが、本発明ではフリンジ投影器及びセンサであるCCDカメラ部に特殊な光学的技術を用い、画像コントラストを向上させてより高密度なフリンジパターンを得る。さらに、少なくとも二個以上の固体CCDカメラを用いて、投影器の視軸(line of sight;LOS)と相対的にそれぞれ異なる方向からフリンジパターンを写す。便宜上、この第一のセンサを精密カメラと称し、三角測量法の基準に基づいて投影器の視軸に対し通常15゜から90゜の間とする。第二のカメラは、その光学的視軸が精密カメラの光学的視軸または投影器の光学的視軸のいずれとも完全に一致しないことを条件に、任意の別の方向からほぼ同じ表面範囲を写す。通常3゜以上異なっていればよい。便宜上、第二のカメラを粗目カメラと称す。これら二つのカメラから得たデータにより、センサヘッドの測定容量内の明瞭なXYZ座標データパターンが得られる。この測定容量は通常カメラの視界(field of view;FOV)であり、カメラの光学的被写界深度のほぼ半分である。第三のカメラは、精密カメラの光学的被写界深度の全体を測定するようさらに別の角度で設置されている。現存のビデオフレーム捕獲器(video frame grabber;VFG)により、画像のデジタル化及び集積が同時に可能である。さらに、現在測定システムに使用されているほとんどのCCDセンサは電気シャッタも備えられており、測定物を1ミリセカンド以下で「即時に」写すことができる。この場合シャッタ時間が短いため光の強度が不十分なので、ストロボ光照明器が投影器に用いられる。この方法で10マイクロセカンドの光パルスのストロボ光が得られる。白昼下の操作でも、整合した細い帯状の光学的スペクトルフィルターをカメラの前に設置した投影器と共に、(光学ファイバー素子を介して)レーザー装置を使用することができる。光学ファイバー素子は、レーザー光が測定部分から反射する時それ以上視準せず目に危険でないよう、効果的にレーザー光を分散させる。
【0014】
XYZ座標データ処理のため画像を仮想上即時に集積するこの方法により、カメラを測定部分に対して静止または固定位置に配置するセンサ配置装置は不必要となる。従って、測定部分とセンサヘッドの両方あるいは何れか一方は、機械的加速及び減速機能に伴う時間的制約を受けずに、高速データ適用範囲において連続的に再配置及び移動可能である。さらに、配置装置に必要な機械設備も、センサヘッドの測定容量及び視界が大きいため、かなり省略できる。特に、標準的な線型及び回転型エンコーダまたはその他の3D記録装置を用いて機械的位置を記録する限り、データ集積中の正確な機械的位置は重要ではない。線型及び回転型エンコーダからの配置装置についての出力、または3D記録装置からの配置装置についての出力は、カメラのデータ集積と同時にコンピュータ処理システムに送られる。これにより、カメラのXYZ座標から、全体座標系あるいは部分座標系に正しく座標変換することができる。また機械的正確さ、繰り返し、解像が厳密でなくとも良いので、測定システムの機械部分が簡略で安価となり、同時に高速化が可能である。
【0015】
センサヘッドの視界が新しい測定位置へ移動すると、そのデータを標準コンピュータアレイプロセッサにより処理しXYZ座標データを得る。従って、機械的配置技術が根本的に制約を伴うのと対称的に、本発明はコンピュータ処理技術に応じた速度でデータ作成及び測定が可能である。その結果、その他のセンサ及びXYZ座標測定システムに比べ、現在のコンピュータ技術によってかなり高速で処理及びデータ集積が可能となる。将来コンピュータが開発されるに従い、データ集積のスピードを機械的配置装置のスピードとは無関係により高速にすることができるであろう。
【0016】
本発明により測定部分の大量なXYZ座標データが短時間で測定できるので、きずの検出あるいは広範囲な測定部分上の微細な部分の検出が可能である。データ密度は通常、CCD精密カメラの各ピクセル(検出器素子)におけるXYZ座標データポイント数である。例えば、512X512型CCDカメラにより、各検出につき約250,000個のXYZ座標データポイントが得られる。1024X1024型CCDカメラも現在入手可能であり、各検出につき約1,000,000個のXYZ座標データポイントが得られる。512X512型カメラの測定精度は、光学的視界の1/2000から1/5000までである。1024X1024型CCDカメラの測定精度は、光学的視界の1/4000から1/10,000である。さらに高密度の2D型CCDカメラが開発されており、それにより本発明の目的はより高度に達成できる。線形フリンジパターンのカメラ視界及び投影部分は、カメラ及び投影器の光学素子を変更することにより簡単に変更可能である。
【0017】
センサヘッド光学素子は、線形フリンジパターンに最適な形となっている。フリンジ方向に沿ってスリット穴が設けられており、その狭い断面幅により投影されたフリンジパターンの被写界深度を増大する。しかしながらスリットの長さにより測定容量中に1Dディフォーカスが維持されるので、投影器内のフリンジパターンに存在し得る塵粒子の影響は軽減される。これにより、円形穴が設けられた投影器よりもより低い性能及びコストの投影器のフリンジパターンを利用できるだけでなく、投影器をより厳しい環境下で操作することも可能である。またこのスリット穴は、円形穴よりも大量の光学的パワーを伝達できる。
【0018】
センサヘッドの第二(あるいは第三)のCCDカメラを省略するために、線形複合フリンジ並びに線形及び疑似任意フリンジ加工をパターン内に含有できる特殊なフリンジパターンデザインを、この方法に利用することができる。これらの特殊なフリンジパターンは、徐々に変化する滑らかな表面の広範囲な測定部分に主に使用される。
【0019】
本発明はまた、測定部分の形状に従い電気的にパターンを変化させるLCD型スクリーンを備えた、電気光学的フリンジパターン発生器が使用可能である。これらのパターンは、カメラが測定部分に対して静止している場合単に線形フリンジパターンに変化したり、あるいは測定表面の特徴(即ち測定表面が滑らかであるか複雑な形状であるか)に従い新しいパターンに変化したりすることができる。
【0020】
本発明はリバースCADシステムへの新しいアプローチを提供する。僅かの測定ポイントを長い時間を費やして集積するのではなく、かなり大量のXYZ座標データ(メッシュまたは「クラウド」と称す)がモアレ法センサ検査ごとにほぼ即時に集積される。本発明のリバースCADシステムは、各検査により得られたこのデータ「クラウド」を、CADシステムに通常使用される3D表面表示体、例えばクーンズ パッチ(Coon’s Patch)、ベジエ表面(Bezier Surface)、B−スプライン(B−Splines)、ナーブズ(Nurbs)等に即時に変換する高速プロセッサを備える。そして得られた3D表面は再び素早くCADモニター上に表示され、操作者がそれを「リアルタイム」あるいは「オンライン」で見ることができる。これらの3D表面モデルは位置制御プロセッサに情報を与えることもでき、これによりモアレ型センサの視界の軌道及び位置を自動的に計算し、制御できる。
【0021】
このリアルタイムの表示により、操作者はオンライン操作でCADパラメータを再設定できるので、操作者の使用目的が達成可能となる。それぞれの表示ごとに、得られたXYZ座標3D表面モデルがどれほど実際の測定XYZ座標データに近いかを示す評価番号が操作者に与えられる。この評価番号により、操作者は測定部分に対してCADモデルをどれほど正確にしたいか技術的決定を下す。本発明では高速で、また高密度でデータを集積するので、操作者はリアルタイムのデータ表示にインターフェースしてこのリバースCAD機能を実施することができる。このシステムは大きく分けて、自動的にデータを出力する完全自動制御のリバースCAD機能を持つ場合と、予め操作者が見て確認する場合とがある。
【0022】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。本発明は種々のものに適用可能であるが、図1に示すような3次元表面形状測定装置に最も適している。
【0023】
二台のカメラを備えた本発明の基本的なモアレ法処理技術を図1に示す。3D測定物体1は、二台のカメラユニット2、3及び単一フリンジパターン投影器4に写される。これらの光学的装置は、強固な設置台5上に設置されており、表面測定工程及びデータ集積工程の間光学的装置の相対的な配置が維持されている。図示しない移動装置により、設置台5及び/または測定物体1を相対的に移動させる。通常オフラインで測定以前に行う校正や配置により、カメラユニット2、3と投影器4の相対的なジオメトリー的関係を各々決定する。図示された各カメラユニット2、3は、イメージレンズ6及び標準ビデオCCDなどの2D検出アレイ装置7を備える。各カメラユニット2、3は参照格子を必要としない。図示された投影器4は遠隔白色光源8を備え、この光源8は光学ファイバー束9を介して光を投影器4へ送る。光学ファイバー束9はガラスのスライドフリンジパターン10を照明し、スライドフリンジパターン10は測定物体1上の表面パッチ11上に再び映し出される。以下、投影器4の光学的構造についてさらに詳細に説明する。
【0024】
フリンジパターン10を伴った表面パッチ11は、二台のカメラユニット2、3により写される。スライドフリンジパターン10は通常ガラス製で、透明な帯と不透明の帯からなる一連の線形フリンジに形成され、ロンチ格子(Ronchi grating)として知られている。通常の光学的形状の場合、カメラユニット2の視軸(LOS)を検査表面に対しほぼ直角に配置する。カメラユニット2を精密カメラと呼ぶ。投影器4の視軸はカメラユニット2の視軸より通常30゜から90゜離れている。カメラユニット3も基本的には同じパッチ表面を、投影器4の視軸とカメラユニット2の視軸とは異なった角度で写す。粗目カメラとなるカメラユニット3は通常、その視軸の角度が投影器4の視軸あるいはカメラユニット2の視軸から少なくとも3゜以上離れて配置される。これらのカメラユニット2、3は、通常遠隔電気サポートユニット12に接続されている。この遠隔電気サポートユニット12及び白色光源8により、投影器4及びカメラユニト2、3よりなる小型センサが設置台5上で作動する。さらに、電気サポートユニット12及び光源8からの熱源がセンサから離れて設置されているので、測定がより正確になり、熱効果による有害な影響がより軽減される。白色光源8は、CCDユニットの雑音信号の条件に従い、連続型でもストロボ型でもよい。CCDユニットの電気サポートユニット12は通常電気シャッタを備え、これによりデータ集積の間測定部分に対しセンサが移動して画像がぼやけないようになっている。画像はさらに、光源8にストロボ白色光照明器を設置することによりCCDアレイ装置7上に固定できる。また、光源8は細いスペクトル帯の可視レーザー光、例えばHeNeなどと交換してもよく、これにより白昼下における測定も可能となる。この場合、カメラユニット2、3はCCDアレイ装置7の前に標準の細い通過帯域のスペクトルフィルターを備える。光学ファイバー束9はレーザーの視準性(collimation properties)を効果的に除去し、レーザー光が投影面から乱反射しても目に安全となっている。
【0025】
図1に示されているように、カメラユニット2、3の各CCDアレイ装置7上にほぼ即時に記憶された画像は独立のデジタル化装置13または共通のデジタル化装置に電気的に送られ、これらのデジタル化装置13はデジタル化されたデータをデジタル画像記憶装置14及び/または高速コンピュータプロセッサ15に送る。このコンピュータ構造により、高速プロセッサ15が画像集積速度で処理するとコンピュータ動力が不足である場合に、高速データ速度で二台のカメラの連続的なデジタル画像を記憶することが可能である。現在の技術により、プロセッサ15の処理速度が絶えず高速化しているので、画像記憶装置14の容量は重要ではない。この高速コンピュータプロセッサ15の出力は、センサ座標上のxc,yc,zcデータである。このデータはさらに全体座標プロセッサ16により部分(または全体)XYZ座標系に変換される。このプロセッサ16にはセンサ及び/または部分配置装置17からのデータが入力される。プロセッサ16からの出力はデータ記憶ユニット18及び/または応用プロセッサ19に送られる。この応用プロセッサ19はシステム応用ごとに異なり、3D形状を寸法的に有効にし、表面検出やしわの検出、リバースCAD機能を実行する。
【0026】
検査範囲である表面パッチ11上に投影された高解像度のフリンジパターンは、高精度で高解像度のXYZ座標マップを形成する。カメラユニット3はその同じパターンを写し、カメラユニット2がさらに同じパターンを写して個々にフリンジパターンの位置を決定することにより、標準的な単一カメラによるモアレ技術の限界を克服している。固定されたフリンジパターン技術の独特な点は、カメラユニット検出器の大きさと相対的に、XYZ座標表面マップの高空間解像度が線形フリンジ束の方向に沿って得られることである。フリンジパターンと交わる空間解像度が比較的小さいのは、関連する空間周波数がナイキスト基準として示される基本投影フリンジパターン周波数の原則により制限されるからである。
【0027】
以下、図1に示す複数のカメラを用いた装置により「2π問題」を解決する方法について述べる。この方法のフローチャートを図9に示す。
投影モアレシステムがカメラAとB、及び単一投影器からなるものとする。各カメラが共通の測定表面から得る位相マップを、
【0028】
【数1】
【0029】
とする。ia、ja及びib、jbはそれぞれカメラA、Bのカメラピクセル(イメージ素子、検出器位置など)値である。位相値φa及びφbはラジアン表示で、投影位相パターンについて各カメラが写した移動量を表す。2π値はカメラが写した完全なフリンジ移動に関連するもので、事実フリンジ移動は多く起こっている。一般に、各カメラA、Bから最初に算出される原展開位相(raw unfolded phase)はδφa及びδφbであり、それぞれφa及びφbとの関係は以下の等式の通りである。
【0030】
【数2】
【0031】
この式において、Na及びNbは整数である。これらの正しい値を選択すること、即ち「2π問題」は、実際的なモアレ法センサシステムの設計において鍵となる。ηa及びηbはδφa値及びδφb値が発生する際の「雑音」の原因となる。これらの標準的な偏差σa及びσbは、通常2πのほんの一部である
(例えばσa=σb≒2π/100)。
【0032】
本発明の複数のカメラを用いた装置において、全てのカメラと投影器のジオメトリー的関係は既知である。各カメラはそのi、j、φの値をそれぞれ、部分あるいは全体座標系に基づきx、y、z値にマッピングする。カメラAについては、
【0033】
【数3】
【0034】
であり、カメラBについては、
【0035】
【数4】
【0036】
となる。
この計算において、写される表面はZ軸方向に対して垂直ベクトルを本来有する(詳しくはZ軸に対し±45゜以内)ことが仮定される。また、
【0037】
【数5】
【0038】
の関係式が成り立つので、NaとNbとは相関することがわかる。ここにおいて、δφa及びδφbの原位相の測定から個々にNa(及びNb)を決定する方法が得られる。
(5)の式は次のような多項式に書き換えられる。
【0039】
【数6】
【0040】
但しaの係数はia及びjaの関数であり、bの係数はib及びjbの関数である。ほとんどの実際のセンサ測定の非線形期間は通常短い(但しa2<<a1、b2<<b1、またφa及びφbが数百ラジアンの最大値をとる)。従って等式(6)から得られる線形の関係は以下のように表される。
【0041】
【数7】
【0042】
Na *及びNb *を、等式(2)の関係を用いて等式(7)に対する解となり得そうな真の整数(通常未知である)とすると、次のように書き換えられる。
【0043】
【数8】
【0044】
ノイズ期間、即ちηa及びηbは、2πよりもかなり短い必要がある。正確な条件については後に記載する。ここで複数カメラにおける2π問題は、同様の関係を満たすその他のNa及びNbが存在するかどうか判断できるまでに軽減される。これは以下のように表すことができる。
【0045】
【数9】
【0046】
これは以下のように書き換えられる。
【0047】
【数10】
【0048】
但し
【0049】
【数11】
【0050】
この複合ノイズηcは、以下の標準偏差を有する。
【0051】
【数12】
【0052】
但しσa=σb=σの条件が各々のカメラノイズ源に対し仮定される。
精密カメラ、即ちカメラAに対して適切な可変範囲の拡張が可能かどうかの判断、つまりカメラAが、
【0053】
【数13】
【0054】
のようなNa値の範囲で明白に機能することが可能かどうかの判断は、b1/a1の比率が鍵となる。但し通常はNmax=5である。しかしながらこのb1/a1の比率は、カメラA及びカメラBが投影器に対しどのように配置されているかに左右される。近似値として、下記式(14)(15)が導かれる。
【0055】
【数14】
【0056】
【数15】
【0057】
または
【0058】
【数16】
【0059】
但し、αp=Z軸に対する投影器の角度
αA=Z軸に対するカメラAの角度
αB=Z軸に対するカメラBの角度
P0=測定部分空間におけるフリンジパターン期間
h=投影器、カメラA、カメラBのZ軸方向の高さである。
【0060】
一般的なセンサとしては、αP=30゜及びαA=0゜(精密カメラはZ軸に沿って整列されている)であり、粗目カメラ即ちカメラBの角度αBは0゜から30゜の間である。もしαB=27゜(カメラBが投影器の付近)であれば、b1/a1≒11である。もしαB=3゜(カメラBがカメラAの付近)であれば、b1/a1≒1.1である。b1/a1の正確な比率は校正工程から得られる。b1/a1が許容範囲の比率であるか否かは、等式(10)のノイズがない場合、即ち
【0061】
【数17】
【0062】
が、Naの関連範囲においてδNa=δNb=0以外のδNa及びδNbの解の整数を有するか否かによる。
いま、比率を
【0063】
【数18】
【0064】
とする。但しDENはb1/a1の最少公分母とする。すると0でない最近似の整数の解は、
【0065】
【数19】
【0066】
となる。
もしNUM≧2Nmax+1ならば、ノイズなしの条件のための望ましい精密カメラの範囲(−Nmax≦Na≦Nmax)において唯一の解が存在する。位相測定ノイズ(標準偏差σ)が存在する実際の測定上の条件においては、DEN値は以下の関係を満たさなければならない。
【0067】
【数20】
【0068】
ここで、式(10)において、(b 1 /a 1 )δN b が最も小さい場合は、式(18)から、(NUM/DEN)δN b がNUM=1,δN b =1なので、(1/DEN)×1が(b 1 /a 1 )δN b の最小偏差となる。しかし、最小偏差といえどもノイズη c のもつ誤差σ c (式(12))よりも大きい値であるから、上記式(20)が導かれる。この値はこの等式のノイズ期間よりも大きくなければならない。関係式20は実際にはそれほど制限的ではない。なぜなら比率b1/a1=NUM/DENは常に1(unity)よりも大きい、即ち、
【0069】
【数21】
【0070】
または、
【0071】
【数22】
【0072】
であるからである。従って、もし位相測定ノイズがσ=2π/100であるならば、−5≦Na≦5の範囲において条件を満たす唯一のセンサの解はNUM=11である。以下のような様々なカメラBの角度位置が可能である。
DEN=1,2,3,4,5,6,7,8,9,10(またはαB≒27゜,25゜,22.5゜,20゜,17.5゜,15゜, 12゜,9゜,6゜,3゜)
即ち、NUM=11とすれば、DEN=1,2,3・・・とできる。しかも上記式(22)より、NUM≪2π/σ(ここではσ=100)としているので、最も小さいNUM=11を採った。式(21)も近似式であるので、NUMはできるだけ小さくすべきである。前記の例σ=2π/100において、カメラBの位置によって決められた可能な整数値がDEN=1〜18であるならば、δNa=NUM=19(他のプライマリーナンバー)であれば、より広い可変範囲が可能であろう。この場合、Naの範囲は−9≦Na≦9である。
【0073】
この方法はさらに、等式(6)が非線形の場合、及び比率b1/a1がカメラピクセル位置ia、ja、ib、jbにおいてより大きく変化する場合、同様に利用できる。後者の場合、b1/a1の変化は公称値の1/DEN期間よりもかなり小さくなければならない(ノイズ不等式(20)と同様)。この条件は、関連するほとんどのジオメトリックセンサにおいて、不等式(20)のノイズ上の制約があっても通常簡単に満たすことができる。非線形の場合、Na及びNbのとり得る値は等式(6)から得られ、条件を満たす唯一の解を得るため数学的シミュレーションあるいは実験を実施することが可能である。
【0074】
図2(a)は図1の基本形測定システムの簡単な変形例を示す。図2(a)のシステムにおいて、測定部分の特徴やエッジに対し種々の配列で高空間解像度が得られる。精密カメラ21、粗目カメラ22及び投影器24は図1の実施例と同様の機能を果たし、垂直方向に配列されたフリンジパターン26を得る。パターン26の線形フリンジは精密カメラ21の視軸と投影器24の視軸を含有するジオメトリー的面とほぼ垂直である。また、粗目カメラ22はこの面内になくてもよい。従って、水平方向のフリンジパターン30を投影する投影器28を設置することが可能である。任意の一時点で投影器24と28のいずれか一方が作動する。しかしながら、カメラ21及び22の両方が同時に、垂直方向に投影されたフリンジ26と水平方向に投影されたフリンジ30のうちいずれかを写す。投影器光源32及び34に電気ストロボや機械的シャッタを設置し、投影器24と28間の変換を迅速に行うようにしてもよい。水平方向のほぼ45゜以内に配列された測定部分のエッジに応答して、垂直方向のフリンジの投影器24が選択され、図2(b)(c)(d)のようなカメラの視界画像が得られる。垂直方向のほぼ45゜以内に配列された測定部分のエッジに応答して、水平方向のフリンジの投影器28が選択され、図2(e)(f)のようなカメラ視界画像が得られる。CCD装置であるカメラ21及び22のカメラ視界に含まれる数個のCCD検出器あるいはピクセルのみにより、測定される表面に関する高密度なXYZ座標の情報を得ることが可能である。単一のカメラ及び投影器を使用する従来のモアレ法を、コード化された、あるいは複合のフリンジに使用しても、同じ狭い範囲内で高解像度を達成することはできない。なぜなら、前記の2π不明瞭問題を解決するためには広範囲な表面パッチが必要だからである。同様に、二台のカメラを用いた体積測定法は、識別可能な点が散在しており高解像度の表面XYZ座標データ及び3Dマップが得られないため、不適当である。
【0075】
図3(a)は、一般的な目的に使用されるモアレセンサのさらに別の好適な実施例である。この実施例の測定システムには、狭い視界(NFOV)表面パッチを写す精密カメラ41及び粗目カメラ42に加え、広い視界(WFOV)の光学カメラ44が設置され、かなり広範囲の表面パッチを写すことができる。各投影器45及び46は、二つの並んだフリンジパターンを同時に写す。垂直フリンジ投影器45は、図3(b)に示すWFOVパターン47とNFOVパターン48を投影する。同様に水平フリンジ投影器46は、図3(c)に示すWFOVパターン49とNFOVパターン50を写す。これらのパターンのジオメトリー的配置は、狭いパターン48、50のうち使用される投影器が写したパターンの方を、NFOVの精密カメラ41とNFOVの粗目カメラ42が写すように配置される。狭い表面パッチやフリンジパターンが、高解像度の表面マップを必要としない広範囲の表面を覆うことができても、この場合広範囲の視界のモアレセンサに付加的な部分的及び/またはセンサ移動、及びデータ集積の機能が必要になる。しかし本実施例では、広範囲の投影パターン47、49を写すWFOVカメラ44を使用することによりこれを達成できる。本実施例は高解像度部分を含まない部分的表面に対し実施されるので、複合フリンジやコード化されたパターンを測定したり、2π不明瞭問題を避けるために輝光線(通常1.5フリンジ幅で、パターン47中の線51及びパターン49中の線52として示す)などの加工を加えたりすることが可能である。この実施に対しWFOV「粗目カメラ」を付加する必要はない。図3(a)の実施例に、他の装置が検査できるよう測定部分を全体的に照明するための、光学ファイバーを用いた光源53を設置してもよい。光源53の白色光照明器の光学的軸がNFOV精密カメラ41の光学的軸と一致する場合、図3(a)に示されたように光源53が環状である方が望ましい。これにより、モアレ法3D表面測定技術とは関係しない標準のエッジ探知装置を利用して、影部分のエッジ、穴、隆起などの位置をより正確に知ることができる。白色光源を使用中は、投影器45及び46の電源は切る。
【0076】
図1、2、3(a)に示されたモアレセンサヘッドの重要な物理的特徴は、小型であるということであり、単純な機械的構造によって高速で単純な操作が可能となる。カメラユニットを形成するCCDカメラヘッドや小型のイメージレンズはこの目的に十分適している。標準的技術を利用した投影器では、カメラユニットによる画像集積に必要な十分な解像度、コントラストや光の強度で高密度なフリンジを投影する機能を果たすために、かなり大きくなる可能性がある。本発明によれば、図4(a)に示された小型の光学的装置の投影器によってこれらの機能を果たすことが可能である。この装置の部材を以下説明する。光源61は光学ファイバー束62の端部に位置し、光学ファイバー束62はさらに遠隔の電球63及び電源64に接続されている。光学ファイバー束62は、電球63の赤外線熱が投影器に届かないようこれを除去する。光源に使用される通常の電球63は、光線を光学束接続端部67に向けて視準する独自のコンデンサレンズ65を有する。電源から赤外線熱をさらに除去するために、光学的フィルター即ち熱ミラー68を光学ファイバー束62の前に設置可能である。
【0077】
光学ファイバー束62から出た光はコンデンサレンズ部材70へ入る。コンデンサレンズ部材70の付近には、フリンジパターンが投影されたガラススライド71あるいはその他のパターン発生装置が位置している。光は再び光学的画像投影器装置72に焦点を合わす。この画像投影器装置72はフリンジパターン71の焦点を再び測定部分の表面に合わせ、フリンジパターン73を形成する。このフリンジパターン73は、完全に視準された明るいフリンジ及び暗いフリンジよりなり、元のフリンジパターン71から変化していないことが望ましい。画像投影器装置72内に通常設けられたピンホール穴75は様々な機能を果たす。例えば、穴が小さいことにより投影器が表面に垂直でない場合でも測定部分表面上の焦点を維持するので、投影されたパターンにおいてより大きな被写界深度が得られる。さらにピンホール穴75により、パターン中のあらゆる塵やその他の小さな破片を効果的に除去することができる。このピンホール穴75の短所としては、多くの場合大量の光が無駄になることである。この種の穴が利用されるのであれば、十分な光学的照射力を保証するためより高出力の光源やより大きなコンデンサレンズ部材70を設置する必要がある。しかしこうしてコンデンサレンズ部材70を大きくすると、全体の投影器が大きくならざるを得ない。
【0078】
その他の例として、図4(c)に示すようにフリンジパターンの方向にスリット幅のスリット穴76を設け、図4(d)に示すようにコンデンサレンズ部材70を円筒状に形成した円筒状コンデンサレンズ77を設置してもよい。こうした形状であればより多い光量をシステム中に送ることが可能である。その結果、コンデンサレンズ及び投影器がより小型になる。スリット穴76のスリット長さにより、各フリンジパターンの横断方向ではなく長さ方向に沿って効果的にディフォーカスを形成する。従って、スロット幅はピンホール穴75の径と同じなので、長い被写界深度が維持される。フリンジ方向のディフォーカスにより被写界深度内のフリンジの質は劣化しない。1次元ディフォーカスにより、フリンジパターン71の各フリンジに現れるあらゆる傷やほこりが効果的に取り払われるので、投影されたパターン73の質はかえって向上する。光学的画像投影器装置72が非常に小さい投影パターン73を投影するように選択された場合、投影された際のロンチ格子74の基本的周波数は、ピンホール径あるいは単一スリット穴の狭い幅により決められた光学的回折限界値に近づく可能性がある。投影線形フリンジパターン73を形成するためロンチ格子74を変形すると、コントラストを向上できる。この場合、図4(b)に示すように約75%が不透明な帯で約25%が透明な帯となるようにフリンジを並べる。標準のロンチ格子に比べこの形状では光の無駄が大きいが、光が送られる際のコントラストが向上し、またスリット穴76及び円筒状コンデンサレンズ77を使用することによりこれを補うことができる。
【0079】
図5(a)は図4(a)の投影器の変形を示し、固定されたフリンジパターンが投影されたガラススライド71を液晶ディスプレイ(LCD)あるいはそれと同等な電気制御の伝達(または反射)装置81に取り替えたものである。このLCD装置81は光学的性質を備えておらず、また標準の固定されたフリンジパターンのように直線ではないが、移相モアレ技術及び複数フリンジパターン投影技術の両方を実施するため、電気的にパターンを変化させることが可能である。水平及び垂直両方の固定されたパターンモアレ技術を可能にするため、これらのLCDパターンを固定させることも可能である。例えば、図2(a)の水平及び垂直フリンジ投影器24、28は、反射型を含む単一の電気制御されたLCD投影器82あるいはその同等物、及び二台のカメラユニット83、84と取り替えることができる。垂直フリンジパターン対しては、カメラユニット83が精密カメラとなりカメラユニット84が粗目カメラとなる。水平フリンジに対しては、カメラユニット84が精密カメラとなりカメラユニット83が粗目カメラとなる。投影器82の光学的視軸及びカメラユニット83の光学的視軸を含むジオメトリー的面は、投影器82の視軸及びカメラユニット84の視軸を含む面とほぼ垂直をなす面から約3゜引いた位置になければならない。カメラユニット83の視軸と投影器82の視軸の間の角度は通常30゜から60゜であり、同様にカメラユニット84の視軸と投影器82の視軸の間の角度も30゜から60゜である。LCD81の変則形(anomalies)を補うため、図4(a)に示された単一スリット穴76を形成する。これにより、全ての変則形を各フリンジの方向に沿って効果的にぼかし、光学的画像投影器装置72により測定部分表面上に理想的な投影フリンジパターン73を再び画像化することが可能となる。
【0080】
本発明の複数カメラによるセンサ技術により、図6、7、8に示す多くの検査システムの機械的構造が可能である。図6は、測定対象物100がセンサ102に対し完全に静止している状態を示す。センサ102は適した角度で移動し表面測定を完了する。本発明の小型センサ装置により、センサ102は高速で移動できる。測定表面に対し配置装置を停止させずに高速でXYZ座標表面パッチデータを得ることができるので、表面マッピング及びデータ集積の速度を大幅に向上することが可能である。この結果、XYZ座標データを分析できるCADエンジニアやその他の操作者が、測定がなされている間オンラインで操作することが可能である。従って、測定時に操作者がオンラインで操作に変更や変形を施すことができる。図7は、機械的配置装置がセンサユニット104と測定部分106の間で分割されている測定システムの変形例を示す。図8は、静止しているセンサ112に対し測定部分110のみが移動する測定の変形例を示す。本発明の各変形例は、本発明の全ての作動上の基本的性質を備える。
【0081】
本発明は以上に示された例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形及び応用が可能である。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の3次元表面形状測定装置は、測定中センサを測定部分に対して静止させることなく、XYZ座標データをカメラの視界内に即時に集積することが可能である。また本発明は、配置装置の加速及び減速が不必要であるため、高い信頼性があり、簡単で安価な配置装置にすることができる。さらに本発明は、CADソフト及びメニューを利用して操作者が直接的に操作するリバースCAD機能に便利なデータを作成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3次元表面形状測定装置を示す概略図である。
【図2】本実施例の二台の投影器の配置及び種々のカメラ視界画像を示す概略図である。
【図3】本実施例の三台のカメラと二台の投影器の配置及び二台のカメラにより投影された各パターンを示す概略図である。
【図4】本発明の実施例の投影器の概略図である。
【図5】投影器のその他の実施例の概略図である。
【図6】測定部分が静止しセンサが移動する場合の実施例の斜視図である。
【図7】測定部分及びセンサが移動する場合の実施例の斜視図である。
【図8】測定部分が移動しセンサが静止する場合の実施例の斜視図である。
【図9】「2π問題」を解決する工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ・・・ 測定物
2、3 ・・・ カメラユニット
4 ・・・ 投影器
10 ・・・ スライドフリンジパターン
11 ・・・ 表面パッチ
Claims (1)
- 測定物の表面を決定する3次元表面形状測定装置において、
測定物の少なくとも表面を少なくとも一つのフリンジパターンを伴って照射する少なくとも第一照射手段により照射し、
各々が前記第一照射手段に対して一定の空間的配置を有し、精密カメラは前記第一照射手段の視軸に対して第一角度をなす視軸を有し、粗目カメラは前記第一照射手段の前記視軸に対し第二角度をなす視軸を有し、前記第二角度は前記第一角度とは異なる、前記表面部分から反射した照射光を受取る少なくとも二つのカメラを備え、
前記精密カメラの前記視軸は測定物とほぼ垂直に配置され、前記粗目カメラの前記視軸は前記精密カメラの前記視軸と少なくとも3度離れて配置され、
測定物の精密カメラと粗目カメラとの関係を示す3次元部分座標を供給し、
前記精密カメラから得たピクセル座標及び位相値の第一組を出力し、
前記粗目カメラから得たピクセル座標及び位相値の第二組を出力し、
各第一組及び第二組はそれぞれのピクセル座標から第一原展開位相値及び第二原展開位相値を各々取り出し、
第一原展開位相値及び第二原展開位相値、並びに第一組及び第二組のピクセル座標に基づき第一真整数値及び第二真整数値を算出し、
前記第一真整数値及び前記第二真整数値に基づき精密カメラの位相マップを形成し、
部分座標系に基づき部分マップ上に位相マップを形成し、測定物表面部分を表す最終的な3次元座標組を形成する3次元表面形状測定装置。
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