JP3779622B2 - Flame retardant aromatic polycarbonate resin composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物に関する。更に詳しくは着色時の染色性、レーザーマーキングにより文字やマークを印字した時の文字やマークの鮮明性に優れ、更には燃焼時の樹脂のドリップ防止性にも優れた難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂/スチレン系樹脂アロイや芳香族ポリカーボネート樹脂/芳香族ポリエステル樹脂アロイ等の芳香族ポリカーボネート系樹脂は射出成形などの簡便で生産性に優れた加工法により種々の成形品に形成され、幅広い産業分野で利用されている。また、芳香族ポリカーボネート系樹脂にハロゲン系化合物やリン系化合物を添加した難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は、難燃化の要望の強いパソコン・ノートパソコン・レーザービームプリンター・インクジェットプリンター・コピー・FAX等のOA機器、家電製品など外装部材や内部部品に利用されている。この用途においては、樹脂組成物の難燃性に加えて、成形品の光沢感、色相、鮮映性、均一性等に反映する樹脂組成物に着色剤を配合した時の染色性、成形品表面に所望の文字、記号、図柄等のマーキングを再現性良く簡便かつ高速に行う方法としてのレーザーマーキングにより文字やマークを印字した時の文字やマークの鮮明性が重視されている。しかし、一方でこれらの難燃剤に代わる難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物が開発され、上記に挙げた製品などに使用されつつある。かかる難燃剤変更の目的としては、成形時における腐蝕ガスの発生の抑制、または製品のリサイクル性の向上などが挙げられる。
【0003】
上記に挙げた難燃剤に代わる難燃剤としては例えばシリコーン化合物を挙げることができる。シリコーン化合物を芳香族ポリカーボネート樹脂に配合した難燃性樹脂組成物は近年精力的に検討され、種々の提案がされている。
【0004】
例えばポリカーボネート樹脂にパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩とアルコキシ基、ビニル基およびフェニル基を有する有機シロキサンを配合する方法(特開平6−306265号公報)、およびポリカーボネート樹脂にパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩と2価炭化水素基を介してケイ素原子に結合のオルガノキシシリル基を含有するオルガノポリシロキサンを配合する方法(特開平6−336547号公報)などが提案されている。
【0005】
また、樹脂成分に特定の石油系重質油類またはピッチ類とシリコーン化合物を配合する方法(特開平9−169914号公報)、および芳香環を有する非シリコーン樹脂に式R2SiO1.0で示される単位とRSiO1.5で示される単位を持ち、重量平均分子量が10,000以上270,000以下であるシリコーン樹脂を配合する方法(特開平10−139964号公報)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、上記提案のポリカーボネート樹脂組成物は着色時の染色性、レーザーマーキングにより文字やマークを印字した時の文字やマークの鮮明性が十分とはいえないものであった。例えば上記提案のポリカーボネート樹脂組成物はレーザー光に対する感光性が低いために、成形品にレーザーマーキングにより文字やマークを印字する際には高いエネルギーを必要とし、得られるマーキング文字はコントラストが不十分で識別しにくく印刷文字に比べてかなり見劣りする黒褐色系の焦げた状態の文字になる。また、上記提案のポリカーボネート樹脂組成物は難燃性が十分とはいえないものであった。例えば薄肉の場合にドリップを生じUL規格94のV−0ランクを達成できないなどである。
【0007】
一方、特公昭60−38419号公報には、芳香族ポリカーボネート樹脂に有機アルカリ金属塩、およびポリ(メチル水素シロキサン)からなる樹脂組成物が具体的に記載されている。しかしながらかかる樹脂組成物は成形品表面で剥離などの分散不良が発生し、成形品の光沢感、色相、鮮映性、均一性等に反映する樹脂組成物に着色剤を配合した時の染色性が十分とは言えないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物を提供することにある。更に詳しくは着色時の染色性、レーザーマーキングにより文字やマークを印字した時の文字やマークの鮮明性に優れ、更には燃焼時の樹脂のドリップ防止性にも優れた難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート系樹脂、特定のシリコーン化合物を特定量組合わせることで目的とする着色時の染色性、レーザーマーキングにより文字やマークを印字した時の文字やマークの鮮明性に優れ、更には燃焼時の樹脂のドリップ防止性にも優れた難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)100〜50重量%、スチレン系樹脂(A−2成分)0〜50重量%および/または芳香族ポリエステル樹脂(A−3成分)0〜50重量%からなる芳香族ポリカーボネート系樹脂(A)100重量部に対して、分子中にSi−H基および芳香族基を含有するシリコーン化合物であって、
▲1▼Si−H基が含まれる量(Si−H量)が0.1〜1.2mol/100g、
▲2▼下記一般式(1)で示される芳香族基が含まれる割合(芳香族基量)が10〜70重量%、
【0011】
【化5】

Figure 0003779622
【0012】
(式(1)中、Xはそれぞれ独立にOH基、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。nは0〜5の整数を表わす。更に式(1)中においてnが2以上の場合はそれぞれ互いに異なる種類のXを取ることができる。)
【0013】
▲3▼25℃における屈折率が1.40〜1.60、
であるシリコーン化合物の中から選択される少なくとも一種以上のシリコーン化合物(B)0.1〜10重量部を配合してなる難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物に関わるものである。
【0014】
本発明の(A)における芳香族ポリカーボネート系樹脂の内、A−1成分として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
【0015】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0016】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0017】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0018】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0019】
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0020】
かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合については1H−NMR測定により算出することが可能である。
【0021】
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0022】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(5)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0023】
【化6】
Figure 0003779622
【0024】
(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)
【0025】
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
【0026】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も示すことができる。これらのなかでは、下記一般式(6)および(7)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0027】
【化7】
Figure 0003779622
【0028】
【化8】
Figure 0003779622
【0029】
(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。)
かかる一般式(6)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
【0030】
また、一般式(7)の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0031】
溶融エステル交換法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0032】
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0033】
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0034】
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることができる。なかでも2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく使用される。
【0035】
さらにかかる重合反応において触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル‐スルホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
【0036】
失活剤の中でもホスホニウム塩もしくはアンモニウム塩型のものが好ましい。かかる失活剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。
【0037】
ポリカーボネート樹脂の分子量は特定されないが、粘度平均分子量が10,000未満であると高温特性等が低下し、50,000を超えると成形加工性が低下するようになるので、粘度平均分子量が10,000〜50,000のものが好ましく、14,000〜30,000のものがより好ましく、更に好ましくは14,000〜24,000である。また、ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。この場合粘度平均分子量が上記範囲外であるポリカーボネート樹脂とを混合することも当然に可能である。
【0038】
特に粘度平均分子量が50,000を超えるポリカーボネート樹脂との混合物はドリップ防止能が高く、本発明の効果を更に効率的に発揮するため好ましいものである。より好ましくは粘度平均分子量が80,000以上のポリカーボネート樹脂との混合物であり、更に好ましくは100,000以上の粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂との混合物である。すなわちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)などの方法により明らかな2ピークの分布を有するものが好ましく使用できる。
【0039】
本発明でいう粘度平均分子量はまず次式にて算出される比粘度を塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分子量Mを求める。
【0040】
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
【0041】
本発明のA−1成分の芳香族ポリカーボネートは、上記芳香族ポリカーボネート樹脂であって、かつ実質的にハロゲン原子を含まないものである。実質的にハロゲン原子を含まないとは、分子中にハロゲン置換二価フェノールなどを含まないことを示し、上記芳香族ポリカーボネートの製造方法において残留する微量の塩素系溶媒、カーボネート前駆体までも対象とするものではない。
【0042】
本発明の(A)における芳香族ポリカーボネート系樹脂の内、A−2成分として使用されるスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体と必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル単量体およびゴム質重合体より選ばれる1種以上を重合して得られるスチレン系樹脂である。
【0043】
前記スチレン系樹脂成分に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p‐tert‐ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導体であり、特にスチレンが好ましい。さらにこれらは単独または2種以上用いることができる。
【0044】
前記スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸のアリールエステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸およびその無水物が挙げられる。
【0045】
前記スチレン系単量体と共重合可能なゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルおよびブタジエンの共重合体、ブタジエン・イソプレン共重合体等のジエン系共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン・ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレンと脂肪族ビニルとの共重合体、エチレン・プロピレン・ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム(以下IPN型ゴム)等が挙げられる。
【0046】
かかるスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(水添SBS)、水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SEPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)およびスチレン・IPN型ゴム共重合体等の樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。尚かかるスチレン系熱可塑性樹脂はその製造時にメタロセン触媒等の触媒使用により、シンジオタクチックポリスチレン等の高い立体規則性を有するものであってもよい。更に場合によっては、アニオンリビング重合、ラジカルリビング重合等の方法により得られる、分子量分布の狭い重合体および共重合体、ブロック共重合体、および立体規則性の高い重合体、共重合体を使用することも可能である。これらの中でもポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)が好ましく、ABS樹脂が最も好ましい。また、スチレン系樹脂を2種以上混合して使用することも可能である。
【0047】
かかるABS樹脂とは、ジエン系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体とシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体の混合物である。このABS樹脂を形成するジエン系ゴム成分としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンおよびスチレン−ブタジエン共重合体等のガラス転移点が10℃以下のゴムが用いられ、その割合はABS樹脂成分100重量%中5〜80重量%であるのが好ましく、特に好ましくは10〜50重量%である。ジエン系ゴム成分にグラフトされるシアン化ビニル化合物としては、前記記載のものをあげることができ、特にアクリロニトリルが好ましく使用できる。またジエン系ゴム成分にグラフトされる芳香族ビニル化合物としては、同様に前記記載のものを使用できるが、特にスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく使用できる。かかるジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の割合は、ABS樹脂成分100重量%中95〜20重量%が好ましく、特に好ましくは50〜90重量%である。更にかかるシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の合計量100重量%に対して、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香族ビニル化合物が95〜50重量%であることが好ましい。更に上記のジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の一部についてメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、無水マレイン酸、N置換マレイミド等を混合使用することもでき、これらの含有割合はABS樹脂成分中15重量%以下であるものが好ましい。更に反応で使用する開始剤、連載移動剤、乳化剤等は必要に応じて、従来公知の各種のものが使用可能である。
【0048】
ABS樹脂においては、ゴム粒子径は0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0μm、特に好ましくは0.4〜1.5μmである。かかるゴム粒子径の分布は単一の分布であるものおよび2山以上の複数の山を有するもののいずれもが使用可能であり、更にそのモルフォロジーにおいてもゴム粒子が単一の相をなすものであっても、ゴム粒子の周りにオクルード相を含有することによりサラミ構造を有するものであってもよいが、好ましくは単一相をなすゴム粒子の割合が多いものである。
【0049】
またABS樹脂がジエン系ゴム成分にグラフトされないシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物を含有することは従来からよく知られているところであり、本発明のABS樹脂においてもかかる重合の際に発生するフリーの重合体成分を含有するものであってもよい。かかるフリーのシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物からなる共重合体の分子量は、好ましくは還元粘度で0.2〜1.0、より好ましくは0.25〜0.5であるものである。
【0050】
またグラフトされたシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の割合はジエン系ゴム成分に対して20〜200%が好ましく、より好ましくは20〜70%のグラフト率のものである。
【0051】
このABS樹脂は塊状重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法で製造されたものでもよく、また共重合の方法も一段で共重合しても、多段で共重合してもよい。また、かかる製造法により得られたABS樹脂に芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル成分とを別途共重合して得られるビニル化合物重合体をブレンドしたものも好ましく使用できる。
【0052】
本発明の(A)における芳香族ポリカーボネート系樹脂の内、A−3成分として使用される芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸またはその反応性誘導体と、ジオール、またはそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体である。
【0053】
ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸が好適に用いられ、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく使用できる。
【0054】
芳香族ジカルボン酸は二種以上を混合して使用してもよい。なお少量であれば、該ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を一種以上混合使用することも可能である。
また本発明の芳香族ポリエステルの成分であるジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール等、2,2−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の芳香環を含有するジオール等およびそれらの混合物等が挙げられる。更に少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を1種以上共重合してもよい。
【0055】
また本発明の芳香族ポリエステルは少量の分岐剤を導入することにより分岐させることができる。分岐剤の種類に制限はないがトリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0056】
具体的な芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、等の他、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、等のような共重合ポリエステルおよびこれらの混合物が好ましく使用できる。これらの中でもジオール成分として、エチレングリコールを使用したポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが熱的性質、機械的性質等のバランスがとれ好ましく、更に芳香族ポリエステル樹脂100重量%中ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが50重量%以上のものが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが50重量%以上のものが好ましい。また、ジオール成分として、ブチレングリコールを使用したポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートも成形性、機械的性質等のバランスがとれ好ましく、更に重量比でポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートが2〜10の範囲が好ましい。
【0057】
また得られた芳香族ポリエステル樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよい。またかかる末端基に対して反応性を有する化合物を反応させる等により、それらの末端基が封止されているものであってもよい。
【0058】
かかる芳香族ポリエステル樹脂の製造方法については、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを重合させ、副生する水または低級アルコールを系外に排出することにより行われる。例えば、ゲルマニウム系重合触媒としては、ゲルマニウムの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、フェノラート等が例示でき、更に具体的には、酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム等が例示できる。
【0059】
またその際、従来公知の重縮合の前段階であるエステル交換反応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の化合物を併せて使用でき、およびエステル交換反応終了後にリン酸または亜リン酸の化合物等により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能である。
【0060】
また芳香族ポリエステル樹脂の分子量については特に制限されないが、o−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定した固有粘度が0.4〜1.2、好ましくは0.65〜1.15である。
【0061】
本発明の芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物(A)における芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)とスチレン系樹脂(A−2成分)および/または芳香族ポリエステル樹脂(A−3成分)の配合割合は、芳香族ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹脂および/または芳香族ポリエステル樹脂の合計100重量%とした時に、芳香族ポリカーボネート樹脂100〜50重量%、好ましくは99.5〜60重量%、スチレン系樹脂および/または芳香族ポリエステル樹脂0〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%である。芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)の配合割合が50重量%未満、即ちスチレン系樹脂(A−2)および/または芳香族ポリエステル樹脂(A−3)の配合割合が50重量%よりも多くなると難燃性が不十分となり好ましくない。
【0062】
本発明の(B)成分として使用されるシリコーン化合物は特定のSi−H結合を有するシリコーン化合物である。即ち、
分子中にSi−H基および芳香族基を含有するシリコーン化合物であって、
▲1▼Si−H基が含まれる量(Si−H量)が0.1〜1.2mol/100g、
▲2▼下記一般式(1)で示される芳香族基が含まれる割合(芳香族基量)が10〜70重量%、
【0063】
【化9】
Figure 0003779622
【0064】
(式(1)中、Xはそれぞれ独立にOH基、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。nは0〜5の整数を表わす。更に式(1)中においてnが2以上の場合はそれぞれ互いに異なる種類のXを取ることができる。)
【0065】
▲3▼25℃における屈折率が1.40〜1.60、
であるシリコーン化合物の中から選択される少なくとも一種以上のシリコーン化合物(B)である。
【0066】
好ましくは、Si−H結合含有単位として、下記一般式(2)および(3)で示される構成単位のうち、少なくとも一種以上の式で示される構成単位を含むシリコーン化合物の中から選択される少なくとも一種以上のシリコーン化合物である。
【0067】
【化10】
Figure 0003779622
【0068】
【化11】
Figure 0003779622
【0069】
(式(2)および式(3)中、Z1〜Z3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の一価の有機残基、または下記一般式(4)で示される化合物を示す。α1〜α3はそれぞれ独立に0または1を表わす。m1は0もしくはそれ以上の整数を表わす。更に式(3)中においてm1が2以上の場合の繰返し単位はそれぞれ互いに異なる複数の繰返し単位を取ることができる。)
【0070】
【化12】
Figure 0003779622
【0071】
(式(4)中、Z4〜Z8はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。α4〜α8はそれぞれ独立に0または1を表わす。m2は0もしくはそれ以上の整数を表わす。更に式(4)中においてm2が2以上の場合の繰返し単位はそれぞれ互いに異なる複数の繰返し単位を取ることができる。)
【0072】
より好ましくは、Mを1官能性シロキサン単位、Dを2官能性シロキサン単位、Tを3官能性シロキサン単位で表わした時、MD単位またはMDT単位からなるシリコーン化合物である。
【0073】
上記一般式(2)、(3)および(4)で示される構成単位のZ1〜Z8、および一般式(1)のXにおける炭素数1〜20の一価の有機残基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、アラルキル基を挙げることができ、更にこれらの基はエポキシ基、カルボキシル基、無水カルボン酸基、アミノ基、およびメルカプト基などの各種官能基を含むものであってもよい。さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、特にはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはフェニル基が好ましい。
【0074】
前記一般式(2)および(3)で示される構成単位のうち、少なくとも一種以上の式で示される構成単位を含むシリコーン化合物において、複数のシロキサン結合の繰返し単位を有する場合は、それらはランダム共重合、ブロック共重合、テーパード共重合のいずれの形態を取ることも可能である。
【0075】
本発明においては、(B)成分としての前記シリコーン化合物において、シリコーン化合物中のSi−H量を0.1〜1.2mol/100gの範囲とすることが必要とされる。Si−H量が0.1〜1.2mol/100gの範囲にあることで、レーザー照射時にSi−H基同士が反応して水素ガスを発生し、成形品表層部で発泡するために文字やマークの鮮明性が高くなる。さらに好ましくはSi−H量が0.2〜1.0mol/100gの範囲にあるシリコーン化合物である。Si−H量が0.1mol/100gより少ないと成形品表層部での発泡が不十分で文字やマークの鮮明性が不十分となり、1.2mol/100gより多いと組成物の熱安定性が低下する。
【0076】
また、ここで言うSi−H量とは、シリコーン化合物100gあたりに含まれるSi−H構造のmol数を言うが、これはアルカリ分解法により、シリコーン化合物の単位重量当たり発生した水素ガスの体積を測定することにより求めることができる。例えば、25℃においてシリコーン化合物1g当たり122mlの水素ガスが発生した場合、下記計算式により、Si−H量は0.5mol/100gとなる。
【0077】
122×273/(273+25)÷22400×100≒0.5
一方、芳香族ポリカーボネート系樹脂にシリコーン化合物を配合した芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物において、成形品表面での剥離、成形品の光沢不足、色相不良、不均一などの不良現象の発生を抑えるためには、シリコーン化合物の分散状態が重要である。シリコーン化合物が偏在する場合には、剥離が無く、光沢感があり、安定な色相で、均一で、着色時の染色性が良好な成形品を得ることが困難となるためである。かかる分散状態を決定する重要な因子としてシリコーン化合物中の芳香族基量が挙げられる。
【0078】
かかる観点より、本発明のシリコーン化合物としては、シリコーン化合物中の芳香族基量が10〜70重量%の範囲にあるものとすることが必要とされる。さらに好ましくは芳香族基量が15〜60重量%の範囲にあるシリコーン化合物である。シリコーン化合物中の芳香族基量が10重量%より少ないとシリコーン化合物が偏在して分散不良となり、染色性が良好な成形品を得ることが困難となる。芳香族基量が70重量%より多いとシリコーン化合物自体の分子の剛直性が高くなるためやはり偏在して分散不良となり、染色性が良好な成形品を得ることが困難となる。
【0079】
また、ここで芳香族基量とは、シリコーン化合物において、下記一般式(1)で示される芳香族基が含まれる割合のことを言い、下記計算式によって求めることができる。
【0080】
【化13】
Figure 0003779622
【0081】
芳香族基量=〔A/M〕×100(重量%)
ここで、上記式におけるA、Mはそれぞれ以下の数値を表す。
【0082】
A=シリコーン化合物1分子中に含まれる、全ての一般式(1)で示される芳香族基部分の合計分子量
M=シリコーン化合物の分子量
【0083】
さらに本発明のシリコーン化合物としては、25℃における屈折率が1.40〜1.60の範囲にあることが必要とされる。さらに好ましくは屈折率が1.42〜1.59の範囲であり、最も好ましくは、1.44〜1.59の範囲にあるシリコーン化合物である。屈折率が1.40より小さいと、芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率とシリコーン化合物の屈折率の差が大きくなり、芳香族ポリカーボネート樹脂中にシリコーン化合物が微分散しても白濁してしまい、着色時に染色され難くなる。屈折率が1.60より大きくても、芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率とシリコーン化合物の屈折率の差が大きくなり、芳香族ポリカーボネート樹脂中にシリコーン化合物が微分散しても白濁してしまい、着色時に染色され難くなる。
【0084】
上記一般式で示される構成単位を含むシリコーン化合物としては、上記の条件を満たすものであれば直鎖状であっても分岐構造を持つものであっても良く、Si−H基を分子構造中の側鎖、末端、分岐点の何れか、または複数の部位に有する各種の化合物を用いることが可能である。
【0085】
一般的にシリコーン化合物の構造は、以下に示す4種類のシロキサン単位を任意に組み合わせることによって構成される。
M単位:(CH33SiO1/2、H(CH32SiO1/2、H2(CH3)SiO1/2、(CH32(CH2=CH)SiO1/2、(CH32(C65)SiO1/2、(CH3)(C65)(CH2=CH)SiO1/2等の1官能性シロキサン単位
D単位:(CH32SiO、H(CH3)SiO、H2SiO、H(C65)SiO、(CH3)(CH2=CH)SiO、(C652SiO等の2官能性シロキサン単位
T単位:(CH3)SiO3/2、(C37)SiO3/2、HSiO3/2、(CH2=CH)SiO3/2、(C65)SiO3/2等の3官能性シロキサン単位
Q単位:SiO2で示される4官能性シロキサン単位
【0086】
本発明において使用されるシリコーン化合物の構造は、具体的には、示性式としてDn、Tp、Mmn、Mmp、Mmq、Mmnp、Mmnq、Mmpq、Mmnpq、Dnp、Dnq、Dnpqが挙げられる。この中で好ましいシリコーン化合物の構造は、Mmn、Mmp、Mmnp、Mmnqであり、さらに好ましい構造は、Mmn、Mmnpである。
(ここで、上記示性式中の係数m、n、p、qは各シロキサン単位の重合度を表す整数であり、各示性式における係数の合計がシリコーン化合物の平均重合度となる。本発明においては、この平均重合度を3〜150の範囲とすることが好ましく、より好ましくは3〜80の範囲である。またm、n、p、qのいずれかが2以上の数値である場合、その係数の付いたシロキサン単位は、結合する水素原子や有機残基が異なる2種以上のシロキサン単位とすることができる。)
上記のシリコーン化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0087】
このようなSi−H結合を有するシリコーン化合物は、それ自体従来公知の方法によって製造することができる。例えば、目的とするシリコーン化合物の構造に従い、相当するオルガノクロロシラン類を共加水分解し、副生する塩酸や低沸分を除去することによって目的物を得ることができる。また、分子中にSi−H結合や一般式(1)で示される芳香族基、その他の有機残基を有するシリコーンオイル、環状シロキサンやアルコキシシラン類を出発原料とする場合には、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸等の酸触媒を使用し、場合によって加水分解のための水を添加して、重合反応を進行させた後、使用した酸触媒や低沸分を同様に除去することによって、目的とするシリコーン化合物を得ることができる。
【0088】
前記(B)成分のシリコーン化合物は、(A)成分の芳香族ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部、より好ましくは1.2〜5重量部配合される。
【0089】
本発明の樹脂組成物には、さらに(C)成分としてラジカル発生剤、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩より選ばれる少なくとも一種の化合物を配合することができる。この(C)成分の配合により、難燃性をより向上させることができ、殊にドリップ防止性が改良される。(C)成分の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、0.001〜0.3重量部、好ましくは0.005〜0.3重量部、より好ましくは0.005〜0.2重量部の範囲が適当である。
【0090】
本発明の(C)成分として使用されるラジカル発生剤としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ジクミル)等が挙げられ、これらは日本油脂(株)製パーヘキシン25B、パークミルD、ノフマーBC等の商品名で市販されており容易に入手できる。特に溶融混練時にはラジカルの発生が極力少なく、燃焼時に有効にある程度安定したラジカルを発生するものが好ましいため、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ジクミル)をより好ましいラジカル発生剤として挙げることができる。
【0091】
本発明の(C)成分として使用されるアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩としては、従来ポリカーボネート樹脂を難燃化するのに使用されている各種の金属塩が使用可能であるが、特に有機スルホン酸の金属塩、または硫酸エステルの金属塩を挙げることができる。これらは単独の使用だけでなく、2種以上を混合して使用することも可能である。尚、本発明のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、特に好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムである。
【0092】
前記有機スルホン酸の金属塩としては、脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩、脂肪族スルホン酸のアルカリ土類金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。かかる脂肪族スルホン酸金属塩の好ましい例としては、アルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、かかるアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩のアルキル基の一部がフッ素原子で置換したスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、およびパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩を挙げることができ、これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる(ここで、アルカリ(土類)金属塩の表記は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれも含む意味で使用する)。
【0093】
アルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩に使用するアルカンスルホン酸の好ましい例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、メチルブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、へプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸等が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。またかかるアルキル基の一部がフッ素原子で置換した金属塩も挙げることができる。
【0094】
一方、パーフルオロアルカンスルホン酸の好ましい例としては、パーフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロメチルブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸等が挙げられ、特に炭素数が1〜8のものが好ましい。これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。
【0095】
かかるアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、エタンスルホン酸ナトリウム塩が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩を好ましく挙げることができる。
【0096】
芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩に使用する芳香族スルホン酸としては、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸、芳香族カルボン酸およびエステルのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸、芳香族スルホネートのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸、芳香族ケトンのスルホン酸、複素環式スルホン酸、芳香族スルホキサイドのスルホン酸、芳香族スルホン酸のメチレン型結合による縮合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸を挙げることができ、これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。
【0097】
モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98539号公報に記載されており、例えば、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジカリウムなどを挙げることができる。
【0098】
芳香族カルボン酸およびエステルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98540号公報に記載されており、例えば5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウムなどを挙げることができる。
【0099】
モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98542号公報に記載されており、例えば1−メトキシナフタレン−4−スルホン酸カルシウム、4−ドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,3−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(2,6−ジフェニルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリカリウム、ポリ(2−フルオロ−6−ブチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸リチウムなどを挙げることができる。
【0100】
芳香族スルホネートのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98544号公報に記載されており、例えばベンゼンスルホネートのスルホン酸カリウムなどを挙げることができる。
【0101】
モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98546号公報に記載されており、例えばベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウムなどを挙げることができる。
【0102】
モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭52−54746号公報に記載されており、例えばジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸ジカリウムなどを挙げることができる。
【0103】
芳香族ケトンのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−98547号公報に記載されており、例えばα,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムなどを挙げることができる。
【0104】
複素環式スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭50−116542号公報に記載されており、例えばチオフェン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸カルシウム、ベンゾチオフェンスルホン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
【0105】
芳香族スルホキサイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、特開昭52−54745号公報に記載されており、例えばジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウムなどを挙げることができる。
【0106】
芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩のメチレン型結合による縮合体としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物などを挙げることができる。
【0107】
一方、硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩としては、特に一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができ、かかる一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルとしては、メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステル、ラウリル硫酸エステル、ヘキサデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ、テトラ硫酸エステル、ラウリン酸モノグリセライドの硫酸エステル、パルミチン酸モノグリセライドの硫酸エステル、ステアリン酸モノグリセライドの硫酸エステルなどを挙げることができる。これらの硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩として好ましくはラウリル硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
【0108】
また他のアルカリ(土類)金属塩としては、芳香族スルホンアミドのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができ、例えばサッカリン、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミド、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミド、およびN−(フェニルカルボキシル)スルファニルイミドのアルカリ(土類)金属塩などが挙げられる。
【0109】
上記に挙げたアルカリ(土類)金属塩のうち、より好ましい成分として芳香族スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
【0110】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は、本発明の効果を発揮する範囲において各種の熱可塑性樹脂および添加剤などを含むことができる。
【0111】
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイドなどのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものを挙げることができる。更にオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーも使用することができる。
【0112】
その他各種添加剤としては、例えば補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカーなど)、難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、赤リン、金属水和物系など)、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、摺動剤(PTFE粒子など)、着色剤(カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、染料)、光拡散剤(アクリル架橋粒子、シリコン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子など)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤を配合することができる。
【0113】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は、熱安定剤としてリン系安定剤を含むことが好ましい。かかるリン系安定剤としては、ホスファイト系、ホスホナイト系、およびホスフェート系のいずれも使用可能である。
【0114】
本発明におけるホスファイト系安定剤としては、さまざまなものを用いることができる。具体的には例えば一般式(8)
【0115】
【化14】
Figure 0003779622
【0116】
[式中R8は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアルカリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはこれらのハロ、アルキルチオ(アルキル基は炭素数1〜30)またはヒドロキシ置換基を示し、3個のR8は互いに同一または互いに異なるのいずれの場合も選択でき、また2価フェノール類から誘導されることにより環状構造も選択できる。]で表わされるホスファイト化合物である。
【0117】
また、一般式(9)
【0118】
【化15】
Figure 0003779622
【0119】
[式中R9、R10はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示す。尚、シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基で置換されていないもの、またはアルキル基で置換されているもののいずれも選択できる。]で表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
【0120】
また、一般式(10)
【0121】
【化16】
Figure 0003779622
【0122】
[式中R11、R12は炭素数12〜15のアルキル基である。尚、R11およびR12は互いに同一または互いに異なるのいずれの場合も選択できる。]で表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
【0123】
ホスホナイト系安定剤としては下記一般式(11)で表わされるホスホナイト化合物、および下記一般式(12)で表わされるホスホナイト化合物を挙げることができる。
【0124】
【化17】
Figure 0003779622
【0125】
【化18】
Figure 0003779622
【0126】
[式中、Ar1、Ar2は炭素数6〜20のアリール基ないしアルキルアリール基、または炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示し、4つのAr1は互いに同一、または互いに異なるいずれも選択できる。または2つのAr2は互いに同一、または互いに異なるいずれも選択できる。]
【0127】
上記一般式(8)に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。
【0128】
上記一般式(9)に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、好ましくはジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを挙げることができる。かかるホスファイト化合物は1種、または2種以上を併用することができる。
【0129】
上記一般式(10)に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例としては、4,4’−イソプロピリデンジフェノールテトラトリデシルホスファイトを挙げることができる。
【0130】
上記一般式(11)に対応するホスホナイト化合物における好ましい具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。このテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−1成分)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−2成分)および、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−3成分)の1種もしくは2種以上を併用して使用可能であるが、好ましくはかかる3種の混合物である。また、3種の混合物の場合その混合比は、E2−1成分、E2−2成分およびE2−3成分を重量比で100:37〜64:4〜14の範囲が好ましく、100:40〜60:5〜11の範囲がより好ましい。
【0131】
上記一般式(12)に対応するホスホナイト化合物の好ましい具体例としては、ビス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられ、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。このビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの1種もしくは2種を併用して使用可能であるが、好ましくはかかる2種の混合物である。また、2種の混合物の場合その混合比は、重量比で5:1〜4の範囲が好ましく、5:2〜3の範囲がより好ましい。
【0132】
一方ホスフェート系安定剤としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリメチルホスフェートである。
【0133】
上記のリン系安定剤に対して更に好ましいリン系安定剤としては、以下の一般式(13)および(14)で示される化合物を挙げることができる。
【0134】
【化19】
Figure 0003779622
【0135】
(式(13)中、R13およびR14は、それぞれ炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。)
【0136】
【化20】
Figure 0003779622
【0137】
(式(14)中、R15、R16、R17、R18、R21、R22、およびR23はそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、R19は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、およびR20は水素原子またはメチル基を示す。)
【0138】
式(13)中、好ましくはR13およびR14は炭素原子数1〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素原子数1〜8のアルキル基である。式(13)の化合物としては具体的に、トリス(ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられ、特にトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
【0139】
一方、式(14)のリン化合物は公知の方法で製造できる。例えば下記一般式(15)に示されるビスフェノール化合物と三塩化リンとを反応させて相当する塩化リン酸を得て、その後それと下記一般式(16)で示されるフェノールとを反応させる方法などがある。
【0140】
【化21】
Figure 0003779622
【0141】
(式(15)中、R15、R16、R17、およびR18はそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、R19は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、およびR20は水素原子またはメチル基を示す。)
【0142】
【化22】
Figure 0003779622
【0143】
(式(16)中、R21、R22、およびR23はそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。)
【0144】
上記一般式(15)の化合物の具体例としては、2,2’−メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−エチリデンビスフェノール、2,2’−エチリデンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−イソプロピリデンビスフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルフェニルメタン、2,2’−メチレンビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などが挙げられ、好ましく使用することができる。
【0145】
一般式(15)の化合物としてより好ましくは、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、および2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を挙げることができる。
【0146】
一方、一般式(16)の化合物の具体例としては、フェノール、2−メチルフェノール、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、および2,6−ジ−tert−ブチル−4−s−ブチルフェノールなどが挙げられ、好ましく使用できる。一般式(16)の化合物の具体例としてより好ましいのは、アルキル置換基を2つ以上有する場合である。
【0147】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物はフェノール系酸化防止剤を含むことができる。フェノール系酸化防止剤により熱暴露時の変色を抑制できると共に、難燃性の向上に対してもある程度の効果を発揮する。かかるフェノール系酸化防止剤としては種々のものを使用することができる。
【0148】
かかるフェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えばビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを挙げることができ、好ましく使用できる。
【0149】
より好ましくは、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンであり、更にn−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネートが好ましい。
【0150】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物はイオウ系酸化防止剤を含むことができる。特に成形が回転成形や圧縮成形に使用される場合には好適である。かかるイオウ系酸化防止剤の具体例としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステル、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)などを挙げることができる。より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステルを挙げることができる。
【0151】
上記に挙げたリン系安定剤、フェノール系酸化防止剤、およびイオウ系酸化防止剤はそれぞれ単独または2種以上併用することができる。より好ましくはリン系安定剤を必須とする場合であり、特にリン系安定剤として上記一般式(13)の化合物を含んでいることが好ましい。
【0152】
これらの安定剤の組成物中の割合としては、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物100重量部当たり、リン系安定剤、フェノール系酸化防止剤、またはイオウ系酸化防止剤はそれぞれ0.0001〜1重量部であることが好ましい。より好ましくはポリカーボネート樹脂組成物100重量部当たり、0.0005〜0.5重量部である。更に好ましくは0.001〜0.2重量部である。
【0153】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物には、必要に応じて離型剤を配合することができる。本発明においては良好な難燃性を有するため、通常難燃性に対して悪影響を及ぼしやすい離型剤を配合した場合であっても、良好な難燃性を達成することができる。かかる離型剤としては公知のものが使用できる。例えば、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワツクス、1−アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、シリコーン化合物(本発明の(B)成分以外のもの。例えば直鎖状または環状のポリジメチルシロキサンオイルやポリメチルフェニルシリコーンオイルなどが挙げられる。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などを挙げることができる。これらの中でも飽和脂肪酸エステル類、直鎖状または環状のポリジメチルシロキサンオイルやポリメチルフェニルシリコーンオイルなど、およびフッ素オイルを挙げることができる。かかる離型剤は(A)成分〜(C)成分の合計100重量部に対して0.01〜0.3重量部が好ましい。
【0154】
好ましい離型剤としては飽和脂肪酸エステルが挙げられ、例えばステアリン酸モノグリセライドなどのモノグリセライド類、デカグリセリンデカステアレートおよびデカグリセリンテトラステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなどの高級脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどのエリスリトールエステル類が使用される。
【0155】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は、OA機器の筐体などに使用されることが多いため、紫外線吸収剤を含んでいることが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤を挙げることができる。
【0156】
また紫外線吸収剤としては例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
【0157】
更に紫外線吸収剤としては例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノール、2−(4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノールなどのヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を挙げることができる。
【0158】
またビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2n−ブチルマロネート、1,2,3,4−ブタンカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンジカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリ{[6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−クロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、ポリメチルプロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も配合することができる。
【0159】
かかる紫外線吸収剤、光安定剤の割合は、(A)成分〜(C)成分の合計100重量部当たり0.01〜5重量部、より好ましくは0.02〜1重量部である。
【0160】
また、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物には紫外線吸収剤などに基づく黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を配合することができる。ブルーイング剤としてはポリカーボネート樹脂に使用されるものであれば、特に支障なく使用することができる。一般的にはアンスラキノン系染料が入手容易であり好ましい。具体的なブルーイング剤としては、例えば一般名SolventViolet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーG」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイオレットB」]、一般名Solvent Violet31[CA.No68210;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solvent Violet33[CA.No60725;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一般名Solvent Blue94[CA.No61500;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーN」]、一般名Solvent Violet36[CA.No68210;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイオレット3R」]、一般名Solvent Blue97[商標名 バイエル社製「マクロレックスブルーRR」]および一般名Solvent Blue45[CA.No61110;商標名 サンド社製「テトラゾールブルーRLS」]、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社のマクロレックスバイオレットやトリアゾールブルーRLS等が挙げられ、特に、マクロレックスブルーRR、マクロレックスバイオレットBやトリアゾールブルーRLSが好ましい。
【0161】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えば(A)〜(C)成分および任意に他の成分をそれぞれV型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した後、場合により押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行い、その後ベント式二軸ルーダーに代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する方法が挙げられる。
【0162】
他に、(A)〜(C)成分および任意に他の成分をそれぞれ独立にベント式二軸ルーダーに代表される溶融混練機に供給する方法、(A)および(C)成分の一部を予備混合した後、残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法、(B)成分を水または有機溶剤で希釈混合した後、溶融混練機に供給、またはかかる希釈混合物を他の成分と予備混合した後、溶融混練機に供給する方法なども挙げられる。尚、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融混練機への供給にいわゆる液注装置、または液添装置を使用することができる。
【0163】
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は通常かかるペレットを射出成形して成形品を得ることにより各種製品を製造することができる。かかる射出成形においては、通常のコールドランナー方式の成形法だけでなく、ランナーレスを可能とするホットランナーによって製造することも可能である。また射出成形においても、通常の成形方法だけでなくガスアシスト射出成形、射出圧縮成形、超高速射出成形等を使用することができる。
【0164】
また本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、フィルムなどの形で使用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、キャスティング法なども使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物を溶融混練することなく回転成形により成形品とすることも可能である。
【0165】
【実施例】
以下に実施例を挙げて更に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。尚、評価としては以下の項目について実施した。
(1)材料特性
(1−▲1▼)ドリップ防止性
UL規格に従って作成した厚さ1.6mmの試験片を用いてUL規格94に基づいて試験を行った。その時、一次着火後および二次着火後にドリップに至るまでの時間を計測し、その最短の時間(秒)で評価した。
(1−▲2▼)染色性
大きさ150mm×150mm、厚さ2.0mmの角板状成形品を9分割し、各々9箇所のL値を、東京電色工業(株) カラーコンピュータ TCM−1800にて測定した。9箇所で測定したL値のうち、最大のL値から最小のL値を引いた値(ΔL)および、成形品外観を目視で以下の基準で評価した。
【0166】
<染色性>
○:良好。剥離無し、光沢有り、色相良好、均一外観。
×:不良。剥離有り、光沢無し、色相不良、不均一外観。
【0167】
(1−▲3▼)レーザーマーキング性
日本電気(株)製レーザーマーカー SL475Eを用いて、スキャンスピード100mm/sec、バイトサイズ30μmにてUL規格に従って作成した厚さ2.0mmの試験片に対してマーキングを行いマーキングが可能となる最小電流値および、マークの鮮明性を目視で以下の基準で評価した。
○:良好。文字を鮮明に視認できる。
×:不良。文字ににじみ等の発生有り。
【0168】
実施例1〜23、および比較例1〜20
表1〜5に記載の樹脂組成物を以下の要領で作成した。尚、説明は以下の表中の記号にしたがって説明する。
【0169】
表1〜5の割合の各成分を計量し、更にホスファイト系抗酸化剤(日本チバガイギー社製IRGAFOS168) 0.01重量部、フェノール系抗酸化剤(日本チバガイギー社製IRGANOX1076) 0.01重量部、紫外線吸収剤(ケミプロ化成工業(株)製 ケミソーブ79) 0.3重量部、離型剤(理研ビタミン(株)製 リケマールSL900) 0.3重量部を計量して、タンブラーを用いて均一に混合し、かかる混合物を押出機に投入して樹脂組成物の作成を行った。
【0170】
押出機としては径30mmφのベント式二軸押出機((株)神戸製鋼所KTX−30)を使用した。スクリュー構成はベント位置以前に第1段のニーディングゾーン(送りのニーディングディスク×2、送りのローター×1、戻しのローター×1および戻しニーディングディスク×1から構成される)を、ベント位置以後に第2段のニーディングゾーン(送りのローター×1、および戻しのローター×1から構成される)を設けてあった。シリンダ−温度およびダイス温度が280℃、およびベント吸引度が3,000Paの条件でストランドを押出し、水浴において冷却した後ペレタイザーでストランドカットを行い、ペレット化した。
【0171】
得られたペレットは110℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機[ファナック(株)T−150D]によりシリンダー温度290℃、金型温度70℃で試験片を成形した。
【0172】
また、表1〜表5に記載の使用した原材料等は以下の通りである。
(A)成分
(A−1成分)
PC−1:直鎖状ポリカーボネート樹脂(ホスゲン法で作成されたビスフェノールAおよび末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノールからなる芳香族ポリカーボネート樹脂。かかる芳香族ポリカーボネート樹脂はアミン系触媒を使用せず製造され、芳香族ポリカーボネート樹脂末端中、末端水酸基の割合は10モル%であり、またかかる芳香族ポリカーボネート樹脂は25ppmのホスホナイト系抗酸化剤[サンドズ(Sandoz)社製 Sandstab P−EPQ]を含んでいた。粘度平均分子量は22,500であった)
PC−2:分岐状芳香族ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製 タフロンIB2500)
【0173】
(A−2成分)
ABS:スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(日本エイアンドエル(株)製 サンタックUT−61)
AS:スチレン−アクリロニトリル共重合体(旭化成工業(株)製 スタイラック−AS 767 R27)
MBS:メチル(メタ)アクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(鐘淵化学工業(株)製 カネエースB−56)
【0174】
(A−3成分)
PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)製 TR−8580 固有粘度0.8)
PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)製 TRB−H 固有粘度1.07)
【0175】
(B)成分
合成例−1
撹拌装置、冷却装置、温度計を取り付けた1Lフラスコにヘキサメチルジシロキサン15.9g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン147.3g、オクタメチルシクロテトラシロキサン14.5gおよびジフェニルジメトキシシラン395.1gを仕込み、さらに撹拌しながら濃硫酸25.0gを添加した。内温10℃まで冷却した後、水29.7gをフラスコ内へ撹拌しながら30分間かけて滴下した。この間、内温を20℃以下に維持するよう、冷却を続けた。滴下終了後、さらに内温10〜20℃で撹拌を5時間続けて熟成した後、水8.5gとトルエン300gを添加して30分間撹拌後、静置して分離した水層を除去した。その後、さらに5%硫酸ナトリウム水溶液で4回洗浄し、トルエン層が中性になったことを確認した。このトルエン溶液を減圧下内温120℃まで加熱してトルエンと低沸分を除去した後、濾過により不溶物を取り除いてシリコーン化合物B−1を得た。
【0176】
合成例−2
撹拌装置、冷却装置、温度計を取り付けた1Lフラスコに水538.2gとトルエン120gを仕込み、内温5℃まで冷却した。滴下ロートにトリメチルクロロシラン22.6g、メチルジクロロシラン119.6gおよびジフェニルジクロロシラン34.2gの混合物を仕込み、フラスコ内へ撹拌しながら2時間かけて滴下した。この間、内温を20℃以下に維持するよう、冷却を続けた。滴下終了後、さらに内温20℃で撹拌を4時間続けて熟成した後、静置して分離した塩酸水層を除去し、10%炭酸ナトリウム水溶液を添加して5分間撹拌後、静置して分離した水層を除去した。その後、さらにイオン交換水で3回洗浄し、トルエン層が中性になったことを確認した。このトルエン溶液を減圧下内温120℃まで加熱してトルエンと低沸分を除去した後、濾過により不溶物を取り除いてシリコーン化合物B−2を得た。
【0177】
合成例−3
水452.8gとトルエン120gを仕込み、トリメチルクロロシラン21.7g、メチルジクロロシラン23.0g、ジメチルジクロロシラン80.0gおよびジフェニルジクロロシラン32.9gの混合物を滴下した以外は、合成例−2と同様に操作して、シリコーン化合物B−3を得た。
【0178】
合成例−4
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン100.7g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン60.1g、オクタメチルシクロテトラシロキサン129.8g、オクタフェニルシクロテトラシロキサン143.8gおよびフェニルトリメトキシシラン99.1gを仕込み、さらに濃硫酸25.0gを添加し、水13.8gを滴下した以外は、合成例−1と同様に操作して、シリコーン化合物B−4を得た。
【0179】
合成例−5
水454.9gとトルエン140gを仕込み、ジメチルクロロシラン47.3g、メチルジクロロシラン34.5g、ジメチルジクロロシラン1.4g、ジフェニルジクロロシラン11.3gおよびフェニルトリクロロシラン63.5gの混合物を滴下した以外は、合成例−2と同様に操作して、シリコーン化合物B−5を得た。
【0180】
合成例−6
ヘキサメチルジシロキサン26.0g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン57.7g、オクタメチルシクロテトラシロキサン26.1gおよびジフェニルジメトキシシラン456.3gを仕込み、さらに濃硫酸25.0gを添加し、水34.3gを滴下した以外は、合成例−1と同様に操作して、シリコーン化合物B−6を得た。
【0181】
合成例−7
ヘキサメチルジシロキサン81.2g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン30.1g、オクタメチルシクロテトラシロキサン129.8gおよびジフェニルジメトキシシラン317.7gを仕込み、さらに濃硫酸25.0gを添加し、水23.9gを滴下した以外は、合成例−1と同様に操作して、シリコーン化合物B−7を得た。
【0182】
合成例−8
水511.3gとトルエン120gを仕込み、ジメチルクロロシラン14.8g、メチルジクロロシラン17.9g、ジメチルジクロロシラン112.7gおよびジフェニルジクロロシラン19.7gの混合物を滴下した以外は、合成例−2と同様に操作して、シリコーン化合物B−8を得た。
【0183】
合成例−9
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン6.7g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン60.1gおよびジフェニルジメトキシシラン533.9gを仕込み、さらに濃硫酸40.0gを添加し、水40.2gを滴下した以外は、合成例−1と同様に操作して、シリコーン化合物B−9を得た。
B−1:合成例−1に従って作成したSi−H量が0.49mol/100g、芳香族基量が50重量%、屈折率が1.5313のシリコーン化合物。
B−2:合成例−2に従って作成したSi−H量が1.00mol/100g、芳香族基量が20重量%、屈折率が1.4480のシリコーン化合物。
B−3:合成例−3に従って作成したSi−H量が0.20mol/100g、芳香族基量が20重量%、屈折率が1.4502のシリコーン化合物。
B−4:合成例−4に従って作成したSi−H量が0.50mol/100g、芳香族基量が30重量%、屈折率が1.4750のシリコーン化合物。
B−5:合成例−5に従って作成したSi−H量が0.80mol/100g、芳香族基量が30重量%、屈折率が1.4770のシリコーン化合物。
B−6:合成例−6に従って作成したSi−H量が0.20mol/100g、芳香族基量が60重量%、屈折率が1.5583のシリコーン化合物。
B−7:合成例−7に従って作成したSi−H量が0.10mol/100g、芳香族基量が40重量%、屈折率が1.4970のシリコーン化合物。
B−8:合成例−8に従って作成したSi−H量が0.31mol/100g、芳香族基量が12重量%、屈折率が1.4188のシリコーン化合物。
B−9:合成例−9に従って作成したSi−H量が0.22mol/100g、芳香族基量が67重量%、屈折率が1.5839のシリコーン化合物。
【0184】
(B)成分以外
合成例−10
ヘキサメチルジシロキサン97.4g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン180.4gおよびオクタメチルシクロテトラシロキサン222.5gを仕込み、さらに濃硫酸25.0gを添加し、水を滴下しなかった以外は、合成例−1と同様に操作して、シリコーン化合物B−10を得た。
【0185】
合成例−11
ヘキサメチルジシロキサン39.9g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン14.8g、オクタメチルシクロテトラシロキサン200.6gおよびジフェニルジメトキシシラン300.6gを仕込み、さらに濃硫酸25.0gを添加し、水22.6gを滴下した以外は、合成例−1と同様に操作して、シリコーン化合物B−11を得た。
【0186】
合成例−12
水560.6gとトルエン140gを仕込み、ジメチルクロロシラン18.9g、メチルジクロロシラン126.5gおよびジフェニルジクロロシラン25.3gの混合物を滴下した以外は、合成例−2と同様に操作して、シリコーン化合物B−12を得た。
【0187】
合成例−13
水560.6gとトルエン130gを仕込み、トリメチルクロロシラン21.2g、メチルジクロロシラン52.3g、ジメチルジクロロシラン83.9gおよびフェニルトリクロロシラン13.8gの混合物を滴下した以外は、合成例−2と同様に操作して、シリコーン化合物B−13を得た。
【0188】
合成例−14
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン39.0gおよびジフェニルジメトキシシラン566.9gを仕込み、さらに濃硫酸25.0gを添加し、水42.6gを滴下した以外は、合成例−1と同様に操作して、シリコーン化合物B−14を得た。
B−10(比較):合成例−10に従って作成したSi−H量が0.60mol/100g、芳香族基量が0重量%、屈折率が1.3956のシリコーン化合物。
B−11(比較):合成例−11に従って作成したSi−H量が0.05mol/100g、芳香族基量が38重量%、屈折率が1.4915のシリコーン化合物。
B−12(比較):合成例−12に従って作成したSi−H量が1.31mol/100g、芳香族基量が16重量%、屈折率が1.4419のシリコーン化合物。
B−13(比較):合成例−13に従って作成したSi−H量が0.45mol/100g、芳香族基量が5重量%、屈折率が1.4106のシリコーン化合物。
B−14(比較):合成例−14に従って作成したSi−H量が0.12mol/100g、芳香族基量が72重量%、屈折率が1.5875のシリコーン化合物。
【0189】
<各シリコーン化合物の示性式>
B−1 : M2H 252Dφ2 16.5
B−2 : M2H 10Dφ2 1.3
B−3 : M2H 26.2Dφ2 1.3
B−4 : MH 3H 23.5Dφ2 1.45Tφ1
B−5 : MH 5H 30.107Dφ2 0.445Tφ3
B−6 : M2H 62.2Dφ2 11.67
B−7 : M2H 13.5Dφ2 2.6
B−8 : MH 2H 211.2Dφ2 1
B−9 : MH 2H 20Dφ2 43.7
B−10 : M2H 55 (比較)
B−11 : M2H 111Dφ2 5 (比較)
B−12 : MH 2H 11Dφ2 1 (比較)
B−13 : M3H 710Tφ1 (比較)
B−14 : MH 2Dφ2 8 (比較)
【0190】
尚、上記示性式における各記号は以下のシロキサン単位を表し、各記号の係数は1分子中における各シロキサン単位の重合度を示す。
M :(CH33SiO1/2
H : H(CH32SiO1/2
D :(CH32SiO
H : H(CH3)SiO
Dφ2 :(C652SiO
Tφ :(C65)SiO3/2
【0191】
(C)成分
C−1:2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ジクミル)(日本油脂(株)製 ノフマーBC)
C−2:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ化学工業(株)製 メガファックF−114P)
C−3:ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム塩(ユーシービージャパン製 KSS)
【0192】
【表1】
Figure 0003779622
【0193】
【表2】
Figure 0003779622
【0194】
【表3】
Figure 0003779622
【0195】
【表4】
Figure 0003779622
【0196】
【表5】
Figure 0003779622
【0197】
これらの表から以下のことが明らかである。実施例と比較例との比較から、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は、着色時の染色性、レーザーマーキングにより文字やマークを印字した時の文字やマークの鮮明性に優れ、更には、本発明のシリコーン化合物が添加されることによって着火後からドリップに至るまでの時間が長く燃焼時の樹脂のドリップ防止性にも優れていることが分かる。
【0198】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物は、ドリップ防止剤としてシリコーン化合物を主に含有し、良好なドリップ防止性能を有し、かつ着色時の染色性、レーザーマーキングにより文字やマークを印字した時の文字やマークの鮮明性にも優れるものである。かかる特性は従来の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂にはないものであり、かかる樹脂組成物は射出成形等の高温での溶融時にも高い熱安定性を併せ持つ。したがって、OA機器分野、電気電子機器分野などの各種工業用途に極めて有用であり、その奏する工業的効果は極めて大である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aromatic polycarbonate resin composition. More specifically, the flame-retardant aromatic polycarbonate system has excellent dyeability during coloring, sharpness of characters and marks when laser-marked characters and marks are printed, and excellent resin drip prevention during combustion. The present invention relates to a resin composition.
[0002]
[Prior art]
Aromatic polycarbonate resins such as aromatic polycarbonate resins, aromatic polycarbonate resins / styrene resin alloys, and aromatic polycarbonate resins / aromatic polyester resin alloys can be molded in a variety of ways using simple and highly productive processing methods such as injection molding. It is formed into a product and used in a wide range of industrial fields. In addition, flame retardant aromatic polycarbonate resin compositions in which halogen compounds and phosphorus compounds are added to aromatic polycarbonate resins are used in PCs, notebook computers, laser beam printers, ink jet printers, and copiers, where there is a strong demand for flame resistance. -Used for exterior members and internal parts such as OA equipment such as FAX machines and home appliances. In this application, in addition to the flame retardancy of the resin composition, the dyeability when the colorant is added to the resin composition that reflects the glossiness, hue, sharpness, uniformity, etc. of the molded product, the molded product Emphasis is placed on the sharpness of characters and marks when the characters and marks are printed by laser marking as a method of performing marking of desired characters, symbols, designs, etc. on the surface with ease and high speed with high reproducibility. However, on the other hand, flame retardant aromatic polycarbonate resin compositions that replace these flame retardants have been developed and are being used in the products listed above. Examples of the purpose of changing the flame retardant include suppression of generation of a corrosive gas at the time of molding or improvement of product recyclability.
[0003]
Examples of flame retardants that can replace the flame retardants listed above include silicone compounds. In recent years, a flame retardant resin composition in which a silicone compound is blended with an aromatic polycarbonate resin has been intensively studied and various proposals have been made.
[0004]
For example, a method of blending an alkali (earth) metal salt of perfluoroalkanesulfonic acid with an organic siloxane having an alkoxy group, a vinyl group and a phenyl group in a polycarbonate resin (JP-A-6-306265), and a perfluoroalkane in a polycarbonate resin. A method of blending an alkali metal salt or alkaline earth metal salt of sulfonic acid with an organopolysiloxane containing an organoxysilyl group bonded to a silicon atom via a divalent hydrocarbon group (JP-A-6-336547), etc. Has been proposed.
[0005]
Further, a method of blending a specific petroleum heavy oil or pitches and a silicone compound into a resin component (Japanese Patent Laid-Open No. 9-169914), and a non-silicone resin having an aromatic ring is represented by the formula R2SiO1.0And units represented by RSiO1.5A method of blending a silicone resin having a unit represented by the formula (1) and having a weight average molecular weight of 10,000 or more and 270,000 or less (JP-A-10-139964) has been proposed.
[0006]
However, the above-mentioned proposed polycarbonate resin composition cannot be said to have sufficient dyeability during coloring and sharpness of characters and marks when characters or marks are printed by laser marking. For example, since the polycarbonate resin composition proposed above has low sensitivity to laser light, it requires high energy when printing characters and marks on a molded product by laser marking, and the resulting marking characters have insufficient contrast. It becomes a dark brown character that is difficult to identify and darker than printed characters. Further, the proposed polycarbonate resin composition is not sufficiently flame retardant. For example, in the case of a thin wall, a drip is produced and the UL standard 94 V-0 rank cannot be achieved.
[0007]
On the other hand, JP-B-60-38419 specifically describes a resin composition comprising an aromatic polycarbonate resin, an organic alkali metal salt, and poly (methyl hydrogen siloxane). However, such resin compositions exhibit poor dispersion such as peeling on the surface of the molded product, and dyeability when a colorant is added to the resin composition that reflects the glossiness, hue, sharpness, uniformity, etc. of the molded product. Was not enough.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a flame retardant aromatic polycarbonate resin composition. More specifically, the flame-retardant aromatic polycarbonate system has excellent dyeability during coloring, sharpness of characters and marks when laser-marked characters and marks are printed, and excellent resin drip prevention during combustion. The object is to provide a resin composition.
[0009]
As a result of intensive research aimed at achieving the above-mentioned object, the present inventors have combined a specific amount of an aromatic polycarbonate-based resin and a specific silicone compound to achieve the desired dyeability at the time of coloring, laser marking, Discovered that a flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition excellent in character and mark sharpness when printed with marks and also excellent in resin drip prevention during combustion can be obtained and reached the present invention did.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, aromatic polycarbonate resin (A-1 component) is 100 to 50% by weight, styrene resin (A-2 component) is 0 to 50% by weight, and / or aromatic polyester resin (A-3 component) is 0 to 50%. A silicone compound containing a Si-H group and an aromatic group in a molecule with respect to 100 parts by weight of an aromatic polycarbonate resin (A) consisting of% by weight,
(1) The amount of Si—H group contained (Si—H amount) is 0.1 to 1.2 mol / 100 g,
(2) The ratio (aromatic group amount) of the aromatic group represented by the following general formula (1) is 10 to 70% by weight,
[0011]
[Chemical formula 5]
Figure 0003779622
[0012]
(In formula (1), each X independently represents an OH group and a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms. N represents an integer of 0 to 5. Further, in formula (1), n is 2). In these cases, different types of X can be taken.)
[0013]
(3) Refractive index at 25 ° C. of 1.40 to 1.60,
This relates to a flame retardant aromatic polycarbonate resin composition comprising 0.1 to 10 parts by weight of at least one silicone compound (B) selected from the silicone compounds.
[0014]
Of the aromatic polycarbonate resins in (A) of the present invention, the aromatic polycarbonate resin used as the component A-1 is usually a reaction between a dihydric phenol and a carbonate precursor by an interfacial polycondensation method or a melt transesterification method. In addition to those obtained by the above-mentioned process, a carbonate prepolymer obtained by polymerizing by a solid phase transesterification method or a polymer obtained by polymerizing by a ring-opening polymerization method of a cyclic carbonate compound.
[0015]
Representative examples of the dihydric phenol used here include hydroquinone, resorcinol, 4,4′-dihydroxydiphenyl, bis (4-hydroxyphenyl) methane, bis {(4-hydroxy-3,5-dimethyl). Phenyl} methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -1-phenylethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (commonly referred to as bisphenol A) ), 2,2-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} propane, 2,2-bis {(4-hydroxy-3,5-dimethyl) phenyl} propane, 2,2-bis {(3 -Isopropyl-4-hydroxy) phenyl} propane, 2,2-bis {(4-hydroxy-3-phenyl) phenyl} propane, 2 2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3-methylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3-dimethylbutane, 2,4- Bis (4-hydroxyphenyl) -2-methylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) pentane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -4-methylpentane, 1,1-bis (4- Hydroxyphenyl) cyclohexane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -4-isopropylcyclohexane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethylcyclohexane, 9,9-bis (4 -Hydroxyphenyl) fluorene, 9,9-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} fluorene, α, α'-bis ( -Hydroxyphenyl) -o-diisopropylbenzene, α, α'-bis (4-hydroxyphenyl) -m-diisopropylbenzene, α, α'-bis (4-hydroxyphenyl) -p-diisopropylbenzene, 1,3- Bis (4-hydroxyphenyl) -5,7-dimethyladamantane, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfone, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfoxide, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfide, 4,4′-dihydroxydiphenyl ketone 4,4′-dihydroxydiphenyl ether, 4,4′-dihydroxydiphenyl ester, etc., and these can be used alone or in admixture of two or more.
[0016]
Among them, bisphenol A, 2,2-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} propane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3 -Methylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3-dimethylbutane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -4-methylpentane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) A homopolymer or copolymer obtained from at least one bisphenol selected from the group consisting of 3,3,5-trimethylcyclohexane and α, α′-bis (4-hydroxyphenyl) -m-diisopropylbenzene In particular, a homopolymer of bisphenol A and 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethyl Copolymers of rucyclohexane and bisphenol A, 2,2-bis {(4-hydroxy-3-methyl) phenyl} propane or α, α'-bis (4-hydroxyphenyl) -m-diisopropylbenzene are preferably used. Is done.
[0017]
As the carbonate precursor, carbonyl halide, carbonate ester, haloformate or the like is used, and specific examples include phosgene, diphenyl carbonate, dihaloformate of dihydric phenol, and the like.
[0018]
In producing polycarbonate resin by reacting the above dihydric phenol and carbonate precursor by interfacial polycondensation method or melt transesterification method, catalyst, terminal terminator, dihydric phenol antioxidant, etc., as necessary May be used. The polycarbonate resin may be a branched polycarbonate resin copolymerized with a trifunctional or higher polyfunctional aromatic compound, or may be a polyester carbonate resin copolymerized with an aromatic or aliphatic difunctional carboxylic acid, Moreover, the mixture which mixed 2 or more types of the obtained polycarbonate resin may be sufficient.
[0019]
Examples of the trifunctional or higher polyfunctional aromatic compound include phloroglucin, phloroglucid, or 4,6-dimethyl-2,4,6-tris (4-hydroxydiphenyl) heptene-2, 2,4,6-trimethyl-2. , 4,6-tris (4-hydroxyphenyl) heptane, 1,3,5-tris (4-hydroxyphenyl) benzene, 1,1,1-tris (4-hydroxyphenyl) ethane, 1,1,1- Tris (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) ethane, 2,6-bis (2-hydroxy-5-methylbenzyl) -4-methylphenol, 4- {4- [1,1-bis (4- Hydroxyphenyl) ethyl] benzene} -α, α-dimethylbenzylphenol and other trisphenols, tetra (4-hydroxyphenyl) methane, bis (2,4-dihi And droxyphenyl) ketone, 1,4-bis (4,4-dihydroxytriphenylmethyl) benzene, trimellitic acid, pyromellitic acid, benzophenonetetracarboxylic acid, and acid chlorides thereof. Among these, 1,1 1,1-tris (4-hydroxyphenyl) ethane and 1,1,1-tris (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) ethane are preferable, and 1,1,1-tris (4-hydroxyphenyl) ethane is particularly preferable. Is preferred.
[0020]
When a polyfunctional compound that yields such a branched polycarbonate resin is included, the proportion is 0.001 to 1 mol%, preferably 0.005 to 0.5 mol%, particularly preferably 0.01, based on the total amount of the aromatic polycarbonate. -0.3 mol%. In particular, in the case of the melt transesterification method, a branched structure may occur as a side reaction. The amount of the branched structure is also 0.001 to 1 mol%, preferably 0.005 to 0.005% in the total amount of the aromatic polycarbonate. 5 mol%, particularly preferably 0.01 to 0.3 mol% is preferable. About this ratio1It is possible to calculate by H-NMR measurement.
[0021]
The reaction by the interfacial polycondensation method is usually a reaction between a dihydric phenol and phosgene, and is reacted in the presence of an acid binder and an organic solvent. As the acid binder, for example, an alkali metal hydroxide such as sodium hydroxide or potassium hydroxide or an amine compound such as pyridine is used. As the organic solvent, for example, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and chlorobenzene are used. In order to accelerate the reaction, a catalyst such as a tertiary amine such as triethylamine, tetra-n-butylammonium bromide or tetra-n-butylphosphonium bromide, a quaternary ammonium compound or a quaternary phosphonium compound may be used. it can. At that time, the reaction temperature is usually 0 to 40 ° C., the reaction time is preferably about 10 minutes to 5 hours, and the pH during the reaction is preferably maintained at 9 or more.
[0022]
In such a polymerization reaction, a terminal stopper is usually used. Monofunctional phenols can be used as such end terminators. Monofunctional phenols are generally used as end terminators for molecular weight control, and such monofunctional phenols are generally phenol or lower alkyl-substituted phenols represented by the following general formula (5): Monofunctional phenols can be indicated.
[0023]
[Chemical 6]
Figure 0003779622
[0024]
(In the formula, A is a hydrogen atom, a linear or branched alkyl group having 1 to 9 carbon atoms or a phenyl group-substituted alkyl group, and r is an integer of 1 to 5, preferably 1 to 3.)
[0025]
Specific examples of the monofunctional phenols include phenol, p-tert-butylphenol, p-cumylphenol and isooctylphenol.
[0026]
In addition, as other monofunctional phenols, phenols or benzoic acid chlorides having a long chain alkyl group or an aliphatic polyester group as a substituent, or long chain alkyl carboxylic acid chlorides can also be shown. Among these, phenols having a long-chain alkyl group represented by the following general formulas (6) and (7) as a substituent are preferably used.
[0027]
[Chemical 7]
Figure 0003779622
[0028]
[Chemical 8]
Figure 0003779622
[0029]
Wherein X is —R—O—, —R—CO—O— or —R—O—CO—, wherein R is a single bond or a carbon number of 1 to 10, preferably 1 to 5; A valent aliphatic hydrocarbon group, and n represents an integer of 10 to 50.)
As such substituted phenols of the general formula (6), those having n of 10 to 30, particularly 10 to 26 are preferable. Specific examples thereof include decylphenol, dodecylphenol, tetradecylphenol, hexadecylphenol, octadecylphenol, Examples include eicosylphenol, docosylphenol, and triacontylphenol.
[0030]
Further, as the substituted phenols of the general formula (7), a compound in which X is —R—CO—O— and R is a single bond is suitable, and those in which n is 10 to 30, particularly 10 to 26. Specific examples thereof include decyl hydroxybenzoate, dodecyl hydroxybenzoate, tetradecyl hydroxybenzoate, hexadecyl hydroxybenzoate, eicosyl hydroxybenzoate, docosyl hydroxybenzoate and triacontyl hydroxybenzoate. Moreover, you may use a terminal terminator individually or in mixture of 2 or more types.
[0031]
The reaction by the melt transesterification method is usually a transesterification reaction between a dihydric phenol and a carbonate ester, and the alcohol or phenol produced by mixing the dihydric phenol and the carbonate ester with heating in the presence of an inert gas. Is carried out by distilling the water. The reaction temperature varies depending on the boiling point of the alcohol or phenol produced, but is usually in the range of 120 to 350 ° C. Later in the reaction, the system is 1.33 × 10ThreeDistillation of alcohol or phenol produced by reducing the pressure to about ˜13.3 Pa is facilitated. The reaction time is usually about 1 to 4 hours.
[0032]
Examples of the carbonate ester include esters such as an optionally substituted aryl group having 6 to 10 carbon atoms, an aralkyl group, or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms. Specific examples include diphenyl carbonate, bis (chlorophenyl) carbonate, dinaphthyl carbonate, bis (diphenyl) carbonate, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, and dibutyl carbonate. Among them, diphenyl carbonate is preferable.
[0033]
A polymerization catalyst can be used to increase the polymerization rate. Examples of such polymerization catalyst include sodium hydroxide, potassium hydroxide, sodium salt of dihydric phenol, alkali metal compounds such as potassium salt, calcium hydroxide, Alkaline earth metal compounds such as barium hydroxide and magnesium hydroxide, nitrogen-containing basic compounds such as tetramethylammonium hydroxide, tetraethylammonium hydroxide, trimethylamine and triethylamine, alkoxides of alkali metals and alkaline earth metals, alkali metals And organic earth salts of alkaline earth metals, zinc compounds, boron compounds, aluminum compounds, silicon compounds, germanium compounds, organotin compounds, lead compounds, osmium compounds, antimony compounds, manganese compounds, H Emission compounds, usually the esterification reaction, such as zirconium compounds, there can be used a catalyst used in the transesterification reaction. A catalyst may be used independently and may be used in combination of 2 or more type. The amount of these polymerization catalysts used is preferably 1 × 10 with respect to 1 mol of dihydric phenol as a raw material.-8~ 1x10-3Equivalent weight, more preferably 1 × 10-7~ 5x10-FourIt is selected in the range of equivalents.
[0034]
In the polymerization reaction, in order to reduce phenolic end groups, for example, bis (chlorophenyl) carbonate, bis (bromophenyl) carbonate, bis (nitrophenyl) carbonate, bis ( Compounds such as phenylphenyl) carbonate, chlorophenylphenyl carbonate, bromophenylphenyl carbonate, nitrophenylphenyl carbonate, phenylphenyl carbonate, methoxycarbonylphenylphenyl carbonate and ethoxycarbonylphenylphenyl carbonate can be added. Of these, 2-chlorophenyl phenyl carbonate, 2-methoxycarbonylphenyl phenyl carbonate and 2-ethoxycarbonylphenyl phenyl carbonate are preferable, and 2-methoxycarbonylphenyl phenyl carbonate is particularly preferably used.
[0035]
Furthermore, it is preferable to use a deactivator that neutralizes the activity of the catalyst in such a polymerization reaction. Specific examples of the deactivator include, for example, benzene sulfonic acid, p-toluene sulfonic acid, methyl benzene sulfonate, ethyl benzene sulfonate, butyl benzene sulfonate, octyl benzene sulfonate, phenyl benzene sulfonate, p-toluene sulfone. Sulfonic acid esters such as methyl acid, ethyl p-toluenesulfonate, butyl p-toluenesulfonate, octyl p-toluenesulfonate, phenyl p-toluenesulfonate; trifluoromethanesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, sulfonated polystyrene , Methyl acrylate-sulfonated styrene copolymer, dodecylbenzenesulfonate-2-phenyl-2-propyl, dodecylbenzenesulfonate-2-phenyl-2-butyl, octylsulfonate tetrabutylphospho Salts, tetrabutylphosphonium decylsulfonate, tetrabutylphosphonium benzenesulfonate, tetraethylphosphonium dodecylbenzenesulfonate, tetrabutylphosphonium dodecylbenzenesulfonate, tetrahexylphosphonium dodecylbenzenesulfonate, tetradecylbenzenesulfonate tetra Octyl phosphonium salt, decyl ammonium butyl sulfate, decyl ammonium decyl sulfate, dodecyl ammonium methyl sulfate, dodecyl ammonium ethyl sulfate, dodecyl methyl ammonium methyl sulfate, dodecyl dimethyl ammonium tetradecyl sulfate, tetradecyl dimethyl ammonium methyl sulfate, tetramethyl ammonium hexyl sulfate Over DOO, decyl trimethyl ammonium hexadecyl sulfate, tetrabutylammonium dodecylbenzyl sulfate, tetraethylammonium dodecylbenzyl sulfate, there may be mentioned compounds such as tetramethylammonium dodecylbenzyl sulfate, and the like. Two or more of these compounds can be used in combination.
[0036]
Among the quenching agents, those of phosphonium salt or ammonium salt type are preferred. The amount of the deactivator is preferably 0.5 to 50 mol with respect to 1 mol of the remaining catalyst, and more preferably 0.01 to 500 ppm with respect to the polycarbonate resin after polymerization. Is used in a proportion of 0.01 to 300 ppm, particularly preferably 0.01 to 100 ppm.
[0037]
The molecular weight of the polycarbonate resin is not specified, but if the viscosity average molecular weight is less than 10,000, the high temperature characteristics and the like deteriorate, and if it exceeds 50,000, the moldability decreases, so that the viscosity average molecular weight is 10, Those of 4,000 to 50,000 are preferred, those of 14,000 to 30,000 are more preferred, and more preferably 14,000 to 24,000. Further, two or more kinds of polycarbonate resins may be mixed. In this case, it is naturally possible to mix a polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight outside the above range.
[0038]
In particular, a mixture with a polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight exceeding 50,000 is preferable because it has a high anti-drip ability and exhibits the effect of the present invention more efficiently. More preferred is a mixture with a polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight of 80,000 or more, and further preferred is a mixture with a polycarbonate resin having a viscosity average molecular weight of 100,000 or more. That is, those having a clear distribution of two peaks by a method such as GPC (gel permeation chromatography) can be preferably used.
[0039]
The viscosity average molecular weight referred to in the present invention is first determined by using an Ostwald viscometer from a solution in which 0.7 g of a polycarbonate resin is dissolved in 100 ml of methylene chloride at 20 ° C., as calculated by the following formula:
Specific viscosity (ηSP) = (T−t0) / T0
[T0Is the drop time of methylene chloride, t is the drop time of the sample solution]
The obtained specific viscosity is inserted by the following equation to determine the viscosity average molecular weight M.
[0040]
ηSP/C=[η]+0.45×[η]2c (where [η] is the intrinsic viscosity)
[Η] = 1.23 × 10-FourM0.83
c = 0.7
[0041]
The A-1 component aromatic polycarbonate of the present invention is the above aromatic polycarbonate resin and substantially does not contain a halogen atom. The phrase “substantially free of halogen atoms” means that the molecule does not contain halogen-substituted dihydric phenols, etc., and includes trace amounts of chlorinated solvents and carbonate precursors remaining in the above aromatic polycarbonate production method. Not what you want.
[0042]
Among the aromatic polycarbonate resins in (A) of the present invention, the styrene resin used as the component A-2 is a styrene monomer and other vinyl monomers copolymerizable with these if necessary. It is a styrenic resin obtained by polymerizing at least one selected from a polymer and a rubbery polymer.
[0043]
Examples of the styrene monomer used in the styrene resin component include styrene, α-methyl styrene, o-methyl styrene, p-methyl styrene, vinyl xylene, ethyl styrene, dimethyl styrene, p-tert-butyl styrene, vinyl. Styrene derivatives such as naphthalene, methoxystyrene, monobromostyrene, dibromostyrene, fluorostyrene, tribromostyrene and the like, with styrene being particularly preferred. Furthermore, these can be used alone or in combination of two or more.
[0044]
Other vinyl monomers copolymerizable with the styrenic monomer include vinyl cyanide compounds such as acrylonitrile and methacrylonitrile, aryl esters of acrylic acid such as phenyl acrylate and benzyl acrylate, methyl acrylate, and ethyl acrylate. Alkyl esters of acrylic acid such as propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, octyl acrylate, cyclohexyl acrylate, dodecyl acrylate, aryl methacrylates such as phenyl methacrylate, benzyl methacrylate, methyl methacrylate, ethyl Methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate Methacrylic acid alkyl esters such as 2-ethylhexyl methacrylate, octyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, and dodecyl methacrylate, epoxy group-containing methacrylic acid esters such as glycidyl methacrylate, maleimides such as maleimide, N-methylmaleimide, and N-phenylmaleimide And α, β-unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, maleic anhydride, phthalic acid and itaconic acid, and anhydrides thereof.
[0045]
Examples of the rubbery polymer copolymerizable with the styrenic monomer include polybutadiene, polyisoprene, styrene / butadiene random copolymer and block copolymer, acrylonitrile / butadiene copolymer, alkyl acrylate ester or methacrylic ester. Copolymers of acid alkyl esters and butadiene, diene copolymers such as butadiene / isoprene copolymers, ethylene / propylene random copolymers and block copolymers, ethylene / butene random copolymers and block copolymers Copolymers of ethylene and α-olefin, etc., ethylene / methacrylate copolymers, copolymers of ethylene and unsaturated carboxylic esters such as ethylene / butyl acrylate copolymers, ethylene / vinyl acetate copolymers, etc. Of ethylene and aliphatic vinyl Polymer, ethylene / propylene / hexadiene copolymer, etc., ethylene / propylene / non-conjugated diene terpolymer, acrylic rubber such as polybutyl acrylate, and polyorganosiloxane rubber component and polyalkyl (meth) acrylate rubber component Examples thereof include composite rubber (hereinafter referred to as IPN type rubber) having a structure in which they are intertwined so that they cannot be separated.
[0046]
Examples of the styrene resin include polystyrene, styrene / butadiene / styrene copolymer (SBS), hydrogenated styrene / butadiene / styrene copolymer (hydrogenated SBS), hydrogenated styrene / isoprene / styrene copolymer (SEPS). ), High impact polystyrene (HIPS), acrylonitrile / styrene copolymer (AS resin), acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer (ABS resin), methyl methacrylate / butadiene / styrene copolymer (MBS resin), methyl methacrylate・ Acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer (MABS resin), acrylonitrile / acrylic rubber / styrene copolymer (AAS resin), acrylonitrile / ethylene propylene rubber / styrene copolymer (AES resin) and styrene / I N-type rubber copolymer resin or a mixture thereof. Such a styrenic thermoplastic resin may have high stereoregularity such as syndiotactic polystyrene by using a catalyst such as a metallocene catalyst at the time of production. Further, in some cases, polymers and copolymers having a narrow molecular weight distribution, block copolymers, and polymers and copolymers having high stereoregularity obtained by methods such as anion living polymerization and radical living polymerization are used. It is also possible. Among these, polystyrene (PS), high impact polystyrene (HIPS), acrylonitrile / styrene copolymer (AS resin), methyl methacrylate / butadiene / styrene copolymer (MBS resin), acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer (MB) ABS resin) is preferred, and ABS resin is most preferred. It is also possible to use a mixture of two or more styrene resins.
[0047]
The ABS resin is a mixture of a thermoplastic graft copolymer obtained by graft polymerization of a vinyl cyanide compound and an aromatic vinyl compound on a diene rubber component, and a copolymer of a vinyl cyanide compound and an aromatic vinyl compound. As the diene rubber component forming this ABS resin, for example, a rubber having a glass transition point of 10 ° C. or less such as polybutadiene, polyisoprene, and styrene-butadiene copolymer is used, and the ratio thereof is 100% by weight of the ABS resin component. It is preferably 5 to 80% by weight, particularly preferably 10 to 50% by weight. Examples of the vinyl cyanide compound grafted onto the diene rubber component include those described above, and acrylonitrile is particularly preferably used. As the aromatic vinyl compound grafted onto the diene rubber component, those described above can be used as well, and styrene and α-methylstyrene are particularly preferably used. The ratio of the component grafted to the diene rubber component is preferably 95 to 20% by weight, particularly preferably 50 to 90% by weight, based on 100% by weight of the ABS resin component. Further, it is preferable that the vinyl cyanide compound is 5 to 50% by weight and the aromatic vinyl compound is 95 to 50% by weight with respect to 100% by weight of the total amount of the vinyl cyanide compound and the aromatic vinyl compound. Further, methyl (meth) acrylate, ethyl acrylate, maleic anhydride, N-substituted maleimide and the like can be mixed and used for a part of the components grafted to the diene rubber component, and the content ratio thereof is in the ABS resin component. What is 15 weight% or less is preferable. Furthermore, conventionally well-known various things can be used for the initiator, serial transfer agent, emulsifier, etc. which are used by reaction as needed.
[0048]
In the ABS resin, the rubber particle diameter is preferably 0.1 to 5.0 μm, more preferably 0.3 to 3.0 μm, and particularly preferably 0.4 to 1.5 μm. The rubber particle diameter distribution can be either a single distribution or a rubber particle having a plurality of peaks of two or more, and the rubber particles form a single phase in the morphology. Alternatively, it may have a salami structure by containing an occluded phase around the rubber particles, but preferably has a large proportion of rubber particles forming a single phase.
[0049]
In addition, it is well known that the ABS resin contains a vinyl cyanide compound and an aromatic vinyl compound that are not grafted on the diene rubber component, and the ABS resin of the present invention is free from the occurrence of such polymerization. The polymer component may be contained. The molecular weight of the copolymer composed of such free vinyl cyanide compound and aromatic vinyl compound is preferably 0.2 to 1.0, more preferably 0.25 to 0.5 in terms of reduced viscosity.
[0050]
The proportion of the grafted vinyl cyanide compound and aromatic vinyl compound is preferably 20 to 200%, more preferably 20 to 70%, relative to the diene rubber component.
[0051]
This ABS resin may be produced by any of bulk polymerization, suspension polymerization, and emulsion polymerization, and the copolymerization method may be one-stage copolymerization or multistage copolymerization. Moreover, what blended the vinyl compound polymer obtained by copolymerizing an aromatic vinyl compound and a vinyl cyanide component separately to the ABS resin obtained by this manufacturing method can also be used preferably.
[0052]
Of the aromatic polycarbonate resins in (A) of the present invention, the aromatic polyester resin used as the component A-3 mainly comprises an aromatic dicarboxylic acid or a reactive derivative thereof, and a diol or an ester derivative thereof. It is a polymer or copolymer obtained by a condensation reaction as a component.
[0053]
As the aromatic dicarboxylic acid here, terephthalic acid, isophthalic acid, orthophthalic acid, 1,5-naphthalenedicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 4,4′-biphenyldicarboxylic acid, 4,4′-biphenyl ether Dicarboxylic acid, 4,4′-biphenylmethane dicarboxylic acid, 4,4′-biphenylsulfone dicarboxylic acid, 4,4′-biphenylisopropylidenedicarboxylic acid, 1,2-bis (phenoxy) ethane-4,4′-dicarboxylic acid Aromatic dicarboxylic acids such as acid, 2,5-anthracene dicarboxylic acid, 2,6-anthracene dicarboxylic acid, 4,4′-p-terphenylene dicarboxylic acid, and 2,5-pyridinedicarboxylic acid are preferably used. In particular, terephthalic acid and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid can be preferably used.
[0054]
Aromatic dicarboxylic acids may be used as a mixture of two or more. In addition, if the amount is small, it is also possible to use a mixture of one or more aliphatic dicarboxylic acids such as adipic acid, azelaic acid, sebacic acid and dodecanediic acid, and alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid, etc. together with the dicarboxylic acid. .
Examples of the diol that is a component of the aromatic polyester of the present invention include ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, hexylene glycol, neopentyl glycol, pentamethylene glycol, hexamethylene glycol, decamethylene glycol, 2-methyl-1, Contains aromatic diols such as 2,2-bis (β-hydroxyethoxyphenyl) propane, aliphatic diols such as 3-propanediol, diethylene glycol and triethylene glycol, alicyclic diols such as 1,4-cyclohexanedimethanol Diols and the like, and mixtures thereof. If the amount is even smaller, one or more long-chain diols having a molecular weight of 400 to 6,000, that is, polyethylene glycol, poly-1,3-propylene glycol, polytetramethylene glycol, and the like may be copolymerized.
[0055]
The aromatic polyester of the present invention can be branched by introducing a small amount of a branching agent. Although there is no restriction | limiting in the kind of branching agent, Trimesic acid, trimellitic acid, a trimethylol ethane, a trimethylol propane, a pentaerythritol, etc. are mentioned.
[0056]
Specific aromatic polyester resins include polyethylene terephthalate (PET), polypropylene terephthalate, polybutylene terephthalate (PBT), polyhexylene terephthalate, polyethylene naphthalate (PEN), polybutylene naphthalate (PBN), polyethylene-1, In addition to 2-bis (phenoxy) ethane-4,4′-dicarboxylate and the like, copolymerized polyesters such as polyethylene isophthalate / terephthalate, polybutylene terephthalate / isophthalate, and the like, and mixtures thereof can be preferably used. Among these, polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate using ethylene glycol as the diol component are preferable in terms of balance of thermal properties and mechanical properties, and further, 50% of polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate are used in 100% by weight of the aromatic polyester resin. Those having a weight% or more are preferred, and those having a polyethylene terephthalate content of 50% by weight or more are particularly preferred. In addition, polybutylene terephthalate and polybutylene naphthalate using butylene glycol as the diol component are preferably balanced in moldability and mechanical properties, and the polybutylene terephthalate / polyethylene terephthalate ratio is 2 to 10 in terms of weight ratio. preferable.
[0057]
Further, the terminal group structure of the obtained aromatic polyester resin is not particularly limited, and may be a case where the ratio of one of the hydroxyl groups and the carboxyl group in the terminal group is large other than the case where the ratio is almost the same. . Moreover, those terminal groups may be sealed by reacting a compound having reactivity with such terminal groups.
[0058]
As for the method for producing such an aromatic polyester resin, a dicarboxylic acid component and the diol component are polymerized while heating in the presence of a polycondensation catalyst containing titanium, germanium, antimony, etc., as a by-product, according to a conventional method. It is carried out by discharging water or lower alcohol out of the system. Examples of germanium-based polymerization catalysts include germanium oxides, hydroxides, halides, alcoholates, phenolates, and the like, and more specifically, germanium oxide, germanium hydroxide, germanium tetrachloride, tetramethoxygermanium, and the like. Can be illustrated.
[0059]
At that time, compounds such as manganese, zinc, calcium, magnesium, etc., used in the transesterification reaction, which is a pre-stage of conventionally known polycondensation, can be used together, and phosphoric acid or phosphorous acid after completion of the transesterification reaction It is also possible to deactivate the catalyst and perform polycondensation with the above compound.
[0060]
The molecular weight of the aromatic polyester resin is not particularly limited, but the intrinsic viscosity measured at 25 ° C. using o-chlorophenol as a solvent is 0.4 to 1.2, preferably 0.65 to 1.15.
[0061]
A blending ratio of the aromatic polycarbonate resin (A-1 component) and the styrene resin (A-2 component) and / or the aromatic polyester resin (A-3 component) in the aromatic polycarbonate resin composition (A) of the present invention. Is 100 to 50% by weight of aromatic polycarbonate resin, preferably 99.5 to 60% by weight, when the total amount of aromatic polycarbonate resin and styrene resin and / or aromatic polyester resin is 100% by weight. The aromatic polyester resin is 0 to 50% by weight, preferably 0.5 to 40% by weight. When the blending ratio of the aromatic polycarbonate resin (A-1) is less than 50% by weight, that is, when the blending ratio of the styrene resin (A-2) and / or the aromatic polyester resin (A-3) is more than 50% by weight. Since the flame retardancy is insufficient, it is not preferable.
[0062]
The silicone compound used as the component (B) of the present invention is a silicone compound having a specific Si—H bond. That is,
A silicone compound containing a Si—H group and an aromatic group in the molecule,
(1) The amount of Si—H group contained (Si—H amount) is 0.1 to 1.2 mol / 100 g,
(2) The ratio (aromatic group amount) of the aromatic group represented by the following general formula (1) is 10 to 70% by weight,
[0063]
[Chemical 9]
Figure 0003779622
[0064]
(In formula (1), each X independently represents an OH group and a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms. N represents an integer of 0 to 5. Further, in formula (1), n is 2). In these cases, different types of X can be taken.)
[0065]
(3) Refractive index at 25 ° C. of 1.40 to 1.60,
At least one silicone compound (B) selected from the following silicone compounds:
[0066]
Preferably, as the Si—H bond-containing unit, at least selected from silicone compounds containing a structural unit represented by at least one of the structural units represented by the following general formulas (2) and (3) One or more silicone compounds.
[0067]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003779622
[0068]
Embedded image
Figure 0003779622
[0069]
(In Formula (2) and Formula (3), Z1~ ZThreeEach independently represents a hydrogen atom, a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms, or a compound represented by the following general formula (4). α1 to α3 each independently represents 0 or 1. m1 represents an integer of 0 or more. Further, in the formula (3), when m1 is 2 or more, the repeating unit can take a plurality of repeating units different from each other. )
[0070]
Embedded image
Figure 0003779622
[0071]
(In formula (4), ZFour~ Z8Each independently represents a hydrogen atom or a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms. α4 to α8 each independently represents 0 or 1. m2 represents an integer of 0 or more. Further, in the formula (4), when m2 is 2 or more, the repeating unit can take a plurality of repeating units different from each other. )
[0072]
More preferably, when M is a monofunctional siloxane unit, D is a bifunctional siloxane unit, and T is a trifunctional siloxane unit, it is a silicone compound comprising MD units or MDT units.
[0073]
Z of the structural unit represented by the general formulas (2), (3) and (4)1~ Z8And a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms in X of the general formula (1), such as an alkyl group such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a hexyl group and a decyl group, a cyclohexyl group Cycloalkyl groups, alkenyl groups such as vinyl groups and allyl groups, aryl groups such as phenyl groups and tolyl groups, and aralkyl groups, and these groups include epoxy groups, carboxyl groups, carboxylic anhydride groups, amino groups. It may contain various functional groups such as a group and a mercapto group. More preferably, it is a C1-C8 alkyl group, an alkenyl group, or an aryl group, and especially a C1-C4 alkyl group, such as a methyl group, an ethyl group, and a propyl group, a vinyl group, or a phenyl group is preferable.
[0074]
Among the structural units represented by the general formulas (2) and (3), when the silicone compound includes at least one structural unit represented by the formula, when it has a plurality of repeating units of siloxane bonds, they are randomly shared. Any form of polymerization, block copolymerization and tapered copolymerization can be employed.
[0075]
In the present invention, in the silicone compound as the component (B), the amount of Si—H in the silicone compound is required to be in the range of 0.1 to 1.2 mol / 100 g. Since the amount of Si—H is in the range of 0.1 to 1.2 mol / 100 g, Si—H groups react with each other at the time of laser irradiation to generate hydrogen gas, and foam and foam on the surface of the molded product. The sharpness of the mark increases. More preferably, it is a silicone compound having a Si-H amount in the range of 0.2 to 1.0 mol / 100 g. When the amount of Si-H is less than 0.1 mol / 100 g, foaming at the surface layer of the molded product is insufficient and the sharpness of characters and marks is insufficient. When the amount is more than 1.2 mol / 100 g, the thermal stability of the composition is increased. descend.
[0076]
Further, the Si-H amount referred to here means the number of moles of the Si-H structure contained per 100 g of the silicone compound. This is the volume of hydrogen gas generated per unit weight of the silicone compound by the alkali decomposition method. It can be determined by measuring. For example, when 122 ml of hydrogen gas is generated per gram of silicone compound at 25 ° C., the Si—H amount is 0.5 mol / 100 g according to the following calculation formula.
[0077]
122 × 273 / (273 + 25) ÷ 22400 × 100≈0.5
On the other hand, in an aromatic polycarbonate resin composition in which a silicone compound is blended with an aromatic polycarbonate resin, in order to suppress the occurrence of defects such as peeling on the surface of the molded article, insufficient gloss of the molded article, poor hue, and unevenness. The dispersion state of the silicone compound is important. This is because when the silicone compound is unevenly distributed, it is difficult to obtain a molded product that does not peel, has a glossy feeling, has a stable hue, is uniform, and has good dyeability during coloring. An important factor for determining such a dispersion state is the amount of aromatic groups in the silicone compound.
[0078]
From this viewpoint, the silicone compound of the present invention is required to have an aromatic group amount in the range of 10 to 70% by weight in the silicone compound. More preferred is a silicone compound having an aromatic group content in the range of 15 to 60% by weight. When the amount of the aromatic group in the silicone compound is less than 10% by weight, the silicone compound is unevenly distributed, resulting in poor dispersion and it becomes difficult to obtain a molded product having good dyeability. If the amount of the aromatic group is more than 70% by weight, the rigidity of the molecule of the silicone compound itself becomes high, so that it is unevenly distributed and poorly dispersed, making it difficult to obtain a molded product with good dyeability.
[0079]
In addition, the amount of aromatic group herein refers to the ratio of the aromatic group represented by the following general formula (1) in the silicone compound, and can be determined by the following calculation formula.
[0080]
Embedded image
Figure 0003779622
[0081]
Aromatic group amount = [A / M] x 100 (wt%)
Here, A and M in the above formula represent the following numerical values, respectively.
[0082]
A = total molecular weight of the aromatic group moiety represented by the general formula (1) contained in one molecule of the silicone compound
M = molecular weight of silicone compound
[0083]
Furthermore, the silicone compound of the present invention is required to have a refractive index in the range of 1.40 to 1.60 at 25 ° C. More preferred is a silicone compound having a refractive index in the range of 1.42 to 1.59, and most preferred is a range of 1.44 to 1.59. If the refractive index is less than 1.40, the difference between the refractive index of the aromatic polycarbonate resin and the refractive index of the silicone compound becomes large, and even if the silicone compound is finely dispersed in the aromatic polycarbonate resin, it becomes cloudy and is colored. It becomes difficult to be dyed. Even if the refractive index is larger than 1.60, the difference between the refractive index of the aromatic polycarbonate resin and the refractive index of the silicone compound becomes large, and even if the silicone compound is finely dispersed in the aromatic polycarbonate resin, it becomes cloudy and colored. Sometimes it becomes difficult to dye.
[0084]
The silicone compound containing the structural unit represented by the above general formula may be linear or branched as long as the above conditions are satisfied, and the Si—H group is included in the molecular structure. It is possible to use various compounds having any of a side chain, a terminal, a branch point, or a plurality of sites.
[0085]
Generally, the structure of a silicone compound is constituted by arbitrarily combining the following four types of siloxane units.
M unit: (CHThree)ThreeSiO1/2, H (CHThree)2SiO1/2, H2(CHThree) SiO1/2, (CHThree)2(CH2= CH) SiO1/2, (CHThree)2(C6HFive) SiO1/2, (CHThree) (C6HFive) (CH2= CH) SiO1/2Monofunctional siloxane units such as
D unit: (CHThree)2SiO, H (CHThree) SiO, H2SiO, H (C6HFive) SiO, (CHThree) (CH2= CH) SiO, (C6HFive)2Bifunctional siloxane units such as SiO
T unit: (CHThree) SiO3/2, (CThreeH7) SiO3/2, HSiO3/2, (CH2= CH) SiO3/2, (C6HFive) SiO3/2Trifunctional siloxane units such as
Q unit: SiO2A tetrafunctional siloxane unit represented by
[0086]
Specifically, the structure of the silicone compound used in the present invention is represented by the formula Dn, Tp, MmDn, MmTp, MmQq, MmDnTp, MmDnQq, MmTpQq, MmDnTpQq, DnTp, DnQq, DnTpQqIs mentioned. Among these, the structure of a preferable silicone compound is MmDn, MmTp, MmDnTp, MmDnQqAnd a more preferred structure is MmDn, MmDnTpIt is.
(Here, the coefficients m, n, p, q in the above formula are integers representing the degree of polymerization of each siloxane unit, and the sum of the coefficients in each formula is the average degree of polymerization of the silicone compound. In the invention, the average degree of polymerization is preferably in the range of 3 to 150, more preferably in the range of 3 to 80. When any of m, n, p, and q is a numerical value of 2 or more The siloxane unit with the coefficient can be two or more siloxane units having different hydrogen atoms and organic residues to be bonded.)
Said silicone compound may be used independently, respectively and may be used in combination of 2 or more type.
[0087]
Such a silicone compound having a Si—H bond can be produced by a method known per se. For example, the target product can be obtained by cohydrolyzing the corresponding organochlorosilanes according to the structure of the target silicone compound and removing by-product hydrochloric acid and low-boiling components. In the case where the starting material is a silicone oil having a Si—H bond or an aromatic group represented by the general formula (1) in the molecule, other organic residues, cyclic siloxane or alkoxysilane, hydrochloric acid, sulfuric acid , By using an acid catalyst such as methanesulfonic acid, and optionally adding water for hydrolysis to advance the polymerization reaction, and then removing the used acid catalyst and low-boiling components in the same manner. A silicone compound can be obtained.
[0088]
The silicone compound as the component (B) is 0.1 to 10 parts by weight, preferably 0.5 to 7 parts by weight, more preferably 1.2 parts per 100 parts by weight of the aromatic polycarbonate resin as the component (A). -5 parts by weight is blended.
[0089]
The resin composition of the present invention may further contain at least one compound selected from a radical generator, an organic alkali metal salt, and an organic alkaline earth metal salt as component (C). By blending the component (C), flame retardancy can be further improved, and in particular, drip prevention is improved. (C) The compounding quantity of component is 0.001-0.3 weight part with respect to 100 weight part of aromatic polycarbonate resin (A component), Preferably it is 0.005-0.3 weight part, More preferably, it is 0. A range of 0.005 to 0.2 parts by weight is suitable.
[0090]
Examples of the radical generator used as the component (C) of the present invention include organic peroxides such as 2,5-dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexyne-3 and dicumyl peroxide, 2,3-dimethyl-2,3-diphenylbutane (dicumyl) and the like are listed, and these are commercially available under trade names such as Perhexin 25B, Parkmill D, and NOFMER BC manufactured by NOF Corporation. In particular, those that generate as little radicals as possible at the time of melt kneading and that generate stable radicals to some extent at the time of combustion are preferred, so 2,3-dimethyl-2,3-diphenylbutane (dicumyl) is more preferred as a radical generator. be able to.
[0091]
As the alkali metal salt and alkaline earth metal salt used as the component (C) of the present invention, various metal salts conventionally used for flame-retarding polycarbonate resins can be used. Mention may be made, for example, of metal salts of sulfonic acids or of metal sulfates. These may be used alone or in combination of two or more. The alkali metal of the present invention includes lithium, sodium, potassium, rubidium and cesium, and the alkaline earth metal includes beryllium, magnesium, calcium, strontium and barium, particularly preferably lithium, sodium, Potassium.
[0092]
Examples of the metal salt of organic sulfonic acid include alkali metal salt of aliphatic sulfonic acid, alkaline earth metal salt of aliphatic sulfonic acid, alkali metal salt of aromatic sulfonic acid, alkaline earth metal salt of aromatic sulfonic acid, etc. Is mentioned. Preferred examples of such aliphatic sulfonic acid metal salts include alkali (earth) alkane sulfonates and alkali sulfonates in which part of the alkyl group of the alkali (earth) alkane sulfonate is substituted with a fluorine atom. (Earth) metal salts and alkali (earth) metal salts of perfluoroalkanesulfonic acid can be mentioned, and these can be used alone or in combination of two or more (where alkali (earth) Class) The term “metal salt” is used to include both alkali metal salts and alkaline earth metal salts).
[0093]
Preferable examples of alkane sulfonic acid used for alkane sulfonic acid alkali (earth) metal salt include methane sulfonic acid, ethane sulfonic acid, propane sulfonic acid, butane sulfonic acid, methylbutane sulfonic acid, hexane sulfonic acid, heptane sulfone. An acid, octanesulfonic acid, etc. are mentioned, These can be used combining 1 type (s) or 2 or more types. In addition, a metal salt in which a part of the alkyl group is substituted with a fluorine atom can also be mentioned.
[0094]
On the other hand, preferred examples of perfluoroalkanesulfonic acid include perfluoromethanesulfonic acid, perfluoroethanesulfonic acid, perfluoropropanesulfonic acid, perfluorobutanesulfonic acid, perfluoromethylbutanesulfonic acid, perfluorohexanesulfonic acid, Examples thereof include perfluoroheptanesulfonic acid and perfluorooctanesulfonic acid, and those having 1 to 8 carbon atoms are particularly preferable. These can be used alone or in combination of two or more.
[0095]
Preferred examples of the alkali (earth) metal salt of alkanesulfonic acid include sodium ethanesulfonate, and preferred examples of the alkali (earth) metal salt of perfluoroalkanesulfonic acid include potassium perfluorobutanesulfonic acid.
[0096]
The aromatic sulfonic acid used in the aromatic (earth) metal salt of aromatic sulfonate includes monomeric or polymeric aromatic sulfide sulfonic acid, aromatic carboxylic acid and ester sulfonic acid, monomeric or polymeric sulfonic acid. Aromatic ether sulfonic acid, aromatic sulfonate sulfonic acid, monomeric or polymeric aromatic sulfonic acid, monomeric or polymeric aromatic sulfonic acid, aromatic ketone sulfonic acid, heterocyclic sulfonic acid, Examples include at least one acid selected from the group consisting of sulfonic acids of aromatic sulfoxides and condensates of methylene type bonds of aromatic sulfonic acids, and these are used alone or in combination of two or more. be able to.
[0097]
Monomer or polymer aromatic sulfite alkali (earth) metal salts of aromatic sulfides are described in JP-A-50-98539, for example, disodium diphenyl sulfide-4,4′-disulfonate. And dipotassium diphenyl sulfide-4,4′-disulfonate.
[0098]
Examples of sulfonic acid alkali (earth) metal salts of aromatic carboxylic acids and esters are described in JP-A No. 50-98540, for example, potassium 5-sulfoisophthalate, sodium 5-sulfoisophthalate, polyethylene terephthalate. And polysodium acid polysulfonate.
[0099]
Monomeric or polymeric aromatic ether sulfonate alkali (earth) metal salts are described in JP-A-50-98542, for example, 1-methoxynaphthalene-4-sulfonate calcium, 4- Disodium dodecylphenyl ether disulfonate, polysodium poly (2,6-dimethylphenylene oxide) polysulfonate, polysodium poly (1,3-phenylene oxide) polysulfonate, polysodium poly (1,4-phenylene oxide) polysulfonate And poly (2,6-diphenylphenylene oxide) polypotassium polysulfonate, poly (2-fluoro-6-butylphenylene oxide) lithium polysulfonate, and the like.
[0100]
Examples of alkali (earth) metal sulfonates of aromatic sulfonates are described in JP-A No. 50-98544, and examples thereof include potassium sulfonate of benzene sulfonate.
[0101]
Monomeric or polymeric aromatic (earth) metal sulfonates are described in JP-A No. 50-98546, for example, sodium benzenesulfonate, strontium benzenesulfonate, magnesium benzenesulfonate, Examples include dipotassium p-benzenedisulfonate, dipotassium naphthalene-2,6-disulfonate, and calcium biphenyl-3,3′-disulfonate.
[0102]
Monomeric or polymeric aromatic sulfonesulfonic acid alkali (earth) metal salts are described in JP-A-52-54746, for example, sodium diphenylsulfone-3-sulfonate, diphenylsulfone-3- Examples thereof include potassium sulfonate, dipotassium diphenyl-3,3′-disulfonate, dipotassium diphenylsulfone-3,4′-disulfonate, and the like.
[0103]
Examples of alkali sulfonate alkali (earth) metal salts of aromatic ketones are described in JP-A No. 50-98547, for example, α, α, α-trifluoroacetophenone-4-sulfonic acid sodium salt, benzophenone-3 , 3'-disulfonic acid dipotassium.
[0104]
Heterocyclic sulfonic acid alkali (earth) metal salts are described in JP-A-50-116542, for example, disodium thiophene-2,5-disulfonate, dipotassium thiophene-2,5-disulfonate. Thiophene-2,5-disulfonate calcium, sodium benzothiophenesulfonate, and the like.
[0105]
Examples of the alkali (earth) metal sulfonate of aromatic sulfoxide are described in JP-A-52-54745, and examples thereof include potassium diphenyl sulfoxide-4-sulfonate.
[0106]
Examples of the condensate obtained by methylene bond of alkali (earth) metal salt of aromatic sulfonate include formalin condensate of sodium naphthalene sulfonate and formalin condensate of sodium anthracene sulfonate.
[0107]
On the other hand, the alkali (earth) metal salt of sulfate ester may include, in particular, the alkali (earth) metal salt of sulfate ester of monovalent and / or polyhydric alcohols. Alcohol sulfates include methyl sulfate, ethyl sulfate, lauryl sulfate, hexadecyl sulfate, polyoxyethylene alkylphenyl ether sulfate, pentaerythritol mono-, di-, tri-, tetra-sulfate, lauric monoglyceride And sulfuric acid ester of palmitic acid monoglyceride, and sulfuric acid ester of stearic acid monoglyceride. The alkali (earth) metal salts of these sulfates are preferably alkali (earth) metal salts of lauryl sulfate.
[0108]
Examples of other alkali (earth) metal salts include alkali (earth) metal salts of aromatic sulfonamides such as saccharin, N- (p-tolylsulfonyl) -p-toluenesulfonimide, N Examples include-(N'-benzylaminocarbonyl) sulfanilimide and alkali (earth) metal salts of N- (phenylcarboxyl) sulfanilimide.
[0109]
Among the alkali (earth) metal salts listed above, more preferable components include alkali (earth) metal salts of aromatic sulfonic acid and alkali (earth) metal salts of perfluoroalkanesulfonic acid.
[0110]
The flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention can contain various thermoplastic resins, additives, and the like as long as the effects of the present invention are exhibited.
[0111]
Examples of other thermoplastic resins include general-purpose plastics represented by polyethylene resin, polypropylene resin, polyacryl styrene resin, polyalkyl methacrylate resin, polyphenylene ether resin, polyacetal resin, polyamide resin, cyclic polyolefin resin, polyarylate Engineering plastics typified by resins (amorphous polyarylate, liquid crystalline polyarylate), so-called super engineering plastics such as polyetheretherketone, polyetherimide, polysulfone, polyethersulfone, polyphenylenesulfide Can be mentioned. Furthermore, thermoplastic elastomers such as olefin thermoplastic elastomers, polyamide thermoplastic elastomers, polyurethane thermoplastic elastomers and the like can also be used.
[0112]
Other various additives include, for example, reinforcing agents (talc, mica, clay, wollastonite, calcium carbonate, glass fiber, glass bead, glass balloon, milled fiber, glass flake, carbon fiber, carbon flake, carbon bead, carbon milled Fiber, metal flake, metal fiber, metal coated glass fiber, metal coated carbon fiber, metal coated glass flake, silica, ceramic particle, ceramic fiber, aramid particle, aramid fiber, polyarylate fiber, graphite, conductive carbon black, various whiskers Flame retardant (halogen, phosphate ester, red phosphorus, metal hydrate, etc.), heat stabilizer, ultraviolet absorber, light stabilizer, mold release agent, lubricant, sliding agent (PTFE particles, etc.) ), Colorant (carbon black, pigments such as titanium oxide) Dyes), light diffusing agents (acrylic crosslinked particles, silicon crosslinked particles, ultrathin glass flakes, calcium carbonate particles, etc.), fluorescent whitening agents, phosphorescent pigments, fluorescent dyes, antistatic agents, flow modifiers, crystal nucleating agents, Inorganic and organic antibacterial agents, photocatalytic antifouling agents (fine particle titanium oxide, fine particle zinc oxide, etc.), impact modifiers typified by graft rubber, infrared absorbers, and photochromic agents can be blended.
[0113]
The flame retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention preferably contains a phosphorus stabilizer as a heat stabilizer. As the phosphorus stabilizer, any of phosphite, phosphonite, and phosphate can be used.
[0114]
Various phosphite stabilizers can be used in the present invention. Specifically, for example, the general formula (8)
[0115]
Embedded image
Figure 0003779622
[0116]
[Wherein R8Is a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group or alkaryl group having 6 to 20 carbon atoms, an aralkyl group having 7 to 30 carbon atoms, or a halo or alkylthio thereof (the alkyl group has 1 to 20 carbon atoms). 30) or a hydroxy substituent, and 3 R8Can be selected to be the same or different from each other, and a cyclic structure can be selected by being derived from dihydric phenols. It is a phosphite compound represented by this.
[0117]
Further, the general formula (9)
[0118]
Embedded image
Figure 0003779622
[0119]
[Wherein R9, RTenAre each a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group or alkylaryl group having 6 to 20 carbon atoms, an aralkyl group having 7 to 30 carbon atoms, a cycloalkyl group having 4 to 20 carbon atoms, and 15 to 15 carbon atoms. 25 of the 2- (4-oxyphenyl) propyl substituted aryl groups are shown. The cycloalkyl group and the aryl group can be selected from those not substituted with an alkyl group or those substituted with an alkyl group. The phosphite compound represented by this can be mentioned.
[0120]
Further, the general formula (10)
[0121]
Embedded image
Figure 0003779622
[0122]
[Wherein R11, R12Is an alkyl group having 12 to 15 carbon atoms. R11And R12Can be selected to be the same or different from each other. The phosphite compound represented by this can be mentioned.
[0123]
Examples of the phosphonite stabilizer include phosphonite compounds represented by the following general formula (11) and phosphonite compounds represented by the following general formula (12).
[0124]
Embedded image
Figure 0003779622
[0125]
Embedded image
Figure 0003779622
[0126]
[Wherein Ar1, Ar2Represents an aryl group or alkylaryl group having 6 to 20 carbon atoms, or a 2- (4-oxyphenyl) propyl-substituted aryl group having 15 to 25 carbon atoms, and 4 Ar1Can be the same or different from each other. Or two Ar2Can be the same or different from each other. ]
[0127]
Preferred examples of the phosphite compound corresponding to the general formula (8) include diphenylisooctyl phosphite, 2,2′-methylenebis (4,6-di-tert-butylphenyl) octyl phosphite, diphenylmono ( Tridecyl) phosphite, phenyl diisodecyl phosphite, phenyl di (tridecyl) phosphite.
[0128]
Preferred examples of the phosphite compound corresponding to the general formula (9) include distearyl pentaerythritol diphosphite, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite, bis (2, 6-di-tert-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol diphosphite, phenylbisphenol A pentaerythritol diphosphite, dicyclohexylpentaerythritol diphosphite, etc., preferably distearyl pentaerythritol diphosphite, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite, bis (2,6-di-tert-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol diphosphite. That. Such phosphite compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0129]
Preferable specific examples of the phosphite compound corresponding to the general formula (10) include 4,4'-isopropylidenediphenol tetratridecyl phosphite.
[0130]
Preferred examples of the phosphonite compound corresponding to the general formula (11) include tetrakis (2,4-di-iso-propylphenyl) -4,4′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,4-di-). n-butylphenyl) -4,4′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4,4′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,4-di-tert- Butylphenyl) -4,3′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -3,3′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,6-di-iso-propylphenyl) ) -4,4'-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,6-di-n-butylphenyl) -4,4 ' Biphenylene diphosphonite, tetrakis (2,6-di-tert-butylphenyl) -4,4'-biphenylenediphosphonite, tetrakis (2,6-di-tert-butylphenyl) -4,3'-biphenylenedi Examples thereof include phosphonite, tetrakis (2,6-di-tert-butylphenyl) -3,3′-biphenylenediphosphonite, tetrakis (di-tert-butylphenyl) -biphenylenediphosphonite is preferred, and tetrakis ( 2,4-di-tert-butylphenyl) -biphenylenediphosphonite is more preferred. The tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -biphenylenediphosphonite is preferably a mixture of two or more, specifically tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4,4. '-Biphenylenediphosphonite (E2-1 component), tetrakis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4,3'-biphenylenediphosphonite (E2-2 component) and tetrakis (2,4- One kind or two or more kinds of di-tert-butylphenyl) -3,3′-biphenylenediphosphonite (component E2-3) can be used in combination, but these three kinds of mixtures are preferable. In the case of three kinds of mixtures, the mixing ratio is preferably in the range of 100: 37 to 64: 4 to 14 by weight ratio of E2-1 component, E2-2 component and E2-3 component, and 100: 40 to 60 : The range of 5-11 is more preferable.
[0131]
Preferable specific examples of the phosphonite compound corresponding to the general formula (12) include bis (2,4-di-iso-propylphenyl) -4-phenyl-phenylphosphonite, bis (2,4-di-n- Butylphenyl) -3-phenyl-phenylphosphonite, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4-phenyl-phenylphosphonite, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -3- Phenyl-phenylphosphonite bis (2,6-di-iso-propylphenyl) -4-phenyl-phenylphosphonite, bis (2,6-di-n-butylphenyl) -3-phenyl-phenylphosphonite, bis (2,6-di-tert-butylphenyl) -4-phenyl-phenylphosphonite, bis (2,6-di-tert-butyl) Benzyl) -3-phenyl-phenylphosphonite and the like, bis (di-tert-butylphenyl) -phenyl-phenylphosphonite is preferred, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -phenyl-phenyl Phosphonite is more preferred. The bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -phenyl-phenylphosphonite is preferably a mixture of two or more, specifically, bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -4- One or two of phenyl-phenylphosphonite and bis (2,4-di-tert-butylphenyl) -3-phenyl-phenylphosphonite can be used in combination. It is a mixture. In the case of two kinds of mixtures, the mixing ratio is preferably in the range of 5: 1 to 4 by weight, and more preferably in the range of 5: 2 to 3.
[0132]
On the other hand, as a phosphate stabilizer, tributyl phosphate, trimethyl phosphate, tricresyl phosphate, triphenyl phosphate, trichlorophenyl phosphate, triethyl phosphate, diphenyl cresyl phosphate, diphenyl monoorthoxenyl phosphate, tributoxyethyl phosphate, dibutyl phosphate, Dioctyl phosphate, diisopropyl phosphate and the like can be mentioned, and trimethyl phosphate is preferred.
[0133]
As a more preferable phosphorus stabilizer with respect to said phosphorus stabilizer, the compound shown by the following general formula (13) and (14) can be mentioned.
[0134]
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Figure 0003779622
[0135]
(In formula (13), R13And R14Each represents an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group. )
[0136]
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Figure 0003779622
[0137]
(In formula (14), R15, R16, R17, R18, Rtwenty one, Rtwenty twoAnd Rtwenty threeEach represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group;19Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, and R20Represents a hydrogen atom or a methyl group. )
[0138]
In formula (13), preferably R13And R14Is an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, more preferably an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms. Specific examples of the compound of the formula (13) include tris (dimethylphenyl) phosphite, tris (diethylphenyl) phosphite, tris (di-iso-propylphenyl) phosphite, tris (di-n-butylphenyl) phosphite. Phyto, Tris (2,4-di-tert-butylphenyl) phosphite, Tris (2,6-di-tert-butylphenyl) phosphite, Tris (2,6-di-tert-butylphenyl) phosphite, etc. In particular, tris (2,6-di-tert-butylphenyl) phosphite is preferable.
[0139]
On the other hand, the phosphorus compound of the formula (14) can be produced by a known method. For example, there is a method of reacting a bisphenol compound represented by the following general formula (15) with phosphorus trichloride to obtain the corresponding phosphoric chloride, and then reacting it with a phenol represented by the following general formula (16). .
[0140]
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Figure 0003779622
[0141]
(In formula (15), R15, R16, R17And R18Each represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group;19Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, and R20Represents a hydrogen atom or a methyl group. )
[0142]
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Figure 0003779622
[0143]
(In formula (16), Rtwenty one, Rtwenty twoAnd Rtwenty threeEach represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group. )
[0144]
Specific examples of the compound of the general formula (15) include 2,2′-methylenebisphenol, 2,2′-methylenebis (4-methylphenol), 2,2′-methylenebis (6-methylphenol), 2, 2'-methylenebis (4,6-dimethylphenol), 2,2'-ethylidenebisphenol, 2,2'-ethylidenebis (4-methylphenol), 2,2'-isopropylidenebisphenol, 2,2'-methylenebis (4-methyl-6-tert-butylphenol), 2,2′-methylenebis (4-ethyl-6-tert-butylphenol), 2,2′-methylenebis (4,6-di-tert-butylphenol), 2, 2'-methylenebis (4-methyl-6-cyclohexylphenol), 2,2'-dihydroxy-3,3'-di α-methylcyclohexyl) -5,5′-dimethylphenylmethane, 2,2′-methylenebis (6-α-methyl-benzyl-p-cresol), 2,2′-ethylidene-bis (4,6-di-) tert-butylphenol), 2,2-butylidene-bis (4-methyl-6-tert-butylphenol), and the like, which can be preferably used.
[0145]
More preferably, the compound of the general formula (15) is 2,2′-methylenebis (4-methyl-6-tert-butylphenol), 2,2′-methylenebis (4-ethyl-6-tert-butylphenol), 2, 2'-methylenebis (4,6-di-tert-butylphenol), 2,2'-ethylidene-bis (4,6-di-tert-butylphenol), and 2,2'-butylidene-bis (4-methyl- 6-tert-butylphenol).
[0146]
On the other hand, specific examples of the compound of the general formula (16) include phenol, 2-methylphenol, 3-methylphenol, 4-methylphenol, 2,4-dimethylphenol, 2,6-dimethylphenol, 2-tert- Butyl-4-methylphenol, 2,4-di-tert-butylphenol, 2,6-di-tert-butylphenol, 2,6-di-tert-butyl-4-methylphenol, 2,4-dimethyl-6 Examples include tert-butylphenol, 2,6-di-tert-butyl-4-ethylphenol, 2,4,6-tri-tert-butylphenol, and 2,6-di-tert-butyl-4-s-butylphenol. Can be preferably used. More preferred as a specific example of the compound of the general formula (16) is a case having two or more alkyl substituents.
[0147]
The flame retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention can contain a phenolic antioxidant. The phenolic antioxidant can suppress discoloration when exposed to heat and exhibits a certain degree of effect on improving flame retardancy. Various types of such phenolic antioxidants can be used.
[0148]
Specific examples of such phenolic antioxidants include, for example, vitamin E, n-octadecyl-β- (4′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-butylfel) propionate, 2-tert-butyl-6- (3′-tert-butyl-5′-methyl-2′-hydroxybenzyl) -4-methylphenyl acrylate, 2,6-di-tert-butyl-4- (N, N-dimethylaminomethyl) phenol, 3 , 5-Di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate diethyl ester, 2,2'-methylenebis (4-methyl-6-tert-butylphenol), 2,2'-methylenebis (4-ethyl-6-tert- Butylphenol), 4,4'-methylenebis (2,6-di-tert-butylphenol), 2,2'-me Renbis (4-methyl-6-cyclohexylphenol), 2,2′-dimethylene-bis (6-α-methyl-benzyl-p-cresol) 2,2′-ethylidene-bis (4,6-di-tert- Butylphenol), 2,2'-butylidene-bis (4-methyl-6-tert-butylphenol), 4,4'-butylidenebis (3-methyl-6-tert-butylphenol), triethylene glycol-N-bis-3 -(3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl) propionate, 1,6-hexanediol bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, bis [ 2-tert-butyl-4-methyl 6- (3-tert-butyl-5-methyl-2-hydroxybenzyl) fe Ru] terephthalate, 3,9-bis {2- [3- (3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl) propionyloxy] -1,1, -dimethylethyl} -2,4,8, 10-tetraoxaspiro [5,5] undecane, 4,4′-thiobis (6-tert-butyl-m-cresol), 4,4′-thiobis (3-methyl-6-tert-butylphenol), 2, 2′-thiobis (4-methyl-6-tert-butylphenol), bis (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) sulfide, 4,4′-di-thiobis (2,6-di-) tert-butylphenol), 4,4′-tri-thiobis (2,6-di-tert-butylphenol), 2,4-bis (n-octylthio) -6- (4-hydroxy 3 ', 5'-di-tert-butylanilino) -1,3,5-triazine, N, N'-hexamethylenebis- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyhydrocinnamide), N , N′-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyl] hydrazine, 1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxy-5-tert-butylphenyl) ) Butane, 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, tris (3,5-di-tert-butyl-4-) Hydroxyphenyl) isocyanurate, tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) isocyanurate, 1,3,5-tris (4-tert-butyl-3- Hydroxy-2,6-dimethylbenzyl) isocyanurate, 1,3,5-tris 2 [3 (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxy] ethyl isocyanurate, tetrakis [methylene-3 -(3 ', 5'-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] methane can be mentioned and can be preferably used.
[0149]
More preferably, n-octadecyl-β- (4′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-butylfel) propionate, 2-tert-butyl-6- (3′-tert-butyl-5′-methyl) -2'-hydroxybenzyl) -4-methylphenyl acrylate, 3,9-bis {2- [3- (3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl) propionyloxy] -1,1,- Dimethylethyl} -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5,5] undecane and tetrakis [methylene-3- (3 ′, 5′-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] methane Further, n-octadecyl-β- (4′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-butylfel) propionate is preferable.
[0150]
The flame retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention can contain a sulfur antioxidant. It is particularly suitable when molding is used for rotational molding or compression molding. Specific examples of such sulfur-based antioxidants include dilauryl-3,3′-thiodipropionic acid ester, ditridecyl-3,3′-thiodipropionic acid ester, dimyristyl-3,3′-thiodipropionic acid ester. , Distearyl-3,3′-thiodipropionate, laurylstearyl-3,3′-thiodipropionate, pentaerythritol tetra (β-laurylthiopropionate) ester, bis [2-methyl-4 -(3-laurylthiopropionyloxy) -5-tert-butylphenyl] sulfide, octadecyl disulfide, mercaptobenzimidazole, 2-mercapto-6-methylbenzimidazole, 1,1′-thiobis (2-naphthol) and the like. be able to. More preferably, a pentaerythritol tetra ((beta) -lauryl thiopropionate) ester can be mentioned.
[0151]
The phosphorus-based stabilizer, phenol-based antioxidant, and sulfur-based antioxidant listed above can be used alone or in combination of two or more. More preferably, a phosphorus stabilizer is essential, and it is particularly preferable that the phosphorus stabilizer contains the compound of the above general formula (13).
[0152]
As a proportion of these stabilizers in the composition, the phosphorus stabilizer, the phenolic antioxidant, or the sulfurous antioxidant per 100 parts by weight of the flame retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention, respectively. The amount is preferably 0.0001 to 1 part by weight. More preferably, it is 0.0005 to 0.5 parts by weight per 100 parts by weight of the polycarbonate resin composition. More preferably, it is 0.001-0.2 weight part.
[0153]
A release agent can be blended with the flame retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention as necessary. In this invention, since it has favorable flame retardance, even when it is a case where the mold release agent which tends to have a bad influence with respect to a flame retardance is mix | blended, favorable flame retardance can be achieved. Known release agents can be used. For example, saturated fatty acid ester, unsaturated fatty acid ester, polyolefin wax (polyethylene wax, 1-alkene polymer, etc., which may be modified with a functional group-containing compound such as acid modification), silicone compound (the present invention) (B) Other than the component (B), for example, linear or cyclic polydimethylsiloxane oil, polymethylphenyl silicone oil, etc. (modified with a functional group-containing compound such as acid modification can also be used) Fluorine compounds (such as fluorine oil represented by polyfluoroalkyl ether), paraffin wax, beeswax and the like can be mentioned. Among these, saturated fatty acid esters, linear or cyclic polydimethylsiloxane oil, polymethylphenyl silicone oil, and fluorine oil can be mentioned. The release agent is preferably 0.01 to 0.3 parts by weight with respect to 100 parts by weight as a total of the components (A) to (C).
[0154]
Preferable mold release agents include saturated fatty acid esters. For example, monoglycerides such as stearic acid monoglyceride, polyglycerin fatty acid esters such as decaglycerin decastate and decaglycerin tetrastearate, and lower fatty acid esters such as stearic acid stearate. , Higher fatty acid esters such as sebacic acid behenate, and erythritol esters such as pentaerythritol tetrastearate are used.
[0155]
Since the flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention is often used for a housing of OA equipment and the like, it is preferable to contain an ultraviolet absorber. Examples of the ultraviolet absorber include 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-n-octoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-n-dodecyloxybenzophenone, and 2-hydroxy. -4-benzyloxybenzophenone, 2,2'-dihydroxy-4-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxy-2'-carboxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxy-5-sulfoxybenzophenone, 2,2 '-Dihydroxy-4,4'-dimethoxybenzophenone, 2,2', 4,4'-tetrahydroxybenzophenone, 2,2'-dihydroxy-4,4'-dimethoxy-5-sodiumsulfoxybenzophenone, bis ( 5-benzoyl-4-hydroxy 2-methoxyphenyl) benzophenone ultraviolet absorbers typified by methane and the like.
[0156]
Examples of the ultraviolet absorber include 2- (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-5′-tert-butylphenyl) benzotriazole, and 2- (2′-hydroxy). -5'-tert-octylphenyl) benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-di-tert-butylphenyl) benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3', 5'- Di-tert-amylphenyl) benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-3′-dodecyl-5′-methylphenyl) benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-3 ′, 5′-bis (α, α'-dimethylbenzyl) phenylbenzotriazole, 2- [2'-hydroxy-3 '-(3 ", 4", 5 ", 6" -tetraphthal Ruimidomethyl) -5'-methylphenyl] benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-tert-butyl-5'-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3 ' , 5'-di-tert-butylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2,2'methylenebis [4- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) -6- (2H-benzotriazole-2- Yl) phenol], methyl-3- [3-tert-butyl-5- (2H-benzotriazol-2-yl) -4-hydroxyphenylpropionate-benzotriazole ultraviolet rays typified by condensation products with polyethylene glycol An absorbent can be mentioned.
[0157]
Further, examples of the ultraviolet absorber include 2- (4,6-diphenyl-1,3,5-triazin-2-yl) -5-hexyloxy-phenol, 2- (4,6-bis- (2,4 There may be mentioned hydroxyphenyltriazine compounds such as -dimethylphenyl-1,3,5-triazin-2-yl) -5-hexyloxy-phenol.
[0158]
Also, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6, 6-pentamethyl-4-piperidyl) -2- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) -2n-butyl malonate, 1,2,3,4-butanecarboxylic acid and 2,2, Condensate of 6,6-tetramethyl-4-piperidinol and tridecyl alcohol, 1,2,3,4-butanedicarboxylic acid, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidinol and tridecyl alcohol Condensates with tetrakis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) -1,2,3,4-butanetetracarboxylate, tetrakis (1,2,2,6,6-pentamethy -4-piperidyl) -1,2,3,4-butanetetracarboxylate, poly {[6- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) amino-1,3,5-triazine-2,4 -Diyl] [(2,2,6,6-tetramethylpiperidyl) imino] hexamethylene [(2,2,6,6-tetramethylpiperidyl) imino]}, poly {[6-morpholino-s-triazine- 2,4-diyl] [(2,2,6,6-tetramethylpiperidyl) imino] hexamethylene [(2,2,6,6-tetramethylpiperidyl) imino]}, 1,2,3,4- Butanetetracarboxylic acid, 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinol and β, β, β ′, β′-tetramethyl-3,9- (2,4,8,10-tetraoxaspiro [ 5,5] Undecane) Diethano N, N'-bis (3-aminopropyl) ethylenediamine and 2,4-bis [N-butyl-N- (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) amino ] -Chloro-1,3,5-triazine condensate, 1,2,3,4-butanetetracarboxylic acid, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidinol and β, β, β Condensation with ', β'-tetramethyl-3,9- (2,4,8,10-tetraoxaspiro [5,5] undecane) diethanol, polymethylpropyl 3-oxy- [4- (2, A hindered amine-based light stabilizer represented by 2,6,6-tetramethyl) piperidinyl] siloxane can also be blended.
[0159]
The ratio of the ultraviolet absorber and the light stabilizer is 0.01 to 5 parts by weight, more preferably 0.02 to 1 part by weight per 100 parts by weight in total of the components (A) to (C).
[0160]
In addition, the flame retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention can be blended with a bluing agent in order to counteract the yellowishness based on an ultraviolet absorber or the like. Any bluing agent can be used without any problem as long as it is used for polycarbonate resin. In general, anthraquinone dyes are preferred because they are readily available. As a specific bluing agent, for example, the general name SolventViolet 13 [CA. No. (Color Index No.) 60725; Trade names “Macrolex Violet B” manufactured by Bayer, “Diaresin Blue G” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, “Sumiplast Violet B” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.], general name Solvent Violet 31 [CA. No. 68210; Trade name “Diaresin Violet D” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation], generic name Solvent Violet 33 [CA. No. 60725; trade name “Diaresin Blue J” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation], generic name Solvent Blue 94 [CA. No. 61500; trade name “Diaresin Blue N” manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, generic name Solvent Violet 36 [CA. No. 68210; Trade name: “Macrolex Violet 3R” manufactured by Bayer, Inc., generic name: Solvent Blue 97 [trade name: “Macrolex Blue RR” manufactured by Bayer, Inc.], and generic name: Solvent Blue 45 [CA. No. 61110; trade name “Tetrazol Blue RLS” manufactured by Sand Corp.], Macrolex Violet, Triazole Blue RLS, etc. manufactured by Ciba Specialty Chemicals, Inc., Macrolex Blue RR, Macrolex Violet B, and Triazole Blue RLS are particularly preferable. .
[0161]
Arbitrary methods are employ | adopted in order to manufacture the flame-retardant aromatic polycarbonate-type resin composition of this invention. For example, the components (A) to (C) and optionally other components are sufficiently mixed using premixing means such as a V-type blender, a Henschel mixer, a mechanochemical device, an extrusion mixer, etc. Examples thereof include a method of granulating with a vessel or a briquetting machine, followed by melt kneading with a melt kneader typified by a vent type biaxial ruder and pelletizing with a device such as a pelletizer.
[0162]
In addition, a method of supplying the components (A) to (C) and optionally other components independently to a melt-kneader represented by a vent type twin screw rudder, and a part of the components (A) and (C) After premixing, a method of supplying the melted kneader independently from the remaining components, (B) the component is diluted and mixed with water or an organic solvent, and then supplied to the melt kneader, or the diluted mixture is preliminarily mixed with other components. A method of supplying the mixture to a melt kneader after mixing is also included. In addition, when there exists a liquid thing in the component to mix | blend, what is called a liquid injection apparatus or a liquid addition apparatus can be used for supply to a melt kneader.
[0163]
The flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention can be produced in various products by usually injection-molding such pellets to obtain molded products. In such injection molding, not only a normal cold runner type molding method but also a hot runner that enables runnerlessness can be used. Also in the injection molding, not only a normal molding method but also gas assist injection molding, injection compression molding, ultra-high speed injection molding and the like can be used.
[0164]
The flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention can also be used in the form of various shaped extruded products, sheets, films, etc. by extrusion molding. For forming sheets and films, an inflation method, a casting method, or the like can be used. It is also possible to form a heat-shrinkable tube by applying a specific stretching operation. Further, the flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention can be formed into a molded product by rotational molding without melt-kneading.
[0165]
【Example】
The present invention will be further described below with reference to examples, but the present invention is not limited thereto. The following items were evaluated.
(1) Material characteristics
(1- ▲ 1) Drip prevention
A test was performed based on the UL standard 94 using a 1.6 mm-thick test piece prepared according to the UL standard. At that time, the time until reaching the drip after the primary ignition and after the secondary ignition was measured and evaluated by the shortest time (second).
(1- ▲ 2) Dyeability
A square plate-like molded product having a size of 150 mm × 150 mm and a thickness of 2.0 mm was divided into 9 parts, and L values at 9 locations were measured with a color computer TCM-1800, Tokyo Denshoku Industries Co., Ltd. Of the L values measured at nine locations, the value obtained by subtracting the minimum L value from the maximum L value (ΔL) and the appearance of the molded product were visually evaluated according to the following criteria.
[0166]
<Dyeability>
○: Good. No peeling, gloss, good hue, uniform appearance.
X: Defect. Peeling, no gloss, poor hue, non-uniform appearance.
[0167]
(1- ▲ 3 ▼) Laser marking
Minimum current that enables marking by marking a test piece with a thickness of 2.0 mm made according to the UL standard with a scanning speed of 100 mm / sec and a byte size of 30 μm using a laser marker SL475E manufactured by NEC Corporation The value and the sharpness of the mark were visually evaluated according to the following criteria.
○: Good. Visible characters are clearly visible.
X: Defect. Occurrence of blurring on characters.
[0168]
Examples 1 to 23 and Comparative Examples 1 to 20
The resin compositions described in Tables 1 to 5 were prepared as follows. The description will be made according to the symbols in the following table.
[0169]
Each component in the ratios shown in Tables 1 to 5 was weighed, and 0.01 parts by weight of a phosphite antioxidant (IRGAFOS168 manufactured by Ciba Geigy Japan) and 0.01 parts by weight of a phenol antioxidant (IRGANOX 1076 manufactured by Ciba Geigy Japan). , UV absorber (Kemipro Kasei Kogyo Co., Ltd. Chemisorb 79) 0.3 parts by weight, mold release agent (Riken Vitamin Co., Ltd. Riquemar SL900) 0.3 parts by weight weighed uniformly using a tumbler After mixing, the mixture was put into an extruder to prepare a resin composition.
[0170]
As the extruder, a vent type twin screw extruder (Kobe Steel Works KTX-30) having a diameter of 30 mmφ was used. The screw configuration is the first stage kneading zone (consisting of 2 feed kneading discs, 1 feed rotor, 1 return rotor and 1 return kneading disc) before the vent position. Thereafter, a second-stage kneading zone (consisting of a feed rotor × 1 and a return rotor × 1) was provided. The strand was extruded under conditions of a cylinder temperature and a die temperature of 280 ° C. and a vent suction of 3,000 Pa, cooled in a water bath, then cut into a strand with a pelletizer and pelletized.
[0171]
The obtained pellets were dried in a hot air circulating dryer at 110 ° C. for 5 hours, and a test piece was molded at a cylinder temperature of 290 ° C. and a mold temperature of 70 ° C. by an injection molding machine [FANUC T-150D]. .
[0172]
The raw materials used in Tables 1 to 5 are as follows.
(A) component
(A-1 component)
PC-1: Linear polycarbonate resin (an aromatic polycarbonate resin comprising bisphenol A prepared by the phosgene method and p-tert-butylphenol as a terminal terminator. Such an aromatic polycarbonate resin is produced without using an amine catalyst. The ratio of the terminal hydroxyl group in the terminal of the aromatic polycarbonate resin was 10 mol%, and the aromatic polycarbonate resin contained 25 ppm of phosphonite antioxidant [Sandstab P-EPQ manufactured by Sandoz Co.]. (The viscosity average molecular weight was 22,500)
PC-2: Branched aromatic polycarbonate resin (Taflon IB2500 manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd.)
[0173]
(A-2 component)
ABS: Styrene-butadiene-acrylonitrile copolymer (Nihon A & L Co., Ltd. Santac UT-61)
AS: Styrene-acrylonitrile copolymer (Stylac-AS 767 R27, manufactured by Asahi Kasei Corporation)
MBS: Methyl (meth) acrylate-butadiene-styrene copolymer (Kanesu B-56 manufactured by Kaneka Chemical Co., Ltd.)
[0174]
(A-3 component)
PET: Polyethylene terephthalate resin (TR-8580, intrinsic viscosity 0.8 manufactured by Teijin Limited)
PBT: Polybutylene terephthalate resin (TRB-H intrinsic viscosity 1.07 manufactured by Teijin Limited)
[0175]
(B) component
Synthesis Example-1
In a 1 L flask equipped with a stirrer, a cooling device and a thermometer, 15.9 g of hexamethyldisiloxane, 147.3 g of 1,3,5,7-tetramethylcyclotetrasiloxane, 14.5 g of octamethylcyclotetrasiloxane and diphenyldimethoxy 395.1 g of silane was charged, and 25.0 g of concentrated sulfuric acid was added with further stirring. After cooling to an internal temperature of 10 ° C., 29.7 g of water was dropped into the flask over 30 minutes while stirring. During this time, cooling was continued to maintain the internal temperature at 20 ° C. or lower. After completion of the dropwise addition, the mixture was further aged at an internal temperature of 10 to 20 ° C. for 5 hours. Then, 8.5 g of water and 300 g of toluene were added, stirred for 30 minutes, and allowed to stand to remove the separated aqueous layer. Thereafter, it was further washed four times with a 5% aqueous sodium sulfate solution, and it was confirmed that the toluene layer became neutral. This toluene solution was heated to an internal temperature of 120 ° C. under reduced pressure to remove toluene and low-boiling components, and then insoluble materials were removed by filtration to obtain a silicone compound B-1.
[0176]
Synthesis Example-2
A 1 L flask equipped with a stirrer, a cooling device, and a thermometer was charged with 538.2 g of water and 120 g of toluene, and cooled to an internal temperature of 5 ° C. A mixture of 22.6 g of trimethylchlorosilane, 119.6 g of methyldichlorosilane, and 34.2 g of diphenyldichlorosilane was charged into the dropping funnel and dropped into the flask over 2 hours while stirring. During this time, cooling was continued to maintain the internal temperature at 20 ° C. or lower. After completion of the dropwise addition, the mixture was further aged for 4 hours at an internal temperature of 20 ° C., then left to stand to remove the separated hydrochloric acid aqueous layer, added with a 10% aqueous sodium carbonate solution, stirred for 5 minutes, and then left to stand. The separated aqueous layer was removed. Then, it wash | cleaned 3 times with ion-exchange water, and it confirmed that the toluene layer became neutral. This toluene solution was heated to an internal temperature of 120 ° C. under reduced pressure to remove toluene and low-boiling components, and then insoluble materials were removed by filtration to obtain a silicone compound B-2.
[0177]
Synthesis example-3
The same as Synthesis Example 2 except that 452.8 g of water and 120 g of toluene were charged and a mixture of 21.7 g of trimethylchlorosilane, 23.0 g of methyldichlorosilane, 80.0 g of dimethyldichlorosilane and 32.9 g of diphenyldichlorosilane was added dropwise. To obtain a silicone compound B-3.
[0178]
Synthesis example 4
1,1,3,3-tetramethyldisiloxane 100.7 g, 1,3,5,7-tetramethylcyclotetrasiloxane 60.1 g, octamethylcyclotetrasiloxane 129.8 g, octaphenylcyclotetrasiloxane 143.8 g And 93.1 g of phenyltrimethoxysilane, 25.0 g of concentrated sulfuric acid was further added, and 13.8 g of water was added dropwise to operate in the same manner as in Synthesis Example 1 to obtain a silicone compound B-4. .
[0179]
Synthesis example-5
Except that 454.9 g of water and 140 g of toluene were charged and a mixture of 47.3 g of dimethylchlorosilane, 34.5 g of methyldichlorosilane, 1.4 g of dimethyldichlorosilane, 11.3 g of diphenyldichlorosilane and 63.5 g of phenyltrichlorosilane was added dropwise. By operating in the same manner as in Synthesis Example-2, a silicone compound B-5 was obtained.
[0180]
Synthesis Example-6
Charge 26.0 g of hexamethyldisiloxane, 57.7 g of 1,3,5,7-tetramethylcyclotetrasiloxane, 26.1 g of octamethylcyclotetrasiloxane and 456.3 g of diphenyldimethoxysilane, and further add 25.0 g of concentrated sulfuric acid. A silicone compound B-6 was obtained in the same manner as in Synthesis Example 1, except that 34.3 g of water was added dropwise.
[0181]
Synthesis Example-7
Charge 81.2 g of hexamethyldisiloxane, 30.1 g of 1,3,5,7-tetramethylcyclotetrasiloxane, 129.8 g of octamethylcyclotetrasiloxane and 317.7 g of diphenyldimethoxysilane, and further add 25.0 g of concentrated sulfuric acid. A silicone compound B-7 was obtained in the same manner as in Synthesis Example 1 except that 23.9 g of water was added dropwise.
[0182]
Synthesis Example-8
The same as Synthesis Example 2 except that 511.3 g of water and 120 g of toluene were charged and a mixture of 14.8 g of dimethylchlorosilane, 17.9 g of methyldichlorosilane, 112.7 g of dimethyldichlorosilane and 19.7 g of diphenyldichlorosilane was added dropwise. To obtain a silicone compound B-8.
[0183]
Synthesis Example-9
6.7 g of 1,1,3,3-tetramethyldisiloxane, 60.1 g of 1,3,5,7-tetramethylcyclotetrasiloxane and 533.9 g of diphenyldimethoxysilane were added, and 40.0 g of concentrated sulfuric acid was added. Then, a silicone compound B-9 was obtained in the same manner as in Synthesis Example 1 except that 40.2 g of water was added dropwise.
B-1: A silicone compound prepared according to Synthesis Example 1 having a Si—H amount of 0.49 mol / 100 g, an aromatic group amount of 50% by weight, and a refractive index of 1.5313.
B-2: A silicone compound having a Si—H amount of 1.00 mol / 100 g, an aromatic group amount of 20% by weight, and a refractive index of 1.4480 prepared according to Synthesis Example-2.
B-3: A silicone compound prepared according to Synthesis Example 3 and having a Si—H amount of 0.20 mol / 100 g, an aromatic group amount of 20 wt%, and a refractive index of 1.4502.
B-4: A silicone compound prepared according to Synthesis Example 4 having a Si—H amount of 0.50 mol / 100 g, an aromatic group amount of 30 wt%, and a refractive index of 1.4750.
B-5: A silicone compound having an Si—H amount of 0.80 mol / 100 g, an aromatic group amount of 30% by weight, and a refractive index of 1.4770, prepared according to Synthesis Example-5.
B-6: A silicone compound having an Si—H amount of 0.20 mol / 100 g, an aromatic group amount of 60% by weight, and a refractive index of 1.5583, prepared according to Synthesis Example-6.
B-7: A silicone compound prepared according to Synthesis Example-7, having an Si—H amount of 0.10 mol / 100 g, an aromatic group amount of 40 wt%, and a refractive index of 1.4970.
B-8: A silicone compound having an Si—H amount of 0.31 mol / 100 g, an aromatic group amount of 12% by weight, and a refractive index of 1.4188, prepared according to Synthesis Example-8.
B-9: Silicone compound prepared according to Synthesis Example-9 and having a Si—H amount of 0.22 mol / 100 g, an aromatic group amount of 67% by weight, and a refractive index of 1.5839.
[0184]
(B) Other than ingredients
Synthesis Example-10
Charge 97.4 g of hexamethyldisiloxane, 180.4 g of 1,3,5,7-tetramethylcyclotetrasiloxane and 222.5 g of octamethylcyclotetrasiloxane, add 25.0 g of concentrated sulfuric acid, and add water dropwise. A silicone compound B-10 was obtained in the same manner as in Synthesis Example 1 except that the compound was not present.
[0185]
Synthesis Example-11
39.9 g of hexamethyldisiloxane, 14.8 g of 1,3,5,7-tetramethylcyclotetrasiloxane, 200.6 g of octamethylcyclotetrasiloxane and 300.6 g of diphenyldimethoxysilane were added, and 25.0 g of concentrated sulfuric acid was further added. A silicone compound B-11 was obtained in the same manner as in Synthesis Example-1, except that 22.6 g of water was added dropwise.
[0186]
Synthesis example-12
A silicone compound was prepared in the same manner as in Synthesis Example-2 except that 560.6 g of water and 140 g of toluene were charged and a mixture of 18.9 g of dimethylchlorosilane, 126.5 g of methyldichlorosilane and 25.3 g of diphenyldichlorosilane was added dropwise. B-12 was obtained.
[0187]
Synthesis Example-13
The same as Synthesis Example-2 except that 560.6 g of water and 130 g of toluene were charged and a mixture of 21.2 g of trimethylchlorosilane, 52.3 g of methyldichlorosilane, 83.9 g of dimethyldichlorosilane and 13.8 g of phenyltrichlorosilane was added dropwise. To obtain silicone compound B-13.
[0188]
Synthesis Example-14
Synthesis Example 1 except that 39.0 g of 1,1,3,3-tetramethyldisiloxane and 566.9 g of diphenyldimethoxysilane were added, 25.0 g of concentrated sulfuric acid was added, and 42.6 g of water was added dropwise. The same operation was performed to obtain silicone compound B-14.
B-10 (Comparative): A silicone compound prepared according to Synthesis Example-10 having a Si—H amount of 0.60 mol / 100 g, an aromatic group amount of 0 wt%, and a refractive index of 1.3956.
B-11 (comparison): A silicone compound having a Si—H amount of 0.05 mol / 100 g, an aromatic group amount of 38% by weight, and a refractive index of 1.4915, prepared according to Synthesis Example-11.
B-12 (comparative): A silicone compound prepared according to Synthesis Example-12 having a Si—H amount of 1.31 mol / 100 g, an aromatic group amount of 16% by weight, and a refractive index of 1.4419.
B-13 (Comparative): A silicone compound prepared according to Synthesis Example-13 having a Si—H amount of 0.45 mol / 100 g, an aromatic group amount of 5% by weight, and a refractive index of 1.4106.
B-14 (Comparison): A silicone compound prepared according to Synthesis Example-14 having a Si—H amount of 0.12 mol / 100 g, an aromatic group amount of 72 wt%, and a refractive index of 1.5875.
[0189]
<Indication formula of each silicone compound>
B-1: M2DH twenty fiveD22 16.5
B-2: M2DH Ten2 1.3
B-3: M2DH 2D6.22 1.3
B-4: MH ThreeDH 2D3.52 1.451
B-5: MH FiveDH ThreeD0.1072 0.445Three
B-6: M2DH 6D2.22 11.67
B-7: M2DH 1D3.52 2.6
B-8: MH 2DH 2D11.22 1
B-9: MH 2DH 202 43.7
B-10: M2DH FiveDFive(Comparison)
B-11: M2DH 1D112 Five(Comparison)
B-12: MH 2DH 112 1(Comparison)
B-13: MThreeDH 7DTen1(Comparison)
B-14: MH 22 8(Comparison)
[0190]
Each symbol in the above formula represents the following siloxane unit, and the coefficient of each symbol represents the degree of polymerization of each siloxane unit in one molecule.
M: (CHThree)ThreeSiO1/2
MH: H (CHThree)2SiO1/2
D: (CHThree)2SiO
DH: H (CHThree) SiO
2: (C6HFive)2SiO
: (C6HFive) SiO3/2
[0191]
(C) component
C-1: 2,3-dimethyl-2,3-diphenylbutane (Dicumyl) (NOFMER BC manufactured by NOF Corporation)
C-2: Perfluorobutanesulfonic acid potassium salt (Dainippon Ink & Chemicals, Inc. MegaFuck F-114P)
C-3: Potassium salt of diphenyl sulfone sulfonate (KSS manufactured by UCB Japan)
[0192]
[Table 1]
Figure 0003779622
[0193]
[Table 2]
Figure 0003779622
[0194]
[Table 3]
Figure 0003779622
[0195]
[Table 4]
Figure 0003779622
[0196]
[Table 5]
Figure 0003779622
[0197]
From these tables it is clear that: From the comparison between Examples and Comparative Examples, the flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention is excellent in dyeability at the time of coloring, and the clarity of characters and marks when characters and marks are printed by laser marking. Furthermore, it can be seen that by adding the silicone compound of the present invention, the time from ignition to drip is long and the resin has excellent drip prevention properties during combustion.
[0198]
【The invention's effect】
As is clear from the above, the flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition of the present invention mainly contains a silicone compound as an anti-drip agent, has good anti-drip performance, and dyeability during coloring, It is also excellent in the clarity of characters and marks when characters and marks are printed by laser marking. Such characteristics are not present in conventional flame retardant aromatic polycarbonate resins, and such resin compositions have high thermal stability even when melted at high temperatures such as injection molding. Therefore, it is extremely useful for various industrial uses such as the OA equipment field and the electric / electronic equipment field, and the industrial effects exerted thereby are extremely great.

Claims (8)

芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)100〜50重量%、スチレン系樹脂(A−2成分)0〜50重量%および/または芳香族ポリエステル樹脂(A−3成分)0〜50重量%からなる芳香族ポリカーボネート系樹脂(A)100重量部に対して、分子中にSi−H基および芳香族基を含有するシリコーン化合物であって、
▲1▼Si−H基が含まれる量(Si−H量)が0.1〜1.2mol/100g、
▲2▼下記一般式(1)で示される芳香族基が含まれる割合(芳香族基量)が10〜70重量%、
Figure 0003779622
(式(1)中、Xはそれぞれ独立にOH基、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。nは0〜5の整数を表わす。更に式(1)中においてnが2以上の場合はそれぞれ互いに異なる種類のXを取ることができる。)
▲3▼25℃における屈折率が1.40〜1.60、
であるシリコーン化合物の中から選択される少なくとも一種以上のシリコーン化合物(B)0.1〜10重量部を配合してなる難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
Aromatic polycarbonate resin (A-1 component) 100 to 50% by weight, styrene resin (A-2 component) 0 to 50% by weight and / or aromatic polyester resin (A-3 component) 0 to 50% by weight A silicone compound containing Si-H groups and aromatic groups in the molecule with respect to 100 parts by weight of the aromatic polycarbonate resin (A),
(1) The amount of Si—H group contained (Si—H amount) is 0.1 to 1.2 mol / 100 g,
(2) The ratio (aromatic group amount) of the aromatic group represented by the following general formula (1) is 10 to 70% by weight,
Figure 0003779622
(In formula (1), each X independently represents an OH group and a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms. N represents an integer of 0 to 5. Further, in formula (1), n is 2). In these cases, different types of X can be taken.)
(3) Refractive index at 25 ° C. of 1.40 to 1.60,
A flame retardant aromatic polycarbonate-based resin composition comprising 0.1 to 10 parts by weight of at least one silicone compound (B) selected from the following silicone compounds.
(B)成分が、下記一般式(2)および(3)で示される構成単位のうち、少なくとも一種以上の式で示される構成単位を含むシリコーン化合物である請求項1に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
Figure 0003779622
Figure 0003779622
(式(2)および式(3)中、Z1〜Z3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の一価の有機残基、または下記一般式(4)で示される化合物を示す。α1〜α3はそれぞれ独立に0または1を表わす。m1は0もしくはそれ以上の整数を表わす。更に式(2)中においてm1が2以上の場合の繰返し単位はそれぞれ互いに異なる複数の繰返し単位を取ることができる。)
Figure 0003779622
(式(4)中、Z4〜Z8はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。α4〜α8はそれぞれ独立に0または1を表わす。m2は0もしくはそれ以上の整数を表わす。更に式(4)中においてm2が2以上の場合の繰返し単位はそれぞれ互いに異なる複数の繰返し単位を取ることができる。)
The flame retardant fragrance according to claim 1, wherein the component (B) is a silicone compound containing at least one structural unit represented by the formula among the structural units represented by the following general formulas (2) and (3). Group polycarbonate-based resin composition.
Figure 0003779622
Figure 0003779622
(In formula (2) and formula (3), Z 1 to Z 3 each independently represent a hydrogen atom, a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms, or a compound represented by the following general formula (4). Α1 to α3 each independently represents 0 or 1. m1 represents an integer of 0 or more, and in formula (2), when m1 is 2 or more, the repeating units each represent a plurality of different repeating units. Can be taken.)
Figure 0003779622
(In formula (4), Z 4 to Z 8 each independently represents a hydrogen atom or a monovalent organic residue having 1 to 20 carbon atoms. Α 4 to α 8 each independently represents 0 or 1. m 2 represents 0. (In addition, in the formula (4), when m2 is 2 or more, the repeating unit may take a plurality of repeating units different from each other.)
(B)成分がMD単位またはMDT単位からなるシリコーン化合物である請求項1または2のいずれか1項に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物(ただし、Mは1官能性シロキサン単位、Dは2官能性シロキサン単位、Tは3官能性シロキサン単位である)。The flame retardant aromatic polycarbonate resin composition according to any one of claims 1 and 2, wherein (B) component is a silicone compound comprising MD units or MDT units (where M is a monofunctional siloxane unit, D is a bifunctional siloxane unit and T is a trifunctional siloxane unit). (B)成分における▲1▼Si−H量が0.2〜1.0mol/100gである請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。The flame-retardant aromatic polycarbonate resin composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the amount of Si-H in component (B) is 0.2 to 1.0 mol / 100 g. (B)成分における▲2▼芳香族基量が15〜60重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。The flame retardant aromatic polycarbonate resin composition according to any one of claims 1 to 4, wherein the amount of aromatic group (2) in component (B) is 15 to 60% by weight. (B)成分における▲3▼25℃における屈折率が1.42〜1.59である請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。(3) The flame retardant aromatic polycarbonate resin composition according to any one of claims 1 to 5, wherein the component (B) has a refractive index of 1.42 to 1.59 at 25 ° C. 芳香族ポリカーボネート系樹脂(A)100重量部に対して、ラジカル発生剤、有機アルカリ金属塩、および有機アルカリ土類金属塩より選ばれる少なくとも一種以上の化合物(C)0.001〜0.3重量部を更に配合してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。0.001 to 0.3 weight of at least one compound (C) selected from a radical generator, an organic alkali metal salt, and an organic alkaline earth metal salt with respect to 100 parts by weight of the aromatic polycarbonate resin (A). The flame-retardant aromatic polycarbonate-type resin composition of any one of Claims 1-6 formed by further mix | blending a part. 請求項1に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物より形成された成形品。A molded article formed from the flame retardant aromatic polycarbonate resin composition according to claim 1.
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